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特許7587176情報提供装置、情報提供方法及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/36 20190101AFI20241113BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20241113BHJP
【FI】
G06F16/36
G06Q10/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023149630
(22)【出願日】2023-09-14
【審査請求日】2023-09-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 智之
(72)【発明者】
【氏名】杉山 真義
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-280346(JP,A)
【文献】国際公開第2020/031739(WO,A1)
【文献】特開2021-036408(JP,A)
【文献】特開2005-338970(JP,A)
【文献】特開2001-134590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象事項を示し複数の環境で共通して使用される共通用語と、同一の対象事項を示し且つ特定の環境で使用される複数の特定用語とを対応づけて記憶する記憶部と、
共通用語又は特定用語のいずれかの入力を受け付け、共通用語が入力された場合には、入力された前記共通用語に対応して前記記憶部に記憶される少なくとも一つの特定用語を出力し、特定用語が入力された場合には、入力された前記特定用語に対応して前記記憶部に記憶される共通用語か他の特定用語かを出力する制御部と、
を備え
前記環境は、領域、施設、組織又はデータベースを示す、情報提供装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記特定用語毎に、前記特定用語が使用される環境を示す情報を対応付けてさらに記憶し、
前記制御部は、前記特定用語を出力する場合に、前記特定用語が使用される環境を示す情報をさらに出力する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記特定用語が使用される環境を示す情報は、前記特定用語が使用される領域に関する情報である、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
対象事項を示し複数の環境で共通して使用される共通用語と、同一の対象事項を示し且つ特定の環境で使用される複数の特定用語とを対応づけて記憶する記憶部と、
共通用語又は特定用語のいずれかの入力を受け付け、共通用語が入力された場合には、入力された前記共通用語に対応して前記記憶部に記憶される少なくとも一つの特定用語を出力し、特定用語が入力された場合には、入力された前記特定用語に対応して前記記憶部に記憶される共通用語か他の特定用語かを出力する制御部と、
を備え
前記記憶部は、前記特定用語毎に、前記特定用語に関する項目の名称を示す情報を対応付けてさらに記憶し、
前記制御部は、前記特定用語を出力する場合に、前記特定用語に関する項目の名称をさらに出力する、情報提供装置。
【請求項5】
対象事項を示し複数の環境で共通して使用される共通用語と、同一の対象事項を示し且つ特定の環境で使用される複数の特定用語とを対応づけて記憶する記憶部と、
共通用語又は特定用語のいずれかの入力を受け付け、共通用語が入力された場合には、入力された前記共通用語に対応して前記記憶部に記憶される少なくとも一つの特定用語を出力し、特定用語が入力された場合には、入力された前記特定用語に対応して前記記憶部に記憶される共通用語か他の特定用語かを出力する制御部と、
を備え
前記記憶部は、各特定用語について、前記特定用語に関する項目の値が記録されている記録場所を、さらに記憶し、
前記制御部は、前記特定用語に関する項目の値の記録場所を出力する、情報提供装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記項目の定義又は前記項目の値に関する情報を前記項目に対応づけて記憶し、
前記制御部は、前記項目の定義又は前記項目の値に関する情報をさらに出力する、請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項7】
対象事項を示し複数の環境で共通して使用される共通用語と、同一の対象事項を示し且つ特定の環境で使用される複数の特定用語とを対応づけて記憶する記憶部を備える情報処理処置が、
共通用語又は特定用語のいずれかの入力を受け付け、
共通用語が入力された場合には、入力された前記共通用語に対応して前記記憶部に記憶される少なくとも一つの特定用語を出力し、
特定用語が入力された場合には、入力された前記特定用語に対応して前記記憶部に記憶される共通用語か他の特定用語かを出力し、
前記環境は、領域、施設、組織又はデータベースを示す、情報提供方法。
【請求項8】
対象事項を示し複数の環境で共通して使用される共通用語と、同一の対象事項を示し且つ特定の環境で使用される複数の特定用語とを対応づけて記憶する記憶部と、
共通用語又は特定用語のいずれかの入力を受け付け、共通用語が入力された場合には、入力された前記共通用語に対応して前記記憶部に記憶される少なくとも一つの特定用語を出力し、特定用語が入力された場合には、入力された前記特定用語に対応して前記記憶部に記憶される共通用語か他の特定用語かを出力する制御部と、
を備え
前記環境は、領域、施設、組織又はデータベースを示す情報提供装置、としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法及びコンピュータープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からデータベースの活用が進められている。例えば特許文献1には、製品の取引において、問い合わせ負荷を増大させることなく、即時性の高い正確な進捗状況の確認が可能となるデータベースシステムが開示されている。製品に関するデータベースは、複数の異なる製造拠点毎に設けられることや、複数の異なる製品ごとに設けられることがある。このように、複数の異なる環境でそれぞれデータベースが構築されることによって、各環境に応じた最適なデータベースが管理されていることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-077815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の異なる環境でそれぞれ管理される複数のデータベースでは、環境の相違に応じて同じ事項であってもそれを示す文言が異なることがあった。一方で、同じ又は似た文言であっても、その文言がデータベースにおいて意味する事項が異なることがあった。そのため、異なる環境で管理されているデータにアクセスする場合に、所望の事項を示すデータを取得することに困難が生じることがあった。また、データベース内のデータの内容・意味する事項が不明であるため、当該データを利用し解析する際に困難が生じることがあった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、複数の異なる環境でそれぞれ管理される複数のデータベースをより容易に利用することを可能にする技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明の一態様は、対象事項を示し複数の環境で共通して使用される共通用語と、同一の対象事項を示し且つ特定の環境で使用される複数の特定用語とを対応づけて記憶する記憶部と、共通用語又は特定用語のいずれかの入力を受け付け、共通用語が入力された場合には、入力された前記共通用語に対応して前記記憶部に記憶される少なくとも一つの特定用語を出力し、特定用語が入力された場合には、入力された前記特定用語に対応して前記記憶部に記憶される共通用語か他の特定用語かを出力する制御部と、を備える情報提供装置である。
【0007】
[2]本発明の一態様は、上記[1]に記載の情報提供装置であって、前記記憶部は、前記特定用語毎に、前記特定用語が使用される環境を示す情報を対応付けてさらに記憶し、前記制御部は、前記特定用語を出力する場合に、前記特定用語が使用される環境を示す情報をさらに出力する。
【0008】
[3]本発明の一態様は、上記[2]に記載の情報提供装置であって、前記特定用語が使用される環境を示す情報は、前記特定用語が使用される領域に関する情報である。
【0009】
[4]本発明の一態様は、上記[1]に記載の情報提供装置であって、前記記憶部は、前記特定用語毎に、前記特定用語に関する項目の名称を示す情報を対応付けてさらに記憶し、前記制御部は、前記特定用語を出力する場合に、前記特定用語に関する項目の名称をさらに出力する。
【0010】
[5]本発明の一態様は、上記[1]に記載の情報提供装置であって、前記記憶部は、各特定用語について、前記特定用語に関する項目の値が記録されている記録場所をさらに記憶し、前記制御部は、前記特定用語に関する項目の値の記録場所を出力する。
【0011】
[6]本発明の一態様は、上記[5]に記載の情報提供装置であって、前記記憶部は、前記項目の定義又は前記項目の値に関する情報を前記項目に対応づけて記憶し、前記制御部は、前記項目の定義又は前記項目の値に関する情報をさらに出力する。
【0012】
[7]対象事項を示し複数の環境で共通して使用される共通用語と、同一の対象事項を示し且つ特定の環境で使用される複数の特定用語とを対応づけて記憶する記憶部を備える情報処理処置が、共通用語又は特定用語のいずれかの入力を受け付け、共通用語が入力された場合には、入力された前記共通用語に対応して前記記憶部に記憶される少なくとも一つの特定用語を出力し、特定用語が入力された場合には、入力された前記特定用語に対応して前記記憶部に記憶される共通用語か他の特定用語かを出力する、情報提供方法である。
【0013】
[8]対象事項を示し複数の環境で共通して使用される共通用語と、同一の対象事項を示し且つ特定の環境で使用される複数の特定用語とを対応づけて記憶する記憶部と、共通用語又は特定用語のいずれかの入力を受け付け、共通用語が入力された場合には、入力された前記共通用語に対応して前記記憶部に記憶される少なくとも一つの特定用語を出力し、特定用語が入力された場合には、入力された前記特定用語に対応して前記記憶部に記憶される共通用語か他の特定用語かを出力する制御部と、を備える情報提供装置、としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、複数の異なる環境でそれぞれ管理される複数のデータベースをより容易に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】端末装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図3】情報提供装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図4】用語登録DB記憶部221が記憶する用語登録データベースの具体例を示す図である。
図5】用語関係DB記憶部222が記憶する用語関係データベースの具体例を示す図である。
図6】用語項目関係DB記憶部223が記憶する用語項目関係データベースの具体例を示す図である。
図7】項目登録DB記憶部224が記憶する項目登録データベースの具体例を示す図である。
図8】情報提供部232によって端末装置10に提供される情報の表示例を示す図である。
図9】情報提供部232によって端末装置10に提供される情報の表示例を示す図である。
図10】情報提供部232によって端末装置10に提供される情報の他の表示例を示す図である。
図11】情報提供部232によって端末装置10に提供される情報の他の表示例を示す図である。
図12】本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。情報提供システム100では、共通用語と特定用語に関する情報が提供される。共通用語は、複数の異なる環境で共通して使用される用語である。特定用語は、特定の環境で使用される用語である。本実施形態では、複数の異なる環境の具体例として、複数の異なる領域(例えば地方、地域、地区、市区町村など)の施設(例えば工場、営業所、店舗など)において運営されているデータベースを用いる。この場合、環境は、領域として定義されてもよいし、施設として定義されてもよいし、データベースとして定義されてもよい。例えば、環境をデータベースとして定義すると、共通用語は複数の異なるデータベースで共通して使用される用語であり、特定用語は特定のデータベースで使用される用語である。例えば、環境を施設として定義すると、共通用語は複数の異なる施設(同じ地域にあってもよいし、異なる地域にあってもよい)で共通して使用される用語であり、特定用語は特定の施設で使用される用語である。例えば、環境を領域として定義すると、共通用語は複数の異なる領域で共通して使用される用語であり、特定用語は特定の領域で使用される用語である。また、環境として他の事項が定義されてもよい。例えば、環境は組織(例えば法人、組合、企業の部署、大学の学部など)として定義されてもよい。
【0017】
情報提供システム100は、端末装置10と情報提供装置20とを含む。情報提供システム100は、複数の拠点に設けられたデータベースに関連して設けられる。例えば、図1に示される情報提供システム100は、4つの異なる拠点(A拠点、B拠点、C拠点及びD拠点)にそれぞれ設けられた4つの異なるデータベース(A拠点DB50A、B拠点DB50B、C拠点DB50C及びD拠点DB50D)に関連して設けられる。この場合、各拠点をそれぞれ異なる環境として定義してもよいし、各データベースをそれぞれ異なる環境として定義してもよい。
【0018】
以下の説明において、情報提供システム100に関連するデータベース(本実施形態におけるA拠点DB~D拠点DB50D)を「対象データベース」という。また、対象データベースが設けられる各拠点(本実施形態におけるA拠点~D拠点)を「対象拠点」という。対象拠点は、同一の国(例えば日本国)の中の異なる4つの拠点であってもよいし、同一の言語(例えば英語)が用いられる地域の中の異なる4つの拠点であってもよい。対象拠点には、異なる国の拠点や異なる言語の地域の拠点が含まれてもよい。
【0019】
端末装置10と情報提供装置20とは、ネットワーク70を介して通信可能に接続される。ネットワーク70は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク70は、例えばインターネットを用いて構成されてもよいし、ローカルエリアネットワーク(LAN)を用いて構成されてもよい。ネットワーク70は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0020】
情報提供システム100に関連する各データベース(A拠点DB50A、B拠点DB50B、C拠点DB50C及びD拠点DB50D)は、ネットワーク70に接続されていてもよい。この場合、端末装置10は、ネットワーク70を経由して各データベースの全て又は一部に接続することが可能に構成されてもよい。
【0021】
図2は、端末装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。端末装置10は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、専用機器などの情報機器を用いて構成される。端末装置10は、通信部11、入力部12、出力部13、記憶部14及び制御部15を備える。
【0022】
通信部11は、通信機器である。通信部11は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部11は、制御部15の制御に応じて、ネットワーク70を介して他の装置とデータ通信する。通信部11は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0023】
入力部12は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部12は、ユーザーの指示を端末装置10に入力する際にユーザーによって操作される。入力部12は、入力装置を端末装置10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部12は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号を端末装置10に入力する。入力部12は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部12はユーザーの発話によって生じた音響信号を取得し、ユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を端末装置10に入力する。音声認識処理は制御部15によって実行されてもよい。入力部12は、ユーザーの指示を端末装置10に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0024】
出力部13は、情報をユーザーが認知可能な形で出力する。出力部13は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置であってもよい。出力部13は、画像表示装置を端末装置10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、出力部13は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。出力部13は、スピーカー等の音響を出力する装置であってもよい。出力部13は、スピーカーやヘッドホン等の音響出力装置を端末装置10に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、出力部13は、音響データを再生するための音響信号を生成し、自身に接続されている音響出力装置に音響信号を出力する。なお、出力部13は、入力部12と一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
【0025】
記憶部14は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部14は、制御部15によって使用されるデータを記憶する。記憶部14は、制御部15が処理を行う際に必要となるデータを記憶する。
【0026】
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリー(主記憶装置)とを用いて構成される。制御部15は、プロセッサーがプログラムを実行することによって機能する。なお、制御部15の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0027】
制御部15は、例えば自装置(端末装置10)にインストールされたアプリケーションを実行してもよい。このようなアプリケーションの具体例として、情報提供システム100の専用アプリケーションとして端末装置10に提供されるアプリケーションがある。このようなアプリケーションの他の具体例として、WEBブラウザーのアプリケーションがある。このようなアプリケーションは、予め端末装置10にインストールされていてもよいし、処理を実行する際にその都度ダウンロードされてもよい。例えばWEBブラウザーのアプリケーションとして実装される場合には、特定のWEBサーバーに端末装置10が接続することに応じてWEBサーバーによって指定された装置(例えばWEBサーバーそのものでもよいし他のサーバーでもよい)から端末装置10がアプリケーションをダウンロードして実行してもよい。制御部15は、実行中のアプリケーションのプログラムにしたがって動作する。
【0028】
制御部15は、ユーザーの操作や情報提供装置20から受信される情報に応じて端末装置10を制御する。例えば、制御部15は、ユーザーが入力部12を操作することによって入力された情報を、通信部11を用いることによって情報提供装置20へ送信する。例えば、制御部15は、情報提供装置20から送信された情報がネットワーク70を介して通信部11で受信されると、受信された情報に基づいて画面データを生成し、出力部13に画面データを表示させる。このような画面データには、情報提供装置20から送信された情報を示す画像や文字が含まれる。例えば、制御部15は、情報提供装置20から送信された情報がネットワーク70を介して通信部11で受信されると、受信された情報に基づいて音声データを生成し、出力部13から音声データを出力させる。
【0029】
図3は、情報提供装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。情報提供装置20は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。情報提供装置20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備える。
【0030】
通信部21は、通信機器である。通信部21は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部21は、制御部23の制御に応じて、ネットワーク70を介して他の装置(例えば端末装置10)とデータ通信する。通信部21は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0031】
記憶部22は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部22は、制御部23によって使用されるデータを記憶する。記憶部22は、例えば用語登録DB記憶部221、用語関係DB記憶部222、用語項目関係DB記憶部223及び項目登録DB記憶部224として機能してもよい。
【0032】
用語登録DB記憶部221は、用語登録データベースを記憶する。用語登録データベースは、対象データベースにおいて使用される用語に関する情報を有する。対象データベースにおいて使用される用語には、共通用語及び特定用語が含まれる。図4は、用語登録DB記憶部221が記憶する用語登録データベースの具体例を示す図である。用語登録データベースは、複数の用語情報レコードを有する。用語情報レコードは、用語名称、環境情報、記録場所及び説明の各値を有する。用語名称は、用語の名称を示す文字列そのものを示す。環境情報は、その用語が使用される環境を示す。記録場所は、その用語に関する情報が記録されている場所(例えばパス)を示す。記録場所は例えばフォルダであってもよい。以下の説明では、記録場所を示す概念としてフォルダを用いた場合の例について説明する。ただし、記録場所を示す概念は必ずしもフォルダに限定される必要は無く、例えばディレクトリや記録場所が示す各フォルダのフォルダ名には、その用語(特定用語)が使用される環境を示す情報が用いられていてもよい。このように構成されることによって、あるフォルダに格納されている特定用語について、そのフォルダ名をその特定用語が使用される環境を示す情報として用いることが可能となる。例えばフォルダ名に“B地区”のように地域名を示す文字列が含まれている場合には、そのフォルダ名はその特定用語が使用される環境(地域)を示す情報として用いられてもよい。説明は、その用語に関する値の内容や性質を示す。
【0033】
図4の例では、最上段に示される用語情報レコードは、用語名称、環境情報、記録場所及び説明として、それぞれ”タンディッシュΔT”、“共通”、”共通/製鋼/08_連鋳”、”XXの温度実績”の各値を有する。この用語情報レコードは、”タンディッシュΔT”という文字列で表される用語が共通用語として使用されており、その値に関する情報が、”共通/製鋼/08_連鋳”という記録場所に登録されており、その値は”XXの温度実績”を示す値であることを表している。また、上から二段目に示される用語情報レコードは、”TD-SH実績”という文字列で表される用語がB地区において特定用語として使用されており、その値に関する情報が、”地区用語/B地区/B製鋼/09_連鋳ブルーム”という記録場所に登録されており、その値は摂氏温度を示し、その値のサンプリング間隔はX1秒であることを表している。
【0034】
用語関係DB記憶部222は、用語関係データベースを記憶する。用語関係データベースは、対象データベースにおいて対象事項を示す用語として使用される第一の用語(例えば共通用語)と、同一の対象事項を示す用語として使用される第二の用語(例えば特定用語)との関係に関する情報を有する。対象事項とは、例えば各拠点において使用される事象や物や実施される作業や得られる情報等である。対象事項は、例えば製鉄における一部の工程を示すものであってもよいし、一部の工程で得られる情報であってもよいし、製鉄に使用される物(材料や道具)であってもよい。
【0035】
図5は、用語関係DB記憶部222が記憶する用語関係データベースの具体例を示す図である。用語関係データベースは、複数の用語関係レコードを有する。用語関係レコードは、共通用語の用語名称、共通用語の記録場所、特定用語の用語名称及び特定用語の記録場所の各値を有する。共通用語の用語名称は、共通用語の名称を示す文字列そのものを示す。共通用語の記録場所は、その共通用語に関する情報が登録されている場所(例えばパス)を示す。特定用語の用語名称は、同じレコードの共通用語と同一の対象事項を示す用語として使用される特定用語の名称を示す文字列そのものを示す。特定用語の記録場所は、その特定用語に関する情報が記録されている場所(例えばパス)を示す。
【0036】
図5の例では、共通用語”タンディッシュΔT”に対応付けて3つの特定用語(TD-SH実績、TD-SH実績ΔT、TD溶鋼温度)に関する用語関係レコードが登録されている。最上段に示される用語関係レコードは、”タンディッシュΔT”という文字列で表される共通用語の値に関する情報が”共通/製鋼/08_連鋳”という記録場所に登録されており、同じ対象事項を示す特定用語として”TD-SH実績”という用語があり、その特定用語の値に関する情報が”地区用語/B地区/B製鋼/09_連鋳ブルーム”という記録場所に登録されていることを表している。
【0037】
共通用語”タンディッシュΔT”は、A地区(例えば本社が位置する地区)のA拠点(例えば本社)で管理されているA拠点DB50Aで使用されている共通用語である。特定用語”TD-SH実績”は、B地区で管理されているB拠点DB50Bで使用されている特定用語である。特定用語”TD-SH実績ΔT”は、C地区で管理されているC拠点DB50Cで使用されている特定用語である。特定用語”TD溶鋼温度”は、D地区で管理されているD拠点DB50Dで使用されている特定用語である。”タンディッシュΔT”、”TD-SH実績”、”TD-SH実績ΔT”及び”TD溶鋼温度”の4つの用語は、いずれも管理対象が同一の事象である『連続鋳造設備のタンディッシュ(Tundish)における溶鋼温度』に関する値を示す用語である。
【0038】
用語項目関係DB記憶部223は、用語項目関係データベースを記憶する。用語項目関係データベースは、対象データベースにおいて使用される用語と、各用語に関する1又は複数の項目と、の関係に関する情報を有する。図6は、用語項目関係DB記憶部223が記憶する用語項目関係データベースの具体例を示す図である。用語項目関係データベースは、複数の用語項目関係レコードを有する。用語項目関係レコードは、用語名称、用語の記録場所、項目名称及び項目の記録場所の各値を有する。用語名称は、用語の名称を示す文字列そのものを示す。用語の記録場所は、その用語に関する情報が記録されている場所(例えばパス)を示す。項目名称は、同じレコードの用語に関する項目の名称を示す文字列そのものを示す。記録場所は、その項目の値が記録されているデータの場所(例えばパス)を示す。なお、用語項目関係データベースに含まれる用語名称は、共通用語であってもよいし特定用語であってもよい。
【0039】
図6の例では、用語”TD-SH実績”に対応付けて4つの項目(TD-SH、TD-SH_最小値、TD-SH_最大値、TD-SH_平均値)に関する用語項目関係レコードが登録されている。最上段に示される用語項目関係レコードは、”TD-SH実績”という文字列で表される用語に関する情報が”地区用語/B地区/B製鋼/09_連鋳ブルーム”というフォルダに登録されており、その項目の一つである”TD-SH”の値は“B_プロコン/ライブラリB地区/CC鋳造切片データ”という場所に記録されていることを表している。
【0040】
図6の用語項目関係データベースに示される情報から、TD-SH実績という用語に関連して少なくとも4つの項目(TD-SH、TD-SH_最小値、TD-SH_最大値、TD-SH_平均値)の値が存在することがわかる。また、各項目の値を入手したい場合には、その項目の記録場所にアクセスすることによってその項目の値が得られることがわかる。
【0041】
項目登録DB記憶部224は、項目登録データベースを記憶する。項目登録データベースは、対象データベースにおいて使用される項目に関する情報を有する。対象データベースにおいて使用される項目は、各用語に関連づけて使用され、具体的な値を有する。図7は、項目登録DB記憶部224が記憶する項目登録データベースの具体例を示す図である。項目登録データベースは、複数の項目情報レコードを有する。項目情報レコードは、項目名称、記録場所、データ型、長さ及び説明の各値を有する。項目名称は、項目の名称を示す文字列そのものを示す。記録場所は、その項目の値が登録されているデータベースの場所(例えばパス)を示す。データ型は、その項目の値を示すデータのデータ型(例えば数値、文字列、整数型、浮動小数点型、二値型など)を示す。長さは、その項目の値のデータの長さ(例えば桁数、ビット数、バイト数など)を示す。説明は、その項目に関する値の内容や性質を示す。例えば、データの更新周期や、データの値の単位などが説明の値として記録されてもよい。このように、項目登録データベースは、データ型、長さ、説明などのように、その項目の値(データ)の属性情報を有している。
【0042】
図7の例では、最上段に示される項目情報レコードは、項目名称、記録場所、データ型、長さ及び説明として、それぞれ”TD-SH”、”B_プロコン/ライブラリB地区/CC鋳造切片データ”、”NUMBER”、“5”、“タンディッシュ”の各値を有する。この項目情報レコードは、”TD-SH”という文字列で表される項目の値が、”B_プロコン/ライブラリB地区/CC鋳造切片データ”という場所に登録されており、その値は”NUMBER”型の長さが“5”の値であり、その内容は“タンディッシュ”に関係する値であることを表している。
【0043】
制御部23は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部23は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、DB制御部231及び情報提供部232として機能する。なお、制御部23の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0044】
DB制御部231は、記憶部22に記憶されている各種のデータベースの内容を制御する。DB制御部231は、例えば新たなレコードの登録が指示されると、そのレコードの登録先となるデータベースに対して新たなレコードを登録する。例えば、用語登録データベースに対して新たな用語登録レコードの登録が指示されると、DB制御部231は、用語登録データベースに対して新たな用語登録レコードを登録する。新たなレコードの登録の指示は、例えば通信部21を介して他の装置から受信されてもよい。また、情報提供装置20が入力装置及び出力装置等のユーザーインターフェースを備えてもよい。この場合、DB制御部231は、ユーザーインターフェース(入力装置)に対する操作で入力された新たな用語登録レコードを用語登録データベースに登録してもよい。
【0045】
情報提供部232は、他の装置から記憶部22に記憶されるデータベースの検索結果を示す情報の提供依頼を受ける。例えば、情報提供部232は、端末装置10から共通用語に関する情報の提供依頼を受けてもよいし、端末装置10から特定用語に関する情報の提供依頼を受けてもよい。情報提供部232は、提供依頼を受けた用語に関する情報を、記憶部22に記憶されるデータベースから取得する。情報提供部232は、取得された情報を、提供依頼元である端末装置10に送信する。このとき、情報提供部232は、取得された情報を表す画面情報を生成して、提供依頼元である端末装置10に送信してもよい。
【0046】
情報提供部232は、例えば共通用語に関する情報の提供依頼を受けると、その共通用語と同一の対象事項を示す用語として使用される1又は複数の特定用語を検索する。情報提供部232は、検索された特定用語を示す情報を、提供依頼元に対して提供する。情報提供部232は、例えば特定用語に関する情報の提供依頼を受けると、その特定用語と同一の対象事項を示す用語として使用される共通用語を検索する。情報提供部232は、検索された共通用語を示す情報を、提供依頼元に対して提供する。情報提供部232は、例えば特定用語に関する情報の提供依頼を受けると、その特定用語と同一の対象事項を示す用語として使用される共通用語に加えてさらに同一の対象事項を示す他の特定用語を検索してもよい。この場合、情報提供部232は、検索された共通用語及び1又は複数の他の特定用語を示す情報を、提供依頼元に対して提供する。
【0047】
図8は、情報提供部232によって端末装置10に提供される情報の表示例を示す図である。情報提供部232によって提供される情報は、例えば図8に示されるような態様で端末装置10の出力部13に表示されてもよい。図8の例では、例えば共通用語の“タンディッシュΔT”に関する情報の提供依頼がなされている。このような提供依頼に対し、情報提供部232は、例えば図8に示されるような画面のデータを生成して端末装置10に提供してもよい。このとき、例えば情報提供部232は、検索対象となっている共通用語の“タンディッシュΔT”を用語登録データベースで検索し、記録場所の値を取得する。この値に基づいて、“タンディッシュΔT”の階層に応じた表示が可能となる。また、情報提供部232は、検索対象となっている共通用語の“タンディッシュΔT”を用語関係データベースで検索し、特定用語の用語名称及び特定用語の記録場所の値を取得する。この値に基づいて、“タンディッシュΔT”と同一の対象事項を示す特定用語毎に、階層に応じた表示が可能となる。また、情報提供部232は、検索によって取得された特定用語のうち、表示対象となっている特定用語(例えば“TD-SH実績”)を用語項目関係データベースで検索し、特定用語に関係する項目の情報を取得する。この情報に基づいて、表示対象となっている特定用語に関係する項目と、各項目の階層に応じた表示と、が可能となる。また、情報提供部232は、項目の値に関する情報(例えばデータ型、長さ、説明等)の表示指示がなされた場合には、表示対象となっている項目の項目名称を項目登録データベースで検索し、項目の値に関する情報を取得する。この情報に基づいて、表示対象となっている項目の値に関する情報の表示が可能となる。
【0048】
図8の例では、検索対象として示された共通用語である“タンディッシュΔ”が、その記録場所の階層に応じて“共通”フォルダの下の“製鋼”フォルダの下の“08_連鋳”フォルダに登録されていることが、各名前のフォルダを示す矩形の内側に入れ子で表示されることによって表現されている。また、共通用語“タンディッシュΔ”と同一の対象事項を示す3つの特定用語“TD-SH実績”、“TD-SH実績ΔT”及び“TD溶鋼温度”が、それぞれ各記録場所の階層に応じたフォルダに登録されていることが、各名前のフォルダを示す矩形の内側に入れ子で表示されることによって表現されている。例えば、特定用語である“TD-SH実績”が、その記録場所の階層に応じて“地区用語”フォルダの下の“B地区”フォルダの下の“B製鋼”フォルダの下の“09_連鋳ブルーム”フォルダに登録されていることが、各名前のフォルダを示す矩形の内側に入れ子で表示されることによって表現されている。
【0049】
“地区用語”の一つ下の階層には、各特定用語が使用される環境を示す情報として、地域を示す情報が“B地区”、“C地区”及び“D地区”のように表示されている。各地区の一つ下の階層には、各特定用語が使用される環境を示す情報として、施設(例えば工場名)を示す情報が“B製鋼”、“C製鋼”及び“D製鋼”のように表示されている。“B製鋼”の一つ下の階層には、特定用語“TD-SH実績”が使用される環境を示す情報として、設備を示す情報が“09_連鋳ブルーム”のように表示されている。この画面から、検索対象の共通用語である“タンディッシュΔT”と同一の対象事項を示す特定用語の“TD-SH実績”が、特にB地区(B拠点)のB製鋼のB拠点DB50Bにおいて使用されている用語であることがわかる。
【0050】
図8の例では、検索対象の共通用語である“タンディッシュΔ”と同一の対象事項を示すB地区で使用される特定用語“TD-SH実績”に関連する項目には、4つの項目“TD-SH”、“TD-SH_最小値”、“TD-SH_最大値”、“TD-SH_平均値”があり、それぞれの項目がどの場所に記録されているかが示されている。“TD-SH”、“TD-SH_最小値”、“TD-SH_最大値”、“TD-SH_平均値”は、それぞれ項目の名称を示している。例えば、“TD-SH”は、“CC鋳造切片データ”、“CC素データ”及び“CC切断実績”の3つの場所に記録されていることがわかる。また、“TD-SH_最小値”、“TD-SH_最大値”、“TD-SH_平均値”の3つの値はいずれもCCチャージ実績という場所に記録されていることがわかる。これら3つの値の取得を望む者は、端末装置10を操作することによってB拠点DB50Bにアクセスし、CCチャージ実績というデータを参照することによって、所望の3つの値を取得することが可能となる。図8において、検索対象となった共通用語の“タンディッシュΔT”に関する説明が画面にさらに表示されてもよいし、各項目に関する説明が画面にさらに表示されてもよい。
【0051】
図8において、検索対象となった共通用語に対応付けられた全ての特定用語が画面に表示されてもよいし、対応付けられた特定用語のうち、一部の特定用語のみが画面に表示されてもよい。例えば図8の例では、実際にはB地区~J地区までの各地区の特定用語が存在するにもかかわらず、B地区~D地区の3つの特定用語のみが表示されていてもよい。どの特定用語を表示対象とするかは、例えばユーザーによって指定されてもよいし、所定の基準に基づいて情報提供部232が決定してもよい。例えば、ユーザーによって表示対象となる環境(この場合は地域名など)が指定されてもよい。例えば、ユーザーが端末装置10を使用している環境やユーザーが指定した環境に基づいて、その環境に関連する1又は複数の環境の特定用語が表示対象として決定されてもよい。関連する環境とは、例えば物理的な距離が近い環境であってもよいし、過去の経緯で関連性の高い環境(例えば元は一つの施設や組織であった環境など)であってもよい。この場合、関連する環境には、ユーザーが端末装置10を使用している環境が含まれても良いし、含まれなくても良い。用語や項目についての説明がさらに表示されてもよいことについては、後述する図9図11においても同様である。
【0052】
図9は、情報提供部232によって端末装置10に提供される情報の表示例を示す図である。特に図9の画面は、図8の画面においてC地区を選択する操作や特定用語の“TD-SH実績ΔT”を選択する操作が行われた場合に表示される画面である。このような操作が行われた場合、情報提供部232は、図9に示される画面のデータを生成して、操作元の端末装置10に送信してもよい。図8の画面では、項目の具体例としてB地区の特定用語である“TD-SH実績”に関連する項目が表示されていたが、図9の画面では選択されたC地区の特定用語である“TD-SH実績ΔT”に関連する項目が表示されている。このように、各地区(各拠点)において、同一の対象事項を示す特定用語であっても、それに関連して使用されている項目は異なっていてもよい。例えば、図8及び図9に示されるように、B地区では“TD-SH実績”に関連する項目として“TD-SH_平均値”が存在したが、C地区では“TD-SH実績ΔT”に関連する項目として“TD-SH_平均値”が存在していない。提供される画面を参照することによって、このように各特定用語に関連する項目について容易に判断することが可能となる。
【0053】
図10は、情報提供部232によって端末装置10に提供される情報の他の表示例を示す図である。情報提供部232によって提供される情報は、例えば図10に示されるような態様で端末装置10の出力部13に表示されてもよい。図10の例では、例えばB地区における特定用語の“TD-SH実績”に関する情報の提供依頼がなされている。このような提供依頼に対し、情報提供部232は、例えば図10に示されるような画面のデータを生成して端末装置10に提供してもよい。図10に示される画面では、B地区における特定用語の“TD-SH実績”と同一の対象事項を示す共有用語が“タンディッシュΔT”であることが示されている。さらに、“TD-SH実績”と同一の対象事項を示す他地区の特定用語として、C地区の“TD-SH実績ΔT”やD地区の“TD溶鋼温度”が存在していることが示されている。さらに、B地区における特定用語の“TD-SH実績”の項目についての情報も示されている。
【0054】
図11は、情報提供部232によって端末装置10に提供される情報の他の表示例を示す図である。特に図11の画面は、図10の画面においてC地区を選択する操作や特定用語の“TD-SH実績ΔT”を選択する操作が行われた場合に表示される画面である。このような操作が行われた場合、情報提供部232は、図11に示される画面のデータを生成して、操作元の端末装置10に送信してもよい。図10の画面では、項目の具体例として、検索対象のB地区の特定用語である“TD-SH実績”に関連する項目が表示されていたが、図11の画面では選択されたC地区の特定用語である“TD-SH実績ΔT”に関連する項目が表示されている。
【0055】
このように構成された情報提供システム100では、ある対象事項を示し複数の環境で共通して使用される共通用語と、同一の対象事項を示し且つ特定の環境で使用される複数の特定用語とが対応づけられて記憶される。検索対象として共通用語が入力された場合には、それに対応する少なくとも一つの特定用語が検索され、要求元に出力される。検索対象として特定用語が入力された場合には、それに対応する共通用語か他の特定用語かが検索され、要求元に出力される。そのため、複数の異なる環境でそれぞれ管理される複数のデータベースにおいて、ユーザーが知っている共通用語に基づいて、他のデータベースで使用される特定用語を容易に取得することが可能となる。また、ユーザーが知っているある環境における特定用語に基づいて、共通用語や他の環境で使用される特定用語を容易に取得することが可能となる。そのため、複数のデータベースをより容易に利用することが可能となる。
【0056】
また、各特定用語について、それに関する項目の値の記録場所が複数のデータベースにわたって対応づけて記憶されている(例えば用語項目関係データベース)。そのため、各特定用語について、関係する項目の値を容易に取得することが可能となる。
【0057】
また、各用語や各項目について、その定義又はその値に関する情報が記憶されている(例えば用語登録データベースや項目登録データベース)。そのため、各用語や各項目について、その定義又は情報を容易に取得することが可能となる。
【0058】
従来は、各データベースに記録されているデータを取り扱う場合にはそのデータ属性を予め知っておく必要がある。しかし、実質的に同様の内容を示すデータであっても、データサイズ、データ形式、データの更新周期などのデータ属性がデータベース毎に異なっていた。そのため、データの取り扱いが容易ではなかった。例えば、各データベースから取り扱う対象となるデータを取得し、そのデータの内容やデータ属性について理解した上で不要な値を除去するなどしてデータの整理を行い、データ解析用のデータ加工(データ形式の変更など)を行う必要があった。このような問題に対し、上述した情報提供システム100では、各データベースにおけるデータの内容やデータ属性を容易に知ることが可能となるため、上述したデータの整理やデータ加工に要する労力を軽減することが可能となる。
【0059】
図12は、本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。情報処理装置90は、プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94、入出力インターフェース95及び内部バス96を備える。プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94及び入出力インターフェース95は、内部バス96を介して互いに通信可能に接続される。情報処理装置90は、例えば端末装置10及び情報提供装置20に適用されてもよい。この場合、例えば通信部11及び通信部21は通信インターフェース93を用いて構成されてもよい。例えば記憶部14及び記憶部22は補助記憶装置94を用いて構成されてもよい。また、制御部15及び制御部23は、プロセッサー91及び主記憶装置92を用いて構成されてもよい。
【0060】
情報提供装置20は、複数の情報処理装置を用いて実装されてもよい。例えば、クラウド等の装置を用いて情報提供装置20が実装されてもよい。例えば、情報提供装置20において、記憶部22と制御部23とがそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。例えば、情報提供装置20の記憶部22が複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。
【0061】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0062】
100…情報提供システム, 10…端末装置, 11…通信部, 12…入力部, 13…出力部, 14…記憶部, 15…制御部, 20…情報提供装置, 21…通信部, 22…記憶部, 221…用語登録DB記憶部, 222…用語関係DB記憶部, 223…用語項目関係DB記憶部, 224…項目登録DB記憶部, 23…制御部, 231…DB制御部, 232…情報提供部, 70…ネットワーク
【要約】
【課題】複数の異なる環境でそれぞれ管理される複数のデータベースをより容易に利用することを可能にすること。
【解決手段】対象事項を示し複数の環境で共通して使用される共通用語と、同一の対象事項を示し且つ特定の環境で使用される複数の特定用語とを対応づけて記憶する記憶部と、共通用語又は特定用語のいずれかの入力を受け付け、共通用語が入力された場合には、入力された前記共通用語に対応して前記記憶部に記憶される少なくとも一つの特定用語を出力し、特定用語が入力された場合には、入力された前記特定用語に対応して前記記憶部に記憶される共通用語か他の特定用語かを出力する制御部と、を備える情報提供装置である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12