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7587196冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法
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  • -冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/04 20060101AFI20241113BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
C09K5/04 F ZAB
C09K5/04 E
F25B1/00 396Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024016155
(22)【出願日】2024-02-06
(65)【公開番号】P2024111841
(43)【公開日】2024-08-19
【審査請求日】2024-02-06
(31)【優先権主張番号】P 2023016344
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】板野 充司
(72)【発明者】
【氏名】後藤 智行
(72)【発明者】
【氏名】吉村 崇
(72)【発明者】
【氏名】臼井 隆
(72)【発明者】
【氏名】仲上 翼
(72)【発明者】
【氏名】徳野 敏
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/075389(WO,A1)
【文献】国際公開第2023/182443(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/226048(WO,A1)
【文献】国際公開第2023/182442(WO,A1)
【文献】MCLINDEN, M. O. et al.,Limited options for low-global-warming-potential refrigerants,Nature Communications,(2017), vol.8,pp.14476(1-9),DOI 10.1038/ncomms14476
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 5/00-5/20
F25B 1/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を含む組成物であって、
前記組成物は、ハイブリッド自動車用又は電気自動車用の空調装置の作動流体であり、
前記冷媒が、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))と、1,1-ジフルオロエタン(R152a)と、Xとを、合計で冷媒全体に対して99.5質量%以上含み、Xが、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)及び/又はトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(E))であり、
前記冷媒において、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1234ze(E)の濃度と(HFO-1234yf及びHFO-1234ze(E))の濃度との比をr=HFO-1234ze(E) /(HFO-1234yf+HFO-1234ze(E))とし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図において、座標(x,y,z)が、
0≦r<0.45125の場合、
点A(80.2, 19.8, 0.0)、
点Br(-10.832r2+33.032r+44.3, 0.0, 10.832r2-33.032r+55.7)、
点Hr(20.0, 0.0, 80.0)
点E’r(20.0, -62.715r+28.3, 62.715r+51.7)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分ABr、HrE’r、E’rE上にあり(但し、点A、点 Br、点Hr、及び点Eは除く)、線分ABr、線分BrHr、線分HrE’r、線分E’rE及び線分EAが直線であり、
0.45125≦r≦1.0の場合、
点A(80.2, 19.8, 0.0)、
点Br(-10.832r2+33.032r+44.3, 0.0, 10.832r2-33.032r+55.7)、
点Fr(5.892r2+9.308r+14.6, 0.0, -5.892r2-9.308r+85.4)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分ABr、FrE上にあり(但し、点A、点 Br、点Fr、及び点Eは除く)、線分ABr、線分BrFr、線分FrE、及び線分EAが直線である、
ことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記冷媒において、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1234ze(E)の濃度と(HFO-1234yf及びHFO-1234ze(E))の濃度との比をr=HFO-1234ze(E) /(HFO-1234yf+HFO-1234ze(E))とし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図において、座標(x,y,z)が、
0≦r<0.45125の場合、
点C(57.0, 43.0, 0.0)、
点Dr(44.0, 0.0, 56.0)、
点Hr(20.0, 0.0, 80.0)
点E’r(20.0, -62.715r+28.3, 62.715r+51.7)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分CDr、HrE’r、E’rE上にあり(但し、点C、点 Dr、点Hr、及び点Eは除く)、線分CDr、線分DrHr、線分HrE’r、線分E’rE及び線分EAが直線であり、
0.45125≦r≦1.0の場合、
点C(57.0, 43.0, 0.0)、
点Dr(44.0, 0.0, 56.0)、
点Fr(5.892r2+9.308r+14.6, 0.0, -5.892r2-9.308r+85.4)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分CDr、DrFr、FrE上にあり(但し、点C、点 Dr、点Fr、及び点Eは除く)、線分CDr、線分DrFr、線分FrE、及び線分ECが直線である、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の組成物を用いて冷凍サイクルを運転する工程を含む冷凍方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍装置。
【請求項5】
車載用空調機器を運転するために用いられる、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍装置であって、
前記冷凍装置が、ハイブリッド自動車用又は電気自動車用の空調装置である、冷凍装置。
【請求項7】
R12、R22、R134a、R404A、R407A、R407C、R407F、R407H、R410A、R413A、R417A、R422A、R422B、R422C、R422D、R423A、R424A、R426A、R427A、R430A、R434A、R437A、R438A、R448A、R449A、R449B、R449C、R452A、R452B、R454A、R454B、R454C、R455A、R465A、R474A、R479A、R502、R507、R513A、R1234yf又はR1234ze(E)の代替冷媒として用いられる、請求項1又は2に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
R410Aに代替可能な熱サイクル用作動媒体として、トリフルオロエチレン(HFO-1123)と1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132)とを含む熱サイクル用作動媒体が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/141678号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、新規な低GWP混合冷媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
項1.冷媒を含む組成物であって、
前記組成物は、ハイブリッド自動車用又は電気自動車用の空調装置の作動流体であり、
前記冷媒が、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))と、1,1-ジフルオロエタン(R152a)と、Xとを、合計で冷媒全体に対して99.5質量%以上含み、Xが、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)及び/又はトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(E))であり、
前記冷媒において、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1234ze(E)の濃度と(HFO-1234yf及びHFO-1234ze(E))の濃度との比をr=HFO-1234ze(E) /(HFO-1234yf+HFO-1234ze(E))とし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図において、座標(x,y,z)が、
0≦r<0.45125の場合、
点A(80.2, 19.8, 0.0)、
点Br(-10.832r2+33.032r+44.3, 0.0, 10.832r2-33.032r+55.7)、
点Hr(20.0, 0.0, 80.0)
点E’r(20.0, -62.715r+28.3, 62.715r+51.7)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分ABr、HrE’r、E’rE上にあり(但し、点A、点 Br、点Hr、及び点Eは除く)、線分ABr、線分BrHr、線分HrE’r、線分E’rE及び線分EAが直線であり、
0.45125≦r≦1.0の場合、
点A(80.2, 19.8, 0.0)、
点Br(-10.832r2+33.032r+44.3, 0.0, 10.832r2-33.032r+55.7)、
点Fr(5.892r2+9.308r+14.6, 0.0, -5.892r2-9.308r+85.4)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分ABr、FrE上にあり(但し、点A、点 Br、点Fr、及び点Eは除く)、線分ABr、線分BrFr、線分FrE、及び線分EAが直線である、
ことを特徴とする組成物。
項2.前記冷媒において、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1234ze(E)の濃度と(HFO-1234yf及びHFO-1234ze(E))の濃度との比をr=HFO-1234ze(E) /(HFO-1234yf+HFO-1234ze(E))とし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図において、座標(x,y,z)が、
0≦r<0.45125の場合、
点C(57.0, 43.0, 0.0)、
点Dr(44.0, 0.0, 56.0)、
点Hr(20.0, 0.0, 80.0)
点E’r(20.0, -62.715r+28.3, 62.715r+51.7)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分CDr、HrE’r、E’rE上にあり(但し、点C、点 Dr、点Hr、及び点Eは除く)、線分CDr、線分DrHr、線分HrE’r、線分E’rE及び線分EAが直線であり、
0.45125≦r≦1.0の場合、
点C(57.0, 43.0, 0.0)、
点Dr(44.0, 0.0, 56.0)、
点Fr(5.892r2+9.308r+14.6, 0.0, -5.892r2-9.308r+85.4)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分CDr、DrFr、FrE上にあり(但し、点C、点 Dr、点Fr、及び点Eは除く)、線分CDr、線分DrFr、線分FrE、及び線分ECが直線である、
上記項1に記載の組成物。
.上記項1又は2に記載の組成物を用いて冷凍サイクルを運転する工程を含む冷凍方法。
.上記項1又は2に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍装置。
.車載用空調機器を運転するために用いられる、上記項1又は2に記載の組成物。
.上記項1又は2に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍装置であって、
前記冷凍装置が、ハイブリッド自動車用又は電気自動車用の空調装置である、冷凍装置。
.R12、R22、R134a、R404A、R407A、R407C、R407F、R407H、R410A、R413A、R417A、R422A、R422B、R422C、R422D、R423A、R424A、R426A、R427A、R430A、R434A、R437A、R438A、R448A、R449A、R449B、R449C、R452A、R452B、R454A、R454B、R454C、R455A、R465A、R474A、R479A、R502、R507、R513A、R1234yf又はR1234ze(E)の代替冷媒として用いられる、上記項1又は2に記載の組成物。
【発明の効果】
【0006】
本開示の冷媒(混合冷媒)は、低GWPである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の冷媒の組成を示す三角図である。
図2】本開示の冷媒の組成を示す三角図である。
図3】不均化実験の結果とそれにより得られた不均化限界線を示す三角図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、以下に説明する各種の混合冷媒が、上記特性を有することを見出した。
【0009】
本開示は、かかる知見に基づきさらに研究を重ねた結果完成されたものである。本開示は、以下の実施形態を含む。
【0010】
<用語の定義>
本明細書において用語「冷媒」には、ISO817(国際標準化機構)で定められた、冷媒の種類を表すRで始まる冷媒番号(ASHRAE番号)が付された化合物が少なくとも含まれ、さらに冷媒番号が未だ付されていないとしても、それらと同等の冷媒としての特性を有するものが含まれる。冷媒は、化合物の構造の面で、「フルオロカーボン系化合物」と「非フルオロカーボン系化合物」とに大別される。「フルオロカーボン系化合物」には、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)及びハイドロフルオロカーボン(HFC)が含まれる。
【0011】
本明細書において、用語「冷媒を含む組成物」には、(1)冷媒そのもの(冷媒の混合物を含む)と、(2)その他の成分をさらに含み、少なくとも冷凍機油と混合することにより冷凍機用作動流体を得るために用いることのできる組成物と、(3)冷凍機油を含有する冷凍機用作動流体とが少なくとも含まれる。本明細書においては、これら三態様のうち、(2)の組成物のことを、冷媒そのもの(冷媒の混合物を含む)と区別して「冷媒組成物」と表記する。また、(3)の冷凍機用作動流体のことを「冷媒組成物」と区別して「冷凍機油含有作動流体」と表記する。
【0012】
本明細書において、用語「代替」は、第一の冷媒を第二の冷媒で「代替」するという文脈で用いられる場合、第一の類型として、第一の冷媒を使用して運転するために設計された機器において、必要に応じてわずかな部品(冷凍機油、ガスケット、パッキン、膨張弁、ドライヤその他の部品のうち少なくとも一種)の変更及び機器調整のみを経るだけで、第二の冷媒を使用して、最適条件下で運転することができることを意味する。すなわち、この類型は、同一の機器を、冷媒を「代替」して運転することを指す。この類型の「代替」の態様としては、第二の冷媒への置き換えの際に必要とされる変更乃至調整の度合いが小さい順に、「ドロップイン(drop in)代替」、「ニアリー・ドロップイン(nealy drop in)代替」及び「レトロフィット(retrofit)」があり得る。
【0013】
第二の類型として、第二の冷媒を用いて運転するために設計された機器を、第一の冷媒の既存用途と同一の用途のために、第二の冷媒を搭載して用いることも、用語「代替」に含まれる。この類型は、同一の用途を、冷媒を「代替」して提供することを指す。
【0014】
本明細書において用語「冷凍機」とは、物あるいは空間の熱を奪い去ることにより、周囲の外気よりも低い温度にし、かつこの低温を維持する装置全般のことをいう。言い換えれば、冷凍機は温度の低い方から高い方へ熱を移動させるために、外部からエネルギーを得て仕事を行いエネルギー変換する変換装置のことをいう。
【0015】
本明細書において、「車載用空調機器」とは、ガソリン車、ハイブリッド自動車、電気自動車、水素自動車などの自動車で用いられる冷凍装置の一種である。車載用空調機器とは、蒸発器にて液体の冷媒に熱交換を行わせ、蒸発した冷媒ガスを圧縮機が吸い込み、断熱圧縮された冷媒ガスを凝縮器で冷却して液化させ、さらに膨張弁を通過させて断熱膨張させた後、蒸発機に再び液体の冷媒として供給する冷凍サイクルからなる冷凍装置を指す。
【0016】
本明細書において冷媒が「毒性区分A」であるとは、米国ANSI/ASHRAE34-2019規格に従い混合冷媒の許容濃度(Occupational Exposure Limits(OEL))が、400ppm以上であることを意味する。また、「毒性区分B」であるとは、米国ANSI/ASHRAE34-2019規格に従い混合冷媒の許容濃度が、400ppm未満であることを意味する。
【0017】
本明細書において、混合冷媒の許容濃度(Occupational Exposure Limits (OEL))は、特に断りのない限り、中心組成で評価した値を指す。ただし、各冷媒のOELは以下の通りとして算出する。
HFO-1132(E):350ppm
R152a:1000ppm
R1234yf:500ppm
R1234ze(E):800ppm
R32:1000ppm
混合冷媒の中心組成におけるOELは、以下の式により算出する。
【0018】
【数1】
【0019】
ただし、anは、各冷媒化合物のOELを、mfnは、各冷媒化合物のモル分率を、それぞれ示す。
【0020】
本明細書において記載される圧力は、断りの無い場合は、単位を絶対圧とするものである。
【0021】
1.冷媒
本開示の冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))と、1,1-ジフルオロエタン(R152a)と、Xとを、合計で冷媒全体に対して99.5質量%以上含み、Xが、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)及び/又はトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(E))である。本開示の冷媒に含まれるHFO-1132(E)、R152a、並びにHFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E)のうち、冷媒全体に対して0.5質量%以上含まれるものを、「必須冷媒」と呼ぶことがある。本開示の冷媒は、HFO-1132(E)に換えてHFO-1123を使用してもCOP及び冷凍能力の点で冷媒全体の性能は実質的に同じである。実施例に示される通り、本開示の冷媒は、さらにジフルオロメタン(R32)を含んでいてもよい。Xは、HFO-1234yf単独であってもよく、HFO-1234ze(E)単独であってもよく、HFO-1234yfとHFO-1234ze(E)とを任意の濃度で含有する混合物であってもよい。
【0022】
本開示の冷媒(混合冷媒)は、低GWP混合冷媒である。
【0023】
本開示の冷媒において、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1234ze(E)の濃度と(HFO-1234yf及びHFO-1234ze(E))の濃度との比をr=HFO-1234ze(E) /(HFO-1234yf+HFO-1234ze(E))とし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図(図1参照)において、座標(x,y,z)が以下の要件を満たすとき、許容濃度が400ppm以上となり、ASHRAE毒性区分は「A」となり、また、沸点が-40℃以下となる。なお、rの範囲は0≦r≦1であり、r=0の場合はXはHFO-1234yf単独であり、r=1の場合はXはHFO-1234ze(E)単独であり、0<r<1の場合はXはHFO-1234yfとHFO-1234ze(E)との混合冷媒である(以下同様)。
【0024】
ここで、点Aは三角図の外周のX=0質量%を示す辺における許容濃度400ppmとなる座標であり、点A(80.2, 19.8, 0.0)である。点Brは三角図の外周のR152a=0質量%を示す辺における許容濃度400ppmとなる座標であり、rの値により座標は変動する。点Hrは三角図の外周のR152a=0質量%を示す辺とHFO-1132(E)=20質量%を示す線分(直線)との交点であり、rの値により変動せず、点Hr(20.0, 0.0, 80.0)である。点Eは三角図の外周のX=0質量%を示す辺における沸点-40℃となる座標であり、点E(28.3, 71.7, 0.0)である。点Frは三角図の外周のR152a=0質量%を示す辺における沸点-40℃となる座標であり、rの値により座標は変動する。
【0025】
また、点Cは三角図の外周のX=0質量%を示す辺における不均化限界点であり、点C(57.0, 43.0, 0.0)である。点Drは三角図の外周のR152a=0質量%を示す辺における不均化限界点となる座標であり、混合冷媒組成はrの値により変動するが、座標はrの値により変動せず、点Dr(44.0, 0.0, 56.0)である。点E’rは線分FrE(直線)とHFO-1132(E)=20質量%を示す線分(直線)との交点であり、rの値により座標は変動し、r=0.45125の場合には、Hr=Fr=E’rとなる。
【0026】
<要件>
0≦r<0.45125の場合、
点A(80.2, 19.8, 0.0)、
点Br(-10.832r2+33.032r+44.3, 0.0, 10.832r2-33.032r+55.7)、
点Hr(20.0, 0.0, 80.0)
点E’r(20.0, -62.715r+28.3, 62.715r+51.7)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分ABr、HrE’r、E’rE上にあり(但し、点A、点 Br、点Hr、及び点Eは除く)、線分ABr、線分BrHr、線分HrE’r、線分E’rE及び線分EAが直線であり、
0.45125≦r≦1.0の場合、
点A(80.2, 19.8, 0.0)、
点Br(-10.832r2+33.032r+44.3, 0.0, 10.832r2-33.032r+55.7)、
点Fr(5.892r2+9.308r+14.6, 0.0, -5.892r2-9.308r+85.4)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分ABr、FrE上にあり(但し、点A、点 Br、点Fr、及び点Eは除く)、線分ABr、線分BrFr、線分FrE、及び線分EAが直線である。
【0027】
本開示の冷媒において、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1234ze(E)の濃度と(HFO-1234yf及びHFO-1234ze(E))の濃度との比をr=HFO-1234ze(E) /(HFO-1234yf+HFO-1234ze(E))とし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図(図1参照)において、座標(x,y,z)が以下の要件を満たすとき、許容濃度が400ppm以上であってASHRAE毒性区分が「A」であり、沸点が-40℃以下となる特性に加えて、5.0MPa、150℃においてHFO-1132(E)の不均化反応が起こらない。また、この範囲であれば、GWPが89以下であり、対R410Aで冷凍能力比が54%以上、COP比が102%以上となり、対R404Aで冷凍能力比が63%以上、COP比が103%以上となる。
【0028】
<要件>
0≦r<0.45125の場合、
点C(57.0, 43.0, 0.0)、
点Dr(44.0, 0.0, 56.0)、
点Hr(20.0, 0.0, 80.0)
点E’r(20.0, -62.715r+28.3, 62.715r+51.7)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分CDr、HrE’r、E’rE上にあり(但し、点C、点 Dr、点Hr、及び点Eは除く)、線分CDr、線分DrHr、線分HrE’r、線分E’rE及び線分EAが直線であり、
0.45125≦r≦1.0の場合、
点C(57.0, 43.0, 0.0)、
点Dr(44.0, 0.0, 56.0)、
点Fr(5.892r2+9.308r+14.6, 0.0, -5.892r2-9.308r+85.4)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分CDr、DrFr、FrE上にあり(但し、点C、点 Dr、点Fr、及び点Eは除く)、線分CDr、線分DrFr、線分FrE、及び線分ECが直線である。
【0029】
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1234ze(E)の濃度と(HFO-1234yf及びHFO-1234ze(E))の濃度との比をr=HFO-1234ze(E) /(HFO-1234yf+HFO-1234ze(E))とし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図(図1参照)において、座標(x,y,z)が上記直線AB0≦r≦1上にあるか、又は直線AB0≦r≦1よりも下側に位置するとき、許容濃度が400ppm以上となり、ASHRAE毒性区分が「A」となる。
【0030】
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1234ze(E)の濃度と(HFO-1234yf及びHFO-1234ze(E))の濃度との比をr=HFO-1234ze(E) /(HFO-1234yf+HFO-1234ze(E))とし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図(図1参照)において、座標(x,y,z)が上記直線CD0≦r≦1上にあるか、又は直線CD0≦r≦1よりも下側に位置するとき、5.0MPa、150℃において不均化反応が起こらない。この場合、冷凍サイクルが、局所的に冷媒の圧力が5.0MPa、かつ冷媒の温度が150℃となっても、HFO-1132(E)の不均化反応を抑制することができる。
【0031】
また、本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1234ze(E)の濃度と(HFO-1234yf及びHFO-1234ze(E))の濃度との比をr=HFO-1234ze(E) /(HFO-1234yf+HFO-1234ze(E))とし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図(図1参照)において、座標(x,y,z)が上記直線CD0≦r≦1上にあるか、又は直線CD0≦r≦1よりも下側に位置し、且つ上記直線F0≦r≦1E上にあるか、又はF0≦r≦1Eよりも上側に位置するとき、沸点が-40.0℃以下となる。沸点が-40.0℃以下である場合、ヒートポンプによる暖房において使用しやすいという利点がある。例えば、上記本開示の冷媒は、車載用空調機器の冷凍サイクルを運転するために用いることにより、電気ヒーターに比べて消費電力の少ないヒートポンプによる暖房が可能になるという利点がある。車載用空調機器としては、ガソリン車用、ハイブリッド自動車用、電気自動車用又は水素自動車用等が挙げられる。
【0032】
本開示の冷媒は、冷媒全体に対してHFO-1132(E)を、20質量%以上含んでおり、30質量%以上含んでいてもよく、40質量%以上含んでいてもよく、50質量%以上含んでいてもよく、60質量%以上含んでいてもよく、70質量%以上含んでいてもよい。HFO-1132(E)の含有量の上限は80.2質量%未満であり、75質量%以下がより好ましい。本開示の冷媒は、冷媒全体に対してR152aを、10質量%以上含んでいてもよく、20質量%以上含んでいてもよく、30質量%以上含んでいてもよく、40質量%以上含んでいてもよく、50質量%以上含んでいてもよく、60質量%以上含んでいてもよく、70質量%以上含んでいてもよい。R152aの含有量の上限は71.7質量%未満である。本開示の冷媒は、冷媒全体に対してX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))を、HFO-1234yf単独において、又はHFO-1234ze(E)単独において、又はHFO-1234yfとHFO-1234ze(E)との混合物である場合はHFO-1234yfとHFO-1234ze(E)との合計において、10質量%以上含んでいてもよく、20質量%以上含んでいてもよく、30質量%以上含んでいてもよく、40質量%以上含んでいてもよく、50質量%以上含んでいてもよく、60質量%以上含んでいてもよく、70質量%以上含んでいてもよく、80質量%以上含んでいてもよく、90質量%以上含んでいてもよい。
【0033】
本開示の冷媒は、Xが2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)単独である場合には、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))と、1,1-ジフルオロエタン(R152a)と、Xとを、合計で冷媒全体に対して99.5質量%以上含み、Xが、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)である、と記載することができる。
【0034】
本開示の冷媒において、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf)の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図(図2参照)において、座標(x,y,z)が以下の要件を満たすとき、許容濃度が400ppm以上となり、ASHRAE毒性区分は「A」となり、また、沸点が-40℃以下となる。
【0035】
<要件>
点A(80.2, 19.8, 0.0)、
点B(44.3, 0.0, 55.7)、
点H(20.0, 0.0, 80.0)、
点E’(20.0, 28.3, 51.7)
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分AB上、線分HE’上、線分E’E上にあり(但し、点A、点B、点H及び点Eは除く)、線分AB、線分BH、線分HE’、線分E’E及び線分EAが直線である(図2ではr=0と記載しているが、ここではrは省略する)。
【0036】
本開示の冷媒において、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図(図2参照)において、座標(x,y,z)が以下の要件を満たすとき、許容濃度が400ppm以上であってASHRAE毒性区分が「A」であり、沸点が-40℃以下となる特性に加えて、5.0MPa、150℃においてHFO-1132(E)の不均化反応が起こらない。また、この範囲であれば、GWPが89以下であり、対R410Aで冷凍能力比が54%以上、COP比が102%以上となり、対R404Aで冷凍能力比が63%以上、COP比が103%以上となる。
【0037】
<要件>
点C(57.0, 43.0, 0.0)、
点D(44.0, 0.0, 56.0)、
点H(20.0, 0.0, 80.0)、
点E’(20.0, 28.3, 51.7)
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分CD上、線分HE’上、線分E’E上にあり(但し、点C、点D、点H及び点Eは除く)、線分CD、線分DH、線分HE’、線分E’E及び線分EAが直線である(図2ではr=0と記載しているが、ここではrは省略する)。
【0038】
本開示の冷媒は、上記の特性や効果を損なわない範囲内で、必須冷媒に加えて、さらに追加的な冷媒を含有していてもよい。この点で、ある態様においては、本開示の冷媒が、必須冷媒の合計を、冷媒全体に対して99.5質量%以上含むことが好ましく、99.75質量%以上含むことがより好ましく、99.9質量%以上含むことがさらに好ましく、99.999質量%以上含むことがさらにより好ましく、99.9999質量%以上含むことが最も好ましい。本開示の冷媒は、必須冷媒のみから実質的になるものであってもよく、この場合、本開示の冷媒は、必須冷媒及び不可避的不純物のみからなるものであってもよい。また、本開示の冷媒は、必須冷媒のみからなるものであってもよい。
【0039】
追加的な冷媒としては、特に限定されず、幅広く選択できる。混合冷媒は、追加的な冷媒として、一種を単独で含んでいてもよいし、二種以上を含んでいてもよい。追加的な冷媒としては、ジフルオロメタン(R32)、アセチレン、メチルアミン、HFO-1132a、HFO-1141、HFC-143a、HFC-134a、HFO-1132(E)、HFO-1243zf、HFC-245cb、HCFC-1122、HCFC-124、CFC-1113、3,3,3-トリフルオロプロピン等が挙げられる。これらの中でもR32がCOPと冷凍能力の向上の点から追加的な冷媒として好ましい。R32を追加的な冷媒として添加する場合には、R32の含有量は冷媒全体に対して10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。また、R32の含有量は冷媒全体に対して40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
【0040】
本開示の冷媒は、例えばR12、R22、R134a、R404A、R407A、R407C、R407F、R407H、R410A、R413A、R417A、R422A、R422B、R422C、R422D、R423A、R424A、R426A、R427A、R430A、R434A、R437A、R438A、R448A、R449A、R449B、R449C、R452A、R452B、R454A、R454B、R454C、R455A、R465A、R474A、R479A、R502、R507、R513A、R1234yf又はR1234ze(E)の代替冷媒として用いることができる。この中でも、R410A及びR404Aの少なくとも一種の代替冷媒として用いることが好ましい。
【0041】
2. 冷媒組成物
本開示の冷媒組成物は、本開示の冷媒を少なくとも含み、本開示の冷媒と同じ用途のために使用することができる。また、本開示の冷媒組成物は、さらに少なくとも冷凍機油と混合することにより冷凍機用作動流体を得るために用いることができる。
【0042】
本開示の冷媒組成物は、本開示の冷媒に加え、さらに少なくとも一種のその他の成分を含有する。本開示の冷媒組成物は、必要に応じて、以下のその他の成分のうち少なくとも一種を含有していてもよい。上述の通り、本開示の冷媒組成物を、冷凍機における作動流体として使用するに際しては、通常、少なくとも冷凍機油と混合して用いられる。したがって、本開示の冷媒組成物は、好ましくは冷凍機油を実質的に含まない。具体的には、本開示の冷媒組成物は、冷媒組成物全体に対する冷凍機油の含有量が好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下である。
【0043】
2.1
本開示の冷媒組成物は微量の水を含んでもよい。冷媒組成物における含水割合は、冷媒全体に対して、0.1質量%以下とすることが好ましい。冷媒組成物が微量の水分を含むことにより、冷媒中に含まれ得る不飽和のフルオロカーボン系化合物の分子内二重結合が安定化され、また、不飽和のフルオロカーボン系化合物の酸化も起こりにくくなるため、冷媒組成物の安定性が向上する。
【0044】
2.2 トレーサー
トレーサーは、本開示の冷媒組成物が希釈、汚染、その他何らかの変更があった場合、その変更を追跡できるように検出可能な濃度で本開示の冷媒組成物に添加される。
【0045】
本開示の冷媒組成物は、トレーサーとして、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0046】
トレーサーとしては、特に限定されず、一般に用いられるトレーサーの中から適宜選択することができる。
【0047】
トレーサーとしては、例えば、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロカーボン、フルオロカーボン、重水素化炭化水素、重水素化ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ素化化合物、アルコール、アルデヒド、ケトン、亜酸化窒素(N2O)等が挙げられる。トレーサーとしては、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロカーボン、フルオロカーボン及びフルオロエーテルが特に好ましい。
【0048】
トレーサーとしては、以下の化合物が好ましい。
FC-14(テトラフルオロメタン、CF4)、
HCC-40(クロロメタン、CH3Cl)、
HFC-23(トリフルオロメタン、CHF3)、
HFC-41(フルオロメタン、CH3F)、
HFC-125(ペンタフルオロエタン、CF3CHF2)、
HFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン、CF3CH2F)、
HFC-134(1,1,2,2-テトラフルオロエタン、CHF2CHF2)、
HFC-143a(1,1,1-トリフルオロエタン、CF3CH3)、
HFC-143(1,1,2-トリフルオロエタン、CHF2CH2F)、
HFC-152(1,2-ジフルオロエタン、CH2FCH2F)、
HFC-161(フルオロエタン、CH3CH2F)、
HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、CF3CH2CHF2)、
HFC-236fa(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、CF3CH2CF3)、
HFC-236ea(1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン、CF3CHFCHF2)、
HFC-227ea(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、CF3CHFCF3)、
HCFC-22(クロロジフルオロメタン、CHClF2)、
HCFC-31(クロロフルオロメタン、CH2ClF)、
CFC-1113(クロロトリフルオロエチレン、CF2=CClF)、
HFE-125(トリフルオロメチル-ジフルオロメチルエーテル、CF3OCHF2)、
HFE-134a(トリフルオロメチル-フルオロメチルエーテル、CF3OCH2F)、
HFE-143a(トリフルオロメチル-メチルエーテル、CF3OCH3)、
HFE-227ea(トリフルオロメチル-テトラフルオロエチルエーテル、CF3OCHFCF3)、
HFE-236fa(トリフルオロメチル-トリフルオロエチルエーテル、CF3OCH2CF3)。
【0049】
本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、約10重量百万分率(ppm)以上含んでいてもよい。また、本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、約1000ppm以下含んでいてもよい。本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、好ましくは約30ppm以上、より好ましくは約50ppm以上含んでいてもよい。本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、好ましくは約500ppm以下含んでいてもよく、約300ppm以下含んでいてもよい。
【0050】
2.3 紫外線蛍光染料
本開示の冷媒組成物は、紫外線蛍光染料として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0051】
紫外線蛍光染料としては、特に限定されず、一般に用いられる紫外線蛍光染料の中から適宜選択することができる。
【0052】
紫外線蛍光染料としては、例えば、ナフタルイミド、クマリン、アントラセン、フェナントレン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン及びフルオレセイン、並びにこれらの誘導体が挙げられる。紫外線蛍光染料としては、ナフタルイミド及びクマリンのいずれか又は両方が特に好ましい。
【0053】
2.4 安定剤
本開示の冷媒組成物は、安定剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0054】
安定剤としては、特に限定されず、一般に用いられる安定剤の中から適宜選択することができる。
【0055】
安定剤としては、例えば、ニトロ化合物、エーテル類及びアミン類等が挙げられる。
【0056】
ニトロ化合物としては、例えば、ニトロメタン及びニトロエタン等の脂肪族ニトロ化合物、並びにニトロベンゼン及びニトロスチレン等の芳香族ニトロ化合物等が挙げられる。
【0057】
エーテル類としては、例えば、1,4-ジオキサン等が挙げられる。
【0058】
アミン類としては、例えば、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。
【0059】
その他にも、ブチルヒドロキシキシレン、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0060】
安定剤の含有割合は、冷媒全体に対して、0.01質量%以上とすることが好ましく、0.05質量%以上とすることがより好ましい。安定剤の含有割合は、冷媒全体に対して、5質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることがより好ましい。
【0061】
2.5 重合禁止剤
本開示の冷媒組成物は、重合禁止剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0062】
重合禁止剤としては、特に限定されず、一般に用いられる重合禁止剤の中から適宜選択することができる。
【0063】
重合禁止剤としては、例えば、4-メトキシ-1-ナフトール、ヒドロキノン、ヒドロキノンメチルエーテル、ジメチル-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0064】
重合禁止剤の含有割合は、冷媒全体に対して、0.01質量%以上とすることが好ましく、0.05質量%以上とすることがより好ましい。重合禁止剤の含有割合は、冷媒全体に対して、5質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることがより好ましい。
【0065】
3. 冷凍機油含有作動流体
本開示の冷凍機油含有作動流体は、本開示の冷媒又は冷媒組成物と、冷凍機油とを少なくとも含み、冷凍機における作動流体として用いられる。具体的には、本開示の冷凍機油含有作動流体は、冷凍機の圧縮機において使用される冷凍機油と、冷媒又は冷媒組成物とが互いに混じり合うことにより得られる。冷凍機油含有作動流体には冷凍機油は一般に10質量%以上含まれる。冷凍機油含有作動流体には冷凍機油は一般に50質量%以下含まれる。
【0066】
3.1 冷凍機油
本開示の組成物は、冷凍機油として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0067】
冷凍機油としては、特に限定されず、一般に用いられる冷凍機油の中から適宜選択することができる。その際には、必要に応じて、前記混合物との相溶性(miscibility)及び前記混合物の安定性等を向上する作用等の点でより優れている冷凍機油を適宜選択することができる。
【0068】
冷凍機油の基油としては、例えば、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリオールエステル(POE)及びポリビニルエーテル(PVE)からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
【0069】
冷凍機油は、基油に加えて、さらに添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、酸化防止剤、極圧剤、酸捕捉剤、酸素捕捉剤、銅不活性化剤、防錆剤、油性剤及び消泡剤からなる群より選択される少なくとも一種であってもよい。
【0070】
冷凍機油として、40℃における動粘度が5cSt以上であるものが、潤滑の点で好ましい。また、冷凍機油として、40℃における動粘度が400cSt以下であるものが、潤滑の点で好ましい。
【0071】
本開示の冷凍機油含有作動流体は、必要に応じて、さらに少なくとも一種の添加剤を含んでもよい。添加剤としては例えば以下の相溶化剤等が挙げられる。
【0072】
3.2 相溶化剤
本開示の冷凍機油含有作動流体は、相溶化剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0073】
相溶化剤としては、特に限定されず、一般に用いられる相溶化剤の中から適宜選択することができる。
【0074】
相溶化剤としては、例えば、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテルおよび1,1,1-トリフルオロアルカン等が挙げられる。相溶化剤としては、ポリオキシアルキレングリコールエーテルが特に好ましい。
【0075】
4.冷凍機の運転方法
本開示の冷凍機の運転方法は、本開示の冷媒を用いて冷凍機を運転する方法である。
【0076】
具体的には、本開示の冷凍機の運転方法は、本開示の冷媒を冷凍機において循環させる工程を含む。
【0077】
ASHRAE毒性区分Aでの使用
本開示は、ASHRAE毒性区分Aでの使用方法を含み、HFO-1132(E)は毒性区分Bであるが、R152a、並びにX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))と混合することで従来のR32、R410Aと同様にASHRAE毒性区分Aで混合冷媒を扱えるという効果が得られる。
【0078】
5.不均化反応の抑制方法
本開示の不均化反応の抑制方法は、本開示の冷媒を用いて冷凍サイクルを運転する工程を含む、HFO-1132(E)の不均化反応の抑制方法である。
【0079】
本開示の不均化反応の抑制方法においては、特に、冷媒の圧力が5.0MPaのときに、かつ冷媒の温度が150℃となっても、HFO-1132(E)の不均化反応が起こらないという効果が得られる。
【0080】
本開示の不均化反応の抑制方法により、特に不均化反応の抑制手段を設けていない冷凍機においても不均化反応を抑制して冷凍サイクルを運転することが可能となる。
【0081】
6.不均化反応の抑制のための使用
本開示の使用は、R152a、並びにX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、HFO-1132(E)の不均化反応を抑制するための使用であって、前記不均化反応の抑制は、HFO-1132(E)と、R152a、並びにX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))とを、本開示の冷媒の混合比率となるように混合することにより行われる。
【0082】
本開示の不均化反応の抑制のための使用においては、特に、冷媒の圧力が5.0MPaのときに、且つ冷媒の温度が150℃となっても、HFO-1132(E)の不均化反応が起こらないという効果が得られる。
【0083】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【実施例
【0084】
以下に、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本開示は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0085】
HFO-1132(E)、R152a、並びにX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))を、これらの総和を基準として、表1にそれぞれ示した質量%で混合した混合冷媒を調製した。
【0086】
これらの各混合冷媒について、それぞれの許容濃度(OEL値)を調べた。なお、本開示における各表中のR1234zeは、トランス体(E-R1234ze)を意味する。
【0087】
【表1-1】
【0088】
【表1-2】
【0089】
なお、点Br、点Dr、点Fr、及び点E’r上の座標は、0≦r≦1の範囲内においてr=0、r=0.45125及びr=1の結果から以下のようにして最小二乗法に基づき求めた。表1の結果から明らかな通り、点Aと点Cと点Eの座標は0≦r≦1の範囲内において一定である。
【0090】
【表2-1】
【0091】
【表2-2】
【0092】
【表2-3】
【0093】
【表2-4】
【0094】
【表2-5】
【0095】
表1の結果から、本開示の冷媒は図1に示す三角図において示される領域内、具体的には座標(x,y,z)が直線AB0≦r≦1上にあるか、又は直線AB0≦r≦1よりも下側に位置するとき、許容濃度が400ppm以上となり、ASHRAE毒性区分が「A」であることが分かる。
【0096】
HFO-1132(E)、R152a、並びにX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))を、これらの総和を基準として、表2にそれぞれ示した質量%で混合した混合冷媒を調製した。
【0097】
これらの各混合冷媒について、次の試験方法及び試験条件において、不均化反応の有無を調べた。
【0098】
試験方法
試験容器に、試験する冷媒組成物を移充填し、150℃まで加熱した後、容器内のPt線に電圧を印可して溶断させることで、冷媒組成物に30Jのエネルギーを与えた。不均化反応の有無は装置内の急激な圧力上昇及び温度上昇によって判定した。
【0099】
試験条件
試験容器:38cc SUS製容器
試験温度:150℃
圧力:5.0MPa
判定基準
「不爆」:Pt線溶断後の温度又は圧力が2倍未満であり、急激な不均化反応が起こっていない、
「爆発」:Pt線溶断後の温度又は圧力が2倍以上に達し、急激な不均化反応が起こった。
【0100】
【表3-1】
【0101】
【表3-2】
【0102】
【表3-3】
【0103】
表3の結果から、本開示の冷媒は図1に示す三角図において示される領域内、具体的には座標(x,y,z)が直線CD0≦r≦1上にあるか、又は直線CD0≦r≦1よりも下側に位置するとき、5.0MPa、150℃において不均化反応が起こらないことが判る。
【0104】
HFO-1132(E)のGWPは1とし、R152a、並びにX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))のGWPは、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)第4次報告書の値に基づいて、混合冷媒のGWPを評価した。また、混合冷媒のCOP、冷凍能力、吐出温度及び沸点は、National Institute of Science and Technology(NIST)Reference Fluid Thermodynamic and Transport Properties Database(Refprop 10.0)を使い、下記条件で混合冷媒の冷凍サイクル理論計算を実施することにより求めた。なお、冷凍サイクル理論計算に用いるHFO-1132(E)の物性データは実測により求め、Refprop.10.0に追加した。
【0105】
<対R410A比>
蒸発温度 5℃
凝縮温度 45℃
過熱温度 5K
過冷却温度 5K
圧縮機効率 70%
【0106】
<対R1234yf比>
蒸発温度 -30℃
凝縮温度 30℃
過熱温度 5K
過冷却温度 5K
圧縮機効率 70%
【0107】
<対R404A比>
蒸発温度 -40℃
凝縮温度 40℃
過熱温度 20K
過冷却温度 0K
圧縮機効率 70%。
【0108】
以下の表中、「COP比」及び「冷凍能力比」とは、R410A、R404A又はR1234yfに対する割合(%)を示す。表中、「沸点(℃)」とは、混合冷媒の液相が大気圧(101.33kPa)となる温度を示す。
【0109】
成績係数(COP)は、次式により求めた。
【0110】
COP =(冷凍能力又は暖房能力)/消費電力量。
【0111】
以下の表中、「動力の消費電力量(%)」とは、電気自動車が走行するために使用した電気エネルギーを示し、冷媒をHFO-1234yfとしたとき消費電力量との比で表す。表中、「暖房の消費電力量(%)」とは、電気自動車が暖房を運転するために使用した電気エネルギーを示し、冷媒をHFO-1234yfとしたとき消費電力量との比で表す。
【0112】
以下の表中、「走行可能距離(あり)」とは、一定の電気容量の二次電池を搭載した電気自動車において、暖房せずに(暖房の消費電力が0)走行した場合の走行可能距離(なし)を100%とした場合の暖房ありで走行した場合の走行可能距離を相対割合(%)で表したものである。
【0113】
暖房方法は、沸点が-40℃を超える冷媒では暖房に電気ヒーター方式を用い、沸点が-40℃以下の冷媒には暖房にヒートポンプ方式を用いた。
【0114】
暖房使用時の消費電力量は、次式により求めた。なお、暖房COPとは「暖房効率」を意味する。
【0115】
暖房使用時の消費電力量=暖房能力/暖房COP
暖房効率について、電気ヒーターの場合は暖房COP=1であり、動力と同等の電極を暖房に消費する。つまり、暖房の消費電力はE=E/(1+COP)となる。
【0116】
走行可能距離は、次式により求めた。
走行可能距離=(電池容量)/(動力の消費電力量+暖房での消費電力量)
これらの値を、各混合冷媒についてのGWPと合わせて前記表1及び以下の表に示す。
【0117】
【表4-1】
【0118】
【表4-2】
【0119】
【表4-3】
【0120】
【表4-4】
【0121】
【表4-5】
【0122】
【表4-6】
【0123】
これらの結果から、本開示の冷媒において、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1234ze(E)の濃度と(HFO-1234yf及びHFO-1234ze(E))の濃度との比をr=HFO-1234ze(E) /(HFO-1234yf+HFO-1234ze(E))とし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図(図1参照)において、座標(x,y,z)が以下の要件を満たすとき、許容濃度が400ppm以上となり、ASHRAE毒性区分は「A」となり、沸点が-40℃以下となることが分かる。
【0124】
<要件>
0≦r<0.45125の場合、
点A(80.2, 19.8, 0.0)、
点Br(-10.832r2+33.032r+44.3, 0.0, 10.832r2-33.032r+55.7)、
点Hr(20.0, 0.0, 80.0)
点E’r(20.0, -62.715r+28.3, 62.715r+51.7)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分ABr、HrE’r、E’rE上にあり(但し、点A、点 Br、点Hr、及び点Eは除く)、線分ABr、線分BrHr、線分HrE’r、線分E’rE及び線分EAが直線であり、
0.45125≦r≦1.0の場合、
点A(80.2, 19.8, 0.0)、
点Br(-10.832r2+33.032r+44.3, 0.0, 10.832r2-33.032r+55.7)、
点Fr(5.892r2+9.308r+14.6, 0.0, -5.892r2-9.308r+85.4)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分ABr、FrE上にあり(但し、点A、点 Br、点Fr、及び点Eは除く)、線分ABr、線分BrFr、線分FrE、及び線分EAが直線である。
【0125】
また、本開示の冷媒において、HFO-1132(E)、R152a及びX(HFO-1234yf及び/又はHFO-1234ze(E))の、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとし、
HFO-1234ze(E)の濃度と(HFO-1234yf及びHFO-1234ze(E))の濃度との比をr=HFO-1234ze(E) /(HFO-1234yf+HFO-1234ze(E))とし、
HFO-1132(E)、R152a及びXの総和が100質量%となる3成分組成図(図1参照)において、座標(x,y,z)が以下の要件を満たすとき、許容濃度が400ppm以上であってASHRAE毒性区分が「A」であり、沸点が-40℃以下である特性に加えて、5.0MPa、150℃においてHFO-1132(E)の不均化反応が起こらないことが分かる。また、この範囲であれば、GWPが89以下であり、対R410Aで冷凍能力比が54%以上、COP比が102%以上となり、対R404Aで冷凍能力比が63%以上、COP比が103%以上となる。
【0126】
<要件>
0≦r<0.45125の場合、
点C(57.0, 43.0, 0.0)、
点Dr(44.0, 0.0, 56.0)、
点Hr(20.0, 0.0, 80.0)
点E’r(20.0, -62.715r+28.3, 62.715r+51.7)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分CDr、HrE’r、E’rE上にあり(但し、点C、点 Dr、点Hr、及び点Eは除く)、線分CDr、線分DrHr、線分HrE’r、線分E’rE及び線分EAが直線であり、
0.45125≦r≦1.0の場合、
点C(57.0, 43.0, 0.0)、
点Dr(44.0, 0.0, 56.0)、
点Fr(5.892r2+9.308r+14.6, 0.0, -5.892r2-9.308r+85.4)、
点E(28.3, 71.7, 0.0)、
で囲まれる図形の範囲内又は線分CDr、DrFr、FrE上にあり(但し、点C、点 Dr、点Fr、及び点Eは除く)、線分CDr、線分DrFr、線分FrE、及び線分ECが直線である。
【0127】
【表5-1】
【0128】
【表5-2】
【0129】
表5の結果から、本開示の冷媒は冷凍能力比(特に54%以上が得られる)及びCOP比(特に102%以上が得られる)のいずれの観点からもR410A代替の用途に適していることが分かる。
【0130】
【表6-1】
【0131】
【表6-2】
【0132】
表6の結果から、本開示の冷媒は冷凍能力比(特に63%以上が得られる)及びCOP比(特に103%以上が得られる)のいずれの観点からもR404A代替の用途に適していることが分かる。
【0133】
さらに、本開示の冷媒はHFO-1132(E)に換えてHFO-1123を使用しても同様のCOP比、冷凍能力比が得られる。
図1
図2
図3