(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】制御装置、および、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20241113BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20241113BHJP
B41J 11/66 20060101ALI20241113BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20241113BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/00 386
B41J21/00 Z
B41J11/66
H04N1/387
G06F3/12 310
G06F3/12 319
G06F3/12 356
G06F3/12 350
(21)【出願番号】P 2021013353
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001058
【氏名又は名称】鳳国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西川 泰央
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-028172(JP,U)
【文献】特開2014-110505(JP,A)
【文献】特開2005-219295(JP,A)
【文献】特開2007-313688(JP,A)
【文献】特開2006-056016(JP,A)
【文献】特開2013-247487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 21/00
B41J 11/66
H04N 1/387
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1サイズの印刷媒体と前記第1サイズよりも小さな第2サイズの印刷媒体とに印刷を実行可能な印刷実行部であって、前記第1サイズの印刷媒体を切断して前記第2サイズの印刷媒体を作成する切断部を備える前記印刷実行部の制御装置であって、
制御部とメモリとを備え、
前記制御部は、
対象画像を含む画像を示す元画像データを取得し、
前記元画像データを用いて前記対象画像のサイズを取得し、
前記対象画像のサイズが前記第2サイズに基づく基準サイズよりも大きいか否かを判断し、
前記対象画像のサイズが前記基準サイズよりも大きい場合に第1の印刷済媒体を前記印刷実行部に作成させる第1制御を実行し、
前記対象画像のサイズが前記基準サイズ以下である場合に
前記第2サイズの印刷媒体に前記印刷を実行するか否かを問い合わせる通知を実行し、
前記通知において、前記第2サイズの印刷媒体に印刷することをユーザが選択する際に、第2の印刷済媒体を前記印刷実行部に作成させる第2制御を実行し、
前記通知において、前記第2サイズの印刷媒体に印刷しないことをユーザが選択する際に、前記第1制御を実行し、
前記第1の印刷済媒体は、前記対象画像を含む画像が印刷された前記第1サイズの印刷媒体であり、
前記第2の印刷済媒体は、前記対象画像を含む画像が印刷された前記第2サイズの印刷媒体であり、前記第1サイズの印刷媒体を前記切断部によって切断して作成される前記第2サイズの印刷媒体である、制御装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の制御装置であって、
前記基準サイズは、前記第2サイズの印刷媒体の第1方向の長さに基づく第1基準長と、前記第2サイズの印刷媒体の第2方向の長さに基づく第2基準長と、を含み、
前記対象画像のサイズが前記基準サイズ以下であると判断する判断条件は、前記対象画像の前記第1方向に対応する方向の長さが前記第1基準長以下であり、かつ、前記対象画像の前記第2方向に対応する方向の長さが前記第2基準長以下であることを
含む、制御装置。
【請求項3】
請求項
1に記載の制御装置であって、
前記基準サイズは、前記第2サイズの印刷媒体の第1方向の長さに基づく第1基準長と、前記第2サイズの印刷媒体の第2方向の長さに基づく第2基準長と、前記第2サイズの印刷媒体の面積に基づく基準面積と、を含み、
前記制御部は、前記対象画像の前記第1方向に対応する方向の長さが前記第1基準長より長い、あるいは、前記対象画像の前記第2方向に対応する方向の長さが前記第2基準長よりも長い場合であっても、前記対象画像の面積が前記基準面積以下である場合には、前記対象画像のサイズが前記基準サイズ以下であると判断し、
前記通知は、前記対象画像のレイアウトを変更することで前記第2制御を実行できることの通知を含む、制御装置。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第2サイズは、前記第1サイズの半分のサイズであり、
前記切断部は、1つの前記第1サイズの印刷媒体を切断して2つの前記第2サイズの印刷媒体を作成する、制御装置。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれかに記載の制御装置であって、
前記元画像データは、イメージセンサを用いて生成される画像データであって、原稿を含む画像を示す画像データであり、
前記対象画像のサイズは、前記元画像データによって示される画像内の原稿を示す部分のサイズである、制御装置。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれかに記載の制御装置であって、
前記対象画像は、画像内のオブジェクトを示す画像であり、
前記対象画像のサイズは、画像内のオブジェクトが配置される領域のサイズである、制御装置。
【請求項7】
第1サイズの印刷媒体と前記第1サイズよりも小さな第2サイズの印刷媒体とに印刷を実行可能な印刷実行部であって、前記第1サイズの印刷媒体を切断して前記第2サイズの印刷媒体を作成する切断部を備える前記印刷実行部のためのコンピュータプログラムであって、
対象画像を含む画像を示す元画像データを取得する画像取得処理と、
前記元画像データを用いて前記対象画像のサイズを取得するサイズ取得処理と、
前記対象画像のサイズが前記第2サイズに基づく基準サイズよりも大きいか否かを判断するサイズ判断処理と、
印刷制御処理と、
をコンピュータに実現させ、
前記印刷制御処理は、
前記対象画像のサイズが前記基準サイズよりも大きい場合に第1の印刷済媒体を前記印刷実行部に作成させる第1制御を実行
し、
前記対象画像のサイズが前記基準サイズ以下である場合に
前記第2サイズの印刷媒体に前記印刷を実行するか否かを問い合わせる通知を実行し、
前記通知において、前記第2サイズの印刷媒体に印刷することをユーザが選択する際に、第2の印刷済媒体を前記印刷実行部に作成させる第2制御を実行し、
前記通知において、前記第2サイズの印刷媒体に印刷しないことをユーザが選択する際に、前記第1制御を実行し、
前記第1の印刷済媒体は、前記対象画像を含む画像が印刷された前記第1サイズの印刷媒体であり、
前記第2の印刷済媒体は、前記対象画像を含む画像が印刷された前記第2サイズの印刷媒体であり、前記第1サイズの印刷媒体を前記切断部によって切断して作成される前記第2サイズの印刷媒体である
、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、第1サイズの印刷媒体を切断して第2サイズの印刷媒体を作成する切断部を備える印刷実行部を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カッターを用いてシートを裁断するシート裁断部を備える画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、A4のシートを指定して印刷を行う指示を受け付けた場合に、A4のシートが不足していると、A3のシートの半分の領域に画像を形成する。画像形成装置は、画像が形成されたA3のシートを裁断して、画像が形成されたA4のシートを作成して、排出トレイに排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、A4のシートが不足している場合に、A3のシートの裁断を行うに過ぎないので、シートを十分に効率良く使用することができない可能性があった。
【0005】
本明細書は、シートなどの印刷媒体を効率良く使用することができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示された技術は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]第1サイズの印刷媒体と前記第1サイズよりも小さな第2サイズの印刷媒体とに印刷を実行可能な印刷実行部であって、前記第1サイズの印刷媒体を切断して前記第2サイズの印刷媒体を作成する切断部を備える前記印刷実行部の制御装置であって、制御部とメモリとを備え、前記制御部は、対象画像を含む画像を示す元画像データを取得し、前記元画像データを用いて前記対象画像のサイズを取得し、前記対象画像のサイズが前記第2サイズに基づく基準サイズよりも大きいか否かを判断し、前記対象画像のサイズが前記基準サイズよりも大きい場合に第1の印刷済媒体を前記印刷実行部に作成させる第1制御を実行し、前記対象画像のサイズが前記基準サイズ以下である場合に第2の印刷済媒体を前記印刷実行部に作成させる第2制御を実行し、前記第1の印刷済媒体は、前記対象画像を含む画像が印刷された前記第1サイズの印刷媒体であり、前記第2の印刷済媒体は、前記対象画像を含む画像が印刷された前記第2サイズの印刷媒体であり、前記第1サイズの印刷媒体を前記切断部によって切断して作成される前記第2サイズの印刷媒体である、制御装置。
【0008】
上記構成によれば、対象画像のサイズに応じて、第1サイズの印刷済媒体を作成させる第1制御と、第2サイズの印刷済媒体を作成させる第2制御と、が使い分けられる。この結果、印刷媒体を効率良く使用することができる。例えば、印刷媒体の節約が可能になる。
[適用例2]
適用例1に記載の制御装置であって、
前記基準サイズは、前記第2サイズの印刷媒体の第1方向の長さに基づく第1基準長と、前記第2サイズの印刷媒体の第2方向の長さに基づく第2基準長と、を含み、
前記対象画像のサイズが前記基準サイズ以下であると判断する判断条件は、前記対象画像の前記第1方向に対応する方向の長さが前記第1基準長以下であり、かつ、前記対象画像の前記第2方向に対応する方向の長さが前記第2基準長以下であることを含む、制御装置。
[適用例3]
適用例2に記載の制御装置であって、
前記制御部は、さらに、
前記元画像データを用いて印刷データを生成する印刷データ生成処理を実行し、
前記印刷データを用いて、前記第1制御と前記第2制御とのいずれかを実行し、
前記印刷データ生成処理では、前記対象画像が前記判断条件を満たさず、かつ、前記対象画像を所定の角度だけ回転させた回転対象画像が前記判断条件を満たす場合に、前記回転対象画像を示す前記印刷データが生成される、制御装置。
【0009】
[適用例4]第1サイズの印刷媒体と前記第1サイズよりも小さな第2サイズの印刷媒体とに印刷を実行可能な印刷実行部であって、前記第1サイズの印刷媒体を切断して前記第2サイズの印刷媒体を作成する切断部を備える前記印刷実行部の制御装置であって、制御部とメモリとを備え、前記制御部は、対象画像を含む画像を示す元画像データを取得し、前記元画像データを用いて前記対象画像のサイズを取得し、前記対象画像のサイズが前記第2サイズに基づく基準サイズよりも大きいか否かを判断し、前記対象画像のサイズが前記基準サイズよりも大きい場合に第1の印刷済媒体を前記印刷実行部に作成させる第1制御を実行し、前記対象画像のサイズが前記基準サイズ以下である場合に第2の印刷済媒体を前記印刷実行部に作成させる第2制御を実行できることをユーザに対して通知し、前記第1の印刷済媒体は、前記対象画像を含む画像が印刷された前記第1サイズの印刷媒体であり、前記第2の印刷済媒体は、前記対象画像を含む画像が印刷された前記第2サイズの印刷媒体であり、前記第1サイズの印刷媒体を前記切断部によって切断して作成される前記第2サイズの印刷媒体である、制御装置。
【0010】
上記構成によれば、対象画像のサイズが基準サイズ以下である場合に第2サイズの印刷済媒体を印刷実行部に作成させる第2制御を実行できることがユーザに対して通知される。この結果、第2サイズの印刷済媒体の作成を促進することができるので、印刷媒体を効率良く使用することができる。
[適用例5]
適用例4に記載の制御装置であって、
前記基準サイズは、前記第2サイズの印刷媒体の第1方向の長さに基づく第1基準長と、前記第2サイズの印刷媒体の第2方向の長さに基づく第2基準長と、を含み、
前記対象画像のサイズが前記基準サイズ以下であると判断する判断条件は、前記対象画像の前記第1方向に対応する方向の長さが前記第1基準長以下であり、かつ、前記対象画像の前記第2方向に対応する方向の長さが前記第2基準長以下であることを含み、
前記通知は、前記第2制御を実行するか否かの指示をユーザから受け取るための画面の表示を含む、制御装置。
[適用例6]
適用例4に記載の制御装置であって、
前記基準サイズは、前記第2サイズの印刷媒体の第1方向の長さに基づく第1基準長と、前記第2サイズの印刷媒体の第2方向の長さに基づく第2基準長と、前記第2サイズの印刷媒体の面積に基づく基準面積と、を含み、
前記制御部は、前記対象画像の前記第1方向に対応する方向の長さが前記第1基準長より長い、あるいは、前記対象画像の前記第2方向に対応する方向の長さが前記第2基準長よりも長い場合であっても、前記対象画像の面積が前記基準面積以下である場合には、前記対象画像のサイズが前記基準サイズ以下であると判断し、
前記通知は、前記対象画像のレイアウトを変更することで前記第2制御を実行できることの通知を含む、制御装置。
[適用例7]
適用例1~6のいずれかに記載の制御装置であって、
前記第2サイズは、前記第1サイズの半分のサイズであり、
前記切断部は、1つの前記第1サイズの印刷媒体を切断して2つの前記第2サイズの印刷媒体を作成する、制御装置。
[適用例8]
適用例1~7のいずれかに記載の制御装置であって、
前記元画像データは、イメージセンサを用いて生成される画像データであって、原稿を含む画像を示す画像データであり、
前記対象画像のサイズは、前記元画像データによって示される画像内の原稿を示す部分のサイズである、制御装置。
[適用例9]
適用例1~7のいずれかに記載の制御装置であって、
前記対象画像は、画像内のオブジェクトを示す画像であり、
前記対象画像のサイズは、画像内のオブジェクトが配置される領域のサイズである、制御装置。
【0011】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、印刷装置、印刷方法、画像処理方法、これら装置の機能または上記方法を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例の印刷システム1000の構成を示すブロック図。
【
図8】画像データによって示される画像と印刷画像の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
A.第1実施例:
A-1: 印刷システム1000の構成
次に、実施の形態を実施例に基づき説明する。
図1は、実施例の印刷システム1000の構成を示すブロック図である。
【0014】
印刷システム1000は、複合機200と、端末装置300と、を含んでいる。複合機200と、端末装置300と、は、有線または無線のネットワークNWを介して、通信可能に接続されている。
【0015】
端末装置300は、複合機200のユーザが使用する計算機であり、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォンである。端末装置300は、端末装置300のコントローラとしてのCPU310と、ハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置320と、RAMなどの揮発性記憶装置330と、マウスやキーボードなどの操作部360と、液晶ディスプレイなどの表示部370と、通信部380と、を備えている。通信部380は、ネットワークNWに接続するための有線または無線のインタフェースを含む。
【0016】
揮発性記憶装置330は、CPU310のためのバッファ領域331を提供する。不揮発性記憶装置320には、複数個のコンピュータプログラム、具体的には、アプリケーションプログラムAPと、プリンタドライバプログラムDPと、が格納されている。
【0017】
アプリケーションプログラムAPは、画像データを処理する機能をCPU310に実現させるプログラムであり、例えば、文書作成機能を実現させるプログラムや、文書閲覧機能を実現させるプログラムである。以下では、アプリケーションプログラムAPを実行することによってCPU310が実現する機能を「アプリケーション」とも呼ぶ。アプリケーションプログラムAPは、プリンタドライバプログラムDPを起動して、アプリケーションが扱う画像データによって示される画像の印刷をプリンタドライバプログラムDPに指示する機能を実現させるプログラムを含んでいる。アプリケーションプログラムAPは、例えば、サーバからダウンロードされる形態、あるいは、DVD-ROMなどに格納される形態で、アプリケーションプログラムAPの製造者によって提供される。
【0018】
プリンタドライバプログラムDPは、アプリケーションの指示に従って、アプリケーションから取得される画像データを用いて、複合機200に画像を印刷させる機能をCPU310に実現させるプログラムである。以下では、プリンタドライバプログラムDPを実行することによってCPU310が実現する機能を「プリンタドライバ」とも呼ぶ。プリンタドライバプログラムDPは、例えば、サーバからダウンロードされる形態、あるいは、DVD-ROMなどに格納される形態で、複合機200の製造者によって提供される。
【0019】
複合機200は、印刷実行部としてのプリンタ10と、スキャナ30と、プリンタ10およびスキャナ30を制御するCPU210と、ハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置220と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの揮発性記憶装置230と、ユーザによる操作を取得するためのボタンやタッチパネルなどの操作部260と、液晶ディスプレイなどの表示部270と、通信部280と、を備えている。複合機200は、通信部280を介して、外部装置、例えば、ユーザの端末装置(図示省略)と通信可能に接続される。
【0020】
揮発性記憶装置230は、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間画像データを一時的に格納するバッファ領域231を提供する。不揮発性記憶装置220には、コンピュータプログラムCPが格納されている。コンピュータプログラムCPは、本実施例では、複合機200を制御するための制御プログラムである。コンピュータプログラムCPは、複合機200の出荷時に不揮発性記憶装置220に格納されて提供され得る。これに代えて、コンピュータプログラムCPは、サーバからダウンロードされる形態で提供されても良いし、DVD-ROMなどに格納される形態で提供されてもよい。CPU210は、コンピュータプログラムCPを実行することにより、例えば、プリンタ10を制御して後述する印刷処理を実行する。
【0021】
プリンタ10は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の各インク(液滴)を吐出して印刷を行う。プリンタ10は、印刷ヘッド110とヘッド駆動部120と主走査部130と搬送部140と切断部150とを備えている。
【0022】
図2は、プリンタ10の概略構成を示す図である。プリンタ10は、さらに、複数枚の印刷前の用紙Sが重ねられて収容される給紙トレイ20と、印刷済みの用紙Sが排出される排紙トレイ21と、印刷ヘッド110のノズル形成面111と対向して配置されたプラテン50と、を備えている。
【0023】
搬送部140は、給紙トレイ20から、印刷ヘッド110とプラテン50との間を通って、排紙トレイ21に至る通常経路NRに沿って、印刷媒体としての用紙Sを搬送する。通常経路NRの上流側を、単に、上流側と呼び、通常経路NRの下流側を、単に、下流側と呼ぶ。より具体的には、搬送部140は、通常経路NRに沿って用紙Sをガイドする外側ガイド部材18a~18cと、内側ガイド部材19a~19bと、通常経路NR上に設けられた給紙ローラ141と、上流側搬送ローラ対142と、下流側搬送ローラ対143と、上流側排紙ローラ対144と、下流側排紙ローラ対145と、を備えている。給紙ローラ141は、回動可能なアーム15の先端に取り付けられ、給紙トレイ20との間で用紙Sを挟むことで、用紙Sを保持する。各ローラ対は、通常経路NR上でシートを保持する。搬送部140は、CPU210の制御に従って、図示しない搬送モータによって、これらのローラを駆動することで、用紙Sの搬送を行う。
【0024】
搬送部140は、さらに、上流側排紙ローラ対144を、通常経路NRでの搬送時とは逆回転で駆動することによって、排紙ローラ対144の上流側から、上側ガイド部材13と下側ガイド部材14a、14bとの間を通り、通常経路NRに合流する反転経路RRに沿って、用紙Sを搬送することができる。また、搬送部140は、搬送される用紙Sが、通常経路NRおよび反転経路RRのいずれかを適切に搬送されるように、回動可能に構成されたフラップ部材16、17を備えている。
【0025】
なお、
図2の搬送方向(副走査方向とも呼ぶ)ARは、印刷ヘッド110とプラテン50との間におけるシートの搬送方向(+Y方向)である。
【0026】
主走査部130は、印刷ヘッド110を搭載するキャリッジ133と、キャリッジ133を主走査方向(X軸方向)に沿って往復動可能に保持する摺動軸134と、を備えている。主走査部130は、図示しない主走査モータの動力を用いて、キャリッジ133を摺動軸134に沿って往復動させる。これによって、印刷ヘッド110を主走査方向に往復動させる主走査が実現される。
【0027】
印刷ヘッド110のプラテン50と対向するノズル形成面111には、複数のノズル列、すなわち、上述したC、M、Y、Kの各インクを吐出するノズル列(図示省略)が形成されている。各ノズル列は、搬送方向の位置が互いに異なり、搬送方向に沿って並ぶ複数個のノズルを含んでいる。
【0028】
ヘッド駆動部120は、搬送部140によって搬送される用紙S上において、主走査部130によって往復動する印刷ヘッド110を駆動する。これによって、印刷ヘッド110の複数個のノズルからインクが用紙S上に吐出されて、用紙S上にドットが形成される。
【0029】
切断部150は、通常経路NR上における上流側排紙ローラ対144と下流側排紙ローラ対145との間に配置されている。切断部150は、図示しないカッターを備え、カッターをX方向に沿って移動させることで、所定の切断位置Ycにおいて、用紙Sを搬送方向の上流側の部分と下流側の部分とに分断するように切断する。切断位置Ycは、用紙Sの切断が行われる搬送方向の位置(
図2のY方向の位置)である。本実施例では、切断部150は、1枚のA4サイズの用紙Sを切断して、2枚のA5サイズの用紙を作成することができる。
【0030】
スキャナ30は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に原稿等の対象物を読み取る読取装置である。スキャナ30は、スキャン画像(読み取った原稿の画像)を示すスキャンデータを出力する。スキャンデータは、例えば、RGB値で画素ごとの色を表すRGB画像データである。RGB値は、3個の色成分の階調値(以下、成分値とも呼ぶ)、すなわち、R値、G値、B値を含むRGB表色系の色値である。R値、G値、B値は、例えば、所定の階調数(例えば、256)の階調値である。
【0031】
A-2.コピー処理
図3は、コピー処理のフローチャートである。コピー処理は、原稿を読み取ることによってスキャンデータを生成し、該スキャンデータを用いてスキャン画像を用紙Sに印刷する処理である。例えば、コピー処理は、ユーザがスキャナ30に原稿を載置して操作部260を介してコピー指示を行ったときに、複合機200のCPU210によって実行される。なお、コピー処理では、端末装置300は用いられない。
【0032】
S100では、CPU210(
図1)は、スキャンデータを取得する。CPU210は、例えば、スキャナ30を制御して、スキャナ30に原稿を読み取らせることによってスキャンデータを取得する。
【0033】
S105では、CPU210は、設定された用紙サイズがA4サイズであるか否かを判断する。設定された用紙サイズは、例えば、給紙トレイ20に収容された用紙Sのサイズを図示しないセンサを用いて検出することによって取得される。あるいは、設定された用紙サイズは、操作部260を介してユーザによって指定されたサイズを示す情報に基づいて取得されてもよい。この場合には、当該情報は、コピー指示に含まれている。
【0034】
設定された用紙サイズが、A4サイズとは異なるサイズ(例えば、A5サイズやハガキのサイズ)である場合には(S105:NO)、S110にて、CPU210は、通常印刷処理を実行する。通常印刷処理は、プリンタ10を制御して、設定されたサイズの用紙Sにスキャン画像を印刷させる処理である。
【0035】
設定された用紙サイズがA4サイズである場合には(S105:YES)、S115にてCPU210は、スキャン画像内の原稿を示す原稿領域を特定する。
図4は、スキャン画像と印刷画像の一例を示す図である。
図4(A)、(B)、(C)のスキャン画像SIa、SIb、SIcは、それぞれ、原稿領域Ca、Cb、Ccを含んでいる。CPU210は、処理すべきスキャン画像が
図4のスキャン画像SIa、SIb、SIcである場合には、それぞれ、原稿領域Ca、Cb、Ccを特定する。原稿領域の特定は、公知の手法を用いて実行される。例えば、CPU210は、周知の直線検出アルゴリズム(例えば、Hough変換など)を用いて、スキャン画像内の線状のエッジを検出し、これらの線状のエッジで構成される1以上の矩形を特定する。CPU210は、さらに、二値化処理によってスキャン画像内のオブジェクト画素を検出し、特定された矩形のうち、全てのオブジェクト画素を含む矩形の領域を原稿領域として特定する。
【0036】
S120では、CPU210は、特定された原稿領域の高さHc(
図4の方向D2の長さ)と、幅Wc(
図4の方向D1の長さ)と、を特定する。高さHcおよび幅Wcの単位は、例えば、画素数である。
【0037】
S125では、CPU210は、原稿領域の高さHcおよび幅WcがA5印刷条件を満たすか否かを判断する。A5印刷条件は、特定された原稿領域の画像をA5サイズの用紙に印刷できる場合に満たされる条件である。本実施例のA5印刷条件は、以下の条件(1)および条件(2)の少なくとも一方が満たされる場合に満たされる。
条件(1):原稿領域の高さHcが基準高さHth以下であり、かつ、原稿領域の幅Wcが基準幅Wth以下であること(Hc≦Hth、かつ、Wc≦Wth)
条件(2):原稿領域の幅Wcが基準高さHth以下であり、かつ、原稿領域の高さHcが基準幅Wth以下であること(Wc≦Hth、かつ、Hc≦Wth)
【0038】
ここで、基準高さHthは、A5サイズに基づく高さである。基準幅Wthは、A5サイズに基づく高さである。
図4(A)には、スキャン画像SIaに対して、基準高さHthおよび基準幅Wthが図示されている。
図4(A)のスキャン画像SIaは、方向D1を短手方向とし方向D2を長手方向とするA4サイズ相当のサイズである。したがって、スキャン画像SIaの半分の高さを有し、スキャン画像SIaと同じ幅を有する矩形領域(
図4(A)のハッチングされた領域)は、A5サイズ相当のサイズである。
図4(A)に示すように、基準高さHthは、A5サイズの短手方向の長さに相当する画素数であり、基準幅Wthは、A5サイズの長手方向の長さに相当する画素数である。
【0039】
図4(A)の原稿領域Caが処理対象の原稿領域である場合には、原稿領域の高さHcおよび幅Wcは、条件(1)と条件(2)との両方を満たすので、A5印刷条件を満たすと判断される。
図4(B)の原稿領域Cbが処理対象の原稿領域である場合には、原稿領域の高さHcおよび幅Wcは、条件(1)を満たさないが条件(2)を満たすので、A5印刷条件を満たすと判断される。
図4(C)の原稿領域Ccが処理対象の原稿領域である場合には、原稿領域の高さHcおよび幅Wcは、条件(1)と条件(2)とのいずれも満たさないので、A5印刷条件を満たさないと判断される。
【0040】
A5印刷条件が満たされない場合には(S125:NO)、CPU210は、S140に処理を進める。A5印刷条件が満たされる場合には(S125:YES)、S130にて、CPU210は、A5印刷機能を推奨する通知画面を複合機200の表示部270に表示する。
図5は、A5印刷機能を推奨する通知画面WI1の一例を示す図である。
図5の通知画面WI1は、A5印刷機能を推奨するメッセージMS1と、A5印刷機能を利用するか否かを選択するための2個のボタンBTy、BTnと、を含む。
【0041】
ユーザは、A5印刷機能の実行を望む場合には、「YES」を示すボタンBTyを押下することによって、A5印刷機能の選択指示を入力する。ユーザは、A4印刷機能の実行を望む場合には、「NO」を示すボタンBTnを押下することによって、A4印刷機能の選択指示を入力する。A5印刷機能は、A4サイズの用紙Sのうち、搬送方向ARの下流側の半分の領域に画像を印刷することと、A4サイズの用紙Sを搬送方向ARの下流側の部分と下流側の部分とに分断するように切断することと、を行うことによって、印刷済みのA5サイズの用紙を作成する機能である。A4印刷機能は、A4サイズの用紙Sに画像を印刷し、用紙Sを切断することは行わないことによって、印刷済みのA4サイズの用紙を作成する機能である。
【0042】
S135では、CPU210は、ユーザから入力される選択指示に基づいて、A5印刷機能が選択されたか否かを判断する。A5印刷機能が選択された場合には(S135:YES)、CPU210は、S150に処理を進める。A4印刷機能が選択された場合には(S135:NO)、CPU210は、S140に処理を進める。
【0043】
S140では、CPU210は、A4印刷機能のための印刷データを生成する。具体的には、CPU210は、原稿領域の回転や位置の調整を行うことなく、スキャンデータを印刷データに変換する。例えば、CPU210は、RGB画像データであるスキャンデータに対して色変換処理を実行する。色変換処理は、RGB画像データを、CMYK値で画素ごとの色を表すCMYK画像データに変換する処理である。CMYK値は、CMYK表色系の色値であり、C、M、Y、Kの4個の色成分の階調値(成分値)、すなわち、インクの色に対応する複数個の成分値を含む。色変換処理は、RGB値とCMYK値とを対応付ける色変換プロファイル(例えば、ルックアップテーブル)を用いて実行される。CPU210は、CMYK画像データに対してハーフトーン処理を実行する。ハーフトーン処理は、例えば、公知の誤差拡散法やディザ法が用いる処理であり、ドットの形成状態を画素ごと、かつ、インクの色ごとに表すいわゆる印刷データ(ドットデータとも呼ぶ)を生成する処理である。ドットの形成状態は、例えば、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」、「ドット無し」の4つの状態のいずれかである。これに代えて、ドットの形成状態は、「ドット有り」、「ドット無し」の2つの状態のいずれかであっても良い。
【0044】
S145では、CPU210は、印刷データを用いて、A4印刷制御を実行する。すなわち、CPU210は、プリンタ10に印刷データを供給して、上述したA4印刷機能をプリンタ10に実行させる。例えば、
図4(C)のスキャン画像SIcを示すスキャンデータが処理対象である場合には、A4印刷制御が実行されるので、原稿領域Ccの画像を示す印刷画像PIcが印刷されたA4サイズの用紙Sc(
図4(F))が作成されて、排紙トレイ21に排出される。
【0045】
S150では、CPU210は、原稿領域の高さHcおよび幅Wcが回転必要条件を満たすか否かを判断する。回転必要条件は、原稿領域の画像をA5サイズの領域(A4サイズの用紙Sの下流側の半分の領域)に印刷するためには、原稿領域の画像を90度回転させる必要がある場合に満たされる条件である。上述したA5印刷条件の条件(1)は、原稿領域を回転することなく、原稿領域の画像をA5サイズの用紙に印刷できる条件である。条件(2)は、原稿領域の画像を90度回転させた場合に、原稿領域の画像をA5サイズの用紙に印刷できる条件である。したがって、回転必要条件は、条件(1)が満たされず、かつ、条件(2)が満たされることである。
【0046】
回転必要条件が満たされる場合には(S150:YES)、S155にて、CPU210は、スキャンデータに対して、スキャン画像を90度だけ回転させる回転処理を実行して、回転済みのスキャンデータを生成する。回転必要条件が満たされない場合には(S150:NO)、すなわち、原稿領域の画像を回転させる必要がない場合には、CPU210は、S155をスキップする。例えば、
図4(A)の原稿領域Caが処理対象の原稿領域である場合には、原稿領域の高さHcおよび幅Wcは回転必要条件を満たさないと判断される。
図4(B)の原稿領域Cbが処理対象の原稿領域である場合には、原稿領域の高さHcおよび幅Wcは回転必要条件を満たすと判断される。
【0047】
S160では、CPU210は、A5印刷機能のための印刷データを生成する。具体的には、CPU210は、必要に応じて、原稿領域の画像(回転処理が行われた場合は回転済みの画像)がA4サイズの用紙Sの下流側の半分に印刷されるように、原稿領域の画像の位置を調整し、スキャンデータからA5サイズのRGB画像データを生成する。CPU210は、当該RGB画像データに対して色変換処理およびハーフトーン処理を実行して印刷データを生成する。
【0048】
S165では、CPU210は、印刷データを用いて、A5印刷制御を実行する。すなわち、CPU210は、プリンタ10に印刷データと切断指示データとを供給して、上述したA5印刷機能をプリンタ10に実行させる。プリンタ10は、CPU210の制御に従って、A4サイズの用紙Sの下流側の半分に原稿領域の画像を印刷した後に、さらに、用紙Sの搬送方向(
図4のY方向)の中心が切断位置Yc(
図2)と一致する状態まで用紙Sを搬送する。プリンタ10は、CPU210の制御に従って、切断部150を駆動して、A4サイズの用紙Sを切断して2枚のA5サイズの用紙を作成する。プリンタ10は、2枚のA5サイズの用紙のうち、画像が印刷済みの下流側の用紙を排紙トレイ21に排出する。プリンタ10は、2枚のA5サイズの用紙のうち、画像が印刷されていない上流側の用紙を、反転経路RRに沿って搬送して、次回のA5サイズの用紙に対する印刷で利用する。
【0049】
例えば、
図4(A)のスキャン画像SIaを示すスキャンデータが処理対象である場合であって、A5印刷制御が選択される場合には、原稿領域Caの画像を示す印刷画像PIaが印刷されたA5サイズの用紙Sa(
図4(D))が作成されて、排紙トレイ21に排出される。
【0050】
例えば、
図4(A)のスキャン画像SIaを示すスキャンデータが処理対象である場合であって、A5印刷制御が選択される場合には、原稿領域Caの画像を示す印刷画像PIaが印刷されたA5サイズの用紙Sa(
図4(D))が作成されて、排紙トレイ21に排出される。
図4(B)のスキャン画像SIbを示すスキャンデータが処理対象である場合であって、A5印刷制御が選択される場合には、90度回転された原稿領域Cbの画像を示す印刷画像PIbが印刷されたA5サイズの用紙Sb(
図4(E))が作成されて、排紙トレイ21に排出される。
【0051】
以上説明した本実施例によれば、CPU210は、スキャンデータを取得し(
図3のS110)、スキャンデータを用いて原稿領域の画像のサイズを取得し(
図3のS115)、原稿領域の画像のサイズが基準サイズ(基準幅Wthおよび基準高さHthにより規定されるサイズ)よりも大きいか否かを判断する(
図3のS125)。原稿領域の画像のサイズが基準サイズよりも大きい場合に(
図3のS125にてNO)、A4サイズの印刷済みの用紙をプリンタ10に作成させるA4印刷制御を実行し(
図3のS145)、原稿領域の画像のサイズが基準サイズ以下である場合に(
図3のS125にてYES)、ユーザからのA5印刷機能の選択指示が入力されることを条件に、A5サイズの印刷済みの用紙をプリンタ10に作成させるA5印刷制御を実行する(
図3のS165)。A5サイズの印刷済みの用紙は、A4サイズの用紙Sを切断部150によって切断して作成される。この結果、原稿領域の画像のサイズに応じて、A4印刷制御と、A5印刷制御と、が使い分けられる。この結果、用紙Sを効率良く使用することができる。
【0052】
特に、A5サイズは、A4サイズの半分のサイズであり、切断部150は、1枚のAサイズの用紙Sを切断して2枚のA5サイズの用紙Sを作成する。このために、例えば、1回の印刷では印刷が行われなかったA5サイズの用紙Sを、別の印刷に用いることができるので、用紙Sを節約することができる。
【0053】
さらに、本実施例によれば、基準サイズは、基準幅Wthと基準高さHthとを含む(
図4(A))。そして、原稿領域のサイズが基準サイズ以下であると判断する判断条件、すなわち、A5印刷条件(
図3のS125)は、原稿領域の画像の幅Wc(
図4の方向D1の長さ)が基準幅Wth以下であり、かつ、原稿領域の画像の高さ(
図4の方向D2の長さ)が基準高さHth以下であることを含む。この結果、CPU210は、原稿領域の画像のサイズが基準サイズ以下であるか否かを適切に判断できるので、A5印刷機能を利用できるか否かを適切に判断できる。この結果、A4印刷機能とA5印刷機能とを適切に使い分けることができる。
【0054】
さらに、本実施例によれば、印刷データの生成処理では、原稿領域の画像のサイズが、上述した回転されない画像のための条件(1)を満たさず、かつ、90度だけ回転させた画像のための条件(2)を満たす場合には(
図3のS150:YES)、90度だけ回転させた回転済みの原稿領域の画素を示す印刷データが生成される(
図3のS155、S160)。この結果、A5印刷制御を実行する際に、A5サイズの用紙に印刷できるように適切な印刷データを生成することができる。
【0055】
さらに、本実施例によれば、CPU210は、スキャンデータを取得し(
図3のS110)、スキャンデータを用いて原稿領域の画像のサイズを取得し(
図3のS115)、原稿領域の画像のサイズが基準サイズ(基準幅Wthおよび基準高さHthにより規定されるサイズ)よりも大きいか否かを判断する(
図3のS125)。原稿領域の画像のサイズが基準サイズよりも大きい場合に(
図3のS125にてNO)、A4サイズの印刷済みの用紙をプリンタ10に作成させるA4印刷制御を実行し(
図3のS145)、原稿領域の画像のサイズが基準サイズ以下である場合に(
図3のS125にてYES)、A5サイズの印刷済みの用紙をプリンタ10に作成させるA5印刷制御を実行できることをユーザに対して通知する(
図3のS130、
図5)。この結果、A5印刷機能が活用されて、A5サイズの印刷済みの用紙の作成を促進することができるので、用紙Sを効率良く使用することができる。例えば、ユーザは、A4サイズの用紙Sを切断して作成されるA5サイズの用紙に印刷を行うことができるA5印刷機能を知らない場合や理解していない場合がある。また、A5印刷機能を知っていたとしてもユーザが原稿のサイズがA5サイズの用紙に印刷できるサイズであるか否かを逐一確認することは、ユーザにとって負担が大きい場合がある。このような場合であっても本実施例では、A5印刷機能を利用可能な場合に適切な通知が行われるので、A5印刷機能の活用を促進することができる。
【0056】
さらに、基準サイズは、基準幅Wthと基準高さHthとを含む(
図4(A))。そして、原稿領域のサイズが基準サイズ以下であると判断する判断条件、すなわち、A5印刷条件(
図3のS125)は、原稿領域の画像の幅Wc(
図4の方向D1の長さ)が基準幅Wth以下であり、かつ、原稿領域の画像の高さ(
図4の方向D2の長さ)が基準高さHth以下であることを含む。そして、ユーザに対して通知は、A5印刷機能を利用するか否か、換言すれば、CPU210がA5印刷制御(
図3のS145)を実行するか否かの指示をユーザから受け取るための通知画面WI1の表示を含む(
図3のS130、
図5)。この結果、原稿領域のサイズに基づいて、原稿領域の画像のサイズが基準サイズ以下であるか否かを適切に判断できるので、A5印刷制御を実行するかの指示をユーザから受け取るための通知画面WI1を適切に表示できる。
【0057】
さらに、本実施例にて取得される画像データは、原稿を示すスキャンデータであり、A5印刷条件の判断に用いられる画像のサイズは、原稿領域のサイズ、すなわち、スキャン画像内の原稿を示す部分のサイズである(
図3のS115~S125)。スキャンデータが用いられるコピー処理では、原稿内のオブジェクトだけでなく、原稿の全体を印刷することが好ましい場合も多い。本実施例では、このような場合に、A5印刷制御を実行できるか否かを適切に判断することができる。
【0058】
以上の説明から解るように、本実施例のスキャンデータは元画像データの例であり、原稿領域の画像は、対象画像の例である。また、本実施例のA4サイズは第1サイズの例であり、A5サイズは第2サイズの例である。また、本実施例の基準幅Wthは第1基準長の例であり、基準高さHthは第2基準長の例である。また、本実施例のA4印刷制御は第1制御の例であり、A5印刷制御は第2制御の例である。
【0059】
B.第2実施例
図6、
図7は、印刷処理のフローチャートである。第2実施例では、
図3のコピー処理に代えて、
図6、
図7の印刷処理が実行される。
図6、
図7の印刷処理は、端末装置300のCPU310によって実行される。例えば、ユーザは、端末装置300にて実行中のアプリケーションが処理している画像データに基づいて、画像を印刷する際に、アプリケーションに対して印刷指示を入力する。印刷指示が入力されると、アプリケーションは、プリンタドライバを起動する。すなわち、CPU310は、プリンタドライバプログラムDPを実行する。プリンタドライバ(CPU310)は、
図6、
図7の印刷処理を開始する。
【0060】
S200にて、CPU310は、印刷すべき画像を示す画像データを取得する。取得される画像データは、RGB画像データである。例えば、CPU310は、アプリケーションプログラムAPによって生成されるベクトルデータに対してラスタライズ処理を実行することによって、RGB画像データを取得する。
【0061】
S205では、
図3のS105と同様に、CPU310は、設定された用紙サイズがA4サイズであるか否かを判断する。設定された用紙サイズが、A4サイズとは異なるサイズ(例えば、A5サイズやハガキのサイズ)である場合には(S205:NO)、S210にて、CPU310は、通常印刷処理を実行する。
【0062】
設定された用紙サイズが、A4サイズとは異なるサイズ(例えば、A5サイズやハガキのサイズ)である場合には(S205:NO)、S210にて、
図3のS110と同様に、CPU310は、通常印刷処理を実行する。
【0063】
設定された用紙サイズがA4サイズである場合には(S205:YES)、S215にてCPU310は、画像内のオブジェクトが配置されたオブジェクト領域を特定する。
図8は、画像データによって示される画像と印刷画像の一例を示す図である。オブジェクトは、印刷される際にドットを用いて表現される要素であり、画像内の白とは異なる色を有する要素である。オブジェクトは、例えば、文字、写真、グラフィック(表やグラフなど)を含む。
図8(A)、(B)の画像OId、OIeは、それぞれ、文字や表などのオブジェクトOBd、OBeを含んでいる。CPU310は、処理すべき画像が
図8の画像OIe、OIdである場合には、それぞれ、オブジェクト領域AAd、AAeを特定する。オブジェクト領域の特定は、公知の手法を用いて実行される。例えば、CPU310は、二値化処理によって画像内のオブジェクト画素を検出し、特定された全てのオブジェクト画素を含む外接矩形の領域をオブジェクト領域として特定する。
【0064】
S220では、CPU310は、特定されたオブジェクト領域の高さHo(
図8の方向D2の長さ)と、幅Wo(
図8の方向D1の長さ)と、を特定する。高さHoおよび幅Woの単位は、例えば、画素数である。
【0065】
S225では、CPU310は、オブジェクト領域の高さHoおよび幅WoがA5印刷条件を満たすか否かを判断する。A5印刷条件は、特定されたオブジェクト領域の画像をA5サイズの用紙に印刷できる場合に満たされる条件である。本実施例のA5印刷条件は、以下の条件(A)および条件(B)の少なくとも一方が満たされる場合に満たされる。
条件(A):オブジェクト領域の高さHoが基準高さHth以下であり、かつ、オブジェクト領域の幅Wcが基準幅Wth以下であること(Ho≦Hth、かつ、Wo≦Wth)
条件(B):オブジェクト領域の幅Woが基準高さHth以下であり、かつ、オブジェクト領域の高さHoが基準幅Wth以下であること(Wo≦Hth、かつ、Ho≦Wth)
【0066】
ここで、基準高さHthおよび基準幅Wthは、第1実施例と同様のA5サイズに基づく高さおよび幅である。
図8(A)には、画像OIdに対して、基準高さHthおよび基準幅Wthが図示されている。
【0067】
図8(A)のオブジェクト領域AAdが処理対象のオブジェクト領域である場合には、オブジェクト領域の高さHoおよび幅Woは、条件(A)と条件(B)との両方を満たすので、A5印刷条件を満たすと判断される。
図4(C)のオブジェクト領域AAdが処理対象のオブジェクト領域である場合には、オブジェクト領域の高さHoおよび幅Woは、条件(A)と条件(B)とのいずれも満たさないので、A5印刷条件を満たさないと判断される。
【0068】
A5印刷条件が満たされない場合には(S225:NO)、CPU310は、S270に処理を進める。A5印刷条件が満たされる場合には(S225:YES)、S230にて、CPU310は、A5印刷機能を推奨する通知画面を端末装置300の表示部370に表示する。表示される通知画面は、例えば、第1実施例と同様に
図5の通知画面WI1である。
【0069】
S235では、
図3のS135と同様に、CPU310は、ユーザから入力される選択指示に基づいて、A5印刷機能が選択されたか否かを判断する。A5印刷機能が選択された場合には(S235:YES)、CPU310は、S250に処理を進める。A4印刷機能が選択された場合には(S235:NO)、CPU310は、S240に処理を進める。
【0070】
S240では、
図3のS140と同様に、CPU310は、A4印刷機能のための印刷データを生成する。S245では、CPU310は、印刷データを用いて、A4印刷制御を実行する。すなわち、CPU310は、複合機200に印刷データを供給して、上述したA4印刷機能を複合機200のプリンタ10に実行させる。この場合には、オブジェクト領域の画像を示す印刷画像が印刷されたA4サイズの用紙Sが作成されて、排紙トレイ21に排出される。
【0071】
S250では、CPU310は、オブジェクト領域の高さHoおよび幅Woが回転必要条件を満たすか否かを判断する。回転必要条件は、オブジェクト領域の画像をA5サイズの領域(A4サイズの用紙Sの下流側の半分の領域)に印刷するためには、オブジェクト領域の画像を90度回転させる必要がある場合に満たされる条件である。上述したA5印刷条件の条件(A)は、オブジェクト領域を回転することなく、オブジェクト領域の画像をA5サイズの用紙に印刷できる条件である。条件(B)は、オブジェクト領域の画像を90度回転させた場合に、オブジェクト領域の画像をA5サイズの用紙に印刷できる条件である。したがって、回転必要条件は、条件(A)が満たされず、かつ、条件(B)が満たされることである。
【0072】
回転必要条件が満たされる場合には(S250:YES)、S255にて、CPU310は、画像データに対して、画像を90度だけ回転させる回転処理を実行して、回転済みの画像データを生成する。回転必要条件が満たされない場合には(S250:NO)、すなわち、オブジェクト領域の画像を回転させる必要がない場合には、CPU310は、S255をスキップする。
【0073】
S260では、
図3のS160と同様に、CPU310は、A5印刷機能のための印刷データを生成する。具体的には、CPU310は、必要に応じて、オブジェクト領域の画像(回転処理が行われた場合は回転済みの画像)がA4サイズの用紙Sの下流側の半分に印刷されるように、オブジェクト領域の画像の位置を調整し、画像データからA5サイズのRGB画像データを生成する。CPU310は、当該RGB画像データに対して色変換処理およびハーフトーン処理を実行して印刷データを生成する。
【0074】
S265では、CPU310は、印刷データを用いて、A5印刷制御を実行する。すなわち、CPU310は、複合機200に印刷データと切断指示データとを供給して、上述したA5印刷機能を複合機200のプリンタ10に実行させる。プリンタ10は、
図3のS165と同様に、画像の印刷と用紙Sの切断とを実行してオブジェクト画像が印刷済みのA5サイズの用紙を作成し、排紙トレイ21に排出する。例えば、
図8(A)の画像OIdを示す画像データが処理対象である場合であって、A5印刷制御が選択される場合には、オブジェクト領域AAdの画像を示す印刷画像PIdが印刷されたA5サイズの用紙Sd(
図8(C))が作成される。
【0075】
図7のS270では、CPU310は、オブジェクト面積OSを特定する。オブジェクト面積OSは、矩形のオブジェクト領域の面積とは異なり、オブジェクト領域のうち、オブジェクトが配置された部分の面積である。
図8(C)の画像OIeを示す画像データが処理対象である場合には、オブジェクト領域AAeのうち、オブジェクトOBdが配置された部分の面積(
図8(C)のハッチングされた部分)の面積が特定される。例えば、CPU310は、オブジェクト領域を所定数(例えば、縦10×横10の100個)のブロックに分割する。そして、100個のブロックのうち、オブジェクト画素を含む複数個のブロックの面積の合計をオブジェクト面積OSとして特定する。
【0076】
S275では、CPU310は、オブジェクト面積OSが基準面積OSth以下であるか否かを判断する。基準面積OSthは、A5サイズに基づく面積である。
図8(A)の画像OIdは、方向D1を短手方向とし方向D2を長手方向とするA4サイズ相当のサイズである。したがって、画像OIdの半分の高さを有し、画像OIdと同じ幅を有する矩形領域(
図8(A)のハッチングされた領域)の面積は、A5サイズ相当の面積である。基準面積OSthは、例えば、A5サイズ相当の面積の60%~80%の値である。
【0077】
オブジェクト面積OSが基準面積OSthより大きい場合には(S275:NO)、CPU310は、S240に処理を進める。オブジェクト面積OSが基準面積OSth以下である場合には(S275:YES)、S280にて、CPU310は、印刷面積がA5用紙より十分に小さいことを通知する通知画面WI2を端末装置300の表示部370に表示する。
図9は、通知画面WI2の一例を示す図である。
図9の通知画面WI2は、印刷面積が小さいために、画像のレイアウトを変更すれば、A5印刷機能を利用できることを示すメッセージMS2と、印刷を中断するか否かを選択するための2個のボタンBTy、BTnと、を含む。
【0078】
ユーザは、印刷を中断してレイアウトを変更する場合には、「YES」を示すボタンBTyを押下することによって、中断指示を入力する。ユーザは、A4印刷機能の実行を望む場合には、「NO」を示すボタンBTnを押下することによって、続行指示を入力する。
【0079】
S285では、CPU310は、ユーザから中断指示が入力されたか否か続行指示が入力されたか否かを判断する。中断指示が入力された場合には(S285:YES)、CPU310は、S290にて、印刷処理を中断する。この場合には、例えば、プリンタドライバとしての機能は、印刷を行うことなく終了され、端末装置300は、プリンタドライバを起動したアプリケーションによってレイアウト変更などの画像の編集が可能な状態に戻る。この場合には、ユーザは、画像内のオブジェクト領域がA5サイズの用紙に印刷できるように、画像内のオブジェクトのレイアウトを変更することができる。ユーザは、レイアウト変更後に、再度、プリンタドライバを起動して印刷指示を入力することで、A5印刷機能を利用した印刷を行うことができる。この場合には、ユーザは、用紙Sを節約することができる。続行指示が入力された場合には(S285:NO)、CPU310は、S240に処理を進める。
【0080】
以上説明した第2実施例によれば、CPU310は、S225のA5印刷条件が満たされない場合(
図6のS225にてNO)であっても、オブジェクト面積OSが基準面積OSth以下である場合には(
図7のS275にてYES)、画像のレイアウトを変更することでA5印刷制御を実行できることの通知を行う(
図7のS280、
図9)。この結果、ユーザにレイアウトを変更することでA5サイズの用紙に画像を印刷できることを知らせることができる。ユーザがレイアウトを変更してでも用紙Sの節約を望む場合には、該通知によってユーザがレイアウト変更を行うことを促進できる。この結果、A5印刷機能の利用を促進することができる。
【0081】
さらに、上記実施例によれば、A5印刷条件の判断に用いられる画像のサイズは、オブジェクト領域の画像のサイズである(
図6のS215~S225)。画像を印刷する場合には、オブジェクト領域の画像が印刷できれば、ユーザによって用紙SのサイズはA4サイズであってもA5サイズであっても構わない場合も多い。本実施例では、このような場合に、A5印刷制御を実行できるか否かを適切に判断することができる。
【0082】
以上の説明から解るように、本実施例のアプリケーションによって生成される画像データは元画像データの例であり、オブジェクト領域の画像は、対象画像の例である。
【0083】
C.変形例
(1)第1実施例のコピー処理では、原稿領域の画像のサイズに基づいてA5印刷条件が満たされるか否かを判断している(
図3のS115~125)。これに代えて、コピー処理においても、第2実施例のように、原稿領域内のオブジェクト(文字、写真、グラフィック)が配置されたオブジェクト領域の画像のサイズに基づいてA5印刷条件が満たされるか否かが判断されても良い。
【0084】
(2)本実施例の切断部150の構成は、一例であり、これに限られない。例えば、切断部150は、1枚のA3サイズの用紙を切断して、2枚のA4サイズの用紙を作成する構成であっても良い。また、1枚の用紙を2以上の枚数(例えば、3枚や4枚)に分割するように切断して、2以上の枚数の用紙を作成する構成であっても良い。いずれの構成であっても、例えば、
図3のS125や
図6のS225では、切断後の1枚の用紙に、印刷すべき画像を印刷できるか否かが判断できるように、判断条件が設定されることが好ましい。
【0085】
(3)なお、上記実施例のA5印刷条件に用いられる基準高さHthは、A5サイズの短手方向の長さに相当する画素数であり、基準幅Wthは、A5サイズの長手方向の長さに相当する画素数である。これに代えて、例えば、余白を設けることを考慮して、基準高さHthは、A5サイズの短手方向の長さの90%相当の画素数であっても良い。また、用紙Sの節約を優先して、画像を僅かに縮小することを許容する場合には、例えば、基準高さHthは、A5サイズの短手方向の長さの105%相当の画素数であっても良い。一般的に言えば、基準高さHtは、A5サイズに基づいて決定される値であれば良い。基準幅Wthについても同様である。
【0086】
(4)
図3のコピー処理および
図6、
図7の印刷処理は、適宜に変更され得る。例えば、A4印刷制御とA5印刷制御とを自動的に切り替える自動切り替えモードが有効にされている場合には、例えば、
図3のコピー処理において、ユーザに通知することなく、A4印刷制御とA5印刷制御とが自動的に切り替えられても良い。この場合には、
図3のS130およびS135は省略され、A5印刷条件が満たされる場合には(
図3のS125:YES)、S150に処理が進められ、A5印刷条件が満たされない場合には(
図3のS125:NO)、S140に処理が進められる。
図6、
図7の印刷処理についても同様である。
【0087】
また、
図3のコピー処理において、S150、S155を省略して、A5印刷制御を行う際に、回転処理は行わなくても良い。この場合には、
図3のA5印刷条件は、回転を行わずにA5サイズの用紙に印刷が可能な条件、具体的には、上述した条件(1)のみであっても良い。
図6、
図7の印刷処理についても同様である。
【0088】
図6、
図7の印刷処理において、
図3のコピー処理と同様に、A5印刷機能を推奨する通知画面WI1の表示のみを行い、印刷面積がA5用紙より十分に小さいことを通知する通知画面WI2の表示は行わなくても良い。この場合には、
図6、
図7の印刷処理において、S270~S290は省略され、A5印刷条件が満たされない場合には(
図6のS225:NO)、S240に処理が進められる。
【0089】
(5)印刷媒体として、用紙Sに代えて、他の媒体、例えば、OHP用のフィルムが採用されても良い。また、上記実施例のプリンタ10は、インクジェット方式のプリンタであるが、これに代えて、プリンタ10は、トナーを用いて印刷を行う電子写真方式のプリンタであってもよい。
【0090】
(6)上記第1実施例では、
図3のコピー処理は、複合機200のCPU210によって実行される。これに代えて、例えば、端末装置300のCPU310が端末装置300に接続されたスキャナから取得されるスキャンデータを用いて、コピー処理を実行しても良い。上記第2実施例では、
図6、
図7の印刷処理は、端末装置300のCPU310によって実行される。これに代えて、例えば、複合機200のCPU210が、端末装置300から取得される画像データを用いて、印刷処理を実行しても良い。
【0091】
さらには、
図3のコピー処理および
図6、
図7の印刷処理は、例えば、複合機200や端末装置300からスキャンデータや画像データを取得して該画像データを用いて印刷ジョブを生成するサーバのCPUによって実行されても良い。このようなサーバは、ネットワークを介して互いに通信可能な複数個の計算機であっても良い。この場合には、サーバは、A5印刷機能の実行指示やA4印刷機能の実行指示を含む印刷ジョブを複合機200に送信することによって、複合機200を制御する。
【0092】
(7)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、
図3のコピー処理や
図6、
図7の印刷処理において、印刷データを生成する際のハーフトーン処理や色変換処理は、例えば、CPUの指示に従って動作する専用のハードウェア回路(例えば、ASIC)によって実現されてもよい。
【0093】
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0094】
10…プリンタ,1000…印刷システム,110…印刷ヘッド,111…ノズル形成面,120…ヘッド駆動部,13…上側ガイド部材,130…主走査部,133…キャリッジ,134…摺動軸,140…搬送部,141…給紙ローラ,142…上流側搬送ローラ対,143…下流側搬送ローラ対,144…上流側排紙ローラ対,144…排紙ローラ対,145…下流側排紙ローラ対,14a…下側ガイド部材,15…アーム,150…切断部,16…フラップ部材,18a…外側ガイド部材,19a…内側ガイド部材,20…給紙トレイ,200…複合機,21…排紙トレイ,210…CPU,220…不揮発性記憶装置,230…揮発性記憶装置,231…バッファ領域,260…操作部,270…表示部,280…通信部,30…スキャナ,300…端末装置,310…CPU,320…不揮発性記憶装置,330…揮発性記憶装置,331…バッファ領域,360…操作部,370…表示部,380…通信部,50…プラテン,AP…アプリケーションプログラム,CP…コンピュータプログラム,DP…プリンタドライバプログラム,S…用紙,WI1…通知画面,WI2…通知画面