(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含む電子デバイスおよびその電子デバイスを形成する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20241113BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20241113BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20241113BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20241113BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20241113BHJP
H05B 33/26 20060101ALI20241113BHJP
H05B 45/60 20220101ALI20241113BHJP
C23C 16/26 20060101ALI20241113BHJP
H01B 5/14 20060101ALI20241113BHJP
B32B 9/00 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
H01L29/78 619A
H05B33/14 A
H05B33/02
H05B33/10
H05B33/26 Z
H05B45/60
C23C16/26
H01B5/14 Z
B32B9/00 Z
(21)【出願番号】P 2022514514
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(86)【国際出願番号】 SG2020050536
(87)【国際公開番号】W WO2021054900
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】10201908768S
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】507335687
【氏名又は名称】ナショナル ユニヴァーシティー オブ シンガポール
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オエジルマズ、バルバロス
(72)【発明者】
【氏名】トー、チー タット
(72)【発明者】
【氏名】アビディ、イルファン ハイダー
【審査官】石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-511955(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0111180(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0337411(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0080713(US,A1)
【文献】特表2020-510590(JP,A)
【文献】特開2012-033908(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0001170(US,A1)
【文献】特表2012-519936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H10K 50/10
H05B 33/02
H05B 33/10
H05B 33/26
H05B 45/60
C23C 16/26
H01B 5/14
B32B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
好適な半導体材料または好適なポリマー材料を含む基板と、
前記基板の上にある、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリア
であって、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜のそれぞれが0.4nm~1nmの範囲から選択された厚さを有する1原子厚の層であり、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜に存在するsp
3
/sp
2
の結合比が0.1以下である、バリアと、
を備える電子デバイスであって、
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜のそれぞれが連続的であり粒界がなく、その結果、前記バリアが環境から前記基板への水分またはガスの浸透を抑制するか、または低減するように構成され
ており、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が10
-5
g・m
-2
・day
-1
未満の水蒸気透過度を有する、電子デバイス。
【請求項2】
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が、単原子層アモルファスカーボン膜、アモルファス窒化ホウ素膜
、単原子層アモルファスボロフェン膜
、または単原子層アモルファス窒化ホウ素カーボン
膜である、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜がスタックを形成する、請求項
1または2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記基板の上に保護層をさらに備える、請求項
1から3のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記保護層が酸化物またはポリマーを含む、請求
項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記酸化物が酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムである、請求
項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記ポリマーがパリレンCである、請求
項5または6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が前記保護層と前記基板との間にある、請求
項4から7のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記保護層が前記1層または複数層のアモルファス膜と前記基板との間にある、請求
項4から7のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記電子デバイスが有機発光ダイオードまたは薄膜トランジスタである、請求項
1から9のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記有機発光ダイオードが、
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間にある有機発光層と
を備え、
前記基板が前記第2電極または前記有機発光層であり、前記第2電極上または前記有機発光層上に前記バリアが配置される、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記薄膜トランジスタが、
半導体層と、
前記半導体層上にある誘電体層と、
前記誘電体層上にあるゲート電極と、
前記半導体層に少なくとも部分的に埋め込まれ且つ前記誘電体層の第1面上にある、ドレイン電極およびソース電極と
を備え、
前記ゲート電極が、前記誘電体層の前記第1面の反対側にある第2面上にある、請求項10または11に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記薄膜トランジスタが、
ゲート電極と、
前記ゲート電極上にある誘電体層と、
前記誘電体層上またはその上にあるドレイン電極およびソース電極と、
前記ドレイン電極および前記ソース電極の上にある半導体層と
を備え、
前記半導体層が前記基板であり、前記基板上またはその上に前記バリアがある、請求項10または11に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が10
-4cc・m
-2・day
-1未満の酸素浸透量を
有する、請求項
1から13のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記バリアが、陽子より大きいイオンまたは分子をブロックすることで、前記環境から前記基板への前記水分または前記ガスの浸透を抑制するか、または低減するように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項16】
電子デバイスを形成する方法であって、前記方法が、
1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリアを基板の上に形成する段
階であって、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜のそれぞれが0.4nm~1nmの範囲から選択された厚さを有する1原子厚の層であり、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜に存在するsp
3
/sp
2
の結合比が0.1以下である、形成する段階を備え、
前記基板が好適な半導体材料または好適なポリマー材料を含み
、
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜のそれぞれが連続的であり粒界がなく、その結果、前記バリアが環境から前記基板への水分またはガスの浸透を抑制するか、または低減するように構成さ
れており、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が10
-5
g・m
-2
・day
-1
未満の水蒸気透過度を有する、方法。
【請求項17】
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が前記基板上に化学気相成長プロセスで形成される、請求
項16に記載の方法。
【請求項18】
前記化学気相成長プロセスがレーザ化学気相成長プロセスである、請求
項17に記載の方法。
【請求項19】
前記化学気相成長プロセスが行われる温度が300℃より低い任意の好適な温度である、請求
項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が、前記基板に転写される前に、自立型膜として形成される、請求
項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記電子デバイスが有機発光ダイオードまたは薄膜トランジスタである、請求
項16から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記有機発光ダイオードが、
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間にある有機発光層と
を備え、
前記基板が前記第2電極または前記有機発光層であり、前記第2電極上または前記有機発光層上に前記バリアが配置される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記薄膜トランジスタが、
半導体層と、
前記半導体層上にある誘電体層と、
前記誘電体層上にあるゲート電極と、
前記半導体層に少なくとも部分的に埋め込まれ且つ前記誘電体層の第1面上にある、ドレイン電極およびソース電極と
を備え、
前記ゲート電極が、前記誘電体層の前記第1面の反対側にある第2面上にある、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記薄膜トランジスタが、
ゲート電極と、
前記ゲート電極上にある誘電体層と、
前記誘電体層上またはその上にあるドレイン電極およびソース電極と、
前記ドレイン電極および前記ソース電極の上にある半導体層と
を備え、
前記半導体層が前記基板であり、前記基板上に前記バリアがある、請求項21または22に記載の方法。
【請求項25】
前記バリアが、陽子より大きいイオンまたは分子をブロックすることで、前記環境から前記基板への前記水分または前記ガスの浸透を抑制するか、または低減するように構成される、請求項16から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
導電性材料を含む第1デバイス構造体と、
さらなる導電性材料または半導体材料を含む第2デバイス構造体と、
前記第1デバイス構造体と前記第2デバイス構造体との間にある
、両デバイス構造体と接触している1層または複数層の単原子層アモルファス
膜で構成されているバリ
アであって、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜のそれぞれが0.4nm~1nmの範囲から選択された厚さを有する1原子厚の層であり、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜に存在するsp
3
/sp
2
の結合比が0.1以下である、バリアと
を備える電子デバイスであって
、
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜のそれぞれが連続的であり粒界がなく、その結果、前記バリアが前記第1デバイス構造体と前記第2デバイス構造体との間の相互拡散を抑制するか、または低減するように構成さ
れており、
前記第1デバイス構造体がインターコネクトであり、前記第2デバイス構造体が基板またはさらなるインターコネクトである、電子デバイス。
【請求項27】
前記導電性材料が、金属、金属合金、ドープした金属酸化物、または導電性カーボンである、請求
項26に記載の電子デバイス。
【請求項28】
前記金属が銅またはコバルトである、請求
項27に記載の電子デバイス。
【請求項29】
前記さらなる導電性材料が、金属、金属合金、ドープした金属酸化物、または導電性カーボンである、請求
項26から28のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項30】
前記半導体材料がシリコンである、請求
項26から29のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項31】
前記電子デバイスが、トランジスタ、ダイオード、メモリデバイス、電気機械デバイス、集積回路チップ、マイクロプロセッサ、または電子検出デバイスである、請求
項26から30のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項32】
請求
項26から31のいずれか一項に記載の電子デバイスを備える回路装置。
【請求項33】
電子デバイスを形成する方法であって、前記方法が、
導電性材料を含む第1デバイス構造体を形成する段階と、
さらなる導電性材料または半導体材料を含む第2デバイス構造体を形成する段階と、
前記第1デバイス構造体と前記第2デバイス構造体との間
でその中にある1層または複数層の単原子層アモルファス
膜で構成されているバリアを形成する段
階であって、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜のそれぞれが0.4nm~1nmの範囲から選択された厚さを有する1原子厚の層であり、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜に存在するsp
3
/sp
2
の結合比が0.1以下である、形成する段階と
を備え
、
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜のそれぞれが連続的であり粒界がなく、その結果、前記バリアが前記第1デバイス構造体と前記第2デバイス構造体との間の相互拡散を抑制するか、または低減するように構成さ
れており、
前記第1デバイス構造体がインターコネクトであり、前記第2デバイス構造体が基板またはさらなるインターコネクトである、方法。
【請求項34】
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜を前記第2デバイス構造体の上に形成した後に、前記第1デバイス構造体を前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜の上に形成することで、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が前記第1デバイス構造体と前記第2デバイス構造体との間にある、請求
項33に記載の方法。
【請求項35】
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が化学気相成長プロセスで形成される、請求
項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記化学気相成長プロセスがレーザ化学気相成長プロセスである、請求
項35に記載の方法。
【請求項37】
前記化学気相成長プロセスが行われる温度が300℃より低い任意の好適な温度である、請求
項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が、前記第2デバイス構造体の上に転写される前に、自立型膜として形成される、請求
項33から37のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2019年9月20日出願のシンガポール特許第10201908768S号に基づく優先権の利益を主張し、その内容はその全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の様々な態様は、1層または複数層の単原子層アモルファス膜(MAF)を含む電子デバイスに関する。本開示の様々な態様は、1層または複数層の単原子層アモルファス膜(MAF)を含む電子デバイスを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、薄膜トランジスタ(TFT)、ペロブスカイト型有機太陽電池などのフレキシブルな電子デバイスでは、デバイスが透明且つフレキシブルで低消費電力になるように、ポリマー基板を有する。しかしながら、例えば、OLEDディスプレイの自発光成分として利用される有機物質は、水分および大気中酸素の影響を非常に受けやすく、特に高湿度条件では非常に弱い。湿度によって、デバイスの機能性が徐々に劣化する。したがって、OLEDディスプレイ、または他の有機太陽電池デバイスもしくはペロブスカイト型太陽電池デバイスを酸素および水分の浸透から保護するために、保護バリア層または保護バリア膜が必要とされる。これにより、そのようなデバイスの寿命を延ばすことができる。バリア層の膜の品質は、酸素浸透量の他に水蒸気透過度(WVTR)によって評価される。
【0004】
パリレンC、ポリエチレンテレフタレート(PET)、金属化ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン(PET/PE)などのポリマー被覆材が、OLEDディスプレイの柔軟性および透明度を維持できるので、これまでバリア層として用いられている。しかしながら、こうしたポリマー被覆材は、水分および酸素の影響を受けやすく、応力下では機械的に弱いので、提供できる保護は限定されている。代替的に、ガラス、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、酸化アルミニウム(Al2O3)などの無機材料が機械的に強く、ある程度の厚さであれば水分に対して十分な保護を提供する。しかしながら、こうした無機材料を含むバリアまたは膜は堅いため、デバイスの柔軟性および透明度を損なう。さらに、こうした無機材料によるバリアまたは膜を製造するには、通常、原子層堆積法(ALD)を利用する。ALDは、バリアまたは膜の中に望ましくないピンホール欠陥を引き起こし、非常に長い処理時間がかかるので、そのような封止技術を非効率にする。
【0005】
話は変わるが、銅(Cu)およびコバルト(Co)のインターコネクトが、その高い導電率および低い線抵抗によって、通常、シリコン(Si)ベースの集積回路に用いられており、マイクロ電子デバイスの小型化を可能にしている。しかしながら、CuおよびCoは、下にあるシリコン(Si)チップまたは誘電体チップとの相互拡散の問題に直面し、その結果として、デバイスの動作可能性を損なうことになる。したがって、インターコネクト上の接続拡散バリア層が、CuまたはCoの移動を防止するのに必要となる。しかしながら、理想的な拡散バリアは、CuまたはCoへの接着性が強いこと、極薄であること、および熱的に安定であることなどの特性を有する必要がある。
【0006】
国際デバイス・システムロードマップ(IRDS)2017によれば、微細化技術および超大規模集積回路(ULSI)に関する主な課題のうちの1つがインターコネクトのさらなるスケーリングであることが分かる。インターコネクトのスケーリングは現在、拡散バリア材料の必要な最小厚さで制限されている。
図1は、国際半導体技術ロードマップを示している。従来の拡散バリアは通常、ALDで成長した10nmの窒化チタン(TiN)または窒化タンタル(TaN)である。この厚さは、CuおよびCoのイオンが半導体層に拡散するのを防止するのに必要となる。しかしながら、そのような厚さは、
図1に示すような将来のデバイススケーリングを達成するには厚すぎる。さらに、高抵抗性のバリア材料の層が厚くなると、Cuのインターコネクトの抵抗率が著しく増加するので、デバイス性能に悪影響を与える。したがって、国際半導体ロードマップ(http://www.itrs2.net/)では、大幅にスケーリングした将来のデバイスを実現するのに、厚さ2nm未満の原子的に薄い拡散バリア材料を予想している。さらに、拡散バリアの候補には、両界面に対して不活性であること、且つ強い接着力を有することが必要である。業界が現在直面している課題は、バリアの厚さを低減すること、および拡散バリアを製造するプロセス温度を400℃未満の温度に下げてドーパントの拡散を防ぐことに関する。
【発明の概要】
【0007】
様々な実施形態が電子デバイスに関連し得る。電子デバイスは、好適な半導体材料または好適なポリマー材料を含む基板を備えてよい。電子デバイスは、基板の上に、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリアも備えてよい。バリアは、環境から基板への水分またはガスの浸透を抑制するか、または低減するように構成されてよい。
【0008】
様々な実施形態が、電子デバイスを形成する方法に関連し得る。本方法は、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリアを基板上に形成する段階を含んでよい。基板は、好適な半導体材料または好適なポリマー材料を含んでよい。バリアは、環境から基板への水分またはガスの浸透を抑制するか、または低減するように構成されてよい。
【0009】
様々な実施形態が電子デバイスに関連し得る。電子デバイスは、導電性材料を含む第1デバイス構造体を備えてよい。電子デバイスは、さらなる導電性材料または半導体材料を含む第2デバイス構造体も備えてよい。電子デバイスはさらに、第1デバイス構造体と第2デバイス構造体との間に、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリアを備えてよい。バリアは、第1デバイス構造体と第2デバイス構造体との間の相互拡散を抑制するか、または低減するように構成されてよい。
【0010】
様々な実施形態が、電子デバイスを形成する方法に関連し得る。本方法は、導電性材料を含む第1デバイス構造体を形成する段階を備えてよい。本方法は、さらなる導電性材料または半導体材料を含む第2デバイス構造体を形成する段階も備えてよい。本方法はさらに、第1デバイス構造体と第2デバイス構造体との間に、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリアを形成する段階を備えてよい。バリアは、第1デバイス構造体と第2デバイス構造体との間の相互拡散を抑制するか、または低減するように構成されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、詳細な説明を参照し、非限定的な例および添付図面と共に検討されると、十分に理解されるであろう。
【
図2】様々な実施形態による電子デバイスを示す概略図である。
【
図3】様々な実施形態による電子デバイスを形成する方法を示す概略図である。
【
図4】様々な実施形態による電子デバイスを示す概略図である。
【
図5】様々な実施形態による、電子デバイスを形成する方法を示す概略図である。
【
図6】様々な実施形態による、単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜を備えた、基板の上にあるデバイスの概略図を示している。
【
図7】様々な実施形態による、基板と基板の上にある単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜とを備えたデバイスを示す概略図であり、挿入図はアモルファス状の原子配列を示している。
【
図8】グラフェンで封止した銅の、周囲雰囲気で4か月のエージングを経た後の光学像(左側)と、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)で封止した銅の、周囲雰囲気で4か月のエージングを経た後の光学像(右側)とを示している。
【
図9】インデンテーション後のグラフェンの粒界に沿ったクラック伝搬を示す光学像(左側)と、インデンテーション後のクラック伝搬がないことを示す、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜の光学像(右側)とを示している。
【
図10A】インデンテーションが膜に形成された後の、様々な実施形態による架橋単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜の原子間力顕微鏡法(AFM)画像(上側)と、AFMが単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜から離脱した後のインデンテーションピークを示す対応する高さプロファイルを示す、距離(ナノメートル(すなわちnm)単位)に応じた高さ(ナノメートル(すなわちnm)単位)のグラフ(下側)とを示している。
【
図10B】2つ目のインデンテーションが(最初のインデンテーションの右側の)膜に形成された後の、様々な実施形態による架橋単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜の別の原子間力顕微鏡法(AFM)画像(上側)と、AFMが単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜から離脱した後の2つ目のインデンテーションピークを示す対応する高さプロファイルを示す、距離(ナノメートル(すなわちnm)単位)に応じた高さ(ナノメートル(すなわちnm)単位)のグラフ(下側)とを示している。
【
図10C】2つのインデンテーションを有する、様々な実施形態による架橋単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜の3次元原子間力顕微鏡法(AFM)画像を示している。
【
図11】様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜によって一部の穴が覆われ、単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜がそれぞれ隆起を形成するようにガスが注入されるバブルテストの光学像(左側)と、高圧ガスチャンバから取り外した後の単原子層膜の隆起を示す原子間力顕微鏡法(AFM)画像(右側)とを示している。
【
図12】波長(ナノメートル(すなわちnm)単位)に応じた透過率(パーセント(すなわち%)単位)のプロット図を示しており、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)の透過率スペクトルを示す図である。
【
図13A】様々な実施形態に従って、単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜を銅配線の上にレーザ化学気相成長法を用いて成長させた後の、銅(Cu)配線の走査電子顕微鏡画像を示している。
【
図13B】様々な実施形態に従って、単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜を銅配線の上にレーザ化学気相成長法を用いて成長させた後の、銅(Cu)配線の原子間力顕微鏡法(AFM)画像を示している。
【
図13C】様々な実施形態による、波数(/センチメートルという1/cm単位)に応じたラマン強度(任意単位(すなわち、a.u.))のプロット図であり、単原子層アモルファスカーボン(MAC)/銅(Cu)配線の、DバンドおよびGバンドを有するラマンスペクトルを示している。
【
図14A】過硫酸アンモニウム(APS)にさらす前の何も被覆していない銅(Cu)配線(左側)と、過硫酸アンモニウム(APS)にさらした後の何も被覆していない銅(Cu)配線(中央および右側)との原子間力顕微鏡法(AFM)画像を示している。
【
図14B】過硫酸アンモニウム(APS)にさらす前の、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)を被覆した銅(Cu)配線(左側)と、過硫酸アンモニウム(APS)にさらした後の、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)を被覆した銅(Cu)配線(中央および右側)との原子間力顕微鏡法(AFM)画像を示している。
【
図15】酸にさらした後の、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)を被覆した銅(Cu)箔(左側)と、酸にさらした後の、グラフェンを被覆した銅(Cu)箔(中央)との走査電子顕微鏡(SEM)画像、並びに標準的な銅(Cu)電極、グラフェンを被覆した(Cu)電極、および様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)を被覆した銅(Cu)電極の消失した銅(Cu)イオン(100万分の1(すなわちppm)単位)を比較したプロット図(右側)を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明では、本発明が行われ得る具体的な詳細および実施形態を実例として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を行うことができるように、十分詳細に説明される。他の実施形態が利用されてもよく、構造的および論理的な変更が本発明の範囲から逸脱することなく行われてもよい。様々な実施形態は必ずしも互いに排他的であるわけではなく、いくつかの実施形態を1つまたは複数の他の実施形態と組み合わせて、新たな実施形態を形成してもよい。
【0013】
方法またはデバイスのうちの一方の文脈で説明された実施形態が、もう一方の方法またはデバイスにも同様に有効である。同様に、方法の文脈で説明された実施形態がデバイスにも同様に有効であり、その逆も同様である。
【0014】
一実施形態の文脈で説明されている特徴が、同様に他の実施形態の同じまたは同様の特徴に適用可能であってよい。一実施形態の文脈で説明されている特徴が、他の実施形態に明示的に説明されていなくても、こうした他の実施形態に同様に適用可能であってよい。さらに、一実施形態の文脈で、ある特徴に対して説明される追加事項および/または組み合わせ事項および/または代替事項が、他の実施形態の同じまたは同様の特徴に同様に適用可能であってよい。
【0015】
本明細書で説明されるデバイスは、様々な向きで動作可能であってよく、したがって、「上部」、「下部」などの用語は、以下の説明で用いられる場合、便宜上、相対位置または相対方向の理解の助けになるように用いられており、デバイスの向きを限定することにはならないことを理解されたい。
【0016】
様々な実施形態の文脈において、ある特徴または要素に関して用いられる冠詞の「a」、「an」、および「the」は、その複数の特徴または要素のうちの1つまたは複数への言及を含む。
【0017】
様々な実施形態の文脈において、数値に適用される用語「about(約)」または「approximately(およそ)」は、真値および妥当なバラツキを包含する。
【0018】
本明細書で用いられる場合、用語「and/or(および/または)」は、関連する列挙項目のうちの1つまたは複数のあらゆる組み合わせを含む。
【0019】
様々な実施形態が、1層または複数層の単原子層アモルファス膜(MAF)を含む電子デバイスに関連してよく、このMAFは代替的に2次元(2D)アモルファス膜と呼ばれることがある。
【0020】
図2は、様々な実施形態による電子デバイスを示す概略図である。電子デバイスは、好適な半導体材料または好適なポリマー材料を含む基板202を備えてよい。電子デバイスは、基板202の上に、1層または複数層の単原子層アモルファス膜(MAF)を含むバリア204も備えてよい。バリア204は、環境から基板への水分またはガス(例えば、酸素)の浸透を抑制するか、または低減するように構成されてよい。
【0021】
誤解を避けるために、
図2では、デバイスまたはその様々な構成要素の形状、サイズ、向きなどを限定していない。例えば
図2は、矩形断面を有する基板202を示しているが、様々な実施形態では任意の好適な形状の基板を備えてよい。さらに
図2は、1層の単原子層アモルファス膜を有するバリア204を示しているが、様々な実施形態が複数層の単原子層アモルファス膜を有するバリア204を備えてよい。
【0022】
現在の文脈において、「アモルファス状の固体」とは、結晶の特徴である長距離秩序を欠いている固体を指してよい。
【0023】
現在の文脈において、用語「monolayer(単原子層)」とは、1原子厚の層を指してよい。
【0024】
1層または複数層の単原子層アモルファス膜としては、限定されることはないが、単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜、アモルファス窒化ホウ素(a-BN)膜、単原子層アモルファス二硫化モリブデン膜、単原子層アモルファス二硫化タングステン膜、単原子層アモルファスボロフェン(a-BP)膜、他の単原子層アモルファス遷移金属ダイカルコゲナイド(a-TMD)膜、単原子層アモルファス窒化ホウ素カーボン膜、または異種原子をドープした膜および合金が含まれてよい。
【0025】
現在の文脈において、用語「アモルファスカーボン」とは、長距離秩序も結晶構造もない炭素構造を指してよい。単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜は代替的に、2次元アモルファスカーボン(2DAC)膜を形成するsp2結合性炭素の原子層と呼ばれることがある。これに関連して、単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜は、バルクのアモルファスカーボン(すなわち、ダイヤモンドライクカーボン、ガラス状炭素、すす(soot)など)とは異なる構造および特性を有し得る。例えば、バルクのアモルファスカーボンは、水分およびガス(酸素など)を通すことがあるので、相互拡散バリアとしては好適ではないかもしれない。一方、グラフェンはsp2結合性炭素格子の原子層であり、結晶性材料(単結晶または多結晶)を形成する。グラフェンを合成するには高い温度が必要であり、その成長に用いる基板は、ほとんど遷移金属(Cu、Ni、Coなど)に限定される。これに対して、MACは、はるかに低い温度で任意の基板に形成され得る。同様に、他の単原子層アモルファス膜(MAF)が、そのバルク等価物および2D結晶質等価物とは異なる構造および特性を有し得る。
【0026】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜のそれぞれが、0.4nm~1nmの範囲から選択された厚さを有してよい。
【0027】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜はスタックを形成してよい。
【0028】
様々な実施形態において、電子デバイスはさらに、基板202の上に保護層を備えてよい。保護層としては、酸化物またはポリマーが含まれてよい。酸化物は、酸化アルミニウム(Al2O3)でも、酸化ハフニウム(HfO2)でもよい。ポリマーは、パリレンCでよい。保護層の形成または堆積には、原子層堆積(ALD)法を用いてよい。保護層は、バリア204の一部として含まれてよい。
【0029】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜は、保護層と基板202との間にあってよい。様々な他の実施形態において、保護層は、1層または複数層のアモルファス膜と基板202との間にあってよい。
【0030】
様々な実施形態において、電子デバイスは、限定されることはないが、有機発光ダイオード(OLED)でも、薄膜トランジスタ(TFT)でもよい。例えば、OLEDは、第1電極、第2電極、および第1電極と第2電極との間にある有機発光層を含んでよい。発光層は第1電極上にあってよく、第2電極は発光層上にあってよい。第2電極としては、例えば、導電性材料(例えば、酸化インジウムスズなどの半導体)が含まれてよい。発光層としては、発光層に電位差を印加すると光を放出するように構成されたポリマーが含まれてよい。1層または複数層のアモルファス膜を含むバリア204は、第2電極上および/または有機発光層上に設けられてよい。一方、トップゲート型TFTには、半導体材料(例えば、アモルファスシリコン)の層、半導体材料の層上にある誘電体層、誘電体層上にあるゲート電極、並びに半導体層の層中に少なくとも部分的に埋め込まれたドレイン電極およびソース電極が含まれてよい。ドレイン電極およびソース電極は誘電体層の第1面上にあってよく、ゲート電極は誘電体層の第1面の反対側にある第2面上にあってよい。ゲート電極としては、ITOなどの半導体が含まれてよい。1層または複数層のアモルファス膜を含むバリア204は、ゲート電極上に設けられてよい。ボトムゲート型TFTには、ゲート電極、ゲート電極上にある誘電体層、並びに誘電体層上またはその上にあるドレイン電極およびソース電極が含まれてよい。ボトムゲート型TFTは、ソース電極およびドレイン電極の上に半導体材料(例えば、シリコン)の層を含んでもよい。1層または複数層のアモルファス膜を含むバリア204は、半導体材料の層上に設けられてよい。
【0031】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜は、主にsp2結合を含んでよい。様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜に存在するsp3/sp2の結合比が0.1以下であってよい。
【0032】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜の酸素浸透量は、10-4cc・m-2・day-1~10-2cc・m-2・day-1の範囲から選択された量であっても、10-4cc・m-2・day-1未満の量でもよい。様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜の水蒸気透過度(WVTR)は、10-5g・m-2・day-1~10-6g・m-2・day-1の範囲から選択された値であっても、10-5g・m-2・day-1未満の値でもよい。
【0033】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜の透明度(550nmで測定)は、95%より大きい、例えば、98%より大きい、例えば98.1%であってよい。様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜のシート抵抗は、100GΩ/□以上であってよい。単原子層アモルファス膜は、六角形環および非六角形環の混合物を有してよい。非六角形環は、四員環、五員環、七員環、八員環、九員環の形であってよい。環は互いに完全に結合されて、少なくともミクロン単位の規模になる大面積膜に多角形の網状組織を形成し得る。結晶化度が、固体内の構造秩序の程度を指してよく、非六角形環に対する六角形環の比に基づいて測定されてよい。現在の文脈において、単原子層アモルファス膜とは、結晶化度(C)が80%に等しいまたはそれより小さい(C≦80%)膜であってよい。様々な実施形態において、アモルファスMAC膜などでは、結晶化度が60%に等しいまたはそれより大きくてよい(C≧60%)。1層または複数層の単原子層アモルファス膜の結晶化度は、60%~80%(両端の値を含む)の任意の好適な値に調整されてよく、これにより、バリア特性も同様に変化し得る。
【0034】
様々な実施形態において、好適な半導体は、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素(GaAs)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、酸化亜鉛(ZnO)などであってよい。様々な実施形態において、好適なポリマー材料は、例えば、酸化ケイ素(SiO2)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンビニレン(PPV)、ポリフルオレン(PF)、ポリパラフェニレン(PPP)などであってよい。
【0035】
図3は、様々な実施形態による電子デバイスを形成する方法を示す概略図である。本方法は、302において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリアを基板の上に形成する段階を含んでよい。基板としては、好適な半導体材料または好適なポリマー材料が含まれてよい。バリアは、環境から基板への水分またはガス(例えば、酸素)の浸透を抑制するか、または低減するように構成されてよい。
【0036】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜は、化学気相成長(CVD)プロセスで基板上に形成されてよい。様々な実施形態において、化学気相成長プロセスは、レーザ化学気相成長(LCVD)プロセスである。化学気相成長プロセスが行われる温度が、300℃より低い任意の好適な温度であってよい。
【0037】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜もしくはバリアを、基板の上に転写する前に、自立型膜として形成してよい。言い換えれば、1層または複数層の単原子層アモルファス膜もしくはバリアを形成してよく、続いて、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の支持材を用いることなく、ポリマー基板または半導体基板の上に転写してよい。
【0038】
図4は、様々な実施形態による電子デバイスを示す概略図である。電子デバイスは、導電性材料を含む第1デバイス構造体402を備えてよい。電子デバイスは、さらなる導電性材料または半導体材料を含む第2デバイス構造体404も備えてよい。電子デバイスはさらに、第1デバイス構造体402と第2デバイス構造体404との間に、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリア406を備えてよい。バリア406は、第1デバイス構造体と第2デバイス構造体との間の相互拡散を抑制するか、または低減するように構成されてよい。
【0039】
誤解を避けるために、
図4では、デバイスまたはその様々な構成要素の形状、サイズ、向きなどを限定していない。例えば
図4は、全く同じ矩形断面を有する構造402、404を示しているが、様々な実施形態では任意の好適な形状の構造を備えてよい。様々な実施形態において、構造402の形状は、構造404の形状と異なってもよい。さらに
図4は、1層の単原子層アモルファス膜を有するバリア406を示しているが、様々な実施形態では複数層の単原子層アモルファス膜を有するバリア406を備えてよい。
【0040】
様々な実施形態において、導電性材料は、金属、金属合金、ドープした金属酸化物、または導電性カーボンであってもよい。様々な実施形態において、導電性材料または金属は、銅(Cu)であっても、コバルト(Co)であってもよい。
【0041】
様々な実施形態において、さらなる導電性材料は、金属、金属合金、ドープした金属酸化物、または導電性カーボンであってもよい。
【0042】
様々な実施形態において、半導体材料は、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素(GaAs)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、酸化亜鉛(ZnO)、またはあらゆる他の好適な半導体材料であってもよい。
【0043】
一例において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜は、2つのインターコネクトの間にあってよい。言い換えれば、第1デバイス構造体402は第1インターコネクトであってよく、第2デバイス構造体404は第2インターコネクトであってよい。
【0044】
別の例において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜は、インターコネクトと基板との間にあってよい。言い換えれば、第1デバイス構造体402はインターコネクトであってよく、第2デバイス構造体は基板であってよく、基板は例えば、シリコン基板、ゲルマニウム基板、ガリウムヒ素(GaAs)基板、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)基板、酸化亜鉛(ZnO)基板などといった半導体基板である。さらに別の例において、1層または複数層のアモルファス膜は、ゲート金属スタックのような2つの金属コンタクトの間にあってよい。
【0045】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜に存在するsp3/sp2の結合比が0.1以下であってよい。
【0046】
様々な実施形態において、電子デバイスは、限定されることはないが、トランジスタ、ダイオード、メモリデバイス、または電気機械デバイス、集積回路チップ、マイクロプロセッサ、または電子検出デバイスであってもよい。
【0047】
様々な実施形態が、本明細書で説明されるような電子デバイスを備える回路装置に関連し得る。
【0048】
図5は、様々な実施形態による電子デバイスを形成する方法を示す概略図である。本方法は、502において、導電性材料を含む第1デバイス構造体を形成するか、または設ける段階を備えてよい。本方法は、504において、さらなる導電性材料または半導体材料を含む第2デバイス構造体を形成するか、または設ける段階も備えてよい。本方法はさらに、506において、第1デバイス構造体と第2デバイス構造体との間に、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリアを形成する段階を備えてよい。バリアは、第1デバイス構造体と第2デバイス構造体との間の相互拡散を抑制するか、または低減するように構成されてよい。
【0049】
誤解を避けるために、
図5では、様々な段階の順序を示すことも、限定することもしない。様々な実施形態において、段階506が段階504の前に行われてもよく、段階502が段階504の後に行われてもよい。
【0050】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を第2デバイス構造体の上に形成した後に、第1デバイス構造体を1層または複数層の単原子層アモルファス膜の上に形成してよく、これにより、1層または複数層の単原子層アモルファス膜は第1デバイス構造体と第2デバイス構造体との間にある。
【0051】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜は、化学気相成長プロセス(CVD)で形成されてよい。化学気相成長プロセスは、レーザ化学気相成長プロセス(LCVD)でよい。
【0052】
様々な実施形態において、化学気相成長プロセスが行われる温度が、300℃より低い任意の好適な温度であってよい。
【0053】
様々な実施形態において、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を、第2デバイス構造体の上に転写する前に、自立型膜として形成してよい。
【0054】
単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜などの単原子層アモルファス膜(MAF)を、可能性として、レーザによる低温且つ超高速のCVD(化学気相成長)などのプロセスを用いて、ポリマー基板上または半導体基板上に直接的に成長してもよく、これが産業として実現可能な封止方法になる。単層から多層までのMACでは、均質な原子的構造によって、陽子より大きい原子をブロックすることが示されている。したがって、MAC膜は、10-5g・m-2・day-1未満の水蒸気透過度(WVTR)を維持することが期待されており、この値は、グラフェンのWVTR(10-3~10-1g・m-2・day-1)より少なくとも2桁優れている。
【0055】
図6は、基板の上にある単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜を含む、様々な実施形態によるデバイスの概略図を示している。MACの透明度は98.1%を超えており、この値は、あらゆる他の従来型の極薄バリア膜より高くなり得る。したがって、MACは透明なOLEDには理想的であろう。
【0056】
既存のフレキシブルデバイスの欠陥の1つの原因は、曲げたときの塑性変形を伴わないクラック伝搬による無機バリア膜の機械的破壊に起因しており、これが短い耐用期間につながることがある。しかしながら、MAC膜は高い破壊靱性を備えており、これが高い可塑性をもたらし、バリア膜内のクラック伝搬を低減させるか、または最小限にするので、MACバリア層の耐久性およびデバイスの柔軟性が高まる。
【0057】
さらに、MAFは、熱的安定性、化学的不活性、および原子的に薄いなどの優れた特性により、拡散バリアに用いられてよい。MACなどの単原子層アモルファス膜(MAF)が、半導体基板とインターコネクトとの間に形成されてよい。銅(Cu)のインターコネクトを形成する前に、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)の半導体層上にMACを直接的に成長させてよい。腐食試験によれば、グラフェンを被覆した銅(Cu)および何も被覆していない銅(Cu)と比較して、MACは銅(Cu)の酸化および銅の腐食速度を7倍以上低減させ得ることが示されている。MAFは、銅(Cu)およびコバルト(Co)(Coは銅(Cu)の置き換えを目的としている)の両方の拡散を低減させるか、またはブロックすることが立証されているので、(例えば、配線工程(BEOL)においても、トランジスタ形成工程(FEOL)においても)拡散バリアに用いられてよい。
【0058】
MACの化学的不活性は、より高い温度で銅(Cu)と反応するチタン(Ti)、パラジウム(Pd)などといった、利用されるその他の金属拡散バリア層と比較すると有利になり得る。MACは絶縁性を有するため、MACは(Cu)インターコネクトの起こり得る短絡を防ぐことができる。同時に、MACの高い熱伝導率は速い熱拡散をもたらしてよく、これが高電力密度デバイスの効率的な熱管理につながる。
【0059】
本明細書で提供される実験データは主に単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜に関するものであるが、他の単原子層アモルファス膜(MAF)が同様の特性を有すると期待されてよく、同様の用途に用いられてよい。こうした他のMAFとしては、例えば、アモルファス窒化ホウ素膜、単原子層アモルファス二硫化モリブデン膜、単原子層アモルファス二硫化タングステン膜、単原子層アモルファスボロフェン膜、単原子層アモルファス遷移金属ダイカルコゲナイド膜、単原子層アモルファス窒化ホウ素カーボン膜、または異種原子をドープした膜もしくは合金が含まれてよい。
【0060】
図7は、基板と基板の上にある単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜とを含む、様々な実施形態によるデバイスを示す概略図であり、挿入図はアモルファス状の原子配列を示している。
【0061】
様々な実施形態が、アモルファスカーボン膜が基板全体を覆っているデバイスに関連し得る。様々な実施形態が、例えば、炭素被覆としての用途を見つけてもよい。単原子層アモルファスカーボン膜は、欠陥のない拡散バリア(すなわち、浸透バリア)としての役割も果たすので、下にある基板の酸化および腐食を防ぐことができる。アモルファスカーボン膜は、その電気絶縁特性によって、基板のガルバニック腐食を低減させるか、または防止してよい。
【0062】
以下の表1は、本発明の様々な実施形態の特徴および関連する利点/長所の一部を一覧にしている。
【表1】
【0063】
[単原子層アモルファスカーボン(MAC)の構造的利点]
【0064】
MACの原子的構造は、粒界が全くない2次元(2D)の無秩序なsp2炭素(C)原子の連続した網状組織(均質)であってよく、従来の多結晶グラフェンは、粒界で分離された秩序ある結晶性ドメイン(不均質)を含み得る。MACでは、非六角形炭素環に対する六角形炭素環の比が1未満、すなわち0.6あたりでよい。MACの利点には、以下のことが含まれてよい。
【0065】
1.腐食/酸化耐性
【0066】
多結晶グラフェンのバリア膜にある粒界は、特別弱い箇所として作用することにより、構造内を不均質にすることがあり、反応性雰囲気(例えば、酸素、水分)による腐食を受けやすく、バリア膜のバリア特性を低下させるどころか、場合によっては腐食プロセスを加速させることがある。しかしながら、MACは、均質な原子的構造を提供し、酸素および水分の反応を抑制することにより、厳しい環境に対して有効且つ安定なバリアを形成することができる。
図8は、グラフェンで封止した銅の、周囲雰囲気で4か月のエージングを経た後の光学像(左側)と、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)で封止した銅の、周囲雰囲気で4か月のエージングを経た後の光学像(右側)とを示している。
図8から分かり得るのは、単原子層アモルファスカーボン(MAC)で封止した銅が、グラフェンで封止した銅と比較して高い酸化耐性を示していることである。
【0067】
2.熱的安定性
【0068】
高い温度では、多結晶バリア膜(例えば、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、窒化チタン(TiN)など)に粒界すべりが生じ、それが構造を不安定にさせて、バリア膜の機能性を失わせる。銅(Cu)イオンが粒界を伝って拡散し得る。それに対して、MACは、均質な構造に起因して、700℃を超える温度でも熱的安定性を示している。したがって、MACは、より高い温度で動作する部品用の効果的なバリアとして(例えば、インターコネクト用の拡散バリアとして)、大きな可能性を持ち得る。MACの均質な構造が、その化学的安定性および化学的不活性をもたらし得る。
【0069】
3.調整可能な構造
【0070】
MACの構造は、合成条件に応じて、完全なアモルファスからナノ結晶まで調整可能であってよく、これにより、最終用途の要件に従って、構造・特性・性能の調整が幅広く可能になる。
【0071】
4.機械的安定性
【0072】
MACは、粒界がないアモルファス状の原子構造に起因した(x、y、およびzの方向における)非常に高い破壊靱性を示し、折った際にクラック阻止現象をもたらし得る。これに対して、結晶質等価物(例えば、多結晶グラフェン)では、クラックが優先結晶方位または粒界に沿って伝搬することにより、材料の破壊靱性が低下することがある。
図9は、インデンテーション後のグラフェンの粒界に沿ったクラック伝搬を示す光学像(左側)と、インデンテーション後のクラック伝搬がないことを示す、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜の光学像(右側)とを示している。
【0073】
MACは、破壊することなく5%を超える変形という高い可塑性も示し得る。これも、高い破壊靱性を獲得するのに非常に重要である。従来の膜では、著しい可塑性はこれまで観察されていない。
図10Aは、インデンテーションが膜に形成された後の、様々な実施形態による架橋単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜の原子間力顕微鏡法(AFM)画像(上側)と、AFMが単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜から離脱した後のインデンテーションピークを示す対応する高さプロファイルを示す、距離(ナノメートル(すなわちnm)単位)に応じた高さ(ナノメートル(すなわちnm)単位)のグラフ(下側)とを示している。
図10Bは、2つ目のインデンテーションが(最初のインデンテーションの右側の)膜に形成された後の、様々な実施形態による架橋単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜の別の原子間力顕微鏡法(AFM)画像(上側)と、AFMが単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜から離脱した後の2つ目のインデンテーションピークを示す対応する高さプロファイルを示す、距離(ナノメートル(すなわちnm)単位)に応じた高さ(ナノメートル(すなわちnm)単位)のグラフ(下側)とを示している。
図10Cは、2つのインデンテーションを有する、様々な実施形態による架橋単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜の3次元原子間力顕微鏡法(AFM)画像を示している。
【0074】
繰り返し応力および繰り返し曲げに遭うことが多いフレキシブルなOLED、TFT、および他のウェアラブル型電子デバイスでは、様々な実施形態によるバリア膜の耐久性および性能を高めるのに、高い破壊靱性が不可欠になり得る。一方、従来の無機多結晶バリア膜(例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化ケイ素(SiN)、酸化ジルコニウム(ZrO2))を曲げるとクラックが生じることがあり、これが、水分/酸素のリーク源として作用し、バリアの耐用期間を限定する。
【0075】
図11は、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜によって一部の穴が覆われ、単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜がそれぞれ隆起を形成するようにガスが注入されるバブルテストの光学像(左側)と、高圧ガスチャンバから取り外した後の単原子層膜の隆起を示す原子間力顕微鏡法(AFM)画像(右側)とを示している。MAC膜の隆起は、24時間後でも残ったままであり、バリア材料としてのMAC膜の有効性を示し得る。
【0076】
5.原子的な薄さ
【0077】
単層のMACは、成長用基板上で約0.4nmの厚さを有してよく、転写後には0.6nmに弛緩し、MACをインターコネクト用の金属拡散に対する原子的に薄いバリア膜、またはOLEDおよびTFT用の酸素/防湿バリアにすることができる。原子的に薄いバリア膜は、有効な保護を実現すると共に、下にある基板の性能(Cuのインターコネクトの導電率)への影響を最小限にする上で重要になり得る。多層MAC膜が必要な場合でも、厚さは1nm~3nmの範囲内にあってよく、バリア膜の極薄という特徴を保持し得る。
【0078】
これに対して、既存の拡散バリア(例えば、窒化チタン(TiN)または窒化タンタル(TaN))は、膜の不均一性および連続性の欠如によって、2~3nmより薄い厚さでバリア機能を失うことがある。こうした従来膜に必要となる大きい厚さは、OLEDディスプレイの柔軟性に悪影響をもたらすことがある。これらの膜を含むディスプレイは、クラックを防ぐ限界曲げ半径の制限に直面するからである。
【0079】
6.高い透明性
【0080】
バリア膜の透明度は、バリア膜が下にある材料を周囲雰囲気から保護しながら、OLEDディスプレイの透明度を維持するのに非常に重要になり得る。従来のディスプレイでは、これまでガラスをバリアとして用いてきた。しかしながら、ガラスは、その剛性により、フレキシブルで折り畳み可能なOLEDディスプレイに適用することはできない。さらに、無機バリア材料(例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ケイ素(SiO2)など)に関連して、そのようなバリア材料で水分を効果的にブロックするための最小の厚さでは、デバイスの透明度が著しく低下することになる。
【0081】
これに対して、MAC膜は、550nmの波長で約98.1%という非常に高い透明度を備え得る。
図12は、波長(ナノメートル(すなわちnm)単位)に応じた透過率(パーセント(すなわち%)単位)のプロット図を示しており、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)の透過率スペクトルを示す図である。
図12は、MACが550nmの波長で約98.1%という高い透過率を有し、赤外線スペクトルでは99%に近づいていることを示している。この透明度は、全可視波長で97.7%という理論的最大値を有するグラフェンより高い。MACのわずかな吸収は、その均質な原子的構造にあるとされ得る。数層(例えば5~10層)のMACが防湿バリアとして適用された場合、多層グラフェンバリアと比較すると、約2~4%の総合的な透明度差異が期待されてよい。
【0082】
7.熱伝導性および電気絶縁性
【0083】
MAFは、高い熱伝導性を有すると共に、電気絶縁性も有し得る。理論的予測によれば、単原子層アモルファス材料では熱伝導率の著しい低下が生じないことが示唆されている。MACは、シート抵抗が約100GΩ/□の電気絶縁性を有することが分かっている。
【0084】
[MAC加工技術の利点]
【0085】
MACは、レーザ化学気相成長(LCVD)で合成されてよく、LCVDは既存の半導体加工技術と統合することができる。LCVDは、高スループットの大面積バリア膜を実現でき得る、産業としてスケーラブルなプロセスである。さらに、LCVDは超高速の技術であり、基板の表面全体を60秒もたたないうちにMACで覆うことができる。LCVDは、幅広く利用されている原子層堆積(ALD)プロセスより効率的である。
【0086】
さらに、MACは300℃未満の低い温度で合成され得る。これは、必要な低い温度がシリコンベースの技術に対応するので、バリア膜をCuのインターコネクト上に直接的に成長できるということを意味し得る。また、MAC成長のコストはグラフェンと比較すると著しく低くなり得る。グラフェンは、約1000℃の温度で熱化学気相成長によって成長させるときに、大量のエネルギーを消費し得る。合成温度をさらに(例えば、150℃未満に)低下させると、OLEDおよびフレキシブルな電子機器に用いられるポリマー基板上にMACを直接的に成長できることが可能になり得る。
【0087】
バリア膜としてのグラフェンは、ポリマー基板上または銅のインターコネクト上に直接的に成長させなくてもよく、その際は、成長用基板から転写する必要があり得る。しかしながら、この転写にはポリメタクリル酸メチル(PMMA)の支持層が必要になる場合があり、この支持層がバリア膜および下にあるデバイスの界面に望ましくない汚染物質をもたらすことにより、バリア膜および下にあるデバイスの性能に影響を及ぼし得る。
【0088】
それに対して、MAC膜は機械的に安定であり、自立型膜が達成可能になり得る。したがって、自立型MAC膜の基板上への転写が、ポリマー支持層を用いることなく可能になり得る。その結果として、残留物がない状態でバリア膜を形成することができる。さらに、OLEDおよびフレキシブルディスプレイ用の大面積バリア膜を促進するために、既存のロールツーロール転写技術との統合も可能になり得る。
【0089】
より効果的なバリアの形成には、一般に多層を必要とし得る。しかしながら、均一な多層グラフェンを生産するのは難しい場合がある。現在、多層グラフェンの形成を行うには、層ごとの転写プロセスを用いるしかないかもしれず、これは非常に非効率的である。これに対して、MACでは、明確な数の層(例えば、1~100層)がLCVDで合成され得るので、特定の用途に合わせてバリア膜の厚さを注意して調整することが可能である。
【0090】
さらに、MACは任意の基板上に成長させることができ、そのような基板には、例えば、銅、金、タングステン、チタン、アルミニウム、ニッケルなどといった金属、および酸化ケイ素、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、ガラス窒化ホウ素(BN)などといった絶縁体がある。LCVDは、複雑な形状の成長を可能にし得るので、効果的なバリア特性のためにインターコネクトの完全な被覆が可能になる。
【0091】
MACの直接成長によって膜と基板との間にもたらされ得る接着性は、10J/m2程度の接着力しかないCVDグラフェンと比較すると強い(最大で200J/m2を超える)。バリア特性の低下につながる、あらゆる膜分離欠陥および界面破壊を防ぐには、強い接着性が必要である。
【0092】
MAC成長は、相互拡散バリアとして銅(Cu)配線上で行われている。MACは、下にある層を損傷させることなく、LCVDを用いて薄いCu配線によるインターコネクト上に直接的に成長する。さらに、浸透試験、腐食試験、酸性試験によって立証されているように、MACが保護/相互拡散バリア層として作用し得ることが示されている。
【0093】
銅配線(高さ30nm、幅200nm)を酸化ケイ素(SiO
2)ウェハー上に、電子ビームリソグラフィ、その後の銅(Cu)の電子ビーム蒸着を用いて製造した。レーザ支援CVDを用いて、銅配線の上にMACを成長させる。
図13Aは、様々な実施形態に従って、単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜を銅配線の上にレーザ化学気相成長法を用いて成長させた後の、銅(Cu)配線の走査電子顕微鏡画像を示している。
図13Bは、様々な実施形態に従って、単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜を銅配線の上にレーザ化学気相成長法を用いて成長させた後の、銅(Cu)配線の原子間力顕微鏡法(AFM)画像を示している。
図13Cは、様々な実施形態による、波数(/センチメートルという1/cm単位)に応じたラマン強度(任意単位(すなわち、a.u.))のプロット図であり、単原子層アモルファスカーボン(MAC)/銅(Cu)配線の、DバンドおよびGバンドを有するラマンスペクトルを示している。
【0094】
図13Aおよび
図13Bに示すSEM画像およびAFM画像によれば、LCVD成長後も銅(Cu)配線の形状および表面が元の状態のままで滑らかであることが分かる。さらに、
図13Aおよび
図13Bによれば、MACの直接成長に向けたLCVDの実現可能性、およびMACの成長が既存の半導体加工技術に基づいて実現され得ることも確認できる。Cu配線から採取したラマンスペクトルはDバンドおよびGバンドを示しており、これはMAC(sp
2-C)の特性ピークである。これらのラマン特徴は、数か所から採取したデータに基づくと変わらず、Cu配線上に成長したMAC膜の均一性を示している。
【0095】
単原子層アモルファスカーボン(MAC)は陽子(H+)を大いに通すが、重陽子(半径が2倍程度大きい)に対しては浸透性が1桁以上低減することも分かった。これは、MACが陽子より大きいイオンまたは分子に対して不浸透性になり得ることを示している。測定結果に基づくと、MACはガス(酸素、空気など)および水分(H2O)に対する優れたバリアであると共に、金属および半導体(例えば、銅(Cu)、コバルト(Co)、シリコン(Si)など)に対する優れた相互拡散バリアでもあると予想され得る。
【0096】
MACを被覆した銅(Cu)配線と何も被覆していないものとを、Cu腐食
液(過硫酸アンモニウム、APS)にさらして、Cu上のMACのバリア性能を評価することができる。
図14Aは、過硫酸アンモニウム(APS)にさらす前の何も被覆していない銅(Cu)配線(左側)と、過硫酸アンモニウム(APS)にさらした後の何も被覆していない銅(Cu)配線(中央および右側)との原子間力顕微鏡法(AFM)画像を示している。
図14Aによれば、APS溶液にさらした後に、何も被覆していないCu配線が激しい腐食を受けたことが分かる。何も被覆していないCu配線の高さプロファイルは、30nm程度から8.0nm程度に減少し、粗さの2乗平均平方根(rms)は1.8nmから6.5nmに増加した。
【0097】
それに対して、MACを被覆したCu配線は、APSにさらした後でも、滑らかで腐食されていない状態を保っていた。
図14Bは、過硫酸アンモニウム(APS)にさらす前の、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)を被覆した銅(Cu)配線(左側)と、過硫酸アンモニウム(APS)にさらした後の、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)を被覆した銅(Cu)配線(中央および右側)との原子間力顕微鏡法(AFM)画像を示している。MACを被覆したCu配線の高さプロファイルおよびrms粗さはほとんど変わらず、それぞれ29.3nmおよび1.7nmと測定された。
【0098】
むき出しのCu配線、グラフェンを被覆したCu配線、およびMACを被覆したCu配線に対して、酸腐食試験も行った。これらのサンプルを硝酸にさらした。
図15は、酸にさらした後の、様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)を被覆した銅(Cu)箔(左側)と、酸にさらした後の、グラフェンを被覆した銅(Cu)箔(中央)との走査電子顕微鏡(SEM)画像、並びに標準的な銅(Cu)電極、グラフェンを被覆した(Cu)電極、および様々な実施形態による単原子層アモルファスカーボン(MAC)を被覆した銅(Cu)電極の消失した銅(Cu)イオン(100万分の1(すなわちppm)単位)を比較したプロット図(右側)を示している。
図15のSEM画像は、グラフェンを被覆した箔と比較すると、MACを被覆した銅箔では腐食試験後の酸化銅の形成が著しく少なかったことを示している。プロット図に示すように、MACを被覆した銅電極では、標準的な(むき出しの)銅電極およびグラフェンを被覆した電極と比較すると、酸腐食試験による銅イオンの減少が約7倍少なかった。これらの結果は、Cu配線/インターコネクト上の効果的なバリア層として、MACがこうした配線を化学物質から保護することを明らかに示している。
【0099】
上記で強調したように、様々な実施形態は、半導体基板上またはポリマー基板上に1層または複数層の単原子層アモルファス膜(MAF)、例えば1層または複数層の単原子層アモルファスカーボン(MAC)膜を備えるデバイスに関連し得る。バリアの浸透要件および機械的要件に応じて、例えば、1~10層から選択された任意の数の層のMAC膜があってもよい。
【0100】
様々な実施形態が、多層バリア、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)/MAC/シリコン(Si)の一部として、1層または複数層のMAFを備えたデバイスに関連し得る。様々な実施形態が、1層または複数層の単原子層、続いて別の材料(Al2O3など)による薄いバリア層を含む複合バリア膜を備えたデバイスに関連し得る。これにより、全体として非常に薄いバリアで、同じバリア性能要件を達成することが可能になり得る。
【0101】
薄いMAC(1~10層)バリア膜をOLEDまたはTFTのポリマー基板上に直接成長することで、バリア層とフレキシブル基板との間に強い界面接着性をもたらすことができる。強い界面接着性により、MACバリア膜のクラックまたは剥離を防ぎながらデバイスのより高度な曲げ(1mm未満の半径)が可能になり、元のバリア性能を維持しながら優れた柔軟性が可能になり得る。さらに、MACの可塑性(>5%)および高い破壊靱性により、フレキシブルデバイスでのバリア膜の耐久性を格段に高めることができ、その結果、バリア膜に(事故によって)軽度のクラック/割れ目が生じたとしても、膜の破壊を全く引き起こすことなく、依然として繰り返し応力を受けることができ、したがって、バリア膜への破局的な損傷、およびフレキシブルデバイスの性能への影響を防ぐことができる。LCVDプロセスも、MACの基板との強い界面接着性をもたらし得る。フレキシブル用途では、引き起こされたひずみでバリア層が剥離し、膜破壊およびデバイス故障につながることがある。MACを合成する表面とのMACの強い界面接着性は、非常に重要になり得る。さらに、MACは、その後の膜堆積のための強い接着層として作用し得る。したがって、MAC膜などのMAFで、フレキシブルな電子機器における重大な故障メカニズムに対処することができる。
【0102】
無欠陥で原子的に縫合された連続的なMAFバリア層は、対象となる基板上に直接的に成長することができ、これにより、水または酸素分子の浸透が効果的にブロックされる。ALDで堆積した最先端の無機バリア膜にはピンホール欠陥という既存の欠点があり、欠陥を介した水分の浸透およびバリア性能の低下につながるが、これを回避するのに様々な実施形態が役立ち得る。欠陥/ピンホールがなく、密に充填されたMACの原子的構造には、水分または酸素の浸透に対する優先的箇所がないであろう。これにより、水蒸気透過度(WVTR)を10-5g・m-2・day-1未満に(グラフェンの10
-3
~10
-1
g・m
-2
・day
-1
より少なくとも2桁高い)、また酸素浸透量を10-4cc・m-2・day-1未満に維持することを期待される好適なバリア膜が形成され得る。相互拡散バリアとしてのMACによって、その後の高品質バリア層の成長も可能になり得る。高い温度のPECVD/ALDによる酸化物バリアの堆積が、下にある基板(酸化ケイ素(SiO2)、ポリエチレンテレフタレート(PET)など)への拡散損傷を伴わずに可能となるからである。
【0103】
MAC相互拡散バリア層が、ゲート金属スタック(アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、銅(Cu)、ニッケル、(Ni)、金(Au)、クロム(Cr)など)などの2つの金属コンタクト間にあってよく、高い使用温度(>450℃)での金属コンタクト間の相互拡散および一般に観察される合金化を防止できる。さらに、高い温度での相互拡散によるSiO2/金属コンタクトの絶縁破壊も、MACバリア層を挿入することで防ぐことができる。
【0104】
MACバリア層の高い熱的安定性(>700℃)および熱伝導により、Cuのインターコネクトを薄くすることが可能になり得る。MACバリア層により、熱を引き起こす高い電流密度を通すことが可能になり得る。MACバリア層は熱伝導性を有するため、熱拡散によって安定性を確保し、過剰に高い温度に確実に達しないようにできる。従来の相互拡散バリア層は断熱性を有し得るので、熱を放散することができず、これが拡散バリアの破壊につながる。
【0105】
MACバリア層の電気絶縁特性は、同時に、薄いCuのインターコネクトの短絡を防ぐことができる。
【0106】
トランジスタのピーク温度を調整し、その結果、局所的な熱負荷によって現在制限されているデバイス性能を改善するために、ヒートスプレッダが重要になり得る。電気絶縁性MAC拡散バリア層の高い熱伝導によって、高電力密度デバイスの効率的な熱管理が可能になり得る。したがって、MACはヒートスプレッダとしての要件を達成できる。このことは、ナノエレクトロニクスではトランジスタ内が高電力密度になるため重要である。MACバリア層は、半導体活性層と直接的に接続してよく、熱放散層として機能するのに適してよい。
【0107】
様々な実施形態が、電子コンポーネントおよびマイクロ電子デバイスの集積回路(IC)内にある金属インターコネクト(Cu)用の拡散バリア層といった用途に対する可能性のあるバリア層としてのMAF、または有機発光ダイオード(OLED)および他のフレキシブルな電子コンポーネントといった周囲雰囲気に敏感な用途向けのガスバリア層および防湿バリア層としてのMAF、または高温酸化防止部品におけるMAFに関連し得る。
【0108】
様々な実施形態が、限定されることはないがMAC膜を含むMAFに関連し得る。様々なバリア用途向けに単元素の膜から多くの要素による複合膜まで形成するのに、様々な構成の他のMAFがLCVDを用いて合成されてよい。
【0109】
実施形態には、限定されることはないが、以下のことが含まれてよい。
【0110】
(A)好適な半導体材料または好適なポリマー材料を含む基板と、前記基板の上にある、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリアとを備える電子デバイスであって、前記バリアが環境から前記基板への水分またはガスの浸透を抑制するか、または低減するように構成される、電子デバイス。
【0111】
(B)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が、単原子層アモルファスカーボン膜、アモルファス窒化ホウ素膜、単原子層アモルファス二硫化モリブデン膜、単原子層アモルファス二硫化タングステン膜、単原子層アモルファスボロフェン膜、単原子層アモルファス遷移金属ダイカルコゲナイド膜、単原子層アモルファス窒化ホウ素カーボン膜、または異種原子をドープした膜もしくは合金である、記述(A)に記載の電子デバイス。
【0112】
(C)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜のそれぞれが、0.4nm~1nmの範囲から選択された厚さを有する、記述(A)または記述(B)に記載の電子デバイス。
【0113】
(D)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜がスタックを形成する、記述(A)から(C)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0114】
(E)前記基板の上に保護層をさらに備える、記述(A)から(D)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0115】
(F)前記保護層が酸化物またはポリマーを含む、記述(E)に記載の電子デバイス。
【0116】
(G)前記酸化物が酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウムである、記述(F)に記載の電子デバイス。
【0117】
(H)前記ポリマーがパリレンCである、記述(F)に記載の電子デバイス。
【0118】
(I)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が前記保護層と前記基板との間にある、記述(E)から(H)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0119】
(J)前記保護層が前記1層または複数層のアモルファス膜と前記基板との間にある、記述(E)から(H)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0120】
(K)前記電子デバイスが有機発光ダイオードまたは薄膜トランジスタである、記述(A)から(J)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0121】
(L)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜に存在するsp3/sp2の結合比が0.1以下である、記述(A)から(K)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0122】
(M)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜の酸素浸透量が10-4cc・m-2・day-1未満であり、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜の水蒸気透過度が10-5g・m-2・day-1未満である、記述(A)から(L)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0123】
(N)電子デバイスを形成する方法であって、前記方法が、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリアを基板の上に形成する段階を備え、前記基板が好適な半導体材料または好適なポリマー材料を含み、前記バリアが環境から前記基板への水分またはガスの浸透を抑制するか、または低減するように構成される、方法。
【0124】
(O)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が前記基板上に化学気相成長プロセスで形成される、記述(N)に記載の方法。
【0125】
(P)前記化学気相成長プロセスがレーザ化学気相成長プロセスである、記述(O)に記載の方法。
【0126】
(Q)前記化学気相成長プロセスが行われる温度が300℃より低い任意の好適な温度である、記述(O)または記述(P)に記載の方法。
【0127】
(R)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が、前記基板に転写される前に、自立型膜として形成される、記述(N)に記載の方法。
【0128】
(S)導電性材料を含む第1デバイス構造体と、さらなる導電性材料または半導体材料を含む第2デバイス構造体と、前記第1デバイス構造体と前記第2デバイス構造体との間にある、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリアとを備える電子デバイスであって、前記バリアが前記第1デバイス構造体と前記第2デバイス構造体との間の相互拡散を抑制するか、または低減するように構成される、電子デバイス。
【0129】
(T)前記導電性材料が、金属、金属合金、ドープした金属酸化物、または導電性カーボンである、記述(S)に記載の電子デバイス。
【0130】
(U)前記金属が銅またはコバルトである、記述(T)に記載の電子デバイス。
【0131】
(V)前記さらなる導電性材料が、金属、金属合金、ドープした金属酸化物、または導電性カーボンである、記述(S)から(U)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0132】
(W)前記半導体材料がシリコンである、記述(S)から(V)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0133】
(X)前記電子デバイスが、トランジスタ、ダイオード、メモリデバイス、電気機械デバイス、集積回路チップ、マイクロプロセッサ、または電子検出デバイスである、記述(S)から(W)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0134】
(Y)前記第1デバイス構造体がインターコネクトであり、前記第2デバイス構造体が基板である、記述(S)から(X)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0135】
(Z)前記第1デバイス構造体が第1インターコネクトであり、前記第2デバイス構造体が第2インターコネクトである、記述(S)から(X)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0136】
(AA)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜に存在するsp3/sp2の結合比が0.1以下である、記述(S)から(Z)のいずれか1つに記載の電子デバイス。
【0137】
(AB)記述(S)から(AA)のいずれか1つに記載の電子デバイスを備える回路装置。
【0138】
(AC)電子デバイスを形成する方法であって、前記方法が、導電性材料を含む第1デバイス構造体を形成する段階と、さらなる導電性材料または半導体材料を含む第2デバイス構造体を形成する段階と、前記第1デバイス構造体と前記第2デバイス構造体との間に、1層または複数層の単原子層アモルファス膜を含むバリアを形成する段階とを備え、前記バリアが前記第1デバイス構造体と前記第2デバイス構造体との間の相互拡散を抑制するか、または低減するように構成される、方法。
【0139】
(AD)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜を前記第2デバイス構造体の上に形成した後に、前記第1デバイス構造体を前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜の上に形成することで、前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が前記第1デバイス構造体と前記第2デバイス構造体との間にある、記述(AC)に記載の方法。
【0140】
(AE)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が化学気相成長プロセスで形成される、記述(AC)または記述(AD)に記載の方法。
【0141】
(AF)前記化学気相成長プロセスがレーザ化学気相成長プロセスである、記述(AE)に記載の方法。
【0142】
(AG)前記化学気相成長プロセスが行われる温度が300℃より低い任意の好適な温度である、記述(AE)または記述(AF)に記載の方法。
【0143】
(AH)前記1層または複数層の単原子層アモルファス膜が、前記第2デバイス構造体の上に転写される前に、自立型膜として形成される、記述(AC)に記載の方法。
【0144】
本発明は特定の実施形態を参照して詳しく示され且つ説明されてきたが、添付された特許請求の範囲により定められる本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において様々な変更が本発明になされてよいことが当業者によって理解されるはずである。したがって、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲により示されているので、特許請求の範囲の均等の意味および範囲に属する全ての変更が包含されることになる。