(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】照明装置、生体移動検出システム、生体移動検出方法、プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20241113BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20241113BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241113BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20241113BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20241113BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20241113BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20241113BHJP
H05B 47/13 20200101ALI20241113BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241113BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20241113BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
F21V23/00 115
F21V23/04 500
F21V23/00 140
F21V33/00 430
H05B47/19
H05B47/125
H05B47/13
F21Y115:10
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2023024808
(22)【出願日】2023-02-21
(62)【分割の表示】P 2021186940の分割
【原出願日】2018-03-02
【審査請求日】2023-02-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、平成29年9月19日テレビ放送による発表(放送番組:テレビ東京 ガイアの夜明け 公開者名:株式会社テレビ東京)
(73)【特許権者】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】青木 康
(72)【発明者】
【氏名】冨田 仁
【審査官】小松崎 里沙
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-216006(JP,A)
【文献】特開2015-109063(JP,A)
【文献】国際公開第2017/002219(WO,A1)
【文献】特開2017-058912(JP,A)
【文献】特開2017-116980(JP,A)
【文献】特開2017-037385(JP,A)
【文献】特開2014-026427(JP,A)
【文献】特開2015-056103(JP,A)
【文献】特開2017-098180(JP,A)
【文献】国際公開第2017/217548(WO,A1)
【文献】特開2015-106553(JP,A)
【文献】特開2015-176406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B19/00-31/00
F21V23/00-99/00
H05B39/00-39/10
45/00-45/59
47/00-47/29
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅
における住戸の居住者の状態を、住戸外の家主が把握できる照明装置であって、
前記住戸に設置される照明装置本体を有し、
前記照明装置本体は、
照明部と、
前記住戸の住戸内における生体情報を検出する人感センサのみからなる検出部と、
前記検出部で検出した検出データに基づいて、前記住戸内における生体の有無および生体の移動の有無、を分析する処理部と、
前記処理部で得られた分析データとともに、前記住戸の住戸情報を、通信回線網を介して、前記
家主の外部端末に送信する出力部と、を備える
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
さらに、検出制御部を有し、
前記検出制御部は、任意の時間間隔で前記検出部による検出を開始し、前記検出開始から任意の時間経過時に、前記検出を停止し、
前記処理部は、経時的に受信した前記検出データから、前記生体の有無および生体の移動の有無を分析する、請求項1
に記載の照明装置。
【請求項3】
さらに、無線通信部を有し、
前記無線通信部は、前記検出部で検出された前記検出データを、前記処理部に送信し、前記処理部は、前記検出データを受信し、前記分析を行う、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記処理部は、さらに、前記生体の有無および生体の移動の有無について、経時的な変化を分析し、
変化がない場合、前記住戸の居住者の安否確認が必要であるとの判断結果を、前記分析データとして、前記通信回線網を介して、前記外部端末に送信し、
変化がある場合、前記居住者の安否確認が不要であるとの判断結果を、前記分析データとして、前記通信回線網を介して、前記外部端末に送信する、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項5】
さらに、スピーカからなるアラート部を有し、
前記出力部は、前記外部端末に情報を送信し、前記外部端末からの情報を受信する、送受信部であり、
前記出力部が前記外部端末から送信されたアラート情報を受信すると、前記アラート部は、アラートを発信する、請求項1または2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、生体移動検出システム、生体移動検出方法、プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の高齢化に伴って、高齢者の孤独死が増加しており、社会的な問題となっている。このような実情から、特に、独居高齢者の場合、住戸を借りる際、孤独死を懸念する家主から入居契約を断られるというようなケースも頻発している。一方、家主側としても、入居希望者が多いにもかかわらず、住戸を貸したくても貸すことができず、空き部屋が発生するという問題がある。このため、高齢者の孤独死を防止し、また、危機を早期発見するための対策が望まれている。この問題は、例えば、高齢者だけでなく、例えば、一人暮らしの障がい者、病人等についても同様である。
【0003】
そこで、居住者の孤独死等を早期発見する方法として、例えば、異常検知器を住戸に設置し、異常を検知した際に、監視センタに通報を行うシステムが報告されている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、住戸ごとに、専用の異常検知器を設置するには、コストがかかり、また、取付スペースの問題もある。特に、一人暮らし用のアパートの場合、家主は、多くの戸数を所有しているため、導入のハードルが高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、より簡便に、住戸内の居住者の状態を、住戸外の第三者が把握できる装置およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の照明装置は、
照明装置本体を有し、
前記照明装置本体が、照明部と、検出部と、処理部と、外部端末への出力部とを有し、
前記検出部は、前記照明装置本体が設置された空間における生体情報を検出し、
前記処理部は、前記検出部で検出した前記検出データに基づいて、前記空間における生体の有無および生体の移動の有無を分析し、
前記出力部は、前記処理部で得られた分析データを、通信回線網を介して、前記外部端末に送信することを特徴とする。
【0008】
本発明の生体移動検出システムは、
照明装置と、端末とを有し、
前記照明装置と前記端末とは、通信回線網を介して接続可能であり、
前記照明装置は、前記本発明の照明装置であり、
前記端末は、送受信部と、表示部とを有し、
前記送受信部は、前記通信回線網を介して、前記照明装置の出力部から送信された分析データを受信し、
前記表示部は、前記受信した分析データを表示することを特徴とする。
【0009】
本発明の生体移動検出方法は、
前記本発明の照明装置を使用し、
照明工程と、検出工程と、処理工程と、外部端末への出力工程を有し、
前記照明工程は、前記照明装置により、空間を照明し、
前記検出工程は、前記照明装置の前記検出部により、前記照明装置が設置された空間における生体情報を検出し、
前記処理工程は、前記検出工程で検出した前記検出データに基づいて、前記空間における生体の有無および生体の移動の有無を分析し、
前記出力工程は、前記照明装置の前記処理部で得られた分析データを、通信回線網を介して、前記外部端末に送信することを特徴とする。
【0010】
本発明のプログラムは、前記本発明の生体移動検出方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
本発明の記録媒体は、前記本発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、例えば、住戸に必須である照明装置を付け替えるだけで、通常の照明機能を果たしながら、あわせて生体の移動を検出し、住戸の外部の者に、その結果を出力できる。このため、例えば、入居者が、一人暮らしの高齢者等であっても、外部の家主等の第三者が、容易に入居者が在室しているか、動いているか等を知ることができ、孤独死の防止、危機の早期発見等が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態1の検出システムの全体の一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の照明装置の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の変形例の照明装置の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態1の変形例の照明装置の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の検出方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態1の変形例の検出方法の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、外部端末30の表示部における、分析データの表示の一例を示す概略図である。
【
図8】
図8は、実施形態2の検出システムの全体の一例を示す概略図である。
【
図9】
図9は、実施形態2における磁気検出装置と磁石との位置関係を示す概略図である。
【
図10】
図10は、実施形態2の照明装置の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施形態2の変形例の照明装置の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、実施形態2の変形例の照明装置の一例を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、実施形態2の検出方法の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、実施形態2の変形例の検出方法の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、外部端末30の表示部における、分析データの表示の一例を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、前述のように、例えば、高齢者、障がい者、および病人のように、住戸内で動けなくなる可能性がある居住者について、その身の安全を、外部の者が検知する場合に有用である。本発明の生体移動検出システムおよび生体移動検出方法は、例えば、本発明の照明装置を、対象者の住戸に照明装置として設置し、前記対象者の状態を知りたい第三者(以下、見守り者という)が、外部端末を所有することで、実施できる。見守り者は、例えば、前記住戸の家主、前記対象者の家族、介護者、看護師等である。本発明によれば、例えば、対象者が住戸内にいるか否か、住戸内を動いているか否かを、検出することができる。このため、見守り者は、例えば、対象者が長時間不在であったり、長時間動いている様子がないということを示す分析データを受信すると、対象者の住戸を訪ねて声かけする、対象者に電話するという対応を取ることができる。このため、見守り者は、例えば、本発明を介して受信した、リアルタイムの分析データに基づいて、対象者に対しての行動をとることができる。本発明の照明装置は、例えば、生体移動検出を兼ねる、生体移動検出用照明装置ともいえる。
【0015】
つぎに、本発明の照明装置、生体移動検出システム(以下、検出システムという)および生体移動検出方法(以下、検出方法という)について、図を用いて、例をあげて説明する。本発明は、下記の実施形態によって何ら限定および制限されない。各実施形態における説明は、それぞれ、互いを援用できる。
【0016】
[実施形態1]
本実施形態の照明装置およびそれを用いた検出システムの一例について、
図1を用いて説明する。
図1は、前記照明装置および前記検出システムを使用する際の全体の構成を示す概略図である。対象者2の住戸1の部屋に、照明装置10が取付されている。一方、対象者2の状態を知りたい見守り者3は、端末30を携帯している。そして、照明装置10と端末30とは、通信回線網(ネットワーク)20を介して接続可能である。
【0017】
住戸1において、照明装置10を取り付ける部屋は、特に制限されない。住戸1には、一般的に、寝室、リビング、キッチン、トイレ等の複数の部屋がある。本実施形態の検出システムによれば、対象者2が、住戸1内にいるか否か、住戸1内を動いているかを示す分析データが得られる。このため、照明装置10の取り付けは、例えば、全室に行ってもよいし、対象者が長時間を過ごす部屋(例えば、リビング、寝室等)に行ってもよい。
【0018】
照明装置10は、例えば、天井設置用または壁設置用があげられ、天井設置用が好ましい。照明装置10を天井に設置することによって、例えば、より広範囲での生体情報の検出が可能である。
【0019】
通信回線網20は、例えば、公知の通信回線網を使用できる。その通信方法は、特に制限されず、例えば、有線でも無線でもよく、具体的には、例えば、インターネット回線、電話回線等があげられる。
【0020】
端末30は、通信回線網20を介して、照明装置10と接続可能であればよく、例えば、通信モジュールを有する。また、端末30は、例えば、CPU(中央処理装置)、出力部、入力部、記憶部等を有し、それぞれ、インターフェイス(I/F)によって接続されてもよい。前記出力部は、例えば、ディスプレイ等の表示部、音声出力部等である。端末30は、特に制限されず、例えば、ポータブル端末があげられる。前記ポータブル端末は、具体例として、スマートフォン、タブレット、携帯電話、およびウェアラブルデバイス等があげられる。前記ウェアラブルデバイスは、例えば、腕時計型、眼鏡型、指輪型、靴型、懐中型、ペンダント型等があげられる。
【0021】
つぎに、本実施形態の照明装置10の一例について、
図2を用いて説明する。
図2(A)および(B)は、それぞれ、照明装置10の一例を示すブロック図である。なお、
図2において、便宜上、
図1と同様に、端末30との通信回線網を介した接続を示す。
図2(A)において、照明装置10は、照明装置本体11を有し、照明装置本体11が、照明部101、検出部102と、処理部104と、外部端末への出力部105とを有する。
【0022】
また、
図2(B)に示すように、照明装置10は、照明装置本体11が、さらに、通信部を有してもよい。前記通信部の通信方式は、特に制限されず、例えば、無線通信があげられる。以下、
図2(B)に示すように、前記通信部として、無線通信部103を例にあげて説明する。
【0023】
照明装置10は、照明装置本体11と、照明装置本体11の照明部101等を覆うカバー部材(図示せず)から構成される。すなわち、照明装置本体11は、いわゆる、照明装置の基本構造を意味し、例えば、照明装置として機能するための、光源を含む照明部101、電源部等を備える。照明装置本体11の構成および構造は、特に制限されず、前述のように、照明装置として機能し、且つ、検出部102、処理部104、および出力部105、また、任意で無線通信部103等を、さらに搭載できるものであればよい。また、照明装置本体11の形態は、特に制限されず、例えば、天井に備え付けられた引掛シーリングに取り付けられて使用されるシーリングライトや吊り下げペンダントライト等があげられる。照明部101の光源の種類は、特に制限されず、例えば、LED、有機EL等があげられる。照明装置10において、例えば、検出部102、無線通信部103、処理部104、および出力部105は、前記照明装置本体における設置側の基板と、照明対象側に設けられた拡散カバー(図示せず)との間に収容されてもよい。前記基板は、例えば、LED等の光源、電源回路等を固定する本体基板であり、前記拡散カバーは、例えば、光源から出射した光を拡散させまぶしさを低減させるカバーである。前記電源部は、例えば、直接的または間接的に、外部の電源と接続し、照明部101、検出部102、無線通信部103、処理部104、出力部105に、電力を供給する。
【0024】
また、昼間等のように照明が不要の時は、例えば、自動点灯装置等を設置することにより、照明部101を消灯した状態のまま、検出部102、無線通信部103、処理部104、出力部105を動作させることができる。
【0025】
検出部102は、前記照明装置本体が設置された空間における生体情報を検出する。検出部102の種類は、特に制限されず、人体の存在を表す生体情報を検出できるものであればよい。具体例として、検出部102は、例えば、人感センサまたはカメラがあげられる。検出部102は、例えば、安価であり、複雑な情報処理が不要であることから、前記人感センサが好ましい。前記人感センサは、例えば、焦電型センサまたは赤外線センサであり、前記赤外線センサは、例えば、複数が装着されたアレイ型でもよい。人体は、赤外線を放射する。このため、例えば、前記人感センサで空間の赤外線を検出すれば、その検出データから、後述する処理部104において、前記空間における生体の有無および生体の動きを分析できる。また、カメラの場合、前記空間の画像を撮像すれば、その撮像データ(前記検出データ)から、後述する処理部104において、前記空間における生体の有無および生体の動きを分析できる。
【0026】
前述のように、照明装置10は、天井に設置することが好ましいが、壁部や床下であってもよい。照明装置10に搭載された検出部102によって、例えば、
図1の点線の円で囲まれる領域4内での生体情報を検出できる。領域4を、以下、検出領域4ともいう。検出領域4の大きさは、特に制限されず、例えば、照明装置10に搭載した検出部102の種類や数、照明装置10を取り付けた天井の高さ、部屋の大きさ等によって、適宜設定できる。1個の照明装置10による検出領域4は、例えば、単身の高齢者用の一般的な間取りから、1Kが想定できる。
【0027】
処理部104は、検出部102で検出した前記検出データに基づいて、生体の有無および生体の移動の有無を分析する。前述のように、前記検出データが、前記赤外線の検出データの場合、例えば、無人の状態の赤外線データを閾値とし、閾値に対して有意差を示す検出データが得られた場合、前記空間に人が存在すると判断することができる。また、閾値に対して有意差を示す検出データが、経時的に変動した場合、前記空間において人が移動したと判断することができる。前記照明装置本体は、例えば、さらに、記憶部を有し、前記記憶部は、例えば、前記閾値等の情報を、評価基準情報として記憶してもよい。
【0028】
処理部104は、例えば、CPUがあげられる。照明装置10において、処理部104は、例えば、通常の照明装置本体に搭載されるため、小型デバイスであることが好ましい。前記小型デバイスとしては、例えば、小型のシングルボートコンピュータがあげられ、具体例としては、Raspberry Pi(登録商標)等があげられる。前記CPUは、例えば、インターフェイスを介して、他の部と接続される。
【0029】
検出部102と処理部104とは、例えば、検出部102で検出された前記検出データが処理部104に入力されるように、接続されればよい。具体例として、検出部102と処理部104とは、例えば、照明装置10内において、インターフェイス(I/F)によって接続されてもよいし、無線通信によって接続されてもよい。後者の場合、照明装置10は、照明装置10が、さらに、無線通信部103を有することが好ましい。
【0030】
無線通信部103は、検出部102で検出された検出データを、処理部104に送信する。無線通信部103は、特に制限されず、同じ照明装置10内に搭載された、検出部102と処理部104との間を無線接続できればよい。
【0031】
無線通信部103の無線通信方式は、特に制限されず、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.) 802.15.1、IEEE 802.15.4等があげられる。前記IEEE 802.15.1は、例えば、Bluetooth(登録商標)に関する規格であり、前記IEEE 802.15.4は、例えば、ZigBee(登録商標)に関する規格である。その他にも、例えば、RFID、赤外線通信(IrDA)、およびUWB等が例示できる。
【0032】
出力部105は、処理部104で得られた分析データを、通信回線網20を介して、外部端末30に送信する。出力部105は、例えば、外部端末30に情報を送信し、外部端末30からの情報を受信する、送受信部でもよい。出力部105は、例えば、通信モジュールがあげられる。
【0033】
照明装置本体10は、例えば、さらに、前述のように、記憶部を有してもよい。前記記憶部は、例えば、検出部102による検出データ、処理部104による分析データを記憶することができる。
【0034】
照明装置10の出力部105から、通信回線網20を介して、外部端末30が前記分析データを受信すると、外部端末30は、例えば、前記出力部に前記分析データを出力する。前記出力部が、例えば、ディスプレイ等の前記表示部の場合、前記分析データを前記表示部に表示してもよいし、前記出力部が、例えば、スピーカ等の前記音声出力部の場合、前記分析データを音として発してもよい。これによって、見守り者3は、外部端末30から、対象者2の状態を把握することができる。
【0035】
外部端末30が前記表示部を有する場合、例えば、前記分析データは、以下のように表示することができる。なお、これは例示であって、本発明を制限するものではない。下記例は、外部端末30としてスマートフォン、照明装置10の設置場所として住戸1の居間を例にあげて説明する。
図7は、外部端末(スマートフォン)30の表示部31における、分析データの表示の一例を示す概略図である。
図7に示すように、スマートフォン30の表示部31には、時系列に、分析結果32およびその受信時間33が表示される。分析結果32は、例えば、「居間での活動を〇〇時△△分確認できませんでした」というような、メッセージとして表示される。また、対象者2の移動が確認された場合には、例えば、「居間での活動を〇〇時△△分確認できました」というメッセージ等が表示される。また、表示部31には、あわせて、
図7に示すように、対象者2の住戸情報と氏名が表示されてもよい。
【0036】
(変形例1)
照明装置10は、例えば、
図3のブロック図に示すように、さらに、検出制御部106を有してもよい。検出制御部106は、検出部102による検出の開始と停止とを制御する。検出制御部106は、例えば、CPUである。なお、
図3において、便宜上、
図1と同様に、端末30との通信回線網を介した接続を示す。
【0037】
検出制御部106によって、検出部102による検出の開始と停止とを制御することで、例えば、常時、連続的な検出を行うのではなく、必要な時間帯での検出、断続的な検出を行うことができ、電気代等のコストの低減や、記録データの容量の節約等を図ることができる。検出制御部106は、例えば、任意の時間間隔で、検出部102による検出を開始し、また、検出開始から任意の時間経過時に、検出部102による検出を停止できる。
【0038】
検出部102において、経時的に検出データを得た場合、処理部104は、例えば、経時的に受信した前記検出データから、生体の有無および生体の移動の有無を分析する。経時的な検出データを使用することによって、例えば、対象者が部屋にいないこと、対象者が部屋にいるが動いていないこと、対象者が動いていること等を、より詳細に分析できる。
【0039】
(変形例2)
照明装置10は、例えば、
図4のブロック図に示すように、出力部105が、送受信部405であり、さらに、アラート部107を有してもよい。送受信部405は、前述のように、例えば、通信回線網20を介して、外部端末30に情報を送信し、外部端末30からの情報を受信する。また、アラート部107は、送受信部405が端末30から送信されたアラート情報を受信すると、アラートを発信する。アラート部107は、例えば、スピーカであり、前記アラートは、例えば、サイレン、定型メッセージ、後述するような、見守り者3のリアルタイムのメッセージ等である。照明装置10において、無線通信部103は、前述のように任意である。
【0040】
見守り者3が、通信回線網20を介して、対象者2が動いていない等の分析データを受信した場合、見守り者3は、端末30から、通信回線網20を介して、リアルタイムで、照明装置10にメッセージを送ることができる。そして、照明装置10の送受信部405が、前記メッセージを受信すると、照明装置10のアラート部107から、前記メッセージを住戸1に流すことができる。
【0041】
つぎに、本実施形態の検出方法について、
図5のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の検出方法は、例えば、
図1に示す本実施形態の検出システム、
図2~4に示す照明装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の検出方法は、
図1の検出システムおよび
図2~4の照明装置10の使用には限定されない。
【0042】
一方で、照明装置10は、照明装置本体11により、照明装置10が設置された部屋の空間を照明する(S100)。
【0043】
他方で、照明装置10は、検出部102により、照明装置10が設置された部屋の空間における生体情報を検出する(S200)。そして、照明装置10の処理部104により、前記検出データに基づいて、前記空間における生体の有無および生体の移動の有無を分析する(S202)。この際、照明装置10が無線通信部103を有する場合は、例えば、照明装置10の検出部102により、検出された検出データを、照明装置10の処理部104に送信し(S201)、照明装置10の処理部104が、前記検出データを受信して、前記分析を行ってもよい(S202)。そして、照明装置10の処理部104で得られた分析データを、通信回線網20を介して、外部端末30に送信する(S203)。前記工程(S200)、任意の前記工程(S201)、前記工程(S202)および(S203)を、例えば、連続的または断続的に繰り返し行う。
【0044】
このような方法によれば、例えば、住戸内における生体移動の検出により、住戸に居住する対象者の安否確認の要否を検出することができる。具体例として、例えば、前記工程(202)において、生体の有無および生体の移動の有無について、経時的な変化を分析し、変化がない場合は、照明装置10が設置された住戸1の対象者(居住者)2の安否確認が必要であるとの判断結果を、前記分析データとして、通信回線網20を介して、見守り者3の外部端末30に送信できる。また、変化がある場合は、対象者2の安否確認が不要であるとの判断結果を、前記分析データとして、通信回線網20を介して、見守り者3の外部端末30に送信できる。このため、前者の送信結果を受信した場合、見守り者3は、例えば、住戸1に出向き、対象者2への声かけを行ったり、対象者2に電話をかけることで、さらに、具体的な安否確認行動をとることができる。一方、後者の送信結果を受信した場合、見守り者3は、例えば、安否確認不要として、対象者2の住戸1に出向いたり、対象者2への電話等を省略することができる。
【0045】
また、変形例2に示すように、照明装置10が、さらにアラート部107を有する場合には、
図6のフローチャートに示すようなステップを実行できる。すなわち、見守り者3が、対象者2について、安否確認が必要と思われる分析結果を、端末30で受信した場合、見守り者3は、端末30を用いて、照明装置10にアラート情報を送信する。前記アラート情報は、例えば、見守り者3のリアルタイムの肉声メッセージ、サイレン、定型メッセージ等である。そして、照明装置10が、送受信部405により、前記アラート情報を受信すると(S204)、アラート部107から前記アラートを発信する(S205)。
【0046】
このように、対象者2の住戸1に設置された照明装置10と、見守り者3の携帯する端末30との間で、双方向の情報通信を可能とすることで、例えば、見守り者3が、端末30を用いて、対象者2に無事を確認するメッセージやサイレンを発信することができる。また、前記アラートは、例えば、災害の発生を知らせるアラート等であってもよい。住戸の周辺で災害が発生した場合でも、対象者2がそれに気づかない場合がある。このような場合に、災害を知らせるアラートを発信することにより、対象者2に、例えば、災害を知らせ、避難を促すことができる。
【0047】
照明装置10は、前述のように、照明として機能し、且つ、生体移動を検出する。本来の照明の機能と生体移動の検出とは、例えば、並行して行われてもよいし、一方が停止している間に他方が実行されていてもよい。
【0048】
照明装置10は、例えば、通常、主電源(例えば、壁電源)をONとすることで、電力が供給されるため、照明装置本体11の照明部101を起動させているか否かに関わらず、検出部102、無線通信部103、処理部104および出力部105を起動させることが可能である。しかし、前記主電源をONとしているかOFFとしているかに関わらず、前記対象者の検出が必要な場合がある。このため、照明装置10は、主電源がONかOFFかに関わらず、前記対象者の検出が可能となることから、例えば、照明装置本体11が、さらに、蓄電部および電池部の少なくとも一方を備えることが好ましい。このように、前記蓄電池または前記電池部を備えることによって、例えば、主電源がOFFであっても、前記蓄電池または前記電池部から、検出部102、無線通信部103、処理部104および出力部105に電力を供給し、これらを起動させることが可能となる。
【0049】
前記見守り者が、例えば、主電源を常時ONにしておくことを前記対象者に依頼しても、対象者が高齢者等である場合、照明装置10による照明を切る際に、リモコン等ではなく、主電源をOFFにしてしまう場合がある。また、地震、火災等の災害によって、ヒューズが飛び、前記対象者の意思にかかわらず、主電源がOFFとなってしまう場合もある。しかし、照明装置10がこのような形態であれば、例えば、主電源がOFFとなった場合であっても、前記蓄電部や前記電池部等のバックアップ電源からの電力供給により、検出が可能となり、より安全性でより安心な見守りが可能となる。なお、主電源を常時ONとするため、本発明の照明装置を設置する住戸の部屋において、壁電源(主電源)には、ON/OFFの切り替えを防止するためのカバーを取り付けてもよい。
【0050】
本発明において、前記対象者として、高齢者、障がい者、および病人等を例示したが、これには制限されない。本発明は、前記見守り者にとって、住戸において一人でいることが心配される対象者が居住する住戸において利用できる。前記対象者の具体例としては、例えば、子供、ペット、徘徊癖のある認知症患者があげられる。通常、子供が単身で住戸に居住することはないが、例えば、親が、仕事、買い物、通院等により不在にしている時間帯、住戸において子供は一人で過ごしている。このような場合においても、本発明の照明装置、検出システムおよび検出方法は、有用である。また、このように、例えば、住戸の借主自体を見守る必要はないが、時間帯によって、見守りが必要な対象者がいる場合には、例えば、本発明の照明装置における前記検出制御部によって、必要な時間帯のみ、本発明の照明装置における検出部による検出を行い、その他の時間帯には、検出を停止してもよい。これによって、例えば、前記検出部による検出にかかるコストや電力を、低減することができる。
【0051】
[実施形態2]
本実施形態は、さらに、本発明の一例として、磁気検出データを利用する照明装置、照明システム、および生体移動検出方法について、図を用いて説明する。なお、前記実施形態1における検出部および検出工程は、以下、生体情報検出部、生体情報検出工程という。また、特に示さない限り、前記実施形態1の記載を援用できる。
【0052】
本実施形態の照明装置は、前記照明装置本体が、さらに、通信部を有し、
前記通信部は、前記住戸のドア付近に設置される磁気検出装置と、通信可能であり、前記磁気検出装置から送信された磁気検出データを受信し、
前記処理部は、前記生体情報検出部で検出した前記検出データに基づいて、前記空間における生体の有無および生体の移動の有無を分析し、さらに、受信した前記磁気検出データに基づいて、前記ドアの施錠と開錠、または、前記ドアの開閉を分析する。
【0053】
本実施形態の照明装置において、前記通信部は、例えば、無線通信を行う無線通信部である。前記無線通信部は、例えば、さらに、前記生体情報検出部で検出された生体情報検出データ、および、前記磁気検出装置から受信した前記磁気検出データを、前記処理部に送信し、前記処理部は、例えば、前記生体情報検出データおよび前記磁気検出データを受信し、前記分析を行う。
【0054】
本実施形態の照明装置は、例えば、前記住戸内における生体移動の検出と、前記ドアの施錠と開錠または前記ドアの開閉の検出とにより、安否確認の要否を検出するシステムである。
【0055】
本実施形態の照明装置において、例えば、前記処理部は、さらに、生体の有無および生体の移動の有無について、経時的な変化を分析し、前記変化がなく、且つ、前記ドアの施錠と開錠または前記ドアの開閉があると分析された場合、前記照明装置が設置された住戸の居住者の安否確認が必要であるとの判断結果を、前記分析データとして、前記通信回線網を介して、前記外部端末に送信し、前記変化がある場合、前記居住者の安否確認が不要であるとの判断結果を、前記分析データとして、前記通信回線網を介して、前記外部端末に送信する。
【0056】
本実施形態のシステムは、例えば、さらに、住戸のドア付近に設置される磁気検出装置を有し、前記磁気検出装置は、磁気センサと、通信部とを有し、前記磁気センサは、前記ドアの施錠と開錠とによる磁気変化、または、前記ドアの開閉による磁気変化を検出し、前記通信部は、前記照明装置と通信可能であり、前記磁気センサが検出した磁気検出データを、前記照明装置に送信する。
【0057】
本実施形態の生体移動検出方法は、例えば、前記本実施形態の照明装置の他に、前記住戸のドア付近に設置される磁気検出装置を使用し、さらに、磁気検出工程と、通信工程とを有し、前記磁気検出工程は、前記磁気検出装置により磁気を検出し、前記通信工程は、前記磁気検出装置が検出した磁気検出データを、前記照明装置に送信し、前記処理工程は、前記照明装置の前記処理部により、検出した前記生体情報検出データに基づいて、前記空間における生体の有無および生体の移動の有無を分析し、受信した前記磁気検出データに基づいて、前記ドアの施錠と開錠、または、前記ドアの開閉を分析する。
【0058】
本実施形態の生体移動検出方法において、例えば、前記通信工程は、無線通信により、前記磁気検出装置が検出した磁気検出データを、前記照明装置に送信する。
【0059】
本実施形態の生体移動検出方法は、例えば、前記住戸内における生体移動の検出と、前記ドアの施錠と開錠または前記ドアの開閉の検出とにより、安否確認の要否を検出する。
【0060】
本実施形態の生体移動検出方法は、例えば、前記処理工程において、さらに、生体の有無および生体の移動の有無について、経時的な変化を分析し、前記変化がなく、且つ、前記ドアの施錠と開錠または前記ドアの開閉があると分析された場合、前記照明装置が設置された住戸の居住者の安否確認が必要であるとの判断結果を、前記分析データとして、前記通信回線網を介して、前記外部端末に送信し、前記変化がある場合、前記居住者の安否確認が不要であるとの判断結果を、前記分析データとして、前記通信回線網を介して、前記外部端末に送信する。
【0061】
本実施形態の照明装置およびそれを用いた検出システムの一例について、
図8を用いて説明する。
図8は、前記照明装置および前記検出システムを使用する際の全体の構成を示す概略図である。対象者2の住戸1の部屋に、照明装置10が取付けられ、住戸1のドア50付近に、磁気検出装置40が取付けられている。照明装置10と磁気検出装置40とは、通信可能である。照明装置10と磁気検出装置40との通信方式は、後述するように、制限されないが、以下、無線通信40Aを例にあげて説明する。
【0062】
住戸1において、磁気検出装置40を取り付ける対象となるドア50は、例えば、部屋のドア、玄関ドアがあげられ、中でも前記玄関ドアが好ましい。ドア50に対する磁気検出装置40の設置箇所は、特に制限されない。本発明において、ドア50の施錠・開錠を分析する場合、例えば、施錠と開錠との切替による磁気変化を検出できる位置であり、ドア50の開閉を分析する場合、例えば、前記ドアの開閉による磁気変化を検出できる位置である。
【0063】
ドア50の施錠は、例えば、ドア50のデッドボルト(本締)の閂(かんぬき)が、対応するストライク(受け座)に嵌ることにより行われ、ドア50の開錠は、前記ストライクからデッドボルトが抜き出されることにより行われる。前記施錠・開錠は、例えば、鍵によって操作されてもよいし、サムターンによって操作されてもよい。ドア50の開閉は、前記施錠・開錠には限定されず、人が出入りするための、ドア50の開閉を意味する。
【0064】
ドア50の施錠と開錠との切替による磁気変化およびドア50の開閉による磁気変化を発生させる方法は、特に制限されず、例えば、磁石が利用できる。前記磁石は、例えば、ドア50の施錠・開錠の切替またはドア50の開閉により、磁気検出装置40に対する距離または角度が変化する位置に、配置することが好ましい。これにより、ドア50の施錠・開錠またはドア50の開閉により、磁気変化を発生させることができる。具体例として、
図9に、ドア50のサムターン51に前記磁石を配置する形態を示す。
図9は、ドア50のサムターン51と、磁気検出装置40との位置関係を示す概略図である。
図9において、サムターン51には、磁石52が固定されている。
図9に示すように、例えば、(A)の施錠の状態では、サムターン51は、横方向となり、(B)の開錠の状態では、サムターン51は、縦方向となる。そして、サムターン51に固定された磁石52は、前記(A)の施錠の状態と、前記(B)の開錠の状態とでは、磁気検出装置40に対する距離が変化している。このため、磁気検出装置40は、サムターン51による施錠と開錠との切替による、磁気変化を検出できる。
【0065】
また、これには制限されず、例えば、ドア50に磁石52を固定し、ドア50枠側に磁気検出装置40を配置してもよい。この場合、ドア50を開けると、磁石52は、ドア50枠から遠くなり、ドア50を閉めると、磁石52は、ドア50枠から近くなる。このため、磁気検出装置40は、ドア50の開閉による磁気変化を検出できる。
【0066】
照明装置10と磁気検出装置40との通信方式は、前述のように、特に制限されず、例えば、無線通信があげられる。この場合、例えば、照明装置10は、磁気検出装置40との通信部として無線通信部を有し、磁気検出装置40は、照明装置10との通信部として無線通信部を有する。
【0067】
つぎに、本実施形態の照明装置10の一例について、
図10を用いて説明する。
図10は、照明装置10の一例を示すブロック図である。なお、
図10において、便宜上、
図8と同様に、端末30との通信回線網を介した接続、磁気検出装置40との無線通信による接続を示す。照明装置10は、照明装置本体11を有する。照明装置本体11は、照明部101を有し、さらに、生体情報検出部102と、前記通信部の一例である無線通信部103と、処理部104と、外部端末への出力部105とを有する。
【0068】
照明装置10において、例えば、生体情報検出部102、処理部104、および出力部105と同様に、無線通信部103は、前述のように、前記照明装置本体における設置側の基板と、照光側に設けられた拡散カバー(図示せず)との間に収容されてもよい。前記電源部は、例えば、直接的または間接的に、外部の電源と接続し、照明部101、生体情報検出部102、無線通信部103、処理部104、出力部105に、電力を供給する。
【0069】
また、昼間等のように照明が不要の時は、例えば、自動点灯装置等を設置することにより、照明部101を消灯した状態のまま、生体情報検出部102、無線通信部103、処理部104、出力部105を動作させることができる。
【0070】
照明装置10において、磁気検出装置40に対する通信部は、前述のように、特に制限されず、無線通信部103が例示できる。無線通信部103は、照明装置10とは別の外部機器である磁気検出装置40と、無線通信可能である。そして、無線通信部103は、磁気検出装置40から送信された磁気検出データを受信し、且つ、処理部104に送信する。
【0071】
照明装置10において、生体情報検出部102で検出された生体情報検出データは、処理部104に送られ、後述するように分析される。生体情報検出部102と処理部104との間の通信は、特に制限されず、例えば、バスを介した回路間の通信でもよいし、無線通信部を介した、無線通信でもよい。後者の場合、前記無線通信部として、無線通信部103が利用できる。無線通信部103は、同じ照明装置10内の処理部104と無線通信可能である。そして、無線通信部103は、生体情報検出部102で検出された生体情報検出データを、処理部104に送信する。無線通信部103は、特に制限されず、同じ照明装置10内に搭載された、生体情報検出部102と処理部104との間を無線接続できればよい。
【0072】
処理部104は、前記生体情報検出データの他に、さらに、受信した前記磁気検出データに基づいて、ドア50の施錠と開錠、または、ドア50の開閉を分析する。前述のように、例えば、磁気検出装置40と前記磁石とを、ドア50付近に配置することにより、ドア50の施錠・開錠の切替、または、ドア50の開閉により、磁気変化を発生させることができる。このため、例えば、ドア50の施錠・開錠の切替による磁気変化、または、ドア50の開閉による磁気変化を、評価基準情報として設定し、前記磁気検出データを前記評価基準情報と対比することによって、ドア50の施錠と開錠、またはドア50の開閉を判断できる。前記記憶部は、ドア50の施錠・開錠の切替と磁気変化との関係性、ドア50の開閉と磁気変化との関係性を、前記評価基準情報として記憶してもよい。
【0073】
照明装置本体11は、例えば、さらに、記憶部を有してもよい。前記記憶部は、例えば、生体情報検出部102による生体情報検出データ、磁気検出装置40による磁気情報検出データ、および処理部104による分析データ等を記憶することができる。
【0074】
外部端末30が前記表示部を有する場合、例えば、前記分析データは、以下のように表示することができる。なお、これは例示であって、本発明を制限するものではない。下記例は、外部端末30としてスマートフォン、照明装置10の設置場所として住戸1の居間を例にあげて説明する。
図15は、外部端末(スマートフォン)30の表示部31における、分析データの表示の一例を示す概略図である。
図15に示すように、スマートフォン30の表示部31には、時系列に、分析結果32およびその受信時間33が表示される。分析結果32は、例えば、「居間での活動を〇〇時△△分確認できませんでした」、「玄関ドアの開錠を〇〇時△△分確認できませんでした」というような、メッセージとして表示される。また、対象者2の移動が確認された場合には、例えば、「居間での活動を〇〇時△△分確認できました」、玄関ドアの開錠が確認された場合には、例えば、「玄関ドアの開錠を〇〇時△△分確認できました」というメッセージ等が表示される。また、表示部31には、あわせて、
図15に示すように、対象者2の住戸情報と氏名が表示されてもよい。
【0075】
磁気検出装置40は、例えば、
図8に示すように、住戸1のドア50付近に設置される装置であり、磁気センサ401と、通信部の一例として無線通信部402とを有する。
【0076】
磁気センサ401は、磁気を検出するセンサであり、本発明において、例えば、ドア50の施錠と開錠とによる磁気変化、または、ドア50の開閉による磁気変化を検出する。磁気センサ401としては、例えば、ホール素子等が使用できる。
【0077】
前記通信部は、照明装置10と通信可能であればよく、例えば、前述のように無線通信部402が例示できる。無線通信部402は、照明装置10と無線通信可能であり、その無線通信方式は、特に制限されず、前述と同様である。
【0078】
(変形例1)
照明装置10は、例えば、
図11のブロック図に示すように、さらに、前記実施形態1の変形例1のように、検出制御部106を有してもよい。
【0079】
(変形例2)
照明装置10は、例えば、
図12のブロック図に示すように、出力部105が、送受信部405であり、さらに、前記実施形態1の変形例2と同様に、アラート部107を有してもよい。
【0080】
見守り者3が、通信回線網20を介して、対象者2が動いていない、ドア50が長時間開錠されていない、ドア50が長時間開けられていない等の分析データを受信した場合、見守り者3は、端末30から、通信回線網20を介して、リアルタイムで、照明装置10にメッセージを送ることができる。そして、照明装置10の送受信部405が、前記メッセージを受信すると、照明装置10のアラート部107から、前記メッセージを住戸1に流すことができる。
【0081】
つぎに、本実施形態の検出方法について、
図13のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の検出方法は、例えば、
図8に示す本実施形態の検出システム、
図10~12に示す照明装置10を用いて、次のように実施する。
図13のフローチャートにおいて、太線で囲んだ工程(S300、S301)は、磁気検出装置40により実行される工程を示し、その他は、照明装置10により実行される工程を示す。なお、本実施形態の検出方法は、
図8の検出システムおよび
図10~12の照明装置10の使用には限定されない。照明、生体情報の検出、磁気変化の検出について、順に説明するが、後述するように、これらの順番は制限されない。
【0082】
前記実施形態1と同様に、照明装置10は、空間を照明し(S100)、生体情報の検出(S200)、検出された生体情報検出データの送信(S201)、前記空間における生体の有無および生体の移動の有無を分析し(S202)、得られた分析データを、通信回線網20を介して、外部端末30に送信する(S203)。この工程(S200)から工程(S203)を、例えば、連続的または断続的に繰り返し行う。
【0083】
他方、磁気検出装置40は、磁気センサ401により、住戸1のドアの施錠と開錠とによる磁気変化、または、前記ドアの開閉による磁気変化を検出し(S300)、無線通信部402により、磁気検出装置40から照明装置10の処理部104に、前記検出した磁気検出情報を送信する(S301)。そして、照明装置10は、その無線通信部103により、磁気検出装置40から送信された前記磁気検出情報を受信し、照明装置10の処理部104に送信する。つぎに、照明装置10の処理部104は、前記磁気検出情報を受信すると、受信した前記磁気検出データに基づいて、ドア50の施錠・開錠、または、ドア50の開閉を分析する(S302)。そして、照明装置10の処理部104で得られた分析データを、通信回線網20を介して、外部端末30に送信する(S203)。この工程(S300)から工程(S302)および工程(S203)を、例えば、連続的または断続的に繰り返し行う。
【0084】
本実施形態において、照明に関する工程(S100)、生体情報に関する工程(S200)~工程(S202)、磁気変化に関する工程(S300)~工程(S302)および工程(S203)は、例えば、それぞれ並行して行うことができる。また、照明に関する工程(S100)は、任意であり、この工程(S100)を行っていない状態で、他の工程を行ってもよい。つまり、照明装置10について、照明のON/OFFに関わらず、他の工程を行ってもよい。
【0085】
このような方法によれば、まず、第1の形態として、前記実施形態1で説明したように、例えば、住戸内における生体移動の検出により、住戸に居住する対象者の安否確認の要否を検出できる。具体例として、例えば、前記工程(S202)において、生体の有無および生体の移動の有無について、経時的な変化を分析し、変化がない場合は、照明装置10が設置された住戸1の対象者(居住者)2の安否確認が必要であるとの判断結果を、前記分析データとして、通信回線網20を介して、見守り者3の外部端末30に送信できる。また、変化がある場合は、対象者2の安否確認が不要であるとの判断結果を、前記分析データとして、通信回線網20を介して、見守り者3の外部端末30に送信できる。このため、前者の送信結果を受信した場合、見守り者3は、例えば、住戸1に出向き、対象者2への声かけを行ったり、対象者2に電話をかけることで、さらに、具体的な安否確認行動をとることができる。一方、後者の送信結果を受信した場合、見守り者3は、例えば、安否確認不要として、対象者2の住戸1に出向いたり、対象者2への電話等を省略できる。
【0086】
さらに、前記方法によれば、第2の形態として、例えば、ドアの施錠・開錠またはドアの開閉の検出によって、前記第1の形態とは異なる観点から、住戸に居住する対象者の安否確認の要否を検出できる。具体例として、例えば、前記工程(S302)において、ドアの施錠・開錠またはドアの開閉を分析し、長時間においてドアの施錠・開錠の変化がない場合またはドアの開閉の変化がない場合は、照明装置10が設置された住戸1の対象者(居住者)2の安否確認が必要であるとの判断結果を、前記分析データとして、通信回線網20を介して、見守り者3の外部端末30に送信できる。また、変化がある場合は、対象者2の安否確認が不要であるとの判断結果を、前記分析データとして、通信回線網20を介して、見守り者3の外部端末30に送信できる。このため、前者の送信結果を受信した場合、見守り者3は、例えば、住戸1に出向き、対象者2への声かけを行ったり、対象者2に電話をかけることで、さらに、具体的な安否確認行動をとることができる。一方、後者の送信結果を受信した場合、見守り者3は、例えば、安否確認不要として、対象者2の住戸1に出向いたり、対象者2への電話等を省略できる。
【0087】
また、前記第1の形態と前記第2の形態との組み合わせから、以下のような判断も可能である。すなわち、例えば、前記工程(S202)において、生体の有無および生体の移動の有無について、経時的な変化がなく、前記工程(S302)において、ドアの施錠と開錠またはドアの開閉があると分析された場合、対象者の安否確認が必要であるとの判断結果を、前記分析データとして、前記通信回線網を介して、前記外部端末に送信してもよい。これは、生体について変化がないにもかかわらず、ドアの施錠・開錠または開閉について変化がある場合、例えば、不審者の侵入等が考え得るためである。一方、前記工程(S202)において、生体の有無および生体の移動の有無について、経時的な変化がある場合は、対象者の安否確認が不要であるとの判断結果を、前記分析データとして、前記通信回線網を介して、前記外部端末に送信してもよい。これは、前記対象者が動くことができていると判断できるためである。また、住戸内で生体の移動が検出され、その後に施錠、さらにその後に住戸内での移動が長時間検出されなくなった場合には、外出や旅行の可能性が高いので、安否確認の必要性は低くなる。
【0088】
また、変形例2に示すように、照明装置10が、さらにアラート部107を有する場合には、
図14のフローチャートに示すようなステップを実行できる。すなわち、見守り者3が、対象者2について、安否確認が必要と思われる分析結果を、端末30で受信した場合、見守り者3は、端末30を用いて、照明装置10にアラート情報を送信する。アラート情報は、例えば、見守り者3のリアルタイムの肉声メッセージ、サイレン、定型メッセージ等である。そして、照明装置10が、送受信部405により、前記アラート情報を受信すると(S204)、アラート部107から前記アラートを発信する(S205)。
【0089】
このように、対象者2の住戸1に設置された照明装置10と、見守り者3の携帯する端末30との間で、双方向の情報通信を可能とすることで、例えば、見守り者3が、端末30を用いて、対象者2に無事を確認するメッセージやサイレンを発信できる。また、前記アラートは、例えば、災害の発生を知らせるアラート等であってもよい。住戸の周辺で災害が発生した場合でも、対象者2がそれに気づかない場合がある。このような場合に、災害を知らせるアラートを発信することにより、対象者2に、例えば、災害を知らせ、避難を促すことができる。
【0090】
照明装置10は、前述のように、照明として機能し、且つ、生体移動の検出およびドアの施錠・開錠または開閉を検出する。本来の照明の機能と、生体移動の検出と、ドアの施錠・開錠または開閉とは、例えば、並行して行われてもよいし、いずれか一つが停止している間に、他が実行されていてもよい。
【0091】
[実施形態3]
本実施形態のプログラムは、前記実施形態の検出方法を、コンピュータ上で実行可能なプログラムである。本実施形態のプログラムを、例えば、コンピュータにインストールし、実行することによって、本発明の検出方法を実現できる。この場合、コンピュータのCPUは、例えば、前記処理部、任意で前記検出制御部として機能する。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体等の記憶装置に記録されてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。
【0092】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明によれば、例えば、住戸に必須である照明装置を付け替えるだけで、通常の照明機能を果たしながら、あわせて生体の移動を検出し、住戸の外部の者に、その結果を出力できる。このため、例えば、入居者が、一人暮らしの高齢者等であっても、外部の家主が、容易に入居者が在室しているか、動いているか等を知ることができ、孤独死の防止、早期発見等が可能になる。
【符号の説明】
【0094】
1 住戸
2 対象者
3 見守り者
4 検出領域
10 照明装置
11 照明装置本体
20 通信回線網
30 端末
31 表示部
32 分析結果
33 受信時間
101 照明部
102 検出部
103 無線通信部
104 処理部
105 出力部
106 検出制御部
107 アラート部