(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】金融商品取引管理装置、金融商品取引管理システム、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20241113BHJP
【FI】
G06Q40/04
(21)【出願番号】P 2023174671
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2020014743の分割
【原出願日】2019-07-23
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】317010521
【氏名又は名称】株式会社マネースクエアHD
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 久敏
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/185554(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/074217(WO,A1)
【文献】特開2009-151434(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0167224(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相場価格が変動する金融商品の注文を行うための金融商品取引管理装置であって、
前記金融商品の取引を行う取引者の用いる取引者端末から送信された前記金融商品の注文に関する情報を受け付ける注文情報受付手段と、
前記金融商品の取引を行う情報としての注文情報を生成する注文情報生成手段と、
該注文情報生成手段によって生成された前記注文情報に基づいて発注された前記金融商品の注文を約定させる約定情報生成手段と、
買い注文及び売り注文の一方である複数の第一注文を発注する注文価格としての複数の第一注文価格、及び、前記買い注文及び前記売り注文の他方であってそれぞれの前記第一注文を決済させる第二注文の第二注文価格、を設定する注文価格設定手段とを備え、
該注文価格設定手段は、前記注文情報受付手段が受け付けた、前記第一注文の約定と前記第二注文の約定とによって得られる所定の利益金額に対応する金額の情報を含む情報に基づいて、それぞれが別個の複数の前記第一注文価格と、所定の第二注文価格とを設定し、
前記注文情報生成手段は、
それぞれ前記注文価格設定手段が設定した前記第一注文価格となる第一注文の取引を行うための複数の第一注文情報を生成し、
前記約定情報生成手段は、前記第一注文情報に基づいて発注された前記第一注文を約定させ、
前記注文情報生成手段は、前記所定の利益金額に対応する金額が得られる前記第二注文価格にて前記第二注文の取引を行うための第二注文情報を生成し、
前記約定情報生成手段は、前記第二注文情報に基づいて発注された前記第二注文を約定させることを特徴とする金融商品取引管理装置。
【請求項2】
前記注文情報生成手段は、一の前記第二注文情報に替えて、一又は複数の前記第一注文情報に対応付けられた前記第二注文情報を複数生成することを特徴とする請求項1に記載の金融商品取引管理装置。
【請求項3】
前記金融商品の相場価格を取得する相場情報取得手段と、
前記相場価格が前記注文情報の注文価格となったときに、前記注文情報に基づく前記金融商品の注文を約定させる約定情報生成手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の金融商品取引管理装置。
【請求項4】
相場価格が変動する金融商品の注文を行うための金融商品取引管理システムであって、
前記金融商品の注文を行うための金融商品取引管理装置と、
該金融商品取引管理装置と通信可能な、前記金融商品の取引を行う取引者の用いる取引者端末とを備え、
前記金融商品取引管理装置は、
前記金融商品の取引を行う取引者の用いる取引者端末から送信された前記金融商品の注文に関する情報を受け付ける注文情報受付手段と、
前記金融商品の取引を行う情報としての注文情報を生成する注文情報生成手段と、
該注文情報生成手段によって生成された前記注文情報に基づいて発注された前記金融商品の注文を約定させる約定情報生成手段と、
買い注文及び売り注文の一方である複数の第一注文を発注する注文価格としての複数の第一注文価格、及び、前記買い注文及び前記売り注文の他方であってそれぞれの前記第一注文を決済させる第二注文の第二注文価格、を設定する注文価格設定手段とを備え、
該注文価格設定手段は、前記注文情報受付手段が受け付けた、前記第一注文の約定と前記第二注文の約定とによって得られる所定の利益金額に対応する金額の情報を含む情報に基づいて、それぞれが別個の複数の前記第一注文価格と、所定の第二注文価格とを設定し、
前記注文情報生成手段は、
それぞれ前記注文価格設定手段が設定した前記第一注文価格となる第一注文の取引を行うための複数の第一注文情報を生成し、
前記約定情報生成手段は、前記第一注文情報に基づいて発注された前記第一注文を約定させ、
前記注文情報生成手段は、前記所定の利益金額に対応する金額が得られる前記第二注文価格にて前記第二注文の取引を行うための第二注文情報を生成し、
前記約定情報生成手段は、前記第二注文情報に基づいて発注された前記第二注文を約定させることを特徴とする金融商品取引管理システム。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1乃至4の何れか一つに記載の金融商品取引管理装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国為替等、金融商品の取引を管理、支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多様な場所や多様な時間に取引を行わせて取引の利便性を高めるための技術として、外国為替等の金融商品の取引を行う者(以下「取引者」と称する。)に、ネットワークに接続されたコンピュータシステムを用いて取引を行わせる技術が普及している。このような技術としては、異なる複数の価格に金融商品の注文を発注させる処理と、発注した注文の注文価格と相場価格とが一致したら発注した注文を約定させる処理とを行う構成を備えた発明が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、金融商品の取引においては、金融商品を買ったら売り、売ったら買うことで利益を得る。そして、コンピュータシステムを用いて金融商品の取引を行うためには、買い注文や売り注文の注文価格を、適切な取引を行えるように設定できるシステムであることが望まれる。注文価格の設定が不適切であると、相場の変動状況によって取引を成立させることが難しくなったり、取引が成立したときの利益を確保できなくなったりしうるからである。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の発明においては、対応付けられた売買注文のうちの先に約定する注文である第一注文(以下単に「第一注文」と称する。)としての買い注文に対する、対応付けられた売買注文のうちの後から約定する注文である第二注文(以下単に「第二注文」と称する。)としての売り注文の売り注文価格や、第一注文としての売り注文に対応する第二注文としての買い注文の買い注文価格は、この発明に係るシステムを利用する取引者が相場価格の変動状況などを確認しながら任意の注文価格を設定する必要があり、適切な設定が難しい。たとえば、取引の開始前に第二注文の注文価格を設定する場合には、近い将来約定する可能性が高く、かつ、利益を確保できる第二注文の注文価格を設定することが難しい。またたとえば、取引の開始後に注文価格を設定する場合には、取引者が相場価格の変動を継続的に監視しなければ、近い将来約定する可能性が高く、かつ、利益を確保できる第二注文の注文価格を設定することは難しい。
【0006】
そのため、特許文献1に記載の発明においては、取引者が適切な注文価格を設定するための労力が過大になる恐れや、適切な注文価格の設定ができずに利益確保の機会を逸失する恐れがある。
【0007】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、第一注文に対応付けられた第二注文としての買い注文や売り注文の価格を簡易かつ適切に設定でき、取引者の取引リスクを軽減して利益獲得を確実に行わせることができる金融商品取引管理装置、金融商品取引管理システムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、相場価格が変動する金融商品の注文を行うための金融商品取引管理装置であって、前記金融商品の取引を行う取引者の用いる取引者端末から送信された前記金融商品の注文に関する情報を受け付ける注文情報受付手段と、前記金融商品の取引を行う情報としての注文情報を生成する注文情報生成手段と、該注文情報生成手段によって生成された前記注文情報に基づいて発注された前記金融商品の注文を約定させる約定情報生成手段と、買い注文及び売り注文の一方である複数の第一注文を発注する注文価格としての複数の第一注文価格、及び、前記買い注文及び前記売り注文の他方であってそれぞれの前記第一注文を決済させる第二注文の第二注文価格、を設定する注文価格設定手段とを備え、該注文価格設定手段は、前記注文情報受付手段が受け付けた、前記第一注文の約定と前記第二注文の約定とによって得られる所定の利益金額に対応する金額の情報を含む情報に基づいて、それぞれが別個の複数の前記第一注文価格と、所定の第二注文価格とを設定し、前記注文情報生成手段は、それぞれ前記注文価格設定手段が設定した前記第一注文価格となる第一注文の取引を行うための複数の第一注文情報を生成し、前記約定情報生成手段は、前記第一注文情報に基づいて発注された前記第一注文を約定させ、前記注文情報生成手段は、前記所定の利益金額に対応する金額が得られる前記第二注文価格にて前記第二注文の取引を行うための第二注文情報を生成し、前記約定情報生成手段は、前記第二注文情報に基づいて発注された前記第二注文を約定させることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記注文情報生成手段は、一の前記第二注文情報に替えて、一又は複数の前記第一注文情報に対応付けられた前記第二注文情報を複数生成することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記金融商品の相場価格を取得する相場情報取得手段と、前記相場価格が前記注文情報の注文価格となったときに、前記注文情報に基づく前記金融商品の注文を約定させる約定情報生成手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、相場価格が変動する金融商品の注文を行うための金融商品取引管理システムであって、前記金融商品の注文を行うための金融商品取引管理装置と、該金融商品取引管理装置と通信可能な、前記金融商品の取引を行う取引者の用いる取引者端末とを備え、前記金融商品取引管理装置は、前記金融商品の取引を行う取引者の用いる取引者端末から送信された前記金融商品の注文に関する情報を受け付ける注文情報受付手段と、前記金融商品の取引を行う情報としての注文情報を生成する注文情報生成手段と、該注文情報生成手段によって生成された前記注文情報に基づいて発注された前記金融商品の注文を約定させる約定情報生成手段と、買い注文及び売り注文の一方である複数の第一注文を発注する注文価格としての複数の第一注文価格、及び、前記買い注文及び前記売り注文の他方であってそれぞれの前記第一注文を決済させる第二注文の第二注文価格、を設定する注文価格設定手段とを備え、該注文価格設定手段は、前記注文情報受付手段が受け付けた、前記第一注文の約定と前記第二注文の約定とによって得られる所定の利益金額に対応する金額の情報を含む情報に基づいて、それぞれが別個の複数の前記第一注文価格と、所定の第二注文価格とを設定し、前記注文情報生成手段は、それぞれ前記注文価格設定手段が設定した前記第一注文価格となる第一注文の取引を行うための複数の第一注文情報を生成し、前記約定情報生成手段は、前記第一注文情報に基づいて発注された前記第一注文を約定させ、前記注文情報生成手段は、前記所定の利益金額に対応する金額が得られる前記第二注文価格にて前記第二注文の取引を行うための第二注文情報を生成し、前記約定情報生成手段は、前記第二注文情報に基づいて発注された前記第二注文を約定させることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、プログラムであって、コンピュータを、請求項1乃至4の何れか一つに記載の金融商品取引管理装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、請求項4に記載の発明によれば、注文価格設定手段が、注文情報受付手段が受け付けた、第一注文の約定と第二注文の約定とによって得られる所定の利益金額に対応する金額の情報を含む情報に基づいて、それぞれが別個の複数の第一注文価格と、所定の第二注文価格とを設定し、注文情報生成手段が、それぞれ注文価格設定手段が設定した第一注文価格となる第一注文の取引を行うための複数の第一注文情報を生成し、約定情報生成手段が、第一注文情報に基づいて発注された第一注文を約定させ、注文情報生成手段が、所定の利益金額に対応する金額が得られる第二注文価格にて第二注文の取引を行うための第二注文情報を生成し、約定情報生成手段が、第二注文情報に基づいて発注された第二注文を約定させることにより、複数の第一注文価格と所定の第二注文価格を適切に設定し、相場価格の変動に対応して第一注文と第二注文とによる取引を適切に行わせることができる。これにより、金融商品の、第一注文に対応付けられた第二注文としての買い注文や売り注文の価格を簡易かつ適切に設定することが容易で、取引者の取引リスクを軽減して、利益確保の機会の逸失を防ぎ利益獲得を確実に行わせる金融商品取引管理装置、金融商品取引管理システムを提供できる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、一又は複数の第一注文情報に対応付けられた第二注文情報を複数生成することにより、第一注文に対応付けられた第二注文としての買い注文や売り注文の価格を簡易かつ適切に設定することができ、取引者の取引リスクを軽減して、利益確保の機会の逸失を防ぎ利益獲得を確実に行わせることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、相場価格が注文情報の注文価格となったときに、注文情報に基づく金融商品の注文を約定させることにより、第一注文価格や第二註文価格が設定された金融商品を、注文情報に基づいて約定させ処理を行うことができる。これにより、取引者の取引リスクを軽減して利益獲得を確実に行わせるための注文の約定を、システムを用いた取引において確実に実現できる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、本発明の金融商品取引管理装置をプログラム化し、多様なコンピュータハードウェア上で実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明の実施の形態1の金融商品取引管理システムにおけるシステム構成図及び金融商品取引管理装置の機能ブロック図である。
【
図2】同上金融商品取引管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】同上金融商品取引管理装置の注文テーブルのフィールド定義の模式図である。
【
図4】同上金融商品取引管理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】同上金融商品取引管理装置における「トラップトレード」を含む注文の注文入力画面を模式的に示した図である。
【
図6】同上金融商品取引管理装置において生成された、「トラップトレード」を含む注文の第一注文情報、第二注文情報、逆指値注文情報を模式的に示した図である。
【
図7】同上金融商品取引管理装置において行われる、「トラップトレード」を含む取引(対応注文価格が取引開始前に設定される場合)を模式的に示すタイムチャートである。
【
図8】同上金融商品取引管理装置において行われる、「トラップトレード」を含む取引(対応注文価格が取引開始後に設定される場合)を模式的に示すタイムチャートである。
【
図9】同上金融商品取引管理装置における「第1の変形例」の取引を模式的に示すタイムチャートである。
【
図10】同上金融商品取引管理装置における「第2の変形例」の取引を模式的に示すタイムチャートである。
【
図11】同上金融商品取引管理装置における「第3の変形例」の取引を模式的に示すタイムチャートである。
【
図12】同上金融商品取引管理装置における「第4の変形例」において生成された、「トラップリピートイフダン」を含む注文の第一注文情報、第二注文情報、逆指値注文情報を模式的に示した図である。
【
図13】同上金融商品取引管理装置における「第4の変形例」において生成された、「トラップリピートイフダン」を含む注文の第一注文情報、第二注文情報、逆指値注文情報を模式的に示した図である。
【
図14】同上金融商品取引管理装置における「第4の変形例」の取引を模式的に示すタイムチャートである。
【
図15】同上金融商品取引管理装置における「第5の変形例」の「らくトラ」を含む注文の注文入力画面を模式的に示した図である。
【
図16】同上金融商品取引管理装置における「第5の変形例」の取引を模式的に示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[システム構成]
図1乃至
図16に、この発明の実施の形態を示す。
【0021】
図1は、この実施の形態の金融商品取引管理システムのシステム構成図及び機能ブロック図である。同図に示すとおり、金融商品取引管理システム1Aは、金融商品取引管理装置1と、N個(N≧1)のクライアント端末2
1~2
nとを備えており、金融商品取引管理装置1とクライアント端末2
1~2
nは、WAN(Wide Area Network)としてのインターネット3を介して相互に交信可能である。この実施の形態の金融商品取引管理システム1Aは、金融商品として外国為替を取扱う。
【0022】
金融商品取引管理装置1は、金融商品の取扱業者が管理し運用するサーバコンピュータであり、Webサーバ機能、大容量のデータを保存するデータベース機能を備えている。クライアント端末21,・・・,2nは、金融商品の売買を行う個人又は法人が所持し使用する、データ通信機能を有する通信端末であって、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末等がこれに該当する。クライアント端末21,・・・,2nは、マウスやキーボード等各種指示を入力するために用いられる操作部211,・・・,21n、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり操作部211,・・・,21nから入力された各種指示等や各種画像を表示する表示部221,・・・,22nを有している。クライアント端末21,・・・,2nの操作部211,・・・,21nと表示部221,・・・,22nは、指やタッチペン等のポインティングデバイスの接触位置の座標情報等に基づいて各種入力を行う、タッチパネル式のディスプレイとして構成されていてもよい。なお、クライアント端末21,・・・,2n、操作部211,・・・,21n、表示部221,・・・,22nは同じ構成を持つので、以下、区別する必要がある場合を除き、クライアント端末2、操作部21、表示部22とする。
【0023】
[金融商品取引管理装置の構成]
図2は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示すとおり、金融商品取引管理装置1は少なくとも1のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)101、及び、CPU101の作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)102、起動用ブートプログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)103、各種プログラムやデータ等が記録されるハードディスク等の補助記憶装置104、データの送受信に用いる通信インターフェース105、マウス、キーボード等、オペレータが金融商品取引管理装置1の操作を行うための操作部106、LCD等からなり文字や画像を表示する表示部107等が設けられている。補助記憶装置104には、OS(Operating System)用プログラム、各種アプリケーションプログラム、データベースに記録されたデータ等が記録されており、これらのプログラムやデータはCPU101の演算処理により、ハードウェア資源と協働して各種機能を実現する。
【0024】
図1に示す通り、金融商品取引管理装置1は、上述した各種プログラムとハードウェア資源とに基づいて実現される機能手段としてのデータ処理部10、及び、データ処理部10にて処理される各種データが記録されるデータベース18を有する。データ処理部10は金融商品取引管理装置1において用いる各種データの生成、加工等の処理を行うものであり、更に、同じく機能手段としてのフロントページ配信部11、注文入力受付部12、入出金情報生成部13、「約定情報生成手段」としての約定情報生成部14、口座情報生成部15、「注文情報生成手段」および「注文価格設定手段」としての注文情報生成部16、データベース(DB)接続基底部17、「相場情報取得手段」としての価格情報受信管理部19を有している。
【0025】
注文入力受付部12は、クライアント端末2から入力された各種の注文に関するデータを受け付け、金融商品の注文を成立させるために必要な各種処理を行う。また、金融商品の取引に必要な証拠金の額を算出する。
【0026】
入出金情報生成部13は、クライアント端末2から入出金のリクエストを受け付け、リクエストに基づいて入出金の一覧表を作成する。
【0027】
注文情報生成部16は、注文入力受付部12が処理した情報に基づいて、成立した金融商品の注文に関する情報を生成する。ここでの注文には、いわゆる成行注文、指値注文、逆指値注文に加え、イフダンオーダーも含まれる。
【0028】
また、注文情報生成部16は、第一注文の注文価格としての第一注文価格に基づいて設定される設定基準価格に対応する、第二注文としての対応注文の注文価格としての対応注文価格を設定する。この「設定基準価格」「対応注文価格」や、「設定基準価格」「対応注文価格」の設定については後述する。
【0029】
注文情報生成部16は、イフダンオーダー及び逆指値注文を生成する際に、第一注文が新規の指値注文又は逆指値注文となるように第一注文の注文情報を生成し、第二注文が決済の指値注文となるように第二注文の注文情報を生成し、逆指値注文が決済の逆指値注文となるように逆指値注文の注文情報を生成する。なお、第一注文、第二注文、逆指値注文の如何は後述する注文テーブル181のフィールド定義に基づいて区別、記録される。
【0030】
約定情報生成部14は、注文情報生成部16が生成した注文に基づく約定処理、及び、完了した約定処理に関する情報を取引者のクライアント端末2に送るための処理を行う。なお、ここでの「約定」とは、取引者の注文に基づいて金融商品の売買を成立されるための各種の手続並びに処理のことをいう。約定情報生成部14の約定処理は、所定の約定条件を満たした注文に係る注文情報に対して行われる。後述する通り、この実施の形態において約定が成立すると、外国為替の売買が行われ、その結果、約定情報生成部14の指示に基づいて、口座情報生成部15が売買額に応じて証拠金情報(後述)を変換し、更に、入出金情報生成部13が入出金の一覧表に入金や出金の状況を記載する。また、約定情報生成部14は、約定が成立すると、クライアント端末2の表示部22に約定が成立した旨の文字情報等を表示させ、また、売買価格に基づいてクライアント端末の銀行口座の出入金処理を行う。
【0031】
口座情報生成部15は、取引者の預金残高情報を生成し、当該預金残高情報を証拠金情報(即ち、注文の約定を実現できることを裏付けるための情報)を管理する機能を有する。なお、口座情報生成部15において生成される預金残高に関する情報は、現実の預金残高と整合性を取るために、銀行等の金融機関が提供する、取引者の現実の預金残高に関する情報と定期的に照合される。
【0032】
データベース接続基底部17は、データ処理部10において生成、加工処理されたデータとデータベース18にて記録されるデータとの変換(例えば論理的データ構造と物理的データ構造との相互変換)を行うと共に、データ処理部10とデータベース18との間でデータを交信するために必要な処理を行う。
【0033】
データベース18は、金融商品取引管理装置1にて用いられるデータを記録する。この実施の形態におけるデータベース18はリレーショナルデータベースによって形成するが、例えばオブジェクトデータベース等、大量のデータの記録や書換えに適したものであればどのような形式を用いてもよい。データベース18には、注文テーブル181、取引者の口座が存在する金融機関、口座名、残高等の情報を定義する顧客口座情報テーブル182、取引される通貨の組合せ等に関する情報を定義する通貨ペア注文条件テーブル183、シーケンス番号テーブル184が記録されている。シーケンス番号テーブル184には注文情報(後述)ごとに一意に付されるシーケンス番号が記録される。注文テーブル181の詳細については後述する。
【0034】
フロントページ配信部11は、クライアント端末2の表示部22にされる画像データを作成し、作成した画像データをクライアント端末2に送信する。
【0035】
価格情報受信管理部19は、金融商品取引管理装置1にて扱う金融商品の価格についての情報を取得し、取得した情報に対し、データ処理部10にて用いるために必要な処理と管理を行う。この実施の形態においては、価格情報受信管理部19は外為の相場価格の情報を定期的に取得し、記録し管理する。
【0036】
なお図示しないが、金融商品取引管理装置1は日時の情報を取得し管理するタイマと、このタイマから取得された日時の情報に基づいて第一注文、第二注文、逆指値注文の有効期限(後述)の管理を行う期限管理手段とを有する。
【0037】
図3は注文テーブル181のフィールド定義の模式図である。この図に示す通り、注文テーブル181は項目数分のフィールドを有し、フィールドの名称(フィールド名)、文字や数値や日時等のデータ型(型)、ビット長等のデータ長(長さ)、空欄不可指定(Not Null)、デフォルト値の有無(デフォルト値)、データの項目名(備考)等が規定される。
【0038】
なお、金融商品取引管理装置1は、店頭取引を行うためのシステムであってもよいし、金融用品の取引所(以下単に「取引所」と称する。)における取引所取引を行うためのシステムであってもよいし、それらの双方を行うためのシステムであってもよい。また、金融商品取引管理装置1は、金融商品の取引を取り扱う業者の管理するサーバシステムや、この業者から委託されたサーバ管理業者等の管理するサーバシステムとして存在してもよいし、金融商品取引管理装置1の少なくとも一部の構成(例えば注文情報生成部16や約定情報生成部14)が、取引所のシステムの内部に存在してもよい。さらに、金融商品取引管理装置1は、金融商品の取引を取り扱う業者やサーバ管理業者等が所持管理する、一又は複数のコンピュータやサーバからなるコンピュータシステムであってもよいし、それらの業者が所持しない、クラウドサービスやグリッドコンピューティングのようなシステムとして存在してもよい。
【0039】
さらには、金融商品取引管理装置1のうちの少なくとも一部の構成(例えば注文情報生成部16や約定情報生成部14)が、クライアント端末21,・・・,2nの構成として存在してもよい。
【0040】
[この実施の形態における取引方法について]
この実施の形態の金融商品取引管理システム1Aによって実現できる取引方法の代表例を以下概説する。なお、これらの取引方法はこの実施の形態において実現可能な取引方法の例にすぎず、この実施の形態の金融商品取引管理システム1Aにおいて、これらの取引方法以外のいかなる取引方法が行われてもよい。
【0041】
[取引方法総論:一の注文手続による注文]
この実施の形態においては、一の注文手続に基づいて注文情報生成部16が生成した複数の注文情報に対する処理に基づいて、複数の注文がそれぞれ発注されたり約定されたりすることで取引が行われる。ここで、「一の注文手続」とは、注文入力画面410(
図5参照)や注文入力画面411(
図15参照)等における所定の処理(例えば取引者による同図の実行ボタン41nのクリック等)が行われた旨の信号やデータを、金融商品取引管理装置1が受信する処理を行うことや、金融商品取引管理装置1が受信して受け付ける処理を行うこと等をいう(以下、本明細書において同じ。)。
【0042】
以下、この実施の形態における取引を行うための設定例について説明する。
【0043】
[取引設定例1:第一注文の設定]
この実施の形態の金融商品取引管理装置1においては、注文情報生成部16が生成する注文情報によって、同一種類の複数の金融商品を所定の値幅で所定の注文数量ごとに予約する注文形態(以下この注文形態を単に「トラップトレード」と称する。)を含む取引を実現できる。
【0044】
このとき、注文情報生成部16は、所定の基準となる価格(例えば複数の注文のうちの最高値の注文の注文価格や最安値の注文の注文価格と同一価格、あるいは、全ての注文の注文価格の平均価格となる価格、など)を注文価格の設定の基準であるトラップ基準価格(以下単に「トラップ基準価格」と称する。)として、全ての注文の注文価格を所定の演算に基づいて設定する。
【0045】
図7は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1において、トラップトレードによって設定した注文を含む状態を模式的に示す図である。
図7には、売買取引を行うために、先に取引を行う注文(たとえばイフダン注文の新規注文)としての第一注文(以下「第一注文」と称する。)が複数、ここでは、買い注文として設定された、5つの第一注文141
1,141
2,141
3,141
4,141
5が表示されている。これらの第一注文141
1,141
2,141
3,141
4,141
5は、
図6に示す第一注文情報41
1,41
2,41
3,41
4,41
5に基づいてそれぞれ設定され、取引が行われる。
【0046】
図7に示す第一注文141
1,141
2,141
3,141
4,141
5は、「トラップトレード」の状態で設定されている。
【0047】
「トラップトレード」の状態として、第一注文1411,1412,1413,1414,1415は、それぞれの注文金額が10000通貨(ここでは「円」)に設定されている。また、第一注文1411,1412,1413,1414,1415同士の値幅は1.00円(1ドル=106.00円、105.00円、104.00円、103.00円、102.00円と、1.00円ずつの差となっている。)に設定されている。また、それぞれの第一注文1411,1412,1413,1414,1415の注文金額は10000通貨(ここでは10000円)に設定されている。なお、この実施の形態では、複数の第一注文1411,1412,1413,1414,1415の注文金額は、注文1本あたりの平均注文金額として設定するものとするが、これに限定されず、たとえば、それぞれの第一注文1411,1412,1413,1414,1415の注文金額の現実の注文金額として設定してもよい。
【0048】
なお、この実施の形態においては、注文情報生成部16が生成する注文情報による金融商品の複数の注文は、
図7の第一注文141
1,141
2,141
3,141
4,141
5のような「トラップトレード」の形態である必要はない。たとえば、第一注文141
1,141
2,141
3,141
4,141
5同士の値幅は常に一定である必要はなく、特定の注文、例えば最高値の注文とその一つ安値側の注文との値幅や、最安値の注文とその一つ高値側の注文との値幅が、他の注文価格の注文同士の一定の値幅とは異なるものであってもよいし、最高値の注文と最高値から2番目の注文、最高値から3番目の注文と4番目の注文・・・のように、所定の注文の組同士だけが等しい値幅になっているような構成であってもよい。また、第一注文141
1,141
2,141
3,141
4,141
5のうちの少なくとも一部、例えば第一注文141
1のみの注文金額が他と相違する金額(たとえば他より100通貨多い10100通貨)に設定されていてもよい。さらに、全ての第一注文141
1,141
2,141
3,141
4,141
5の注文金額が相違するように設定されていてよい。
【0049】
[取引設定例2:設定基準価格や対応注文価格の設定(その1)]
図7には、売買取引を行うために、後から取引を行う注文(たとえばイフダン注文の決済注文)としての第二注文(以下「第二注文」と称する)も示されている。
図7には、売り注文として設定された第二注文142が1つ存在する。この第二注文142は、
図6に示す第二注文情報42に基づいて設定され、取引が行われる。
【0050】
なお、
図7に示す第二注文142は、指値注文として設定されているものとするが、成行注文(例えばトリガ成行注文)や逆指値注文として設定されていてもよい(後述する、
図8乃至
図11、
図14、
図16に示す第二注文も同様である。)。
【0051】
この実施の形態において、「対応注文」としての第二注文142の注文価格である対応注文価格(以下単に「対応注文価格」と称する。)は、第一注文1411,1412,1413,1414,1415の注文価格としての第一注文価格(以下単に「第一注文価格」と称する。)に基づいて設定される設定基準価格(以下単に「設定基準価格」と称する。)に対応する価格として設定される。具体的には、「注文価格設定手段」としての注文情報生成部16は、設定基準価格に対する所定の演算により、第二注文142の対応注文価格を設定する。
【0052】
具体的には、注文情報生成部16は、
図7に示すとおり、第一注文141
1,141
2,141
3,141
4,141
5の平均値(1ドル=106.00円、105.00円、104.00円、103.00円、102.00円の平均値である1ドル=104.00円)を設定基準価格143として設定する。
【0053】
そして、注文情報生成部16は、この設定基準価格143に対し、所定の演算によって算出した値を加えた価格を対応注文価格として設定する。具体的には、
図7に示すとおり、注文情報生成部16は、設定基準価格143に対し、注文画面(
図7参照)への入力で設定された差額としての2.50円を差額144として加算した、1ドル=106.50円を対応注文価格145として設定する。
【0054】
[取引設定例3:設定基準価格や対応注文価格の設定(その2)]
なお、注文情報生成部16は、上記[取引設定例2]以外のいかなる方法で設定基準価格143や対応注文価格145を設定してもよい。
【0055】
たとえば、注文情報生成部16は、設定基準価格143を対応注文価格145として設定してもよいし、所定の価格(例えば、予め設定された特定の価格や、注文入力画面410から入力された価格)を設定基準価格143や対応注文価格145として設定してもよい。また、注文情報生成部16は、所定の時間(たとえば、実行ボタン41n(
図5参照)がクリックされた時点や、注文内容を確認するための確認画面(図示せず)が表示された時点や、これらの時点から所定時間が経過した時など。)の相場価格や、その相場価格に対して所定の差額分だけ高値側や安値側の価格を設定基準価格143や対応注文価格145として設定してもよい。
【0056】
また、注文情報生成部16は、注文情報を生成する直前の所定期間(例えば直前3ヶ月間)の金融商品の相場の変動幅に所定の演算を行って算出された値などを設定基準価格143や対応注文価格145として設定してもよい。また、注文情報生成部16は、それぞれの第一注文4141,1412,・・・1415の注文金額が相違する場合に、第一注文4141,1412,・・・1415の注文価格の平均値を、注文金額に依存した偏差で修正した価格を設定基準価格143や対応注文価格145として設定してもよい。
【0057】
また、注文情報生成部16は、注文入力画面410(
図5参照)や注文入力画面411(
図15参照)に入力された利益金額に基づいて対応注文価格145を設定してもよい。たとえば、
図5や
図15に示す注文入力画面410,411に表示される利益金額表示欄41j(後述)に替えて、取引者が第一注文414
1,141
2,・・・141
5と第二注文142との取引により得たい利益の金額を入力する利益金額入力欄(図示せず)が設定されていてもよい。この場合、注文情報生成部16は、注文入力画面410,411への取引者の数値入力により設定された第一注文414
1,141
2,・・・141
5それぞれの注文価格に対し、第二注文が約定されれば利益金額入力欄(図示せず)に入力された利益金額となる金額に第二注文142の対応注文価格145を設定する。
【0058】
たとえば、注文情報生成部16が、
図7に示すように、それぞれの注文金額が1(万通貨)である第一注文414
1,141
2,・・・141
5の第一注文を1ドル=106.00円、1ドル=105.00円、・・・1ドル=102.00円を設定したとする。このとき、注文入力画面410,411(
図5、
図15参照)の利益金額入力欄(図示せず)に利益金額として125,000(円)が入力されたとすると、注文情報生成部16は、それぞれの注文価格の平均値(
図7、
図14における1ドル=104.00円)を設定基準価格143として設定し、この設定基準価格143において5(万通貨)分の第一注文が設定された場合の利益金額が125,000円となる金額にあたる、2.50円を差額144として算出し、設定基準価格143(1ドル=106.00円)に対して差額144(2.50円)分高値側である1ドル=106.50円に第二注文142の対応注文価格145を設定する(つまり、
図7や
図14に示す状態となる。)。
【0059】
また、設定基準価格143は1の価格である必要はなく、複数の価格を設定基準143として設定し、それらの価格を演算に用いて対応注文価格145が設定されてもよい。
【0060】
[取引設定例4:差額の値の設定]
この実施の形態において、対応注文価格145の算出のための演算で用いられる差額144の値は、注文入力画面410(
図5参照)や注文入力画面411(
図15参照)への入力で設定された価格以外のどのような方法で設定された値であってもよい。また、この差額144の値は、注文情報生成部16が所定の演算によって自動的に算出した値であってもよい。
【0061】
たとえば、注文情報生成部16は、注文情報を生成する直前の所定期間(例えば直前3ヶ月間)の金融商品の相場の変動幅に所定の演算を行って算出された値や、特定の第一注文(例えば第一注文情報411)の注文価格と注文情報が生成された時点等の所定の時点の相場価格との価格差に所定の演算を行って算出された値として、上述の差額144の値を設定してもよい。また、注文情報生成部16は、この具体例以外のどのような演算によって上述の差額144の値を自動的に設定してもよいし、注文入力画面410に対するどのような値を用いて上述の差額144の値を設定してもよい。
【0062】
さらに、対応注文価格145の算出にあたり、注文情報生成部16は、設定基準価格143を、第一注文1411,1412,1413,1414,1415の注文価格の平均値以外のどのような値としてもよい。たとえば、注文情報生成部16は、最高値の第一注文1411の注文価格や最安値の第一注文1415の注文価格を設定基準価格143とし、この設定基準価格143に差額144の値を演算して対応注文価格145を設定してもよい。また、注文情報生成部16は、トラップ基準価格(後述の[処理手順]の[1-1]の記載参照)を設定基準価格143として設定してもよい。
【0063】
[取引設定例5:設定基準価格や対応注文価格の設定タイミング(1:取引開始前に設定される場合)]
この実施の形態において、注文情報生成部16は、第一注文1411,1412,1413,1414,1415の取引を行う第一注文情報411,412,413,414,415や、第二注文142の取引を行う第二注文情報42や、ストップロス注文(図示せず)の取引を行う逆指値注文情報43の生成時に設定基準価格143を設定し、さらに設定基準価格143を用いて対応注文価格145を設定する。
【0064】
なお、設定基準価格143や対応注文価格145を設定するタイミングは、第一注文情報411,412,413,414,415や、第二注文情報42や、逆指値注文情報43の生成時と同時であってもよいし、それらの情報の生成時に対して前後してもよい。たとえば、注文情報生成部16は、設定基準価格143や対応注文価格145を設定する処理を行い、その後のタイミングで第二注文情報42を生成してもよい。あるいは、注文情報生成部16は、第二注文情報42を生成し、その後のタイミングで第二注文情報42に対応注文価格145を設定してもよい。
【0065】
なお、対応注文価格145は、一回の処理(例えば注文情報生成部16の演算処理のみ)で設定されてもよいし、複数回の処理(例えば注文情報生成部16の演算処理と取引者の数値入力など)であってもよい。また、対応注文価格145は、第二注文142の取引に用いられる価格と同一であってもよいし、第二注文142の取引に用いられる価格との間に差異があってもよい。
【0066】
この実施の形態においては、第二注文142は、全ての第一注文1411,1412,1413,1414,1415が約定することで発注される。ただし、第二注文142は、一部たとえば3つ(単数でも複数でもよい)の第一注文1411,1412,1413のみが約定することで発注されてもよい。これは、例えば、注文情報生成部16が、特定の注文情報(たとえば高値側から3つめの第一注文1413)に対応する第一注文情報413に、約定と同時に第二注文を発注させるための発注用属性情報(図示せず)を付加することや、注文情報生成部16や約定情報生成部14が、発注用属性情報(図示せず)を検出することで第二注文情報42に所定の処理を行い、第二注文142を発注済とすることで実現される。
【0067】
[取引設定例6:設定基準価格や対応注文価格の設定タイミング(2:取引開始後に設定される場合)]
この実施の形態において、注文情報生成部16は、第一注文1411,1412,1413,1414,1415の取引や、第二注文142の取引や、ストップロス注文(図示せず)の取引を開始した後に設定基準価格143の設定や、設定基準価格143を用いた対応注文価格145の設定を行う。
【0068】
具体的には、たとえば、
図8に示すように、一又は複数の第一注文、ここでは3つの第一注文141
1,141
2,141
3が約定した後に、これらの第一注文141
1,141
2,141
3の第一注文価格の平均値を設定基準価格143として設定し、さらに設定基準価格143を用いて対応注文価格145を設定する。
【0069】
図8においては、1ドル=106.00円、105.00円、104.00円の3つの第一注文141
1,141
2,141
3の第一注文141
1,141
2,141
3が順次約定した後に、注文情報生成部16は、約定した第一注文141
1,141
2,141
3の注文価格の平均値である1ドル=105.00円を設定基準価格143として設定する。そして、注文情報生成部16は、この設定基準価格143に対し、注文入力画面410(
図5参照)への入力で設定された差額144としての2.50円を加算した、1ドル=107.50円を対応注文価格145として設定する。注文情報生成部16は、第二注文情報42を生成し、この対応注文価格145に第二注文142を設定する。第二注文142の注文金額は、第一注文141
1,141
2,141
3の注文金額の総和である30000通貨に設定される。
【0070】
なお、一部の第一注文1411,1412,1413に対応する第二注文142が発注されたのちに約定する場合は、未発注の第二注文142(注文金額50000通貨)のうちの一部のみが約定する部分約定の形態をとり、部分約定が行われた後は、約定した第一注文1411,1412,1413に対応する分の第二注文142(注文金額30000通貨)と未約定分の第一注文1414,1415に対応する分の第二注文(図示せず、注文金額20000通貨)とに分裂し、第二注文142が発注され、第二注文(図示せず)が未発注の状態となることが望ましい。これは、注文情報生成部16や約定情報生成部14が、第二注文情報42の注文金額情報181Dを修正したり、未発注分の第二注文(図示せず)に対応する新たな第二注文情報(図示せず)を生成したりすることで実現される。
【0071】
なお、注文情報生成部16は、第一注文1411,1412,1413,1414,1415の取引が開始された後に第二注文142の対応注文価格145の設定を行う場合も、上述の[取引設定例3]に記載したように、いかなる方法で設定基準価格143や対応注文価格145を設定してもよい。
【0072】
たとえば、[取引設定例3]に記載したように、注文入力画面410,411(
図5、
図15参照)に利益金額入力欄(図示せず)が設定されて、利益金額入力欄(図示せず)に取引者が入力した利益金額を用いて第二注文142の対応注文価格145が設定される構成であってもよい。
【0073】
これを具体的に示す。例えば、注文入力画面410(
図5参照)に利益金額入力欄(図示せず)に利益金額として75,000(円)が入力された場合を考える。そして、1ドル=106.00円、105.00円、104.00円の3つの(それぞれの注文金額が1(万)通貨である)第一注文141
1,141
2,141
3が順次約定した後に第二注文142の対応注文価格145を設定することになったとする。この場合、注文情報生成部16は、約定した第一注文141
1,141
2,141
3の注文価格の平均値である1ドル=105.00円を設定基準価格143として設定する。そして、注文情報生成部16は、この設定基準価格143において3(万通貨)分の第一注文が設定された場合の利益金額が75,000円となる金額にあたる、2.50円を差額144として算出し、設定基準価格143(1ドル=105.00円)に対して差額144(2.50円)分高値側である1ドル=107.50円に第二注文142の対応注文価格145を設定する(つまり、
図8に示す状態となる。)。
【0074】
[取引設定例7:ストップロス注文の設定]
なお、
図7には表示しないが、第一注文の決済により発注されるストップロス注文(たとえばイフダン注文のストップロス注文。以下「ストップロス注文」と称する。)が存在してもよい。このストップロス注文(図示せず)は、相場の急激な下落又は急激な上昇による大幅な損失を抑止させるための注文である。このストップロス注文(図示せず)は、
図6に示す逆指値注文情報43に基づいて設定され、取引が行われる。
【0075】
このストップロス注文(図示せず)は、逆指値注文として設定されているものとするが、成行注文(例えばトリガ成行注文)や指値注文として設定されていてもよい。
【0076】
このストップロス注文(図示せず)は、それぞれの第一注文1411,1412,1413,1414,1415に対応して設定されていてもよい(つまり5つ設定されていてもよい。)し、複数の5つの第一注文1411,1412,1413,1414,1415のうちの少なくとも一部に対してまとめて設定されていてもよい(つまり、たとえば1つ設定されていてもよい。)。
【0077】
このストップロス注文(図示せず)は、注文金額が、対応する第一注文1411,1412,1413,1414,1415のそれぞれの注文金額(10000通貨)の総額に等しい50000通貨に設定されている。ただし、ストップロス注文(図示せず)の注文金額はどのような値に設定されていてもよい。
【0078】
このストップロス注文(図示せず)は、それぞれの注文(たとえば、それぞれの第一注文1411,1412,1413,1414,1415)に対応して第一注文1411,1412,1413,1414,1415と同数設定することもできるし、少なくとも一部の注文(たとえば第一注文1411,1412,1413,1414,1415の全て)に対して一のストップロス注文(図示せず)を設定することもできる。また、ストップロス注文(図示せず)が約定した場合、その後の全ての注文(たとえば全ての第一注文1411,1412,1413,1414,1415及び第二注文142)の取引がキャンセルされる(取引が強制的に終了される)ように構成されていてもよいし、条件つきで一部又は全ての注文(たとえば第二注文142のみ)の取引が継続するように構成されてもよい。
【0079】
[取引設定例8:注文金額の設定]
第一注文1411,1412,1413,1414,1415の注文金額は10000通貨に設定されている。第二注文142の注文金額は50000通貨に設定されている。ストップロス注文(図示せず)の注文価格は50000通貨に設定されている。なお、個々の第一注文1411,1412,1413,1414,1415に対応して、5つのストップロス注文(図示せず)が、注文金額が10000通貨に設定されていてもよい。
【0080】
[取引設定例9:注文金額や注文価格の設定]
また、上記[取引設定例1]~[取引設定例8]において、注文価格ごとの第一注文1411,1412,1413,1414,1415、第二注文142、ストップロス注文(図示せず)の注文金額は、注文発注から約定まで同一であってもよいし、注文発注から約定までの間に変動してもよい(例えば、発注時の注文金額が10000通貨だったものが、相場の変動と共に注文金額が変動し、約定時の注文金額が10100通貨になるようなものであってもよい)。また、上記[取引設定例1]~[取引設定例8]において、第一注文1411,1412,1413,1414,1415、第二注文142、ストップロス注文(図示せず)の注文価格は、注文発注から約定まで同一であってもよいし、注文発注から約定までの間に変動してもよい。
【0081】
なお、第一注文1411,1412,1413,1414,1415、第二注文142、ストップロス注文の変動は、注文情報生成部16や約定情報生成部14の、第一注文情報411,412,413,414,415、第二注文情報42、逆指値注文情報43の属性情報181A~181Mを構成する情報に対する追記や修正等によって行われる。
【0082】
[処理手順]
図4は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1の処理手順を示すフローチャートである。以下、同フローチャートを用いてこの実施の形態の処理手順について説明する。なお、以下の説明は、第一注文を「トラップトレード」として設定し取引を行う場合の処理手順について説明するが、これは処理手順の一例であり、「トラップトレード」以外のいかなる注文方法において以下の処理手順を用いてもよい。
【0083】
[1.「トラップトレード」を含む取引の処理手順]
金融商品取引管理システム1Aにおいて「トラップトレード」を含む取引を行う場合の処理手順を説明する。
【0084】
[1-1.画面入力と注文情報の生成]
金融商品取引管理システム1Aを利用する取引者は、クライアント端末2を用いて金融商品取引管理装置1にアクセスする。金融商品取引管理装置1のフロントページ配信部11は、アクセスのあったクライアント端末2の表示部22に、
図5に模式図を示す注文入力画面410が表示される。
【0085】
図5に示す注文入力画面410には、取引態様の種類(
図5では「トラップトレード」注文が選択された状態)を選択するため注文種類選択欄41aが表示される。図示しないが、注文種類選択欄41aには、取引選択ボタンを取引者がクリックすることにより、通常の成行注文、指値注文、逆指値注文、OCO注文等の他に、前述の「トラップトレード」注文が表示され、取引者がそれらの注文を択一的に選択できる。
【0086】
また、注文入力画面410には、取引を行う金融商品の種類である通貨ペア(例えば、米ドルと日本円(USD/JPY)、ユーロと日本円(EUY/JPY)、等)を択一的に選択するための通貨ペア選択ボタン41bが表示される。また、注文入力画面410には、第一注文が買い注文であるか、売り注文であるかを選択するための売買選択ボタン41cが表示される。また、注文入力画面410には、それぞれの第一注文の注文価格やそれぞれの第二注文の注文価格を設定するときの基準となる価格(例えば、最高値の注文の注文価格、最安値の注文の注文価格、中央の注文の注文価格、等)であるトラップ基準価格(以下単に「トラップ基準価格」と称する。)を数値入力するためのトラップ基準価格入力欄41dが表示される。また、注文入力画面410には、取引対象となる金融商品の注文金額を通貨単位(ここでは、1円を1通貨単位とし、1万通貨ごとに入力可能に設定されている。)を基準に選択して入力するための注文金額入力欄41e、注文価格の異なる第一注文(イフダン注文の新規注文)や注文価格の異なる第二注文(イフダン注文の決済注文)の本数である「トラップ本数」を選択して入力するためのトラップ本数入力ボタン41fが表示される。
【0087】
また、注文入力画面410には、注文価格の異なる複数の第一注文同士の値幅や、注文価格の異なる第二注文同士の値幅を入力するための値幅入力欄41g、複数の第一注文の平均額に対する第二注文の第二注文価格の差額や、複数の第二注文の平均額に対する第一注文の第一注文価格の差額を入力するための差額入力欄41hが表示される。
【0088】
また、注文入力画面410には、設定した第一注文の約定と、演算によって算出された、設定した第二注文の約定とによって得られる利益金額(第一注文と全ての第二注文とが約定した場合の利益金額の見積額)が表示される利益金額表示欄41jが表示される。また、注文入力画面410には、ストップロス注文(図示せず)の注文価格であるストップロス価格を入力するためのストップロス価格入力欄41kが表示される。
【0089】
また、図示しないが、注文入力画面410には、注文価格の異なる複数の第一注文や複数の第二注文のうちの、特定の注文の注文金額や、特定の注文同士の値幅を変化させるための変更情報入力欄(図示せず)が設けられていてもよい。
【0090】
さらに、図示しないが、上記[取引設定例3]や[取引設定例6]に示すように、取引者が設定した利益金額を演算に用いて第二注文142の対応注文価格145を設定する場合、
図5に示す注文入力画面410には、取引者が利益金額を入力する利益金額入力欄(図示せず)が設けられることが望ましい。
【0091】
さらに、
図5に示すとおり、注文入力画面410には、リピート選択ボタン41mが設定されている。このリピート選択ボタン41mが選択されると、「トラップトレード」を含む取引が繰り返されるように構成される(即ち、後述する[第4の変形例]の記載及び
図12乃至
図14に示す、「トラップリピートイフダン」を含む取引が行われるように構成される。)。
【0092】
取引者は、操作部21の操作により、注文入力画面410において、所望の注文に必要な情報の入力や選択を行う(ステップS1)。
図5においては、通貨ペア選択ボタン41bに日本円と米ドルを示す「USD/JPY」の選択がされ、売買選択ボタン41cは「買」が選択され、トラップ基準価格入力欄41dには「106.00(円)」が入力された状態が示されている。また、
図5においては、注文金額入力欄41eには「1(通貨)」と入力され、トラップ本数入力ボタン41fには「5(本)」と入力され、差額入力欄41hには「2.50(円)」が入力された状態が示されている。また、
図5においては、利益金額表示欄41jには、それぞれの買い注文価格と売り注文価格との差額に1通貨単位(=1万円)を乗じた額の総和である「125,000(円)」が表示され、ストップロス価格入力欄41kには「100.00(円)」が入力された状態が示されている。
【0093】
図5の注文入力画面410で実行ボタン41nがクリックされると、注文入力画面410で選択・入力されたデータはクライアント端末2から金融商品取引管理装置1に送信される。注文入力受付部12は、入力された売買注文申込情報を確認する。即ち、トラップ基準価格入力欄41dやストップロス価格入力欄41kに入力された価格、値幅入力欄41gや差額入力欄41hに入力された価格などを検査することで、注文価格の検査を行う(ステップS2)。具体的には、注文価格が設定可能な注文価格であるか否か等の検査が行われる。
【0094】
続いて、注文入力受付部12は、検査結果の適否を判断する。価格が適正価格と判断された場合(ステップS3の“No”)、口座情報生成部15が、顧客口座情報テーブル182から、その顧客(取引者)の証拠金情報を取得する。
【0095】
注文入力受付部12は、取得された証拠金情報と注文許容額とを比較し(ステップS4)、そして、証拠金の額が注文許容額以上であるか否かを判断する(ステップS5)。
ここで、「注文許容額」とは、注文が可能な金額のことである(本明細書において同じ)。この実施の形態における注文許容額は、注文金額入力欄41eに入力される値の最低値とトラップ本数入力ボタン41fに入力される値の最低値とを乗じて得た値である、(1(万通貨)×1(本)=)1(万通貨)である。但し、注文許容額は、当該値に対する所定の比率の値(例えば、10(万通貨)×0.1=1(万通貨))であってもよいし、予め定められた所定の金額(例えば、一律に5(万通貨))であってもよいし、上記以外の値や演算方法によって算出した値であってもよい。
【0096】
注文情報生成部16は、証拠金の額が注文許容額以上である場合(ステップS5の“No”)にのみ、後述の「注文情報」や「注文情報群」を生成する。これにより、取引者が確実に支払いできる場合にのみ注文を受け付けることができる。
【0097】
証拠金の額が注文許容額以上である場合(ステップS5の“No”)、注文入力受付部12は、通貨ペア注文条件テーブル183に記録されたデータ等を元に、他の注文条件(すなわち、注文価格以外の条件)と、注文を受け付けるための各種基準とを比較する(ステップS6)。そして、他の条件が、これらの基準を満たしているか否かを判定する(ステップS7)。
【0098】
他の条件がイフダン注文の基準を満たしていない場合(ステップS7の“Yes”)、注文入力受付部12は入力された注文をエラーとして扱い、注文の受付を拒絶する(ステップS10)。
【0099】
イフダン注文の各種条件が満たされている場合であって(ステップS7の“No”)、注文条件が上述のイフダン注文による指値注文に必要な条件を全て満たしていると判定された場合、フロントページ配信部11は、クライアント端末2の表示部22に、生成される注文情報の内容を取引者に確認させるための確認画面(図示せず)を表示させる。確認画面(図示せず)には、注文選択画面(図示せず)及び注文入力画面410に入力および選択された注文条件が列記されるとともに、注文ボタン(図示せず)が表示される。注文ボタン(図示せず)は、列記された内容で間違いないと判断された場合に、取引者によってクリックされる。
【0100】
取引者の操作部21の操作により注文ボタン(図示せず)がクリックされると、金融商品取引管理装置1の注文情報生成部16は、ステップS1で入力された売買注文申込情報に基づいて注文情報を生成する(ステップS8)。
【0101】
具体的には、上述したような手順に従って入力された複数のデータを注文価格毎にグループ化し、各グループにシーケンス番号テーブル184のシーケンス番号を割り当てることで、注文情報を生成する(ステップS8)。そして、シーケンス番号テーブル184に、注文情報に使用されているシーケンス番号を未使用のシーケンス番号と区別するための情報が、付加される。ステップS8の処理を一回行うことにより、複数の注文情報が生成される(なお、後述の「トラップリピートイフダン」「らくトラ」においては、これらの注文情報のうち、イフダン注文を行う第一注文の第一注文情報と、この第一注文に対応する第二注文の第二注文情報とを含む複数の注文情報が「注文情報群」を形成する。)。
【0102】
注文情報生成部16は、生成された注文情報を、注文テーブル181に記録する(ステップS9)。なお、後述する「トラップリピートイフダン」「らくトラ」においては、注文テーブル181には「注文情報群」も記録される。
【0103】
注文情報は、
図3に例示として示す各フィールドの定義に基づいて、注文テーブルに記録される。
【0104】
図3に示す“ord_seq”フィールド181bは、ステップS8で付与されたシーケンス番号の定義である。“cust_seq”フィールド181cは、取引者ごとに定められた番号である顧客番号を記録するためのフィールドである。“style_id”フィールド181dは、商品名を記録するためのフィールドである。“ccy_pair_id”フィールド181eは、通貨ペア毎に定義されたID番号を記録するためのフィールドである。このID番号と通貨ペアとの組合わせは、データベース内に格納されたIDテーブル(図示せず)に記録されている。
【0105】
図3に示す“ord_amnt”フィールド181fは、注文金額入力欄41eにおいて入力された金額を記録するためのフィールドである。“buy_sell_id”フィールド181gは、注文種類選択欄41aで選択された、売り注文/買い注文の区別を記録するためのフィールドである。“ord_rate”フィールド181hは、それぞれの注文を行う注文情報に含まれる注文価格の値を記録するためのフィールドである。“limit_time”フィールド181iは、注文情報の注文期限を記録するためのフィールドである。“ord_cond”フィールド181jは、注文種類選択欄41aで選択された、注文の種類を記録するためのフィールドである。
【0106】
図3に示す“new_close”フィールド181kは、新規注文/決済注文の区別を記録するためのフィールドである。“trap_seq”フィールド181mは、取引選択ボタン(図示せず)で「トラップトレード(後述)」が選択されたか否かの情報を記録するためのフィールドである。“repeat_flag”フィールド181nは、イフダン注文を繰り返し行うか否かの情報を記録するためのフィールドである。
【0107】
なお、
図3には示していないが、注文テーブル181には、注文入力画面410に入力されたデータ、即ち、通貨ペア選択ボタン41b、トラップ基準価格入力欄41d、トラップ本数入力ボタン41f、値幅入力欄41gに入力されたデータを記録するためのフィールドも設けられる。また、後述の「トラップリピートイフダン」や「らくトラ」の取引を行うための注文情報を生成する際に設定される、第一注文と第二注文との利益幅の情報や、「らくトラ」の取引を行うための注文情報を生成する際に入力される、上限価格入力欄41pや下限価格入力欄41q(いずれも
図15参照)に入力された数値情報を記録するためのフィールドも設けられる。これらのフィールドを用いて、注文入力画面410(
図5)や注文入力画面411(
図15)に入力されたデータが、全て注文テーブル181に記録される。
【0108】
なお、この実施の形態において、「注文情報」は、個々の注文に、
図3に示す各フィールドの定義等に基づいて、注文情報(たとえば
図6に模式的に示す第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43)に属性情報(例えば
図6に示す属性情報181A~181M)を含むデータとして生成される場合を示している。なお、後述するとおり、この実施の形態における注文情報は、各種の属性情報(例えば
図6に示す属性情報181A~181M)が付随して形成されるデータであるとして以下説明する。但し、この実施の形態における「注文情報」を形成する前の所定のデータ(たとえば、発注される予定である、注文価格ごとの注文の表)であり、そのような「注文情報」に基づいてそれぞれの注文が発注されるように構成されていてもよい。
【0109】
また、この実施の形態では、
図5に示す注文入力画面410に表示された各種の入力欄に情報を入力することで注文情報や注文情報群を生成する構成とするが、注文入力画面410の入力欄の構成や、入力されるデータの種類は、これらに限定されることはなく、どのようなものであってもよい。例えば、注文入力画面410に取引者の所有する証拠金の額に関する情報の入力欄(図示せず)や、取引を行う予定期間としての取引期間の入力欄(図示せず)等が設けられ、注文情報生成部16が、これらの入力欄(図示せず)に入力された情報に基づいて所定の演算を行うことで、一又は複数の注文価格に注文を発注するための「注文情報」や、それらの注文情報に基づく「注文情報群」が生成されるように構成されてもよい。
【0110】
[1-2.注文情報の生成]
金融商品取引管理装置1の注文情報生成部16は、上記ステップS1~S10の手順により、取引選択ボタン(図示せず)、及び注文入力画面410で選択・入力された情報に基づいて、「トラップトレード」を含む取引を行うための注文情報を生成する。
【0111】
[1-2-1.注文情報の構成(1)]
図6は、この実施の形態の金融商品取引管理装置1において生成された「トラップトレード」を含む取引を行うための注文情報を模式的に示す図である。同図に示すように、この実施の形態においては、注文情報生成部16により、注文の本数がトラップ本数入力ボタン41fに入力された本数(5本)に等しい数の、5本の第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、1本の第二注文情報42、1本の逆指値注文情報43が、一の注文手続で生成される。
【0112】
注文情報生成部16は、注文入力画面410から入力された情報や、他の画面(図示せず)から入力された情報と、金融商品取引管理装置1に記録された各種情報とを用い、所定の演算によって、第一注文情報411,412,・・・415、第二注文情報42、逆指値注文情報43を生成する。
【0113】
生成されたそれぞれの第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43は、
図6に示すような属性情報を備える。具体的には、それぞれの第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42は、一意に付与される注文番号181A、取引者を識別するための顧客番号情報181B、選択された通貨ペアを識別する通貨ペア情報181C、それぞれの注文の注文金額の値としての注文金額情報181D、第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42が生成された日時としての注文時刻情報181E、売り注文と買い注文とを識別するための売買情報181F、それぞれの注文の注文価格の値としての注文価格情報181G、注文の有効期限としての注文期限情報181H、注文がイフダン注文である場合の新規注文と決済注文とを識別する新規/決済情報181J、注文が有効(発注済)と無効(未発注)のいずれかを識別する有効/無効情報、注文がイフダン注文である場合の第一順位(新規注文)と第二順位(決済注文又はストップロス注文)のいずれかを識別する順位情報181L、約定の有無(約定済か未約定か)を識別する約定有無情報181Mを備える。
【0114】
なお、これらの属性情報181A~181Mの全部又は一部は、個々の第一注文情報411,412,・・・415、第二注文情報42、逆指値注文情報43に記録されていてもよいし、個々の第一注文情報411,412,・・・415、第二注文情報42、逆指値注文情報43とは別にデータベース18等に記録されていてもよい。
【0115】
[1-2-2.注文情報の構成(2)]
なお、上記[1-1]にて説明したとおり、それぞれの第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43は、属性情報(例えば、
図6に示すような属性情報181A~181M)のうちの一部又は全部を有しない所定のデータ(たとえば、発注される予定である、注文価格ごとの(属性情報なしの)注文を表に表したようなもの)として構成されてもよい。
【0116】
この場合、第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43が有していない、属性情報(例えば、
図6に示すような属性情報181A~181M)のうちの少なくとも何れか一つは、第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43が生成された後、かつ取引が行われる前の任意のタイミングで付加されて、その状態で金融商品の取引が行われてもよいし、金融商品取引管理システム1Aを構成する金融商品取引管理装置1(特定の金融商品取引業者が所持するシステムと取引所のシステムとで一の金融商品取引管理装置1を構成するような、複数のシステムで一の金融商品取引管理装置1を構成するような場合も含む)、またはクライアント端末2、または金融商品取引管理装置1以外のサーバ機能を有する装置が、属性情報(例えば、
図6に示すような属性情報181A~181M)のうちの少なくとも何れか一つを機能手段(たとえばプログラムの実行によって実現される機能手段)として実行することで実現されてもよい。これにより、金融商品の取引が行われる。
【0117】
[1-2-3.注文情報の生成のタイミング]
この実施の形態において、注文情報生成部16は、
図5に示す注文入力画面410の実行ボタン41nがクリックされた直後に全ての第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43をまとめて生成する構成となっている。しかし、これに限定されず、それぞれの第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43のうちの一部又は全部は、どのタイミングで生成されてもよい。
【0118】
具体的には、たとえば、同じ第一注文141
1,141
2,・・・141
5、第二注文142、ストップロス注文(図示せず)の発注と約定とが繰り返される場合(
図14の[第4の変形例]、
図16の[第5の変形例]参照。)、注文情報生成部16は、生成された、それぞれの第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43によって発注されたそれぞれの第一注文141
1,141
2,・・・141
5、第二注文142、ストップロス注文(図示せず)が約定するごとに新たな第一注文141
1,141
2,・・・141
5、第二注文142、ストップロス注文(図示せず)を生成してもよい。
【0119】
また、注文情報生成部16は、
図14の[第4の変形例]、
図16の[第5の変形例]に示すような、繰り返しイフダン注文を行うための複数の第一注文141
1,141
1,141
1,・・・第一注文141
2,141
2,141
2,・・・141
5,141
5,141
5,・・・、第二注文142,142,142,・・・、ストップロス注文(図示せず)・・・を行うための複数の第一注文情報41
1,41
1,41
1,・・・、第一注文情報41
2,41
2,41
2,・・・第一注文41
5,41
5,41
5,・・・第二注文情報42,42,42,・・・、逆指値注文情報43,43,43,・・・を、実行ボタン41nがクリックされたときにまとめて生成してもよい。また、特定の注文、たとえば第一注文141
1の取引を行うための第一注文情報41
1が生成されてその第一注文141
1が約定される前に、新たに発注される第一注文141
1の第一注文情報41
1が生成されてもよい。
【0120】
また、後述するとおり、この実施の形態においては、
図5に示す注文入力画面410等の実行ボタン41nがクリックされた直後に、注文情報生成部16は、第一注文141
1,141
2,・・・141
5、第二注文142、ストップロス注文(図示せず)を取引するための第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43を、属性情報(例えば、
図6に示すような属性情報181A~181M)を含むものとして生成するものとするが、これに限定されず、
図5に示す注文入力画面410等の実行ボタン41nがクリックされた直後に、注文情報生成部16は、属性情報(例えば、
図6に示すような属性情報181A~181M)のうちの少なくとも一部を含まない第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43を生成し、生成された際に含まれていなかった属性情報(例えば、
図6に示すような属性情報181A~181M)を、事後的に第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43に付加する構成とすることもできる。なお、この、第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43に対する属性情報(例えば、
図6に示すような属性情報181A~181M)の付加は、第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43を生成したシステムと同一のシステム(たとえば、金融商品取引管理装置1を構成する、特定の金融商品取扱業者が所持・管理するサーバシステム)において行われてもよいし、別個のシステム(たとえば、取引所の所持・管理する、金融商品取引管理装置1を構成するシステムや、個々の取引者等の操作するクライアント端末2)において付加されてもよい。
【0121】
また、後述するとおり、この実施の形態においては、
図5に示す注文入力画面410の実行ボタン41nが1回クリックされることにより、注文情報生成部16は、その後の全ての第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43を生成するものとするが、これに限定されず、
図5に示す注文入力画面410の実行ボタン41nが複数回クリックされることで、注文情報生成部16に対して複数回にわたって第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43の生成命令が入力されて、これにより、注文情報生成部16が複数回にわたって第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43を生成する構成としてもよい。また、
図5に示す注文入力画面410等の実行ボタン41nが1回クリックされることで、複数の注文情報の生成命令が形成され、これらの注文情報の生成命令が、順次、注文情報生成部16に注文の生成を行わせることで、注文情報生成部16が複数回にわたって第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5、第二注文情報42、逆指値注文情報43を生成する構成としてもよい。
[1-3.取引の手順]
図7は、このようにして生成された第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5,第二注文情報42、逆指値注文情報43に基づいて行われる「トラップトレード」を含む注文を模式的に示す図である。なお、同図においては、対応する注文情報と注文とを、符号の下2桁と添え字とを同一にして表示している。たとえば、第一注文情報41
1に基づいて取引が行われる第一注文141
1、第一注文情報41
2に基づいて取引が行われる第一注文141
2、・・・のように表示している。なお、記載の簡略化のため、逆指値注文情報43に基づいて取引が行われるストップロス注文は同図に図示していない。同図に示す全ての第一注文141
1,141
2,・・・,141
5,第二注文142、及び同図に図示しないストップロス注文は、一の注文手続で生成された第一注文情報41
1,41
2,・・・41
5,第二注文情報42、逆指値注文情報43に基づいて取引が行われる。
【0122】
注文情報生成部16が第一注文情報411に含まれる有効/無効情報181Kを「無効」から「有効」に変換する処理を行うことで、第一注文1411が発注される。
【0123】
相場価格が第一注文1411の注文価格に至ると(即ち、相場価格が第一注文情報41に含まれる注文価格情報181Gに一致すると)、約定情報生成部14が第一注文情報411に含まれる約定有無情報181Mを「無」から「有」に変換する処理を行い、第一注文1411が約定する。
【0124】
他の注文、たとえば第一注文141
2においても同様に、注文情報生成部16と約定情報生成部14とが第一注文情報41
2(
図6参照)に処理を行うことにより、第一注文141
2の発注や、相場価格が変動して第一注文141
2の注文価格に一致したときの約定が行われる。
【0125】
[1-4.注文の修正]
この実施の形態においては、注文情報生成部16が第一注文情報411,412,・・・415,第二注文情報42、逆指値注文情報43を生成して取引が開始された後、所定の条件が満たされた場合に第一注文1411,1412,・・・,1415、第二注文142、ストップロス注文(図示せず)の少なくとも一部の注文価格や注文金額や値幅の各種の条件が修正されるように構成されてもよい。具体的には、特定の注文たとえば第一注文1411を取引するための特定の注文情報たとえば第一注文情報411の属性情報181A~181M等が修正されることで、その注文たとえば第一注文1411の内容が修正される。なお、修正の対象となる第一注文1411,1412,・・・,1415,第二注文142、ストップロス注文(図示せず)は、全てであってもよいしそのうち一部のみであってもよい。
【0126】
[2.取引の具体的態様(その1)]
図7は、全ての第一注文141
1,141
2,・・・141
5が約定したのちに第二注文142が発注される設定の取引を模式的に示すタイムチャートである。以下、同図に基づいて処理手順を説明する。
【0127】
相場価格の変動により、全ての第一注文1411,1412,・・・1415が約定する(時点t1)ことで、第二注文142が発注する(時点t2)。
【0128】
具体的には、価格情報受信管理部19が検出した相場価格が特定の第一注文、たとえば第一注文1411の第一注文情報411の注文価格情報181Gに一致すると、約定情報生成部14は第一注文情報411の約定有無情報181Mを「無」から「有」に変換する処理を行う。これにより、第一注文1411が約定したものとして扱われる。
【0129】
そして、価格情報受信管理部19が検出した相場価格が他の第一注文、たとえば第一注文1413,1413,1414,1415の注文価格情報181Gに順次一致すると、約定情報生成部14は第一注文情報412,413,414,415の約定有無情報181Mを順次「無」から「有」に変換する処理を行う。これにより、第一注文1412,1413,1414,1415が約定したものとして扱われる。
【0130】
そして、すべての1411,1412,・・・1415が約定すると、約定情報生成部14は、第二注文142の第二注文情報42の有効/無効情報181Kを「無効」から「有効」の状態に変換する処理を行う。これにより、第二注文142が発注されたものとして扱われる。
【0131】
そして、価格情報受信管理部19が検出した相場価格が他の第二注文情報42の注文価格情報181Gに一致すると、約定情報生成部14は第二注文情報42の約定有無情報181Mを「無」から「有」に変換する処理を行う。これにより、第二注文142が約定したものとして扱われる。
【0132】
[3.取引の具体的態様(その2)]
図8は、第一注文141
1,141
2,・・・141
5のうちの一部だけが約定したのちに第二注文142が発注される取引を模式的に示すタイムチャートである。以下、同図に基づいて処理手順を説明する。
【0133】
第一注文1411,1412,・・・1415の発注(時点t1)ののち、相場価格が1ドル106.50円程度から下落方向に変動した場合を考える。価格情報受信管理部19が検出した相場価格146が特定の第一注文、たとえば第一注文1411,1412,1413の第一注文情報411,412,413,の注文価格情報181Gに順次一致すると(時点t2,t3,t4)、約定情報生成部14は第一注文情報411,412,413の約定有無情報181Mを順次「無」から「有」に変換する処理を行う。これにより、第一注文1411,1412,1413が約定したものとして扱われる。
【0134】
そして、約定情報生成部14は第二注文142の第二注文情報42の有効/無効情報181Kを「無効」から「有効」の状態に変換する処理を行う。これにより、第二注文142が発注されたものとして扱われる。なお、この第二注文情報42の注文金額情報181Dは、約定した第一注文1411,1412,1413の注文金額情報181Dの「10000」の総和に等しい「30000」である。すなわち、第二注文142は、約定した第一注文1411,1412,1413の注文金額の総和に等しい3(万)通貨分が発注されたものとして扱われる。
【0135】
そして、価格情報受信管理部19が検出した相場価格146が他の第二注文情報42の注文価格情報181Gに一致すると、約定情報生成部14は第二注文情報42の約定有無情報181Mを「無」から「有」に変換する処理を行う。これにより、第二注文142が約定したものとして扱われる(時点t5)。
【0136】
なお、約定情報生成部14が第二注文情報42の約定有無情報181Mを「無」から「有」に変換する処理を行い、第二注文142が発注されたものとする契機としては、たとえば下記(場合1)(場合2)が考えられる。これらの契機は、約定情報生成部14や注文情報生成部16が価格情報受信管理部19の取得した相場情報を継続的に取得することで検出される。
【0137】
(場合1)
相場の傾向が変化した場合に第二注文142が発注するように設定されている場合が該当する。
【0138】
たとえば、相場が下落方向から上昇方向に変動した場合に第二注文142が発注するように設定されている場合がこれに該当する。
【0139】
具体的な処理態様例としては、たとえば、約定情報生成部14や注文情報生成部16が価格情報受信管理部19の取得した相場情報を継続的に取得する。そして、下落傾向の相場が一定期間内(たとえば1時間以内)に所定価格(たとえば0.2円)上昇したことが検出された場合、約定情報生成部14や注文情報生成部16は、相場が下落傾向から上昇傾向に変動したものとして扱うことが考えられる。
【0140】
あるいは、別の処理態様例としては、たとえば、価格情報受信管理部19が所定の時刻(たとえば毎時0分)の相場価格146を取得し、約定情報生成部14や注文情報生成部16が、この取得された相場価格146が下落傾向ののちに所定価格(たとえば0.2円)上昇したことを検出した場合、約定情報生成部14や注文情報生成部16は、相場が下落傾向から上昇傾向に変動したものとして扱うことが考えられる。
【0141】
そして、約定情報生成部14や注文情報生成部16は、第二注文142の第二注文情報42の注文金額情報181Dを、この検出の時点までに約定した第一注文1411,1412,1413の第一注文情報411,412,413の注文金額情報181Dの総和に対応する「30000」に設定する。そして、約定情報生成部14や注文情報生成部16は、第二注文情報42の有効/無効情報181Kを「無」から「有」に変換して、第二注文142が発注されたものとする処理を行うことが考えられる。
【0142】
なお、(場合1)の処理で第二注文情報42の注文金額情報181Dが「50000」から「30000」に修正される場合、新たな第二注文情報(図示せず)がさらに生成されることが望ましい。そして、この新たな第二注文情報(図示せず)は、注文金額情報181Dが「20000」に設定され、有効/無効情報181Kが「無効」に設定されていることが望ましい。この場合、第二注文142は、3(万)通貨分の発注分の第二注文142と、2(万)通貨分の未発注分の第二注文(図示せず)とに部分約定したものとして扱われる。
【0143】
なお、(場合1)は、相場が上昇方向から下落方向に変動したことが検出された場合に、約定情報生成部14や注文情報生成部16が、第一注文情報411,412,413や第二注文情報42に対して同様の処理を行うことで行われてもよい。
【0144】
(場合2)
第一注文1411,1412,・・・1415のうちの所定の数、たとえば3つが約定したら、第二注文142が発注されるように設定されている場合が該当する。たとえば、約定情報生成部14や注文情報生成部16が価格情報受信管理部19の取得した相場情報を継続的に取得する。そして、相場価格146が、3つの第一注文1411,1412,1413の第一注文情報411,412,413の注文価格情報181Gに一致して、それぞれの約定有無情報181Mが「無」から「有」に変換された場合、約定情報生成部14や注文情報生成部16は、第二注文情報42の有効/無効情報181Kを「無」から「有」に変換して、第二注文142が発注されたものとする処理を行う。
【0145】
なお、第一注文1411,1412,・・・1415のうちの所定の数はいくつでもよい。また、第一注文1411,1412,・・・1415のうちの特定の注文、例えば第一注文1411,1412,1413が約定したら第二注文142が発注されたものとする処理を行ってもよいし、第一注文1411,1412,・・・1415のうちの、任意の最初の3つの第一注文1411,1412,1413が約定したら第二注文142が発注されたものとする処理を行ってもよい。
【0146】
以上の(場合1)(場合2)は、複合的に用いられるように設定されてもよい。
【0147】
以上示した処理により、第一注文1411,1412,・・・1415と第二注文142とが発注・約定されることで、取引者は金融商品の取引による利益を得ることができる。
【0148】
[作用効果]
以上、この実施の形態においては、設定基準価格143に対する所定の演算により対応注文価格145を設定することにより、設定基準価格143を用いて、対応注文の対応注文価格145が設定される。そのため、演算を適切に行わせることで、対応注文価格145を適切に設定し、相場価格146の変動に対応して第一注文1411,1412,・・・,1415と第二注文142とによる取引が適切に行われることができる。これにより、金融商品の、第一注文1411,1412,・・・1415に対応付けられた第二注文142の価格を簡易かつ適切に設定することが容易で、取引者の取引リスクを軽減して、利益確保の機会の逸失を防ぎ利益獲得を確実に行わせる金融商品取引管理装置1、金融商品取引管理システム1Aを提供できる。
【0149】
この実施の形態においては、設定基準価格143に対し、所定の演算によって算出した値を加えた価格を対応注文価格145として設定することにより、設定基準価格143に対する簡易な演算によって対応注文価格145を算出できる。これにより、システムを簡素化しつつ、取引者の取引リスクを軽減して利益獲得を確実に行わせる注文価格の設定を容易に行うシステム構成を容易に実現できる。
【0150】
この実施の形態においては、複数の第一注文価格の平均値の価格を設定基準価格143とすることにより、第一注文1411,1412,・・・,1415が複数存在する場合において、複数の第一注文1411,1412,・・・,1415の注文価格を元に、簡易な演算によって対応注文価格145を算出できる。これにより、システムを簡素化しつつ、取引者の取引リスクを軽減して利益獲得を確実に行わせる注文価格の設定を容易に行うシステム構成を容易に実現できる。
【0151】
この実施の形態においては、第一注文1411,1412,・・・,1415や第二注文142による取引が行われる前に対応注文価格145を設定できる。これにより、第一注文1411,1412,・・・,1415や第二注文142による取引を行う前に、取引者の取引リスクを軽減して利益獲得を確実に行わせる注文価格の設定を容易に行うことが可能となる。
【0152】
この実施の形態においては、第一注文1411,1412,・・・,1415や第二注文142による取引が開始された後に対応注文価格145を設定させることができる。これにより、第一注文1411,1412,・・・,1415や第二注文142による取引が開始された後に、取引の状況等を反映させて、取引者の取引リスクを軽減して利益獲得を確実に行わせる注文価格の設定を容易に行うことが可能となる。
【0153】
この実施の形態においては、第一注文1411,1412,・・・,1415や、設定基準価格143に基づいて対応注文価格145が設定された第二注文142や、ストップロス注文(図示せず)を、第一注文情報411,412,・・・,415や、第二注文情報42や、逆指値注文情報43に基づいて約定させ処理を行うことができる。これにより、取引者の取引リスクを軽減して利益獲得を確実に行わせるための注文の約定を、システムを用いた取引において確実に実現できる。
【0154】
[この実施の形態の変形例]
以下、この実施の形態の変形例としての[第1の変形例]~[第7の変形例]について説明する。いずれの変形例も、上述の実施の形態と同様に、注文情報生成部16や約定情報生成部14の処理によって実現される。即ち、注文情報生成部16や約定情報生成部14の処理により、第一注文情報411,1412,・・・1415、第二注文情報42、逆指値注文情報43等の生成や処理が行われることにより、第一注文1411,1412,・・・1415が、第二注文142、ストップロス注文(図示せず)の発注や約定が行われることで実現される。
【0155】
[第1の変形例]
図9は、この実施の形態の第1の変形例である。この第1の変形例においては、第一注文141
1,141
2,・・・141
5が複数の売り注文、第二注文142が買い注文として設定されている。設定基準価格143は、第一注文141
1,141
2,・・・141
5の注文価格の平均値である1ドル=105.50円として設定され、設定基準価格143に差額144としての2.50円を減算(-2.50円を加算)した、1ドル=102.50円を対応注文価格145として設定する。全ての第一注文141
1,141
2,・・・141
5が約定すると(時点t1)、第二注文142が発注する(時点t2)。
【0156】
[第2の変形例]
図10は、この実施の形態の第2の変形例である。この第2の変形例においては、第一注文141
1,141
2,・・・141
5が複数の売り注文、第二注文142が買い注文として設定されている。設定基準価格143は、第一注文141
5,141
4,141
3の注文価格の平均値である1ドル=104.50円として設定され、設定基準価格143に差額144としての2.50円を減算(-2.50円を加算)した、1ドル=101.50円を対応注文価格145として設定する。この第2の変形例においては、第一注文141
5,141
4,・・・141
5が発注され(時点t1)相場価格146の上昇に伴って第一注文141
5,141
4,141
3が順次約定し(時点t2,t3,t4)、相場が上昇傾向から下落傾向に変化したことを検出すると、約定した第一注文141
5,141
4,141
3の平均値として設定基準価格143を設定し、さらに設定基準価格143に差額144を減算して対応注文価格145を設定し、第二注文情報42を生成して第二注文142を発注させる(時点t5)。
【0157】
[第3の変形例]
図11は、この実施の形態の第3の変形例である。この第3の変形例においては、第一注文141が売り注文、第二注文142
1,142
2,・・・142
5が複数の買い注文として設定されている。この第3の変形例においては、
図5に示す注文入力画面410において、売買選択ボタン41c、トラップ基準価格入力欄41d、注文金額入力欄41e、トラップ本数入力ボタン41f、値幅入力欄41gは第二注文142
1,142
2,・・・142
5の取引を行う複数の第二注文情報(図示せず)を設定するための情報を入力させるための構成として設定される。
【0158】
第3の変形例において、第一注文141が約定すると(時点t1)、第二注文1421,1422,・・・1425が発注される(時点t2)。なお、第一注文141が買い注文、第二注文1421,1422,・・・1425が複数の売り注文として設定されていてもよい。
【0159】
[第4の変形例]
図12乃至
図14は、この実施の形態の第4の変形例である。この第4の変形例においては、複数の注文価格に設定された第一注文や複数の注文価格に設定された第二注文による複数のイフダン注文が繰り返される注文形態(以下「トラップリピートイフダン注文」と称する)を含む取引が行われる。これは例えば、取引者が、
図5に示す注文入力画面410において、リピート選択ボタン41mをクリックした場合に「トラップリピートイフダン注文」が実行されるように、金融商品取引管理装置1が設定されていることが考えられる。
【0160】
図12及び
図13は、第4の変形例において生成された「トラップリピートイフダン」を含む注文情報を模式的に示した図である。
図14は、第4の変形例において生成された注文情報に基づいて行われる取引を模式的に示す図である。
【0161】
図12及び
図13の注文情報の符号及び下付き文字と、
図14の注文の符号の下2桁及び下付き文字は対応した状態に示されている。即ち、たとえば
図12及び
図13における第一注文情報41
11を用いた処理により、
図14における第一注文141
11の発注や約定が行われ、またたとえば
図12及び
図13における第二注文情報42
1を用いた処理により、
図14における第二注文142
1の発注や約定の処理が行われる。
【0162】
また、
図12及び
図13に示す第一注文情報の添字の十の位の数は、同一の数字のものが同じタイミングで発注される第一注文であることを示している。たとえば、第一注文情報41
11,41
12,・・・41
15は、すべて同じタイミングで発注される第一注文(
図14における、時点t1で発注される第一注文141
11,141
12,・・・141
15)の取引を行うための情報であることを示している。
【0163】
また、
図12及び
図13に示す第一注文情報の添字の一の位の数は、同一の数字のものが同じ注文価格の第一注文であることを示している。たとえば、第一注文情報41
11,41
21,41
31は、すべて同じ注文価格(1ドル=106.00円)の第一注文の取引を行うための情報であることを示している。
【0164】
また、
図12及び
図13においては、一組のイフダン注文を行うための注文情報のまとまりを、注文情報群として構成している。たとえば、第一注文情報41
11,41
12,・・・41
15、第二注文情報42
11、逆指値注文情報43
11は注文情報群51
1を構成し、第一注文情報41
21,41
22,・・・41
25、第二注文情報42
21、逆指値注文情報43
21は注文情報群51
3を構成し、・・・というように、複数の注文情報群51
1,51
2,51
3、・・・が構成されている。なお、金融商品取引管理装置1のシステム構成やデータベース18のデータ構造上、処理単位に依存したデータの記録や管理を行う必要がなければ、注文情報群51
1,51
2,51
3、・・・を設けなくてもよい。
【0165】
図14は、
図12及び
図13に示す第一注文情報41
11,41
12,・・・41
15、第二注文情報42
11、逆指値注文情報43
11・・・に基づいて行われる金融商品の取引を模式的に示すタイムチャートである。同図に示すとおり、この[第4の変形例]においては、第一注文141
11,141
12,・・・141
15が複数の買い注文、第二注文142
11が売り注文として設定されている。第一注文141
11,141
12,・・・141
15が発注・約定されると(時点t1)、第二注文142
11が発注される(時点t2)。第二注文142
11が約定されると、新たな第一注文141
21,141
22,・・・141
25が発注される(時点t3)。新たな第一注文141
21,141
22,・・・141
25が約定すると、新たな第二注文142
22が発注される(時点t4)。新たな第二注文142
22が約定されると、さらに新しい第一注文141
3,141
32,・・・141
35が発注され(時点t5)、それらの約定によりさらに新しい第二注文142
3が発注される(時点t6)。この第4の変形例4では、このような複数の第一注文の発注・約定と第二注文の発注・約定とが繰り返される。
【0166】
なお、第4の変形例においては、第一注文発注・約定と第二注文の発注・約定とが繰り返されるときに、第一注文や第二注文142の注文価格や注文金額、ストップロス注文(図示せず)の注文価格や注文金額、成行注文や指値注文や逆指値注文という注文の種類、等が変化してもよい。
【0167】
また、第4の変形例においては、第一注文の発注・約定と第二注文の発注・約定が繰り返されるときに、相場の上昇(又は相場の下落)にともない、特定の第一注文、たとえば最も安値側の第一注文14115(又は最も高値側の第一注文14111)が消滅し、かわりに、相場の変動方向側である最も高値側の第一注文14111よりも高値側(又は相場の変動方向側である最も安値側の第一注文14115よりも安値側)に新たな第一注文(図示せず)が設定されるような構成であってもよい。
【0168】
[第5の変形例]
図15、
図16は、この実施の形態の第5の変形例である。
【0169】
図15は、第5の変形例を設定するための注文入力画面411を模式的に示す図である。同図の注文入力画面411は、
図4に示す注文入力画面410のトラップ基準価格入力欄41dに替えて、上限価格入力欄41pと下限価格入力欄41qが存在するが、それ以外は注文入力画面410と同じ構成である。
【0170】
図15においては、注文種類選択欄41aにおいて、上限価格と下限価格との間の価格帯に複数の第一注文や複数の第二注文を設定する注文形態である「らくトラ」を含む取引が選択された状態が示されている。この注文入力画面411を用いて生成された注文情報は、金融商品取引管理装置1に送信される。
【0171】
金融商品取引管理装置1の注文情報生成部16は、上限価格入力欄41pに入力された数値(上限値)下限価格入力欄41qに入力された数値(下限値)との間の価格帯の数値(4.00円)に、トラップ本数入力欄に入力された数値から1を引いた値(4)で割った値を値幅(4.00÷4=1.00円)とし、上限価格入力欄41pに入力された数値(1ドル=106.00円)を基準とし、算出した値幅の値(1.00円)ごとの注文価格に(あるいは、下限価格入力欄41qに入力された数値(1ドル=102.00円)を基準とし、算出した値幅の値(1.00円)ごとの注文価格に)第一注文14111,14112,14113,14114,14115を設定するための第一注文情報4111,4112,4113,4114,4115・・・を設定する。
【0172】
また、注文情報生成部16は、上述の実施の形態と同様の手順により第二注文情報42
11,42
21,・・・逆指値注文情報43
11,43
21,・・・も生成する。これにより、生成された注文情報は、
図13に模式的に示すそれぞれの注文情報と同様の構成となる。
【0173】
図16は、
図15の注文入力画面411で設定された第一注文141
11,141
12,・・・141
15,141
21,141
22,・・・141
25,141
31,141
32,・・・141
35,と第二注文142
11,142
21,141
31・・・とによる取引を模式的に示すタイムチャートである。同図に示すとおり、上限価格147と下限価格148との間に第一注文141
11,141
12,・・・141
15,141
21,141
22,・・・141
25,141
31,141
32,・・・141
35・・・が設定される。これにより、「らくトラ」を含む取引が実現される。具体的には、上限価格147と下限価格148との間に、上述の[トラップトレード]を含む取引を行うための注文や、[第4の変形例]で示す「トラップリピートイフダン」を含む取引を行うための注文が設定されることとなる。
【0174】
なお、この[第5の変形例]では、「らくトラ」を含む取引として、上限価格147と下限価格148との間に第一注文14111,14112,・・・14115,14121,14122,・・・14125,14131,14132,・・・14135・・・と第二注文14211,14221,14131・・・とが設定される構成であってもよい。また、「らくトラ」を含む取引として設定されるものが、上限価格147のみに第一注文14111,14121,14131,・・・が一致する構成や、下限価格148のみに第一注文14115,14125,14135,・・・が一致する構成であったり、上限価格147、下限価格148のどちらにも、第一注文14111,14112,・・・14115,14121,14122,・・・14125,14131,14132,・・・14135・・・のいずれも一致しない構成であったりしてもよい。
【0175】
また、[第5の変形例]の取引の態様は[第4の変形例]と同様で、第一注文14111,14112,・・・14115の発注・約定と第二注文14211の発注・約定、第一注文14121,14122,・・・14125の発注・約定と第二注文14221の発注・約定、・・・が繰り返される(時点t1~時点t6)。
【0176】
なお、第一注文の発注・約定と第二注文の発注・約定が繰り返されるときに、第一注文14111,14112,・・・14115、第一注文14121,14122,・・・14125、・・・の少なくとも一部や第二注文14211,14221,・・・やストップロス注文(図示せず)の注文価格や注文金額、成行注文と指値注文と逆指値注文という注文の種類等が変化してもよい。また、第一注文の発注・約定と第二注文の発注・約定が繰り返されるときに、相場の上昇(又は相場の下落)にともない、特定の第一注文、たとえば最も安値側の第一注文14115(又は最も高値側の第一注文14111)が消滅し、かわりに、相場の変動方向側である最も高値側の第一注文14111よりも高値側(又は相場の変動方向側である最も安値側の第一注文14115よりも安値側)に新たな第一注文(図示せず)が設定されるような構成であってもよい。
【0177】
[第6の変形例]
上記の発明の実施の形態や上記[第1の変形例]~[第5の変形例]の一部又は全部の注文に、トレールが設定され、相場の変動に追従して注文価格が上昇又は下落するように構成されていてよい。
【0178】
たとえば、上記の発明の実施の形態において、第一注文1411,1412,・・・1415のそれぞれにトレールが設定され、相場の下落に追従して(例えば相場価格146よりも特定価格(たとえば0.1円)上方の価格に注文価格が再設定されるように)発注後の第一注文1411,1412,・・・1415のうちの一部又は全部の注文価格が下落し、相場価格146が下落から上昇に変動して相場価格146と注文価格が一致すると約定するように構成されていてもよい。
【0179】
また、第二注文142やストップロス注文(図示せず)にトレールが設定され、相場の上昇に追従して(例えば相場価格146よりも特定価格(たとえば0.1円)上方の価格に注文価格が再設定されるように)発注後の第二注文142やストップロス注文(図示せず)の注文価格が上昇し、相場価格146が上昇から下落に変動して相場価格146と注文価格が一致すると約定するように構成されていてもよい。
【0180】
この[第6の変形例]を実現する際は、第一注文情報411,412,・・・415や第二注文情報42や逆指値注文情報43に、属性情報として、トレールを実現させるための情報(たとえば相場価格146と注文価格の幅の情報であるトレール幅情報や、トレールが行われる相場の変動幅の情報である変動幅情報など)が設定されていることが望ましい。
【0181】
[第7の変形例]
上記の[第1の変形例]~[第6の変形例]のうちの一つ又は複数は、上述の[発明の実施の形態]の構成と組み合わされていたり、または、[第1の変形例]~[第6の変形例]のうちの幾つかが組み合わされた構成となっていたりしてもよい。例えば、[第1の変形例]~[第3の変形例]の少なくとも何れか一つに示された第一注文と第二注文が、[第4の変形例]や[第5の変形例]の構成によって、発注と約定が繰り返し行われるように構成されていてもよい。
【0182】
なお、上記実施の形態の金融商品取引管理システム1Aは、金融商品として外国為替を取扱うものとしたが、これに限定されず、他の金融商品、例えば株式、債券を取扱う場合においても本発明を適用できる。また、上記実施の形態の金融商品取引管理システム1Aは、他の法律上の金融商品や、法律上の金融商品以外であって変動相場にて取引がされるもの、例えば、仮想通貨(暗号資産)、貴金属や農産物や原油等の先物取引等を取り扱う場合においても本発明を適用できる。
【0183】
上記実施の形態は本発明の例示であり、本発明が上記実施の形態のみに限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0184】
1A・・・金融商品取引管理システム
1・・・金融商品取引管理装置
14・・・約定情報生成部(約定情報生成手段)
16・・・注文情報生成部(注文情報生成手段、注文価格設定手段)
19・・・価格情報受信管理部(相場情報取得手段)
41,411,412,・・・415,4111,4112,・・・4115,4121,4122,・・・4125,4131,4132,・・・4135・・・第一注文情報
42,4211,4221,4231・・・第二注文情報
141,1411,1412,・・・1415,14111,14112,・・・14115,14121,14122,・・・14125,14131,14132,・・・14135・・・第一注文
142,1421,1422,・・・1425・・・第二注文
143・・・設定基準価格
145・・・対応注文価格
146・・・相場価格