(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】扇風機首振り角度調整装置及びそれを応用する扇風機
(51)【国際特許分類】
F04D 25/10 20060101AFI20241113BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20241113BHJP
F16H 1/28 20060101ALI20241113BHJP
F16D 41/12 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
F04D25/10 302C
H02K7/116
F16H1/28
F16D41/12 C
(21)【出願番号】P 2023548988
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2021100245
(87)【国際公開番号】W WO2022088691
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】202011155032.0
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523154150
【氏名又は名称】蒋 亮健
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】蒋 亮健
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109139520(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1450270(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111255721(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/10
H02K 7/116
F16H 1/28
F16D 41/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、プラスチック製ギアボックス筐体と、ウォーム-ウォームホイール-ウォームホイール軸ピニオン-ラージギアの動力伝達機構を備え、
前記ウォームホイール軸ピニオンと
前記ラージギアとの間に軸受スリーブ位置決め板が設けられ、
コア軸と中空軸の下端には、太陽歯車、遊星歯車クランク、遊星キャリア及び遊星軸からなる遊星歯車系クランク機構が設けられ、
前記コア軸の上端には、ラチェット爪ホルダ、ラチェット爪及びバイアススプリングが設けられ、
前記ラチェット爪ホルダの上方には、制御ラチェットホイールからなるクラッチ-ブレーキ制御機構が設けられ、
前記プラスチック製ギアボックス筐体には、磁気吸引ブレーキ装置が設けられ、
前記磁気吸引ブレーキ装置は、第一導線を介して角度調整制御チップの出力端に接続され、
前記モータの回転子に永久磁石が設けられ、
前記永久磁石に対応するギャップには、回転子位置センシング信号取得装置が設けられ、
前記回転子位置センシング信号取得装置は、第二導線を介して
前記角度調整制御チップの入力端に接続されており、
前記遊星キャリアの下端面に円弧補強スリーブが一体的に形成され、
前記円弧補強スリーブの一端の円弧面は、遊星歯車の歯先円面の非噛合部分に摺動嵌合し、
前記円弧補強スリーブの他端と
前記太陽歯車の歯先円とは、退避スペースを有する、
ことを特徴とする扇風機首振り角度調整装置。
【請求項2】
前記遊星軸は、リベットであり、
前記遊星歯車クランクは、遊星歯車軸孔の下端面に座ぐりが形成され、
当該座ぐりの径は、リベットヘッドの径よりも大きく、かつ
前記座ぐりの内凹深さは、
前記リベットヘッドの厚よりも大きく、
前記遊星キャリアに形成された遊星軸孔の径は、当該リベットの本体の径よりも小さく、
当該リベット
の本体は、遊星歯車座ぐりと
前記遊星歯車軸孔を摺動嵌合方式で経た後、締りばめで
前記遊星キャリアの
前記遊星軸孔に圧入して締結し、
締結後、当該リベットヘッドの重ね合わせ端面は、
前記遊星歯車座ぐりの孔底端面と摺動嵌合する、
ことを特徴とする請求項1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【請求項3】
前記プラスチック製ギアボックス筐体の第一底部は、
前記ウォームホイールの歯先円の外側に対応する位置に第1の逆係止フックと第2の逆係止フックが形成され、
前記軸受スリーブ位置決め板は、
前記ウォームホイールの歯先円の外側に対応する位置に第1の係止口と第2の係止口が形成され、
前記軸受スリーブ位置決め板の係止口は、当該プラスチック製ギアボックス筐体の
前記第一底部の
前記第1の逆係止フック
と前記第2の逆係止フックに圧入され、逆係止フック-係止口方式で締結される、
ことを特徴とする請求項1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【請求項4】
前記ラージギアの上端面には、同心して、
前記ラージギアの歯先円よりも小さい歯先円のラチェットホイールが一体に形成され、
当該ラチェットホイールのラチェット歯の形状は、圧力角が30度より大きい非インボリュート歯形であり、
これらのラチェット歯の横断面形状は、三角形、台形、矩形又は他の加工に便利な非インボリュート形状であり、
前記ラチェット爪は、
前記ラチェットホイールの
前記非インボリュート歯形のラチェット歯に圧着され、ラチェットホイール-ラチェット爪型クラッチ装置を構成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【請求項5】
前記プラスチック製ギアボックス筐体は、
前記ウォーム-ウォームホイール-ウォームホイール軸ピニオン-ラージギアの動力伝達機構のウォーム中心線に対する他側の底部に縦方向開口溝が形成され、
前記磁気吸引ブレーキ装置の底部に縦取付板が形成され、
当該磁気吸引ブレーキ装置の
前記縦取付板は、
前記プラスチック製ギアボックス筐体の
前記縦方向開口溝に挿入されて密着している、
ことを特徴とする請求項1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【請求項6】
前記縦方向開口溝の側壁に逆係止ブロックが形成され、
前記縦取付板に貫通孔が形成され、
前記縦取付板の
前記貫通孔は、
前記縦方向開口溝内に挿入されて、逆係止ブロック-貫通孔方式で当該逆係止ブロックに係合接触する、
ことを特徴とする請求項5に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【請求項7】
前記貫通孔は、円形の貫通孔であり、
前記逆係止ブロックは、円形の逆係止ブロックであり、
前記円形の逆係止ブロックの下端には、前記縦方向開口溝の底部端面外に延出する延長板が形成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【請求項8】
前記プラスチック製ギアボックス筐体は、隣接する
前記磁気吸引ブレーキ装置の引き出し線に対応する位置に
ピン-逆係止フックが形成され、
前記磁気吸引ブレーキ装置の
前記引き出し線は、1枚の磁気吸引中継回路板に接続され、回路板上の磁気吸引中継ソケットに接続され、
当該磁気吸引中継回路板に第4の係止口と第5の係止口が形成され、
前記磁気吸引中継回路板の
前記第4の係止口と
前記第5の係止口は、
前記プラスチック製ギアボックス筐体の
ピン-逆係止フック内に圧入され、逆係止フック-係止口方式で締結し、
前記第一導線は、磁気吸引中継プラグを装着し、
前記磁気吸引中継プラグは、中継差込方式で前記磁気吸引中継ソケットに接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【請求項9】
当該モータが交流モータであり、
前記交流モータの回転子のハウジング外に延出した回転子軸本体には、軸方向に沿って平面状の切り欠きが形成され、
前記永久磁石は、磁性シートであり、
当該ハウジング外に延出した
前記回転子軸本体と
前記磁性シートの間にプラスチックカラーが配置され、
前記プラスチックカラーの外壁に磁気枠が形成され、
前記磁気枠の入口に第3の逆係止フックが形成され、
前記磁性シートは、
前記磁気枠の入口から
前記第3の逆係止フックを圧迫して
前記磁気枠内に挿入され、当該第3の逆係止フックと締結されることで、磁性シート-プラスチックカラーアセンブリを構成し、
当該プラスチックカラーの内壁には少なくとも2本以上の円弧形突条が形成され、
前記円弧形突条の円弧面は、
前記ハウジング外に延出した前記回転子軸本体に滑り込み嵌合接触し、
前記プラスチックカラーの壁体に軸方向に沿って横係止式係止フック突起が形成され、
前記横係止式係止フック突起は、
前記プラスチックカラーに従って前記回転子軸本体の
前記平面状の切り欠きに滑り込み、横係止で固定される、
ことを特徴とする請求項8に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【請求項10】
前記回転子位置センシング信号取得装置は、ホールセンサであり、
前記ホールセンサは、電気信号中継回路板に装着され、
前記電気信号中継回路板に固着する電気信号中継ソケットに接続され、
前記電気信号中継回路板の側辺に第3の係止口が形成され、
前記プラスチック製ギアボックス筐体内には、縦係止板溝、係止板条及びバッフル板の逆係止フックが形成され、
前記電気信号中継回路板と
前記第3の係止口は、上から下へ当該プラスチック製ギアボックス筐体の
前記縦係止板溝、係止板条及びバッフル板の逆係止フック内に挿入され、逆係止フック-係止口の差込式の固定となり、
差込式の固定後の
前記電気信号中継回路板上の
前記ホールセンサの
前記プラスチック製ギアボックス筐体内の位置は、
前記交流モータの
前記ハウジング外に延出した
前記回転子軸本体の切り欠きに固着された
前記磁性シート-プラスチックカラーアセンブリの
前記磁性シートの位置の半径方向隙間に対応し、
前記第二導線は、電気信号中継プラグを装着し、
前記電気信号中継プラグは、中継差込方式で前記電気信号中継ソケットに接続されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【請求項11】
前記プラスチック製ギアボックス筐体には、カバープレートが配置され、
前記カバープレートは、前記磁気吸引中継ソケットと前記電気信号中継ソケットの対応位置に第1の開口と第2の開口が設けられ、
前記カバープレートは、
前記プラスチック製ギアボックス筐体内の部材を全カバーし、
前記プラスチック製ギアボックス筐体と締結している、
ことを特徴とする請求項10に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【請求項12】
前記モータは、直流永久磁石ブラシレスモータであり、
前記永久磁石は、直流永久磁石ブラシレスモータ回転子自体既有の永久磁石であり、
前記回転子位置センシング信号取得装置は、
前記直流永久磁石ブラシレスモータ自体既有のホールセンサ又は既有の位置センサレス技術装置であり、
当該ホールセンサの既有の電気信号導線又は当該位置センサレス技術装置の既有の電気信号導線は、前記第二導線を介して前記角度調整制御チップの入力端に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の扇風機首振り角度調整装置を含むことを特徴とする扇風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扇風機の技術分野に属し、特に扇風機首振り角度調整装置及びそれを応用する扇風機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(中国特許出願番号201710491195.8)には、遊星歯車系クランク運動を操作することに基づいて、扇風機の首振り角度の範囲の大きさを変更する扇風機首振り角度調整装置が開示されている。この装置は、モータ(交流モータ又は直流モータ)、プラスチック製ギアボックス筐体、ウォーム-ウォームホイール-ウォームホイール軸ピニオン-ラージギアの動力伝達機構を含む。ウォームホイール軸ピニオンとラージギアの間に軸受スリーブ位置決め板が配置され、コア軸と中空軸の下端に太陽歯車、遊星歯車クランク、遊星キャリア及び遊星軸からなる遊星歯車系クランク機構が設置され、中空軸とコア軸の上端にラージギア-ラチェット爪型クラッチ装置が設けられ、ラチェット爪ホルダの上方に制御ラチェットホイールが設けられ、ラチェット爪に形成された小円柱は、制御ラチェットホイール内の通過孔を通してクラッチ-ブレーキ制御機構を形成する。プラスチック製ギアボックス筐体の側壁の上に磁気吸引ブレーキ装置が設置され、磁気吸引ブレーキ装置は、導線を通じて角度調整制御チップの出力端に接続され、電気制御式扇風機首振り角度調整装置を構成する。モータ(交流モータ又は直流モータ)の回転子に永久磁石を配置し、永久磁石の対応する間隙に回転子位置センシング信号取得装置を配置し、回転子位置センシング信号取得装置は、導線を介して角度調整制御チップの入力端に接続し、非接触式電気信号サンプリング装置を構成する。角度調整過程において、この電気信号サンプリング装置は、遊星歯車のクランクが長くなる回転動作軌跡に対応するサンプリング電気信号データをリアルタイムにサンプリングし、角度調整制御チップコンパレータに伝達し、差分演算を経て指令を出し、磁気吸引ブレーキ装置のブレーキシートによって制御ラチェットホイールにブレーキをかけ、クラッチ装置の結合と分離を操作し、遊星歯車クランク回転を駆動して相応の変化を作り出し、それによって扇風機の首振り角度も相応の調節を行い、そこで、角度調整が便利な閉ループ電気制御式扇風機首振り角度調整装置を構成し、サンプリング電気信号が安定し、解像度が高く、サンプリング装置の動作寿命が長いという特徴を持っている。しかし、この扇風機首振り角度調整装置は、実施応用と生産において、依然として以下の不足が存在している。
【0003】
1.この従来技術における遊星歯車系クランク機構は、単端カンチレバー構造であり、太陽車輪による遊星歯車クランクの軸心外引張力及び扇風機首振り機構リンクによる遊星歯車クランクの遠端カンチレバーへの押圧力の連合力を受け、遊星歯車クランクと太陽車輪の噛合安定性に深刻な影響を与え、運転中に両者の間にはずれ、鼓動、摩耗、騒音が発生し、出荷時の閉塞試験又は使用中に外力遮断衝撃に遭遇すると、遊星歯車クランクと太陽歯車がずれ、遊星歯車クランクと原組立の基準原点のオフセットやずれが生じ、それによって揺動角制御システムのずれや乱れが生じ、角度調整が失敗する。
【0004】
遊星歯車クランクと太陽歯車との噛合過程にずれが生じるのを防止するために、特許文献2(中国特許出願番号02115054.0)の明細書には、このような遊星歯車系の揺動角調整補強装置が開示されている。その特徴は、「遊星歯車系補強キャリアの下段壁内に、遊星歯車と太陽歯車の歯先円面の非噛合部分に沿って円弧補強スリーブが形成され、円弧補強スリーブの両端円弧の中心距離は、遊星歯車と太陽歯車の噛合中心距離に等しく、円弧補強スリーブの円弧面は、遊星歯車と太陽歯車に対応する歯先円面と動的嵌合状態を呈している」(説明書第4ページの第2行~第6行参照)ことである。この円弧補強スリーブを追加した後、遊星歯車クランクと太陽歯車との噛合安定性は向上したが、この新たに設置された「遊星歯車と太陽歯車の歯先円面の非噛合部分に沿って形成された円弧補強スリーブ」は、構造的には内限式の緊締構造であり、運転中に、太陽歯車の遊星歯車クランクに対する軸心外引張力及び扇風機首振り機構リンクの遊星歯車クランクの遠端カンチレバーに対する押圧力の連合力は、この円弧補強スリーブの両端の円弧面による内限式制限に制約されて解放されず、遊星歯車と太陽歯車の歯が円弧補強スリーブの内壁円弧面に極めて大きな押圧力と歯先圧を発生させ、「円弧補強スリーブの両端円弧の中心距離が遊星歯車と太陽歯車の噛合中心距離に等しい」ため、3者の間に隙間変位がなく、遊星歯車と太陽歯車の歯車歯が互いに超荷重押出型の摩擦を生じさせ、それによって遊星歯車系クランク機構の運転効率と使用寿命に影響を与える。そして、角度調整過程においてクラッチ装置が開く後、制御ラチェットホイールがコア軸の下方の太陽歯車にブレーキをかけ、遊星歯車系クランク機構の3部材の運転を、コア軸の太陽歯車がロックされ、モータ動力が中空軸を介して入力され、遊星キャリアが周回し、遊星歯車クランクが回転(公転と自転)して出力されるような伝動状態にする。このとき、遊星歯車と太陽歯車の歯車円の両端には、従来の遊星歯車系機構の3つの部材の1つである可動歯車輪ではなく、固定不動の円弧補強スリーブが追加されるため、遊星歯車と太陽歯車の歯先に摩耗ブレーキ効果が発生し、モータから中空軸を介して入力する動力を著しく増大させて消耗し、更に遊星歯車系クランク機構の3つの部材間のブレーキ性衝突と押出損傷をもたらす。また、この方案は、「遊星歯車の下段に軸受と嵌合可能な位置決め軸があり、遊星歯車系補強キャリアの下に軸受固定板があり、固定板は、位置決め軸の同心位置に位置決め軸受があり、位置決め軸は、位置決め軸受内に同心に嵌合し」、及び2本のねじ(説明書と図面を参照)があり、構造が複雑で、部品が多く、組み立てが難しく、コストが高い欠点がある。
【0005】
従来技術の遊星歯車系クランク機構に存在する上記欠点は、改善される必要があることは明らかである。
【0006】
2.従来技術におけるラージギア-ラチェット爪型クラッチ装置について、ラージギアは、動力伝達機構の中で噛合式動力伝達部材を担うため、歯形がインボリュート歯形でなければならず、ラージギアの外側に別のラチェット爪がバイアススプリングでインボリュート歯形の歯に圧着される場合、ラージギア-ラチェット爪型クラッチ装置を兼ねて構成する。このインボリュート歯形は、クラッチ装置の中で受ける荷重が小さいという構造的欠点が存在する。扇風機の使用中に荷重が少し大きいか、又は少し遮断されると、ラージギアとラチェット爪は、荷重が小さくなりスリップ・ずれ現象を発生し、遊星歯車クランクにもオフセットやずれが発生し、それによって角度調整の制御が機能しなくなる。
【0007】
3.従来技術におけるウォーム-ウォームホイール-ウォームホイール軸ピニオン-ラージギアの動力伝達機構は、ウォームホイール軸ピニオンとラージギアの間に軸受スリーブ位置決め板が設置され、この軸受スリーブ位置決め板がねじ打ち方式によりプラスチック製ギアボックス筐体のねじ柱に固着され、スリップしない動力伝達機構を構成し、現在、扇風機首振りギアボックスに最も広く応用されている生産技術である。しかし、このねじ打ち技術には、ねじだけでなく、生産者が片手で電動ドライバを握り、もう一方の手で軸受スリーブ位置決め板を置き、ねじを拾い、ねじを置き、ねじの位置合わせをしてねじ柱にねじを打ち込んでこそ、取り付けを完了することができる。油断したらねじが床に落ちたりギアボックス筐体内に落ちたりし、拾ってやり直さなければならない。しかも、たまにねじをギアボックス筐体の完成品内に忘れることがあり、出荷後、扇風機の総取り付け時に品質事故の恐れを起こす可能性がある。このようなねじを必要とし、時間がかかる軸受スリーブ位置決め板のねじ打ち技術と関連構造は、最適化する必要がある。
【0008】
4.従来技術における磁気吸引ブレーキ装置は、ねじ打ち方式によってギアボックス筐体の側壁に固着される。このねじ打ち方式は、取り付けが信頼でき、修理交換が便利である特徴がある。しかし、磁気吸引ブレーキ装置をギアボックス筐体の側壁に取り付けた体積空間は、従来のギアボックス筐体の通常の体積空間を大幅に超え、磁気吸引ブレーキ装置の上方にカバープレートによる保護を加えることが難しく、扇風機の安全規定の要求を満たしていない。一方、磁気吸引ブレーキ装置のねじ打ち方式によるギアボックス筐体への固着という生産技術は、ねじがかかり、手間がかかり、ギアボックスの空間を占める生産技術であり、最適化と改善が必要である。
【0009】
5.従来技術におけるギアボックス製品は、体積が大きすぎ、ハウジングにカバープレートがなく、すべての部品がギアボックス筐体に裸で取り付けられ、扇風機製造業の安全規定の要求に違反する。しかも、このようなギアボックスの取り付けフォーマット、包装規格、納品検収基準及び機械工場全体のパイプラインへの操作方式は、すべて扇風機業界内の規則と互換性がなく、多くの扇風機機械全体の工場で通常の生産技術で組み立てることが困難である。これも構造の最適化と改善を更に行う必要がある。
【0010】
6.現在市場における大部分の扇風機は、交流扇風機であり、その動力モータが交流モータであり、交流電気220v(又は110v海外)を用いる。従来技術の交流モータの技術方案の中で、ホールセンサを交流モータの金属ハウジング内に取り付け、交流モータが高圧素子であり、ホールセンサが直流5vの低圧弱電素子であり、モータハウジング内に高低圧素子が混在し、ホールセンサの破壊が多く良品率が低い現象をもたらす。また組立生産時には、高低圧交直流モータの作業技術が複雑で、既存の扇風機工場の通常の生産設備の技術と互換性がなく、組み立てが遅く、二次破壊が多く、分解修理が難しく、製品不良率が高いなどの問題がある。
【0011】
上記従来技術において交流モータハウジング内へホールセンサの実装により高低圧素子の混在による破壊が多く、良品率が低いという問題に対して、出願人は、後続技術の特許文献3(中国特許出願番号201811483376.7)の明細書において、交流モータの回転子のハウジング外に延出した回転子軸本体に永久磁石の磁気リングを移し、それに応じてホールセンサをプラスチック製ギアボックス筐体内に移すことで、高低圧素子分離式の非接触式扇風機首振り角度の角度調整電気信号サンプリング装置を構成し、高低圧素子の混在による問題を回避することができることを開示している。しかし、交流モータ回転子の高速回転による回転子軸本体の表面に発生する遠心力と熱膨張冷縮応力の特性に影響されるため、この後続の技術案では、交流モータの回転子のハウジング外に延出した回転子軸本体に永久磁石の磁気リングを移す具体的な方法及びその明細書の図面2に示す構造は、インサート式技術を採用することができず、接着技術を採用することができず、射出成形法の技術を採用することしかできない。即ち、まずモータ軸と永久磁石材料を射出機に入れて一体的に熱プレス成形した後、すでに熱プレス成形して永久磁石の磁気リングを固装したモータ軸を回転子鉄心に圧入し、更に回転子軸の先端からモータ前ハウジング軸受、ワッシャ、固定子に入れ、次に回転子軸の後端から後ワッシャ、モータ後ハウジング軸受を入れる。この時、熱プレス成形された回転子軸の後端の軸本体に固着された永久磁石の磁気リングの径方向遮断により、交流モータ後ハウジング軸受などの部品は、回転子軸後端の軸本体の永久磁石の磁気リングを通り抜けることができず、それによって完全な交流モータに組み立てることができなかった。明らかに、上述の後続技術に示された永久磁石の磁気リング固着構造と射出成形技術方式は、通常の交流モータ取り付け技術と干渉する欠陥が存在し、改善が必要である。そうでなければ、ホールセンサをプラスチック製ギアボックス筐体内に移載し、高低圧素子分離を構成する対応する位置条件も成立しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】中国特許出願公開第109139520号明細書
【文献】中国特許出願公開第1450270号明細書
【文献】中国特許出願公開第111255721号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする技術問題は、遊星歯車系クランク機構のずれが発生しやすく、押出変形の摩擦が大きいという欠点を克服し、クラッチ装置の有効荷重を高めてスリップやずれを回避でき、永久磁石の磁気リングを交流モータハウジング外の回転軸本体にしっかりと装着してホールセンサの高低圧素子の混在局面を変えることができ、製品構造をコンパクトにして完全なハウジング及びカバープレートによる保護ができ、装着コストが低く、安全規則に適合し、扇風機業界内の規則に適合する扇風機首振り角度調整装置及びそれを応用する扇風機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記技術課題を解決するために、本発明は、扇風機首振り角度調整装置及びそれを応用する扇風機を提供する。扇風機首振り角度調整装置は、モータ(交流モータ又は直流モータ)と、プラスチック製ギアボックス筐体と、ウォーム-ウォームホイール-ウォームホイール軸ピニオン-ラージギアの動力伝達機構を備え、ウォームホイール軸ピニオンとラージギアとの間に軸受スリーブ位置決め板が設けられ、前記プラスチック製ギアボックス筐体の底部には、ウォームホイールの歯先円の外側に対応する位置に第1の逆係止フックと第2の逆係止フックが形成され、前記軸受スリーブ位置決め板には、ウォームホイールの歯先円の外側に対応する位置に第1の係止口と第2の係止口が形成され、軸受スリーブ位置決め板の係止口が当該プラスチック製ギアボックス筐体の底部の逆係止フックに圧入され、逆係止フック-係止口方式で締結されることで、本発明の扇風機首振り角度調整装置におけるねじフリー固着の動力伝達機構を構成する。動力伝達機構の軸受スリーブ位置決め板にねじフリーの逆係止フック-係止口固着方式を採用することにより、従来技術で慣用されているねじ打ち固着技術に代えて、ねじを節約するだけでなく、取り付け時に工具を必要とせず、生産者が素手で軸受スリーブ位置決め板を逆係止フックに押すだけで固着を完成し、工効を高める。更に重要なことは、偶発的にねじがギアボックスの完成品内に残り、出荷後、扇風機の総取り付け時に品質事故を引き起こす恐れを根本からなくすことができる。
【0015】
コア軸と中空軸の下端には、太陽歯車、遊星歯車クランク、遊星キャリア及び遊星軸からなる遊星歯車系クランク機構が設けられ、遊星キャリアの下端面に円弧補強スリーブが一体的に形成され、円弧補強スリーブの一端の円弧面は、遊星歯車の歯先円面の非噛合部分に摺動嵌合し、円弧補強スリーブの他端と太陽歯車の歯先円とは、退避スペースを有する。
【0016】
一端の円弧面が遊星歯車に摺動嵌合し、他端と太陽歯車とは退避スペースを有する円弧補強スリーブを遊星キャリアの下端面に一体的に形成した構造方式を採用することにより、円弧補強スリーブの一端の半閉鎖式の円弧面を利用して遊星歯車クランクの片端カンチレバー構造を拘束してずれを防止することができる一方で、太陽歯車の歯先円を利用して円弧補強スリーブの他端とは開放的な回避スペースを保持し、角度調整過程における太陽歯車に対する遊星歯車の制限的な押圧損傷を構造的に解消し、また、遊星キャリア及び円弧補強スリーブの回転が太陽歯車にブレーキをかける問題も解消する。そこで、角度調整時の無効電力損失を解消することができ、遊星歯車系クランク機構の3部材の動作寿命を延長することもでき、遊星歯車クランクの片端カンチレバー構造の位置ずれや滑り問題を解決することができるような、本発明の扇風機首振り角度調整装置における遊星歯車系クランク機構を構成する。
【0017】
本発明における遊星歯車系クランク機構の好適な構成として、前記中空軸の下端に切り欠きが形成され、前記遊星キャリアの中空軸スリーブ孔壁体にバンプが形成され、バンプの両側壁面が中空軸の切り欠きに係入して固定係合し、当該バンプの径方向壁面が、円弧状を呈して中空軸の下端の切り欠きを経て前記コア軸の軸本体に摺動嵌合する。遊星キャリアのバンプの径方向壁面が円弧状を呈して中空軸の下端の切り欠きを経て前記コア軸の軸本体に摺動嵌合する構造を採用することにより、遊星キャリアと中空軸の固着利便性を向上させ、また角調整過程における遊星キャリアのコア軸周りの回転時の円弧面接触安定性を向上させ、更に中空軸とコア軸の大面積回転の摩擦力を減少させ、無効電力消費を低減し、関連部品の動作寿命を延長させる。
【0018】
本発明における遊星歯車系クランク機構の更に好適な構成として、前記遊星軸は、リベットであり、前記遊星歯車クランクは、遊星歯車軸孔の下端面に座ぐりが形成され、当該座ぐりの径は、リベットヘッドの径よりも大きく、かつ座ぐりの内凹深さは、リベットヘッドの厚よりも大きく、前記遊星キャリアに形成された遊星軸孔の径は、当該リベット本体の径よりも小さく、当該リベット本体は、遊星歯車の座ぐりと遊星歯車軸孔を摺動嵌合方式で経た後、締りばめで遊星キャリアの遊星軸孔に圧入して締結し、締結後、当該リベットヘッドの重ね合わせ端面は、遊星歯車座ぐりの孔底端面と摺動嵌合する。リベットの直身固着方案を用いて従来技術の遊星軸二段固着と従来技術の軸受複合固着方案を代替することにより、材料コストを低減し、組み立て技術を最適化し、生産効率を高め、そこで本発明における遊星歯車系クランク機構部品の材料コストを低減する。
【0019】
本発明における遊星歯車系クランク機構の更に好適な構成として、前記円弧補強スリーブの外壁に1本の縦方向基準突条が形成され、前記遊星歯車クランクのクランク本体に1本の縦方向ゼロイング突条が形成され、遊星歯車クランクが偏心して太陽歯車の中心から最短距離の基準原点に位置すると、遊星歯車クランクの縦方向ゼロイング突条と、円弧補強スリーブの縦方向基準突条とは、縦方向に直線的に一致している。このような遊星歯車系クランク機構のゼロイング装置を採用し、本発明における遊星歯車系クランク機構の生産、品質検査、修理の全過程における操作の正確性、信頼性と利便性を高めることができる。
【0020】
コア軸の上端にラチェット爪ホルダ、ラチェット爪及びバイアススプリングが配置され、中空軸の上端にラージギアが配置され、ラージギアの上端面には、同心して、ラージギアの歯先円よりも小さい歯先円のラチェットホイールが一体に形成され、当該ラチェットホイールのラチェット歯の形状は、圧力角が30度より大きい非インボリュート歯形であり、これらのラチェット歯の横断面形状は、三角形、台形、矩形、又は他の加工しやすい非インボリュート形状を呈し、前記ラチェット爪は、ラチェットホイールの非インボリュート歯形のラチェット歯に圧着され、ラチェットホイール-ラチェット爪型クラッチ装置を構成する。ラージギアの上端面に30度より大きい圧力角を有する非インボリュート歯形ラチェットホイール-ラチェット爪型クラッチ装置を新たに設置することにより、その有効荷重力は、従来技術の圧力角が0~25度に限られたインボリュート歯形ラージギア-ラチェット爪型クラッチ装置よりもはるかに大きく、また、圧力角が大きいほど有効荷重力が大きくなる。これにより、従来技術のラージギア-ラチェット爪型クラッチ装置の有効荷重が小さくスリップしやすいという構造的弱点を克服し、通常の状況ではスリップしないクラッチ装置を構成することができる。
【0021】
ラチェット爪ホルダの上方には制御ラチェットホイールが配置され、制御ラチェットホイール内には通過孔が形成され、ラチェット爪の上には、制御ラチェットホイールの通過孔を通過できる小円柱が形成され、制御ラチェットホイールの外縁には、ブレーキ爪を装着した磁気吸引ブレーキ装置が設置され、磁気吸引ブレーキ装置は、導線を介して主制御板の角度調整制御チップの出力端に接続され、電気制御式クラッチ-ブレーキ操作機構を構成する。
【0022】
前記プラスチック製ギアボックス筐体は、ウォームホイール-ウォームの動力伝達機構のウォーム中心線に対する他側の底部に縦方向開口溝が形成され、前記磁気吸引ブレーキ装置の底部に縦取付板が形成され、当該磁気吸引ブレーキ装置の縦取付板は、プラスチック製ギアボックス筐体の縦方向開口溝に挿入されて密着することで、磁気吸引ブレーキ装置をプラスチック製ギアボックス筐体内に内蔵する。前記縦方向開口溝側壁に逆係止ブロックが形成され、前記縦取付板に貫通孔が形成され、縦取付板の貫通孔は、縦取付板の挿入に伴い縦方向開口溝に挿入されて、逆係止ブロック-貫通孔方式で縦方向開口溝側壁の逆係止ブロックに係合接触する。そこで、磁気吸引ブレーキ装置は、ねじフリー・工具フリーの素手による取り付け方式を採用して、プラスチック製ギアボックス筐体内に固着することができる。従来技術の磁気吸引ブレーキ装置を取り付ける通常のねじ打ち技術の材料コストや、ギアボックスにねじが残る恐れを解消する一方で、磁気吸引ブレーキ装置の取り付け位置を構造の最適化により、ギアボックス筐体の側壁からプラスチック製ギアボックス筐体の相対側底部に変え、取り付けスペースを減らし、磁気吸引ブレーキ装置をギアボックス筐体の側壁に裸で取り付ける違反欠陥を回避する。
【0023】
磁気吸引ブレーキ装置の加工とメンテナンスを容易にするために、前記磁気吸引ブレーキ装置の縦取付板の貫通孔は、円形の貫通孔であり、前記プラスチック製ギアボックス筐体の縦方向開口溝側壁の逆係止ブロックは、円形の係止ブロックであり、円形の逆係止ブロックの下端には、前記縦方向開口溝の底部端面外に延出する延長板が形成されている。このような円形貫通孔-円形係止ブロック-延長板の構造を採用し、素手で固着するのに便利であり、磁気吸引ブレーキ装置を取り外す時、スタータ工具を必要とせず、操作者が延長板を軽く押すことで、円形の逆係止ブロックを縦取付板の円形の貫通孔から離し、磁気吸引ブレーキ装置を押し出すことができ、メンテナンスに便利である。
【0024】
更に、前記プラスチック製ギアボックス筐体は、隣接する磁気吸引ブレーキ装置の引き出し線に対応する位置にピン-逆係止フックが形成され、前記磁気吸引ブレーキ装置の引き出し線は、磁気吸引中継回路板に接続され、回路板上の磁気吸引中継ソケットに接続され、当該磁気吸引中継回路板に第4の係止口と第5の係止口が形成され、磁気吸引中継回路板の第4の係止口、第5の係止口は、プラスチック製ギアボックス筐体のピン-逆係止フック、ピン-逆係止フック内に圧入され、逆係止フック-係止口方式で締結する。前記角度調整制御チップの導線は、磁気吸引中継プラグを装着し、磁気吸引中継プラグは、中継差込方式で前記磁気吸引中継ソケットに接続されている。磁気吸引ブレーキ装置の引き出し線を磁気吸引中継回路板と磁気吸引中継ソケットと接続することにより、逆係止フック-係止口方式でプラスチック製ギアボックス筐体内にねじフリーで固着する方式を採用し、電気制御システムの配置をコンパクトにし、取り付けを容易にし、それにより扇風機業界内の生産操作規範に適合する電気制御式クラッチ-ブレーキ操作機構を構成する。
【0025】
従来の扇風機の送風と首振りの主動力電機は、交流モータ又は直流永久磁石ブラシレス電機を採用することができ、扇風機の主動力電機の異なるタイプに対応するため、本発明の扇風機首振り角度調整装置における電気信号サンプリングシステムは、それぞれ、対応する交流モータ電気信号サンプリングシステム、又は、対応する直流永久磁石ブラシレスモータ電気信号サンプリングシステムを採用することができる。
【0026】
扇風機のメイン動力モータが交流モータである場合、本発明に採用される対応する交流モータ電気信号サンプリングシステムにおいて、前記モータが交流モータであり、交流モータの回転子のハウジング外に延出した回転子軸本体には、軸方向に沿って平面状の切り欠きが形成され、前記永久磁石が磁性シートであり、当該ハウジング外に延出した回転子軸本体と磁性シートの間にプラスチックカラーが配置され、プラスチックカラーの外壁に磁気枠が形成され、磁気枠の入口に第3の逆係止フックが形成され、前記磁性シートが磁気枠の入口から第3の逆係止フックを圧迫して磁気枠内に挿入され、当該第3の逆係止フックと締結されることで、磁性シート-プラスチックカラーアセンブリを構成する。当該プラスチックカラーの内壁には少なくとも2本の円弧形突条が形成され、円弧形突条の円弧面は、前記ハウジング外に延出した回転子軸本体に滑り込み嵌合接触する。前記プラスチックカラーの壁体に軸方向に沿って横係止式係止フック突起が形成され、横係止式係止フック突起は、プラスチックカラーに従って前記回転子軸本体の平面状の切り欠きに滑り込み、横係止で固定される。
【0027】
磁性シートをプラスチックカラーの磁気枠に挿入することで弾性力のある磁性シート-プラスチックカラーアセンブリを構成することができ、交流モータのハウジング外に延出した回転子軸本体の後端から、回転子軸本体に滑り込むようにセットする。プラスチックカラーの壁体の横係止式係止フック突起を用いて回転子軸本体の平面状の切り欠き構造を挟持し、交流モータの回転子の高速回転による回転子軸本体表面に発生する遠心力と熱膨張冷縮応力の特性影響により発生する磁性シートの変位や飛び出しの組み立て問題を解決する。このようなねじフリー接着剤フリーの滑り込み取り付け方式は、業界内の生産技術と互換性があり、効率が高く、コストが低いという利点がある。そこで、磁性シート-プラスチックカラーアセンブリを交流モータのハウジングに延出した回転子軸本体にセットし、これにより、ホールセンサの高低圧分離のための分離基礎を構築する。
【0028】
本発明に採用される対応する交流モータ電気信号サンプリングシステムにおいて、前記回転子位置センシング信号取得装置がホールセンサであり、ホールセンサは、電気信号中継回路板に装着され、電気信号中継回路板に固着する電気信号中継ソケットに接続され、電気信号中継回路板の側辺に第3の係止口が形成され、前記プラスチック製ギアボックス筐体内には、縦係止板溝、係止板条及びバッフル板の逆係止フックが形成され、前記電気信号中継回路板とその第3の係止口は、上から下へプラスチック製ギアボックス筐体の縦係止板溝、係止板条及びバッフル板の逆係止フック内に挿入され、逆係止フック-係止口の差込式の固定となり、差込式の固定後の電気信号中継回路板上のホールセンサのプラスチック製ギアボックス筐体内の位置は、交流モータのハウジング外に延出した回転子軸本体の平面状の切り欠きに固着された磁性シート-プラスチックカラーアセンブリの磁性シートの位置の半径方向隙間に対応する。前記角度調整制御チップの導線は、電気信号中継プラグを装着し、電気信号中継プラグは、中継差込方式で前記電気信号中継ソケットに接続されている。このような構成により、ホールセンサを高圧環境から隔離したプラスチック製ギアボックス筐体内に設置し、高低圧素子分離式の交流モータの電気信号サンプリング装置を構成することができる。角度調整制御チップの導線に装着した電気信号中継プラグを、中継差込方式で前記電気信号中継ソケットに接続することにより、本発明の交流モータ電気信号サンプリングシステムを構成する。このシステムは、業界内の取り付けプロセスと互換性がある。
【0029】
この交流モータ電気信号サンプリングシステムは、角度調整過程において、リアルタイムに検出した遊星歯車系クランク回転動作軌跡に対応する電気信号サンプリング値を角度調整制御チップに入力し、演算を経て、磁気吸引ブレーキ装置を操作して通電吸引し、ブレーキ爪が制御ラチェットホイールを遮蔽し、ラチェットホイール-ラチェット爪型クラッチ装置を開き、遊星歯車系クランク回転を角度調整状態に駆動する。電気信号のサンプリング値と所与の値との差がゼロである場合、角度調整制御チップは、電源遮断指令を出し、磁気吸引ブレーキ装置のブレーキ爪が緩め、クラッチ装置が閉じ、遊星歯車系クランクは、新たな設定値に基づいて定軸歯車系にロックされる。そこで、交流扇風機は、新たな首振り角範囲で送風し、本発明の閉ループ電気制御式交流扇風機首振り角度調整装置を構成する。
【0030】
前記プラスチック製ギアボックス筐体の上には、カバープレートが配置され、カバープレートは、前記磁気吸引中継ソケットと前記電気信号中継ソケットの対応位置に第2の開口と第1の開口が設けられ、カバープレートは、プラスチック製ギアボックス筐体内の部材を全カバーし、プラスチック製ギアボックス筐体と締結している。このような予備開口カバー構造の締結方式を採用して、扇風機首振り角度調整装置製品が完全なハウジングに保護され、安全規則に適合し、業界内の規則に適合する。
【0031】
扇風機のメイン動力モータが直流永久磁石ブラシレスモータである場合、本発明の扇風機首振り角度調整装置では、対応する直流永久磁石ブラシレスモータの電気信号サンプリングシステムを採用して、交流扇風機の電気信号サンプリングシステムとは異なる以外に、残りの機構は基本的に同じである。本発明に採用される対応する直流永久磁石ブラシレスモータの電気信号サンプリングシステムにおいて、前記モータは、直流永久磁石ブラシレスモータであり、前記永久磁石は、直流永久磁石ブラシレスモータ回転子自体既有の永久磁石であり、前記回転子位置センシング信号取得装置は、直流永久磁石ブラシレスモータ自体既有のホールセンサ又は既有の位置センサレス技術装置であり、当該ホールセンサ既有の電気信号導線又は当該位置センサレス技術装置既有の電気信号導線は、前記角度調整制御チップの入力端に接続線を介して接続されている。直流永久磁石ブラシレスモータ自体既有の回転子位置センシング信号取得装置の電気信号導線の出力端から、角度調整制御チップの入力端に接続される接続線を増設するだけで、本発明における直流永久磁石ブラシレスモータの電気信号サンプリングシステムを構成することができる。なお、繰り返し設置による干渉を避けるために、当該直流永久磁石ブラシレスモータのハウジング外に延出した回転子軸本体に平面状の切り欠きを設ける必要はなく、磁性シート-プラスチックカラーアセンブリを組み入れる必要もない。前記プラスチック製ギアボックス筐体の縦係止板溝、係止板条及びバッフル板の逆係止フック内を空け、前記電気信号中継回路板及び回路板上のホールセンサ及び電気信号中継ソケットを挿着せず、カバープレートにも電気信号中継ソケットの開口を設ける必要もない。そこで、前記直流永久磁石ブラシレスモータの電気信号サンプリングシステムと角度調整制御チップの入力端が接続され、角度調整制御チップの出力端が磁気吸引ブレーキ装置に接続されることにより、閉ループ電気制御式の直流永久磁石ブラシレスモータの扇風機首振り角度調整装置を構成することができ、遊星歯車系クランクを操作して新たな設定値で調整することができ、直流扇風機首振り角の自動調整を実現することができる。この閉ループ電気制御式により遊星歯車系クランクの調整を操作して制御する経路と原理を操作し、交流扇風機技術方案に記載されているが、ここでは繰り返さない。
【発明の効果】
【0032】
以上より、本発明の有益な効果は、従来技術と比較して以下の通りである。
1.一端が遊星歯車の歯先円面に摺動嵌合し、他端が太陽歯車の歯先円と退避スペースを有する円弧補強スリーブを遊星キャリアの下端面に形成することにより、遊星歯車クランクのずれを防止可能な扇風機首振り角度調整装置を構成する。
2.小径非インボリュート歯形のラチェットホイールをラージギアに設けてラチェット爪とともに非インボリュート歯形ラチェットホイール-ラチェット爪型クラッチ装置を構成することにより、正常条件下でクラッチ装置がスリップしない扇風機首振り角度調整装置を構成する。
3.高低圧素子分離式の回転子位置センシング信号取得装置をモータ回転子に設けて角度調整制御チップと接続することにより、破壊現象を解消し、角度調整が便利な閉ループ電気制御式扇風機首振り角度調整装置を構成する。
4.軸受スリーブ位置決め板、磁気吸引ブレーキ装置、電気信号サンプリングシステム関連部材にねじフリー構造と内蔵式配置を採用することにより、扇風機首振り角度調整装置全体の構造をコンパクトにし、安全規則と業界内の規則に符合し、各種の角度調整扇風機に使用するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面と関連した実施例の説明から明らかにされ、容易に理解される。
【0034】
【
図1】本発明の扇風機首振り角度調整装置の交流扇風機の実施例の全体配置図である。
【
図2】
図1の実施例におけるギアボックスの分解図である。
【
図3】
図1の実施例におけるギアボックスの内部部分爆発図である。
【
図4】
図1の実施例におけるギアボックスの内部部分図である。
【
図5】
図1の実施例におけるギアボックスの縦断面図である。
【
図6】
図5におけるF-F線に沿った横断面図である。
【
図7】
図5におけるG-G線に沿った横断面図である。
【
図9】
図5のラチェットホイール-ラチェット爪型クラッチ装置の右側面図である。
【
図10】
図5のラチェットホイール-ラチェット爪型クラッチ装置の平面図である。
【
図11】
図1の実施例におけるギアボックスの外部部分爆発図である。
【
図12】
図1の実施例における磁気吸引ブレーキ装置の貫通孔の中心線に沿ったギアボックスの部分拡大断面図である。
【
図13】
図1の実施例における磁性シート-プラスチックカラーの爆発図である。
【
図14】
図13の磁性シート-プラスチックカラーアセンブリの外面図である。
【
図15】
図1の実施例の横方向部分拡大断面図である。
【
図17】本発明の扇風機首振り角度調整装置の直流扇風機実施例の全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、
図1~
図18に関連して本発明の実施例を詳細に説明する。本実施例の例は、図中に示されており、最初から最後まで同一又は類似の符号は、同一又は類似の要素、又は同一又は類似の機能を有する要素を表す。添付図面を参照して以下に説明する実施例は、例示的であり、本発明を説明するためだけに使用され、本発明に対する制限と理解することはできない。
【0036】
本発明の説明において、用語「中心」、「中央」、「縦」、「横」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「先」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などに示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、単に、本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、指し示すデバイス又は要素が特定の方位、特定の方位で構成され、動作されなければならないことを示す又は暗示するものではないので、本発明に対する制限と理解することはできない。更に、「第1」、「第2」に限定される特徴は、1つ又は複数の特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明では、特に記載がない限り、「複数」は、2つ以上を意味する。
【0037】
本発明の説明において、特に明確な規定と限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的に接続してもよい。機械的接続でもよく、電気的接続でもよい。直接的に接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよいし、2つの要素の内部の接続でもよい。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味を具体的に理解することができる。
【0038】
本発明は、扇風機首振り角度調整装置を含む扇風機に関する。
【0039】
扇風機のその他の構成及び動作は、当業者には既知であり、ここでは詳細に説明しないが、以下に扇風機首振り角度調整装置の構成について説明する。
【0040】
図1、
図2、
図3、
図4、
図5及び
図17を参照して、本発明は、扇風機首振り角度調整装置に係り、モータ(交流モータ10又は直流モータ)と、プラスチック製ギアボックス筐体4と、ウォーム-ウォームホイール-ウォームホイール軸ピニオン-ラージギアの動力伝達機構を備え、ウォームホイール軸ピニオン28とラージギア32との間に軸受スリーブ位置決め板17が設けられ、プラスチック製ギアボックス筐体4の底部には、ウォームホイール27の歯先円の外側に対応する位置に第1の逆係止フック44と第2の逆係止フック48が形成され、軸受スリーブ位置決め板17には、ウォームホイール27の歯先円の外側に対応する位置に第1の係止口15と第2の係止口18が形成され、軸受スリーブ位置決め板17の第1の係止口15、第2の係止口18が、プラスチック製ギアボックス筐体4の底部の第1の逆係止フック44、第2の逆係止フック48に圧入され、逆係止フック-係止口方式で締結されることで、本発明の扇風機首振り角度調整装置におけるねじフリー固着の動力伝達機構を構成する。動力伝達機構の軸受スリーブ位置決め板17にねじフリーの逆係止フック-係止口固着方式を採用することにより、従来技術で慣用されているねじ打ち固着技術に代えて、ねじを節約するだけでなく、取り付け時に工具を必要とせず、生産者が素手で軸受スリーブ位置決め板17を逆係止フックに押すだけで固着を完成し、工効を高める。更に重要なことは、偶発的にねじがギアボックスの完成品内に残り、出荷後、扇風機の総取り付け時に品質事故を引き起こす恐れを根本からなくすことができる。
【0041】
図2、
図5、
図6、
図7、
図8を参照すると、コア軸31と中空軸42の下端には、太陽歯車46、遊星歯車クランク、遊星キャリア7及び遊星軸からなる遊星歯車系クランク機構が設けられ、遊星キャリア7の下端面に円弧補強スリーブ8が一体的に形成され、円弧補強スリーブの一端の円弧面58は、遊星歯車9の歯先円面の非噛合部分に摺動嵌合し、円弧補強スリーブの他端55と太陽歯車46の歯先円とは、退避スペースを有する。
【0042】
円弧補強スリーブの一端の円弧面58が遊星歯車9に摺動嵌合し、円弧補強スリーブの他端55と太陽歯車46とは退避スペースを有する円弧補強スリーブを遊星キャリア7の下端面に一体的に形成した構造方式を採用することにより、円弧補強スリーブ8の一端の半閉鎖式の円弧面を利用して遊星歯車クランクの片端カンチレバー構造を拘束してずれを防止することができる一方で、太陽歯車46の歯先円を利用して円弧補強スリーブの他端55とは開放的な回避スペースを保持し、角度調整過程における太陽歯車46に対する遊星歯車9の制限的な押圧損傷を構造的に解消し、また、遊星キャリア7及び円弧補強スリーブ8の回転が太陽歯車46にブレーキをかける問題も解消する。そこで、角度調整時の無効電力損失を解消することができ、遊星歯車系クランク機構の3部材の動作寿命を延長することもでき、遊星歯車クランクの片端カンチレバー構造の位置ずれや滑り問題を解決することができるような、本発明の扇風機首振り角度調整装置における遊星歯車系クランク機構を構成する。
【0043】
本発明における遊星歯車系クランク機構の好適な構成として、中空軸42の下端に切り欠き43が形成され、遊星キャリア7の中空軸スリーブ孔壁体にバンプ30が形成され、バンプ30の両側壁面が中空軸42の切り欠き43に係入して固定係合し、バンプ30の径方向壁面59が、円弧状を呈して中空軸42の下端の切り欠き43を経てコア軸31の軸本体に摺動嵌合する。遊星キャリア7のバンプ30の径方向壁面59が円弧状を呈して中空軸42の下端の切り欠き43を経てコア軸31の軸本体に摺動嵌合する構造を採用することにより、遊星キャリア7と中空軸42の固着利便性を向上させ、また角調整過程における遊星キャリア7のコア軸31周りの回転時の円弧面接触安定性を向上させ、更に中空軸42とコア軸31の大面積回転の摩擦力を減少させ、無効電力消費を低減し、関連部品の動作寿命を延長させる。
【0044】
本発明における遊星歯車系クランク機構の更に好ましい構成として、前記遊星軸は、リベット47であり、遊星歯車クランクは、遊星歯車軸孔45の下端面に座ぐり56が形成され、座ぐり56の径は、リベットヘッド57の径よりも大きく、かつ座ぐり56の内凹深さは、リベットヘッド57の厚よりも大きく、遊星キャリア7に形成された遊星軸孔29の径は、リベット本体の径よりも小さく、リベット本体は、遊星歯車9の座ぐり56と遊星歯車軸孔45を摺動嵌合方式で経た後、締りばめで遊星キャリア7の遊星軸孔29に圧入して締結し、締結後、リベットヘッド57の重ね合わせ端面は、遊星歯車座ぐり56の孔底端面と摺動嵌合する。リベット47の直身固着方案を用いて従来技術の遊星軸二段固着と従来技術の軸受複合固着方案を代替することにより、材料コストを低減し、組み立て技術を最適化し、生産効率を高め、そこで本発明における遊星歯車系クランク機構部品の材料コストを低減する。
【0045】
前記遊星歯車系クランク機構の好ましい構成の更なる改良として、前記円弧補強スリーブ8の外壁に1本の縦方向基準突条60が形成され、前記遊星歯車クランクのクランク本体に1本の縦方向ゼロイング突条61が形成され、遊星歯車クランクが偏心して太陽歯車46の中心から最短距離の基準原点に位置すると、遊星歯車クランクの縦方向ゼロイング突条61と、円弧補強スリーブ8の縦方向基準突条60とは、縦方向に直線的に一致している。このような遊星歯車系クランク機構のゼロイング装置を採用し、本発明における遊星歯車系クランク機構全体の生産、品質検査、修理の全過程における操作の正確性、信頼性及び利便性を高めることができる。
【0046】
図2、
図5、
図9、
図10を参照すると、コア軸31の上端にラチェット爪ホルダ37、ラチェット爪34及びバイアススプリング35が配置され、中空軸42の上端にラージギア32が配置され、ラージギア32の上端面には、同心して、ラージギア32の歯先円よりも小さい歯先円のラチェットホイール33が一体に形成され、ラチェットホイール33のラチェット歯の形状は、圧力角が30度より大きい非インボリュート歯形であり、ラチェット歯63の横断面形状は、台形を呈し、ラチェット爪34は、ラチェットホイール33の非インボリュート歯形のラチェット歯に圧着され、ラチェットホイール-ラチェット爪型クラッチ装置を構成する。ラージギア32の上端面に30度より大きい圧力角を有する非インボリュート歯形ラチェットホイール-ラチェット爪型クラッチ装置を新たに設置することにより、その有効荷重力は、従来技術の圧力角が0~25度に限られたインボリュート歯形ラージギア-ラチェット爪型クラッチ装置よりもはるかに大きく、また、圧力角が大きいほど有効荷重力が大きくなる。これにより、従来技術のラージギア-ラチェット爪型クラッチ装置の有効荷重が小さくスリップしやすいという構造的弱点を克服し、通常の状況ではスリップしないクラッチ装置を構成することができる。
【0047】
ラチェット爪ホルダ37の上方には制御ラチェットホイール39が配置され、制御ラチェットホイール39内には通過孔38が形成され、ラチェット爪34の上には、制御ラチェットホイール39の通過孔38を通過できる小円柱36が形成され、制御ラチェットホイール39の外縁には、ブレーキ爪22を装着した磁気吸引ブレーキ装置24が設置され、磁気吸引ブレーキ装置24は、導線11を介して主制御板の角度調整制御チップ13の出力端に接続され、電気制御式クラッチ-ブレーキ操作機構を構成する。
【0048】
図2、
図11、
図12を参照すると、プラスチック製ギアボックス筐体4は、ウォームホイール-ウォームの動力伝達機構のウォーム中心線に対する他側の底部に縦方向開口溝6が形成され、磁気吸引ブレーキ装置24の底部に縦取付板5が形成され、磁気吸引ブレーキ装置24の縦取付板5は、プラスチック製ギアボックス筐体4の縦方向開口溝6に挿入されて密着することで、磁気吸引ブレーキ装置24をプラスチック製ギアボックス筐体4内に内蔵する。縦方向開口溝側壁64に逆係止ブロック65が形成され、縦取付板5に貫通孔25が形成され、縦取付板5の貫通孔25は、縦取付板5の挿入に伴い縦方向開口溝6に挿入されて、逆係止ブロック-貫通孔方式で縦方向開口溝側壁64の逆係止ブロック65に係合接触する。そこで、磁気吸引ブレーキ装置24は、ねじフリー・工具フリーの素手による取り付け方式を採用して、プラスチック製ギアボックス筐体4内に固着することができる。従来技術の磁気吸引ブレーキ装置24を取り付ける通常のねじ打ち技術の材料コストや、ギアボックスにねじが残る恐れを解消する一方で、磁気吸引ブレーキ装置24の取り付け位置を構造の最適化により、ギアボックス筐体4の側壁からプラスチック製ギアボックス筐体4の相対側底部に変え、取り付けスペースを減らし、磁気吸引ブレーキ装置24をギアボックス筐体4の側壁に裸で取り付ける規則違反欠陥を回避する。
【0049】
磁気吸引ブレーキ装置24の加工とメンテナンスを容易にするために、前記磁気吸引ブレーキ装置24の縦取付板5の貫通孔25は、円形の貫通孔である。前記プラスチック製ギアボックス筐体4の縦方向開口溝側壁64の逆係止ブロック65は、円形の係止ブロックであり、円形の逆係止ブロックの下端には、縦方向開口溝6の底部端面外に延出する延長板66が形成されている。このような円形貫通孔-円形係止ブロック-延長板の構造を採用し、素手で固着するのに便利であり、磁気吸引ブレーキ装置24を取り外す時、スタータ工具を必要とせず、操作者が延長板66を軽く押すことで、円形の逆係止ブロックを縦取付板の円形の貫通孔から離し、磁気吸引ブレーキ装置24を押し出すことができ、メンテナンスに便利である。
【0050】
図2、
図3、
図4、
図11、
図12を参照すると、プラスチック製ギアボックス筐体4は、隣接する磁気吸引ブレーキ装置の引き出し線23に対応する位置にピン-逆係止フック及びピン-逆係止フックが形成され、磁気吸引ブレーキ装置の引き出し線23は、磁気吸引中継回路板21に接続され、回路板上の磁気吸引中継ソケット20に接続され、磁気吸引中継回路板21に第4の係止口50と第5の係止口51が形成され、磁気吸引中継回路板21の第4の係止口50、第5の係止口51は、対応的にプラスチック製ギアボックス筐体4のピン-逆係止フック、ピン-逆係止フック内に圧入され、逆係止フック-係止口方式で締結する。
図1を参照すると、前記角度調整制御チップの導線
11は、磁気吸引中継プラグ3を装着し、磁気吸引中継プラグ3は、中継差込方式で磁気吸引中継ソケット20に接続されている。磁気吸引ブレーキ装置の引き出し線23を磁気吸引中継回路板21と磁気吸引中継ソケット20と接続することにより、逆係止フック-係止口方式でプラスチック製ギアボックス筐体4内にねじフリーで固着する方式を採用し、電気制御システムの配置をコンパクトにし、取り付けを容易にし、それにより扇風機業界内の生産操作規範に適合する電気制御式クラッチ-ブレーキ操作機構を構成する。
【0051】
従来の扇風機の送風と首振りのメイン動力電機は、交流モータ又は直流永久磁石ブラシレス電機を採用することができ、扇風機のメイン動力電機の異なるタイプに対応するため、本発明の扇風機首振り角度調整装置における電気信号サンプリングシステムは、それぞれ、対応する交流モータ電気信号サンプリングシステム、又は、対応する直流永久磁石ブラシレスモータ電気信号サンプリングシステムを採用することができる。
【0052】
図1、
図2、
図3、
図4、
図13、
図14、
図15、
図16を参照すると、扇風機のメイン動力モータが交流モータ10である場合、本発明に採用される対応する交流モータ電気信号サンプリングシステムにおいて、前記モータが交流モータ10であり、交流モータ10の回転子のハウジング76外に延出した回転子軸本体73には、軸方向に沿って平面状の切り欠き75が形成され、前記永久磁石が磁性シート71であり、ハウジング76外に延出した回転子軸本体73と磁性シート71の間にプラスチックカラー67が配置され、プラスチックカラー67の外壁に磁気枠69が形成され、磁気枠の入口に第3の逆係止フック70が形成され、磁性シート71が磁気枠69の入口から第3の逆係止フック70を圧迫して磁気枠69内に挿入され、当該第3の逆係止フック70と締結されることで、磁性シート-プラスチックカラーアセンブリを構成する。当該プラスチックカラー67の内壁には7本の円弧形突条68が形成され、円弧形突条68の円弧面は、ハウジング76外に延出した回転子軸本体73に滑り込み嵌合接触する。プラスチックカラー67の壁体に軸方向に沿って横係止式係止フック突起72が形成され、横係止式係止フック突起72は、プラスチックカラー67に従って回転子軸本体73の平面状の切り欠き75に滑り込み、横係止で固定される。
【0053】
磁性シート71をプラスチックカラー67の磁気枠69に挿入することで弾性力のある磁性シート-プラスチックカラーアセンブリを構成することができ、交流モータ10のハウジング76外に延出した回転子軸本体73の後端から、回転子軸本体73に滑り込むようにセットする。プラスチックカラー67の壁体の横係止式係止フック突起72を用いて回転子軸本体73の平面状の切り欠き75構造を挟持し、交流モータ10の回転子の高速回転による回転子軸本体73の表面に発生する遠心力と熱膨張冷縮応力の特性影響により発生する磁性シート71の変位や飛び出しの組み立て問題を解決する。このようなねじフリー・接着剤フリーの滑り込み取り付け方式は、業界内の生産技術と互換性があり、効率が高く、コストが低いという利点がある。そこで、磁性シート-プラスチックカラーアセンブリを交流モータ10のハウジング76に延出した回転子軸本体73にセットし、これにより、ホールセンサ74の高低圧分離のための分離基礎を構築する。
【0054】
本発明に採用される対応する交流モータ電気信号サンプリングシステムにおいて、前記回転子位置センシング信号取得装置がホールセンサ74であり、ホールセンサ74は、電気信号中継回路板41に装着され、電気信号中継回路板41に固着する電気信号中継ソケット19に接続され、電気信号中継回路板41の側辺に第3の係止口40が形成され、プラスチック製ギアボックス筐体4内には、縦係止板溝54、係止板条53及びバッフル板の逆係止フックが形成され、電気信号中継回路板41とその第3の係止口40は、上から下へプラスチック製ギアボックス筐体4の縦係止板溝54、係止板条53及びバッフル板の逆係止フック内に挿入され、逆係止フック-係止口の差込式の固定となり、差込式の固定後の電気信号中継回路板41上のホールセンサ74のプラスチック製ギアボックス筐体4内の位置は、交流モータ10のハウジング76外に延出した回転子軸本体73の平面状の切り欠き75に固着された磁性シート-プラスチックカラーアセンブリの磁性シート71の位置の半径方向隙間に対応する。前記角度調整制御チップの導線12は、電気信号中継プラグ2を装着し、電気信号中継プラグ2は、中継差込方式で前記電気信号中継ソケット19に接続されている。このような構成により、ホールセンサ74を高圧環境から隔離したプラスチック製ギアボックス筐体4内に設置し、高低圧素子分離式の交流モータ10の電気信号サンプリング装置を構成することができる。角度調整制御チップの導線12に装着した電気信号中継プラグ2を、中継差込方式で電気信号中継ソケット19に接続することにより、本発明の交流モータ電気信号サンプリングシステムを構成する。このシステムは、業界内の取り付けプロセスと互換性がある。
【0055】
この交流モータ電気信号サンプリングシステムは、角度調整過程において、リアルタイムに検出した遊星歯車系クランク回転動作軌跡に対応する電気信号サンプリング値を角度調整制御チップ13に入力し、演算を経て、磁気吸引ブレーキ装置24を操作して通電吸引し、ブレーキ爪22が制御ラチェットホイール39を遮蔽し、ラチェットホイール-ラチェット爪型クラッチ装置を開き、遊星歯車系クランク回転を角度調整状態に駆動する。電気信号のサンプリング値と所与の値との差がゼロである場合、角度調整制御チップ13は、電源遮断指令を出し、磁気吸引ブレーキ装置24のブレーキ爪22が緩め、クラッチ装置が閉じ、遊星歯車系クランクは、新たな設定値に基づいて定軸歯車系にロックされる。そこで、交流扇風機は、新たな首振り角範囲で送風し、本発明の閉ループ電気制御式交流扇風機首振り角度調整装置を構成する。この閉ループ電気制御式交流扇風機首振り角度調整装置の操作原理と経路は、公知の技術であり、詳細に紹介しない。
【0056】
図1、
図2、
図5を参照すると、プラスチック製ギアボックス筐体4の上には、カバープレート1が配置され、カバープレート1は、前記磁気吸引中継ソケット20と前記電気信号中継ソケット19の対応位置に第2の開口16と第1の開口14が設けられ、カバープレート1は、プラスチック製ギアボックス筐体4内の部材を全カバーし、プラスチック製ギアボックス筐体4と締結している。このような予備開口カバー構造の締結方式を採用して、扇風機首振り角度調整装置製品が完全なハウジングに保護され、安全規則に適合し、業界内の規則に適合する。
【0057】
図17及び
図18を参照して、本発明の扇風機首振り角度調整装置の直流扇風機の実施例を示す。直流扇風機のメイン動力モータが12v直流永久磁石ブラシレスモータ77である場合、本発明の直流扇風機首振り角度調整装置では、対応する12v直流永久磁石ブラシレスモータ77の電気信号サンプリングシステムを採用して交流扇風機の電気信号サンプリングシステムと異なる以外に、残りの機構は基本的に同じである。本発明に採用される対応する12v直流永久磁石ブラシレスモータ77の電気信号サンプリングシステムにおいて、モータは、12v直流永久磁石ブラシレスモータ77であり、永久磁石84は、12v直流永久磁石ブラシレスモータ回転子自体既有の永久磁石であり、回転子位置センシング信号取得装置は、12v直流永久磁石ブラシレスモータ自体既有のホールセンサ81であり、12v直流永久磁石ブラシレスモータ自体既有のホールセンサ81の既有の電気信号導線79は、前記角度調整制御チップ13の入力端に接続線を介して接続されている。
【0058】
12v直流永久磁石ブラシレスモータ77の内部自体には、直流低圧が12v直流永久磁石ブラシレスモータ自体既有のホールセンサ81を破壊する電気的環境が存在しないため、12v直流永久磁石ブラシレスモータ自体既有のホールセンサ81の電気信号導線79の出力端から、角度調整制御チップ13の入力端に接続される接続線を増設するだけで、本発明における12v直流永久磁石ブラシレスモータ77の電気信号サンプリングシステムを構成することができる。繰り返し設置による干渉を避けるために、12v直流永久磁石ブラシレスモータ77のハウジング外に延出した回転子軸本体に平面状の切り欠き75を設ける必要はなく、磁性シート-プラスチックカラーアセンブリを組み入れる必要もない。前記プラスチック製ギアボックス筐体4の縦係止板溝54、係止板条53及びバッフル板の逆係止フック内を空け、前記電気信号中継回路板41及び回路板上のホールセンサ74及び電気信号中継ソケット19を挿着せず、カバープレートにも電気信号中継ソケットの開口を設ける必要もない。そこで、12v直流永久磁石ブラシレスモータ77の電気信号サンプリングシステムと角度調整制御チップ13の入力端が接続され、角度調整制御チップ13の出力端が磁気吸引ブレーキ装置24に接続されることにより、閉ループ電気制御式の12v直流永久磁石ブラシレスモータの扇風機首振り角度調整装置を構成することができ、遊星歯車系クランクを操作して新たな設定値で調整することができ、直流扇風機首振り角の自動調整を実現することができる。この閉ループ電気制御式により遊星歯車系クランクの調整を操作して制御する経路と原理を操作し、交流扇風機技術方案に記載されているが、ここでは繰り返さない。
【0059】
もちろん、本発明の扇風機首振り角度調整装置では、遊星キャリアの下端面に一体的に形成された円弧補強スリーブの他端と太陽歯車の歯先円との退避スペースの具体的な退避スペースの状況について、上記実施例に示す他端が太陽歯車の歯先円より半径が大きい円弧状の退避スペースに限らず、他端が太陽歯車の歯先円直径よりも大きい矩形退避スペースや、太陽歯車の歯先円直径よりも大きく、加工しやすい異形の退避スペースであってもよく、他端と太陽歯車の歯先円の非噛合部分とは空洞状を呈する開放式退避スペースであってもよく、このような円弧補強スリーブの他端と太陽歯車の歯先円とが退避スペースを呈する局所変換は、いずれも本発明の保護範囲内にある。明らかに、上述の実施例は、本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではなく、本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく得た他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0060】
(付記)
(付記1)
モータと、プラスチック製ギアボックス筐体と、ウォーム-ウォームホイール-ウォームホイール軸ピニオン-ラージギアの動力伝達機構を備え、
ウォームホイール軸ピニオンとラージギアとの間に軸受スリーブ位置決め板が設けられ、
コア軸と中空軸の下端には、太陽歯車、遊星歯車クランク、遊星キャリア及び遊星軸からなる遊星歯車系クランク機構が設けられ、
コア軸の上端には、ラチェット爪ホルダ、ラチェット爪及びバイアススプリングが設けられ、
ラチェット爪ホルダの上方には、制御ラチェットホイールからなるクラッチ-ブレーキ制御機構が設けられ、
プラスチック製ギアボックス筐体には、磁気吸引ブレーキ装置が設けられ、
磁気吸引ブレーキ装置は、導線を介して角度調整制御チップの出力端に接続され、
モータの回転子に永久磁石が設けられ、
永久磁石に対応するギャップには、回転子位置センシング信号取得装置が設けられ、
回転子位置センシング信号取得装置は、導線を介して角度調整制御チップの入力端に接続されており、
前記遊星キャリアの下端面に円弧補強スリーブが一体的に形成され、
円弧補強スリーブの一端の円弧面は、遊星歯車の歯先円面の非噛合部分に摺動嵌合し、
円弧補強スリーブの他端と太陽歯車の歯先円とは、退避スペースを有する、
ことを特徴とする扇風機首振り角度調整装置。
【0061】
(付記2)
前記中空軸の下端に切り欠きが形成され、前記遊星キャリアの中空軸スリーブ孔壁体にバンプが形成され、当該バンプの両側壁面が中空軸の切り欠きに係入して固定係合し、
前記遊星キャリアの中空軸スリーブ孔壁体のバンプが形成された径方向壁面は、円弧状を呈して中空軸の下端の切り欠きを経て前記コア軸の軸本体に摺動嵌合する、
ことを特徴とする付記1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0062】
(付記3)
前記遊星軸は、リベットであり、
前記遊星歯車クランクは、遊星歯車軸孔の下端面に座ぐりが形成され、
当該座ぐりの径は、リベットヘッドの径よりも大きく、かつ座ぐりの内凹深さは、リベットヘッドの厚よりも大きく、
前記遊星キャリアに形成された遊星軸孔の径は、当該リベットの本体の径よりも小さく、
当該リベット本体は、遊星歯車座ぐりと遊星歯車軸孔を摺動嵌合方式で経た後、締りばめで遊星キャリアの遊星軸孔に圧入して締結し、
締結後、当該リベットヘッドの重ね合わせ端面は、遊星歯車座ぐりの孔底端面と摺動嵌合する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0063】
(付記4)
前記円弧補強スリーブの外壁に1本の縦方向基準突条が形成され、
前記遊星歯車クランクのクランク本体に1本の縦方向ゼロイング突条が形成され、
遊星歯車クランクが偏心して太陽歯車中心から最短距離の基準原点に位置すると、遊星歯車クランクの縦方向ゼロイング突条と、円弧補強スリーブの縦方向基準突条とは、縦方向に直線的に一致している、
ことを特徴とする付記1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0064】
(付記5)
前記プラスチック製ギアボックス筐体の底部は、ウォームホイールの歯先円の外側に対応する位置に第1の逆係止フックと第2の逆係止フックが形成され、
前記軸受スリーブ位置決め板は、ウォームホイールの歯先円の外側に対応する位置に第1の係止口と第2の係止口が形成され、
軸受スリーブ位置決め板の係止口は、当該プラスチック製ギアボックス筐体の底部の逆係止フックに圧入され、逆係止フック-係止口方式で締結される、
ことを特徴とする付記1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0065】
(付記6)
コア軸の上端にラチェット爪ホルダ、ラチェット爪及びバイアススプリングが配置され、中空軸の上端にラージギアが配置され、
ラージギアの上端面には、同心して、ラージギアの歯先円よりも小さい歯先円のラチェットホイールが一体に形成され、
当該ラチェットホイールのラチェット歯の形状は、圧力角が30度より大きい非インボリュート歯形であり、
これらのラチェット歯の横断面形状は、三角形、台形、矩形又は他の加工に便利な非インボリュート形状であり、
前記ラチェット爪は、ラチェットホイールの非インボリュート歯形のラチェット歯に圧着され、ラチェットホイール-ラチェット爪型クラッチ装置を構成する、
ことを特徴とする付記1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0066】
(付記7)
前記プラスチック製ギアボックス筐体は、ウォーム-ウォームホイール-ウォームホイール軸ピニオン-ラージギアの動力伝達機構のウォーム中心線に対する他側の底部に縦方向開口溝が形成され、
前記磁気吸引ブレーキ装置の底部に縦取付板が形成され、
当該磁気吸引ブレーキ装置の縦取付板は、プラスチック製ギアボックス筐体の縦方向開口溝に挿入されて密着している、
ことを特徴とする付記1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0067】
(付記8)
前記縦方向開口溝の側壁に逆係止ブロックが形成され、
前記縦取付板に貫通孔が形成され、
縦取付板の貫通孔は、縦方向開口溝内に挿入されて、逆係止ブロック-貫通孔方式で当該逆係止ブロックに係合接触する、
ことを特徴とする付記7に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0068】
(付記9)
前記貫通孔は、円形の貫通孔であり、
前記逆係止ブロックは、円形の逆係止ブロックであり、
円形の逆係止ブロックの下端には、前記縦方向開口溝の底部端面外に延出する延長板が形成されている、
ことを特徴とする付記8に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0069】
(付記10)
前記プラスチック製ギアボックス筐体は、隣接する磁気吸引ブレーキ装置の引き出し線に対応する位置にピン-逆係止フックが形成され、
前記磁気吸引ブレーキ装置の引き出し線は、1枚の磁気吸引中継回路板に接続され、回路板上の磁気吸引中継ソケットに接続され、
当該磁気吸引中継回路板に第4の係止口と第5の係止口が形成され、
磁気吸引中継回路板の第4の係止口と第5の係止口は、プラスチック製ギアボックス筐体のピン-逆係止フック内に圧入され、逆係止フック-係止口方式で締結する、
ことを特徴とする付記1又は7に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0070】
(付記11)
前記角度調整制御チップの導線は、磁気吸引中継プラグを装着し、
磁気吸引中継プラグは、中継差込方式で前記磁気吸引中継ソケットに接続されている、
ことを特徴とする付記10に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0071】
(付記12)
当該モータが交流モータであり、
前記交流モータの回転子のハウジング外に延出した回転子軸本体には、軸方向に沿って平面状の切り欠きが形成され、
前記永久磁石は、磁性シートであり、
当該ハウジング外に延出した回転子軸本体と磁性シートの間にプラスチックカラーが配置され、
プラスチックカラーの外壁に磁気枠が形成され、
磁気枠の入口に第3の逆係止フックが形成され、
前記磁性シートは、磁気枠の入口から第3の逆係止フックを圧迫して磁気枠内に挿入され、当該第3の逆係止フックと締結されることで、磁性シート-プラスチックカラーアセンブリを構成し、
当該プラスチックカラーの内壁には少なくとも2本以上の円弧形突条が形成され、
円弧形突条の円弧面は、ハウジング外に延出した前記回転子軸本体に滑り込み嵌合接触し、
プラスチックカラーの壁体に軸方向に沿って横係止式係止フック突起が形成され、
横係止式係止フック突起は、プラスチックカラーに従って前記回転子軸本体の平面状の切り欠きに滑り込み、横係止で固定される、
ことを特徴とする付記10に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0072】
(付記13)
当該モータが交流モータであり、
前記回転子位置センシング信号取得装置は、ホールセンサであり、
ホールセンサは、電気信号中継回路板に装着され、電気信号中継回路板に固着する電気信号中継ソケットに接続され、
電気信号中継回路板の側辺に第3の係止口が形成され、
前記プラスチック製ギアボックス筐体内には、縦係止板溝、係止板条及びバッフル板の逆係止フックが形成され、
前記電気信号中継回路板とその第3の係止口は、上から下へ当該プラスチック製ギアボックス筐体の縦係止板溝、係止板条及びバッフル板の逆係止フック内に挿入され、逆係止フック-係止口の差込式の固定となり、
差込式の固定後の電気信号中継回路板上のホールセンサのプラスチック製ギアボックス筐体内の位置は、交流モータのハウジング外に延出した回転子軸本体の切り欠きに固着された磁性シート-プラスチックカラーアセンブリの磁性シートの位置の半径方向隙間に対応する、
ことを特徴とする付記12に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0073】
(付記14)
前記角度調整制御チップの導線は、電気信号中継プラグを装着し、
電気信号中継プラグは、中継差込方式で前記電気信号中継ソケットに接続されている、
ことを特徴とする付記13に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0074】
(付記15)
前記プラスチック製ギアボックス筐体には、カバープレートが配置され、
カバープレートは、前記磁気吸引中継ソケットと前記電気信号中継ソケットの対応位置に第1の開口と第2の開口が設けられ、
カバープレートは、プラスチック製ギアボックス筐体内の部材を全カバーし、プラスチック製ギアボックス筐体と締結している、
ことを特徴とする付記13に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0075】
(付記16)
前記モータは、直流永久磁石ブラシレスモータであり、
前記永久磁石は、直流永久磁石ブラシレスモータ回転子自体既有の永久磁石であり、
前記回転子位置センシング信号取得装置は、直流永久磁石ブラシレスモータ自体既有のホールセンサ又は既有の位置センサレス技術装置であり、
当該ホールセンサの既有の電気信号導線又は当該位置センサレス技術装置の既有の電気信号導線は、接続線を介して前記角度調整制御チップの入力端に接続されている、
ことを特徴とする付記1に記載の扇風機首振り角度調整装置。
【0076】
(付記17)
付記1~16のいずれか1つに記載の扇風機首振り角度調整装置を含むことを特徴とする扇風機。
【符号の説明】
【0077】
1:カバープレート、2:電気信号中継プラグ、3:磁気吸引中継プラグ、4:プラスチック製ギアボックス筐体、5:縦取付板、6:縦方向開口溝、7:遊星キャリア、8:円弧補強スリーブ、9:遊星歯車、10:交流モータ、11:導線、12:角度調整制御チップの導線、13:角度調整制御チップ、14:第1の開口、15:第1の係止口、16:第2の開口、17:軸受スリーブ位置決め板、18:第2の係止口、19:電気信号中継ソケット、20:磁気吸引中継ソケット、21:磁気吸引中継回路板、22:ブレーキ爪、23:磁気吸引ブレーキ装置の引き出し線、24:磁気吸引ブレーキ装置、25:貫通孔、27:ウォームホイール、28:ウォームホイール軸ピニオン、29:遊星軸孔、30:バンプ、31:コア軸、32:ラージギア、33:ラチェットホイール、34:ラチェット爪、35:バイアススプリング、36:小円柱、37:ラチェット爪ホルダ、38:通過孔、39:制御ラチェットホイール、40:第3の係止口、41:電気信号中継回路板、42:中空軸、43:切り欠き、44:第1の逆係止フック、45:遊星歯車軸孔、46:太陽歯車、47:リベット、48:第2の逆係止フック、50:第4の係止口、51:第5の係止口、53:係止板条、54:係止板溝、55:円弧補強スリーブの他端、56:座ぐり、57:リベットヘッド、58:円弧補強スリーブの一端の円弧面、59:径方向壁面、60:縦方向基準突条、61:縦方向ゼロイング突条、63:ラチェット歯、64:縦方向開口溝側壁、65:逆係止ブロック、66:延長板、67:プラスチックカラー、68:円弧形突条、69:磁気枠、70:第3の逆係止フック、71:磁性シート、72:横係止式係止フック突起、73:回転子軸本体、74:ホールセンサ、75:平面状の切り欠き、76:ハウジング、77:12v直流永久磁石ブラシレスモータ、79:電気信号導線、81:12v直流永久磁石ブラシレスモータ自体既有のホールセンサ、84:永久磁石。