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特許7587322金融商品取引管理装置、金融商品取引管理システム、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】金融商品取引管理装置、金融商品取引管理システム、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20241113BHJP
【FI】
G06Q40/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024018167
(22)【出願日】2024-02-08
(62)【分割の表示】P 2022196510の分割
【原出願日】2009-12-28
(65)【公開番号】P2024036665
(43)【公開日】2024-03-15
【審査請求日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】P 2008332600
(32)【優先日】2008-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】317010521
【氏名又は名称】株式会社マネースクエアHD
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】相葉 斉
(72)【発明者】
【氏名】山本 久敏
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-009562(JP,A)
【文献】特開2008-040689(JP,A)
【文献】特開2003-099610(JP,A)
【文献】特開2008-130002(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0069639(US,A1)
【文献】特開2002-183446(JP,A)
【文献】特開2002-366739(JP,A)
【文献】特開2005-234673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相場価格が変動する金融商品の売買取引を管理する金融商品取引管理装置であって、
前記金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付手段と、
該注文入力受付手段が受け付けた前記売買注文申込情報に基づいて、
前記金融商品の注文情報を生成する注文情報生成手段と、
生成された前記注文情報に基づいて前記金融商品の前記売買注文を約定させる約定情報生成手段とを備え、
前記注文情報生成手段は、一の前記売買注文申込情報に基づいて、
前記金融商品の前記相場価格に対して一致し又は超えたときに、前記約定情報生成手段にイフダンオーダーの第一注文を約定させる命令を出させる価格としての第一の価格において、買い注文又は売り注文をする前記注文情報としての第一注文情報、及び、前記相場価格に対して一致し又は超えたときに、前記約定情報生成手段にイフダンオーダーの第二注文を約定させる命令を出させる価格としての第二の価格において、売り注文又は買い注文をする前記注文情報としての第二注文情報を生成し、
前記第一の価格において買い注文又は売り注文をする前記注文情報、及び/又は、前記第二の価格において売り注文又は買い注文をする前記注文情報に、前記相場価格の変動に対応して、前記約定させる基準となる価格を変動させる価格幅の情報が設けられ、
前記約定情報生成手段は、
前記相場価格の変動に伴い、前記価格幅の情報に基づいて、前記第一注文、及び/又は、前記第二注文の前記約定させる基準となる価格を変動させ、
前記第一注文について、前記相場価格が高値側及び安値側のうちの一方側に変動して、前記第一注文の注文価格が、前記価格幅の情報によって設定された前記価格幅変動し、前記相場価格が変動前の前記第一の価格に対して一回一致し又は超え、さらに変動した前記相場価格が変動後の前記第一の価格に対して一致し又は超えたときに変動後の前記第一の価格を基準に約定させる命令
及び、
前記第二注文について、前記相場価格が前記高値側及び前記安値側に変動して、前記第二注文の注文価格が、前記価格幅の情報によって設定された前記価格幅変動し、前記相場価格が変動前の前記第二の価格に対して一回一致し又は超え、さらに変動した前記相場価格が変動後の前記第の価格に対して一致し又は超えたときに変動後の前記第二の価格を基準に約定させる命令を実行し、
前記注文情報生成手段は、変動後の第一の価格で前記第一注文が約定した後、変動前の前記第一の価格において売り注文又は買い注文をする前記注文情報としての第一注文情報を再び生成することを特徴とする金融商品取引管理装置。
【請求項2】
前記注文情報生成手段が生成した前記注文情報としての、前記第一注文情報及び前記第二注文情報を記録する注文情報記録手段と、
前記金融商品の相場価格の情報を取得し管理する相場価格情報管理手段とを備え、
該約定情報生成手段は、前記注文情報記録手段に記録された、前記第一注文情報によって取引を行う前記第一注文を有効な注文とすると共に前記第二注文情報によって取引を行う前記第二注文を無効な注文とし、
前記第一注文情報に基づいて前記第一注文の約定を行い、該約定と共に前記第二注文情報に基づく前記第二注文を無効な注文から有効な注文に変更する処理を行い、現在の前記相場価格が前記第二の価格となったときに前記第二注文情報に基づいて前記第二注文を前記第二の価格を基準に約定させる命令を実行することを特徴とする請求項1に記載の金融商品取引管理装置。
【請求項3】
相場価格が変動する金融商品の売買取引を管理する金融商品取引管理システムであって、
前記金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付手段と、
該注文入力受付手段が受け付けた前記売買注文申込情報に基づいて、
前記金融商品の注文情報を生成する注文情報生成手段と、
生成された前記注文情報に基づいて前記金融商品の前記売買注文を約定させる約定情報生成手段とを備え、
前記注文情報生成手段は、一の前記売買注文申込情報に基づいて、
前記金融商品の前記相場価格に対して一致し又は超えたときに、前記約定情報生成手段にイフダンオーダーの第一注文を約定させる命令を出させる価格としての第一の価格において、買い注文又は売り注文をする前記注文情報としての第一注文情報、及び、前記相場価格に対して一致し又は超えたときに、前記約定情報生成手段にイフダンオーダーの第二注文を約定させる命令を出させる価格としての第二の価格において、売り注文又は買い注文をする前記注文情報としての第二注文情報を生成し、
前記第一の価格において買い注文又は売り注文をする前記注文情報、及び/又は、前記第二の価格において売り注文又は買い注文をする前記注文情報に、前記相場価格の変動に対応して、前記約定させる基準となる価格を変動させる価格幅の情報が設けられ、
前記約定情報生成手段は、
前記相場価格の変動に伴い、前記価格幅の情報に基づいて、前記第一注文、及び/又は、前記第二注文の前記約定させる基準となる価格を変動させ、
前記第一注文について、前記相場価格が高値側及び安値側のうちの一方側に変動して、前記第一注文の注文価格が、前記価格幅の情報によって設定された前記価格幅変動し、前記相場価格が変動前の前記第一の価格に対して一回一致し又は超え、さらに変動した前記相場価格が変動後の前記第一の価格に対して一致し又は超えたときに変動後の前記第一の価格を基準に約定させる命令
及び、
前記第二注文について、前記相場価格が前記高値側及び前記安値側に変動して、前記第二注文の注文価格が、前記価格幅の情報によって設定された前記価格幅変動し、前記相場価格が変動前の前記第二の価格に対して一回一致し又は超え、さらに変動した前記相場価格が変動後の前記第の価格に対して一致し又は超えたときに変動後の前記第二の価格を基準に約定させる命令を実行し、
前記注文情報生成手段は、変動後の第一の価格で前記第一注文が約定した後、変動前の前記第一の価格において売り注文又は買い注文をする前記注文情報としての第一注文情報を再び生成することを特徴とする金融商品取引管理システム。
【請求項4】
コンピュータを請求項1又は2に記載の金融商品取引管理装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国為替等、金融商品の取引を管理、支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
外国為替等の金融商品の取引方法として、注文時の価格で取引を行う成行注文の他に、指値注文が知られている。この指値注文とは、予め顧客から売買値段の指定を受ける注文形態のことであり、金融商品の取扱業者は対象となる金融商品が指定された金額まで下がったときに当該金融商品の買い注文を行い、あるいは、指定された金額まで上がったときに当該金融商品の売り注文を行う。従来、この金融商品の指値注文をコンピュータシステムを用いて行う発明が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-99787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、金融商品の指値注文においては、イフダンオーダー(順位のある2つの注文を同時に出し、第一順位の注文(以下「第一注文」と称する。)が成立したら、自動的に第二順位の注文(以下「第二注文」と称する。)が有効になる注文形式のこと。本明細書において同じ。)が行われることも多い、しかし、引用文献1に記載の発明においては、イフダンオーダーの指値注文に対応できないという問題がある。一方、金融商品の相場が従来の相場よりも大きく変動してしまい当面回復の見込みがない場合には、当該金融商品を所持する取引者は、損害を最小限に留めるべく相場価格の変動状況に応じて当該金融商品の売却を望む場合が多い。しかし、引用文献1に記載の発明において、金融商品の取引を行うべくシステムを利用する顧客は、指値注文の買い注文によって取得した金融商品を将来の相場の状況に応じて自動的に売却することはできず、またイフダンオーダーを相場の状況に応じて自動的に中止させることができないという問題がある。
【0005】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、金融商品の取引においてシステムを利用する顧客の利便性を高めると共にイフダンオーダーを行う際に顧客が被るリスクを低減させることができる金融商品取引管理装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、相場価格が変動する金融商品の売買取引を管理する金融商品取引管理装置であって、前記金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付手段と、該注文入力受付手段が受け付けた前記売買注文申込情報に基づいて、前記金融商品の注文情報を生成する注文情報生成手段と、生成された前記注文情報に基づいて前記金融商品の前記売買注文を約定させる約定情報生成手段とを備え、前記注文情報生成手段は、一の前記売買注文申込情報に基づいて、前記金融商品の前記相場価格に対して一致し又は超えたときに、前記約定情報生成手段にイフダンオーダーの第一注文を約定させる命令を出させる価格としての第一の価格において、買い注文又は売り注文をする前記注文情報としての第一注文情報、及び、前記相場価格に対して一致し又は超えたときに、前記約定情報生成手段にイフダンオーダーの第二注文を約定させる命令を出させる価格としての第二の価格において、売り注文又は買い注文をする前記注文情報としての第二注文情報を生成し、前記第一の価格において買い注文又は売り注文をする前記注文情報、及び/又は、前記第二の価格において売り注文又は買い注文をする前記注文情報に、前記相場価格の変動に対応して、前記約定させる基準となる価格を変動させる価格幅の情報が設けられ、前記約定情報生成手段は、前記相場価格の変動に伴い、前記価格幅の情報に基づいて、前記第一注文、及び/又は、前記第二注文の前記約定させる基準となる価格を変動させ、前記第一注文について、前記相場価格が高値側及び安値側のうちの一方側に変動して、前記第一注文の注文価格が、前記価格幅の情報によって設定された前記価格幅変動し、前記相場価格が変動前の前記第一の価格に対して一回一致し又は超え、さらに変動した前記相場価格が変動後の前記第一の価格に対して一致し又は超えたときに変動後の前記第一の価格を基準に約定させる命令及び、前記第二注文について、前記相場価格が前記高値側及び前記安値側に変動して、前記第二注文の注文価格が、前記価格幅の情報によって設定された前記価格幅変動し、前記相場価格が変動前の前記第二の価格に対して一回一致し又は超え、さらに変動した前記相場価格が変動後の前記第の価格に対して一致し又は超えたときに変動後の前記第二の価格を基準に約定させる命令を実行し、前記注文情報生成手段は、変動後の第一の価格で前記第一注文が約定した後、変動前の前記第一の価格において売り注文又は買い注文をする前記注文情報としての第一注文情報を再び生成することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、 前記注文情報生成手段が生成した前記注文情報としての、前記第一注文情報及び前記第二注文情報を記録する注文情報記録手段と、前記金融商品の相場価格の情報を取得し管理する相場価格情報管理手段とを備え、該約定情報生成手段は、前記注文情報記録手段に記録された、前記第一注文情報によって取引を行う前記第一注文を有効な注文とすると共に前記第二注文情報によって取引を行う前記第二注文を無効な注文とし、前記第一注文情報に基づいて前記第一注文の約定を行い、該約定と共に前記第二注文情報に基づく前記第二注文を無効な注文から有効な注文に変更する処理を行い、現在の前記相場価格が前記第二の価格となったときに前記第二注文情報に基づいて前記第二注文を前記第二の価格を基準に約定させる命令を実行することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、相場価格が変動する金融商品の売買取引を管理する金融商品取引管理システムであって、前記金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付手段と、該注文入力受付手段が受け付けた前記売買注文申込情報に基づいて、前記金融商品の注文情報を生成する注文情報生成手段と、生成された前記注文情報に基づいて前記金融商品の前記売買注文を約定させる約定情報生成手段とを備え、前記注文情報生成手段は、一の前記売買注文申込情報に基づいて、前記金融商品の前記相場価格に対して一致し又は超えたときに、前記約定情報生成手段にイフダンオーダーの第一注文を約定させる命令を出させる価格としての第一の価格において、買い注文又は売り注文をする前記注文情報としての第一注文情報、及び、前記相場価格に対して一致し又は超えたときに、前記約定情報生成手段にイフダンオーダーの第二注文を約定させる命令を出させる価格としての第二の価格において、売り注文又は買い注文をする前記注文情報としての第二注文情報を生成し、前記第一の価格において買い注文又は売り注文をする前記注文情報、及び/又は、前記第二の価格において売り注文又は買い注文をする前記注文情報に、前記相場価格の変動に対応して、前記約定させる基準となる価格を変動させる価格幅の情報が設けられ、前記約定情報生成手段は、前記相場価格の変動に伴い、前記価格幅の情報に基づいて、前記第一注文、及び/又は、前記第二注文の前記約定させる基準となる価格を変動させ、前記第一注文について、前記相場価格が高値側及び安値側のうちの一方側に変動して、前記第一注文の注文価格が、前記価格幅の情報によって設定された前記価格幅変動し、前記相場価格が変動前の前記第一の価格に対して一回一致し又は超え、さらに変動した前記相場価格が変動後の前記第一の価格に対して一致し又は超えたときに変動後の前記第一の価格を基準に約定させる命令及び、前記第二注文について、前記相場価格が前記高値側及び前記安値側に変動して、前記第二注文の注文価格が、前記価格幅の情報によって設定された前記価格幅変動し、前記相場価格が変動前の前記第二の価格に対して一回一致し又は超え、さらに変動した前記相場価格が変動後の前記第の価格に対して一致し又は超えたときに変動後の前記第二の価格を基準に約定させる命令を実行し、前記注文情報生成手段は、変動後の第一の価格で前記第一注文が約定した後、変動前の前記第一の価格において売り注文又は買い注文をする前記注文情報としての第一注文情報を再び生成することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、プログラムであって、コンピュータを請求項1又は2に記載の金融商品取引管理装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、請求項3に記載の発明によれば、一の売買注文申込情報に基づいて、金融商品の相場価格に対して一致し又は超えたときに、イフダンオーダーの第一注文を約定させる命令を出させる価格としての第一の価格において、買い注文又は売り注文をする注文情報としての第一注文情報、及び、相場価格に対して一致し又は超えたときに、イフダンオーダーの第二注文を約定させる命令を出させる価格としての第二の価格において、売り注文又は買い注文をする注文情報としての第二注文情報を生成する。そして、第一の価格において買い注文又は売り注文をする注文情報、及び/又は、第二の価格において売り注文又は買い注文をする注文情報に、相場価格の変動に対応して、約定させる基準となる価格を変動させる価格幅の情報が設けられる。そして、相場価格の変動に伴い、価格幅の情報に基づいて、第一注文、及び/又は、第二注文の約定させる基準となる価格を変動させる。る。そして、第一注文について、相場価格が高値側及び安値側のうちの一方側に変動して、第一注文の注文価格が、価格幅の情報によって設定された価格幅変動し、相場価格が変動前の第一の価格に対して一回一致し又は超え、さらに変動した相場価格が変動後の第一の価格に対して一致し又は超えたときに変動後の第一の価格を基準に約定させる命令及び、第二注文について、相場価格が高値側及び安値側に変動して、第二注文の注文価格が、価格幅の情報によって設定された価格幅変動し、相場価格が変動前の第二の価格に対して一回一致し又は超え、さらに変動した相場価格が変動後のの価格に対して一致し又は超えたときに変動後の第二の価格を基準に約定させる命令を実行する。そして、変動後の第一の価格で第一注文が約定した後、変動前の第一の価格において売り注文又は買い注文をする注文情報としての第一注文情報を再び生成る。そして、クライアント端末側で一の注文手続きを行うことで、同一種類の金融商品についての注文をコンピュータシステムを用いて行うことができる。そして、価格幅の情報に基づいて、第一注文、及び、第二注文の約定させる基準となる価格を変動させることができる。そして、金融商品の先物取引において、システムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく、かつ将来の相場の状況が利用者に不利に変化しても常に損害額を最低限に抑えられるイフダンオーダーを行うことが可能になる。これにより、金融商品の取引においてシステムを利用する顧客の利便性を高めると共にイフダンオーダーを行う際に顧客が被るリスクを低減させることができる。
【0011】
請求項1,3に記載の発明によれば、価格情報に基づいて、第一注文、及び/又は、第二注文の約定させる基準となる価格を変動させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、注文情報生成手段が生成した注文情報としての、第一注文情報及び第二注文情報を記録する注文情報記録手段と、金融商品の相場価格の情報を取得し管理する相場価格情報管理手段とを備え、約定情報生成手段は、注文情報記録手段に記録された、第一注文情報によって取引を行う第一注文を有効な注文とすると共に第二注文情報によって取引を行う第二注文を無効な注文とし、第一注文情報に基づいて第一注文の約定を行い、約定と共に第二注文情報に基づく第二注文を無効な注文から有効な注文に変更する処理を行い、現在の相場価格が第二の価格となったときに第二注文情報に基づいて第二注文を第二の価格を基準に約定させる命令を実行することにより、金融商品の先物取引において、システムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく、かつ将来の相場の状況が利用者に不利に変化しても常に損害額を最低限に抑えられるイフダンオーダーが実現できる。これにより、システムを利用する顧客の利便性を高めると共にイフダンオーダーを行う際に顧客が被るリスクを低減させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、本発明の金融商品取引管理装置をプログラム化し、多様なコンピュータハードウェア上で実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この実施の形態1の金融商品取引管理システムにおけるシステム構成図及び金融商品取引管理装置の機能ブロック図である。
図2】同上金融商品取引管理装置の注文テーブルのフィールド定義の模式図である。
図3】同上金融商品取引管理装置における、逆指値注文を受け付ける際の実行手順を示すフローチャートである。
図4】同上金融商品取引管理装置がクライアント端末の表示部に表示させる(a)顧客が、同一種類の金融商品を「第一の価格」について買い逆指値注文をし、「第二の価格」について売り逆指値注文をすることを希望する場合の各種選択・入力が行われた入力画面のイメージ図、(b)同一種類の金融商品について、「第一の価格」について売り逆指値注文を行うと共に「第二の価格」について買い逆指値注文を行う入力画面のイメージ図である。入力画面のイメージ図である。
図5】同上金融商品取引管理装置における、注文テーブルに記録された注文情報群を模式的に示した図である。
図6】同上金融商品取引管理装置における、逆指値注文の受け付け後の買い逆指値注文の実行手順を示すフローチャートである。
図7】同上金融商品取引管理装置における、逆指値注文の受け付け後の売り逆指値注文の実行手順を示すフローチャートである。
図8】同上金融商品取引管理装置における、相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。
図9】同上金融商品取引管理装置における、相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。
図10】同上金融商品取引管理装置における、相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。
図11】同上金融商品取引管理装置における、注文テーブルに記録された注文情報群を模式的に示した図である。
図12】同上金融商品取引管理装置における、逆指値注文の受け付け後の実行手順を示すフローチャートである。
図13】同上金融商品取引管理装置における、逆指値注文の受け付け後の実行手順を示すフローチャートである。
図14】同上金融商品取引管理装置における、相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。
図15】同上金融商品取引管理装置における、相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。
図16】同上金融商品取引管理装置における、相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。
図17】この発明の実施の形態2の金融商品取引管理装置がクライアント端末の表示部に表示させる入力画面のイメージ図である。
図18】同上金融商品取引管理装置における、注文テーブルに記録された注文情報群を模式的に示した図である。
図19】同上金融商品取引管理装置における、逆指値注文の受け付け後の実行手順を示すフローチャートである。
図20】同上金融商品取引管理装置における、逆指値注文の受け付け後の実行手順を示すフローチャートである。
図21】同上金融商品取引管理装置における、図19のフローチャートに示す処理手順の相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。
図22】同上金融商品取引管理装置における、図19のフローチャートに示す処理手順の相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである
【発明を実施するための形態】
【0015】
[発明の実施の形態1]
以下、この発明の一の実施の形態1について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、この実施の形態1の金融商品取引管理システムのシステム構成図及び機能ブロック図である。同図に示すとおり、金融商品取引管理システム1Aは、金融商品取引管理装置1と、n個(n≧1)のクライアント端末2~2とを備えており、金融商品取引管理装置1とクライアント端末2~2は、WAN(Wide Area Network)としてのインターネット3を介して相互に交信可能である。この実施の形態1の金融商品取引管理システム1Aは、金融商品として外国為替を取扱う。
【0017】
金融商品取引管理装置1は、金融商品の取扱業者が管理し運用するサーバコンピュータであり、Webサーバ機能、大容量のデータを保存するデータベース機能を備えている。クライアント端末2,・・・,2は、金融商品の売買を行う個人又は法人が所持し使用する、データ通信機能を有する通信端末であって、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末等がこれに該当する。クライアント端末2,・・・,2は、マウスやキーボード等各種指示を入力するために用いられる操作部21,・・・,21、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり操作部21,・・・,21から入力された各種指示等や各種画像を表示する表示部22,・・・,22を有している。なお、クライアント端末2,・・・,2、操作部21,・・・,21、表示部22,・・・,22は同じ構成を持つので、以下、区別する必要がある場合を除き、クライアント端末2、操作部21、表示部22とする。
【0018】
図1には図示しないが、金融商品取引管理装置1は少なくとも1のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、及び、CPUの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)、起動用ブートプログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)、各種プログラムやデータ等が記録されるハードディスク等の補助記憶装置、データの送受信に用いる通信インターフェース等が設けられている。補助記憶装置には、OS(Operating System)用プログラム、各種アプリケーションプログラム、データベースに記録されたデータ等が記録されており、これらのプログラムやデータはCPUの演算処理により、ハードウェア資源と協働して各種機能を実現する。
【0019】
図1に示す通り、金融商品取引管理装置1は、上述した各種プログラムとハードウェア資源とに基づいて実現される機能手段としてのデータ処理部10、及び、データ処理部10にて処理される各種データが記録されるデータベース18を有する。データ処理部10は金融商品取引管理装置1において用いる各種データの生成、加工等の処理を行うものであり、更に、同じく機能手段としてのフロントページ配信部11、「注文情報受付手段」としての注文入力受付部12、入出金情報生成部13、「約定情報生成手段」としての約定情報生成部14、口座情報生成部15、「注文情報生成手段」としての注文情報生成部16、データベース(DB)接続基底部17、「相場価格情報管理手段」としての価格情報受信管理部19を有している。
【0020】
注文入力受付部12は、クライアント端末2から入力された各種の注文に関するデータを受け付け、金融商品の注文を成立させるために必要な各種処理を行う。
【0021】
入出金情報生成部13は、クライアント端末2から入出金のリクエストを受け付け、リクエストに基づいて入出金の一覧表を作成する。
【0022】
注文情報生成部16は、注文入力受付部12が処理した情報に基づいて、成立した金融商品の注文に関する情報を生成する。ここでの注文には、いわゆる成行注文、指値注文に加え、イフダンオーダーも含まれる。
【0023】
約定情報生成部14は、注文情報生成部16が生成した注文に基づく約定処理、及び、完了した約定処理に関する情報を顧客のクライアント端末2に送るための処理を行う。なお、ここでの「約定」とは、顧客の注文に基づいて金融商品の売買を成立されるための各種の手続並びに処理のことをいう。後述する通り、この実施の形態1において約定が成立すると、外国為替の売買が行われ、その結果、約定情報生成部14の指示に基づいて、口座情報生成部15が売買額に応じて証拠金情報(後述)を変換し、更に、入出金情報生成部13が入出金の一覧表に入金や出金の状況を記載する。また、約定情報生成部14は、約定が成立すると、クライアント端末2の表示部22に約定が成立した旨の文字情報等を表示させ、また、売買価格に基づいてクライアント端末の銀行口座の出入金処理を行う。
【0024】
口座情報生成部15は、顧客の預金残高情報を生成し、当該預金残高情報を証拠金情報(即ち、注文の約定を実現できることを裏付けるための情報)として管理する機能を有する。なお、口座情報生成部15において生成される預金残高に関する情報は、現実の預金残高と整合性を取るために、銀行等の金融機関が提供する、顧客の現実の預金残高に関する情報と定期的に照合される。
【0025】
データベース接続基底部17は、データ処理部10において生成、加工処理されたデータとデータベース18にて記録されるデータとの変換(例えば論理的データ構造と物理的データ構造との相互変換)を行うと共に、データ処理部10とデータベース18との間でデータを交信するために必要な処理を行う。
【0026】
データベース18は、金融商品取引管理装置1にて用いられるデータを記録する。この実施の形態1におけるデータベース18はリレーショナルデータベースによって形成するが、例えばオブジェクトデータベース等、大量のデータの記録や書換えに適したものであればどのような形式を用いてもよい。データベース18には、「注文情報記録手段」としての注文テーブル181、「顧客口座情報記録手段」としての顧客口座情報テーブル182、通貨ペア注文条件テーブル183、シーケンス番号テーブル184が記録されている。シーケンス番号テーブル184には注文情報(後述)ごとに一意に付されるシーケンス番号が記録される。注文テーブル181、顧客テーブル182、通貨ペア注文条件テーブル183の詳細については後述する。
【0027】
フロントページ配信部11は、クライアント端末2の表示部22にされる画像データを作成し、作成した画像データをクライアント端末2に送信する。
【0028】
価格情報受信管理部19は、金融商品取引管理装置1にて扱う金融商品の価格についての情報を取得し、取得した情報に対し、データ処理部10にて用いるために必要な処理と管理を行う。この実施の形態1においては、価格情報受信管理部19は外為の相場価格の情報を定期的に取得し、記録し管理する。
【0029】
なお図示しないが、金融商品取引管理装置1は日時の情報を取得し管理するタイマと、このタイマから取得された日時の情報に基づいて第一順位の注文情報、第一の売逆指値注文情報、第二の売逆指値注文情報(いずれも後述)の注文期限の管理を行う期限管理手段とを有する。
【0030】
図2は注文テーブル181のフィールド定義の模式図である。同図に示す通り、注文テーブル181は項目数分のフィールドを有し、フィールドの名称(フィールド名)、文字や数値や日時等のデータ型(型)、ビット長等のデータ長(長さ)、空欄不可指定(Not Null)、デフォルト値の有無(デフォルト値)、データの項目名(備考)等が規定される。
【0031】
上述の金融商品取引管理装置1においては、一の予約注文によって、同一種類の金融商品について複数の逆指値注文を用いたイフダンオーダーによる取引を実現できる。
【0032】
次に、この実施の形態1の金融商品取引管理システム1Aにおける、逆指値注文を用いたイフダンオーダーの実行手順について説明する。
【0033】
図3は、この実施の形態1の金融商品取引管理装置1における、「第一の価格」としての一の通貨の買い逆指値注文(新規買い逆指値注文)、及び、「第二の価格」としての他の通貨の売り逆指値注文(新規売り逆指値注文)を受け付ける際の実行手順を示すフローチャートである。以下、同図に基づいて受け付け時の実行手順を説明する。
【0034】
金融商品取引管理システム1Aを利用する顧客は、クライアント端末2を用いて金融商品取引管理装置1にアクセスし、表示部22に表示された取引選択画面(図示せず)により、同一種類の金融商品(例えば米国ドルと日本円との組み合わせ)を「第一の価格」について買い逆指値注文を行い、「第二の価格」についての売り逆指値注文を行う取引を選択する。金融商品取引管理装置1のフロントページ配信部11は、アクセスのあったクライアント端末2の表示部22に、当該売買の条件を入力するための入力画面を表示させる。
【0035】
図4の(a)は、この実施の形態1の金融商品取引管理装置1における、同一種類の金融商品について、「第一の価格」について買い逆指値注文を行うと共に「第二の価格」について売り逆指値注文を行う入力画面のイメージ図である。同図には、同注文を行う場合の各種入力、選択がされた状態が表示されている。
【0036】
この入力画面40には、取引可能な通貨ペアを画面表示させる「売買希望入力手段」としての売買希望通貨ペア選択ボタン401、最初に約定させる指値注文の売買の種類を表示させる売買種類選択ボタン402、選択可能な注文の種類を表示させる注文種類選択ボタン403、「第一の価格」としての、取引対象の通貨の買い逆指値注文(新規買い逆指値注文)、又は売り逆指値注文(新規売り逆指値注文)の最初の価格が入力される「第一注文価格入力欄」としての第一逆指値注文価格入力欄404、「第一の価格」としての買い逆指値注文、又は売り逆指値注文のトレール幅の金額が入力される第一トレール幅入力欄405、「第一の価格」としての買い逆指値注文、又は売り逆指値注文のトレール開始価格が入力される第一トレール開始価格入力欄406、「第二の価格で販売又は購入した場合の値幅」としての、売り逆指値注文、又は買い逆指値注文のストップロス幅の価格が入力される「値幅入力欄」としてのストップロス幅入力欄407、それぞれの指値注文及び逆指値注文の約定によって売買される通貨の金額が入力される注文金額入力欄408、それぞれの逆指値注文の有効期限を表示させる有効期限選択ボタン409が表示されている。なお、後述する通り、第一逆指値注文価格入力欄404に入力された価格はイフダンオーダーの第一注文の最初の価格を形成する。
【0037】
顧客が、同一種類の金融商品を第一の価格について買い逆指値注文をし、第二の価格について売り逆指値注文をすることを希望する場合、顧客は操作部21を操作して当該取引を希望する旨入力し、更に入力画面40に注文内容のデータを選択・入力する(ステップS1)。図4の(a)には、顧客が、同一種類の金融商品を第一の価格について買い逆指値注文をし、第二の価格について売り逆指値注文をすることを希望する場合の各種選択・入力が行われた入力画面40のイメージ図である。図4の(a)においては、売買希望通貨ペア選択ボタン401にてUSドル/日本円(日本円でUSドルを売買する)を選択し、売買種類選択ボタン402で「買い」を選択し、注文種類選択ボタン403で「トレンドイフダン」(この実施の形態1の、同一種類の金融商品について複数の逆指値注文を用いたイフダンオーダーのこと。以下本明細書においてこの取引態様を「トレンドイフダンオーダー」と称する。)」を選択し、第一逆指値注文価格入力欄404に103.00円、第一トレール幅入力欄405に1.00円、第一トレール開始価格入力欄406に102.50円、ストップロス幅入力欄407に2.00円、注文金額入力欄408に10万ドルがそれぞれ入力され、有効期限選択ボタン409によって「週末」が選択された状態が表示されている。
【0038】
この状態で選択ボタン410がクリックされ、入力画面40において入力・選択されたデータが金融商品取引管理装置1に供給されると、金融商品取引管理装置1の注文入力受付部12は、入力された注文の内容を確認する。即ち、有効期限選択ボタン409において選択された期限、注文種類選択ボタン403において選択された注文の種類を確認し、さらに、それぞれの注文価格について検査を行う(ステップS2)。具体的には、注文入力受付部12は、売買希望通貨ペア選択ボタン401において選択された通貨ペアの、第一逆指値注文価格入力欄404に入力された買い逆指値注文の価格と、価格情報受信管理部19が受信した現在の為替相場価格との対比が行われる。注文入力受付部12は、顧客が利益を得られる場合のみ、即ち、買い逆指値注文の価格が現在の為替相場価格よりも低い場合のみを適正価格と判断する。
【0039】
買い逆指値注文の価格が適正価格と判断された場合(ステップS3の“No”)、口座情報生成部15が顧客口座情報テーブル182の当該顧客の証拠金情報を取得する。
【0040】
注文入力受付部12は、取得された証拠金情報と顧客の注文総額(即ち、第一逆指値注文価格入力欄404に入力された買い逆指値注文の価格に注文金額入力欄408に入力された金額を乗じて算出される注文総額)とを対比し、証拠金の額が注文許容額以上であるか否かを確認する。
【0041】
ここで、「注文許容額」とは、注文に必要な金額のことである(本明細書において同じ)。即ち、注文許容額は、注文金額入力欄408に入力された金額(この実施の形態では、10(万円))であってもよいし、当該値に対する所定の比率の値(例えば、10(万円)×0.1=1(万円))であってもよいし、予め定められた所定の金額(例えば、一律1万円)であってもよい。
【0042】
注文情報生成部16は、証拠金の額が注文許容額以上である場合(ステップS5の“No”)の場合にのみ、後述する「注文情報群」を生成する。これにより、顧客が確実に支払いができる場合にのみトレンドイフダンオーダーによる指値注文を受け付けることができる。
【0043】
証拠金の額が注文許容額以上である場合(ステップS5の“No”)、注文入力受付部12は、通貨ペア注文条件テーブル183に記録されたデータ等を元に、注文条件が上述したもの以外のトレンドイフダンオーダーの各種条件を満たしているか否かを確認する(ステップS6)。
【0044】
トレンドイフダンオーダーの各種条件を満たしていない場合(ステップS7の“Yes”)、注文入力受付部12は入力された注文をエラーとして扱い、注文の受付を拒絶する(ステップS10)。
【0045】
トレンドイフダンオーダーの各種条件を満たしている場合であって(ステップS7の“No”)、注文条件が上述のトレンドイフダンオーダーによる指値注文に必要な条件を全て満たしているものと判定された場合、フロントページ配信部11は、クライアント端末2の表示部22に、確認画面(図示せず)を表示させる。確認画面(図示せず)には入力画面40にて顧客によって入力、選択された注文条件が列記されており、列記された内容で間違いない場合にクリックする承認ボタン(図示せず)が設けられている。
【0046】
顧客が操作部21の操作により承認ボタン(図示せず)をクリックすると、金融商品取引管理装置1の注文情報生成部16はステップS1にて入力されたデータに基づいて注文情報を生成する(ステップS8)。具体的には、上記手順において入力された複数のデータを、注文価格を単位としてまとめ、各情報の単位に、シーケンス番号テーブル184に記録された注文にシーケンス番号を付与することで各注文情報を形成する。なおこのとき、シーケンス番号テーブル184には、注文情報に使用されたシーケンス番号を未使用の番号と識別するための情報が付与される。一回のステップS8の手順にて生成される複数の注文情報は、同一種類の金融商品を第一の価格について指値注文する注文情報、及び第二の価格について指値注文する注文情報から成る注文情報群(以下単に「注文情報群」と称する。)を形成する。
【0047】
注文情報生成部16は、生成された注文情報群を注文テーブル181に記録する(ステップS9)。注文情報群は、図2に示す各フィールドの定義に基づいて注文テーブルに記録される。例えば、“ord_seq”フィールド181bは、ステップS8にて付与されたシーケンス番号の定義である。“cust_seq”フィールド181cは顧客ごとに一意に定められた顧客番号の、“style_id”フィールド181dは商品名の定義である。“ccy_pair_id”フィールド181eは通貨ペア毎に一意に定められたID番号の定義である。このID番号と通貨ペアとの組合わせはデータベース中に別途設けられたIDテーブル(図示せず)中に記録されている。“ord_amnt”フィールド181fは注文金額入力欄408に入力された金額の定義である。“buy_sell_id”フィールド181gには売買種類選択ボタン402で入力された売り注文、買い注文のいずれであるかを定義し、“ord_rate”フィールド181hには第一逆指値注文価格入力欄404で入力された価格を定義し、“limit_time”フィールド181iには有効期限選択ボタン409にて選択された注文期限を定義する。“ord_cond”フィールド181jは注文種類選択ボタン403で選択された注文種別を定義する。“new_close”フィールド181kには新規注文、決済注文のいずれであるかを定義する。“trail_rate”フィールド181mは第一トレール幅入力欄405に入力されたトレール幅を定義し、“repeat_flag”フィールド181nにはイフダンオーダーを繰り返し行うか否かを定義する。なお図2には図示しないが、注文テーブル181には、入力画面40に入力されたその他のデータ、即ち、第一トレール開始価格入力欄406、ストップロス幅の価格が入力されるストップロス幅入力欄407を定義するフィールドも設けられる。これらのフィールドによって、入力画面40に入力されたデータは全て注文テーブル181に記録される。以上の手順より、この実施の形態1におけるイフダンオーダーによる指値注文の受け付け処理は完了する。
【0048】
図5は、注文情報生成部16によって生成されて注文テーブル181に記録された、注文情報群を模式的に示した図である。なお、同図に示す態様のテーブルは、フロントページ配信部11によってクライアント端末2の表示部22にも画像表示される。
【0049】
図5に示す通り、注文情報群1810Aは、第一の価格について逆指値注文をする、第一順位の注文情報1811、第二の価格について逆指値注文をする「第二順位の注文情報」を形成する、第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813から成る。第一順位の注文情報1811は、約定の順序としての優先順位の高い注文情報であり、「第二順位の注文情報」は約定の順序としての優先順位の低い注文情報である。
【0050】
図5に示す通り、第一順位の注文情報1811、第一の決済注文情報1812、及び第二の決済注文情報1813は、注文の通し番号としての注文情報181A、顧客毎に一意に付される顧客番号181B、売買の対象となる通貨の組合せ(主として日本円と外貨の組合せ)を識別するための通貨ペア情報181C、一の注文における外貨の持高としてのポジション(以下単に「ポジション」と称する。本明細書において同じ。)の価格情報としての注文金額情報181D、注文が発注された時刻の情報としての注文時刻情報181E、注文が「売り注文」「買い注文」の何れであるかを識別するフラグ情報としての売買方向情報181F、「約定価格の情報」としての注文価格情報181G、各注文情報1811,1812,1813の有効期限を示す情報としての注文有効期限情報181H、例えば「成行注文」「イフダン注文」等の注文の種別を識別するフラグ情報としての注文種別情報181I、各注文情報が「新規注文」なのか「決済注文」なのか、また、「指値注文」なのか「逆指値注文」なのかを識別するフラグ情報としての新規/決済情報181J、為替相場の相場価格と逆指値注文の価格との価格差としてのトレール幅(以下単に「トレール幅」と称する。)の情報としてのトレール幅情報181K、トレール注文を開始する相場価格の情報としてのトレール開始価格情報181L、第一の決済注文情報1812と第二の決済注文情報1813との価格差を規定するストップロス幅情報181M、各注文情報1811,1812,1813が、発注済の逆指値注文(又は指値注文)の注文情報としての有効な注文情報か、あるいは発注前の逆指値注文(又は指値注文)の注文情報としての無効な注文情報かを識別するためのフラグ情報である、「有効無効識別情報」としての有効/無効情報181N、それぞれの注文情報1811,1812,1813が第一順位の注文情報か、あるいは第二順位の注文情報かを識別するためのフラグ情報としての順位情報181P、それぞれの注文情報の約定の“有””無”を識別するためのフラグ情報としての約定有無情報181Qを属性情報として有する。第二の決済注文情報1813は、注文情報181A、顧客番号181B、通貨ペア情報181C、注文金額情報181D、注文時刻情報181E、売買方向情報181F、注文価格情報181G、注文有効期限情報181H、注文種別情報181I、新規/決済情報181J、ストップロス幅情報181M、有効/無効情報181N、約定有無情報181Qを属性情報として有する。これらの属性情報は、入力画面40から入力された情報に基づくものであり、上述のフィールド定義に基づいて注文テーブル181に記録される。
【0051】
図5に示す通り、個々の注文情報1811,1812,1813には注文金額情報181Dとして約定価格の情報が設けられる。後述するように、注文金額情報181Dに規定された約定価格は、トレール幅情報181K、トレール開始価格情報181L、ストップロス幅情報181Mにより、相場価格の変動に伴って変動する。
【0052】
図5の有効/無効情報181Nに示す通り、生成された当初、全ての注文情報1811,1812,1813は逆指値注文として無効(以下単に「無効」と称する。)である無効な注文情報とされている。
【0053】
図5の新規/決済情報181Jに示す通り、第一順位の注文情報1811は新規の逆指値注文の注文情報として生成され、第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813は決済の逆指値注文の注文情報として生成されている。
【0054】
なお、ステップS3において買い逆指値注文の価格、及び売り逆指値注文の価格のうち少なくとも何れか一方が不適正な価格と判断された場合(ステップS3の“Yes”)、又は、ステップS5において証拠金の額が注文総額未満であった場合(ステップS5の“Yes”)、注文入力受付部12は入力された注文をエラーとして扱い、注文の受け付けを拒絶する(ステップS10)。即ち、図5に示す各注文情報1811,1812,1813は生成されず、クライアント端末2の表示部22には注文の受け付けが拒絶されたことを示す文字情報等が表示される。
【0055】
図6は、この実施の形態1の金融商品取引管理装置1における、逆指値注文の受け付け後の買い逆指値注文の実行手順を示すフローチャート、図8は、この実施の形態1の金融商品取引管理装置1における相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。以下、これらの図に基づいて実行手順を説明する。
【0056】
受け付け完了後、金融商品取引管理装置1の価格情報受信管理部19は為替相場の相場価格の情報取得を継続する(ステップS11)。例えば、図8の(a)に示すように、受け付け完了時の相場価格が1ドル=103.50円だった場合、相場価格が下降して買い逆指値注文価格(第一逆指値注文価格入力欄404に入力された価格)である1ドル=103.00円に達し、さらに買い逆指値注文トレール開始価格(第一トレール開始価格入力欄406に入力された価格)の1ドル=102.50まで下落すると(ステップS12a)、約定情報生成部14は第一順位の注文情報1811の有効/無効情報181Nのフラグ情報を“無効”から“有効”に変換することで、買い逆指値注文価格である1ドル=103.00円の買い逆指値注文を発注する(ステップS13)。一方、相場価格が買い逆指値注文価格に達した後に買い逆指値注文トレール開始価格まで下落しなかった場合(ステップS12b)には、約定情報生成部14は第一順位の注文情報1811の有効/無効情報181Nのフラグ情報の変換は行わず、買い逆指値注文の発注も行われない(ステップS14)。
【0057】
図8の(b)に示すように、ステップS13の後、更に相場価格が下落して1ドル=101.50円に達した場合(ステップS15a)、約定情報生成部14は、買い逆指値注文価格を、ステップS13で発注された1ドル=103.00円から買い逆指値注文のトレール幅(第一トレール幅入力欄405に入力された価格)である1.00円を引いた、1ドル=102.00円に変更する(ステップS16)。即ち、第一順位の注文情報1811の注文価格情報181Gを1ドル=103.00円から1ドル=102.00円に変更する。
【0058】
一方、ステップS13の後に相場価格が1ドル=101.50円まで下落せずに1ドル=103.00円に到達した場合(ステップS15b)、約定情報生成部14は、買い逆指値注文をステップS13で発注された1ドル=103.00円の買い逆指値注文価格で約定させる(ステップS17)。即ち、約定情報生成部14は約定と共に第一順位の注文情報1811の約定有無情報181Qのフラグ情報を“無”から“有”に変換し、約定情報生成部14の指示によって口座情報生成部15が売買額に応じて証拠金情報(後述)を変換し、入出金情報生成部13が入出金の一覧表に入金や出金の状況を記載する。更に、約定情報生成部14は、約定が成立すると、クライアント端末2の表示部22に約定が成立した旨の文字情報等を表示させ、また、売買価格に基づいてクライアント端末の銀行口座の出入金処理を行う(この実施の形態1において「約定」が行われた場合、金融商品取引管理装置1はすべて同様の処理を行う。)。
【0059】
なおステップS17において、約定情報生成部14は、第一順位の注文情報1811を約定する際にスリッページ(注文した価格と約定した価格との価格差のこと。)が発生した場合であっても第一順位の注文情報1811の約定を行う。具体的には、例えば、約定情報生成部14は、相場価格が、ステップS13で発注された1ドル=103.00円ちょうどの場合のみならず、1ドル=103.00円よりも上(例えば1ドル=103.00を越えて1ドル=103.50円以下までの価格帯)であれば第一順位の注文情報1811を約定させるように設定しておく。これにより、スリッページ発生時でも約定が行われる(後述するステップS19においても同じ。)。
【0060】
同様に、ステップS16の後、更に相場価格が下落して1ドル=100.50円に達した場合(ステップS18a)、約定情報生成部14は、ステップS16と同様の手順で買い逆指値注文価格を1ドル=101.00円に変更する(図示せず)。即ち、第一順位の注文情報1811の注文価格情報181Gを1ドル=103.00円から1ドル=102.00円に変更する(図示せず)。
【0061】
一方、図8の(c)に示すように、ステップS16の後に相場価格が1ドル=100.50円まで下落せずに1ドル=102.00円に到達した場合(ステップS18b)、約定情報生成部14は、買い逆指値注文をステップS16で発注された1ドル=102.00円の買い逆指値注文価格で約定させる(ステップS19)。
【0062】
以上の手順は、買い逆指値注文が約定するまで続けられる。
【0063】
図7は、この実施の形態1の金融商品取引管理装置1における、逆指値注文の受け付け後の売り逆指値注文の実行手順を示すフローチャートであり、図9はこの実施の形態1の金融商品取引管理装置1における、相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。以下、これらの図及び前述の図8に基づいて実行手順を説明する。
【0064】
ステップS11~S19までの手順によって買い逆指値注文が特定の価格、例えば図8の(c)に示すように1ドル=102.00円で約定した場合(ステップS19)、約定情報生成部14は、第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813の有効/無効情報181Nのフラグ情報を“無効”から“有効”に変換することで、買い逆指値注文の約定価格である1ドル=102.00円からストップロス幅(ストップロス幅入力欄407に入力され、ストップロス幅情報181Mとして記録された価格)である2.00円を引いた額である1ドル=100.00円の売り逆指値注文を発注する(ステップS20)。
【0065】
ステップS20の処理の後に相場価格が上昇し、相場価格が、ステップS20の発注価格である1ドル=102.00円に売り逆指値注文トレール幅(第一トレール幅入力欄405に入力され、トレール幅情報181Kに記録された価格)である1.00円を加えた額である1ドル=103.00円となった場合(ステップS21a)、約定情報生成部14は、売り逆指値注文の価格を、ステップS20において発注された売り逆指値注文の価格である1ドル=100.00円に売り逆指値注文トレール幅である1.00円を加えた額である1ドル=101.00円に変更する(ステップS22)。即ち、第二の決済注文情報1813の注文価格情報181Gを1ドル=100.00円から1ドル=101.00円に変更する。一方、ステップS20の後に相場価格が1ドル=103.00円まで上昇せずに1ドル=100.00円まで下落した場合(ステップS21b)、約定情報生成部14は、第二の決済注文情報1813をステップS20で発注された1ドル=100.00円の売り逆指値注文価格で約定させる(ステップS23)。
【0066】
なおステップS23において、約定情報生成部14は、第二の決済注文情報1813を約定する際にスリッページが発生した場合であっても第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813の約定を行う。具体的には、例えば、約定情報生成部14は、相場価格が、ステップS20で発注された1ドル=100.00円ちょうどの場合のみならず、1ドル=100.00円よりも下(例えば1ドル=100.00未満1ドル=99.90円以上の間の価格帯)であれば第二の決済注文情報1813を約定させるように設定しておく。これにより、スリッページ発生時でも約定が行われる(後述するステップS25,S26,S29,S31においても同じ。)。
【0067】
図9の(d)に示すように、ステップS20の後、更に相場価格が1ドル=104.00円まで上昇した場合(ステップS24a)、約定情報生成部14は、ステップS22と同様の手順で売り逆指値注文価格を1ドル=102.00円に変更する(ステップS25)。一方、ステップS22の後に相場価格が1ドル=104.00円まで上昇せず1ドル=101.00円まで下落した場合(ステップS24b)、約定情報生成部14は、売り逆指値注文をステップS22で発注された1ドル=101.00円の売り逆指値注文価格で約定させる(ステップS26)。
【0068】
ステップS20~S26までの手順と同様の手順はその後も売り逆指値注文が約定するまで繰り返される(ステップS27a~ステップS31)。例えば図9の(e)に示すように相場価格が1ドル=105.00円まで上昇し(ステップS27a)、約定情報生成部14が売り逆指値注文の価格を1ドル=102.00円から1ドル=103.00円に変更した(ステップS28)のちに、図9の(f)に示すように相場価格が1ドル=106.00円まで上昇せずに1ドル=103.00円まで下落した場合(ステップS30b)、約定情報生成部14は売り逆指値注文を1ドル=103.00円で約定させる(ステップS31)。売り逆指値注文が約定すると、約定情報生成部14は、第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813の約定有無情報181Qのフラグ情報をそれぞれ“無”から“有”に変換する。
【0069】
これにより、例えば図10の(g1)のタイムチャートに示すように相場価格が発注時の買い逆指値注文価格(図10の(g1)においては1ドル=103.00円)よりも下落したのちに、相場価格が約定時の買い逆指値注文価格(図10の(g1)においては1ドル=102.00円)にストップロス幅(図10の(g1)においては2.00円)及び売り逆指値注文トレール幅(図10の(g1)においては1.00円)を加えた額(図10の(g1)においては1ドル=105.00円)よりも高い価格(図10の(g1)においては1ドル=106.00円)以上に上昇し、更に相場価格が再び下落して特定の売り逆指値注文価格(図10の(g1)においては1ドル=104.00円)で約定した場合、顧客は、約定時の売り逆指値注文価格から発注時の買い逆指値注文価格を引いた額の利益を得ることができる。
【0070】
一方、例えば図10の(g2)のタイムチャートに示すように、相場価格が約定時の買い逆指値注文価格(図10の(g2)においては1ドル=102.00円)よりも下落したのちに一旦上昇し、更に、約定時の買い逆指値注文価格からストップロス幅(図10の(g2)においては2.00円)を引いた価格(図10の(g2)においては1ドル=100.00円)まで下落した場合、顧客は、取引による損失を、発注時の買い逆指値注文価格から約定時の売り逆指値注文価格を引いた額でくい止めることができるので、多大な損害を被る事態を回避できる。
【0071】
なお、この実施の形態1においては、逆指値注文の受け付け後に第一順位の注文情報1811、第二の価格について逆指値注文をする第二順位の注文情報を形成する、第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813の何れかに対し、クライアント端末2の操作部21の操作によって注文を取り消す要求としてのキャンセル要求があった場合、約定情報生成部14は、これらの注文情報1811,1812,1813を有する注文情報群1810A(及び後述する注文情報群1810B)を全て注文テーブル181から消去するキャンセル処理を行う。これにより、金融商品取引管理システム1Aを利用する顧客の利便性を一層高めつつ、金融商品取引管理システム1Aのシステム構成及びシステムにおける情報処理の複雑化を防止できる。
【0072】
一方、顧客が、同一種類の金融商品を第一の価格について売り逆指値注文をし、第二の価格について買い逆指値注文をすることを希望する場合、顧客はクライアント端末2の表示部22に表示された取引選択画面(図示せず)により、同一種類の金融商品(例えば米国ドルと日本円との組み合わせ)を「第一の価格」について売り逆指値注文を行い、「第二の価格」についての買い逆指値注文を行う取引を選択する。そして顧客は、入力画面40に注文内容のデータを選択・入力する(ステップS1)。
【0073】
図4の(b)は、この実施の形態1の金融商品取引管理装置1における、同一種類の金融商品について、「第一の価格」について売り逆指値注文を行うと共に「第二の価格」について買い逆指値注文を行う入力画面のイメージ図である。同図には、同注文を行う場合の各種入力、選択がされた状態が表示されている。
【0074】
図4の(b)においては、売買希望通貨ペア選択ボタン401にてUSドル/日本円(日本円でUSドルを売買する)を選択し、売買種類選択ボタン402で「売り」を選択し、注文種類選択ボタン403で「トレンドイフダンオーダー」を選択し、第一逆指値注文価格入力欄404に104.00円、第一トレール幅入力欄405に1.00円、第一トレール開始価格入力欄406に104.50円、ストップロス幅入力欄407に2.00円、注文金額入力欄408に10万ドルがそれぞれ入力され、有効期限選択ボタン409によって「週末」が選択された状態が表示されている。
【0075】
この状態でこの状態で選択ボタン410がクリックされ、入力画面40において入力・選択されたデータが金融商品取引管理装置1に供給されると、図3に示すステップS2~ステップS10までの手順が行われる。これにより、図11に示す注文情報群1810Bが生成される。同図に示す通り、注文情報群1810Bは注文情報群1810Aと同様のデータ構造を有する。
【0076】
図12は、この実施の形態1の金融商品取引管理装置1における、逆指値注文の受け付け後の売り逆指値注文の実行手順を示すフローチャート、図14は、この実施の形態1の金融商品取引管理装置1における相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。以下、これらの図に基づいて実行手順を説明する。
【0077】
受け付け完了後、金融商品取引管理装置1の価格情報受信管理部19は為替相場の相場価格の情報取得を継続する(ステップS41)。例えば図14の(a)に示すように、受け付け完了時の相場価格が1ドル=103.50円だった場合、相場価格が上昇して売り逆指値注文価格(第一逆指値注文価格入力欄404に入力された価格)である1ドル=104.00円に達し、さらに売り逆指値注文トレール開始価格(第一トレール開始価格入力欄406に入力された価格)の1ドル=104.50まで上昇すると(ステップS42a)、約定情報生成部14は第一順位の注文情報1811の有効/無効情報181Nのフラグ情報を“無効”から“有効”に変換することで、売り逆指値注文価格である1ドル=104.00円の売り逆指値注文を発注する(ステップS43)。一方、相場価格が売り逆指値注文価格に達した後に売り逆指値注文トレール開始価格まで上昇しなかった場合(ステップS42b)には、約定情報生成部14は第一順位の注文情報1811の有効/無効情報181Nのフラグ情報の変換は行わず、売り逆指値注文の発注も行われない(ステップS44)。
【0078】
図14の(b)に示すように、ステップS43の後、更に相場価格が上昇して1ドル=105.50円に達した場合(ステップS45a)、約定情報生成部14は、売り逆指値注文価格を、ステップS43で発注された1ドル=104.00円に売り逆指値注文のトレール幅(第一トレール幅入力欄405に入力された価格)である1.00円を加えた、1ドル=105.00円に変更する(ステップS46)即ち、第一順位の注文情報1811の注文価格情報181Gを1ドル=104.00円から1ドル=105.00円に変更する。
【0079】
一方、ステップS43の後に相場価格が1ドル=105.50円まで上昇せずに1ドル=104.00円に到達した場合(ステップS45b)、約定情報生成部14は、売り逆指値注文をステップS43で発注された1ドル=104.00円の売り逆指値注文価格で約定させる(ステップS47)。具体的にはステップS17と同様の処理を行う。即ち、約定情報生成部14は約定と共に第一順位の注文情報1811の約定有無情報181Qのフラグ情報を“無”から“有”に変換し、約定情報生成部14の指示によって口座情報生成部15が売買額に応じて証拠金情報を変換し、入出金情報生成部13が入出金の一覧表に入金や出金の状況を記載する。更に、約定情報生成部14は、約定が成立すると、クライアント端末2の表示部22に約定が成立した旨の文字情報等を表示させ、また、売買価格に基づいてクライアント端末の銀行口座の出入金処理を行う。
【0080】
なおステップS47において、約定情報生成部14は、第一順位の注文情報1811を約定する際にスリッページが発生した場合であっても第一順位の注文情報1811の約定を行う。具体的には、例えば、約定情報生成部14は、相場価格が、ステップS43で発注された1ドル=104.00円ちょうどの場合のみならず、1ドル=104.00円よりも下(例えば1ドル=104.00未満1ドル=103.50円以上までの間の価格帯)であれば第一順位の注文情報1811を約定させるように設定しておく。これにより、スリッページ発生時でも約定が行われる(後述するステップS49においても同じ。)。
【0081】
同様に、ステップS46の後、更に相場価格が上昇して1ドル=106.50円に達した場合(ステップS48a)、約定情報生成部14は、ステップS46と同様の手順で売り逆指値注文価格を1ドル=106.00円に変更する(図示せず)。即ち、第一順位の注文情報1811の注文価格情報181Gを1ドル=105.00円から1ドル=106.00円に変更する(図示せず)。
【0082】
一方、図14の(c)に示すように、ステップS46の後に相場価格が1ドル=106.50円まで上昇せずに1ドル=105.00円に到達した場合(ステップS48b)、約定情報生成部14は、売り逆指値注文をステップS46で発注された1ドル=105.00円の売り逆指値注文価格で約定させる(ステップS49)。
【0083】
以上の手順は、売り逆指値注文が約定するまで続けられる。
【0084】
図13は、この実施の形態1の金融商品取引管理装置1における、逆指値注文の受け付け後の売り逆指値注文の実行手順を示すフローチャートであり、図15はこの実施の形態1の金融商品取引管理装置1における、相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。以下、これらの図及び前述の図14に基づいて実行手順を説明する。
【0085】
ステップS41~S49までの手順によって売り逆指値注文が特定の価格、例えば図14の(c)に示すように1ドル=105.00円で約定した場合(ステップS49)、約定情報生成部14は、第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813の有効/無効情報181Nのフラグ情報を“無効”から“有効”に変換することで、売り逆指値注文の約定価格である1ドル=102.00円からストップロス幅である2.00円を加えた額である1ドル=107.00円の買い逆指値注文を発注する(ステップS50)。
【0086】
ステップS50の処理の後に相場価格が下落し、相場価格が、ステップS50の発注価格である1ドル=107.00円から買い逆指値注文トレール幅(第一トレール幅入力欄405に入力され、トレール幅情報181Kに記録された価格)である1.00円を引いた額である1ドル=106.00円となった場合(ステップS51a)、約定情報生成部14は、買い逆指値注文の価格を、ステップS50において発注された買い逆指値注文の価格である1ドル=107.00円から買い逆指値注文トレール幅である1.00円を引いた額である1ドル=106.00円に変更する(ステップS52)。即ち、第二の決済注文情報1813の注文価格情報181Gを1ドル=107.00円から1ドル=106.00円に変更する。一方、ステップS50の後に相場価格が1ドル=104.00円まで下落せずに1ドル=107.00円まで上昇した場合(ステップS51b)、約定情報生成部14は、第二の決済注文情報1813をステップS50で発注された1ドル=107.00円の買い逆指値注文価格で約定させる(ステップS53)。
【0087】
なおステップS53において、約定情報生成部14は、第二の決済注文情報1813を約定する際にスリッページが発生した場合であっても第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813の約定を行う。具体的には、例えば、約定情報生成部14は、相場価格が、ステップS50で発注された1ドル=107.00円ちょうどの場合のみならず、1ドル=107.00円よりも上(例えば1ドル107.00円を越えて1ドル=107.10円以下の間の価格帯)であれば第二の決済注文情報1813を約定させるように設定しておく。これにより、スリッページ発生時でも約定が行われる(後述するステップS55,S66,S59,S61においても同じ。)。
【0088】
図15の(d)に示すように、ステップS50の後、更に相場価格が1ドル=103.00円まで下落した場合(ステップS54a)、約定情報生成部14は、ステップS52と同様の手順で買い逆指値注文価格を1ドル=105.00円に変更する(ステップS55)。一方、ステップS52の後に相場価格が1ドル=103.00円まで下落せず1ドル=106.00円まで上昇した場合(ステップS54b)、約定情報生成部14は、買い逆指値注文をステップS52で発注された1ドル=106.00円の買い逆指値注文価格で約定させる(ステップS56)。
【0089】
ステップS50~S56までの手順と同様の手順はその後も買い逆指値注文が約定するまで繰り返される(ステップS57a~ステップS61)。例えば図14の(e)に示すように相場価格が1ドル=102.00円まで下落し(ステップS57a)、約定情報生成部14が買い逆指値注文の価格を1ドル=105.00円から1ドル=104.00円に変更した(ステップS58)のちに、図15の(f)に示すように相場価格が1ドル=101.00円まで下落せずに1ドル=104.00円まで上昇した場合(ステップS60b)、約定情報生成部14は買い逆指値注文を1ドル=104.00円で約定させる(ステップS61)。買い逆指値注文が約定すると、約定情報生成部14は、第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813の約定有無情報181Qのフラグ情報をそれぞれ“無”から“有”に変換する。
【0090】
これにより、例えば図16の(g1)のタイムチャートに示すように相場価格が発注時の売り逆指値注文価格(図10の(g1)においては1ドル=104.00円)よりも上昇したのちに、相場価格が、約定時の売り逆指値注文価格から、ストップロス幅(図10の(g1)においては2.00円)及び買い逆指値注文トレール幅(図10の(g1)においては1.00円)を引いた額よりも低い価格(図10の(g1)においては1ドル=101.00円)以下まで下落し、更に相場価格が再び上昇して特定の買い逆指値注文価格(図10の(g1)においては1ドル=103.00円)で約定した場合、顧客は、発注時の売り逆指値注文価格から約定時の買い逆指値注文価格を引いた額の利益を得ることができる。
【0091】
一方、例えば図16の(g2)のタイムチャートに示すように、相場価格が約定時の売り逆指値注文価格(図16の(g2)においては1ドル=105.00円)よりも上昇したのちに一旦下落し、更に、約定時の売り逆指値注文価格にストップロス幅(図10の(g2)においては2.00円)を加えた価格(図16の(g2)においては1ドル=107.00円)まで上昇した場合、顧客は、取引による損失を、約定時の買い逆指値注文価格から発注時の売り逆指値注文価格を引いた額でくい止めることができるので、多大な損害を被る事態を回避できる。
【0092】
以上、この実施の形態1においては、金融商品取引管理装置1には、クライアント端末2から送信された、金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付部12と、注文入力受付部12が受け付けた売買注文申込情報に基づいて金融商品の各注文情報1811,1812,1813を生成する注文情報生成部16と、注文情報生成部16が生成した各注文情報1811,1812,1813を記録する注文テーブル181とを備え、注文情報生成部16は、一の売買注文申込情報に基づいて、同一種類の金融商品を第一の価格について逆指値注文をする第一順位の注文情報1811、及び第二の価格について逆指値注文をする第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813から成る注文情報群1810A,1810Bを生成し、逆指値注文の各注文情報1811,1812,1813にそれぞれ第一順位、第二順位の順位を付け、個々の注文情報1811,1812,1813毎に有効な注文情報と無効な注文情報とを識別するための有効/無効情報181Nを設け、個々の注文情報1811,1812,1813に相場価格の変動に伴って変動する注文価格情報181Gを設け、第一の決済注文情報1812にトレール幅情報181Kを設けると共に、第二の決済注文情報1813に相場価格と第二の決済注文情報1813との一定の価格差の情報としてのストップロス幅情報181Mを設け、注文テーブル181には注文情報群1810A,1810Bが記録されることにより、クライアント端末2側で一の注文手続きを行うことで、同一種類の金融商品を二つの逆指値注文と予約トレール注文とを用いたイフダンオーダーをコンピュータシステムを用いて行うことができる。そして、金融商品の先物取引において、システムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく、かつ将来の相場の状況が利用者に不利に変化しても常に損害額を最低限に抑えられるイフダンオーダーを行うことが可能になる。これにより、システムを利用する顧客の利便性を高めると共にイフダンオーダーを行う際に顧客が被るリスクを低減させることができる。
この実施の形態1においては、金融商品の取引所から相場価格の情報を取得し管理する価格情報受信管理部19と、注文情報に基づいて金融商品の約定を行う約定情報生成部14とを備え、約定情報生成部14は、注文テーブル181に記録された注文情報群1810A,1810Bのうち第一順位の注文情報1811を有効な注文情報とすると共に第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813を無効な注文情報とし、約定情報生成部14は、注文情報群1810A,1810Bを形成する個々の注文情報1811,1812,1813のうち第一順位の注文情報1811に基づいて金融商品の約定を行い、約定と共に第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813を無効な注文情報から有効な注文情報に変更する処理を行い、現在の相場価格が第二順位の注文情報の約定価格となったときに第二の決済注文情報1813に基づいて金融商品の約定を行うことにより、金融商品の先物取引において、金融商品取引管理システム1Aを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく、かつ将来の相場の状況が利用者に不利に変化しても常に損害額を最低限に抑えられるイフダンオーダーが実現できる。これにより、システムを利用する顧客の利便性を高めると共にイフダンオーダーを行う際に顧客が被るリスクを低減させることができる。
【0093】
この実施の形態1においては、約定情報生成部14は、第一順位の注文情報1811及び第二の決済注文情報1813を約定する際にスリッページが発生した場合であっても第一順位の注文情報1811及び第二の決済注文情報1813の約定を行うことにより、第一順位、及び第二順位の注文情報の約定成立を容易にし、イフダンオーダーを行う際に顧客が被るリスクを一層低減させることができる。
【0094】
この実施の形態1においては、注文情報生成部16は、第一順位の注文情報1811を新規の逆指値注文の注文情報として生成することにより、注文内容を画一化し、システム内における情報処理の煩雑化を防止してシステム構成の簡素化を図ると共に、注文手続の煩雑化を防止し、システムを利用する顧客の利便性を一層高めることができる。また、第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813を決済の逆指値注文の注文情報として生成することにより、第一順位の注文情報1811によって生じた注文による利益を第一の決済注文情報1812及び第二の決済注文情報1813によって逐次確定させ、注文手続やシステム内における情報処理の煩雑化を防止できる。
【0095】
この実施の形態1においては、第一順位の注文情報1811は、通貨ペア情報181C、売買方向情報181F、注文金額情報181D、トレール幅情報181K、トレール開始価格情報181L、有効/無効情報181Nを属性情報として有し、第一の決済注文情報1812は、注文価格情報181G、トレール幅情報181K、トレール開始価格情報181Lを属性情報として有することにより、イフダンオーダーによる逆指値注文を特定するために必要不可欠な情報に基づいて第一順位の注文情報1811、第一の決済注文情報1812を形成できる。
【0096】
この実施の形態1においては、特定顧客の預金残高情報を記録する顧客口座情報テーブル182を備え、注文情報生成部16は、預金残高情報と注文情報の属性情報としての注文価格情報181Gとを比較し、預金残高情報の値が注文価格情報の値以上である場合、注文情報群1810A,1810Bを生成することにより、支払いが確実にできる場合にのみイフダンオーダーによる逆指値注文を受け付け、支払い不能による商取引上の支障が生ずることなくシステムを運用できる。
【0097】
この実施の形態1においては、約定情報生成部14は、一旦成立した金融商品の注文における注文情報群1810A,1810Bを形成する第一順位の注文情報1811、第一の決済注文情報1812、及び第二の決済注文情報1813のうち何れか一つに対し注文を取り消す要求としてのキャンセル要求があった場合、キャンセル要求のあった注文情報が含まれる注文情報群を全て注文テーブル181から消去するキャンセル処理を行うことにより、イフダンオーダーによる逆指値注文の取扱いが煩雑化することを防止できる。これにより、システムを利用する顧客の利便性を一層高めつつ、システム構成及びシステムにおける情報処理の複雑化を防止できる。
【0098】
この実施の形態1においては、金融商品は外国為替であることにより、イフダンオーダーによって逆指値注文をする需要の高い金融商品について本発明を適用し、システムを利用する顧客の利便性を一層高めることができる。
[発明の実施の形態2]
図17乃至図22にこの発明の実施の形態2を示す。
【0099】
この発明の実施の形態2は、実施の形態1と同様の金融商品取引管理システム1A(図1参照)によって実現される。金融商品取引管理装置1の注文情報生成部16は、一の売買注文申込情報に基づいて、同一種類の金融商品を第一の価格について買い逆指値注文をする注文情報、及び第二の価格について売り逆指値注文をする注文情報から成る注文情報群と、同一種類の金融商品を第三の価格について売り逆指値注文をする注文情報、及び第四の価格について買い逆指値注文をする注文情報から成る注文情報群とを生成する点が実施の形態1と相違する。それ以外の構成は実施の形態1と同じである。
【0100】
次に、この実施の形態2の金融商品取引管理システム1Aにおける、逆指値注文を用いたイフダンオーダーの実行手順について説明する。
【0101】
この実施の形態2においても、図3に示すステップS1~S10の手順が行われる。
【0102】
金融商品取引管理システム1Aを利用する顧客は、クライアント端末2を用いて金融商品取引管理装置1にアクセスし、表示部22に表示された取引選択画面(図示せず)により、同一種類の金融商品(例えば米国ドルと日本円との組み合わせ)を「第一の価格」について買い逆指値注文を行い、「第二の価格」についての売り逆指値注文を行い、「第三の価格」について売り逆指値注文を行い、「第四の価格」についての買い逆指値注文を行う取引を選択する。金融商品取引管理装置1のフロントページ配信部11は、アクセスのあったクライアント端末2の表示部22に、当該売買の条件を入力するための入力画面を表示させる。
【0103】
図17は、この発明の実施の形態2において、金融商品取引管理装置1がクライアント端末2の表示部22に表示させる、同一種類の金融商品について、「第一の価格」について買い逆指値注文を行うと共に「第二の価格」について売り逆指値注文を行い、「第三の価格」について売り逆指値注文を行うと共に「第四の価格」について買い逆指値注文を行う入力画面のイメージ図である。同図には、同注文を行う場合の各種入力、選択がされた状態が表示されている。
【0104】
図17に示す通り、入力画面40には、実施の形態1の入力画面と同様の売買希望通貨ペア選択ボタン401、注文種類選択ボタン403、注文金額入力欄408、有効期限選択ボタン409、選択ボタン410が表示されている。
【0105】
また、入力画面40には、最初に約定させる指値注文の売買の種類を表示させる第一の売買種類選択ボタン402a、「第一の価格」としての、取引対象の通貨の買い逆指値注文(新規買い逆指値注文)の最初の価格が入力される「第一注文価格入力欄」としての第一逆指値注文価格入力欄404a、「第一の価格」としての買い逆指値注文のトレール幅の金額が入力される第一トレール幅入力欄405a、「第一の値幅」としての、イフダンオーダーの第二注文の最初の価格である初期売り決済価格を入力する、第二逆指値注文トレール開始価格入力欄411a、「第一の価格」としての買い逆指値注文を発注するための金額を入力する注文金額入力欄408、有効期限選択ボタン409が表示されている。
【0106】
更に、入力画面40には、最初に約定させる指値注文の売買の種類を表示させる第二の売買種類選択ボタン402b、「第三の価格」としての、取引対象の通貨の売り逆指値注文(新規売り逆指値注文)の最初の価格が入力される「第一注文価格入力欄」としての第三逆指値注文価格入力欄404b、「第三の価格」としての売り逆指値注文のトレール幅の金額が入力される第二トレール幅入力欄405b、「第二の値幅」としての、イフダンオーダーの第二注文の最初の価格である初期買い決済価格を入力する、第四逆指値注文トレール開始価格入力欄411b、が表示されている。
【0107】
顧客は操作部21を操作して入力画面40に注文内容のデータを選択・入力する(ステップS1)。図17には、売買希望通貨ペア選択ボタン401にてUSドル/日本円(日本円でUSドルを売買する)を選択し、第一の売買種類選択ボタン402aで「買い」を選択し、注文種類選択ボタン403で「トレンドイフダンOCO注文(この実施の形態2の、同一種類の金融商品について複数の逆指値注文を用いたイフダンオーダーの注文情報群を二組生成し、その後の相場価格の変動に基づいて、そのうち一組の注文情報群の注文情報のみを約定する態様の注文のこと。)」を選択し、第一逆指値注文価格入力欄404aに103.00円、第一トレール幅入力欄405aに1.00円、第二逆指値注文トレール開始価格入力欄411aに99.50円がそれぞれ入力された状態が示されている。また、図17には、第二の売買種類選択ボタン402bで「売り」を選択し、第三逆指値注文価格入力欄404bに96.50円、第二トレール幅入力欄405bに1.00円、第四逆指値注文トレール開始価格入力欄411bに97.50円が入力された状態が表示されている。また、図17には、注文金額入力欄408に10万ドルがそれぞれ入力され、有効期限選択ボタン409によって「週末」が選択された状態が表示されている。
【0108】
この状態で選択ボタン410がクリックされ、入力画面40において入力・選択されたデータが金融商品取引管理装置1に供給されると、図3に示すステップS2~ステップS10までの手順が行われる。なお、ステップS2の検査において、注文入力受付部12は、顧客が不利益を被る場合のみ、即ち、第一逆指値注文価格入力欄404aに入力された買い逆指値注文の価格が現在の為替相場価格よりも高く、かつ、第三逆指値注文価格入力欄404bに入力された売り逆指値注文の価格が現在の為替相場価格よりも低い場合のみを、ステップS3において適正価格と判断する。以上の手順により、注文情報群が生成される。
【0109】
図18は、この実施の形態2における、注文テーブル181に記録された注文情報群1810C,1810Dを模式的に示した図である。同図に示す通り、注文情報群1810Cは、売買希望通貨ペア選択ボタン401、第一の売買種類選択ボタン402a、注文種類選択ボタン403、第一逆指値注文価格入力欄404a、第一トレール幅入力欄405a、注文金額入力欄408、有効期限選択ボタン409、第二逆指値注文トレール開始価格入力欄411aによって選択・入力されたデータに基づいて形成された、「第一順位の注文情報」である第一の新規注文情報1811a及び「第二の注文情報」である第一の決済注文情報1812aから成る。また、注文情報群1810Dは、売買希望通貨ペア選択ボタン401、第一の売買種類選択ボタン402a、注文種類選択ボタン403、及び、売買希望通貨ペア選択ボタン401、第二の売買種類選択ボタン402b、注文種類選択ボタン403、第三逆指値注文価格入力欄404b、第二トレール幅入力欄405b、注文金額入力欄408、有効期限選択ボタン409、第四逆指値注文トレール開始価格入力欄411bによって選択・入力されたデータに基づいて形成された、「第一順位の注文情報」としての第二の新規注文情報1811b及び「第二の注文情報」としての第二の決済注文情報1812bから成る。第一の、第二の新規注文情報1811a,1811bは、初期売り決済価格入力欄411a、第四逆指値注文トレール開始価格入力欄411bの入力データによって形成される、初期決済価格情報181Rを備えている。
【0110】
以上の手順によって注文の受け付けが完了する。なお、この実施の形態2においては、注文情報生成部16は、注文の受け付けが完了した時点で、第一順位の注文情報1811a,1811bの発注を完了させている。即ち、図18に示す通り、注文の受け付けが完了した時点で、第一、第二の新規注文情報1811a,1811bの有効/無効情報181Nのフラグ情報は“有効”になっている。
【0111】
図19は、この実施の形態2の金融商品取引管理装置1における、逆指値注文の受け付け後の実行手順を示すフローチャートであり、図21及び図22は、この実施の形態2の金融商品取引管理装置1における、図19のフローチャートに示す処理手順の相場価格と逆指値注文の処理との関係を示すタイムチャートである。これらは、注文情報の受け付けが完了した後に相場価格が下降した場合の取り扱いを示している。以下、これらの図に基づいて実行手順を説明する。
【0112】
図21の(a)に示す通り、受け付け完了により、第二逆指値注文価格入力欄404bに入力された価格(96.50円)で第一の新規注文情報1811bが発注された(ステップS71)後、金融商品取引管理装置1の価格情報受信管理部19は為替相場の相場価格の情報取得を継続する。そして、図21の(b)に示す通り、受け付け完了時に1ドル=98.50円だった相場価格が下降して売り逆指値注文価格(第二逆指値注文価格入力欄404bに入力された価格)である1ドル=96.50円に達した場合(ステップS72a)、約定情報生成部14は、売り逆指値注文をステップS71で発注された1ドル=96.50円の売り逆指値注文価格で約定させる(ステップS73)。即ち、約定情報生成部14は約定と共に第二の新規注文情報1811bの約定有無情報181Qのフラグ情報を“無”から“有”に変換し、約定情報生成部14の指示によって口座情報生成部15が売買額に応じて証拠金情報(後述)を変換し、入出金情報生成部13が入出金の一覧表に入金や出金の状況を記載する。更に、約定情報生成部14は、約定が成立すると、クライアント端末2の表示部22に約定が成立した旨の文字情報等を表示させ、また、売買価格に基づいてクライアント端末の銀行口座の出入金処理を行う(この実施の形態2において「約定」が行われた場合、金融商品取引管理装置1はすべて同様の処理を行う。)。
【0113】
また、ステップS73において、注文情報生成部16は第二の決済注文情報1812bの有効/無効情報181Nのフラグ情報を“無効”から“有効”に変換することで、図21の(b)に示す通り、第四逆指値注文トレール開始価格入力欄411bに入力された買い逆指値注文価格である1ドル=97.50円の買い逆指値注文を発注すると共に、他方の注文情報群1810Cである注文情報1811a,1812aを注文テーブルから削除するキャンセル処理を行う(ステップS73)。
【0114】
更に、ステップS73において、約定情報生成部14は、第一順位の注文情報1811aを約定する際にスリッページ(注文した価格と約定した価格との価格差のこと。)が発生した場合であっても第二の新規注文情報1811bの約定を行う。具体的には、例えば、約定情報生成部14は、相場価格が、ステップS71で発注された1ドル=96.50円ちょうどの場合のみならず、1ドル=96.50円よりも下(例えば1ドル=96.50をよりも下落して1ドル=95.50円以上までの価格帯)であれば第二の新規注文情報1811bを約定させるように設定しておく。これにより、スリッページ発生時でも約定が行われる(後述するステップS77、ステップS80においても同じ。)
一方、相場価格が売り逆指値注文価格まで下落しなかった場合(ステップS72b)には、約定情報生成部14は第二の新規注文情報1811bの約定有無情報181Qのフラグ情報の変換は行わず、売り逆指値注文の約定は行われない(ステップS74)。また、第二の決済注文情報1812bの有効/無効情報181Nのフラグ情報の変換も行われず、第二の決済注文情報1812bの発注も行われない。
【0115】
そして、ステップS73の手順の後に相場価格が1ドル=97.50円まで上昇せずに1ドル=95.50円まで下落した場合(ステップS75a)、図22の(c)に示す通り、約定情報生成部14は、売り逆指値注文価格を、ステップS73で発注された1ドル=97.50円から売り逆指値注文のトレール幅(第二トレール幅入力欄405bに入力された価格)である1.00円を引いた、1ドル=96.50円に変更する(ステップS76)即ち、第二の決済注文情報1812bの注文価格情報181Gを1ドル=97.50円から1ドル=96.50円に変更する。
【0116】
一方、ステップS73の手順の後に相場価格が1ドル=95.50円まで下落せずに1ドル=97.50円まで上昇した場合(ステップS75b)、図21の(c’)に示す通り、約定情報生成部14は、売り逆指値注文をステップS73で発注された1ドル=97.50円の売り逆指値注文価格で約定させる(ステップS77)。
【0117】
更に、ステップS76の手順の後に相場価格が1ドル=96.50円まで上昇せずに1ドル=94.50円まで下落した場合(ステップS78a)、約定情報生成部14は、売り逆指値注文価格を、ステップS76で変更された1ドル=96.50円から売り逆指値注文のトレール幅である1.00円を引いた、1ドル=95.50円に変更する(ステップS79)そして、第二の決済注文情報1812bの注文価格情報181Gを1ドル=96.50円から1ドル=95.50円に変更する。
【0118】
一方、ステップS76の手順の後に相場価格が1ドル=94.50円まで下落せずに1ドル=96.50円まで上昇した場合(ステップS78b)、図22の(d)に示す通り、約定情報生成部14は、売り逆指値注文をステップS73で発注された1ドル=96.50円の売り逆指値注文価格で約定させる(ステップS80)。
【0119】
以上の処理手順は、相場価格が決済価格、即ち第二の決済注文情報1812bの注文価格情報181Gに一致するまで続けられる(ステップS79)。
【0120】
図20は、この実施の形態2の金融商品取引管理装置1における、逆指値注文の受け付け後の実行手順を示すフローチャートである。同図に示す手順は、逆指値注文の受け付け後に相場価格が上昇した場合の取り扱いを示している点で、図19のフローチャートに示すフローチャートと相違している。以下、この図に基づいて実行手順を説明する。
【0121】
図20に示した通り、受け付け完了により、第一逆指値注文価格入力欄404aに入力された価格(100.50円)で第一の新規注文情報1811aが発注された(ステップS91)後、そして、受け付け完了時に1ドル=98.50円だった相場価格が上昇して買い逆指値注文価格(第一逆指値注文価格入力欄404aに入力された価格)である1ドル=100.50円に達した場合以降の処理(ステップ92a~S93,S95~S100)、及び1ドル=100.50円に達しない場合の処理(ステップS92b,S94)は、ステップS72a~S73、ステップS75~S80、ステップS92b,S94の処理に対応する形で行われる。なお、ステップS93においては、注文情報生成部16は第二順位の注文情報1812aの有効/無効情報181Nのフラグ情報を“無効”から“有効”に変換することで、第二逆指値注文トレール開始価格入力欄411aに入力された売り逆指値注文価格である1ドル=99.50円の売り逆指値注文を発注すると共に、他方の注文情報群1810Dである注文情報1811b,1812bを注文テーブルから削除するキャンセル処理を行う(ステップS93)。
【0122】
このようにすることで、各注文情報1811a,1812a,1811b,1812bを生成させた後に金融商品の相場が上昇しても下落しても、注文情報が生成された後の相場の動向に適合したトレンドイフダンオーダーによる取引を行うことができ、かつ相場の動向上不要となったトレンドイフダンオーダーによる取引が発生してしまうことを確実に防ぐことができて、取引の利便性を一層高めることができる。
【0123】
以上、この実施の形態2においては、金融商品取引管理装置1には、クライアント端末2から送信された、金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付部12と、注文入力受付部12が受け付けた売買注文申込情報に基づいて金融商品の各注文情報1811a,1812a,1811b,1812bを生成する注文情報生成部16と、注文情報生成部16が生成した各注文情報1811a,1812a,1811b,1812bを記録する注文テーブル181とを備え、注文情報生成部16は、一の売買注文申込情報に基づいて、同一種類の金融商品を第一の価格について買い逆指値注文をする第一の新規注文情報1811a、及び第二の価格について売り逆指値注文をする第一の決済注文情報1812a、同一種類の金融商品を第三の価格について売り逆指値注文をする第二の新規注文情報1811b、及び、第四の価格について買い逆指値注文をする第二の決済注文情報1812bから成る注文情報群1810C,1810Dとを生成し、第一の価格、及び第三の価格について逆指値注文する第一、第二の新規注文情報1811a,1811bに第一順位の順位を付けると共に、第二の価格、及び、第四の価格について逆指値注文する第一、第二の決済注文情報1812a,1812bに第二順位の順位を付け、個々の注文情報毎に有効な注文情報と無効な注文情報とを識別するための有効/無効情報181Nを設け、個々の注文情報に相場価格の変動に伴って変動する注文価格情報181Gを設け、第一、第二の決済注文情報1812a,1812bにトレール幅情報を設けると共に、相場価格と第一、第二の決済注文情報1812a,1812bとの価格差の情報としてのストップロス幅情報181Mを設け、注文テーブル181には注文情報群1810C,1810Dが記録されることにより、クライアント端末2側で一の注文手続きを行うことで、同一種類の金融商品を一つの売り逆指値注文及び一つの買い逆指値注文と、一つの買い逆指値注文及び一つの売り逆指値注文と、予約トレール注文とを用いたイフダンオーダーとをコンピュータシステムを用いて行うことができる。そして、金融商品の先物取引において、システムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく、かつ将来の相場の状況が利用者に不利に変化しても常に損害額を最低限に抑えられるイフダンオーダーを行うことが可能になる。これにより、金融商品の取引においてシステムを利用する顧客の利便性を高めると共にイフダンオーダーを行う際に顧客が被るリスクを低減させることができる。
【0124】
なお、この実施の形態2においては、注文情報群1810Cに含まれる第一の新規注文情報1811a、注文情報群1810Dに含まれる第二の新規注文情報1811bのうち何れか一方が約定すると、他方の注文情報群1810D,1810Cはキャンセル処理される構成としたが、これに限定されず、注文情報群1810Cに含まれる第一の新規注文情報1811a、注文情報群1810Dに含まれる第二の新規注文情報1811bのうち何れか一方が約定しても、他方の注文情報群を存続させて、双方の注文情報群1810C,1810Dに含まれる個々の注文情報1811a,1812a,1811b,1812bによる処理を継続させる構成とすることもできる。
【0125】
上記実施の形態2においては、注文情報生成部16は、注文の受け付けが完了した時点で、第一、第二の新規注文情報1811a,1811bの発注を完了させている構成としたが、これに代えて、注文の受け付け完了時は未発注である第一の新規注文情報1811a,1811bを、受け付け完了後の相場価格が所定の条件を満たす場合にそれぞれ発注させる構成とすることもできる。例えば、図17に示すように入力画面40に新規注文発注価格入力欄412a,412bを設けると共に、同入力欄412a,412bに入力されたデータを、図18に示すように、注文テーブル181の第一、第二の決済注文情報1812a,1812bの新規注文発注価格情報181Sを記録し、注文の受け付け完了後の相場価格が新規注文発注価格情報181Sに記録した価格と一致した場合に、有効/無効情報181Nのフラグ情報を“無効”から“有効”に変換させて第一、第二の新規注文情報1811a,1811bを発注させると同時に第一、第二の新規注文情報1811a,1811bのトレールを開始させる構成とすることもできる。なお、上記実施の形態2のように、受け付け完了後の相場価格が所定の条件を満たす場合に未発注の第一、第二の新規注文情報1811a,1811bを発注させる構成を有しない場合には、図17に示す入力画面40の新規注文発注価格入力欄412a,412b、及び、図18に示す新規注文発注価格情報181Sが設けられていなくてもよい。
【0126】
上記各実施の形態においては、入力画面40における一の手続きの度(選択ボタン410がクリックされる度)に一の注文情報群1810A,1810B,1810C,1810Dが形成される構成としたが、これに限られず、注文情報群の個数(即ち買い注文と売り注文のペアの組数)を入力する欄を設け、上記一の手続きの度に、注文情報群1810と同じ注文情報1811,1812,1813,1811a,1812a,1811b,1812bを有する複数の注文情報群(例えば図示せぬ注文情報群1810a,1810b,1810c,・・・)が形成されて、ステップS11~S31の手順による取引を、注文情報群1810aに基づく処理、次に注文情報群1810bに基づく処理、次に注文情報群1810cに基づく処理、・・・と言った具合に注文情報群の数だけ繰り返し行える構成とすることもできる。これにより、逆指値注文によるイフダンオーダーを行う顧客の利便性を一層高めることができる。
【0127】
なお、上記各実施の形態の金融商品取引管理システム1Aは、金融商品として外国為替を取扱うものとしたが、これに限定されず、他の金融商品、例えば株式、債券を取扱う金融商品取引管理システムにおいても本発明を適用できる。
【0128】
なお、上記各実施の形態の金融商品取引管理システム1Aにおける約定情報生成部14は、他の構成と共に同一のサーバシステム等として設けられていてもよいし、インターネット3を介して他のサーバシステム内に設けられていてもよい。また、金融商品取引管理システム1Aが約定情報生成部14、及び注文テーブル181のうち少なくとも何れか一方を備えておらず、外部のシステムに形成された約定情報生成部14、及び注文テーブル181のうち少なくとも何れか一方に対してそれぞれの機能を行わせる構成としてもよい。これにより、金融商品のいわゆる店頭取引、及び取引所取引のいずれにおいても本発明を適用し、多様な取引形態への対応を実現できる。
【0129】
上記各実施の形態は本発明の例示であり、本発明が上記各実施の形態に限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0130】
1A・・・金融商品取引管理システム
1・・・金融商品取引管理装置
2、2~2・・・クライアント端末
12・・・注文入力受付部(注文入力受付手段)
14・・・約定情報生成部(約定情報生成手段)
16・・・注文情報生成部(注文情報生成手段)
19・・・価格情報受信管理部(相場価格情報管理手段)
1810A,1810B,1810C,1810D・・・注文情報群
1811・・・第一順位の注文情報
1812・・・第一の決済注文情報(第二順位の注文情報)
1813・・・第二の決済注文情報(第二順位の注文情報)
1811a・・・第一の新規注文情報(第一順位の注文情報)
1811b・・・第二の新規注文情報(第一順位の注文情報)
1812a・・・第一の決済注文情報(第二順位の注文情報)
1812b・・・第二の決済注文情報(第二順位の注文情報)
181・・・注文テーブル(注文情報記録手段)
182・・・顧客口座情報テーブル(顧客口座情報記録手段)
181C・・・通貨ペア情報
181D・・・注文金額情報
181F・・・売買方向情報
181G・・・注文価格情報(約定価格の情報)
181H・・・有効無効期限情報
181K・・・トレール幅情報
181L・・・トレール開始価格情報
181M・・・ストップロス幅情報
181N・・・有効/無効情報(有効無効識別情報)
図1
図2
図3
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図10
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