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特許7587327チケット管理システム、チケット管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】チケット管理システム、チケット管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241113BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20241113BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024109252
(22)【出願日】2024-07-05
【審査請求日】2024-08-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年7月7日に、ウェブサイト(https://apps.apple.com/jp/app/jp-night-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%9C%80%E5%A4%A7%E3%81%AE%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0/id1382117178)に公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519154025
【氏名又は名称】株式会社JAPAN NIGHT
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】日下部 浩司
【審査官】日比野 可奈子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-032378(JP,A)
【文献】特開2014-149556(JP,A)
【文献】特開2018-205815(JP,A)
【文献】特開2000-105844(JP,A)
【文献】国際公開第2023/170899(WO,A1)
【文献】特開2019-219780(JP,A)
【文献】ポケットサイン株式会社,【新機能】デジタル身分証アプリ「ポケットサイン」、全国で初めて氏名・住所等の自動更新にスマホアプリとして対応,株式会社PR TIMES,2024年03月21日,[online],インターネット<URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000110743.html>,[2024年9月4日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面付き端末を用いたチケット管理システムであって、
イベントチケットの保有者の当該チケットの利用意思を確認するための利用意思確認領域を前記画面に表示させ、
利用意思の確認がとれた前記保有者のユーザ情報を前記画面に表示させ、
ユーザ情報に基づいてイベントの参加資格があるとされた者のユーザ情報に、イベント参加処理をし、
前記画面付き端末は、前記保有者の端末であり、
前記利用意思確認領域は、所定の画面操作を受け付ける領域として表示され、
前記ユーザ情報は、予め登録された公的身分証明書にかかる情報である、
チケット管理システム。
【請求項2】
イベント参加処理は、前記ユーザ情報を保有する保有者に対して報酬を付与することを含む、
請求項1に記載のチケット管理システム。
【請求項3】
前記イベントの参加資格は、所定の年齢に達しているか否かに関する条件を含む、
請求項1に記載のチケット管理システム。
【請求項4】
画面付き端末を用いたチケット管理システムであって、
イベントチケットの保有者の当該チケットの利用意思を確認するための利用意思確認領域を前記画面に表示させ、
利用意思の確認がとれた前記保有者のユーザ情報を前記画面に表示させ、
ユーザ情報に基づいてイベントの参加資格があるとされた者のユーザ情報に、イベント参加処理をし、
前記画面付き端末を少なくとも2つ備え、
前記利用意思確認領域と、前記ユーザ情報は、異なる端末に表示され、
前記少なくとも2つの端末は、前記保有者の端末と、前記イベントの運営者の端末とを含み、
前記利用意思確認領域は前記保有者の端末に表示され、
前記ユーザ情報は前記イベントの運営者の端末に表示され、
コード表示領域は前記画面に表示され、
前記コードと、当該コードに紐づけられた公的身分証明書にかかる情報とを管理する記憶部を備え、
前記イベントの運営者の端末により前記コードが読み取られると、読み取ったコードに対応する前記公的身分証明書にかかる情報が、前記イベントの運営者の端末に表示される、
チケット管理システム。
【請求項5】
前記コードはQRコードである、
請求項4に記載のチケット管理システム。
【請求項6】
ユーザから、前記コード表示領域と前記利用意思確認領域とのいずれを利用するかを受け付ける利用方法選択受付部をさらに備える、
請求項4に記載のチケット管理システム。
【請求項7】
前記保有者の端末の画面には、少なくとも、
前記コード表示領域と、
前記イベントの詳細情報が表示されるイベント情報表示領域と、
前記イベントの運営者が定めた参加資格に関する情報が表示される参加資格表示領域と、
前記利用意思確認領域と、
操作されることでユーザ情報を取得する処理を実行するユーザ情報確認領域とが、同一画面上に表示されている、
請求項4に記載のチケット管理システム。
【請求項8】
ユーザから所定の操作が完了した場合に、前記利用意思確認領域は、所定の画面操作を受け付ける、
請求項4に記載のチケット管理システム。
【請求項9】
制御部が行うチケット管理方法であって、
イベントチケットの保有者の当該チケットの利用意思を確認するための利用意思確認ステップと、
利用意思の確認がとれた前記保有者のユーザ情報を表示するユーザ情報表示ステップと、
ユーザ情報に基づいてイベントの参加資格があるとされた者のユーザ情報にイベント参加処理をするイベント参加処理する参加処理ステップと、を備え、
前記利用意思確認ステップは、所定の画面操作を受け付けるためのものであり、
前記ユーザ情報は、予め登録された公的身分証明書にかかる情報である、
チケット管理方法。
【請求項10】
プログラムであって、
請求項9に記載のチケット管理方法の各ステップを、プロセッサに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チケット管理システム、チケット管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク接続された端末を用いてイベント等のチケットの情報を管理するシステムが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2024-056061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、様々な種類のイベントが開催されており、イベントに参加条件が設定されていることがある。例えばイベントの参加条件として、一定の年齢以上であることが設定されている場合、イベント入場時に、チケットと合わせて身分証を提示するということが行われている。
【0005】
このような場合、イベントの参加者は、必ず身分証を持ち歩かなければならないという問題があった。そして何らかの理由で身分証を携帯していない場合には、イベントの参加条件を満たしているかを確認することができないためイベントに参加できないこととなる。
【0006】
本開示は、身分証を持ち歩いていなかった場合でも、イベントに参加可能な者であることを証明できるチケット管理システム、チケット管理方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様は、画面付き端末を用いたチケット管理システムであって、イベントチケットの保有者の当該チケットの利用意思を確認するための利用意思確認領域を画面に表示させ、利用意思の確認がとれた保有者のユーザ情報を画面に表示させ、ユーザ情報に基づいてイベントの参加資格があるとされた者のユーザ情報に、イベント参加処理をする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】チケット管理システムのブロック図である。
図2】ユーザ端末のブロック図である。
図3】運営者端末のブロック図である。
図4】チケット管理装置のブロック図である。
図5】ユーザ端末の制御部の機能を示す機能ブロック図である。
図6】運営者端末の制御部の機能を示す機能ブロック図である。
図7】チケット管理装置の制御部の機能を示す機能ブロック図である。
図8】ユーザ端末の画面に表示される画面の一例を示す画面図である。
図9】チケット管理システムの一連の作用を説明するためのフロー図である。
図10】チケット管理システムの一連の作用を説明するためのフロー図である。
図11】チケット管理システムの一連の作用を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について説明する。実施形態によるチケット管理システム及びその構成要素は例示に過ぎず、各構成は本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。特に以下の実施形態では、チケット管理システムを構成する端末を実現するためのハードウェア及び機能ブロックを明示して詳細な説明を行う。しかしながら、本開示の趣旨に従えばどのハードウェアがどのような機能を実現するのかは適宜変更可能であることは明らかである。また、各機能ブロックを同一のハードウェア若しくはソフトウェア、又は異なるハードウェア若しくはソフトウェアにより実現可能であることも明らかである。なお、以下の説明では、端末にインストールされたアプリケーション(プログラム)が各ハードウェアを制御するものとする。
【0010】
実施形態によるチケット管理システムは、チケットの保有者(ユーザ)が保有している端末だけ(一部のデータ管理を除く)を用いて一連の処理を行う場合と、ユーザの端末及びイベントの運営者が保有する端末を用いて一連の処理を行う場合とに適用できる。いずれの場合も、身分証を実際に保持していなくてもイベント入場時に身分を確認できる。実施形態では、ユーザがいずれのパターンを用いて身分を証明できるかを最初に選択できるものとして詳細な説明を行う。しかしながら、ユーザの選択制ではなく、運営側が選択できるようにしてもよいし、一方のパターンしか用いることができないようにしてもよい。
(チケット管理システム)
【0011】
図1は、チケット管理システムのブロック図である。チケット管理システム100は、互いにネットワーク200を介して接続された少なくとも2台の端末300,400と、ネットワーク200に接続されたチケット管理装置500と、を備える。
【0012】
端末300は、ユーザが保有する端末である。よって以下では、端末300をユーザ端末300と称することがある。端末400は、イベントの運営者が保有・管理する端末である。よって以下では、端末400を運営者端末400と称することがある。
(ユーザ端末)
【0013】
図2に示すように、ユーザ端末300は、例えばスマートフォン、ウェアラブル端末等の携帯可能な端末である。ユーザ端末300は、制御部302と、画面304と、記憶部306とを含む。
【0014】
制御部302は、ユーザ端末300の基幹部分であり、ユーザ端末300の各主動作を制御したり、記憶部306へのデータの書き込み/読み出し、画面304への各種情報の表示、画面304に入力された各種情報の処理をする。
画面304は、例えば、スマートフォンの画面であり、ユーザに対して各種情報を表示したり、ユーザからの各種情報の入力を受け付ける。
記憶部306は、制御部302が各種情報処理を実施する際に使用されるメモリ領域である。
(運営者端末)
【0015】
図3に示すように、運営者端末400は、運営者が管理するパソコン、スマートフォン等の小型端末である。なお、運営者端末400は必ずしも携帯可能なものでなくてもよい。運営者端末400は、例えばイベント会場の入り口に設置可能であればよい。運営者端末400は、制御部402と、画面404と、入力IF406と、記憶部408とを備える。
【0016】
制御部402は、運営者端末400の基幹部分であり、運営者端末400の各主動作を制御したり、記憶部408へのデータの書き込み/読み出し、画面404への各種情報の表示、入力IF406に入力された各種情報の処理をする。
記憶部408は、制御部402が各種情報処理を実施する際に使用されるメモリ領域である。
【0017】
画面404は、運営者端末400がスマートフォンである場合、画面404と入力IFは同一のものであっても良い。また、画面404は、運営者端末400がパソコンである場合、画面404と入力IFは別のものであってもよく、例えば、画面404はディスプレイ等であり、入力IFはキーボード、マウス等である。入力IFは、マイク等の音声入出力部やカメラを有していてもよい。
(チケット管理装置)
【0018】
図4に示すように、チケット管理装置500はサーバ等である。チケット管理装置500は制御部502と記憶部504とを備える。
制御部502は、チケット管理装置500の基幹部分であり、チケット管理装置500の各主動作を制御したり、記憶部504へのデータの書き込み/読み出し等の各種情報の処理をする。
記憶部504は、ユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、イベント毎に設定されている参加資格に対応する情報を少なくとも含んでいればよい。例えば、運営者がイベントの参加条件を、年齢20歳以上とした場合、ユーザ情報としては少なくとも年齢を含んでいればよい。一例としてユーザ情報として、氏名、住所、生年月日、年齢、性別、国籍等、様々な情報を含む。ユーザ情報は、予め運営者が承認して記憶部504に記憶させた情報である。ユーザ情報の登録に際して運営者は、ユーザに対して、必要な情報と、その情報が正しいことを証明する書面等の提出を求める。ユーザ情報が正しいことを証明する書面としては、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書、身体障害者手帳等の公的機関により発行された書類や、当該運営者等により発行された会員証等がある。証明書面の種類は、イベントの参加条件に応じて適宜決定される。運営者はユーザ情報の登録にあたり、これら書面の提出(例えば画像データ、スキャンデータを用いた電子的方法による提出)をユーザに求める。運営者は提出された書類と、ユーザが申告した情報が一致しているかを目視により確認し、ユーザ情報と証明書面が一致している場合、当該ユーザ情報は記憶部504に記憶される。このとき、ユーザ情報が確認済みであることを示すフラグをユーザ情報に付してもよい。また、ユーザ情報に、当該ユーザが過去に参加したイベントに関する情報等、他の情報を紐づけて記憶させてもよい。
(機能)
【0019】
図5に示すように、ユーザ端末300の制御部302は、機能として、コード表示部302aと、イベント情報表示部302bと、参加資格表示部302c、利用意思確認部302dと、ユーザ情報確認部302eと、を備える。
【0020】
コード表示部302aはコードを画面に表示する。コードは、例えば、一次元コード、二次元コード、三次元コード等である。コードはユーザに固有の情報であり、かつイベントのチケットとしての役割を果たす。コードは、チケットを購入したユーザに対して運営者が作成・配布したコードである。本実施形態ではコード表示部は二次元コードであるQRコードを画面に表示する。コード表示部302aはコード表示領域310として画面304に表示される。
【0021】
イベント情報表示部302bは、イベントの詳細情報を表示する。イベントの詳細情報としては、イベントの名称、イベント会場の名称、イベント会場の住所、イベントの開催時間等がある。イベント情報表示部302bはイベント情報表示領域312として画面304に表示される。
【0022】
参加資格表示部302cは、運営者が定めた参加資格に関する情報を表示する。この参加資格に関する情報としては、例えば、運営者がイベントの参加条件を、年齢制限を課しているときは、参加できる年齢を表示する(年齢20歳以上等)。その他に参加資格に関する情報は、性別、国籍、住所、服装、運営者が決める資格等がある。参加資格表示部302cは、参加資格領域314として画面304に表示される。
【0023】
利用意思確認部302dは、所定の画面操作を受け付け、ユーザの利用意思の確認を取るものである。所定の画面操作としては、具体的には、例えば、ユーザによる操作、ユーザによるパターン認証、ユーザによる暗証番号による認証、ユーザの生体情報による認証などにより利用確認としても良い。ユーザの利用意思の確認が取れた場合、そのことをユーザ情報と紐づけて記憶部504に記憶させてもよい。利用意思確認部302dは利用意思確認領域316として画面304に表示される。
【0024】
ユーザ情報確認部302eは、操作されることでユーザ情報を取得する処理を実行する。ユーザ情報確認部302eは、後述するユーザ情報確認領域318が操作されると、記憶部504にアクセスして当該ユーザ端末の持ち主のユーザ情報を読み出し、読み出されたユーザ情報を画面304に表示する。画面304に表示されるユーザ情報は、上述の記憶部504に記録した情報であっても良く、さらに、ユーザ情報ユーザ情報が正しいことを証明する書面(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書、身体障害者手帳等の公的機関により発行された書類)と運営者等により発行された会員証等であっても良い。ユーザ情報確認部302eは、ユーザ情報確認領域318として画面304に表示される。
【0025】
図6に示すように、運営者端末400の制御部402は、機能として、利用意思確認部402aと、ユーザ情報表示部402bと、参加処理部402cとを備える。
利用意思確認部402aは、運営者端末400の入力IF(カメラ)を用いて、ユーザ端末300に表示されたコード(QRコード)を読み込む。
【0026】
ユーザ情報表示部402bは、利用意思確認部402aでコード(QRコード)が読み込まれると、記憶部504にアクセスし、当該コード(QRコード)に紐づけられたユーザ情報を読み出す。ユーザ情報表示部402bは、読み出したユーザ情報を、運営者端末400の画面404に表示する。
【0027】
参加処理部402cは、コード(QRコード)を読み込んだ段階で、記憶部504に書き込みを行い、当該チケットが使用済みである処理をする。参加処理部402cは、具体的には、当該チケットが使用済みであることを示すフラグを立てる。また、参加処理部402cは、チケットが使用済みであることを示す使用済み表示を、画面に示す。使用済み表示は、文字、記号、画像、動画、又はこれらの組み合わせであっても良い。使用済み表示は、ユーザが保有しているチケット一覧画面に表示される。より具体的には、チケット一覧画面のうち使用したチケット情報の表示に隣接して表示される。チケット一覧画面には複数のチケット情報が昇降順等に整列している。
図7に示すように、チケット管理装置500の制御部502は、機能として、報酬付与部502aを備える。
報酬付与部502aは、当該ユーザに報酬を与える。具体的には、報酬付与部502aは、報酬に関する情報を、ユーザ情報と紐づけて記憶部504に書き込む。報酬に関する情報としては、例えば、当該イベント等で使用できるポイント、電子マネーの付与等がある。報酬付与部502aは、ユーザ情報と紐づけて記憶部504にポイントや電子マネーを加算する。
その他の報酬の情報としては、次回以降のイベント情報や、記念品等、ユーザ側に利益をもたらす様々なものがあり、これらの有無にフラグを記憶部504に書き込む。
報酬を付与するタイミングについて、報酬がデータにより提供されるものである場合、報酬に関する情報は、チケットを利用済みにするフラグを記憶部504に書き込むと同時に、ユーザ情報と紐づけて記憶部504に書き込んでもよい。イベント参加処理として報酬を与えることにより、イベントへの参加促進を期待できる。
(画面例)
【0028】
次に実施形態によるチケット管理システムで使用される画面について説明する。なお、実施形態では、タッチ式の画面に情報が表示され、ユーザはタッチ操作により各種入力を行うものとする。
【0029】
図8は、ユーザ端末300の画面304に表示される画面の一例を示す。この画面304は、コード表示領域310と、イベント情報表示領域312と、参加資格表示領域314と、利用意思確認領域316と、ユーザ情報確認領域318とを備える。コード表示領域310には、コードが表示されている。本実施形態では一態様としてQRコードが表示されている。
【0030】
イベント情報表示領域312には、イベントの詳細情報が表示されている。イベントの詳細情報としては、例えば、イベントの名称、イベント会場の名称、イベント会場の住所、イベントの開催時間等がある。
参加資格表示領域314には、運営者が定めた参加資格に関する情報が表示されている。
【0031】
利用意思確認領域316は、ユーザがチケットを利用するか否か(イベントに参加するか否か)を確認(利用意思の確認)するために用いられる。利用意思確認領域316には、画面左側から右に向けた矢印が表示されており、ユーザが矢印をスライド操作すると、利用意思が確認できたものとする。なお、利用意思確認領域316は、タッチ式の領域(つまり触れることで利用意思を表示したものとする)であってもよい。
【0032】
ユーザ情報確認領域318は、操作されることでユーザ情報を取得する処理を実行するための領域である。ユーザ情報確認領域318が操作されると、ユーザ端末300は記憶部504にアクセスして当該ユーザ端末の持ち主のユーザ情報を読み出す。読み出されたユーザ情報は、画面304に表示される。
【0033】
なお、上述したように本実施形態では、コード表示領域310と、利用意思確認領域316との両方が画面に表示されており、ユーザがどちらを利用して利用意思を表明できるか選べるように構成されている。例えば、運営者の指定により、チケットとしてQRコードのみを用いることとなっている場合、コード表示領域310のみを表示し、利用意思確認領域316を表示しなくてもよい。コードを運営者に提示すること自体が利用意思の表示であるとみなせるからである。
(フロー)
【0034】
次に、チケット管理システムの作用について説明する。図9はチケット管理システムの一連の作用を説明するためのフロー図である。なお、説明の便宜上、動作の主体が人である場合も含めて一連のフローを説明する。
【0035】
一連の処理は、チケットの保有者がイベント会場に到着して、ユーザ端末300を起動した後に開始される。なお、このとき、ユーザは既にイベントのチケットを購入し終えており、当該情報とユーザ情報とが紐づけられて記憶部504に記憶されているものとする。
【0036】
ステップS1においてユーザは、チケット管理システムの画面を運営者に提示する。この段階でユーザは、QRコードによる入場を希望するのか、利用意思確認領域316の操作による入場を希望するのかを口頭で伝えてもよい。QRコードによる入場が希望された場合はステップS2以降の処理が実行され、利用意思確認領域316の操作による入場が希望された場合はステップS4以降の処理が実行される。
【0037】
ステップS2において運営者は、運営者端末400を用いてQRコードを読み込む(利用意思確認ステップ)。QRコードが読み込まれると、運営者端末400は記憶部504にアクセスし、当該QRコードに紐づけられたユーザ情報を読み出す。読み出されたユーザ情報は、運営者端末400の画面404に表示される(ユーザ情報表示ステップ)。なお、QRコードを読み込んだ段階で、運営者端末400は、記憶部504に書き込みを行い、当該チケットが使用済みであることを示すフラグを立ててもよい(イベント参加処理)。
【0038】
ステップS3において運営者は、目視によりユーザ情報を確認し、参加資格を満たしていることを確認する。これによりユーザはイベント会場に入場可能となる。なお、当該チケットが使用済みであることを示すフラグは、ステップS3が完了した時点で行ってもよい。
【0039】
利用意思確認領域316の操作による入場が希望された場合、ステップS4においてユーザは、利用意思確認領域316の矢印をスライドさせる。これにより、ユーザからのチケットの利用意思表示が得られたものとする(利用意思確認ステップ)。この段階で、ユーザ端末300は、記憶部504に書き込みを行い、当該チケットが使用済みであることを示すフラグを立ててもよい。
【0040】
次にステップS5においてユーザは、ユーザ情報確認領域318を操作する。これにより、ユーザ端末300は、記憶部504にアクセスして当該ユーザ端末の持ち主のユーザ情報を読み出す。読み出されたユーザ情報は、画面304に表示される(ユーザ情報表示ステップ)。ユーザは、ユーザ情報が表示された画面を運営者に提示する。運営者は、目視によりユーザ情報を確認し、参加資格を満たしていることを確認する。これによりユーザはイベント会場に入場可能となる。なお、当該チケットが使用済みであることを示すフラグは、ステップS5が完了した時点で行ってもよい。
以上のようにチケット管理システム100によれば、ユーザが身分証を有していなくても、高い精度でユーザの参加資格を確認できる。
【0041】
上述の例では、イベント参加処理としてチケットを利用済みにすることとした。しかしながらイベント参加処理としては、チケットを利用済みにすると同時に、当該ユーザに報酬を与えてもよい。報酬としては、当該イベント等で使用できるポイントや電子マネーの付与等がある。報酬としては、金銭のほか、次回以降のイベント情報や、記念品等、ユーザ側に利益をもたらす様々なものが考えられる。報酬がデータにより提供されるものである場合、報酬に関する情報は、チケットを利用済みにするフラグを記憶部504に書き込むと同時に、ユーザ情報と紐づけて記憶部504に書き込んでもよい。イベント参加処理として報酬を与えることにより、イベントへの参加促進を期待できる。
【0042】
(変形例1)
上記実施形態では、ユーザ端末300の制御部302は、機能として、コード表示部302aと、イベント情報表示部302bと、参加資格表示部302c、利用意思確認部302dと、ユーザ情報確認部302eとを備えるとしたが、ユーザ端末300の制御部302は、さらに入場方法選択受付部302f(図示なし)を備えるようにしても良い。入場方法選択受付部402dは、ユーザから入場方法の選択を受け付ける。入場方法としては、例えば、コード表示領域310又は利用意思確認領域316のいずれか、ユーザが選択した入場方法が画面に表示されている。ユーザは、選択した入場方法を利用して利用意思を表明できる。
利用意思確認領域の利用が選択された場合、利用意思確認領域が、ユーザによって所定の動作(スライド、タップ、暗証番号、生体認証等)を受け付けると、制御部は、画面にユーザ情報(免許証等)とイベント情報(チケット等)とを表示する。一方、コード表示領域の利用が選択された場合、コード表示領域(例えば、QRコード等)が、管理者端末によって読み込まれると、制御部は、画面にユーザ情報(免許証等)とイベント情報(チケット等)とを表示する。
(変形例2)
また、図10に示すように、別の実施形態として、制御部302は、画面304にユーザ情報(免許証等)を表示した後(S11)、画面にコード表示領域310又は利用意思確認領域316のいずれかを受け付けるようにしても良い(S12)。
(変形例3)
また、図11に示すように、別の実施形態として、制御部302は、画面304にユーザ情報(免許証等)を表示した後(S21)、さらに、ユーザ情報を表示し(S22)、ユーザにおる参加資格の承認が完了した後(S23)、画面にコード表示領域310又は利用意思確認領域316のいずれかを受け付けるようにしても良い(S24)。
(変形例4)
また、別の実施形態としては、制御部302は、利用意思確認領域316と、ユーザ情報(免許証等)を表示とは同一の画面304に表示させても良い。
(変形例5)
利用意思確認部302dは、所定の画面操作を受け付け、ユーザの利用意思の確認を取るものであるとしたが、利用意思確認部302dは、所定の操作が完了した場合に、前記利用意思確認領域は、所定の画面操作を受け付ける。所定の操作としては、例えば、チェックボックスにチェックが付いた場合、所定の書類を表示させた場合等がある。
(変形例6)
上記実施形態では、ユーザ端末300の制御部302を備え、運営者端末400の制御部402を備え、チケット管理装置500の制御部502を備えたが、本発明では、ユーザ端末300の制御部、運営者端末400の制御部402、及びチケット管理装置500の制御部502の機能又は一部の機能は、他の制御部302、制御部402、又は制御部502によって実現されても良い。
また、さらに制御部302、制御部402及び/又は制御部502は、他の装置によって実現されてもよい。他の装置によって実現される場合、ユーザ端末300又は運営者端末400は、他の装置が処理した情報を、画面304、404に表示させても良い。
また、チケット管理システムとしては、複数の機能が1つの筐体内に集約されていることは必須ではなく、例えば、チケット管理システムの構成要素は、複数の筐体に分散して設けられてもよい。また、生産管理システムの一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【符号の説明】
【0043】
100: チケット管理システム
300: ユーザ端末
310: コード表示領域
316: 利用意思確認領域
400: 運営者端末
500: チケット管理装置
【要約】      (修正有)
【課題】身分証を持ち歩いていなかった場合でも、イベントに参加可能な者であることを証明できるチケット管理システムチケット管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】互いにネットワークを介して接続された少なくとも2台の端末(ユーザ端末、運営者端末)と、ネットワークに接続されたチケット管理装置と、を備えるチケット管理システムであって、チケット管理方法は、ユーザ端末の画面に、イベントチケットの保有者の当該チケットの利用意思を確認するための利用意思確認領域316を表示させることと、利用意思の確認がとれた保有者のユーザ情報を画面に表示させることと、ユーザ情報に基づいてイベントの参加資格があるとされた者のユーザ情報に、イベント参加処理をすることと、を含む。
【選択図】図8
図1
図2
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図10
図11