(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】測定装置および測定方法
(51)【国際特許分類】
G01R 29/26 20060101AFI20241113BHJP
G01R 29/08 20060101ALI20241113BHJP
H04B 17/15 20150101ALI20241113BHJP
H04B 17/29 20150101ALI20241113BHJP
【FI】
G01R29/26 D
G01R29/08 D
H04B17/15
H04B17/29
(21)【出願番号】P 2021537687
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(86)【国際出願番号】 JP2020028272
(87)【国際公開番号】W WO2021024800
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】P 2019145783
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前島 淳司
(72)【発明者】
【氏名】福永 誠吾
(72)【発明者】
【氏名】加藤 義寛
(72)【発明者】
【氏名】藤森 光太郎
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/029522(WO,A1)
【文献】米国特許第09768892(US,B1)
【文献】特開2016-032296(JP,A)
【文献】米国特許第10237765(US,B1)
【文献】特開2014-062878(JP,A)
【文献】特開平05-281274(JP,A)
【文献】特開2016-054372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 29/00-29/26、
H04B 1/60、
3/46-3/493、
17/00-17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物に対して高周波信号による第1の信号を印加する送信部と、
前記被測定物から発生する高周波信号による第2の信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記第2の信号における、前記第1の信号の周波数帯域の信号を急峻な特性且つ高い減衰比で減衰させるフィルタ部と、
前記受信部により受信された前記第2の信号における前記周波数帯域の信号が前記フィルタ部で減衰された信号を測定する測定部と、
を備え、
前記受信部は、
前記送信部が前記第1の信号を印加している間に前記第2の信号を受信する
測定装置。
【請求項2】
1つのプローブを共通に用いて、前記送信部による前記第1の信号の印加と、前記受信部による前記第2の信号の受信と、を行う
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記第1の信号と前記第2の信号とを分離する信号分離部をさらに備え、
前記第1の信号を前記信号分離部を介して前記プローブに供給し、
前記プローブから出力される前記第2の信号を前記信号分離部を介して前記受信部に供給する
請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記信号分離部は、ディプレクサである
請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記信号分離部は、サーキュレータである
請求項3に記載の測定装置。
【請求項6】
前記送信部による前記第1の信号の印加を行うプローブと、前記受信部による前記第2の信号の受信行うプローブと、が異なる
請求項1に記載の測定装置。
【請求項7】
前記受信部は、
前記送信部により前記被測定物に印加された前記第1の信号により該被測定物の内部で発生するノイズが変調された変調ノイズを含む前記第2の信号を受信する
請求項1に記載の測定装置。
【請求項8】
前記送信部が前記第1の信号を前記被測定物に印加する位置と、前記受信部が前記第2の信号を受信する位置と、のうち少なくとも一方を測定位置に移動させる移動制御部をさらに備え、
前記移動制御部は、
前記測定位置を前記被測定物上の2次元平面で順次変更する
請求項1に記載の測定装置。
【請求項9】
前記測定部は、
前記測定位置で測定された前記第2の信号を示す情報を、該測定位置と関連付けて表示部に表示させる
請求項8に記載の測定装置。
【請求項10】
前記測定部は、
前記測定位置それぞれに関連付けられた前記第2の信号を示す情報それぞれを、前記2次元平面のマップにより、該測定位置それぞれに関連付けて前記表示部に表示させる
請求項9に記載の測定装置。
【請求項11】
前記測定部は、
前記第2の信号を示す情報のそれぞれを、該第2の信号を示す情報に対応する濃度を表す画像を用いた前記マップにより前記表示部に表示させる
請求項10に記載の測定装置。
【請求項12】
前記測定部は、
前記測定位置それぞれに対応する前記2次元平面上における境界を示す情報を、前記マップに重畳させて前記表示部に表示させる
請求項10に記載の測定装置。
【請求項13】
前記測定部は、
前記被測定物の画像を前記マップに重畳させて前記表示部に表示させる
請求項10に記載の測定装置。
【請求項14】
送信部が被測定物に対して高周波信号による第1の信号を印加している間に、受信部が該被測定物から発生する高周波信号による第2の信号を受信し、受信した前記第2の信号における、前記第1
の信号の周波数帯域の信号を急峻な特性且つ高い減衰比で減衰させた信号を測定部が測定する
測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置および測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子情報通信機器におけるネットワーク利用傾向により、スマートフォンなどのモバイル端末を始めとして、様々な機器に複数のワイヤレス機能が搭載されている。また、スマートフォンに代表されるように、モバイル端末に搭載されるシステム規模も年々増大している。このような背景から、電子機器からの不要電磁界(ノイズ)放射量を規制しているEMI(Electromagnetic Interference)への対応のみならず、近年では、電子機器内のノイズが自身のワイヤレス特性へ影響を与えるRF(Radio Frequency)感度劣化への対応の必要性も増している。
【0003】
ノイズがRF感度劣化に影響を与えるタイプとしては、ノイズの種類に応じて2つのタイプ(タイプ(1)およびタイプ(2)とする)が知られている。
【0004】
タイプ(1)は、機器が有するIC(Integrated Circuit)などノイズ源が有するノイズが、RF受信周波数帯域を含む広帯域にわたって発生しており、その機器のアンテナからそのまま検知されてRF感度劣化が生じる場合である。タイプ(2)は、機器が有するICなどノイズ源が有するノイズが機器内部で発生するRF送信波により変調され、その変調されたノイズがRF受信周波数帯域を含む帯域にわたって発生してしまい、その機器のアンテナから検知されてRF感度劣化が生じる場合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-279611号公報
【文献】特開2002-257883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したタイプ(1)に対するノイズ源の測定技術は、既に様々な技術が検討されている(例えば特許文献1、特許文献2)。しかしながら、タイプ(1)に対するノイズ源の測定技術では、タイプ(2)における機器内部のRF送信波により変調されたノイズ源の測定を行うことが困難である。
【0007】
本開示は、機器内部の信号での変調により発生するノイズ源を容易に測定可能な測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る測定装置は、被測定物に対して高周波信号による第1の信号を印加する送信部と、前記被測定物から発生する高周波信号による第2の信号を受信する受信部と、前記受信部により受信された前記第2の信号における、前記第1の信号の周波数帯域の信号を急峻な特性且つ高い減衰比で減衰させるフィルタ部と、前記受信部により受信された前記第2の信号における前記周波数帯域の信号が前記フィルタ部で減衰された信号を測定する測定部と、を備え、前記受信部は、前記送信部が前記第1の信号を印加している間に前記第2の信号を受信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本開示に係る測定の原理について説明するための図である。
【
図1B】本開示に係る測定の原理について説明するための図である。
【
図2】第1の実施形態に係る測定装置の一例の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る測定装置による測定方法を説明するための図である。
【
図4】第1の実施形態の第1の変形例に係る測定装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施形態の第2の変形例に係る測定装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図6A】SGによる送信信号Txの生成、出力をオフとした場合の測定結果の例を示す図である。
【
図6B】SGによる送信信号Txの生成、出力をオン、被測定物の駆動がオフの状態における測定結果の例を示す図である。
【
図6C】SGによる送信信号Txの生成、出力をオン、被測定物の駆動をオンとした状態における測定結果の例を示す図である。
【
図7】第2の実施形態に係る測定装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図8】第2の実施形態に適用可能なPCの一例の構成を示すブロック図である。
【
図9】第2の実施形態に係るPCの機能を説明するための一例の機能ブロック図である。
【
図10】第2の実施形態に係る測定部の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。
【
図11】第2の実施形態に適用可能な、プローブの位置を移動させるための移動装置の一例の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図12】第2の実施形態に適用可能な移動装置を駆動するための駆動部の一例の構成を示すブロック図である。
【
図13】第2の実施形態に係る測定装置における測定処理を示す一例のフローチャートである。
【
図14】第2の実施形態に適用可能な、他の例による移動装置の構成例を概略的に示す側面図である。
【
図15】測定条件として設定される測定範囲の例を示す図である。
【
図16】第2の実施形態に係る、測定範囲における測定位置と、各測定位置における分析結果の例を示す図である。
【
図17A】第2の実施形態に適用可能な、各領域の分析結果を、数値に応じた濃度で表した例を示す図である。
【
図17B】第2の実施形態に適用可能な、各領域の分析結果を、数値に応じた濃度で表した例を示す図である。
【
図18A】第2の実施形態に適用可能な、各領域の分析結果を、数値に応じた濃度で表した他の例を示す図である。
【
図18B】第2の実施形態に適用可能な、各領域の分析結果を、数値に応じた濃度で表した他の例を示す図である。
【
図19】第2の実施形態の第1の変形例に係る測定装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図20】第2の実施形態の第2の変形例に係る測定装置の一例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより、重複する説明を省略する。
【0011】
(本開示に係る測定の原理)
本開示の各実施形態は、電子機器のワイヤレス特性に影響を与えるRF(Radio Frequency)感度劣化の要因となる、当該電子機器内のノイズに関する測定を行う技術に関する。
【0012】
先ず、各実施形態の説明に先立って、理解を容易とするために、本開示に係る測定の原理について概略的に説明する。
図1Aおよび
図1Bは、本開示に係る測定の原理について説明するための図である。なお、
図1Aおよび
図1Bにおける各グラフ、および、以下の同様の各グラフは、横軸が周波数、縦軸が信号の電力をそれぞれ示す。
【0013】
電子機器内のノイズがRF感度劣化に影響を与えるタイプとしては、ノイズの種類に応じて2つタイプ(タイプ(1)およびタイプ(2)とする)が知られている。
【0014】
図1Aは、タイプ(1)のノイズおよびそのノイズによる電子機器におけるRF感度劣化を説明するための図である。
図1Aのグラフ1000は、対象となる電子機器内部において、IC(Integrated Circuit)などノイズ源が有するノイズ1010が、受信信号Rxの周波数帯域f
Rxを含む広帯域にわたって発生していることを示している。タイプ(1)は、このノイズ1010が、当該電子機器が備えるアンテナ1020からそのまま検知されてRF感度劣化が生じる場合である。
【0015】
タイプ(2)は、ICなど非線形素子によるノイズ源が有するノイズがデバイスに対して印加されるRF送信波により変調され、その変調されたノイズが受信信号Rxの周波数帯域fRxを含む帯域にわたって発生してしまい、アンテナから検知されてRF感度劣化が生じる場合である。
【0016】
タイプ(2)のノイズについて、
図1Bを用いてより具体的に説明する。
図1Bにおいて、グラフ1001は、対象となる電子機器内部において、ICなどノイズ源が有するノイズ1011が、受信信号Rxの周波数帯域f
Rxを含まない範囲で発生していることを示している。
図1Bの例では、ノイズ1011は、受信信号Rxの周波数帯域f
Rxに対して低い周波数帯域で発生している。この場合、このノイズ1011が、当該電子機器が備えるアンテナ1020により検知されることは無い。
【0017】
しかしながら、ノイズ源がICなどの非線形素子を搭載したデバイスである場合、そのノイズ源に対して周波数帯域f
TxのRF送信波を印加すると(グラフ1002参照)、ノイズ源にて発生するノイズ1011がこのRF送信波により変調されるインターモジュレーションが発生する。以降、インターモジュレーションにより変調されたノイズを、変調ノイズと呼ぶ。このインターモジュレーションにより、
図1Bのグラフ1003に例示される変調ノイズ1012が生成される。グラフ1003の例では、この変調ノイズ1012は、周波数帯域が受信信号Rxの周波数帯域f
Rxを含んでいる。したがって、当該電子機器が備えるアンテナ1020にこの変調ノイズ1012が検知され、受信信号Rxの周波数帯域f
Rxに対するRF感度劣化が生じる。
【0018】
インターモジュレーションについて、より具体的に説明する。ある周波数f1の高周波信号が別の周波数f2の高周波信号に印加された場合に、周波数f2の高周波信号が周波数f1の高周波信号により変調されて、次式(1)および(2)で示される周波数f3およびf4の信号が生成される。
【0019】
f3=|f1-f2| …(1)
f4=f1+f2 …(2)
【0020】
上述の式(1)および式(2)において、周波数f1をRF送信波の周波数帯域fTxとする。また、周波数f2を、ノイズ1011が含む任意の周波数fnoiseとする。この場合、周波数帯域fTxに対して|fTx-fnoise|だけ低い周波数と、(fTx+fnoise)だけ高い周波数と、にノイズ1011の周波数|fTx-fnoise|に対応する位置の成分が現れる。これをノイズ1011が含む周波数帯域全体に適用すると、RF送信波の周波数帯域fTxの両側に、ノイズ1011の周波数特性を対称に展開した変調ノイズ1012が生成される。
【0021】
ここで、周波数fnoiseにおいて、RF送信波の周波数帯域fTxと、受信信号Rxの周波数帯域fRxとの差分の周波数|fTx-fRx|における成分を考える。グラフ1002および1003の例では、この周波数|fTx-fRx|は、ノイズ1011の周波数帯域に含まれるため、上述した式(1)および(2)に従い、変調ノイズ1012の成分として、次式(3)および式(4)で示される位置に現れる。
【0022】
f5=fTx+|fTx-fRx| …(3)
f6=fTx-|fTx-fRx| …(4)
【0023】
これらのうち、周波数f6は、受信信号Rxの周波数帯域fRxと等しい。そのため、受信信号Rxの周波数帯域fRxに対して変調ノイズ1012の成分が加わることになり、受信信号Rxの周波数帯域fRxに対するRF感度劣化が生じる。
【0024】
既存技術による測定方法では、インターモジュレーションにより発生する変調ノイズ1012の測定が困難であった。本開示では、対象となる電子機器においてインターモジュレーションを発生させた状態での測定を実行可能としている。そのため、インターモジュレーションによるノイズ源の特定が容易となり、電子機器におけるインターモジュレーションに起因するRF感度劣化を抑制することが可能となる。
【0025】
[第1の実施形態]
次に、第1の実施形態について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る測定装置の一例の構成を概略的に示すブロック図である。
図2において、測定装置1aは、信号発生器10(以降、SG10)と、電力増幅器11(以降、PA11)と、バンドパスフィルタ12(以降、BPF12)と、ディプレクサ13(以降、DUP13)と、バンドエリミネーションフィルタ14(以降、BEF14)と、低雑音増幅器15(以降、LNA15)と、測定器(以降、SA16)16と、プローブ20と、を含む。
【0026】
SG10は、所望の周波数の高周波信号を出力可能とされている。測定装置1aにおいては、被測定物30に印加するための周波数帯域fTxの高周波信号による送信信号Txを生成、出力する。SG10が生成、出力する送信信号Txは、被測定物30が本来受信するRF送信波を模した疑似RF送信波である。SG10から出力された送信信号Txは、PA11に供給される。PA11は、高出力可能な電力増幅器であって、SG10から供給された送信信号Txの電力を増幅して出力する。
【0027】
BPF12は、特定の周波数帯域の信号を通過させ、当該特定の周波数帯域外の周波数の信号を急峻な特性、且つ、高い減衰比で減衰させるフィルタである。以下、急峻な特性、且つ、高い減衰比での減衰を、高減衰と呼ぶ。この例では、BPF12は、周波数帯域fTxの信号を通過させ、それ以外の周波数帯域の信号を高減衰させる。PA11から出力された周波数帯域fTxの送信信号Txは、BPF12を通過してDUP13に供給される。
【0028】
DUP13は、周波数帯域の異なる2つの高周波信号を分離する信号分離子である。例えば、DUP13は、通過させる周波数帯域が互いに異なる2つのバンドパスフィルタ(BPF)を含む。
図2の例では、DUP13が含む2つのBPFのうち一方は、送信信号Txの周波数帯域f
Txの高周波信号を通過させ、それ以外の周波数帯域の高周波信号を高減衰させる送信信号用のBPFである。また、DUPが含む2つのBPFのうち他方は、受信信号Rxの周波数帯域f
Rxの高周波信号を通過させ、それ以外の周波数帯域の高周波信号を高減衰させる受信信号用のBPFである。
【0029】
プローブ20は、例えば電磁界プローブであって、1つの探針を含む。プローブ20は、DUP13の送信信号用のBPFから出力された送信信号Txを被測定物30に印加するために用いられる。また、プローブ20は、被測定物30から放射された変調ノイズを受信するためにも用いられる。すなわち、信号の送信と受信とを、1つのプローブ20を共通に用いて行う。プローブ20により受信された信号(例えば変調ノイズ)は、プローブ20から出力されてDUP13の受信信号用のBPFに供給される。DUP13は、BPF12から出力された送信信号Txと、プローブ20から供給された変調ノイズと、を分離して、それぞれの供給先に供給する。なお、プローブ20として、アンテナを用いてもよい。また、被測定物30となるスマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの電子機器に組み込まれたアンテナをプローブ20として直接接続してもよい。
【0030】
BEF14は、特定の周波数帯域の信号を高減衰させ、それ以外の周波数帯域の信号を通過させる。この例では、BEF14は、送信信号Txの周波数帯域である周波数帯域fTxの信号を高減衰させ、それ以外の周波数帯域の信号を通過させる。DUP13の受信信号用のBPFから供給された変調ノイズは、BEF14に供給され、周波数帯域fTxの成分を高減衰されて出力される。
【0031】
BEF14から出力された、周波数帯域fTxの成分を高減衰された変調ノイズは、LNA15に供給される。LNA15は、微小信号や微小ノイズを増幅可能な低雑音増幅器である。周波数帯域fTxの成分を高減衰された変調ノイズは、LNA15で増幅されてSA(Spectrum Analyzer)16に供給される。
【0032】
SA16は、LNA15から供給された信号の特徴の分析を行うための装置である。例えば、SA16は、供給された信号を分析して、その信号の電力、波形、変調方式などを示す情報を取得する。SA16は、例えばディスプレイを備え、分析結果をディスプレイに表示することができる。
【0033】
図3は、第1の実施形態に係る測定装置1aによる測定方法を説明するための図である。なお、測定装置1aの構成は、
図2を用いて説明した構成と同一であるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0034】
なお、
図3において、被測定物30は、無線通信が可能な電子機器であって、周波数帯域f
Txの高周波信号を送信し、周波数帯域f
Txとは異なる周波数帯域f
Rxの高周波信号を受信するものとする。被測定物30としては、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどを適用することができる。これに限らず、被測定物30は、ICなどの非線形素子を備え、振幅変調に基づく信号の送信と受信とを、互いに異なる周波数帯域で、且つ、並列に行う電子機器であれば、他の種類の電子機器であってもよい。また、被測定物30に適用可能な通信技術としては、FDD(Frequency Division Duplex)があり、通信方式としては、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、CDMA(Code Division Multiple Access)、LTE(Long Term Evolution)など様々な通信方式が考えられる。
【0035】
被測定物30の測定時には、被測定物30の送信機能および受信機能を稼働させておく。
【0036】
SG10は、周波数帯域f
Txの高周波信号による送信信号Txを生成する。
図3において、グラフ100は、送信信号Txの周波数帯域f
Txと、被測定物30のある受信チャネルCHによる受信信号Rxの周波数帯域f
Rxの関係の例を示している。この例では、受信信号Rxの周波数帯域f
Rxは、送信信号Txの周波数帯域f
Txよりも高い周波数とされている。
【0037】
この送信信号Txが、経路120に従い、PA11およびBPF12を介してDUP13に入力され、DUP13が有する送信信号用のBPFを通過してプローブ20に供給される(経路121)。プローブ20に供給された送信信号Txがプローブ20から送信され、被測定物30に印加される。グラフ101は、被測定物30に印加される送信信号Txの例を示している。グラフ101に示されるように、被測定物30に印加される送信信号Txは、SG10で生成された送信信号Txの電力が増幅された信号となっている。
【0038】
被測定物30は、内部にICやLSI(Large Scale Integration)など非線形素子を含む。このような非線形素子は、動作時にノイズを発生する。例えば被測定物30が自身が有するアンテナから周波数帯域f
Txの送信信号Txを送信する場合、このノイズが、インターモジュレーションにより送信信号Txに基づき変調される。これにより、ノイズの周波数特性に対応する変調ノイズが送信信号Txの周波数帯域f
Txの両側に対称に発生する(
図3、グラフ102参照)。この変調ノイズの周波数帯域に被測定物30の受信信号Rxの周波数帯域f
Rxが含まれている場合、被測定物30において受信信号Rxに対するRF感度劣化が生じる。
【0039】
変調ノイズは、被測定物30の内部で伝搬されると共に、被測定物30の外部に放射される。外部に放射された変調ノイズは、プローブ20により受信される。プローブ20に受信された変調ノイズは、経路122を介してDUP13に入力され、DUP13が有する受信信号用のBPFを介してBEF14に供給される(経路123)。変調ノイズは、BEF14において送信信号Txの周波数帯域fTxが高減衰される。BEF14により周波数帯域fTxが高減衰された変調ノイズは、LNA15にて低雑音の増幅処理を施され、増幅された変調ノイズがSA16に供給される。
【0040】
ここで、プローブ20による変調ノイズの受信、および、受信された変調ノイズのDUP13、BEF14およびLNA15を介してのSA16への供給は、プローブ20により送信信号Txを被測定物30に印加している間に行われる。換言すれば、プローブ20により送信信号Txを被測定物30に対して印加する期間と時間的に重複する期間において、変調ノイズのSA16への供給が行われる。これにより、測定装置1aは、被測定物30の内部で発生したノイズがインターモジュレーションにより送信信号Txに基づき変調された変調ノイズの測定を実行することが可能となる。
【0041】
また、DUP13から出力された変調ノイズは、BEF14において送信信号Txの周波数帯域fTxが高減衰されている。このBEF14の作用により、送信系(例えば経路120および121)から受信系(経路123)への信号の回り込みを抑制している。すなわち、BEF14を用いない場合、送信系から受信系に回り込んだ送信信号Txと、プローブ20により受信された変調ノイズと、の電力差が大きくなってしまうおそれがある。この場合、測定結果が、例えばSA16の表示部における表示範囲(ダイナミックレンジ)に収まらなくなる可能性がある。BEF14で周波数帯域fTxの成分を減衰させることで、周波数帯域fTxの成分によるピークを抑制することができ、測定結果が表示範囲に収まらない状態を回避することができる。
【0042】
図3の例では、グラフ103に例示されるように、グラフ102に示される変調ノイズの特性に対し、送信信号Txの周波数帯域f
Txおよび周波数帯域f
Txを中心とする所定範囲の信号レベルがBEF14により急峻に減衰され、さらに、LNA15により全体の信号レベルが上げられている。このように、送信信号Txの周波数帯域fTxによるピークを抑えつつ、全体の信号レベルを上げることで、SA16による分析、表示などが容易となる。
【0043】
(第1の実施形態の第1の変形例)
次に、第1の実施形態の第1の変形例について説明する。
図4は、第1の実施形態の第1の変形例に係る測定装置の一例の構成を示すブロック図である。
【0044】
図4に示される、第1の実施形態の第1の変形例に係る測定装置1bは、プローブ20に送る送信信号Txと、プローブ20により受信されプローブ20から供給される信号とを分離する信号分離子として、
図2のDUP13の代わりに、サーキュレータ40を用いている。サーキュレータ40は、一般的には3つのポートを備え、ポートに入力された高周波信号を特定の方向にのみ通過させる特性を有する。サーキュレータでは、あるポートに入力された高周波信号を、特定の方向に隣接するポートから出力させることができる。このサーキュレータの特性を利用することで、信号の分離を実現できる。
【0045】
図4の例では、サーキュレータ40は、3つのポートP
1、P
2およびP
3を有し、BPF12の出力がサーキュレータ40のポートP
1に接続される。プローブ20がサーキュレータ40のポートP
2に接続される。また、BEF14がサーキュレータ40のポートP
3に接続される。サーキュレータ40は、ポートP
1→ポートP
2→ポートP
3の方向(
図4における左回り)に高周波信号を通過させる。サーキュレータ40は、この逆方向、すなわち、
図4における右回りの方向には高周波信号を通過させない。
【0046】
このように構成することで、BPF12の出力がサーキュレータ40のポートP
1からポートP
2に送られ、ポートP
2から出力されてプローブ20に供給される。プローブ20から出力された信号(変調ノイズ)は、サーキュレータ40のポートP
2からポートP
3に送られ、ポートP3から出力されてBEF14に供給される。一方、サーキュレータ40は、
図4における右回りの方向では高周波信号を通過させないため、ポートP
1に入力された送信信号TxがそのままポートP
3に送られてBEF14に供給されることは無い。
【0047】
サーキュレータ40は、上述したDUP13と比較して、特定の周波数帯域の減衰が無い一方で、高周波信号を歪ませる要素を有しており、それ自身がノイズ源となる可能性がある。したがって、信号分離子としてDUP13およびサーキュレータ40の何れを用いるかは、測定に要求される内容などに基づき適宜、選択することが好ましい。
【0048】
(第1の実施形態の第2の変形例)
次に、第1の実施形態の第2の変形例について説明する。上述した第1の実施形態および第1の実施形態の第1の変形例では、送信信号Txの被測定物30に対する印加と、被測定物30から放射される変調ノイズの受信と、を1つのプローブ20を共通に用いて行っていた。これに対して、第1の実施形態の第2の変形例では、送信信号Txの被測定物30に対する印加と、被測定物30から放射される変調ノイズの受信と、を異なるプローブを用いて行う。
【0049】
図5は、第1の実施形態の第2の変形例に係る測定装置の一例の構成を示すブロック図である。
図5において、測定装置1cは、プローブ20Txとプローブ20Rxとの2つのプローブを含む。プローブ20Txは、BPF12から出力された送信信号Txを被測定物30に印加する。送信信号Txの印加により被測定物30から放射された変調ノイズは、プローブ20Rxにより受信され、プローブ20RxからBEF14に供給される。
【0050】
このように、第1の実施形態の第2の変形例に係る測定装置1cは、送信信号Txの被測定物30に対する印加と、被測定物30から放射された変調ノイズの受信と、をそれぞれ個別のプローブ20Txおよび20Rxを用いて行っている。そのため、測定装置1cは、上述したDUP13やサーキュレータ40といった信号分離子が不要である。一方、この測定装置1cにより第1の実施形態による測定装置1aと同等の測定を行う場合、プローブ20Txおよび20Rxにより被測定物30の同一位置を狙うことになり、プローブ20Txおよび20Rxの設置に注意を払う必要がある。
【0051】
また、測定装置1cにおいて、プローブ20Txおよび20Rxのそれぞれで、被測定物30の互い異なる位置を狙うこともできる。この場合、例えばプローブ20Txによる狙い位置と、プローブ20Rxによる狙い位置と、の間における変調ノイズの伝搬の特性を調べることが可能である。
【0052】
(測定結果の具体的な例)
次に、第1の実施形態およびその各変形例による測定結果の具体的な例について説明する。なお、ここでは、
図4を用いて説明した、信号分離子としてサーキュレータ40を用いた測定装置1bを例にとって説明を行う。
【0053】
図4において、測定装置1bは、SG10により周波数が836[MHz]の送信信号Txを生成し、この送信信号TxをPA11、BPF12およびサーキュレータ40を介して、24[dBmW]の電力にてプローブ20に供給するものとする。プローブ20を被測定物30に押し当てる状態で、当該被測定物30に対して送信信号Txを印加する。当該プローブ20により受信された信号を、サーキュレータ40、BEF14およびLNA15を介してSA16に供給する。SA16は、例えば、供給された信号の周波数成分を分析して周波数毎のレベルを測定結果として取得し、取得した測定結果を、横軸を周波数、縦軸をレベルとしたグラフによりディスプレイに表示させる。また、受信信号Rxの周波数帯域f
Rxを881[MHz]とする。
【0054】
図6A、
図6Bおよび
図6Cは、上述の条件において、SG10および被測定物30それぞれのオン、オフを切り替えて測定を行った際の測定結果の例をそれぞれ示す。
【0055】
図6Aは、SG10による送信信号Txの生成、出力をオフとした場合の測定結果の例を示す図である。なお、
図6Aは、被測定物30の駆動のオンとオフとを切り替えた場合の測定結果を示している。特性線70aにおいて、送信信号Txの周波数f
TxTxの付近に生じている山部分の波形は、測定装置1bにおける各フィルタやアンプ群による特性を示している。この特性線70aに示される特性は、被測定物30がオン、オフの何れの状態でも変化が無い。これにより、この状態にて、ノイズ源デバイスである被測定物30の駆動のみをオンにしても何も観測されず、被測定物30の単体では、例えば受信信号Rxの周波数帯域f
Rxまでのノイズを発生していないことが分かる。
【0056】
図6Bは、SG10による送信信号Txの生成、出力をオン、被測定物30の駆動がオフの状態における測定結果の例を示す図である。特性線70bにおいて、送信信号Txの周波数帯域f
Txにスペクトラムのピークが観測されており、所期の送信信号Txを発生できていることが分かる。
【0057】
図6Cは、SG10による送信信号Txの生成、出力をオン、被測定物30の駆動をオンとした状態における測定結果の例を示す図である。特性線70cにおいて、受信信号Rxの周波数帯域f
Rxの付近にピーク71が現れ、ある程度大きなノイズが観測されていることが分かる。また、周波数帯域f
Rxの両側の波形も、複数の小さなピークが現れ、
図6Bの特性線70bとは異なっていることが分かる。
【0058】
図6A~
図6Cに示されるように、被測定物30の単体の動作ではノイズが観測されず、送信信号Txの被測定物30に対する印加のみでもノイズが観測されていない。一方、被測定物30を駆動し、且つ、送信信号Txを被測定物30に印加させた状態で、
図6Cに示されるノイズが観測されている。これらより、このノイズは、目的としている変調ノイズであることが分かる。以上より、本開示の技術を用いることで変調ノイズが測定可能であることが示される。
【0059】
以上説明したように、第1の実施形態およびその各変形例によれば、非線形素子を搭載した被測定物30においてインターモジュレーションにより発生する変調ノイズを測定することができる。また、第1の実施形態およびその各変形例によれば、この変調ノイズの測定を行うシステムを、既存の装置を活用して構築することができ、コストパフォマンスに優れている。
【0060】
[第2の実施形態]
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、上述したプローブ20を、被測定物30の近傍で移動させ被測定物30を走査可能としたものである。被測定物30に対してプローブ20を自動的に走査させることで、被測定物30における変調ノイズの分布を容易に測定可能となる。
【0061】
図7は、第2の実施形態に係る測定装置の一例の構成を示すブロック図である。
図7において、測定装置2aは、
図2に示した測定装置1aに対して、ポジショナー60と、パーソナルコンピュータ50(以下、PC50)とが追加されている。ポジショナー60は、プローブ20が取り付けられ、当該プローブ20を水平面内(X軸およびY軸)、および、垂直方向(Z軸方向)でそれぞれ移動させるための機構を備える。PC50は、ポジショナー60の動作と、SG10および測定器16それぞれの動作と、を同期させて制御する。
【0062】
図8は、第2の実施形態に適用可能なPC50の一例の構成を示すブロック図である。
図8において、PC50は、互いにバス520により通信可能に接続された、CPU(Central Processing Unit)500と、ROM(Read Only Memory)501と、RAM(Random Access Memory)502と、ストレージ503と、表示制御部504と、データI/F505と、機器I/F506と、通信I/F507と、を含む。
【0063】
ストレージ503は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリといった不揮発性の記憶媒体であって、CPU500が動作するためのプログラムやデータを記憶することができる。CPU500は、ストレージ503やROM501に予め記憶されるプログラムに従い、RAM502をワークメモリとして用いて、このPC50の全体の動作を制御する。
【0064】
表示制御部504は、ディスプレイ510が接続され、CPU500によりプログラムに従い生成された表示制御信号に基づきディスプレイ510が表示可能な表示信号を生成する。表示制御部504は、生成した表示信号をディスプレイ510に供給する。ディスプレイ510は、表示制御部504から供給された表示信号に従い画面を表示する。
【0065】
データI/F505は、外部の機器とデータや制御信号の送受信を行うためのインタフェースである。データI/F505としては、例えばUSB(Universal Serial Bus)を適用することができる。また、データI/F505に対して、マウスなどのポインティングデバイスやキーボードといった入力デバイス511を接続することができる。入力デバイス511は、ユーザ操作に応じた制御信号を生成する。この制御信号は、データI/F505を介してCPU500に渡される。
【0066】
機器I/F506は、SG10、SA16およびポジショナー60と接続するためのインタフェースである。CPU500は、プログラムに従い、SG10、SA16、ポジショナー60を制御する制御信号を生成し、生成した制御信号を機器I/F506を介してSG10、SA16、ポジショナー60に供給する。また、SG10、SA16、ポジショナー60から出力されたステータス情報などが、機器I/F506を介してCPU500に渡される。SA16による測定結果を、機器I/F506を介してCPU500に渡してもよい。これに限らず、SA16による測定結果は、データI/F505を介してCPU500に渡してもよい。
【0067】
通信I/F507は、LAN(Local Area Network)などのネットワークとの通信を制御する。
【0068】
図9は、第2の実施形態に係るPC50の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。
図9において、PC50は、位置制御部530と、信号制御部531と、測定部532と、機器通信部533と、入力部534と、表示部535と、を含む。これら位置制御部530、信号制御部531、測定部532、機器通信部533、入力部534および表示部535は、CPU500上で動作する測定プログラムにより実現される。これに限らず、位置制御部530、信号制御部531、測定部532、機器通信部533、入力部534および表示部535のうち一部または全部を、互いに協働して動作するハードウェア回路により構成してもよい。
【0069】
位置制御部530は、ポジショナー60によるX軸、Y軸およびZ軸方向の移動を制御するための移動制御信号を生成する。信号制御部531は、SG10による送信信号Txの生成を制御するための信号制御信号を生成する。測定部532は、SA16の動作を制御するための測定制御信号を生成する。また、測定部532は、SA16から測定結果を取得し、取得した測定結果の分析なども行う。機器通信部533は、機器I/F506を制御して、SG10、SA16およびポジショナー60に対する通信を行う。移動制御信号、信号制御信号および測定制御信号のそれぞれは、この機器通信部533により、ポジショナー60、SG10およびSA16のそれぞれに送信される。
【0070】
入力部534は、入力デバイス511に対してなされた入力を受け付け、受け付けた入力に応じた制御信号に基づきPC50に所定の動作を実行させる。表示部535は、所定の表示を行うための表示制御信号を生成する。生成された表示制御信号は、表示制御部504に渡される。
【0071】
図10は、第2の実施形態に係る測定部532の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。
図10において、測定部532は、取得部5321と、分析部5322と、表示情報生成部5323と、を含む。
【0072】
取得部5321は、SA16から、所定のタイミングで測定結果を取得する。例えば、取得部5321は、位置制御部530によるポジショナー60の位置制御と、信号制御部531による送信信号Txの生成の制御と、に同期させて、SA16から測定結果を取得する。取得部5321は、例えば、SA16から、周波数を示す情報と、当該周波数におけるレベルを示す情報とを関連付けて取得する。また、取得部5321は、位置制御部530から、これら周波数を示す情報およびレベルを示す情報と、に対応する位置情報を取得することができる。
【0073】
分析部5322は、取得部5321により取得された測定結果を分析する。例えば、分析部5322は、取得した測定結果がレベルを示す情報を複数、含む場合、複数のレベルの平均値などの統計値を分析結果として求めることができる。これに限らず、分析部5322は、取得した測定結果が、それぞれ周波数を示す情報と、レベルを示す情報とによる複数の組を含む場合、レベルの平均や分散など、所望の統計値を分析結果として求めることも可能である。分析部5322は、この測定結果に基づく分析結果を、取得部5321により取得された位置情報と関連付けて表示情報生成部5323に渡す。
【0074】
表示情報生成部5323は、分析部5322から渡された分析結果および位置情報に基づく画面をディスプレイ510などに表示させるための表示情報を生成する。表示情報生成部5323は、例えば分析結果および位置情報を一覧として表示させる表示情報を生成することができる。
【0075】
また、表示情報生成部5323は、分析結果を、対応する位置情報に基づきマップを生成して表示させることができる。このとき、表示情報生成部5323は、分析結果を数値として、位置情報に基づき表示するマップを生成することができる。また、表示情報生成部5323は、分析結果を、その値に対応する濃度(色の濃さ、明暗)などの画像情報として、マップ表示させることができる。
【0076】
さらに、表示情報生成部5323は、位置情報に基づき、分析結果を表示するマップに、分析結果に対応する境界を示す画像をさらに表示させることができる。さらにまた、表示情報生成部5323は、被測定物30の被測定面の画像を予め取得し、当該画像をマップに重畳させて表示させることができる。
【0077】
第2の実施形態に係る処理を実行するための測定プログラムは、例えば、上述した各部(位置制御部530、信号制御部531、測定部532、機器通信部533、入力部534および表示部535)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU500が例えばストレージ503から当該測定プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置(例えばRAM502)上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0078】
(第2の実施形態に適用可能なポジショナーについて)
次に、第2の実施形態に適用可能なポジショナー60について、概略的に説明する。
図11および
図12は、第2の実施形態に適用可能なポジショナー60の一例の構成を示す図である。
図11は、第2の実施形態に適用可能な、プローブ20の位置を移動させるための移動装置200aの一例の構成を概略的に示す斜視図である。
図12は、
図11に示される移動装置200aを駆動するための駆動部201の一例の構成を示すブロック図である。これら移動装置200aおよび駆動部201を含んでポジショナー60が構成される。
【0079】
なお、
図11において、図上の上下方向をZ軸、図上の左右方向をX軸、右斜め上から左斜め下の方向をY軸とする。
【0080】
図11の例では、移動装置200aは、4本の脚211と、水平移動部212、212aおよび212bと、垂直移動部213と、プローブ支持部214と、を含む。4本の脚211により台座が構成され、台座に対してそれぞれY軸方向に沿って水平移動部212aおよび212bが設けられる。水平移動部212aおよび212bに対して、水平移動部212がY軸方向に移動可能に設けられる。水平移動部212に対して垂直移動部213がX軸方向に移動可能に設けられる。垂直移動部213は、さらに、水平移動部212に対してZ軸方向に移動可能に構成される。垂直移動部213に対して、プローブ支持部214が設けられ、プローブ支持部214の下端にプローブ20が設けられる。
【0081】
プローブ20は、X軸およびY軸方向に、水平移動部212、212aおよび212bの所定の範囲内で自在に移動させることができ、また、Z軸方向に、垂直移動部213の所定の範囲内で自在に移動させることができる。これにより、プローブ20は、水平に設置された被測定物30上の2次元平面を、所定の範囲内で自在に移動可能となる。
【0082】
図12において、駆動部201は、モータ202X、202Yおよび202Zと、駆動回路203X、203Yおよび203Zと、モータ制御部204と、インタフェース(I/F)205と、を含む。
【0083】
モータ202Xは、垂直移動部213をX軸方向に移動させるためのモータであって、例えば垂直移動部213内部に設けられる。モータ202Yは、垂直移動部213をY軸方向に移動させるためのモータであって、例えば水平移動部212内部に設けられる。また、モータ202Zは、垂直移動部213をZ軸方向に移動させるためのモータであって、例えば垂直移動部213内部に設けられる。
【0084】
駆動回路203X、203Yおよび203Zそれぞれは、モータ制御部204の制御に従い、モータ202X、202Yおよび202Zのそれぞれを1対1に駆動する。モータ制御部204は、PC50の機器I/F506から送信された、プローブ20の位置を変更するための制御信号がI/F205に受信され、モータ制御部204に渡される。モータ制御部204は、この制御信号に基づき各モータ202X、202Yおよび202Zを駆動させるための各駆動制御信号を生成し、生成した各駆動制御信号を、各駆動回路203X、203Yおよび203Zにそれぞれ供給する。各駆動回路203X、203Yおよび203Zは、それぞれ渡された各駆動制御信号に従い、モータ202X、202Yおよび202Zをそれぞれ駆動する。
【0085】
図13は、第2の実施形態に係る測定装置2aにおける測定処理を示す一例のフローチャートである。なお、被測定物30は、予め、移動装置200aに対する所定の位置に設置されるものとする。また、被測定物30は、初期状態では例えば電源がオフとされ、動作していないものとする。
【0086】
ステップS10で、例えばユーザにより、PC50に対して測定条件が入力され、測定装置2aに対して測定条件が設定される。測定条件は、例えば、送信信号Txの周波数帯域fTx、受信信号Rxの周波数帯域fRx、プローブ20により被測定物30に印加する送信信号Txの信号レベルを含む。測定条件は、さらに、被測定物30における測定範囲を示す座標情報、測定範囲における測定位置を示す情報(測定点数、各測定位置の座標を示す情報など)を含む。設定された測定条件は、例えばRAM502あるいはストレージ503に記憶される。
【0087】
次のステップS11で、初期値による測定を行う。例えば、位置制御部530は、ポジショナー60を制御して、プローブ20の位置を初期位置に移動させる。信号制御部531は、SG10を送信信号Txを出力しないように制御する。測定部532は、プローブ20から受信された信号を取得し、取得した信号を分析して分析結果を保持する。
【0088】
次のステップS12で、例えば被測定物30の電源をオンとし、被測定物30を稼働させる。このステップS12の処理は、例えば、ユーザによる被測定物30の操作により実行される。
【0089】
被測定物30を稼働させると、処理がステップS13に移行される。例えば、ステップS12で被測定物30を稼働させた後、例えばユーザがPC50に対して所定の操作を行うことで、処理がステップS13に移行される。
【0090】
ステップS13で、位置制御部530は、ステップS10で設定された測定条件に従い移動装置200aを制御して、プローブ20を所定の位置に移動させる。次のステップS14で、送受信処理、すなわち、送信信号Txの送信と、被測定物30から放射される信号の受信と、がなされる。
【0091】
より具体的には、信号制御部531は、SG10を制御して送信信号Txを出力させる(ステップS14Tx)。これにより、送信信号TxがPA11、BPF12およびDUP13を介してプローブ20に供給され、送信信号Txが被測定物30に印加される。また、ステップS14Rxで、プローブ20により被測定物30から放射された信号が受信される。このステップS14Rxの処理は、ステップS14Txにより送信信号Txが被測定物30に印加されている間に実行される。
【0092】
次のステップS15で、ステップS14Rxでプローブ20により受信された信号が、DUP13、BEF14およびLNA15を介してSA16に取得される。SA16は、取得した信号に基づき測定結果を生成し、生成した測定結果をPC50に送る。PC50において、測定部532は、SA16から送られた測定結果を取得し、例えばRAM502に記憶する。
【0093】
次のステップS16で、位置制御部530は、ステップS10の測定条件で設定された全ての測定位置での測定が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合(ステップS16、「No」)、処理がステップS13に戻され、次の測定位置での処理が開始される。終了していると判定された場合(ステップS16、「Yes」)、
図13のフローチャートによる一連の処理が終了される。
【0094】
なお、
図13のフローチャートによる一連の処理が終了すると、測定部532は、分析部5322により、ステップS15で取得されRAM502に記憶された測定結果に対して分析を行い、表示情報生成部5323により分析結果に基づき表示情報を生成する。
【0095】
上述したように、第2の実施形態では、ポジショナー60を用いることで、プローブ20を被測定物30上における2次元平面内で移動させ、測定位置を順次変更する動作を自動制御により実行することができる。そのため、被測定物30の表面における変調ノイズの放射量の分布を、容易に把握することが可能となる。
【0096】
(移動装置の他の例)
次に、プローブ20を移動させる移動装置を、
図11に示した移動装置200aとは異なる構成により実現した例について説明する。
図14は、第2の実施形態に適用可能な、他の例による移動装置200bの構成例を概略的に示す側面図である。
図14において、移動装置200bは、台座220の水平面において回転する回転台221と、それぞれ関節部223、225および227により台座の水平面に対して垂直な面内で回転する腕部224、226および228と、を備える。
【0097】
台座220に対して回転台221が設けられ、回転台221に設けられる突起部222に対して関節部223により腕部224の一端が接続される。腕部224の他端は、関節部225により腕部226の一端に接続される。腕部226の他端は、関節部227により腕部228の一端に接続される。腕部228には、プローブ支持部229が設けられ、プローブ支持部229により、腕部228の他端側にプローブ20が取り付けられる。また、回転台221、ならびに、各関節部223、225および227のそれぞれに対して、PC50からの制御信号に応じて駆動制御されるモータが、それぞれ設けられる。
【0098】
このような構成において、回転台221が台座220の水平面に対して、
図14に矢印Aで示されるように回転可能とされる。また、関節部223、225および227それぞれが、
図14に矢印B、CおよびDでそれぞれ示されるように、台座220の水平面に対して垂直な面で回転可能とされる。これにより、プローブ20が、例えば垂直の姿勢を保ったまま、水平に設置された被測定物30上の2次元平面を、所定の範囲内で自在に移動可能となる。
【0099】
(第2の実施形態に係る測定結果の表示例)
次に、第2の実施形態に係る測定結果(分析結果)の表示例について説明する。
図15は、
図13のフローチャートのステップS10で測定条件として設定される測定範囲の例を示す図である。
図15の例では、被測定物30は、スマートフォンであって、
図15における上部に受話部301およびカメラ302などが配され、中央部に画面300が配される。下部の領域303には、送話部や当該スマートフォンに対する主要な操作を行うための操作子などが配される(図示しない)。
図15の例では、測定範囲310は、画面300の全域を含み、且つ、受話部301およびカメラ302の一部と、領域303の一部を含む範囲とされている。
【0100】
図16は、第2の実施形態に係る、測定範囲310における測定位置と、各測定位置における分析結果の例を示す図である。なお、
図16は、各測定位置における分析結果がそれぞれ数値として表示される分析結果画面311の例を示している。
【0101】
図16の例では、測定範囲310が水平方向に5分割、垂直方向に9分割され、45の領域に分割されている。測定位置は、例えば各領域の中央部とすることが考えられる。また、各領域における分析結果の数値は、それぞれ各領域(各測定位置)における信号レベルの平均値であるものとする。
【0102】
各領域の分析結果を、例えば数値に対応して表示を異ならせた画像により表現すると、測定結果をより直感的に把握することが可能となる。
【0103】
図17Aおよび
図17Bは、第2の実施形態に適用可能な、各領域の分析結果を、数値に応じた濃度で表した例を示す図である。
図17Aにおいて、分析結果画面312aは、各領域の境界が表示されると共に、各領域の数値が大きい程、その領域の表示の濃度を高くして表示している。
図17Aの例では、最下段の中央の領域が最も濃度が高く、より数値が大きい、すなわち、変調ノイズの放射量が多いことが分かる。また、最上段の特に中央部の領域は、他の領域に比べて濃度が低く、より数値が小さい。すなわち、変調ノイズの放射量が少ないことが分かる。
【0104】
図17Bは、
図17Aに示した分析結果画面312aに対して、被測定物30の画像320を重畳して表示させた例である。
図17Bにおいて、被測定物30の輪郭が明確に表示されると共に、分析結果画面312aに対して、画面の画像300’と、受話部の画像301’と、カメラの画像302’と、
図15の領域303に対応する領域303’と、が重畳して表示されている。これにより、被測定物30のどの位置で変調ノイズの放射量が多いか、などを直感的に把握することが可能となる。例えば、被測定物30の下端側の中央部に、変調ノイズのノイズ源となる要素が配置されていると推測できる。
【0105】
図18Aおよび
図18Bは、第2の実施形態に適用可能な、各領域の分析結果を、数値に応じた濃度で表した他の例を示す図である。
図18Aに示される分析結果画面312bは、
図17Aの場合と同様に、各領域の数値が大きい程、その領域の表示の濃度を高くして表示している。このとき、分析結果画面312bは、各領域の境界を明示せず、全体としてグラデーション状に分析結果を表示している。測定範囲310に対する分割数が多く、各領域の面積が小さい場合などに各領域の境界を表示すると、画面が煩雑になってしまうおそれがある。
図18Aのように各領域の境界の表示を行わないようにすることで、変調ノイズの放射量の分布の把握をより容易とすることが可能である。
【0106】
図18Bは、
図18Aに示した分析結果画面312bに対して、被測定物30の画像320を重畳して表示させた例である。
図17Bの場合と同様に、分析結果画面312bに対して、画面の画像300’と、受話部の画像301’と、カメラの画像302’と、
図15の領域303に対応する領域303’と、が重畳して表示されている。各領域の境界が表示されないため、変調ノイズの放射量の分布と、被測定物30の各部品と、の関係をより容易に把握することが可能となる。
【0107】
(第2の実施形態の第1の変形例)
次に、第2の実施形態の第1の変形例について説明する。
図19は、第2の実施形態の第1の変形例に係る測定装置の一例の構成を示すブロック図である。
【0108】
図19に示される、第2の実施形態の第1の変形例に係る測定装置2bは、
図4を用いて説明した第1の実施形態の第1の変形例と同様に、プローブ20に送る送信信号Txと、プローブ20により受信されプローブ20から供給される信号とを分離する信号分離子として、
図7のDUP13の代わりに、サーキュレータ40を用いている。その他の構成は、
図7に示した測定装置2aと同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0109】
この
図19の構成においても、上述した
図7の構成と同様に、ポジショナー60を用いてプローブ20を被測定物30上における2次元平面内で移動させ、測定位置を順次変更する動作を自動制御により実行することができる。そのため、被測定物30の表面における変調ノイズの放射量の分布を、容易に把握することが可能となる。
【0110】
(第2の実施形態の第2の変形例)
次に、第2の実施形態の第2の変形例について説明する。
図20は、第2の実施形態の第2の変形例に係る測定装置の一例の構成を示すブロック図である。
【0111】
図20に示される、第2の実施形態の第2の変形例に係る測定装置2cは、
図5を用いて説明した第1の実施形態の第2の変形例と同様に、送信信号Txの被測定物30に対する印加をプローブ20Txを用いて行い、被測定物30から放射される変調ノイズの受信を、プローブ20Txと異なるプローブ20Rxを用いて行う。
【0112】
図20において、ポジショナー61は、2つのプローブ20Txおよび20Rxをそれぞれ個別に移動可能とされている。例えば、
図11の構成では、水平移動部212、212aおよび212bと、垂直移動部213と、を段違いで2組備えることが考えられる。
図14の例では、移動装置200bを単に2台並べて設置することが考えられる。
【0113】
また、
図20の例では、受信用のプローブ20Rxから出力された信号が、BPF17を介してBEF14に供給されている。BPF17は、例えば受信信号Rxの周波数帯域f
Rxの高周波信号を通過させ、それ以外の周波数帯域の高周波信号を高減衰させるBPFが用いられる。
【0114】
第2の実施形態の第2の変形例に係る測定装置2cは、プローブ20Txおよび20Rxそれぞれの位置を自動制御により個別に制御可能である。したがって、プローブ20Txおよび20Rxのそれぞれ被測定物30の互い異なる位置を狙う場合に、より複雑な測定位置の移動を、より容易に実現することが可能である。例えば、プローブ20Txの位置を固定とし、プローブ20Rxを移動させて測定範囲310の各測定位置での測定を行い、プローブ20Rxによる全ての測定位置での測定が終了した後、プローブ20Txの位置を移動させて固定的とし、再びプローブ20Rxを移動させて測定範囲310の各測定位置での測定を行う、といった制御を、より容易に実現することが可能である。これにより、例えばプローブ20Txによる狙い位置と、プローブ20Rxによる狙い位置と、の間における伝搬の特性のより詳細な調査を、容易に実行可能である。
【0115】
このように、個別に移動を制御可能な2つのプローブ20Txおよび20Rxを用いる場合、プローブ20Txおよび20Rxのうち少なくとも一方のみを移動させて測定を行う方法も有効となる。
【0116】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0117】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
被測定物に対して高周波信号による第1の信号を印加する送信部と、
前記被測定物から発生する高周波信号による第2の信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記第2の信号を測定する測定部と、
を備え、
前記受信部は、
前記送信部が前記第1の信号を印加している間に前記第2の信号を受信する
測定装置。
(2)
1つのプローブを共通に用いて、前記送信部による前記第1の信号の印加と、前記受信部による前記第2の信号の受信と、を行う
前記(1)に記載の測定装置。
(3)
前記第1の信号と前記第2の信号とを分離する信号分離部をさらに備え、
前記第1の信号を前記信号分離部を介して前記プローブに供給し、
前記プローブから出力される前記第2の信号を前記信号分離部を介して前記受信部に供給する
前記(2)に記載の測定装置。
(4)
前記信号分離部は、ディプレクサである
前記(3)に記載の測定装置。
(5)
前記信号分離部は、サーキュレータである
前記(3)に記載の測定装置。
(6)
前記送信部による前記第1の信号の印加を行うプローブと、前記受信部による前記第2の信号の受信行うプローブと、が異なる
前記(1)に記載の測定装置。
(7)
前記受信部は、
前記送信部により前記被測定物に印加された前記第1の信号により該被測定物の内部で発生するノイズが変調された変調ノイズを含む前記第2の信号を受信する
前記(1)乃至(6)の何れかに記載の測定装置。
(8)
前記送信部が前記第1の信号を前記被測定物に印加する位置と、前記受信部が前記第2の信号を受信する位置と、のうち少なくとも一方を測定位置に移動させる移動制御部をさらに備え、
前記移動制御部は、
前記測定位置を前記被測定物上の2次元平面で順次変更する
前記(1)乃至(7)の何れかに記載の測定装置。
(9)
前記測定部は、
前記測定位置で測定された前記第2の信号を示す情報を、該測定位置と関連付けて表示部に表示させる
前記(8)に記載の測定装置。
(10)
前記測定部は、
前記測定位置それぞれに関連付けられた前記第2の信号を示す情報それぞれを、前記2次元平面のマップにより、該測定位置それぞれに関連付けて前記表示部に表示させる
前記(9)に記載の測定装置。
(11)
前記測定部は、
前記第2の信号を示す情報のそれぞれを、該第2の信号を示す情報に対応する濃度を表す画像を用いた前記マップにより前記表示部に表示させる
前記(10)に記載の測定装置。
(12)
前記測定部は、
前記測定位置それぞれに対応する前記2次元平面上における境界を示す情報を、前記マップに重畳させて前記表示部に表示させる
前記(10)に記載の測定装置。
(13)
前記測定部は、
前記被測定物の画像を前記マップに重畳させて前記表示部に表示させる
前記(10)に記載の測定装置。
(14)
送信部が被測定物に対して高周波信号による第1の信号を印加している間に、受信部が該被測定物から発生する高周波信号による第2の信号を受信し、受信した前記第2の信号を測定部が測定する
測定方法。
【符号の説明】
【0118】
1a,1b,1c,2a,2b,2c 測定装置
10 SG
11 PA
12,17 BPF
13 DUP
14 BEF
15 LNA
16 SA
20,20Tx,20Rx プローブ
30 被測定物
40 サーキュレータ
50 PC
60,61 ポジショナー
200a,200b 移動装置
310 測定範囲
312a,312b 分析結果画面
530 位置制御部
531 信号制御部
532 測定部
5321 取得部
5322 分析部
5323 表示情報生成部