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  • 特許-データ伝送をするためのシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】データ伝送をするためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20241113BHJP
   G04G 5/00 20130101ALI20241113BHJP
   G08C 15/06 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
A61M16/00 370Z
G04G5/00 F
G08C15/06 H
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019074121
(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公開番号】P2019181202
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-04-05
(31)【優先権主張番号】10 2018 002 997.3
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517191714
【氏名又は名称】レーヴェンシュタイン メディカル テクノロジー エス.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100227329
【弁理士】
【氏名又は名称】延原 愛
(72)【発明者】
【氏名】シュワイボルド,マティアス
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0310669(US,A1)
【文献】特開2008-071157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0000609(US,A1)
【文献】米国特許第05950621(US,A)
【文献】特開2015-192908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
G04G 5/00
G08C 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ(11)と人工呼吸器具(12)の間でデータ伝送をするためのシステム(10)であって、前記人工呼吸器具(12)は、データ(16)を決定するための装置(15)と、呼吸ガスのための発生源(13)と、データ伝送を可能化するための少なくとも1つのインターフェース(14)と、制御ユニット(17)と、記憶装置(18)と、前記人工呼吸器具(12)のシステム時間(20)を規定するための時間ユニット(19)とを有する、システムにおいて、前記人工呼吸器具(12)は、前記データ(16)が決定される時点のシステム時間(20)をタイムスタンプ(21)として前記データ(16)に割り当て、前記記憶装置(18)で保存して後の時点で伝送するようにセットアップされ、
前記システムは、前記インターフェース(14)を介して前記システム時間(20)を前記サーバ(11)に通知し
記サーバ(11)はサーバ時間(22)を提供するためのサーバ時間ユニット(25)と比較装置(26)とを有しており、前記比較装置(26)はサーバ時間(22)をシステム時間(20)と比較して、システム時間(20)とサーバ時間(22)との間で定義された一致があるときにデータ(16)が前記人工呼吸器具(16)から伝送されてサーバ記憶装置に保存され、前記サーバ(11)は、前記システム時間(20)と前記サーバ時間(22)の間の誤差を評価し、相応の評価を前記人工呼吸器具(12)へ伝送するようにセットアップされ、前記人工呼吸器具(12)はシステム時間(20)とサーバ時間(22)との定義された誤差があるときには前記人工呼吸器具(12)からのデータ(16)の伝送をロックし、それはサーバ時間(22)とシステム時間(20)との間で定義された一致が実現されるようにシステム時間(20)が新たに規定されるまでであり、新たに規定されたシステム時間(20)が前記人工呼吸器具(12)の前記記憶装置(18)でタイムスタンプ(21)に適用されて、データ(16)に新たなタイムスタンプ(27)として正しいタイムスタンプが割り当てられ、引き続いてデータ(16)が前記新たなタイムスタンプ(27)とともに前記サーバ(11)へ伝送され、
前記システム時間(20)は利用者によって手動式に新たに規定され、前記サーバは前記システム時間(20)を規定するためのアドバイスを利用者に与えるように前記人工呼吸器具(12)を制御し、それにより前記サーバ時間(22)と前記システム時間との間定義された一致が実現されるようにすることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記人工呼吸器具(12)は、前記サーバ(11)へのログオンを実行するために、前記サーバ(11)による前記システム時間(20)の前記評価を基礎としてシステム時間修正を前記利用者に要請するようにセットアップされることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記システム(10)は、前記人工呼吸器具(12)がいったん成功裏にログオンされているときには、前記利用者によるシステム時間(20)の調整をロックするようにセットアップされることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項4】
前記人工呼吸器具(12)は、データ(16)と前記システム時間(20)を前記インターフェース(14)を介して前記サーバ(11)へ送信するようにセットアップされることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項5】
前記システム時間(20)と前記サーバ時間(22)との間で定義された一致があるとき、前記データ(16)と前記システム時間(20)が前記人工呼吸器具(12)から伝送されて前記サーバ記憶装置に保存されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項6】
前記人工呼吸器具(12)は少なくとも一時的にタイムスタンプ(21)をタイムサーバ(23)から受け取ることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項7】
前記タイムサーバ(23)はインターネットまたは移動無線網またはローカル無線網を通じてタイムスタンプ(21)を提供し、または、PCまたは電波時計または器具であることを特徴とする、請求項6に記載のシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバと人工呼吸器具との間でデータ伝送をするためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では人工呼吸器具を用いた治療が知られており、人工呼吸器具がデータ交換のためのデジタルインターフェースを有することが増えている。その場合、人工呼吸器具は通常、データ伝送を可能化するための少なくとも1つのインターフェースを含んでいる。このときデータ交換のために、人工呼吸器具は、ネットワークとデータ交換をするためのインターフェースをしばしば装備している。従来技術ではこのようなインターフェースはケーブル式に、たとえばRJ45データインターフェースとして施工されるか、またはケーブルレス式に、たとえばWLAN、移動無線、IoT、M2M、もしくはブルートゥース(登録商標)のインターフェースとして施工されていてよい。
【0003】
このようなデータインターフェースを介して、数多くのデータを交換することができる。たとえば特許文献1に記載されているように、遠隔データへのアクセスによるアップデートによって、人工呼吸器具のソフトウェアを更新することができる。 さらに特許文献2に記載されているように、治療的または生理学的なパラメータの設定、測定値などの治療データ、あるいは患者データなども遠隔機器に、たとえばサーバに、保存と第三者にとっての利用可能化のために送信することができる。
【0004】
しかし、従来技術から知られている解決法は、以後の評価のために必要とされるデータが、特に患者データが、システムエラーが起きたときに、たとえば夏時間から冬時間への切換の際に生じる可能性がある時刻の誤った設定が起きたときに、誤って割り当てられてしまうという欠点を有する。たとえば、データが別の日に収集されたものとして表示されることがあり得る。このことは、伝送時にデータを割り当てる際に著しい問題を引き起こす。
特に、収集されたデータがリアルタイムで伝送されるのではなく、後の時点で伝送されるべきである場合、誤った時刻は、伝送されたデータを割当可能ではなく、そのため使い物にならないという帰結につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】ドイツ特許出願公開第102015008946A1号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2392253A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、収集されたデーを正しく保存して割り当てることができることを保証する、データを伝送するためのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明の請求項1に記載されているデータ伝送をするためのシステムによって解決される。
【0008】
本発明の対象物は、サーバと人工呼吸器具の間でデータ伝送をするためのシステムであり、人工呼吸器具は、呼吸ガスのための発生源と、データ伝送を可能化するための少なくとも1つのインターフェースと、データを判定する装置と、制御ユニットと、記憶装置と、システム時間を規定するための時間ユニットとを有する。データ伝送は、たとえば1日の経過後に伝送される一日値や統計値の伝送であり得る。伝送に障害が起こると一日値・統計値が保存されて、別の日に続けて伝送される。別案として、データ伝送をアプリケーションで実行することができる。さらに別の代替案は診断器具とのデータ交換である。
本発明によると人工呼吸器具は、データにタイムスタンプを付与して保存して後の時点で伝送するようにセットアップされ、タイムスタンプは調整可能ではないか、または許容差範囲に限定して調整可能であるようにセットアップされる。このことは、どの日付と時点でデータが記録されたのか、ないしは治療が実行されたのかを確認可能であるという利点を提供する。さらに、人工呼吸器具の日付と時刻が、手動式に調整可能であることなしに、十分に正しいことを保証することが可能である。後の時点とは、人工呼吸器具がデータをリアルタイムで伝送するのではなく、記憶装置に中間保存して、その後の時点で伝送するようにセットアップされることを意味する。通常、タイムスタンプは外部の時間提供サービスによって、たとえばタイムサーバによって設定される。典型的には人工呼吸器具は、時間提供サービスと少なくとも1回通信をするようにセットアップされる。生成されたタイムスタンプが人工呼吸器具のそれぞれのデータについて記憶されて、伝送時にデータとともに伝送される。
【0009】
本発明の発展例では、システムは、データ伝送が開始されるときに、タイムスタンプを基礎としてサーバのサーバ時間と人工呼吸器具のシステム時間との照合を実行するようにセットアップされる。データ伝送は遠隔モニタリングと呼ぶこともできる。システム時間はタイムスタンプによって定義される。サーバ時間はサーバによって定義される。データ伝送が開始されるとき/遠隔モニタリングが始まるとき、システムは、人工呼吸器具のタイムスタンプないしシステム時間をサーバに通知するようにセットアップされる。
別の発展例では人工呼吸器具は、システム時間をサーバから受信してシステム時間を自動的に調整するようにセットアップされる。このことは、正確な時間が自動的に調整されるという利点を提供する。
【0010】
1つの実施形態では、サーバは、システム時間とサーバ時間の間の誤差を評価し、相応の評価を人工呼吸器具へ伝送するようにセットアップされる。サーバは、人工呼吸器具から送られるデータを、特にタイムスタンプないしシステム時間を、受信するようにセットアップされる。サーバは、システム時間をサーバ時間と比較して、誤差を確認するようにセットアップされる。任意選択としてサーバは、誤差のある時間(サーバ時間に対するシステム時間)が許容され、サーバによって正しいとみなされる許容差範囲を留保するようにセットアップされていてよい。たとえば、このような許容差範囲は0.1秒から1分の間であり得る。
【0011】
本発明の1つの発展例では、人工呼吸器具は、サーバへの人工呼吸器具のログオンを、サーバによるシステム時間の評価を基礎として実行するようにセットアップされる。このとき人工呼吸器具は、システム時間の評価に依存してログオンを拒絶され得る。サーバは、この評価を人工呼吸器具へ送信するようにセットアップされる。人工呼吸器具は、送信されたサーバの評価を基礎として、データ伝送のためにサーバへの人工呼吸器具のログオンを実行するようにセットアップされる。システム時間が相違しており、または許容差範囲の外にあることをサーバの評価が明らかにしたとき、人工呼吸器具は、データ伝送のためにサーバへのログオンを拒絶するようにセットアップされる。人工呼吸器具のシステム時間が許容差範囲内にあるとき、ないしはこれがサーバ時間と相違していないとき、人工呼吸器具は、データ伝送のためにサーバへのログオンを許可するようにセットアップされる。
【0012】
本発明の1つの発展例では、システム時間は利用者によって手動式に新たに規定され、サーバは、システム時間を規定するためのアドバイスを利用者に与えるように人工呼吸器具を制御し、それにより、サーバ時間との定義された一致が実現されるようにする。たとえばシステム時間を規定するための利用者へのアドバイスは、システム時間が許容差範囲の外にあるとき、またはサーバ時間と相違しているときに行われる。
【0013】
本発明の別の発展例では、人工呼吸器具は、サーバへのログオンを実行するために、サーバによるシステム時間の評価を基礎としてシステム時間修正を利用者に要請するようにセットアップされる。利用者によって新たなシステム時間が手動式に規定され、サーバによってシステム時間があらためて評価されて、サーバ時間とシステム時間が一致した後で初めて、サーバへの人工呼吸器具のログオンを行うことができる。
【0014】
1つの実施形態では、システムは、人工呼吸器具がいったん成功裏にログオンされているときには、利用者によるシステム時間の調整をロックするようにセットアップされる。このことは、システム時間が利用者によって意図せず/意図的に調節可能でないという利点を提供する。しかし通常は、システム時間をテストベンチで、またはサーバアクセスを通じて器具で調整可能である。通常、保存されている直近の治療終了よりも前にシステム時間を戻すことはできない。
【0015】
別の実施形態では、人工呼吸器具は、データとシステム時間をインターフェースを介してサーバへ送信するようにセットアップされる。人工呼吸器具は、通常、データ伝送のために適したインターフェースを含むようにセットアップされる。
【0016】
本発明の別の実施形態では、システム時間とサーバ時間との定義された一致があるとき、データとシステム時間が人工呼吸器具から伝送されてサーバ記憶装置に保存される。人工呼吸器具からデータとシステム時間が伝送されることで、これらのデータが人工呼吸器具で占めるメモリ容量を再び空けることができる。
【0017】
本発明の1つの発展例では、人工呼吸器具は少なくとも一時的にタイムスタンプをタイムサーバから受け取る。通常、人工呼吸器具は1日に少なくとも1回、タイムサーバのサーバ時間とのシステム時間の時間照合を実行するようにセットアップされる。別案として、これ以外の照合インターバルを調整可能であってよい。たとえば照合を毎週行うことができる。
【0018】
別の発展例では、タイムサーバはインターネットまたは移動無線網またはローカル無線網(WIFI、ブルートゥース)を通じてタイムスタンプを提供し、または、PCまたは電波時計または器具である。このことは、地域ごとの所与の条件に応じて、サーバへの人工呼吸器具の最善のアクセスが可能になるという利点を提供する。
【0019】
本発明の1つの発展例では、人工呼吸器具は時間ユニットの代替または追加として、データとともに保存される新たなカウンタ水準を継続して生起する内部のカウンタを有しており、サーバへのデータ伝送のたびに最新のカウンタ水準が伝送される。それにより、データ伝送のたびに最新のカウンタ水準が伝送されることで、最新のサーバ時間を知っているサーバは、カウンタ水準と日付との間の割当を判断することができる。
【0020】
1つの発展例では、サーバは最新のカウンタ水準をサーバ時間と照合し、サーバ時間へのカウンタ水準の割当を行い、データおよび当該データに割り当てられた古いカウンタ水準を同じくサーバ時間に準じて年代順に割り当てる。それにより、内部のカウンタ水準をサーバ時間と照合することが可能である。
【0021】
さらに本発明の対象物は、サーバと人工呼吸器具の間でデータ伝送をするためのシステムであり、人工呼吸器具は、呼吸ガスのための発生源と、データ伝送を可能化するための少なくとも1つのインターフェースと、データを判定する装置と、制御ユニットと、記憶装置と、システム時間を規定するための時間ユニットとを有している。
【0022】
本発明によると、人工呼吸器具はデータを少なくとも一時的に記憶装置に保存し、データにシステム時間をタイムスタンプとして割り当て、システム時間がインターフェースを介してサーバに送信され、サーバはサーバ時間を提供するためのサーバ時間ユニットと比較装置とを有しており、比較装置はサーバ時間をシステム時間と比較して、システム時間とサーバ時間との定義された一致があるときにデータが人工呼吸器具から伝送されてサーバ記憶装置に保存され、人工呼吸器具はシステム時間とサーバ時間との定義された誤差があるときには人工呼吸器具からのデータの伝送をロックし、それはサーバ時間との定義された一致が実現されるようにシステム時間が新たに規定されるまでであり、新たに規定されたシステム時間が人工呼吸器具の記憶装置でタイムスタンプに適用されて、データに新たなタイムスタンプが割り当てられ、引き続いてデータが新たなタイムスタンプとともにサーバへ伝送される。このことは、たとえば患者データなどのデータが遠隔モニタリング/データ伝送の際に正しいタイムスタンプを付与され、それによって以後の処理で正しく割り当てることができるという利点を提供する。通常、すでに記憶されているデータがタイムスタンプを受け取り、今後生成されるデータは新たな日付に準じて新たなタイムスタンプを付与される。任意選択としてこのシステムは、相違するシステム時間が正しいとして判断される許容差範囲を設定することができる。許容差範囲はたとえば0.1秒から1分の間であり得る。誤差が存在している場合、典型的には、データの伝送を開始できるようになる前に、システム時間を調整するようにアドバイスが利用者に表示される。
【0023】
さらに本発明の対象物は、サーバと人工呼吸器具の間でデータ伝送をするためのシステムであり、人工呼吸器具は、呼吸ガスのための発生源と、データ伝送を可能化するための少なくとも1つのインターフェースと、データを判定する装置と、制御ユニットと、記憶装置と、システム時間を規定するための時間ユニットとを有する。
【0024】
本発明によると人工呼吸器具は、データをタイムスタンプを付与して保存して後の時点で伝送するようにセットアップされ、タイムスタンプは調整可能でないか、または許容差範囲に限定して調整可能であるようにセットアップされ、システムは、データ伝送が開始されるときに、タイムスタンプを基礎としてサーバのサーバ時間と人工呼吸器具のシステム時間との照合を実行するようにセットアップされ、人工呼吸器具がサーバにログオンされる前にシステム時間を手動式に調整可能であり、サーバは、手動式に調整されたシステム時間をサーバへのログオンの前に評価してサーバ時間と比較するようにセットアップされる。サーバは、最初のログオンのときにシステム時間をサーバ時間との比較によって管理するようにセットアップされる。システム時間が許容差範囲から逸脱しているとき、利用者は、サーバへのログオンの前に時間を修正するよう強制される。
【0025】
さらに本発明は、サーバと人工呼吸器具の間でデータ伝送をするためのシステムに関し、人工呼吸器具は、呼吸ガスのための発生源と、データ伝送を可能化するための少なくとも1つのインターフェースと、データを判定する装置と、制御ユニットと、記憶装置と、システム時間を規定するための時間ユニットとを有する。
【0026】
本発明によると人工呼吸器具は、データにタイムスタンプを付与して保存して後の時点で伝送するようにセットアップされ、タイムスタンプは調整可能でないか、または許容差範囲に限定して調整可能であるようにセットアップされ、システムは、データ伝送が開始されるときに、タイムスタンプを基礎としてサーバのサーバ時間と人工呼吸器具のシステム時間との照合を実行するようにセットアップされ、人工呼吸器具は、システム時間と最大で24時間相違するようにセットアップされた表示時間を含む。それに伴い、人工呼吸器具のディスプレイに正しい現地時刻(時間帯)を表示させ、冬時間と夏時間を切り換えることが利用者に可能となる。通常、システム時間は保存されているデータに対してタイムスタンプとして保存される。任意選択として、表示時間(または表示時間とシステム時間の間のデルタ)を保存可能であり、それにより、データの閲覧や評価のときに、利用者/患者の現地時刻に関する情報を追加的に視認可能である。
【0027】
次に、大幅に簡略化された模式的な図面を参照しながら、本発明の好ましい実施例について詳しく説明する。図面は次のものを示す:
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】人工呼吸器具の基本的な構造である。
図2】データ伝送をするための本発明によるシステムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
各図面では、同一の設計要素はそれぞれ同一の符号を有している。
図1は、人工呼吸器具12の基本的な構造を示している。操作パネル28ならびに表示器29を有する器具ハウジングの領域に、呼吸ガスポンプが器具内部空間に配置されている。結合部31を介して接続ホース32が接続される。接続ホース32に沿って、圧力入力管34を介して器具ハウジングと結合可能である追加の圧力測定ホース33が延びている。データ伝送を可能化するために、器具ハウジング12は少なくとも1つのインターフェース30,14を有している。加湿器をアダプタ接合することができる。
【0030】
器具ハウジング12と反対を向くほうの接続ホース32の延伸部の領域に、吐出し部材が配置されている。同じく吐出し弁を利用することができる。
これに加えて図1は、ここでは一例として鼻マスクとして具体化されている、人工呼吸マスク10として構成された患者インターフェース35を示している。患者の頭部の領域での固定はヘッドフード36を通じて行うことができる。接続ホース32のほうを向く延伸部の領域に、患者インターフェース35は連結部材37を有している。
【0031】
インターフェース30,14を介して、たとえばでデッドスペース容積などのデータの入力および/または出力を行うことができる。インターフェース14,30はケーブル式に、赤外線インターフェース、ブルートゥース・インターフェース、移動無線インターフェース、IoTないしM2Mインターフェース、またはUSBとして具体化されていてよい。
【0032】
本発明による人工呼吸器具12は、人工呼吸を提供するために、ホースと患者インターフェース10とを介して患者と接続することができるように設計されている。この人工呼吸器具は、たとえばファンホイールを有する電気モータとして構成される呼吸ガスの発生源と、呼吸ガスの圧力および/または流動および/または容積を判定する装置と、患者について事前設定された値を基礎として、および/または圧力および/または流動および/または容積の各パラメータについての測定信号を基礎として、各々の呼吸サイクルについて呼吸ガス圧を決定して、この呼吸ガス圧が生成されるように呼吸ガスのための発生源を制御するように設計された制御ユニットとを含んでいる。
【0033】
人工呼吸器具10は、利用期間と治療品質および補足的に器具の機能/保守を表すデータを保存するための記憶装置を有している。
さらに制御ユニットは、呼吸ガスの最新の圧力および/または流動および/または容積を決定し、制御ユニットと接続された表示器を通じて最新の値を表示するように設計されている。さらに制御ユニットは、1つまたは複数のパラメータに関して、時間を通してのその計算の傾向変化を決定するように設計されており、この傾向変化を表示器に表示することができる。
【0034】
モデムまたはその他のインターフェース30,14を介して、同じく、記録されたデータを伝送することができる。
【0035】
図1に示す人工呼吸器具12は、データ伝送をするための本発明のシステム10で使用するのに適している。
【0036】
図2は、データ伝送をするための本発明のシステム10の模式図を示す。本発明によるシステムはサーバ11と人工呼吸器具12とを含んでいる。人工呼吸器具12は、呼吸ガスのための少なくとも1つの発生源13と、データ伝送を可能化するための少なくとも1つのインターフェース14,30と、データ16を判定する装置15と、制御ユニット17と、記憶装置18と、システム時間20を規定するための時間ユニット19とを含んでいる。人工呼吸器具12はデータ16にシステム時間20をタイムスタンプとして割り当て、検出されたデータを記憶装置18に保存する。システム時間20またはタイムスタンプ21を有するデータ16は、通常、インターフェース20を介してサーバ11に伝送される。
【0037】
サーバ11は、サーバ時間22を提供するためのサーバ時間ユニット25と、比較装置26とを含んでいる。比較装置26はサーバ時間22をシステム時間20と比較し、システム時間20とサーバ時間22との定義された一致があるときに、データ16を人工呼吸器具12から移転して、これをサーバ記憶装置に保存する。
【0038】
システム時間20とサーバ時間22とに誤差が発生すると、人工呼吸器具10は、サーバ時間22との定義された一致を実現するシステム時間20が新たに規定されるまで、人工呼吸器具10からのデータ16の伝送をロックする。人工呼吸器具10は許容差範囲をセットアップすることができ、その範囲内では、サーバ時間22に対するシステム時間20の誤差が人工呼吸器具10によって許容される。サーバ時間22に対するシステム時間20の誤差が存在するとき、人工呼吸器具10により、システム時間20を調整するようにアドバイスが人工呼吸器具10の利用者に出力される。
【0039】
新たに規定されたシステム時間20が、人工呼吸器具10の記憶装置18でタイムスタンプ21に適用される。このときデータ16には、それぞれ新しいタイムスタンプ21が割り当てられる。新たに割り当てられたタイムスタンプ21を有するデータ16がサーバ21へ伝送され、あらためて評価される。サーバ時間22と新たなシステム時間20とが一致していれば、サーバ11への人工呼吸器具10のログオンならびにサーバ11へのデータ16の伝送が行われる。
【符号の説明】
【0040】
10 システム
11 サーバ
12 人工呼吸器具
13 発生源
14 インターフェース
15 装置
16 データ
17 制御ユニット
18 記憶装置
19 時間ユニット
20 システム時間
21 タイムスタンプ
22 サーバ時間
23 タイムサーバ
24 カウンタ
25 サーバ時間ユニット
26 比較装置
27 新たなタイムスタンプ
28 操作装置
29 表示器
30,14 インターフェース
31 結合部
32 接続ホース
33 圧力測定ホース
34 圧力入力管
35 患者インターフェース
36 ヘッドフード
37 連結部材
38 利用者
図1
図2