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特許7587362キャリアアグリゲーション機能を使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】キャリアアグリゲーション機能を使用する方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/24 20090101AFI20241113BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20241113BHJP
【FI】
H04W8/24
H04W72/0457 110
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020119900
(22)【出願日】2020-07-13
(65)【公開番号】P2021019352
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】62/875,750
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/970,636
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/905,673
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セイバー, ハミド
(72)【発明者】
【氏名】ベ 正 鉉
(72)【発明者】
【氏名】宋 基 逢
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】Qualcomm Incorporated,Enhancements to Scheduling and HARQ for eURLLC,3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1907284,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1907284.zip>,2019年05月13日,第3節
【文献】Qualcomm Incorporated,sTTI Configuration,3GPP TSG RAN WG1 #90 R1-1712775,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90/Docs/R1-1712775.zip>,2017年08月21日,第3節
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークによって、ユーザー装置(UE)から、機能の宣言を受信する段階と、
前記ネットワークによって、第1のコンポーネントキャリア(CC)を含み第2のCCを含まない1つ以上のCCで、前記UEを構成する段階と、を有し、
前記機能の宣言は、前記第1のCCに対する第1の機能の宣言、及び前記第2のCCに対する第2の機能の宣言を含み、
前記UEを構成する段階は、前記第1の機能に加えて他の機能を更に含む構成で前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の機能は、処理速度を指す機能1であり、
前記第2の機能は、低遅延を指す機能2であり、
前記UEを構成する段階は、前記機能1及び前記機能2の両方をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記UEを構成する段階は物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の重複する機能、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)の重複する機能、PDSCHの順不同の機能、PUSCHの順不同の機能、及びハイブリッド自動再送要求(HARQ)の順不同の機能からなるグループから選択される機能をサポートする第1のCCを構成する段階を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の機能は、低遅延を指す機能2であり、
前記第2の機能は、低遅延を指す機能2であり、
前記UEを構成する段階は、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の重複する機能2ハイブリッド自動再送要求(HARQ)の順不同の機能をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の機能は、単一の送受信ポイント(TRP)動作であり、
前記第2の機能は、単一の送受信ポイント(TRP)動作であり、
前記UEを構成する段階は、複数の送受信ポイント(M-TRP)動作をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の機能は、スロットベースの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)モニタリングであり、
前記第2の機能は、スパンベースのPDCCHモニタリングであり、
前記UEを構成する段階は、前記スロットベースのPDCCHモニタリング及び前記スパンベースのPDCCHモニタリングの両方でPDCCH候補をモニタリングするように前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の機能は、第1のランク及び第1の変調次数を含み、
前記第2の機能は、第2のランク及び第2の変調次数を含み、
前記UEを構成する段階は、前記第1のランク及び前記第2のランクの低い方と、前記変調次数及び前記変調次数の低い方とで、前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の機能は、第1のランク及び第1の変調次数を含み、
前記第2の機能は、第2のランク及び第2の変調次数を含み、
前記UEを構成する段階は、前記第1の機能を使用する第1の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)と、前記第2の機能を使用する第2の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)とを受信してハイブリッド自動再送要求(HARQ)の順不同の機能をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記機能の宣言は、前記第1のCC及び前記第2のCCを含むN(Nは2よりも大きい整数)個のCCの各々に対して2つの機能の中の1つを宣言する段階を含み、
前記N個のCCに対する機能の宣言は、前記N個のCCの第1のサブセットの第1の機能の宣言と、前記N個のCCの第2のサブセットの第2の機能の宣言とを含み、
前記UEを構成する段階は、
前記ネットワークによって、前記N個のCCの中からk(kは正の整数)個のCCで前記UEを構成する段階と、
前記ネットワークによって、前記第1及び第2の機能の両方を超える構成で、前記k個のCCの中からp(pはk及びN-kの小さい方に等しい)個のCCを構成する段階と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ユーザー装置(UE)によって、ネットワークに、機能の宣言を送信する段階と、
前記UEによって、前記ネットワークから受信した構成コマンドに応答して、第1のコンポーネントキャリア(CC)を含み第2のCCを含まない1つ以上のCCを構成する段階と、を有し、
前記機能の宣言は、前記第1のCCに対する第1の機能の宣言、及び前記第2のCCに対する第2の機能の宣言を含み、
前記CCを構成する段階は、前記第1の機能に加えて他の機能を更に含む構成で前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記第1の機能は、処理速度を指す機能1であり、
前記第2の機能は、低遅延を指す機能2であり、
前記CCを構成する段階は、前記機能1及び前記機能2の両方をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記CCを構成する段階は物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の重複する機能、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)の重複する機能、PDSCHの順不同の機能、PUSCHの順不同の機能、及びハイブリッド自動再送要求(HARQ)の順不同の機能からなるグループから選択される機能をサポートする第1のCCを構成する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の機能は、低遅延を指す機能2であり、
前記第2の機能は、低遅延を指す機能2であり、
前記CCを構成する段階は物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の重複する機能2ハイブリッド自動再送要求(HARQ)の順不同の機能をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の機能は、単一の送受信ポイント(TRP)動作であり、
前記第2の機能は、単一の送受信ポイント(TRP)動作であり、
前記CCを構成する段階は、複数の送受信ポイント(M-TRP)動作をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の機能は、スロットベースの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)モニタリングであり、
前記第2の機能は、スパンベースのPDCCHモニタリングであり、
前記CCを構成する段階は、前記スロットベースのPDCCHモニタリング及び前記スパンベースのPDCCHモニタリングの両方でPDCCH候補をモニタリングするように前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の機能は、第1のランク及び第1の変調次数を含み、
前記第2の機能は、第2のランク及び第2の変調次数を含み、
前記CCを構成する段階は、前記第1ランク及び前記第2のランクの低い方と、前記変調次数及び前記変調次数の低い方とで、前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の機能は、第1のランク及び第1の変調次数を含み、
前記第2の機能は、第2のランク及び第2の変調次数を含み、
前記CCを構成する段階は、前記第1の機能を使用する第1の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)と、前記第2の機能を使用する第2の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)とを受信してハイブリッド自動再送要求(HARQ)の順不同の機能をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記機能の宣言は、前記第1のCC及び前記第2のCCを含むN(Nは2よりも大きい整数)個のCCの各々に対して2つの機能の中の1つを宣言する段階を含み、
前記N個のCCに対する機能の宣言は、前記N個のCCの第1のサブセットの第1の機能の宣言と、前記N個のCCの第2のサブセットの第2の機能の宣言とを含み、
前記CCを構成する段階は、
前記UEによって、前記N個のCCの中からk(kは正の整数)個のCCを構成する段階と、
前記UEによって、前記第1及び第2の機能の両方を超える構成で、前記k個のCCの中からp(pはk及びN-kの小さい方に等しい)個のCCを構成する段階と、を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記kは、Nの半分未満であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関し、より詳細には、コンポーネントキャリアがユーザー装置(UE)で処理することができるよりも少なく構成されている場合に、UEで利用可能な余剰能力を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
5G(第5世代)ネットワークにおいて、ユーザ装置(UE:User Equipment)は、例えば2つ以上のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)でキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)をサポートする機能、及び各コンポーネントキャリアに対して、CCで様々な特徴(例えば、機能1又は機能2)をサポートする機能を含む様々な機能をネットワークに宣言することができる。一部の状況で、ネットワークは、サポートする能力を宣言したUEよりも少ないCCでUEを構成する場合があり、そのような状況では、ネットワーク及びUEに対して、結果として生じるUEの余剰能力を利用することが利点となる。
【0003】
従って、UEで利用可能な余剰機能を使用するためのシステム及び方法が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2016-503271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、コンポーネントキャリアがユーザー装置(UE)で処理することができるよりも少なく構成されている場合に、UEで利用可能な余剰能力を使用する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による方法は、ネットワークによって、ユーザー装置(UE)から、機能の宣言(declaration of capabilities)を受信する段階と、前記ネットワークによって、第1のコンポーネントキャリア(CC)を含み第2のCCを含まない1つ以上のCCで、前記UEを構成する段階と、を有し、前記機能の宣言は、前記第1のCCに対する第1の機能の宣言、及び前記第2のCCに対する第2の機能の宣言を含み、前記UEを構成する段階は、前記第1の機能を超える(exceed)構成で前記第1のCCを構成する段階を含む。
【0007】
前記第1の機能は、機能1(Capability1)であり、前記第2の機能は、機能2(Capability2)であり、前記UEを構成する段階は、前記機能1及び前記機能2の両方をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記UEを構成する段階は、重複する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、重複する物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、順不同(out of order)のPDSCH、順不同のPUSCH、及び順不同のハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest)からなるグループから選択される機能をサポートする第1のCCを構成する段階を更に含み得る。
前記第1の機能は、機能2であり、前記第2の機能は、機能2であり、前記UEを構成する段階は、重複する機能2の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)間の順不同のハイブリッド自動再送要求(HARQ)をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記第1の機能は、単一の送受信ポイント(TRP:Transmission and Reception Point)動作であり、前記第2の機能は、単一の送受信ポイント(TRP)動作であり、前記UEを構成する段階は、複数の送受信ポイント(M-TRP:Multiple-TRP)動作をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記第1の機能は、スロットベースの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)モニタリングであり、前記第2の機能は、スパンベースのPDCCHモニタリングであり、前記UEを構成する段階は、前記スロットベースのPDCCHモニタリング及び前記スパンベースのPDCCHモニタリングの両方でPDCCH候補をモニタリングするように前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記第1の機能は、第1のランク及び第1の変調次数を含み、前記第2の機能は、第2のランク及び第2の変調次数を含み、前記UEを構成する段階は、前記第1のランク及び前記第2のランクの低い方と、前記1次変調次数及び前記2次変調次数の低い方とで、前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記第1の機能は、第1のランク及び第1の変調次数を含み、前記第2の機能は、第2のランク及び第2の変調次数を含み、前記UEを構成する段階は、前記第1の機能を使用する第1の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)と、前記第2の機能を使用する第2の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)とを受信するように前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記機能の宣言は、前記第1のCC及び前記第2のCCを含むN(Nは2よりも大きい整数)個のCCの各々に対して2つの機能の中の1つを宣言する段階を含み、前記N個のCCに対する機能の宣言は、前記N個のCCの第1のサブセットの第1の機能の宣言と、前記N個のCCの第2のサブセットの第2の機能の宣言とを含み、前記UEを構成する段階は、前記ネットワークによって、前記N個のCCの中からk(kは正の整数)個のCCで前記UEを構成する段階と、前記ネットワークによって、前記第1及び第2の機能の両方を超える構成で、前記k個のCCの中からp(pはk及びN-kの小さい方に等しい)個のCCを構成する段階と、を含み得る。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による方法は、ユーザー装置(UE)によって、ネットワークに、機能の宣言を送信する段階と、前記UEによって、前記ネットワークから受信した構成コマンドに応答して、第1のコンポーネントキャリア(CC)を含み第2のCCを含まない1つ以上のCCを構成する段階と、を有し、前記機能の宣言は、前記第1のCCに対する第1の機能の宣言、及び前記第2のCCに対する第2の機能の宣言を含み、前記CCを構成する段階は、前記第1の機能を超える構成で前記第1のCCを構成する段階を含む。
【0009】
前記第1の機能は、機能1であり、前記第2の機能は、機能2であり、前記CCを構成する段階は、前記機能1及び前記機能2の両方をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記CCを構成する段階は、重複する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、重複する物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)、順不同のPDSCH、順不同のPUSCH、及び順不同のハイブリッド自動再送要求(HARQ)からなるグループから選択される機能をサポートする第1のCCを構成する段階を更に含み得る。
前記第1の機能は、機能2であり、前記第2の機能は、機能2であり、前記CCを構成する段階は、重複する機能2の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)間の順不同のハイブリッド自動再送要求(HARQ)をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記第1の機能は、単一の送受信ポイント(TRP)動作であり、前記第2の機能は、単一の送受信ポイント(TRP)動作であり、前記CCを構成する段階は、複数の送受信ポイント(M-TRP)動作をサポートするように前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記第1の機能は、スロットベースの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)モニタリングであり、前記第2の機能は、スパンベースのPDCCHモニタリングであり、前記CCを構成する段階は、前記スロットベースのPDCCHモニタリング及び前記スパンベースのPDCCHモニタリングの両方でPDCCH候補をモニタリングするように前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記第1の機能は、第1のランク及び第1の変調次数を含み、前記第2の機能は、第2のランク及び第2の変調次数を含み、前記CCを構成する段階は、前記第1ランク及び前記第2ランクの低い方と、前記1次変調次数及び前記2次変調次数の低い方とで、前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記第1の機能は、第1のランク及び第1の変調次数を含み、前記第2の機能は、第2のランク及び第2の変調次数を含み、前記CCを構成する段階は、前記第1の機能を使用する第1の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)と、前記第2の機能を使用する第2の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)とを受信するように前記第1のCCを構成する段階を含み得る。
前記機能の宣言は、前記第1のCC及び前記第2のCCを含むN(Nは2よりも大きい整数)個のCCの各々に対して2つの機能の中の1つを宣言する段階を含み、前記N個のCCに対する機能の宣言は、前記N個のCCの第1のサブセットの第1の機能の宣言と、前記N個のCCの第2のサブセットの第2の機能の宣言とを含み、前記CCを構成する段階は、前記UEによって、前記N個のCCの中からk(kは正の整数)個のCCを構成する段階と、前記UEによって、前記第1及び第2の機能の両方を超える構成で、前記k個のCCの中からp(pはk及びN-kの小さい方に等しい)個のCCを構成する段階と、を含み得る。
前記kは、Nの半分未満であり得る。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の更に他の態様による方法は、第1の時点で、ネットワークによって、ユーザー装置(UE)に、能力1(Capacity1)である第1の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を送信する段階と、前記ネットワークによって、前記UEに、能力2(Capacity2)である第2の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を送信する段階と、第2の時点で、前記ネットワークによって、前記UEから、前記第1のPDSCHに対応する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を受信する段階と、を有し、前記第2の時点は、前記第1の時点よりも、前記能力1であるPDSCHに対して標準で義務付けられている(standard-mandated)通常の最大応答遅延を超える量だけ遅れる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コンポーネントキャリアがユーザー装置(UE)で処理することのできる数よりも少なく構成されている場合に、UEで利用可能な余剰能力を使用することができる。
【0012】
本発明の更なる特徴及び利点は、明細書、特許請求の範囲、図面を参照することで、理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による5G通信システムの2つの構成要素の概略ブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による2つのCCを含む場合の処理のフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態による制限された処理能力にUEを対応させる方法を説明するための概略的なタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図面に関連して、以下で説明する詳細な説明は、コンポーネントキャリアがユーザー装置(UE)で処理することができるよりも少なく構成されている場合に、UEで利用可能な余剰能力を使用するシステム及び方法の例示的な実施形態の本発明によって提供される構成の説明として意図するものであり、本発明が構築又は利用され得る唯一の形態を表すことを意図するものではない。本明細書は例示した実施形態に関連して本発明の特徴を記述する。しかし、同一又は同等の機能及び構造が本発明の範囲内に含まれることを意図する異なる実施形態によって達成され得ることを理解すべきである。本明細書の他の箇所で示すように、類似の要素符号は類似の要素又は特徴を示すことを意図する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による5G通信システムの2つの構成要素の概略ブロック図である。
【0017】
ユーザー装置(UE)105は、ネットワーク110(例えば、ネットワーク110の基地局)との接続(例えば、無線接続)を形成する。5G通信システムにおいて、ユーザー装置(UE)105は、キャリアアグリゲーション(CA)が採用された時に、ネットワーク110に対して、いくつのコンポーネントキャリア(CC)をサポートすることができるかを宣言し、そしてUEは、ネットワーク110に対して、CCの各々について、何の機能を有しているかを更に宣言する。一部の実施形態で、次に、ネットワーク110がUEによって宣言された数よりも少ないコンポーネントキャリアでUE105を構成した場合、UEは、UEが構成されたCCに追加機能を提供する。本明細書で使用される「ユーザー装置」、「ダウンリンク制御情報」(以下でより詳細に説明する)などの語句は、それらに含まれる名詞(例えば、「装置」や「情報」)が通常の英語では不可算名詞であっても、可算名詞として使用される。
【0018】
上述したように、UEによってネットワークにシグナリングする機能の一側面において、UEは、N個のCC又は「セル」をサポートすることことができることを示すCA機能を宣言する。しかし、いくつかの状況で、次に、ネットワークは、UEによって宣言されたNの値よりも少ない数のCCでUEを構成することができる。「使われなかったCA機能」の場合と称されるこのような状況で、ネットワークは、構成されたセルのいくつかが暗黙の指示を介して追加機能(即ち、UEが機能を宣言した特徴に加えた特徴)をサポートするように構成されるものと想定する。追加の特徴をサポートする能力の理由は、次に、UEが、構成されているCCの一部又は全てに追加の特徴を提供するために、代わりに採用されるUE内のリソース(例えば、処理、メモリー、又はパワーリソース)を解放する機能を宣言したCCの一部を処理する必要がなくなるためである。
【0019】
一部の実施形態で、このことは、未使用のCA(キャリアアグリゲーション)機能を利用することによって、UEが並行(又は追加)処理を行う能力を有することを意味する。このような状況では、例えば、UEが機能のセットを宣言する(即ち、UEがネットワークに機能の宣言を送信し、ネットワークがUEから機能の宣言を受信する)。機能の宣言は、第1のコンポーネントキャリア(CC)に対する第1の機能(例えば、本明細書で「特徴1(feature1)」と称される機能)の宣言を含み、第2のCCに対する第2の機能(例えば、本明細書で「特徴2(feature2)」と称される機能)の宣言を含む。また、UEに1つのCCのみが構成されている場合、UEは、1つのCCで両方の特徴、即ち特徴1及び特徴2を組み合わせてサポートすることもできる。より一般的には、ネットワークが第1のCCを含み第2のCCを含まない1つ以上のCCでUEを構成する場合、(即ち、ネットワークが、UEが処理することができると宣言したUEよりも少ない数のCCでUEを構成する場合)、次に、ネットワークは、第1の機能を超える構成で第1のCCを構成する(例えば、特徴1及び特徴2の両方をサポートするように第1のCCを構成する)。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態による2つのCCを含む場合の処理のフローチャートである。
【0021】
所定の帯域の組合せ(BoBC:Band of Band Combination)において、段階205で、UEは、(i)低優先度のチャネル又は動作のみ(例えば、機能1チャネル)、例えば2つのCCに対してサポートするCCの数、(ii)低優先度及び高優先度の両方のチャネル又は動作(例えば、低優先度の1つのCC、高優先度の1つのCC)で構成される場合にサポートするCCの数を宣言する。次に、段階210で、ネットワークは、3つの可能な構成のいずれかでUEを構成する。ネットワークは、(i)低優先度動作のための2つのCCの第1のCC(例えば、CC0)及び低優先度動作のための2つのCCの第2のCC(例えば、CC1)を構成するか、(ii)低優先度動作のための第1のCC(CC0)及び高優先度動作のための第2のCC(CC1)を構成するか、又は(iii)低優先度動作のための第1のCC(CC0)及び高優先度動作のための第1のCC(CC0)を構成する(即ち、(iii)の選択肢で、ネットワークは、第1の機能を超える構成で、第1のCCのみを構成する)。
【0022】
特徴1及び特徴2は、UEが提供する様々な機能を含む。第1の例として、特徴1は機能1をサポートし、特徴2は機能2をサポートする。この例で、組み合わされた特徴は、重複する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)の順不同(OoO:out of order)の処理及び順不同のPUSCH、又は順不同のハイブリッド自動反復要求(HARQ)の送信を含む単一のセルで(即ち、単一のCCで)組み合わされた機能をサポートする。本明細書で使用される「機能1」及び「機能2」の用語は、5G規格(例えば、リリース16)で定義されたこれらの名を有する用語を意味し、それぞれ、基本的な処理速度及び低遅延(latency)サービスを指す。本明細書で他に使用される「機能」という語句は、通常の英語の意味を有し、任意の機能(例えば、UEの…)を指す。
【0023】
第2の例として、特徴1は、単一の送受信ポイント(TRP)動作、例えばコアセットプールインデックス(CORESETPoolIndex)をサポートし、特徴2は特徴1と同じである。このように、宣言された機能のみで構成されている場合、UEは各CCで単一のTRP動作をサポートする。UEによって宣言された数よりも少ない数のCCで構成されている場合、CCの1つでサポートされている組み合わされた特徴は、同一のCCで両方のTRPをサポートする。即ち、そのCCで複数の送受信ポイント(M-TRP)の特徴をサポートする。
【0024】
第3の例として、特徴1はスロットベースのPDCCHモニタリング(リリース15における)であり、特徴2はスパンベースのPDCCHモニタリング(リリース16で導入された)である。この例で、組み合わされた特徴は、混合されたPDCCHモニタリングである。即ち、UEは、スロットベースの制限によるPDCCH候補、及びスパンベースのモニタリング制限による特定の他の候補をモニタリングする。
【0025】
特徴1が機能1であり、特徴2が機能2である場合、更なる制限が実装される。機能1の制限をNとし、機能2の制限をN’とすると、2つのPDSCHが順不同の状態を作成するようにUEに送信された場合、それらのAck/NackのタイミングT及びT’(ネットワークによってUEに対して構成される)は、次の3つの状態の1つに分類される。
【0026】
1)T>N>T’>N
2)T>T’>N>N
3)N>T>T’>N
【0027】
状態1)及び状態2)では、UEが、特徴1及び特徴2の組合せをサポートするように構成されたCCで、組み合わされた特徴を処理することができることが期待されるが、状態3)では、UEが、2つの機能2の並行処理の実行を必要とするため、特徴1及び特徴2の組合せをサポートすることができない。この潜在的な問題に対する1つのアプローチ候補は、状態3)が発生しないようにネットワークを構成することであるが、このアプローチは、将来5G標準が状態3)をカバーするように発展する場合、不都合かもしれない。この場合、宣言されたUE機能及び未使用のCA機能に応じて、順不同の組み合わせの制限が使用される。例えば、ネットワークは、機能2の宣言を有する2つのCCを1つのCCにおける処理のために使うことができる場合にのみ、状態3)が起きることを許可する。
【0028】
特徴1が機能1であり、特徴2が機能2である第1の例では、UEが、機能1が可能な1つのCC及び機能2が可能な1つのCCによる、2つのCCのCA(即ち、2つのCCによるCAのサポート)を宣言する。この場合、ネットワークは、1つのCCのみを構成することを選択し、機能1及び機能2のPDSCHの両方を、機能1及び機能2のPDSCH間で順不同のHARQを必要とするUEに送信する。この例で、ネットワークは、1つのCCでUEを構成せず、順不同のHARQを含む機能2のPDSCHを送信しない。
【0029】
特徴1が機能1であり、特徴2が機能2である第2の例では、UEが、機能2が可能な両方のCCで2つのCCのCAを宣言する。ネットワークは、1つのCCのみを構成することを選択し、機能1及び機能2のPDSCHの両方を、機能1及び機能2のPDSCH間で順不同のHARQを必要とするUEに送信する。ネットワークは、1つのCCのみを構成することも選択することができ、順不同のHARQを必要とする機能2のPDSCHを送信する。
【0030】
一部の状況では、特徴の組合せ(機能1と機能2のような)をサポートするUEの能力が、使用されるPHY(物理)パラメータによって影響される。例えば、UEは、ランク4及び第1のCC(CC0)における256QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の変調次数で、特徴1に対するサポートを宣言し、そして、UEは、ランク2及び第2のCC(CC1)における64QAMの変調次数で、インターバンドCAのBC(band combination)において、特徴2に対するサポートを宣言する。この場合、CC0のみが構成されている場合でも、ランク4及び256QAMに相当する最大データレートで特徴1及び特徴2の組合せを処理することは、UEにとって現実的でない。
【0031】
この潜在的な困難は、いくつかの方法で対処することができ、そのうちの2つの例示的な解決法を以下に示す。第1の例示的な解決法において、CC0の構成は、(i)各PHYパラメータに対してCC0及びCC1の値の最小PHYパラメータ値(即ち、最も負担の少ないPHYパラメータ値)に制限されるか、又は(ii)PHYパラメータの組合せ(CC0の組合せ(例えば、ランク4、256QAM)及びCC1の組合せ(例えば、ランク2、64QAM)の組合せ)に制限される。一部の実施態様において、例えば、ランク、変調次数のようなサブセット、又はパラメータの全セットに対して、UEは、特徴1が宣言されたCCと特徴2が宣言されたCCとの間の最小値が、特徴1及び特徴2の組合せをサポートするCCの対応するPHYパラメータに対する制限として使用されることを宣言する。
【0032】
この第1の例示的な解決法の使用の第1の例において、UEは、機能1、ランク4、及び256QAMのために構成された1つのCCと、機能2、ランク2、及び64QAMのために構成された他のCCとの2つのCCでCAに対するサポートを宣言する。この場合、ネットワークは、1つのCCのみを構成することを選択し、機能1及び機能2のPDSCHの両方を、機能1及び機能2のPDSCH間で順不同のHARQを必要とするUEに送信する。PDSCHは、ランク2まで且つ64QAMの最大データレートまで使用される。
【0033】
第1の例示的な解決法の使用の第2の例において、UEは、単一のTRP、ランク4、及び256QAMのために構成された1つのCCと、単一のTRP、ランク2、及び64QAMのために構成された他のCCとの2つのCCでCAに対するサポートを宣言する。この場合、ネットワークは、1つのCCのみを構成することを選択し、2つのTRPからPDSCHをUEに送信する。PSCHは、ランク2まで且つ64QAMの最大データレートまで使用される。
【0034】
第1の例示的な解決法の使用の第3の例において、UEは、スロットベースのPDCCHモニタリング、ランク4、及び256QAMのために構成された1つのCCと、スパンベースのPDCCHモニタリング、ランク2、及び64QAMのために構成された他のCCとの2つのCCでCAに対するサポートを宣言する。この場合、ネットワークは、スロットベース及びスパンベースのPDCCHモニタリングの混合で1つのCCのみを構成することを選択する。PDSCHは、ランク2まで且つ64QAMの最大データレートまで使用される。
【0035】
第2の例示的な解決法において、例えば、ランク、変調次数のようなサブセット、又はパラメータの全セットに対して、特徴1及び特徴2の組合せが1つのCCでサポートされている場合、UEが特徴1を宣言したCCのPHYパラメータの制限が特徴1のPDSCHに適用され、UEが特徴2を宣言したCCのPHYパラメータの制限が特徴2のPDSCHに適用されることを、UEが宣言する。この例示的な解決法は、PDSCHと特徴との関連付けを使用して、特徴によるPDSCHの区別を採用する。
【0036】
第2の例示的な解決法の使用の第1の例において、UEは、機能1、ランク4、及び256QAMのために構成された1つのCCと、機能2、ランク2、及び64QAMのために構成された他のCCとの2つのCCでCAに対するサポートを宣言する。この場合、ネットワークは、1つのCCのみを構成することを選択し、機能1及び機能2のPDSCHの両方を、機能1及び機能2のPDSCH間で順不同のHARQを必要とするUEに送信する。機能1のPDSCHはランク4まで且つ256QAMの最大データレートまで使用され、機能2のPDSCHはランク2まで且つ64QAMの最大データレートまで使用される。
【0037】
第2の例示的な解決法の使用の第2の例において、UEは、単一のTRP、ランク4、及び256QAMのために構成された1つのCCと、単一のTRP、ランク2、及び64QAMのために構成された他のCCとの2つのCCでCAに対するサポートを宣言する。この場合、ネットワークは、1つのCCのみを構成することを選択し、2つのTRPからUEにPDSCHを送信する。TRPのうちの1つに関連付けられているPDSCHは、ランク4まで且つ256QAMの最大データレートまで使用される。他のTRPsに関連付けられているPDSCHは、ランク2まで且つ64QAMの最大データレートまで使用される。
【0038】
第2の例示的な解決法の使用の第3の例において、UEは、スロットベースのPDCCHモニタリング、ランク4、及び256QAMのために構成された1つのCCと、スパンベースのPDCCHモニタリング、ランク2、及び64QAMのために構成された他のCCとの2つのCCでCAに対するサポートを宣言する。この場合、ネットワークは、スロットベース及びスパンベースのPDCCHモニタリングの混合で1つのCCのみを構成することを選択する。スロットベースのPDCCHモニタリングに関連付けられているPDSCHは、ランク4まで且つ256QAMの最大データレートまで使用される。スパンベースのPDCCHモニタリングに関連付けられているPDSCHは、ランク2まで且つ64QAMの最大データレートまで使用される。
【0039】
未使用のCA機能を再利用する概念は、イントラバンドCAのコンテキスト(context)内で適用される。上記の方法及び例は、次のように2つよりも多いCCを含むCAの状況に一般化される。UEがN個のCCに対するN個のそれぞれの機能を宣言し、ネットワークがk個(kはNよりも小さい整数)のCCのみでUEを構成することを選択した場合、次にUEは、p個のCCの組み合わされた特徴をサポートする。ここで、pはmin(k,N-k)、即ちpはk及びN-kのうちの小さい方に等しい。例えば、UEがN=8のCA機能を宣言し、ネットワークがk=5のセルでUEを構成した場合、次にUE及びネットワークは、UEが、min(8-5,5)=3のセル、例えば最低又は最高の指標による3つのセルで組み合わされた特徴をサポートするものとみなす。他の例として、UEがN=6のCA機能を宣言し、ネットワークがk=3のセルでUEを構成した場合、次にUE及びネットワークは、UEが、min(6-3,3)=3のセル、例えば最低又は最高の指標による3つのセルで、即ち構成された全てのセルで組み合わされた特徴をサポートするものとみなす。
【0040】
本明細書で使用されるUEを「構成する」とは、(i)ネットワークから受信した命令に応答して、UEによってUE自身を構成するか、又は(ii)ネットワークによって構成命令をUEに送信するかのいずれかを意味する。このように、ネットワークは、1つ以上のCCでUEを構成し、各々を構成(通常、UEが機能を有する構成)するか、又は同等に、UEはネットワークから受信した命令に応答して1つ以上のCCを構成する。
【0041】
図3は、本発明の一実施形態による制限された処理能力にUEを対応させる方法を説明するための概略的なタイミング図である。
【0042】
上述した一部の実施例で、CAの機能を有さないUEは、順不同のHARQをサポートすることができない。一部の実施形態で、このようなUEの機能の潜在的な損失は、機能1のPDSCHの処理時間を適切に増加させることによって軽減される。図3は、順不同のHARQの状況でUEの動作を説明するための時間系列を示す。
【0043】
図3に示すように、UEは、PDSCH1の処理を停止して、PDSCH1の処理を再開する前にPDSCH2を処理する。PDSCH1の再開を処理すると、限られた処理能力を有するUEは、PDSCH2を処理したときに生じた遅延のために、元のPDSCH1の処理時間(又は「能力1(Capacity1)のPDSCHに対して標準で義務付けられている通常の最大応答遅延」)を達成することができない。この遅延に拘らず、PDSCH1の処理を完了させるために、一部の実施形態では、PDSCH1の処理時間が緩和される。即ち許容可能な処理時間が適切に増加して、ネットワークがPDSCH1に対応する物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を受信する形態では、たとえそれが能力1のPDSCHに対して標準で義務付けられている通常の最大応答遅延を超える遅延の後にネットワークによって受信されるとしても、PDSCH1の処理時間の要件が緩和される。この増加量は実装に依存し、一部の実施態様で、この増加は、機能2のPDSCHの処理のためのタイミングパラメータNに等しい。一部の実施態様で、許容可能な処理時間の増加は、UEの負担を説明するための調整Δ>=0によって増加する。
【0044】
例えば、ネットワークは、機能2が有効になっているCCで、順不同のHARQで機能1及び機能2の処理の組合せを構成する。順不同のHARQで機能1及び機能2の処理の組合せが構成された場合、順不同のHARQを招く機能2のPDSCHが後に続く機能1のPDSCHに対する許容可能な処理時間は、ネットワークが許容する機能2のPDSCH+Δの処理時間だけ増加した機能1のPDSCHに対する処理時間という結果になる。
【0045】
一部の実施態様で、ネットワークは、そのACK/NACK(A/N)のPUCCHの割り当てにおいて適切な処理時間を確保する。例えば、A/NのPUCCHをPDSCH1に割り当てる場合、ネットワークは、このような増加した処理時間を確認する。しかし、ネットワークは、PDSCH1及びそのA/Nのリソースをスケジューリングする時に、PDSCH2の存在に気付かない場合がある。このような場合、PDSCH1に対するシグナリングされたA/Nのリソースは、許容可能な処理時間の増加によって暗黙的に遅延される。順不同のHARQで機能1及び機能2の処理の組合せが構成される場合、システムは2つの方法のうちの1つに従って動作する。
【0046】
これらの2つの方法のうちの第1の方法において、順不同のHARQを招く機能2のPDSCHが後に続く機能1のPDSCHに対して、UEは有効なHARQ-ACKメッセージを提供するように構成される。割り当てられたA/NのPUCCHリソースが機能1を満足する場合、ネットワークによって、PDSCHの処理時間は、機能2のPDSCH+Δの処理時間だけ増加される。これらの2つの方法のうちの第2の方法において、順不同のHARQを招く機能2のPDSCHが後に続く機能1のPDSCHに対して、UEは割り当てられたA/NのPUCCHのリソースタイミングに対する機能2のPDSCH+Δの処理時間の遅延量を適用する。この第2の方法において、シンボル境界の制約を満たす遅延量の適切な量子化が、遅延適用後の潜在的な衝突を処理する優先順位付けルールと同様に採用される。
【0047】
一部の実施態様で、ネットワークは、第1の処理回路(例えば、1つ以上のCPU)及び処理回路を含むUEを含む。処理回路は、本明細書に記載したいくつか又は全ての方法、例えば(無線、マイクロ波、ミリ波などの送受信機などの適切な送受信ハードウェアを通して)送受信を実行する。ハードウェアのいくつかは、処理回路、PDSCH、PUCCHの外部にある。本明細書で、「処理回路」の用語は、データ又はデジタル信号を処理するために使用されるハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアの任意の組合せを意味する。処理回路のハードウェアは、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、一般目的用又は特殊目的用の中央処理回路(CPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、グラフィック処理装置(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のようなプログラマブルロジック装置を含む。本明細書で使用される処理回路において、各機能は、その機能を実行するように構成されたハードウェア、即ちハードワイアードで構成されたハードウェア、又は非一時的な記録媒体に保存された命令を実行するように構成されたCPUのような、より一般的用途のハードウェアによって実行される。処理回路は、1枚のプリント回路基板(PCB)又は何枚かの相互接続されたPCBによって組み立てられる。処理回路は他の処理回路を含み、例えば処理回路は1枚のPCB上で相互接続されたFPGA及びCPUの2つの処理回路を含む。
【0048】
本明細書で使用される、「…の一部」は、「…の少なくとも一部」を意味し、それゆえ、「…の全てよりも少なく」、又は「…の全て」を意味する。従って、「…の一部」は、特別な場合として「…の全て」を含み、即ち「全部」は、「…の一部」の一例である。
【0049】
本明細書で使用される「又は」の用語は、「及び/又は」として解釈すべきであり、このように、例えば、「A又はB」は、「A」又は「B」と「A及びB」とのいずれか1つを意味する。本明細書で、方法(例えば、調整)又は第1の量(例えば、第1の変数)が第2の量(例えば、第2の変数)に基づく、と記載された場合、それは、第2の量が方法又は第1の量への入力(例えば、唯一の入力、又はいくつかの入力の1つ)であって、例えば第2の量は第1の量を計算する機能への入力であるか、又は第1の量は第2の量に等しいか、又は第1の量は第2の量と同じ(例えば、メモリの同じ一か所又は複数か所に保存される)とすることができる、を意味する。
【0050】
本明細書で使用される「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、及び/又は部分に使用されるが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又は部分は、これらの用語により限定されるべきでない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、及び/又は部分と、他の要素、構成要素、領域、層、及び/又は部分を区別するためだけに使用される。このように、本明細書で議論される第1の要素、構成要素、領域、層、及び/又は部分は、この発明概念の精神と範囲から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、及び/又は部分と称することができる。
【0051】
本明細書で使用される用語は、特定の実施態様を説明するだけの目的であって、この発明の概念を限定することを意図しない。本明細書で使用される「実質的に」、「約」、及びそれらと類似する用語は、近似の用語として使用され、程度を示す用語としてではなく、測定又は計算された、当業者により理解される値の固有の偏差を構成することを意図する。本明細書で使用される「主な構成要素」の用語は、組成物、ポリマー、又は製品に存在するその組成物又は製品の中の他のいかなる単一構成要素の量よりも多い量の構成要素を指す。対照的に、「1次構成要素」の用語は、組成物、ポリマー、又は製品の少なくとも50重量%又は更に多くを構成する構成要素を指す。本明細書で使用される「主な部分」の用語は、複数のアイテムに適用される場合、それらのアイテムの少なくとも半分を意味する。
【0052】
本明細書で使用される単数形は、文脈が明らかにそうでないことを示していない場合、複数形も含むように意図される。更に、「含む」及び/又は「含んでいる」の用語は、本明細書で使用される場合、記述した特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しない。本明細書で使用される「及び/又は」の用語は、関連するリストされたアイテムの1つ以上のありとあらゆる組合わせを含む。「少なくも1つの」のような表現は、要素のリストに先行する場合、要素の全リストを修飾し、リストの個々の要素を修飾しない。更に、発明の概念の実施態様を説明する際の「することができる」の使用は、「本発明の1つ以上の実施態様を」指す。また、「代表的な」の用語は、例又は例示を指すことを意図する。本明細書で使用される「使用する」、「使用している」、「使用された」の用語は、それぞれ「利用する」、「利用している」、「利用された」の同義語とみなすことができる。
【0053】
本明細書に記載されたいかなる数値範囲も、記載された範囲内に含まれる全ての同じ数値精度の部分範囲を含むことを意図する。例えば、「1.0~10.0」又は「1.0と10.0との間」の範囲は、記載された最小値1.0と記載された最大値10.0との間(最小値、最大値を含む)の全ての部分範囲を含むことを意図する。即ち、例えば2.4~7.6のような1.0と同じかそれよりも大きい最小値と、10.0と同じかそれよりも小さい最大値を有する。本明細書に記載されたいかなる最大値の制限も、そこに含まれる全てのそれよりも低い数値制限を含むことを意図しており、いかなる最小値の制限も、そこに含まれる全てのそれよりも大きい数値制限を含むことを意図する。
【0054】
コンポーネントキャリアがUEで処理することのできる数よりも少なく構成されている場合に、UEで利用可能な余剰能力を使用するためのシステム及び方法の例示的な実施態様を本明細書で特に記載し且つ図示してきたが、多くの変更やバリエーションがあることは当業者にとっては明らかであろう。従って、本発明の原理に従ったコンポーネントキャリアがUEで処理することのできる数よりも少なく構成されている場合に、UEで利用可能な余剰能力を使用するためのシステム及び方法は、本明細書に特に記載されている以外の方法で具体化することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
105 ユーザー装置(UE)
110 ネットワーク

図1
図2
図3