(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及びキャラクタ作成方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/20 20140101AFI20241113BHJP
A63F 13/95 20140101ALI20241113BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20241113BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20241113BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241113BHJP
【FI】
A63F13/20 A
A63F13/95 A
A63F13/30
A63F13/58
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2020205920
(22)【出願日】2020-12-11
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔵方 徹
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-005622(JP,A)
【文献】特開2020-189108(JP,A)
【文献】特開2020-028321(JP,A)
【文献】特開2014-171678(JP,A)
【文献】特開2016-198428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードの情報が登録されたICタグ又はICチップから読み出した前記ICカードの
発行元の組織が属するグループを示す第1のデータに基づき、作成するキャラクタの種類を決定する種類決定手段と、
前記ICタグ又は前記ICチップから読み出した前記ICカードの使用により変動する第2のデータに基づき、作成するキャラクタの能力を決定する能力決定手段と、
決定したキャラクタの種類及び能力に基づき、キャラクタを作成する作成手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
ICカードの情報が登録されたICタグ又はICチップから読み出した前記ICカードの属するグループを示す第1のデータに基づき、作成するキャラクタの種類を決定する種類決定手段と、
前記ICタグ又は前記ICチップから読み出した前記ICカードの使用により変動する第2のデータに基づき、作成するキャラクタの能力を決定する能力決定手段と、
決定したキャラクタの種類及び能力に基づき、キャラクタを作成する作成手段と、
を有し、
前記能力決定手段は、前記ICタグ又は前記ICチップから読み出し可能な複数種類の前記第2のデータのうち、前記ICカードの属するグループに応じた種類の前記第2のデータを選択して前記キャラクタの能力の決定に利用すること
を特徴とする
情報処理装置。
【請求項3】
ICカードの情報が登録されたICタグ又はICチップから読み出した前記ICカードの属するグループを示す第1のデータに基づき、作成するキャラクタの種類を決定する種類決定手段と、
前記ICタグ又は前記ICチップから読み出した前記ICカードの使用により変動する第2のデータに基づき、作成するキャラクタの能力を決定する能力決定手段と、
決定したキャラクタの種類及び能力に基づき、キャラクタを作成する作成手段と、
を有し、
前記作成手段は、ネットワーク経由で取得可能な前記ICカードが属するグループに応じた情報により、作成する前記キャラクタの外形的な変化を生じさせること
を特徴とする
情報処理装置。
【請求項4】
ICカードの情報が登録されたICタグ又はICチップから読み出した前記ICカードの属するグループを示す第1のデータに基づき、作成するキャラクタの種類を決定する種類決定手段と、
前記ICタグ又は前記ICチップから読み出した前記ICカードの使用により変動する第2のデータに基づき、作成するキャラクタの能力を決定する能力決定手段と、
決定したキャラクタの種類及び能力に基づき、キャラクタを作成する作成手段と、
を有し、
前記作成手段は、前記ICカードが属するグループに応じて、時間経過により外形的な変化が生じる前記キャラクタを作成すること
を特徴とする
情報処理装置。
【請求項5】
前記能力決定手段は、前記第2のデータが大きい値であるほど、又は前記第2のデータが所定の値である場合に、作成するキャラクタの能力を高く決定すること
を特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記ICタグ又は前記ICチップが搭載された情報通信端末であること
を特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ICタグ若しくは前記ICチップが搭載された情報通信端末、又は前記ICタグ若しくは前記ICチップが内蔵されている記ICカードから、前記第1のデータ及び前記第2のデータを取得する取得手段
を更に有する請求項1乃至5の何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置を、
ICカードの情報が登録されたICタグ又はICチップから読み出した前記ICカードの
発行元の組織が属するグループを示す第1のデータに基づき、作成するキャラクタの種類を決定する種類決定手段、
前記ICタグ又は前記ICチップから読み出した前記ICカードの使用により変動する第2のデータに基づき、作成するキャラクタの能力を決定する能力決定手段、
決定したキャラクタの種類及び能力に基づき、キャラクタを作成する作成手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
情報処理装置が実行するキャラクタ作成方法であって、
ICカードの情報が登録されたICタグ又はICチップから読み出した前記ICカードの
発行元の組織が属するグループを示す第1のデータに基づき、作成するキャラクタの種類を決定する種類決定ステップと、
前記ICタグ又は前記ICチップから読み出した前記ICカードの使用により変動する第2のデータに基づき、作成するキャラクタの能力を決定する能力決定ステップと、
決定したキャラクタの種類及び能力に基づき、キャラクタを作成する作成ステップと、
を有するキャラクタ作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム、及びキャラクタ作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばCD-ROM等の媒体を再生してゲームを行うゲーム機に同種の媒体に記録されたトラック総数と目次データとを読みとらせ、得られたトラック総数と目次データとを基にゲームのキャラクタの主データと補助データとを算出し、これを基にキャラクタの属性データを得、ゲームプログラム中のキャラクタの属性データに変換処理させる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばデータを記録する媒体から情報を読み取り、読み取った情報を基にキャラクタを作成する場合は、作成するキャラクタに規則性とランダム性とを持たせることが、ユーザの好奇心や探求心を喚起させる上で望ましい。
【0005】
本開示は、読み出したICカードの情報から作成するキャラクタに規則性とランダム性とを持たせることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、ICカードの情報が登録されたICタグ又はICチップから読み出した前記ICカードの属するグループを示す第1のデータに基づき、作成するキャラクタの種類を決定する種類決定手段と、前記ICタグ又は前記ICチップから読み出した前記ICカードの使用により変動する第2のデータに基づき、作成するキャラクタの能力を決定する能力決定手段と、決定したキャラクタの種類及び能力に基づき、キャラクタを作成する作成手段と、を有する情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、読み出したICカードの情報から作成するキャラクタに規則性とランダム性とを持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ICカードと情報処理装置との関係を示した一例の図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るキャラクタ作成処理の一例のフローチャートである。
【
図6】本実施形態に係るキャラクタ種類決定処理の一例のフローチャートである。
【
図7】キャラクタデータのテーブルの一例の構成図である。
【
図8】本実施形態に係るキャラクタ能力決定処理の一例のフローチャートである。
【
図9】キャラクタの能力の決定に利用する使用データ情報の種類を示すテーブルの一例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0010】
[ICカードと情報処理装置との関係]
まず、本実施形態に係るICカードと情報処理装置との関係について、
図1を参照して説明する。
図1はICカードと情報処理装置との関係を示した一例の図である。本実施形態に係る情報処理装置10は
図1(A)に示すようにICカード12から例えば近距離無線通信技術(NFC:Near Field Communication)を利用して、ICカードの情報を読み出すことができる。なお、ICカード12は非接触型に限定するものではなく、接触型であってもよい。
【0011】
ICカード12は、ICタグ又はICチップが内蔵されており、データの読み出しと書き込みとが可能である。ICカード12は、例えば発行元の企業や団体などの組織が属しているグループ(以下、ICカード12の属するグループと呼ぶ)を示すグループ情報、又はグループ情報を特定可能な識別情報がICカード12の情報の一つとして登録されている。以下では、ICカード12の情報に含まれる識別情報から特定したグループ情報についても単にICカード12から読み出したグループ情報と呼ぶことがある。また、ICカード12は使用により変動する残高や移動履歴などの使用データ情報がICカード12の情報の一つとして登録されている。
【0012】
また、
図1(B)に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10はICタグ又はICチップが搭載されていれば、1枚以上のICカード12の情報を登録しておき、登録しておいたICカード12に対してデータの読み出しと書き込みとが可能である。
【0013】
さらに、
図1(B)に示したICカード12の情報が登録された情報処理装置10は
図1(A)に示したICカード12として機能し、他の情報処理装置10にICカード12の情報を読み出させることも可能である。
【0014】
本実施形態に係る情報処理装置10は
図1(A)又は
図1(B)のICカード12から読み出したグループ情報及び使用データ情報などのデータを後述のように用いて、ゲームやSNS(Social Networking Service)等で使用するキャラクタを作成する。
【0015】
なお、本実施形態に係る情報処理装置10は、例えば
図2に示した情報処理システムを利用することで、サーバ装置14からICカード12の属するグループに応じた情報を取得し、後述のようにキャラクタの作成に用いてもよい。
【0016】
図2は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。情報処理装置10はスマートフォン、タブレット端末、PC、ゲーム機などの情報通信端末である。情報処理装置10はインターネットやLAN(Local Area Network)などの通信ネットワーク18を介してサーバ装置14と通信を行う。
【0017】
ICカード12の属するグループを示すグループ情報が例えば「銀行系」であれば、情報処理装置10はサーバ装置14からICカード12が属するグループに応じた情報の一例として「利率」などの情報を取得する。また、ICカード12の属するグループを示すグループ情報が例えば「サラ金系」であれば、情報処理装置10はサーバ装置14からICカード12が属するグループに応じた情報の一例として「返済期限」などの情報を取得する。また、ICカード12の属するグループを示すグループ情報が例えば「交通系」であれば、情報処理装置10はサーバ装置14からICカード12が属するグループに応じた情報の一例として移動履歴に応じた「移動距離」などの情報を取得する。
【0018】
[ハードウェア構成]
図3は本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0019】
図3の情報処理装置10は、例えばCPU(Central Processing Unit)100、記憶装置102、通信装置104、入力装置106、出力装置108、及びNFCモジュール110を有する。CPU100は、プログラムに従って情報処理装置を制御する。記憶装置102は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。記憶装置102はCPU100で実行するプログラム及びデータを記憶する。
【0020】
通信装置104は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置106は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、出力装置108はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルは入力装置106の一例であるタッチパッドと出力装置108の一例であるディスプレイとを組み合わせることで実現される。
【0021】
NFCモジュール110は、近距離無線通信技術に対応したアンテナ付きのモジュールであって、ICカード12の情報の読み出しと書き込みとを行う。NFCモジュール110を用いることで、情報処理装置10は例えば
図1(A)のICカード12の情報を取得できる。また、NFCモジュール110を用いることで、情報処理装置10は例えば
図1(B)のように登録されたICカード12として機能することもできる。
【0022】
なお、
図2のシステム構成及び
図3のハードウェア構成は一例である。サーバ装置14はクラウドコンピュータにより実現してもよい。サーバ装置14の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。また、サーバ装置14は情報処理装置10が必要とするプログラムを提供するダウンロード処理などに利用してもよい。
【0023】
[機能ブロック]
図4は本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
図4の情報処理装置10は、制御部200、操作受付部202、出力制御部204、通信部206、近距離無線通信部208、及び記憶部210を有する。
【0024】
記憶部210は、プログラム232、ICカードデータ234、及びキャラクタデータ236を記憶している。なお、記憶部210は記憶装置102で実現してもよいし、通信ネットワーク18等を介して接続された記憶装置により実現してもよい。
【0025】
ICカードデータ234はICカード12の情報であって、ICカード12のグループ情報及び使用データ情報などの各種データを含んでいる。ICカードデータ234は一枚以上のICカード12の情報を含んでいてもよい。また、キャラクタデータ236はICカード12の情報を用いてキャラクタを作成するために必要なデータ、及びICカード12の情報を用いて作成したキャラクタのデータを含んでいる。
【0026】
制御部200は情報処理装置10の全体の制御を行う。情報処理装置10の全体の制御には、例えば読み出したICカード12の情報に基づいて、後述のようにキャラクタを作成して表示等する制御が含まれる。制御部200は、CPU100がプログラムに記載された処理を実行することにより実現される。制御部200は、ICカード情報取得部220、キャラクタ作成部222、キャラクタ制御部230を有する構成である。キャラクタ作成部222は、種類決定部224、能力決定部226、及び作成部228を有する構成である。
【0027】
ICカード情報取得部220は、例えば近距離無線通信技術を利用してICカード12から情報を取得する。キャラクタ作成部222は、ICカード12の情報に含まれている各種データを用いてキャラクタを作成する。
【0028】
キャラクタ作成部222の種類決定部224は、例えばICカード12から読み出したグループ情報を用いて、作成するキャラクタの種類を決定する。種類決定部224が決定するキャラクタの種類は、キャラクタの形状や色などの外形的な属性である。種類決定部224が決定するキャラクタの種類は、種族などのキャラクタの外形的な属性の他、光属性や闇属性などのキャラクタの適性を分類する属性であってもよい。
【0029】
また、能力決定部226は、例えばICカード12から読み出した使用データ情報を用いて、作成するキャラクタの能力を決定する。能力決定部226が決定するキャラクタの能力は、例えばゲームのキャラクタであれば、キャラクタのパワー、スピード、又はスタミナなどである。また、能力決定部226が決定するキャラクタの能力は、例えばSNSのキャラクタであれば、キャラクタの声の大きさ、話のスピード、又は上限発言数などであってもよい。
【0030】
また、作成部228は、種類決定部224が決定したキャラクタの種類と、能力決定部226が決定したキャラクタの能力と、に基づいて、ゲームやSNS等で使用するキャラクタを作成する。作成部228は、種類決定部224が決定したキャラクタの種類と、能力決定部226が決定したキャラクタの能力と、に加えて、ICカード12のグループ情報に応じた情報をサーバ装置14等から取得し、キャラクタの作成に利用してもよい。
【0031】
例えば作成部228は、サーバ装置14から取得した情報(例えば利率など)に応じてトゲの長さを変化させるなど、作成するキャラクタに外形的な変化を与えてもよい。作成部228は、サーバ装置14から取得した情報(例えば返済期限など)を利用し、時間経過によりトゲを生やすなど、作成したキャラクタの外形的な変化を時間経過により生じさせてもよい。
【0032】
キャラクタ制御部230はキャラクタ作成部222が作成したキャラクタに関する制御をゲームやSNS等で行う。操作受付部202は入力装置106に対するユーザの各種操作を受け付ける。出力制御部204は制御部200の制御に従って各種画面を出力装置108に表示する。なお、操作受付部202はCPU100がプログラムに従って入力装置106を制御することにより実現される。また、出力制御部204は、CPU100がプログラムに従って出力装置108を制御することにより実現される。入力装置106に対するユーザの各種操作とは、CPU100に処理を実行させるため、ユーザが操作受付部202を操る操作をいう。出力制御部204は制御部200の制御に従い、各種画面の表示と音の出力とを行う。
【0033】
通信部206は、通信ネットワーク18等を介して通信する。通信部206はCPU100がプログラムを実行し、プログラムに従って通信装置104を制御することで実現される。また、近距離無線通信部208は例えば近距離無線通信技術を利用し、ICカード12からICカード12の情報などの各種データを読み出すことができる。近距離無線通信部208はCPU100がプログラムを実行し、プログラムに従ってNFCモジュール110を制御することで実現される。
【0034】
[処理]
情報処理装置10は
図1(A)に示したようにICカード12からICカード12の情報を読み出すことができる。また、情報処理装置10は
図1(B)に示したように登録されたICカード12からICカード12の情報を読み出すことができる。さらに、情報処理装置10は
図1(B)に示した情報処理装置10を
図1(A)のICカード12として利用することで
図1(B)の情報処理装置10からICカード12の情報を読み出すこともできる。
【0035】
以下では
図1(A)に示したようにICカード12からICカード12の情報を読み出す例を説明する。
図5は本実施形態に係るキャラクタ作成処理の一例のフローチャートである。
【0036】
ステップS10において、情報処理装置10はキャラクタを作成して使用するゲームやSNSなどのアプリケーションの起動操作をユーザから受け付ける。情報処理装置10は起動操作を受け付けたアプリケーションを起動する。
【0037】
ステップS12において、情報処理装置10は例えば起動したアプリケーションを利用するユーザからキャラクタの作成指示を受け付ける。情報処理装置10のICカード情報取得部220は、例えば近距離無線通信技術を利用してICカード12からICカード12の情報を読み出すまで、ステップS14の処理を繰り返す。
【0038】
ICカード12からICカード12の情報を読み出すと、情報処理装置10のキャラクタ作成部222はステップS16~S20の処理を行い、ICカード12の情報に含まれている各種データを用いてキャラクタを作成する。
【0039】
ステップS16において、情報処理装置10の種類決定部224はICカード12から読み出したグループ情報を用いて、例えば
図6に示す手順で、作成するキャラクタの種類を決定する。
【0040】
図6は本実施形態に係るキャラクタ種類決定処理の一例のフローチャートである。種類決定部224はステップS30においてICカード12の情報に含まれる識別情報を取得する。ステップS32において種類決定部224は読み出したICカード12の情報に含まれていた識別情報に基づき、例えば
図7に示すようなキャラクタデータ236のテーブルを用いてグループ情報を判断する。
【0041】
図7はキャラクタデータのテーブルの一例の構成図である。
図7(A)のテーブルは識別情報が、グループ情報及びキャラクタの種類情報と対応付けられている。識別情報はICカード12のグループ情報を特定可能な情報の一例である。グループ情報はICカード12の属するグループ(交通系や金融系など)を示している。キャラクタの種類情報は作成するキャラクタの種類(足の大きいキャラクタやトゲが生えたキャラクタなど)を示している。なお、キャラクタの種類情報は、例えばグループ情報からユーザがイメージしやすいキャラクタ(例えば交通系に対して足部分が大きいキャラクタを作成するなど)にすることでユーザに楽しさを感じさせることもできる。
【0042】
図7(B)のテーブルは識別情報が、グループ情報、外形変化情報、及びキャラクタの種類情報と対応付けられている。識別情報及びグループ情報は
図7(A)と同様な情報である。外形変化情報は、ICカード12のグループ情報に応じた情報であって、作成するキャラクタに外形的な変化を与えるために利用する情報を示している。
【0043】
例えば
図7(B)のテーブルはICカード12のグループ情報が「銀行系」の場合に例えばサーバ装置14から情報として利率を取得し、利率でトゲの長さが変化するキャラクタを作成する例を示している。また、
図7(B)のテーブルはICカード12のグループ情報が「サラ金系」の場合に例えばサーバ装置14から情報として返済期限を取得し、返済期限が経過することによりトゲが生えるキャラクタを作成する例を示している。例えばICカード12のグループ情報が「サラ金系」の場合に、返済期限の異なる複数の会社が含まれていれば、会社の返済期限によって、1日目からトゲが生えるキャラクタ、1ヶ月が経過してからトゲの生えるキャラクタなど、外形的な変化が生じるタイミングに変化を持たせることができる。
【0044】
図6のステップS34において、種類決定部224は読み出したICカード12の属するグループに基づき、例えば
図7のテーブルを用いることにより、作成するキャラクタの種類を決定できる。
【0045】
図5に戻り、能力決定部226はステップS18において、ICカード12から読み出した使用データ情報を用いて、例えば
図8に示す手順で、作成するキャラクタの能力を決定する。
【0046】
図8は本実施形態に係るキャラクタ能力決定処理の一例のフローチャートである。能力決定部226はステップS40においてICカード12の情報からICカード12の使用データ情報(ICカード12の使用により変動するデータ)を取得する。
【0047】
ステップS42において能力決定部226は取得した使用データ情報に基づき、作成するキャラクタの能力を決定する。例えば能力決定部226は取得した使用データ情報に含まれている残高を乱数として用いて、作成するキャラクタの能力を算出してもよい。能力決定部226は使用データ情報に含まれている残高の多少により、例えば残高が多いほど能力が高いなど、作成するキャラクタの能力を決定してもよい。能力決定部226は使用データ情報に含まれている残高の数字を桁数ごとに用いて、作成するキャラクタの能力を算出してもよい。
【0048】
また、例えば能力決定部226は取得した使用データ情報に含まれている移動履歴からユーザの移動経路を求め、その移動経路から算出したユーザの移動距離を用いて、作成するキャラクタの能力を決定してもよい。このように、能力決定部226がキャラクタの能力を決定するために利用する情報は、使用データ情報に含まれている移動履歴などの情報から間接的に求めた情報であってもよい。
【0049】
また、能力決定部226はICカード12の情報に複数種類の使用データ情報が含まれている場合に、例えば
図9に示すようなキャラクタデータ236のテーブルを用いるようにしてもよい。
【0050】
図9はキャラクタの能力の決定に利用する使用データ情報の種類を示すテーブルの一例の構成図である。
図9(A)のテーブルはグループ情報が使用データ情報の種類と対応付けられている。
図9(A)のテーブルを利用することで、能力決定部226はICカード12のグループ情報に応じた種類の使用データ情報を選択して、作成するキャラクタの能力を決定できる。例えば
図9(A)の例ではグループ情報が「交通系」のICカード12であれば、使用データ情報に移動履歴と残高が含まれていても、移動履歴から算出した移動距離を用いてキャラクタの能力を決定できる。なお、
図9(A)の例では使用データ情報に1つの項目が設定されている例を示したが、2つ以上の項目が設定されてもよい。
【0051】
図9(B)のテーブルはグループ情報が使用データ情報の種類及びラッキーデータ情報と対応付けられている。
図9(B)のテーブルは作成するキャラクタの能力を高く決定する条件を、ラッキーデータ情報として設定している。例えば
図9(B)ではキャラクタの能力の決定に用いる使用データ情報が、ラッキーデータ情報に設定されている「下3桁がゾロ目」や「所定の金額」である場合に、作成するキャラクタの能力を高く決定したり特殊なスキルを持つように決定したり、することができる。
【0052】
なお、
図9(B)に示したラッキーデータ情報は、例えばゲームにおいて強い価値を付与するようにすれば、ICカード12の情報から直接又は間接的に読み出される移動距離や残高を意図的に作りたいというユーザの欲求を喚起できる。また、ラッキーデータ情報の設定されている残高を生じさせやすい「残高調整アイテム」をゲームやSNSで販売することも考えられる。例えばラッキーデータ情報に残高「1,111円」が設定されている場合に、残高「2,000円」を直ぐに「1,111円」にできる「889円」の残高調整アイテムを販売してもよい。また、残高調整アイテムはユーザが金額を自由に変更できるようにしてもよい。
【0053】
図5に戻り、作成部228はステップS20のキャラクタ作成処理を行う。ステップS20のキャラクタ作成処理は、ステップS16で種類決定部224が決定したキャラクタの種類と、ステップS18で能力決定部226が決定したキャラクタの能力と、に基づいてキャラクタを作成する処理である。
【0054】
本実施形態によれば、読み出したICカード12の情報のうち、ICカード12の使用により変動しないグループ情報に基づき、作成するキャラクタの種類を決定することで、作成するキャラクタに規則性を持たせることができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、読み出したICカード12の情報のうち、ICカード12の使用により変動する使用データ情報に基づき、作成するキャラクタの能力を決定することで、作成するキャラクタにランダム性を持たせることができる。
【0056】
以上、本実施形態によれば、読み出したICカード12の情報から作成するキャラクタに規則性とランダム性とを持たせることができる。なお、ICカード12の情報の一つとして登録されている識別情報に「No.100,000~200,000」などの数字情報が含まれていた場合に、この数字情報をキャラクタの作成に用いてもよい。例えば識別情報に含まれる数字情報の値が「No.100,000~200,000」であれば「キャラクタA」を作成し、ID情報の値が「No.200,001以降」であれば「キャラクタB」を作成してもよい。また、例えば識別情報に含まれる数字情報の値が「偶数」であれば「男性キャラクタ」を作成し、識別情報に含まれる数字情報の値が「奇数」であれば「女性キャラクタ」を作成してもよい。
【0057】
開示した一実施形態の情報処理装置は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0058】
10 情報処理装置
12 ICカード
14 サーバ装置
18 通信ネットワーク
200 制御部
202 操作受付部
204 出力制御部
206 通信部
208 近距離無線通信部
210 記憶部
220 ICカード情報取得部
222 キャラクタ作成部
224 種類決定部
226 能力決定部
228 作成部
230 キャラクタ制御部
232 プログラム
234 ICカードデータ
236 キャラクタデータ