IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -キッチンユニット 図1
  • -キッチンユニット 図2
  • -キッチンユニット 図3
  • -キッチンユニット 図4
  • -キッチンユニット 図5
  • -キッチンユニット 図6
  • -キッチンユニット 図7
  • -キッチンユニット 図8
  • -キッチンユニット 図9
  • -キッチンユニット 図10
  • -キッチンユニット 図11
  • -キッチンユニット 図12
  • -キッチンユニット 図13
  • -キッチンユニット 図14
  • -キッチンユニット 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】キッチンユニット
(51)【国際特許分類】
   A47B 77/06 20060101AFI20241113BHJP
   A47B 77/08 20060101ALI20241113BHJP
   E03C 1/182 20060101ALI20241113BHJP
   E03C 1/186 20190101ALI20241113BHJP
【FI】
A47B77/06
A47B77/08 Z
E03C1/182
E03C1/186
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020211486
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022098124
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒原 啓彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 弘明
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-139664(JP,A)
【文献】特開2008-055090(JP,A)
【文献】特開2002-327939(JP,A)
【文献】特開平11-241384(JP,A)
【文献】国際公開第2018/105529(WO,A1)
【文献】実開平06-044440(JP,U)
【文献】特開2020-147929(JP,A)
【文献】特開2016-50419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/06
A47B 77/08
E03C 1/18-1/186
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉢部を有するキッチンシンクを備え、
前記鉢部内の奥側の内周面と、第1の側壁の内周面とによって形成される隅に、台が設けられ、
前記台は、上面を有する上板と、前記上板から下方に延びる側板と、を備え、
前記鉢部において、前記奥側の前記内周面と手前側の内周面との距離は、前記第1の側壁と前記第1の側壁に対向する第2の側壁との距離よりも短く、
上方から見たときに、前記鉢部の前記奥側の前記内周面と、前記台の前記上板と前記側板との間の稜線と接する直線と、前記第2の側壁の内周面とに接する第1内接円の直径は、前記第1内接円と、前記稜線に接する前記直線と、前記鉢部の前記奥側の前記内周面と平行且つ、前記第1内接円に対して手前側で接する接線とに接する第2内接円の直径の3倍以下であり、
前記第1内接円と前記第2内接円とは、前記鉢部内に収まっており、
上方から見たときに、前記線と、前記第1の側壁の前記内周面との交点は、前記第1の側壁の前記内周面の中点よりも手前側に位置する、キッチンユニット。
【請求項2】
前記台には、給水および排水の少なくとも何れかのための流路が設けられる、請求項1に記載のキッチンユニット。
【請求項3】
前記台は、水栓を設置するための水栓台であり、
上方から見たときに、前記稜線は、前記水栓が延びる方向と直交する、請求項2に記載のキッチンユニット。
【請求項4】
前記水栓は、上方から見たときに、前記キッチンシンクに重なる位置に配置されている給水管に連通し、
上方から見たときに、前記キッチンシンクに重なる位置に配置されている排水管に連通する排水口を備え、
前記キッチンシンクの左右方向の中央である第1中央位置の左右の一方側に前記水栓の下端部分が配置されており、前記第1中央位置よりも左右の他方側に前記排水口が配置されており、
ユーザが前記キッチンシンクを利用する場合に前記ユーザから見て手前側を前側とし、奥側を後側として前後方向を規定したとき、前後方向の中央である第2中央位置よりも後側に前記水栓の前記下端部分と前記排水口が配置されている、請求項3に記載のキッチンユニット。
【請求項5】
前記水栓台は、前記鉢部の底面と上端との間に、前記鉢部の内側から外側に連通する開口を備え、
前記開口は、前記水栓台に内側を通過する前記排水のための前記流路に連通する、請求項4に記載のキッチンユニット。
【請求項6】
前記キッチンシンクは、以下の(1)及び(2)、すなわち、
(1)上方から見たときに円形状を有する調理器具本体と、前記調理器具本体から側方に延びる柄部分と、を備える特定の調理器具が、左右方向において、前記調理器具本体が前記排水口側であり、前記柄部分が前記水栓台の手前側である向きに配置される場合に、前記鉢部の底面と前記調理器具本体の下面とが平行に接触して配置可能であり、
(2)前記特定の調理器具が、左右方向において、前記調理器具本体が前記水栓台の手前側であり、前記柄部分が前記排水口側である向きに配置される場合に、前記鉢部の前記底面と前記調理器具本体の前記下面とを平行に接触して配置することができない、
形状を有する、請求項4から5のいずれか一項に記載のキッチンユニット。
【請求項7】
前記(1)であって、前記調理器具本体が、前記鉢部の前記底面と前記調理器具本体の前記下面とが平行に接触して配置可能な最大の寸法を有している場合に、前記排水口の少なくとも一部は、前記調理器具本体と重なっていない、請求項6に記載のキッチンユニット。
【請求項8】
前記鉢部を開閉可能に配置されている蓋部をさらに備え、
前記水栓は、前記蓋部が開かれている状態で閉じられている状態の前記蓋部の位置よりも上方に突出する状態から、前記蓋部が閉じられている状態で全体的に前記蓋部の下方に位置する状態に折り畳み可能である、請求項4から7のいずれか一項に記載のキッチンユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、キッチンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、4つの角部を有する凹部を備えるシンクが開示されている。シンクには、4つの角部のうちの奥側に配置される2つの角部のうちの一方の角部に、水栓が設置された台が配置されている。シンクには、水栓が配置されている角部と、その角部の対角に位置する角部とを結んだ対角線上に排水口が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-147929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献では、金型の共通化を目的としたものであり、シンクの奥行きをコンパクトにすることについて検討されていない。水栓が配置されている台を有していると、シンクの奥行きをコンパクトにするにつれて、シンクに占める台の相対的な大きさが大きくなる。従って、単にシンクの奥行きをコンパクトにすると、台が邪魔になって例えば取っ手付きの調理器具がシンクに収まらないなどの問題が発生し得る。或いは、取っ手付きの調理器具がシンクに収まったとしても、収まった状態において、取っ手をユーザが掴みづらいなどの問題が発生し得る。本明細書は、シンクの奥行きをコンパクトにしても使い勝手を損なわない技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する技術は、キッチンユニットに関する。キッチンユニットは、鉢部を有するキッチンシンクを備え、鉢部内の奥側の内周面と、第1の側壁の内周面とによって形成される隅に、台が設けられ、上方から見たときに、鉢部の奥側の内周面と、台の最大稜線との平行線と、第1の側壁と対向する第2の側壁の内周面とに接する第1内接円の直径は、第1内接円と、平行線と、鉢部の奥側の内周面と平行且つ、第1内接円に対して手前側で接する接線とに接する第2内接円の直径の3倍以下であり、上方から見たときに、平行線と、第1の側壁の内周面との交点は、第1の側壁の内周面の中点よりも手前側に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の蓋部が閉じられた状態のキッチンユニットの斜視図を示す。
図2】第1実施形態の蓋部が開かれた状態のキッチンユニットの斜視図を示す。
図3】第1実施形態のキッチンシンクの斜視図を示す。
図4】第1実施形態のキッチンシンクの平面図を示す。
図5】第1実施形態のフライパンが配置されたキッチンシンクの平面図を示す。
図6】第1実施形態のキッチンシンクの下方斜視図を示す。
図7】第2実施形態の蓋部が開かれた状態で水栓が折り畳み状態に位置するキッチンシンクの斜視図を示す。
図8】第2実施形態の蓋部が開かれた状態で水栓が使用状態に位置するキッチンシンクの斜視図を示す。
図9】第3実施形態のキッチンシンクの平面図を示す。
図10】第3実施形態の変形例のキッチンシンクの平面図を示す。
図11】第3実施形態の変形例のキッチンシンクの平面図を示す。
図12】第4実施形態のキッチンシンクの平面図を示す。
図13】第5実施形態のキッチンシンクの平面図を示す。
図14】第6実施形態のキッチンシンクの平面図を示す。
図15】第7実施形態のキッチンシンクの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示すように、キッチンユニット10は、例えば、戸建住宅、集合住宅に施工される。キッチンユニット10は、住宅内の壁に沿って配置される。ユーザは、図1に示す前後方向において、キッチンユニット10の前側の作業位置に立って、料理、食器洗い等の作業を行う。本明細書では、ユーザが作業位置に立っている位置から見て、ユーザに近い位置を手前と呼び、ユーザから遠い位置を奥と呼ぶ。前後方向と比較して、手前側が前側であり、奥側が後側である。
【0008】
キッチンユニット10は、キッチンシンク12と、天板14と、蓋部16と、袖部18と、棚板20、22と、機能部品24、25と、仕切板26、27と、キッチンパネル28と、枠組30と、を備える。キッチンシンク12と、天板14と、蓋部16と、袖部18と、棚板20、22と、機能部品24、25と、仕切板26、27と、は、枠組30によって一体化されている。枠組30は、一対の側枠32、32と、上端枠34と、底枠38と、を備える。
【0009】
一対の側枠32、32は、作業位置から見た時の左右方向の両端に配置されている。一対の側枠32、32は、互いに同一の構成を有している。一対の側枠32、32は、互いに平行に配置されている。側枠32は、上下方向に延びる複数の縦骨部32aと、前後方向に延びる複数の横骨部32bと、を備える。左側の側枠32の縦骨部32a及び横骨部32bの符号は省略されている。一対の側枠32、32の下端には、底枠38が配置されている。底枠38は、一対の側枠32、32の間に配置されている。底枠38は、一方の側枠32から他方の側枠32まで延びる長方形の平板形状の前板38aと、前板38aの左右方向の両端縁のそれぞれから側枠32の下端の内側で後方に延びる側板38bと、を備える。
【0010】
一対の側枠32、32の上端には、上端枠34が配置されている。上端枠34は、上から見たときに、長方形の枠を有する。上端枠34は、一方の側枠32から他方の側枠32まで延びている。上端枠34は、一対の側枠32、32の上端に載置されている。
【0011】
上端枠34の上方には、機能部品24、25が載置されている。機能部品24は、例えば照明器具である。照明器具は、下方に向けて斜光してもよいし、例えば左右方向等の下方以外の方向に斜光してもよい。機能部品25は、例えばレンジフードである。変形例では、機能部品24、25は、収納棚等の他の機能部品であってもよい。別の変形例では、キッチンユニット10は、機能部品24、25を備えていなくてもよい。
【0012】
底枠38の上方には、棚板22が配置されている。棚板22は、底枠38に載置され、支持されている。棚板22は、長方形の平板形状を有する。棚板22は、一対の側枠32、32の間で、一方の側枠32から他方の側枠32まで、側枠32に対して垂直に延びている。棚板22の前後方向の長さは、側枠32の前後方向の長さに等しい。
【0013】
棚板22の左右方向の中央には、仕切板26が配置されている。仕切板26は、長方形の平板形状を有する。仕切板26は、棚板22に対して垂直であって、一対の側枠32、32に対して平行に配置されている。仕切板26は、下端において、棚板22に取り付けられている。棚板22の下方には、仕切板26の延長上に、底枠38と同一の高さの長方形の平板形状を有する支持板(図示省略)が配置されている。仕切板26の前後方向の長さは、側枠32の前後方向の長さに等しい。
【0014】
仕切板26の上方には、棚板20が配置されている。棚板20は、一枚の平板によって構成されている。棚板20は、棚板22に平行に配置されている。棚板20は、仕切板26の上端に載置されている。棚板20は、一対の側枠32、32及び仕切板26によって支持されている。棚板20の前後方向の長さが、側枠32の前後方向の長さと同一である。棚板20は、長方形の平板形状を有する。
【0015】
棚板20の上方には、仕切板27が載置されている。仕切板27は、仕切板26の延長上に配置されている。仕切板27は、長方形の平板形状を有する。仕切板27は、仕切板26と同一平板上に配置されている。仕切板27の前後方向の長さが、側枠32の前後方向の長さと同一である。
【0016】
(天板14、蓋部16及び袖部18の構成)
仕切板27の上端では、天板14と、蓋部16と、袖部18と、が左右方向に並んで配置されている。天板14と、蓋部16と、袖部18とは、側枠32の上下方向の中間位置に位置している。天板14は、右側の側枠32から左側に向かって延びる長方形の平板形状を有する。天板14の上方には、機能部品24、25が配置されている。前後方向において、天板14は、側枠32の前後方向の長さと同一の長さを有する。天板14は、仕切板27の上端に載置されている。天板14は、一対の側枠32、32及び仕切板27によって支持されている。天板14は、ユーザが料理等の作業を行うためのキッチンカウンターとして機能する。
【0017】
天板14の左端には、蓋部16が配置されている。蓋部16は、長方形の平板形状を有する。蓋部16の左端には、袖部18が配置されている。袖部18は、蓋部16の左側の端縁と左側の側枠32との間に配置されている。袖部18は、長方形の平板形状を有する。天板14の上面14cと、蓋部16の上面16cと、袖部18の上面18cとは、同一の高さに位置する。天板14の上面14cと、蓋部16の上面16cと、袖部18の上面18cとは、同一平面上に位置する。
【0018】
天板14の前端縁14aと、蓋部16の前端縁16aと、袖部18の前端縁18aと、は、それぞれ、平面形状を有する。前後方向において、前端縁14a、16a、18aは、同一位置に配置されている。前端縁14a、16a、18aは、同一平面上に位置する。天板14の後端縁と、蓋部16の後端縁と、袖部18の後端縁と、は、それぞれ、平面形状を有する。天板14、蓋部16、及び、袖部18の後端縁は、前後方向の同一位置において、同一平面上に配置されている。天板14と袖部18とは、側枠32に対して固定されている。蓋部16は、天板14及び袖部18に対して移動可能に配置されている。
【0019】
天板14、蓋部16及び袖部18の上方には、住宅の壁に取り付けられるキッチンパネル28が配置されている。キッチンパネル28は、例えば、耐火性を有する材料で作製されている。キッチンパネル28は、平板形状を有する。キッチンパネル28は、一対の側枠32の間で、天板14、蓋部16及び袖部18と上端枠34との間に配置されている。
【0020】
蓋部16の下方には、キッチンシンク12が配置されている。キッチンシンク12は、棚板21に載置されている。蓋部16は、天板14及び袖部18に対して移動することによって、キッチンシンク12を開閉させる。蓋部16は、少なくとも、図1に示す閉じている状態と、図2に示す開いている状態と、の間で移動する。
【0021】
(キッチンシンク12の構成)
キッチンシンク12は、棚板20に載置されている。キッチンシンク12は、蓋部16が開かれている状態で、上方から視認可能となる。図3には、調理器具の一例として、フライパンFPが示されている。キッチンシンク12は、鉢部12bを有する。鉢部12bは、キッチンシンク12の上端縁から下方に凹んだ形状を有する。鉢部12bは、蓋部16が閉じられている状態で、蓋部16の下方に位置する空間を画定している。キッチンシンク12には、排水口12cと、水栓50と、水栓台52と、が配置されている。水栓50は、給水用の流路の一部である。水栓50は、鉢部12b内の空間に配置されている。水栓50は、ハンドル50aがユーザに操作されると、水を給水口50bから鉢部12bに給水する。水栓50は、蓋部16が閉じている状態で、蓋部16の下面よりも下方に位置している。水栓50は、蓋部16に接触しない位置に配置されている。水栓50は、鉢部12bの底面から上方に向かって延びる水栓台52の上方に固定されている。別の実施形態では、水栓台52には操作部しかなく、吐水部が別についていてもよい。
【0022】
図4に示すように、キッチンシンク12を上方から見ると、キッチンシンク12は、長方形状を有する。水栓台52は、キッチンシンク12の4個の角部のうち、右後方に位置する角部12eから延びている。水栓台52は、上面の三角形の平板状の上板52bと、上面から下方に折れ曲がって、上下方向に延びる平板状の側板52aと、を有する。水栓台52の下方は、空洞52c(図6参照)になっている。上板52bは、キッチンシンク12の上下方向の中間に配置されている。平面視において、上板52bによって形成される三角形の斜辺は、給水口50bが延びる方向と直交する。水栓台52の高さは、水栓50が蓋部16と干渉しない程度の高さに設定されている。側板52aには、オーバーフロー孔56が設けられている。オーバーフロー孔56は、排水用の流路の一部である。図6は、キッチンシンク12を正面視した状態で後方に傾けて、キッチンシンク12の下面が視認可能な視点で見た斜視図である。図6に示すように、オーバーフロー孔56は、排水管66に連通している。排水管66は、水栓台52の下方に位置する空洞52cを通過する。排水管66は、排水口12cに連通する排水管60に連結されている。排水管66は、上方から見たときにキッチンシンク12の範囲内に配置されている。
【0023】
図3に示すように、水栓台52は、洗剤等のボトルを配置するための凹部54を備える。凹部54は、上板52bから下方に窪んでいる。これにより、凹部54にボトル等を配置した場合にも、ボトル等がキッチンシンク12の上端を越えて上方に突出することを防止することができる。凹部54に配置したボトル等が蓋部16に接触することを防止することができる。
【0024】
図5に示すように、水栓50は、その大部分が左右方向においてキッチンシンク12の中央位置100よりも右側に配置されている。より詳細には、水栓50の少なくとも下端部分は、中央位置100よりも右側に配置されている。水栓50の少なくともハンドル50aと給水口50bとの根元に位置する水栓本体50cは、中央位置100よりも右側に配置されている。水栓50は、その大部分が前後方向においてキッチンシンク12の中央位置102よりも後側に配置されている。より詳細には、水栓50の少なくとも下端部分は、中央位置102よりも後側に配置されている。水栓50のハンドル50aの先端以外の部分は、中央位置102よりも後側に配置されている。水栓台52も、その大部分が左右方向においてキッチンシンク12の中央位置100よりも右側であって、中央位置102よりも後側に配置されている。
【0025】
図2に示すように、水栓50は、給水管64に連通している。給水管64は、上下方向に延びており、上方から見たときにキッチンシンク12の範囲内に配置されている。変形例では、給水管64は、キッチンシンク12の下方の壁から突出し、上方に湾曲していてもよい。本変形例でも、給水管64は、壁から突出して露出している部分において、上方から見たときにキッチンシンク12の範囲内に配置されているということができる。他の実施形態では、キッチンシンク12の範囲外に給水管64が立ち上がっており、且つ給水管64が動かせなくてもよい。給水管64は、上方から見たときに、キッチンシンク12の範囲外から立ち上がり、キッチンシンク12の範囲内に配置され、キッチンシンク12の範囲内で、水栓50に連通していてもよい。また他の実施形態では、配管カバーを設けてもよい。
【0026】
図4に示すように、排水口12cは、鉢部12bの底面に配置されている。排水口12cは、円形の開口を有する。排水口12cは、中央位置100よりも左側に、中央位置102よりも後側に配置されている。
【0027】
図6に示すように、排水口12cは、排水管60に連通している。排水管60は、排水口12cから下方に延び、右側に湾曲するトラップ部62を有する。排水管60は、排水口12cが中央位置100に対して対称に配置されてキッチンシンク12の右側に配置されている態様では、排水管60を回転させて、トラップ部62から排水口12cまでの部分を右側に配置させることによって、右側の排水口12cに連通することができる。これにより、排水口12cが左右どちらに配置されるかに応じて、排水管60の種類を変更せずに済む。
【0028】
図3に示すように、キッチンシンク12には、フライパンFPを配置することができる。フライパンFPは、フライパン本体FP1と、柄部分FP2と、を備える。フライパン本体FP1は、上方から見たときに円形を有する。フライパン本体FP1の底面は、円形の平板形状を有する。フライパンFPがキッチンシンク12に配置されている状態とは、フライパン本体FP1の下面が鉢部12bの底面と平行に接触して配置されることを意味する。本願において「平行」は、厳密な平行に限定されず、略平行も含む。フライパンFPがキッチンシンク12に配置されている状態で、フライパン本体FP1の高さは、水栓台52よりも低い。他の実施形態では、フライパンFPがキッチンシンク12に配置されている状態で、フライパン本体FP1の高さは、水栓台52よりも高くてもよい。フライパン本体FP1を排水口12c側である左側に配置し、柄部分FP2を水栓50側である右側に配置する場合に、フライパンFPをキッチンシンク12に配置することができる。図5に示すように、フライパン本体FP1は、フライパンFPがキッチンシンク12に配置されている状態で、キッチンシンク12の底面以外に接触しない範囲の最大寸法の直径を有する。柄部分FP2は、フライパンFPがキッチンシンク12に配置されている状態で、キッチンシンク12に接触しない最大寸法の長さを有する。なお、柄部分FP2の長さは、柄部分FP2の太さに応じて変動してもよい。一方において、左右方向において、フライパン本体FP1が水栓50側である右側に配置し、柄部分FP2を排水口12c側である左側に配置される場合には、フライパンFPをキッチンシンク12に配置することができない。キッチンシンク12では、図5に示す状態で、フライパン本体FP1の直径をキッチンシンク12の底面以外に接触しない範囲の直径まで最大化し、柄部分FP2をキッチンシンク12に接触しない長さ及び太さの少なくとも一方を最大化しても、フライパンFPがキッチンシンク12に配置されている状態で使用することができる。柄部分FP2の長さは、柄部分FP2の太さなどに応じて様々な長さであってもよい。
【0029】
フライパンFPがキッチンシンク12に配置されている状態では、フライパン本体FP1が、排水口12cの一部に重なっていない。フライパンFPがキッチンシンク12に配置されている状態でも、排水口12cの一部は、フライパンFPに覆われずに、露出している。これにより、フライパンFPがキッチンシンク12に配置されている状態で、水栓50から鉢部12bに水を供給しても、鉢部12b内の水は、排水口12cからスムーズに排水することができる。
【0030】
(効果)
キッチンユニット10では、キッチンシンク12を上方から見ると、水栓50の少なくとも下端部分が、長方形状のキッチンシンク12の中央位置100よりも右側であって、中央位置102により後側に配置されている。キッチンシンク12の左右方向の中央に立って作業するユーザの正面には、水栓50の少なくとも下端部分が配置されておらず、スペースが確保されている。ユーザは、正面のスペースを利用してキッチンシンク12での作業を行うことができる。キッチンシンク12を上方から見ると、排水口12cが、長方形状のキッチンシンク12の中央位置100よりも左側であって、中央位置102により後側に配置されている。排水口12cが左右方向において水栓50とは反対側に配置されているため、排水口12cを鉢部12bの奥側に配置することができる。ユーザが鉢部12bで作業を行う場合に、ユーザから見て手前側に食器等が配置されても、排水口12cが覆われずに済む。作業中にスムーズに排水されない事態を回避することができる。
【0031】
キッチンシンク12の寸法を単純に小型化すると、ユーザの作業スペースが小さくなり、ユーザの利便性が低下する。キッチンユニット10では、水栓50と排水口12cとの配置によって、排水が滞る事態を回避しつつ、ユーザの作業スペースを確保することができる。キッチンユニット10では、キッチンシンク12の寸法を小型化しても、ユーザの作業スペースを確保することができるため、ユーザの利便性が低下することを抑制することができる。
【0032】
水栓50は、下端において、下方から延びる給水管64と連通する。給水管64は、上方から見たときに、キッチンシンク12の範囲内に配置されている。給水管64が上方から見たときにキッチンシンク12の範囲外から水栓50に延びる構成と比較して、上方から見たときのキッチンシンク12の範囲外に給水管64を配置するスペースを確保せずに済む。別の実施形態では、給水管64のうち、水栓50との接続ジョイント以外の部位は、上方から見たときに、キッチンシンク12の範囲外から立ち上がり、キッチンシンク12の範囲内に配置され、キッチンシンク12の範囲内で、水栓50に連通していてもよい。リフォームで配管位置がシンク直下にない場合であっても、設置することができる。また他の実施形態では、配管カバーを設けてもよい。配管を隠蔽し見栄え良くできる。
【0033】
排水口12cは、下端において、下方から延びる排水管60と連通する。排水管60は、上方から見たときにキッチンシンク12の範囲内に配置されている。排水管60が上方から見たときにキッチンシンク12の範囲外から排水口12cに延びる構成と比較して、上方から見たときのキッチンシンク12の範囲外に排水管60を配置するスペースを確保せずに済む。別の実施形態では、排水管60のゴミかご以外の部位は、上方から見たときにキッチンシンク12の範囲内に配置されていなくてもよい。例えば、棚板22から下では、シンク範囲外の排水管の立ち上げ位置まで横引いていてもよいし、トラップを横引いてシンク範囲外へ持ってきてもよい。リフォームで配管位置がシンク直下にない場合であっても、設置することができる。他の実施形態では、配管カバーを設けてもよい。配管を隠蔽し見栄え良くできる。
【0034】
水栓50よりも角部12e側を清掃するためには、水栓50を越えて清掃用具を配置しなければならない。水栓50は、その形状によっては、給水口50bの高さを確保するために、低くすることが難しい。水栓台52を配置することによって、水栓50の周りが鉢部12bの底面よりも上方に位置する。ユーザは、水栓50よりも角部12e側を清掃する際に、水栓台52の上板52bに清掃用具を配置すればよい。水栓台52が配置されていない構成と比較して、清掃しやすくすることができる。
【0035】
ユーザは、水栓台52を、石鹸、スポンジ等、キッチンシンク12における作業に利用する用具を配置することができる。水栓台52の上面には、用具を載置するための窪み等の形状が形成されていてもよい。水栓台52の上面は、水捌けの観点から、角部12eから遠ざかるのに従って、下方に傾斜していてもよい。
【0036】
水栓台52には、オーバーフロー防止用のオーバーフロー孔56が設けられている。オーバーフロー孔56は、水栓台52の下方に形成される空洞52cに配置される排水管66と連通する。排水管66は、空洞52cから下方に延び、途中で湾曲して排水管60に連通する。排水管66は、上方から見たときにキッチンシンク12の範囲内に配置されている。排水管66を配置するためのスペースをキッチンシンク12の下方以外に確保せずに済む。変形例では、空洞52cに、排水管66以外の部品が収容されていてもよい。
【0037】
キッチンシンク12では、フライパンFPは、フライパン本体FP1を排水口12c側である左側に配置し、柄部分FP2を水栓50側である右側に配置する場合にキッチンシンク12に配置することができる。一方、フライパン本体FP1が水栓50側である右側に配置し、柄部分FP2を排水口12c側である左側に配置される場合には、フライパンFPをキッチンシンク12に配置することができない。キッチンシンク12では、フライパンFPをキッチンシンク12に配置している状態で、フライパンFPを洗うことができる。一方で、フライパンFPが逆向きとなった場合にはフライパンFPがキッチンシンク12に配置されることを許容しないことによって、キッチンシンク12を小型化することができる。キッチンユニット10では、作業性を確保しつつ、小型化を実現することができる。
【0038】
平面視において、上板52bによって形成される三角形の斜辺が、給水口50bが延びる方向と直交するので、給水口50bから吐水された水が、フライパン本体FP1に掛かりやすい。
【0039】
(第2実施形態)
図7及び図8を参照して、第2実施形態を説明する。第2実施形態のキッチンユニット10では、水栓250が水栓50と異なる。その他の第2実施形態のキッチンユニット10の構成は、第1実施形態のキッチンユニット10と同様であるため、説明を省略する。
【0040】
水栓250では、給水口250bの構成が給水口50bと異なる。水栓250のその他の構成は、水栓250と同様であるため、説明を省略する。給水口250bは、水栓本体50cに対して回転可能に配置されている。図7に示すように、蓋部16が閉められている状態では、給水口250bは、折り畳まれている状態で配置される。給水口250bが折り畳まれている状態では、給水口250bは、キッチンシンク12の上端よりも下方に位置している。給水口250bは、蓋部16が閉じられている状態で、蓋部16の下面よりも下方に配置される。蓋部16が閉められている状態で、水栓250が蓋部16に接触することが回避されている。
【0041】
図8に示すように、給水口250bが折り畳まれている状態から水栓本体50cに対して給水口250bを回転させることによって、給水口250bを使用状態まで立てた状態に配置することができる。給水口250bが使用状態である場合、給水口250bは、蓋部16が閉じられている状態の蓋部16の位置よりも上方に突出している。給水口250bをキッチンシンク12の上端よりも上方に配置することができる。
【0042】
(第3実施形態)
第3実施形態のキッチンユニット10は、第1実施形態および第2実施形態のキッチンユニット10とキッチンシンク12の寸法が異なる。第3実施形態に、第1実施形態および第2実施形態の技術的特徴の少なくとも一部を付加してもよい。
【0043】
図9に示すように、キッチンシンク12を平面視した状態で、鉢部12b内に、第1内接円300aおよび第2内接円300bを仮想的に考える。図9図15では、水栓50は図示省略されている。第1内接円300aの直径は直径DAであり、第2内接円300bの直径は直径DBである。直径DAは、直径DBの3倍以下である。直径DAは、例えば300mmである。直径DBは、例えば120mmから170mmまでの任意の値である。
【0044】
第1内接円300aは、鉢部12bの奥側、即ち後側の内周面12dと、水栓台52の稜線の平行線PLと、鉢部12bの第1の側壁12fと対向する第2の側壁12gの内周面12hとに接する。本実施形態においては、第1内接円300aは、鉢部12bの手前側、即ち前側の内周面12jにも接している。本実施形態においては、第1内接円300aに接する平行線PLは、水栓台52において、前後方向および左右方向に対して斜めに、内周面12dから第1の側壁12fの内周面12kまで延びる最大稜線RLに接する仮想線と一致する。つまり、第1内接円300aは、水栓台52の最大稜線RLに接している。
【0045】
第2内接円300bは、第1内接円300aと、平行線PLと、後述の接線TLに接している。当該接線TLは、鉢部12aの奥側の内周面12dと平行且つ、第1内接円300aに対して手前側で接する。第1内接円300aは、第2内接円300bの傍接円である。
【0046】
水栓台52と第1の側壁12fとの交点52dは、第1の側壁12fの前後方向の中点よりも手前側に位置する。このような位置関係になっているのは、水栓台52を適切な大きさにし、且つ三角形状という簡素な形状にした上で、鉢部12bの奥行きをコンパクトにした結果である。
【0047】
上記のように鉢部12bの奥行きをコンパクトにすることを実現しながらも、直径DAが直径DBの3倍以下、つまり、直径DBが直径DAの1/3以上であるため、第1内接円300aの部位にフライパン本体FP1を置き、第2内接円の部位に柄部分FP2を置くことができる。さらに、第2内接円300bの部位に置かれた柄部分FP2を、ユーザが手で掴むことができるスペースが確保される。
【0048】
図10図11は、第3実施形態の変形例を示す。図10の変形例のキッチンシンク12は、図9のキッチンシンク12と比較して、左右方向の長さが長い。図11の変形例のキッチンシンク12は、図9のキッチンシンク12と比較して、前後方向の長さが長い。これらの変形例でも、第1内接円300aの直径DAは、第2内接円300bの直径DBの3倍以下である。
【0049】
(第4実施形態)
第4実施形態のキッチンシンク12は、第3実施形態のキッチンシンク12と比較して、図12に示すように、第1内接円300aおよび第2内接円300bが、鉢部12bの手前側の内周面12jから離れている。第2内接円300bは、鉢部12bの奥側の内周面12dと平行且つ、第1内接円300aに対して手前側で接する接線TLに接する。つまり、第1内接円300aと第2内接円300bとの2つ目の共通接線TLは、鉢部12bの手前側の内周面12jと間隔を置いて平行に配置される。他の第4実施形態のキッチンシンク12の構成は、第3実施形態のキッチンシンク12と同様である。
【0050】
(第5実施形態)
第5実施形態のキッチンシンク12は、第3実施形態のキッチンシンク12と比較して、図13に示すように、第1内接円300aと第2内接円300bとが、水栓台52から離れている。但し、水栓台52の最大稜線RLと間隔を置いて平行に配置される平行線PLが、第1内接円300a及び第2内接円300bの共通接線になっている。他の第5実施形態のキッチンシンク12の構成は、第3実施形態のキッチンシンク12と同様である。
【0051】
(第6実施形態)
第6実施形態のキッチンシンク12は、図14に示すように、第4実施形態と第5実施形態の特徴を併せ持つ。第1内接円300a及び第2内接円300bの共通接線である平行線PLは、水栓台52の最大稜線RLと間隔を有して平行である。第1内接円300aと第2内接円300bとの2つ目の共通接線TLは、鉢部12bの手前側の内周面12jと間隔を置いて平行に配置されている。
【0052】
(第7実施形態)
第7実施形態のキッチンシンク12は、図15に示すように、水栓台52の形状が、平面視でほぼ五角形である。具体的には、本実施形態の水栓台52の形状は、第3実施形態の水栓台52を平面視した場合の三角形から鋭角の角を面取りした形状になっている。本実施形態の水栓台52の最大稜線RLは、他の実施形態と同様、鉢部12bに前後方向および左右方向に対して斜めの部位である。第1内接円300aは、水栓台52の最大稜線RLに接している。第2内接円300bは、水栓台52の最大稜線RLの延長線に接している。
【0053】
本実施形態の水栓台52は、平面視すると、最大稜線RLの延長線と、第1の側壁12fの内周面との交点52dが、第1の側壁12fの内周面12kの中点よりも手前側に位置する。本実施形態の水栓台52は、上方から見たときに、第1の側壁12fの内周面12kとの実際に交点52eについても、第1の側壁12fの内周面12kの中点よりも手前側に位置する。
【0054】
さらに他の実施形態においては、第1の側壁12fの内周面12kとの実際に交点52eについては、第1の側壁12fの内周面12kの中点よりも奥側に位置してもよい。但し、最大稜線RLの延長線と、第1の側壁12fの内周面12kとの交点は、第1の側壁12fの内周面12kの中点よりも手前側に位置することが好ましい。
【0055】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明した。これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0056】
キッチンユニット10は、蓋部16を備えていなくてもよい。この場合、水栓50は、キッチンシンク12の上端よりも上方に、配置されていてもよい。
【0057】
上記した実施形態では、キッチンシンク12は、4個の角部を備える。しかしながら、キッチンシンク12に配置される角部の個数は特に限定されない。角部12eは、頂点を有する角でなくてもよく、例えば円弧状に湾曲していてもよい。角部12eは、角部12eを挟む2つの平面であって、互いに角度が異なる平面を連結するように屈曲していればよい。なお、シンクをコンパクト化するためには、湾曲部・屈曲部の径は、台内接円300aの径より小さい方が望ましい。
【0058】
上記した実施形態では、中央位置100の左側に排水口12c、右側に水栓50の下端部分がそれぞれ配置されている。変形例では、中央位置100の左側に水栓50の下端部分、右側に排水口12cがそれぞれ配置されていてもよい。
【0059】
上記した実施形態では、フライパンFPが「特定の調理器具」の一例である。しかしながら、「特定の調理器具」は、フライパンFP以外の調理器具であってもよい。例えば、「特定の調理器具」は、フライパンFPよりも深い本体部分を有する片手鍋であってもよい。
【0060】
第3実施形態以降の特徴は必須ではない。例えば、第1、第2実施形態から以下の発明が抽出され得る。鉢部を有するキッチンシンクと、上方から見たときに、前記キッチンシンクに重なる位置に配置されている給水管に連通する水栓と、上方から見たときに、前記キッチンシンクに重なる位置に配置されている排水管に連通する排水口と、を備え、前記キッチンシンクの左右方向の中央である第1中央位置の左右の一方側に前記水栓の下端部分が配置されており、前記第1中央位置よりも左右の他方側に前記排水口が配置されており、ユーザが前記キッチンシンクを利用する場合に前記ユーザから見て手前側を前側とし、奥側を後側として前後方向を規定したとき、前後方向の中央である第2中央位置よりも後側に前記水栓の前記下端部分と前記排水口が配置されている、キッチンユニット。
【0061】
本明細書および図面のすくなくとも何れかに説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。本明細書および図面のすくなくとも何れかに例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
(項目1)
鉢部を有するキッチンシンクを備え、
前記鉢部内の奥側の内周面と、第1の側壁の内周面とによって形成される隅に、台が設けられ、
上方から見たときに、前記鉢部の前記奥側の前記内周面と、前記台の最大稜線との平行線と、前記第1の側壁と対向する第2の側壁の内周面とに接する第1内接円の直径は、前記第1内接円と、前記平行線と、前記鉢部の前記奥側の前記内周面と平行且つ、前記第1内接円に対して手前側で接する接線とに接する第2内接円の直径の3倍以下であり、
上方から見たときに、前記平行線と、前記第1の側壁の前記内周面との交点は、前記第1の側壁の前記内周面の中点よりも手前側に位置する、キッチンユニット。
(項目2)
前記台には、給水および排水の少なくとも何れかのための流路が設けられる、項目1に記載のキッチンユニット。
(項目3)
前記台は、水栓を設置するための水栓台であり、
上方から見たときに、前記水栓台の最大稜線は、前記水栓が延びる方向と直交する、項目2に記載のキッチンユニット。
(項目4)
前記水栓は、上方から見たときに、前記キッチンシンクに重なる位置に配置されている給水管に連通し、
上方から見たときに、前記キッチンシンクに重なる位置に配置されている排水管に連通する排水口を備え、
前記キッチンシンクの左右方向の中央である第1中央位置の左右の一方側に前記水栓の下端部分が配置されており、前記第1中央位置よりも左右の他方側に前記排水口が配置されており、
ユーザが前記キッチンシンクを利用する場合に前記ユーザから見て手前側を前側とし、奥側を後側として前後方向を規定したとき、前後方向の中央である第2中央位置よりも後側に前記水栓の前記下端部分と前記排水口が配置されている、項目3に記載のキッチンユニット。
(項目5)
前記水栓台は、前記鉢部の底面と上端との間に、前記鉢部の内側から外側に連通する開口を備え、
前記開口は、前記水栓台に内側を通過する前記排水のための前記流路に連通する、項目4に記載のキッチンユニット。
(項目6)
前記キッチンシンクは、以下の(1)及び(2)、すなわち、
(1)上方から見たときに円形状を有する調理器具本体と、前記調理器具本体から側方に延びる柄部分と、を備える特定の調理器具が、左右方向において、前記調理器具本体が前記排水口側であり、前記柄部分が前記水栓台の手前側である向きに配置される場合に、前記鉢部の底面と前記調理器具本体の下面とが平行に接触して配置可能であり、
(2)前記特定の調理器具が、左右方向において、前記調理器具本体が前記水栓台の手前側であり、前記柄部分が前記排水口側である向きに配置される場合に、前記鉢部の前記底面と前記調理器具本体の前記下面とを平行に接触して配置することができない、
形状を有する、項目4から5のいずれか一項に記載のキッチンユニット。
(項目7)
前記(1)であって、前記調理器具本体が、前記鉢部の前記底面と前記調理器具本体の前記下面とが平行に接触して配置可能な最大の寸法を有している場合に、前記排水口の少なくとも一部は、前記調理器具本体と重なっていない、項目6に記載のキッチンユニット。
(項目8)
前記鉢部を開閉可能に配置されている蓋部をさらに備え、
前記水栓は、前記蓋部が開かれている状態で閉じられている状態の前記蓋部の位置よりも上方に突出する状態から、前記蓋部が閉じられている状態で全体的に前記蓋部の下方に位置する状態に折り畳み可能である、項目4から7のいずれか一項に記載のキッチンユニット。
【符号の説明】
【0062】
10:キッチンユニット 12:キッチンシンク 12b:鉢部 12c:排水口 12e:角部 14:天板 16:蓋部 50:水栓 50a:ハンドル 50b:給水口 50c:水栓本体 52:水栓台 52c:空洞 54:凹部 56:オーバーフロー孔 60:排水管 64:給水管 66:排水管 100:中央位置 102:中央位置 250:水栓250b:給水口 FP:フライパン FP1:フライパン本体 FP2:柄部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15