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特許7587442切断屑除去装置及びスロッタ装置並びに製函機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】切断屑除去装置及びスロッタ装置並びに製函機
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/18 20060101AFI20241113BHJP
   B31B 50/22 20170101ALI20241113BHJP
   B26D 3/14 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
B26D7/18 E
B31B50/22
B26D3/14
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021028164
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022129486
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】名達 光洋
(72)【発明者】
【氏名】波多野 治
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/119194(WO,A1)
【文献】特開2018-108657(JP,A)
【文献】特開平07-132496(JP,A)
【文献】実開昭55-142300(JP,U)
【文献】特開平05-309606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/18
B31B 50/22
B26D 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールシートから段ボール箱を製造する製函機に装備され、前記製函機の排紙部に設けられたスロッタ装置による切断加工で発生した切断屑を除去する切断屑除去装置であって、
前記段ボールシートの切断加工部及び前記切断屑が走行する装置幅方向の走行領域に沿って配設され、前記切断屑に向けて、所定の噴射態様で、鉛直下方への方向成分を含むように空気を噴射する空気吹付装置と、
一枚の前記段ボールシートが前記空気吹付装置の空気噴射領域を通過する間に、前記空気吹付装置の作動を間欠的にオンオフ制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記空気吹付装置の空気噴射領域を前記切断屑が通過するタイミングでのみ前記空気吹付装置をオンに制御する
ことを特徴とする切断屑除去装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記段ボールシートの走行タイミング情報を取得し、前記走行タイミング情報に基づいた噴射態様で前記空気吹付装置をオンにする
ことを特徴とする請求項1に記載の切断屑除去装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記段ボール箱のオーダー情報を取得して、前記オーダー情報に基づいた前記噴射態様で前記空気吹付装置をオンにする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の切断屑除去装置。
【請求項4】
前記空気吹付装置は、圧縮空気供給源と、エアブローノズルと、前記圧縮空気供給源と前記エアブローノズルとを接続する空気供給路に介装された開閉弁を含む流量調整装置とを備え、
前記制御装置は、前記開閉弁を間欠的にオンオフ制御し、
前記流量調整装置は、圧縮空気の強さを調整する圧力調整弁を含み、
前記制御装置は、前記段ボール箱のオーダー情報に基づいて前記圧力調整弁を制御して圧縮空気の強さを調整する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【請求項5】
前記エアブローノズルは、前記走行領域の上方に配置され、前記走行領域に向けて空気吹き付け方向を設定された上部ノズルを含んでいる
ことを特徴とする請求項4に記載の切断屑除去装置。
【請求項6】
前記上部ノズルは、前記段ボールシート走行方向に沿って複数配置される
ことを特徴とする請求項5に記載の切断屑除去装置。
【請求項7】
前記上部ノズルは、前記段ボールシートの一方の装置幅方向端縁部に加工される糊代部の走行領域の上方に配置される糊代部用ノズルを含む
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の切断屑除去装置。
【請求項8】
前記上部ノズルは、前記段ボールシートの他方の装置幅方向端縁部が切断加工される端縁部の走行領域の上方に配置される端縁部用ノズルを含む
ことを特徴とする請求項5~7の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【請求項9】
前記上部ノズルは、前記段ボールシートの溝が切断加工される走行領域の上方に配置される溝用ノズルを含む
ことを特徴とする請求項5~8の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【請求項10】
前記スロッタ装置の下流側の前記走行領域の下方に、前記切断屑を廃棄する廃棄スペースが配備され、
前記エアブローノズルは、前記上部ノズルで前記走行領域から下方に吹き落された前記切断屑を前記廃棄スペースに案内する下部ノズルを含んでいる
ことを特徴とする請求項5~9の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【請求項11】
前記空気吹付装置は、前記噴射態様としての前記エアブローノズルの空気吹き付け方向を変更する、ノズル方向変更機構を備える
ことを特徴とする請求項4~10の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【請求項12】
前記制御装置は、ティーチングによって指定された空気の前記噴射態様を記憶する記憶部を備え、前記記憶部に記憶された空気の前記噴射態様で前記空気吹付装置を制御する
ことを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【請求項13】
段ボールシートから段ボール箱を製造する製函機に装備されるスロッタ装置であって、
前記スロッタ装置のスロッタナイフの下流側に、請求項1~12の何れか1項に記載の切断屑除去装置を備えている
ことを特徴とするスロッタ装置。
【請求項14】
スロッタ装置を備え、段ボールシートから段ボール箱を製造する製函機であって、
前記スロッタ装置の下流側に、請求項1~12の何れか1項に記載の切断屑除去装置を備えている
ことを特徴とする製函機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断屑除去装置及びそれを備えたスロッタ装置並びに製函機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボールシートから段ボール箱を製造する製函機は、給紙部、印刷部、排紙部、ダイカット部、フォルディング部(フォルダグルア)、カウンタエゼクタ部から構成されている。排紙部では、印刷された段ボールシートに、クリーザ装置によって折り線となる罫線を形成し、スロッタ装置によって、段ボールシートの装置幅方向中間部にフラップをなす溝を加工すると共に、装置幅方向一端部に接合用の糊代片を加工し、装置幅方向他端部の不要な端縁部を切断除去する。
【0003】
排紙部で溝や切断片を加工し端縁部を除去すると、切断屑が発生する。こうした切断屑が製品に混入しないように確実に分離除去することが必要である。
特許文献1には、こうした切断屑のうち不要な端縁部を切断することで発生するスリット屑に、上方から空気を吹き付けて下方に載置されたスリット屑ガイドへと導くことで、スリット屑を確実に分離除去しようとする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4544883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、排紙部で発生する切断屑を分離除去するには、以下のような種々の技術が考えられる。
(1)排紙部の出口にエアブローを配設して、このエアブローを常時オン状態にして切断屑に空気を吹き付けて、切断屑を切断直後に下方外側に吹き飛ばし除去する。
(2)スロッタ装置に装備された上ナイフの形状改善により切断屑が下刃に保持され易くすることで、除去を促進する。
(3)排紙部の下部に配設され、切断屑を廃棄スペースに案内する傾斜板にエアブローを配設し、このエアブローを常時オン状態にして、傾斜とダイカット部のロールやカバー等により狭くなっている隙間に切断屑が引っ掛るのを防止する。
(4)ダイカット部の入口にエアブローを配設して、このエアブローを運転時には常時オン状態にして流れてきた切断屑を外側に吹き飛ばして除去する。
(5)フォルディング部の入口にエアブローを配設して、このエアブローを運転時には常時オン状態にして流れてきた切断屑を外側に吹き飛ばして除去する。
(6)フォルディング部に配設された糊付装置よりも上流で、段ボールシート搬送経路の上下に、固定ブラシまたは回転ブラシを配設し、流れてきた切断屑を除去する。
【0006】
しかし、これらの技術を実施しても以下のような課題が発生する。
切断屑のうち、糊代片を加工することで発生する糊代屑については、糊代屑に空気を吹き付けると、糊代部にも空気が吹き付けられて糊代部が揺動し装置の周辺部位に干渉して傷や皺が入り、次工程の糊付けが正常に出来ないなど、不良品が発生してしまうため、空気を強く吹き付けることができない。
また、切断屑のうち、溝を加工することで発生するスロット屑や、不要な端縁部を切断することで発生するスリット屑についても、段ボールシート搬送方向前端部に空気が吹き付けられて段ボールシートが揺動し、装置の周辺部位に干渉して段ボールシートが変形したり、搬送の曲がりや遅れが発生するおそれがある。そのため、空気を強く吹き付けることができない。
このため、上記の(1)の排紙部の出口にエアブローを配設しただけでは製品中への切断屑の混入を防止できず、上記の(2)~(6)の技術の多くを併用することが必要になる。
この結果、切断屑を分離除去するための装置が大掛かりになりコストが高くなる。
また、上記の(1)~(6)の技術を全て併用しても製品中に切断屑が混入することがある。
【0007】
特に、糊代部の両端縁(段ボールシートの走行方向前後端縁)にオーバーフラップを備えた段ボール箱の場合、糊代屑に空気を吹き付けると、オーバーフラップにも空気が吹き付けられて糊代部が揺動すると共にオーバーフラップがそれ以上揺動するため、装置の周辺部位への干渉のおそれが一層顕著になったり、オーバーフラップが捲れたまま糊付けされる等の不良品が発生しやすくなる。このため、吹き付ける空気の強さをより抑えることが必要になり、製品中に糊代屑が混入する頻度がより高くなってしまう。
【0008】
本発明は、このような課題に着目して創案されたもので、装置の複雑化やコスト増を抑えながら、段ボールシートから段ボール箱を製造する際に発生する切断屑を確実に分離除去することができる切断屑除去装置及びそれを備えたスロッタ装置並びに製函機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本件の切断屑除去装置は、段ボールシートから段ボール箱を製造する製函機に装備され、前記製函機の排紙部に設けられたスロッタ装置による切断加工で発生した切断屑を除去する切断屑除去装置であって、前記段ボールシートの切断加工部及び前記切断屑が走行する装置幅方向の走行領域に沿って配設され、前記切断屑に向けて、所定の噴射態様で、鉛直下方への方向成分を含むように空気を噴射する空気吹付装置と、一枚の前記段ボールシートが前記空気吹付装置の空気噴射領域を通過する間に、前記空気吹付装置の作動を間欠的にオンオフ制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記空気吹付装置の空気噴射領域を前記切断屑が通過するタイミングでのみ前記空気吹付装置をオンに制御することを特徴としている。
【0010】
本件のスロッタ装置は、段ボールシートから段ボール箱を製造する製函機に装備されるスロッタ装置であって、前記スロッタ装置のスロッタナイフの下流側に、上記の切断屑除去装置を備えていることを特徴としている。
【0011】
本件の製函機は、段ボールシートから段ボール箱を製造する製函機であって、上記の切断屑除去装置を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本件によれば、空気吹付装置の空気噴射領域を切断屑が通過するタイミングでのみ空気吹付装置がオンに制御されるので、切断屑にのみ空気を強く吹き付けることができ、切断加工部への空気の吹き付けを抑えて切断加工部の揺動を抑えながら、切断屑を確実に除去することができる。また、空気吹付装置以外の切断屑除去装置も不要となり装置構成がシンプルで、装置の複雑化やコスト増も抑えることができる。さらに、空気噴射を間欠的に行うので、空気の消費量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態にかかる切断屑除去装置を説明する図であって、(a)はその要部を示す側面図、(b)はその空気吹き付け手法を示す段ボールシートの平面図である。
図2】各実施形態に係るスロッタ装置を備えた段ボール製函機の全体構成を示す図である。
図3】各実施形態に係る切断屑除去装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図4】各実施形態に係る切断屑除去装置の空気供給系の構成である。
図5】第1実施形態に係るスロッタ装置を示す模式的な側面図である。
図6図5のスロッタ装置の模式的な平面図であって、各部に配置されるエアブローノズルの空気吹き付け方向を併記している。
図7】各実施形態に係る切断屑除去装置の空気吹き付け手法の変形例を示す段ボールシートの平面図である。
図8】各実施形態に対する比較例の空気吹き付け手法を示す段ボールシートの平面図である。
図9】第1実施形態の変形例に係るタッチパネルディスプレイに表示する操作ボタンの第1例を示す図である。
図10】第1実施形態の変形例に係るタッチパネルディスプレイに表示する操作ボタンの第2例を示す図である。
図11】第1実施形態の変形例に係るタッチパネルディスプレイに表示する表示画面を示すと共に、表示された操作ボタンの操作例を示す図である。
図12図11の表示画面に表示された操作ボタンの変更操作例を示す図である。
図13】第2実施形態に係るスロッタ装置を示す模式的な側面図である。
図14図13のスロッタ装置の模式的な平面図であって、各部に配置されるエアブローノズルの空気吹き付け方向を併記している。
図15】第3実施形態に係るスロッタ装置を示す模式的な側面図である。
図16図15のスロッタ装置により2-UP方式で製造される段ボールシートの平面図である。
図17図15のスロッタ装置の模式的な平面図であって、各部に配置されるエアブローノズルの空気吹き付け方向を併記している。
図18】第4実施形態にかかる切断屑除去装置を説明する要部側面図である。
図19】第5実施形態にかかる切断屑除去装置を説明する要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
なお、以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
【0015】
〔製函機全体構成〕
各実施形態にかかるスロッタ装置は、製函機に装備されている。まず、図2を参照して、各実施形態にかかるスロッタ装置を備えた製函機について説明する。なお、下記の説明では、段ボールシート(以下、単に「シート」ともいう)10の搬送方向TDを前方、その逆方向を後方とし、重力方向(鉛直下方)を下方、その逆方向(鉛直上方)を上方とする。また、製函機の装置幅方向(搬送方向TD及び鉛直方向と直する方向)を左右方向とする。
【0016】
図2に示すように、この製函機は、シートの搬送方向TDにおいて上流側から順に配置された、給紙部1と、印刷部2と、排紙部3と、ダイカット部4と、フォルディング部5と、カウンタエゼクタ部6とを備える。なお、図2において、板状のシート10が製函用シート10A、折り畳んだ状態の段ボール箱10Bに加工される工程を装置構成の上方に装置構成とは分けて示している。シートは、給紙部1からカウンタエゼクタ部6までの直線状の搬送経路を或る一定の搬送速度で搬送される。
【0017】
給紙部1では、シート10が多数積載された状態で搬入され、このシート10を1枚ずつ印刷部2に供給する。
印刷部2は、所定の色数(ここでは、4色)の印刷ユニット2a~2dからなり、印刷部2では、搬送コンベア20によって1枚ずつ搬送されるシート10に、各色のインキを順次印刷する。
【0018】
排紙部3及びダイカット部4では、印刷部2で印刷されたシート10に、溝切りや糊代部の加工や縦罫線の加工(罫線入れ)や孔明けや打ち抜き加工等を行なう。つまり、排紙部3では、後述のスロッタ装置によりシート10に溝切りや糊代部の加工を行い、クリーザ装置により罫線入れを行い、ダイカット部4ではシート10に手穴,空気穴等の孔開け及び打ち抜きの加工を行ない、製函用シート10Aとする。
なお、ダイカット部4では、特殊な形状の箱を作成するための溝切り,罫線入れを行なうこともある。したがって、排紙部3及びダイカット部4のどちらも溝切り,罫線入れを行なう機能を有している。
【0019】
そして、フォルディング部5では、溝切りや糊代部加工及び罫線入れ等をされた製函用シート10Aの左右方向一端の糊代に糊付けするとともに、製函用シート10Aの左右両端部が裏側(下方)で重合するように、折り曲げ加工を行なって、左右両端部が糊によって接着された、折り畳んだ状態の段ボール箱10Bとする。カウンタエゼクタ部6では、折り畳んだ状態の段ボール箱10Bを計数しながら積み重ね、所定数のバッチ100に仕分けして排出する。
【0020】
以下、切断屑除去装置を装備したスロッタ装置について、第1~第3の各実施形態を説明する。
第1実施形態では、シングルスロッタを例示し、第2実施形態では、ダブルスロッタを例示し、第3実施形態では、デュアルスロッタを例示し、それぞれ説明する。
【0021】
[第1実施形態]
〔スロッタ装置〕
まず、第1実施形態にかかる切断屑除去装置を装備したスロッタ装置を説明する。なお、第1実施形態では、シングルスロッタとしてのスロッタ装置30を説明する。
【0022】
図1(a),図5に示すように、スロッタ装置30の上流には搬送ローラ5758が備えられる。搬送ローラ5758は、クリーザ装置60により罫線入れされた後のシート10を、搬送方向TDに沿って一定の搬送速度で搬送し、スロッタ装置30に供給する。
図1(b)に示すように、製函用シート10Aは、シート10に糊代部15及びスロット11,12を加工する。また、本実施形態の製函用シート10Aは、糊代部15の両端縁(搬送方向TDの前後端)にオーバーフラップ16を備えている。
【0023】
〔スロッタ装置〕
スロッタ装置30としては、図6に示すように、糊代部15(オーバーフラップ16を含む)を形成するために、シート10の一方の端縁部において、糊代部15よりも搬送方向TDの前方側の除去部15aを切断すると共に糊代部15よりも搬送方向TDの後方側の除去部15bを切断する第1スロッタ装置30Aと、搬送方向TDの前方側のスロット11(図1(b)参照)及び搬送方向TDの後方側のスロット12(図1(b)参照)を切断する3つの第2スロッタ装置30Bを備えている。また、スロッタ装置30には、シート10の他方の端縁部において、シート10の端縁部を切断するスリッタ装置39が装備されている。
なお、以下の説明では、第1スロッタ装置30A、第2スロッタ装置30B及びスリッタ装置39を区別しない場合は、スロッタ装置30と呼ぶ。
【0024】
各スロッタ装置30A,30Bは、図1に示すように、シート10の搬送経路を挟んで上下対向して配置された上スロッタヘッド31と下スロッタヘッド32とを有する。
上スロッタヘッド31は、上側回転軸33に支持されており、上側回転軸33は図示しない上側モータに連結されている。また、下スロッタヘッド32は、下側回転軸34に支持されており、下側回転軸34は図示しない下側モータに連結されている。上側モータ及び下側モータはモータ制御装置(図示略)によって回転駆動を制御される。
【0025】
なお、モータ制御装置は、後述する制御装置52と同様にコンピュータが用いられ、演算部及び処理部の機能を有するCPU(中央処理装置)と、ROM及びRAMを含む主記憶装置とHDDやSSDを含む補助記憶装置とを有する記憶部(記憶装置)と、入力インタフェースを含む入力部と、出力インタフェースを含む出力部と、これらを相互に接続するバスと、を含んで構成される。入力部にはモータの作動を制御するための情報が入力され、この情報に基づいてCPUで処理した指令情報が出力部からモータの制御系に出力され、モータが制御される。
【0026】
図1(a)及び図5に示すように、上スロッタヘッド31には第1スロッタナイフ35及び第2スロッタナイフ36が周方向に間隔を開けて取り付けられている。
一方の第1スロッタナイフ35は、糊代部15よりも搬送方向TDの前方側のスロット11(図1(b)参照)を形成するために用い、他方の第2スロッタナイフ36は搬送方向TDの後方側のスロット12(図1(b)参照)を形成するために用いる。また、下スロッタヘッド32は、詳細は図示しないが、第1スロッタナイフ35及び第2スロッタナイフ36に対応して、間隔をあけて取付けられた2枚のナイフからなる受刃を備えている。
【0027】
第1スロッタナイフ35は回転方向Rの後方の端部に、また、第2スロッタナイフ36は回転方向Rの前方の端部に、それぞれ、刃先から突出する突起部37,38を備える。突起部37,38は、それぞれ、シート10に突き刺さることにより、スロット11,12の端部13,14(図1(b)参照)を切断する。また、第1スロッタナイフ35及び第2スロッタナイフ36の側面に、糊代ナイフ70,71を備える。糊代ナイフ70,71は糊代部15の端部を切断する。なお、糊代ナイフ70,71は、図示しない機構により第1スロッタナイフ35及び第2スロッタナイフ36の円弧方向に沿って移動できるようになっている。
【0028】
また、第1スロッタナイフ35と第2スロッタナイフ36とは、周方向の相互間隔を調整可能に取り付けられている。第1スロッタナイフ35の後端部と第2スロッタナイフ36の前端部との相互間隔は、製造する段ボール箱の仕様として決められた箱深さに応じて、設定される。
【0029】
〔切断屑除去装置〕
本実施形態にかかる切断屑除去装置50は、スロッタ装置30による切断で発生する切断屑を除去するための装置である。
図3に示すように、切断屑除去装置50は、エアブロー装置(空気吹付装置)51と、エアブロー装置51の作動を間欠的にオンオフ制御する制御装置52とを備えている。
【0030】
制御装置52は、コンピュータが用いられ、演算部及び処理部の機能を有するCPU(中央処理装置)52aと、ROM及びRAMを含む主記憶装置とHDDやSSDを含む補助記憶装置とを有する記憶部(記憶装置)52bと、入力インタフェースを含む入力部52cと、出力インタフェースを含む出力部52dと、これらを相互に接続するバス52eと、を含んで構成される。なお、入力部52c及び出力部52dは、外部機器と通信する通信部としての機能も有している。
【0031】
入力部52cには、オペレータ等が入力操作をするボタンやダイヤルやキーボードやマウス等の入力装置52fや生産管理装置61やセンサ類52g等が通信部を介して接続され、入力装置52fから入力された入力情報や生産管理装置61からの情報やセンサ類52gで検出された検出情報は、入力部52cを通じて制御装置52に取り込まれる。生産管理装置61からの情報に、段ボール箱1Bのオーダー情報が含まれ、センサ類52gからの検出情報には、シート10の移動(速度や位置)に関するシート移動情報が含まれる。
【0032】
なお、生産管理装置61も、制御装置52と同様にコンピュータが用いられ、演算部及び処理部の機能を有するCPU(中央処理装置)と、ROM及びRAMを含む主記憶装置とHDDやSSDを含む補助記憶装置とを有する記憶部(記憶装置)と、入力インタフェースを含む入力部と、出力インタフェースを含む出力部と、これらを相互に接続するバスと、を含んで構成される。
【0033】
出力部52dには、ディスプレイやプリンタ等の出力装置52h及び制御対象の排紙部3等の制御系が通信部を介して接続され、CPU52aで処理された出力情報や制御指令情報は、出力部52dを通じて出力装置52hや排紙部3の制御系に出力される。排紙部3の制御系には、後述するエアブロー装置51の制御要素が含まれ、エアブロー装置51の制御要素は出力部52dから出力される制御指令情報によって制御される。
【0034】
本実施形態では、入力装置及び出力装置(表示装置)として機能するタッチパネルディスプレイ52iが、入力部52c及び出力部52dに接続されており、タッチパネルディスプレイ52iを通じて入力情報の入力操作や出力情報の表示ができるようになっている。ここでは、タッチパネルディスプレイ52iを、他の入力装置52fや出力装置52h併設しているが、タッチパネルディスプレイ52iのみで入力装置や出力装置を構成してもよい。
【0035】
エアブロー装置51は、シート10の切断加工部(具体的には、糊代部15を形成する切断加工部やスロット11,12を形成する切断加工部)及びこの切断加工によって発生する切断屑17(具体的には、糊代屑17aやスロット屑17bやスリット屑17c)が走行する装置幅方向の走行領域に沿って配設され、切断屑17に向けて所定の噴射態様で空気を噴射する。
この場合、噴射態様として、制御装置52は、エアブロー装置51の空気噴射領域を切断屑17が通過するタイミングでのみエアブロー装置51をオン(空気噴射)に制御する。なお、噴射態様としては、空気噴射にかかる噴射タイミング,噴射の強さ,噴射の時間的な長さをはじめ、連続噴射か間欠噴射か、パルス状か否か、吹き付け方向をどのように設定するか等、空気がどのように吹き付けられるかの様々な態様を含む。
【0036】
エアブロー装置51は、空気供給源53と、流量調整装置54と、エアブローノズル55と、これらを連通接続するエア配管56とを備える。
空気供給源53は、圧縮空気を吹き付けない構成の場合、例えば、公知の送風機から構成される。送風機を適用する場合、送風機を構成するファンの回転の強弱により、供給する空気の速さ(風速)等を調整することができる。また、図4に示すように、空気供給源53は、例えば、圧縮空気を生成するコンプレッサ53Aと、コンプレッサ53Aで生成された圧縮空気を一時的に貯留するエアタンク53Bとから構成される。流量調整装置54は、圧縮空気を吹き付けない構成の場合、例えば、公知のダンパーから構成される。ダンパーを適用する場合、ダンパーの開閉により、空気の噴射と噴射停止とを、送風機のみで行う場合よりも高速に切り替えることができる。
また、圧縮空気を吹き付ける構成の場合、図4に示すように、流量調整装置54は、例えば、圧縮空気の圧力を所定圧に減圧する減圧弁54Aと、圧縮空気の供給をオンオフする電磁式の開閉弁54Bとを備える。なお、減圧弁54Aに替えて、圧縮空気の強さ(「空気の吹き付け強さ」又は「空気圧」ともいう)を調整する電磁式の圧力調整弁を備えてもよい。本実施形態では特に、空気供給源53は、コンプレッサ53Aとエアタンク53Bとから構成され、流量調整装置54は、減圧弁54Aと開閉弁54B、減圧弁54Aに替えて、電磁式の圧力調整弁にて構成する場合について説明する。
【0037】
エアブローノズル55は、シート10の走行領域Aの上方に配置され、走行領域Aに向けて空気吹き付け方向を設定された上部ノズル55A,55Bと、スロッタ装置30の下流側の走行領域Aの下方に配備され、上部ノズル55A,55Bで走行領域Aから下方に吹き落された切断屑17を、傾斜板Vとともに廃棄スペースSに案内する下部ノズル55Cと、を含む。
また、これらの上部ノズル55A,55Bは、いずれも、段ボールシート10の一方の装置幅方向端縁部に加工される糊代部の走行領域の上方に配置され糊代屑17aに空気を吹き付ける糊代部用ノズルと、段ボールシート10にスロット11,12を形成する走行領域の上方に配置されスロット屑17bに空気を吹き付ける溝用ノズルと、段ボールシート10の他方の装置幅方向端縁部にスリット加工がされる走行領域の上方に配置されスリット屑17cに空気を吹き付ける端縁部用ノズルと、を備えている。
【0038】
上部ノズルとしては、スロッタ装置30の上スロッタヘッド31(スロッタナイフ35,36)の直下流側に配置される第1上部ノズル55Aと、スロッタ装置30の下流側に配置される第2上部ノズル55Bとが備えられる。
第1上部ノズル55Aが配置されるスロッタナイフ35,36の直下流側とは、スロッタ装置30の領域内で、スロッタナイフ35,36の回転軌跡の搬送方向TDの前端側の鉛直下方の領域と規定することもできる。
一方、第2上部ノズル55Bが配置されるスロッタ装置30の下流側とは、少なくとも第1上部ノズル55Aよりも下流側であり、ダイカット部4との境界付近を含んでこれよりも下流側である。
【0039】
第1上部ノズル55Aは、第1スロッタ装置30A、3つの第2スロッタ装置30B、及びスリッタ装置39の各ナイフの直下流側にそれぞれ装備され、第2上部ノズル55Bは、第1スロッタ装置30A、3つの第2スロッタ装置30B、及びスリッタ装置39の下流側にそれぞれ装備される。また、下部ノズル55Cは、それぞれのナイフの下流側の走行領域Aの下方に配置される。廃棄スペースSは下部ノズル55Cの下方に装置幅方向全域に亘って設けられる。
【0040】
なお、図5には、各ノズルの配置箇所を黒色の星印で示している。第1上部ノズル55Aは符号P1を付した星印の箇所に、第2上部ノズル55Bは符号P2を付した星印の箇所に、下部ノズル55Cは符号P3を付した星印の箇所に、それぞれ配置される。
【0041】
また、制御装置52には、図3に示すように、エアブロー装置51の各ノズル55A,55B,55Cから吹き付けられる圧縮空気の強さを設定するために生産管理装置61からの段ボール箱10Bのオーダー情報が入力され、エアブロー装置51をオン制御するタイミングを把握するために、センサ類52gからのシート移動情報が入力される。
オーダー情報からは、切断屑17のサイズ又は重量を推定することができる。切断屑17のサイズ又は重量に応じて、圧縮空気の噴射態様を選択することができる。
シート移動情報には、シート10の移動速度とシート10の所定箇所(例えばシート10の前端)が製函機のスロッタ装置30の切断屑発生個所よりも上流側の所定位置を通過するタイミング(通過タイミング)とが含まれ、この情報から、噴射態様として、圧縮空気の噴射タイミングを設定することができる。
【0042】
シート移動情報の具体的な例としては、以下のものがあげられる。
第1例は、本実施形態で採用するもので、シート10の走行速度を規定する主駆動モータの速度指令情報を取得し、この情報からシート10の移動速度を把握する。通過タイミング情報としては、図1に示すように、センサ類52gとして、スロッタ装置30を回転駆動する図示しない駆動モータに配設された原点センサ90の信号を取得し、シート10の通過タイミングを把握する。なお、原点センサ90は、例えばエンコーダである。
【0043】
第2例としては、図1に二点鎖線で示すようにセンサ類52gとして、シート10の走行領域Aに沿って2つのシート検知センサ91をシート10の走行方向に離隔して配置し、シート10が2つのシート検知センサ91を通過した時間差と2つのシート検知センサ91の距離とからシート10の移動速度を演算することができ、いずれか一方のシート検知センサの検知情報からシート10の通過タイミングを把握することができる。なお、シート検知センサ91は、例えば光電センサである。
【0044】
第3例としては、図1に二点鎖線で示すように、センサ類52gとして、シート10の走行領域Aに沿ってシート10の通過を検知するシート検知センサ92を装備し、シートの走行速度と比例した回転速度で回転するローラ(例えば搬送ローラ57)に、図1に二点鎖線で示すようにエンコーダ93を設置する。これにより、エンコーダ93の検出情報からシート10の移動速度を演算することができ、シート検知センサ92の検知情報からシート10の通過タイミングを把握することができる。なお、シート検知センサ92は、例えば光電センサである。また、センサ類52gはその他公知のセンサを使用することができる。
【0045】
それぞれの上部ノズル55A,55Bの空気吹き付け方向は、鉛直下方への方向を主体に設定されている。
図6には、スロッタ装置30の下方の図面スペースに、各上部ノズル55A,55Bの空気吹き付け方向を、上下左右に計4マスの升目及び上下に計2マスの升目を用いて記載している。何れの上部ノズル55A,55Bも、空気吹き付け方向を升目内に丸印を付けて示す鉛直下方を主体に設定される。ただし、空気吹き付け方向は、鉛直下方への方向成分を含むことは必須であるが、噴射態様として、鉛直下方に対して所定方向に傾斜させてもよい。
【0046】
装置幅方向両端に位置する第1スロッタ装置30A及びスリッタ装置39に装備される上部ノズル55A,55Bは、切断屑17を下流側に走行する製函シート10Aからできるだけ速やかに且つ確実に離隔させるために、噴射態様として、鉛直下方に対して装置幅方向外側に傾斜させてもよく、鉛直下方に対して搬送方向TDの上流側に傾斜させてもよい。また、鉛直下方に対して装置幅方向外側且つ搬送方向TDの上流側に傾斜させてもよい。
【0047】
装置幅方向中間部に位置する各第2スロッタ装置30Bは、切断屑17を下流側に走行する製函シート10Aからできるだけ離隔させるために、噴射態様として、鉛直下方に対して搬送方向TDの上流側に傾斜させてもよい。
【0048】
即ち、上部ノズル55A,55Bの空気吹き付け方向は、鉛直下方への方向成分を含むことを前提に、切断屑17を下流側に走行する製函シート10Aからできるだけ速やかに離隔させるために、噴射態様として、装置幅方向外側への方向成分を含んでもよく、鉛直下方に対して搬送方向TDの上流側への方向成分を含んでもよい。
【0049】
エアブロー装置51をオンにするオン制御期間に、図1(b)に示すように連続的に圧縮空気を噴射する手法のほかに、図7に示すようにパルス状に断続的に圧縮空気を噴射する手法がある。圧縮空気をパルス状に断続的に噴射すると、圧縮空気の圧力を高めやすいので、重量があるなどにより除去し難い切断屑17に対しては、パルス状の噴射を用いることで、強い圧縮空気を利用して除去することができる。
【0050】
本実施形態では、エアブロー装置51をオンにするオン制御期間に、図1(b)に示すように連続的に圧縮空気を噴射する第1モードと、図7に示すようにパルス状に断続的に圧縮空気を噴射する第2モードとを備え、制御装置52が、段ボール箱10Bのオーダー情報から推定できる切断屑17のサイズ又は重量に基づいて第1モードと第2モードとの何れかの噴射態様を選択して空気噴射を行うようになっている。
【0051】
〔作用及び効果〕
本実施形態にかかる切断屑除去装置50、及びこれを備えたスロッタ装置30は上記のように構成されているので、以下のような作用効果を得ることができる。なお、空気供給源53が送風機で構成され、流量調整装置54がダンパーから構成される場合も、同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
シート10に形成される糊代部15(オーバーフラップ16を含む)やスロット11,12といった切断加工部及び糊代屑17aやスロット屑17bといった切断屑17の走行領域には、切断加工部や切断屑17が通過するが、噴射態様として、エアブロー装置51の空気噴射領域を切断屑17が通過するタイミングでのみエアブロー装置51がオンに制御されるので、切断屑17にのみ圧縮空気を強く吹き付けることができる。
【0053】
このため、糊代部15やスロット11,12といった切断加工部への圧縮空気の吹き付けを抑えて、糊代部15やオーバーフラップ16の揺動を抑えながら、切断屑17を確実に除去することができる。
【0054】
つまり、図8に示すように、切断屑17の通過する装置幅方向に連続的に圧縮空気を噴射すると、圧縮空気は、糊代屑17aやスロット屑17bといった切断屑17だけでなく、糊代部15(オーバーフラップ16を含む)やスロット11,12といった切断加工部にも、吹き付けられることになる。
【0055】
糊代部15やオーバーフラップ16に圧縮空気が吹き付けられると、糊代部15やオーバーフラップ16が揺動し装置の周辺部位に干渉してシート10に傷や皺が入り、次工程の糊付けが正常に出来ないなど、不良品が発生してしまう。また、スロット11,12に圧縮空気が吹き付けられると、シート10の搬送方向前端部に空気が吹き付けられて、シート10の糊代部15やオーバーフラップ16以外の部分が揺動し、装置の周辺部位に干渉してシート10が変形したり、搬送の曲がりや遅れが発生するおそれがある。このため、切断屑17に十分に強い圧縮空気を吹き付けることが困難であり、切断屑17を除去できない場合がある。
【0056】
本装置では、糊代部15やスロット11,12といった切断加工部への圧縮空気の吹き付けが抑えられるので、糊代部15やオーバーフラップ16の揺動、あるいはシート10の他の部分の揺動が抑えられ、シート10に傷や皺が入り、次工程の糊付けが正常に出来ないなどの不具合の発生が回避され、切断屑17に十分に強い圧縮空気を吹き付けることができ、切断屑17を確実に除去することができる。
【0057】
また、発明が解決しようとする課題の欄で複数の装置や制御を併用して切断屑17を除去する手法に比べて、装置構成がシンプルとなり、装置の複雑化やコスト増も抑えることができる。また、空気噴射を間欠的に行うので、空気の消費量を抑えることができる。
【0058】
また、制御装置52は、シート10の走行タイミング情報を取得し、この走行タイミング情報に基づいた噴射態様でエアブロー装置51をオンにするので、適切なタイミングにより確実に切断屑17にのみ空気噴射を行うことができる。
【0059】
さらに、制御装置52は、段ボール箱10Bのオーダー情報(例えば、切断屑17のサイズや重量)を取得して、このオーダー情報に基づいた噴射態様でエアブロー装置51をオンにするので、例えば圧縮空気の強さを調整して、必要な圧縮空気の強さで確実に切断屑17を除去することができる。
【0060】
特に、本実施形態では、エアブロー装置51による圧縮空気の噴射態様として、エアブロー装置51をオンにするオン制御期間に、パルス状に空気噴射を行うモード(第2モード)を備えているので、高圧の圧縮空気を要する切断屑17に対しては、第2モードを用いることで、確実に切断屑17を除去することができる。
【0061】
なお、圧縮空気の噴射態様の変更手法としては、前記流量調整装置は、電磁式の圧力調整弁を用いることもできる。つまり、制御装置52が段ボール箱10Bのオーダー情報に基づいた噴射態様で圧力調整弁を制御して圧縮空気の強さを調整する。これにより、高圧の圧縮空気を要する切断屑17に対しては、圧力調整弁を制御して圧縮空気の強さを高めることで、確実に切断屑17を除去することができる。また、比較的高圧の圧縮空気を必要としない切断屑17に対しては、圧力調整弁を制御して圧縮空気の強さを低くすることで、確実に切断屑17を除去することができるようにしながら、空気の消費量を抑えることができる。
【0062】
また、上部ノズル55A,55Bによって、切断された切断屑17を速やかに且つ確実に分離除去することができる。
特に、スロッタ装置30のスロッタナイフ35,36の直下流側に配置される第1上部ノズル55Aにより、切断された直後の切断屑17を速やかに且つ確実に分離除去することができる。
また、スロッタ装置30の下流側に配置される第2上部ノズル55Bにより、第1上部ノズル55Aの設置が困難な場合に除去されない切断屑17や、第1上部ノズル55Aで分離除去できなかった切断屑17に対しても、確実に分離除去することができる。
【0063】
噴射態様として、上部ノズル55A,55Bの空気吹き付け方向を、鉛直下方への方向成分を含むように設定することで、上部ノズル55A,55Bによって、切断された切断屑17を速やかに且つ確実に鉛直下方に分離除去することができる。
【0064】
また、噴射態様として、上部ノズル55A,55Bの空気吹き付け方向を、装置幅方向外側への方向成分を含むように設定することで、上部ノズル55A,55Bによって、切断された切断屑17を速やかに且つ確実に装置幅方向外側に分離除去することができる。
【0065】
さらに、噴射態様として、上部ノズル55A,55Bの空気吹き付け方向を、走行方向上流側への方向成分を含むように設定することで、上部ノズル55A,55Bによって、切断された切断屑17を速やかに且つ確実に走行方向上流側に分離除去することができる。
【0066】
下部ノズル55Cを装備することによって、上部ノズル55A,55Bで走行領域Aから下方に吹き落された切断屑17を廃棄スペースSに確実に案内することができる。
【0067】
〔第1実施形態の変形例〕
上記のように、本実施形態では、制御装置52が、オーダー情報に基づき、噴射態様として、空気の吹き付け強さ(空気圧)、空気の吹き付け間隔の選択、即ち、第1モード(連続して空気を吹く)及び第2モード(パルス状に空気を吹く)の何れを選択するか、及び、第2モードを選択した場合のパルス間隔を調整するが、このためには、オーダー情報と、空気の噴射態様とを対応させるデータベースが必要となる。
【0068】
一方、データベースを用意することなく、オーダー情報に対する空気の吹き付け強さや空気吹き付け間隔やパルス間隔をマニュアルで設定し、この設定情報によりいわゆるティーチングを行うように構成してもよい。ここで、このような空気の吹き付け強さや空気吹き付け間隔やパルス間隔の制御について説明する。
【0069】
この制御では、オペレータが、空気を吹く強さや、空気吹き付け間隔の選択(第1モード及び第2モードの何れを選択するか)や、第2モードを選択した場合のパルス間隔を設定変更したら、制御装置52は、そのときの変更された設定値をオーダー情報と対応させて記憶し、次回同様のオーダーが来た時はその記憶させた設定値を呼び出して、この設定値にて空気を吹く強さや空気吹き付け間隔(第1モード及び第2モードの何れを選択するか)や、パルス間隔を自動設定し、圧力調整弁や開閉弁54Bを制御する。
【0070】
ここでは、タッチパネルディスプレイ52iに、空気の吹き付け強さの調整、空気吹き付け間隔の設定、及びパルス状に吹く場合のパルス間隔を調整する操作ボタンを表示し、操作ボタンをタッチ操作することで、空気の吹き付け強さや、空気吹き付け間隔や、パルス状に吹く場合のパルス間隔を調整できるようにしたものを説明する。
【0071】
図9はタッチパネルディスプレイ52iに表示する操作ボタンの第1例を示す図である。図9に示すように、この操作ボタンは、空気の吹き付け強さを調整する吹き付け強さ調整ボタン81と、空気吹き付け間隔の設定及びパルス状に吹く場合のパルス間隔を調整する吹き付け間隔設定ボタン82とを備えている。
【0072】
吹き付け強さ調整ボタン81は、0から5までの6段階の数字が記載されたタッチスペースが設けられ、空気の吹き付けをしない(即ち、吹き付け停止)場合は「0」をタッチし、空気の吹き付けを行う場合は、「1」~「5」の何れかをタッチする。数値が大きいほど吹き付け強さが強く設定される。
【0073】
吹き付け間隔設定ボタン82も、0から5までの6段階の数字が記載されたタッチ領域が設けられ、空気の吹き付けをしない(即ち、吹き付け停止)場合は「0」をタッチし、空気の吹き付けを行う場合は「1」~「5」の何れかをタッチする。「5」は空気を連続して吹くように設定するボタンである。「1」~「4」は空気をパルス状に吹くように設定するボタンである。空気をパルス状に吹く場合、各パルス噴射の噴射時間の長さは一定とし、「1」~「4」の数値が大きいほど、パルス噴射の噴射間隔が短く設定される。したがって、数値が大きいほど、1つの切断面に吹き付けられる噴射パルスの数が多くなり、吹き付けられる空気の総量が増大する。
【0074】
なお、空気をパルス状に吹く第2モードの場合、噴射態様として、各パルス噴射の噴射時間の長さは一定としないで、可変にしてもよい。例えば、単位時間における噴射パルスの数を一定とし、各パルス噴射の噴射時間の長さを可変とする。この場合、数値が大きいほど、各パルス噴射の噴射時間の長さを長くするように設定すれば、数値が大きいほど、1つの切断面に吹き付けられる空気の総量が増大する。
【0075】
図10はタッチパネルディスプレイ52iに表示する操作ボタンの第2例を示す図である。図10に示すように、この操作ボタンも、空気の吹き付け強さを調整する吹き付け強さ調整ボタン83と、空気吹き付け間隔の設定及びパルス状に吹く場合のパルス間隔を調整する吹き付け間隔設定ボタン84とを備えている。
【0076】
この例では、各ボタン83,84は棒グラフ状のゲージとして表示され、ゲージの上端を指でタッチしてスライドさせることでゲージの長さが無段階で調整される。
吹き付け強さ調整ボタン83の場合、ゲージの長さを0とすれば空気の吹き付けをしない(吹き付け停止)状態が設定される。ゲージの長さを増加させていくと、長さが長いほど吹き付け強さが強く設定される。これにより、吹き付け強さを無段階に設定できる。
吹き付け間隔設定ボタン84の場合、ゲージの長さを0とすれば空気の吹き付けをしない(吹き付け停止)状態が設定される。ゲージの長さを増加させていくと、まず、空気をパルス状に吹く吹き付け間隔が設定され、ゲージの長さを最大にすると、空気を連続して吹く状態が設定される。空気をパルス状に吹く場合、各パルス噴射の噴射時間の長さは一定とし、ゲージの長さが長いほど、パルス噴射の噴射間隔が短く設定される。したがって、ゲージの長さが長いほど、1つの切断面に吹き付けられる噴射パルスの数が多くなり、吹き付けられる空気の総量が増大する。
【0077】
例えば上部ノズル55Aの空気の吹き付けを制御する場合に操作ボタンの第1例(図9参照)を適用すると、タッチパネルディスプレイ52iに例えば図11に示すような画面を表示する。画面の上部には、製函シート10Aの平面図を模擬した絵柄に、糊代屑17aやスロット屑17bやスリット屑17cの各切断屑17の絵柄を重ねて表示し、各切断屑17の下方に対応させて、吹き付け強さ調整ボタン81及び吹き付け間隔設定ボタン82を表示する。
【0078】
それぞれの吹き付け強さ調整ボタン81及び吹き付け間隔設定ボタン82により、対応する上部ノズル55Aの作動を制御することができる。
また、タッチパネルディスプレイ52iの画面の右下部に保存ボタン85が表示され、この保存ボタン85をタッチすることで、その時にマニュアル設定した設定値を記憶部52bに保存(記憶)する。
【0079】
図11に示す例では、各上部ノズル55Aの吹き付け強さ調整ボタン81及び吹き付け間隔設定ボタン82が何れも「3」(即ち、吹き付け強さは「中」レベルで、空気をパルス状に吹く第2モードを選択し、パルス間隔は4段階のうち短い方から2番目)のデフォルト値に設定されている。
【0080】
例えば、この図11に示すデフォルト状態では、スリッ屑17cがうまく分離除去されない場合、オペレータは、スリッ屑17cがうまく分離除去できるように、スリット屑17c空気を吹き付ける上部ノズル55Aに関し、吹き付け強さ調整ボタン81及び吹き付け間隔設定ボタン82を変更操作する。
【0081】
ここでは、図12に示すように、吹き付け強さ調整ボタン81を「3」から「4」に変更操作(吹き付け強さを1段階強める)し、吹き付け間隔設定ボタン82を「3」から「5」に変更操作(第1モードの連続噴射に切り替える)する。この結果、空気の噴射が適切になったと判断したら、保存ボタン85をタッチする。
【0082】
これによって、次回に同様のオーダーが来た時は、制御装置52がこの記憶した設定値を自動的に呼び出して、この設定値にて空気の噴射を制御する。すなわち、制御装置52は記憶部52bに記憶された空気の噴射態様で空気吹付装置51を制御する。
このように、噴射態様に関してティーチングを行うことで、その後は、同様の条件下では噴射態様を自動で適切に制御することができる。
また、ティーチング結果をデータベース化することで、種々の運転域で噴射態様を自動で適切に制御することができるようになる。
【0083】
[第2実施形態]
〔要部構成〕
第2実施形態にかかる切断屑除去装置を装備したスロッタ装置を説明する。なお、本実施形態では、ダブルスロッタとしてのスロッタ装置130を説明する。また、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な点は説明を省略する。
【0084】
図13に示すように、スロッタ装置130の上流には搬送ローラ5758が備えられる。搬送ローラ5758は、クリーザ装置60により罫線入れされた後のシート10を、搬送方向TDに沿って一定の搬送速度で搬送し、スロッタ装置130に供給する。
【0085】
スロッタ装置130は、図14に示すように、糊代部15(オーバーフラップ16を含む)を形成するために、シート10の一方の端縁部において、糊代部15よりも搬送方向TDの前方側の除去部15a(図1(b)参照)を切断すると共に糊代部15よりも搬送方向TDの後方側の除去部15b(図1(b)参照)を切断する第1スロッタ装置130Aと、搬送方向TDの前方側のスロット11(図1(b)参照)及び搬送方向TDの後方側のスロット12(図1(b)参照)を切断する3つの第2スロッタ装置130Bを備えている。また、スロッタ装置130には、シート10の他方の端縁部において、シート10の端縁部を切断するスリッタ装置39が装備されている。
なお、以下の説明では、第1スロッタ装置130A,第2スロッタ装置130B及びスリッタ装置39を区別しない場合は、スロッタ装置130と呼ぶ。
【0086】
各スロッタ装置130は、搬送方向TDの後方側(上流側)に配置された上流側スロッタ装置130Uと、搬送方向TDの前方側(下流側)に配置された下流側スロッタ装置130Dとを備えている。上流側スロッタ装置130Uと下流側スロッタ装置130Dとの間には、搬送ローラ5758が備えられる。
【0087】
上流側スロッタ装置130Uは、シート10の搬送経路を挟んで上下対向して配置された上スロッタヘッド131Uと下スロッタヘッド132Uとを有し、下流側スロッタ装置130Dは、シート10の搬送経路を挟んで上下対向して配置された上スロッタヘッド131Dと下スロッタヘッド132Dとを有する。
【0088】
上スロッタヘッド131Uには第1スロッタナイフ135が取り付けられ、下スロッタヘッド132Uには、詳細は図示しないが、第1スロッタナイフ135に対応して、間隔をあけて取付けられた2枚のナイフからなる受刃が備えられる。同様に、上スロッタヘッド131Dには第2スロッタナイフ136が取り付けられ、下スロッタヘッド132Dには、詳細は図示しないが、第2スロッタナイフ136に対応して、間隔をあけて取付けられた2枚のナイフからなる受刃が備えられる。
【0089】
第1スロッタナイフ135は回転方向Rの前方の端部に、また、第2スロッタナイフ136は回転方向Rの後方の端部に、それぞれ、刃先から突出する突起部137,138を備えている。突起部137,138は、それぞれ、シート10に突き刺さることにより、スロット11,12の端部13,14(図1(b)参照)を切断する。また、第1スロッタナイフ135及び第2スロッタナイフ136の側面に、それぞれ、糊代ナイフ170,171を備える。糊代ナイフ170,171は糊代部15の端部を切断する。なお、糊代ナイフ170,171は、図示しない機構により第1スロッタナイフ135及び第2スロッタナイフ136の円弧方向に沿って移動できるようになっている。
【0090】
上流側スロッタ装置130Uの第1スロッタナイフ135の回転位相と、下流側スロッタ装置130Dの第2スロッタナイフ136の回転位相との相対的な回転位相差が、加工対象の段ボールの仕様として決められた箱深さに応じて設定される。
【0091】
本実施形態にかかる切断屑除去装置も、スロッタ装置130による切断で発生する切断屑を除去するための装置であり、第1実施形態の切断屑除去装置50と同様に、エアブロー装置51と、エアブロー装置51の作動を間欠的にオンオフ制御する制御装置52とを備えている。
【0092】
本実施形態では、スロッタ装置130が、上流側スロッタ装置130Uと下流側スロッタ装置130Dとを備えるため、第1上部ノズル55A及び下部ノズル55Cが第1実施形態の場合よりも増加されている。
この点を除くエアブロー装置51のその他の構成や制御装置52については、図1(a),図3及び図4に示す第1実施形態のものと同様に構成されている。
【0093】
図13には、第1実施形態(図5)と同様に、各ノズル55A~55Cの配置箇所を黒色の星印で示している。第1上部ノズル55Aは符号P1を付した星印の箇所に、第2上部ノズル55Bは符号P2を付した星印の箇所に、下部ノズル55Cは符号P3を付した星印の箇所にそれぞれ配置される。つまり、第1上部ノズル55A及び下部ノズル55Cは、各ナイフに対応して設けられている。
【0094】
図14には、スロッタ装置130の上流側スロッタ装置130Uの下方、及び、スロッタ装置130の下流側スロッタ装置130Dの下方、さらに、スリッタ装置39の下方にそれぞれ、各第1上部ノズル55Aの空気吹き付け方向を、上下左右に計4マスの升目及び上下に計2マスの升目を用いて記載している。また、図面スペースの最下部に各第2上部ノズル55Bの空気吹き付け方向を、上下左右に計4マスの升目及び上下に計2マスの升目を用いて記載している。何れの上部ノズル55A,55Bも、空気吹き付け方向を升目内に丸印を付けて示す鉛直下方を主体に設定される。ただし、空気吹き付け方向は、鉛直下方への方向成分を含むことは必須であるが、鉛直下方に対して所定方向に傾斜させてもよい。
【0095】
〔作用及び効果〕
本実施形態にかかる切断屑除去装置50、及びこれを備えたスロッタ装置130は上記のように構成されているので、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0096】
[第3実施形態]
〔要部構成〕
第3実施形態にかかる切断屑除去装置を装備したスロッタ装置を説明する。なお、本実施形態では、デュアルスロッタとしてのスロッタ装置230を説明する。また、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な点は説明を省略する。
【0097】
図15に示すように、スロッタ装置230の上流には搬送ローラ5758が備えられる。搬送ローラ5758は、クリーザ装置60により罫線入れされた後のシート10を、搬送方向TDに沿って一定の搬送速度で搬送し、スロッタ装置230に供給する。
【0098】
スロッタ装置230は、1枚の段ボールシートからの搬送方向TDの前後に並んだ2つの箱を製作する2-up生産と呼ばれる製造方法を適用できるデュアルスロッタである。
図16に示すように、2-up生産の場合の製函シート10A´は、シート10の搬送方向TDの下流側端部に、1つ目の製函シート10Aの搬送方向TD前方側の除去部15aと搬送方向TDの前方側のスロット11とが切断加工され、シート10の搬送方向TDの上流側端部に、2つ目の製函シート10Aの搬送方向TD後方側の除去部15bと搬送方向TDの後方側のスロット12とが切断加工される。
【0099】
そして、互いに繋がった2つの製函シート10A相互間部分に、1つ目の製函シート10Aの搬送方向TD後方側の除去部15b及び2つ目の製函シート10Aの搬送方向TD前方側の除去部15aが切断加工され、1つ目の製函シート10Aの搬送方向TD後方側のスロット12及び2つ目の製函シート10Aの搬送方向TD前方側のスロット11が切断加工される。これにより、2つの製函シート10A相互間部分からは、糊代屑17d,スロット屑17eが発生する。
【0100】
スロッタ装置230は、図17に示すように、糊代部15(オーバーフラップ16を含む)を形成するために、シート10の一方の端縁部において、糊代部15よりも搬送方向TDの前方側の除去部15a(図16(b)参照)を切断すると共に糊代部15よりも搬送方向TDの後方側の除去部15b(図16(b)参照)を切断する第1スロッタ装置230Aと、搬送方向TDの前方側のスロット11(図16(b)参照)及び搬送方向TDの後方側のスロット12(図16(b)参照)を切断する3つの第2スロッタ装置230Bを備えている。また、シート10の他方の端縁部において、シート10の端縁部を切断するスリッタ装置39が装備されている。
なお、以下の説明では、第1スロッタ装置230A,第2スロッタ装置230B及びスリッタ装置39を区別しない場合は、スロッタ装置230と呼ぶ。
【0101】
スロッタ装置230は、図15図17に示すように、搬送方向TDの後方側(上流側)から順に、上流側スロッタ装置230Uと、中間部スロッタ装置230Mと、下流側スロッタ装置230Dとを備えている。
各スロッタ装置230U,230M,230Dは、シート10の搬送経路を挟んで上下対向して配置された上スロッタヘッド231U,231M,231Dと、下スロッタヘッド232U,232M,232Dとを有している。
【0102】
上スロッタヘッド231Uには,第1スロッタナイフ235及び第3スロッタナイフ239Aが取り付けられ、下スロッタヘッド232Uには、詳細は図示しないが、第1スロッタナイフ235及び第3スロッタナイフ239Aに対応して、間隔をあけて取付けられた2枚のナイフからなる受刃が備えられる。
【0103】
上スロッタヘッド231Mには,第4スロッタナイフ239B及び第5スロッタナイフ239Cが取り付けられ、下スロッタヘッド32Mには、詳細は図示しないが、第4スロッタナイフ239B及び第5スロッタナイフ239Cに対応して、間隔をあけて取付けられた2枚のナイフからなる受刃が備えられる。
【0104】
上スロッタヘッド231Dには第2スロッタナイフ236及び第6スロッタナイフ239Dが取り付けられ、下スロッタヘッド32Dには、詳細は図示しないが、第2スロッタナイフ236及び第6スロッタナイフ239Dに対応して、間隔をあけて取付けられた2枚のナイフからなる受刃が備えられる。
【0105】
第1スロッタナイフ235,第5スロッタナイフ239C及び第6スロッタナイフ239Dは回転方向Rの前方の端部に、また、第2スロッタナイフ236,第3スロッタナイフ239A及び第4スロッタナイフ239Bは回転方向Rの後方の端部に、それぞれ、刃先から突出する突起部を備えている。各突起部は、それぞれ、シート10に突き刺さることにより、スロット11,12の端部13,14(図16参照)を切断する。
【0106】
また、第1スロッタナイフ235、第2スロッタナイフ236、第3スロッタナイフ239A、第4スロッタナイフ239B、第5スロッタナイフ239C、第6スロッタナイフ239Dの側面に、それぞれ、糊代ナイフ270,271,272,273,274,275を備える。糊代ナイフ270,271,272,273,274,275は糊代部15の端部を切断する。なお、糊代ナイフ270,271,272,273,274,275は、図示しない機構により各スロッタナイフの円弧方向に沿って移動できるようになっている。
【0107】
2-up生産の場合、例えば、第1スロッタナイフ235で2つ目の製函シート10Aの搬送方向TD後方側の除去部15b及び搬送方向TDの後方側のスロット12を切断加工し、第2スロッタナイフ236で1つ目の製函シート10Aの搬送方向TD前方側の除去部15a及び搬送方向TDの前方側のスロット11を切断加工する。
そして、第3~6スロッタナイフ239A~239Dを選択的に組み合わせて使用して、2つの製函シート10A相互間部分に、1つ目の製函シート10Aの搬送方向TD後方側の除去部15b及び2つ目の製函シート10Aの搬送方向TD前方側の除去部15aを切断加工し、1つ目の製函シート10Aの搬送方向TD後方側のスロット12及び2つ目の製函シート10Aの搬送方向TD前方側のスロット11を切断加工する。
【0108】
本実施形態にかかる切断屑除去装置も、スロッタ装置230による切断で発生する切断屑を除去するための装置であり、第1実施形態の切断屑除去装置50と同様に、エアブロー装置51と、エアブロー装置51の作動を間欠的にオンオフ制御する制御装置52とを備えている。
【0109】
本実施形態では、スロッタ装置230が、上流側スロッタ装置230Uと中間部スロッタ装置230Mと下流側スロッタ装置30Dとを備えるため、第1上部ノズル55A及び下部ノズル55Cが第1,2実施形態の場合よりも増加されている。
この点を除くエアブロー装置51のその他の構成や制御装置52については、図1(a),図3及び図4に示す第1実施形態のものと同様に構成されている。
【0110】
図15には、第1実施形態(図5参照)と同様に、各ノズル55A~55Cの配置箇所を黒色の星印で示している。第1上部ノズル55Aは符号P1を付した星印の箇所に、第2上部ノズル55Bは符号P2を付した星印の箇所に、下部ノズル55Cは符号P3を付した星印の箇所にそれぞれ配置される。つまり、第1上部ノズル55A及び下部ノズル55Cは、各ナイフに対応して設けられている。
【0111】
図17には、スロッタ装置230の上流側スロッタ装置230Uの下方、スロッタ装置230の中間部スロッタ装置230Mの下方、及び、スロッタ装置230の下流側スロッタ装置230Dの下方、さらに、スリッタ装置39の下方にそれぞれ、各第1上部ノズル55Aの空気吹き付け方向を、上下左右に計4マスの升目及び上下に計2マスの升目を用いて記載している。また、図面スペースの最下部に各第2上部ノズル55Bの空気吹き付け方向を、上下左右に計4マスの升目及び上下に計2マスの升目を用いて記載している。何れの上部ノズル55A,55Bも、空気吹き付け方向を升目内に丸印を付けて示す鉛直下方を主体に設定される。ただし、空気吹き付け方向は、鉛直下方への方向成分を含むことは必須であるが、鉛直下方に対して所定方向に傾斜させてもよい。
【0112】
〔作用及び効果〕
本実施形態にかかる切断屑除去装置50、及びこれを備えたスロッタ装置230は上記のように構成されているので、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0113】
[第4実施形態]
エアブローノズル55について、上記の第1実施形態~第3実施形態に、さらなる構成として、エアブローノズル55の空気吹き付け方向を変更するノズル方向変更機構(詳細は図示略)を備えた第4実施形態について説明する。本実施形態の構成は、上記の第1実施形態~第3実施形態の何れにも適用可能である。
【0114】
ここでは、上部ノズル55A,55Bに、ノズル方向変更機構を加えた例を説明する。
図18に示すように、エアブローノズル55の空気吹き付け方向に下方向成分が含まれることを前提として、全ての上部ノズル55A,55Bがノズル基端部を支点に、先端部の噴射方向を、ノズルの軸心線(図中に一点鎖線で示す)を中心に360°変更することができるようにノズル方向変更機構が装備されている。空気がノズル内に導入されるノズル基端部はボールジョイント又はベローズ管等を介装することにより、気密性を保ちながら噴射方向を変更できるように構成している。なお、図18には、第1実施形態のスロッタ装置に適用した例を示す。
【0115】
なお、ノズルの回転方向は、オペレータが切断屑の挙動を見て、手動でノズル先端の方向を調整するか、あるいは、図示しない駆動装置でノズル先端の方向を調整するように構成する。
さらに、製函機据え付け時にノズル先端の方向を調整した後、固定できるようにしても良い。
【0116】
本実施形態によれば、任意の方向に切断屑17を除去することができるので、切断屑の大きさ、形状に基づき、上部ノズル、下部ノズルの空気吹き付け方向を変更することで、確実に切断屑17を除去することができる。
【0117】
なお、オペレータが切断屑の挙動を見て、図示しない駆動装置でノズル先端の方向を調整するように構成した場合、ノズル先端の方向を調整した情報により、第1実施形態の変形例として説明したティーチングを行うように構成してもよい。例えば、タッチパネルディスプレイ52iに図11に示すような画面を表示する。画面の上部には、製函シート10Aの平面図を模擬した絵柄に、糊代屑17aやスロット屑17bやスリット屑17cの各切断屑17の絵柄を重ねて表示し、各切断屑17の下方に対応させて、ノズル先端の方向を調整する方向調整ボタン(図示略)を表示する。これにより、それぞれの方向調整ボタンにて、対応する上部ノズルの先端の方向を調整することができる。オペレータは切断屑の挙動を見て、方向調整ボタンにて上部ノズルの先端の方向を調整し、所望の挙動で切断屑を除去することができたら、保存ボタン85をタッチする。
【0118】
これによって、次回に同様のオーダーが来た時は、制御装置52がこの記憶した設定値である上部ノズルの先端の方向を自動的に呼び出して、この設定値にて空気の噴射を制御する。この場合、ノズルの先端の方向、すなわち、空気の吹き付け方向が空気の噴射態様であり、制御装置52は記憶部52bに記憶された空気の噴射態様で空気吹付装置51を制御する。
このように、噴射態様に関してティーチングを行うことで、その後は、同様の条件下では噴射態様を自動で適切に制御することができる。
【0119】
[第5実施形態]
エアブローノズル55について、上記の第1実施形態~第3実施形態に加えて、上部ノズル55A,55Bが、段ボールシート走行方向に沿って複数配置される構成を備えた第5実施形態について説明する。本実施形態の構成は、上記の第1実施形態~第3実施形態の何れにも適用可能である。
【0120】
ここでは、上部ノズル55A,55Bの双方が、段ボールシート走行方向に沿って複数配置される例を説明する。
図19に示すように、例えば、各上部ノズル55A,55Bは段ボールシート走行方向に沿ってそれぞれ2個配置される。つまり、第1上部ノズル55Aは、上流側第1上部ノズル55A1と下流側第1上部ノズル55A2とを備え、第2上部ノズル55Bは、上流側第2上部ノズル55B1と下流側第2上部ノズル55B2とを備える。なお、図19には、第1実施形態のスロッタ装置に適用した例を示す。
【0121】
このような配置の場合、切断屑17の大きさや切断屑17が段ボールシート10から切り離されたときの挙動により、以下のような噴射態様を適用することができる。
例えば、上流側第1上部ノズル55A1及び下流側第1上部ノズル55A2の場合、上流側第1上部ノズル55A1及び下流側第1上部ノズル55A2を連続で同時に噴射する。この噴射態様は、切断屑17のサイズが大きいとき、切断屑17を水平に落とすために有効である。
同様に、上流側第1上部ノズル55A1及び下流側第1上部ノズル55A2の場合、上流側第1上部ノズル55A1及び下流側第1上部ノズル55A2をパルス噴射で同時に噴射する。この噴射態様も、切断屑17のサイズが大きいとき、切断屑17を水平に落とすために有効である。
【0122】
また、先に上流側第1上部ノズル55A1を連続で噴射し、少し時間遅れさせて下流側第1上部ノズル55A2を連続で噴射する(つまり、吹き始めのタイミングを異ならせて噴射する)。この噴射態様は、切断屑17が段ボールシート10から切り離された際、搬送方向先端から先に落とすために有効である。
同様に、先に上流側第1上部ノズル55A1をパルス噴射で噴射し、少し時間遅れさせて下流側第1上部ノズル55A2をパルス噴射で噴射する(つまり、吹き始めのタイミングを異ならせて噴射する)。この噴射態様も、切断屑17が段ボールシート10から切り離された際、搬送方向先端から先に落とすために有効である。
【0123】
また、上流側第1上部ノズル55A1及び下流側第1上部ノズル55A2を同じ空気圧で噴射する。この噴射態様は、切断屑17が段ボールシート10から切り離された際、切断屑を水平に落とすために有効である。
また、上流側第1上部ノズル55A1及び下流側第1上部ノズル55A2を異なる空気圧で噴射する。例えば、上流側第1上部ノズル55A1の方を、下流側第1上部ノズル55A2よりも空気圧を高くする。この噴射態様も、切断屑17が段ボールシート10から切り離された際、切断屑17を水平に落とすために有効である。
第2上部ノズル55Bにおいても上記噴射態様を適用できる。
【0124】
本実施形態によれば、切断屑17の大きさ、形状に基づき、複数配設されるノズルを選択使用することで、確実に切断屑17を除去することができる。
【0125】
なお、本実施形態においても、第1実施形態の変形例として説明したティーチングによって、上記噴射態様を記憶部52bに記憶させ、制御装置52は記憶部52bに記憶された空気の噴射態様で空気吹付装置51を制御してもよい。
このように、噴射態様に関してティーチングを行うことで、その後は、同様の条件下では噴射態様を自動で適切に制御することができる。
【0126】
また、第4実施形態の構成と第5実施形態の構成を組み合わせることも可能である。例えば、複数配置された上部ノズルの空気吹き付け方向をそれぞれ異ならせるようにしてもよい。
例えば、図19に示す構成において、上部ノズル55A1を鉛直下方に向けて空気を吹き付け、上部ノズル55A2を鉛直下方且つ下流側に向けて空気を吹き出すようにする。切断屑が段ボールシート走行方向に長い場合、このようにして、切断屑の上流側,下流側の両方に空気を当てることで、切断屑は鉛直下方へ除去される。
【0127】
また、例えば、上部ノズル55A1を鉛直下方に向けて空気を吹き付け、上部ノズル55A2を鉛直下方且つ装置幅方向外側に向けて空気を吹き出すようにする。この場合、切断屑が段ボールシート走行方向先端側を鉛直下方に押されながら切断され、切断完了した後、切断屑は装置幅方向外側へ除去される。
このように複数配置された上部ノズルの空気吹き付け方向をそれぞれ異ならせるようにすることで、任意の方向に、確実に切断屑を除去することができる。
【0128】
なお、第4実施形態の構成と第5実施形態の構成を組み合わせた場合においても、第1実施形態の変形例として説明したティーチングによって、上記噴射態様を記憶部52bに記憶させ、制御装置52は記憶部52bに記憶された空気の噴射態様で空気吹付装置51を制御してもよい。
このように、噴射態様に関してティーチングを行うことで、その後は、同様の条件下では噴射態様を自動で適切に制御することができる。
【0129】
〔その他〕
以上、実施形態を説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で、上記の実施形態を適宜変更したり、適宜組み合わせたりして実施してもよい。
上記実施形態では、全てのナイフの直下流に第1上部ノズルを配置し、各第1上部ノズルの下流側且つ下方に下部ノズルを配置し、最下流部に第2上部ノズルを配置しているが、第1上部ノズル,第2上部ノズル,下部ノズルは要所のみに配置してもよい。
また、第1実施形態の変形例として説明したティーチングによる制御を、第2,3実施形態のものに適用してもよい。
【0130】
また、上記実施形態で例示した第1上部ノズル及び第2上部ノズルは、各配置箇所の装置幅方向においても、ノズルの本数は限定されない。例えば、糊代部15(オーバーフラップ16を含む)を形成するために、シート10の一方の端縁部において、糊代部15よりも搬送方向TDの前方側の除去部15aを切断すると共に糊代部15よりも搬送方向TDの後方側の除去部15bを切断する第1スロッタ装置において、除去部15a及び除去部15bを切断する際に発生する糊代屑17aを吹き飛ばすためのノズルと、除去部15a及び除去部15bを切断する際に発生するスロット屑17bを吹き飛ばすためのノズルとをそれぞれ配設し、個別に制御してもよい。この場合、スロット屑17bを吹き飛ばすノズルは上記実施形態の第2スロッタ装置と同様の制御を行う。
【0131】
〔3〕付記
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0132】
(付記1)
段ボールシートから段ボール箱を製造する製函機に装備され、前記製函機の排紙部による切断加工で発生した切断屑を除去する切断屑除去装置であって、
前記段ボールシートの切断加工部及び前記切断屑が走行する装置幅方向の走行領域に沿って配設され、前記切断屑に向けて、所定の噴射態様で、鉛直下方への方向成分を含むように空気を噴射する空気吹付装置と、
前記空気吹付装置の作動を間欠的にオンオフ制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記空気吹付装置の空気噴射領域を前記切断屑が通過するタイミングでのみ前記空気吹付装置をオンに制御する
ことを特徴とする切断屑除去装置。
【0133】
(付記2)
前記制御装置は、前記段ボールシートの走行タイミング情報を取得し、前記走行タイミング情報に基づいた前記噴射態様で前記空気吹付装置をオンにする
ことを特徴とする付記1に記載の切断屑除去装置。
【0134】
(付記3)
前記制御装置は、前記段ボール箱のオーダー情報を取得して、前記オーダー情報に基づいた前記噴射態様で前記空気吹付装置をオンにする
ことを特徴とする付記1又は付記2に記載の切断屑除去装置。
【0135】
(付記4)
前記制御装置は、前記空気吹付装置をオンにするオン制御期間に、前記噴射態様として、パルス状に空気噴射を行う
ことを特徴とする付記2又は付記3に記載の切断屑除去装置。
【0136】
(付記5)
前記オン制御期間に連続して空気噴射を行う第1モードと前記オン制御期間にパルス状に空気噴射を行う第2モードとを備え、前記制御装置は、前記段ボール箱のオーダー情報に基づいて前記第1モード及び前記第2モードの何れかの前記噴射態様を選択して空気噴射を行う
ことを特徴とする付記4に記載の切断屑除去装置。
【0137】
(付記6)
前記空気吹付装置は、圧縮空気供給源と、エアブローノズルと、前記圧縮空気供給源と前記エアブローノズルとを接続する空気供給路に介装された開閉弁を含む流量調整装置とを備え、
前記制御装置は、前記開閉弁を間欠的にオンオフ制御し、
前記流量調整装置は、圧縮空気の強さを調整する圧力調整弁を含み、
前記制御装置は、前記段ボール箱のオーダー情報に基づいて前記圧力調整弁を制御して圧縮空気の強さを調整する
ことを特徴とする付記1~付記5の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【0138】
(付記7)
前記エアブローノズルは、前記走行領域の上方に配置され、前記走行領域に向けて空気吹き付け方向を設定された上部ノズルを含んでいる
ことを特徴とする付記6に記載の切断屑除去装置。
【0139】
(付記8)
前記上部ノズルは、前記スロッタ装置のスロッタナイフの直下流側に配置される第1上部ノズルを含んでいる
ことを特徴とする付記7に記載の切断屑除去装置。
【0140】
(付記9)
前記上部ノズルは、前記スロッタ装置の下流側に配置される第2上部ノズルを含んでいる
ことを特徴とする付記7又は付記8に記載の切断屑除去装置。
【0141】
(付記10)
前記噴射態様としての前記上部ノズルの空気吹き付け方向は、装置幅方向外側への方向成分を含む
ことを特徴とする付記7~付記9の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【0142】
(付記11)
前記噴射態様としての前記上部ノズルの空気吹き付け方向は、前記段ボールシートの走行方向上流側への方向成分を含む
ことを特徴とする付記7~付記10の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【0143】
(付記12)
前記上部ノズルは、前記段ボールシート走行方向に沿って複数配置される
ことを特徴とする付記7~付記11の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【0144】
(付記13)
前記上部ノズルは、前記段ボールシートの一方の装置幅方向端縁部に加工される糊代部の走行領域の上方に配置される糊代部用ノズルを含む
ことを特徴とする付記7~付記12の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【0145】
(付記14)
前記上部ノズルは、前記段ボールシートの他方の装置幅方向端縁部が切断加工される端縁部の走行領域の上方に配置される端縁部用ノズルを含む
ことを特徴とする付記7~付記13の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【0146】
(付記15)
前記上部ノズルは、前記段ボールシートの溝が切断加工される走行領域の上方に配置される溝用ノズルを含む
ことを特徴とする付記7~付記14の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【0147】
(付記16)
前記スロッタ装置の下流側の前記走行領域の下方に、前記切断屑を廃棄する廃棄スペースが配備され、
前記エアブローノズルは、前記上部ノズルで前記走行領域から下方に吹き落された前記切断屑を前記廃棄スペースに案内する下部ノズルを含んでいる
ことを特徴とする付記7~付記15の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【0148】
(付記17)
前記空気吹付装置は、前記噴射態様としての前記エアブローノズルの空気吹き付け方向を変更する、ノズル方向変更機構を備える
ことを特徴とする付記6~付記16の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【0149】
(付記18)
前記制御装置は、ティーチングによって指定された空気の前記噴射態様を記憶する記憶部を備え、前記記憶部に記憶された空気の前記噴射態様で前記空気吹付装置を制御する
ことを特徴とする付記1~付記17の何れか1項に記載の切断屑除去装置。
【0150】
(付記19)
段ボールシートから段ボール箱を製造する製函機に装備されるスロッタ装置であって、
前記スロッタ装置のスロッタナイフの下流側に、付記1~付記18の何れか1項に記載の切断屑除去装置を備えている
ことを特徴とするスロッタ装置。
【0151】
(付記20)
スロッタ装置を備え、段ボールシートから段ボール箱を製造する製函機であって、
前記スロッタ装置の下流側に、付記1~付記18の何れか1項に記載の切断屑除去装置を備えている
ことを特徴とする製函機。
【符号の説明】
【0152】
1 給紙部
2 印刷部
3 排紙部
4 ダイカット部
5 フォルディング部
6 カウンタエゼクタ部
10 段ボールシート(シート)
10A 製函用シート
10B 段ボール箱
11,12 スロット
15 糊代部
15a,15b 除去部
16 オーバーフラップ
17 切断屑
17a,17d 糊代屑(切断屑)
17b,17e スロット屑(切断屑)
17c スリット屑(切断屑)
30,130,230 スロッタ装置
130U,230U 上流側スロッタ装置
130D,230D 下流側スロッタ装置
230M 中間部スロッタ装置
30A 第1スロッタ装置
30B 第2スロッタ装置
31,131U,131D,231U,231M,231D 上スロッタヘッド
32,132U,132D,232U,232M,232D 下スロッタヘッド
35,36,135,136,235,236,239A~239D スロッタナイフ
39 スリッタ装置
41,42,5758 搬送ローラ
50 切断屑除去装置
51 エアブロー装置(空気吹付装置)
52 制御装置
53 空気供給源
53A コンプレッサ
53B エアタンク
54 流量調整装置
54A 減圧弁
54B 開閉弁
55 エアブローノズル
55A 第1上部ノズル(上部ノズル)
55B 第2上部ノズル(上部ノズル)
55C 下部ノズル
56 エア配管
60 クリーザ装置
A シート10の走行領域
S 廃棄スペース
TD 搬送方向
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