(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】オプション受け部材及び介護用ベッド装置
(51)【国際特許分類】
A47C 19/02 20060101AFI20241113BHJP
A47C 20/08 20060101ALI20241113BHJP
A61G 7/05 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
A47C19/02 Z
A47C20/08 Z
A61G7/05
(21)【出願番号】P 2021040169
(22)【出願日】2021-03-12
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】松本 孝樹
(72)【発明者】
【氏名】舟越 敬介
(72)【発明者】
【氏名】窪田 伸之助
(72)【発明者】
【氏名】神戸 元樹
(72)【発明者】
【氏名】掛田 英希
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-176959(JP,A)
【文献】特開2019-058254(JP,A)
【文献】特開2000-157577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 19/02
A47C 20/08
A61G 7/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプションを挿入する第1の穴が設けられた本体部と、
前記本体部に結合された取付金具と、
前記本体部
に対して着脱可能なカバーと、
を備え、
前記本体部は、
前記取付金具が結合された内側面部と、
前記内側面部の反対側に位置する外側面部と、
前記内側面部と前記外側面部の間に配置された第1面と、
前記第1面の反対側に位置する第2面と、
を有し、
前記カバーは、
前記カバーが前記本体部に装着されたときに、前記本体部の前記外側面部の少なくとも一部を覆う第1部と、
前記第1部に対して回動可能に接し、前記本体部の前記第1面に対応する第2部と、
を有し、
前記第2部が前記第1部に対して第1の位置関係にあるときは、前記カバーが前記本体部に装着された状態で、前記カバーは前記本体部の前記第1面の全体を露出させ、前記カバーは前記本体部に対して着脱可能であり、
前記第2部が前記第1部に対して第2の位置関係にあるときは、前記カバーが前記本体部に装着された状態で、前記第2部は前記本体部の前記第1面の少なくとも一部を覆い、前記第1面と結合可能である介護用ベッド装置のオプション受け部材。
【請求項2】
前記第1面は下面である請求項1に記載の介護用ベッド装置のオプション受け部材。
【請求項3】
金属からなり、オプションを挿入する第1の穴が設けられた本体部と、
前記本体部に結合された取付金具と、
樹脂からなり、前記本体部
に対して着脱可能なカバーと、
を備え、
前記本体部は、
前記第1の穴が設けられた上面部と、
前記上面部の反対側に位置する下面部と、
前記上面部と前記下面部との間に配置され、前記取付金具が結合された内側面部と、
前記上面部と前記下面部との間に配置され、前記内側面部の反対側に位置する外側面部と、
を有し、
前記カバーは、
前記カバーが前記本体部に装着されたときに、前記本体部の前記外側面部の少なくとも一部、前記上面部における前記第1の穴を除く部分の少なくとも一部、前記内側面部における前記取付金具が結合された領域を除く部分の少なくとも一部を覆う第1部と、
前記第1部に対して回動可能である第2部と、
を有し、
前記第2部が前記第1部に対して第1の位置関係にあるときは、前記カバーが前記本体部に装着された状態で、前記カバーは前記本体部の下面部の全体を露出させ、前記カバーは前記本体部に対して着脱可能であり、
前記第2部が前記第1部に対して第2の位置関係にあるときは、前記カバーが前記本体部に装着された状態で、前記第2部は前記本体部の下面部の少なくとも一部を覆い、前記下面部と結合可能である介護用ベッド装置のオプション受け部材。
【請求項4】
前記カバーは前記樹脂により一体的に形成されており、
前記第2部は前記第1部に対して可撓性を有する請求項3に記載の介護用ベッド装置のオプション受け部材。
【請求項5】
前記本体部には第2の穴が設けられており、
前記カバーには前記第2の穴に係合可能なクリップが設けられている請求項1~4のいずれか1つに記載の介護用ベッド装置のオプション受け部材。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つに記載のオプション受け部材と、
前記取付金具に結合されるフレーム部材と、
を備えた介護用ベッド装置。
【請求項7】
前記フレーム部材には突起が設けられており、
前記取付金具には、前記本体部から離れる方向に沿って配列され、内部に前記突起を配置可能な複数の凹部が設けられており、
前記複数の凹部から前記突起が配置される凹部を選択することにより、前記フレーム部材に対する前記オプション受け部材の位置を選択可能な請求項6に記載の介護用ベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、オプション受け部材及び介護用ベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
介護用ベッド装置においては、ベッド装置の両側にサイドレール等のオプションを取り付けるために、オプション受け部材が設けられることがある。オプション受け部材の本体部は、オプションを支えるための強度が必要であるため、金属により形成される。一方、オプション受け部材はベッド本体から左右に張り出した位置に配置され、人や他の機器が接触する可能性があるため、衝撃や傷つきを抑制するために樹脂製のカバーが設けられている。カバーは、オプション受け部材の本体に対して取り付けが容易であることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の目的は、カバーの取り付けが容易なオプション受け部材及び介護用ベッド装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態に係るオプション受け部材は、金属からなり、オプションを挿入する第1の穴が設けられた本体部と、前記本体部に結合された取付金具と、樹脂からなり、前記本体部の一部を覆うカバーと、を備える。前記カバーは、前記本体部の第1面の全体を露出可能である。前記カバーは、前記本体部の前記第1面以外の面のそれぞれ少なくとも一部を覆う。
【0006】
本発明の実施形態に係る介護用ベッド装置は、前記オプション受け部材と、前記取付金具に結合されるフレーム部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、カバーの取り付けが容易なオプション受け部材及び介護用ベッド装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るベッド装置を示す斜め上方から見た斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るベッド装置を示す斜め下方から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るオプション受け部材を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るオプション受け部材を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るオプション受け部材を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るオプション受け部材の本体部を示す斜め上方から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るオプション受け部材の本体部を示す斜め下方から見た斜視図である。
【
図8】
図8(a)は一方のオプション受け軸を示す斜視図であり、
図8(b)は他方のオプション受け軸を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るオプション受け部材の取付金具を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るオプション受け部材のカバーを示す斜視図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係るオプション受け部材のカバーを示す斜視図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係るオプション受け部材のカバーを示す部分斜視図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係るオプション受け部材のカバーのクリップ周辺を示す部分斜視図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係るオプション受け部材のカバーのクリップ周辺を示す部分断面図である。
【
図15】
図15(a)は、実施形態に係るベッド装置の上フレームのフレーム部材を示す斜視図であり、
図15(b)はフレーム部材にオプション受け部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図16】
図16(a)~(c)は、実施形態に係るオプション受け部材の取付位置を示す側面図である。
【
図17】
図17(a)及び(b)は、実施形態に係るオプション受け部材のカバーを本体部に取り付ける工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
本明細書においては、ベッド装置に使用者が仰臥位で寝たときに、胴体から見て頭がある方向を「頭側」といい、足がある方向を「足側」といい、右手がある方向を「右側」といい、左手がある方向を「左側」といい、部屋の床面がある方向を「下側」といい、天井がある方向を「上側」という。頭側と足側を総称して「長さ方向L」ともいい、右側と左側を総称して「幅方向W」ともいい、上側と下側を総称して「上下方向V」ともいう。幅方向Wのうち、ベッド装置の中央から左側又は右側に向かう方向を「外側」ともいい、左側又は右側からベッド装置の中央に向かう方向を「内側」ともいう。
【0010】
本実施形態に係る介護用ベッド装置について説明する。
図1は、本実施形態に係るベッド装置を示す斜め上方から見た斜視図である。
図2は、本実施形態に係るベッド装置を示す斜め下方から見た斜視図である。
【0011】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る介護用ベッド装置(以下、単に「ベッド装置1」という)においては、下フレーム11が設けられている。下フレーム11はベッド装置1全体を支える支持体となるものであり、例えば、金属製の筒状部材を組み合わせて矩形状に形成されている。下フレーム11の4つの角部には、足部材12が設けられている。足部材12は下フレーム11から下方に延びている。足部材12の下端は部屋の床面に接する。なお、下フレーム11の角部には、足部材12の替わりにキャスター(図示せず)を取り付けてもよい。
【0012】
下フレーム11には、駆動手段が取り付けられている。駆動手段は複数のアクチュエータ13を含んでいる。下フレーム11上には、上フレーム15が設けられている。上フレーム15も例えば金属製の角パイプを組み合わせて形成されている。上フレーム15は、アクチュエータ13を含む駆動手段により、上下方向Vに沿って変位可能とされている。
【0013】
上フレーム15上には、ボトム16が設けられている。ボトム16には、頭側から足側に向かって、背ボトム16a、腰ボトム16b、膝ボトム16c、及び、足ボトム16dがこの順に設けられている。腰ボトム16bは上フレーム15に固定されている。背ボトム16a、膝ボトム16c、及び、足ボトム16dは、アクチュエータ13を含む駆動手段により、傾斜可能である。
【0014】
上フレーム15の頭側及び足側には、それぞれ、ベッドボード17が取り付けられている。ベッドボード17は矩形の板状の部材であり、上フレーム15から上側に延びている。
【0015】
上フレーム15の右側及び左側には、それぞれ2つのオプション受け部材18が取り付けられている。上フレーム15の右側及び左側のそれぞれにおいて、オプション受け部材18は頭側と足側に配置されている。すなわち、ベッド装置1にはオプション受け部材18が全部で4つ設けられている。オプション受け部材18は上フレーム15のフレーム部材19の先端に取り付けられている。フレーム部材19は上フレーム15の一部である。フレーム部材19は、金属製の角パイプからなり、ベッド装置1の幅方向Wに延びている。
【0016】
次に、本実施形態に係るオプション受け部材の構成について説明する。
図3~
図5は、本実施形態に係るオプション受け部材を示す斜視図である。
図3~
図5に示すように、本実施形態に係るオプション受け部材18においては、本体部20と、一対のオプション受け軸31及び32と、一対の取付金具40と、カバー50と、クリップ60と、が設けられている。
【0017】
本体部20は金属、例えば鋼材からなる。本体部20の形状は、ベッド装置1の長さ方向Lを長手方向とする略直方体である。本体部20には、塗装が施されている。本体部20の上面部20aには、一対のオプション受け軸31及び32が嵌め込まれている。オプション受け軸31及び32は金属からなり、その形状は上下方向に延びる筒状である。例えば、オプション受け軸31及び32は本体部20と同じ色に着色されている。
【0018】
取付金具40は金属、例えば鋼材からなる。取付金具40は、本体部20に溶接により取り付けられており、ベッド装置1の内側に向けて延出している。取付金具40は、ボルト93及びノブナット94により、ベッド装置1の上フレーム15のフレーム部材19の先端に機械的に結合されることによって、オプション受け部材18を上フレーム15に固定する。
【0019】
カバー50は、樹脂により一体的に形成されている。後述するように、カバー50は本体部20に対して着脱可能である。カバー50が本体部20に装着されると、カバー50は本体部20の一部を覆う。より具体的には、カバー50は、本体部20の頭側の側面の全体、足側の側面の全体、ベッド装置1の外側に向いた側面(第2面、以下、「外側面」という)の全体、上面の一部、下面(第1面)の一部、ベッド装置1の内側に向いた側面(以下、「内側面」という)の一部を覆う。本体部20の下面(第1面)は、外側面(第2面)と接している。カバー50を形成する樹脂は、例えば、本体部20の塗装色とは異なる色に着色されており、例えば、本体部20の塗装色と同系色であってより薄い色又はより濃い色に着色されている。一例では、本体部20の塗装の色は濃い茶色であり、カバー50の色は薄い茶色である。
【0020】
次に、本体部20の構成をより詳細に説明する。
図6は、本実施形態に係るオプション受け部材の本体部を示す斜め上方から見た斜視図である。
図7は、本実施形態に係るオプション受け部材の本体部を示す斜め下方から見た斜視図である。
【0021】
図6に示すように、本体部20は、ベッド装置1の長さ方向Lに延びる金属製の角パイプにいくつかの穴が設けられることにより形成されている。本体部20は、上面部20a、下面部20b、外側面部20c及び内側面部20dを有し、長手方向の両端部は開口している。本体部20の上面部20aには、一対の穴21及び22が設けられている。穴21及び22の形状は円形である。穴21及び22は、本体部20の長手方向、すなわち、ベッド装置1の長さ方向Lにおいて相互に離隔している。穴21及び22には、オプション受け軸31及び32が挿入される。
【0022】
本体部20の外側面部20cには、一対の穴23が設けられている。穴23の形状は、上下方向Vに延びるスリット状である。一対の穴23は本体部20の長手方向において相互に離隔している。穴23は、後述するカバー50のクリップ52が係合する。
【0023】
図7に示すように、本体部20の下面部20bには、一対の穴25及び26が設けられている。穴25及び26の形状は円形である。穴25及び26の直径は穴21及び22の直径よりも小さい。穴25及び26は本体部20の長手方向において相互に離隔している。穴25は穴21の直下に位置し、穴26は穴22の直下に位置する。穴25及び26は、オプション受け軸31及び32の下端を固定する。
【0024】
また、本体部20の下面部20bには、1つの穴27が設けられている。穴27は、下面部20bにおける中心付近に配置されている。穴27の形状は円形である。穴27は、カバー50を固定するためのクリップ60が挿通する。
【0025】
本体部20の内側面部20dには、一対の穴28が設けられている。穴28の形状は、上下方向Vを長手方向とする略矩形である。一対の穴28は本体部20の長手方向において相互に離隔している。穴28は、取付金具40を位置決めするための穴である。また、内側面部20dには、一対の穴29も設けられている。穴29の形状は、上下方向Vを長手方向とするスリット状である。一対の穴29は本体部20の長手方向において相互に離隔しており、例えば、一対の穴28よりも長さ方向両端部側に配置されている。また、穴29は本体部20の下部に配置されている。穴29は、カバー50のクリップ53が係合する。
【0026】
次に、オプション受け軸31及び32の構成をより詳細に説明する。
図8(a)は一方のオプション受け軸31を示す斜視図であり、
図8(b)は他方のオプション受け軸32を示す斜視図である。
【0027】
図8(a)及び(b)に示すように、オプション受け軸31及び32には、それぞれ、筒状部33が設けられており、筒状部33の上端には鍔34が設けられており、筒状部33の下方には円錐台部35が設けられている。オプション受け軸31及び32は、それぞれ、金属、例えば、鋼材により一体的に形成されている。オプション受け軸31及び32は、例えば、本体部20と同色に塗装されている。
【0028】
筒状部33の形状は、上下方向Vに延びる筒状である。鍔34の形状は円環板状であり、筒状部33の上端から外方に向けて広がっている。円錐台部35の直径は、下側に向かうにつれて連続的に小さくなっている。オプション受け軸31及び32の上面及び下面は開口している。
【0029】
オプション受け軸31の円錐台部35の下端には鍔36が設けられている。鍔36の形状は円環板状であり、円錐台部35の下端から外方に向けて広がっている。上方から見て、オプション受け軸31の筒状部33の内面の形状は円形である。一方、オプション受け軸32の筒状部33の側面には、相互に対向する一対の平坦領域37が設けられている。このため、上方から見て、オプション受け軸32の筒状部33の内面の形状は、2本の相互に平行な線分と相互に離隔した2つの半円からなる長円形である。
【0030】
オプション受け軸31は、下端が本体部20の下面部20bの穴25に係合し、上端が本体部20の上面部20aの穴21に係合し、下端と上端の間の部分が本体部20内に配置される。鍔34の下面は上面部20aの上面に当接する。鍔36の上面は下面部20bの下面に当接する。これにより、オプション受け軸31は本体部20に対して固定される。
【0031】
同様に、オプション受け軸32は、下端が本体部20の下面部20bの穴26に係合し、上端が本体部20の上面部20aの穴22に係合し、下端と上端の間の部分が本体部20内に配置される。鍔34の下面は上面部20aの上面に当接する。円錐台部35の下端は穴26の内側面に当接する。これにより、オプション受け軸32は本体部20に対して固定される。
【0032】
次に、取付金具の構成をより詳細に説明する。
図9は、本実施形態に係るオプション受け部材の取付金具を示す斜視図である。
【0033】
図9に示すように、取付金具40は、1枚の金属板が折り曲げられて形成されている。取付金具40においては、上面部40aと、上面部40aの両側に設けられた一対の側面部40b及び40cが設けられている。上面部40aは側面部40b及び40cと連続している。取付金具40の上面部40a、側面部40b、側面部40cは、本体部20の内側面部40dにおける穴28を三方から囲む領域に例えば溶接によって接合されている。
【0034】
上面部40aの形状は略矩形の板状であり、その長手方向はベッド装置1の幅方向Wである。上面部40aには、穴41が設けられている。穴41の形状は略矩形であり、その長手方向は幅方向Wである。側面部40bの形状と側面部40cの形状は実質的に同じである。側面部40b及び40cのそれぞれにおいて、部分42、部分43、部分44が幅方向Wに沿ってこの順に連続して設けられている。
【0035】
部分42は本体部20に接している。部分42の上下方向Vにおける長さL2は、本体部20の上下方向Vにおける長さL1(
図7参照)よりも短い。部分43の上下方向Vにおける長さL3は、部分42の上下方向Vにおける長さL2よりも短い。部分44の上下方向Vにおける長さL4は、部分43の上下方向Vにおける長さL3よりも短い。すなわち、L1>L2>L3>L4である。
【0036】
部分44の下縁には、略半円形の凹部45、46、47が設けられている。凹部45、46、47は、幅方向W、すなわち、本体部20から離れる方向に沿って配列されており、相互に離隔している。取付金具40の下縁において、部分42と部分43との境界、部分43と部分44との境界、凹部45、46、47の両端部は、それぞれ滑らかな曲線で構成されている。
【0037】
次に、カバーの構成を詳細に説明する。
図10及び
図11は、本実施形態に係るオプション受け部材のカバーを示す斜視図である。
図12は、本実施形態に係るオプション受け部材のカバーを示す部分斜視図である。
図13は、本実施形態に係るオプション受け部材のカバーのクリップ周辺を示す部分斜視図である。
図14は、本実施形態に係るオプション受け部材のカバーのクリップ周辺を示す部分断面図である。
【0038】
図10~
図12に示すように、カバー50においては、外側部50a(第1部)、一対の端部構造体50b、上面部50c、下面部50d(第2部)、一対の内側部50eが設けられている。上述の如く、カバー50は樹脂により一体的に形成されている。カバー50を形成する樹脂は、例えば、ポリプロピレンである。
【0039】
外側部50aの形状は略長方形の板状であり、その長手方向はベッド装置1の長さ方向Lであり、短手方向は上下方向Vであり、厚さ方向は幅方向Wである。外側部50aは本体部20の外側面部20cの全体を覆う。
【0040】
一対の端部構造体50bの形状は板状ではなく、略直方体形状である。端部構造体50bの内部は中空となっており、内部を横断する補強板が例えば2枚設けられている。端部構造体50bは本体部20の長さ方向Lの端部の全体を覆う。
【0041】
上面部50cの形状はコ字状であり、両端部に一対の広幅部50c1が設けられ、一対の広幅部50c1間に1つの狭幅部50c2が設けられている。一対の広幅部50c1は、長さ方向Lにおいて相互に離隔している。広幅部50c1は外側部50a及び端部構造体50bと連続している。狭幅部50c2は外側部50aと連続している。上面部50cは、本体部20の上面部20aにおける長さ方向Lの両端領域及び外側面部20c側の端縁領域を覆い、中央領域を露出させる。より具体的には、上面部50cは本体部20の穴21及び22を露出させる。
【0042】
下面部50dは外側部50aの下端の長さ方向中央部から連続している。下面部50dの形状は角が丸められた略矩形の板状である。下面部50dには穴51が設けられている。穴51にはクリップ60が挿通する。外側部50aと下面部50dとの境界部分は他の部分よりも薄くなっている。これにより、下面部50dは外側部50aに対して可撓性を有している。このため、下面部50dは外側部50aに対して折り曲げ自在であり、したがって回動可能となっている。下面部50dを本体部20の下方に配置すると、下面部50dは、本体部20の下面部20bにおける長さ方向Lの中央領域を覆い、それ以外の領域を露出させる。このとき、穴51は穴27の直下に位置する。一方、下面部50dを外側面部20c側に折り曲げると、本体部20の下面(第1面)の全体が露出する。
【0043】
一対の内側部50eは、端部構造体50b及び上面部50cから連続している。内側部50eの形状は、略L字形の板状であり、端部構造体50b及び上面部50cの広幅部50c1に沿って設けられている。一対の内側部50eは、長さ方向Lにおいて相互に離隔している。一対の内側部50eは、本体部20の内側面部20dにおける長さ方向Lの両端領域のみを覆い、それ以外の領域を露出させる。より具体的には、本体部20の内側面部20dにおける一対の取付金具40が接合された領域とその間の領域は、内側部50eから露出している。
【0044】
図11、
図12、
図13に示すように、外側部50aの内側面には、一対のクリップ52が設けられている。クリップ52には、外側部50aの内側面から内側に向かって起立した起立部52aと、起立部52aの先端から斜めに折り返したフック部52bと、起立部52aと上面部50cとを連結する支持部52cと、が設けられている。支持部52cの下端は起立部52aと連続し、支持部52cの上端は上面部50cの狭幅部50c2と連続し、支持部52cの外側の端部は外側部50aと連続している。一対のクリップ52において、フック部52bが折り返す方向は相互に逆であり、例えば、相互に離れる向きに折り返している。クリップ52の起立部52a及びフック部52bは、本体部20の外側面部20cの穴23と係合する。
【0045】
図11及び
図14に示すように、内側部50eの先端部には、クリップ53が設けられている。クリップ53においては、内側部50eの先端部から外側部50aに向かって起立した起立部53aと、起立部53aの先端から端部構造体50bに向かって延出したフック部53bと、が設けられている。クリップ53は、本体部20の内側面部20dの穴29に係合する。
【0046】
次に、本実施形態に係るオプション受け部材18をベッド装置1に装着する方法について説明する。
ベッド装置1にオプション受け部材18を装着する作業は、本体部20及び取付金具40をベッド装置1の上フレーム15のフレーム部材19に取り付ける工程と、カバー50を本体部20に取り付ける工程を含む。この2つの工程は順不同である。
【0047】
先ず、オプション受け部材18の本体部20及び取付金具40を、ベッド装置1の上フレーム15のフレーム部材19に取り付ける工程について説明する。
図15(a)は、本実施形態に係るベッド装置の上フレームのフレーム部材を示す斜視図であり、
図15(b)はフレーム部材にオプション受け部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
図16(a)~(c)は、本実施形態に係るオプション受け部材の取付位置を示す側面図である。
なお、
図15(b)においては、オプション受け部材18は取付金具40のみを示し、本体部20を省略している。
【0048】
図15(a)に示すように、フレーム部材19の両側面には穴19aが設けられている。穴19aの形状は例えば円形である。また、フレーム部材19の上下面には穴19bが設けられている。穴19bの形状は例えば矩形である。
【0049】
図15(b)に示すように、金属からなる円柱部材91がフレーム部材19の一対の穴19aを挿通しており、フレーム部材19に対して固定されている。円柱部材91の中心軸はベッド装置1の長さ方向Lに延びている。円柱部材91の両端部はフレーム部材19の両側面から突出した突起92となる。
【0050】
図3及び
図15(b)に示すように、オプション受け部材18をフレーム部材19から見てベッド装置1の外側に配置する。そして、オプション受け部材18を内側に移動させることにより、取付金具40がフレーム部材19の上面及び側面を覆うようにする。このとき、取付金具40は最終的に取り付けられる位置よりも少し上方を移動させて、フレーム部材19の突起92が取付金具40の部分44の下方を通過するようにする。そして、適当な位置で取付金具40を下方に移動させることにより、取付金具40の凹部45、46、47のいずれかの内部に、突起92を配置する。これにより、取付金具40がフレーム部材19に対して位置決めされる。
【0051】
次に、取付金具40の穴41及びフレーム部材19の穴19bを介して、ボルト93とノブナット94を挿通させる。次に、作業者がノブナット94を手で回すことにより、ボルト93とノブナット94を結合させる。これにより、取付金具40がフレーム部材19に連結されて、オプション受け部材18がベッド装置1に装着される。
【0052】
このとき、複数の凹部45、46、47から、突起92が配置される凹部を選択することにより、フレーム部材19に対するオプション受け部材18の幅方向Wにおける位置を選択することができる。オプション受け部材18の位置は、任意のタイミングで変更可能である。
【0053】
図16(a)に示すように、凹部47内に突起92を配置させると、オプション受け部材18は最も外側に位置する。これは、例えば、ベッド装置1のボトム16上に幅広マットレスを置く場合に適している。
【0054】
図16(b)に示すように、凹部46内に突起92を配置させると、オプション受け部材18は中間位置に位置する。これは、例えば、ボトム16上に幅狭マットレスを置く場合に適している。
【0055】
図16(c)に示すように、凹部45内に突起92を配置させると、オプション受け部材18は最も内側に位置し、ボトム16の下方に収納される。これは、例えば、ベッド装置1にオプションを取り付けない場合に適している。
【0056】
次に、カバー50を本体部20に取り付ける工程について説明する。
図17(a)及び(b)は、本実施形態に係るオプション受け部材のカバーを本体部に取り付ける工程を示す斜視図である。
なお、
図17(a)及び(b)においては、図示の便宜上、取付金具40を省略している。
【0057】
図17(a)に示すように、カバー50において、可撓性を有する下面部50dを、外側部50aの直下又はそれより外側に位置させる。これにより、カバー50の下面が完全に開口し、本体部20の下面(第1面)の全体が露出する。このとき、カバー50は、本体部20における下面以外の面のそれぞれの少なくとも一部を覆う。すなわち、カバー50の外側部50aは本体部20の外側面部20cの全体を覆い、一対の端部構造体50bは本体部20の長さ方向Lの端部の全体を覆い、上面部50cは本体部20の上面部20aの一部を覆い、一対の内側部50eは本体部20の内側面部20dの一部を覆う。この状態で、カバー50を本体部20の直上域に配置し、その後、下側に移動させる。このとき、カバー50は樹脂により形成されているため一定の柔軟性を有し、クリップ52及び53があっても、移動することができる。
【0058】
これにより、
図17(b)に示すように、カバー50の上面部50cの下面を本体部20の上面部20aの上面に当接させる。この結果、カバー50内に本体部20が位置する。このとき、カバー50の一対のクリップ52は本体部20の一対の穴23に対向し、カバー50の一対のクリップ53は本体部20の一対の穴29に対向する。
【0059】
そして、カバー50の外側部50aを内側に向けて押圧することにより、カバー50の一対のクリップ52を本体部20の一対の穴23に係合させる。このとき、クリップ52のフック部52bが穴23を通過した後、穴23の端部で係止され、逆進しなくなる。これにより、カバー50の外側部50aが本体部20の外側面部20cに結合される。また、カバー50の内側部50eを外側に向けて押圧することにより、カバー50の一対のクリップ53を本体部20の一対の穴29に係合させる。このとき、クリップ53のフック部53bが穴29を通過した後、穴29の端部で係止され、逆進しなくなる。これにより、カバー50の内側部50eが本体部20の内側面部20dに結合される。
【0060】
また、カバー50の下面部50dを折り曲げて、本体部20の下面部20bに接触させる。このとき、カバー50の穴51が本体部20の穴27の直下に位置する。次に、クリップ60をカバー50の穴51及び本体部20の穴27に挿通させて、カバー50の下面部50dを本体部20の下面に結合する。このようにして、カバー50が本体部20に装着される。
【0061】
カバー50を装着した後のオプション受け部材18においては、カバー50の一対の端部構造体50bが長さ方向Lの両側から本体部20を挟み、カバー50の上面部50c及び下面部50dが上下から本体部20を挟み、カバー50の外側部50aと内側部50eが幅方向Wの両側から本体部20を挟む。このように、本体部20は3方向からカバー50によって挟まれる。
【0062】
また、本体部20の長さ方向Lの両端部はカバー50によって覆われ、外側面部20cもカバー50によって覆われる。一方、本体部20の上面部20aの大部分はカバー50から露出しており、オプション受け軸31及び32もカバー50から露出している。このため、使用者から見て、オプション受け部材18の外観は、金属製の本体部20、オプション受け軸31及び32、並びに、樹脂製のカバー50によって構成される。
【0063】
本実施形態に係るベッド装置1においては、オプション受け部材18のオプション受け軸31及び32に、オプション(図示せず)の支持部を挿入する。すなわち、本体部20の穴21及び22に、オプション受け軸31及び32を介して、オプションを挿入する。このようにして、オプション受け部材18がオプションを支持し、オプションをベッド装置1に取り付けることができる。オプションは、例えば、ベッド装置1のサイドレールである。なお、オプションはサイドレールには限定されず、例えば、点滴棒であってもよい。
【0064】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係るオプション受け部材18においては、カバー50の下面部50dを外側部50aの直下又はそれより外側に位置させると、カバー50の下面が完全に開口する。これにより、カバー50を本体部20の上方から装着することができる。このため、カバー50を本体部20に容易に取り付けることができる。一方、カバー50は、本体部20における下面以外の面のそれぞれの少なくとも一部を覆っている。これにより、カバー50を本体部20に装着した後の結合が強固となる。
【0065】
また、クリップ52及び53により、カバー50を本体部20に長さ方向Lの両側及び外側から結合させることができる。また、カバー50の上面部50cを本体部20の上面部20aに当接させることができる。これにより、カバー50が本体部20を5方向から囲み、カバー50を本体部20に確実に固定することができる。
【0066】
また、カバー50の下面部50dを折り曲げることにより、下面部50dを本体部20の下面部20bに当接させることができる。これにより、クリップ60によって下面部50dを本体部20の下面部20bに結合することができる。この結果、カバー50の下面部50d及び上面部50cにより、本体部20を上下から挟むことができる。これにより、カバー50と本体部20との結合がより強固になる。
【0067】
また、カバー50が本体部20の全体を覆わず、上面部20aの一部を露出させているため、オプション受け部材18の外観を、金属製の本体部20、オプション受け軸31及び32と、樹脂製のカバー50との双方によって構成することができる。これにより、外観が軽快な印象となり、意匠性が向上する。
【0068】
また、カバー50は本体部20の上面部20aの一部と、下面部20bの大部分と、内側面20dの大部分を露出している。これにより、オプション受け部材18を小型化できると共に、カバー50の材料を削減できるため、カバー50の材料コストを低減することができる。
【0069】
また、本実施形態においては、取付金具40の凹部45~47のいずれかの内部にフレーム部材19の突起92を配置することにより、オプション受け部材18をフレーム部材19に対して位置決めし、ボルト93及びノブナット94によって取付金具40をフレーム部材19に固定している。これにより、オプション受け部材18をベッド装置1に容易に取り付けることができる。
【0070】
また、突起92を配置する凹部を選択することにより、幅方向Wにおけるオプション受け部材18の位置を選択できる。また、任意のタイミングでオプション受け部材18の位置を容易に変更することができる。例えば、ベッド装置1を設置する場所の広さに合わせてオプション受け部材18の位置を変更することができる。また、オプションを使用しないときは、オプション受け部材18をボトム16の下に収納することができる。また、凹部45~47と突起92との組み合わせによってオプション受け部材18を位置決めすることにより、オプション受け部材18を所定の位置に装着することができ、作業者の誤作業を防止できる。
【0071】
また、本実施形態に係るオプション受け部材18においては、オプション受け軸32に平坦領域37が設けられているため、上方から見て、オプション受け軸31の内面形状は円形であるのに対して、オプション受け軸32の内面形状は長円形である。これにより、作業者又は使用者が誤ってオプションの向きを反対にして装着することを防止できる。また、作業者又は使用者が誤って他の部材を装着してしまうことも防止できる。
【符号の説明】
【0072】
1:ベッド装置
11:下フレーム
12:足部材
13:アクチュエータ
15:上フレーム
16:ボトム
16a:背ボトム
16b:腰ボトム
16c:膝ボトム
16d:足ボトム
17:ベッドボード
18:オプション受け部材
19:フレーム部材
19a、19b:穴
20:本体部
20a:上面部
20b:下面部
20c:外側面部
20d:内側面部
21、22、23、25、26:27、28、29:穴
31、32:オプション受け軸
33:筒状部
34:鍔
35:円錐台部
36:鍔
37:平坦領域
40:取付金具
40a:上面部
40b、40c:側面部
40d:内側面部
41:穴
42、43、44:部分
45、46、47:凹部
50:カバー
50a:外側部
50b:端部構造体
50c:上面部
50c1:広幅部
50c2:狭幅部
50d:下面部
50e:内側部
51:穴
52:クリップ
52a:起立部
52b:フック部
52c:支持部
53:クリップ
53a:起立部
53b:フック部
60:クリップ
91:円柱部材
92:突起
93:ボルト
94:ノブナット
L:長さ方向
L1、L2、L3、L4:長さ
V:上下方向
W:幅方向