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  • 特許-車両用導光体及び車両用灯具 図1
  • 特許-車両用導光体及び車両用灯具 図2
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  • 特許-車両用導光体及び車両用灯具 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】車両用導光体及び車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/237 20180101AFI20241113BHJP
   F21S 43/241 20180101ALI20241113BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20241113BHJP
   F21S 43/245 20180101ALI20241113BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20241113BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20241113BHJP
   F21W 103/15 20180101ALN20241113BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20241113BHJP
【FI】
F21S43/237
F21S43/241
F21S43/14
F21S43/245
F21V8/00 310
G02B6/00 326
F21W103:15
F21W103:00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021053517
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022150767
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2024-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】傍示 顕信
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-100256(JP,A)
【文献】特開2016-132297(JP,A)
【文献】特開2018-092733(JP,A)
【文献】特開2016-039121(JP,A)
【文献】実開昭60-019104(JP,U)
【文献】特開2014-157804(JP,A)
【文献】特開平05-024478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/00
F21V 8/00
G02B 6/00
F21W 103/15
F21W 103/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両搭載状態における左右方向に延びた状態で配置される本体部と、
前記本体部の前記左右方向で車両内側の端部に配置され、前記車両内側に向けられ、光源からの光が入射する入射面と、
前記本体部の背面側に配置され、前記入射面から入射した前記光を内面反射する内面反射面と、
前記本体部の背面側に配置され、前記入射面から入射した前記光が前記本体部の正面側から出射されるように当該光を反射するプリズム面と、
前記本体部の正面側に配置され、前記内面反射面で反射した前記光を内面反射すると共に前記プリズム面で反射した前記光を透過して出射する第1出射面と、
前記本体部の正面側に配置され、前記内面反射面で反射した前記光の一部を車両外側に向けて出射する第2出射面と
を備え
前記第1出射面及び前記第2出射面は、前記車両内側から前記車両外側にかけて階段状に形成され、
前記第2出射面は、前記光源から離れるに従って、正面背面方向の寸法が徐々に大きくなるように形成される
車両用導光体。
【請求項2】
前記第1出射面と前記第2出射面とは、前記左右方向に交互に配置される
請求項1に記載の車両用導光体。
【請求項3】
前記本体部は、前記車両内側から前記車両外側にかけて背面側に湾曲している
請求項1又は請求項2に記載の車両用導光体。
【請求項4】
車両搭載状態における前記車両外側に光を出射する光源と、
前記光源に対して前記車両外側に配置され、前記入射面が前記光源に対向するように配置された請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用導光体と
を備える車両用灯具。
【請求項5】
前記第1出射面から出射される前記光を透過する第1インナーレンズと、
前記第2出射面から出射される前記光を透過する第2インナーレンズと
を更に備える請求項4に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用導光体及び車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の後部に配置される車両用灯具として、光源からの光を導光し、正面方向及び側面方向に出射する車両用導光体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-185987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような車両用導光体では、光源からの光を正面方向に出射するために正面側に内面反射するプリズム面と、光源からの光を側面方向に出射するために側面側に内面反射するプリズム面とが共に背面に形成される場合がある。この構成では、例えば正面方向から見た場合に、側面側に反射される分の光が欠けた状態で見える場合がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、見栄えを向上させることが可能な車両用導光体及び車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用導光体は、車両搭載状態における左右方向に延びた状態で配置される本体部と、前記本体部の前記左右方向で車両内側の端部に配置され、前記車両内側に向けられ、光源からの光が入射する入射面と、前記本体部の背面側に配置され、前記入射面から入射した前記光を内面反射する内面反射面と、前記本体部の背面側に配置され、前記入射面から入射した前記光が前記本体部の正面側から出射されるように当該光を反射するプリズム面と、前記本体部の正面側に配置され、前記内面反射面で反射した前記光を内面反射すると共に前記プリズム面で反射した前記光を透過して出射する第1出射面と、前記本体部の正面側に配置され、前記内面反射面で反射した前記光の一部を車両外側に向けて出射する第2出射面とを備える。
【0007】
また、上記の車両用導光体において、前記第1出射面と前記第2出射面とは、前記左右方向に交互に配置されてもよい。
【0008】
また、上記の車両用導光体において、前記本体部は、前記車両内側から前記車両外側にかけて背面側に湾曲していてもよい。
【0009】
本発明に係る車両用灯具は、車両搭載状態における車両外側に光を出射する光源と、前記光源に対して車両外側に配置され、前記入射面が前記光源に対向するように配置された上記の車両用導光体とを備える。
【0010】
また、上記の車両用灯具は、前記第1出射面から出射される前記光を透過する第1インナーレンズと、前記第2出射面から出射される前記光を透過する第2インナーレンズとを更に備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、見栄えを向上させることが可能な車両用導光体及び車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を示す図である。
図2図2は、図1におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
図3図3は、本実施形態に係る導光体の一例を示す斜視図である。
図4図4は、図2における要部を拡大して示す図である。
図5図5は、本実施形態に係る導光体の一部の構成を示す図である。
図6図6は、導光体から出射される光のパターンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る車両用導光体及び車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
以下の説明においては、車両1が水平面と平行な地面に配置されることとし、運転室に搭乗した運転者を基準として、前、後、上、下、左、及び右という用語を用いて各部の位置関係について説明する。前後、上下、左右の各方向は、車両用灯具が車両に搭載された車両搭載状態における方向であって、運転席から車両の進行方向を見た場合における方向を示す。なお、本実施形態では、上下方向は鉛直方向に平行であり、前後方向及び左右方向は水平方向に平行であるとする。
【0015】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具100の一例を示す図である。図2は、図1におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。本実施形態において、車両用灯具100は、例えば車両の後部の左側及び右側のそれぞれに設けられる。そのため、前後方向の後方側を車両用灯具100の正面側とし、前後方向の前方側を車両用灯具100の背面側として説明する。本実施形態では、例えば車両の後部の左側に搭載される車両用灯具100を例に挙げて説明する。
【0016】
車両用灯具100は、車両の後部に設けられヘッドランプの点灯と連動して点灯するテールランプと、車両の後部に設けられ車両側方からの視認性を向上させるリアサイドマーカーランプの、2つの機能を有する構成を例に挙げて説明する。
【0017】
車両用灯具100は、光源10、15と、導光体(車両用導光体)20と、ハウジング30と、インナーレンズ40とを備える。車両用灯具100は、例えば灯室LP内に収容される。灯室LPには、他の種類の車両用灯具が配置されてもよい。
【0018】
光源10、15は、例えばLED等の半導体型光源である。光源10、15は、左右方向で車両外側に向けて光を出射し、導光体20に対して光を供給する。
【0019】
導光体20は、光源10、15からの光を導光する。図3は、本実施形態に係る導光体の一例を示す斜視図である。図2及び図3に示すように、導光体20は、灯室LPの上辺、左辺及び下辺に沿って略C字状に形成される。導光体20は、上辺部(本体部)20Aと、外辺部20Bと、下辺部20Cとを有する。上辺部20Aは、灯室LPの上辺に沿って左右方向に延びる部分である。上辺部20Aは、車両内側の端面が光源10の発光面11に対向するように配置される。当該端面は、光源10からの光を入射する入射面21となっている。
【0020】
外辺部20Bは、上辺部分に接続され、灯室LPにおける車両外側の辺(左辺)に沿って上下方向に延びる部分である。下辺部20Cは、外辺部20Bに接続され、灯室LPの下辺に沿って左右方向に延びる部分である。下辺部20Cは、車両内側の端面が車両内側に向けて形成される。当該端面は、光源15からの光を入射する入射面26となっている。
【0021】
上辺部20Aは、車両内側から車両外側にかけて背面側(前方)に湾曲している。上辺部20Aは、入射面21と、内面反射面22と、プリズム面23と、第1出射面24と、第2出射面25とを有する。
【0022】
入射面21は、上辺部20Aの左右方向における車両内側の端部に配置される。入射面21は、光源10からの光を入射する。
【0023】
内面反射面22は、上辺部20Aの背面側(前方側)に配置される。内面反射面22は、入射面21から入射した光を内面反射する。プリズム面23は、上辺部20Aの背面側に配置される。プリズム面23は、入射面21から入射した光が上辺部20Aの正面側(後方側)から出射されるように光を反射する。内面反射面22とプリズム面23とは、左右方向に交互に配置される。
【0024】
第1出射面24は、上辺部20Aの正面側に配置される。第1出射面24は、内面反射面22で反射した光を内面反射する。また、第1出射面24は、プリズム面23で反射した光を透過して出射する。第2出射面25は、上辺部20Aの正面側に配置される。第2出射面25は、内面反射面22で反射した光の一部を車両外側に向けて出射する。第1出射面24と第2出射面25とは、左右方向に交互に配置される。
【0025】
図4は、図2における要部を拡大して示す図であり、上辺部20Aのうち光源10の近傍の部分の一例を模式的に示している。図4に示すように、各第1出射面24は、前後方向にずれた状態で配置される。つまり、車両内側から車両外側にかけて、第1出射面24が背面側にずれた状態で配置される。第2出射面25は、前後方向にずれた状態の第1出射面24同士の間を接続するように形成される。第2出射面25は、左右方向において車両外側(図4では左側)に向くように形成される。このように、車両内側から車両外側にかけて、第1出射面24と第2出射面25とが階段状に形成されている。また、図5は、図3における要部を示す図である。図3及び図5に示すように、上辺部20Aは、光源10側から離れるに従って、第2出射面25の前後方向の寸法が徐々に大きくなるように形成される。
【0026】
また、図2に示すように、インナーレンズ40は、導光体20の正面側(後方)に配置される第1インナーレンズ41と、導光体20の車両外側(左方)に配置される第2インナーレンズ42とを有する。第1インナーレンズ41及び第2インナーレンズ42は、それぞれ板状である。第1インナーレンズ41及び第2インナーレンズ42は、導光体20側に向けられた入射面41a、42aと、当該入射面41a、42aとは反対側の出射面41b、42bとを有する。
【0027】
次に、上記のように構成された車両用灯具100の動作を説明する。車両において所定の操作が行われることで、光源10が点灯状態となり、光源10の発光面11から光が出射される。発光面11から出射された光は、入射面21から上辺部20Aに入射し、第1出射面24及び内面反射面22により内面反射する。この光のうちプリズム面23に到達した光L1は、当該プリズム面23によって内面反射され、第1出射面24から正面側に出射される。また、この光のうち第2出射面25に到達した光L2は、当該第2出射面25から側面側(車両外側)に出射される。このため、光源10から出射される光は、導光体20により一部(光L1)が正面側に出射され、一部(光L2)が側面側に出射される。
【0028】
図6は、導光体20から出射される光のパターンの一例を示す図である。図6では、車両後方及び側方の仮想スクリーンに照射されるパターンを示している。図6において、V-V線がスクリーンの垂直線を示し、H-H線がスクリーンの左右の水平線を示す。また、ここでは、垂直線と水平線との交点が、水平方向の基準位置であるとする。
【0029】
図6では、第2出射面25が設けられた本実施形態に係る導光体20によるパターンPと、第2出射面25が設けられない導光体による比較パターンPAとが示されている。導光体20によるパターンPは、第2出射面25が設けられることにより、車両外側に向けて効率的に出射される。このため、第2出射面25が設けられない導光体の比較パターンPAに比べて、より車両外側に広がった状態で照射されることになる。
【0030】
導光体20から正面側に出射された光L1は、インナーレンズ40のうち第1インナーレンズ41を透過し、赤色の光として正面側に出射される。この光L1は、例えばテールランプの光として視認される。一方、導光体20から側面側に出射された光L2は、インナーレンズ40のうち第2インナーレンズ42を透過し、側面側(車両外側)に出射される。この光L2は、例えばリアサイドマーカーランプの光として視認される。このように、1つの光源10により、テールランプ及びリアサイドマーカーランプの2つの機能を実現可能となる。
【0031】
以上のように、本実施形態に係る導光体20は、車両搭載状態における左右方向に延びた状態で配置される上辺部20Aと、上辺部20Aの左右方向で車両内側の端部に配置され、車両内側に向けられ、光源10からの光が入射する入射面21と、上辺部20Aの背面側に配置され、入射面21から入射した光を内面反射する内面反射面22と、上辺部20Aの背面側に配置され、入射面21から入射した光が上辺部20Aの正面側から出射されるように当該光を反射するプリズム面23と、上辺部20Aの正面側に配置され、内面反射面22で反射した光を内面反射すると共にプリズム面23で反射した光を透過して出射する第1出射面24と、上辺部20Aの正面側に配置され、内面反射面22で反射した光の一部を車両外側に向けて出射する第2出射面25とを備える。
【0032】
この構成によれば、側面方向に出射するための第2出射面25が上辺部20Aの正面に形成されるため、当該第2出射面25に対応するプリズム面が上辺部20Aの背面に形成される構成に比べて、正面方向から見た場合における光の欠けを抑制できる。これにより、見栄えを向上させることが可能となる。
【0033】
本実施形態に係る導光体20において、第1出射面24と第2出射面25とは、左右方向に交互に配置されてもよい。これにより、正面側へ向けた光と車両外側へ向けた光とが左右方向にほぼ均一に出射されることになる。
【0034】
本実施形態に係る導光体20において、上辺部20Aは、車両内側から車両外側にかけて背面側に湾曲していてもよい。これにより、車両外側に光を出射しやすくすることができる。
【0035】
本実施形態に係る車両用灯具100は、車両搭載状態における車両外側に光を出射する光源10と、光源10に対して車両外側に配置され、入射面21が光源10に対向するように配置された上記の導光体20とを備える。これにより、見栄えを向上させることが可能な車両用灯具100が得られる。
【0036】
本実施形態に係る車両用灯具100は、第1出射面24から出射される光を透過する第1インナーレンズ41と、第2出射面25から出射される光を透過する第2インナーレンズ42とを更に備えてもよい。これにより、第1出射面24から出射される光と、第2出射面から出射される光とを別個に利用することができる。
【0037】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、導光体20の上辺部20Aに第2出射面25が設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、導光体20の下辺部20Cに第2出射面25と同様の構成が設けられた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
L1,L2…光、LP…灯室、P…パターン、PA…比較パターン、1…車両、10,15…光源、11…発光面、20…導光体、20A…上辺部、20B…外辺部、20C…下辺部、21,26,41a,42a…入射面、22…内面反射面、23…プリズム面、24…第1出射面、25…第2出射面、30…ハウジング、40…インナーレンズ、41…第1インナーレンズ、41b,42b…出射面、42…第2インナーレンズ、100…車両用灯具
図1
図2
図3
図4
図5
図6