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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】カラオケシステム、カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20241113BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021073818
(22)【出願日】2021-04-26
(65)【公開番号】P2022168404
(43)【公開日】2022-11-08
【審査請求日】2024-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関森 英雄
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-071235(JP,A)
【文献】特開2000-010571(JP,A)
【文献】特開2011-175180(JP,A)
【文献】国際公開第2012/176680(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/099441(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカラオケ装置とサーバ装置とが通信可能に接続されたカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、
前記カラオケシステムにログインした利用者の利用者識別情報を取得する取得部と、
動画データを生成する第1のモードにおいて、ログインした利用者により選曲された楽曲のカラオケ演奏音に対応する演奏音信号、集音した当該利用者の音声に対応する音声信号、及び当該利用者を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて動画データを生成する生成部と、
生成した前記動画データを再生可能とする期日を示す解禁日情報を設定する設定部と、
生成した前記動画データ、取得した前記利用者識別情報、選曲された前記楽曲の楽曲識別情報、及び設定した前記解禁日情報を含むタイムカプセル情報を前記サーバ装置に送信するカラオケ側送信部と、
動画データを再生する第2のモードにおいて、前記サーバ装置から受信した動画データを再生する再生部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記カラオケ装置から受信したタイムカプセル情報を記憶する情報記憶部と、
前記第2のモードを実行する一のカラオケ装置から利用者識別情報及び楽曲識別情報を受信した場合、当該利用者識別情報及び当該楽曲識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が前記情報記憶部に記憶されているかどうかを判定する判定部と、
前記特定のタイムカプセル情報が前記情報記憶部に記憶されていると判定された場合、当該特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを前記一のカラオケ装置に送信するサーバ側送信部と、
を有するカラオケシステム。
【請求項2】
前記生成部は、前記再生部が再生する動画データに基づく映像及び音声を視聴する利用者の音声に対応する音声信号及び当該利用者を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて新たな動画データを生成し、
前記設定部は、生成した前記新たな動画データを再生可能とする期日を示す新たな解禁日情報を設定し、
前記カラオケ側送信部は、生成した前記新たな動画データ、取得した前記利用者識別情報、前記動画データにおいてカラオケ演奏されている楽曲の楽曲識別情報、及び設定した前記新たな解禁日情報を含む新たなタイムカプセル情報を前記サーバ装置に送信することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記判定部は、前記第2のモードを実行する二以上のカラオケ装置それぞれから利用者識別情報及び楽曲識別情報を受信した場合、当該利用者識別情報及び当該楽曲識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が前記情報記憶部に記憶されているかどうかを判定し、
前記サーバ側送信部は、前記特定のタイムカプセル情報が前記情報記憶部に記憶されていると判定された場合、当該特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを前記二以上のカラオケ装置それぞれに送信することを特徴とする請求項1または2記載のカラオケシステム。
【請求項4】
前記カラオケ側送信部は、生成した前記動画データ、取得した前記利用者識別情報、選曲された前記楽曲の楽曲識別情報、設定した前記解禁日情報、及び当該動画データを生成したカラオケ装置の装置識別情報を含むタイムカプセル情報を前記サーバ装置に送信し、
前記判定部は、前記第2のモードを実行する一のカラオケ装置から利用者識別情報、楽曲識別情報、及び装置識別情報を受信した場合、当該利用者識別情報、当該楽曲識別情報、及び当該装置識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が前記情報記憶部に記憶されているかどうかを判定することを特徴とする請求項1または2に記載のカラオケシステム。
【請求項5】
前記判定部は、
前記カラオケシステムからあるカラオケ装置が取り除かれた場合、当該あるカラオケ装置の装置識別情報を含むタイムカプセル情報が前記情報記憶部に記憶されているかどうかを判定し、
当該あるカラオケ装置の装置識別情報を含むタイムカプセル情報が前記情報記憶部に記憶されていると判定した場合、当該タイムカプセル情報に含まれる当該あるカラオケ装置の装置識別情報を、所定のカラオケ装置の装置識別情報に更新することを特徴とする請求項4記載のカラオケシステム。
【請求項6】
カラオケシステムにログインした利用者の利用者識別情報を取得する取得部と、
動画データを生成する第1のモードにおいて、ログインした利用者により選曲された楽曲のカラオケ演奏音に対応する演奏音信号、集音した当該利用者の音声に対応する音声信号、及び当該利用者を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて動画データを生成する生成部と、
生成した前記動画データを再生可能とする期日を示す解禁日情報を設定する設定部と、
生成した前記動画データ、取得した前記利用者識別情報、選曲された前記楽曲の楽曲識別情報、及び設定した前記解禁日情報を含むタイムカプセル情報を記憶手段に記憶させる記憶処理部と、
動画データを再生する第2のモードにおいて、利用者識別情報が取得され、且つ楽曲識別情報が入力された場合、当該利用者識別情報及び当該楽曲識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が前記記憶手段に記憶されているかどうかを判定する判定部と、
前記特定のタイムカプセル情報が前記記憶手段に記憶されていると判定された場合、当該特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを再生する再生部と、
を有するカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケシステム及びカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、小中学校の卒業式の際に、将来の自分達に宛てた手紙や写真、絵画などを入れたカプセル状の容器(所謂、タイムカプセル)を校庭に埋めておき、成人式の機会に皆で掘り起こして昔の思い出に浸るというイベントが行われることがある。
【0003】
また、昨今では、タイムカプセルを模擬したアプリケーションソフトウエアが知られている(たとえば、非特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】“OMOIDE”、おもいで株式会社[online]、[令和3年4月18日検索]、インターネット<URL:https://www.omoide.life/>
【文献】“Diground”、ディグランド株式会社[online]、[令和3年4月18日検索]、インターネット<URL:https://diground.com/company/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、タイムカプセルを模擬することを可能とする新規なカラオケシステム及びカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一の発明は、複数のカラオケ装置とサーバ装置とが通信可能に接続されたカラオケシステムであって、前記カラオケ装置は、前記カラオケシステムにログインした利用者の利用者識別情報を取得する取得部と、動画データを生成する第1のモードにおいて、ログインした利用者により選曲された楽曲のカラオケ演奏音に対応する演奏音信号、集音した当該利用者の音声に対応する音声信号、及び当該利用者を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて動画データを生成する生成部と、生成した前記動画データを再生可能とする期日を示す解禁日情報を設定する設定部と、生成した前記動画データ、取得した前記利用者識別情報、選曲された前記楽曲の楽曲識別情報、及び設定した前記解禁日情報を含むタイムカプセル情報を前記サーバ装置に送信するカラオケ側送信部と、動画データを再生する第2のモードにおいて、前記サーバ装置から受信した動画データを再生する再生部と、を有し、前記サーバ装置は、前記カラオケ装置から受信したタイムカプセル情報を記憶する情報記憶部と、前記第2のモードを実行する一のカラオケ装置から利用者識別情報及び楽曲識別情報を受信した場合、当該利用者識別情報及び当該楽曲識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が前記情報記憶部に記憶されているかどうかを判定する判定部と、前記特定のタイムカプセル情報が前記情報記憶部に記憶されていると判定された場合、当該特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを前記一のカラオケ装置に送信するサーバ側送信部と、を有するカラオケシステムである。
また、上記目的を達成するための一の発明は、カラオケシステムにログインした利用者の利用者識別情報を取得する取得部と、動画データを生成する第1のモードにおいて、ログインした利用者により選曲された楽曲のカラオケ演奏音に対応する演奏音信号、集音した当該利用者の音声に対応する音声信号、及び当該利用者を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて動画データを生成する生成部と、生成した前記動画データを再生可能とする期日を示す解禁日情報を設定する設定部と、生成した前記動画データ、取得した前記利用者識別情報、選曲された前記楽曲の楽曲識別情報、及び設定した前記解禁日情報を含むタイムカプセル情報を記憶手段に記憶させる記憶処理部と、動画データを再生する第2のモードにおいて、利用者識別情報が取得され、且つ楽曲識別情報が入力された場合、当該利用者識別情報及び当該楽曲識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が前記記憶手段に記憶されているかどうかを判定する判定部と、前記特定のタイムカプセル情報が前記記憶手段に記憶されていると判定された場合、当該特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを再生する再生部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、タイムカプセルを模擬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るカラオケシステムを示す図である。
図2】第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図3】第1実施形態に係るカラオケ装置のカラオケ本体を示す図である。
図4】第1実施形態に係るサーバ装置を示す図である。
図5】第1実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
図6】第1実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態に係るカラオケ装置のカラオケ本体を示す図である。
図8】第2実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1から図6を参照して、第1実施形態に係るカラオケシステムについて説明する。本実施形態に係るカラオケシステムは、カラオケ装置を用いてタイムカプセルを模擬することができる。
【0010】
カラオケシステムは、複数のカラオケ装置及びサーバ装置を含む。図1に示すように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、複数のカラオケ装置K1~カラオケ装置Kn、及びサーバ装置Sを備える。各カラオケ装置とサーバ装置SとはネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0011】
カラオケ装置は、楽曲のカラオケ演奏及びカラオケ歌唱を行うための機能を有する。また、本実施形態に係るカラオケ装置は、動画データを生成する第1のモード及び動画データを再生する第2のモードを実行することができる(詳細は後述)。各カラオケ装置は、異なるカラオケ店舗に配置されている。たとえば、カラオケ装置K1はカラオケ店舗KS1に設置されており、カラオケ装置K2はカラオケ店舗KS2に設置されており、カラオケ装置Knはカラオケ店舗KSnに設置されている。なお、一のカラオケ店舗に複数のカラオケ装置が設置されていてもよい。
【0012】
サーバ装置Sは、各種情報を管理するコンピュータである。
【0013】
==カラオケ装置==
カラオケ装置K1~カラオケ装置Knは同様の構成であるため、以下カラオケ装置K1を例に説明を行う。
【0014】
図2に示すように、カラオケ装置K1は、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、リモコン装置50、及び撮影手段60を備える。
【0015】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20は、カラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30は、カラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を表示画面に表示するための構成である。マイク40は、利用者が発するメッセージや会話の音声、またはカラオケ歌唱に伴う音声を集音し、アナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。なお、マイク40は、複数設けられていてもよい。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。撮影手段60は、利用者を撮影可能なカメラである。
【0016】
図3に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0017】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。
【0018】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、カラオケ演奏された楽曲の主旋律を示すデータである。また、記憶手段10aは、カラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景映像等の背景映像データ、及び楽曲の属性情報(歌手名、ジャンル等)を記憶する。
【0019】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、サーバ装置Sやリモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0020】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された音声信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0021】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置K1における各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0022】
本実施形態においてはカラオケ装置K1のCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、取得部100、生成部200、設定部300、カラオケ側送信部400、及び再生部500として機能する。
【0023】
(取得部)
取得部100は、カラオケシステム1にログインした利用者の利用者識別情報を取得する。利用者識別情報は、利用者を識別するための利用者ID等、各利用者に固有の情報である。
【0024】
カラオケシステム1を利用する利用者は、カラオケ装置を介してログインの操作を行う。たとえば、カラオケ装置K1を利用者U1~利用者U4の4名で利用する場合、各利用者は、リモコン装置50を介して自己の利用者IDを入力する。カラオケ装置K1は、入力された利用者IDをサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、記憶手段70(後述)に利用者IDを登録することにより、カラオケシステム1へのログインを完了する。この際、取得部100は、入力された利用者IDを取得する。
【0025】
(生成部)
生成部200は、動画データを生成する第1のモードにおいて、ログインした利用者により選曲された楽曲のカラオケ演奏音に対応する演奏音信号、集音した当該利用者の音声に対応する音声信号、及び当該利用者を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて動画データを生成する。
【0026】
たとえば、カラオケ装置K1を利用する利用者U1~利用者U4は、中学3年生であり、卒業式の当日(2021年3月20日)、卒業記念にタイムカプセルを作成したいと考えたとする。この場合、利用者U1~利用者U4は、リモコン装置50を介して「タイムカプセル生成モード」を選択することができる。「タイムカプセル生成モード」は「第1のモード」の一例である。なお、本実施形態における「タイムカプセル」は、実際のタイムカプセルを模擬したものである。
【0027】
その後、利用者U1~利用者U4のいずれかが、リモコン装置50を操作し、4人でよくカラオケ歌唱を行った思い出の楽曲X1を選曲する。カラオケ装置K1は、選曲された楽曲X1の楽曲IDを予約待ち行列に登録することにより、カラオケ演奏の予約を行う。
【0028】
カラオケ装置K1は、演奏手段10dを制御し、楽曲X1のカラオケ演奏を行う。利用者U1~利用者U4は、マイク40を介して楽曲X1のカラオケ歌唱を行ったり、間奏や後奏の区間において将来の自分に向けたメッセージ等を発する。マイク40は、カラオケ歌唱やメッセージの音声を集音する。また、撮影手段60は、カラオケ演奏の開始に伴って利用者U1~利用者U4の撮影を開始する。
【0029】
楽曲X1のカラオケ演奏の開始に伴い、生成部200は、楽曲X1のカラオケ演奏音に対応する演奏音信号、集音した利用者U1~利用者U4の音声に対応する音声信号、及び利用者U1~利用者U4を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて動画データMV1を生成する。動画データの生成は、公知の手法を用いて行うことができる。生成部200は、楽曲X1のカラオケ演奏が終了するまで動画データMV1を生成する。
【0030】
(設定部)
設定部300は、解禁日情報を設定する。解禁日情報は、生成した動画データを再生可能とする期日を示す。
【0031】
たとえば上述のように、利用者U1~利用者U4のいずれかがリモコン装置50を介して「タイムカプセル生成モード」を選択した場合、設定部300は、リモコン装置50の表示画面に動画データを再生可能とする時を選択する画面を表示させる。画面には、たとえば、「1年後」、「3年後」、「5年後」、「10年後」のようなアイコンが表示される。
【0032】
利用者U1~利用者U4のいずれかが、リモコン装置50を介して、たとえば「3年後」のアイコンを選択する。この場合、設定部300は、現時点(2021年3月20日)から3年後の「2024年3月20日」を解禁日情報LD1として設定する。
【0033】
なお、解禁日情報の設定は、動画データを生成する前または生成した後のいずれで行ってもよい。
【0034】
(カラオケ側送信部)
カラオケ側送信部400は、タイムカプセル情報をサーバ装置Sに送信する。タイムカプセル情報は、模擬的なタイムカプセルに対応するものであって、生成した動画データ、取得した利用者識別情報、選曲された楽曲の楽曲識別情報、及び設定した解禁日情報を含む。
【0035】
取得した利用者識別情報は、動画データを生成する際にカラオケ装置を利用していた利用者(カラオケシステムにログインしていた利用者)の利用者識別情報である。選曲された楽曲の楽曲識別情報は、動画データにおいてカラオケ演奏されている楽曲(「タイムカプセル生成モード」中に選曲された楽曲)の楽曲識別情報である。
【0036】
たとえば上述のような動画データMV1が生成され、且つ解禁日情報LD1として「2024年3月20日」が設定されたとする。
【0037】
この場合、カラオケ側送信部400は、生成した動画データMV1、動画データMV1を生成する際にカラオケ装置K1を利用していた利用者U1~利用者U4の利用者ID、動画データMV1においてカラオケ演奏されている楽曲X1の楽曲ID、及び解禁情報LD1を含むタイムカプセル情報TC1をサーバ装置Sに送信する。
【0038】
(再生部)
再生部500は、動画データを再生する第2のモードにおいて、サーバ装置Sから受信した動画データを再生する。
【0039】
たとえば、利用者U1~利用者U4は、成人式の日(2026年1月12日)に久々に会った際、中学校の卒業記念にカラオケ装置K1を利用してタイムカプセルを作成したことを思い出したため、カラオケ店舗KS1を訪れてカラオケ装置K1を利用するとする。
【0040】
この場合、利用者U1~利用者U4は、カラオケ装置K1のリモコン装置50を介して「タイムカプセル開封モード」を選択することができる。「タイムカプセル開封モード」は「第2のモード」の一例である。
【0041】
その後、各利用者は、リモコン装置50を介して自己の利用者IDを入力する。カラオケ装置K1は、入力された利用者IDをサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、記憶手段70(後述)に利用者IDを登録することにより、ログインを完了する。この際、取得部100は、入力された利用者IDを取得する。
【0042】
また、利用者U1~利用者U4のいずれかがリモコン装置50を操作し、タイムカプセルを作成した際に選曲した楽曲X1の楽曲IDを入力する。
【0043】
再生部500は、取得した利用者ID及び入力された楽曲IDをサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、受信した利用者ID及び楽曲IDに基づいて特定のタイムカプセル情報が記憶されているかどうかを判定する。特定のタイムカプセル情報が記憶されている場合、サーバ装置Sは、特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データをカラオケ装置K1に送信する(詳細は後述)。再生部500は、受信した動画データを再生し、表示装置30の表示画面に映像を流しつつ、スピーカ20から音声を放音させる。
【0044】
==サーバ装置==
図4に示すように、サーバ装置Sは、記憶手段70、通信手段80、及び制御手段90を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0045】
[記憶手段]
記憶手段70は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。本実施形態において、記憶手段70の記憶領域の一部は、情報記憶部70aとして機能する。
【0046】
(情報記憶部)
情報記憶部70aは、カラオケ装置から受信したタイムカプセル情報を記憶する。本実施形態に係る情報記憶部70aは、カラオケ装置K1から送信されたタイムカプセル情報TC1を記憶する。
【0047】
[通信手段]
通信手段80は、各カラオケ装置との通信を行うためのインターフェースを提供する。
【0048】
[制御手段]
制御手段90は、サーバ装置Sにおける各種の制御を行う。制御手段90は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0049】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段90は、判定部90a及びサーバ側送信部90bとして機能する。
【0050】
(判定部)
判定部90aは、第2のモードを実行する一のカラオケ装置から利用者識別情報及び楽曲識別情報を受信した場合、当該利用者識別情報及び当該楽曲識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定する。
【0051】
所定条件は、特定のタイムカプセル情報を判定するための条件である。所定条件は、たとえば、「解禁日情報が示す期日以降」や「解禁日情報が示す期日の前後14日以内」等、予め設定されている。
【0052】
たとえば2026年1月12日に、「タイムカプセル開封モード」を実行するカラオケ装置K1から利用者U1~利用者U4の利用者ID及び楽曲X1の楽曲IDを受信したとする。また、所定条件Pとして「解禁日情報が示す期日以降」が設定されているとする。
【0053】
まず、判定部90aは、受信した利用者ID及び楽曲IDを含むタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定する。本実施形態において、情報記憶部70aは、利用者U1~利用者U4の利用者ID及び楽曲X1の楽曲IDを含むタイムカプセル情報TC1を記憶している。
【0054】
次に、判定部90aは、タイムカプセル情報TC1に含まれる解禁日情報LD1が、所定条件Pを満たすかどうかを判定する。上述の通り、解禁日情報LD1は「2024年3月20日」であり、現時点が「2026年1月12日」であることから、所定条件Pを満たす。
【0055】
この場合、判定部90aは、特定のタイムカプセル情報であるタイムカプセル情報TC1が情報記憶部70aに記憶されていると判定する。
【0056】
なお、判定部90aは、受信した利用者IDがタイムカプセル情報に含まれる利用者IDの所定割合以上を占める場合に、受信した利用者ID及び楽曲IDを含むタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されていると判定してもよい。所定割合は、たとえば70%、80%のように、予め一の値が設定されている。
【0057】
具体例として、設定された所定割合が70%であるとする。また、カラオケ装置K1から、利用者U1~利用者U3の利用者ID及び楽曲X1の楽曲IDが送信されたとする。この場合、タイムカプセル情報TC1は、受信した利用者IDの割合が75%(すなわち70%以上)を占め、且つ楽曲X1の楽曲IDを含む。また、上述の通り、タイムカプセル情報TC1に含まれる解禁日情報LD1は、所定条件Pを満たす。
【0058】
よって、判定部90aは、特定のタイムカプセル情報であるタイムカプセル情報TC1が情報記憶部70aに記憶されていると判定する。このように判定部90aが判定を行うことにより、急用等で一部の利用者が同席していない場合であっても、他の利用者はタイムカプセルを開封するイベントを楽しむことができる。
【0059】
また、判定部90aは、タイムカプセル情報に含まれる解禁日情報が所定条件を満たす可能性がなくなった場合、解禁日情報を更新してもよい。
【0060】
たとえば、所定条件が「解禁日情報が示す期日の前後7日以内」であったとする。一方、上記例における利用者U1~利用者U4がタイムカプセル情報TC1に対応するタイムカプセルを作成したことを忘れており、解禁日情報LD1が所定条件を満たす可能性がなくなった(具体的には、解禁日情報が示す期日2024年3月20日の7日後を経過した)とする。
【0061】
この場合、判定部90aは、情報記憶部70aに記憶されているタイムカプセル情報TC1に含まれる解禁日情報を、所定期間だけ延長するよう更新する。所定期間は、たとえば1年、3年等、予め一の値が設定されている。
【0062】
このように判定部90aが解禁日情報を更新することにより、タイムカプセルの作成を忘れていた場合等であっても、利用者は、適当な機会に改めてタイムカプセルを開封するイベントを楽しむことができる。
【0063】
(サーバ側送信部)
サーバ側送信部90bは、特定のタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されていると判定された場合、当該特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを一のカラオケ装置に送信する。
【0064】
たとえば上述の通り、判定部90aは、特定のタイムカプセル情報であるタイムカプセル情報TC1が情報記憶部70aに記憶されていると判定したとする。
【0065】
この場合、サーバ側送信部90bは、情報記憶部70aからタイムカプセル情報TC1に含まれる動画データMV1を読み出し、カラオケ装置K1に送信する。
【0066】
カラオケ装置K1の再生部500は、受信した動画データMV1を再生し、表示装置30の表示画面に2021年3月20日に撮影された利用者U1~利用者U4の映像を流しつつ、スピーカ20から当時の音声(楽曲X1のカラオケ歌唱の音声やメッセージの音声)を放音させることができる。
【0067】
==カラオケシステムの動作について==
次に、図5及び図6を参照して本実施形態におけるカラオケシステム1の動作の具体例について述べる。図5は、カラオケシステム1における動画データの生成に係る動作を示すフローチャートである。図6は、カラオケシステム1における動画データの再生に係る動作を示すフローチャートである。
【0068】
[動画データの生成]
複数の利用者がカラオケ装置K1を利用して模擬的なタイムカプセルを作成したいと考えたとする。この場合、各利用者は、リモコン装置50を介して自己の利用者IDを入力する。カラオケ装置K1は、入力された利用者IDをサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、記憶手段70に利用者IDを登録することにより、カラオケシステム1へのログインを完了する。この際、取得部100は、入力された各利用者の利用者IDを取得する(利用者IDを取得。ステップ10)。
【0069】
利用者は、リモコン装置50を介して「タイムカプセル生成モード」を選択する。設定部300は、リモコン装置50の表示画面に動画データを再生可能とする時を選択する画面を表示させる。設定部300は、利用者の選択に応じて解禁日情報を設定する(解禁日情報を設定。ステップ11)。
【0070】
その後、利用者は、リモコン装置50を操作してカラオケ歌唱を希望する楽曲を選曲する。カラオケ装置K1は、演奏手段10dを制御し、選曲された楽曲のカラオケ演奏を行う(選曲された楽曲のカラオケ演奏を開始。ステップ12)。
【0071】
各利用者は、マイク40を介して楽曲のカラオケ歌唱を行ったり、間奏や後奏の区間において将来の自分に向けたメッセージ等を発する。マイク40は、各利用者のカラオケ歌唱やメッセージの音声を集音する。また、撮影手段60は、カラオケ演奏の開始に伴って利用者の撮影を開始する(音声の集音及び利用者の撮影。ステップ13)。
【0072】
生成部200は、楽曲のカラオケ演奏音に対応する演奏音信号、ステップ13で集音した音声に対応する音声信号、及びステップ13で撮影した映像に対応する映像信号に基づいて動画データを生成する(動画データを生成。ステップ14)。
【0073】
カラオケ演奏が終了した後(ステップ15でYの場合)、カラオケ側送信部400は、ステップ14で生成した動画データ、ステップ10で取得した利用者ID、選曲された楽曲の楽曲ID、及びステップ11で設定した解禁日情報を含むタイムカプセル情報をサーバ装置Sに送信する(タイムカプセル情報を送信。ステップ16)。
【0074】
サーバ装置Sは、ステップ16で送信されたタイムカプセル情報を情報記憶部70aに記憶させる(タイムカプセル情報を記憶。ステップ17)。
【0075】
[動画データの再生]
過去にカラオケ装置K1を利用して模擬的なタイムカプセルを作成した複数の利用者が、タイムカプセルを開封するイベントを行いたいと考えたとする。この場合、各利用者は、カラオケ店舗KS1を訪れ、カラオケ装置K1を利用する。
【0076】
各利用者は、リモコン装置50を介して自己の利用者IDを入力する。カラオケ装置K1は、入力された利用者IDをサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、記憶手段70に利用者IDを登録することにより、カラオケシステム1へのログインを完了する。この際、取得部100は、入力された各利用者の利用者IDを取得する(利用者IDを取得。ステップ20)。
【0077】
利用者は、リモコン装置50を介して「タイムカプセル再生モード」を選択し、タイムカプセルを作成した際に選曲した楽曲の楽曲IDを入力する(楽曲IDを入力。ステップ21)。
【0078】
再生部500は、ステップ20で取得した利用者ID及びステップ21で入力された楽曲IDをサーバ装置Sに送信する(利用者ID及び楽曲IDを送信。ステップ22)。
【0079】
サーバ装置Sの判定部90aは、ステップ22で送信された利用者ID及び楽曲IDを含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定する。
【0080】
特定のタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されていると判定された場合(ステップ23でYの場合)、サーバ側送信部90bは、特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データをカラオケ装置K1に送信する(特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを送信。ステップ24)。
【0081】
カラオケ装置K1の再生部500は、受信した動画データを再生する(動画データを再生。ステップ25)。
【0082】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、カラオケ装置K1~Knとサーバ装置Sとが通信可能に接続されている。各カラオケ装置は、カラオケシステム1にログインした利用者の利用者識別情報を取得する取得部100と、動画データを生成する第1のモードにおいて、ログインした利用者により選曲された楽曲のカラオケ演奏音に対応する演奏音信号、集音した当該利用者の音声に対応する音声信号、及び当該利用者を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて動画データを生成する生成部200と、生成した動画データを再生可能とする期日を示す解禁日情報を設定する設定部300と、生成した動画データ、取得した利用者識別情報、選曲された楽曲の楽曲識別情報、及び設定した解禁日情報を含むタイムカプセル情報をサーバ装置Sに送信するカラオケ側送信部400と、動画データを再生する第2のモードにおいて、サーバ装置Sから受信した動画データを再生する再生部500と、を有する。サーバ装置Sは、カラオケ装置から受信したタイムカプセル情報を記憶する情報記憶部70aと、第2のモードを実行する一のカラオケ装置から利用者識別情報及び楽曲識別情報を受信した場合、当該利用者識別情報及び当該楽曲識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定する判定部90aと、特定のタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されていると判定された場合、当該特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを一のカラオケ装置に送信するサーバ側送信部90bと、を有する。
【0083】
このようなカラオケシステム1によれば、カラオケ装置を用いて、動画データや解禁日情報等を含むタイムカプセル情報を生成することができる。タイムカプセル情報は、模擬的なタイムカプセルに対応するものとして、サーバ装置に記憶される。そして、カラオケシステム1は、解禁日情報に基づき、タイムカプセル情報に含まれる動画データを再生することができる。よって、利用者は、あたかも実際のタイムカプセルを開封したようなイベントを楽しむことができる。また、カラオケシステム1は、タイムカプセル情報を生成した当時の音声や映像を提供することができる。よって、従来のタイムカプセルと比べて、より趣向性が高くなる。すなわち、本実施形態に係るカラオケシステム1によれば、カラオケ装置を用いてタイムカプセルを模擬することができる。なお、本実施形態において、利用者U1~利用者U4は、動画データMV1の生成、再生の両方をカラオケ店舗KS1に設置されたカラオケ装置K1で行ったが、カラオケシステム1が備えるカラオケ装置であれば、異なるカラオケ装置で行ってもよい。たとえば、動画データMV1の生成をカラオケ店舗KS1に設置されたカラオケ装置K1で行い、動画データMV1の再生をカラオケ店舗KS2に設置されたカラオケ装置K2で行ってもよい。
【0084】
<変形例1>
カラオケシステム1は、第2のモードにおいて新たな動画データを作成することができる。
【0085】
(生成部)
本変形例における生成部200は、再生部500が再生する動画データに基づく映像及び音声を視聴する利用者の音声に対応する音声信号及び当該利用者を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて新たな動画データを生成する。
【0086】
たとえば、実施形態の例と同様、利用者U1~利用者U4は、成人式の日(2026年1月12日)に久々に会った際、中学校の卒業記念にカラオケ装置K1を利用してタイムカプセルを作成したことを思い出したため、カラオケ店舗KS1を訪れてカラオケ装置K1を利用するとする。
【0087】
また、利用者U1~利用者U4は、過去に作成したタイムカプセルを開封しつつ、新たにタイムカプセルを作成したいと考えたとする。この場合、利用者U1~利用者U4は、リモコン装置50を介して「タイムカプセル連続モード」を選択することができる。「タイムカプセル連続モード」は「第2のモード」の一例である。
【0088】
カラオケシステム1は、実施形態の「タイムカプセル開封モード」と同様の処理を実行する。再生部500は、タイムカプセル情報TC1に含まれる動画データを再生し、表示装置30の表示画面に映像を流しつつ、スピーカ20から音声を放音させる。
【0089】
利用者U1~利用者U4は、映像や音声を視聴しながら、マイク40を介して新たなメッセージ等を発する。マイク40は、メッセージの音声を集音する。また、撮影手段60は、動画データの再生開始に伴って利用者U1~利用者U4の撮影を開始する。
【0090】
動画データの再生開始に伴い、生成部200は、集音した利用者U1~利用者U4の音声に対応する音声信号、及び利用者U1~利用者U4を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて動画データMV10を生成する。生成部200は、動画データの再生終了するまで動画データMV10を生成する。動画データMV10は、「新たな動画データ」の一例である。
【0091】
なお、生成部200は、再生部500が再生する動画データに基づく映像や音声を新たな動画データに含めてもよい。たとえば、生成部200は、動画データMV1に基づく映像に対応する映像信号や、音声に対応する音声信号を動画データMV10に含めてもよい。この際、生成部200は、動画データMV1に基づく音声信号を、動画データMV1に基づく映像や音声を視聴する利用者U1~利用者U4の音声に基づく音声信号と直接ミキシングしてもよい。また、生成部200は、動画データMV1に基づく映像信号を、タイムカプセル連続モードにおいて利用者U1~利用者U4を撮影した映像に対応する映像信号にインポーズしてもよい。
【0092】
(設定部)
本変形例に係る設定部300は、生成した新たな動画データを再生可能とする期日を示す新たな解禁日情報を設定する。
【0093】
たとえば上述のように、利用者U1~利用者U4のいずれかがリモコン装置50を介して「タイムカプセル連続モード」を選択した場合、設定部300は、リモコン装置50の表示画面に新たな動画データを再生可能とする時を選択する画面を表示させる。画面には、たとえば、「1年後」、「3年後」、「5年後」、「10年後」のようなアイコンが表示される。
【0094】
利用者U1~利用者U4のいずれかが、リモコン装置50を介して、たとえば「3年後」を選択する。この場合、設定部300は、現時点(2026年1月12日)から3年後の「2029年1月12日」を新たな解禁日情報LD10として設定する。
【0095】
(カラオケ側送信部)
本変形例に係るカラオケ側送信部400は、新たなタイムカプセル情報をサーバ装置Sに送信する。新たなタイムカプセル情報は、生成した新たな動画データ、取得した利用者識別情報、動画データにおいてカラオケ演奏されている楽曲の楽曲識別情報、及び設定した新たな解禁日情報を含む。
【0096】
取得した利用者識別情報は、新たな動画データを生成する際にカラオケ装置を利用していた利用者(カラオケシステムにログインしていた利用者)の利用者識別情報である。選曲された楽曲の楽曲識別情報は、再生部500が再生する動画データにおいてカラオケ演奏されている楽曲の楽曲識別情報である。
【0097】
たとえば上述のような動画データMV10が生成され、且つ解禁日情報LD10として「2029年1月12日」が設定されたとする。
【0098】
この場合、カラオケ側送信部400は、生成した新たな動画データMV10、新たな動画データMV10を生成する際にカラオケ装置K1を利用していた利用者U1~利用者U4の利用者ID、動画データMV1においてカラオケ演奏されている楽曲X1の楽曲ID、及び新たな解禁情報LD10を含む新たなタイムカプセル情報TC10をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、新たなタイムカプセル情報TC10を情報記憶部70aに記憶させる。
【0099】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケシステム1において、生成部200は、再生部500が再生する動画データに基づく映像及び音声を視聴する利用者の音声に対応する音声信号及び当該利用者を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて新たな動画データを生成し、設定部300は、生成した新たな動画データを再生可能とする期日を示す新たな解禁日情報を設定し、カラオケ側送信部400は、生成した新たな動画データ、取得した利用者識別情報、動画データにおいてカラオケ演奏されている楽曲の楽曲識別情報、及び設定した新たな解禁日情報を含む新たなタイムカプセル情報をサーバ装置Sに送信する。このようなカラオケシステム1によれば、過去に作成した動画データを利用しつつ、新たな動画データを作成し、新たなタイムカプセル情報として記憶させることができる。よって、利用者は、新たなタイムカプセルを開封するイベントを別の機会に楽しむことができる。
【0100】
<変形例2>
上記実施形態では、一のカラオケ装置を利用してタイムカプセルのイベントを楽しむ例について述べた。一方、二以上のカラオケ装置を利用してタイムカプセルのイベントを楽しむことも可能である。
【0101】
(判定部)
本変形例に係る判定部90aは、第2のモードを実行する二以上のカラオケ装置それぞれから利用者識別情報及び楽曲識別情報を受信した場合、当該利用者識別情報及び当該楽曲識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が前記情報記憶部に記憶されているかどうかを判定する。
【0102】
たとえば2026年1月12日19:00に、「タイムカプセル開封モード」を実行するカラオケ装置K1から利用者U1~利用者U3の利用者ID及び楽曲X1の楽曲IDを受信したとする。また、2026年1月12日19:00に、「タイムカプセル開封モード」を実行するカラオケ装置K2から利用者U4の利用者ID及び楽曲X1の楽曲IDを受信したとする。更に、所定条件Pとして「解禁日情報が示す期日以降」が設定されているとする。なお、カラオケ装置K1及びカラオケ装置K2から同時に利用者IDを受信する必要はなく、所定時間内に全ての利用者IDを受信するものとしてもよい。
【0103】
この場合、判定部90aは、異なるカラオケ装置から受信した利用者ID及び楽曲IDを含むタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定する。本変形例において、情報記憶部70aは、利用者U1~利用者U4の利用者ID及び楽曲X1の楽曲IDを含むタイムカプセル情報TC1を記憶している。
【0104】
次に、判定部90aは、タイムカプセル情報TC1に含まれる解禁日情報LD1が、所定条件Pを満たすかどうかを判定する。上述の通り、解禁日情報LD1は「2024年3月20日」であり、現時点が「2026年1月12日」であることから、所定条件Pを満たす。
【0105】
この場合、判定部90aは、特定のタイムカプセル情報であるタイムカプセル情報TC1が情報記憶部70aに記憶されていると判定する。
【0106】
(サーバ側送信部)
本変形例に係るサーバ側送信部90bは、特定のタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されていると判定された場合、当該特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを二以上のカラオケ装置それぞれに送信する。
【0107】
たとえば上述の通り、判定部90aは、特定のタイムカプセル情報であるタイムカプセル情報TC1が情報記憶部70aに記憶されていると判定したとする。
【0108】
この場合、サーバ側送信部90bは、情報記憶部70aからタイムカプセル情報TC1に含まれる動画データMV1を読み出し、カラオケ装置K1及びカラオケ装置K2に送信する。従って、利用者U1~利用者U3は、カラオケ装置K1を介して動画データMV1に基づく映像や音声を視聴することができる。一方、利用者U4は、カラオケ装置K2を介して動画データMV1に基づく映像や音声を視聴することができる。
【0109】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケシステム1において、判定部90aは、第2のモードを実行する二以上のカラオケ装置それぞれから利用者識別情報及び楽曲識別情報を受信した場合、当該利用者識別情報及び当該楽曲識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定し、サーバ側送信部90bは、特定のタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されていると判定された場合、当該特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを二以上のカラオケ装置それぞれに送信する。このようなカラオケシステム1によれば、タイムカプセルを作成した利用者全てが同じカラオケ装置を利用できない場合であっても、異なるカラオケ装置を利用し利用者全員でタイムカプセルを開封するイベントを楽しむことができる。
【0110】
なお、本変形例は上述の変形例1と組み合せることも可能である。たとえば、カラオケ装置K1において、カラオケ側送信部400は、生成した新たな動画データMV11、新たな動画データMV11を生成する際にカラオケ装置K1を利用していた利用者U1~利用者U3の利用者ID、動画データMV1においてカラオケ演奏されている楽曲X1の楽曲ID、及び新たな解禁情報LD11を含む新たなタイムカプセル情報TC11をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、新たなタイムカプセル情報TC11を情報記憶部70aに記憶させる。一方、カラオケ装置K2において、カラオケ側送信部400は、生成した新たな動画データMV12、新たな動画データMV12を生成する際にカラオケ装置K2を利用していた利用者U4の利用者ID、動画データMV1においてカラオケ演奏されている楽曲X1の楽曲ID、及び新たな解禁情報LD12を含む新たなタイムカプセル情報TC12をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、新たなタイムカプセル情報TC12を情報記憶部70aに記憶させる。この場合、サーバ装置Sは、動画データMV1に対応付けられた利用者識別情報及び楽曲識別情報に基づいて、新たなタイムカプセル情報TC11及びTC12を相互に対応付けて情報記憶部70aに記憶させてもよい。
【0111】
<変形例3>
タイムカプセル情報にカラオケ装置の装置識別情報を含めることができる。
【0112】
(カラオケ側送信部)
本変形例に係るカラオケ側送信部400は、タイムカプセル情報をサーバ装置Sに送信する。タイムカプセル情報は、生成した動画データ、取得した利用者識別情報、選曲された楽曲の楽曲識別情報、設定した解禁日情報、及び動画データを生成したカラオケ装置の装置識別情報を含む。
【0113】
装置識別情報は、たとえばカラオケ装置を識別するための装置ID等、各カラオケ装置に固有の情報である。装置識別情報は、カラオケ装置の記憶手段に記憶されている。
【0114】
実施形態の例と同様、カラオケ装置K1は、動画データMV1を生成し、且つ解禁日情報LD1として「2024年3月20日」を設定したとする。
【0115】
この場合、カラオケ側送信部400は、生成した動画データMV1、動画データMV1を生成する際にカラオケ装置K1を利用していた利用者U1~利用者U4の利用者ID、動画データMV1においてカラオケ演奏されている楽曲X1の楽曲ID、解禁情報LD1、及びカラオケ装置K1の装置IDを含むタイムカプセル情報TC´1をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、新たなタイムカプセル情報TC´1を情報記憶部70aに記憶させる。
【0116】
(判定部)
本変形例に係る判定部90aは、第2のモードを実行する一のカラオケ装置から利用者識別情報、楽曲識別情報、及び装置識別情報を受信した場合、当該利用者識別情報、当該楽曲識別情報、及び当該装置識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定する。
【0117】
たとえば2026年1月12日に、「タイムカプセル開封モード」を実行するカラオケ装置K1から利用者U1~利用者U4の利用者ID、楽曲X1の楽曲ID、及びカラオケ装置K1の装置IDを受信したとする。また、所定条件Pとして「解禁日情報が示す期日以降」が設定されているとする。
【0118】
まず、判定部90aは、受信した利用者ID、楽曲ID、装置IDを含むタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定する。本変形例において、情報記憶部70aは、利用者U1~利用者U4の利用者ID、楽曲X1の楽曲ID、カラオケ装置K1の装置IDを含むタイムカプセル情報TC´1を記憶している。
【0119】
次に、判定部90aは、タイムカプセル情報TC´1に含まれる解禁日情報LD1が、所定条件Pを満たすかどうかを判定する。上述の通り、解禁日情報LD1は「2024年3月20日」であり、現時点が「2026年1月12日」であることから、所定条件Pを満たす。
【0120】
この場合、判定部90aは、特定のタイムカプセル情報であるタイムカプセル情報TC´1が情報記憶部70aに記憶されていると判定する。
【0121】
サーバ側送信部90bは、情報記憶部70aからタイムカプセル情報TC´1に含まれる動画データMV1を読み出す。そして、サーバ側送信部90bは、装置IDを参照し、動画データMV1をカラオケ装置K1に送信する。従って、利用者U1~利用者U4は、カラオケ装置K1を介して動画データMV1に基づく映像や音声を視聴することができる。
【0122】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケシステム1において、カラオケ側送信部400は、生成した動画データ、取得した利用者識別情報、選曲された楽曲の楽曲識別情報、設定した解禁日情報、及び当該動画データを生成したカラオケ装置の装置識別情報を含むタイムカプセル情報をサーバ装置Sに送信し、判定部90aは、第2のモードを実行する一のカラオケ装置から利用者識別情報、楽曲識別情報、及び装置識別情報を受信した場合、当該利用者識別情報、当該楽曲識別情報、及び当該装置識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定する。このように装置識別情報を用いて特定のタイムカプセル情報を判定することにより、タイムカプセルを作成したカラオケ装置以外のカラオケ装置では、タイムカプセルを開封するイベントを実施することができない。すなわち、本変形例に係るカラオケシステム1によれば、従来のタイムカプセルにより近い楽しみ方を提供することができる。
【0123】
<変形例4>
カラオケ店舗に設置されたカラオケ装置は、経年劣化や新機種の登場に伴って撤去されることがある。また、あるカラオケ装置が設置されたカラオケ店舗自体が閉店する可能性もありうる。一般にタイムカプセルを開封するイベントは、タイムカプセルの作成から数年以上を経て行われるイベントであるため、このようなカラオケ装置特有の事情の影響を受ける可能性もありうる。
【0124】
(判定部)
本変形例に係る判定部90aは、カラオケシステム1からあるカラオケ装置が取り除かれた場合、当該あるカラオケ装置の装置識別情報を含むタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定し、当該あるカラオケ装置の装置識別情報を含むタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されていると判定した場合、当該タイムカプセル情報に含まれる当該あるカラオケ装置の装置識別情報を、所定のカラオケ装置の装置識別情報に更新する。
【0125】
所定のカラオケ装置は、あるカラオケ装置の代わりに設置される新たなカラオケ装置、あるカラオケ装置と同じカラオケ店舗に設置されている別のカラオケ装置、あるカラオケ装置が設置されていたカラオケ店舗の近隣のカラオケ店舗に設置されているカラオケ装置等、予め一のカラオケ装置が設定されている。
【0126】
たとえば、サーバ装置Sの情報記憶部70aは、動画データMV1、動画データMV1を生成する際にカラオケ装置K1を利用していた利用者U1~利用者U4の利用者ID、動画データMV1においてカラオケ演奏されている楽曲X1の楽曲ID、解禁情報LD1、及びカラオケ装置K1の装置IDを含むタイムカプセル情報TC´1を記憶しているとする。
【0127】
ここで、カラオケ店舗KS1からカラオケ装置K1が撤去され、新たなカラオケ装置K´1が設置された場合、サーバ装置Sは、カラオケ装置K1と通信が不可能となる。
【0128】
この際、判定部90aは、カラオケ装置K1の装置IDを含むタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定する。この例では、カラオケ装置K1の装置IDを含むタイムカプセル情報TC´1が記憶されている。
【0129】
よって、判定部90aは、カラオケ装置K1の装置IDを含むタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されていると判定する。
【0130】
この場合、判定部90aは、タイムカプセル情報TC´1に含まれるカラオケ装置K1の装置IDを、所定のカラオケ装置である新たなカラオケ装置K´1の装置IDに更新する。
【0131】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケシステム1において、判定部90aは、カラオケシステム1からあるカラオケ装置が取り除かれた場合、当該あるカラオケ装置の装置識別情報を含むタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されているかどうかを判定し、当該あるカラオケ装置の装置識別情報を含むタイムカプセル情報が情報記憶部70aに記憶されていると判定した場合、当該タイムカプセル情報に含まれる当該あるカラオケ装置の装置識別情報を、所定のカラオケ装置の装置識別情報に更新する。このようなカラオケシステム1にとれば、動画データを生成したカラオケ装置がカラオケシステム1から取り除かれ、利用できなくなった場合であっても、新たなカラオケ装置を利用して、過去に生成した動画データを視聴することができる。よって、利用者は、新たなカラオケ装置を利用してタイムカプセルを開封するイベントを楽しむことができる。
【0132】
なお、所定のカラオケ装置の設置場所が、あるカラオケ装置の設置場所と異なる場合、カラオケシステム1は、所定のカラオケ装置の設置場所の情報を、利用者IDに対応する利用者情報(たとえばメールアドレスなど)に基づき利用者U1~利用者U4に通知することが望ましい。
【0133】
<第2実施形態>
次に、図7から図9を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態に係るカラオケ装置は、サーバ装置Sを介することなく、タイムカプセルを模擬することができる。第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0134】
==カラオケ装置==
[制御手段]
本実施形態においてはカラオケ装置K1のCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、取得部100、生成部200、設定部300、記憶処理部600、判定部700、及び再生部800として機能する(図7参照)。
【0135】
(記憶処理部)
記憶処理部600は、タイムカプセル情報を記憶手段10aに記憶させる。タイムカプセル情報は、模擬的なタイムカプセルに対応するものであって、生成した動画データ、取得した利用者識別情報、選曲された楽曲の楽曲識別情報、及び設定した解禁日情報を含む。
【0136】
たとえば第1実施形態で述べた動画データMV1が生成され、且つ解禁日情報LD1として「2024年3月20日」が設定されたとする。
【0137】
この場合、記憶処理部600は、生成した動画データMV1、動画データMV1を生成する際にカラオケ装置K1を利用していた利用者U1~利用者U4の利用者ID、動画データMV1においてカラオケ演奏されている楽曲X1の楽曲ID、及び解禁情報LD1を含むタイムカプセル情報TC1を記憶手段10aに記憶させる。
【0138】
(判定部)
判定部700は、動画データを再生する第2のモードにおいて、利用者識別情報が取得され、且つ楽曲識別情報が入力された場合、当該利用者識別情報及び当該楽曲識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が記憶手段10aに記憶されているかどうかを判定する。
【0139】
たとえば、利用者U1~利用者U4は、成人式の日(2026年1月12日)に久々に会った際、中学校の卒業記念にカラオケ装置K1を利用してタイムカプセルを作成したことを思い出したため、カラオケ店舗KS1を訪れてカラオケ装置K1を利用するとする。
【0140】
この場合、利用者U1~利用者U4は、カラオケ装置K1のリモコン装置50を介して「タイムカプセル開封モード」を選択することができる。「タイムカプセル開封モード」は「第2のモード」の一例である。
【0141】
その後、各利用者は、リモコン装置50を介して自己の利用者IDを入力する。カラオケ装置K1は、入力された利用者IDをサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、記憶手段70に利用者IDを登録することにより、ログインを完了する。この際、取得部100は、入力された利用者IDを取得する。
【0142】
また、利用者U1~利用者U4のいずれかがリモコン装置50を操作し、タイムカプセルを作成した際に選曲した楽曲X1の楽曲IDを入力する。
【0143】
この場合、判定部700は、取得された利用者ID及び入力された楽曲IDを含むタイムカプセル情報が記憶手段10aに記憶されているかどうかを判定する。本実施形態において、記憶手段10aは、利用者U1~利用者U4の利用者ID及び楽曲X1の楽曲IDを含むタイムカプセル情報TC1を記憶している。
【0144】
次に、判定部700は、タイムカプセル情報TC1に含まれる解禁日情報LD1が、所定条件P(解禁日情報が示す期日以降)を満たすかどうかを判定する。上述の通り、解禁日情報LD1は「2024年3月20日」であり、現時点が「2026年1月12日」であることから、所定条件Pを満たす。
【0145】
この場合、判定部700は、特定のタイムカプセル情報であるタイムカプセル情報TC1が記憶手段10aに記憶されていると判定する。
【0146】
(再生部)
再生部800は、特定のタイムカプセル情報が記憶手段10aに記憶されていると判定された場合、当該特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを再生する。
【0147】
上述の通り、タイムカプセル情報TC1が記憶手段10aに記憶されていると判定された場合、再生部800は、タイムカプセル情報TC1から動画データMV1を読み出して再生し、表示装置30の表示画面に2021年3月20日に撮影された利用者U1~利用者U4の映像を流しつつ、スピーカ20から当時の音声(楽曲X1のカラオケ歌唱の音声やメッセージの音声)を放音させることができる。
【0148】
==カラオケ装置の動作について==
次に、図8及び図9を参照して本実施形態におけるカラオケ装置K1の動作の具体例について述べる。図8は、カラオケ装置K1における動画データの生成に係る動作を示すフローチャートである。図9は、カラオケ装置K1における動画データの再生に係る動作を示すフローチャートである。
【0149】
[動画データの生成]
ステップ30からステップ34は、第1実施形態のステップ10からステップ14と同様の処理である。
【0150】
カラオケ演奏が終了した後(ステップ35でYの場合)、記憶処理部600は、ステップ34で生成した動画データ、ステップ30で取得した利用者ID、選曲された楽曲の楽曲ID、及びステップ31で設定した解禁日情報を含むタイムカプセル情報を記憶手段10aに記憶させる(タイムカプセル情報を記憶。ステップ36)。
【0151】
[動画データの再生]
ステップ40及びステップ41は、第1実施形態のステップ20及びステップ21と同様の処理である。
【0152】
判定部700は、ステップ40で取得された利用者ID、及びステップ41で入力された楽曲IDを含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が記憶手段10aに記憶されているかどうかを判定する。
【0153】
特定のタイムカプセル情報が記憶手段10aに記憶されていると判定された場合(ステップ42でYの場合)、再生部800は、特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを読み出し、再生する(動画データを再生。ステップ43)。
【0154】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置K1は、カラオケシステム1にログインした利用者の利用者識別情報を取得する取得部100と、動画データを生成する第1のモードにおいて、ログインした利用者により選曲された楽曲のカラオケ演奏音に対応する演奏音信号、集音した当該利用者の音声に対応する音声信号、及び当該利用者を撮影した映像に対応する映像信号に基づいて動画データを生成する生成部200と、生成した動画データを再生可能とする期日を示す解禁日情報を設定する設定部300と、生成した動画データ、取得した利用者識別情報、選曲された楽曲の楽曲識別情報、及び設定した解禁日情報を含むタイムカプセル情報を記憶手段10aに記憶させる記憶処理部600と、動画データを再生する第2のモードにおいて、利用者識別情報が取得され、且つ楽曲識別情報が入力された場合、当該利用者識別情報及び当該楽曲識別情報を含み、且つ所定条件を満たす解禁日情報が含まれる特定のタイムカプセル情報が記憶手段10aに記憶されているかどうかを判定する判定部700と、特定のタイムカプセル情報が記憶手段10aに記憶されていると判定された場合、当該特定のタイムカプセル情報に含まれる動画データを再生する再生部800と、を有する。
【0155】
このようなカラオケ装置K1によれば、動画データや解禁日情報等を含むタイムカプセル情報を生成することができる。タイムカプセル情報は、模擬的なタイムカプセルに対応するものとして、記憶手段10aに記憶される。そして、カラオケ装置K1は、解禁日情報に基づき、タイムカプセル情報に含まれる動画データを再生することができる。よって、利用者は、あたかも実際のタイムカプセルを開封したようなイベントを楽しむことができる。また、カラオケ装置K1は、タイムカプセル情報を生成した当時の音声や映像を提供することができる。よって、従来のタイムカプセルと比べて、より趣向性が高くなる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置K1によれば、タイムカプセルを模擬することができる。
【0156】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0157】
70a 情報記憶部
90a、700 判定部
90b サーバ側送信部
100 取得部
200 生成部
300 設定部
400 カラオケ側送信部
500、800 再生部
600 記憶処理部
K1~Kn カラオケ装置
S サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9