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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】混雑情報共有システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241113BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021186582
(22)【出願日】2021-11-16
(65)【公開番号】P2023073859
(43)【公開日】2023-05-26
【審査請求日】2024-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大原 辰徳
(72)【発明者】
【氏名】茎田 和哉
(72)【発明者】
【氏名】藤田 悠
(72)【発明者】
【氏名】青木 英郎
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-074525(JP,A)
【文献】特許第6961849(JP,B1)
【文献】特開2016-222437(JP,A)
【文献】国際公開第2017/122258(WO,A1)
【文献】特開2018-160210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の混雑情報共有システムであって、
カメラから得られた画像から撮影範囲の滞留人数を求める撮影範囲人数カウント部と、
昇降機から得られた利用者情報からフロアの滞留人数を求めるフロア人数カウント部と、
入退管理システムから得られた利用者情報から前記建物の滞留人数を求める建物人数カウント部と、
前記撮影範囲人数カウント部、前記フロア人数カウント部および前記建物人数カウント部の各々から得られた滞留人数を基に前記建物内の区画毎の滞留人数を求め、記憶部の滞留人数情報を更新する滞留人数集計部と、
滞留人数に基づいて設備制御を行う設備制御部と、
前記設備制御部から区画の滞留人数の問合せを受け付ける滞留人数問合せ受付部と、
前記滞留人数問合せ受付部により区画を示す情報を含む問合せが受け付けられたとき、前記滞留人数情報を参照し、問合せを受けた区画の滞留人数を前記設備制御部に返す滞留人数回答部と、
を備え
前記設備制御部は、ロボットの制御を行うロボット制御部であり、
前記ロボット制御部は、前記ロボットが移動する出発地から目的地までの複数の区画を示す情報を前記滞留人数問合せ受付部に送付し、
前記滞留人数回答部は、前記滞留人数情報を参照し、問合せを受けた前記複数の区画の滞留人数を前記ロボット制御部に返し、
前記ロボット制御部は、受け取った前記複数の区画の少なくとも1つの区画において予め定められた人数を超える滞留人数の区画がある場合、前記ロボットの移動を中止する、
混雑情報共有システム。
【請求項2】
前記滞留人数集計部は、前記フロア人数カウント部から昇降機毎の利用人数に関する情報を受け付け、記憶部の昇降機混雑情報を更新し、
前記ロボット制御部は、前記ロボットの移動が昇降機の使用を伴う移動である場合、前記昇降機を示す情報を前記滞留人数問合せ受付部に送付し、
前記滞留人数回答部は、前記昇降機混雑情報を参照し、問合せを受けた前記昇降機の利用人数を前記ロボット制御部に返し、
前記ロボット制御部は、前記ロボットが使用する前記昇降機の利用人数が予め定められた人数を超える場合は、前記ロボットの移動を中止する、
請求項に記載の混雑情報共有システム。
【請求項3】
前記設備制御部は、空調機の制御を行う空調機制御部であり、
前記空調機制御部は、前記空調機が空調を行う1つ以上の区画を示す情報を前記滞留人数問合せ部に送付し、
前記滞留人数回答部は、前記滞留人数情報を参照し、問合せを受けた区画の滞留人数を前記空調機制御部に返し、
前記空調機制御部は、受け取った区画の滞留人数の合計が予め定められた人数を超える場合、前記空調機における空調の設定を変更する、
請求項1に記載の混雑情報共有システム。
【請求項4】
前記空調機制御部は、受け取った区画の滞留人数の合計が予め定められた人数未満である場合、前記空調機における空調の設定を変更する、
請求項に記載の混雑情報共有システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、建物の設備間の情報共有に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、あらゆる機器をインターネットに接続し、種々のサービスを提供するIoT(Internet of Things)技術が普及しつつある。インターネットに接続される機器の数が急速に増加する中、コミュニケーションを用いて人間に種々のサービスを提供するロボットシステムの技術開発が行われている。現在利用されているロボットの多くは階段を移動する術を持たないため、サービスが提供されるエリア内でフロアを移動する際には昇降機を使うことが現実的な手段となる。
【0003】
この点、特許文献1では、人およびロボットが昇降機を共有することを可能としている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-051617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、乗りかごの呼出しといった建物の混雑に係る情報がロボットの移動のためだけに用いられ、ネットワークに接続されている建物内の他の設備において利用できない問題がある。
【0006】
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、建物の混雑に係る滞留人数を建物の設備間で共有し得る混雑情報共有システム等を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては、建物の混雑情報共有システムであって、カメラから得られた画像から撮影範囲の滞留人数を求める撮影範囲人数カウント部と、昇降機から得られた利用者情報からフロアの滞留人数を求めるフロア人数カウント部と、入退管理システムから得られた利用者情報から前記建物の滞留人数を求める建物人数カウント部と、前記撮影範囲人数カウント部、前記フロア人数カウント部および前記建物人数カウント部の各々から得られた滞留人数を基に前記建物内の区画毎の滞留人数を求め、記憶部の滞留人数情報を更新する滞留人数集計部と、滞留人数に基づいて設備制御を行う設備制御部と、前記設備制御部から区画の滞留人数の問合せを受け付ける滞留人数問合せ受付部と、前記滞留人数問合せ受付部により区画を示す情報を含む問合せが受け付けられたとき、前記滞留人数情報を参照し、問合せを受けた区画の滞留人数を前記設備制御部に返す滞留人数回答部と、を設けるようにした。
【0008】
上記構成では、例えば、カメラ、昇降機および入退管理システムの各々から得られた粒度の異なる滞留人数が建物の各設備で利用可能な建物の区画毎の滞留人数に作り直されて記憶されるので、建物の設備間で滞留人数を共有することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利便性の高い混雑情報共有システムを実現することができる。上記以外の課題、構成、および効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態による混雑情報共有システムに係る構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施の形態による建物情報提供部の一例を示す図である。
図3】第1の実施の形態による区画情報の一例を示す図である。
図4】第1の実施の形態によるカメラ情報の一例を示す図である。
図5】第1の実施の形態による空調機情報の一例を示す図である。
図6】第1の実施の形態による昇降機情報の一例を示す図である。
図7】第1の実施の形態による撮影範囲人数カウント部の一例を示す図である。
図8】第1の実施の形態による昇降機の一例を示す図である。
図9】第1の実施の形態によるフロア人数カウント部の一例を示す図である。
図10】第1の実施の形態による昇降機ロボット連携部の一例を示す図である。
図11】第1の実施の形態による入退管理システムの一例を示す図である。
図12】第1の実施の形態による建物人数カウント部の一例を示す図である。
図13】第1の実施の形態による滞留人数提供部の一例を示す図である。
図14】第1の実施の形態による滞留人数情報の一例を示す図である。
図15】第1の実施の形態による昇降機混雑情報の一例を示す図である。
図16】第1の実施の形態によるロボットの一例を示す図である。
図17】第1の実施の形態によるロボット制御部の一例を示す図である。
図18】第1の実施の形態による空調機制御部の一例を示す図である。
図19】第1の実施の形態によるロボット移動制御処理の一例を示す図である。
図20】第1の実施の形態による空調制御処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(I)第1の実施の形態
以下、本発明の一実施の形態を詳述する。ただし、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。なお、以下の実施の形態において、説明の便宜上必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0012】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよいものとする。
【0013】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等を含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0014】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は、単数でも複数でも構わない。
【0015】
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数または順序を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は、文脈毎に用いられ、1つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
【0016】
図1は、第1の実施の形態による混雑情報共有システム100に係る構成の一例を示す図である。
【0017】
混雑情報共有システム100では、建物110に設けられているカメラ111、昇降機112および入退管理システム113の各々において取得された人数に係る情報(重さ情報、画像、入退情報等)を、建物110内の設備において共通して利用可能な混雑情報(例えば、建物110の区画ごとの滞留人数)として記憶し、混雑情報に基づいて建物110内の設備を制御する。建物110内の設備としては、ロボット114、空調機115(空気調和機)、照明システム、音響システム等がある。混雑情報共有システム100が混雑情報の共有を行う対象の建物110の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。なお、建物110内の区画は、フロアの区画に限定されるものではなく、昇降機112、階段等、利用者が利用可能な場所も区画として含まれてもよい。
【0018】
カメラ111は、建物110内の各フロア(階床)に1または複数設置されている。なお、建物110には、人物をより正確に検出するために、カメラ111に加えて、LIDAR(Light Detection and Ranging)、温度センサ等、人物を検出可能な情報(温度情報、深度情報等)を取得する環境センサが設けられていてもよい。昇降機112は、建物110内に1または複数設置されている。入退管理システム113は、所定の認証方法(カード認証、生体認証等)により、所定のゲート(建物110の入り口ゲート、フロアの入り口ゲート等)の開閉を管理する。
【0019】
ロボット114は、自律移動可能な情報処理装置であり、各種のサービスを提供する設備である。ロボット114によるサービスは、人と対話するサービス、人と対話をしながら目的の場所まで移動で案内するサービス、サイネージ等と連動してロボット114のモーションを交えながら不特定多数の聴衆に向けて一方的に情報を発信する演説サービス、荷物を特定の場所に届けるサービス、清掃サービス等である。ロボット114は、建物110内に1または複数設けられている。なお、ロボット114の形状および移動手段は問わない。空調機115は、空気の温度、湿度、清浄度を調整する目的で、冷凍機、ファン、熱交換器、加湿器、エアフィルタ等を1つの筐体に収めた設備であり、各フロアに1または複数設けられている。
【0020】
より具体的には、混雑情報共有システム100は、構成要素として、建物情報提供部120と、撮影範囲人数カウント部130と、フロア人数カウント部140と、昇降機ロボット連携部150と、建物人数カウント部160と、滞留人数提供部170と、設備制御部180とを含んで構成される。本実施の形態では、建物110内の設備については、ロボット114と空調機115とを例に挙げて説明するので、設備制御部180としては、ロボット制御部181および空調機制御部182を図示している。混雑情報共有システム100の各構成要素は、ネットワーク101を介して通信可能に接続されている。なお、ネットワーク101の接続方式は、例えば、有線LAN、無線LAN、短距離無線であり、複数の接続方式が併用されてもよい。
【0021】
混雑情報共有システム100の各構成要素は、例えば、インターネットを介したクラウドシステム、特定の場所に設置したサーバおよび/またはデータセンタ等に配置されていてよい。また、各構成要素は、建物110外に配置されているが、構成要素の全部または一部は、建物110内に配置されていてもよい。建物110内に配置される構成要素は、典型的には、構内LAN(Local Area Network)で接続される。
【0022】
建物情報提供部120は、混雑情報共有システム100の各構成要素に対して、建物110に係る情報(建物情報)を提供する。撮影範囲人数カウント部130は、カメラ111により取得された画像からカメラ111の撮影範囲の滞留人数を求める。フロア人数カウント部140は、昇降機112から得られた利用者情報(重さ情報、画像等)からフロアの滞留人数を求める。昇降機ロボット連携部150は、ロボット114が昇降機112に乗車する際にロボット制御部181から昇降機ロボット連携部150に送られる乗車要求に基づいて、昇降機112に呼び情報を通知する。建物人数カウント部160は、入退管理システム113から得られた利用者情報(入退情報、画像等)から建物110の滞留人数を求める。滞留人数提供部170は、撮影範囲人数カウント部130、フロア人数カウント部140および建物人数カウント部160の各々から得られた滞留人数を基に建物110内の区画毎の滞留人数を求め、滞留人数情報を更新する。設備制御部180は、滞留人数に基づいて設備制御を行う。より具体的には、ロボット制御部181は、ロボット114の移動に係る区画の滞留人数に基づいてロボット114を制御する。空調機制御部182は、空調機115が空調を担う区画の滞留人数に基づいて空調機115を制御する。なお、照明システム、音響システム等、他の設備についても同様に、区画の滞留人数に基づいて制御が行われてよい。
【0023】
図2は、建物情報提供部120の一例を示す図である。
【0024】
建物情報提供部120は、物理的な1つの計算機上で、または、論理的または物理的な複数の計算機上で構成される計算機システムである。建物情報提供部120のメモリ210に格納されたプログラムが、同一の計算機上で別個のスレッドで動作してもよく、複数の物理的な計算機の資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。また、建物情報提供部120と他の装置とが1つの物理的または論理的な計算機に収容されてもよい。なお、プログラムの実行によって実現される処理の全部または一部をハードウェア(例えば、Field-Programmable Gate Array)によって実現してもよい。付言するならば、撮影範囲人数カウント部130、フロア人数カウント部140、昇降機ロボット連携部150、建物人数カウント部160、滞留人数提供部170、および設備制御部180についても上記と同様の計算機システムであってもよく、その説明については省略する。
【0025】
例えば、建物情報提供部120は、汎用コンピュータであり、メモリ210と補助記憶装置220とCPU(Central Processing Unit)230とI/O装置240とネットワークI/F250とを含んで構成される。
【0026】
メモリ210は、不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)および揮発性の記憶素子であるRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS:Basic Input Output System)等が格納される。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、補助記憶装置102に格納されたプログラムおよびプログラムの実行時に使用されるデータが一時的に格納される。補助記憶装置220は、例えば、磁気記憶装置(HDD:Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ(SSD:Solid State Drive)等の大容量かつ不揮発性の記憶装置である。また、補助記憶装置220は、CPU230により実行されるプログラムおよびプログラムの実行時に使用されるデータが格納される。
【0027】
ここで、建物情報提供部120の機能(問合せ受付部211等)は、例えば、CPU230が補助記憶装置220に格納されたプログラムをメモリ210に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。なお、建物情報提供部120の1つの機能は、複数の機能に分けられていてもよいし、複数の機能は、1つの機能にまとめられていてもよい。また、建物情報提供部120の機能の一部は、別の機能として設けられてもよいし、他の機能に含められていてもよい。また、建物情報提供部120の機能の一部は、建物情報提供部120と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。また、建物情報提供部120は、上記の機能に加えて、例えば、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、ファイルシステム、DBMS(Database Management System)等の機能を更に備えていてもよい。
【0028】
問合せ受付部211は、混雑情報共有システム100の各構成要素から建物情報の問合せを受け付け、問合せを受けた建物情報を返す。建物情報は、区画情報212(図3参照)、カメラ情報213(図4参照)、空調機情報214(図5参照)、昇降機情報215(図6参照)等である。なお、建物情報は、補助記憶装置220に記憶されていてメモリ210に読み出される。
【0029】
I/O装置240(入出力インタフェース)は、ユーザが建物情報提供部120に指示を入力し、プログラムの実行結果等をユーザに提示するためのユーザインタフェースである。I/O装置240には、入出力装置(例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、ディスプレイ、プリンタ等)が接続される。I/O装置240は、ネットワークを経由して接続された管理端末によって提供されるユーザインタフェースが接続されてもよい。また、I/O装置240は、入出力装置を含んでいてもよい。ネットワークI/F250は、通信媒体を介して他の装置と通信する通信インタフェースである。ネットワークI/F250は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、シリアル通信モジュール等である。ネットワークI/F250は、通信可能に接続する他の装置から情報を受信する入力装置として機能することもできる。また、ネットワークI/F250は、通信可能に接続する他の装置に情報を送信する出力装置として機能することもできる。
【0030】
図3は、区画情報212の一例(フロアレイアウト310および区画テーブル320)を示す図である。
【0031】
フロアレイアウト310は、建物110内のフロア毎に設けられているフロアレイアウトの一例である。フロアレイアウト310に示すように、建物110内の各フロアには、1以上の区画が設けられている。区画テーブル320は、建物110内の区画に係る情報を格納する。区画テーブル320には、建物321と、フロア322と、区画323と、エリア名称324と、内部構造範囲325とが対応付けられた情報(レコード)が格納されている。
【0032】
建物321は、建物110を示す情報(識別子、ID、名称等の識別情報)である。フロア322は、フロアを示す情報(識別子、ID、名称等の識別情報)である。区画323は、区画を示す情報(識別子、ID、名称等の識別情報)である。エリア名称324は、当該区画が属するエリアの名称を示す情報である。内部構造範囲325は、当該区画の範囲を示す情報である。
【0033】
図4は、カメラ情報213の一例(フロアレイアウト410およびカメラテーブル420)を示す図である。
【0034】
フロアレイアウト410は、建物110内のフロア毎に設けられているフロアレイアウトの一例である。フロアレイアウト410に示すように、建物110内の各フロアには、1以上のカメラ111が設けられている。カメラテーブル420は、建物110内のカメラ111に係る情報を格納する。カメラテーブル420には、カメラID421と、カメラIP422と、建物423と、フロア424と、区画425と、設置個所426と、方角427と、カバー率428とが対応付けられた情報(レコード)が格納されている。
【0035】
カメラID421は、建物110内のカメラ111を示す情報(識別子、ID、名称等の識別情報)である。カメラIP422は、当該カメラ111のIPアドレスを示す情報である。建物423は、当該カメラ111が設置されている建物110を示す情報である。フロア424は、当該カメラ111が設置されているフロアを示す情報である。区画425は、当該カメラ111の撮影対象の区画を示す情報である。なお、1つのカメラ111の撮影対象が複数の区画である場合、区画毎にレコードが設けられてもよいし、区画425に複数の区画を示す情報が含まれるテーブル構造であってもよい。
【0036】
設置個所426は、当該カメラ111が設置されている場所を示す情報である。方角427は、当該カメラ111が設置されている方角を示す情報である。カバー率428は、当該カメラ111が撮影対象の区画をカバーしている割合を示す情報である。カバー率428によれば、実際の区画の面積とカメラ111の撮影範囲411とのギャップを把握可能となる。
【0037】
図5は、空調機情報214の一例(フロアレイアウト510および空調機テーブル520)を示す図である。
【0038】
フロアレイアウト510は、建物110内のフロア毎に設けられているフロアレイアウトの一例である。フロアレイアウト510に示すように、建物110内の各フロアには、1以上の空調機115が設けられている。空調機テーブル520は、建物110内の空調機115に係る情報を格納する。空調機テーブル520には、空調機ID521と、空調機IP522と、建物523と、フロア524と、区画525と、設置個所526と、空調調整範囲527とが対応付けられた情報(レコード)が格納されている。
【0039】
空調機ID521は、建物110内の空調機115を示す情報(識別子、ID、名称等の識別情報)である。空調機IP522は、当該空調機115のIPアドレスを示す情報である。建物523は、当該空調機115が設置されている建物110を示す情報である。フロア524は、当該空調機115が設置されているフロアを示す情報である。区画525は、当該空調機115の空調調整対象の区画を示す情報である。設置個所526は、当該空調機115が設置されている場所を示す情報である。空調調整範囲527は、当該空調機115による空調の調整が可能な範囲(調整範囲511)を示す情報である。
【0040】
図6は、昇降機情報215の一例(昇降機テーブル600)を示す図である。
【0041】
昇降機テーブル600は、建物110内の昇降機112に係る情報を格納する。昇降機テーブル600には、建物601と、昇降機ID602と、乗りかごサイズ603と、停止フロア604と、昇降機種別605と、現在状況606とが対応付けられた情報(レコード)が格納されている。
【0042】
建物601は、昇降機112が設置されている建物110を示す情報である。昇降機ID602は、当該昇降機112を示す情報(識別子、ID、名称等の識別情報)である。乗りかごサイズ603は、当該昇降機112の乗りかごのサイズを示す情報である。停止フロア604は、当該昇降機112が停止するフロアを示す情報である。昇降機種別605は、当該昇降機112の利用者の種別を示す情報である。本実施の形態では、昇降機112の種別としては、「ロボット専用」、「共用」、または「人専用」の3種類が設定される。現在状況606は、当該昇降機112の現在の状況を示す情報である。
【0043】
なお、昇降機テーブル600には、積載量の情報、乗りかご扉のサイズ(幅および高さ)の情報等、ロボット114が昇降機112を使用する際に有用な他の情報が含まれていてもよい。
【0044】
図7は、撮影範囲人数カウント部130の一例を示す図である。
【0045】
撮影範囲人数カウント部130は、例えば汎用コンピュータであり、構成要素として、メモリ710と補助記憶装置720とCPU730とI/O装置740とネットワークI/F750とを含んで構成される。これらの構成要素は、建物情報提供部120の構成要素と同じであってもよいので、その説明を省略する。
【0046】
撮影範囲人数カウント部130の機能(カメラ映像取得部711、カメラ情報取得部712、人数検出部713、撮影範囲人数通知部714等)は、例えば、CPU730が補助記憶装置720に格納されたプログラムをメモリ710に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0047】
カメラ映像取得部711は、カメラ111により撮像された画像(映像)を所定のタイミングで取得する。所定のタイミングは、リアルタイムであってもよいし、定期的であってもよいし、ユーザにより指定された時刻であってもよいし、その他のタイミングであってもよい。例えば、カメラ映像取得部711は、カメラ111よりRTSP(Real Time Streaming Protocol)の様なストリーミングプロトコル、API(Application Programming Interface)等により映像を取得し、フレーム単位の映像に変換する。
【0048】
カメラ情報取得部712は、撮影範囲人数カウント部130に接続されているカメラ111のカメラ情報213を建物情報提供部120に問合せ、当該カメラ111のカメラ情報213を取得する。人数検出部713は、カメラ映像取得部711により取得された映像(画像)を物体検出モデル715(例えば、ディープニューラルネットワークモデル)に入力し、カメラ111の撮影対象の区画に存在する人物を検出し、当該区画に存在する人数をカウント(測定)する。撮影範囲人数通知部714は、人数検出部713により測定された人数と共に、当該区画に係る情報(例えば、建物423、フロア424、区画425、およびカバー率428の情報)を滞留人数提供部170に通知する。
【0049】
なお、カメラ111で取得された画像(映像)から人物を検出する方法は、物体検出モデル715を用いる方法に限らない。例えば、顔認証システム等で用いられる顔検出により人物の検出が行われてもよく、他の画像処理により人物の検出が行われてもよい。
【0050】
図8は、昇降機112の一例を示す図である。
【0051】
昇降機112は、制御装置800を備える。制御装置800は、構成要素として、例えば、メモリ810と補助記憶装置820とCPU830とI/O装置840とネットワークI/F850とを備える。これらの構成要素は、建物情報提供部120の構成要素と同じであってもよいので、その説明を省略する。更に、昇降機112は、例えば、乗りかご860と巻上機870と乗りかご扉駆動部880と秤890(加重センサ)とを備える。また、昇降機112は、乗りかご860内を撮影可能なカメラ等を備えていてもよい。これらの装置は、一般のエレベーターの構成要素を採用できるので、その説明を省略する。
【0052】
昇降機112の機能(運転制御部811、重量測定部812等)は、例えば、CPU830が補助記憶装置820に格納されたプログラムをメモリ810に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0053】
運転制御部811は、乗りかご860の運転を制御する。重量測定部812は、乗りかご860が移動した際の乗りかご860内の重量を測定する。例えば、重量測定部812は、乗りかご860の呼びがあったフロア(乗車フロア)から乗りかご860が移動して乗りかご860の行先のフロア(降車フロア)に乗りかご860が停車した際、乗りかご860内の重量を測定する。重量測定部812は、測定した重量と共に、当該昇降機112に係る情報(例えば、乗りかご860の移動方向、乗車フロアおよび降車フロアの情報)をフロア人数カウント部140および昇降機ロボット連携部150に送る。なお、重量測定部812は、降車時に乗りかご860内の重量を測定する構成に限らない。重量測定部812は、乗車時に乗りかご860内の重量を測定する構成であってもよいし、その他のタイミングで重量を測定する構成であってもよい。
【0054】
図9は、フロア人数カウント部140の一例を示す図である。
【0055】
フロア人数カウント部140は、例えば汎用コンピュータであり、構成要素として、メモリ910と補助記憶装置920とCPU930とI/O装置940とネットワークI/F950とを含んで構成される。これらの構成要素は、建物情報提供部120の構成要素と同じであってもよいので、その説明を省略する。
【0056】
フロア人数カウント部140の機能(昇降機利用情報取得部911、フロア人数カウント部912、フロア人数通知部913等)は、例えば、CPU930が補助記憶装置920に格納されたプログラムをメモリ910に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0057】
昇降機利用情報取得部911は、昇降機112から送られた昇降機112の利用情報(昇降機112内の重量を示す情報および昇降機112に係る情報)を受け取る。なお、昇降機利用情報取得部911は、昇降機112に利用情報を定期的に要求する構成であってもよい。フロア人数カウント部912は、今回の到着時の昇降機112内の重量から当該昇降機112の移動による人数(移動人数)を推定する。また、フロア人数カウント部912は、今回の到着時の昇降機112内の重量と前回の到着時の昇降機112内の重量とをもとに、前回の到着時のフロアで増減した人数を推定し、補助記憶装置920に記憶しているフロア毎の滞留人数情報(図示は省略)を更新する。
【0058】
例えば、昇降機112が2階を出発して6階に到着したケースにおいて、今回の到着時(6階に到着時)の昇降機112内の重量が「195kg」であり、前回の到着時(2階に到着時)の昇降機112内の重量が「520kg」であったとする。この場合、フロア人数カウント部912は、2階から6階に移動した人数として「3人」(=195÷M(なお、Mは、大人1人の重さであり、本例では65kgと仮定した。))を計算する。更に、フロア人数カウント部912は、2階で増減した人数として「5人」(例えば、(520-195)÷65または(8-3))を計算する。そして、フロア人数カウント部912は、2階の滞留人数に「5」を加算する。
【0059】
フロア人数通知部913は、フロア人数カウント部912により推定された移動人数と、フロア人数カウント部912により更新されたフロア毎の滞留人数と、当該昇降機112に係る情報(例えば、乗りかご860の移動方向、乗車フロアおよび降車フロアの情報)とを滞留人数提供部170に通知する。なお、移動人数および/または滞留人数の計算は、滞留人数提供部170において行われてもよい。
【0060】
図10は、昇降機ロボット連携部150の一例を示す図である。
【0061】
昇降機ロボット連携部150は、例えば汎用コンピュータであり、構成要素として、メモリ1010と補助記憶装置1020とCPU1030とI/O装置1040とネットワークI/F1050とを含んで構成される。これらの構成要素は、建物情報提供部120の構成要素と同じであってもよいので、その説明を省略する。
【0062】
昇降機ロボット連携部150の機能(昇降機情報取得部1011、ロボット要求受付部1012、昇降機要求通知部1013等)は、例えば、CPU1030が補助記憶装置1020に格納されたプログラムをメモリ1010に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0063】
昇降機情報取得部1011は、建物情報提供部120から昇降機112の昇降機情報215を取得する。ロボット要求受付部1012は、ロボット制御部181からのロボット114の乗車要求(乗車フロアおよび降車フロアの情報)を受け付け、乗車要求に基づいて昇降機112へのロボット114の乗車可否をチェックする。ロボット要求受付部1012は、例えば、昇降機112の昇降機情報215を参照し、昇降機112が行先に停車することと、ロボット114が乗車可能であることとをチェックする。昇降機要求通知部1013は、ロボット要求受付部1012により乗車可能であることが確認された場合、昇降機112に呼び情報を通知する。呼び情報には、ロボット制御部181から受け取った乗車フロアおよび降車フロアの情報が含まれる。
【0064】
図11は、入退管理システム113の一例を示す図である。
【0065】
入退管理システム113は、例えば汎用コンピュータであり、構成要素として、メモリ1110と補助記憶装置1120とCPU1130とI/O装置1140とネットワークI/F1150とを含んで構成される。これらの構成要素は、建物情報提供部120の構成要素と同じであってもよいので、その説明を省略する。
【0066】
入退管理システム113の機能(カードリーダ通信部1111、認証部1112、通行カウント部1113、通行人数通知部1114等)は、例えば、CPU1130が補助記憶装置1120に格納されたプログラムをメモリ1110に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0067】
カードリーダ通信部1111は、建物110の入り口ゲートに設置されているカードリーダ装置と通信を行う。例えば、カードリーダ通信部1111は、カードリーダ装置により取得されたカードID情報を受信する。認証部1112は、カードリーダ通信部1111により受信されたカードID情報がカードID情報1115に含まれているか否かを判定し、認証結果(例えば、入り口ゲートの開閉信号)を、カードリーダ通信部1111を介してカードリーダ装置に送る。通行カウント部1113は、認証部1112による認証が成功した場合、建物110の入り口ゲートを通行した人数(通行人数)を測定する。通行人数通知部1114は、通行カウント部1113により測定された通行人数と共に、当該建物110を示す情報を建物人数カウント部160に送る。
【0068】
図12は、建物人数カウント部160の一例を示す図である。
【0069】
建物人数カウント部160は、例えば汎用コンピュータであり、構成要素として、メモリ1210と補助記憶装置1220とCPU1230とI/O装置1240とネットワークI/F1250とを含んで構成される。これらの構成要素は、建物情報提供部120の構成要素と同じであってもよいので、その説明を省略する。
【0070】
建物人数カウント部160の機能(入退情報取得部1211、建物人数カウント部1212、建物人数通知部1213等)は、例えば、CPU1230が補助記憶装置1220に格納されたプログラムをメモリ1210に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0071】
入退情報取得部1211は、入退管理システム113から送られた入退情報(通行人数を示す情報および建物110を示す情報)を受け取る。建物人数カウント部1212は、入退情報取得部1211により取得された入退情報に基づいて、補助記憶装置1120に記憶されている建物110毎の滞留人数情報(図示は省略)を更新する。建物人数通知部1213は、建物110毎の滞留人数情報を滞留人数提供部170に通知する。なお、建物110毎の滞留人数情報の更新は、滞留人数提供部170において行われてもよい。
【0072】
図13は、滞留人数提供部170の一例を示す図である。
【0073】
滞留人数提供部170は、例えば汎用コンピュータであり、構成要素として、メモリ1310と補助記憶装置1320とCPU1330とI/O装置1340とネットワークI/F1350とを含んで構成される。これらの構成要素は、建物情報提供部120の構成要素と同じであってもよいので、その説明を省略する。
【0074】
滞留人数提供部170の機能(滞留人数集計部1311、滞留人数問合せ受付部1312、滞留人数回答部1313等)は、例えば、CPU1330が補助記憶装置1320に格納されたプログラムをメモリ1310に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0075】
滞留人数集計部1311は、撮影範囲人数カウント部130、フロア人数カウント部140、建物人数カウント部160の各々のカウント部から送られる滞留人数が、どのカウント部からの滞留人数であるかを識別して集計(変換)する。より具体的には、滞留人数集計部1311は、受け取った滞留人数に補正を行ったり、滞留人数を受け取っていない区画の滞留人数を予測したりして区画毎に滞留人数を集計し、滞留人数情報1314に格納する。
【0076】
滞留人数集計部1311は、撮影範囲人数カウント部130より所定の区画の滞留人数を受け取った場合、滞留人数(実測値)をもとにカバー率の補正を行う。より具体的には、滞留人数集計部1311は、実測値×100÷カバー率を計算する。例えば、カバー率「80%」で実測値が「8人」である場合、補正値「10人」が算出され、滞留人数情報1314に格納される。
【0077】
滞留人数集計部1311は、フロア人数カウント部140よりフロア毎の滞留人数(実測値)を受け取った場合、受け取った滞留人数を滞留人数情報1314に格納する。この際、滞留人数集計部1311は、階段、エスカレーター等を利用する割合を考慮して実測値を補正してもよいし、子供が含まれる割合、利用者の性別の割合等を考慮して実測値を補正してもよい。また、滞留人数集計部1311は、カメラ111が設置されていない区画が含まれるフロアについては、当該フロアの滞留人数をもとに当該区画の滞留人数を予測して滞留人数情報1314に格納してもよい。例えば、滞留人数集計部1311は、(フロア滞留人数-カメラ111が設置されている区画の合計滞留人数)÷(カメラが設置されていない区画の数)を計算してもよいし、カメラ111が設置されていない区画に隣接する区画の平均人数を計算してもよい。
【0078】
滞留人数集計部1311は、建物人数カウント部160より建物110毎の滞留人数を受け取った場合、受け取った滞留人数を滞留人数情報1314に格納する。
【0079】
また、滞留人数集計部1311は、フロア人数カウント部140から移動人数に係る情報(移動人数、乗りかご860の移動方向、乗車フロアおよび降車フロアの情報)を受け取った場合、当該情報をもとに、上方向と下方向とに区別を行い、値の平均化を行って昇降機混雑情報1315に格納する。例えば、昇降機112が2階を出発して6階に到着した場合、昇降機112内の人数が「3人」であるときは、補助記憶装置1320に記憶されている所定の時間(例えば、直近10分間)の各フロアの移動履歴(図示は省略)を参照し、上方向の2階~5階の各々についての移動履歴(移動時間および移動人数「3」)を追加すると共に、2階~5階の各々の平均人数(移動履歴の移動人数の合計÷移動履歴の件数)を計算し、昇降機混雑情報1315を更新する。
【0080】
図14は、滞留人数情報1314の一例(滞留人数テーブル1400)を示す図である。
【0081】
滞留人数テーブル1400は、建物110内の滞留人数に係る情報を格納する。滞留人数テーブル1400には、建物1401と、フロア1402と、区画1403と、人数1404と、情報元1405とが対応付けられた情報(レコード)が格納されている。
【0082】
建物1401は、建物110を示す情報である。フロア1402は、フロアを示す情報である。区画1403は、区画を示す情報である。人数1404は、当該建物110の滞留人数、当該フロアの滞留人数または当該区画の滞留人数を示す情報である。なお、建物110の滞留人数を示すレコードでは、フロア1402および区画1403に「―」が示されている。フロアの滞留人数を示すレコードでは、区画1403に「―」が示されている。情報元1405は、滞留人数の情報元を示す情報である。情報元1405には、滞留人数が実測値である場合は「実測」が設定され、滞留人数が補正値および/または予測値である場合は「予測」が設定される。
【0083】
図15は、昇降機混雑情報1315の一例(昇降機混雑テーブル1500)を示す図である。
【0084】
昇降機混雑テーブル1500は、昇降機112の混雑度合いに係る情報を格納する。昇降機混雑テーブル1500には、建物1501と、昇降機ID1502と、上方向昇降機内平均人数1503と、下方向昇降機内平均人数1504とが対応付けられた情報(レコード)が格納されている。
【0085】
建物1501は、建物110を示す情報である。昇降機ID1502は、当該建物110に設けられている昇降機112を示す情報である。上方向昇降機内平均人数1503は、当該昇降機112が上方向に各フロアを移動したときの昇降機112内の平均人数を示す情報である。下方向昇降機内平均人数1504は、当該昇降機112が下方向に各フロアを移動したときの昇降機112内の平均人数を示す情報である。なお、平均人数は、所定の時間(例えば、直近10分間)の平均人数である。
【0086】
図16は、ロボット114の一例を示す図である。
【0087】
ロボット114は、構成要素として、例えば、メモリ1610と補助記憶装置1620とCPU1630とI/O装置1640とネットワークI/F1650とを備える。これらの構成要素は、建物情報提供部120の構成要素と同じであってもよいので、その説明を省略する。たたし、I/O装置1640は、スピーカ1641、マイク1642、発光部1643およびカメラ1644を備えている。更に、ロボット114は、構成要素として、例えば、タイヤ、腕等の機構部1660と機構部1660を制御するための機構制御部1670とを備える。これらの構成要素は、一般のロボットの構成要素を採用できるので、その説明を省略する。
【0088】
ロボット114の機能(移動制御部1611、対話制御部1612等)は、例えば、CPU1630が補助記憶装置1620に格納されたプログラムをメモリ1610に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0089】
移動制御部1611は、ロボット制御部181から移動ルート情報を受け取った場合、地図情報1613を参照し、移動ルート情報に従ってロボット114が移動するように制御する。対話制御部1612は、ロボット制御部181からの指示に基づいて、機構制御部1670にジェスチャをするように指示を出したり、スピーカ1641を介して音声を出力したりして、ロボット114による人との対話を制御する。
【0090】
図17は、ロボット制御部181の一例を示す図である。
【0091】
ロボット制御部181は、例えば汎用コンピュータであり、構成要素として、メモリ1710と補助記憶装置1720とCPU1730とI/O装置1740とネットワークI/F1750とを含んで構成される。これらの構成要素は、建物情報提供部120の構成要素と同じであってもよいので、その説明を省略する。
【0092】
ロボット制御部181の機能(ルート決定部1711、シナリオ制御部1712、音声処理部1713、画像処理部1714、対話処理部1715、滞留人数取得部1716等)は、例えば、CPU1730が補助記憶装置1720に格納されたプログラムをメモリ1710に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0093】
ルート決定部1711は、昇降機112の状態、区画の混雑度合い等を考慮して移動ルートを決定する。シナリオ制御部1712は、サービスを提供するためにロボット114が行動するシナリオを保持しており、外部からのイベント(例えば、音声入力、画像入力等)を受けて、シナリオからロボット114が次に何を行動するかを判断する。音声処理部1713は、ロボット114のマイク1642に入力された音声データをロボット114から受け取り、音声データを分析し、テキストデータに変換する。音声処理部1713は、音声認識の結果をもとに顧客の意図を解釈する意図解釈機能を含んで構成されている。なお、ロボット制御部181は、意図解釈の結果と区画のエリアの名称とが一致することで、案内先(行先)を把握できる。
【0094】
画像処理部1714は、ロボット114のカメラ1644に入力された画像をロボット114から受け取り、画像を分析し、ロボット114の正面に人が存在するかを判断したり、人の年齢、性別、感情等を推定したりする。対話処理部1715は、音声処理部1713が変換したテキストデータ、またはテキストデータが入力可能なデバイス(例えば、サイネージ、タブレット、外部接続端末等)から入力されたテキストデータを受け取り、予め学習した対話データに基づき、最適な回答を予測し、テキストデータとして出力する。滞留人数取得部1716は、ルート決定部1711により決定される移動ルートに係る区画の滞留人数を滞留人数提供部170に問合せて取得する。
【0095】
図18は、空調機制御部182の一例を示す図である。
【0096】
空調機制御部182は、例えば汎用コンピュータであり、構成要素として、メモリ1810と補助記憶装置1820とCPU1830とI/O装置1840とネットワークI/F1850とを含んで構成される。これらの構成要素は、建物情報提供部120の構成要素と同じであってもよいので、その説明を省略する。
【0097】
空調機制御部182の機能(空調機情報取得部1811、滞留人数取得部1812、空調設定部1813等)は、例えば、CPU1830が補助記憶装置1820に格納されたプログラムをメモリ1810に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0098】
空調機情報取得部1811は、空調制御対象の空調機115の空調機情報214を建物情報提供部120に問合せて取得する。滞留人数取得部1812は、空調制御対象の区画の滞留人数を滞留人数提供部170に問合せて取得する。空調設定部1813は、空調制御対象の区画の滞留人数に基づいて空調機115を制御する。空調設定部1813によれば、現在の空調温度による制御の前に、人の増減に合わせた制御を可能とする。このように、空調機制御部182は、滞留人数を用いて空調機115の設定を変更するので、室温が閾値に達する前に、空調の制御を実施することができる。
【0099】
図19は、ロボット114の移動制御に係る処理(ロボット移動制御処理)の一例を示す図である。ロボット制御部181は、例えば、人との対話の結果、目的地までの案内が必要であると判断した場合、ロボット移動制御処理を開始する。
【0100】
S1901では、ルート決定部1711は、ロボット114の現在地のフロアに係る区画の区画情報212と、目的地のフロアに係る区画の区画情報212と、昇降機112の昇降機情報215とを建物情報提供部120に問合せて取得する。
【0101】
S1902では、ルート決定部1711は、移動ルートの候補を作成する。ルート決定部1711は、例えば、使用可能な昇降機112毎に、現在地から目的地まで移動可能な区画の組合せを移動ルートの候補として作成する。例えば、ルート決定部1711は、ロボット114のサイズと昇降機情報215の乗りかごサイズ603の情報とを比較し、当該昇降機112が使用可能であるか否かを判定する。また、例えば、ルート決定部1711は、現在地のフロアおよび目的地のフロアと昇降機情報215の停止フロア604の情報とを比較し、当該昇降機112が使用可能であるか否かを判定する。また、例えば、ルート決定部1711は、昇降機情報215の昇降機種別605の情報により当該昇降機112が使用可能であるか否かを判定する。また、例えば、ルート決定部1711は、昇降機情報215の現在状況606の情報により当該昇降機112が使用可能であるか否かを判定する。
【0102】
S1903では、ルート決定部1711は、移動ルートの候補のうち、最短距離の未選択の移動ルートを選択する。
【0103】
S1904では、滞留人数取得部1716は、S1903で選択された移動ルートに係る区画の滞留人数情報1314を滞留人数提供部170に問合せて取得する。また、滞留人数取得部1716は、当該移動ルートに使用する昇降機112の昇降機混雑情報1315を滞留人数提供部170に問合せて取得する。
【0104】
S1905では、ルート決定部1711は、S1903で選択した移動ルートに係る複数の区画の各々の滞留人数が予め定められた人数(閾値)を超えるか否か(区画が混雑しているか否か)を判定する。ルート決定部1711は、何れかの区画が混雑していると判定した場合、S1908に処理を移し、何れの区画も混雑していないと判定した場合、S1906に処理を移す。
【0105】
S1906では、ルート決定部1711は、S1903で選択した移動ルートに係る昇降機112が移動する各フロアの平均人数が予め定められた人数(閾値)を超えるか否か(昇降機112が混雑しているか否か)を判定する。ルート決定部1711は、昇降機112が混雑していると判定した場合(何れかのフロアの平均人数が閾値を超えたと判定した場合)、S1908に処理を移し、昇降機112が混雑していないと判定した場合(何れのフロアの平均人数も閾値以下であると判定した場合)、S1907に処理を移す。
【0106】
なお、移動可能な移動ルートを判別する指標として、人数を指標として説明したが、これに限らない。例えば、区画の広さまたは乗りかご860の広さで人数を正規化した密度等を指標としてもよい。
【0107】
移動ルートを決定する処理は、上述の処理に限らない。例えば、ルート決定部1711は、目的地のフロアに移動可能な昇降機112を特定し、特定した昇降機112の中から最も空いている昇降機112を選択して移動ルートを決定するようにしてもよいし、特定した昇降機112の中から混雑している昇降機112を除外して移動ルートの候補を作成してもよい。
【0108】
S1907では、ルート決定部1711は、決定した移動ルートを示す移動ルート情報(移動ルートに係る複数の区画および昇降機112の情報)をロボット114に送る。ロボット114は、移動ルート情報を受け取ると、移動ルート情報に従って案内を開始する。
【0109】
S1908では、ルート決定部1711は、移動ルートの候補のうち、未選択の移動ルートがあるか否か(他の移動ルートがあるか否か)を判定する。ルート決定部1711は、他の移動ルートがあると判定した場合、S1903に処理を移し、他の移動ルートがないと判定した場合、S1909に処理を移す。
【0110】
S1909では、ルート決定部1711は、移動(案内)ができないことを示す情報をロボット114に送る。ロボット114は、移動ができないことを示す情報を受け取ると、案内ができない旨を発話する。
【0111】
例えば、ロボット114が食堂までの案内を依頼された場合、ロボット制御部181は、現在地のフロアのどの区画を通って、どの昇降機112を使って、目的地のフロアのどの区画を通って、食堂まで行くかの計画を立てる。ロボット制御部181は、その計画における区画の滞留人数をもとに混雑している区画を抽出し、混雑していない場合、ロボット114を一緒に移動させ、混雑している場合、計画を変更したり、ロボット114の移動を中止して行き方を音声で伝えたりする。このように、ロボット制御部181は、ロボット114の移動ルートが混雑しているかを判断することで、ロボット114の移動を中止したり、混雑を回避する移動ルートに変更したりすることができる。
【0112】
図20は、空調機115の空調制御に係る処理(空調制御処理)の一例を示す図である。空調機制御部182は、空調制御処理を定期的に開始する。
【0113】
S2001では、空調設定部1813は、空調機115の空調機情報214を建物情報提供部120に問合せて取得する。
【0114】
S2002では、空調設定部1813は、空調機115の空調制御対象の区画の滞留人数情報1314を滞留人数提供部170に問合せて取得する。
【0115】
S2003では、空調設定部1813は、空調機115の空調制御対象の区画の滞留人数の合計が第1の閾値を超えたか否かを判定する。空調設定部1813は、合計が第1の閾値を超えたと判定した場合、S2004に処理を移し、合計が第1の閾値以下であると判定した場合、S2005に処理を移す。なお、空調機115の空調制御対象の区画の滞留人数の合計は、平均人数であってもよいし、人口密度であってもよい(後述のS2005についても同様)。
【0116】
S2004では、空調設定部1813は、空調の設定を変更する。例えば、空調設定部1813は、空調を強めるように空調機115に指示する。空調機115は、空調設定部1813からの指示に応じて、温度を下げる設定を行ったり、風量を上げる設定を行ったりする。
【0117】
S2005では、空調設定部1813は、空調機115の空調制御対象の区画の滞留人数の合計が第2の閾値未満であるか否かを判定する。空調設定部1813は、合計が第2の閾値未満であると判定した場合、S2006に処理を移し、合計が第2の閾値以上であると判定した場合、空調制御処理を終了する。
【0118】
S2006では、空調設定部1813は、空調の設定を変更する。例えば、空調設定部1813は、空調を弱めるように空調機115に指示する。空調機115は、空調設定部1813からの指示に応じて、温度を上げる設定を行ったり、風量を下げる設定を行ったりする。
【0119】
本実施の形態では、建物の各設備において利用可能な区画毎の滞留人数が生成されるので、設備から問い合わせを受けた区画の滞留人数を回答し、設備間で人流の情報を共有することができ、建物の混雑度合いに基づいて、建物全体として設備の動作を一致させた制御を行うことができる。
【0120】
(II)付記
上述の実施の形態には、例えば、以下のような内容が含まれる。
【0121】
上述の実施の形態においては、本発明を混雑情報共有システムに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のシステム、装置、方法、プログラムに広く適用することができる。
【0122】
また、上述の実施の形態において、プログラムの一部またはすべては、プログラムソースからインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、ネットワークで接続されたプログラム配布サーバまたはコンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。また、上述の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0123】
また、上述の実施の形態において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部または一部が1つのテーブルであってもよい。
【0124】
また、上述の実施の形態において、説明の便宜上、混雑情報共有システムに係る情報を、テーブルを用いて説明したが、データ構造はテーブルに限定されるものではない。混雑情報共有システムに係る情報は、XML(Extensible Markup Language)、YAML(YAML Ain't a Markup Language)、ハッシュテーブル、木構造等、テーブル以外のデータ構造によって表現されてもよい。
【0125】
また、上述の実施の形態において、統計値として平均値を用いる場合について説明したが、統計値は、平均値に限るものではなく、最大値、最小値、最大値と最小値との差、最頻値、中央値、標準偏差等の他の統計値であってもよい。
【0126】
また、上記の説明において、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0127】
上述した実施の形態は、例えば、以下の特徴的な構成を有する。
【0128】
(1)
建物(例えば、建物110)の混雑情報共有システム(例えば、混雑情報共有システム100)は、カメラ(例えば、カメラ111)から得られた画像から撮影範囲の滞留人数を求める撮影範囲人数カウント部(例えば、撮影範囲人数カウント部130)と、昇降機(例えば、昇降機112)から得られた利用者情報(例えば、重さの情報、画像)からフロアの滞留人数を求めるフロア人数カウント部(例えば、フロア人数カウント部140)と、入退管理システム(例えば、入退管理システム113)から得られた利用者情報(例えば、通行情報、画像)から上記建物の滞留人数を求める建物人数カウント部(例えば、建物人数カウント部160)と、上記撮影範囲人数カウント部、上記フロア人数カウント部および上記建物人数カウント部の各々から得られた滞留人数を基に上記建物内の区画毎の滞留人数を求め、記憶部の滞留人数情報(例えば、滞留人数情報1314、滞留人数テーブル1400)を更新する滞留人数集計部(例えば、滞留人数集計部1311、滞留人数提供部170)と、滞留人数に基づいて設備制御を行う設備制御部(例えば、設備制御部180)と、上記設備制御部から区画の滞留人数の問合せを受け付ける滞留人数問合せ受付部(例えば、滞留人数問合せ受付部1312、滞留人数提供部170)と、上記滞留人数問合せ受付部により区画を示す情報を含む問合せが受け付けられたとき、上記滞留人数情報を参照し、問合せを受けた区画の滞留人数を上記設備制御部に返す滞留人数回答部(例えば、滞留人数回答部1313、滞留人数提供部170)と、を備える。
【0129】
上記構成では、例えば、カメラ、昇降機および入退管理システムの各々から得られた粒度の異なる滞留人数が建物の各設備で利用可能な建物の区画毎の滞留人数に作り直されて記憶されるので、建物の設備間で滞留人数を共有することができる。付言するならば、建物の設備ごとに、滞留人数を保持したり、準備したりする必要がなくなる。
【0130】
(2)
上記設備制御部は、ロボット(例えば、ロボット114)の制御を行うロボット制御部(例えば、ロボット制御部181)であり、上記ロボット制御部は、上記ロボットが移動する出発地から目的地までの複数の区画を示す情報を上記滞留人数問合せ受付部に送付し、上記滞留人数回答部は、上記滞留人数情報を参照し、問合せを受けた上記複数の区画の滞留人数を上記ロボット制御部に返し、上記ロボット制御部は、受け取った上記複数の区画の少なくとも1つの区画において予め定められた人数を超える滞留人数の区画がある場合、上記ロボットの移動を中止する(例えば、図19のS1905およびS1909参照)。なお、移動ルートの候補を1つ(最短の移動ルート、エネルギー消費量が最も少ない移動ルート、最も滞留人数の少ない移動ルート、現在地の区画に応じて予め規定されている移動ルート等)しか作成しない場合、S1908の処理は不要である。
【0131】
上記構成では、例えば、ロボットが移動する出発地から目的地までの複数の区画のうち予め定められた人数を超える区画がある場合、ロボットの移動が中止されるので、区画の混雑度合いに応じてロボットを稼働させることができる。
【0132】
(3)
上記滞留人数集計部は、上記フロア人数カウント部から昇降機毎の利用人数に関する情報を受け付け、記憶部の昇降機混雑情報を更新し、上記ロボット制御部は、上記ロボットの移動が昇降機の使用を伴う移動である場合、上記昇降機を示す情報を上記滞留人数問合せ受付部に送付し、上記滞留人数回答部は、上記昇降機混雑情報を参照し、問合せを受けた上記昇降機の利用人数を上記ロボット制御部に返し、上記ロボット制御部は、上記ロボットが使用する上記昇降機の利用人数が予め定められた人数を超える場合は、上記ロボットの移動を中止する(例えば、図19のS1906およびS1909参照)。
【0133】
上記構成では、例えば、ロボットが昇降機を使用して移動する場合、当該昇降機の利用人数が予め定められた人数を超えるときは、ロボットの移動が中止されるので、昇降機の混雑度合いに応じてロボットを稼働させることができる。
【0134】
(4)
上記設備制御部は、空調機(例えば、空調機115)の制御を行う空調機制御部(例えば、空調機制御部182)であり、上記空調機制御部は、上記空調機が空調を行う1つ以上の区画を示す情報を上記滞留人数問合せ部に送付し、上記滞留人数回答部は、上記滞留人数情報を参照し、問合せを受けた区画の滞留人数を上記空調機制御部に返し、上記空調機制御部は、受け取った区画の滞留人数の合計が予め定められた人数(例えば、第1の閾値)を超える場合、上記空調機における空調の設定を変更する(例えば、図20のS2003およびS2004参照)。
【0135】
上記構成では、空調を行う区画の滞留人数の合計が予め定められた人数を超える場合、例えば、空調を強める設定(温度を下げる設定、風量を上げる設定等)が行われるので、実際に区画の環境が悪化する前に空調の設定を変更することで、当該区画の環境を快適に保つことができる。
【0136】
(5)
上記空調機制御部は、受け取った区画の滞留人数の合計が予め定められた人数(例えば、第2の閾値)未満である場合、上記空調機における空調の設定を変更する(例えば、図20のS2005およびS2006参照)。
【0137】
上記構成では、空調を行う区画の滞留人数の合計が予め定められた人数未満である場合、例えば、空調を弱める設定(温度を上げる設定、風量を下げる設定等)が行われるので、実際に区画の環境が悪化する前に空調の設定を変更することで、当該区画の環境を保つことができる。
【0138】
また上述した構成については、本発明の要旨を超えない範囲において、適宜に、変更したり、組み替えたり、組み合わせたり、省略したりしてもよい。
【0139】
「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という形式におけるリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができると理解されたい。同様に、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」の形式においてリストされた項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができる。
【符号の説明】
【0140】
100……混雑情報共有システム、130……撮影範囲人数カウント部、140……フロア人数カウント部、160……建物人数カウント部、170……滞留人数提供部、180……設備制御部。
図1
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