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特許7587513最小限の光学的情報を用いた藻類作物の継続的なモニタリング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】最小限の光学的情報を用いた藻類作物の継続的なモニタリング
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20241113BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20241113BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20241113BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
G01N21/27 B
C12Q1/02
C12M1/00 E
C12M1/34 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021550066
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 IL2020050298
(87)【国際公開番号】W WO2020183474
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】265385
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】516040109
【氏名又は名称】イェダ リサーチ アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YEDA RESEARCH AND DEVELOPMENT CO.LTD.
【住所又は居所原語表記】at the Weizmann Institute of Science, P.O.Box 95, 7610002 Rehovot, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】コレン, イラン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルディ, アサーフ
(72)【発明者】
【氏名】ルディッチ, イーノン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルパート, アディ
(72)【発明者】
【氏名】ボレス, ジョセフ
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-049227(JP,A)
【文献】米国特許第8244477(US,B1)
【文献】Nguyen-Ngoc H et al.,Synchronous-scan fluorescence of algal cells for toxicity assessment of heavy metals and herbicides,Ecotoxicology andenvironmental safety,2009年,Vol. 72,PP.316-320
【文献】高橋 利幸ほか,微細藻類Chlorella種を用いた電気炉酸化スラグ溶出成分の影響評価,鉄と鋼,2015年,第101巻,第9号,PP.42-50
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/74
G01N 33/48-33/98
C12M 1/00- 3/10
C12Q 1/00- 3/00
A01G 7/00
A01G 33/00-33/02
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Science Direct
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
藻類を生長させるためにストレスに対する藻類種についてモニタリングする方法であって、前記方法は、
第1の種の藻類の試験セットを生長させること、
前記藻類の前記試験セットの一部に所定の種類のストレスを加え、前記藻類の前記試験セットの残りの部分にはストレスを加えないままにすること、
所定の第1の照射波長のセットを用いて前記藻類を照射し、前記第1のセットは第1の複数の異なる波長を含むこと、
前記藻類を所定の第2の蛍光/光吸収の波長セットでモニタリングして、ストレスを受けた藻類の蛍光、およびストレスを受けていない藻類の蛍光および/または光吸収を検出し、前記第2のセットは第2の複数の異なる波長を含むこと、
前記ストレスを受けた藻類とストレスを受けていない藻類との間の各照射波長について検出された蛍光および/または光吸収を比較して、加えられたストレスを示す兆候を見出すこと、
それぞれの照射波長および蛍光/光吸収波長の複数の組み合わせを生成すること、
前記組み合わせの各々が前記ストレスを受けた部分と前記ストレスを受けていない部分とをどの程度良好に区別するかを記録すること、
それぞれの照射波長および検出波長の前記組み合わせを介して探索し、前記組み合わせの各々が前記ストレスを受けた部分と前記ストレスを受けていない部分とをどの程度良好に区別するかに基づいて、必要とされる信頼性のレベルまで前記加えられたストレスを検出する照射波長および検出波長の最小のセットを見つけ、前記最小のセットが、1つの照射波長および少なくとも2つの蛍光/光吸収の波長を含むこと、および
前記最小のセットを使用して、前記第1の種の藻類のさらなるセットを照射して、前記所定の種類のストレスを検出し、それによって前記ストレスを管理し、前記藻類の生長をサポートすること
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の波長セットおよび前記第2の波長セットが、それぞれの波長の組み合わせにおける検出の光学的行列G(t)に組み込まれ、それぞれの行列が異なる時間の結果を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異なる時間におけるストレスごとに収集された分散(V)画像を構築することと、正規化G(NG)行列、相対分散(εG)行列、グローバルランク付け行列(RG)、およびラインランク付け行列(LG)を生成することとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
組み合わせを通じた前記探索が、前記行列に機械学習を適用することによって実行される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記機械学習が、決定ランダムフォレストとサポートベクターマシンとの組み合わせを使用することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記機械学習が、畳み込みニューラルネットワークを使用することを含む、請求項4または5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
所定の種類の前記ストレスが窒素ストレスである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の波長セットが、480nmおよび840nmを含む範囲を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の波長セットが、440nmおよび800nmを含む範囲を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記範囲が20nmのジャンプでカバーされる、請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記照射がパルスを使用して実行される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の種がクロレラ属に由来する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記最小のセットが、5つ未満の照射波長および10未満の検出波長を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記最小のセットが、3つ未満の照射波長および6つ未満の検出波長を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記最小のセットを使用してストレスを前記検出することが、少なくとも2つの前記蛍光/光吸収の波長のうちで基準として使用することができる第2の波長における振幅と、少なくとも2つの前記蛍光/光吸収の波長のうちで前記第2の波長とは異なる第1の波長における振幅とを比較することを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
生長している藻類をモニタリングするための、請求項1から15のいずれか一項に記載の、得られる最小の波長のセットの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2019年3月14日に出願されたイスラエル特許出願第265,385号の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態では、藻類作物の継続的なモニタリングのための方法および装置に関し、より詳細には、しかし排他的でないことに、最小限の光学的情報を使用するモニタリングの方法に関する。
【背景技術】
【0003】
微細藻類は、人間および動物の栄養補助食品、化粧品、医薬品、COの捕捉、バイオエネルギー生産、および廃水からの栄養素除去を可能にするための製品を含む、商品の持続可能な生産のための最も有望な供給原料の1つと考えられ得る。微細藻類は、耕地で生長させる必要はなく、残留栄養素を含む海水で生長させることができ、面積生産性が高く、油、タンパク質、および炭水化物が豊富であり、藻類バイオマスは、食品および非食品の両方に分別することができる。特定の種の微細藻類は、それらの高い生産性および高い油含有量のために、バイオ燃料生産の候補でさえある。現在、微細藻類バイオマスの生産の大部分は、基本的な一般的システム、つまり開放型レースウェイ池(ORP)、水平管状フォトバイオリアクター(PBR)、積層水平管状PBRおよびフラットパネル(FP-PBR)の変形であるシステムで行われている。
【0004】
微細藻類の養殖の成功はいくつかの課題を呈している。細菌またはウイルス汚染、潜在的なグレーザー、栄養素の枯渇、ならびに光レジームおよび温度変化などの他の最適でない環境条件などの危険および様々な潜在的ストレスに直面しながら、制御された質の水準で、所望の量のバイオマスを生産しなければならない。微細藻類養殖業者はよく、ストレス下の培養物または汚染された培養物を扱い、これらの危険性のいくつかに遭遇するが、そのときはバッチに応答して回収するには遅すぎ、結局培養物の崩壊に至る。
【0005】
言及されたあらゆる危険があるにもかかわらず、生長を最適化して、高い質および生産性を維持することは、微細藻類の成功した収益性の高い養殖に必要な、重要な要素である。今日、微細藻類栽培者は、分析のためにサンプルを実験室に採取する必要がある藻類培養物をオフラインでモニタリングしており、これは通常、基本的な実験室のツールと、費用のかかる労働力とを利用して、1日1回行われる。
【0006】
今日、高い時間分解能でオンラインで生物学的モニタリングを実行する既知の方法はない。それは、1日に数回、場合によっては時間単位でさえも、データの収集を可能にするものを意図するが、そのようなモニタリングは、作物を救済するための時間内のストレスの早期検出、生長サイクルの最適化、およびリソース(栄養素、電気、労力など)の使用、ならびに生産プロセスの正確な管理によって、複数の側面で栽培者に相当な利益をもたらすことができる。
【発明の概要】
【0007】
本実施形態は、計算された蛍光の光の最小の波長のセットを種毎に使用して、藻類のインサイチューモニタリングを提供し得る。モニタリングは、微細藻類の健康状態を示すことができ、初期のストレス形成または一般的な生理学的状態のいずれかを識別することができる。波長のセットは、微細藻類種ごとに別々に定義される。このセットは、例えば、励起用の(異なる波長の)1つまたは複数の光源と、さらに蛍光発光用の異なる波長用の1つまたは複数の検出器とからなるのでもよい。さらに、励起源から試料の反対側に配置された検出器を使用して吸収を検出することができる。
【0008】
実施形態は、任意の新規藻類種およびストレスの最小セットを特定する方法にさらに及ぶ。
【0009】
本発明の一部の実施形態の態様によれば、ストレスに対する藻類種についてモニタリングする方法であって、
第1の種の藻類の試験セットを生長させること、
藻類の一部に所定の種類のストレスを加えること、
所定の第1の波長セットで藻類を照射すること、
藻類を所定の第2の波長セットでモニタリングして、ストレス下の藻類の蛍光および/または光吸収を検出すること、
ストレス下の藻類と非ストレス下の藻類との間の各照射波長について検出された蛍光および/または光吸収を比較して、加えられたストレスを示す兆候を見出すこと、
ストレスを検出する照射波長および検出波長の最小のセットを見つけるために、それぞれの照射波長および検出波長の組み合わせを介して探索すること、および
最小サイズのセットを使用して、第1の種の藻類のさらなるセットを照射して、所定の種類のストレスを検出すること
を含む、方法が提供される。
【0010】
実施形態では、第1の波長セットおよび第2の波長セットが、それぞれの波長の組み合わせにおける検出の光学的行列G(t)に組み込まれ、それぞれの行列が異なる時間の結果を含む。
【0011】
実施形態は、異なる時間におけるストレスごとに収集された分散(V)画像を構築することと、正規化G(NG)行列、相対分散(εG)行列、グローバルランク付け行列(RG)およびラインランク付け行列(LG)を生成することとを含むことができる。
【0012】
実施形態では、組み合わせによる探索は、機械学習を行列に適用することによって実行される。
【0013】
実施形態では、機械学習は、決定ランダムフォレストとサポートベクターマシンとの組み合わせを使用することを含む。
【0014】
実施形態では、機械学習は、畳み込みニューラルネットワークを使用することを含む。
【0015】
実施形態では、所定の種類のストレスは窒素ストレスである。
【0016】
実施形態では、第2の波長セットは、480および840nmを含む範囲を含む。
【0017】
実施形態では、第1の波長セットは、440nmおよび800nmを含む範囲を含む。
【0018】
実施形態では、範囲は20nmのジャンプでカバーされる。
【0019】
実施形態では、照射はパルスを使用して行われる。
【0020】
実施形態では、第1の種はクロレラ属に由来する。
【0021】
実施形態では、最小サイズのセットは、5未満の照射波長および10未満の検出波長を含む。
【0022】
実施形態では、最小サイズのセットは、3つ未満の照射波長および6つ未満の検出波長を含む。
【0023】
実施形態では、最小サイズのセットは、1つの照射波長および2つの検出波長を含む。
【0024】
実施形態では、最小セットを使用してストレスを検出することは、第2の検出波長の波長と比較して、第1の検出波長の波長における振幅の散乱を検出することを含む。
【0025】
本発明の態様は、生長している藻類をモニタリングするための、上記のようにして得られた最小の波長セットの使用に関することができる。
【0026】
態様では、本発明は、上記のようなモニタリングを使用して生長させた藻類に関することができる。
【0027】
本発明の実施形態のさらなる態様によれば、ストレスに対する藻類の生長をモニタリングする方法であって、
少なくとも1つの照射波長で連続する時間間隔で藻類を照射すること、
少なくとも2つの検出波長で藻類からの蛍光および/または光吸収を測定することであって、少なくとも2つの検出波長は少なくとも1つの照射波長とは異なる、測定すること、
少なくとも2つの検出波長の振幅を比較し、ストレスの存在を判定すること
を含む、方法が提供される。
【0028】
本方法は、
試験のための第1のストレス係数を選択すること、および
少なくとも1つの照射波長および少なくとも2つの検出波長の対応するセットを選択すること
を含み得る。
【0029】
実施形態では、ストレスの存在を判定することが、検出波長のうちの第2の検出波長と比較した検出波長のうちの第1の検出波長における振幅の散乱を検出することを含む。
【0030】
本発明の実施形態のさらなる態様では、ストレスに対する藻類の生長をモニタリングするための装置であって、
少なくとも1つの照射波長を使用して生長している藻類を照射するように配置可能な照射源、
生長している藻類からの蛍光および/または光吸収を検出するように配置可能な検出器であって、照射後に複数の検出波長で振幅を検出するように構成され、複数の検出波長が少なくとも1つの照射波長とは異なる、検出器、
複数の波長の振幅を比較し、比較から、生長している藻類が所与のストレスを受けているかどうかを判定するように構成された比較器、
を備える、装置が提供される。
【0031】
実施形態では、少なくとも1つの照射波長および複数の検出波長は、生長している藻類の種、および種に作用する複数のストレスタイプに応じて選択される。
【0032】
本発明の実施形態のさらなる態様では、ストレスに対する藻類の生長をモニタリングするための装置であって、
少なくとも1つの照射波長を使用して生長している藻類を照射するように配置可能な照射源、
生長している藻類からの蛍光および/または光吸収を検出するように配置可能な検出器であって、照射後に複数の検出波長で振幅を検出するように構成され、複数の検出波長が少なくとも1つの照射波長とは異なる、検出器、および
検出結果を比較器に送信するように構成された通信リンクであって、比較器が、複数の波長の振幅を比較し、比較から、生長している藻類が所与のストレスを受けているかどうかを判定するように構成された、通信リンク、
を備える、装置が提供される。
【0033】
本発明の実施形態のなおさらなる態様では、ストレスに対する藻類の生長を遠隔モニタリングするための装置であって、
生長している藻類からの蛍光および/または光吸収を検出するように配置された検出器の検出結果を取得するための入力部であって、検出器が振幅を検出するように構成され、照射波長での照射後に、検出は、複数の検出波長であり、複数の検出波長が少なくとも1つの照射波長とは異なる、入力部、
入力部に接続され、複数の波長の振幅を比較し、比較から、生長している藻類が所与のストレスを受けているかどうかを判定するように構成された比較器、
を備える、装置が提供される。
【0034】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が支配する。さらに、材料、方法、および例は単なる例示であり、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0035】
本発明の実施形態の方法および/またはシステムの実施は、選択されたタスクを手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせで実行または完了することを含むことができる。さらに、本発明の方法および/またはシステムの実施形態の実際の計装および機器によれば、いくつかの選択されたタスクは、オペレーティングシステムを使用してハードウェア、ソフトウェアもしくはファームウェア、またはそれらの組み合わせによって実施することができる。
【0036】
例えば、本発明の実施形態による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実装することができる。ソフトウェアとして、本発明の実施形態による選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実装することができる。本発明の例示的な実施形態では、本明細書に記載の方法および/またはシステムの例示的な実施形態による1つまたは複数のタスクは、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。任意選択で、データプロセッサは、命令および/またはデータを記憶するための揮発性メモリ、および/または命令および/またはデータを記憶するための不揮発性記憶装置、例えば磁気ハードディスクおよび/またはリムーバブルメディアを含む。任意選択で、ネットワーク接続も設けられる。
【0037】
本明細書では、本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。これより図面を詳細に具体的に参照すると、示されている詳細は例としてであり、本発明の実施形態の例示的な説明の目的のためであることが強調される。これに関して、図面と共に得られる説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】藻類の生長をモニタリングするための最小のセットの照射およびモニタリング波長、または光学パラメータを見出す、本発明によるプロセスを示す、簡略化されたフローチャートである。
図2図1のプロセスの一部をより詳細に示す、簡略的なフローチャートである。
図3図1に見られる最小セットのパラメータのみを使用して、どのようにして生長している微細藻類をモニタリングするかを示す、簡略化されたフローチャートである。
図4】本発明の実施形態による、異なるストレスをモニタリングするためのプロセスを示す簡略化されたフローチャートである。
図5】本発明の実施形態による藻類の生長をモニタリングするための装置の、簡略化された概略的なブロック図である。
図6図1に見られる最小セットの光学パラメータを使用したすべての微細藻類モニタリング構成要素の簡略的なブロック図である。
図7】本実施形態による、窒素飢餓ストレスまたは最適(対照)条件下のいずれかでの、特定の時点でのクロレラ・デシカタ(Chlorella desiccata)の3回の生物学的複製に対して学習構成要素において測定された生データの例である。
図8】本実施形態による、窒素飢餓ストレスまたは最適な(対照)条件下のいずれかでの、複数の時点でのクロレラ・デシカタの3回の生物学的複製に対して学習構成要素において測定および可視化された生データ(標準偏差を含む)の例である。
図9】本実施形態による、図8に示すセットについての、N飢餓ストレスによるクロレラ・デシカタのストレスの早期検出の例であり、各行列は、ストレス開始後(4時間、24時間、48時間、72時間)の時間の関数として対照とストレス下のセットとの間の正規化された差を示す。
図10A図8および図9の生長しているクロレラ・デシカタ(Chlorella desiccata)のサンプルにストレスを加えた4時間後および48時間後のそれぞれの2つの異なる蛍光シグナル(440nmの励起および480nmまたは680nmの発光)における結果である。
図10B図8および図9の生長しているクロレラ・デシカタ(Chlorella desiccata)のサンプルにストレスを加えた4時間後および48時間後のそれぞれの2つの異なる蛍光シグナル(440nmの励起および480nmまたは680nmの発光)における結果である。
図11】本発明の実施形態による、光源およびセンサをバイオリアクター内にどのように設置することができるかを示す図である。
図12A】P.トリコルヌツム(P.tricornutum)の熱、窒素および金属ストレス試験の結果である。
図12B】P.トリコルヌツムの熱、窒素および金属ストレス試験の結果である。
図12C】P.トリコルヌツムの熱、窒素および金属ストレス試験の結果である。
図12D】P.トリコルヌツムの熱、窒素および金属ストレス試験の結果である。
図12E】P.トリコルヌツム)の熱、窒素および金属ストレス試験の結果である。
図12F】P.トリコルヌツムの熱、窒素および金属ストレス試験の結果である。
図13A図13図13Cは、それぞれN.サリナ(N.Salina)に対する超塩分、窒素飢餓および金属飢餓試験を示す。
図13B図13A図13Cは、それぞれN.サリナに対する超塩分、窒素飢餓および金属飢餓試験を示す。
図13C図13A図13Cは、それぞれN.サリナに対する超塩分、窒素飢餓および金属飢餓試験を示す。
図13D】本実施形態による、C.デシカッタ(C.desicatta)に対する窒素飢餓試験を示す。
図14A】それぞれストレス開始後4時間および24時間の、ストレス下集団および非ストレス下集団へのP.トリコルヌツム(P.tricornutum)藻類の二元分類を示す。
図14B】それぞれストレス開始後4時間および24時間の、ストレス下集団および非ストレス下集団へのP.トリコルヌツム藻類の二元分類を示す。
図14C】それぞれストレス開始後4時間および24時間の、ストレス下集団および非ストレス下集団へのP.トリコルヌツム藻類の二元分類を示す。
図15A】本発明の実施形態による、P.トリコルヌツム(P.tricornutum)の光吸収および全データ分類を示す図である。
図15B】本発明の実施形態による、P.トリコルヌツムの光吸収および全データ分類を示す図である。
図15C】本発明の実施形態による、P.トリコルヌツムの光吸収および全データ分類を示す図である。
図15D】本発明の実施形態による、P.トリコルヌツムの光吸収および全データ分類を示す図である。
図15E】本発明の実施形態による、P.トリコルヌツムの光吸収および全データ分類を示す図である。
図15F】本発明の実施形態による、P.トリコルヌツムの光吸収および全データ分類を示す図である。
図16A】本発明による10波長のみの光吸収に基づくP.トリコルヌタムの特定のストレス分類を示す。
図16B】本発明による10波長のみの光吸収に基づくP.トリコルヌタムの特定のストレス分類を示す。
図16C】本発明による10波長のみの光吸収に基づくP.トリコルヌタムの特定のストレス分類を示す。
図17A図17Aおよび図17Bは、本発明の実施形態による、それぞれストレス後6時間および8時間の、5つのみの波長の吸収に基づくPトリコルヌタムの特定のストレス分類を示す。
図17B図17Aおよび図17Bは、本発明の実施形態による、それぞれストレス後6時間および8時間の、5つのみの波長の吸収に基づくPトリコルヌタムの特定のストレス分類を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
説明したように、本発明は、そのいくつかの実施形態では、オンラインおよびインサイチューで実施することができる藻類作物の継続的モニタリングのための方法および装置に関し、より詳細には、限定的ではないが、最小限の光学情報を利用する方法に関する。
【0040】
背景技術で論じたように、現在の技術における微細藻類の生物学的モニタリングはオフラインで行われる。本実施形態では、オンラインのインサイチューモニタリングを提供することができ、微細藻類の環境的および生理学的動態を追跡することができ、栽培者が生産プロセスをより良好かつより正確に管理することを可能にする。例えば、オンラインおよび/またはインサイチューモニタリングは、栽培施設、栄養素、電気、培養条件の最適化などのリソースの最適な使用を可能にでき、ストレスの早期検出を得ながら、栽培者が依然として培養物に応答して救済することができる可能性を提供する。
【0041】
本実施形態のモニタリングアプローチは、培養される微細藻類の特定の受動的および能動的光学特性に依存し得る。実施形態は、以下を考慮に入れることができる。
1)異なる藻類株は異なる顔料組成物を含有し、異なる光学特性を示す。
2)微細藻類の生理学的摂動下では、蛍光であろうと光吸収であろうと、藻類培養物の光学特性に変化があり、その一部は初期の段階で発現される。実際、吸収励起蛍光行列(AEF)およびその導関数におけるパターンおよびクラスタは、I)藻類タイプ、II)ストレスのタイプおよび振幅、III)ストレス開始からの時間に特異的である。
【0042】
したがって、データを表す新しい方法および画像分類のための新しい方法を使用して藻類の光学パラメータをモニタリングすることは、藻類の生理学的状態をインサイチューでモニタリングするための革新的な技術を提供することができ、早期のストレス特異的同定を提供することができる。
【0043】
本実施形態は、種に特異的な少数の波長の組み合わせでの蛍光のための光源および検出器を使用して、微細藻類およびその生理学的状態の継続的な光学的モニタリングを可能にし得る。本実施形態は、藻類の生理学的状態をモニタリングするために必要な必須の光学データを最小限に抑え、生長を最適化することができ、すなわち、組み合わせてストレス状況の早期検出を可能にする検出器のための最小限の数の励起光源を見出すことができる。次いで、システムは、その最小セットのパラメータのみを使用して藻類をモニタリングする。最小セットは、上述のように、モニタリングされている藻類の種に特異的であり得る。システムは、中央および周辺の2つのユニットで構成される。中央ユニットは、2つの構成要素、すなわち、本質的に、ストレスタイプにつき種毎に1回実行される学習と、学習段階で最適化された蛍光シグナル源および検出器の最小セットを使用して継続的に実行されるモニタリングとから構成される。学習構成要素は、典型的には、特定の藻類タイプで、a)最適な生長条件(対照)である間、およびb)非生物ストレス条件および生物ストレス条件下での生長動態をモニタリングする実験室ベースのユニットである。各時間ステップにおいて、システムは、明確に定義された励起源の個別のアレイを使用して蛍光応答を測定し、スペクトル蛍光発光を測定する。本実施形態は、比較的弱い蛍光情報を使用して、深層学習画像解析および分類方法の入力として機能する光学的応答の画像状行列を構成することができる。異なるストレスの初期の徴候は、光-蛍光行列において変化するパターンおよびクラスタリング特性を有する。本実施形態は、特定のストレスタイプに対する早期応答を検出するために、以下でより詳細に説明するように、行列、その分散、および初期行列の非線形操作から導出されたいくつかのさらなる行列を使用することができる。次いで、行列に収集されたデータは、本質的なスペクトル情報を最小化することを目的とした深層学習システムへの入力を提供することができる。
【0044】
第2の周辺ユニットは、最小限の(必須の)スペクトル源および検出器を含む軽量で小型の耐候性モジュールユニットである。そのようなユニットは藻類生長用地に設置されてもよく、光学測定値を中央ユニット内の解釈構成要素に継続的に転送してもよい。リアルタイムでのスペクトル解釈は、第1のユニットの訓練状態で得られたネットワーク最適化に基づくことができる。
【0045】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載され、および/または図面および/または実施例に示される構成要素および/または方法の構造および配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施または実行することができる。
【0046】
本実施形態は、継続的で最適な測定を使用して、微細藻類の生理学的状態をモニタリングし、ストレスの早期警告を提供するシステムを提供し得る。人工知能を使用して、本実施形態による方法は、藻類の生理学および生長をモニタリングするために必要な必須の光学データを最小限に抑え、ストレスの初期の兆候を提供することができる。
【0047】
ここで図1を参照すると、図1は、微細藻類の生長をモニタリングするための最小のセットの照射およびモニタリング波長(光学パラメータ)を見出す、本実施形態によるプロセスを示す、簡略化されたフローチャートである。この方法は、最初に、特定の種の試験セットの微細藻類を生長させること10を含む。所定の種類のストレス、例えば必須栄養素の欠如、または何らかの種類の汚染が、対照として維持された残りの藻類の一部に加えられる12。
【0048】
ボックス14において、生長中の藻類は、光波長のスペクトル、例えば図7の縦軸における波長のセットで励起される。
【0049】
ボックス16において、微細藻類は、対応する波長のセット、例えば図7の横軸に沿ったものにわたる発光についてモニタリングされる。各波長において、所与の照射波長での励起後の蛍光の振幅が検出され、行列が充填される。図は、ストレス下の藻類と対照の両方について得られる。
【0050】
ボックス18では、ストレス下の微細藻類と対照の微細藻類との間の各照射波長について検出された振幅が比較され、ストレス対象と、対照である対象との間に差を与える波長の組み合わせが、加えられたストレスの指標として使用され得る。
【0051】
ボックス20において、加えられたストレスを確実に検出する最小サイズの照射波長および検出波長のセットを見つけるために、それぞれの照射波長および検出された蛍光波長の様々な組み合わせを通じて探索するプロセスが実行される。その考え方は、大きな行列の組み合わせを生成し、次いでその行列から、ストレスを最もよく検出する非常に少ない数の組み合わせを見つけることである。例えば、加えられる特定のストレスおよび生長している藻類の種などの変数に応じて、20×20の行列のようなものが開始点であり得、2×2の行列が終了点であり得る。
【0052】
ボックス22では、最小サイズの照射波長およびモニタリング波長のセットが見つかると、そのセットは藻類の生長の日常的なリアルタイムのインサイチューモニタリングに使用される。
【0053】
ここで、図2を参照する。この図は、機械学習を実行することができる1つの方法を示す。ボックス24において、2セットの波長および対応する検出された振幅は、検出の光学行列G(t)に組み込まれる。行列は、連続した時間にわたるモニタリングの結果を入力することによって、時間の関数として設定される。
【0054】
ボックス26では、様々な異なる時間について、分散(V)行列が収集される。分散行列から、正規化G(NG)行列がボックス28に設定される。相対分散(εG)行列がボックス30に設定される。グローバルランク付け行列(RG)がボックス32に設定され、ラインランク付け行列(LG)がボックス34に設定される。
【0055】
次いで、様々な導出された行列は、ボックス36において機械学習への入力として適用される。次いで、組み合わせを介した探索は、機械学習を行列に適用することによって実行することができる。機械学習は、教師あり機械学習であってもよく、どの結果がストレスであり、どの結果がストレスでないかを通知され得る。次いで、プロセスは、ストレス下のサンプルとストレスを受けていないサンプルとを確実に区別する行列からの入力の最小セットが何であるかを見出す。
【0056】
他の実施形態では、組み合わせ分析または行列の直接的な検査を使用することができる。
【0057】
実施形態では、ボックス36の機械学習は、以下に説明するように、決定ランダムフォレストとサポートベクターマシンとの組み合わせを使用する。あるいは、機械学習は畳み込みニューラルネットワークを使用してもよい。
【0058】
加えられ得るストレスの1つの形態は窒素の欠如であり、ストレス下のサンプルには、その生長のある時点から窒素が供給されない。
【0059】
モニタリング装置は、最初に、480および840nmを含む波長範囲にわたって、例えば規則的なジャンプ、例えば20nmのジャンプで、生長中の藻類をモニタリングすることができる。
【0060】
行列を設定するために使用される照射波長は、440nmおよび800nmを含む範囲を含み得る。ここでも、これらは規則的なジャンプ、例えば20nmであってもよい。
【0061】
パルスを用いて照射を行ってもよい。
【0062】
藻類は、例えばクロレラ属由来の種であり得る。
【0063】
機械学習は、堅牢で統計的に有意な初期段階のストレス検出のために、供給源と検出器の両方に必要な最小数の波長を決定することができる。ストレスを確実に識別する最小サイズのセットは、異なる藻類の種の間で異なり得、異なった加えるストレスを網羅し得る。本明細書の例では、最小サイズのセットは1つの励起波長および2つの発光波長であったが、他の例は異なるサイズであってもよい。例えば、10個、6個または2個の検出波長を有する、5個、3個または1個の励起波長があってもよい。特定の検出波長は、特定の励起波長を伴い得る。いくつかの励起波長は複数の検出波長と関連付けられてもよく、いくつかは単一の検出波長のみと関連付けられてもよい。ここでも、一部の励起波長は、他の励起波長よりも多くの検出波長に関連付けられ得る。
【0064】
図10Aおよび図10Bに示すように、以下でさらに詳細に説明するように、最小サイズのセットを使用してストレスを検出することは、基準またはベースラインとして使用することができる第2の波長と比較して、検出波長の1つにおける振幅の散乱を検出することを含むことができる。したがって、上記のようにして得られた最小サイズの波長セットを使用して、例えば商業的に、生長している藻類をモニタリングすることができる。図10Aに示されるように、ストレスの影響は、ストレスが加えられたわずか4時間後に明らかであり、したがって、栽培者は、現在可能であるよりもはるかに早く任意の問題を警告される。さらに、モニタリングは、生長中の藻類に対して、はるかに広く適用することができる。
【0065】
ここで図3を参照すると、図3は、本実施形態による図1に見られる最小セットのパラメータのみを使用して、どのようにして微細藻類の生長をモニタリングするかを示す、簡略化されたフローチャートである。
【0066】
微細藻類を生長させ(ボックス40)、所定の種およびストレスタイプに推奨される照射波長(単数または複数)を連続的な時間間隔で藻類に照射することにより、ボックス42でモニタリングを適用する。次いで、蛍光および/または光吸収が、照射波長ならびに藻類種およびストレスタイプに合う検出波長でボックス44において測定される。照射波長あたりのモニタリングの波長の数は1つ以上であってもよく、少なくとも1つのモニタリングの波長は照射波長と異なっていてもよい。蛍光の場合、すべての検出器波長が光源よりも長いことに留意されたい。吸収測定の場合、検出器は一般に光源と同じ波長にある。
【0067】
ボックス46では、検出波長の振幅を比較して、ストレスを示すパターンがあるかどうかを調べる。ストレスの指示がある場合(ボックス48)、栽培者が必要な措置を講じることができるように警報が発せられる。いずれの場合もモニタリングを継続する。
【0068】
ここで、図4を参照すると、図4は、図3の方法が、60において生長している藻類に対する複数のストレス係数に対して、どのように実行され得るかを示す、簡略化されたフローチャートである。ボックス62において、第1のストレス係数が選択され、次いで、ボックス64において試験波長の対応するセットが選択される。照射およびモニタリングは、66の前と同様に実行され、比較がストレスを示す場合には通知が発行される70。その後、ストレス係数を変更し、異なるセットの試験波長を使用することができる。
【0069】
ここで図5を参照すると、本実施形態によるストレスについて微細藻類の生長をモニタリングするためのモニタリング装置を示す簡略ブロック図である。図5は、藻類の生長80を示し、これは、プール、池もしくはフォトバイオリアクターまたは任意の他の種類の微細藻類生長ユニット内にあってもよい。藻類は商業的に生長させることができる。照射源82は、生長中の藻類80に、選択された1つ以上の照射波長を用いて照射するように配置される。照射波長は、例えば、本明細書で説明する最小化プロセスを使用して選択することができる。
【0070】
検出器84は、生長中の藻類80からの、照射の結果として生成される蛍光および/または光吸収を検出するように配置される。蛍光シグナルは、光源と比較してより長い波長でのみ検出されると予想される。光吸収は、一般に、同じ波長で測定される。比較器86は、様々な検出波長の振幅を比較して、生長中の藻類が所与のストレスを受けているかどうかを判定する。図4に関して説明したように、装置は、複数のストレスについて試験することができ、異なるストレスのそれぞれについて異なる波長の組み合わせを選択することができる。
【0071】
さらに、同じ装置を藻類の異なる種に使用することができ、対象の現在の種および現在のストレスに応じて異なる照射および検出波長を選択することができる。
【0072】
本実施形態によるシステムは、中央ユニットおよび周辺ユニットの2つの主要ユニットで構成される。中央ユニットは、学習構成要素および信号解釈構成要素という2つの機能構成要素を有する。このシステムは、藻類モニタリング効率を継続的に学習し、改善し、詳細さの水準を高め、例えば、新しい藻類および付加的なストレスタイプを追加する。光学信号解釈要素は、周辺ユニットからスペクトル情報を収集し、情報を処理し、藻類の健康状態に関する情報および様々なストレスタイプに関する早期の警告を提供することができる。
【0073】
周辺ユニットは、最小限の(必須の)スペクトル源および検出器を含む軽量、小型、耐候性および比較的安価な光学測定装置(OMD)で構成されてもよい。OMDはモジュール式に設計し、光学的な仕様を容易に変更して、微細藻類種および生育条件ごとに最良のスペクトルの設定を設けることができるようにする。いくつかの周辺ユニットが藻類生長用地に設置されてもよく、継続的または断続的に中央ユニットに伝達され得る光信号を収集してもよい。解釈、および必要に応じたリアルタイムの早期警告信号は、中央ユニットによって提供されてもよい。
【0074】
ここで図6を参照すると、図6は、本発明の実施形態による継続モニタリングシステムの構成要素を概略的に示す簡略的なブロック図である。システム110は、中央ユニット112および周辺ユニット114を備える。中央ユニット112は、最適条件およびストレス条件下での培養物の生長を可能にし、ストレス開始に対して時間的にそれらの詳細な光学的応答を測定する生物学的および光学的機器を含み、この部分は、本明細書で後述する学習要素122を形成する。周辺ユニットは、最小の必須のスペクトル源および検出器を含む簡素な光学測定装置(OMD)から構成され、その最小のセットは本明細書で説明するように得られる。OMD光学信号117は、微細藻類生長ユニット、例えば微細藻類フォトバイオリアクター118から中央ユニットの処理要素120に継続的に伝達され、そこで信号が分析され、次いで中央ユニットが藻類の生理学的状態を継続的に調査する。これは、培養物の健康状態のリアルタイムでの評価およびストレスの早期警告を使用者に提供する。
【0075】
中央ユニットの学習/訓練構成要素122は、制御を提供するために最適条件下で培養物を生長させることを可能にする、本明細書で以下により詳細に説明する生物学的および光学的機器、ならびに重要な典型的なストレスおよびストレス条件下で生長させた、さらなるサンプルを含む。いずれの場合も、光学的応答はリアルタイムで測定される。各時間ステップにおいて、システムは、単色光源ならびに広いスペクトル範囲を有する光源の継続的なアレイを使用して、スペクトル吸収、散乱および蛍光応答を測定する。
【0076】
中央ユニットは、藻類の識別された生理学的状態を示す結果を出力し得る。出力124は、サンプルが健康であること126、または様々な種類のストレス、例えば汚染128、低窒素130、または低リン酸塩132であることを示すことができる。
【0077】
学習/訓練構成要素は、既に利用可能な結果に基づいて藻類の生長を単にモニタリングしたいエンドユーザによって省かれ得ることが理解されよう。
【0078】
学習段階では、システムは、いくつかのチャネルで測定された弱い蛍光応答を使用して、初期のストレス段階の堅牢なシグネチャを推測する。各藻類種について、各ストレス条件が適用され、ストレス開始後、システムは、すべての励起源に対する蛍光および吸収応答から構成される画像状吸収励起蛍光行列(ここではG(t)として示されるAEF行列)を生成する。各段階で、光学測定を3回繰り返し、予め設定された間隔で実行し、各時間ステップの平均および分散の計算を可能にする。
【0079】
本実施形態は、異なるストレスタイプが異なる蛍光および吸収シグネチャを誘発し、G(t)において異なるパターンおよびクラスタを生成することを示し得る。異なる時間ステップでストレスごとに収集された光学行列G(t)ならびにその分散(V)の画像は、正規化G(NG)行列、相対分散(εG)行列、グローバルランク付け行列(RG)、およびラインランク付け行列(LG)などのいくつかの関連する行列に変換される。これらの画像行列は、後述するように、データをストレスタイプおよびステージに分類し、ストレス検出のための最小必須スペクトル情報を提供する深層学習システムへの入力として機能する。
モデルシステム
【0080】
光学的変化に対するストレスの影響を実証するために、本発明者らは、産業で広く使用されているクロレラ属由来のモデル微細藻類として、クロレラ・デシカタ(CDX)を使用する。本発明者らは、穏やかな窒素制限、すなわち新鮮な培地に対して×5に希釈されたf/2培地を選択し、ストレス下のサンプルを生成するために窒素成分が省かれる。窒素の欠如は、光学的変化に対するその既知の影響、および微細藻類の脂質産生において一般に発生する窒素飢餓のために、重要なストレスとして選択される。
微細藻類の培養および生長
【0081】
微細藻類培養物を、f/2培地を補充した人工海水(ASW)中で生長させ、ストレス下のサンプルを窒素なしで放置する。サンプルを、16:8時間の明:暗サイクルで24℃に保つ。7:00~23:00の間に、150μmolの光子・m-2・sec-1の光を冷たい白色LED光によって供給した。すべての実験において、n=3で行った。
計測器
【0082】
マイクロプレートリーダー(Tecan infinite pro 200)を使用して、微細藻類培養物の光吸収と蛍光スキャンの両方を測定する。対照試料およびストレス下試料の両方の3つの生物学的レプリカを使用している。それぞれが体積で200μLであり、すべて平坦で透明な96ウェルプレートにセットされている。
結果
【0083】
吸収励起蛍光(AEF)行列およびその導関数の抽出において
【0084】
光学測定の質は、励起源のスペクトル帯域幅および精度に大きく依存する。したがって、本発明者らは、要求に応じて分離されたスペクトルの狭い励起源を生成するために、十分に指定された光源および狭いフィルタリング方法によって構成される、オーダーメイドの光源およびスペクトル測定プローブを提供する。狭い光源の各離散発光ごとに、継続スペクトル測定が行われ、読み出しはG行列の個々の線を形成することができる。
【0085】
光源は、広いスペクトル範囲の狭い帯域幅のパルスを生成することができる。各パルスは、200から3000nmの範囲の約2nmの幅を有することを目的とする。
【0086】
波長(φ)、すなわちf_φを中心とする各励起パルス(f)ごとに、λ>φとなるように、φより大きいすべての波長(λ)、すなわちg_λについて弱い蛍光信号(g)を測定することができる。
【0087】
このような測定の出力ルミネセンスは、図7に示すように三角行列(G)に配置することができ、それについてy軸はφであり、各線はより長い波長g_λでのルミネセンス収率を表す。Gの最初の線は、スペクトル吸収測定値である。より詳細には、図7は、平均して測定された吸収励起蛍光(AEF)行列の例を示す。Y軸は励起波長を示し、X軸の列は光源よりも大きいすべての波長における蛍光応答を示す。各吸収励起蛍光測定n=3(生物学的反復)を、各時間ステップにおいて各サンプルに提供する。
【0088】
ここで図8を参照すると、測定された生データ(標準偏差を含む)の例が示されており、本実施形態による窒素飢餓ストレスまたは最適(対照)条件下のいずれかで、複数の時点でのクロレラ・デシカタの3回の生物学的複製の学習する構成要素の視覚化が提供される。左側の1列目は対照データであり、2列目はストレス下のセットに対するものであり、3列目および4列目は対照(3列目)およびストレス下の(4列目)に対する3つの反復の標準偏差である。各々の線は、ストレスの開始からの測定時間を指す(4時間、24時間、48時間、72時間、および144時間)。各々の色は、正規化反射率の対数(無名数)を示す。
【0089】
ここで、図9を参照すると、図9は、本実施形態による、図8に示すセットについての、窒素飢餓ストレスによるCDXのストレスの早期検出の例を示す。各行列は、対照群とストレス下群との間の正規化された差を、ストレス開始後の時間(4時間、24時間、48時間、72時間)の関数として示す。中心波長群の非単調応答を示す。4時間~24時間の期間中、中心群の蛍光応答の相対的な増加があり、続いて急激な減少がある。信号の最初の増加としてのこのような些細ではない応答は、ストレスの早期の警告として機能し得、約72時間超でそのようなストレスを検出する標準的なストレス検出方法と比較して、約12時間で明確な表示を提供する(図8の信号を参照)。
機械学習の手法
【0090】
本実施形態は、機械学習(ML)の手法を使用して、藻類のストレスと、ストレスを加えてからの時間の関数としての光学的読み出しとの間の堅牢な数学的関係を見出すために必要な、最小信号を抽出することができる。本発明者らは、以下のように2つの培養生長モードについて機械学習およびデータの最小化を実行する。
1)希釈培養の初期段階から指数段階および飽和段階までの生長動態の後
2)シンク(希釈)と生長との間にバランスがある、培養物が定常状態にあるケモスタットモードで
【0091】
MLは、通常、教師あり学習と教師なし学習とに分類される。本実施形態では、主にMLの教師ありの枝由来の概念を使用する。具体的には、主な方法として、高度回帰手法、ランダムフォレスト(RF)決定木、およびサポートベクターマシン(SVM)を使用する。並行して、本発明者らは、ディープラーニング(DL)に基づく手法を採用する。
【0092】
学習段階では、対照(乱されない培養)およびストレス下という2つのセットを同時に測定する。各セットにつき、5つの行列を測定および計算する。
1)G、測定された発光のすべての光源f_φについてのg_λの平均吸収励起蛍光(対照についてはGc、ストレス下についてはGs)。
2)VcおよびVs、標準偏差行列
3)εGcおよびεGd、相対分散行列
4)RcおよびRs、各ピクセルがその順序付けられたランクインデックスによって置き換えられるグローバルランキング行列
5)LcおよびLsのライン(または列)ランク付け行列、各ピクセルがライン(または列)ごとのその順序付けられたランクインデックスによって置き換えられる
【0093】
上記の10の画像における各時間の入力(ストレス下の場合は5行列、対照の場合は5行列)は、参照と比較したとき、ストレスの開始からの所与の時間における培養物の状態を反映する。藻類の種類毎およびストレスの種類毎に、ストレスの堅牢な検出に必要な最小スペクトル情報を抽出するために、本実施形態は、情報の内容を選択的に減少させることができる。システムが、すべてのデータを使用して初期段階でストレスを堅牢に検出するように訓練されると、主な指標として入力行列のパターンを分析する。訓練は繰り返されるが、より限られた情報、すなわちより少ないチャネルおよびより少ない検出器である。より反復可能であり、したがってより堅牢なストレスを示す信号を抽出するという目的がある。そのために、行列の情報内容を徐々に減少させる分析方法を使用する。
【0094】
例として、そのようなアプローチでは、本発明者らは、440nmの1つの光源と、480nmの検出器と680nmの検出器を1つずつ、という2つの検出器とを使用することによって、4時間後に窒素飢餓ストレスでのCDXを検出することができる。ストレス下の培養物は、最初の数時間で680nmで蛍光シグナルを増強し、その後にようやく減少させる。これにより、影響を受けていない蛍光シグナル(480nm)と影響を受けている蛍光シグナル(680nm)の2つの蛍光シグナルを比較することによって、ストレスの徴候を示すことができる。本発明者らは、現在の当技術分野においてそのようなストレスを検出するための典型的な時間が3日であることに留意している。
【0095】
結果を図10Aおよび図10Bに示す。最小信号アプローチは、440nmの1つの光源ならびに480nmおよび680nmの2つの検出器を使用して、4時間の時点での窒素飢餓ストレスでのCDXを検出することを含む。青色のドットは680の差異(ストレス下の対照)を示し、赤色のドットは480の差異(ストレス下の対照)を示す。4時間(左パネル)では、ストレス下培養物の680の信号は、対照と比較して増加しているが、48時間(右パネル)では、ストレス下の680信号は減少している。
用途
【0096】
藻類の継続的なモニタリングは、生産コストを最適化し、以下によって栽培者の総収量を増加させることができる。
1)生産者がリアルタイムでストレスに応答することを可能にすることによる、藻類死亡事象に起因する崩壊の防止。
2)時間、労力および設備の使用を改善することによる生長サイクルの最適化。
3)規模を拡大する生長システムおよび限界費用の削減。
【0097】
合わせて、本解決策は、急速に生長している微細藻類産業における精度を高められ、生産における再現性および安定性を高め得る。さらに、本実施形態は、特定の種類の藻類を栽培する際の汎用性を改善することができる。
【0098】
本実施形態は、特定のストレスの早期検出および識別の改善を提供することができる。
【0099】
したがって、要約すると、初期の段階は、20の異なる波長の放射線源を用いて20nmのジャンプで480~840nmの範囲全体を検出することを含み、これもまた20nmのジャンプであり、関連する組み合わせを図7に示す。その場合、問題は、このデータのどの程度を無視しても、依然として信頼できる答えを提供できるかということである。
【0100】
したがって、本実施形態は、データの削減および処理量の削減を可能にすることができる。本実施形態はまた、放射線源の数および検出器の数を低減し、費用効果が高く実用的に実現可能な継続モニタリングの方法を提供することを目的とする。
【0101】
図10Aおよび図10Bに示すように、この例では、単一の放射線源を440nmで使用し、2つの検出器を一方を480nmで、他方を680nmで使用して、ストレスの検出に成功している。480nmでの蛍光データは、ベースラインとして機能する。680nmでのデータは、ベースラインと比較してストレス下で変化するため、4時間以内のストレスの確固とした指標を与える。
【0102】
ここで図11を参照すると、センサが挿入されたバイオリアクター200が示されている。センサは、光源パネル202および検出パネル204の2つのパネルとして配置されている。2つのパネルは、回路ボックス206から延びている。光源パネル202において、中央白色光源208は、狭いフィルタL1…L4を有する4つのLED光源によって囲まれている。各フィルタL1…L4の正確な波長は、各藻類株に固有である。
【0103】
検出パネル204は、各々が4つのLED光源L1…L4のうちの1つに固有の4つの検出器D1…D4を有する。光源が藻類を照らし、検出器は、上記のように、吸収後に生じる波長を検出する。
【0104】
次に図12A図12Fを参照すると、P.トリコルヌタム(P.Tricornutum)のストレス応答を示す。図12aは、熱ストレスの影響を示す。具体的には、熱ストレス(28℃)下でのトリコルヌタムの生長曲線(右手の棒)を、対照(24°C)の左手の棒と比較する。フローサイトメーターを用いて細胞を計数して、計数あたり少なくとも5000個の細胞を得た。エラーバーは±1の標準偏差を表す。
【0105】
図12Bは、高塩分の影響を示す。
【0106】
図12Cおよび図12Dは、窒素飢餓を示す。図12Cは、対照である左手の棒と比較した、窒素飢餓(20%のみという窒素の量)下でのP.トリコルヌタムの生長曲線(右手の棒)を示す。細胞を、フローサイトメーターを使用して計数し、計数あたり少なくとも5000個の細胞を得た。
【0107】
図12Dは、対照と比較した、窒素飢餓(20%のみという窒素の量)に対するP.トリコルヌタムのクロロフィル蛍光応答(右手の棒)を示す。クロロフィル蛍光を、フローサイトメーター(例えば、488nm em:700nm)を使用して測定し、計数当たり少なくとも5000個の細胞を得た。
【0108】
図12Eおよび図12Fは、金属飢餓を示す。図12Eは、対照である左手の棒と比較した、金属飢餓(20%のみという金属の量)下でのP.トリコルヌタムの生長曲線(右手の棒)を示す。細胞を、フローサイトメーターを使用して計数し、計数あたり少なくとも5000個の細胞を得た。図12Fは、対照である左手の棒と比較した、金属飢餓(20%のみという金属の量)に対するP.トリコルヌタムの前方散乱(細胞サイズを反映する)応答(右手の棒)を示す。蛍光を、フローサイトメーター(例えば、488nm)を使用して測定し、計数当たり少なくとも5000個の細胞を得た。
【0109】
図13A図13Cは、それぞれN.サリナに対する超塩分、窒素飢餓および金属飢餓試験を示す。図13Dは、C.デシカッタに対する窒素飢餓試験を示す。
【0110】
次に図14Aおよび図14Bを参照すると、それぞれ、ストレス開始4時間後および24時間後の、藻類のストレス下集団および非ストレス下集団への二元分類を示す。図14Aは、ストレス開始から4時間後のすべての光吸収データに基づく二元分類(P.トリコルヌタム)を示し、図14Bは、ストレス開始から24時間後のすべての光吸収データに基づく二元分類(P.トリコルヌタム)を示す。図14Cは、具体的なストレスの特定を示す。
【0111】
次に図15A図15Fを参照すると、光吸収およびすべてのデータ分類を示す。図15Aおよび図15Bは、ストレス開始から6時間後の特定のストレス分類に関する。図15Bは、光吸収に基づく特定のストレス分類についての特定の波長の相対的な寄与をnmで示す。図15Cおよび図15Dは、ストレス開始から8時間後の特定のストレス分類に関する。図15Dは、光吸収に基づく特定のストレス分類についての特定の波長の相対的な寄与をnmで示す。図15Eおよび図15Fは、ストレス開始から24時間後の特定のストレス分類に関する。図15Fは、光吸収に基づく特定のストレス分類についての特定の波長の相対的な寄与をnmで示す。
【0112】
図16A図16Cは、10個の波長のみ、具体的には波長345nm、855nm、660nm、375nm、960nm、870nm、300nm、315nm、435nm、675nmにおける光吸収に基づくP.トリコルヌタムの特定のストレス分類を示す。図16Aは、ストレス開始の6時間後を示す。図16Bは、開始から8時間後を示し、図16Cは、開始から24時間後の10個の波長における吸収に基づく分類を示す。
【0113】
図17Aおよび図17Bは、それぞれストレス後6時間および8時間での5つのみの波長の吸収に基づくPトリコルヌタムの特定のストレス分類を示す。
【0114】
本明細書において、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」およびそれらの結合は、「含むが限定されない」ということを意味する。
【0115】
「からなる」という用語は、「含んで限定される」ことを意味する。
【0116】
本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうでないことが明確に示されない限り、複数の言及を含む。
【0117】
明確にするため別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は単一の実施形態に組み合わせて提供することもできること、および、本文は、そのような実施形態が具体的に記載されているかのように解釈されるべきであることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている本発明の様々な特徴はまた、別個に、または任意の適切な部分的組み合わせで、または本発明の任意の他の記載された実施形態で適切であるように提供することもでき、本文は、そのような実施形態が具体的に記載されているかのように解釈されるべきである。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしで動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0118】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明したが、多くの代替、修正、および変形が当業者には明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内にあるそのようなすべての代替、修正、および変形を包含することが意図されている。
【0119】
本明細書で言及されるすべての出版物、特許、および特許出願は、個々の出版物、特許、または特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されるのと同程度に、参照により全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本出願における任意の参考文献の引用または識別は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。セクションの見出しが使用される限り、それらは必ずしも限定するものと解釈されるべきではない。
【0120】
さらに、本願の任意の優先権の書類は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12ABCDEF
図13ABCD
図14AB
図14C
図15ABCDEF
図16ABC
図17AB