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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】無人航空機
(51)【国際特許分類】
   A01M 7/00 20060101AFI20241113BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20241113BHJP
   B64D 1/16 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
A01M7/00 H
B64C39/02
B64D1/16
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021554759
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2020056175
(87)【国際公開番号】W WO2020182711
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】19162513.6
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19212201.8
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591063187
【氏名又は名称】バイエル アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Bayer Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルコム・フェアーズ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・チャールズ・チャップル
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0129605(US,A1)
【文献】実開平06-038554(JP,U)
【文献】特開平03-174267(JP,A)
【文献】特表2017-529903(JP,A)
【文献】国際公開第2020/116492(WO,A1)
【文献】特開2020-083313(JP,A)
【文献】特開2019-207555(JP,A)
【文献】特表2022-521806(JP,A)
【文献】特開2018-127076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 7/00
B64C 39/02
B64D 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのサービスユニット(160)を備える、1つ以上の無人航空機(10)用のベースステーション(70)であって、
前記無人航空機が、
- 少なくとも1つの液体リザーバ(20)と、
- 少なくとも1つの液体散布ユニット(30)と、
- 少なくとも1つの動作ユニット(40)と、
- 少なくとも1つのセンサユニット(50)と、
を備え、
前記少なくとも1つの液体リザーバは、有効成分を含む液体を保持するように構成され、
前記少なくとも1つの液体散布ユニットは、前記少なくとも1つの液体リザーバと流体連通し、
前記少なくとも1つの動作ユニットは、1つ以上の無人航空機を飛行可能にするように構成され、
前記少なくとも1つのセンサユニットは、前記少なくとも1つの液体散布ユニットの機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成され、
処理ユニットが、前記ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機が前記ベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、前記処理ユニットは、前記ベースステーションの前記少なくとも1つのサービスユニットに対し、前記少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、前記処理ユニットの前記決定は、前記1つ以上の無人航空機の、前記少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む、
ベースステーション。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサユニット(50)は、前記少なくとも1つの液体散布ユニット(30)の目詰まりの検知を含む検知情報を決定するように構成される、請求項に記載のベースステーション。
【請求項3】
農作物に有効成分を散布するシステム(200)であって、
農作物に有効成分を散布するための無人航空機(10)であって、
- 少なくとも1つの液体リザーバ(20)と、
- 少なくとも1つの液体散布ユニット(30)と、
- 少なくとも1つの動作ユニット(40)と、
- 少なくとも1つのセンサユニット(50)と、
を備え、
前記少なくとも1つの液体リザーバは、有効成分を含む液体を保持するように構成され、
前記少なくとも1つの液体散布ユニットは、前記少なくとも1つの液体リザーバと流体連通し、
前記少なくとも1つの動作ユニットは、前記無人航空機を飛行可能にするように構成され、
前記少なくとも1つのセンサユニットは、前記少なくとも1つの液体散布ユニットの機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成され、
処理ユニットが、前記無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、前記少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換する指示を出すことを決定するように構成され、前記決定は前記少なくとも1つの液体散布ユニットの動作性の検知情報を利用することを含む、
無人航空機(10)を少なくとも1つと、
- 請求項またはに記載のベースステーション(70)を少なくとも1つと、
- 処理ユニット(60)と、
を備え、
前記少なくとも1つの無人航空機のうちの無人航空機について、前記少なくとも1つのセンサユニット(50)が、前記少なくとも1つの液体散布ユニット(30)の機能を検知することを含む検知情報を決定して、前記検知情報を前記処理ユニットに中継するように構成され、
前記処理ユニットは、前記無人航空機に対して、前記少なくとも1つのベースステーションにドック入りする指示を出すことを決定するように構成され、
前記処理ユニットは、前記少なくとも1つのベースステーションに対して、前記無人航空機が前記ベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、
前記処理ユニットは、前記少なくとも1つのベースステーションの前記少なくとも1つのサービスユニット(160)に対して、前記少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、
前記処理ユニットの決定はすべて、前記少なくとも1つの無人航空機の、前記少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む、
システム。
【請求項4】
少なくとも1つの無人航空機および少なくとも1つのベースステーションを使用して農作物に有効成分を散布する方法(300)であって、
a) 前記少なくとも1つの無人航空機に収容された、または取り付けられた少なくとも1つの液体リザーバに、有効成分を含む液体を保持するステップ(310)であって、少なくとも1つの液体散布ユニットが、前記少なくとも1つの無人航空機に収容され、または取り付けられ、前記少なくとも1つの液体散布ユニットは、前記少なくとも1つの液体リザーバと流体連通する、ステップと、
b) 前記少なくとも1つの無人航空機を飛行可能にするように構成される少なくとも1つの動作ユニットを、前記少なくとも1つの無人航空機に収容する、または取り付けるステップ(320)と、
c) 前記少なくとも1つの液体散布ユニットの機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、前記少なくとも1つの無人航空機に収容する、または取り付けるステップ(330)と、
d) 少なくとも1つのサービスユニットを前記少なくとも1つのベースステーションに収容する、または取り付けるステップ(340)と、
e) 検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、前記少なくとも1つの無人航空機の前記少なくとも1つの液体散布ユニットの機能を検知するステップ(350)と、
f) 前記処理ユニットによって指示された場合に、前記少なくとも1つの無人航空機を前記少なくとも1つのベースステーションにドック入りさせるステップ(360)であって、前記指示を出す前記決定は、検知情報を使用することを含む、ステップと、
g) 前記処理ユニットによって指示された場合に、前記少なくとも1つのベースステーションの前記少なくとも1つのサービスユニットで、前記少なくとも1つの無人航空機の前記少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換するステップ(370)であって、前記指示を出す前記決定は、検知情報を使用することを含む、ステップと、
を含む、方法。
【請求項5】
ベースステーションを使用して無人航空機にサービスを提供する方法(500)であって、
a) 少なくとも1つのサービスユニットを、ベースステーションに収容する、または取り付けるステップ(510)と、
b) 前記無人航空機に収容された、または取り付けられた少なくとも1つの液体リザーバに、有効成分を含む液体を保持するステップ(520)であって、少なくとも1つの液体散布ユニットが、前記無人航空機に収容され、または取り付けられ、前記少なくとも1つの液体散布ユニットは、前記少なくとも1つの液体リザーバと流体連通する、ステップと、
c) 前記無人航空機を飛行可能にするように構成される少なくとも1つの動作ユニットを、前記無人航空機に収容する、または取り付けるステップ(530)と、
d) 前記少なくとも1つの液体散布ユニットの機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、前記無人航空機に収容する、または取り付けるステップ(540)と、
e) 検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、前記少なくとも1つのセンサユニットで、前記少なくとも1つの液体散布ユニットの機能を検知するステップ(550)と、
f) 前記処理ユニットによって、前記ベースステーションに対して、前記無人航空機が前記ベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するステップ(560)であって、前記決定するステップは、前記検知情報を使用することを含む、ステップと、
g) 前記処理ユニットによって、前記ベースステーションにある、または前記ベースステーションに取り付けられた前記少なくとも1つのサービスユニットに対して、前記無人航空機の前記少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換する指示を出すことを決定するステップ(570)であって、前記決定するステップは、前記検知情報を使用することを含む、ステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物に有効成分を散布するための無人航空機と、無人航空機用のベースステーションと、無人航空機およびベースステーションを使用して農作物に有効成分を散布するためのシステムおよび方法と、無人航空機によって農作物に有効成分を散布する方法と、ベースステーションで無人航空機にサービスを提供する方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の一般的な背景は、液体の形態の有効成分を茎葉に散布することであり、有効成分は、ブームスプレーヤなどを使用して乗物によって散布される。農業環境においては、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、駆除剤、および栄養補助剤などの有効成分の散布が必要とされる。作物の雑草、虫、および疫病を防除することは、農業において損失を低減する重要な要件である。これは通常はトラクターからのスプレー散布、背負式噴霧機、およびドローンや無線操縦ヘリコプターなどの無人航空機(UAV)による、作物の葉面噴霧によって達成される。これらすべての散布技術の不利な点は、例えば、通常は田畑全体に噴霧されることである。一般に農業分野では、噴霧業務の改善、および新しい方法で散布を容易にすることが必要とされている。このような散布の費用を削減することも求められている。一般の人々の間でも、このような散布に関する環境への影響が低減されることが、ますます望まれるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
農業環境において、有効成分を散布するための改善された手段があれば有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は独立請求項の主題によって解決され、さらに別の実施形態が従属請求項に組み込まれる。以下で説明する本発明の態様および例は、農作物に有効成分を散布するための無人航空機、1つ以上の無人航空機用のベースステーション、無人航空機およびベースステーションを使用して農作物に有効成分を散布するためのシステムおよび方法、無人航空機によって農作物に有効成分を散布する方法、ならびにベースステーションで無人航空機にサービスを提供する方法にも適用されることに留意されたい。
【0005】
第1の態様によれば、農作物に有効成分を散布するための無人航空機が提供され、無人航空機は、以下のものを備える。
- 液体リザーバ。少なくとも1つの液体リザーバは、有効成分を含む液体を保持するように構成される。
- 少なくとも1つの液体散布ユニット。少なくとも1つの液体散布ユニットは、少なくとも1つの液体リザーバと流体連通する。
- 少なくとも1つの動作ユニット。少なくとも1つの動作ユニットは、無人航空機を飛行可能にするように構成される。
- 少なくとも1つのセンサユニット。少なくとも1つのセンサユニットは、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成される。処理ユニットは、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、ベースステーションからサービスを受ける指示を出すことを決定するように構成され、決定は検知情報を使用することを含む。
【0006】
言い換えれば、ドローンなどの無人航空機(UAV)は、液体に含まれている有効成分を植物に散布することができる。ここでUAVは、UAVの1つ以上の部品の機能を確認するために1つ以上のセンサを備えており、これは、植物に1つまたは複数の有効成分を散布する目的のために必要とされる。例えば、液体リザーバ内の液体を間もなく使い切る、または液体散布ユニットが閉塞または目詰まりしている、またはUAVの(動作ユニットの一部としての)電源ユニットを再充電または補充することが必要なために、UAVの一部の機能が影響を受ける、あるいは理想的には影響を受けることが見込まれる場合に、UAVはベースステーションにドック入りするように指示される。理想的には、ベースステーションは、UAVがドック入りする前にUAVの機能状況をすでに通知されており、理想的には、UAVがベースステーションにドック入りするとすぐに、適切なサービス(例えば、液体リザーバの補充、電源ユニットの再充電または補充)を提供する準備ができている。さらに、ベースステーションが、UAVがドック入りする前にすでにUAVの機能状況を通知され、かつベースステーションがUAVに供給するリソースを有していない場合は、この情報は処理ユニット(UAVの一部であってもよく、またはUAVの外部にあってもよい)によって使用され、UAVに供給するリソースを有している別のベースステーションへUAVを向かわせる。供給を受けた後に、UAVは記録された位置に戻り、スプレー散布を再開することができる。同時に、飛行効率を最大化するため、かつベースステーションのボトルネックを最小化するために、UAVの飛行経路が最適化される。ベースステーションは、それ自体を自律的な乗物にすることができ、一連の場所へ自律的に移動でき、かつ1つまたは複数のUAVを異なる場所間で格納および運搬でき、1つまたは複数のベースステーションと1つまたは複数のUAVとが、自律的に複数の場所を扱うことが可能になる。
【0007】
例において、処理ユニットは、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、少なくとも1つの液体リザーバに有効成分を含む液体を補充する指示、および/または少なくとも1つの液体リザーバを、有効成分を含む液体で少なくとも部分的に充填された液体リザーバと交換する指示を出すことを決定するように構成され、決定は、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位の検知情報を使用することを含む。
【0008】
言い換えれば、液体リザーバ内の液体水位を検知するように構成されたセンサユニットは、この情報を(例えば経時的に、または継続的に)処理ユニットに送り、処理ユニットは、UAVに収容された、または取り付けられた液体リザーバ内の残りの液体を分析し、この分析は、UAVに収容された、または取り付けられた液体リザーバを補充できる、次のベースステーションに対するUAVの距離とも関連付けられる。液体散布ユニットは、液体リザーバと流体連通し、液体リザーバ内の液体を植物に散布するように構成される。処理ユニットは、UAVに収容された、または取り付けられた液体リザーバの補充が必要と決定されると、ベースステーションにドック入りするようにUAVに指示を出す。液体リザーバに補充する有効成分を含む液体は、水で希釈したものが適用されてもよく、これはベースステーションで必要に応じて用意される、あるいはUAVが、1つは水、もう1つは濃縮した有効成分を含む、少なくとも2つの液体リザーバを備え、噴霧する直前に散布ユニットで希釈が行われてもよい。また、1つ以上の補助剤が、UAVの液体リザーバに充填される液体に加えるものとして、あるいはUAVの別の液体リザーバとして使用されてもよい。補助剤は噴霧する直前に、例えば散布ユニット内で、有効成分を含む液体に追加することができる。あるいは噴霧する直前に、水と濃縮した有効成分と補助剤とが液体散布ユニット内で混合される。また、UAVに収容されている、または取り付けられている空の液体リザーバは、ベースステーションのサービスユニットによって新しい液体を補充する前に洗浄でき、これによってUAVのこの部品の動作性が保証され、低濃度の同じ有効成分、または空の液体リザーバ内に残った有効成分と必ずしも互換性のない他の有効成分を液体リザーバに補充することも可能になる。
【0009】
UAVに収容された、または取り付けられた液体リザーバは、別のもの(少なくとも部分的に充填された液体リザーバ)と交換でき、これは通常は、ベースステーションにすでにストックされていて、すぐに使用できる満杯の液体リザーバ(プラグインリザーバ)である。処理ユニットによるさらなる分析によって、別の有効成分、それぞれ濃度が違う同じ有効成分、または有効成分のいくつかの他の組み合わせが、残りの(未処理の)植物に散布するのにより適していることが示された場合は、ベースステーションで液体リザーバの補充/交換をするときに、このことも考慮することができる。あるいは、すでに噴霧された植物に、有害生物の発生など、以前は検出されていなかった対処すべき別の問題があることが検出された場合は、空であっても補充されていても、UAVの液体リザーバを、最近検出された問題に対処できる有効成分を含む液体リザーバと交換でき、植物に再度噴霧することができる。
【0010】
UAVが少なくとも2つの液体リザーバを備えているときは、1つ目の液体リザーバはベースステーションで有効成分を含む液体を補充し、同時にUAVの2つ目の液体リザーバは、ベースステーションにストックされている別の液体リザーバと交換することができる。
【0011】
例では、処理ユニットは、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換する指示を出すことを決定するように構成され、決定は、少なくとも1つの液体散布ユニットの動作性の検知情報を使用することを含む。
【0012】
したがって、センサは、UAVに収容された、または取り付けられた液体散布ユニットの機能性/動作性を検知し、(例えば経時的に、または継続的に)この情報をUAVから次のベースステーションまでの距離に関連付けて、機能性/動作性を分析する処理ユニットに送り、次のベースステーションで、UAVに収容された、または取り付けられた散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換することができる。処理ユニットは、UAVに収容された、または取り付けられた液体散布ユニットのサービスが必要と決定されると、ベースステーションにドック入りするようにUAVに指示を出す。液体散布ユニットは、スプレーガン、ブームスプレー、吹付ランス、回転円盤、またはスプレーノズルなどを備えることができる。
【0013】
UAVが少なくとも2つの液体リザーバを備え、それぞれが対応する液体散布ユニットを有しているときは、1つの液体散布ユニットは、他の液体散布ユニットとは違ってベースステーションでのサービスを必要としていなかったり、あるいは別のサービスを必要としていたりする可能性がある。例えば、1つの液体散布ユニットがベースステーションで洗浄される一方で、他の液体散布ユニットは修理または交換される。
【0014】
例では、処理ユニットは、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、少なくとも1つの動作ユニットを再調整する指示を出すことを決定するように構成され、決定は、少なくとも1つの動作ユニットの動作性の検知情報を使用することを含む。
【0015】
例では、少なくとも1つの動作ユニットは、電源ユニット、飛行制御ユニット、プロペラエンジンユニット、プロペラ翼ユニット、およびフレームのうちの1つ以上を備える。
【0016】
このようにして、少なくとも1つのセンサは、UAVに収容された、または取り付けられた動作ユニットの機能性/動作性を検知し、(例えば経時的に、または継続的に)この情報をUAVから次のベースステーションまでの距離に関連付けて、機能性/動作性を分析する処理ユニットに送り、次のベースステーションで、UAVに収容された、または取り付けられた動作ユニットを再調整することができる。処理ユニットは、UAVに収容された、または取り付けられた動作ユニットのサービスが必要と決定されると、ベースステーションにドック入りするようにUAVに指示を出す。「再調整する/再調整された」という用語は、サービスを必要とする動作ユニットが、状況に応じて洗浄、再取り付け、再充電、補充、修理、置換、および/または交換されることを意味する。
【0017】
第2の態様によれば、1つ以上の無人航空機用のベースステーションが提供され、これは少なくとも1つのサービスユニットを備え、無人航空機は以下のものを備える。
- 少なくとも1つの液体リザーバ。少なくとも1つの液体リザーバは、有効成分を含む液体を保持するように構成される。
- 少なくとも1つの液体散布ユニット。少なくとも1つの液体散布ユニットは、少なくとも1つの液体リザーバと流体連通する。
- 少なくとも1つの動作ユニット。少なくとも1つの動作ユニットは、1つ以上の無人航空機を飛行可能にするように構成される。
- 少なくとも1つのセンサユニット。少なくとも1つのセンサユニットは、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成され、処理ユニットは、ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、処理ユニットは、ベースステーションの少なくとも1つのサービスユニットに対して、1つ以上の無人航空機にサービスを提供する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0018】
言い換えれば、ベースステーションはUAVからセンサ情報を受信し、これは処理ユニットを介してすでに処理されていてもよく、あるいはUAVから受信したセンサ情報は、ベースステーションの一部である処理ユニットを用いてベースステーションで処理される。処理ユニットは、どれが(少なくとも部分的に)センサ情報から受信した情報に基づいているかを決定し、UAVがベースステーションにドック入りしてサービスを受ける必要がある場合は、UAV、ベースステーション、および/またはサービスユニットに指示する。
【0019】
例では、処理ユニットは、ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、処理ユニットは、少なくとも1つのサービスユニットに対して、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つの液体リザーバに、有効成分を含む液体を補充し、かつ/または1つ以上の無人航空機の少なくとも1つの液体リザーバを、有効成分を含む液体で少なくとも部分的に満たされた液体リザーバと交換する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、1つ以上の無人航空機は、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを備え、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0020】
別の例では、処理ユニットは、ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、処理ユニットは、少なくとも1つのサービスユニットに対して、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を清掃、修理、および/または交換する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、1つ以上の無人航空機は、少なくとも1つの液体散布ユニットの動作性を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを備え、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0021】
例では、処理ユニットは、ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、処理ユニットは、少なくとも1つのサービスユニットに対して、少なくとも1つの動作ユニットを再調整する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、1つ以上の無人航空機は、少なくとも1つの動作ユニットの動作性を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを備え、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0022】
別の例では、ベースステーションは、ベースステーションにドック入りしようとしている1つ以上の無人航空機のための残りの飛行場容量、ベースステーションにストックされている、1つまたは複数の液体リザーバ、1つまたは複数の有効成分を含む1つまたは複数の液体、1つまたは複数の液体散布ユニット、1つまたは複数の動作ユニットの在庫のうちの1つ以上を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを備え、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニット、およびベースステーションの少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0023】
したがって、ベースステーションの少なくとも1つのセンサユニットのセンサ情報が処理ユニットに転送され、処理ユニットは、1つまたは複数のUAV、ベースステーション、および/または1つまたは複数のサービスユニットに対して指示を出すことを決定するように構成され、決定は、検知情報を使用することを含む。言い換えれば、例えば、UAVがドック入りする前に、ベースステーションがUAVの機能状態について通知され、ベースステーションがUAVに提供するリソースを持っていない場合、かつ/またはUAVがベースステーションにドック入りするために使用できる空間がない場合は、ベースステーションの少なくとも1つのセンサユニットでこの情報が検知され、この情報は、UAVに提供するリソースを持っている別のベースステーションにUAVを向かわせるために処理ユニットによって使用され、例えば、当分の間はベースステーションに飛行場容量が残っていないが、このベースステーションに、UAVに必要なサービスを提供するためのリソースがある場合は、ベースステーションで自由に使える空間が使用可能になるまで、UAVがベースステーションにドック入りするのを遅らせる。
【0024】
第3の態様によれば、農作物に有効成分を散布するシステムが提供され、システムは、
- 第1の態様および関連するいずれかの例による、少なくとも1つの無人航空機と、
- 第2の態様および関連するいずれかの例による、少なくとも1つのベースステーションと、
- 処理ユニットと、
を備える。
【0025】
少なくとも1つの無人航空機のうちの1つの無人航空機について、少なくとも1つのセンサユニットは、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように、かつ検知情報を処理ユニットに中継するように構成される。
【0026】
処理ユニットは、無人航空機に対して、少なくとも1つのベースステーションにドック入りする指示を出すことを決定するように構成される。処理ユニットは、少なくとも1つのベースステーションに対して、無人航空機が少なくとも1つのベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するようにさらに構成される。処理ユニットは、少なくとも1つのベースステーションの少なくとも1つのサービスユニットに対して、無人航空機にサービスを提供する指示を出すことを決定するようにさらに構成される。処理ユニットのすべての決定は、少なくとも1つの無人航空機の、少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0027】
第4の態様によれば、少なくとも1つの無人航空機および少なくとも1つのベースステーションを使用して農作物に有効成分を散布する方法が提供され、方法は、
a)無人航空機に収容された、または取り付けられた少なくとも1つの液体リザーバに、有効成分を含む液体を保持するステップであって、少なくとも1つの液体散布ユニットが、無人航空機に収容され、または取り付けられ、少なくとも1つの液体散布ユニットは、少なくとも1つの液体リザーバと流体連通する、ステップと、
b)少なくとも1つの無人航空機を飛行可能にするように構成される少なくとも1つの動作ユニットを、無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
c)少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、少なくとも1つの無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
d)検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つの無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットで、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知するステップと、
e)処理ユニットによって指示された場合に、少なくとも1つの無人航空機を少なくとも1つのベースステーションにドック入りさせるステップであって、指示を出す決定は、検知情報を使用することを含む、ステップと、
f)処理ユニットによって指示された場合に、少なくとも1つのベースステーションの少なくとも1つのサービスユニットで、少なくとも1つの無人航空機にサービスを提供するステップであって、指示を出す決定は、検知情報を使用することを含む、ステップと、
を含む。
【0028】
第5の態様によれば、無人航空機によって農作物に有効成分を散布する方法が提供され、方法は、
a)無人航空機に収容された、または取り付けられた少なくとも1つの液体リザーバに、有効成分を含む液体を保持するステップであって、少なくとも1つの液体散布ユニットが、無人航空機に収容され、または取り付けられ、少なくとも1つの液体散布ユニットは、少なくとも1つの液体リザーバと流体連通する、ステップと、
b)無人航空機を飛行可能にするように構成される少なくとも1つの動作ユニットを、無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
c)少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
d)検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つのセンサユニットで、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知するステップと、
e)処理ユニットによって、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、ベースステーションからサービスを受ける指示を出すことを決定するステップであって、決定は、検知情報を使用することを含む、ステップと、
を含む。
【0029】
第6の態様によれば、ベースステーションを使用して無人航空機にサービスをする方法が提供され、方法は、
a)少なくとも1つのサービスユニットを、ベースステーション内に収容する、または取り付けるステップと、
b)無人航空機に収容された、または取り付けられた少なくとも1つの液体リザーバに、有効成分を含む液体を保持するステップであって、少なくとも1つの液体散布ユニットが、無人航空機に収容され、または取り付けられ、少なくとも1つの液体散布ユニットは、少なくとも1つの液体リザーバと流体連通する、ステップと、
c)無人航空機を飛行可能にするように構成される少なくとも1つの動作ユニットを、無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
d)少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
e)検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つのセンサユニットで、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知するステップと、
f)処理ユニットによって、ベースステーションに対して、無人航空機がドック入りできるようにする指示を出すことを決定するステップであって、決定するステップは、検知情報を使用することを含む、ステップと、
g)処理ユニットによって、ベースステーションにある、またはベースステーションに取り付けられた少なくとも1つのサービスユニットに対して、無人航空機にサービスを提供する指示を出すことを決定するステップであって、決定するステップは、検知情報を使用することを含む、ステップと、
を含む。
【0030】
好適には、上述の任意の態様によって与えられる利点は等しく他のすべての態様に適用され、その逆もまた可能である。
【0031】
上述の態様および例は、以降で説明する実施形態を参照することによって明らかになりまた解明されるであろう。
【0032】
以下、次の図面を参照しながら例示的な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】農作物に有効成分を散布するための無人航空機の例を図式的な配置で示す。
図2】農作物に有効成分を散布するための無人航空機システム用の、ベースステーションの例を図式的な配置で示す。
図3】農作物に無人航空機で有効成分を散布するための図式的な配置を示す。
図4a】少なくとも1つの無人航空機および少なくとも1つのベースステーションを使用して、農作物に有効成分を散布する方法を示す。
図4b】無人航空機によって、農作物に有効成分を散布する方法を示す。
図4c】ベースステーションを使用して無人航空機にサービスを提供する方法を示す。
図5a図1の無人航空機の詳細な例を示す。
図5b図2のベースステーション、および図1の無人航空機の詳細な例を示す。
図6図3における農作物に有効成分を散布するための図式的な配置の詳細な例を示し、複数の無人航空機およびベースステーションを含む。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、農作物に有効成分を散布するための無人航空機10の例を示す。無人航空機(UAV)10は、液体リザーバ20を備える。少なくとも1つの液体リザーバ20は、有効成分を含む液体を保持するように構成される。UAV10は、少なくとも1つの液体散布ユニット30をさらに備える。少なくとも1つの液体散布ユニット30は、液体リザーバ20と流体連通する。UAV10は、少なくとも動作ユニット40と、少なくとも1つのセンサユニット50と、をさらに備える。少なくとも1つの動作ユニット40は、無人航空機を飛行可能にするように構成される。少なくとも1つのセンサユニット50は、少なくとも1つの液体リザーバ20、少なくとも1つの液体散布ユニット30、少なくとも1つの動作ユニット40のうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成される。UAV内にある、またはUAVに取り付けられた、あるいはUAVの外部にあってもよい処理ユニット60は、無人航空機に対して、ベースステーション70にドック入りして、ベースステーションからサービスを受ける指示を出すことを決定するように構成され、決定は検知情報を使用することを含む。
【0035】
例では、処理ユニットは、ベースステーションによって1つ以上のサービスが提供されたかどうかを決定するように構成される。効率を高めるために、同じベースステーションで同時にサービスを受けることが好ましい。図示されているように、ベースステーションで液体リザーバが補充されると、(動作ユニットの一部としての)電源ユニットが、同時に再充電/補充される。
【0036】
例では、少なくとも1つのセンサユニットは、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、および少なくとも1つの動作ユニットの機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成される。
【0037】
例によれば、処理ユニットは、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、少なくとも1つの液体リザーバに有効成分を含む液体を補充する指示、および/または少なくとも1つの液体リザーバを、有効成分を含む液体で少なくとも部分的に充填された(通常は満杯の)液体リザーバと交換する指示を出すことを決定するように構成され、決定は、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位の検知情報を使用することを含む。
【0038】
例において、「部分的に充填された」という用語は、有効成分を含む、少なくともいくらかの液体を含む液体リザーバのことをいう。通常は、液体リザーバは、少なくとも半分まで、少なくとも3/4まで、あるいは完全に充填されている。
【0039】
例では、有効成分を含む液体を補充される少なくとも1つの液体リザーバは、有効成分を含む液体を補充する前に洗浄される。
【0040】
例として、UAVは、液体リザーバ内の液体の2/3を消費したときにベースステーションに向かい、UAVの現在位置から次のベースステーションまでの途上で噴霧する噴霧量(これまでにまだ噴霧していない)として、液体リザーバ内の残りの1/3の液体を必要とする。
【0041】
例では、液体内のポイントレベルを検知する液体水位センサは、磁気フロートおよび機械式フロート、圧力センサ、導電性検知または静電(キャパシタンスまたはインダクタンス)検出器を備え、かつ電磁(磁歪など)、超音波、レーダー、または光学センサなどによって、流体表面への信号の飛行時間を測定することによって検知する。
【0042】
例では、液体内で連続的な水位を検知するように構成された液体水位センサは、磁歪式レベルセンサ、抵抗式チェーンレベルセンサ、磁気抵抗フロートレベルセンサ、静水圧レベルセンサ、エアバブラーなどを含む。
【0043】
例によれば、処理ユニットは、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換する指示を出すことを決定するように構成され、決定は、少なくとも1つの液体散布ユニットの動作性の検知情報を使用することを含む。
【0044】
例において、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を交換することは、動作可能な液体散布ユニットまたはその一部を有するUAVの、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を交換することを意味する。
【0045】
例では、液体散布ユニットは、スプレーガン、ブームスプレーヤ、吹付ランス、噴射器、回転円盤、および/またはスプレーノズルを備え、液体を噴霧するように構成され、任意で、噴霧工程の一部としてその液体を霧化することを含む。
【0046】
例では、液体散布ユニットは、液体の散布中に植物に接触するように構成された散布装置を備える。このような散布装置の例は、ペイントブラシ式の装置であり、ブラッシング式で茎葉に散布される液体をブラシに吐出する。
【0047】
スプレーガン、ブームスプレーヤ、吹付ランス、噴射器、および/またはスプレーノズルが、有効成分を含む液体中の成分によって、目詰まりした場合、または部分的に目詰まりした場合(例えば、いくつかの成分に望ましくない結晶化が発生した場合)は、機能性/動作性に影響を及ぼす場合がある。
【0048】
例では、少なくとも1つのセンサユニットが、少なくとも1つの液体散布ユニットの目詰まりの検知を含む検知情報を決定するように構成され、処理ユニットは、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換する指示を出すことを決定するように構成され、決定は、少なくとも1つの液体散布ユニットの目詰まりの検知情報を使用することを含む。
【0049】
例では、少なくとも1つの液体散布ユニット用のセンサは、少なくとも1つの液体散布ユニットによって植物に噴霧される液体の圧力の変化を測定することによって、目詰まりを検知する。
【0050】
別の例では、少なくとも1つの液体散布ユニット用のセンサは、カメラなどで少なくとも1つの液体散布ユニットの噴霧パターンの(例えば、視覚的な)変化を測定することによって、目詰まりを検知する。
【0051】
例では、「目詰まり」という用語は、少なくとも1つの液体散布ユニット内の液体の流量が減少すること、特に、少なくとも1つの液体散布ユニット、ならびに/あるいは液体散布ユニットのスプレーガン、ブームスプレーヤ、吹付ランス、噴射器、および/またはスプレーノズルの管内の液体の流量が、(液体の流圧が同じままであっても)減少することをいう。
【0052】
例によれば、処理ユニットは、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、少なくとも1つの動作ユニットを再調整する指示を出すことを決定するように構成され、決定は、少なくとも1つの動作ユニットの動作性の検知情報を使用することを含む。
【0053】
例によれば、少なくとも1つの動作ユニットは、電源ユニット80、飛行制御ユニット90、プロペラエンジンユニット100、プロペラ翼ユニット110、およびフレーム115のうちの1つ以上を備える。
【0054】
例では、電源ユニットは、蓄圧器、バッテリ(例えば、リチウムポリマーバッテリ)、燃料タンク、ガソリンタンク、ハイブリッド燃料電池などを含むように構成される。
【0055】
別の例では、飛行制御ユニットは、UAVの飛行に関する機能を管理するためのコンピュータおよびソフトウェアを備えるように構成され、飛行制御ユニットはさらに、処理ユニットから指示を受けるように構成される。
【0056】
別の例では、プロペラエンジンユニットは、1つ以上のプロペラ翼に捻りを加える、1つ以上のエンジンを備えるように構成される。例として、クワッドローター・ヘリコプター、またはクワッドローターとも呼ばれるクワッドコプターは、4つのエンジンによって昇降され推進される、マルチローター・ヘリコプターである。
【0057】
別の例では、プロペラ翼ユニットは、1つ以上のプロペラ翼を含むように構成される。プロペラ翼は、破損して交換されることが多い、UAVの構成部品である。
【0058】
別の例では、フレームは、UAVの動作ユニットの構成部品を収容するように構成される。
【0059】
別の例では、フレームは、UAVの全構成部品を収容するように構成される。
【0060】
例では、電源ユニットは、蓄圧器/バッテリを含むように構成され、蓄圧器/バッテリの動作性は、クーロンカウンタまたはインピーダンストラッカで検知される。
【0061】
例では、電源ユニットは、燃料/ガソリンタンクを備えるように構成され、燃料/ガソリンタンクの動作性は、磁気抵抗式燃料レベルセンサなどで検知される。
【0062】
別の例では、飛行制御ユニットは、慣性測定ユニット(IMU)の動作の異常を検知するセンサを備えるように構成される。IMUは、1つ以上の加速度計を使用して、UAVの現在の加速度を検出する。IMUは、1つ以上のジャイロスコープを使用して、ピッチ、ロール、ヨーなどの、回転の計数値の変化を検出する。一部のIMUは、向きのずれに対する校正を補助する磁力計を備える。
【0063】
別の例では、プロペラエンジンユニットは、プロペラエンジンユニットの動作性を検知するセンサを備えるように構成される。プロペラエンジンユニットの動作性は、あるいは飛行制御ユニットのセンサによって検知することもできる。
【0064】
別の例では、プロペラ翼ユニットは、プロペラ翼の動作性を検知するセンサを備えるように構成される。このセンサは、UAVのローターアームのフープの下方に取り付けられた、翼に近接した光学センサ(例えば、カメラ)であってもよく、プロペラ翼の形状の規則性、および/またはプロペラ翼の動きの一貫性などを検知する。
【0065】
例では、動作ユニットの再調整は、電源ユニットの補充/再充電に関する。
【0066】
別の例では、動作ユニットの再調整は、飛行制御ユニットの新しいソフトウェアのアップロード、または既存の動作ソフトウェアの更新に関する。
【0067】
別の例では、動作ユニットの再調整は、プロペラエンジンユニットの洗浄、あるいは(使用されるエンジンの種類に応じて)プロペラエンジンユニットに潤滑油を塗布するなど、プロペラエンジンユニットに提供される保守サービスに関する。
【0068】
別の例では、プロペラ翼ユニットの再調整は、プロペラ翼の洗浄、または翼の一部が外れている場合の再取り付けなど、プロペラ翼ユニットに提供される保守サービスに関する。
【0069】
例では、動作ユニットの交換は、空になった取り外し可能な蓄圧器の取り外しと、満充電された蓄圧器の導入と、に関連付けることができる。
【0070】
別の例では、動作ユニットの置換は、UAVの飛行を制御するソフトウェアを含むコンピュータチップなどの、(例えば、破損した、または古くなった)飛行制御ユニットの取り外し、ならびにソフトウェアを含むコンピュータチップなどの、動作可能な飛行制御ユニットの導入に関連付けられてもよい。
【0071】
別の例では、動作ユニットの置換は、(例えば、破損した、または古くなった)プロペラエンジンユニットの取り外し、ならびに完全に動作可能なプロペラエンジンの導入に関連付けられてもよい。
【0072】
別の例では、動作ユニットの置換は、(例えば、破損した、または古くなった)プロペラ翼またはプロペラ翼ユニットの取り外し、ならびに完全に動作可能なプロペラ翼またはプロペラ翼ユニットの導入にそれぞれ関連付けられてもよい。
【0073】
別の例では、本発明による無人航空機は、少なくとも1つの電源ユニットを含む少なくとも1つの動作ユニットを備え、処理ユニットは、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、少なくとも1つの電源ユニットを再充電/補充する指示を出すことを決定するように構成され、決定は、少なくとも1つの電源ユニットのエネルギー状態の検知情報を使用することを含む。
【0074】
別の例では、少なくとも1つの液体散布ユニットは、処理ユニットから少なくとも1つの入力を受信するように構成される。少なくとも1つの入力は、少なくとも1つの液体散布ユニットを作動させるために使用可能である。
【0075】
別の例では、本発明による無人航空機は、処理ユニット60を備える。
【0076】
別の例では、処理ユニットは、少なくとも1つのセンサユニットの検知情報の分析を実施するように構成される。
【0077】
別の例では、少なくとも1つのセンサユニットの機能は、追加のセンサ検知ユニットでも検知される。
【0078】
例によれば、処理ユニットは、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、少なくとも1つのセンサユニットまたはその一部を、動作可能なセンサユニットまたはその一部と交換する指示を出すことを決定するように構成され、決定は、追加のセンサ検知ユニットを用いた、少なくとも1つのセンサユニットの動作性の検知情報を使用することを含む。
【0079】
別の例は、本発明による無人航空機を示し、少なくとも1つの液体散布ユニットは、カメラによって取得された少なくとも1つの環境の画像の画像分析に基づいて、処理ユニットによって決定された場所で作動されるように構成される。
【0080】
別の例は、本発明による無人航空機を示し、処理ユニットは、少なくとも1つの液体散布ユニットを作動させる場所を決定するために、少なくとも1つの画像の分析を実施するように構成される。
【0081】
別の例では、本発明による無人航空機は、画像分析および検知情報の分析の両方を行う処理ユニットを備える。
【0082】
別の例では、本発明による無人航空機は処理ユニットを備え、処理ユニットは、少なくとも1つの液体散布ユニットを作動させる場所を決定するために、少なくとも1つのセンサユニットの検知情報の分析、および少なくとも1つの画像の分析を実施するように構成される。
【0083】
別の例は、本発明による無人航空機を示し、無人航空機はカメラ120を備え、カメラは少なくとも1つの画像を取得するように構成される。
【0084】
環境の映像はUAVによって取得でき、あるいは実際には、以前に映像を取得できたであろう別のプラットフォームによっても取得することができる。映像は、やはりUAV内にある、またはUAVの外部にあってもよい、処理ユニットに送信される。処理ユニットは映像を分析して、UAVが輸送している液体散布ユニットを作動させる場所を決定する。このようにして、農業従事者のオフィスまたはベースステーションなどにあるコンピュータのオフライン処理で、田畑で取得された映像を使用して、その田畑における、UAV(ドローンなど)によって液体内の特定の有効成分を散布するべき場所の地図を実質的に決定することができる。このように、例では、ドローンは処理ユニットを有することができ、別のプラットフォームで取得した映像が提供されてもよい。次に、ドローンは映像を分析して、液体散布ユニットを作動させる場所を決定する。したがってドローンは飛行しながら、液体散布ユニットを作動させる場所を決定でき、適切な場所に飛行してから、その場所に液体を散布する。
【0085】
さらに、別の例は本発明による無人航空機を示し、少なくとも1つの液体散布ユニットを作動させる少なくとも1つの場所を決定するための、少なくとも1つの画像の分析は、少なくとも1種類の雑草を見極めることを含み、かつ/または少なくとも1種類の疫病を見極めることを含み、かつ/または少なくとも1種類の有害生物を見極めることを含み、かつ/または少なくとも1種類の虫を見極めることを含み、かつ/または少なくとも1種類の栄養不足を見極めることを含む。
【0086】
言い換えれば、ある場所に防除対象の雑草があることを把握し、防除対象の雑草の種類を考慮できるように、かつ/またはある場所に防除対象の疫病があることを把握し、防除対象の疫病の種類を考慮できるように、かつ/またはある場所に防除対象の有害生物がいることを把握し、防除対象の有害生物の種類を考慮できるように、かつ/またはある場所に防除対象の虫がいることを把握し、防除対象の虫の種類を考慮できるように、かつ/またはある場所の栄養不足を緩和する必要があることを把握し、緩和すべき栄養不足の種類を考慮できるようにする方法で、液体散布ユニットを作動させて液体を散布することができる。こうして、ドローンなどの無人航空機は、田畑などの環境を飛び回ることができ、田畑で取得した画像の画像処理と、雑草があること、および雑草の種類とその位置の決定と、に基づいて、その雑草および/またはその種類の雑草を防除するために、必要な有効成分を含む液体を雑草の場所に散布することができる。ドローンは、有効成分が異なる別の液体を収容した、いくつかの別の液体リザーバを有することができ、識別した雑草に基づいて、雑草に適切な液体を散布することができる。また、田畑周辺を飛行するいくつかの別のドローンがあってもよく、それぞれが液体リザーバに、別の有効成分を含む別の液体を入れ、別のドローンが、輸送している液体を必要な場所に散布してもよい。例えば、具体的な例では、ドローンがカメラを備えているときは、輸送している液体の散布を必要としている雑草をそのドローンが撮影してから、すぐにその液体をその雑草に散布することができる。しかしながら、その雑草は別の液体で防除すべきと決定されると、この情報と、雑草の場所およびその場所で散布するべき液体の種類と、を別のドローンに通信でき、その情報は、第1のドローンから、または第1のドローンの外部にある処理ユニットを介して、正しい液体を輸送している第2のドローンに通信される。その後、この第2のドローンが雑草のある場所へ飛行して、雑草に正しい液体を散布する。1つまたは複数の無人航空機は、疫病、有害生物、虫の防除および栄養不足の緩和について、同様に動作する。このように、各所で正しい化学薬品が使用されて散布効率が高まり、これに関連して、必要な場所でのみ化学薬品が使用されるため、環境面でも好適である。
【0087】
例において、少なくとも1つの画像の分析は、機械学習アルゴリズムの使用を含んでいる。
【0088】
例において、機械学習アルゴリズムは、決定木アルゴリズムを含む。
【0089】
例において、機械学習アルゴリズムは、人工神経網を含む。
【0090】
例において、機械学習アルゴリズムは、複数の画像に基づいて学習している。例において、機械学習アルゴリズムは、少なくとも1種類の雑草、および/または1つ以上の疫病に侵されている少なくとも1種類の植物、および/または1種類以上の虫に害虫汚染されている少なくとも1種類の植物、および/または少なくとも1種類の虫(映像の解像度が十分な場合)、および/または1匹以上の有害生物に侵されている少なくとも1種類の植物、および/または1種以上の栄養不足に陥っている少なくとも1種類の植物の映像を含む、複数の画像に基づいて学習している。
【0091】
例において、機械学習アルゴリズムは、このような映像を含む複数の画像に基づいて学習している。
【0092】
UAV10は、1つのカメラ120と、液体散布ユニット30を作動させるためにカメラによって取得された映像を使用する、処理ユニット60と、を備えることができる。カメラ120は、田畑の環境の映像を取得する。映像は、ドローン10によって取得される必要はなく、別のドローンによって取得されてから、処理するためにドローン10に渡されてもよい。あるいは、ベースステーション70によって取得されてから、処理のためにドローン10に渡されてもよい。カメラ120によって取得された映像は、植物を植物として識別することが可能な解像度であり、実際には、1つの種類の雑草を別の種類の雑草と区別可能な解像度にすることができる。映像は、作物自体の映像から、または例えば虫そのものを捕捉することのいずれかから、有害生物または虫に汚染された作物を見極めることができる解像度にすることができる。ドローン10は、全地球測位システム(GPS)152を備えることができ、これによって取得した映像の場所の決定が可能になる。例えば、映像が取得されたときのカメラ120の向きおよびドローン10の位置を、地表面における画像の地理的拠点を決定するのに使用することができる。ドローン10はさらに、例えばレーザージャイロスコープに基づいた、慣性航法システム154を備えてもよい。ドローン10の向き、およびカメラ120の向きの決定に使用されることに加えて、映像が地上のどこで取得されたかの決定を容易にする慣性航法システム154は、ベースステーションなどの1つまたは複数の既知の場所から離れる動きを決定することによってドローンの位置を決定するために、GPS152なしで単独で機能することができる。例では、慣性航法システムは、上述したように、飛行制御ユニットのIMUの一部にすることができる。カメラ120は、取得した映像を処理ユニット60に渡す。処理ユニット60上で、画像分析ソフトウェアが動作する。画像分析ソフトウェアは、エッジ検出などの特徴抽出と、例えば建物、道路、塀、垣など、田畑の内外の構造物を識別できる、物体検出分析と、を使用することができる。したがって処理ユニットは、このような物体の既知の場所に基づいて、実質的に環境の合成表示を作成するために取得した映像をパッチでき、これは実際には環境の地図を重ねることができる。したがって、各画像の地理的位置を決定でき、取得した映像に関連するGPSおよび/または慣性航法に基づく情報と関連付ける必要がない。言い換えれば、ドローン10の位置を検出するために、画像に基づいた位置検出システム156を使用することができる。しかしながら、使用可能なGPSおよび/または慣性航法情報がある場合は、映像のみに基づいて特定の画像を特定の地理的位置に配置できる、このような画像分析は必要とされない。とはいえ、GPSおよび/または慣性航法に基づく情報が使用可能であれば、画像に関連付けられる地理的位置を補うために、このような画像分析が使用されてもよい。処理ユニット60は、別の画像処理ソフトウェアを実行する。このソフトウェアは、植物が見つかった画像内の領域を決定するために画像を分析し、植物が見当たらない場所(田畑を通る道、田畑の境界周辺、さらに田畑を横切るトラクターの車輪跡など)を決定するために、映像をさらに分析する。この後者の情報は、液体を散布する必要がない場所の決定に使用することができる。植物は、取得した画像内の特徴の形状に基づいて検出でき、例えば、物体の外周、および物体の外周自体の中にある特徴の外周を描写するためにエッジ検出ソフトウェアが使用され、同様の方法で、線路に沿った環境の雑草防除に無人航空機が使用されるときに、バラスト間の有機物を検出することができる。映像内の特徴が植物に関連付けられるかどうかの決定を補助する際に、例えば、人工神経網または決定木分析などの、学習済みの機械学習アルゴリズムを使用した、植物映像のデータベースを使用することができる。カメラは、画像内の色に関する情報を有する映像を含む、マルチスペクトル映像を取得でき、これは、画像内のどこに植物が見つかるかを決定するために、単独で、または特徴検出と組み合わせて使用することができる。上述したように、地表面画像の大きさがわかっていることから画像の地理的位置を決定できるため、1つまたは複数の植物の場所、および/または液体を散布すべき他の領域を画像内で見つけることができ、したがって地表面におけるその植物(領域)の正確な位置をマッピングすることができる。処理ユニット60はその後、さらに別の画像処理ソフトウェアを実行し、これは使用されれば、特徴抽出に基づいて植物の位置を決定する画像処理の一部になり得る。このソフトウェアは、機械学習アナライザを含む。特定の雑草の画像が取得され、雑草の大きさに関する情報も使用される。このような雑草が見つかる、世界の地理的位置に関する情報、および開花時期などを含む、その雑草が見つかった日時に関する情報を、映像にタグ付けすることができる。雑草の名前も雑草の映像にタグ付けすることができる。人工神経網または決定木アナライザに基づいていてもよい機械学習アナライザは、このグラウンドトゥルースで取得された映像について学習する。このように、植物の新しい画像がアナライザに示されると、このような画像は、日時、および画像にタグ付けされたドイツや南アフリカといった地理的位置などの、関連するタイムスタンプを有することができ、アナライザは、新しい画像内で見つかった雑草の映像を、学習済みの別の雑草の映像と比較することによって、画像内の特定の種類の雑草を判別し、その際に雑草の大きさ、およびいつどこに生えたかも考慮に入れることができる。したがって、環境内の地表における、その種の雑草に特有の位置、およびその規模を決定することができる。処理ユニット60は、別の種類の雑草を含むデータベースにアクセスし、その雑草に最適な液体が散布される。このデータベースには、経験的に決定されたデータが蓄積されている。機械学習アルゴリズムを使用した画像処理ソフトウェアは、虫、害虫に汚染された植物、有害生物に侵された植物、および栄養不足に陥っている植物を認識することをさらに学習している。これは、以前に取得した映像に基づいた学習を通じて、上述したものと同じ方法で行われたものである。データベースにはさらに、どの状況でどの液体を散布するべきかという情報が含まれている。
【0093】
さらに別の例では、無人航空機は少なくとも1つの液体散布ユニットを備え、これは無人航空機に対して動かすことができ、無人航空機のプロセッサは、少なくとも1つの液体散布ユニットを動かすように構成される。この方法では、UAVは必要に応じて、個々の植物によく的を絞った方法で液体を散布することができる。
【0094】
別の例は、少なくとも1つの延長可能アーム130に少なくとも1つの液体散布ユニットが取り付けられた、無人航空機を示す。
【0095】
本発明の例では、無人航空機はカメラを備え、カメラは無人航空機に対して動くように構成され、無人航空機のプロセッサは、カメラを動かすように構成される。例では、カメラは延長可能アーム140に取り付けられている。
【0096】
カメラが固定位置に置かれている場合はUAVの向きを変える必要があるが、この方法ではそうする必要はなく、UAVの飛行中に、環境の別の部分を撮影するためにカメラを動かすことができる。
【0097】
例では、カメラが取り付けられている延長可能アームは、液体散布ユニットが取り付けられているものと同じ延長可能アームである。
【0098】
例では、カメラを動かすように構成された無人航空機のプロセッサは、環境の画像および検知情報を分析するように構成された処理ユニットである。
【0099】
別の例は無人航空機を示し、無人航空機は位置決定手段150を備えている。別の例では、位置決定手段150は、GPS152、慣性航法システム154、または画像に基づいた位置検出システム156のうちの1つ以上を含む。
【0100】
例では、位置決定手段は、少なくとも1つの画像が取得されたときに、カメラに関連付けられた少なくとも1つの位置を処理ユニットに提供するように構成される。位置は、地表の正確な位置に対する地理的位置であってもよく、あるいは田畑の境界またはベースステーションの位置など、地表の1つまたは複数の別の位置を基準とした地表の位置であってもよい。言い換えれば、絶対的な地理的位置が使用されてもよく、あるいは絶対的な位置を知る必要はないが、既知の位置を基準とした地表の位置が使用されてもよい。したがって、画像を取得した位置と相関させることによって、液体散布ユニットを正確にその位置で作動させることができる。したがって、例えばドローンの液体が切れて、液体を充填するためにベースステーションに戻っているときでも、特定の位置で液体散布ユニットを作動させるために使用する映像の取得を継続でき、これは、その位置がすぐには指定されず、ドローンが再充填されたときに後で液体が散布される位置であってもそのように行われる。また、ドローンが、輸送していない液体をある場所に散布するべきと決定したときは、その情報が記録され、後で必要な液体を輸送しているときに、ドローンがその情報を使用でき、あるいはその液体を輸送している別のドローンに情報を送信し、別のドローンがその場所に飛来してその場所に液体を散布することができる。あるいは、ドローンは処理ユニットを通じてこの情報をベースステーションに送信でき、ベースステーションにあるUAVを作動させて、必要な液体を充填してその場所へ飛ばし、液体をその場所に散布させる。必要な液体を得て、識別した場所により経済的かつ効率的に散布するために、処理ユニットを介して、ベースステーションの近くにいるUAVに、ベースステーションにドック入りするように指示することも可能である。
【0101】
例では、位置は、絶対的な地理的位置である。
【0102】
例において、位置は、既知の1つまたは複数の位置を基準にして決定された位置である。言い換えれば、画像は、その正確な地理的位置がわからなくとも、地表の1つまたは複数の既知の位置に対して画像が取得された位置を知ることによって、地表の特定の位置に関連付けるように決定でき、液体散布ユニットをその位置に移動させる、または別の無人航空機を、その液体散布ユニットをその場所で作動させる位置に移動可能にすることによって、液体散布ユニットを後でその位置で作動させることができる。
【0103】
例では、GPSユニット152は、特定の画像が取得されたときのカメラの位置などの位置を決定するために使用され、かつ/または決定する際に使用される。
【0104】
例では、慣性航法ユニット154は、特定の画像が取得されたときのカメラの位置などの位置を決定するために、単独で使用される、またはGPSユニットと組み合わせて使用される。したがって、例えば、1つ以上のレーザージャイロスコープなどを備える慣性航法ユニットは、既知の位置(ベースステーションなど)で校正される、またはゼロにされ、少なくとも1つのカメラとともに動くと、その既知の位置からx、y、およびz座標の方向へ離れる動きを決定でき、そこから画像が取得されたときの少なくとも1つのカメラの位置を決定することができる。
【0105】
例では、取得した映像の画像処理部156は、特定の画像が取得されたときのカメラの位置などの位置を決定するために、単独で使用される、またはGPSユニットと組み合わせて使用される、またはGPSユニットおよび慣性航法ユニットと組み合わせて使用される。言い換えれば、航空機が動くと、環境の合成表示を示すために使用される映像を取得でき、木の位置、田畑の境界、道路などの特定の標識から、取得した映像からの合成環境内における航空機の位置を決定することができる。
【0106】
例では、UAVの異なる構成部品間のデータ通信は、地上波または衛星リンクを含む有線または無線リンクを使用して、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インターネットワークまたはインターネットなどのネットワークを介して行うことができる。
【0107】
図2は、1つ以上の無人航空機10用のベースステーション70の例を示し、ベースステーション70は、少なくとも1つのサービスユニット160を備えている。無人航空機は、少なくとも1つの液体リザーバ20と、少なくとも1つの液体散布ユニット30と、少なくとも1つの動作ユニット40と、少なくとも1つのセンサユニット50と、を備える。少なくとも1つの液体リザーバは、有効成分を含む液体を保持するように構成される。少なくとも1つの液体散布ユニットは、少なくとも1つの液体リザーバと流体連通する。また、少なくとも1つの動作ユニットは、1つ以上の無人航空機を飛行可能にするように構成される。少なくとも1つのセンサユニットは、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成される。ベースステーション内にある、またはベースステーションの外部にあってもよい処理ユニット60は、ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成される。処理ユニットは、ベースステーションの少なくとも1つのサービスユニットに対して、1つ以上の無人航空機にサービスを提供する指示を出すことを決定するようにさらに構成される。処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の、少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0108】
例では、少なくとも1つのセンサユニットは、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、および少なくとも1つの動作ユニットの機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成される。
【0109】
例では、ベースステーションはさらに、マルチスペクトルカメラなどの、センサ付きの小型検知UAVを保持することができ、これは、対象となる田畑の上空を飛行して、どの製品が散布に適しているかを識別することができる。小型検知UAVは、製品の散布が必要な領域で散布の精度を高められるように、かつ散布を必要としない領域を識別できるように、対象となる田畑をマッピングすることもできる。ベースステーションは処理ユニットを介して、小型検知UAVのデータを用いてUAVの飛行経路をプログラムすることができる。あるいは、ベースステーションの外部にある処理ユニットにデータが送信されてもよく、そこでデータが分析され、UAVに飛行経路が通信される。
【0110】
別の例では、小型検知UAVは、特に早朝および降雨後の露から、植物の水分レベルについての情報を提供することもでき、この情報を飛行経路の設計に含めることができる。このデータはさらに、UAV用のノズルなど、適切な液体散布ユニットの選択に使用することができる。
【0111】
例では、UAVの少なくとも1つの動作ユニット40は、電源ユニット80、飛行制御ユニット90、プロペラエンジンユニット100、プロペラ翼ユニット110、およびフレーム115のうちの1つ以上を備える。
【0112】
別の例では、少なくとも1つのサービスユニットは、1つまたは複数の液体リザーバ、1つまたは複数の有効成分を含む1つまたは複数の液体、さまざまなノズルなどの1つまたは複数の液体散布ユニット、動作ユニット用の予備部品、動作ユニットの電源ユニット用の1つまたは複数の再充電/補充ウィジェットなどを備える。
【0113】
別の例では、少なくとも1つのサービスユニットは、ロボットアーム170を備える。別の例では、少なくとも1つのサービスユニットは、ロボットグリッパー180を有するロボットアームを備える。
【0114】
別の例では、少なくとも1つのサービスユニットは、自律的に動くように構成される。
【0115】
別の例では、少なくとも1つのサービスユニットは、車輪を備えている。
【0116】
別の例では、処理ユニットは、ベースステーションに対して、別の位置へ自律的に移動する指示を出すことを決定するように構成され、決定は、少なくとも1つのUAVからの検知情報を使用することを含む。
【0117】
例によれば、処理ユニットは、ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、処理ユニットは、少なくとも1つのサービスユニットに対して、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つの液体リザーバに、有効成分を含む液体を補充し、かつ/または1つ以上の無人航空機の少なくとも1つの液体リザーバを、有効成分を含む液体で少なくとも部分的に充填された(通常は満杯の)液体リザーバと交換する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、1つ以上の無人航空機は、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを備え、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0118】
例によれば、処理ユニットは、ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、処理ユニットは、少なくとも1つのサービスユニットに対して、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つの液体リザーバを洗浄してから、有効成分を含む液体を少なくとも1つの液体リザーバに補充する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、1つ以上の無人航空機は、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを備え、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0119】
例によれば、処理ユニットは、ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、処理ユニットは、少なくとも1つのサービスユニットに対して、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、1つ以上の無人航空機は、少なくとも1つの液体散布ユニットの動作性を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを備え、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0120】
例によれば、処理ユニットは、ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、処理ユニットは、少なくとも1つのサービスユニットに対して、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、1つ以上の無人航空機は、少なくとも1つの液体散布ユニットの目詰まりを検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを備え、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0121】
例において、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を交換することは、動作可能な液体散布ユニットまたはその一部を有する、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を交換することを意味する。
【0122】
例によれば、処理ユニットは、ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、処理ユニットは、少なくとも1つのサービスユニットに対して、少なくとも1つの動作ユニットを再調整する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、1つ以上の無人航空機は、少なくとも1つの動作ユニットの動作性を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを備え、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0123】
本発明の例では、ベースステーションは処理ユニットを備え、処理ユニットは、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットから受信した、検知情報の分析を実施するように構成される。
【0124】
別の例はベースステーションを示し、処理ユニットは、ベースステーションに対して、1つ以上の無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するように構成され、処理ユニットは、少なくとも1つのサービスユニットに対して、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つの電源ユニットを再充電/補充する指示を出すことを決定するようにさらに構成され、1つ以上の無人航空機は、少なくとも1つの電源ユニットのエネルギー状態を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを備え、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0125】
例によれば、ベースステーションは、ベースステーションにドック入りしようとしている1つ以上の無人航空機のための残りの飛行場容量、ベースステーションにストックされている、1つまたは複数の液体リザーバ、1つまたは複数の有効成分を含む1つまたは複数の液体、1つまたは複数の液体散布ユニット、1つまたは複数の動作ユニットの在庫のうちの1つ以上を検知することを含む検知情報を決定するように構成された、少なくとも1つのセンサユニット190を備え、処理ユニットの決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニット、およびベースステーションの少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0126】
別の例では、ベースステーションにドック入りしようとしているUAVの、残りの飛行場容量を検知するセンサは、例えば、カメラなどの視覚センサ、または触覚センサであってもよい。在庫状況は、製品のスマートタグ、商品棚のセンサ、1つまたは複数のカメラ、RFIDセンサなどを読み取って検知することができる。ベースステーションの在庫情報については、ベースステーションが期限までに確実に在庫補充されるように、供給者、農業従事者、操縦者などに通知することも可能である。
【0127】
別の例では、ベースステーションは、風速、風向、気温、湿度、雲の動き、降雨のうちの1つ以上の検知を含む検知情報を決定するように構成された、少なくとも1つのセンサユニット190をさらに備える。
【0128】
別の例では、処理ユニットは、ずれなどの標的から外れる損失を最小化しながら、UAVの最適な飛行経路および飛行時間を決定するために、ベースステーションの少なくとも1つのセンサユニットのセンサデータを分析し、これによって散布効率を最大化する。
【0129】
別の例では、処理ユニットは、ベースステーションに対して、別の位置(場所)へ自律的に移動する指示を出すことを決定するために、ベースステーションの少なくとも1つのセンサユニットのセンサデータを分析する。
【0130】
別の例では、処理ユニットは、ベースステーションに対して、別の位置(場所)へ自律的に移動する指示を出すことを決定するために、ベースステーションの少なくとも1つのセンサユニットのセンサデータ、および少なくとも1つのUAVの検知情報を分析する。
【0131】
例では、ベースステーションの異なる構成部品間のデータ通信は、地上波または衛星リンクを含む有線または無線リンクを使用して、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インターネットワークまたはインターネットなどのネットワークを介して行うことができる。
【0132】
図3は、図1およびいずれかの関連する例に関して説明した少なくとも1つの無人航空機10と、図2およびいずれかの関連する例に関して説明した少なくとも1つのベースステーション70と、処理ユニット60と、を含む、農作物に有効成分を散布するシステム200を示す。少なくとも1つの無人航空機の少なくとも1つのセンサユニット50は、少なくとも1つの液体リザーバ20、少なくとも1つの液体散布ユニット30、少なくとも1つの動作ユニット40のうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように、かつ検知情報を処理ユニットに中継するように構成される。処理ユニットは、少なくとも1つの無人航空機に対して、少なくとも1つのベースステーションにドック入りする指示を出すことを決定するように構成される。処理ユニットは、少なくとも1つのベースステーションに対して、少なくとも1つの無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定するようにさらに構成される。処理ユニットは、少なくとも1つのベースステーションの少なくとも1つのサービスユニット160に対して、少なくとも1つの無人航空機にサービスを提供する指示を出すことを決定するようにさらに構成される。処理ユニットのすべての決定は、少なくとも1つの無人航空機の、少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0133】
例では、少なくとも1つの無人航空機の少なくとも1つのセンサユニット50は、少なくとも1つの液体リザーバ20、少なくとも1つの液体散布ユニット30、および少なくとも1つの動作ユニット40の機能を検知することを含む検知情報を決定するように、かつ検知情報を処理ユニットに中継するように構成される。
【0134】
別の例では、システムは、少なくとも1つのセンサユニット190を有するベースステーションをさらに含む。別の例では、少なくとも1つのベースステーションの少なくとも1つのセンサユニットは、ベースステーションにドック入りしようとしている1つ以上のUAVのための残りの飛行場容量、ベースステーションにストックされている、1つまたは複数の液体リザーバ、1つまたは複数の有効成分を含む1つまたは複数の液体、1つまたは複数の液体散布ユニット、1つまたは複数の動作ユニットの在庫のうちの1つ以上を検知することを含む検知情報を決定するように構成され、検知情報は処理ユニットに転送される。
【0135】
別の例では、処理ユニットの決定は、少なくとも1つの無人航空機の少なくとも1つのセンサユニット、および少なくとも1つのベースステーションの少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0136】
別の例では、2つ以上の処理ユニットがあってもよい。
【0137】
別の例では、少なくとも1つのUAVが処理ユニットを備え、かつ少なくとも1つのベースステーションが処理ユニットを備える。この状況では、2つ以上の処理ユニットで実行できる、(すべてではなくとも)少なくともいくつかの工程が含まれるように、それぞれの処理ユニットが、いくつかの共通した一連の指示またはコマンドを有する。
【0138】
例では、UAVの1つまたは複数のカメラ、少なくとも1つのUAVの少なくとも1つのセンサユニット、少なくとも1つのベースステーションの少なくとも1つのセンサユニット、1つまたは複数の処理ユニット、少なくとも1つのUAV、少なくとも1つのベースステーション、および/または少なくとも1つのベースステーションの少なくとも1つのサービスユニットなどの、システムの異なる構成部品間のデータ通信は、地上波または衛星リンクを含む有線または無線リンクを使用して、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インターネットワークまたはインターネットなどのネットワークを介して行うことができる。
【0139】
図4aは、少なくとも1つの無人航空機および少なくとも1つのベースステーションを使用して、農作物に有効成分を散布する方法300を基本的なステップで示す。方法300は、ステップa)とも呼ばれる保持するステップ310であって、少なくとも1つの無人航空機に収容された、または取り付けられた少なくとも1つの液体リザーバに、有効成分を含む液体を保持し、少なくとも1つの液体散布ユニットが、少なくとも1つの無人航空機に収容され、または取り付けられ、少なくとも1つの液体散布ユニットは、少なくとも1つの液体リザーバと流体連通する、ステップと、
ステップb)とも呼ばれる収容するステップ320であって、少なくとも1つの無人航空機を飛行可能にするように構成される少なくとも1つの動作ユニットを、少なくとも1つの無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
ステップc)とも呼ばれる収容するステップ330であって、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成される少なくとも1つのセンサユニットを、少なくとも1つの無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
ステップd)とも呼ばれる収容するステップ340であって、少なくとも1つのサービスユニットを、少なくとも1つのベースステーションに収容する、または取り付けるステップと、
ステップe)とも呼ばれる検知するステップ350であって、検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つのセンサユニットで、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知するステップと、
ステップf)とも呼ばれるドック入りさせるステップ360であって、処理ユニットによって指示された場合に、少なくとも1つの無人航空機を少なくとも1つのベースステーションにドック入りさせ、指示を出す決定が、検知情報を使用することを含む、ステップと、
ステップg)とも呼ばれるサービスを提供するステップ370であって、処理ユニットによって指示された場合に、少なくとも1つのベースステーションの少なくとも1つのサービスユニットで、少なくとも1つの無人航空機にサービスを提供し、指示を出す決定が、検知情報を使用することを含む、ステップと、
を含む。
【0140】
例では、ステップc)において、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、少なくとも1つの無人航空機内に収容し、または無人航空機に取り付け、ステップf)において、少なくとも1つの無人航空機を少なくとも1つのベースステーションにドック入りさせ、かつステップg)において、処理ユニットに指示された場合に、少なくとも1つの液体リザーバに有効成分を含む液体を補充する、かつ/または少なくとも1つの液体リザーバを交換し、指示を出す決定は、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位の検知情報を使用することを含む。
【0141】
例では、ステップc)において、少なくとも1つの液体散布ユニットの動作性を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、少なくとも1つの無人航空機内に収容し、または少なくとも1つの無人航空機に取り付け、ステップf)において、少なくとも1つの無人航空機を少なくとも1つのベースステーションにドック入りさせ、かつステップg)において、処理ユニットに指示された場合に、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換し、指示を出す決定は、少なくとも1つの液体散布ユニットの動作性の検知情報を使用することを含む。
【0142】
例では、ステップc)において、少なくとも1つの動作ユニットの動作性を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、少なくとも1つの無人航空機内に収容し、または少なくとも1つの無人航空機に取り付け、ステップf)において、少なくとも1つの無人航空機を少なくとも1つのベースステーションにドック入りさせ、かつステップg)において、処理ユニットに指示された場合に、少なくとも1つの動作ユニットを再調整し、指示を出す決定は、少なくとも1つの動作ユニットの動作性の検知情報を使用することを含む。
【0143】
例では、ステップe)において、検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つのセンサユニットで、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、および少なくとも1つの動作ユニットの機能を検知する。
【0144】
例では、ステップb)において、少なくとも1つの動作ユニットは、電源ユニット、飛行制御ユニット、プロペラエンジンユニット、プロペラ翼ユニット、およびフレームのうちの1つ以上を備える。
【0145】
例では、ステップd)において、少なくとも1つのベースステーションは、ベースステーションにドック入りしようとしている1つ以上の無人航空機のための残りの飛行場容量、ベースステーションにストックされている、1つまたは複数の液体リザーバ、1つまたは複数の有効成分を含む1つまたは複数の液体、1つまたは複数の液体散布ユニット、1つまたは複数の動作ユニットの在庫のうちの1つ以上を検知することを含む検知情報を決定するように構成された、少なくとも1つのセンサユニットを備え、ステップf)において、少なくとも1つの無人航空機を少なくとも1つのベースステーションにドック入りさせ、ステップg)において、処理ユニットに指示された場合に、少なくとも1つのベースステーションの少なくとも1つのサービスユニットで少なくとも1つの無人航空機にサービスを提供し、指示を出す決定は、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つのセンサユニット、および1つ以上のベースステーションの少なくとも1つのセンサユニットの検知情報を使用することを含む。
【0146】
図4bは、無人航空機によって農作物に有効成分を散布する方法400を基本的なステップで示す。方法400は、ステップa)とも呼ばれる保持するステップ410であって、無人航空機に収容された、または取り付けられた少なくとも1つの液体リザーバに、有効成分を含む液体を保持し、少なくとも1つの液体散布ユニットは、無人航空機に収容され、または取り付けられ、少なくとも1つの液体散布ユニットは、少なくとも1つの液体リザーバと流体連通する、ステップと、
ステップb)とも呼ばれる収容するステップ420であって、無人航空機を飛行可能にするように構成される少なくとも1つの動作ユニットを、無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
ステップc)とも呼ばれる収容するステップ430であって、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成される少なくとも1つのセンサユニットを、無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
ステップd)とも呼ばれる検知するステップ440であって、検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つのセンサユニットで、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知するステップと、
ステップe)とも呼ばれる決定するステップ450であって、処理ユニットによって、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして、ベースステーションからサービスを受ける指示を出すことを決定し、決定は、検知情報を使用することを含む、ステップと、
を含む、方法。
【0147】
例では、ステップc)において、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、無人航空機内に収容し、または無人航空機に取り付け、ステップd)において、検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つのセンサユニットで、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位を検知し、ステップe)において、処理ユニットによって、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして少なくとも1つの液体リザーバに有効成分を含む液体を補充する、かつ/または少なくとも1つの液体リザーバを交換する指示を出すことを決定し、決定するステップは、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位の検知情報を使用することを含む。
【0148】
例では、ステップc)において、少なくとも1つの散布ユニットの動作性を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、無人航空機内に収容し、または無人航空機に取り付け、ステップd)において、検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つの液体散布ユニットの動作性を検知し、ステップe)において、処理ユニットによって、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換する指示を出すことを決定し、決定するステップは、少なくとも1つの液体散布ユニットの動作性の検知情報を使用することを含む。
【0149】
例では、ステップc)において、少なくとも1つの動作ユニットの動作性を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、無人航空機内に収容し、または無人航空機に取り付け、ステップd)において、検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つの動作ユニットの動作性を検知し、ステップe)において、処理ユニットによって、無人航空機に対して、ベースステーションにドック入りして少なくとも1つの動作ユニットまたはその一部を再調整する指示を出すことを決定し、決定するステップは、少なくとも1つの動作ユニットの動作性の検知情報を使用することを含む。
【0150】
例では、ステップd)において、検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つのセンサユニットで、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、および少なくとも1つの動作ユニットの機能を検知する。
【0151】
例では、ステップb)において、少なくとも1つの動作ユニットは、電源ユニット、飛行制御ユニット、プロペラエンジンユニット、プロペラ翼ユニット、およびフレームのうちの1つ以上を備える。
【0152】
図4cは、ベースステーションを使用して無人航空機にサービスを提供する方法500を基本的なステップで示す。方法500は、ステップa)とも呼ばれる保持するステップ510であって、ベースステーション内にある、またはベースステーションに取り付けられた少なくとも1つのサービスユニットを保持するステップと、ステップb)とも呼ばれる保持するステップ520であって、無人航空機に収容された、または取り付けられた少なくとも1つの液体リザーバに、有効成分を含む液体を保持し、少なくとも1つの液体散布ユニットは、無人航空機に収容され、または取り付けられ、少なくとも1つの液体散布ユニットは、少なくとも1つの液体リザーバと流体連通する、ステップと、
ステップc)とも呼ばれる収容するステップ530であって、無人航空機を飛行可能にするように構成される少なくとも1つの動作ユニットを、無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
ステップd)とも呼ばれる収容するステップ540であって、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知することを含む検知情報を決定するように構成される少なくとも1つのセンサユニットを、無人航空機に収容する、または取り付けるステップと、
ステップe)とも呼ばれる検知するステップ550であって、検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つのセンサユニットで、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、少なくとも1つの動作ユニットのうちの1つ以上の機能を検知するステップと、
ステップf)とも呼ばれる指示を出すことを決定するステップ560であって、処理ユニットによって、ベースステーションに対して、無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出す決定をし、決定するステップは、検知情報を使用することを含む、ステップと、
ステップg)とも呼ばれる指示を出すことを決定するステップ570であって、処理ユニットによって、ベースステーション内にある、またはベースステーションに取り付けられた少なくとも1つのサービスユニットに、無人航空機にサービスを提供する指示を出す決定をし、決定するステップは、検知情報を使用することを含む、ステップと、
を含む、方法。
【0153】
例では、ステップd)において、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、無人航空機内に収容し、または無人航空機に取り付け、ステップe)において、少なくとも1つの液体リザーバ内の液体水位を検知し、ステップf)において、処理ユニットによって、ベースステーションに対して、無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出す決定をし、決定するステップは、検知情報を使用することを含み、ステップg)において、処理ユニットによって、ベースステーション内にある、またはベースステーションに取り付けられた少なくとも1つのサービスユニットに対して、1つ以上の無人航空機の少なくとも1つの液体リザーバに、有効成分を含む液体を補充する、かつ/または1つ以上の無人航空機の少なくとも1つの液体リザーバを、有効成分を含む液体で少なくとも部分的に充填された(通常は満杯の)液体リザーバと交換する指示を出す決定をし、決定するステップは、検知情報を使用することを含む。
【0154】
例では、ステップd)において、少なくとも1つの液体散布ユニットの動作性を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、無人航空機内に収容し、または無人航空機に取り付け、ステップe)において、少なくとも1つの液体散布ユニットの動作性を検知し、ステップf)において、処理ユニットによって、ベースステーションに対して、無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定し、決定するステップは、検知情報を使用することを含み、ステップg)において、処理ユニットによって、ベースステーション内にある、またはベースステーションに取り付けられた少なくとも1つのサービスユニットに対して、少なくとも1つの液体散布ユニットまたはその一部を洗浄、修理、および/または交換する指示を出すことを決定し、決定するステップは、検知情報を使用することを含む。
【0155】
例では、ステップd)において、少なくとも1つの動作ユニットの動作性を検知するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、無人航空機内に収容し、または無人航空機に取り付け、ステップe)において、少なくとも1つの動作ユニットの動作性を検知し、ステップf)において、処理ユニットによって、ベースステーションに対して、無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定し、決定するステップは、検知情報を使用することを含み、ステップg)において、処理ユニットによって、ベースステーション内にある、またはベースステーションに取り付けられた少なくとも1つのサービスユニットに対して、少なくとも1つの動作ユニットを再調整する指示を出すことを決定し、決定するステップは、検知情報を使用することを含む。
【0156】
例では、ステップe)において、検知情報を提供して処理ユニットに中継するために、少なくとも1つのセンサユニットで、少なくとも1つの液体リザーバ、少なくとも1つの液体散布ユニット、および少なくとも1つの動作ユニットの機能を検知する。
【0157】
例では、ステップa)において、ベースステーションにドック入りしようとしている1つ以上の無人航空機のための残りの飛行場容量、ベースステーションにストックされている1つまたは複数の液体リザーバ、1つまたは複数の有効成分を含む1つまたは複数の液体、1つまたは複数の液体散布ユニット、1つまたは複数の動作ユニットの在庫のうちの1つ以上の検知を含む検知情報を決定するように構成された少なくとも1つのセンサユニットを、ベースステーション内に収容し、またはベースステーションに取り付け、ステップe)において、ベースステーションにドック入りしようとしている1つ以上の無人航空機のための残りの飛行場容量、ベースステーションにストックされている、1つまたは複数の液体リザーバ、1つまたは複数の有効成分を含む1つまたは複数の液体、1つまたは複数の液体散布ユニット、1つまたは複数の動作ユニットの在庫のうちの1つ以上を検知し、ステップf)において、処理ユニットによって、ベースステーションに対して、無人航空機がベースステーションにドック入りできるようにする指示を出すことを決定し、決定するステップは、検知情報を使用することを含み、ステップg)において、処理ユニットによって、ベースステーション内にある、またはベースステーションに取り付けられた少なくとも1つのサービスユニットに対して、少なくとも1つのサービスユニットによるサービスを受ける指示を出すことを決定し、決定するステップは、検知情報を使用することを含む。
【0158】
図5および図6に示すように、農作物に有効成分を散布するための無人航空機、ベースステーション、農作物に有効成分を散布するためのシステム、ならびに無人航空機によって農作物に有効成分を散布する方法について、非常に詳細な実施形態に関連して説明する。
【0159】
図5aに、液体リザーバを有するドローンが示されている。ドローンは、液体リザーバ内の液体水位を測定するセンサを有し、液体リザーバは、液体散布ユニット(吹付ランス)と流体連通する。吹付ランスは、3つのノズルを有する。液体リザーバの下の長方形は、バッテリなどの電源ユニットを示す。長方形の右側にある円は、バッテリの充電を測定するセンサを示す。また、吹付ランスのノズルにあるカメラは、システムの吹付パターンを検知し、ノズルの動作性についての表示を提供する。液体水位、バッテリの充電、ならびにノズルの動作性の検知情報は、図示されていない処理ユニットに送信される。処理ユニットは、無人航空機に対して、バッテリの充電が少ないとき、液体リザーバ内の液体水位が低いとき、および/またはノズルが閉塞または目詰まりしているときのいずれかの場合は、ベースステーションにドック入りして、ベースステーションからサービスを受ける指示を出すことを決定するように構成される。
【0160】
図5bは、ベースステーションにドック入りしたドローンを示す。図は、バッテリを再充電しているところ、および液体リザーバに有効成分を含む液体を補充しているところを示す。効率性を高めるために、例えば、バッテリにまだエネルギーが残っているとしても、または液体リザーバに有効成分を含む液体がまだ多く入っていたとしても、両方のサービスを同時に行うことを意図している。図示されているように、ロボットアームは補充を補助し、ベースステーションの液体リザーバと、充填するべきドローンの液体リザーバと、の間に流体連通を確立する。同時に、ドローンの液体リザーバの下に長方形で示されているバッテリは、ベースステーションの一部であるバッテリ充電器に接続される。また、バッテリとバッテリ充電器との間の接続は、ドローンがベースステーションにドック入りするプロセスの一部として、自律的に行われる。
【0161】
図6は、2つのドローンおよび2つのベースステーションを示す。ドローンは、流体連通している、液体リザーバおよび液体散布ユニット(3つのノズルを有する吹付ランス)を有する。吹付ランスは、農地に有効成分を含む液体を噴霧している。ドローンは、液体水位センサが、リザーバ内に残っている液体の水位が低いことを示したとき、ドローンのバッテリの充電が少なくなった場合、および/または吹付ランスのノズルの1つが目詰まりしたときに、サービスを受けるために最も近いベースステーションに向かう。ベースステーションは、(長方形の右下にある)ロボットアームを備えたサービスユニットと、バッテリ充電器(長方形の左下)と、1つまたは複数のドローンの、1つまたは複数の液体リザーバを補充するための液体リザーバ(長方形の右上にある)と、吹付ランスにねじ込むことができるノズル(長方形の左上に描かれている)と、を有する。ロボットアームは、液体リザーバに液体を補充し、バッテリを再充電し、かつ/または目詰まりした1つまたは複数のノズルを吹付ランスから外して、それぞれ洗浄した新しいノズルを吹付ランスにねじ込むサービスを補助する。さらに、ドローンは、処理ユニット(図示せず)に画像情報を送信するカメラを有し、処理ユニットは、ドローンの噴霧および飛行活動を管理するために画像分析を行う。
【0162】
別の例示的な実施形態では、コンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム要素が提供され、前述した実施形態の1つによる方法の方法ステップを、適切なシステムで実行するように構成されることを特徴とする。
【0163】
したがってコンピュータプログラム要素は、コンピュータユニットに記憶されてもよく、これも実施形態の一部になり得る。このコンピュータユニットは、上述した方法のステップを実行する、または実行を誘発するように構成されてもよい。さらに、コンピュータユニットは、上述した装置および/またはシステムの構成要素を動作させるように構成されてもよい。コンピュータユニットは、自動的に動作する、かつ/またはユーザの命令を実行するように構成することができる。コンピュータプログラムは、データプロセッサの作業用メモリにロードされてもよい。したがってデータプロセッサが備え付けられて、前述した実施形態の1つによる方法を実施してもよい。
【0164】
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラム、および更新することによって、既存のプログラムを本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムの両方を網羅する。
【0165】
さらに、コンピュータプログラム要素は、上述した方法の例示的な実施形態の手順をやり遂げるのに必要なステップをすべて提供し得る。
【0166】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、CD-ROM、USBスティックなどのコンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体は、記憶されたコンピュータプログラム要素を有し、コンピュータプログラム要素は、前項で説明したものである。
【0167】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアとともに、またはその一部として供給される、光学記憶媒体またはソリッドステート媒体などの適切な媒体に記憶される、かつ/または配布されてもよいが、例えばインターネットその他の有線または無線の通信システムを介して、他の形式で配布されてもよい。
【0168】
しかしながら、コンピュータプログラムは、ウェブ(World Wide Web)などのネットワーク経由で提供されてもよく、このようなネットワークからデータプロセッサの作業用メモリにダウンロードすることもできる。本発明の別の例示的な実施形態によれば、ダウンロードできるコンピュータプログラム要素を作るための媒体が提供され、コンピュータプログラム要素は、前述した本発明の実施形態のうちの1つによる方法を実行するように構成される。
【0169】
本発明の実施形態は、別の主題を参照して説明されていることに留意する必要がある。特に、いくつかの実施形態は、方法クレームを参照して説明され、他の実施形態は、装置クレームを参照して説明されている。しかしながら、当業者であれば上記および下記の説明から、特に通知されない限り、1つの種類の主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴同士の任意の組み合わせもまた、本出願で開示されるものとみなされることがわかるであろう。
【0170】
本発明が図面および前述の説明で詳細に図示され説明される一方で、このような図示および説明は、例示的または例示であって限定的なものではないと考えられるべきである。本発明は、開示されている実施形態に限定されない。開示されている実施形態に対する他の変形は、特許請求されている発明を実施する際に、図面、開示、および従属クレームを考察することで、当業者が理解し実現することができる。
【0171】
クレームにおいて、「comprising(備える、含む)」という用語は他の要素またはステップを除外せず、非制限的な冠詞「a」または「an」は複数を除外しない。単一のプロセッサ、その他のユニットは、クレームに列挙されているいくつかの項目の機能を発揮し得る。単にいくつかの方策が、互いに異なる従属項に列挙されているという事実のみでは、このような方策の組み合わせを有利に使用できないことにはならない。クレーム内の参照符号は、範囲を限定するものと考えてはならない。
【符号の説明】
【0172】
10 無人航空機
20 液体リザーバ
30 液体散布ユニット
40 動作ユニット
50 センサユニット
60 処理ユニット
70 ベースステーション
80 電源ユニット
90 飛行制御ユニット
100 プロペラエンジンユニット
110 プロペラ翼ユニット
115 フレーム
120 カメラ
130 延長可能アーム
140 延長可能アーム
150 位置決定手段
152 GPSユニット
154 慣性航法システム/慣性航法ユニット
156 画像に基づいた位置検出システム/取得した映像の画像処理
160 サービスユニット
170 ロボットアーム
180 ロボットグリッパー
190 センサユニット
200 農作物に有効成分を散布するシステム
300 農作物に有効成分を散布する方法
400 無人航空機によって農作物に有効成分を散布する方法
500 ベースステーションを使用して無人航空機にサービスを提供する方法
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図6