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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】電気回路遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 39/00 20060101AFI20241113BHJP
【FI】
H01H39/00 C
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021577163
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 EP2020067682
(87)【国際公開番号】W WO2020260382
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】1906892
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515017094
【氏名又は名称】メルセン フランス エスベー ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ
(73)【特許権者】
【識別番号】516257464
【氏名又は名称】アリアーヌグループ ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ
【氏名又は名称原語表記】ArianeGroup SAS
【住所又は居所原語表記】51-61 Route de Verneuil, 78130 Les Mureaux, France
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ ジェロー
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム ルメル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フランソワ ウブラール
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第03064107(FR,A1)
【文献】特開平04-230916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気回路遮断器において、
前記電気回路遮断器は、
第1端子(12)及び第2端子(14)を備える導電体(10)と、
電流遮断指令に応じて作動させられたときに前記第1端子と前記第2端子を分離させるように構成されたスイッチ(22,24)と、
前記電気回路遮断器の本体によって区画された消弧室(32)であって、前記消弧室は、前記スイッチが作動させられた後、少なくとも前記第1端子又は前記第2端子から分離された前記導電体の一部分(16)を受け入れるように構成されている、消弧室(32)と、
前記スイッチが作動させられた後、前記第1端子と前記第2端子の間に電気的に接続されるように構成されたヒューズ(40)とを備える、電気回路遮断器において、
前記電気回路遮断器は、前記消弧室(32)内の温度又は圧力、又は、前記消弧室(32)内に存在する電気アークの強度の内の少なくとも1つが予め定めた閾値を超すときのみ、前記スイッチが作動させられた後に破断するように構成されたゲート(50、52、912)を備える接続装置を備え、
前記接続装置は、前記ゲート(50、52、912)が一旦破断したときだけ、前記ヒューズ(40)の電極(42、916)を前記導電体(10)の複数の端子(12、918)の内の1つに接続させるように構成されていることを特徴とする電気回路遮断器。
【請求項2】
前記ヒューズ(40)の少なくとも1つの電極(42)は、前記消弧室(32)の内側で延び、前記ゲートは、前記少なくとも1つの電極(42)を前記消弧室(32)の残りの部分から分離する電気絶縁ゲート(50、52)である、請求項1に記載の電気回路遮断器。
【請求項3】
前記電気絶縁ゲートは、前記消弧室(32)内の前記ヒューズ(40)の前記少なくとも1つの電極(42)の周囲の容積部(52)を区画する壁(50)を有する、請求項2に記載の電気回路遮断器。
【請求項4】
前記壁(50)は電気的に絶縁されている、請求項3に記載の電気回路遮断器。
【請求項5】
前記壁(50)は、前記消弧室(32)内の温度が予め定めた閾値を超すときに溶融するように構成されている、請求項3又は4に記載の電気回路遮断器。
【請求項6】
前記壁(50)は、前記消弧室(32)内の圧力が予め定めた閾値を超すときに、切り離されて前記壁(50)内に開口を形成するように構成された、予めカットされた領域を備える、請求項3又は4に記載の電気回路遮断器。
【請求項7】
前記電気絶縁ゲートが、前記消弧室(32)内の前記ヒューズ(40)の前記少なくとも1つの電極(42)上に堆積させられた電気絶縁被膜(650)を備え、前記電気絶縁被膜が、前記消弧室(32)内の温度が予め定めた閾値を超すときに溶融するように構成されている、請求項2に記載の電気回路遮断器。
【請求項8】
前記壁(50)又は前記電気絶縁被膜(650)は、少なくとも1つの導電性外層で覆われている、請求項3~6及び7のいずれか一項に記載の電気回路遮断器。
【請求項9】
前記壁(50)は金属製である、請求項3に記載の電気回路遮断器。
【請求項10】
前記壁(550)は、前記消弧室(32)内の圧力が予め定めた閾値を超すときに前記少なくとも1つの電極(42)の自由端部(46)に接触するまで変形するように構成されている、請求項3又は9に記載の電気回路遮断器。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電極(42)の前記自由端部(46)は、前記壁(550)が変形して前記自由端部(46)と接触するときに前記壁(550)を穿孔するように構成されている、請求項10に記載の電気回路遮断器。
【請求項12】
前記壁(50)は、前記消弧室(32)内の圧力が予め定めた閾値を超すときに切り離されて前記壁(50)内に開口を形成するように構成された、予めカットされた領域を備える、請求項3又は9に記載の電気回路遮断器。
【請求項13】
前記電気回路遮断器(302)は、制御回路(310)と、前記消弧室(32)の内部の条件を測定するセンサ(316)と、前記電気絶縁ゲートを遮断するように構成された補助アクチュエータ(312)であって、前記センサ(316)によって測定された物理的特性が閾値を超すときに前記補助アクチュエータ(312)を作動させるように前記制御回路(310)が構成された、補助アクチュエータ(312)とを備える、請求項2に記載の電気回路遮断器。
【請求項14】
前記電気回路遮断器(702)は、前記スイッチが作動させられた後に前記第1端子と前記第2端子との間で電気的に接続されるように構成された追加ヒューズ(720)を備え、前記追加ヒューズの少なくとも1つの電極(722)は前記消弧室(32)の内側で延びており、前記電気回路遮断器は、さらに、前記追加ヒューズの前記少なくとも1つの電極(722)を前記消弧室(32)の残りの部分から分離する、電気的に絶縁特性の追加ゲート(740、742)を備え、前記ゲートは、前記消弧室(32)の内側の温度又は圧力又は前記消弧室(32)内に存在する電気アークの強度の内の少なくとも1つが、他のヒューズ(710)の絶縁ゲートに関連する作動閾値とは異なる、予め定めた閾値を超えたときにのみ前記スイッチが作動させられた後に破断させられるように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の電気回路遮断器。
【請求項15】
前記電気回路遮断器(802)は、前記導電体の複数の前記端子(12)の内の1つに接続された追加導電体(860)を備え、前記追加導電体(860)は、前記消弧室から絶縁されており、前記壁(50)によって区画された容積部(52)の内側に通じている自由端部(862)を有する、請求項3、4、5、6、8、9、10、11及び12のいずれか一項に記載の電気回路遮断器。
【請求項16】
前記接続装置は、アイドル位置と、導電性可動部分(914)が前記ヒューズ(40)の前記電極(916)を前記端子(14)と電気的に接続させる励磁位置との間で移動可能な導電性可動部分(914)を有し、前記導電性可動部分(914)は、前記電気回路遮断器(902)のハウジング(910)内に摺動可能に取り付けられており、前記ゲートは、前記消弧室を前記ハウジング(910)から分離するように配置されており、予め定めた閾値が超されるときに破断するように構成されている、請求項1に記載の電気回路遮断器(902)。
【請求項17】
前記スイッチ(22,24)は、火工式スイッチである、請求項1~1のいずれか一項に記載の電気回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的保護の分野では、電気回路遮断器により、例えば、遮断指令に応じて、電気回路から電荷を断つように、電流を遮断することができる。
【0003】
用途によっては、特に、太陽光発電パネル又はバッテリー駆動電気自動車に関連する用途では、非常に短い応答時間(例えば、10ms未満)で電流を遮断する必要がある場合がある。
【0004】
理想的には、上記遮断器は、非常に広い動作範囲、すなわち、非常に低いインダクタンス(例えば、3μH以下)を有する電気回路であろうと、高いインダクタンス(例えば、100μH以上)を有する電気回路であろうと、低強度の電流(例えば、1000VのDCの下で100A未満)を遮断する、あるいは、電流が存在しない場合に回路を開くことができ、また、高強度の電流(例えば、30kAまで)を遮断することができなければならない。
【0005】
特許文献1(仏国特許出願公開第3064107号明細書)からは、火工式スイッチを外部ヒューズに関連付けて形成された単回使用の遮断器を使用することが知られており、この遮断器では、火工式スイッチが作動させられて、電気回路遮断器の入力端子と出力端子を接続する導電体が物理的に切断され、かつ、一旦、スイッチが作動させられると、外部ヒューズの電極が切断された導電体に自動的に接続される。この接続により、電流をヒューズに向かわせ、ヒューズは次に溶融して電流を遮断する。
【0006】
しかしながら、上記の電気回路遮断器は、低強度電流及び高強度電流の両方を遮断するためにヒューズを最適化することができないので、過度に低減された動作範囲を有するという欠点を有する。
【0007】
実際には、低強度の電流(例えば、ヒューズのキャリバーの10倍未満の強度)では、特に、ヒューズの溶断時間は遮断されるべき電流の強度に依存するので、ヒューズが完全に溶融するには長すぎる。
【0008】
したがって、もしこのヒューズが高強度電流用に寸法決めされている場合、低強度電流がヒューズを通過するときに完全に溶融するのに長い時間がかかる。この時間を通じて、電流は火工式スイッチの内部で流れ続け、遮断指令にもかかわらず、電荷は供給され続けるであろう。
【0009】
作動時に電気回路遮断器に電流が流れない場合、ヒューズは損傷を受けないままである。したがって、ヒューズのキャリバーよりもはるかに低い電流は、時間の制限なしに、電気回路遮断器内で流れ続けうる。これは、電気回路遮断器から要求される機能が、作動の瞬間に通過する電流の値とは無関係に、全ての場合において、電気回路を開くことであるので、望ましくない。
【0010】
逆に、ヒューズが低強度電流用に寸法決めされている場合、高強度電流がヒューズを通過すると、ヒューズがあまりにも速く溶融する危険性があり、これによって、スイッチ内に存在するガスが冷却及び脱イオン化されることができず、これにより、火工式スイッチ内の導電体の区分化された部分の間で電気アークが再び形成される可能性がある。次いで、電流を遮断することができなくなり、これにより、電荷及び/又は電気回路遮断器自体を損傷し、電気回路遮断器の破壊に至る可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】仏国特許出願公開第3064107号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、非常に短い応答時間で、かつ、強度ゼロの電流から非常に高い強度電流までの広い動作範囲を有する電流を遮断することができる電気回路遮断器が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的は、本発明の一態様によれば、電気回路遮断器は、
第1端子及び第2端子を備える導電体と、
電流遮断指令に応じて作動させられたときに第1端子と第2端子を分離させるように構成されたスイッチと、
前記遮断器の本体によって区画された消弧室であって、前記消弧室は、火工式スイッチが作動させられた後に少なくとも前記第1端子又は前記第2端子から分離された前記導電体の一部分を受け入れるように構成されている、消弧室と、スイッチが作動させられた後に第1端子と第2端子の間で電気的に接続されるように構成されたヒューズと、前記遮断器は、消弧室内の温度又は前記圧力又は消弧室に存在する電気アークの強度の内の少なくとも1つが予め定めた閾値を超すときにのみ、前記スイッチが作動させられた後に遮断されるように構成されているゲートを備える接続装置を備え、前記接続装置は、一旦、前記ゲートが破断させられる場合のみ、前記ヒューズの電極を前記導電体の複数の端子の内の1つに接続させるように構成されている。
【0014】
ヒューズと接続装置の関連付けにより、高速応答と広い動作範囲を得ることができる。
【0015】
このゲートにより、ヒューズに向かわされる電流が通過する閾値を導入することができる。ゲートを破断し、ひいてはヒューズと接続するために必要な閾値は、遮断されるべき電流の強度に間接的に依存し、電気回路遮断器の製造中にゲートの特定の特性を選択することによって制御することができる。
【0016】
従って、スイッチが作動させられた後にヒューズが接続されるように超えられる閾値は、消弧室内で行きわたる条件に基づいて自動的に適合する。この適合により、定められた閾値未満の強度の電流では、スイッチは、ヒューズによる介入なしに回路を開く。定められた閾値を超える強度の電流では、ヒューズは、スイッチと並列に接続される。次いで、ヒューズが溶融するのに必要な時間(溶断時間)により、スイッチの遮断室内に存在するガスの冷却及び脱イオン化が可能となる。ヒューズが溶融すると、電気アークが現れ、その内部で大きくなり、これにより、電流の通過を遮断することができる。この適合により、同じヒューズを使用して、高強度電流と低強度電流の両方を遮断することができる。
【0017】
有利であるが選択的な態様によれば、上記の電気回路遮断器は、単独で、又は、任意の技術的に可能な組み合わせに従って考えられる、以下の特徴の内の1つ又は複数を組み込むことができる。
【0018】
ヒューズの少なくとも1つの電極は、消弧室の内側で延び、ゲートは、少なくとも1つの電極を消弧室の残りから分離する電気絶縁ゲートである。
【0019】
絶縁ゲートは、消弧室のヒューズの少なくとも1つの電極の周囲の容積部を区画する壁を有する。
【0020】
壁は電気的に絶縁されている。
【0021】
壁は、消弧室内の温度が予め定めた閾値を超すときに溶融するように構成されている。
【0022】
壁は、消弧室内の圧力が予め定めた閾値を超すときに、切り離されて壁内に開口を形成するように構成された、予めカットされた領域を有する。
【0023】
絶縁ゲートは、消弧室内のヒューズの少なくとも1つの電極上に堆積させられた電気絶縁被膜を備え、この被膜は、消弧室内の温度が予め定めた閾値を超すときに溶融するように構成されている。
【0024】
壁又は被膜は、少なくとも1つの導電性外層で覆われる。
【0025】
壁は金属製である。
【0026】
壁は、消弧室の圧力が予め定めた閾値を超すときに少なくとも1つの電極の自由端部に接触するまで変形するように構成されている。
【0027】
前記少なくとも1つの電極の自由端部は、壁が変形して前記自由端部と接触するときに壁を穿孔するように構成されている。
【0028】
壁は、消弧室の圧力が予め定めた閾値を超すときに切り離されて壁内に開口を形成するように構成された、予めカットされた領域を備える。
【0029】
電気回路遮断器は、制御回路と、消弧室内の条件(状態)を測定するためのセンサと、絶縁ゲートを破断するように構成された補助アクチュエータであって、センサによって測定された物理的特性が閾値を超すときに補助アクチュエータを作動させるように制御回路が構成された、補助アクチュエータとを備える。
【0030】
この電気回路遮断器は、スイッチが作動させられた後に第1端子と第2端子との間で電気的に接続されるように構成された追加ヒューズを有し、この追加ヒューズの少なくとも1つの電極が消弧室の内側で延びており、前記電気回路遮断器は、前記追加ヒューズの前記電極を前記消弧室の残りの部分から分離する、電気的に絶縁特性の追加ゲートをさらに備え、前記ゲートは、前記消弧室内温度又は圧力又は消弧室内に存在する電気アークの強度の内の少なくとも1つのが、他のヒューズの絶縁ゲートに関連する作動閾値とは異なる予め定めた閾値を超す場合にのみ、前記スイッチが作動させられた後に破断させられるように構成されている。
【0031】
電気回路遮断器は、導電体の複数の端子の内の1つに接続された追加導電体を備え、追加導電体は、消弧室から絶縁されており、壁によって区画された容積部の内側に通じている自由端部を備える。
【0032】
接続装置は、アイドル位置と、導電性可動部分がヒューズの前記電極と前記端子を電気的に接続させる励起位置との間で移動可能な導電性可動部分を備え、前記可動部分は、前記遮断器のハウジング内に摺動可能に取り付けられており、前記ゲートは、前記消弧室を前記ハウジングから分離するように配置されておりかつ予め定めた閾値を超えたときに破断するように構成されている。
【0033】
スイッチは火工式スイッチである。
【0034】
非限定的な例として添付図面を参照して参照される、電気回路遮断器の実施形態の以下の記載を参照して、本発明はより良く理解され、本発明の他の利点がより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、第1の状態で示された、本発明の第1の実施形態に係る電気回路遮断器の断面図における概略図である。
図2図2は、第2の状態で示されている、図1の電気回路遮断器の概略図である。
図3図3は、本発明の第2の実施形態に係る電気回路遮断器の断面図における概略図である。
図4図4は、本発明の第3の実施形態に係る電気回路遮断器の断面図における概略図である。
図5図5は、第2の状態で示された、図4の電気回路遮断器の断面図における概略図である。
図6図6は、本発明の第4の実施形態に係る電気回路遮断器の断面図における概略図である。
図7図7は、本発明の第5の実施形態に係る電気回路遮断器の断面図における概略図である。
図8図8は、本発明の第6の実施形態に係る電気回路遮断器の断面図における概略図である。
図9図9は、本発明の第7の実施形態に係る電気回路遮断器の断面図における概略図である。
図10図10は、本発明の第8の実施形態に係る電気回路遮断器の断面図における概略図である。
図11図11は、別の実施形態に係る図6の電気回路遮断器の断面図における概略図である。
図12図12は、直列に接続された2つの電気回路遮断器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1及び図2は、電気回路遮断器2を示す。
【0037】
電気回路遮断器2は、電源に接続された電荷を保護するための電気システムで使用することができる。
【0038】
例えば、電気回路遮断器2は、例えば電気システム内で電気的故障が検出された場合に、制御指令に応じて、電荷を断つようにより詳細に構成される。
【0039】
非限定的な実施例によれば、電気回路遮断器2は、電気化学電池又は太陽光発電パネルの電池を保護するために使用することができる。
【0040】
例えば、制御指令は、作動ユニットによって又は電子制御システムによって自動的に、又は、操作者によって手動で供給することができる。
【0041】
電気回路遮断器2は、電気回路遮断器2の入力端子及び出力端子をそれぞれ形成する、第1端子12及び第2端子14を備える導電体10を有する。例えば、導電体10は、銅などの金属材料のバー又はストリップである。
【0042】
電気回路遮断器2は、「閉状態(closed state)」又は「作動可能状態(armed state)」とも呼ばれる第1の状態から、「開状態(open state)」又は「作動状態(tripped state)」とも呼ばれる第2の状態に切り換えることができる。
【0043】
閉状態では、電気回路遮断器2は、電流を導電体10に流すことを可能にする。例えば、第1端子12と第2端子14とは、導電体10の主要部分16によって電気的に接続されている。
【0044】
開状態では、導電体10は切断され、第1端子12を第2端子14から分離し、したがって、電流を遮断する。
【0045】
電気回路遮断器2は、また、スイッチ20を有する。
【0046】
以下に例として説明及び示す好ましい実施形態によれば、スイッチ20は、火工式アクチュエータ22及び遮断部材24を備える火工式スイッチであり、これらは電気回路遮断器2のケーシングの第1の部分の中に収容される。
【0047】
遮断部材24は、アクチュエータ22の作動に応じて、第1端子12を第2端子14から分離するように構成されている。
【0048】
遮断部材24は、例えば、導電体10を切断するように構成された、ブレード又はギロチン又はパンチなどの鋭利な要素、又は、導電体10の予めカットされた又は弱められた部分を押すように構成された可動体を有する。
【0049】
遮断部材24は、後退位置と展開位置との間の平行移動によって移動可能である。図において、遮断部材24は、その展開位置においてのみ見える。
【0050】
アクチュエータ22は、制御信号の印加により作動することができる火薬を備え、火薬の動作により遮断部材24がその展開位置に向かって導電体10を切断するように推進する。
【0051】
第1のケーシング部分を気密に閉じるために、シール26又は別のシール手段を遮断部材24に装備させることができる。
【0052】
代替の実施形態では、スイッチ20は、例えば、作動機構を用いて作動させることができる、分離可能な電気接点などの可動部分を備える、電気機械電気スイッチ装置とすることができる。次に、これらの可動部分は、導電体10の遮断部材24及び部分16に取って代わる。
【0053】
上記代替実施形態については、以下で火工式スイッチ20に言及して説明される全てが、準用される。
【0054】
電気回路遮断器2は、また、電気回路遮断器2のケーシングの第2の部分30によって部分的に区画された消弧室32を有する。
【0055】
消弧室32は、導電体10と関連しており、電気回路遮断器2が閉状態から開状態に切り換えられるときに第1端子12と第2端子14との間の電流を遮断することに関与する。
【0056】
開状態では、主要部分16は、少なくとも第1端子12から、又は第2端子14から分離され、少なくとも部分的に消弧室32の内部にある。例えば、図1の例のように、主要部分16は、端子14から取り外されるが、端子12に取り付けられたままである。変形例では、主要部分16は、端子12及び14の両方から完全に分離することができる。
【0057】
いくつかの構成の例によれば、図1及び図2に図示されているように、第1及び第2のケーシング部分は、第1の方向、例えば垂直方向に沿って接合及び整列され、導電体10は、第1の方向に垂直な第2の方向、例えば水平方向に沿って延びている。しかしながら、他の構成を変形例として使用することができる。
【0058】
例えば、ケーシングは、ポリマーなどの電気絶縁材料から作られる。
【0059】
実際には、導電体10の内部に電流が流れている間に導電体10を切断すると、消弧室32内において、導電体10の2つの切断された端部の間において、例えば、主要部分16の自由端部と端子14に接続されたままである導電体10の切断された端部との間において、電気アーク(Aと表記)が形成される。
【0060】
電気アークAが存在し続ける限り、電流は端子12と端子14との間を流れ続ける。したがって、電流が電気回路遮断器2によって効果的に遮断されるためには、電気アークAは消されなければならないことが理解されるであろう。
【0061】
電気回路遮断器2は、以下により詳細に説明するように、スイッチが作動させられた後に第1端子12と第2端子14との間に電気的に直列に接続されるように配置されたヒューズ40を更に備える。閉状態では、ヒューズ40は、第1端子12から接続を断たれたままである。図示の例では、ヒューズ40の他端は、第2端子14に連続的に接続されたままである。
【0062】
ヒューズ40は、消弧室32を区画するケーシング部分30によって画定される内側容積部の内側で延びている少なくとも1つの電極42を有する。
【0063】
ヒューズ40の第2電極44は、導電体の端子12又は14の内の1つに接続される。
【0064】
本明細書では、消弧室32内に突出する電極42の自由端部は、参照番号46で示す。自由端部46は、消弧室32の内側にある電極42の部分に対応する。
【0065】
したがって、ヒューズ40の導電体10の他方の端子への接続は、電極42を前記端子と直接的に接触させるように配置させることによって、又は、端子12と電極42との間の電気アークA’によってのみ、消弧室32によって行うことができる。
【0066】
一般に、本明細書でいう「ヒューズ」とは、エネルギーを消散させてそれを通過する電流を遮断することができる双極子などの任意の構成要素を指す。一例によれば、ヒューズ40は、ヒューズ本体内に配置された少なくとも1つのヒューズリンクを有しうる。
【0067】
電気回路遮断器2は、さらに、少なくとも1つの電極42を消弧室32の残りの部分から分離する電気絶縁ゲートを備える接続装置をさらに有する。
【0068】
図1の参照符号(a)に示される実施形態などの実施形態によれば、電気絶縁ゲートは、消弧室32内の閉鎖された容積部52を区画する壁50を有する。この容積部52には、空気又は真空などの電気絶縁媒体が充填される。しかしながら、ゲートは上記とは異なるように作ることができる。
【0069】
有利的には、消弧室32内の温度又は圧力又は消弧室32内に存在する電気アークの強度の内の少なくとも1つが予め定めた閾値を超える場合にのみ、スイッチ22が作動させられた後に、ゲートが破断するように構成されている。
【0070】
換言すれば、ゲートが破断させられていない限り、スイッチ22が作動し、電気回路遮断器2がもはや閉状態にないときであっても、ヒューズ40が導電体10に接続されるのを防止される。したがって、電気アークAが端子12と端子14との間に維持されうる。遮断されるべき電流はヒューズ40に入らない。
【0071】
一旦、ゲートが破断させられると、電極42は、特に、例えば、電気アークAによって生成されるイオン化ガスの加熱及び/又は浸食及び/又は圧力上昇に起因する、電気アークAの直接的又は間接的な効果の下で導電体10(手元の場合、図2の例では端子12)に接続させることができる。
【0072】
好ましくは、図2に示すように、一旦、ゲートが破断させられると、電気アークAは消失し、次いで、電極42と端子12の端部16との間に確立された第2の電気アークA’によって接続がなされる。
【0073】
換言すると、接続装置は、ゲートが一旦破断させられる場合のみ電極42を端子12に接続させるように構成されている。
【0074】
図示の実施形態において絶縁ゲートによって実現されるこの接続装置は、作動装置が作動させられた瞬間と、遮断されるべき電流がヒューズ40に向かわされた瞬間との間に遅れ(lag)(遅延(delay))を導入することができる。この遅延の値は、ゲートの構造パラメータを選択することで、少なくとも部分的に制御することができる。この記載の残りの部分では、この遅延は「閾値」と呼ばれることがある。
【0075】
ゲートを遮断し、したがってヒューズ40を接続するために必要な閾値は、遮断されるべき電流の強度に間接的に依存し、壁50を形成するために使用される材料の溶融温度又は昇華温度及び/又は壁50の機械的強度及び/又は壁50及び/又は容積部52の寸法特性などの、ゲートの特定の特性を選択することによって制御することができる。
【0076】
これにより、消弧室32内の物理的条件(消弧室32内の温度、消弧室32内の圧力、電気アークAの強度の内の少なくとも1つの物理的条件を特徴とする条件)が予め定めた閾値に達したときにゲートが破断することを保証することができる。
【0077】
従って、火工式装置が作動させられた後にヒューズが接続される、超えられる閾値は、消弧室内で行きわたる条件に基づいて自動的に適合する。この適合により、同じヒューズを使用して、高強度電流と低強度電流の両方を遮断することができる。
【0078】
例えば、遮断されるべき電流の強度がゼロ又は低い場合、ヒューズが接続されている閾値に到達しない。スイッチは単独で動作する。ヒューズは決して端子12に接続されていない。これにより、電流の高速遮断時間を得ることができる。
【0079】
例えば、遮断されるべき電流の強度が高い場合、ヒューズが接続される閾値を超える。次いで、ヒューズは、消弧室32のガスが冷却されて脱イオン化されるのを可能にするように、十分に長い溶断時間を有するように寸法決めされる。
【0080】
以下の例を通して説明するように、壁50は、予め定めた温度を超えて溶融又は昇華によって破壊されるヒューズ壁、又は、予め定めた圧力を超えて変形又は破断する壁としる。
【0081】
実施形態によれば、壁50は、電気絶縁材料から作られる。したがって、壁50は、電極42(例えば、消弧室32の内側にある電極42の少なくとも一部分)を消弧室32の残りの部分から電気的に絶縁する。したがって、ゲートの絶縁特性は、ゲート50の絶縁特性に起因するが、空気又は真空の容積部52もこの絶縁に関与しうる。しかしながら、壁50が十分に絶縁されている場合には、容積部52を省略することができる。
【0082】
他の実施形態では、ゲートの電気絶縁特性は、空気又は真空の容積部52の電気絶縁特性から得られ、次いで、壁50は、この容積部52を収容し、壁50が破断するまで、消弧室32の残りの部分から分離されるように機能するだけである。
【0083】
このような場合、壁50は、導電性材料、例えば金属から作ることができ、その容積部52は、それ自体で、電極42を消弧室32の残りの部分から及び壁50から電気的に絶縁するように寸法決めされている。電極42に接触する配置は、壁50を破ることによってではなく、壁50が電極42の端部46に電気的に接触するように電極42の端部46に直接的に接触するまで変形させることによって確保される。次いで、ヒューズ40と導電体10との間の電気的接続を、壁50と端子16との間に確立される電気アークA’によって確立することができる。
【0084】
実施例によれば、ヒューズの壁50は、ポリマー、例えばポリアミド又はポリプロピレン又はポリイミドから、又は、エラストマーから、又は、ポリエステルから、又はシリコーンから作られ、これらの材料は、ガラス繊維又はグラフェンなどの鉱物充填剤を有しうる。
【0085】
例示として提供される実施例によれば、ポリアミドの壁は、300μm未満、又は、100μm未満、又は、50μm未満の厚さを有し得る。ポリプロピレン壁は、450μm未満、又は、300μm未満、又は100μm未満の厚さを有し得る。
【0086】
図1の参照符号(a)に図示されている例では、壁50は消弧室32の内側に取り付けられている。
【0087】
しかしながら、変形例では、壁50は、図1の参照符号(b)に例示されているように、第2のケーシング部分30の壁と一体に形成することができ、この図に例示されている壁50の正確な形状は、必ずしも限定的ではない。これにより、壁50は、例えば成形によってケーシング30の残りの部分と同時に製造することができるため、製造方法が簡素化される。例えば、取り付けられた底壁53をハウジング52の後部を閉じるために使用することができる。
【0088】
一例として提供される実施形態によれば、第2のケーシング部分30の壁は、消弧室32内に通じておりかつ電極42の端部46が配置された、ハウジングを有しうる。壁50は、このハウジングを閉塞するようにハウジングの開口の中に配置される。
【0089】
壁50の寸法、特に壁50の厚さは、選択された材料と、温度又は圧力に対して選択された閾値とに依存する。
【0090】
一例として与えられる非限定的な実施例によれば、壁50は、0.5mm未満又は0.1mm未満の厚さを有する。ここで、容積部52は、直径が3mmに等しく、高さが2mmに等しい円筒状を有する。
【0091】
例えば、容積部52は50mm3以下である。
【0092】
変形例では、壁50は、必ずしも分離膜などのプレートの形態をとらない分離要素、又は、1つ又は複数のシールガスケットで置き換えることができる。
【0093】
図に示されていない本発明の他の実施形態によれば、壁50が電気絶縁材料から形成される場合、壁50の外面、すなわち消弧室32に向かって直接的に露出される面上の導電性被膜によって覆われうる。この導電性被膜により、壁50に可能な限り近いところで電気アークAを引き付けることができ、これにより、壁50の劣化速度を加速することができる。
【0094】
図3は、本発明の別の実施形態に係る回路遮断器302を示す。
【0095】
回路遮断器302は、回路遮断器302が制御回路310と制御回路310によって放出される制御信号に応じて絶縁ゲートを破断するように構成されている第2のアクチュエータ312とをさらに備えている点を除いて、回路遮断器2と同様である。
【0096】
図示の実施形態では、アクチュエータ312は、アクチュエータ22と同様に、火工式アクチュエータである。変形例では、アクチュエータ312は、電磁アクチュエータ又は圧電アクチュエータとすることができ、又は、ゲート50を破断するための任意の他の適切なモータ手段を使用しうる。
【0097】
制御回路310は、電子処理ユニット314(例えば、マイクロコントローラなどのプロセッサ)と、消弧室32の内部の条件(状態)に対する少なくとも1つの物理特性を測定するためのセンサ316とを備える。
【0098】
回路310は、測定された条件が予め定めた閾値を超すときに前記ゲートを破断するように、第2の火工式アクチュエータ312を作動させるように構成されている。例えば、測定される条件は、消弧室32内の温度、又は、消弧室32内の圧力、又は、導電体10内を流れる電流の強度である。
【0099】
図示の例では、センサ316は、電気アークAが端子12と端子14にわたって確立されたときに導電体10に流れる電流を測定するように構成されている。測定された電流が予め定めた閾値を超すと、第2のアクチュエータ312が作動させられる。
【0100】
一例によれば、第2のアクチュエータ312は、ケーシング部分30内に配置された開口318のために、壁50とは反対に配置されつつ、消弧室32の外側に配置される。アクチュエータ32の作動に続いて火薬が点火されると、火薬の作用によって生成される圧力波は、少なくとも部分的に通路318を通して導かれ、壁50に到達し、壁50を破断し、電極42と導電体10との間の電気伝導経路を開く。
【0101】
これらの相違点以外では、回路遮断器2の記載は、回路遮断器302に適用可能である。
【0102】
図4及び図5は、本発明の別の実施形態に係る回路遮断器402を示す。回路遮断器402は、図4ではその閉状態で図示され、図5ではその開状態で図示される。
【0103】
回路遮断器402は、機能的には、回路遮断器2と同様であるが、構造の特定の詳細、特に、接続装置の絶縁ゲートの構成については回路遮断器2とは異なる。
【0104】
回路遮断器2の要素と同様であるか、又は、回路遮断器2と同様な役割を果たす、回路遮断器402の要素は、回路遮断器2と同じ参照番号に、量「400」だけ増加する。例えば、ヒューズ440は、ヒューズ40と同様である。回路遮断器2の実施形態を参照して上述したこれらの要素の記載は、回路遮断器402に置換することができる。
【0105】
回路遮断器402において、導電体410は、中央部分416によって互いに接続された端子412及び414を備える、ブレード又はストリップの形態をとり、中央部分416は端子412及び414に対して予めカットされ又は弱めることができる。
【0106】
回路遮断器402は、軸線Z402を有するシリンダの形態の本体(ケーシング)を有する。ケーシングの第1の部分420はいくつかの壁を有し、これらの壁は、軸線Z402に中心合わせされた中央ハウジング426を区画し、中央ハウジング426の中には、火工式スイッチの火薬422と、軸線Z426に沿ってハウジング426内で並進移動可能な可動本体424とが配置されている。
【0107】
消弧室432は、ケーシングの第2の部分430の壁によって区画されており、中央ハウジング426の延伸方向に延びている。
【0108】
例えば、ハウジング426、消弧室432及び可動本体424は、円柱状を有する。
【0109】
回路遮断器402が閉状態である限り、導電体410の中央部分416は、ハウジング426を通って方向Z402に垂直に延びる。
【0110】
ヒューズ440は、第1電極442及び第2電極444を備え、これらの電極は、第2のケーシング部分430の壁内に部分的に挿入され、それぞれ、端部446及び448によって消弧室432に通じている。例えば、端部446と端部448は、互いに面して配置される。
【0111】
絶縁ゲートは、ヒューズ440の電極の端部446及び448に対向して消弧室432内に配置されたOリング450を有する。
【0112】
例えば、Oリング450は、消弧室432の壁に押圧されつつ軸線Z402と同軸に配置される。Oリング450は、火薬422が作用した後、可動本体424がその展開位置にあるときに可動本体424が通過できるように構成された中央開口を備える。
【0113】
例えば、Oリング450は、エラストマー材料、例えば、ポリプロピレン、又は、PTFE、又はシリコーン、又は、任意の他の適切な材料から作られる。
【0114】
有利的には、第2のOリング452が、Oリング450の上方で、方向Z402と同軸に消弧室432内に配置される。第2のOリング452は、電流が遮断されるときに、電気アークが消弧室432に残るのを防止することを可能にする。
【0115】
有利的には、第3のOリング454が、Oリング450の下方で、方向Z402と同軸に消弧室432内に配置される。電流が遮断されるとき、第3のOリング454は、アークが(火薬422が作用した後に可動本体424によって消弧室432の底部に向かって押された)主要部分16を通過するのを防止することを可能にする。
【0116】
好ましくは、Oリング450が室内の条件が破断を必要とするときに破断するように構成されているので、Oリング452及び454はOリング450の抵抗よりも大きい抵抗を有し、一方、Oリング452及び454は、回路遮断器の動作中に消弧室のシールを維持しなければならない。
【0117】
例えば、Oリング452及び454は、エラストマー材料、例えばPTFE又はシリコーンから、好ましくは雲母などの鉱物材料を充填したシリコーンから作られる。
【0118】
有利的には、帯状の少なくとも1つの垂直シール456は、例えば、方向Z402に平行に延びている消弧室432の壁に沿って延びていることによって、Oリング450とOリング452とOリング454を接続する。図4では、垂直シール456が1つしか見えないが、実際には、いくつかの垂直シールを消弧室432内に配置することができる。
【0119】
例えば、垂直シール456は、エラストマー材料、例えばPTFEから作られ、又はシリコーン、例えばマイカ(雲母)などの鉱物材料で充填されたシリコーンから作られ、好ましくはOリング452及び454と同じ材料から作られる。
【0120】
図6は、本発明の別の実施形態に係る回路遮断器502を示す。
【0121】
回路遮断器502は、回路遮断器2と同様であるが、絶縁ゲートが、電極42の端部46の周囲に密封可能に取り付けられかつ図6の参照符号(a)によって図示されるように容積部52と同等の容積部552を画定する、金属カプセル550を備えるという点で、回路遮断器2とは異なる。
【0122】
金属カプセル550が損傷を受けない限り、電極42は、容積部552に含まれる空気又は真空によって、消弧室32の残りの部分から絶縁される。
【0123】
消弧室32内の圧力が予め定めた圧力閾値を超すと、カプセル550は、図6の参照符号(b)によって概略的に示されるように、変形ゾーン554において、電極42、好ましくは電極42の自由端部46と強制的に直接的に接触する変形を受ける。そうすることで、電極42は、カプセル550が破断させられない場合であっても、カプセル550と電気的に接触し、電極42と導電体10との間の電気アークによって電気的接触を確立することができる。
【0124】
別の変形例によれば、電極42の端部46は、尖った形状を有し、カプセル550が変形して端部46と接触するときにカプセル550を穿孔するように構成されている。この穿孔により、カプセル550内にオリフィスを形成し、それによって、容積部552の内部は、消弧室32の残りの部分と連通して配置される。したがって、絶縁ゲートは破断させられ、電極42と導電体10との間の電気アークによって電気的接触を確立することができる。
【0125】
この変形例は、有利的には、カプセルの場合、又は、必ずしも金属又は導電性から作られない壁の場合、例えば、プラスチック製から作られた膜又は絶縁ゲートの場合に実施することができる。
【0126】
別の変形例によれば、カプセル550は、消弧室32内の圧力が予め定めた圧力閾値を超えるときに破断するように構成されている。例えば、カプセル550の一面上にプレカットが形成される。過圧の場合、このプレカットのゾーンはカプセルの残りの部分から完全に又は部分的に切り離され、かくしてカプセル550内にオリフィスを形成し、このオリフィスを通して容積部552の内部が消弧室32の残りの部分と連通して配置される。したがって、絶縁ゲートは破断させられ、電極42と導電体10との間の電気アークによって電気的接触を確立することができる。
【0127】
この変形例は、有利的には、カプセルの場合、又は、必ずしも金属又は導電性から作られない壁の場合、例えば、プラスチックから作られた膜又は絶縁ゲートの場合に実施することができる。
【0128】
図示されていない代替実施形態によれば、カプセル550は、1つ又は複数の金属壁で置き換えることができる。
【0129】
これらの相違点以外では、回路遮断器2の記載は、回路遮断器502に適用可能である。
【0130】
この例において、消弧室32の壁30は、消弧室32の特定の位置に向かって電気アークAを案内するために消弧室32の内側から突出する補強ゾーン560を有することに留意されたい。
【0131】
この補強ゾーン560は必須ではなく、変形例として省略することができる。代替の実施形態では、1つ又は複数の補強ゾーン560を、本明細書に記載される他の実施形態に係る回路遮断器で使用することができる。
【0132】
図7は、本発明の別の実施形態に係る電気回路遮断器602を示す。
【0133】
回路遮断器602は、回路遮断器2と同様であるが、絶縁ゲートが、電極42の端部46上に堆積させられた、好ましくは、消弧室32内に延びている電極42の全部分上に堆積させられた、電気絶縁被膜650を備えるという点で、回路遮断器2とは異なる。被膜650は、電極42を消弧室32の残りの部分から絶縁し、電極42と導電体10との間に電気アークによってさえ電気的接触が確立されるのを防止する。被膜650は、消弧室32内の温度が予め定めた温度を超えると溶融するように構成されている。溶融又は昇華することによって、被膜は電極42を露出させ、導電体10との電気的接触を確立することを可能にする。
【0134】
実施例によれば、被膜650は、ポリマー、例えば、ポリアミド又はポリプロピレン又はポリイミドから作られる。変形例では、被膜650はエナメルである。例えば、電極42は、ヒューズ40にエナメル線の一部分を接続して形成されている。
【0135】
これらの相違点以外では、回路遮断器2の記載は、回路遮断器602に適用可能である。
【0136】
図8は、本発明の別の実施形態に係る電気回路遮断器702を示す。
【0137】
回路遮断器702は、回路遮断器2と同様であるが、ヒューズ40の代わりに2つのヒューズ710、720を備える点で回路遮断器2と異なる。例えば、第1のヒューズ710は、消弧室32の内部に通じている第1電極712と、例えば、ここでは端子14に接続されている導電体10に接続される第2電極714とを備える。同様に、第2のヒューズ720は、消弧室32の内部に通じている第1電極722と、例えば、ここでは、電極714と共有される電極によって端子14に接続されている、導電体10に接続されている第2電極724とを有する。
【0138】
2つのヒューズ710とヒューズ720は、異なるキャリバー(caliber)を有する。
【0139】
例えば、ヒューズ710は、50Aの電流キャリバー(current caliber)を有し、ヒューズ720は、150Aの電流キャリバーを有する。
【0140】
第1の絶縁ゲートが第1のヒューズ410の電極412に関連し、第2の絶縁ゲートが第2のヒューズ420の電極422に関連する。例えば、第1のゲートは、カプセル550及び容積部552と同様である、壁730及び容積部732を備える。同様に、第2のゲートは、カプセル550及び容積部552と同様である、壁740及び容積部742を備える。
【0141】
ここでは、カプセル550と同様であるカプセルの形態で図示しているが、壁730及び740は異なるように作ることができる。例えば、壁730及び740は壁50と同様である壁としうる。
【0142】
有利的には、第1及び第2のゲートは、異なる条件下で破断するように構成され、特に、同時に破断しないように構成されている。例えば、第1のゲートは、導電体10の遮断後に電気アークAが存在し、かつ温度及び/又は圧力及び/又はアークの強度が増加したときに、第2のゲートの前で遮断するように構成されている。
【0143】
好ましくは、2つのヒューズの内の最も低い電流キャリバーを有するヒューズ410又は420に関連するゲートは、他のヒューズ410又は420に関連するゲートの前に遮断するように構成されている。
【0144】
図7の実施形態は、2つより多いヒューズ410、420が使用される他の実施形態に一般化することができる。
【0145】
これらの相違点以外では、回路遮断器2の記載は、回路遮断器702に適用可能である。
【0146】
図9は、本発明の別の実施形態に係る電気回路遮断器802を示す。
【0147】
回路遮断器802は、回路遮断器2と同様であるが、導電体10のいくつかの端子の内の1つ(ここでは端子12)に接続された追加導電体860を備え、この追加導電体860は、消弧室から絶縁されており、壁50によって区画された容積部52の内側に通じている自由端部862を備えるという点で、回路遮断器2とは異なる。
【0148】
例えば、追加導電体860は、本体30の外側又は本体30の壁内に(例えば、オーバーモールド成形によって)形成される。
【0149】
一例として与えられる実施形態によれば、追加導電体860は、タングステンから作られる。
【0150】
有利的には、追加導電体860の端部862と電極42の端部46との間の絶縁距離は、回路遮断器802が関連する電気回路に使用される発生器の電圧の少なくとも1.5倍以上の電圧に対して、空気中の電気絶縁を可能にするように選択される。
【0151】
この絶縁距離により、ゲート50が破断していない限り、端部46と端部862の間に電気アークを確立することはできない。
【0152】
スイッチ22、24が作動させられた後、一旦、電気アークAの作用の下でゲートが破断させられると、容積部52は、消弧室のイオン化雰囲気と連通して配置される。次いで、電気アークを端部46と端部862との間に確立し、それによってヒューズ40を端子12に接続させることができる。
【0153】
追加導電体860を使用することにより、端部46と端部862との間の距離を回路遮断器802の製造中に容易に確定することができるので、より良い信頼性でヒューズ40を接続することが可能になるが、導電体10の分離に続いて、部分16と電極46の間の距離が、どのような距離になるかを正確に予測することは、常に可能であるとは限らない。
【0154】
変形例によれば、壁50は、その外面、すなわち、消弧室32の側面上の露出面上に導電性層を有しうる。これにより、電気アークを壁50の近くに引き寄せることがより容易になり、溶融によってその破断を容易にすることができる。
【0155】
先行の変形例と組み合わせることができる別の選択的な変形例によれば、壁50は、その外面上、すなわち、容積部52の内側に位置する面上に、導電性層を有しうる。次いで、この導電層により、ゲートが破断した後、2つの電極46と電極862との間の電気的接触を保証することができる。
【0156】
これにより、温度と圧力の両方に依存する閾値を得ることができ、次いで、これらの特性の「最強」によってゲートの破断を開始してヒューズ40の接続を引き起こす。
【0157】
これらの相違点以外では、回路遮断器2の記載は、回路遮断器802に適用可能である。
【0158】
図10は、本発明の別の実施形態に係る電気回路遮断器902を示す。
【0159】
回路遮断器902は、全体的には、回路遮断器2と同様であるが、接続装置が、端部46を消弧室の残りの部分から分離させる、以前に規定されたようなゲートを含まない点において、回路遮断器2とは異なる。
【0160】
その代わりに、接続装置は、本体30の壁に形成された、ゲート912と、例えばハウジング910内に摺動可能に取り付けられた金属製である、導電性可動部分914とを配置された、ハウジング910を有する。
【0161】
例えば、ハウジング910は、本体30の外側に通じている、好ましくは筒状である流路である。
【0162】
ヒューズ40の電極44の端部は、その自由端部916によってハウジング910内に通じている。追加電極が、端子14に接続され、その自由端部918によってハウジング910内に通じている。例えば、端部916と端部918は、互いに反対に配置される。
【0163】
端部916と端部918は、例えば、先に規定された絶縁距離を有するように、互いに離間している。
【0164】
可動部分914は、可動部分914が端部916及び端部918から離れたままのアイドル位置と、可動部分914がヒューズ40の前記電極と前記端子14を電気的に接続させて端部916及び端部918に直接的に接触する励起位置との間で移動させることができる。
【0165】
図10において、可動部分914は、そのアイドル位置に示されている。励起位置において可動部分914によって占められる位置は、点線輪郭914’によって示される。
【0166】
ゲート912は、例えばハウジング910の入口を閉じることによって、消弧室32をハウジング910から分離するように配置されている。
【0167】
ゲート912は、消弧室32内の予め定めた閾値が越えられたときに破断するように構成されている。
【0168】
したがって、ゲート912は、有利的には、壁50又はカプセル550と同様である壁としうる。
【0169】
好ましくは、ゲート912は、消弧室32内の圧力が予め定めた閾値を超すときに破断するように構成されている。
【0170】
一旦、ゲートが破断させられると、可動部分914は、消弧室32と流体連通する配置によって生じるハウジング910内の圧力上昇の作用を受けて、初期のアイドル位置から励起位置914’に向かって移動させられる。換言すれば、可動部分914は、ピストンのように作用する。この移動は、図10の矢印F1によって示されている。
【0171】
例えば、可動部分914は、ハウジング910の断面の形状に相補的な形状を有する。
【0172】
好ましくは、可動部分914は、ゲート912が破断しておらずかつ圧力増加によって移動させられていない限り、アイドル位置に留まることができるように、ゼロ又は負の遊びでハウジング910内に取り付けられる。これにより、例えば、回路遮断器902が衝撃又は強い加速を受ける場合に、可動部分914が誤って励起位置に向かって移動する危険性を制限する。
【0173】
変形例では、同じ目的で、可動部分914は、例えばオーバーモールド成形によって、ゲート912と機械的に接続させることができる。
【0174】
有利的には、ハウジング910は、可動部分914が励起位置914’を過ぎないように可動部分914の移動を制限する、1つ又は複数の停止部などの保持手段920を有する。したがって、可動部分914は、励起位置914’に保持されたままである。
【0175】
代替の実施形態では、図10には示されていないが、回路遮断器902は、電極42の端部46に関連する、図1図9の実施形態で規定されているような追加接続装置を有しうる。
【0176】
変形例によれば、端部46及び電極42は省略し、必ずしも消弧室を通過することなく、ヒューズ40の端部を端子12に直接的に接続する電極922で置き換えることができる。
【0177】
これらの相違点以外では、回路遮断器2の記載は、回路遮断器902に適用可能である。
【0178】
上述の実施形態では、一旦、絶縁ゲートが破断させられると、電極42と導電体10は、電気アークA’を用いて接触して配置される。しかしながら、図示されていない実施形態によれば、この接続は、電極と導電体10とを直接的に接触させることによって直接的に行われる。
【0179】
例えば、電極42は、導電体10が切断された後に切断された部分16が壁50(又はカプセル550)に接触するように、消弧室32内に配置される。ゲートが(例えば、壁50又はカプセル550の破壊によって)破断すると、切断された部分16は、電極42に直接的に接触する。
【0180】
上記の実施形態では、ヒューズの電極42のみが消弧室32内に現れる。しかしながら、図示されていない変形によれば、ヒューズの他の電極44も消弧室32内に現れうる。この場合、ヒューズ40を導電体10の2つの端子12及び14に電気的に接続させるために、2つの別々の電気アークが必要である。
【0181】
上述した実施形態では、切断装置は、電極42又は電極44に(それぞれ、端子12又は端子14に)関連する例として説明されるが、変形例として、これらの切断装置は、ヒューズの他の電極44又は42(したがって、他の端子14又は12)上に、又は、さらには、両方の電極42及び44上に、一度に使用され得ることが理解されるであろう。
【0182】
他の実施形態も可能である。以下に記載されるさらなる変形は、任意の技術的に可能な組み合わせに従って、以前に記載された実施形態と組み合わせることができる。
【0183】
図9に示される回路遮断器802の実施形態の1つの変形例によれば、追加導電体860の自由端部862は、壁50によって区画された容積部52の外側でありながら消弧室32の内側に通じており、電極46は、膜50によって切断室の残りの部分から絶縁されたままである。
【0184】
この構成により、自由端部862を消弧室32内に自由に配置することができ、したがって、この消弧室の幾何学的形状に適合させることができる。次いで、自由端部862が端子14から絶縁されなくなった場合であっても、電気アークは、いかなる場合においても、一旦、壁50が破断させられると、電極46を通過するであろう。
【0185】
このように、自由端部862は、自由に配置することができ、例えば、500μm未満で、電極46から小さな距離を置いて配置することによって、電気アークの長さを低減することができ、したがって、この電気アークが室52の内部だけでなく、消弧室32の内部でも放散するエネルギーを低下させることができる。
【0186】
変形例によれば、特に、図6及び図8の実施形態に適用可能な変形例によれば、金属カプセル550は、双安定的に変形可能、すなわち、カプセルが電極46と接触していない第1の状態と、電極46が金属カプセル550と直接的に接触して導電性を確立する第2の状態との間で可逆的に変形可能である。
【0187】
金属カプセルの変形の双安定性は、カプセルの上側壁の特定の構成に起因して、例えば、湾曲した形状又はドーム形状に起因して得ることができる。
【0188】
図示の例では、第1の状態において、湾曲した形状は電極46から離れている。第2の状態では、湾曲した形状が反転し、電極46と接触するようになる。これにより、電極46と接触する配置を促し、良好な閾値効果を保証する。
【0189】
この変形例の1つの特定の実施形態によれば、その例が図11によって示されており、回路遮断器502は、追加導電体860と同様である、追加導電体を有し、この追加導電体により、端子12を、ここでは参照番号1050である金属カプセルに接続させる。これは、追加導電体860を参照して記載した利点と同じ利点を有する。
【0190】
別の変形例によれば、追加導電体の自由端部は、カプセル1050によって区画された容積部1052の内部に通じうる。
【0191】
さらに別の変形例によれば、追加導電体は、前述のカプセル550のように、カプセルが双安定な方法で変形できない場合でも、金属カプセルに接続させることができる。
【0192】
図10に示す遮断器902の実施形態の変形例によれば、可動部分914は、可動部分を励起位置に向かって押し戻すように構成された、螺旋ばね又はプレストレストばねなどの戻り部材に連結される。
【0193】
ゲート912が破断していない限り、可動部分914は、アイドル位置に定位置に留まる。ゲート912が破断すると、可動部分は、特に復帰部材の作用を受けて励磁位置に向かって移動させられる。
【0194】
これにより、ゲートが破断したが、消弧室の条件が可動部分914を完全に移動させるには十分でない場合に、可動部分914が端部916及び端部918との電気的接触を完全に確立することを防止することができる。
【0195】
一般に、上述の実施形態の内の1つ又は複数の実施形態に係る回路遮断器は、それらのそれぞれの端子12、14を用いて、例えば直列又は並列に互いに接続され、強化された性能を有する回路遮断装置を形成することができる。
【0196】
選択的な実施形態によれば、図12に図示されるように、2つの回路遮断器1100と回路遮断器1102が互いに接続される場合、これら回路遮断器の内の1つのヒューズ40を省略し、それらのそれぞれの電極42を接続する導電体1110によって置き換えることができる。
【0197】
上記で検討した実施形態及び変形例は、組み合わせて、新たな実施形態をもたらすことができる。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
電気回路遮断器において、
前記電気回路遮断器は、
第1端子(12)及び第2端子(14)を備える導電体(10)と、
電流遮断指令に応じて作動させられたときに前記第1端子と前記第2端子を分離させるように構成されたスイッチ(22,24)と、
前記電気回路遮断器の本体によって区画された消弧室(32)であって、前記消弧室は、前記スイッチが作動させられた後、少なくとも前記第1端子又は前記第2端子から分離された前記導電体の一部分(16)を受け入れるように構成されている、消弧室(32)と、
前記スイッチが作動させられた後、前記第1端子と前記第2端子の間に電気的に接続されるように構成されたヒューズ(40)とを備える、電気回路遮断器において、
前記電気回路遮断器は、前記消弧室(32)内の温度又は圧力、又は、前記消弧室(32)内に存在する電気アークの強度の内の少なくとも1つが予め定めた閾値を超すときのみ、前記スイッチが作動させられた後に破断するように構成されたゲート(50、52、912)を備える接続装置を備え、
前記接続装置は、前記ゲート(50、52、912)が一旦破断したときだけ、前記ヒューズ(40)の電極(42、916)を前記導電体(10)の前記端子(12、918)の内の1つに接続させるように構成されていることを特徴とする電気回路遮断器である。
第2の態様は、
前記ヒューズ(40)の少なくとも1つの電極(42)は、前記消弧室(32)の内側で延び、前記ゲートは、前記少なくとも1つの電極(42)を前記消弧室(32)の残りの部分から分離する電気絶縁ゲート(50、52)である、第1の態様における電気回路遮断器である。
第3の態様は、
前記電気絶縁ゲートは、前記消弧室(32)内の前記ヒューズ(40)の前記少なくとも1つの電極(42)の周囲の容積部(52)を区画する壁(50)を有する、第2の態様における電気回路遮断器である。
第4の態様は、
前記壁(50)は電気的に絶縁されている、第3の態様における電気回路遮断器である。
第5の態様は、
前記壁(50)は、前記消弧室(32)内の温度が予め定めた閾値を超すときに溶融するように構成されている、第3の態様又は第4の態様における電気回路遮断器である。
第6の態様は、
前記壁(50)は、前記消弧室(32)内の圧力が予め定めた閾値を超すときに、切り離されて前記壁(50)内に開口を形成するように構成された、予めカットされた領域を備える、第3の態様又は第4の態様における電気回路遮断器である。
第7の態様は、
前記電気絶縁ゲートが、前記消弧室(32)内の前記ヒューズ(40)の前記少なくとも1つの電極(42)上に堆積させられた電気絶縁被膜(650)を備え、前記電気絶縁被膜が、前記消弧室(32)内の温度が予め定めた閾値を超すときに溶融するように構成されている、第2の態様における電気回路遮断器である。
第8の態様は、
前記壁(50)又は前記電気絶縁被膜(650)は、少なくとも1つの導電性外層で覆われている、第3の態様~第6の態様及び第7の態様のいずれか1つにおける電気回路遮断器である。
第9の態様は、
前記壁(50)は金属製である、第3の態様における電気回路遮断器である。
第10の態様は、
前記壁(550)は、前記消弧室(32)内の圧力が予め定めた閾値を超すときに前記少なくとも1つの電極(42)の自由端部(46)に接触するまで変形するように構成されている、第3の態様又は第9の態様における電気回路遮断器である。
第11の態様は、
前記少なくとも1つの電極(42)の前記自由端部(46)は、前記壁(550)が変形して前記自由端部(46)と接触するときに前記壁(550)を穿孔するように構成されている、第10の態様における電気回路遮断器である。
第12の態様は、
前記壁(50)は、前記消弧室(32)内の圧力が予め定めた閾値を超すときに切り離されて前記壁(50)内に開口を形成するように構成された、予めカットされた領域を備える、第3の態様又は第9の態様における電気回路遮断器である。
第13の態様は、
前記電気回路遮断器(302)は、制御回路(310)と、前記消弧室(32)の内部の条件を測定するセンサ(316)と、前記電気絶縁ゲートを遮断するように構成された補助アクチュエータ(312)であって、前記センサ(316)によって測定された物理的特性が閾値を超すときに前記補助アクチュエータ(312)を作動させるように前記制御回路(310)が構成された、補助アクチュエータ(312)とを備える、第2の態様における電気回路遮断器である。
第14の態様は、
前記電気回路遮断器(702)は、前記スイッチが作動させられた後に前記第1端子と前記第2端子との間で電気的に接続されるように構成された追加ヒューズ(720)を備え、前記追加ヒューズの少なくとも1つの電極(722)は前記消弧室(32)の内側で延びており、前記電気回路遮断器は、さらに、前記追加ヒューズの前記少なくとも1つの電極(722)を前記消弧室(32)の残りの部分から分離する、電気的に絶縁特性の追加ゲート(740、742)を備え、前記ゲートは、前記消弧室(32)の内側の温度又は圧力又は前記消弧室(32)内に存在する電気アークの強度の内の少なくとも1つが、他のヒューズ(710)の絶縁ゲートに関連する作動閾値とは異なる、予め定めた閾値を超えたときにのみ前記スイッチが作動させられた後に破断させられるように構成されている、第1の態様~第13の態様のいずれか1つにおける電気回路遮断器である。
第15の態様は、
前記電気回路遮断器(802)は、前記導電体の複数の前記端子(12)の内の1つに接続された追加導電体(860)を備え、前記追加導電体(860)は、前記消弧室から絶縁されており、前記壁(50)によって区画された前記容積部(52)の内側に通じている自由端部(862)を有する、第3の態様、第4の態様、第5の態様、第6の態様、第8の態様、第9の態様、第10の態様、第11の態様及び第12の態様のいずれか1つにおける、又は、第3の態様、第4の態様、第5の態様、第6の態様、第8の態様、第9の態様、第10の態様、第11の態様及び第12の態様のいずれか1つと組み合わせた第14の態様における電気回路遮断器である。
第16の態様は、
前記接続装置は、アイドル位置と、導電性可動部分(914)が前記ヒューズ(40)の前記電極(916)を前記端子(14)と電気的に接続させる励磁位置との間で移動可能な導電性可動部分(914)を有し、前記導電性可動部分(914)は、前記電気回路遮断器(902)のハウジング(910)内に摺動可能に取り付けられており、前記ゲートは、前記消弧室を前記ハウジング(910)から分離するように配置されており、予め定めた閾値が超されるときに破断するように構成されている、第1の態様における電気回路遮断器(902)である。
第17の態様は、
前記スイッチ(22,24)は、火工式スイッチである、第1の態様~第16の態様のいずれか1つにおける電気回路遮断器である。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7
図8
図9
図10
図11
図12