(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】多層基板モジュール
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20241113BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20241113BHJP
H03H 7/075 20060101ALI20241113BHJP
H03H 7/46 20060101ALI20241113BHJP
H04B 1/38 20150101ALI20241113BHJP
【FI】
H05K1/02 A
H01Q13/08
H03H7/075
H03H7/46 A
H04B1/38
(21)【出願番号】P 2022519914
(86)(22)【出願日】2021-04-07
(86)【国際出願番号】 JP2021014798
(87)【国際公開番号】W WO2021225055
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-09-28
【審判番号】
【審判請求日】2024-05-15
(31)【優先権主張番号】P 2020082086
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 哲聡
(72)【発明者】
【氏名】永井 智浩
(72)【発明者】
【氏名】西尾 恒亮
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】馬場 慎
【審判官】丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/033704(WO,A1)
【文献】特開2006-237231(JP,A)
【文献】国際公開第2014/185194(WO,A1)
【文献】特開2004-304158(JP,A)
【文献】特表2019-530973(JP,A)
【文献】特開平8-181445(JP,A)
【文献】特開2000-353875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 3/46
H01P 1/213
H01Q 13/08
H03H 7/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インダクタンス成分及び容量成分を有するフィルタ機能を有する多層基板モジュールであって、
複数の第1絶縁体層が上下方向に積層された構造を有する第1基板部本体、及び、前記第1基板部本体に設けられている第1導体層及び/又は第1層間接続導体を含
む第1基板部と、
複数の第2絶縁体層が上下方向に積層された構造を有する第2基板部本体、及び、前記第2基板部本体に設けられている第2導体層及び/又は第2層間接続導体を含
み、前記第1基板部の上面に設けられている第2基板部と、
前記第2基板部の上面又は下面に実装されている実装部品と、
を備えており、
前記インダクタンス成分の少なくとも一部は、前記第1基板部に設けられている前記第1導体層及び/又は前記第1層間接続導体により形成されており
、
前記容量成分は、前記第2基板部に設けられている前記第2導体層及び/又は前記第2層間接続導体により形成されており、
前記複数の第2絶縁体層の材料のヤング率は、前記複数の第1絶縁体層の材料のヤング率より大き
く、
前記実装部品は、実装部品本体と、前記実装部品本体の少なくとも下面に設けられている実装電極と、を備え、
前記第2導体層の一部は、前記第2基板部の外面に露出する外部電極を構成し、
前記実装電極が前記外部電極に接続されることで、前記実装部品が前記第2基板部に実装されている、
多層基板モジュール。
【請求項2】
前記実装部品は、前記第1基板部に接触していない、
請求項1に記載の多層基板モジュール。
【請求項3】
前記実装部品は、半導体集積回路である、
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の多層基板モジュール。
【請求項4】
前記実装部品は、RFICである、
請求項3に記載の多層基板モジュール。
【請求項5】
前記第1基板部本体は、可撓性を有する、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の多層基板モジュール。
【請求項6】
前記複数の第1絶縁体層の材料は、樹脂である、
請求項5に記載の多層基板モジュール。
【請求項7】
前記複数の第2絶縁体層の材料は、セラミックである、
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の多層基板モジュール。
【請求項8】
前記複数の第2絶縁体層の材料の比誘電率は、前記複数の第1絶縁体層の材料の比誘電率より大きい、
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の多層基板モジュール。
【請求項9】
前記第1基板部は、上下方向に折り曲げられた区間を有している、
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の多層基板モジュール。
【請求項10】
前記第1基板部の上面又は下面に実装されているコネクタを更に備えている、
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の多層基板モジュール。
【請求項11】
前記第1導体層は、第1グランド導体層を含んでいる、
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の多層基板モジュール。
【請求項12】
前記第1導体層は、信号導体層及び第2グランド導体層を含んでおり、
前記信号導体層、前記第1グランド導体層及び前記第2グランド導体層は、ストリップライン構造を有している、
請求項11に記載の多層基板モジュール。
【請求項13】
前記第1導体層は、アンテナ導体層を含んでいる、
請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の多層基板モジュール。
【請求項14】
前記
フィルタ機能によりダイプレクサ
が構成されている、
請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の多層基板モジュール。
【請求項15】
前記ダイプレク
サは、ローパスフィルタ及びハイパスフィルタを含んでおり、
前記ローパスフィルタの容量成分及び前記ハイパスフィルタの容量成分は、前記第2基板部に設けられている前記第2導体層及び/又は前記第2層間接続導体により形成されている、
請求項14に記載の多層基板モジュール。
【請求項16】
前記実装
電極は
、前記第2基板部に面す
る下面にのみ設けられてい
る、
請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の多層基板モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ機能を有する多層基板モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の多層基板モジュールに関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の分岐ケーブルが知られている。分岐ケーブルは、誘電体素体及び帯域阻止フィルタを含んでいる。誘電体素体は、可撓性を有する多層基板である。帯域阻止フィルタは、多層基板に設けられている。帯域阻止フィルタは、インダクタンス成分及び容量成分を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の分岐ケーブルでは、誘電体素体は、可撓性を有している。誘電体素体が変形させられると、帯域素子フィルタの容量成分の容量値が変化する。
【0005】
そこで、本発明の目的は、フィルタ機能を有する多層基板モジュールにおいて、容量成分の変化を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る多層基板モジュールは、
インダクタンス成分及び容量成分を有するフィルタ機能を有する多層基板モジュールであって、
複数の第1絶縁体層が上下方向に積層された構造を有する第1基板部本体、及び、前記第1基板部本体に設けられている第1導体層及び/又は第1層間接続導体を含んでいる第1基板部と、
複数の第2絶縁体層が上下方向に積層された構造を有する第2基板部本体、及び、前記第2基板部本体に設けられている第2導体層及び/又は第2層間接続導体を含んでいる第2基板部であって、前記第1基板部の上面に設けられている第2基板部と、
前記第2基板部の上面又は下面に実装されている実装部品と、
を備えており、
前記インダクタンス成分の少なくとも一部は、前記第1基板部に設けられている第1導体層及び/又は第1層間接続導体により形成されており
前記容量成分は、前記第2基板部に設けられている第2導体層及び/又は第2層間接続導体により形成されており、
前記複数の第2絶縁体層の材料のヤング率は、前記複数の第1絶縁体層の材料のヤング率より大きい。
【0007】
以下に、本明細書における用語の定義について説明する。本明細書において、前後方向に延びる軸や部材は、必ずしも前後方向と平行である軸や部材だけを示すものではない。前後方向に延びる軸や部材とは、前後方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材のことである。同様に、上下方向に延びる軸や部材とは、上下方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材のことである。左右方向に延びる軸や部材とは、左右方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材のことである。
【0008】
以下では、第1部材ないし第3部材は、多層基板モジュールが備えている部材や部品等である。本明細書において、特に断りのない場合には、第1部材の各部について以下のように定義する。第1部材の前部とは、第1部材の前半分を意味する。第1部材の後部とは、第1部材の後半分を意味する。第1部材の左部とは、第1部材の左半分を意味する。第1部材の右部とは、第1部材の右半分を意味する。第1部材の上部とは、第1部材の上半分を意味する。第1部材の下部とは、第1部材の下半分を意味する。第1部材の前端とは、第1部材の前方向の端を意味する。第1部材の後端とは、第1部材の後方向の端を意味する。第1部材の左端とは、第1部材の左方向の端を意味する。第1部材の右端とは、第1部材の右方向の端を意味する。第1部材の上端とは、第1部材の上方向の端を意味する。第1部材の下端とは、第1部材の下方向の端を意味する。第1部材の前端部とは、第1部材の前端及びその近傍を意味する。第1部材の後端部とは、第1部材の後端及びその近傍を意味する。第1部材の左端部とは、第1部材の左端及びその近傍を意味する。第1部材の右端部とは、第1部材の右端及びその近傍を意味する。第1部材の上端部とは、第1部材の上端及びその近傍を意味する。第1部材の下端部とは、第1部材の下端及びその近傍を意味する。
【0009】
本明細書における任意の2つの部材を第1部材及び第2部材と定義した場合、任意の2つの部材の関係は以下のような意味になる。本明細書において、第1部材が第2部材に支持されているとは、第1部材が第2部材に対して移動不可能に第2部材に取り付けられている(すなわち、固定されている)場合、及び、第1部材が第2部材に対して移動可能に第2部材に取り付けられている場合を含む。また、第1部材が第2部材に支持されているとは、第1部材が第2部材に直接に取り付けられている場合、及び、第1部材が第3部材を介して第2部材に取り付けられている場合の両方を含む。
【0010】
本明細書において、第1部材が第2部材に固定されているとは、第1部材が第2部材に対して移動不可能に第2部材に取り付けられている場合を含み、第1部材が第2部材に対して移動可能に第2部材に取り付けられている場合を含まない。また、第1部材が第2部材に固定されているとは、第1部材が第2部材に直接に取り付けられている場合、及び、第1部材が第3部材を介して第2部材に取り付けられている場合の両方を含む。
【0011】
本明細書において、「第1部材と第2部材とが電気的に接続される」とは、第1部材と第2部材との間で直流電流が流れることができることを意味する。従って、第1部材と第2部材とが接触していてもよいし、第1部材と第2部材とが接触していなくてもよい。第1部材と第2部材とが接触していない場合には、第1部材と第2部材との間に導電性を有する第3部材が配置されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る多層基板モジュールによれば、フィルタ機能を有する多層基板モジュールにおいて、容量成分の変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、多層基板モジュール10を備える電子機器1の正面図である。
【
図2】
図2は、多層基板モジュール10が有するフィルタ機能LPFの等価回路図である。
【
図3】
図3は、多層基板モジュール10の第1基板部12の中間部の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、多層基板モジュール10の第1基板部12の左端部の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、多層基板モジュール10の第1基板部12の右端部の分解斜視図である。
【
図6】
図6は、多層基板モジュール10の第2基板部14の分解斜視図である。
【
図7】
図7は、多層基板モジュール10aが有するフィルタ機能HPFの等価回路図である。
【
図8】
図8は、多層基板モジュール10aの第1基板部12の中間部の分解斜視図である。
【
図9】
図9は、多層基板モジュール10aの第2基板部14の分解斜視図である。
【
図10】
図10は、多層基板モジュール10bの模式図である。
【
図11】
図11は、多層基板モジュール10cの等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態)
以下に、本発明の実施形態に係る多層基板モジュール10の構造について図面を参照しながら説明する。
図1は、多層基板モジュール10を備える電子機器1の正面図である。
図2は、多層基板モジュール10が有するフィルタ機能LPFの等価回路図である。
図3は、多層基板モジュール10の第1基板部12の中間部の分解斜視図である。
図4は、多層基板モジュール10の第1基板部12の左端部の分解斜視図である。
図5は、多層基板モジュール10の第1基板部12の右端部の分解斜視図である。
図6は、多層基板モジュール10の第2基板部14の分解斜視図である。
【0015】
また、本明細書において、方向を以下のように定義する。多層基板モジュール10の第1基板部12の積層方向及び第2基板部14の積層方向を上下方向と定義する。第1基板部12の長手方向を左右方向と定義する。第1基板部12の短手方向を前後方向と定義する。上下方向、左右方向及び前後方向は、互いに直交している。なお、本明細書における方向の定義は、一例である。従って、多層基板モジュール10の実使用時における方向と本明細書における方向とが一致している必要はない。
【0016】
多層基板モジュール10は、
図1に示すように、携帯電話等の電子機器1において、フロントエンドモジュールとして用いられる。より詳細には、電子機器1は、多層基板モジュール10及び回路基板100を備えている。回路基板100は、多層基板である。回路基板100は、基板本体101、コネクタ102及び実装部品104を備えている。
【0017】
基板本体101は、板形状を有している。基板本体101は、上面及び下面を有している。基板本体101は、複数の絶縁体層が上下方向に積層された構造を有している。また、基板本体101内には、配線、コイル、キャパシタ等の電気回路が導体層により形成されている。
【0018】
コネクタ102は、基板本体101の上面に実装されている。本実施形態では、コネクタ102は、同軸コネクタである。従って、コネクタ102は、高周波信号が印加される中心導体(図示せず)、及び、グランド電位に接続される外導体(図示せず)を備えている。
【0019】
実装部品104は、基板本体101の上面に実装されている。実装部品104は、例えば、半導体集積回路(IC)や電子部品等である。
【0020】
多層基板モジュール10は、
図2に示すインダクタンス成分L及び容量成分Cを有するフィルタ機能LPFを有している。本実施形態では、フィルタ機能LPFは、ローパスフィルタである。従って、フィルタ機能LPFは、カットオフ周波数以下の周波数を有する高周波信号を通過させる。多層基板モジュール10は、
図1に示すように、第1基板部12、第2基板部14、実装部品16及びコネクタ18を備えている。
【0021】
第1基板部12は、
図3、
図4及び
図5に示すように、第1基板部本体20、レジスト層22a,22b、第1導体層24a,24b,26,28,30a,30b,32,34,36,61,62,70及び第1層間接続導体v1~v3,v20~v21,v30を含んでいる。
【0022】
第1基板部本体20は、板形状を有している。第1基板部本体20は、
図3、
図4及び
図5に示すように、下方向に見て、左右方向に延びる長辺を有する長方形状を有している。従って、第1基板部本体20の左右方向の長さは、第1基板部本体20の前後方向の長さより長い。第1基板部本体20の前後方向の長さは、第1基板部本体20の上下方向の長さより長い。第1基板部本体20は、可撓性を有する。従って、第1基板部本体20は、上下方向に曲げられることができる。
【0023】
第1基板部本体20は、第1絶縁体層20a~20dが上下方向に積層された構造を有している。第1絶縁体層20a~20dは、上から下へとこの順に並ぶように積層されている。第1絶縁体層20a~20dは、可撓性を有する誘電体シートである。第1絶縁体層20a~20dの材料は、樹脂である。本実施形態では、第1絶縁体層20a~20dの材料は、ポリイミドや液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂である。第1絶縁体層20a~20dは、下方向に見て、第1基板部本体20と同じ長方形状を有している。
【0024】
レジスト層22aは、第1絶縁体層20aの上に積層されている。本明細書において、レジスト層22aは、第1基板部本体20に含まれない。レジスト層22aは、第1絶縁体層20aの上面の略全面を覆っている。レジスト層22bは、第1絶縁体層20dの下に積層されている。レジスト層22bは、第1基板部本体20に含まれない。レジスト層22bは、第1絶縁体層20dの下面の略全面を覆っている。レジスト層22a,22bは、保護層である。レジスト層22a,22bは、第1絶縁体層20a~20dの材料とは異なる材料により作製されている。
【0025】
第1導体層24a,24b,26,28,30a,30b,32,34,36,61,62,70は、第1基板部本体20に設けられている。第1導体層24a,24b,26,28,30a,30b,32,34,36,61,62,70は、例えば、第1絶縁体層20a~20dの上面又は下面に設けられた銅箔にエッチングが施されることにより形成されている。
【0026】
第1層間接続導体v1~v3,v20~v21,v30は、第1基板部本体20に設けられている。第1層間接続導体v1~v3,v20~v21,v30は、ビアホール導体である。第1層間接続導体v1~v3,v20~v21,v30は、例えば、第1絶縁体層20a~20dに設けられた貫通孔に銀等の金属及び樹脂を含む導電性ペーストが充填され、導電性ペーストが加熱により固化されることにより形成される。このとき、第1層間接続導体v1~v3,v20~v21,v30には、樹脂が残存している。
【0027】
次に、第1基板部12の中間部の詳細について
図3を参照しながら説明する。第1導体層24a,24bは、信号導体層である。従って、第1導体層24a,24bには、高周波信号が伝送される。第1導体層24a,24bは、第1絶縁体層20cの上面に設けられている。第1導体層24a,24bは、下方向に見て、線形状を有している。第1導体層24a,24bは、第1絶縁体層20cの前後方向の中央において、左右方向に延びている。第1導体層24aと第1導体層24bとは、物理的に接続されていない。本明細書において、物理的に接続されるとは、2つの部材が接触していることを意味する。本明細書において、物理的に接続されていないとは、2つの部材が離れていることを意味する。第1導体層24bの左端は、第1導体層24aの右端の右に位置している。本明細書において、「第1導体層24bの左端は、第1導体層24aの右端の右に位置している。」とは、以下の状態を指す。第1導体層24bの左端の少なくとも一部は、第1導体層24a
の右端が右方向に平行移動するときに通過する領域内に配置されている。よって、第1導体層24bの左端は、第1導体層24aの右端が右方向に平行移動するときに通過する領域内に収まっていてもよいし、第1導体層24aの右端が右方向に平行移動するときに通過する領域から突出していてもよい。本実施形態では、第1導体層24bの左端は、第1導体層24aの右端が右方向に平行移動するときに通過する領域内に収まっている。
【0028】
第1導体層26は、第1グランド導体層である。従って、第1導体層26には、グランド電位が接続される。第1導体層26は、第1絶縁体層20aの上面に設けられている。第1導体層26は、第1絶縁体層20aの上面の略全面を覆っている。これにより、第1導体層26は、下方向に見て、第1導体層24a,24bと重なっている。ただし、第1導体層26には、開口Op2,Op3が設けられている。開口Op2,Op3は、導体層が設けられていない領域である。開口Op2,Op3は、下方向に見て、長方形状を有している。開口Op3は、開口Op2の右に配置されている。
【0029】
第1導体層28は、第2グランド導体層である。従って、第1導体層28には、グランド電位が接続される。第1導体層28は、第1絶縁体層20dの下面に設けられている。第1導体層28は、第1絶縁体層20dの下面の略全面を覆っている。これにより、第1導体層28は、下方向に見て、第1導体層24a,24bと重なっている。信号導体層である第1導体層24a,24b、第1グランド導体層である第1導体層26及び第2グランド導体層である第1導体層28は、ストリップライン構造を有している。ただし、第1導体層28には、開口Op1が設けられている。開口Op1は、導体層が設けられていない領域である。開口Op1は、下方向に見て、長方形状を有している。開口Op1は、下方向に見て、開口Op2と一致した状態で重なっている。
【0030】
図2のインダクタンス成分Lは、第1基板部12に設けられている第1導体層30a,30b及び第1層間接続導体v1,v2により形成されている。第1導体層30aは、第1絶縁体層20bの上面に設けられている。第1導体層30bは、第1絶縁体層20cの上面に設けられている。第1導体層30a及び第1導体層30bは、下方向に見て、互いに重なることにより長方形状の軌道を形成している。以下では、第1導体層30a,30bの時計回り方向の上流側の端部を第1導体層30a,30bの上流端部と定義する。第1導体層30a,30bの時計回り方向の下流側の端部を第1導体層30a,30bの下流端部と定義する。第1導体層30aの上流端部は、下方向に見て、第1導体層30bの下流端部と重なっている。第1導体層30bの上流端部は、第1導体層24aの右端に接続されている。また、第1導体層30a,30bは、下方向に見て、開口Op1,Op2と重なっている。これにより、第1導体層30a,30bは、下方向に見て、第1グランド導体層である第1導体層26及び第2グランド導体層である第1導体層28と重なっていない。よって、第1導体層30a,30bと第1導体層26との間、及び、第1導体層30a,30bと第1導体層28との間に容量が形成されることが抑制されている。
【0031】
第1層間接続導体v1は、第1絶縁体層20bを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v1は、第1導体層30aの上流端部と第1導体層30bの下流端部とを接続している。これにより、第1導体層30a,30bは、第1層間接続導体v1を介して直列接続されている。
【0032】
第1導体層32は、外部電極である。従って、第1導体層32には、高周波信号が入出力する。第1導体層32は、第1絶縁体層20aの上面に設けられている。第1導体層32は、下方向に見て、第1導体層30aの下流端部と重なっている。第1導体層32は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0033】
第1層間接続導体v2は、第1絶縁体層20aを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v2は、第1導体層30aの下流端部と第1導体層32とを接続している。このように、第1導体層30a,30b及び第1層間接続導体v1,v2は、上下方向に延びる中心軸線を有する螺旋形状を有している。すなわち、第1導体層30a,30b及び第1層間接続導体v1,v2は、コイルである。
【0034】
第1導体層34は、外部電極である。従って、第1導体層34には、高周波信号が入出力する。第1導体層34は、第1絶縁体層20aの上面に設けられている。第1導体層34は、第1導体層32の右に配置されている。第1導体層34は、下方向に見て、第1導体層24bの左端部と重なっている。第1導体層34は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0035】
第1導体層36は、接続導体層である。第1導体層36は、第1絶縁体層20bの上面に設けられている。第1導体層36は、下方向に見て、第1導体層24bの左端部及び第1導体層34と重なっている。第1導体層36は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0036】
第1層間接続導体v3は、第1絶縁体層20a,20bを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v3は、第1導体層34と第1導体層36と第1導体層24bの左端部とを接続している。
【0037】
ところで、レジスト層22aには、
図3に示すように、開口Op4,Op5,Op6が設けられている。開口Op4は、下方向に見て、第1導体層32と重なっている。開口Op5は、下方向に見て、電極部26aと重なっている。電極部26aは、第1導体層26において、第1導体層32と第1導体層34との間に位置する部分である。電極部26aには、グランド電位が接続される。開口Op6は、下方向に見て、第1導体層34と重なっている。これにより、第1導体層32,34及び電極部26aは、第1基板部12から外部に露出している。
【0038】
次に、第1基板部12の左端部の詳細について
図4を参照しながら説明する。第1導体層61は、アンテナ導体層である。従って、第1導体層61は、高周波信号の電磁波を送信及び/又は受信するアンテナとして機能する。第1導体層61は、第1絶縁体層20aの上面に設けられている。第1導体層61は、下方向に見て、四角形
状の環状の一部が切り欠かれた形状を有している。
【0039】
複数の第1導体層62は、整合回路を形成している。複数の第1導体層62は、第1絶縁体層20dの下面に設けられている。ただし、複数の第1導体層62の構造には、多数のバリエーションが存在する。また、整合回路の詳細は、本発明の本質部分ではない。従って、複数の第1導体層62については、その詳細の図示を省略し、長方形で示した。なお、複数の第1導体層62は、図示しないチップ部品と共に整合回路を形成していてもよい。また、アンテナ導体層である第1導体層61がパッチアンテナである場合には、整合回路を形成する複数の第1導体層62は不要である。
【0040】
第1層間接続導体v20は、第1絶縁体層20a~20dを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v20は、アンテナ導体層である第1導体層61と整合回路である第1導体層62とを接続している。第1層間接続導体v21は、第1絶縁体層20c,20dを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v21は、整合回路である第1導体層62と信号導体層である第1導体層24aの左端部とを接続している。これにより、アンテナ導体層である第1導体層61は、信号導体層である第1導体層24aと電気的に接続されている。
【0041】
次に、第1基板部12の右端部の詳細について
図5を参照しながら説明する。第1導体層70は、外部電極である。従って、第1導体層70には、高周波信号が入出力する。第1導体層70は、第1絶縁体層20dの下面に設けられている。第1導体層70は、下方向に見て、第1導体層24bの右端部と重なっている。第1導体層70は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0042】
第1層間接続導体v30は、第1絶縁体層20c,20dを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v30は、第1導体層24bの右端部と第1導体層70とを接続している。
【0043】
レジスト層22bには、開口Op11~Op13が設けられている。開口Op11は、下方向に見て、第1導体層70と重なっている。これにより、第1導体層70は、第1基板部12から外部に露出している。開口Op12,Op13は、下方向に見て、第1導体層28と重なっている。これにより、第1導体層28は、第1基板部12から外部に露出している。
【0044】
次に、第2基板部14の詳細について
図6を参照しながら説明する。第2基板部14は、第1基板部12の上面に設けられている。第2基板部14は、第2基板部本体40、第2導体層42a,42b,44,46,48,50,52,54,
56,58,60及び第2層間接続導体v10~v14を含んでいる。
【0045】
第2基板部本体40は、板形状を有している。第2基板部本体40は、
図6に示すように、下方向に見て、左右方向に延びる長辺を有する長方形状を有している。従って、第2基板部本体40の左右方向の長さは、第2基板部本体40の前後方向の長さより長い。第2基板部本体40の前後方向の長さは、第2基板部本体40の上下方向の長さより長い。
【0046】
第2基板部本体40は、第2絶縁体層40a~40dが上下方向に積層された構造を有している。第2絶縁体層40a~40dは、上から下へとこの順に並ぶように積層されている。第2絶縁体層40a~40dは、セラミックシートである。第2絶縁体層40a~40dの材料は、セラミックである。本実施形態では、第2絶縁体層40a~40dの材料は、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)である。第2絶縁体層40a~40dは、下方向に見て、第2基板部本体40と同じ長方形状を有している。
【0047】
ここで、第2絶縁体層40a~40dの材料のヤング率は、第1絶縁体層20a~20dの材料のヤング率より大きい。第2絶縁体層40a~40dの材料のヤング率は、例えば、100GPaである。第1絶縁体層20a~20dの材料のヤング率は、例えば、5GPaである。これにより、第2基板部本体40は、第1基板部本体20より曲がりにくい。更に、第2絶縁体層40a~40dの材料の比誘電率は、第1絶縁体層20a~20dの材料の比誘電率より大きい。
【0048】
第2導体層42a,42b,44,46,48,50,52,54,58,60は、第2基板部本体40に設けられている。第2導体層42a,42b,44,46,48,50,52,54,56,58,60は、例えば、第2絶縁体層40a~40dの上面又は下面に導体層が印刷されることにより形成されている。
【0049】
第2層間接続導体v10~v14は、第2基板部本体40に設けられている。第2層間接続導体v10~v14は、ビアホール導体である。第2層間接続導体v10~v14は、例えば、第2絶縁体層40a~40dに設けられた貫通孔に銀等の金属及び樹脂を含む導電性ペーストが充填され、導電性ペーストが加熱により焼結されることにより形成される。なお、貫通孔への導電性ペーストの充填は、例えば、第2導体層42a,42b,44,46,48,50,52,54,56,58,60の導電性ペーストの印刷と同時に行われる。
【0050】
次に、第2基板部14についてより詳細に説明する。
図2の容量成分Cは、第2基板部14に設けられている第2導体層42a,42bにより形成されている。第2導体層42aは、第2絶縁体層40bの下面に設けられている。第2導体層42bは、第2絶縁体層40cの下面に設けられている。第2導体層42a及び第2導体層42bは、下方向に見て、互いに重なっている。ただし、第2導体層42aと第2導体層42bとの間には、第2絶縁体層40cが設けられている。これにより、第2導体層42a,42bは、キャパシタを形成している。
【0051】
多層基板モジュール10では、フィルタ機能を有する多層基板モジュール10において、容量成分Cの変化を抑制できる。より詳細には、第2基板部14の第2絶縁体層40a~40dの材料のヤング率は、第1基板部12の第1絶縁体層20a~20dの材料のヤング率より大きい。そのため、第2基板部14は、第1基板部12に比べて変形しにくい。そこで、
図2の容量成分Cは、第2基板部14に設けられている第2導体層42a,42bにより形成されている。すなわち、
図2の容量成分Cは、第1基板部12に設けられていない。これにより、第1基板部12が上下方向に曲げられても、容量成分Cを形成する第2導体層42a,42bが変形しにくい。その結果
、フィルタ機能を有する多層基板モジュール10において、容量成分Cの変化を抑制できる。よって、フィルタ機能LPFが有するカットオフ周波数の変動が抑制される。
【0052】
また、多層基板モジュール10では、容量成分Cの容量値を大きくすることができる。より詳細には、第2絶縁体層40a~40dの材料の比誘電率は、第1絶縁体層20a~20dの材料の比誘電率より大きい。第2導体層42a,42bは、大きな比誘電率を有する第2絶縁体層40cを挟むことによりキャパシタを形成している。よって、容量成分Cの容量値が大きくなる。
【0053】
第2導体層44は、外部電極である。従って、第2導体層44には、高周波信号が入出力する。第2導体層44は、第2絶縁体層40dの下面に設けられている。第2導体層44は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0054】
第2導体層46は、接続導体層である。第2導体層46は、第2絶縁体層40cの下面に設けられている。第2導体層46は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層46は、下方向に見て、第2導体層44と重なっている。
【0055】
第2導体層48は、接続導体層である。第2導体層48は、第2絶縁体層40bの下面に設けられている。第2導体層48は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層48の後部は、下方向に見て、第2導体層44と重なっている。第2導体層48は、第2導体層42aと物理的に接続されている。
【0056】
第2層間接続導体v10は、第2絶縁体層40c,40dを上下方向に貫通している。第2層間接続導体v10は、第2導体層44と第2導体層46と第2導体層48とを接続している。
【0057】
第2導体層50は、外部電極である。従って、第2導体層50には、高周波信号が入出力する。第2導体層50は、第2絶縁体層40aの上面に設けられている。第2導体層50は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層50は、下方向に見て、第2導体層48の前部と重なっている。
【0058】
第2層間接続導体v11は、第2絶縁体層40aを上下方向に貫通している。第2層間接続導体v11は、第2導体層48と第2導体層50とを接続している。
【0059】
第2導体層58は、外部電極である。従って、第2導体層58には、高周波信号が入出力する。第2導体層58は、第2絶縁体層40dの下面に設けられている。第2導体層58は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層58は、下方向に見て、第2導体層42bと重なっている。
【0060】
第2層間接続導体v14は、第2絶縁体層40dを上下方向に貫通している。第2層間接続導体v14は、第2導体層42bと第2導体層58とを接続している。
【0061】
第2導体層60は、外部電極である。従って、第2導体層60には、高周波信号が入出力する。第2導体層60は、第2絶縁体層40dの下面に設けられている。第2導体層60は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0062】
第2導体層56は、接続導体層である。第2導体層56は、第2絶縁体層40cの下面に設けられている。第2導体層56は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層56は、下方向に見て、第2導体層60と重なっている。
【0063】
第2導体層54は、接続導体層である。第2導体層54は、第2絶縁体層40bの下面に設けられている。第2導体層54は、下方向に見て、L字形状を有している。第2導体層54は、第1端部及び第2端部を有している。第2導体層54の第1端部は、下方向に見て、第2導体層56と重なっている。
【0064】
第2層間接続導体v13は、第2絶縁体層40c,40dを上下方向に貫通している。第2層間接続導体v13は、第2導体層54の第1端部と第2導体層56と第2導体層60とを接続している。
【0065】
第2導体層52は、外部電極である。従って、第2導体層52には、高周波信号が入出力する。第2導体層52は、第2絶縁体層40aの上面に設けられている。第2導体層52は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層52は、下方向に見て、第2導体層54の第2端部と重なっている。
【0066】
第2層間接続導体v12は、第2絶縁体層40a,40bを上下方向に貫通している。第2層間接続導体v12は、第2導体層52と第2導体層54の第2端部とを接続している。
【0067】
以上のように構成された第2基板部14は、第1基板部12の上面に実装されている。具体的には、第2導体層44は、はんだにより第1導体層32に固定される。第2導体層58は、はんだにより電極部26aに固定される。第2導体層60は、はんだにより第1導体層34に固定される。
【0068】
実装部品16は、半導体集積回路である。本実施形態では、実装部品16は、RFICである。ただし、実装部品16は、例えば、表面弾性波フィルタであってもよい。実装部品16は、第2基板部14の上面又は下面に実装されている。本実施形態では、実装部品16は、
図1に示すように、第2基板部14の上面に実装されている。実装部品16は、第1基板部12に接触していない。
【0069】
より詳細には、実装部品16は、
図1に示すように、実装部品本体80及び実装電極82,84を備えている。実装部品本体80は、板形状を有している。実装部品本体80は、上面及び下面を有している。実装部品本体80の下面は、第2基板部14に面している。実装電極82,84は、実装部品本体80の下面のみに設けられている。従って、実装部品本体80の下面以外の面には、実装電極が設けられていない。実装電極82,84はそれぞれ、はんだにより第2導体層50,52に固定されている。
【0070】
多層基板モジュール10では、第1基板部12、第2基板部14及び実装部品16の接続信頼性を向上させることができる。より詳細には、第1基板部12の第1基板部本体20の材料は樹脂である。実装部品16は半導体集積回路である。そのため、第1基板部12の外部電極の形成精度と、実装部品16の外部電極の形成精度とは大きく異なる。実装部品16の外部電極の形成精度は、第1基板部12の外部電極の形成精度より高い。この場合、実装部品16を第1基板部12に直接に実装することは難しい。そこで、第2基板部14の第2基板部本体40の材料はセラミックである。この場合、第2基板部14の外部電極の形成精度は、第1基板部12の外部電極の形成精度より高く、実装部品16の外部電極の形成精度より低い。これにより、実装部品16を第2基板部14に実装することが可能となる。第2基板部14を第1基板部12に実装することが容易になる。このように、第2基板部14は、インターポーザとして利用される。以上より、多層基板モジュール10では、第1基板部12、第2基板部14及び実装部品16の接続信頼性を向上させることができる。
【0071】
以上のような多層基板モジュール10では、
図2に示すフィルタ機能LPFが形成されている。より詳細には、インダクタンス成分Lを形成する第1導体層30a,30bは、信号導体である第1導体層24aに接続されている。また、インダクタンス成分Lを形成する第1導体層30a,30bは、第1導体層32、第2導体層44,50、実装部品16、第2導体層52、第2導体層60及び第1導体層34を介して、信号導体である第1導体層24bに接続されている。従って、信号導体層である第1導体層24a、インダクタンス成分L及び信号導体層である第1導体層24bは、この順に直列に接続されている。
【0072】
また、インダクタンス成分Lを形成する第1導体層30a,30bは、第1導体層32及び第2導体層44を介して、容量成分Cを形成する第2導体層42aに電気的に接続される。また、容量成分Cを形成する第2導体層42bは、第2導体層58及び電極部26aを介して、グランド電位に接続されている第1導体層26に接続される。以上のような接続関係が成立することにより、
図2に示すフィルタ機能LPFが形成されている。
【0073】
コネクタ18は、
図1に示すように、第1基板部12の上面又は下面に実装されている。本実施形態では、コネクタ18は、第1基板部12の下面に実装されている。コネクタ18は、第1基板部12の右端部に実装されている。本実施形態では、コネクタ18は、同軸コネクタである。従って、コネクタ18は、高周波信号が印加される中心導体(図示せず)、及び、グランド電位に接続される外導体(図示せず)を備えている。コネクタ18の中心導体は、はんだにより第1導体層70に固定される。コネクタ18の外導体は、はんだにより第1導体層28に固定される。
【0074】
コネクタ18は、コネクタ102に接続されている。これにより、多層基板モジュール10は、回路基板100と電気的に接続されている。
【0075】
また、多層基板モジュール10は、回路基板100の上面に沿って左右方向に延びている。ただし、実装部品104は、基板本体101の上面に設けられている。そのため、多層基板モジュール10の第1基板部12は、実装部品104の右面、上面及び左面に沿っている。そのため、第1基板部12は、4か所において折り曲げられている。このように、第1基板部12は、上下方向に折り曲げられた区間を有している。
【0076】
(第1の変形例)
以下に、第1の変形例に係る多層基板モジュール10aの構造について図面を参照しながら説明する。
図7は、多層基板モジュール10aが有するフィルタ機能HPFの等価回路図である。
図8は、多層基板モジュール10aの
第1基板部12の分解斜視図である。
図9は、多層基板モジュール10aの第2基板部14の分解斜視図である。
【0077】
多層基板モジュール10aは、
図2に示すフィルタ機能LPFの代わりに
図7に示すフィルタ機能HPFを有している点において、多層基板モジュール10と相違する。フィルタ機能HPFは、ハイパスフィルタである。従って、フィルタ機能HPFは、カットオフ周波数以上の周波数を有する高周波信号を通過させる。フィルタ機能HPFは、
図7に示すように、インダクタンス成分L及び容量成分Cを有している。以下に、かかる相違点を中心に多層基板モジュール10aについて説明する。
【0078】
第1基板部12の中間部の詳細について
図8を参照しながら説明する。第1導体層124a,124bは、信号導体層である。従って、第1導体層124a,124bには、高周波信号が伝送される。第1導体層124a,124bは、第1絶縁体層20cの上面に設けられている。第1導体層124a,124bは、下方向に見て、線形状を有している。第1導体層124a,124bは、第1絶縁体層20cの前後方向の中央において、左右方向に延びている。第1導体層124aと第1導体層124bとは、物理的に接続されていない。第1導体層124bの左端は、第1導体層124aの右端の右に位置している。
【0079】
第1導体層126は、第1グランド導体層である。従って、第1導体層126には、グランド電位が接続される。第1導体層126は、第1絶縁体層20aの上面に設けられている。第1導体層126は、第1絶縁体層20aの上面の略全面を覆っている。これにより、第1導体層126は、下方向に見て、第1導体層124a,124bと重なっている。ただし、第1導体層126には、開口Op17が設けられている。開口Op17は、導体層が設けられていない領域である。開口Op17は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0080】
第1導体層128は、第2グランド導体層である。従って、第1導体層128には、グランド電位が接続される。第1導体層128は、第1絶縁体層20dの下面に設けられている。第1導体層128は、第1絶縁体層20dの下面の略全面を覆っている。これにより、第1導体層128は、下方向に見て、第1導体層124a,124bと重なっている。信号導体層である第1導体層124a,124b、第1グランド導体層である第1導体層126及び第2グランド導体層である第1導体層128は、ストリップライン構造を有している。ただし、第1導体層128には、開口Op18が設けられている。開口Op18は、導体層が設けられていない領域である。開口Op18は、下方向に見て、長方形状を有している。開口Op18は、下方向に見て、開口Op17と一致した状態で重なっている。
【0081】
第1導体層132は、接続導体層である。第1導体層132は、第1絶縁体層20bの上面に設けられている。第1導体層132は、下方向に見て、第1導体層124aの右端部と重なっている。第1導体層132は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0082】
第1導体層134は、外部電極である。従って、第1導体層134には、高周波信号が入出力する。第1導体層134は、第1絶縁体層20aの上面に設けられている。第1導体層134は、下方向に見て、第1導体層124aの右端部と重なっている。第1導体層134は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0083】
第1層間接続導体v101は、第1絶縁体層20a,20bを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v101は、第1導体層124aの右端部と第1導体層132と第1導体層134とを接続している。
【0084】
図7のインダクタンス成分Lは、第1基板部12に設けられている第1導体層130a,130b及び第1層間接続導体v102,v103により形成されている。第1導体層130aは、第1絶縁体層20bの上面に設けられている。第1導体層130bは、第1絶縁体層20cの上面に設けられている。第1導体層130a及び第1導体層130bは、下方向に見て、互いに重なることにより長方形状の軌道を形成している。以下では、第1導体層130a,130bの時計回り方向の上流側の端部を上流端部と定義する。第1導体層130a,130bの時計回り方向の下流側の端部を下流端
部と定義する。第1導体層130aの下流端
部は、下方向に見て、第1導体層130bの上流端部と重なっている。また、第1導体層130a,130bは、下方向に見て、開口Op17,Op18と重なっている。これにより、第1導体層130a,130bは、下方向に見て、第1グランド導体層である第1導体層126及び第2グランド導体層である第1導体層128と重なっていない。よって、第1導体層130a,130bと第1導体層126との間、及び、第1導体層130a,130bと第1導体層128との間に容量が形成されることが抑制されている。
【0085】
第1層間接続導体v103は、第1絶縁体層20bを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v103は、第1導体層130aの下流端部と第1導体層130bの上流端部とを接続している。これにより、第1導体層130a及び第1導体層130bは、第1層間接続導体v103を介して直列接続されている。
【0086】
第1導体層136は、外部電極である。従って、第1導体層136には、高周波信号が入出力する。第1導体層136は、第1絶縁体層20aの上面に設けられている。第1導体層136は、下方向に見て、第1導体層130aの上流端部と重なっている。第1導体層136は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0087】
第1層間接続導体v102は、第1絶縁体層20aを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v102は、第1導体層130aの上流端部と第1導体層136とを接続している。このように、第1導体層130a,130b及び第1層間接続導体v102,v103は、上下方向に延びる中心軸線を有する螺旋形状を有している。すなわち、第1導体層130a,130b及び第1層間接続導体v102,v103は、コイルである。
【0088】
第1層間接続導体v104は、第1絶縁体層20c,20dを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v104は、第1導体層130bの下流端部と第1導体層128とを接続している。
【0089】
第1導体層138は、外部電極である。従って、第1導体層138には、高周波信号が入出力する。第1導体層138は、第1絶縁体層20aの上面に設けられている。第1導体層138は、第1導体層136の右に配置されている。第1導体層138は、下方向に見て、第1導体層124bの左端部と重なっている。第1導体層138は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0090】
第1導体層140は、接続導体層である。第1導体層140は、第1絶縁体層20bの上面に設けられている。第1導体層140は、下方向に見て、第1導体層124bの左端部及び第1導体層138と重なっている。第1導体層140は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0091】
第1層間接続導体v105は、第1絶縁体層20a,20bを上下方向に貫通している。第1層間接続導体v105は、第1導体層138と第1導体層140と第1導体層124bの左端部とを接続している。
【0092】
ところで、レジスト層22aには、
図8に示すように、開口Op21,Op22,Op23が設けられている。開口Op21は、下方向に見て、第1導体層134と重なっている。開口Op22は、下方向に見て、第1導体層136と重なっている。開口Op23は、下方向に見て、第1導体層138と重なっている。これにより、第1導体層134,136,138は、第1基板部12から外部に露出している。
【0093】
なお、多層基板モジュール10aの第1基板部12の左端部及び右端部は、多層基板モジュール10の第1基板部12の左端部及び右端部と同じ構造を有する。従って、多層基板モジュール10aの第1基板部12の左端部及び右端部の説明を省略する。
【0094】
次に、第2基板部14の詳細について
図9を参照しながら説明する。第2基板部14は、第1基板部12の上面に設けられている。第2基板部14は、第2基板部本体40、第2導体層142a,142b,144,146,148,150,152,154,
156,158,160及び第2層間接続導体v110~v112を含んでいる。
【0095】
多層基板モジュール10aの第2基板部本体40は、多層基板モジュール10の第2基板部本体40と同じである。従って、多層基板モジュール10aの第2基板部本体40の説明を省略する。
【0096】
第2導体層142a,142b,144,146,148,150,152,154,158,160は、第2基板部本体40に設けられている。第2導体層142a,142b,144,146,148,150,152,154,158,160は、例えば、第2絶縁体層40a~40dの上面又は下面に導体層が印刷されることにより形成されている。
【0097】
第2層間接続導体v110~v112は、第2基板部本体40に設けられている。第2層間接続導体v110~v112は、ビアホール導体である。第2層間接続導体v110~v112は、例えば、第2絶縁体層40a~40dに設けられた貫通孔に銀等の金属及び樹脂を含む導電性ペーストが充填され、導電性ペーストが加熱により固化されることにより形成される。
【0098】
次に、第2基板部14についてより詳細に説明する。図7の容量成分Cは、第2基板部14に設けられている第2導体層142a,142bにより形成されている。第2導体層142aは、第2絶縁体層40bの下面に設けられている。第2導体層142bは、第2絶縁体層40cの下面に設けられている。第2導体層142a及び第2導体層142bは、下方向に見て、互いに重なっている。ただし、第2導体層142aと第2導体層142bとの間には、第2絶縁体層40cが設けられている。これにより、第2導体層142a,142bは、キャパシタを形成している。
【0099】
第2導体層144は、外部電極である。従って、第2導体層144には、高周波信号が入出力する。第2導体層144は、第2絶縁体層40dの下面に設けられている。第2導体層144は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層144は、下方向に見て、第2導体層142bと重なっている。
【0100】
第2層間接続導体v110は、第2絶縁体層40dを上下方向に貫通している。第2層間接続導体v110は、第2導体層142bと第2導体層144とを接続している。
【0101】
第2導体層152は、外部電極である。従って、第2導体層152には、高周波信号が入出力する。第2導体層152は、第2絶縁体層40dの下面に設けられている。第2導体層152は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0102】
第2導体層150は、接続導体層である。第2導体層150は、第2絶縁体層40cの下面に設けられている。第2導体層150は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層150は、下方向に見て、第2導体層152と重なっている。
【0103】
第2導体層146は、接続導体層である。第2導体層146は、第2絶縁体層40bの下面に設けられている。第2導体層146は、線形状を有している。第2導体層146は、第3端部及び第4端部を有している。第2導体層146の第3端部は、第2導体層142aに接続されている。第2導体層146の第4端部は、下方向に見て、第2導体層150,152と重なっている。
【0104】
第2導体層148は、外部電極である。従って、第2導体層148には、高周波信号が入出力する。第2導体層148は、第2絶縁体層40aの上面に設けられている。第2導体層148は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層148は、下方向に見て、第2導体層146の第4端部、第2導体層150及び第2導体層152と重なっている。
【0105】
第2層間接続導体v111は、第2絶縁体層40a~40dを上下方向に貫通している。第2層間接続導体v111は、第2導体層146の第4端部と第2導体層148と第2導体層150と第2導体層152とを接続している。
【0106】
第2導体層160は、外部電極である。従って、第2導体層160には、高周波信号が入出力する。第2導体層160は、第2絶縁体層40dの下面に設けられている。第2導体層160は、下方向に見て、長方形状を有している。
【0107】
第2導体層158は、接続導体層である。第2導体層158は、第2絶縁体層40cの下面に設けられている。第2導体層158は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層158は、下方向に見て、第2導体層160と重なっている。
【0108】
第2導体層156は、接続導体層である。第2導体層156は、第2絶縁体層40bの下面に設けられている。第2導体層156は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層156は、下方向に見て、第2導体層158,160と重なっている。
【0109】
第2導体層154は、外部電極である。従って、第2導体層154には、高周波信号が入出力する。第2導体層154は、第2絶縁体層40aの上面に設けられている。第2導体層154は、下方向に見て、長方形状を有している。第2導体層154は、下方向に見て、第2導体層156,158,160と重なっている。
【0110】
第2層間接続導体v112は、第2絶縁体層40a~40dを上下方向に貫通している。第2層間接続導体v112は、第2導体層154と第2導体層156と第2導体層158と第2導体層160とを接続している。
【0111】
以上のように構成された第2基板部14は、第1基板部12の上面に実装されている。具体的には、第2導体層144は、はんだにより第1導体層134に固定される。第2導体層152は、はんだにより第1導体層136に固定される。第2導体層160は、はんだにより第1導体層138に固定される。
【0112】
多層基板モジュール10aの実装部品16は、多層基板モジュール10の実装部品16と同じである。従って、多層基板モジュール10aの実装部品16の説明を省略する。
【0113】
以上のような多層基板モジュール10aでは、
図7に示すフィルタ機能HPFが形成されている。より詳細には、容量成分Cを形成する第2導体層142bは、第1導体層134及び第2導体層144を介して、信号導体である第1導体層124aに接続されている。また、容量成分Cを形成する第2導体層142aは、第2導体層148、実装部品16、第2導体層154,160及び第1導体層138を介して、信号導体である第1導体層124bに接続されている。従って、信号導体層である第1導体層124a、容量成分C及び信号導体層である第1導体層124bは、この順に直列に接続されている。
【0114】
また、インダクタンス成分Lを形成する第1導体層130a,130bは、第1導体層136及び第2導体層152を介して、容量成分Cを形成する第2導体層142aに電気的に接続される。インダクタンス成分Lを形成する第1導体層130a,130bは、グランド電位に接続されている第1導体層128に電気的に接続される。以上のような接続関係が成立することにより、
図7に示すフィルタ機能HPFが形成されている。
【0115】
多層基板モジュール10aのコネクタ18は、多層基板モジュール10のコネクタ18と同じである。従って、多層基板モジュール10aのコネクタ18の説明を省略する。
【0116】
(第2の変形例)
以下に、第2の変形例に係る多層基板モジュール10bの構造について図面を参照しながら説明する。
図10は、多層基板モジュール10bの模式図である。
【0117】
多層基板モジュール10bは、実装部品16が第2基板部14の下面に設けられている点において、多層基板モジュール10と相違する。より詳細には、第1基板部12の上面には窪みGが設けられている。第2基板部14は、窪みGを塞ぐように、第1基板部12の上面に実装されている。実装部品16は、第2基板部14の下面に実装されている。これにより、実装部品16は、窪みG内に収容されている。このとき、実装部品16は、窪みGの内周面に接触していない。従って、実装部品16は、第1基板部12に接触していない。このような多層基板モジュール10bでは、多層基板モジュール10bの上下方向の高さを低くすることができる。
【0118】
(第3の変形例)
以下に、第3の変形例に係る多層基板モジュール10cの構造について図面を参照しながら説明する。
図11は、多層基板モジュール10cの等価回路図である。
【0119】
多層基板モジュール10cは、ダイプレクサとして用いられる。従って、多層基板モジュール10cは、1本の第1信号経路S1が第2信号経路S2及び第3信号経路S3に分岐した構造を有する。多層基板モジュール10cのフィルタ機能は、ローパスフィルタ及びハイパスフィルタを含んでいる。ローパスフィルタは、第2信号経路S2に設けられている。ハイパスフィルタは、第3信号経路S3に設けられている。ローパスフィルタの容量成分C1及びハイパスフィルタの容量成分C2は、第2基板部14に設けられている第2導体層及び/又は第2層間接続導体により形成されている。これにより、容量成分C1の容量値及び容量成分C2の容量値が変化することが抑制される。その結果、ローパスフィルタのカットオフ周波数及びハイパスフィルタのカットオフ周波数が変動することが抑制される。
【0120】
(その他の実施形態)
本発明に係る信号伝送線路は、多層基板モジュール10,10a~10cに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。また、多層基板モジュール10,10a~10cの構成を組み合わせることが可能である。
【0121】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、インダクタンス成分L,L1,L2の全体が第1基板部12に設けられていなくてもよい。すなわち、インダクタンス成分L,L1,L2の少なくとも一部が第1基板部12に設けられていればよい。
【0122】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、インダクタンス成分L,L1,L2は、第1導体層及び/又は第1層間接続導体により形成されていればよい。従って、インダクタンス成分L,L1,L2は、第1導体層により形成されていてもよいし、第1層間接続導体により形成されていてもよいし、第1導体層及び第1層間接続導体の組み合わせにより形成されていてもよい。
【0123】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、容量成分C,C1,C2は、第2導体層及び/又は第2層間接続導体により形成されていればよい。従って、容量成分C,C1,C2は、第2導体層により形成されていてもよいし、第2層間接続導体により形成されていてもよいし、第2導体層及び第2層間接続導体の組み合わせにより形成されていてもよい。
【0124】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、第1基板部12は、第1導体層及び/又は第1層間接続導体を含んでいればよい。従って、第1基板部12は、第1導体層を含んでいてもよいし、第1層間接続導体を含んでいてもよいし、第1導体層及び第1層間接続導体を含んでいてもよい。
【0125】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、第2基板部14は、第2導体層及び/又は第2層間接続導体を含んでいればよい。従って、第2基板部14は、第2導体層を含んでいてもよいし、第2層間接続導体を含んでいてもよいし、第2導体層及び第2層間接続導体を含んでいてもよい。
【0126】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、実装部品16は、第1基板部12に接触していてもよい。
【0127】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、第2絶縁体層40a~40dの材料は、セラミック以外の材料であってもよい。セラミック以外の材料は、例えば、ガラスエポキシ等である。
【0128】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、第1基板部12の上面に加えて第1基板部12の下面にも第2基板部が設けられてもよい。この場合、2つの第2基板部は、下方向に見て、重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。
【0129】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、第2絶縁体層40a~40dの材料の比誘電率は、第1絶縁体層20a~20dの材料の比誘電率以下であってもよい。
【0130】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、コネクタ18は、必須の構成ではない。
【0131】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、第1導体層は、第1グランド導体層、第2グランド導体層及び信号導体層の内の少なくとも一つを含んでいなくてもよい。
【0132】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、第1導体層は、アンテナ導体層を含んでいなくてもよい。この場合、多層基板モジュール10,10a~10cは、フロントエンドモジュールとしてではなく、例えば、2つの回路基板を接続する信号伝送線路として用いられる。
【0133】
なお、多層基板モジュール10,10a~10cにおいて、実装部品16は、第2基板部14に面する上面又は下面以外の面に設けられた実装電極を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1:電子機器
10,10a~10c:多層基板モジュール
12:第1基板部
14:第2基板部
16,104:実装部品
18,102:コネクタ
20:第1基板部本体
20a~20d:第1絶縁体層
22a,22b:レジスト層
24a,24b,26,28,30a,30b,32,34,36,61,62,70,124a,124b,126,128,130a,130b,132,134,136,138,140:第1導体層
26a:電極部
40:第2基板部本体
40a~40d:第2絶縁体層
42a,42b,44,46,48,50,52,54,56,58,60,142a,142b,144,146,148,150,152,154,156,158,160:第2導体層
80:実装部品本体
82,84:実装電極
100:回路基板
101:基板本体
C,C1,C2:容量成分
G:窪み
L,L1:インダクタンス成分
Op1~Op6,Op11~Op13,Op17,Op18,Op21~Op23:開口
S1:第1信号経路
S2:第2信号経路
S3:第3信号経路
v1~v3,v20,v21,v30,v101~v105:第1層間接続導体
v10~v14、v110~v112:第2層間接続導体