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特許7587579二次電池、電池モジュール及び電池を電源として用いた装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】二次電池、電池モジュール及び電池を電源として用いた装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/593 20210101AFI20241113BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/538 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20241113BHJP
【FI】
H01M50/593
H01M50/533
H01M50/536
H01M50/538
H01M50/55 101
H01M50/586
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022528650
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 CN2020139185
(87)【国際公開番号】W WO2021143481
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】202010054531.4
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】白 ▲ル▼▲ル▼
【審査官】山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0221877(US,A1)
【文献】国際公開第2019/179232(WO,A1)
【文献】特開2015-106534(JP,A)
【文献】特開2019-145271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上蓋板と、
前記上蓋板に設けられた電極端子と、
本体、及び前記本体から伸出するタブを備え、前記タブは、前記電極端子に電気的に接続されている接続部、及び前記接続部に対して折り曲げられ且つ前記接続部と前記本体との間に接続されている折り曲げ部を含む電極組立体と、
前記接続部の前記上蓋板から遠い側に設けられている第1の絶縁部材であって、前記接続部に接続されている第1の絶縁体、前記本体に接続されている第2の絶縁体、及び前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体との間を接続する第3の絶縁体を含む第1の絶縁部材と、を備え、
前記折り曲げ部の少なくとも一部は、前記第3の絶縁体に固定されず、
前記第3の絶縁体は、第1の部分と第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記第1の絶縁体と前記第2の部分との間に接続されており、
前記第1の部分は、前記折り曲げ部に固定されており、前記第2の部分は、前記折り曲げ部の一部を覆い、且つ前記折り曲げ部に固定されていない、
次電池。
【請求項2】
上蓋板と、
前記上蓋板に設けられた電極端子と、
本体、及び前記本体から伸出するタブを備え、前記タブは、前記電極端子に電気的に接続されている接続部、及び前記接続部に対して折り曲げられ且つ前記接続部と前記本体との間に接続されている折り曲げ部を含む電極組立体と、
前記接続部の前記上蓋板から遠い側に設けられている第1の絶縁部材であって、前記接続部に接続されている第1の絶縁体、前記本体に接続されている第2の絶縁体、及び前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体との間を接続する第3の絶縁体を含む第1の絶縁部材と、を備え、
前記折り曲げ部の少なくとも一部は、前記第3の絶縁体に固定されず、
前記第3の絶縁体は、内側部材と、前記内側部材に固定されている外側部材とを含み、前記内側部材は、前記外側部材と前記折り曲げ部との間に設けられており、且つ前記内側部材は前記折り曲げ部に固定されていない、
次電池。
【請求項3】
記外側部材は、前記内側部材に接着されている、
請求項に記載の二次電池。
【請求項4】
上蓋板と、
前記上蓋板に設けられた電極端子と、
本体、及び前記本体から伸出するタブを備え、前記タブは、前記電極端子に電気的に接続されている接続部、及び前記接続部に対して折り曲げられ且つ前記接続部と前記本体との間に接続されている折り曲げ部を含む電極組立体と、
前記接続部の前記上蓋板から遠い側に設けられている第1の絶縁部材であって、前記接続部に接続されている第1の絶縁体、前記本体に接続されている第2の絶縁体、及び前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体との間を接続する第3の絶縁体を含む第1の絶縁部材と、を備え、
前記折り曲げ部の少なくとも一部は、前記第3の絶縁体に固定されず、
前記第1の絶縁体は、前記接続部に接着されている、
二次電池。
【請求項5】
上蓋板と、
前記上蓋板に設けられた電極端子と、
本体、及び前記本体から伸出するタブを備え、前記タブは、前記電極端子に電気的に接続されている接続部、及び前記接続部に対して折り曲げられ且つ前記接続部と前記本体との間に接続されている折り曲げ部を含む電極組立体と、
前記接続部の前記上蓋板から遠い側に設けられている第1の絶縁部材であって、前記接続部に接続されている第1の絶縁体、前記本体に接続されている第2の絶縁体、及び前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体との間を接続する第3の絶縁体を含む第1の絶縁部材と、を備え、
前記折り曲げ部の少なくとも一部は、前記第3の絶縁体に固定されず、
前記第2の絶縁体は、前記本体に接着されている、
二次電池。
【請求項6】
上蓋板と、
前記上蓋板に設けられた電極端子と、
本体、及び前記本体から伸出するタブを備え、前記タブは、前記電極端子に電気的に接続されている接続部、及び前記接続部に対して折り曲げられ且つ前記接続部と前記本体との間に接続されている折り曲げ部を含む電極組立体と、
前記接続部の前記上蓋板から遠い側に設けられている第1の絶縁部材であって、前記接続部に接続されている第1の絶縁体、前記本体に接続されている第2の絶縁体、及び前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体との間を接続する第3の絶縁体を含む第1の絶縁部材と、を備え、
前記折り曲げ部の少なくとも一部は、前記第3の絶縁体に固定されず、
前記第2の絶縁体は、折り曲げ部の第3の絶縁体に向かう方向において、前記接続部を越えており、
前記第1の絶縁部材は、前記第2の絶縁体の前記第3の絶縁体から遠い端部に接続されている第4の絶縁体をさらに含み、
前記本体の厚さ方向において、前記第4の絶縁体は、前記本体の外側に接続されている、
次電池。
【請求項7】
上蓋板と、
前記上蓋板に設けられた電極端子と、
本体、及び前記本体から伸出するタブを備え、前記タブは、前記電極端子に電気的に接続されている接続部、及び前記接続部に対して折り曲げられ且つ前記接続部と前記本体との間に接続されている折り曲げ部を含む電極組立体と、
前記接続部の前記上蓋板から遠い側に設けられている第1の絶縁部材であって、前記接続部に接続されている第1の絶縁体、前記本体に接続されている第2の絶縁体、及び前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体との間を接続する第3の絶縁体を含む第1の絶縁部材と、を備え、
前記折り曲げ部の少なくとも一部は、前記第3の絶縁体に固定されず、
第1の支持板と、第2の支持板と、第3の支持板とを含む支持部材をさらに備え、
前記第1の支持板は、前記第1の絶縁体の前記上蓋板から遠い側に設けられており、前記第2の支持板は、前記第1の支持板と前記第2の絶縁体との間に位置しており、前記第3の支持板は、前記第1の支持板と前記第2の支持板との間に接続されており、
前記第2の絶縁体は、前記折り曲げ部の前記第3の絶縁体に向かう方向において、前記第2の支持板を越えている、
二次電池。
【請求項8】
前記電極端子と前記タブとを接続するための集電部材をさらに備え、
前記集電部材は、前記接続部に溶接されて溶接領域を形成し、前記第1の絶縁体は、前記溶接領域の前記本体に対向する側から前記溶接領域を覆う、
請求項1~のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記溶接領域の前記上蓋板に対向する側から前記溶接領域を覆う第2の絶縁部材をさらに備える、
請求項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記第2の絶縁部材は、第1の被覆体と第2の被覆体とを含み、前記第1の被覆体は、前記溶接領域の前記上蓋板に対向する側から前記溶接領域を覆い、前記第2の被覆体は、前記第1の被覆体に接続されており、且つ前記第1の被覆体に対して折り曲げられており、
前記第2の被覆体は、前記折り曲げ部の前記第3の絶縁体から遠い側に位置しており、且つ前記折り曲げ部に接続されている、
請求項に記載の二次電池。
【請求項11】
前記第2の絶縁部材は、前記第2の被覆体の前記第1の被覆体から遠い一端から延び、且つ前記本体に接続されている第3の被覆体をさらに備える、
請求項10に記載の二次電池。
【請求項12】
複数の請求項1~11のいずれか1項に記載の二次電池を備える、
電池モジュール。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか1項に記載の二次電池である電池を電源として用いた装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年01月17日に提出された、名称が「二次電池、電池モジュール及び電池を電源として用いた装置」の中国特許出願202010054531.4の優先権を主張し、この出願の全ての内容は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願の実施形態は、電池分野に関し、特に、二次電池、電池モジュール及び電池を電源として用いた装置に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン電池などの二次電池は、エネルギー密度が高く、環境に優しいなどの利点があるので、携帯電話やノートパソコンなどの電子機器に広く用いられている。近年、環境問題、ガソリン価格の問題、エネルギー貯蔵の問題に対応するために、リチウムイオン電池の応用は、ハイブリッド車両、船舶、及びエネルギー貯蔵システムなどに急速に広がっている。
【0004】
現在の二次電池は、主にケースとケース内に設けられた電極組立体とを含み、ケースに電極端子が設けられ、電極組立体にタブが設けられ、タブは前記電極端子に電気的に接続される。二次電池のエネルギー密度を高めるために、タブが折り曲げられることでその占有スペースを減少させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、背景技術の問題に鑑みて、タブの占有スペースを省くと共に、タブの破断のリスクを低減することができる二次電池、電池モジュール及び電池を電源として用いた装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願は、上蓋板と、上蓋板に設けられた電極端子と、本体及び本体から伸出するタブを備え、且つタブは、電極端子に電気的に接続されている接続部、及び接続部に対して折り曲げられ且つ接続部と本体との間に接続されている折り曲げ部を含む電極組立体と、接続部の上蓋板から遠い側に設けられている第1の絶縁部材であって、接続部に接続されている第1の絶縁体、本体に接続されている第2の絶縁体、及び第1の絶縁体と第2の絶縁体との間を接続する第3の絶縁体を含む第1の絶縁部材と、を備え、折り曲げ部の少なくとも一部は、第1の絶縁部材に固定されない二次電池を提供する。
【0007】
本願では、タブの占有空間を減少させるためにタブを接続部及び折り曲げ部に折り曲げる。第1の絶縁体は、接続部を固定して接続部に伝わる応力を分散し、接続部が引裂かれるリスクを低減することができる。第2の絶縁体は、接続部の折り曲げ部から遠い端部が本体に挿入されることを避け、短絡のリスクを低減することができる。折り曲げ部の少なくとも一部が第1の絶縁部材に固定されていないので、折り曲げ部の第1の絶縁部材に固定されていない部分がタブを折り曲げる過程で応力を解放することができ、折り曲げ部が破断するリスクを低減することができる。
【0008】
いくつかの実施例に係る二次電池では、第3の絶縁体は、第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分は、第1の絶縁体と第2の部分の間に接続されており、第1の部分は、折り曲げ部に固定されており、第2の部分は、折り曲げ部の一部を覆い、且つ折り曲げ部に固定されていない。
【0009】
第3の絶縁体は、第1の絶縁体と第2の絶縁体とを接続することで、第1の絶縁体と第2の絶縁体との電極組立体への接続強度を高め、脱落リスクを低減することができる。
【0010】
いくつかの実施例に係る二次電池では、第3の絶縁体は、内側部材と、内側部材に固定されている外側部材とを含み、内側部材は、外側部材と折り曲げ部との間に設けられており、且つ内側部材は折り曲げ部に固定されていない。
【0011】
内側部材と外側部材とは、いずれも片面接着テープであり、内側部材と外側部材とは直接的に接着されている。内側部材の外側部材から遠い表面が滑らかで粘性を備えていないので、内側部材が折り曲げ部に固定されていない。
【0012】
いくつかの実施例に係る二次電池では、第1の絶縁体は、接続部に接着されており、外側部材は、内側部材に接着されており、第2の絶縁体は、本体に接着されている。
【0013】
第1の絶縁体及び第2の絶縁体は、いずれも片面接着テープである。第1の絶縁体、外側部材及び第2の絶縁体は、それぞれ1つの片面接着テープの異なる部分である。内側部材は、サイズの小さいもう1つの片面接着テープである。本願は、異なる寸法を有する2つの片面接着テープを互いに接着することにより、特定の領域に粘性を有する第1の絶縁部材を形成する。
【0014】
いくつかの実施例に係る二次電池では、第2の絶縁体は、折り曲げ部の第3の絶縁体に向かう方向において、接続部を越えている。
【0015】
第2の絶縁体は、折り曲げ部の第3の絶縁体に向かう方向において、接続部を越えている。この場合、第2の絶縁体は、接続部と本体とを隔てることで、接続部の折り曲げ部から遠い端部が本体に挿入されることを避け、短絡のリスクを低減することができる。
【0016】
いくつかの実施例に係る二次電池では、第1の絶縁部材は、第2の絶縁体の第3の絶縁体から遠い端部に接続されている第4の絶縁体をさらに含み、本体の厚さ方向において、第4の絶縁体は、本体の外側に接続されている。
【0017】
第4の絶縁体を設けることにより、第1の絶縁部材全体と電極組立体との接続強度を高めることができ、第1の絶縁部材が電解液に浸漬されて電極組立体から分離するリスクを低減することができる。
【0018】
いくつかの実施例に係る二次電池では、電極端子とタブとを接続するための集電部材をさらに備え、集電部材は、接続部に溶接されて溶接領域を形成し、第1の絶縁体は、溶接領域の本体に対向する側から溶接領域を覆っている。
【0019】
本願において、第1の絶縁体は、溶接領域の本体に対向する側から溶接領域を覆っている。第1の絶縁体は、タブを折り曲げる際に接続部が引裂かれるリスクを低減するために、接続部の集電部材に溶接された領域と溶接されていない領域とを接続することができる。
【0020】
いくつかの実施例に係る二次電池では、二次電池は、溶接領域の上蓋板に対向する側から溶接領域を覆う第2の絶縁部材をさらに備える。
【0021】
第2の絶縁部材は、溶接領域の表面の金属粒子を固定するために、溶接領域の上蓋板に対向する表面に接着されている。
【0022】
いくつの実施例に係る二次電池では、第2の絶縁部材は、第1の被覆体と第2の被覆体とを含み、第1の被覆体は、溶接領域の上蓋板に対向する側から溶接領域を被覆しており、第2の被覆体は、第1の被覆体に接続されており、且つ第1の被覆体に対して折り曲げられており、第2の被覆体は、折り曲げ部の第3の絶縁体から遠い側に位置しており、且つ折り曲げ部に接続されている。
【0023】
第2の被覆体を設けることにより、折り曲げ部をケースから離間させることができ、折り曲げ部がケースにより傷付かれることを避け、折り曲げ部の放電能力を確保することができる。
【0024】
いくつかの実施例に係る二次電池では、第2の絶縁部材は、第2の被覆体の第1の被覆体から遠い一端から延び、且つ本体に接続されている第3の被覆体をさらに備える。
【0025】
第3の被覆体を設けることにより、第2の絶縁部材全体と電極組立体との接続強度を高めることができ、第2の絶縁部材が電解液に浸漬されて電極組立体から分離するリスクを低減することができる。いくつかの実施例では、第3の被覆体は、本体がケースにより傷付かれるなどのリスクを低減することもできる。
【0026】
いくつかの実施例に係る二次電池では、二次電池は、第1の支持板と、第2の支持板と第3の支持板とを含む支持部材をさらに備え、第1の支持板は、第1の絶縁体の上蓋板から遠い側に設けられ、第2の支持板は、第1の支持板と第2の絶縁体との間に位置しており、第3の支持板は、第1の支持板と第2の支持板との間に接続されている。第2の絶縁体は、折り曲げ部の第3の絶縁体に向かう方向において、第2の支持板を越えている。
【0027】
支持部材は、板材を折り曲げたものであり、自身の弾性力によって第1の支持板が接続部を下側から支持し、接続部の折り曲げ部から遠い端部が下方に湾曲して本体に挿入されることを避けることができる。タブを折り曲げる際に、第3の支持板は、タブの折り曲げ部の形状を調整するように支持し、折り曲げ部が本体に挿入されるリスクを低減することができる。
【0028】
本願は、複数の上記のような二次電池を含む電池モジュールをさらに提供する。
【0029】
本願は、上記のような二次電池である電池を電源として用いた装置をさらに提供する。
以上説明した二次電池、電池モジュール及び電池を電源として用いた装置では、タブを接続部と折り曲げ部とに折り曲げることでタブの占有スペースを小さくしている。第1の絶縁体は、接続部を固定して、接続部に伝わる応力を分散し、接続部が引裂かれるリスクを低減することができる。第2の絶縁体は、接続部と本体とを隔てることで、接続部の折り曲げ部から遠い端部が本体に挿入されることを避け、短絡のリスクを低減することができる。折り曲げ部の少なくとも一部が第1の絶縁部材に固定されていないので、折り曲げ部の第1の絶縁部材に固定されない部分は、タブを折り曲げる過程で応力を解放し、第1の絶縁部材が折り曲げ部に与える引張力を低減し、折り曲げ部が破断するリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明された図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力が要らず、さらに図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0031】
図1】本願のいくつかの実施例によって提供される電池を電源として用いた装置の概略図である。
図2】本願のいくつかの実施例によって提供される電池モジュールの概略図である。
図3】本願のいくつかの実施例によって提供される二次電池の概略図である。
図4図3の二次電池の分解図である。
図5】本願のいくつかの実施例によって提供される電極組立体の概略図である。
図6図5の電極組立体の断面図である。
図7図3の二次電池の断面図である。
図8図7のブロックAの拡大図である。
図9図8のブロックBの拡大図である。
図10図8のブロックCの拡大図である。
図11図8のブロックDの拡大図である。
図12図8のブロックEの拡大図である。
図13図8のブロックFの拡大図である。
図14】本願のいくつかの実施例によって提供される第1の絶縁部材の概略図である。
図15図14の第1の絶縁部材の分解図である。
図16】本願のいくつかの実施例によって提供される集電部材の概略図である。
図17】本願のいくつかの実施例によって提供される第2の絶縁部材の概略図である。
図18】本願のいくつかの実施例によって提供される支持部材の概略図である。
図19】本願のいくつかの実施例によって提供される二次電池の組立中の概略図である。
【0032】
図面では、図面が実際の縮尺で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に図面及び実施例を参照して、本願をさらに詳細に説明する。なお、ここで説明された具体的な実施例は、単に本願を解釈するために用いられ、本願を限定するものではない。
【0034】
本願の説明において、明確な規定及び限定がない限り、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」という用語は、説明の目的のみに用いられ、相対的な重要性を指示するかまたは暗示することを理解することができない。「複数」という用語は、2つ以上(2つを含む)を指す。特に規定または説明がない限り、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、「接続」は、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、一体的な接続であってもよく、電気的接続であってもよく、信号接続であってもよい。「接続」は、直接に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者であれば、具体的な状況に基づいて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0035】
本明細書の説明において、本願の実施例に記載された「上」、「下」等の方位用語は、図面に示された角度で説明され、本願の実施例を限定するものであると理解すべきではない。以下は、具体的な実施例により図面を参照して本願をさらに詳細に説明する。
【0036】
以下の説明に現れる方位用語は、いずれも図に示される方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。本願の記載において、特に明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、一体的な接続であってもよく、直接に接続されてもよく、中間媒体を介して間接に接続されてもよい。当業者であれば、具体的な状況に基づいて本願の上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0037】
本願の実施例は、電池を電源として用いた装置を提供し、電池は周期的に充放電可能な二次電池である。装置においては、二次電池が一般的に複数であり且つ組に配列されている。図1を参照すると、いくつかの実施例では、装置が船舶、車両等であってもよい。車両は、新エネルギー自動車であり、純電気自動車であってもよいし、ハイブリッド自動車またはレンジエクステンデッド型自動車であってもよい。車両のシャーシには駆動モータが設けられ、駆動モータは二次電池に電気的に接続される。二次電池は駆動モータに電力を供給し、駆動モータは伝動機構を介してシャーシにおける車輪に接続されることで、自動車の走行を駆動する。いくつかの実施例では、二次電池は、リチウムイオン電池である。
【0038】
本願の実施例は、電池モジュールをさらに提供する。いくつかの実施例では、図2を参照して、電池モジュールは、複数の二次電池1000を含み、複数の二次電池1000は順に配列されている。いくつかの実施例では、電池モジュールは、複数の二次電池1000を収容して固定する支持フレームと、複数の二次電池1000を直列、並列または直列と並列の両方で電気的に接続する複数のバスバーをさらに含む。
【0039】
本願の実施例は、サイクル充放電可能な二次電池を提供する。図3及び図4を参照して、いくつかの実施例に係る二次電池は、上蓋板1と、電極組立体2と、電極端子4と、ケース8とを含む。
【0040】
電極組立体2は、二次電池の充放電機能を実現するコア部材である。図6を参照すると、電極組立体2は、第1の電極シート23、第2の電極シート24、及び第1の電極シート23と第2の電極シート24とを隔てるセパレータ25を含む。
【0041】
いくつかの実施例では、電極組立体2は、巻回式構造であってもよい。具体的には、図6を参照して、第1の電極シート23と第2の電極シート24がそれぞれ1つであり、第1の電極シート23と第2の電極シート24が帯状の構造に形成されている。第1の電極シート23、セパレータ25及び第2の電極シート24を順に積層して2周以上巻回することで、電極組立体2を形成する。電極組立体2は扁平状である。
【0042】
いくつかの代替的な実施例では、電極組立体2は、積層構造であってもよい。具体的には、第1の電極シート23が複数設けられ、第2の電極シート24が複数設けられ、複数の第1の電極シート23と第2の電極シート24とが交互に積層され、セパレータ25が第1の電極シート23と第2の電極シート24とを隔てる。
【0043】
第1の電極シート23は、第1の集電体と、第1の集電体の表面に塗布された第1の活物質層とを含む。第1の集電体は、アルミニウム箔などの金属箔であり、第1の活物質層は、三元材料、マンガン酸リチウムまたはリン酸鉄リチウムを含む。第1の集電体は第1の塗布領域と第1の空白領域とを含み、第1の塗布領域の表面には第1の活物質層が塗布され、第1の空白領域の表面は第1の活物質層が塗布されない。巻回構造を有する電極組立体2において、第1の電極シート23の第1の空白領域は、複数であり且つ積層されて設けられている。
【0044】
第2の電極シート24は、第2の集電体と、第2の集電体の表面に塗布された第2の活物質層とを含む。第2の集電体は、銅箔などの金属箔であり、第2の活物質層は、グラファイトまたはシリコンを含む。第2の集電体は、表面に第2の活物質層が被覆されている第2の被覆領域と、表面に第2の活物質層が被覆されていない第2の空白領域とを含む。巻回式構造を有する電極組立体2において、第2の電極シート24の第2の空白領域は複数であり、積層されて設けられている。
【0045】
図5を参照して、電極組立体2の外形から見て、電極組立体2が、本体21と、本体21から突出する2つのタブ22とを含む。具体的には、本体21は、第1の被覆領域と、第1の活物質層と、セパレータ13と、第2の被覆領域と、第2の活物質層とを含む。2つのタブ22は、積層されて設けられている複数の第1の空白領域を含む第1のタブと、積層して設けられている複数の第2の空白領域を含む第2のタブである。
【0046】
いくつの実施例に係る二次電池では、電極組立体2の数が複数であり、複数の電極組立体2が二次電池の厚さ方向Yにおいて積層して配置されている。いくつかの代替的な実施例では、電極組立体2の数は1つであってもよい。
【0047】
図3及び図4を参照して、ケース8は、直方体状または他の形状を有する。ケース8の内部には、電極組立体2及び電解液を収容する収容室が形成されている。ケース8は、高さ方向Zに沿う一端に開口部が形成されており、電極組立体2がこの開口部を介してケース8の収容室に収容される。ケース8は、導電性金属材料で作成されてもよく、いくつかの実施例では、アルミニウムまたはアルミニウム合金で作成されてもよい。
【0048】
上蓋板1は、ケース8に接続され、ケース8の開口部を覆う。電極端子4は、上蓋板1に設けられている。いくつかの実施例では、電極端子4は、固定具を介して上蓋板1に取り付けられている。電極端子4は、バスバーに接続しやすいために、上蓋板1の上方へ突出している。
【0049】
電極端子4は、2つであり、2つの電極端子4はそれぞれ第1のタブ及び第2のタブに電気的に接続されている。
【0050】
上蓋板1には、厚さ方向に沿って貫通する2つの電極引出孔が設けられている。2つの電極端子4は、それぞれ2つの電極引出孔を覆う。電極引出孔を設けることで、タブと電極端子を電気的に接続しやすい。
【0051】
いくつかの実施例では、二次電池は、電極端子4とタブ22とを接続するための集電部材5をさらに含む。図4及び図16を参照して、集電部材5は、電極端子4に接続されている第1の集電部51と、タブ22に接続されている第2の集電部52とを含む。第2の集電部52は平板状であり、第1の集電部51は、第2の集電部52に対して上蓋板1に近づく方向へ突出している。第1の集電部51は、電極引出孔に延在し、電極端子4に溶接されている。
【0052】
二次電池の使用中に、二次電池が釘打ち等の悪用にあった場合には、電極組立体2は短絡して多量のガスが発生し、ガスがケース8内に集まり、爆発を起こしやすい。そこで、二次電池の安全性能を向上させるために、いくつの実施例に係る二次電池は防爆シート9をさらに備えている。
【0053】
上蓋板1には貫通孔が設けられ、防爆シート9は上蓋板1に設けられ貫通孔を封止する。防爆シート9は、貫通孔を覆うと共に、二次電池の内部空間と外部とを隔離し、ケース8内の電解液が貫通孔を介して漏れることを避けることができる。
【0054】
電極組立体2が短絡すると、ガスが放出され、ガスが多くなるにつれて二次電池内部の気圧が徐々に増大する。防爆シート9は気圧によって変形する。二次電池内部の気圧が一定の値に達すると、防爆シート9が脆弱領域で破断し、高圧ガスが防爆シート9を突き破って二次電池の外部に排出されることで、圧力解放の目的が達成され、爆発リスクが低減される。
【0055】
また、上蓋板1には注液孔11が設けられている。電池の成形時には、電解液が注液孔11を介してケース8内に注入される。注液工程が終了すると、上蓋板1に封止シートを溶着して注液孔11を封止する。
【0056】
本願の実施例では、タブ22の占有空間を減少させるために、タブ22が折り曲げられている。図5及び図8を参照すると、いくつの実施例では、折り曲げられたタブ22は、電極端子4に電気的に接続されている接続部221と、接続部221に対して折り曲げられ且つ接続部221と本体21との間に接続されている折り曲げ部222とを含む。接続部221は、本体21の厚さ方向と略平行である。接続部221及び折り曲げ部222は、いずれも複数層の金属箔材からなる。
【0057】
接続部221は、電極端子4に直接的に接続されていてもよいし、集電部材5を介して電極端子4に接続されていてもよい。本願の実施例で提供される二次電池を理解しやすいために、以下では、接続部221が集電部材5に接続されるいくつかの実施例について説明する。
【0058】
タブ22を折り曲げる際に、タブ22と集電部材5との接続箇所に応力集中が生じるが、タブ22が複数層の金属箔材からなるため、タブ22と集電部材5との接続箇所にタブ22が引裂かれ、タブ22の放電能力(discharge capacity)が低下する可能性がある。ひどい場合には、接続部221の最内層の金属箔材(すなわち、本体21に最も近い一層の金属箔材)が完全に破断し、破断後に固定できず、本体21内に挿入しやすくなり、短絡が生じるリスクがある。
【0059】
いくつかの実施例に係る二次電池は、接続部221の上蓋板1から遠い一側に設けられた第1の絶縁部材3をさらに備える。第1の絶縁部材3は、接続部221に接続されている第1の絶縁体31を含む。接続部221は、集電部材5に接続することに用いられるため、タブ22を折り曲げる際に接続部221が引裂かれるリスクが高い。第1の絶縁体31は、接続部221を固定することができ、接続部221に伝わる応力を分散し、接続部221が引裂かれるリスクを低減する。いくつかの実施例では、第1の絶縁体31は、接続部221の最内層の金属箔が完全に破断しても、破断した金属箔を互いに接続して本体21内への挿入を避け、短絡のリスクを低減することができる。
【0060】
第1の絶縁部材3は、本体21に接続されている第2の絶縁体32をさらに備え、第2の絶縁体32は、接続部221と本体21との間に設けられている。いくつかの実施例では、第2の絶縁体32は、上蓋板1に対向する本体21の第1の面211に接続されている。
【0061】
図5及び図6を参照して、第1の活物質層と第2の活物質層とを完全に隔てるために、高さ方向Zにおいてセパレータ25の両端部がいずれも第1の活物質層及び第2の活物質層を越えている。セパレータ25が巻回成形されると、セパレータ25の上蓋板1寄りの端部は、本体21の第1の面211である面を近似に形成する。第1の面211がセパレータ25の端部によって形成されるので、第1の面211にいくつかの隙間が存在する。
【0062】
タブ22は、一般的に同じ寸法を有する複数の空白領域が積層されたものである。複数の空白領域が積層されると、複数の空白領域の本体21から遠い端部がばらつくことがある。タブ22と集電部材5との接続強度を確保するために、複数の空白領域の本体21から遠い端部は、通常、集電部材5に直接的に固定されない。すなわち、接続部221の折り曲げ部222から遠い側の端部は、集電部材5に直接的に固定されていない。
【0063】
タブ22の占有スペースを省くために、接続部221と本体21との間のピッチは小さく、接続部221の折り曲げ部222から離れる端部は撓みやすく、第1の面211における隙間を介して本体21内に挿入され、短絡が生じるリスクがある。本願の実施例では、第2の絶縁体32は、接続部221と本体21とを隔てることで、接続部221の折り曲げ部222から遠い端部が本体21に挿入されることを避け、短絡のリスクを低減する。
【0064】
いくつかの実施例では、注液工程中に電解液が本体21の第1の面211に衝撃することがある。第1の面211は、セパレータ25の上蓋板1に近い端部によって形成されているため、セパレータ25が電解液により衝撃されると、セパレータ25が内側に折れ曲げられる可能があり、セパレータ25が第1の電極シート23と第2の電極シート24とを完全に隔てることができなくなり、短絡が生じるリスクがある。第1の電極シート23及び第2の電極シート24が電解液の衝撃を受けた場合にも、座屈変形が生じ、電極組立体2の性能に影響を及ぼすおそれがある。
【0065】
いくつかの実施例に係る二次電池では、注液孔11の第1の面211における投影は、少なくとも部分的に第2の絶縁体32によって覆われている。いくつかの実施例では、注液孔11の第1の面211における投影は、第2の絶縁体32によって完全に覆われている。第2の絶縁体32は、第1の面211と注液孔11とを隔て、電解液が第1の面211に直接的に衝撃することを避け、セパレータ25及びタブの変形を低減する。
【0066】
第1の絶縁部材3は、第1の絶縁体31と第2の絶縁体32との間を接続する第3の絶縁体33をさらに含む。第3の絶縁体33は、第1の絶縁体31と第2の絶縁体32とを接続することで、第1の絶縁体31と第2の絶縁体32との電極組立体2への接続強度を高め、脱落リスクを低減することができる。いくつかの実施例では、第1の絶縁体31と第2の絶縁体32とが別個に設けられている場合、第1の絶縁体31と第2の絶縁体32とは、それぞれ2つの工程を経て電極組立体2に接続される必要があり、また、第3の絶縁体33を設けることにより、一つの工程で第1の絶縁部材3を電極組立体2に接続することができ、組立効率を向上させることができる。
【0067】
折り曲げ部222の少なくとも一部は、第1の絶縁部材3に固定されていない。換言すれば、折り曲げ部222の第1の絶縁部材3に対向する面の少なくとも一部は、第1の絶縁部材3に固定されていない。また、折り曲げ部222の第1の絶縁部材3に対向する面の少なくとも一部は、第3の絶縁体33によって覆われており、第3の絶縁体33に固定されていない。
【0068】
折り曲げ部222全体が第1の絶縁部材3に固定されると(例えば、第3の絶縁体33に固定されると)、タブ22を折り曲げる際に、折り曲げ部222の最内層の金属箔材が第1の絶縁部材3に引っ張られ、折り曲げ部222の最内層の金属箔材が破断するおそれがある。これに対し、本願の実施例では、折り曲げ部222の少なくとも一部が第1の絶縁部材3に固定されていないので、折り曲げ部222の第1の絶縁部材3に固定されていない部分はタブ22を折り曲げる過程で応力を解放し、第1の絶縁部材3が折り曲げ部222に与える引張力を低減し、折り曲げ部222が破断するリスクを低減することができる。
【0069】
いくつかの実施例に係る二次電池において、図10図11図14及び図15を参照して、第3の絶縁体33は、第1の部分331及び第2の部分332を含み、第1の部分331は、第1の絶縁体31と第2の部分332との間に接続されている。第1の部分331は折り曲げ部222に固定され、第2の部分332は折り曲げ部222の一部を覆い、折り曲げ部222に固定されない。第1の部分331が第2の部分332よりも接続部221と集電部材5との接続箇所に近いため、いくつの実施例では、第1の部分331が折り曲げ部222に接続されていることで、接続部221が引裂かれるリスクを低減する。いくつかの実施例では、接続部221の最内層の金属箔が完全に破断しても、第1の絶縁体31と第1の部分331は、破断した金属箔を互いに接続することで、本体21内に挿入することを避けることができる。
【0070】
いくつかの実施例では、第1の部分331の少なくとも一部は弧状である。タブ22は、第1の部分331に沿って折り曲げることができる。
【0071】
いくつかの実施例に係る二次電池では、図14及び図15を参照すると、第3の絶縁体33は、内側部材333と、内側部材333に固定されている外側部材334とを含み、内側部材333は、外側部材334と折り曲げ部222との間に設けられ、且つ内側部材333は折り曲げ部222に固定されていない。内側部材333と外側部材334とはいずれも片面接着テープであり、内側部材333と外側部材334とは直接的に接着されている。内側部材333の外側部材334から遠い表面は滑らかで粘性を備えていないので、内側部材333が折り曲げ部222に固定されていない。
【0072】
いくつかの実施例に係る二次電池では、図14及び図15を参照すると、外側部材334の寸法は、内側部材333の寸法よりも大きい。すなわち、内側部材333は、外側部材334の一部の領域のみを覆っている。外側部材334の内側部材333を越えた部分は、折り曲げ部222に直接的に接着されている。具体的には、外側部材334の内側部材333と重なる部分及び内側部材333は、折り曲げ部222に固定されない第2の部分332を形成し、外側部材334の内側部材333を越えた部分は、折り曲げ部222に固定されている第1の部分331を形成する。
【0073】
いくつの実施例に係る二次電池では、第3の絶縁体33は、全部が折り曲げ部222に固定されていなくてもよい。このとき、外側部材334の寸法は、内側部材333の寸法と等しく、外側部材334と内側部材333とは完全に重なっている。
【0074】
いくつかの実施例に係る二次電池では、第1の絶縁体31は接続部221に接着されており、第2の絶縁体32は本体21に接着されている。第1の絶縁体31及び第2の絶縁体32は、いずれも片面接着テープである。
【0075】
いくつかの実施例に係る二次電池では、第1の絶縁体31、外側部材334、及び第2の絶縁体32が一体的に設けられている。第1の絶縁体31、外側部材334及び第2の絶縁体32は、それぞれ1つの片面接着テープの異なる部分である。内側部材333は、もう1つのサイズが小さい片面接着テープである。本願の実施例は、異なる寸法を有する2つの片面接着テープを互いに接着することによって、特定の領域に粘着性を有する第1の絶縁部材3を形成している。
【0076】
いくつかの実施例に係る二次電池では、図8を参照して、第2の絶縁体32は、折り曲げ部222が第3の絶縁体33に向かう方向において、接続部221を超えている。このとき、第1の面211において、接続部221の折り曲げ部222から遠い端部の投影は、第2の絶縁体32の投影と少なくとも部分的に重なる。第2の絶縁体32は、接続部221と本体21とを隔てることができるので、接続部221の折り曲げ部222から遠い端部が本体21に挿入されることを避け、短絡のリスクを低減することができる。
【0077】
いくつかの実施例に係る二次電池において、図12を参照し、第1の絶縁部材3は、第2の絶縁体32の第3の絶縁体33から遠い端部に接続されている第4の絶縁体34をさらに含む。第4の絶縁体34は、本体21の厚さ方向において、本体21の外側に接続されている。本体21は、第2の面212と第3の面213とを有し、第2の面212と第3の面213は、本体21の厚さ方向に沿って対向して配置されている。ここで、第2の面212は、折り曲げ部222の第3の絶縁体33に近い側に位置し、第3の面213は、折り曲げ部222の第3の絶縁体33から遠い側に位置している。いくつかの実施例では、第4の絶縁体34は、第2の面212に接着されている。第4の絶縁体34は、第3の絶縁体33と一体に設けられている。
【0078】
第4の絶縁体34を設けることで、第1の絶縁部材3全体と電極組立体2との接続強度を高めることができ、第1の絶縁部材3が電解液に浸漬されて電極組立体2から分離するリスクを低減することができる。
【0079】
いくつの実施例に係る二次電池では、図8及び図9を参照すると、集電部材5が接続部221に溶接されて溶接領域Wを形成している。接続部221の複数層の金属箔材は、溶接により集電部材5に接続されている。溶接領域Wの縁部では、各層の金属箔材の強度が弱く、力を受けた際に破断するおそれがある。本願の実施例では、第1の絶縁体31は、溶接領域Wの本体21に対向する側から溶接領域Wを覆っている。第1の絶縁体31は、タブ22の折り曲げ時に接続部221が引裂かれるリスクを低減するために、接続部221の集電部材5に溶接されている領域と溶接されていない領域とを接続することができる。
【0080】
いくつかの実施例では、溶接領域Wが形成された後、溶接領域Wの面にいくつかの金属粒子が残留し、金属粒子が本体21内に落下すると短絡が生じるリスクがある。第1の絶縁体31は、金属粒子を溶接領域Wに固定することで、金属粒子の落下を避け、短絡のリスクを低減することができる。
【0081】
接続部221は、第2の集電部52の上蓋板1から遠い側に位置し、且つ第2の集電部52に溶接されて溶接領域Wを形成している。
【0082】
いくつの実施例に係る二次電池では、図8及び図13を参照すると、溶接領域Wの上蓋板1に対向する側から溶接領域Wを覆う第2の絶縁部材6をさらに備える。第2の絶縁部材6は、溶接領域Wの上蓋板1に対向する面に接着されて、溶接領域Wの表面の金属粒子を固定する。
【0083】
第2の絶縁部材6は、第1の被覆体61と第2の被覆体62とを備え、第1の被覆体61は、溶接領域Wの上蓋板1に対向する側から溶接領域Wを被覆し、第2の被覆体62は、第1の被覆体61に接続されており、且つ第1の被覆体61に対して折り曲げられている。第1の被覆体61は、溶接領域Wの上蓋板1に対向する面に接着されている。第2の被覆体62は、折り曲げ部222の第3の絶縁体33から遠い側に位置して折り曲げ部222に接続されている。
【0084】
電極組立体2をケース8に入れる過程で、プロセスにおける誤差によりケース8のエッジが折り曲げ部222に接触するおそれがある。第2の被覆体62を設けることにより、折り曲げ部222をケース8から離間することができ、折り曲げ部222がケース8により傷付かれることを避け、折り曲げ部222の放電能力(discharge capacity)を確保することができる。
【0085】
第2の絶縁部材6は、第2の被覆体62の第1の被覆体61から遠い一端から延びると共に本体21に接続されている第3の被覆体63をさらに備える。いくつかの実施例では、第3の被覆体63は、本体21の第3の面213に接着されている。
【0086】
第3の被覆体63を設けることにより、第2の絶縁部材6の全体と電極組立体2との接続強度を高めることができ、第2の絶縁部材6が電解液に浸漬されて電極組立体2から分離するリスクを低減することができる。いくつかの実施例では、第3の被覆体63は、本体21がケース8により傷付かれるなどのリスクを低減することもできる。
【0087】
いくつかの実施例では、図17を参照すると、第2の絶縁部材6は片面接着テープである。第1の被覆体61、第2の被覆体62及び第3の被覆体63は、一体的に設けられている。
【0088】
いくつかの実施例に係る二次電池では、図4図8及び図18を参照すると、二次電池は、支持部材7をさらに備え、支持部材7は、第1の支持板71と、第2の支持板72と、第3の支持板73とを備えており、第1の支持板71は、第1の絶縁体31の上蓋板1から遠い側に設けられており、第2の支持板72は、第1の支持板71と第2の絶縁体32との間に位置し、第3の支持板73は、第1の支持板71と第2の支持板72との間に接続されている。支持部材7は板材を折り曲げたものであり、自身の弾性力によって第1の支持板71が接続部221を下側から支持し、接続部221の折り曲げ部222から遠い端部が下方に湾曲して本体21に挿入することを避けることができる。支持部材7の材質はPETである。
【0089】
いくつかの実施例では、支持部材7は、第1の絶縁部材3に接着されている。図10及び図11を参照して、第3の支持板73は、第3の絶縁体33に貼り合わされて接着されている。タブ22を折り曲げる際に、第3の支持板73はタブ22の折り曲げ部222の形状を調整できるように支持することができ、折り曲げ部222が本体21へ挿入するリスクを低減することができる。
【0090】
支持部材7は、自身の弾性力により、第2の支持板72の第3の支持板73から遠い端部が第1の面211に向けて付勢されている。すなわち、第3の支持板73の端部が本体21に挿入され、短絡が発生するおそれがある。本願の実施例では、図12を参照すると、第2の絶縁体32は、折り曲げ部222の第3の絶縁体33に向かう方向において、第2の支持板72を越えている。第2の絶縁体32は、第3の支持板73の端部が本体21に挿入されないように、第2の支持板72と本体21とを隔てることができる。
【0091】
好ましい実施例を参照して本願を説明したが、本願の範囲から逸脱することなく、それに対し様々な改良を行うことができ、且つ等価物でその中の部材を取り替えることができる。特に、構造衝突が存在しない限り、各実施例に言及された各技術的特徴は、いずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲での全ての技術案を含む。
【符号の説明】
【0092】
1 上蓋板
11 注液孔
2 電極組立体
21 本体
211 第1の面
212 第2の面
213 第3の面
22 タブ
221 接続部
222 折り曲げ部
23 第1の電極シート
24 第2の電極シート
25 セパレータ
3 第1の絶縁部材
31 第1の絶縁体
32 第2の絶縁体
33 第3の絶縁体
331 第1の部分
332 第2の部分
333 内側部材
334 外側部材
34 第4の絶縁体
4 電極端子
5 集電部材
51 第1の集電部
52 第2の集電部
6 第2の絶縁部材
61 第1の被覆体
62 第2の被覆体
63 第3の被覆体
7 支持部材
71 第1の支持板
72 第2の支持板
73 第3の支持板
8 ケース
9 防爆シート
1000 二次電池
W 溶接領域
X 長手方向
Y 厚さ方向
Z 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19