(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】電気車両用の空冷式バッテリーパック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20241113BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20241113BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241113BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20241113BHJP
H01M 10/6551 20140101ALI20241113BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20241113BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20241113BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/625
H01M10/613
H01M10/6563
H01M10/6551
H01M10/6554
B60K1/04 Z
(21)【出願番号】P 2022545117
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(86)【国際出願番号】 KR2021014153
(87)【国際公開番号】W WO2022097943
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0146830
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ソク-ヒ・キム
(72)【発明者】
【氏名】キ-ヨン・カン
(72)【発明者】
【氏名】ビョン-ド・ミン
(72)【発明者】
【氏名】ウン-ギュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヒ-ジョン・ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュク-ジュ・キム
(72)【発明者】
【氏名】サム-ヘ・ホ
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-105618(JP,A)
【文献】特表2019-530191(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1878809(KR,B1)
【文献】特開2014-053279(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0007089(KR,A)
【文献】特開2015-062163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6556
H01M 10/625
H01M 10/613
H01M 10/6563
H01M 10/6551
H01M 10/6554
B60K 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のバッテリーモジュールと、
空気吸入口及び空気排出口を備え、前記複数個のバッテリーモジュールを収容するように設けられたパックケースと、
前記複数個のバッテリーモジュールと前記パックケースの底面との間に形成された冷却チャンネルと、
前記空気吸入口から前記冷却チャンネルまでつながる空気通路を形成するインレットダクトモジュールと、
前記パックケースの内部に設けられた少なくとも一つの排気ファンを備え、前記冷却チャンネルから前記空気排出口までつながる空気通路を形成して空気を前記パックケースの外部へ強制排気可能に設けられたアウトレットダクトモジュールと、
を含み、
前記パックケースは、
前記複数個のバッテリーモジュールが載置されたパックトレイと、
前記パックトレイの上部をカバーするパックカバーであって、前記空気吸入口及び前記空気排出口を備えたパックカバーと、
を含み、
前記パックトレイの底面が、前記パックケースの底面であり、
前記複数個のバッテリーモジュールは、下板部に下方に突出して形成された冷却フィンが前記パック
トレイの底面に向けられるように配置され、
前記冷却チャンネルは、前記冷却フィンの間に存在する隙間によって確保されて
おり、
前記複数個のバッテリーモジュールは、前記パックトレイの上に横方向に沿って二つの列に配置され、
前記空気吸入口は、第1列の一番目のバッテリーモジュールの上部に位置する第1空気吸入口と、第2列の一番目のバッテリーモジュールの上部に位置する第2空気吸入口と、を含み、
前記空気排出口は一つであり、第1列の最後のバッテリーモジュールと第2列の最後のバッテリーモジュールとの間の上部に位置することを特徴とする、空冷式バッテリーパック。
【請求項2】
前記インレットダクトモジュールは、
前記第1空気吸入口から、前記第1列のバッテリーモジュールの下部に形成された冷却チャンネルの方向へ空気の流れを案内する第1インレットダクトと、
前記第2空気吸入口から、前記第2列のバッテリーモジュールの下部に形成された冷却チャンネルの方向へ空気の流れを案内する第2インレットダクトと、
を含むことを特徴とする、請求項
1に記載の空冷式バッテリーパック。
【請求項3】
前記第1インレットダクトは、
前記第1空気吸入口と連結された第1インレットダクト入口を備え、前記第1列の一番目のバッテリーモジュールの上部に配置された第1インレット水平ダクト部と、
前記第1インレット水平ダクト部から下方へ折り曲げられて延び、前記第1列の一番目のバッテリーモジュールの前方側面部に並んで配置され、最下端に前記冷却チャンネルに向かって開放された第1インレットダクト出口を備える第1インレット垂直ダクト部と、
を含むことを特徴とする、請求項
2に記載の空冷式バッテリーパック。
【請求項4】
前記第2インレットダクトは、前記第1インレットダクトに対して縦方向に対称となるように位置し、
前記第2空気吸入口と連結された第2インレットダクト入口を備え、前記第2列の一番目のバッテリーモジュールの上部に配置された第2インレット水平ダクト部と、
前記第2インレット水平ダクト部から下方へ折り曲げられて延び、前記第2列の一番目のバッテリーモジュールの前方側面部に並んで配置され、最下端に前記冷却チャンネルに向かって開放された第2インレットダクト出口を備える第2インレット垂直ダクト部と、
を含むことを特徴とする、請求項
2または
3に記載の空冷式バッテリーパック。
【請求項5】
前記アウトレットダクトモジュールは、
前記第1列のバッテリーモジュールの下部に形成された冷却チャンネルから前記空気排出口の方向へ空気の流れを案内する第1アウトレットダクトと、
前記第2列のバッテリーモジュールの下部に形成された冷却チャンネルから前記空気排出口の方向へ空気の流れを案内する第2アウトレットダクトと、
前記第1列のバッテリーモジュールの上部に前記第1アウトレットダクトと連通するように取り付けられた第1排気ファンと、
前記第2列のバッテリーモジュールの上部に前記第2アウトレットダクトと連通するように取り付けられた第2排気ファンと、
前記第1排気ファンと連通するように設けられた第1開口と、前記第2排気ファンと連通するように設けられた第2開口と、前記空気排出口と連通するように設けられた第3開口と、を備えたファンブリッジダクトと、
を含むことを特徴とする、請求項
1に記載の空冷式バッテリーパック。
【請求項6】
前記ファンブリッジダクトは、
前記第1開口から前記第3開口につながる内部空間と、前記第2開口から前記第3開口につながる内部空間とを区切る隔壁をさらに備えることを特徴とする、請求項
5に記載の空冷式バッテリーパック。
【請求項7】
前記ファンブリッジダクトは、内部空間を形成し、上下結合可能に設けられたダクト下部カバー及びダクト上部カバーを含み、
前記第1開口及び前記第2開口は、前記ダクト下部カバーと前記ダクト上部カバーの結合によって形成されており、前記第3開口は、前記ダクト上部カバーの上部に設けられていることを特徴とする、請求項
6に記載の空冷式バッテリーパック。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の空冷式バッテリーパックを含む、電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパックに関し、より詳しくは、電気車両用の空冷式バッテリーパックであって、排気ファンを内蔵したバッテリーパックに関する。
【0002】
本出願は、2020年11月05日出願の韓国特許出願第10-2020-0146830号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充放電が可能な電池をいい、携帯電話、PDA、ノートブックPCなどの小型先端電子機器分野だけではなく、電気自動車(EV)またはハイブリッド自動車(HEV)のエネルギー源として使用されている。
【0004】
現在、一つのリチウム二次電池(セル)では電気車を駆動できるほどの十分な出力が得られない。電気車のエネルギー源に二次電池を適用するためには、複数個のリチウムイオン電池セルを直列及び/または並列に接続してバッテリーモジュールを構成し、通常、直列にバッテリーモジュールを接続し、これを機能的に維持させるBMS(Battery Management System)と冷却システム、BDU(Battery Disconnection Unit)、電気配線ケーブルなどを含むバッテリーパックを構成する。
【0005】
電気車両用のバッテリーモジュールの場合、数個から多くは数十個の二次電池セルが充電と放電を反復して行うことによって、充放電などを制御してバッテリーモジュールが適正な動作状態を維持するように管理する必要がある。
【0006】
特に、二次電池が作動する間に発生する熱は二次電池の温度を上昇させて、熱を効率的に冷却させないと、寿命が短くなり、誤作動を起こすなど、安全性が大幅低下する問題があることから、冷却は、二次電池を含むバッテリーパックの製作において重要な課題となる。
【0007】
バッテリーパックの冷却システムには空冷式と水冷式が挙げられ、水冷式は、漏電、二次電池の防水問題、冷却流路構成に加えられる多数の部品のため、バッテリーパックのエネルギー密度が低くなるという短所がある一方、空冷式は、漏電、防水問題から相対的に自由であり、電気車両の空調システムとの連携も可能な長所を有する。
【0008】
一例で、
図1を参照すると、空冷式バッテリーパック1は、空気吸入口2及び空気排出口3を備え、車両の座席下部に搭載され、空気吸入口2から外部空気がバッテリーパック1の内部へ流入してバッテリーモジュールを冷却し、空気排出口3から外部へ排出されるように構成され得る。
【0009】
通常、空冷式バッテリーパック1の内部に強制対流を起こすためには、200W以上の排気ファン5が必要であり、このような排気ファン5は、サイズが大きいため、バッテリーパック1の外部に位置する。例えば、
図1のように排気ファン5は、その一側がバッテリーパックの空気排出口3と連通するダクト4に連結され、他側は、車両の排気口と連通する配管(図示せず)に連結され得る。
【0010】
ところが、上記のように、バッテリーパック1の外部に排気ファン5があると、ファンの作動時にファンの騷音のため車両の静粛性が低下する問題点、車両内でバッテリーパックの周辺のレイアウト設計が容易でない問題点、排気ファン5の出力に比べてバッテリーパックの内部に強制対流を起こす効果が劣る問題点などがある。
【0011】
そこで、ファンの騷音問題解決、空間活用度、費用、冷却性能を総合的に考慮して従来の問題点が改善可能な空冷式バッテリーパックが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ファンを内蔵してファンの騷音を減らし、冷却流路空間の最適化、費用節減及び冷却性能が優秀な空冷式バッテリーパックを提供することを目的とする。
【0013】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による空冷式バッテリーパックは、複数個のバッテリーモジュールと、空気吸入口及び空気排出口を備え、複数個のバッテリーモジュールを収容するように設けられたパックケースと、複数個のバッテリーモジュールとパックケースの底面との間に形成された冷却チャンネルと、空気吸入口から冷却チャンネルまでつながる空気通路を形成するインレットダクトモジュールと、パックケースの内部に設けられた少なくとも一つの排気ファンを備え、冷却チャンネルから空気排出口までつながる空気通路を形成して空気をパックケースの外部へ強制排気可能に設けられたアウトレットダクトモジュールと、を含み得る。
【0015】
パックケースは、複数個のバッテリーモジュールが載置されたパックトレイと、パックトレイの上部をカバーするパックカバーであって、空気吸入口及び空気排出口を備えたパックカバーと、を含み得る。
【0016】
複数個のバッテリーモジュールは、下板部に下方へ突出して形成された冷却フィンがパックトレイに向けられるように配置され、冷却チャンネルは、冷却フィンの間に存在する隙間によって確保され得る。
【0017】
複数個のバッテリーモジュールは、パックトレイの上に横方向に沿って二つの列に配置され、空気吸入口は、第1例の一番目のバッテリーモジュールの上部に位置する第1空気吸入口と、第2列の一番目のバッテリーモジュールの上部に位置する第2空気吸入口と、を含み、空気排出口は一つであり、第1列の最後のバッテリーモジュールと第2列の最後のバッテリーモジュールとの間の上部に位置し得る。
【0018】
インレットダクトモジュールは、第1空気吸入口から第1列のバッテリーモジュールの下部に形成された冷却チャンネルの方向へ空気の流れを案内する第1インレットダクトと、第2空気吸入口から第2列のバッテリーモジュールの下部に形成された冷却チャンネルの方向へ空気の流れを案内する第2インレットダクトと、を含み得る。
【0019】
第1インレットダクトは、第1空気吸入口と連結された第1インレットダクト入口を備え、第1列の一番目のバッテリーモジュールの上部に配置された第1インレット水平ダクト部と、第1インレット水平ダクト部から下方へ折り曲げられて延び、第1列の一番目のバッテリーモジュールの前方側面部に並んで配置され、最下端に冷却チャンネルに向かって開放された第1インレットダクト出口を備える第1インレット垂直ダクト部と、を含み得る。
【0020】
第2インレットダクトは、第1インレットダクトに対して縦方向に対称となるように位置し、第2空気吸入口と連結される第2インレットダクト入口を備え、第2列の一番目のバッテリーモジュールの上部に配置される第2インレット水平ダクト部と、第2インレット水平ダクト部から下方へ折り曲げられて延び、第2列の一番目のバッテリーモジュールの前方側面部に並んで配置され、最下端に冷却チャンネルに向かって開放された第2インレットダクト出口を備える第2インレット垂直ダクト部と、を含み得る。
【0021】
アウトレットダクトモジュールは、第1列のバッテリーモジュールの下部に形成された冷却チャンネルから空気排出口の方向へ空気の流れを案内する第1アウトレットダクトと、第2列のバッテリーモジュールの下部に形成された冷却チャンネルから空気排出口の方向へ空気の流れを案内する第2アウトレットダクトと、第1列のバッテリーモジュールの上部に第1アウトレットダクトと連通するように取り付けられた第1排気ファンと、第2列のバッテリーモジュールの上部に第2アウトレットダクトと連通するように取り付けられた第2排気ファンと、第1排気ファンと連通するように設けられた第1開口、第2排気ファンと連通するように設けられた第2開口、及び空気排出口と連通するように設けられた第3開口、を備えたファンブリッジダクトと、を含み得る。
【0022】
ファンブリッジダクトは、第1開口から第3開口につながる内部空間と、第2開口から第3開口につながる内部空間とを区切る隔壁をさらに備え得る。
【0023】
ファンブリッジダクトは、内部空間を形成し、上下結合可能に設けられたダクト下部カバー及びダクト上部カバーを含み、第1開口及び第2開口は、ダクト下部カバーとダクト上部カバーの結合によって形成され、第3開口は、ダクト上部カバーの上部に設けられ得る。
【0024】
なお、本発明の他の様態によると、前述した空冷式バッテリーパックを含む電気自動車が提供され得る。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一面によると、ファンの騷音を減少させるように排気ファンを内蔵しながらも、空間活用性、経済性、冷却性能などが優秀な空冷式バッテリーパックを提供することができる。
【0026】
本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者であれば、本発明による実施例から以上で言及されないさらに他の技術的課題を解決できることは、以下の説明から自明に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】従来技術による空冷式バッテリーパックの構成を概略的に示した図である。
【
図2】本発明の一実施例による空冷式バッテリーパックの概略的な斜視図である。
【
図3】
図2の空冷式バッテリーパックからパックカバーを分離した図である。
【
図4】
図2のI-I’による空冷式バッテリーパックの概略的な断面図である。
【
図5】
図2のII-II’による空冷式バッテリーパックの概略的な断面図である。
【
図6】本発明の一実施例によるインレットダクトモジュールとアウトレットダクトモジュールの設置構造を示した図である。
【
図7】
図6のインレットダクトモジュールを他の方向から見た斜視図である。
【
図8】二つの排気ファンとファンブリッジダクトを第1アウトレットダクト及び第2アウトレットダクトから分離した状態を示した図である。
【
図9】第1及び第2アウトレットダクトを示した斜視図である。
【
図10】二つの排気ファンとファンブリッジダクトの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0029】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0030】
図2は、本発明の一実施例による空冷式バッテリーパックの概略的な斜視図であり、
図3は、
図2の空冷式バッテリーパックでパックカバーを分離した図である。
図4は、
図2のI-I’による空冷式バッテリーパックの概略的な断面図であり、
図5は、
図2のII-II’による空冷式バッテリーパックの概略的な断面図である。
【0031】
これらの図面を参照すると、本発明の一実施例による空冷式バッテリーパック10は、複数個のバッテリーモジュール100と、パックケース200と、冷却チャンネルPと、インレットダクトモジュール300と、二つの排気ファン430、440を含んで構成されたアウトレットダクトモジュール400と、を含む。
【0032】
バッテリーモジュール100は、直列及び/または並列に接続された二次電池セル(図示せず)を備える。二次電池セルは、パウチ型二次電池であり得る。パウチ型二次電池は、電極組立体、電解液及びパウチ外装材を備え得る。
【0033】
ここで、電極組立体は、電極と分離膜の組立体として、一枚以上の正極板及び一枚以上の負極板が分離膜を挟む形態で構成され得る。また、電極組立体の各電極板には電極タブが備えられ、電極リードと接続され得る。特に、パウチ型二次電池の場合、一つ以上の電極タブが電極リードと接続でき、電極リードは、パウチ外装材の間に介在されて一端が外部に露出することで電極端子として機能できる。パウチ外装材は、外部絶縁層、金属層及び内部接着層を備え、電極組立体と電解液を収納して周縁部を熱溶着して密封し得るラミネートシートで構成され得る。
【0034】
このようなパウチ型二次電池の構成については、本願発明が属する技術分野における当業者にとって自明な事項であるので、より詳細な説明は省略する。
【0035】
パウチ型二次電池セルは、広い面が立てられて一方向へ積層された形態でモジュールハウジングに収納して構成され得る。この場合、各パウチ型二次電池セルは、下端のエッジ部がモジュールハウジングの底面に接触する。このようなバッテリーモジュール100の下部に冷却チャンネルPを設け、冷却チャンネルPに冷却空気が流れるようにしてモジュールハウジングの底面と冷却空気を接触させることで、各パウチ型二次電池セルと冷却空気との熱交換が間接的に行われるようにし得る。
【0036】
バッテリーモジュール100は必ずしもパウチ型二次電池で構成しなくてもよい。即ち、バッテリーモジュール100は、金属缶を用いて電極組立体と電解液を収納した円筒型二次電池、角形二次電池などを含め、本願発明の出願時点における公知の多様な二次電池で構成され得る。
【0037】
パックケース200は、複数個のバッテリーモジュール100が載置されるパックトレイ210と、パックトレイ210の上部をカバーしてパックトレイ210と結合可能に設けられるパックカバー220と、を含む。
【0038】
図面の便宜上、詳しく図示していないが、パックケース200にはBMS(Battery Management System)とBDU(Battery Disconnection Unit)130、電気配線ケーブルなどがバッテリーモジュール100と共に搭載され得る。
【0039】
複数個のバッテリーモジュール100は、パックトレイ210の上に横方向(Y軸方向)に沿って二つの列に配置され得る。
【0040】
例えば、
図3に示したように、本実施例によるバッテリーパックは、総6個のバッテリーモジュール100A、100B、100C、100D、100E、100Fを備え、第1例と第2列に各々三つずつのバッテリーモジュール100が横方向(Y軸方向)に沿って配列される。
【0041】
各バッテリーモジュール100(
図5参照)は、下板部に相互に間隔を隔てて下方へ突出して形成された冷却フィン110を備える。例えば、冷却フィン110を備えた板状のプレートをバッテリーモジュール100の下板部に取り付けるか、または板状のプレート自体をバッテリーモジュール100の下板部として採用し得る。冷却フィン110は、アルミニウムのように熱伝導性に優れた金属材質で設けられ得る。
【0042】
各バッテリーモジュール100は、冷却フィン110がパックトレイ210の底面に向けられるようにパックトレイ210の上に配置される。この場合、各バッテリーモジュール100の下板部が冷却フィン110によってパックトレイ210の底面から離隔して支持され、各バッテリーモジュール100の下板部とパックトレイ210の底面との間に空間が設けられる。ここで、空間が冷却チャンネルPとして活用される。
【0043】
即ち、本発明の空冷式バッテリーパック10は、空気吸入口221、222から外部空気をパックケース200の内部へ流入させ、冷却チャンネルPに冷却空気を供給して各バッテリーモジュール100を冷却し、温度が上昇した内部空気は空気排出口223からパックケース200の外へ排出する。
【0044】
パックトレイ210は、剛性の補強のためにセンターフレーム510及びサイドフレーム520を備える。センターフレーム510は、第1列のバッテリーモジュール100A、100B、100Cと、第2列のバッテリーモジュール100D、100E、100Fとの間で、横方向(Y軸方向)へ延びるように構成され、サイドフレーム520は二つであり、各々第1列のバッテリーモジュール100とパックトレイ210の右側壁との間、そして第2列のバッテリーモジュール100とパックトレイ210の左側壁との間から横方向へ延びるように構成され得る。
【0045】
センターフレーム510とサイドフレーム520は、パックトレイ210の剛性補強の役割と共に、後述するインレットダクトモジュール300の設置時に使用するインレットブラケット530、アウトレットブラケット540、ファン取付けブラケットを固定する構造物として活用され得る。
【0046】
パックカバー220は、空気吸入口221、222及び空気排出口223を備える。
【0047】
本実施例の場合、
図2及び
図3に示したように、二つの空気吸入口221、222がパックケース200の前方領域に位置するようにパックカバー220の上面に設けられ、一つの空気排出口223がパックケース200の後方領域に位置するようにパックカバー220の上面に設けられる。
【0048】
このような二つの空気吸入口221、222と一つの空気排出口223は、パックカバー220とパックトレイ210を結合するとき、各々第1インレットダクト入口311、第2インレットダクト入口321及びファンブリッジダクト450の第3開口453に上下に位置合わせされ得る。
【0049】
具体的には、空気吸入口221、222は、第1空気吸入口221及び第2空気吸入口222を含み、第1空気吸入口221は、第1列の一番目のバッテリーモジュール100Aの上部に位置し、第2空気吸入口222は、第2列の一番目のバッテリーモジュール100Dの上部に位置するようにパックカバー220に形成される。
【0050】
そして、空気排出口223は、第1列の最後のバッテリーモジュール100Cと第2列の最後のバッテリーモジュール100Fとの間の上部に位置するようにパックカバー220に形成される。
【0051】
図4のように、冷却空気は、パックケース200の外部から第1空気吸入口221及び第2空気吸入口222を通してパックケース200の内部へ流入し、インレットダクトモジュール300によって冷却チャンネルPに案内され得る。
【0052】
インレットダクトモジュール300は、
図3及び
図4と、
図6及び
図7に示したように、第1インレットダクト310及び第2インレットダクト320を含んで構成され得る。
【0053】
第1インレットダクト310は、第1空気吸入口221から第1列のバッテリーモジュール100の下部に形成される冷却チャンネルPの方向へ冷却空気の流れを案内する役割を果たし、第2インレットダクト320は、第2空気吸入口222から第2列のバッテリーモジュール100の下部に形成される冷却チャンネルPの方向へ冷却空気の流れを案内する役割を果たす。
【0054】
このような第1インレットダクト310は、空気が流動可能な中空構造の板状体で設けられた第1インレット水平ダクト部312と、第1インレット水平ダクト部312のエッジから下方へ折り曲げられて延びた第1インレット垂直ダクト部313と、を備え、第1列の一番目のバッテリーモジュール100Aを部分的に囲むように配置され得る。
【0055】
第1インレット水平ダクト部312は、第1列の一番目のバッテリーモジュール100Aの上部に配置され、第1インレット垂直ダクト部313は、第1列の一番目のバッテリーモジュール100Aの前方側面部に並んで配置される。そして、第1インレット水平ダクト部312は、上方に向かって開放された第1インレットダクト入口311を備え、第1インレット垂直ダクト部313は、最下端に冷却チャンネルPに向かって開放された第1インレットダクト出口314を備える。
【0056】
第1インレットダクト入口311は、パックトレイ210とパックカバー220の結合時、第1空気吸入口221に連結され得る。この際、第1インレットダクト入口311の外側にシーリングガスケットを取り付けて外部空気が漏れないようにする。
【0057】
第1インレット水平ダクト部312は、第1インレットダクト入口311から遠ざかる方向へ幅が拡張されるように形成され、第1インレット垂直ダクト部313の幅と同一に設けられ得る。そして、第1インレット垂直ダクト部313の幅は、ほぼ冷却チャンネルPの幅に対応するように設けられ得る。
【0058】
このような構成によると、外部空気が第1空気吸入口221に入り、第1列の一番目のバッテリーモジュール100Aの上部から前方側面部の方向へ迂回して冷却チャンネルPが始まる箇所へ案内され得る。また、外部空気は、第1インレット水平ダクト部312で広がって第1インレット垂直ダクト部313に沿って鉛直下降して冷却チャンネルPに入り得る。
【0059】
このように第1インレットダクト310が第1列の一番目のバッテリーモジュール100Aの上部と前方側面部に密着するように構成されることで、第1空気吸入口221から冷却チャンネルPまでつながる空気通路がコンパクトに具現される。
【0060】
第2インレットダクト320は、第1インレットダクト310と実質的に同じ構造と機能を有するものであって、第1インレットダクト310と縦方向に対称となるように配置される。
【0061】
即ち、第2インレットダクト320は、第2列の一番目のバッテリーモジュール100Dの上部に配置される第2インレット水平ダクト部322と、第2インレット水平ダクト部322のエッジから下方へ折り曲げられて延びて第2列の一番目のバッテリーモジュール100の前方側面部に並んで配置される第2インレット垂直ダクト部323と、を含む。
【0062】
また、第2インレット水平ダクト部322は、パックカバー220の第2空気吸入口222と連結されるように上方へ開放された第2インレットダクト入口321を備え、第2インレット垂直ダクト部323は、最下端に冷却チャンネルPに向かって開放された第2インレットダクト出口324を備える。
【0063】
一方、アウトレットダクトモジュール400は、
図8~
図12に示したように、第1アウトレットダクト410と、第2アウトレットダクト420と、第1排気ファン430と、第2排気ファン440と、ファンブリッジダクト450と、を含んで構成され得る。
【0064】
第1アウトレットダクト410は、第1列のバッテリーモジュール100A、100B、100Cの下部に形成された冷却チャンネルPから空気排出口223の方向へ冷却空気の流れを案内する役割を果たし、第2アウトレットダクト420は、第2列のバッテリーモジュール100D、100E、100Fの下部に形成された冷却チャンネルPから空気排出口223の方向へ冷却空気の流れを案内する役割を果たす。
【0065】
第1アウトレットダクト410は、前述した第1インレットダクト310の役割とは反対の役割を果たすが、構造は類似である。このような第1アウトレットダクト410は、第1列の三番目のバッテリーモジュール100Cの上部に配置される第1アウトレット水平ダクト部412と、第1アウトレット水平ダクト部412のエッジから下方へ折り曲げられて延び、第1列の三番目のバッテリーモジュール100Cの後方側面部に並んで配置される第1アウトレット垂直ダクト部413と、を含む。
【0066】
また、第1アウトレット水平ダクト部412は、上方に向かって開放された第1アウトレットダクト出口411を備え、第1アウトレット垂直ダクト部413は、最下端に冷却チャンネルPに向かって開放された第1アウトレットダクト入口414を備える。
【0067】
第2アウトレットダクト420は、第1アウトレットダクト410と実質的に同じ構造を有するものであって、第1アウトレットダクト410と縦方向に対称となるように配置される。
【0068】
第2アウトレットダクト420は、第2列の三番目のバッテリーモジュール100Fの上部に配置される第2アウトレット水平ダクト部422と、第2アウトレット水平ダクト部422のエッジから下方へ折り曲げられて延び、第2列の三番目のバッテリーモジュール100Fの後方側面部に並んで配置される第2アウトレット垂直ダクト部423と、を含む。
【0069】
また、第2アウトレット水平ダクト部422は、上方に向かって開放された第2アウトレットダクト出口421を備え、第2アウトレット垂直ダクト部423は、最下端に冷却チャンネルPに向かって開放された第2アウトレットダクト入口424を備える。
【0070】
第1アウトレット水平ダクト部412及び第2アウトレット水平ダクト部422は各々、アウトレットブラケット540に固定結合し、第1列の三番目のバッテリーモジュール100Cの上部と第2列の三番目のバッテリーモジュール100Fの上部に並んで配置され得る。
【0071】
このような構成によると、第1列のバッテリーモジュール100A、100B、100Cと熱交換した冷却空気は、冷却チャンネルPが終わる箇所で第1アウトレットダクト入口414から入り、第1列の三番目のバッテリーモジュール100Cの後方側面部と上部を迂回して第1アウトレットダクト出口411へ案内され得る。そして、第2列のバッテリーモジュール100D、100E、100Fと熱交換した冷却空気は、冷却チャンネルPが終わる箇所で第2アウトレットダクト入口424から入り、第2列の三番目のバッテリーモジュール100Fの後方側面部と上部を迂回して第2アウトレットダクト出口421へ案内され得る。
【0072】
第1排気ファン430及び第2排気ファン440は、ファンブリッジダクト450に脱着可能に設けられ、第1列の三番目のバッテリーモジュール100Cと第2列の三番目のバッテリーモジュール100Fの上部に配置され得る。この際、
図8に示したように、先ずファンブラケット550を設置してからファンブラケット550の上に安定的に固定結合し得る。
【0073】
第1排気ファン430は、第1列のバッテリーモジュール100A、100B、100Cの上部に第1アウトレットダクト410と連通するように取り付けられ、第2排気ファン440は、第2列のバッテリーモジュール100D、100E、100Fの上部に第2アウトレットダクト420と連通するように取り付けられる。例えば、第1排気ファン430は、第1アウトレットダクト出口411に直結するように設けられ、第2排気ファン440は第2アウトレットダクト出口421に直結するように設けられ得る。
【0074】
このような第1排気ファン430は、第1アウトレットダクト410及びこれと連通する冷却チャンネルPの冷却空気を吸引する役割を果たし、第2排気ファン440は、第2アウトレットダクト420及びこれと連通する冷却チャンネルPの冷却空気を吸引する役割を果たす。
【0075】
例えば、従来技術の一例による空冷式バッテリーパック(
図1参照)は、200W以上の大型ファンをパックケースの外部からパックケースの空気排出口に連結してパックケース200の内部の空気を吸引するのに対し、上述したように、本発明の空冷式バッテリーパック10は、冷却チャンネルPを二つ構成したため、70W程度の小型排気ファン二つでも冷却性能を充分に確保することができる。
【0076】
第1排気ファン430、第2排気ファン440及びファンブリッジダクト450をカバーするパックカバーの突出領域225は、他の部分よりも突出して形成され得る。本実施例のパックカバーの突出領域225の変形例として、パックカバーの突出領域225をパックカバー220に脱着可能な別のカバー形態として製作することも可能である。この場合、第1排気ファン430及び第2排気ファン440の交替またはメインテナンスが必要なとき、当該部分のカバーを開けると、第1排気ファン430及び第2排気ファン440を容易に脱去可能である。
【0077】
ファンブリッジダクト450は、パックケース200の内部で第1排気ファン430及び第2排気ファン440から吸引した空気を一箇所に集めて一つの空気排出口223へ排出するためのものであって、第1排気ファン430及び第2排気ファン440と連通し、パックカバー220の空気排出口223に上下方向へ直結されるように構成され得る。
【0078】
図10及び
図11に示したように、ファンブリッジダクト450は、3方向に開口を備えた箱状で設けられ得、3方向の開口は、右側方向に形成される第1開口451と、左側方向に形成される第2開口452と、上方に形成される第3開口453と、を含む。
【0079】
第1開口451は第1排気ファン430に接続し、第2開口452は第2排気ファン440に接続可能に設けられ得る。そして、第3開口453は、パックカバー220の空気排出口223と上下に位置合わせられるように設けられ得る。第3開口453の外側にシーリングガスケットを取り付けて冷却空気が漏れないようにし得る。
【0080】
図12に示したように、ファンブリッジダクト450は、上下結合可能に設けられるダクト下部カバー450a及びダクト上部カバー450bを含んで構成され得る。この場合、第1開口451及び第2開口452は、ダクト下部カバー450aとダクト上部カバー450bの結合によって形成され、第3開口453は、ダクト上部カバー450bの上部に設けられ得る。
【0081】
また、ファンブリッジダクト450は、第1開口451から第3開口453につながる内部空間と、第2開口452から第3開口453につながる内部空間と、を区切る隔壁455をさらに備える。ダクト下部カバー450a及びダクト上部カバー450bは各々下隔壁455a及び上隔壁455bを備え、相互に結合時、下隔壁455aと上隔壁455bが連結されるように構成され得る。
【0082】
この場合、冷却空気が第1アウトレットダクト410から第2アウトレットダクト420への移動、または第2アウトレットダクト420から第1アウトレットダクト410への移動が発生せず、空気排出口223からパックケース200の外部へ抜け出ることで圧力損失が減少し、第1排気ファン430及び第2排気ファン440の出力に比べて冷却効率が優秀である。
【0083】
以上のように、上述した本発明のバッテリーパックの構成によると、ファンの騷音が減少できるように排気ファンを内蔵しながらも、空間活用性、経済性、冷却性能などが優秀な空冷式バッテリーパックを提供することができる。
【0084】
一方、本発明によるバッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に適用可能である。即ち、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパックを含み得る。
【0085】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0086】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【符号の説明】
【0087】
100 バッテリーモジュール
200 パックケース
220 パックカバー
221、222 空気吸入口
223 空気排出口
300 インレットダクトモジュール
400 アウトレットダクトモジュール
430 第1排気ファン(排気ファン)
440 第2排気ファン(排気ファン)
P 冷却チャンネル