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▶ ビーワイディー カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】車両及びその電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/209 20210101AFI20241113BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20241113BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20241113BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20241113BHJP
【FI】
H01M50/209
H01M50/296
H01M50/271 B
H01M50/505
H01M50/55 101
H01M50/51
H01M50/204 401H
H01M50/249
H01M10/613
H01M10/6554
H01M10/625
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022578569
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2021089035
(87)【国際公開番号】W WO2021253976
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】202010578306.0
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼亮▲穏▼
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】宋娜
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼晶
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼文会
【審査官】窪田 陸人
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208000958(CN,U)
【文献】中国実用新案第210006806(CN,U)
【文献】特開2021-114852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50-50/598
H01M 10/52-10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイと、複数の電池と、配電ボックスと、封止板とを含む電池パックであって、
前記トレイ内に収容空間が形成され、前記複数の電池と前記配電ボックスは、いずれも前記収容空間内に収容され、前記複数の電池は、いずれも前記配電ボックスに電気的に接続され、前記トレイは、底板を含み、前記底板に前記収容空間と連通するアクセスポートが設けられ、前記アクセスポートと前記配電ボックスとは、対向して設けられ、前記封止板は前記アクセスポートを封止し、かつ、前記封止板は前記底板に取り外し可能に接続され、
前記トレイは、側部梁を更に含み、前記側部梁は、前記底板に接続されて前記収容空間を形成し、前記側部梁に開口部が設けられ、前記開口部は、前記収容空間と連通し、
前記電池パックは、複数の接続シートを更に含み、各電池は、頂面を含み、前記頂面は、前記開口部に向かい、各前記電池の頂面に、間隔を隔てて正極端子及び負極端子が設けられ、隣接する前記電池の間に前記接続シートが設けられ、前記接続シートは、隣接する2つの前記電池のうちの一方の前記電池の前記正極端子と他方の前記電池の前記負極端子とを電気的に接続し、
前記複数の電池を前記収容空間に入れた後、前記開口部により前記接続シートを取り付けて固定して、隣接する2つの前記電池のうちの一方の前記電池の前記正極端子と他方の前記電池の前記負極端子とを電気的に接続することを特徴とする、電池パック。
【請求項2】
記側部梁の高さは、前記電池の高さ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記側部梁は、主側部梁を含み、前記主側部梁に前記開口部が設けられことを特徴とする、請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記トレイは、副側部梁を更に含み、前記副側部梁は、前記開口部をカバーし、かつ前記主側部梁に取り外し可能に接続されることを特徴とする、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記主側部梁の端部は、前記底板の端部と共に前記開口部を形成し、前記副側部梁は、更に、前記底板に取り外し可能に接続されることを特徴とする、請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記主側部梁は、第1の側部梁と、第2の側部梁と、第3の側部梁とを含み、前記第1の側部梁と前記第2の側部梁とは、対向して設けられ、前記第3の側部梁と前記副側部梁とは、対向して設けられ、前記第1の側部梁は、第1の端部、及び、前記第1の端部の反対側に設けられた第2の端部を含み、前記第2の側部梁は、第3の端部、及び、前記第3の端部の反対側に設けられた第4の端部を含み、前記底板は、接続端部、及び、前記接続端部の反対側に設けられた固定端部を含み、前記第1の端部、前記第3の端部及び前記接続端部は、同じ側に位置し、前記第1の端部、前記第3の端部及び前記接続端部は、前記開口部を形成し、前記副側部梁は、前記第1の端部、前記第3の端部及び前記接続端部にいずれも取り外し可能に接続され、前記第2の端部、前記第4の端部及び前記固定端部は、同じ側に位置し、前記第3の側部梁は、前記第2の端部、前記第4の端部及び前記固定端部に固定接続されることを特徴とする、請求項5に記載の電池パック。
【請求項7】
前記トレイは、複数の間隔側部梁を更に含み、複数の前記間隔側部梁が前記収容空間内に間隔を隔てて設けられることにより、前記収容空間を複数の部分空間に分割し、1つの前記部分空間内に複数の電池が設けられることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
構造用接着剤を更に含み、前記構造用接着剤は、前記底板と前記複数の電池との間に設けられることにより、前記複数の電池を前記底板に固着することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項9】
直冷板を更に含み、前記直冷板は、前記側部梁上に設けられ、前記トレイをカバーし、前記電池パックは、熱伝導構造用接着剤を更に含み、前記熱伝導構造用接着剤は、前記複数の電池と前記直冷板との間に設けられることを特徴とする、請求項2に記載の電池パック。
【請求項10】
車体及び請求項1~9のいずれか一項に記載の電池パックを含み、前記車体の外表面に取付位置が設けられ、前記電池パックが前記取付位置内に固定され、及び/又は、前記車体の底部の外表面に取付位置が設けられ、前記電池パックは、前記車体の底部の取付位置内に固定されることを特徴とする、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2020年6月19日に提出した、出願名称が「車両及びその電池パック」である中国特許出願第「202010578306.0」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、具体的には、本願は、車両及びその電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電池パックのアクセスポートは、電池パックの頂部に位置し、電池パックは、車両の電池パックの取付位置内に取り付けられ、電池パックの頂部は、取付位置の内部に収容され(アクセスポートが車体により遮られる)、電池パックの配電ボックスが故障した場合、電池パック全体を車体から取り外した後にアクセスポートにより配電ボックスをメンテナンスする必要があり、メンテナンス効率が低く、メンテナンスコストが高い。
【発明の概要】
【0004】
本願は、従来技術における技術的課題の1つを少なくとも解決することを目的とする。このために、本願は、メンテナンス効率が高く、メンテナンスコストが低い電池パックを提供する。
【0005】
本願に係る電池パックは、トレイと、複数の電池と、配電ボックスと、封止板とを含み、前記トレイ内に収容空間が形成され、前記複数の電池と前記配電ボックスは、いずれも前記収容空間内に収容され、かつ前記複数の電池は、いずれも前記配電ボックスに電気的に接続され、前記トレイは、底板を含み、前記底板に前記収容空間と連通するアクセスポートが設けられ、前記アクセスポートと前記配電ボックスとは、対向して設けられ、前記封止板は、前記アクセスポートを封止し、かつ前記底板に取り外し可能に接続される。
【0006】
これにより、電池パックの配電ボックスが故障した場合、車両を上昇させるだけで、点検員が車両の底部で配電ボックスに対する点検を実現することができ、電池パックの取り外し工程を省略し、メンテナンスコストを低減し、メンテナンス効率を向上させることができる。
【0007】
車両は、車体及び上記電池パックを含み、前記車体の外表面に取付位置が設けられ、前記電池パックが前記取付位置内に固定され、前記底板が自由板であり、及び/又は、前記車体の底部の外表面に取付位置が設けられ、前記電池パックは、前記車体の底部の取付位置内に固定され、前記底板は、自由板である。
【0008】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本願の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになって理解されやすくなる。
【0010】
図1】本願の実施例に係る電池パックの概略構造図である。
図2図1における電池パックの分解図である。
図3図1における電池パックの底面概略構造図である。
図4図1におけるトレイの概略構造図である。
図5図4に示すトレイの分解図である。
図6】本願の実施例に係る車両の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似する部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0012】
なお、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を暗示的に示すものであると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。更に、本願の説明において、特別な説明がない限り、「複数」は、2つ以上を意味する。
【0013】
本願に係る車両1000は、車体及び電池パック100を含み、車体の外表面に取付位置が設けられ、電池パック100は、トレイ10の側部梁60により取付位置内に固定される。理解できるように、取付位置は、凹溝であってもよく、電池パック100は、凹溝内に取り付けられる。
【0014】
図1図3に示すように、電池パック100は、トレイ10と、複数の電池20と、配電ボックス30と、封止板40とを含み、トレイ10内に収容空間50が形成され、複数の電池20と配電ボックス30は、いずれも収容空間50内に収容され、かつ複数の電池20は、いずれも配電ボックス30に電気的に接続され、トレイ10は、底板101を含み、底板101に収容空間50と連通するアクセスポート101aが設けられ、アクセスポート101aと配電ボックス30とは、対向して設けられ、封止板40は、アクセスポート101aを封止し、かつ底板101に取り外し可能に接続される。理解できるように、配電ボックス30内にメンテナンススイッチ、保険などの回路保護部材を含み、販売後の電池パック100に対する点検は、配電ボックス30を操作することにより行われる必要があり、電池パック100のアクセスポート101aは、販売後の配電ボックス30に対する操作に対応する。封止板40と底板101は、ボルトにより取り外し可能に接続される。電池パック100は、保護板150を更に含み、保護板150は、底板101と積層され、かつ底板101の収容空間50に背向する一側に設けられ、アクセスポート101aを露出させる。
【0015】
理解できるように、電池パック100の底板101は、自由板である。即ち、電池パック100の底板101は、車体に接続されず、車体に遮られておらず、アクセスポート101aは、車体に遮られていない。
【0016】
それにより、電池パック100の配電ボックス30が故障した場合、封止板40を取り外すだけで、底板101上のアクセスポート101aにより配電ボックス30を点検することができ、電池パック100を取り外す必要がなく、点検効率が高く、電池パック100のアクセスポート101aが頂部に位置し、電池パック100全体を車体から取り外した後に頂部のアクセスポートにより配電ボックス30をメンテナンスする必要があり、メンテナンス効率が低く、メンテナンスコストが高いという技術的課題を解決する。
【0017】
いくつかの実施例では、車体の底部の外表面に取付位置が設けられ、電池パック100は、底部の取付位置内に固定される。電池パック100が車両1000の底部の取付位置内に取り付けられる場合、電池パック100の底板101は、下に向かう。即ち、車両1000が正常な運転状態と停止状態にある場合、電池パック100の底板101は、地面に向かう。
【0018】
それにより、電池パック100の配電ボックス30が故障した場合、車両1000を上昇させるだけで、点検員が車両の底部で配電ボックス30に対する点検を実現することができ、電池パック100の取り外し工程を省略する。
【0019】
図4図5に示すように、トレイ10は、側部梁60を更に含み、側部梁60は、底板101に接続されて収容空間50を形成し、側部梁60の高さは、電池20の高さ以上である。それにより、側部梁60を設けることにより、収容空間50内の電池20を保護することができ、走行中に電池パック100が側方衝突を受けるとき、電池20が押圧されて短絡が発生しやすいという技術的課題を回避し、また、側部梁60を設けることにより、トレイ10の耐押圧強度も向上させる。また、側部梁60の高さが電池20の高さ以上であるため、側部梁60は、電池20を完全に被覆することができ、外部の衝突は、電池20に全く影響を与えない。理解できるように、側部梁60は、収容空間50の体積が大きくなり、大きい収容空間50に多くの電池20を配置することができるために、底板101の縁部に設けられてもよい。
【0020】
側部梁60は、主側部梁601及び副側部梁602を含み、主側部梁601に開口部70が設けられ、開口部70は、収容空間50と連通し、副側部梁602は、開口部70をカバーし、かつ主側部梁601に取り外し可能に接続される。具体的には、副側部梁602と主側部梁601とは、取り外し可能に接続され、主側部梁601と副側部梁602とは、容易に接続し、容易に取り外すことができる。側部梁60は、別体構造である。主側部梁601と副側部梁602とが接続された表面に接着剤溢れ溝が設けられ、接着剤溢れ溝内にシーラントが設けられ、主側部梁601と副側部梁602とがシーラントにより接着され、かつ主側部梁601と副側部梁602とが接着固定された後、ボルトにより主側部梁601と副側部梁602とを更に締め付けることもできる。
【0021】
電池パック100は、複数の接続シート80を更に含み、各電池20は、頂面201を含み、頂面201は、開口部70に向かい、各電池20の頂面201に間隔を隔てて設けられた正極端子202及び負極端子203が設けられ、隣接する電池20の間に接続シート80が設けられ、接続シート80は、隣接する2つの電池のうちの一方の電池の正極端子202と他方の電池の負極端子203とを電気的に接続する。
【0022】
複数の電池20は、収容空間50内にアレイ状に配列され、電池20の頂面201は、開口部70に向かい、正極端子202と負極端子203は、いずれも開口部70に向かい、開口部70を設けることにより、接続シート80と極端子(正極端子202及び/又は負極端子203)との接続を容易にする。本願では、接続シート80が隣接する2つの電池の一方の電池の正極端子202と他方の電池の負極端子203とを電気的に接続するための方式は、溶接であり、当然のことながら、他の接続方式であってもよい。複数の接続シート80によって隣接する2つの電池の一方の電池の正極端子202と他方の電池の負極端子203とを電気的に接続することにより、複数の電池20を直列接続する。
【0023】
本願では、副側部梁602が主側部梁601に取り外し可能に接続されることにより、副側部梁602が主側部梁601から取り外される場合、又は副側部梁602が主側部梁601に取り付けられていない場合、主側部梁601の開口部70を露出させることができ、複数の電池20を収容空間50に入れた後、主側部梁601の開口部70により接続シート80を隣接する2つの電池20の正極端子202と負極端子203に取り付けて固定することができ、かつ全ての接続シート80をいずれも取り付けた後、副側部梁602を主側部梁601に取り付けて接続することにより、接続シート80を電池20の正極端子202と負極端子203に接続するプロセスは、トレイ10内で完了し、工程が簡単であり、組み立てが簡単である。これにより、全ての電池20を接続シート80を介して一体に溶接した後、治具で拘束してトレイ10内に持ち上げたり逆さまに置いたりすると、工程が煩雑で複雑であり、組み立て難度が高く、かつ治具で拘束するプロセスにおいて接続シート80と極端子(正極端子202と負極端子203)との間の溶接継ぎ目が力を受け、溶接継ぎ目が力を受けることが品質管理に不利であるという技術的課題を解決する。
【0024】
理解できるように、接続シート80が隣接する2つの電池のうちの一方の電池の正極端子202と他方の電池の負極端子203とを電気的に接続する接続方式が溶接である場合、ここでの溶接は、一般的に、レーザ溶接により完了し、レーザ溶接プロセスの制限により、レーザヘッドと溶接される領域との間に障害物がないことが必要であり、また、側部梁60がレーザ溶接を阻害するため、側部梁60を別体構造に設定し、主側部梁601に取り外し可能に接続するように前端部の副側部梁602を設計する必要があり、まず電池20をトレイ10内に取り付け、次に接続シート80を溶接し、そうでなければ、まずトレイ10の外部で極端子(正極端子202と負極端子203)と接続シート80との溶接を完了し、次に電池20と接続シート80全体とをトレイ10内に取り付ける必要があるが、これにより組み立てが困難となり、かつ電池20と接続シート80全体とをトレイ10に取り付けるプロセスにおいて接続シート80の溶接継ぎ目が力を受けることをもたらす。
【0025】
また、前側のアクセスポート101aを設けることにより、配電ボックス30を点検する以外、電池20の極端子(正極端子202と負極端子203)と接続シート80とを接続、例えば溶接する。それにより、本願のアクセスポート101a並びに副側部梁602と主側部梁601との取り外し可能な接続により、電池20の極端子(正極端子202と負極端子203)と接続シート80との間の接続をより簡単にし、より容易にすることができる。
【0026】
本願は、側部梁60を設けることにより、側部梁60の電池20に対する保護作用を果たし、トレイ10の耐押圧強度を強化することができ、副側部梁602と主側部梁601との取り外し可能な接続により、正極端子202と接続シート80との接続及び負極端子203と接続シート80との接続がいずれもトレイ10内で完了することを実現し、電池パック100の治具品質を向上させ、側部梁60が接続シート80と極端子(正極端子202と負極端子203)との接続工程に影響を与えることを回避することができる。理解できるように、接続シート80が隣接する2つの電池20の正極端子202と負極端子203とを接続する接続方式が溶接である場合、副側部梁602と主側部梁601との取り外し可能な接続により、副側部梁602の極端子(正極端子202と負極端子203)の溶接工程に対する影響を回避する。
【0027】
具体的な実施例では、主側部梁601の端部は、底板101の端部と共に開口部70を形成し、副側部梁602は、更に、底板101に取り外し可能に接続される。理解できるように、開口部70は、底板101まで延びることにより、開口部70の面積を増大させ、開口部70により接続シート80が電池20の正極端子202と負極端子203とを接続するプロセスがより容易になる。
【0028】
主側部梁601は、第1の側部梁603と、第2の側部梁604と、第3の側部梁605とを含み、第1の側部梁603と第2の側部梁604とは、対向して設けられ、第3の側部梁605と副側部梁602とは、対向して設けられ、第1の側部梁603は、第1の端部603a及び第1の端部603aと反対側に設けられた第2の端部603bを含み、第2の側部梁604は、第3の端部604a及び第3の端部604aと反対側に設けられた第4の端部604bを含み、底板101は、接続端部101b及び接続端部101bと反対側に設けられた固定端部101cを含み、第1の端部603a、第3の端部604a及び接続端部101bは、同じ側に位置し、かつ第1の端部603a、第3の端部604a及び接続端部101bは、開口部70を形成し、副側部梁602は、第1の端部603a、第3の端部604a及び接続端部101bにいずれも取り外し可能に接続され、第2の端部603b、第4の端部604b及び固定端部101cは、同じ側に位置し、第3の側部梁605は、第2の端部603b、第4の端部604b及び固定端部101cに固定接続される。
【0029】
理解できるように、第1の側部梁603、第3の側部梁605、第2の側部梁604及び副側部梁602は、順に首尾接続されて側部梁60を形成する。第1の側部梁603、第2の側部梁604、第3の側部梁605及び底板101は、一体成形される。電池パック100が完全な構造である場合、第1の側部梁603は、右側の長側部梁60であってもよく、第2の側部梁604は、左側の長側部梁60であってもよく、第3の側部梁605は、後側の側部梁60であってもよく、副側部梁602は、前側の側部梁60であってもよく、開口部70は、トレイ10の前端部に位置する。
【0030】
それにより、本願は、第1の側部梁603、第3の側部梁605、第2の側部梁604及び副側部梁602を設けることにより、正極端子202と負極端子203を保護することができるだけでなく、電池20の他の部位を保護し、電池20に対する全面的な保護を実現することができる。
【0031】
トレイ10は、複数の間隔側部梁90を更に含み、複数の間隔側部梁90が収容空間50内に間隔を隔てて設けられることにより、収容空間50を複数の部分空間に分割し、1つの部分空間内に一部の電池20が設けられている。間隔側部梁90を設けることにより、トレイ10の耐押圧強度を向上させ、電池パック100の構造安定性を向上させることができる。理解できるように、第1の側部梁603、第2の側部梁604、第3の側部梁605、底板101及び複数の間隔側部梁90は、一体成形される。
【0032】
具体的な実施例では、配電ボックス30は、電池20と副側部梁602との間に設けられる。配電ボックス30と電池20とは、接続線により接続され、配電ボックス30は、電池20と副側部梁602との間に設けられることにより、接続線の長さを短くして、コストを低減することができ、かつ線路が簡単であり、故障が発生する確率が低い。理解できるように、配電ボックス30は、電池パック100の前端部に位置する。
【0033】
電池パック100は、構造用接着剤110を更に含み、構造用接着剤110は、底板101と複数の電池20との間に設けられることにより、複数の電池20を底板101に固着する。構造用接着剤110は、電池20を底板101に固定して、電池20の電池パック100内での移動を回避する。
【0034】
電池パック100は、直冷板120を更に含み、直冷板120が側部梁60に設けられることにより、収容空間50をカバーする。直冷板120は、トレイ10を封止し、かつ電池20において生成した熱量を導出する。直冷板120と側部梁60とが圧着された領域は、封止用ウレタンフォーム又はシーラントで封止される。直冷板120に複数の湾曲した冷却流路140が設けられ、冷媒が冷却流路140を流れることにより、電池20において生成した熱を運び去り、直冷板120の前端部の接続口と冷媒の出入り口とは、ボルトによりロックされる。
【0035】
電池パック100は、熱伝導構造用接着剤130を更に含み、熱伝導構造用接着剤130は、複数の電池20と直冷板120との間に設けられる。熱伝導構造用接着剤130は、電池20と直冷板120とを接着固定するだけでなく、電池20において生成したエネルギーを直冷板120に伝達し、直冷板120により放熱する。
【0036】
電池パック100を取り付けるとき、まず、複数の電池20をトレイ10の収容空間50内に入れ、複数の電池20がアレイ状に配列され、各電池20の正極端子202と負極端子203が開口部70に向かい、複数の電池20とトレイ10の底板101との間は、構造用接着剤110で接着固定され、次に、接続シート80を正極端子202と負極端子203に取り付け、レーザ溶接ヘッドは、トレイ10の開口部70により接続シート80を正極端子202と負極端子203に溶接し、配電ボックス30をアクセスポート101aによりトレイ10に入れて、アクセスポート101aの封止板40を取り付け、副側部梁602をトレイ10の開口部70に取り付け、主側部梁601と副側部梁602との接触面をシーラントで充填し、両者をボルトで締め付け、電池20の頂部に熱伝導構造用接着剤130を塗布し、直冷板120をトレイ10の頂部に取り付け、直冷板120により収容空間50の封止を実現し、直冷板120とトレイ10の側部梁60との間の圧着領域を封止用ウレタンフォーム(又はシーラント)で封止し、直冷板120の前端部の接続口と冷媒の出入り口は、ボルトによりロックされると、電池パック100の組み立てを完了する。
【0037】
図6に示すように、本願は、上記電池パック100を用いる車両1000を更に提供する。
【0038】
本願の実施例を示して説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の原則及び精神から逸脱しない場合、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物で限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6