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特許7587655発泡性ウレタン樹脂組成物及びポリウレタン発泡体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】発泡性ウレタン樹脂組成物及びポリウレタン発泡体
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20241113BHJP
   C08G 18/08 20060101ALI20241113BHJP
   C08G 18/16 20060101ALI20241113BHJP
   C08G 18/42 20060101ALI20241113BHJP
   C08G 18/50 20060101ALI20241113BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20241113BHJP
【FI】
C08G18/00 J
C08G18/08 038
C08G18/16
C08G18/42 008
C08G18/50 021
C08G101:00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023159422
(22)【出願日】2023-09-25
(62)【分割の表示】P 2019076247の分割
【原出願日】2019-04-12
(65)【公開番号】P2023164733
(43)【公開日】2023-11-10
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207756
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165021
【弁理士】
【氏名又は名称】千々松 宏
(72)【発明者】
【氏名】玉井 裕介
【審査官】小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-105188(JP,A)
【文献】特開2017-226831(JP,A)
【文献】国際公開第2017/204345(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/105730(WO,A1)
【文献】特開2019-019302(JP,A)
【文献】特開2018-065937(JP,A)
【文献】特表2013-544307(JP,A)
【文献】特開2017-078167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00-18/87
C08G 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、整泡剤、発泡剤、触媒、及び添加剤を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、
前記ポリオール化合物は芳香族ポリエステルポリオールを含み、前記芳香族ポリエステルポリオールの含有量は、前記ポリオール化合物全量中、30質量%以上であり、
前記添加剤は赤燐及び液体難燃剤を含み、前記赤燐の含有量は、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部に対して、0質量部超5質量部未満であり、
前記液体難燃剤の含有量は、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であり、
前記発泡剤はハイドロフルオロオレフィンを含み、
前記触媒は、イミダゾール化合物と、ビスマス化合物と、4級アンモニウム塩と、を含む、発泡性ウレタン樹脂組成物。
【請求項2】
前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて加熱したときに、5分経過時の総発熱量が8MJ/m以下である、請求項1に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
【請求項3】
イソシアネートインデックスが200~700である、請求項1又は2に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
【請求項4】
前記添加剤が、赤燐以外の固体難燃剤を含有し、赤燐と赤燐以外の固体難燃剤の合計の含有量が、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である、請求項1~3のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
【請求項5】
前記ポリオール化合物が、アミン系ポリエーテルポリオールを含有する、請求項1~4のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物から形成されてなり、下記の鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である、ポリウレタン発泡体。
(鋼球沈み込み評価)
(1)ポリウレタン発泡体を各辺50mmの立方体に切り出し、試験体とする。
(2)ブンゼンバーナー(外炎長70mm)のバーナー口から30mmの地点に金網を置き、該金網上に、直径4.7mm、重量0.44gの鋼球を載せて、鋼球全体が赤色に変化するまで、少なくとも5分以上加熱し、鋼球温度を750℃以上とする。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置する。次いで、十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離を測定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性ウレタン樹脂組成物及びこれよりなるポリウレタン発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン発泡体は、その優れた断熱性を利用して、マンション等の集合住宅、戸建住宅、商業ビル等の建築物の天井、屋根、壁面などの断熱や結露防止に実用されている。ポリウレタン発泡体は、軽量であるものの、有機物であるため燃えやすい。これを改善するため、難燃剤などをポリウレタン発泡体に含有させ、難燃性を高めたポリウレタン発泡体が用いられている。例えば、特許文献1では、ポリリン酸アンモニウム、ウレア誘導体、ポリオール、イソシアネートを用いて得られる難燃性ポリウレタンフォームが記載されている。該難燃性ポリウレタンフォームは、ポリオール100重量部に対して5~150重量部の範囲のポリリン酸アンモニウム及び0.001~15重量部の範囲のウレア誘導体が用いられることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-151524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、断熱材として建築物に用いられるポリウレタン発泡体に起因する火災が比較的多く報告されている。このような問題を改善するため、優れた難燃性を有するのみならず、出火した際に、燃え広がり難い性質を備えるポリウレタン発泡体の開発が期待されている。
また、難燃剤を多く用いると、燃え広がり難い質を備えるポリウレタン発泡体が得やすくなるものの、発泡体が脆く、表面が容易に割れるなどして、座屈し易くなり、取り扱い性に劣ってしまうという課題が生じる。
そこで本発明は、燃え広がり難い性質を備え、かつ取り扱い性に優れるポリウレタン発泡体を製造するための、発泡性ウレタン樹脂組成物、及びこれよりなるポリウレタン発泡体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意検討の結果、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、整泡剤、発泡剤、触媒、及び添加剤を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、上記添加剤が赤燐を特定量含み、かつ鋼球の沈み込み距離が、一定値以下である組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[8]を提供する。
[1]ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、整泡剤、発泡剤、触媒、及び添加剤を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、前記添加剤は赤燐を含み、前記赤燐の含有量は、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部に対して、0質量部超5質量部未満であり、前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の下記の鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である、発泡性ウレタン樹脂組成物。
(鋼球沈み込み評価)
(1)ポリウレタン発泡体を各辺50mmの立方体に切り出し、試験体とする。
(2)ブンゼンバーナー(外炎長70mm)のバーナー口から30mmの地点に金網を置き、該金網上に、直径4.7mm、重量0.44gの鋼球を載せて、鋼球全体が赤色に変化するまで、少なくとも5分以上加熱し、鋼球温度を750℃以上とする。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置する。次いで、十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離を測定する。
[2]上記[1]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて加熱したときに、5分経過時の総発熱量が8MJ/m以下である、上記[1]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[3]前記触媒が三量化触媒を含む、上記[1]又は[2]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[4]イソシアネートインデックスが200~700である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[5]前記添加剤が、赤燐以外の固体難燃剤を含有し、赤燐と赤燐以外の固体難燃剤の合計の含有量が、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[6]前記ポリオール化合物が、芳香族ポリオール化合物である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[7]前記芳香族ポリオール化合物が、フタル酸系ポリエステルポリオール及びアミン系ポリエーテルポリオールの少なくとも一方を含有する、上記[6]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[8]上記[1]~[7]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物から形成されてなり、上記鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である、ポリウレタン発泡体。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、火災が生じたときなどに、燃え広がり難い性質を備え、かつ取り扱い性が良好なポリウレタン発泡体を製造可能な、発泡性ウレタン樹脂組成物及びこれよりなるポリウレタン発泡体を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[発泡性ウレタン樹脂組成物]
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、整泡剤、発泡剤、触媒、及び添加剤を含む組成物であって、前記添加剤は赤燐を含み、赤燐の含有量は、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部(以下、単にウレタン樹脂100質量部ともいう)に対して、0質量部超5質量部未満である。さらに、前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の下記の鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である。
(鋼球沈み込み評価)
(1)ポリウレタン発泡体を各辺50mmの立方体に切り出し、試験体とする。
(2)ブンゼンバーナー(外炎長70mm)のバーナー口から30mmの地点に金網を置き、該金網上に、直径4.7mm、重量0.44gの鋼球を載せて、鋼球全体が赤色に変化するまで、少なくとも5分以上加熱し、鋼球温度は750℃以上とする。ブンゼンバーナーは、LPG燃焼ガスを用いる。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置する。次いで、十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離を測定する。
【0008】
なお、上記鋼球沈み込み評価において、鋼球の直径及び重量に関して、直径が4.7±0.5mm、重量は0.44±0.5gの範囲内であれば、その他の条件を上記のとおりとすることにより、同等の鋼球沈み込み評価となるため、このような直径及び重量の範囲で実施してもよい。
また、外炎長とは、バーナー口の中心部から直上方向の炎の長さを意味する。
【0009】
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である。鋼球の沈み込み距離が20mmを超えると、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がりやすく、延焼を有効に防止することが困難になる。延焼を有効に防止する観点から、鋼球の沈み込み距離は、好ましくは15mm以下であり、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。なお、鋼球の沈み込み距離は0mm以上である。
鋼球沈み込み距離は、発泡性ウレタン樹脂組成物に含有されるポリオール化合物の種類、赤燐の含有量、赤燐以外の難燃剤の含有量などを調整することによって、所望の値に調節することができる。
【0010】
なお、鋼球沈み込み評価におけるポリウレタン発泡体は、実施例にて記載する条件で作製したものを使用する。
【0011】
(総発熱量)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて加熱したときに、5分経過時の総発熱量が8MJ/m以下であることが好ましい。総発熱量が8MJ/m以下であることにより、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、所定の難燃性を有する。所定の難燃性を有し、かつ上記したように鋼球沈み込み距離が一定値以下であることにより、難燃性を有し、かつ燃え広がらない性質を兼ね備えたポリウレタン発泡体となり、火災時の延焼をより有効に防止することができる。
ポリウレタン発泡体の難燃性をより向上させる観点から、上記総発熱量は、7MJ/m以下であることが好ましく、5MJ/m以下であることがより好ましい。
上記総発熱量は、コーンカロリーメーター試験により得られ、詳細には実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、上記コーンカロリーメーター試験の際、試験に供したポリウレタン発泡体がコーンカロリーメーターのスパーク点火器に接触しない程度の形状安定性を有することが好ましい。
【0012】
(赤燐)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物に含まれる添加剤は、赤燐を含有する。赤燐は固体の難燃剤として機能し、その種類に限定はなく、市販品を適宜選択して使用することができる。赤燐は、赤燐単体でもよいが、単体である必要はなく、適宜、表面処理などがされていてもよい。該赤燐の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0質量部超5質量部未満である。一定量以上の赤燐を含有することにより、ポリウレタン発泡体の難燃性が高められる。また、赤燐の含有量を5質量部未満とすることにより、発泡性が良好になり、かつ形成されるポリウレタン発泡体が座屈しにくくなり、取り扱い性に優れる。このような観点から、赤燐の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、そして、好ましくは4.5質量部以下である。
【0013】
また、発泡性ウレタン樹脂組成物に、後述する赤燐以外の固体難燃剤が含まれる場合、赤燐と赤燐以外の固体難燃剤の合計の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。赤燐と赤燐以外の固体難燃剤の合計量を0.5質量部以上とすることにより、ポリウレタン発泡体が高温に晒されても、形状変化が抑制され、ポリウレタン発泡体からの燃焼ガスの発生を抑制することで、ポリウレタン発泡体の難燃性が高められる。また、赤燐と赤燐以外の固体難燃剤の合計量を10質量部以下とすることにより、固体難燃剤による摩耗等の発泡機への負荷が低減される共に、発泡性が良好になり、かつ形成されるポリウレタン発泡体が座屈しにくくなり、取り扱い性に優れる。このような観点から、赤燐と赤燐以外の固体難燃剤の合計の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、さらに好ましくは3質量部以上であり、そして、好ましくは9質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。
【0014】
(ポリオール化合物)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物に含まれるポリオール化合物は、特に限定されないが、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールが好ましい。中でも、得られるポリウレタン発泡体の難燃性などを高める観点から、後述するように、芳香族ポリエーテルポリオール、芳香族ポリエステルポリオールなどの芳香族ポリオール化合物が好ましい。
【0015】
<ポリエーテルポリオール>
ポリエーテルポリオールは、2個以上の活性水素原子を有する開始剤に、アルキレンオキサイドを開環付加重合させて得られたポリオキシアルキレンポリオールである。開始剤としては、具体的には例えば、脂肪族多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどのグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどの4官能アルコール類)、脂肪族アミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルジアミンなどのアルキレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン)、芳香族アミン(例えば、アニリン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、マンニッヒ縮合物など)などが挙げられ、これらはそれぞれ1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリウレタン発泡体の難燃性を高める観点から、分子内に芳香環を有する芳香族ポリエーテルポリオールが好ましく、中でもトリレンジアミン系ポリエーテルポリオール、マンニッヒ系ポリエーテルポリオールなどのアミン系ポリエーテルポリオールが好ましく、マンニッヒ系ポリエーテルポリオールがより好ましい。
なお、上記トリレンジアミン系ポリエーテルポリオールとは、開始剤としてトリレンジアミンを用いて得られたポリエーテルポリオールのことである。上記マンニッヒ系ポリエーテルポリオールとは、開始剤としてマンニッヒ縮合物を用いて得られるポリエーテルポリオールなど、フェノール類、第一級又は第二級アミン類、及びアルデヒド類によるマンニッヒ反応を利用して製造されるポリエーテルポリオールのことである。
【0016】
ポリエーテルポリオールの水酸基価は、200~1000mgKOH/gであることが好ましく300~600mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価は、JIS K1557-1:2007に準拠して測定される値である。
【0017】
<ポリエステルポリオール>
ポリエステルポリオールは、芳香族ポリエステルポリオールおよび脂肪族ポリエステルポリオールなどが挙げられるが、得られるポリウレタン発泡体の難燃性を考慮した場合、芳香族ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。芳香族ポリエステルポリオールは、o-フタル酸(フタル酸)、m-フタル酸(イソフタル酸)、p-フタル酸(テレフタル酸)、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸とグリコールの縮合物であることが好ましい。中でも、ポリウレタン発泡体の難燃性を高める観点、上記した鋼球沈み込み距離の値を小さくし、燃え広がらない性能を高める観点、及び座屈を抑制し、取り扱い性を良好にする観点から、o-フタル酸、m-フタル酸、及びp-フタル酸の少なくともいずれかとグリコールとの縮合物である、フタル酸系ポリエステルポリオールが好ましく、p-フタル酸とグリコールの縮合物である、p-フタル酸系ポリエステルポリオールがより好ましい。
グリコールとしては、特に限定されるものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のポリエステルポリオールの構成成分として公知の低分子量脂肪族グリコールを使用することが好ましい。
【0018】
上記したポリオール化合物の中でも、ポリウレタン発泡体の難燃性を高める観点、及び上記した鋼球沈み込み距離の値を小さくし、燃え広がらない性能を高める観点から、芳香族ポリオール化合物が好ましく、芳香族ポリオール化合物がフタル酸系ポリエステルポリオール及びアミン系ポリエーテルポリオールの少なくとも一方を含有することがより好ましい。また、芳香族ポリオール化合物は、フタル酸系ポリエステルポリオールが好ましく、p-フタル酸系ポリエステルポリオールがより好ましい。
【0019】
ポリエステルポリオールの水酸基価は、100~400mgKOH/gであることが好ましく、150~350mgKOH/gであることがより好ましい。
【0020】
ポリオール化合物は、芳香族ポリオール化合物を50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、100質量%含むことがさらに好ましい。
また、芳香族ポリオール化合物は、フタル酸系ポリエステルポリオール及びアミン系ポリエーテルポリオールの少なくとも一方を50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましく、100質量%含むことがさらに好ましい。
【0021】
(ポリイソシアネート化合物)
発泡性ウレタン樹脂組成物に含有されるポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系などの各種ポリイソシアネート化合物を用いることができる。好ましくは、取扱の容易さ、反応の速さ、得られるポリウレタン発泡体の物理特性が優れていること、および低コストであることなどから、液状ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いることが好ましい。液状MDIとしては、クルードMDI(ポリメリックMDIともいう)が挙げられる。液状MDIの具体的な市販品としては、「44V-10」、「44V-20」(住化コベストロウレタン株式会社製)、「ミリオネートMR-200」(日本ポリウレタン工業))などが挙げられる。また、ウレトンイミン含有MDI(例えば、市販品として「ミリオネートMTL」:日本ポリウレタン工業製)などでもよい。液状MDIに加えて、他のポリイソシアネート化合物を併用してもよく、併用するポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において公知のポリイソシアネート化合物は限定なく使用可能である。
【0022】
発泡性ウレタン樹脂組成物におけるイソシアネートインデックス(NCO INDEX)は、特に限定されないが、難燃性を向上させる観点から、200~700が好ましく、250~500がより好ましく、250~400が更に好ましい。
ここで、イソシアネート指数とは、発泡性ウレタン樹脂組成物に含まれる全ての活性水素基(なお、発泡剤としての水は2官能活性水素化合物として計算)に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比を百分率で表したもの(活性水素基100当量に対するイソシアネート基の当量比)を意味する。
【0023】
(添加剤)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物には、添加剤が含まれ、添加剤は、上記したように赤燐を含有する。添加剤は、赤燐以外の難燃剤を含有することが好ましい。赤燐以外の難燃剤としては、特に限定されないが、リン酸エステル系難燃剤、ホウ素含有難燃剤、臭素含有難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、ホスフィン酸系難燃剤、及び金属水酸化物系難燃剤から選択される少なくとも一種以上であることが好ましい。
また、赤燐以外の難燃剤としては、固体難燃剤、液体難燃剤のうち少なくとも一方を用いることが好ましく、両方を用いることが好ましく、特に、固体難燃剤として後述するホウ酸含有難燃剤、液体難燃剤として後述するリン酸エステル系難燃剤を用いこれらを併用することが好ましい。ここで、固体難燃剤とは23℃で固体である難燃剤をいい、液体難燃剤とは23℃で液体である難燃剤をいう。
【0024】
固体難燃剤としては、例えば、ホウ素含有難燃剤、臭素含有難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、ホスフィン酸系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤等が挙げられ、中でも、ホウ素含有難燃剤、臭素含有難燃剤が好ましく、ホウ素含有難燃剤がより好ましい。固体難燃剤を用いることにより、ポリウレタン発泡体が熱に晒された際の、形状変形を抑制することができる。
【0025】
<ホウ素含有難燃剤>
ホウ素含有難燃剤としては、具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。中でも、ホウ酸亜鉛が好ましい。
【0026】
<臭素系難燃剤>
臭素系難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有する化合物であれば特に限定はないが、例えば、芳香族臭素化化合物等を挙げることができる。
前記芳香族臭素化化合物の具体例としては、例えば、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA、等のモノマー系有機臭素化合物、臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、前記ポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌールおよび臭素化フェノールの縮合物、臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素化ポリスチレン、架橋または非架橋臭素化ポリ(α-メチルスチレン)等のハロゲン化された臭素化合物ポリマーが挙げられる。
これらの中でも、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、ヘキサブロモベンゼン等が好ましい。
【0027】
<リン酸塩含有難燃剤>
リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、リン酸と、周期律表IA族~IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンから選ばれる少なくとも一種の金属または化合物との塩からなるリン酸塩を挙げることができる。
リン酸は特に限定はないが、モノリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等の各種リン酸が挙げられる。
前記周期律表IA族~IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。前記脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。また前記芳香族アミンとして、ピリジン、トリアジン、メラミン等が挙げられる。
なお、上記のリン酸塩含有難燃剤は、シランカップリング剤処理、メラミン樹脂で被覆する等の公知の耐水性向上処理を加えてもよい。
【0028】
リン酸塩含有難燃剤の具体例としては、例えば、モノリン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。
モノリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素ニアンモニウム等のアンモニウム塩、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩、リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸一リチウム、亜リン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩、リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム等のバリウム塩、リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リン酸マグネシウム等のマグネシウム塩、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カルシウム等のカルシウム塩、 リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛等の亜鉛塩等が挙げられる。
【0029】
またポリリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。
これらの中でも、前記リン酸塩含有難燃剤の自己消火性が向上するため、モノリン酸塩を使用することが好ましく、リン酸二水素アンモニウムを使用することがより好ましい。
リン酸塩含有難燃剤は一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
【0030】
<アンチモン含有難燃剤>
また本発明に使用するアンチモン含有難燃剤としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。
酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等が挙げられる。
アンチモン含有難燃剤は、酸化アンチモンであることが好ましい。
アンチモン含有難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
【0031】
<ホスフィン酸系難燃剤>
ホスフィン酸系難燃剤としては、例えば、ホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
【0032】
<金属水酸化物系難燃剤>
金属水酸化物系難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化バナジウム、水酸化スズ等が挙げられる。金属水酸化物系難燃剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することもできる。
【0033】
上記した固体難燃剤以外の固体難燃剤としては、ホスファゼン、ホスフィン酸金属塩、シリコーン系難燃剤、有機スルホン酸塩系難燃剤などを例示することができる。
【0034】
液体難燃剤として、例えば、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等のリン酸エステル系難燃剤が挙げられる。
モノリン酸エステルとしては、特に限定されないが、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェートなどが挙げられる。
縮合リン酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(商品名CR-733S)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名CR-741)、芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR747)などが挙げられる。
液状難燃剤を使用する場合は、ウレタン樹脂100質量部に対して1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
【0035】
また、赤燐以外の難燃剤、すなわち、上記した固体難燃剤と液体難燃剤の合計の含有量は、特に限定されないが、ウレタン樹脂に100質量部に対して、好ましくは1~30質量部であり、より好ましくは5~25質量部である。
【0036】
<無機充填材>
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、添加剤として無機充填材を含有してもよい。無機充填材としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカパルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素パルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムポレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
無機充填材の含有量は、発泡性ウレタン樹脂組成物の発泡性などの観点から、ウレタン樹100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
【0037】
発泡性ウレタン樹脂組成物は、添加剤として固体難燃剤、液体難燃剤、無機充填材以外をさらに含有してもよく、例えば、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
【0038】
(整泡剤)
発泡性ウレタン樹脂組成物は、整泡剤を含有する。整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。また、シリコーン整泡剤としては、ポリジメチルシロキサンとポリエチレングリコールのグラフト共重合体を含むものでもよい。
発泡性ウレタン樹脂組成物における整泡剤の配合量は、特に限定さないが、例えば、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.01~3質量部であることが好ましく、0.05~2質量部であることがより好ましく、0.1~1質量部であることが更に好ましい。整泡剤は一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
【0039】
(発泡剤)
発泡剤の具体例としては、例えば、水、低沸点の炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素化合物、フッ素化合物、ハイドロクロロフルオロカーボン化合物、ハイドロフルオロカーボン、エーテル化合物、ハイドロフルオロオレフィンなどが挙げられる。さらに、発泡剤としては、これらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
上記低沸点の炭化水素としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等が挙げられる。
上記塩素化脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等が挙げられる。
上記フッ素化合物としては、例えば、CHF3、CH22、CH3F等が挙げられる。
上記ハイドロクロロフルオロカーボン化合物としては、例えば、トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン、ジクロロモノフルオロエタン(例えば、HCFC141b(1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン)、HCFC22 (クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン))等が挙げられる。
上記ハイドロフルオロカーボンとしては、HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン)、HFC-365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン)等が挙げられる。
上記エーテル化合物としては、例えば、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。
上記ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、HFO-1233zd(E)(トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン)、HFO-1234yf(2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン)等が挙げられる。
【0040】
発泡剤の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1~30質量部が好ましく、0.5~20質量部がより好ましく、1~15質量部がさらに好ましい。
【0041】
(触媒)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、触媒を含有する。触媒は、例えばウレタン化触媒及び三量化触媒の一方又は両方を含有してもよく、両方を含有することが好ましい。
ウレタン化触媒は、ポリオール成分とポリイソシアネートとの反応を促進させる触媒である。具体的には、アミノ化合物、錫化合物、ビスマス化合物、アセチルアセトン金属塩が挙げられる。
前記アミノ化合物としては、例えば、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリンビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’-トリメチルアミノエチル-エタノールアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N-メチル-N’,N’-ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、1-メチルイミダゾール、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリプロピルアミン等が挙げられる。
また、錫化合物としては、例えば、オクチル酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。ビスマス化合物としては、ネオデカン酸ビスマス、オクチル酸ビスマスなどが挙げられる。
アセチルアセトン金属塩としては、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンベリリウム、アセチルアセトンクロム、アセチルアセトンインジウム、アセチルアセトンマンガン、アセチルアセトンモリブデン、アセチルアセトンチタン、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトンバナジウム、アセチルアセトンジルコニウム等が挙げられる。
ウレタン樹脂硬化触媒は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
【0042】
発泡性ウレタン樹脂組成物におけるウレタン化触媒の配合量に特に限定はないが、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.3~10質量部の範囲であることが好ましく、0.5~8質量部の範囲であることがより好ましく、1~6質量部の範囲であることが更に好ましい。上記範囲内とすることで、適度な反応速度で、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応を促進できる。
【0043】
三量化触媒は、イソシアヌレート結合を形成する三量化を促進する触媒である。ポリウレタン樹脂は、三量化が促進されることで、ポリウレタンフォームの難燃性が向上する。
三量化触媒としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4-ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン等の芳香族化合物、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム、2-エチルヘキサン酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩、2-エチルアジリジン等のアジリジン類、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛等の鉛化合物、ナトリウムメトキシド等のアルコラート化合物、カリウムフェノキシド等のフェノラート化合物、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用することができる。
三量化触媒は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を使用することができる。
【0044】
三量化触媒の配合量は特に限定されないが,ウレタン樹脂100質量部に対して、0.5~12質量部の範囲であることが好ましく、1~9質量部の範囲であることがより好ましく、2~5質量部の範囲であることが更に好ましい。三量化触媒の量を上記範囲内とすることで、イソシアヌレート結合が適度に形成され、難燃性が向上する。
また、触媒の合計量は、ウレタンの硬化速度や難燃性を向上させる観点から、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.5~15質量部が好ましく、1~12質量部がより好ましく、2~10質量部がさらに好ましい。
【0045】
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とが反応して硬化するため、その粘度は時間と共に変化する。そこで発泡性ウレタン樹脂組成物を使用する前は、発泡性ウレタン樹脂組成物を二以上に分割して、発泡性ウレタン樹脂組成物が反応して硬化することを防止しておく。そして発泡性ウレタン樹脂組成物を使用する際に、二以上に分割しておいた発泡性ウレタン樹脂組成物を一つにまとめることが好ましい。
【0046】
なお発泡性ウレタン樹脂組成物を二以上に分割するときは、二以上に分割された発泡性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分単独では硬化が始まらず、発泡性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合した後に硬化反応が始まるようにそれぞれの成分を分割すればよい。通常、発泡性ウレタン樹脂組成物を、ポリオール化合物を含有するポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物を含有するポリイソシアネート組成物とに分割する。
【0047】
上記した整泡剤、発泡剤、触媒、及び添加剤は、ポリオール組成物に含有されていてもよいし、ポリイソシアネート組成物に含有されていてもよいし、ポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物とは別に提供されてもよいが、ポリオール組成物に含有されることが好ましい。
【0048】
発泡性ウレタン樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、予め混練して調製されたポリオール組成物、及びポリウレタン組成物を作製しておき、両者を混練する方法、発泡性ウレタン樹脂組成物を構成する各成分を混練する方法などが挙げられるが、通常は、ポリオール組成物、及びポリイソシアネート組成物を混練することにより製造される。混練は、公知の方法により行うことができ、例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拝機等公知の装置を用いて混練することにより得ることができる。
【0049】
(ポリオール組成物の粘度)
ポリオール組成物の20℃における粘度は、特に限定されないが、2000mPa・s以下であることが好ましく、1000mPa・s以下であることが好ましい。ポリオール液剤の粘度を上記上限値以下とすることで、発泡性ウレタン樹脂組成物の流動性も良好となり、混合不良などを抑制することができる。また、同様の観点からポリオール組成物の5℃における粘度は、特に限定されないが、3000mPa・s以下であることが好ましく、1500mPa・s以下であることがより好ましい。ポリオール組成物の粘度は、例えば使用するポリオール化合物の分子量や発泡剤量などにより適宜調整できる。なお、ポリオール組成物の粘度は、B型粘度計を使用し、測定したものである。
【0050】
(用途)
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物の用途は特に限定されないが、建築物、家具、自動車、電車、船等の構造物などの空洞に充填する用途に用いたり、該構造物に対して吹き付ける用途に用いたりすることができる。中でも、構造物に対して吹き付ける用途、すなわち、吹き付け用発泡性ウレタン樹脂組成物として用いることが好ましい。
吹き付けは、吹き付け装置(例えばGRACO社製:A-25)及びスプレーガン(例えばガスマー社製:Dガン)を利用して実施することができる。吹付は、別容器に入ったポリオール組成物とポリイソシアネート組成物を吹き付け装置内で温度調整し、スプレーガンの先端で両者を衝突混合させ、混合液をエア圧によりミスト化することで実施できる。吹き付け装置及びスプレーガンは公知であり、市販品を使用することができる。
【0051】
[ポリウレタン発泡体]
本発明のポリウレタン発泡体は、上記した発泡性ウレタン樹脂組成物から形成されてなるものであり、具体的には、発泡性ウレタン樹脂組成物を発泡及び硬化させて得られるものである。
ポリウレタン発泡体は、鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である。鋼球の沈み込み距離が20mmを超えると、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がりやすく、延焼を有効に防止することが困難になる。延焼を有効に防止する観点から、鋼球の沈み込み距離は、好ましくは15mm以下であり、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。なお、鋼球の沈み込み距離は0mm以上である。鋼球沈み込み評価方法については上記したとおりである。
ところで、ポリウレタン発泡体に起因する火災は、溶接・溶断時の火花や火球(高温に熱された鉄の塊)によるところが大きい。本発明者らの知見によれば、特に火球はポリウレタン発泡体に接触すると、樹脂を溶かしながら内部に進行し、その結果、ポリウレタン発泡体の内部から発火・延焼をさせる危険性があることが判明した。上記鋼球沈み込み評価は、溶接・溶断時のポリウレタン発泡体起因の火災を再現・評価したものであり、ポリウレタン発泡体の燃え広がり難いかどうかを評価することができる。
【0052】
ポリウレタン発泡体の密度は、特に限定されないが、20~200kg/mの範囲であることが好ましい。密度を200kg/m以下とすることで、ポリウレタン発泡体が軽量となり、構造物への施工性が高まる。また、20kg/m以上とすることで、所望の難燃性を発現しやすくなる。これら観点から、ポリウレタンフォームの密度は、25~100kg/mの範囲であることがより好ましく、25~80kg/mの範囲であることがさらに好ましい。ポリウレタンフォームの密度は、JIS K7222に準拠して測定できる。
【実施例
【0053】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0054】
各実施例及び比較例において使用した各成分の詳細は次の通りである。
(1)ポリオール化合物
・p-フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRFK-505、水酸基価=250mgKOH/g)
・o-フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRDK-133、水酸基価=315mgKOH/g)
・アミン系ポリエーテルポリオール(第一工業製薬株式会社製、製品名:DK3776、水酸基価=350mgKOH/g)
・アミン系ポリエーテルポリオール(住化コベストロウレタン社製、製品名:ポリオールH422、水酸基価=410mgKOH/g
・シュクロース系ポリエーテルポリオール(三井化学社製、製品名:アクトコールGR84、水酸基価=450mgKOH/g
・エチレンジアミン系ポリエーテルポリオール(AGC株式会社製、製品名:エクセノール750ED、水酸基価=760mgKOH/g
(2)添加剤(赤燐(難燃剤))
・赤燐(燐化学工業、製品名:ノーバエクセル140)
(3)添加剤(赤燐以外の難燃剤)
(i)固体難燃剤
・ホウ酸亜鉛(早川商事社製、製品名:Firebrake ZB)
・臭素系難燃剤<エチレンビス(ペンタブロモフェニル)>、(アルベマール日本株式会社製、製品名:SAYTEX8010)
(ii)液体難燃剤
・リン酸エステル系難燃剤<トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート>、(大八化学社製、製品名:TMCPP)
(4)整泡剤
・ポリアルキレングリコール系整泡剤(東レダウコーニング社製、製品名:SH-193)
(5)触媒
(i)三量化触媒
・4級アンモニウム塩(東ソー社製、製品名:TOYOCAT TR20)
(ii)ウレタン化触媒
・イミダゾール化合物、(東ソー社製、製品名:TOYOCAT DM70)
・ビスマス化合物、(日東化成社製、製品名:ネオスタンU600)
(6)発泡剤
・水
・HFO-1233zd<ハイドロフルオロオレフィン>(ハネウェル製、製品名:ソルスティスLBA)
(7)ポリイソシアネート化合物
・MDI(住化コベストロウレタン(株)製、製品名:44V-20)
【0055】
各物性及び性状の測定方法は、以下のとおりである。
【0056】
[鋼球沈み込み評価]
各実施例及び比較例で作製したポリウレタン発泡体について、以下(1)~(3)の手順で、鋼球の沈み込み距離を測定した。
(1)ポリウレタン発泡体を各辺50mmの立方体に切り出し、試験体とした。
(2)ブンゼンバーナー(外炎長70mm)のバーナー口から30mmの地点に金網を置き、該金網上に、直径4.7mm、重量0.44gの鋼球を載せて、鋼球全体が赤色に変化するまで、7分間加熱し、鋼球実測温度を770℃とした。なお、ブンゼンバーナーは、LPG燃焼ガスを用いた。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置した。次いで、23℃で30分放置することで十分に冷却した試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離を測定した。
なお、試験体には、鋼球の沈み込みにより、上部から内部に渡って空洞が形成される。鋼球の沈み込み距離は、試験体の上面に対して垂直方向の空洞の最大距離を意味する。
得られた鋼球の沈み込み距離から、下記のとおり、燃え広がらない性質の良し悪しを判断した。
◎・・鋼球の沈み込み距離が、0mm以上10mm以下
〇・・鋼球の沈み込み距離が、10mm超20mm以下
×・・鋼球の沈み込み距離が、20mm超
【0057】
[総発熱量]
各実施例及び比較例で作製したポリウレタン発泡体の総発熱量は、以下の方法により評価した。ポリプロピレンビーカー内に、表1の配合に従い、ポリオール化合物、難燃剤、整泡剤、触媒、発泡剤を混合して得た混合物とポリイソシアネート化合物(合計量は200g、液温は10℃)を投入しラボディスパーで3秒間攪拌する。その後直ちに厚さ12.5mmの石膏ボード上に散布しポリウレタン発泡体を得る。石膏ボードを下地として接着したポリウレタン発泡体を縦10cm、横10cmおよび厚み3.25cm(内石膏ボード12.5mm)に切断して、コーンカロリーメーター試験用サンプルを準備した。コーンカロリーメーター試験用サンプル用いて、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて5分間加熱したときのコーンカロリーメーター試験による5分経過後の総発熱量を測定した。
[形状変形]
上記総発熱量の測定に用いたコーンカロリーメーター試験用サンプルの5分経過後の形状を目視により観察し、以下の基準で評価した。
〇・・サンプルの厚み方向・幅方向への形状変形が小さい。特に厚み方向はスパーク点火器への接触がない。
△・・サンプルの幅方向への形状変形は小さいが厚み方向がやや大きい。
×・・サンプルの厚み方向・幅方向への形状変形が大きく防火上有害であると判断できる。
【0058】
[座屈性]
各実施例、比較例で作製したポリウレタン発泡体の表面を指で押して座屈性を評価した。
〇・・発泡体の表面が割れず、座屈しなかった。
△・・発泡体の表面が部分的に割れていた。
×・・発泡体の表面が全体的に割れて、座屈した。
【0059】
[キュア性]
40℃に加温したアルミモールド(長さ500mm×幅180mm×厚み20mm)に表1の配合に従い、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、難燃剤、整泡剤、触媒、発泡剤を混合して得た混合物を約70g投入し、1分間キュアさせた(長さ方向は未充填となる)。投入1分後に脱型し、アルミ板表層へのポリウレタン発泡体の付着性を目視で評価した。
○:付着無し
△:一部にポリウレタン発泡体が付着
×:全面に未硬化のポリウレタン発泡体が付着し脱型困難
【0060】
[伸び率]
キュア性の評価と同じサンプルで脱型後のポリウレタン発泡体の長さ方向の距離を測定した。幅方向に対し20mm間隔で両端の長さを計測(両端を合わせ計10点)しモールドの長さ方向への伸び値を平均化した。平均伸び長さとポリウレタン発泡体重量から単位重量当たりの伸び率を算出した。
実施例1の伸び率を標準とし,伸び率が90%未満になった(伸びが悪くなった)ものを×,伸び率が90%以上であったものを○とした。
【0061】
[粘度]
ポリオール組成物の粘度を、冬期条件を想定し5℃にてB型粘度計により測定した。
600mPa・s未満を○、600mPa・s以上を×とした。
【0062】
[実施例1]
表1の配合に従い、ポリオール化合物、難燃剤(赤燐及び赤燐以外の難燃剤)、整泡剤、触媒、発泡剤を1000mLポリプロピレンビーカーに計りとり、20℃、10秒間ハンドミキサーで攪拌しポリオール組成物を作製した。その後10℃に冷却した該ポリオール組成物に対して同じく10℃に温調したポリイソシアネート組成物(ポリイソシアネート化合物)を加えて発泡性ウレタン樹脂組成物とし、該組成物をラボディスパ―で3秒間攪拌し、ポリウレタン発泡体を作製した。該ポリウレタン発泡体を用いて、上記した鋼球沈み込み評価、座屈性の評価を行った。また、総発熱量、形状変形、キュア性、伸び率の評価についても、上記した手順で評価した。
各種評価結果を表1に示した。
【0063】
[実施例2~18、比較例1~2]
配合を表1のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン発泡体を得た。該ポリウレタン発泡体を用いて、上記した鋼球沈み込み評価、座屈性の評価を行った。また、総発熱量、形状変形、キュア性、伸び率の評価についても、上記した手順で評価した。
各種評価結果を表1に示した。
【0064】
【表1】
【0065】
各実施例で示されているように、本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物により形成されたポリウレタン発泡体は、鋼球沈み込み距離が短いことより、燃え広がり難い性質を備えており、かつ座屈し難く、取り扱い性に優れることが分かった。
これに対して、各比較例の発泡性ウレタン樹脂組成物により形成されたポリウレタン発泡体は、座屈性が悪く、取り扱い性に劣っているか、あるいは鋼球沈み込み距離が長く、燃え広がり難い性質を備えていないことが分かった。