(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】B群レンサ球菌多糖-タンパク質コンジュゲート、コンジュゲートを生成するための方法、コンジュゲートを含む免疫原性組成物、およびそれらの使用
(51)【国際特許分類】
A61K 39/09 20060101AFI20241113BHJP
A61K 47/64 20170101ALI20241113BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
A61K39/09
A61K47/64
A61P31/04
(21)【出願番号】P 2023178204
(22)【出願日】2023-10-16
(62)【分割の表示】P 2021152763の分割
【原出願日】2016-04-29
【審査請求日】2023-11-14
(32)【優先日】2015-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】アナリーサ シビル アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】アマーディープ シン ブーペンダー バラ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ジー.ケイ. ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】チアンシン グ
(72)【発明者】
【氏名】キャスリン ウテ ジャンセン
(72)【発明者】
【氏名】ラジェシュ クマール カインサン
(72)【発明者】
【氏名】ラクシュミー カーンドケ
(72)【発明者】
【氏名】ジン-フアン キム
(72)【発明者】
【氏名】ポール リベレーター
(72)【発明者】
【氏名】アヴァリ クリシュナ プラサド
(72)【発明者】
【氏名】マーク エドワード ルッペン
(72)【発明者】
【氏名】イングリッド リー スカリー
(72)【発明者】
【氏名】サダーム シン
(72)【発明者】
【氏名】シンディー シュートン ヤン
【審査官】川合 理恵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/053612(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/088378(WO,A2)
【文献】特表平08-501563(JP,A)
【文献】国際公開第2014/053607(WO,A1)
【文献】特表2013-538211(JP,A)
【文献】INFECTION AND IMMUNITY,1989年04月,Vol. 57, No. 4,p. 1089-1094
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳児中のB群レンサ球菌(GBS)に関連する疾患又は状態を予防するまたは低減させるために、妊娠の対象を免疫化するのに使用するための、多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む免疫原性組成物であって、
ここにおいて、前記コンジュゲートは、GBS血清型Ia、Ib、II、III、IVおよびV由来の莢膜多糖を含み、前記担体タンパク質はCRM197であり、そして、前記莢膜多糖が、60%超のシアル酸レベルを有する、
前記免疫原性組成物。
【請求項2】
前記妊娠の対象が、妊娠後半期である、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項3】
前記妊娠の対象が、少なくとも妊娠20週である、請求項2に記載の免疫原性組成物。
【請求項4】
前記妊娠の対象が、少なくとも妊娠27週である、請求項2に記載の免疫原性組成物。
【請求項5】
前記妊娠の対象が、妊娠36週までである、請求項2-4のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
前記妊娠の対象が、妊娠中の女性である、請求項1-5のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項7】
前記疾患又は状態が、侵襲性GBS疾患である、請求項1-6のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項8】
前記侵襲性GBSが、後期発症疾患(LOD)である、請求項7に記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
前記侵襲性GBSが、早期発症疾患(EOD)である、請求項7に記載の免疫原性組成物。
【請求項10】
前記GBSが、ストレプトコッカス・アガラクティエである、請求項1-9のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項11】
妊娠対象の母体の免疫化を介して、乳児中のB群レンサ球菌(GBS)に対する免疫応答を誘発するのに使用するための、多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む免疫原性組成物であって、
ここにおいて、前記コンジュゲートは、GBS血清型Ia、Ib、II、III、IVおよびV由来の莢膜多糖を含み、前記担体タンパク質はCRM197であり、そして、前記莢膜多糖が、60%超のシアル酸レベルを有する、
前記免疫原性組成物。
【請求項12】
前記妊娠の対象が、妊娠後半期である、請求項11に記載の免疫原性組成物。
【請求項13】
前記妊娠の対象が、少なくとも妊娠20週である、請求項12に記載の免疫原性組成物。
【請求項14】
前記妊娠の対象が、少なくとも妊娠27週である、請求項12に記載の免疫原性組成物。
【請求項15】
前記妊娠の対象が、妊娠36週までである、請求項12-14のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項16】
前記妊娠の対象が、妊娠中の女性である、請求項11-15のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項17】
前記疾患又は状態が、侵襲性GBS疾患である、請求項11-16のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【請求項18】
前記侵襲性GBSが、後期発症疾患(LOD)である、請求項17に記載の免疫原性組成物。
【請求項19】
前記侵襲性GBSが、早期発症疾患(EOD)である、請求項17に記載の免疫原性組成物。
【請求項20】
前記GBSが、ストレプトコッカス・アガラクティエである、請求項11-19のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にB群レンサ球菌(GBS)と称されるストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)由来の莢膜多糖(CP)と、担体タンパク質とを含む免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートに関し、CPは、血清型Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択され、CPは、約60%超のシアル酸レベルを有する。本発明は、コンジュゲートおよびコンジュゲートを含む免疫原性組成物を作製する方法にも関する。本発明は、多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、コンジュゲートが、GBS血清型IVおよび少なくとも1つの追加の血清型由来のCPを含む、免疫原性組成物にも関する。本発明はさらに、対象においてGBSに対する免疫応答を誘発するための、および/または本明細書において開示されている組成物を使用して、対象における侵襲性GBS疾患を低減させるもしくは予防するための方法に関する。得られた抗体は、受動免疫療法を介してGBS感染を治療するまたは予防するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)は、B群レンサ球菌(GBS)としても公知の、グラム陽性多糖被包性生物である。これらは、ヒト胃腸および生殖管の一般的な片利共生生物であり、乳児および老齢者における重篤な疾患の原因でもある(Baker,C.J.、Vaccine、31(付録4):D3~D6(2013))。乳児におけるGBS感染の主要リスク因子は、母体における定着である(Dillon,H.C.ら、J.Pediatr.、110(1):31~36(1987))。4人に1人もの女性がGBSを直腸膣で保菌し、これは、出産の前または最中に、羊水または新生児に感染して、敗血症、肺炎および髄膜炎を引き起こす可能性がある(Baker 2013;Heath,P.T.ら、BMJ Clin.Evid.(Online)、pii:0323(2014))。GBS髄膜炎を克服した乳児の25パーセントが神経学的機能障害を患い、19%が、認知遅延、脳性まひ、失明および難聴を経験する(Libster,R.ら、Pediatrics、130(1):e8-152012(2012))。GBSは、流産および早産を引き起こすこともあり、死産とも関係がある(McDonald,H.M.ら、Infectious
Diseases in Obstetrics and Gynecology、8(5-6):220~227(2000);Randis,T.M.ら、The Journal of Infectious Diseases、210(2):265~273(2014):Kessous,R.ら、J.Matern.Fetal Neonatal Med.、25(10):1983~1986(2012))。極低出生体重児は、感染リスクがはるかに高く、最大3%が感染しており、直ちに抗生物質による治療を行っても、最大30%の死亡率である(Heath 2014)。
【0003】
1990年代後半、米国におけるGBSスクリーニングおよび分娩時抗生物質予防的投与(IAP)の導入は、生後1週間以内に発生する新生児疾患(早期発症疾患[EOD])の率の低減を実証したが、その後に現れる生後3カ月以内の後期発症疾患(LOD)の率に、測定可能な影響を及ぼさなかった。米国でのEODおよびLOD症例の率は、現在、出生1,000人当たりそれぞれ0.25および0.27である(疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention;CDC)、Active Bacterial Core(ABC)Surveillance Report(2013)、http://www.cdc.gov/abcs/reports-findings/survreports/gbs13
.pdfにおいて利用可能)。菌血症および髄膜炎を包含する侵襲性肺炎球菌疾患の予防のための肺炎球菌コンジュゲートワクチンの導入に続いて、ならびにGBS疾患の予防のためのIAPにもかかわらず、GBSは、米国にて、乳児における新生児敗血症(EOD)および髄膜炎(2カ月未満)の単一の最も一般的な原因となった(Verani,J.R.ら、MMWR、59(RR10):1~32(2010);Thigpen,M.C.ら、New England Journal of Medicine、364(21):2016~2025(2011))。米国とは異なり、侵襲性GBS疾患およびIAPのための予防ガイドラインの導入は、オランダにおいても英国においてもEODの発病率を低減させなかった(Bekker,V.ら、The Lancet Infectious Diseases、14(11):1083~1089(2014);Lamagni,T.L.ら、Clin.Infect.Dis.、57(5):682~688(2013))。この効果の欠如は、普遍的スクリーニングの欠如および最高リスク群の母親(例えば、発熱、長期にわたって破裂した膜)へのIAPを制限することによるものであり得る。EODの率は、IAPを使用しない国において有意に高く、出生1,000人当たり0.75の平均発病率(95%CI0.58~0.89)が報告された(Edmond,K.Mら、Lancet、379(9815):547~556(2012))。
【0004】
GBS疾患のリスクがあるもう1つの集団は、高齢者である。リスク因子は、真性糖尿病、がん、心不全、神経学的および泌尿器科学的状態等の慢性的な医学的問題を包含する。CDC ABCサーベイランスデータによれば、2013年における侵襲性GBSの米国での年間発生率は、65歳以上の成人において、0.28/1,000人または12,400症例/年であった。この率は、高齢者における侵襲性肺炎球菌疾患の発病率(対65歳超について0.30/1,000)に近似している。これらの率は、米国および欧州の両方において増大し続けると予測されている(CDC 2013;Lamagni 2013)。
【0005】
乳児および高齢者の間でのGBS疾患を予防するための1つのアプローチは、多糖ベースのワクチンの使用である。母体のGBS予防ワクチンの実施は、IAPが使用されるか否かにかかわらず、米国において乳児の間でのGBS疾患を予防する可能性を有する。多糖は、それら自体が免疫原性であり得るが、多糖のタンパク質担体とのコンジュゲーションが、特に乳児および高齢者における免疫原性を改善するために使用されてきた。多糖-タンパク質コンジュゲートワクチンは、タンパク質担体と関係がある、概して細菌の外皮由来の、多糖を使用して作製される。多糖およびタンパク質担体の化学結合は、それらの表面上のワクチン内に含有される多糖を表示する細菌に対して免疫応答を誘発し、故に、疾患を予防する。したがって、病原性細菌由来の多糖を使用するワクチン接種は、宿主免疫を上昇させるための潜在的な戦略である。
【0006】
細菌を覆う多糖は、単一種の細菌内であっても大幅に異なっている。例えば、GBSでは、細菌多糖莢膜のバリエーションにより10の異なる血清型がある。したがって、多糖ベースのワクチンは、異なる循環株を確実に幅広く網羅できるような多糖の一団からなることが望ましい。
【0007】
担体タンパク質は、標的病原体由来の、その病原体に対する特異的免疫応答を上昇させる関連タンパク質抗原であってもよいし、アジュバントまたは全身的免疫応答刺激剤としてさらに役立つ、概して免疫原性のタンパク質であってもよい。
【0008】
GBS血清型Ia、Ib、II、IIIおよびVの個々の一価多糖-タンパク質コンジュゲートは、非妊娠成人における第1および第2相臨床試験にて評価されてきた(Brigtsen,A.K.ら、Journal of Infectious Diseas
es、185(9):1277~1284(2002);Baker,C.J.ら、J.Infect.Dis.、188(1):66~73(2003);Baker,C.J.ら、J.Infect.Dis.、189(6):1103~1112(2004);Baker,C.J.ら、Vaccine、25(1):55~63(2007))。二価II-TTおよびIII-TTグリココンジュゲートワクチン、ならびにIa-CRM197、Ib-CRM197およびIII-CRM197グリココンジュゲートを含む三価ワクチンも研究されてきた(Baker JID 2003;Clicaltrials.gov NCT01193920、NCT01412801およびNCT01446289)。しかしながら、GBSワクチンは未だ承認されていない。
【0009】
その上、三価ワクチンは、南アフリカにおいて新生児疾患を引き起こす侵襲性株の90%超をカバーする(Madzivhandila,M.ら、PloS One、6(3):e17861(2011))が、これらの同じ血清型は、チゲサイクリン評価およびサーベイランス試験(T.E.S.T.、http://www.testsurveillance.com/)から2004~2013年の間に収集された901の試料のグローバルコレクションからの最近の新生児分離株のサーベイランスに基づき、それぞれ北米および欧州における侵襲性分離株の62%および66%のみを表す。
【0010】
T.E.S.T.試料から取得された株の分析は、収集された株の95%が5つの文書化された主要な血清型(Ia、Ib、II、IIIおよびV)のうちの1つに属し、さらなる3%が血清型IVであったことを示した。一連の刊行物は、過去10年間でアメリカおよび欧州における血清型IVの出現も確認した(Diedrick,M.J.ら、J.Clin.Microbiol.、48(9):3100~3104(2010);Teatero(2014);Meehan,M.ら、European Journal of Clinical Microbiology&Infectious Diseases、33(7):1155~1162(2014);Florindo,C.ら、Euro Surveillance:Bulletin European sur les Maladies Transmissibles(European Communicable Disease Bulletin)、19(23)(2014);Palmiero,J.K.ら、Journal of Clinical Microbiology、48(12):4397~4403(2010))。乳児へのGBSの伝染のリスク因子である、成人における直腸/膣保菌を調査する研究は、分離株の97%がこれらの6つの血清型のうちの1つに属し、血清型IVは約4%の頻度を表すことを見出した。研究は、健康な米国成人において、ベータ溶血レンサ球菌(GBSを包含する)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の保菌をモニターするように設計された(Matson,M.A.ら、ICAAC、Abstract I-306(Washington、DC、Sep.5~9、2014)を参照)。
【0011】
同様に、T.E.S.T.試料の分析は、65歳以上の老齢者由来の米国の血液分離株の98%が、同じ6つの優勢な血清群に属することを示した。高齢者分離株と他の集団との間の最も顕著な差異は、血清群分布である。高齢者患者由来の分離株について、血清型V株は、最大の群を構成する(34%対新生児について18%または成人保菌者株について18%)。
【0012】
他の研究は、血清型有病率の地理的分散があることを見出した。例えば、血清型VIおよびVIII分離株は、日本における健康な妊婦の優勢な外来種であることが示された(Lachenauer,C.S.ら、JID 179(4):1030~1033(1999)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、世界中の幅広い集団間で、新たに出現した血清型IVによって引き起こされるものを包含するGBS疾患を予防するまたは治療するための手段として受動免疫を付与するための、多糖-タンパク質コンジュゲートワクチンまたはモノクローナル抗体が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、新規免疫原性GBS多糖-タンパク質コンジュゲート、コンジュゲートを生成するための方法、およびコンジュゲートを含む免疫原性組成物に関し、2015年5月4日に出願された米国仮特許出願第62/156,500号、2015年5月4日に出願された米国仮特許出願第62/237,813号、および2015年10月6日に出願された米国仮特許出願第62/237,820号において開示されている発明を包含し、それらの全体は、参照により本明細書に組み込まれる。下記の条項は、本発明の一部の態様および実施形態を記述するものである。
【0015】
一態様において、本発明は、B群レンサ球菌(GBS)由来の莢膜多糖と担体タンパク質とを含む免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートであって、莢膜多糖が、約60%超、約95%超、または約100%のシアル酸レベルを有する、免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートに関する。別の実施形態において、莢膜多糖は、最大約40%脱シアル化されていてよい(約60%超のシアル化レベル)。別の実施形態において、莢膜多糖は、血清型Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される。
【0016】
追加の態様において、免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートは、多糖1mM当たり少なくとも約0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95mMのシアル酸等、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸を有する莢膜多糖を含む。
【0017】
本発明の別の態様において、免疫原性コンジュゲートは、約5kDaから約1,000kDaの間、約25kDaから約750kDaの間、約25kDaから約400kDaの間、約25kDaから約200kDaの間、または約100kDaから約400kDaの間の分子量を有する莢膜多糖を含む。
【0018】
さらなる実施形態において、本発明の免疫原性コンジュゲートは、約1,000kDaから約15,000kDaの間または約1,000kDaから約10,000kDaの間等、約300kDaから約20,000kDaの間の分子量を有する。
【0019】
一実施形態において、免疫原性コンジュゲートは、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満のO-アセチル化等、約0%から約40%の間のO-アセチル化を有する莢膜多糖を含む。
【0020】
一実施形態において、免疫原性コンジュゲートは、糖繰り返し単位1mM当たり少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.35または約0.4mMのO-アセテートを有する莢膜多糖を含む。別の実施形態において、免疫原性コンジュゲートは、糖繰り返し単位1mM当たり約0.01、0.02、0.03、0.04、または0.05mM未満のO-アセテートを有する莢膜多糖を含む。
【0021】
一実施形態において、免疫原性コンジュゲートは、CRM197または破傷風トキソイドを担体タンパク質として含む。特定の実施形態において、担体タンパク質は、CRM1
97である。
【0022】
本発明の追加の態様は、莢膜多糖を単離する方法であって、有機試薬を、莢膜多糖生産菌を含む細胞ブロスと反応させるステップを含む方法に関する。一実施形態において、方法は、遠心分離するステップをさらに含む。別の実施形態において、方法は、濾過するステップをさらに含む。特定の実施形態において、莢膜多糖生産菌は、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、大腸菌(Escherichia coli)、チフス菌(Salmonella typhi)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)および大便レンサ球菌(Enterococcus faecalis)からなる群から選択される。一実施形態において、ヒドロキシルアミンは、表2に収載されたアミンからなる群から選択される。追加の実施形態において、ヒドロキシルアミンは、ジベンジルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、1,1,4,7,10,10ヘキサメチルトリエチレンテトラミンおよび2,6,10,トリメチル2,6,10トリアザウンデカンからなる群から選択される。また別の実施形態において、ヒドロキシルアミンの濃度は、約5mMから約200mMである。さらなる実施形態において、反応のpHは、約5.5から約9.5である。追加の実施形態において、反応は、約20℃から約85℃の温度で起こる。別の実施形態において、反応反応時間は、約10時間から約90時間である。
【0023】
一態様において、本発明は、多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、コンジュゲートが、B群レンサ球菌(GBS)血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも1つの追加の血清型由来の莢膜多糖を含む、免疫原性組成物に関する。別の実施形態において、コンジュゲートは、GBS血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも2つの追加の血清型を含む。別の実施形態において、コンジュゲートは、GBS血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも3つの追加の血清型を含む。別の実施形態において、コンジュゲートは、GBS血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも4つの追加の血清型を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートは、血清型Ia、Ib、II、IIIおよびIV由来の莢膜多糖を含む。さらなる実施形態において、組成物は、GBS血清型Vを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートは、血清型Ia、Ib、II、IIIおよびV由来の莢膜多糖を含む。また別の実施形態において、免疫原性組成物は、6つの多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、コンジュゲートは、B群レンサ球菌血清型Ia、Ib、II、III、IVおよびV由来の莢膜多糖を含む。本発明の一態様は、免疫干渉を有さない免疫原性組成物に関する。
【0024】
一実施形態において、免疫原性組成物は、薬学的に許容できる賦形剤、緩衝剤、安定剤、アジュバント、抗凍結剤、塩、二価カチオン、非イオン性界面活性物質、フリーラジカル酸化の阻害剤、担体、またはそれらの混合物をさらに含む。追加の実施形態において、緩衝剤を含む。緩衝剤は、HEPES、PIPES、MES、トリス(トリメタミン)、リン酸塩、酢酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、グリシン、ヒスチジンまたはコハク酸塩であってよい。好ましい実施形態において、緩衝剤は、ヒスチジンである。
【0025】
別の実施形態において、免疫原性組成物は、界面活性剤をさらに含む。界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート-80、ポリソルベート-60、ポリソルベート-40、ポリソルベート-20またはポリオキシエチレンアルキルエーテルであってもよい。好ましい実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート-80である。
【0026】
さらなる実施形態において、免疫原性組成物は、賦形剤をさらに含む。賦形剤は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、石粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、グリシン、アルギニン、リシン、塩化ナトリウム(NaCl)、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水およびエタノールからなる群から選択される。好ましい実施形態において、賦形剤は、塩化ナトリウムである。
【0027】
また別の実施形態において、免疫原性組成物は、アジュバントをさらに含む。1つのそのような実施形態において、アジュバントは、アルミニウムベースのアジュバントまたはQS-21である。好ましい実施形態において、アジュバントは、リン酸アルミニウム、アルミニウムヒドロキシルホスフェートおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択される。より好ましい実施形態において、アジュバントは、リン酸アルミニウムである。
【0028】
本発明の一態様において、免疫原性組成物は、緩衝剤、界面活性剤、賦形剤、および場合によりアジュバントを含み、組成物は、約6.0から約7.0のpHに緩衝されている。別の態様において、免疫原性組成物は、ヒスチジン、ポリソルベート-80、塩化ナトリウム、および場合によりリン酸アルミニウムを含み、組成物は、約6.0から約7.0のpHに緩衝されている。好ましい実施形態において、免疫原性組成物は、約10mMから約25mMのヒスチジン、約0.01%から約0.03%(v/w)のポリソルベート-80、約10mMから約250mMの塩化ナトリウム(NaCl)、および場合により約0.25mg/mlから約0.75mg/mlのアルミニウムをリン酸アルミニウムとして含む。本発明のさらなる態様において、免疫原性組成物は、約5mcg/mlから約50mcg/mlの用量を含む。
【0029】
本発明の別の態様において、免疫原性組成物は、場合により少なくとも1つの賦形剤の存在下で、凍結乾燥される。一実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、石粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、グリシン、アルギニン、リシン、塩化ナトリウム(NaCl)、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水およびエタノールからなる群から選択される。好ましい実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、スクロース、マンニトールおよびグリシンからなる群から選択される。特定の実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、スクロースである。一態様において、凍結乾燥した組成物は、約1%(w/v)から約10%(w/v)の、好ましくは約5.5%(w/v)超の少なくとも1つの賦形剤を含む。別の実施形態において、凍結乾燥した組成物は、追加の賦形剤を含む。1つのそのような実施形態において、追加の賦形剤は、マンニトールまたはグリシンである。好ましい実施形態において、凍結乾燥した組成物は、約1%(w/v)から約10%(w/v)の追加の賦形剤を含む。また別の実施形態において、凍結乾燥した組成物は、水、注射用水(WFI)、アジュバント懸濁液または生理食塩水で再溶解される。特定の実施形態において、希釈剤は、アルミニウムベースのアジュバント懸濁液、好ましくはリン酸アルミニウム懸濁液等、本明細書において記述されている任意のアジュバントの懸濁液である。
【0030】
本発明の別の態様は、GBSに対する免疫応答を誘発する方法であって、対象に、有効量の、本明細書において記述されている通りの免疫原性組成物を投与するステップを含む方法に関する。一実施形態において、本発明は、対象においてGBSに関連する疾患または状態を予防するまたは低減させる方法であって、対象に、有効量の、本明細書において記述されている免疫原性組成物を投与するステップを含む方法に関する。特定の実施形態において、対象は、妊娠を計画している女性または妊娠中の女性である。1つのそのような実施形態において、妊娠中の女性は、少なくとも妊娠20週または少なくとも27週等、妊娠後半期である。好ましい実施形態において、妊娠中の女性は、妊娠27週から36週である。別の実施形態において、対象は、50歳以上、65歳以上、および85歳以上の成人等の老齢者である。さらなる実施形態において、対象は、免疫不全である。一態様において、対象は、肥満、糖尿病、HIV感染、がん、心血管疾患または肝疾患からなる群から選択される医学的状態を有し得る。好ましい実施形態において、B群レンサ球菌は、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)である。
【0031】
本発明の追加の態様は、本発明の免疫原性組成物において、莢膜多糖と結合する抗体に関する。一部の実施形態において、抗体は、対象への免疫原性組成物の投与時に産生される。別の態様は、本発明の抗体を含む組成物に関する。
【0032】
本発明のさらなる態様は、対象に受動免疫を付与する方法であって、(a)本明細書において記述されている免疫原性組成物を使用して、抗体調製物を産生するステップと、(b)抗体調製物を対象に投与して、受動免疫を付与するステップとを含む方法に関する。
【0033】
本発明の一態様は、本発明の免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートを作製する方法であって、(a)GBS莢膜多糖を酸化剤と反応させて、活性化多糖をもたらすステップと、(b)活性化多糖を担体タンパク質と反応させて、多糖-タンパク質コンジュゲートをもたらすステップとを含み、ステップ(b)は極性非プロトン性溶媒中で行われる方法に関する。溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、ジメチルホルムアミド(DMF)およびヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)であってよい。好ましい実施形態において、溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)である。
【0034】
一実施形態において、多糖を、0.01から10.0モル当量の酸化剤と反応させる。特定の実施形態において、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。1つのそのような実施形態において、過ヨウ素酸塩は、過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0035】
別の実施形態において、酸化反応は、1時間から50時間の間である。さらなる実施形態において、酸化反応の温度は、約2℃から約25℃の間に維持される。また別の実施形態において、酸化反応は、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)およびビス-トリスからなる群から選択される緩衝剤中で行われる。1つのそのような実施形態において、緩衝剤は、約1mMから約500mMの間の濃度を有する。特定の実施形態において、酸化反応は、約4.0から約8.0の間のpHで行われる。
【0036】
本発明のさらなる態様において、酸化剤は、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)である。1つのそのような実施形態において、N-クロロスクシンイミド(NCS)は、共酸化剤である。
【0037】
一実施形態において、本発明の免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートを作製するステップ(a)は、クエンチング剤の添加により酸化反応物をクエンチするステップをさら
に含む。
【0038】
別の実施形態において、多糖の濃度は、約0.1mg/mLから約10.0mg/mLの間である。
【0039】
追加の実施形態において、活性化多糖の酸化度(DO)は、5から25の間である。
【0040】
本発明の別の態様において、方法は、活性化多糖を凍結乾燥するステップをさらに含む。一実施形態において、活性化多糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットからなる群から選択される糖の存在下で凍結乾燥される。
【0041】
本発明のさらなる態様において、本発明の免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートを作製するステップ(b)は、(1)活性化多糖を担体タンパク質と配合するステップと、(2)配合された活性化多糖および担体タンパク質を、還元剤と反応させて、GBS莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成するステップとを含む。一実施形態において、ステップ(2)における活性化多糖の濃度は、約0.1mg/mLから約10.0mg/mLの間である。追加の実施形態において、活性化多糖対担体タンパク質の初期比(重量/重量)は、5:1から0.1:1の間である。別の実施形態において、還元剤は、ブレンステッドもしくはルイス酸、アミンボラン、例えば、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMeiPrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)等の存在下、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH3CN)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛からなる群から選択される。好ましい実施形態において、還元剤は、(NaBH3CN)である。また別の実施形態において、還元剤の分量は、約0.1から約10.0モル当量の間である。さらなる実施形態において、ステップ(2)の還元反応の持続時間は、1時間から60時間の間である。別の実施形態において、還元反応の温度は、10℃から40℃の間に維持される。
【0042】
本発明の追加の態様において、免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートを作製する方法は、水素化ホウ素の添加により、未反応のアルデヒドをキャップするステップ(ステップ(c))をさらに含む。一実施形態において、水素化ホウ素の分量は、約0.1から約10.0モル当量の間である。別の実施形態において、水素化ホウ素は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素テトラブチルアンモニウム、水素化ホウ素カルシウムおよび水素化ホウ素マグネシウムからなる群から選択される。好ましい実施形態において、水素化ホウ素は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)である。さらなる実施形態において、キャップするステップの持続時間は、0.1時間から10時間の間である。また別の実施形態において、キャップするステップの温度は、約15℃から約45℃の間に維持される。
【0043】
本発明の別の態様において、方法は、多糖-タンパク質コンジュゲートを精製するステップをさらに含む。一実施形態において、多糖-タンパク質コンジュゲートは、多糖の総量と比較して約40%未満の遊離多糖を含む。別の実施形態において、コンジュゲート中における多糖対担体タンパク質の比(重量/重量)は、約0.5から約3.0の間である。さらなる実施形態において、コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、2から15の間である。
【0044】
本発明の別の実施形態は、本発明の免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートを作製する方法であって、(a)単離されたGBS莢膜多糖を酸化剤と反応させるステップと、(
b)クエンチング剤の添加によりステップ(a)の酸化反応物をクエンチして、活性化GBS莢膜多糖をもたらすステップと、(c)活性化GBS莢膜多糖を担体タンパク質と配合するステップと、(d)配合された活性化GBS莢膜多糖および担体タンパク質を還元剤と反応させて、GBS莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成するステップと、(e)水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)の添加により、未反応のアルデヒドをキャップするステップとを含み、ステップ(c)、(d)および(e)はDMSO中で行われる、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II -CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およ びGBS V-CRM197一価ワクチンにより免疫化されたマウス由来の血清およ び単離されたIgGのオプソニン活性の比較を示す図である。
【
図2】50℃における加速貯蔵(4週間)後の、GBS Ia-CRM197の安定性(SEC MALLSを使用する分子量における変化%によって示される通り)を示す図である。
【
図3】50℃における加速貯蔵(4週間)後の、GBS Ib-CRM197の安定性(SEC MALLSを使用する分子量における変化%によって示される通り)を示す図である。
【
図4】50℃における加速貯蔵(4週間)後の、GBS II-CRM197の安定性(SEC MALLSを使用する分子量における変化%によって示される通り)を示す図である。
【
図5】50℃における加速貯蔵(4週間)後の、GBS III-CRM197の安定性(SEC MALLSを使用する分子量における変化%によって示される通り)を示す図である。
【
図6】50℃における加速貯蔵(4週間)後の、GBS IV-CRM197の安定性(SEC MALLSを使用する分子量における変化%によって示される通り)を示す図である。
【
図7】50℃における加速貯蔵(4週間)後の、GBS V-CRM197の安定性(SEC MALLSを使用する分子量における変化%によって示される通り)を示す図である。
【
図8】37℃における貯蔵後の、GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS III-CRM197およびGBS IV-CRM197の安定性(遊離シアル酸によって示される通り)を示す図である。
【
図9】コハク酸塩を緩衝剤として使用する六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)におけるpHの安定性を示す図である。
【
図10】ヒスチジンを緩衝剤として使用する六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)におけるpHの安定性を示す図である。
【
図11】10mcg/mlの用量でのGBSコンジュゲートのアルミニウムとの結合に対する、六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中におけるヒスチジン緩衝剤濃度の効果を示す図である。
【
図12】40mcg/mlの用量でのGBSコンジュゲートのアルミニウムとの結合に対する、六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中におけるヒスチジン緩衝剤濃度の効果を示す図である。
【
図13】撹拌ストレス時の全抗原性の損失パーセントに対する、六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中におけるポリソルベート-80濃度の効果を示す図である。
【
図14】アルミニウムとのGBSコンジュゲート結合に対する、六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中におけるアルミニウム濃度の効果を示す図である。
【
図15】各血清型についての抗原性回復に対する、10mcg/ml用量の凍結乾燥した六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中における5.5%(w/v)スクロースの効果を示す図である。
【
図16】各血清型についての抗原性回復に対する、10mcg/ml用量の凍結乾燥した六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中における7.0%(w/v)スクロースノ効果を示す図である。
【
図17】各血清型についての抗原性回復に対する、10mcg/ml用量の凍結乾燥した六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中における8.5%(w/v)スクロースの効果を示す図である。
【
図18】各血清型についての抗原性回復に対する、50mcg/ml用量の凍結乾燥した六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中における5.5%(w/v)スクロースの効果を示す図である。
【
図19】各血清型についての抗原性回復に対する、50mcg/ml用量の凍結乾燥した六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中における7.0%(w/v)スクロースの効果を示す図である。
【
図20】各血清型についての抗原性回復に対する、50mcg/ml用量の凍結乾燥した六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中における8.5%(w/v)スクロースの効果を示す図である。
【
図21】各血清型についての抗原性回復に対する、40mcg/ml用量の凍結乾燥した六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中における7.0%(w/v)スクロースの効果を示す図である。
【
図22】各血清型についての抗原性回復に対する、40mcg/ml用量の凍結乾燥した六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中における2.0%(w/v)スクロースおよび4.0%(w/v)マンニトールの効果を示す図である。
【
図23】各血清型についての抗原性回復に対する、40mcg/ml用量の凍結乾燥した六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中における3.0%(w/v)スクロースおよび3.0%(w/v)マンニトールの効果を示す図である。
【
図24】各血清型についての抗原性回復に対する、40mcg/ml用量の凍結乾燥した六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中における2.0%(w/v)スクロースおよび4.0%(w/v)グリシンの効果を示す図である。
【
図25】各血清型についての抗原性回復に対する、40mcg/ml用量の凍結乾燥した六価GBSワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)中における3.0%(w/v)スクロースおよび3.0%(w/v)グリシンの効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は、記述されている特定の方法および実験条件に限定されず、そのような方法および条件は変更し得ることを理解されたい。本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を記述することのみを目的としており、限定を意図していないことも理解されたい。
【0047】
本明細書において記述されているものと同様または同等の任意の方法および材料を本発明の実践または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料をここで記述する。本明細書において言及されているすべての刊行物は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0048】
本明細書において使用される用語は、当業者に認識されており、公知である意味を有するが、利便性および完全性のために、特定の用語およびそれらの意味を、以下でおよび明細書全体を通して説明する。
【0049】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、複数の参照物を包含する。故に、例えば、「方法(the method)」への言及は、1つまたは複数の方法、および/または本明細書において記述されているステップ、および/または本開示等を読めば当業者に明らかとなると予想されるものを包含する。
【0050】
「約」または「およそ」という用語は、値の統計的に意味のある範囲内を意味する。そのような範囲は、所与の値または範囲の、一桁以内、典型的には20%以内、またさらに典型的には10%以内、さらに一層典型的には5%以内であってよい。「約」または「およそ」という用語によって網羅される許容偏差は、研究中の特定の系によって決まり、当業者には容易に分かり得る。本出願内で範囲が記載されている場合にはいつでも、該範囲内のすべての整数も、本発明の実施形態として企図されている。
【0051】
本開示において、「含む」、「含まれる」、「含むこと」、「含有する」、「含有すること」等の用語は、米国特許法におけるものに帰属する意味を有し得、例えば、「包含する」、「包含される」、「包含すること」等を意味し得ることに留意されたい。そのような用語は、任意の他の要素を除外することなく、特定の原料または原料のセットの包含を指す。「から本質的になること」および「から本質的になる」等の用語は、米国特許法に
おけるものに帰属する意味を有し、例えば、本発明の新規または基本的な特徴から逸脱しない追加の原料またはステップの包含を可能にする、すなわち、本発明の新規または基本的な特徴から逸脱する追加の列挙されていない原料またはステップを除外し、本明細書において引用されているまたは参照により本明細書に組み込まれる当技術分野における文書、とりわけ、この文書の目標が、特許性のある、例えば、新規の、自明でない、発明的な、従来技術を上回る、例えば、本明細書において引用されているもしくは参照により本明細書に組み込まれる文書を上回る、実施形態を定義することである場合等、先行技術の原料またはステップを除外する。また、「からなる」および「からなること」という用語は、米国特許法におけるものに属する意味を有する、すなわち、これらの用語はクローズエンドである。したがって、これらの用語は、特定の原料または原料のセットの包含および他すべての原料の除外を指す。
【0052】
「抗原」という用語は、概して、同族抗体が選択的に結合できる少なくとも1つのエピトープを含有する生体分子、通常はタンパク質、ペプチド、多糖、脂質もしくはコンジュゲート、または、一部の場合において、動物に注射もしくは吸収される組成物を包含する、動物において抗体もしくはT細胞応答または両方の生成を刺激することができる免疫原性物質を指す。免疫応答は、全分子に対して、または分子の1つもしくは複数の種々の部分(例えば、エピトープまたはハプテン)に対して産生され得る。該用語は、個々の分子または抗原分子の均一もしくは不均一集団を指すために使用され得る。抗原は、抗体、T細胞受容体、または特異的な体液性および/もしくは細胞性免疫の他の要素によって認識される。「抗原」という用語は、すべての関連抗原エピトープを包含する。所与の抗原のエピトープは、当業者に周知であるいくつものエピトープマッピング技術を使用して同定することができる(例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology、第66巻(Glenn E.Morris編、1996)Humana Press、Totowa、NJを参照)。例えば、直鎖状エピトープは、例えば、固体支持体上の多数のペプチド、タンパク質分子の部分に対応するペプチドを同時に合成し、ペプチドが支持体に付着しているままで、ペプチドを抗体と反応させることによって、決定することができる。そのような技術は、当技術分野において公知であり、例えば、米国特許第4,708,871号;Geysen,H.M.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81:3998~4002(1984);Geysen,H.M.ら、Molec.Immunol.、23(7):709~715(1986)において記述されており、これらはすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。同様に、立体構造エピトープは、例えばX線結晶学および二次元核磁気共鳴によって等、アミノ酸の空間的立体構造を決定することによって同定され得る(例えば、Epitope Mapping Protocols、上記を参照)。さらに、本発明の目的のために、「抗原」は、タンパク質が免疫学的応答を導出する能力を維持する限り、欠失、付加および置換等の天然配列への修飾を包含するタンパク質(概して保存的な性質であるが、非保存的であってよい)を指すためにも使用され得る。これらの修飾は、部位特異的突然変異誘発を介して、もしくは特定の合成手順を介して、もしくは遺伝子工学的アプローチを介してのように意図的であってよく、または抗原を生成する宿主の突然変異を介して等、偶発的であってもよい。さらに、抗原は、微生物、例えば細菌から誘導、取得または単離されてもよいし、全生物であってもよい。同様に、核酸免疫化用途において等、抗原を発現しているオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドも、定義に包含される。合成抗原、例えば、ポリエピトープ、隣接エピトープ、および他の組換えまたは合成的に誘導された抗原も包含される(Bergmann,C.ら、Eur.J.Immunol.、23(11):2777~2781(1993);Bergmann,C.C.ら、J.Immunol.、157(8):3242~3249(1996);Suhrbier,A.、Immunol.and Cell Biol.、75(4):402~408(1997))。
【0053】
「ワクチン」または「ワクチン組成物」という用語は、交換可能に使用され、動物において免疫応答を誘発する少なくとも1つの免疫原性組成物を含む医薬組成物を指す。
【0054】
莢膜多糖
本明細書において使用される場合、「糖」という用語は、単一砂糖部分または単糖単位、ならびに、共有結合して二糖、オリゴ糖および多糖を形成する2つ以上の単一砂糖部分または単糖単位の組合せを指す。「糖」という用語は、「炭水化物」という用語と交換可能に使用され得る。多糖は、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。
【0055】
「単糖」は、本明細書において使用される場合、オリゴ糖中における単一砂糖残基を指す。「二糖」という用語は、本明細書において使用される場合、グリコシド結合によって一緒に結合した2つの単糖単位または部分から構成される多糖を指す。
【0056】
一実施形態において、多糖は、オリゴ糖(OS)である。「オリゴ糖」は、本明細書において使用される場合、2つ以上の単糖単位または部分を含有する化合物を指す。オリゴ糖の文脈内では、個々のモノマー単位または部分は、ヒドロキシル基を介して別の単糖単位または部分と結合しているまたはすることができる単糖である。オリゴ糖は、保護された単一残基砂糖からの化学合成によってまたは生物学的に生成された多糖の化学分解によってのいずれかで調製することができる。代替として、オリゴ糖は、インビトロ酵素法によって調製され得る。
【0057】
好ましい実施形態において、多糖は、多糖(PS)であり、これは、少なくとも5つの単糖単位または部分の直鎖状または分枝鎖状ポリマーを指す。明瞭にするために、より多数の繰り返し単位(ここで、nは、約5超、例えば約10超等である)を、本明細書において多糖と称する。
【0058】
一実施形態において、多糖は、細胞表面多糖である。細胞表面多糖は、ペプチドグリカン層、細胞壁および莢膜を包含する最も外側の細菌細胞膜または細菌細胞表面上に位置する少なくとも一部を有する多糖を指す。典型的には、細胞表面多糖は、インビボで免疫応答を誘発することに関連する。細胞表面多糖は、「細胞壁多糖」または「莢膜多糖」であってよい。細胞壁多糖は、典型的には、細菌表面上に不連続層を形成する。
【0059】
一実施形態において、多糖は、莢膜多糖である。莢膜多糖は、グリコシド結合によって接合した1つまたは複数の単糖の繰り返し単位を包含するグリコポリマーである。莢膜多糖は、典型的には、細菌細胞の周囲に莢膜様層を形成する。「莢膜多糖(capsular polysaccharide)」または「莢膜多糖(capsule polysaccharide)」は、レンサ球菌のほとんどの分離株の細胞壁の外部にある多糖莢膜を指す。例えば、すべてのGBS莢膜多糖は、細菌の菌力に必要とされる末端α2-3-結合シアル酸を持つ分枝鎖状繰り返し構造を有する。莢膜関連シアル酸(HPLCアッセイによって定量化される)は、インビトロで培養したT.E.S.T.由来の侵襲性新生児分離株の94%超において検出された。
【0060】
本発明者らは、GBS莢膜多糖のシアル酸レベルが、免疫応答を生成するために重要な特徴であることを発見した。先行開示は、血清型Vについてのシアル酸レベルに関して矛盾する情報、脱シアル化血清型Vが好ましい(国際特許出願公開第WO2012/035519号)、および血清型Vについて50%超のシアル酸含有量が使用され得る(国際特許出願公開第WO2014/053612号)という所見のみを提供していた。しかしながら、これらの参考文献のうちのいずれも、GBS多糖の少なくとも大部分についてのシアル酸レベルの、免疫原性に対する重要性について記述していない。本発明者らは、驚くべきことに、GBS莢膜多糖が、天然シアル酸レベルを有する多糖に相当する免疫応答(
すなわち、100%または約95%超)を提供するために、コンジュゲーションの前に約60%以上のシアル酸を必要とすることを見出した。血清型Vについて開示されている先の範囲内である58%のシアル酸レベルであっても、免疫原性に悪影響を及ぼした。
【0061】
したがって、本発明の一実施形態において、莢膜多糖は、約100%または約95%超等、それらの自然なシアル酸レベルを含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、最大約40%(約60%超のシアル化レベル)、例えば最大約35%(約65%超のシアル化レベル)、最大約30%(約70%超のシアル化レベル)、最大約25%(約75%超のシアル化レベル)、最大約20%(約80%超のシアル化レベル)、最大約15%(約85%超のシアル化レベル)、最大約10%(約90%超のシアル化レベル)、および最大約5%(約95%超のシアル化レベル)等、脱シアル化されていてもよい。
【0062】
100%のシアル酸レベルは、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸に対応することに留意すべきである。したがって、莢膜多糖は、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。さらなる実施形態において、莢膜多糖は、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸、または多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。
【0063】
一部の莢膜多糖(CP)血清型の末端シアル残基は、部分的にO-アセチル化されている(OAc)(Lewis,A.L.ら、Proceedings of the National Academy of Sciences USA、101(30):11123~8(2004))。血清型Ib、III、IV、V、VIおよびIXは、部分的にO-アセチル化されている(最大約40%)のに対し、血清型Ia、IIおよびVIIは、O-アセチル化をほとんどまたは全く有さない(約5%未満)(Lewis 2004)。本発明の一実施形態において、莢膜多糖は、それらの自然なO-アセチル化レベル(約0%から約40%)を含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、O-脱アセチル化されていてよい(約5%未満)。多糖またはオリゴ糖のO-アセチル化の程度は、当技術分野において公知である任意の方法によって、例えば、プロトンNMRによって決定することができる(Lemercinier,X.ら、Carbohydrate Research、296:83~96(1996);Jones,C.ら、Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis、30:1233~1247(2002);国際特許出願公開第WO2005/033148号および同第WO00/56357号)。別の一般に使用される方法は、Hestrin,S.、J.Biol.Chem.、180:249~261(1949)によって記述されている。
【0064】
100%のO-アセテートは、糖繰り返し単位1mM当たり約1.0mMのO-アセテートに対応することにも留意すべきである。したがって、部分的にO-アセチル化されている多糖は、糖繰り返し単位1mM当たり少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.35または約0.4mMのO-アセテートを含む。O-脱アセチル化されている多糖は、糖繰り返し単位1mM当たり約0.01、0.02、0.03、0.04、または0.05mM未満のO-アセテートを含む。
【0065】
侵襲性疾患を引き起こすことができるレンサ球菌微生物は、概して、細菌を被包し、宿主の自然免疫系によるクリアランスに対するその抵抗を強化するCPを生成することもできる。CPは、細菌を食作用および細胞内死滅に対して抵抗性にする保護莢膜内に細菌細
胞を覆い隠すことに役立つ。莢膜を欠いている細菌は、食作用の影響をより受けやすい。莢膜多糖は、高頻度で、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を包含する多くの細菌病原体にとって重要な菌力因子である。
【0066】
莢膜多糖を使用して、特定の種の細菌の血清型を決めることができる。莢膜多糖の特異的構造または独自のエピトープ特徴への型判定は、通常は、産生された特異抗血清またはモノクローナル抗体との反応によって遂行される。10のGBS血清型:Ia、IbおよびII~IXがある(Ferrieri,P.ら、Emerg.Infect.Dis.[Internet]、19(4)(2013)、http://wwwnc.cdc.gov/eid/article/19/4/12-1572_articleにおいて利用可能)。
【0067】
本発明の一実施形態において、多糖は、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)から単離される。多糖は、S.アガラクティエ(S.agalactiae)の任意の被包性株、例えば、090、A909(ATCC受託番号BAA-1138)、515(ATCC受託番号BAA-1177)、B523、CJB524、MB4052(ATCC受託番号31574)、H36B(ATCC受託番号12401)、S40、S42、MB4053(ATCC受託番号31575)、M709、133、7357、PFEGBST0267、MB4055(ATCC受託番号31576)、18RS21(ATCC受託番号BAA-1175)、S16、S20、V8(ATCC受託番号12973)、DK21、DK23、UAB、5401、PFEGBST0708、MB4082(ATCC受託番号31577)、M132、110、M781(ATCC受託番号BAA-22)、D136C(3)(ATCC受託番号12403)、M782、S23、120、MB4316(M-732;ATCC受託番号31475)、M132、K79、COH1(ATCC受託番号BAA-1176)、PFEGBST0563、3139(ATCC受託番号49446)、CZ-NI-016、PFEGBST0961、1169-NT1、CJB111(ATCC受託番号BAA-23)、CJB112、2603V/R(ATCC受託番号BAA-611)、NCTC10/81、CJ11、PFEGBST0837、118754、114852、114862、114866、118775、B4589、B4645、SS1214、CZ-PW-119、7271、CZ-PW-045、JM9130013、JM9130672、IT-NI-016、IT-PW-62およびIT-PW-64等から単離され得る。
【0068】
本明細書において記述されている多糖は、例えば、本明細書において記述されている方法を包含する、当技術分野において公知の方法によって単離され得る。本明細書において使用される場合、「単離された」は、特定の起源から取得され、分離されることを指す。「単離された」という用語はさらに、そのそれぞれの自然発生形態、状況および/または環境にないことを指す。例えば、「レンサ球菌から単離された」は、レンサ球菌細胞から取得され、分離された物質を指す。単離された多糖は、自然発生のものではない。「単離された」という用語は、材料がその元の環境から取り出されていることを意味する(例えば、それが自然発生のものであれば自然環境、またはそれが組換え実体であればその宿主生物から、もしくは1つの環境から異なる環境へ運ばれる)。例えば、「単離された」莢膜多糖、タンパク質またはペプチドは、タンパク質が由来する細胞もしくは組織起源からの細胞材料もしくは他の汚染タンパク質を実質的に含まない、または、化学的に合成される場合、もしくは化学反応の一部として混合物中に存在する場合、化学的前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。本発明において、タンパク質または多糖は、免疫原性
組成物の製造において有用な形態で提供されるように、細菌細胞からまたは細胞残屑から単離され得る。「単離された」または「単離すること」という用語は、当技術分野において公知である単離された多糖を精製するための方法および/または本明細書において記述されている方法を包含する、精製することまたは精製を包含し得る。「細胞材料を実質的に含まない」という言葉は、ポリペプチド/タンパク質が、それを単離または組換えにより生成した細胞の細胞成分から分離されている、ポリペプチド/タンパク質の調製物を包含する。故に、細胞材料を実質的に含まない莢膜多糖、タンパク質またはペプチドは、約30%、20%、10%、5%、2.5%または1%(乾重量で)未満の汚染タンパク質もしくは多糖または他の細胞材料を有する、莢膜多糖、タンパク質またはペプチドの調製物を包含する。ポリペプチド/タンパク質が組換えにより生成される場合、これは、好ましくは培養培地も実質的に含まない、すなわち、培養培地は、タンパク質調製物の体積の約20%、10%または5%未満を表す。ポリペプチド/タンパク質または多糖が化学合成によって生成される場合、これは、好ましくは化学的前駆体も他の化学物質も実質的に含まない、すなわち、これは、タンパク質または多糖の合成に関与する化学的前駆体または他の化学物質から分離される。したがって、ポリペプチド/タンパク質または多糖のそのような調製物は、目的のポリペプチド/タンパク質または多糖断片以外に、約30%、20%、10%、5%(乾重量で)未満の化学的前駆体または化合物を有する。
【0069】
本発明の一実施形態において、多糖は、細菌から単離される。本発明の別の実施形態において、多糖は、組換えにより生成される。さらなる実施形態において、多糖は、合成であるか、または従来の方法に従って化学的に合成される。本発明のまた別の実施形態において、多糖は、多糖を生成するための生合成経路をクローン化および発現した後の代理宿主における発現によって調製される。一実施形態において、多糖は、免疫原性である。例えば、本発明者らは、本明細書において記述されている各多糖が、免疫応答を誘発するまたは導出することができることを発見した。「免疫原性」という用語は、哺乳動物において、体液性および/または細胞媒介性免疫応答を開始する、トリガーする、引き起こす、強化する、改善する、および/または増強させる能力を指す。一実施形態において、哺乳動物は、ヒト、霊長類、ウサギ、ブタ、マウス等である。
【0070】
莢膜多糖の分子量は、免疫原性組成物における使用のための検討事項である。高分子量の莢膜多糖は、抗原表面上に存在する、より高い原子価のエピトープにより、ある特定の抗体免疫応答を誘発することができる。高分子量の莢膜多糖の単離および精製は、本発明のコンジュゲート、組成物および方法において使用するために企図されている。
【0071】
しかしながら、一実施形態において、多糖は、担体タンパク質とのコンジュゲーション前に、天然莢膜多糖の分子量より低い分子量(MW)範囲にサイズ決定されていてよい。精製された莢膜多糖のサイズは、有利な濾過特性および/または収率を持つコンジュゲートを産生するために低減される。
【0072】
1つのそのような実施形態において、精製された莢膜多糖のサイズは、高圧均質化によって低減される。高圧均質化は、十分に小さい寸法を持つ流路を介してプロセス流をポンプでくみ上げることにより、高せん断速度を実現する。せん断速度は、大きな印加均質化圧力を使用することによって増大され、曝露時間は、ホモジナイザーを介して送給流を再循環させることによって増大させることができる。
【0073】
一実施形態において、本明細書において記述されている多糖は、オプソニン活性を誘発することができる。別の実施形態において、本明細書において記述されている多糖は、オプソニンおよび食作用活性(例えば、オプソニン食作用活性)を誘発することができる。
【0074】
オプソニン活性またはオプソニン化は、オプソニン(例えば、抗体または補体因子)が
抗原(例えば、本明細書において記述されている単離された多糖)と結合するプロセスを指し、これは、食細胞または食作用細胞(例えば、マクロファージ、樹状細胞および多形核白血球(PMNL))との抗原の結合を容易にする。一部の細菌、例えば、莢膜の存在により典型的には貪食されていない被包性細菌等は、オプソニン抗体でコーティングされると、食細胞によって認識されやすくなる。一実施形態において、多糖は、オプソニンである免疫応答、例えば抗体等を誘発する。一実施形態において、オプソニン活性は、グラム陽性球菌に対する、好ましくはレンサ球菌(Streptococcus)種に対する、より好ましくはS.アガラクティエ(S.agalactiae)の少なくとも1つの株に対するものである。
【0075】
また別の実施形態において、本明細書において記述されている多糖は、殺菌免疫応答を誘発することができる。一実施形態において、殺菌活性は、グラム陽性球菌に対する、好ましくはレンサ球菌(Streptococcus)種に対する、より好ましくはS.アガラクティエ(S.agalactiae)の少なくとも1つの株に対するものである。
【0076】
オプソニン化、食作用および/または殺菌活性を測定するための方法は、当技術分野において公知であり、例えば、細菌負荷の低減をインビボで計測することによるもの(例えば、レンサ球菌(Streptococcus)種を接種した哺乳動物における菌血症レベルを測定することによるもの)および/または細菌細胞死滅をインビトロで計測することによるもの(例えば、インビトロオプソニン食作用アッセイ)である。一実施形態において、多糖は、適切な対照と比較して、例えば、熱で死滅させたグラム陽性球菌に対して育てられた抗血清と比較して等、オプソニン、食作用および/または殺菌活性を誘発することができる。
【0077】
血清型Ia
一実施形態は、血清型Ia GBS莢膜多糖を包含する。血清型Iaの構造は、次のように描写することができる:
【0078】
【0079】
コンジュゲーション前の血清型Ia莢膜多糖の分子量は、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約25kDaから約750kDaの間、約25kDaから約500kDaの間、約25kDaから約450kDaの間、約25kDaから約400kDaの
間、約25kDaから約350kDaの間、約25kDaから約300kDaの間、約25kDaから約250kDaの間、約25kDaから約200kDaの間、約50kDaから約750kDaの間、約50kDaから約500kDaの間、約50kDaから約450kDaの間、約50kDaから約400kDaの間、約50kDaから約350kDaの間、約50kDaから約300kDaの間、約50kDaから約250kDaの間、約50kDaから約200kDaの間、約75kDaから約750kDaの間、約75kDaから約500kDaの間、約75kDaから約450kDaの間、約75kDaから約400kDaの間、約75kDaから約350kDaの間、約75kDaから約300kDaの間、約75kDaから約250kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約750kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約650kDaの間、約100kDaから約600kDaの間、約100kDaから約550kDaの間、約100kDaから約500kDaの間、約100kDaから約450kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約350kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから750kDaの間、約200kDaから約700kDaの間、約200kDaから約650kDaの間、約200kDaから約600kDaの間、約200kDaから約550kDaの間、約200kDaから約500kDaの間、約200kDaから約450kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、の間、約250kDaから約750kDaの間、約250kDaから約700kDaの間、約250kDaから約650kDaの間、約250kDaから約600kDaの間、約250kDaから約550kDaの間、約250kDaから約500kDaの間、約250kDaから約450kDaの間、約250kDaから約400kDaの間、約300kDaから750kDaの間、約300kDaから約700kDaの間、約300kDaから約650kDaの間、約300kDaから約600kDaの間、約300kDaから約550kDaの間または約300kDaから約500kDaの間等である。1つの好ましい実施形態において、コンジュゲーション前の莢膜多糖の分子量は、約25kDaから約200kDaの間である。別の好ましい実施形態において、コンジュゲーション前の莢膜多糖の分子量は、約100kDaから約400kDaの間である。上記範囲のうちのいずれか内の任意の整数は、本開示の実施形態として企図されている。
【0080】
特定の実施形態において、多糖の構造的特色、例えばシアル酸等を保存しながら、天然GBS莢膜多糖血清型Iaのサイズを低減させるために、高圧均質化プロセスが使用される。
【0081】
本発明の一実施形態において、血清型Ia莢膜多糖は、約100%または約95%超等、その自然なシアル酸レベルを含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、最大約40%(約60%超のシアル化レベル)、例えば最大約35%(約65%超のシアル化レベル)、最大約30%(約70%超のシアル化レベル)、最大約25%(約75%超のシアル化レベル)、最大約20%(約80%超のシアル化レベル)、最大約15%(約85%超のシアル化レベル)、最大約10%(約90%超のシアル化レベル)、または最大約5%(約95%超のシアル化レベル)等、脱シアル化されていてよい。
【0082】
別の実施形態において、血清型Ia莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有する。さらなる実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸、多糖
1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸、または多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。
【0083】
血清型Ia莢膜多糖は、約5%未満O-アセチル化されている。本発明の血清型Ia莢膜多糖の一部の例示的な株は、090、A909(ATCC受託番号BAA-1138)、515(ATCC受託番号BAA-1177)、B523、CJB524およびMB4052(ATCC受託番号31574)を包含する。
【0084】
血清型Ib
一実施形態は、血清型Ib GBS莢膜多糖を包含する。血清型Ibの構造は、次のように描写することができる:
【0085】
【0086】
コンジュゲーション前の血清型Ib莢膜多糖の分子量は、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約25kDaから約750kDaの間、約25kDaから約500kDaの間、約25kDaから約450kDaの間、約25kDaから約400kDaの間、約25kDaから約350kDaの間、約25kDaから約300kDaの間、約25kDaから約250kDaの間、約25kDaから約200kDaの間、約50kDaから約750kDaの間、約50kDaから約500kDaの間、約50kDaから約450kDaの間、約50kDaから約400kDaの間、約50kDaから約350kDaの間、約50kDaから約300kDaの間、約50kDaから約250kDaの間、約50kDaから約200kDaの間、約75kDaから約750kDaの間、約75kDaから約500kDaの間、約75kDaから約450kDaの間、約75kDaから約400kDaの間、約75kDaから約350kDaの間、約75kDaから約300kDaの間、約75kDaから約250kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約750kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約650kDaの間、約100kDaから約600kDaの間、約100kDaから約550kDaの間、約100kDaから約500kDaの間、約100kDaから約450kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約350kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから750kDaの間、約200kDaから約700kDaの間、約200kDaから約6
50kDaの間、約200kDaから約600kDaの間、約200kDaから約550kDaの間、約200kDaから約500kDaの間、約200kDaから約450kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、の間、約250kDaから約750kDaの間、約250kDaから約700kDaの間、約250kDaから約650kDaの間、約250kDaから約600kDaの間、約250kDaから約550kDaの間、約250kDaから約500kDaの間、約250kDaから約450kDaの間、約250kDaから約400kDaの間、約300kDaから750kDaの間、約300kDaから約700kDaの間、約300kDaから約650kDaの間、約300kDaから約600kDaの間、約300kDaから約550kDaの間または約300kDaから約500kDaの間等である。1つの好ましい実施形態において、コンジュゲーション前の莢膜多糖の分子量は、約25kDaから約400kDaの間である。上記範囲のうちのいずれか内の任意の整数は、本開示の実施形態として企図されている。
【0087】
本発明の一実施形態において、血清型Ib莢膜多糖は、約100%または約95%超等、その自然なシアル酸レベルを含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、最大約40%(約60%超のシアル化レベル)、例えば最大約35%(約65%超のシアル化レベル)、最大約30%(約70%超のシアル化レベル)、最大約25%(約75%超のシアル化レベル)、最大約20%(約80%超のシアル化レベル)、最大約15%(約85%超のシアル化レベル)、最大約10%(約90%超のシアル化レベル)、または最大約5%(約95%超のシアル化レベル)等、脱シアル化されていてよい。
【0088】
別の実施形態において、血清型Ib莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有する。さらなる実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸、または多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。
【0089】
血清型Ib莢膜多糖は、約0%から約40%の間、O-アセチル化されている。本発明の一実施形態において、多糖は、O-脱アセチル化されている(すなわち、約5%未満、O-アセチル化されている)。本発明の血清型Ib莢膜多糖の一部の例示的な株は、H36B(ATCC受託番号12401)、S40、S42、MB4053(ATCC受託番号31575)、M709、133、7357およびPFEGBST0267を包含する。
【0090】
血清型II
一実施形態は、血清型II GBS莢膜多糖を包含する。血清型IIの構造は、次のように描写することができる:
【0091】
【0092】
コンジュゲーション前の血清型II莢膜多糖の分子量は、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約25kDaから約750kDaの間、約25kDaから約500kDaの間、約25kDaから約450kDaの間、約25kDaから約400kDaの間、約25kDaから約350kDaの間、約25kDaから約300kDaの間、約25kDaから約250kDaの間、約25kDaから約200kDaの間、約50kDaから約750kDaの間、約50kDaから約500kDaの間、約50kDaから約450kDaの間、約50kDaから約400kDaの間、約50kDaから約350kDaの間、約50kDaから約300kDaの間、約50kDaから約250kDaの間、約50kDaから約200kDaの間、約75kDaから約750kDaの間、約75kDaから約500kDaの間、約75kDaから約450kDaの間、約75kDaから約400kDaの間、約75kDaから約350kDaの間、約75kDaから約300kDaの間、約75kDaから約250kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約750kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約650kDaの間、約100kDaから約600kDaの間、約100kDaから約550kDaの間、約100kDaから約500kDaの間、約100kDaから約450kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約350kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから750kDaの間、約200kDaから約700kDaの間、約200kDaから約650kDaの間、約200kDaから約600kDaの間、約200kDaから約550kDaの間、約200kDaから約500kDaの間、約200kDaから約450kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、の間、約250kDaから約750kDaの間、約250kDaから約700kDaの間、約250kDaから約650kDaの間、約250kDaから約600kDaの間、約250kDaから約550kDaの間、約250kDaから約500kDaの間、約250kDaから約450kDaの間、約250kDaから約400kDaの間、約300kDaから750kDaの間、約300kDaから約700kDaの間、約300kDaから約650kDaの間、約300kDaから約600kDaの間、約300kDaから約550kDaの間または約300kDaから約500kDaの間等である。1つの好ましい実施形態において、コンジュゲーション前の莢膜多糖の分子量は、約25kDaから約400kDaの間である。上記範囲の
うちのいずれか内の任意の整数は、本開示の実施形態として企図されている。
【0093】
本発明の一実施形態において、血清型II莢膜多糖は、約100%または約95%超等、その自然なシアル酸レベルを含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、最大約40%(約60%超のシアル化レベル)、例えば最大約35%(約65%超のシアル化レベル)、最大約30%(約70%超のシアル化レベル)、最大約25%(約75%超のシアル化レベル)、最大約20%(約80%超のシアル化レベル)、最大約15%(約85%超のシアル化レベル)、最大約10%(約90%超のシアル化レベル)、または最大約5%(約95%超のシアル化レベル)等、脱シアル化されていてよい。
【0094】
別の実施形態において、血清型II莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有する。さらなる実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸、または多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。
【0095】
血清型II莢膜多糖は、約5%未満O-アセチル化されている。本発明の血清型II莢膜多糖の一部の例示的な株は、MB4055(ATCC受託番号31576)、18RS21(ATCC受託番号BAA-1175)、S16、S20、V8(ATCC受託番号12973)、DK21、DK23、UAB、5401およびPFEGBST0708を包含する。
【0096】
血清型III
一実施形態は、血清型III GBS莢膜多糖を包含する。血清型IIIの構造は、次のように描写することができる:
【0097】
【0098】
コンジュゲーション前の血清型III莢膜多糖の分子量は、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約25kDaから約750kDaの間、約25kDaから約500kDaの間、約25kDaから約450kDaの間、約25kDaから約400kDa
の間、約25kDaから約350kDaの間、約25kDaから約300kDaの間、約25kDaから約250kDaの間、約25kDaから約200kDaの間、約50kDaから約750kDaの間、約50kDaから約500kDaの間、約50kDaから約450kDaの間、約50kDaから約400kDaの間、約50kDaから約350kDaの間、約50kDaから約300kDaの間、約50kDaから約250kDaの間、約50kDaから約200kDaの間、約75kDaから約750kDaの間、約75kDaから約500kDaの間、約75kDaから約450kDaの間、約75kDaから約400kDaの間、約75kDaから約350kDaの間、約75kDaから約300kDaの間、約75kDaから約250kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約750kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約650kDaの間、約100kDaから約600kDaの間、約100kDaから約550kDaの間、約100kDaから約500kDaの間、約100kDaから約450kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約350kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから750kDaの間、約200kDaから約700kDaの間、約200kDaから約650kDaの間、約200kDaから約600kDaの間、約200kDaから約550kDaの間、約200kDaから約500kDaの間、約200kDaから約450kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、の間、約250kDaから約750kDaの間、約250kDaから約700kDaの間、約250kDaから約650kDaの間、約250kDaから約600kDaの間、約250kDaから約550kDaの間、約250kDaから約500kDaの間、約250kDaから約450kDaの間、約250kDaから約400kDaの間、約300kDaから750kDaの間、約300kDaから約700kDaの間、約300kDaから約650kDaの間、約300kDaから約600kDaの間、約300kDaから約550kDaの間または約300kDaから約500kDaの間等である。1つの好ましい実施形態において、コンジュゲーション前の莢膜多糖の分子量は、約25kDaから約200kDaの間である。別の好ましい実施形態において、コンジュゲーション前の莢膜多糖の分子量は、約100kDaから約400kDaの間である。上記範囲のうちのいずれか内の任意の整数は、本開示の実施形態として企図されている。
【0099】
特定の実施形態において、多糖の構造的特色、例えばシアル酸等を保存しながら、天然GBS莢膜多糖血清型IIIのサイズを低減させるために、高圧均質化プロセスが使用される。
【0100】
本発明の一実施形態において、血清型III莢膜多糖は、約100%または約95%超等、その自然なシアル酸レベルを含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、最大約40%(約60%超のシアル化レベル)、例えば最大約35%(約65%超のシアル化レベル)、最大約30%(約70%超のシアル化レベル)、最大約25%(約75%超のシアル化レベル)、最大約20%(約80%超のシアル化レベル)、最大約15%(約85%超のシアル化レベル)、最大約10%(約90%超のシアル化レベル)、または最大約5%(約95%超のシアル化レベル)等、脱シアル化されていてよい。
【0101】
別の実施形態において、血清型III莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有する。さらなる実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸、多
糖1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸、または多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。
【0102】
血清型III莢膜多糖は、約0%から約40%の間、O-アセチル化されている。本発明の一実施形態において、多糖は、O-脱アセチル化されている(すなわち、約5%未満、O-アセチル化されている)。本発明の血清型III莢膜多糖の一部の例示的な株は、MB4082(ATCC受託番号31577)、M132、110、M781(ATCC受託番号BAA-22)、D136C(3)(ATCC受託番号12403)、M782、S23、120、MB4316(M-732;ATCC受託番号31475)、M132、K79、COH1(ATCC受託番号BAA-1176)およびPFEGBST0563を包含する。
【0103】
血清型IV
一実施形態は、血清型IV GBS莢膜多糖を包含する。血清型IVの構造は、次のように描写することができる:
【0104】
【0105】
コンジュゲーション前の血清型IV莢膜多糖の分子量は、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約25kDaから約750kDaの間、約25kDaから約500kDaの間、約25kDaから約450kDaの間、約25kDaから約400kDaの間、約25kDaから約350kDaの間、約25kDaから約300kDaの間、約25kDaから約250kDaの間、約25kDaから約200kDaの間、約50kDaから約750kDaの間、約50kDaから約500kDaの間、約50kDaから約450kDaの間、約50kDaから約400kDaの間、約50kDaから約350kDaの間、約50kDaから約300kDaの間、約50kDaから約250kDaの間、約50kDaから約200kDaの間、約75kDaから約750kDaの間、約75kDaから約500kDaの間、約75kDaから約450kDaの間、約75kDaから
約400kDaの間、約75kDaから約350kDaの間、約75kDaから約300kDaの間、約75kDaから約250kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約750kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約650kDaの間、約100kDaから約600kDaの間、約100kDaから約550kDaの間、約100kDaから約500kDaの間、約100kDaから約450kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約350kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから750kDaの間、約200kDaから約700kDaの間、約200kDaから約650kDaの間、約200kDaから約600kDaの間、約200kDaから約550kDaの間、約200kDaから約500kDaの間、約200kDaから約450kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、の間、約250kDaから約750kDaの間、約250kDaから約700kDaの間、約250kDaから約650kDaの間、約250kDaから約600kDaの間、約250kDaから約550kDaの間、約250kDaから約500kDaの間、約250kDaから約450kDaの間、約250kDaから約400kDaの間、約300kDaから750kDaの間、約300kDaから約700kDaの間、約300kDaから約650kDaの間、約300kDaから約600kDaの間、約300kDaから約550kDaの間または約300kDaから約500kDaの間等である。1つの好ましい実施形態において、コンジュゲーション前の莢膜多糖の分子量は、約25kDaから約400kDaの間である。上記範囲のうちのいずれか内の任意の整数は、本開示の実施形態として企図されている。
【0106】
本発明の一実施形態において、血清型IV莢膜多糖は、約100%または約95%超等、その自然なシアル酸レベルを含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、最大約40%(約60%超のシアル化レベル)、例えば最大約35%(約65%超のシアル化レベル)、最大約30%(約70%超のシアル化レベル)、最大約25%(約75%超のシアル化レベル)、最大約20%(約80%超のシアル化レベル)、最大約15%(約85%超のシアル化レベル)、最大約10%(約90%超のシアル化レベル)、または最大約5%(約95%超のシアル化レベル)等、脱シアル化されていてよい。
【0107】
別の実施形態において、血清型IV莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有する。さらなる実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸、または多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。
【0108】
血清型IV莢膜多糖は、約0%から約40%の間、O-アセチル化されている。本発明の一実施形態において、多糖は、O-脱アセチル化されている(すなわち、約5%未満、O-アセチル化されている)。本発明の血清型IV莢膜多糖の一部の例示的な株は、3139(ATCC受託番号49446)、CZ-NI-016およびPFEGBST0961を包含する。
【0109】
血清型V
一実施形態は、血清型V GBS莢膜多糖を包含する。血清型Vの構造は、次のように描写することができる:
【0110】
【0111】
コンジュゲーション前の血清型V莢膜多糖の分子量は、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約25kDaから約750kDaの間、約25kDaから約500kDaの間、約25kDaから約450kDaの間、約25kDaから約400kDaの間、約25kDaから約350kDaの間、約25kDaから約300kDaの間、約25kDaから約250kDaの間、約25kDaから約200kDaの間、約50kDaから約750kDaの間、約50kDaから約500kDaの間、約50kDaから約450kDaの間、約50kDaから約400kDaの間、約50kDaから約350kDaの間、約50kDaから約300kDaの間、約50kDaから約250kDaの間、約50kDaから約200kDaの間、約75kDaから約750kDaの間、約75kDaから約500kDaの間、約75kDaから約450kDaの間、約75kDaから約400kDaの間、約75kDaから約350kDaの間、約75kDaから約300kDaの間、約75kDaから約250kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約750kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約650kDaの間、約100kDaから約600kDaの間、約100kDaから約550kDaの間、約100kDaから約500kDaの間、約100kDaから約450kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約350kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから750kDaの間、約200kDaから約700kDaの間、約200kDaから約650kDaの間、約200kDaから約600kDaの間、約200kDaから約550kDaの間、約200kDaから約500kDaの間、約200kDaから約450kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、の間、約250kDaから約750kDaの間、約250kDaから約700kDaの間、約250kDaから約650kDaの間、約250kDaから約600kDaの間、約250kDaから約550kDaの間、約250kDaから約500kDaの間、約250kDaから約450kDaの間、約250kDaから約400kDaの間、約300kDaから750kDaの間、約300kDaから約700kDaの間、約300kDaから約650kDaの間、約300kDaから約600kDaの間、約300kDaから約550kDaの間または約300kDaから約500kDaの間等である。1つの好ましい実施形態において、コンジュゲーション前の莢膜多糖の分子量は、約25kDaから約400kDaの間である。上記範囲のうちのいずれか内の任意の整数は、本開示の実施形態として企図されている。
【0112】
本発明の一実施形態において、血清型V莢膜多糖は、約100%または約95%超等、その自然なシアル酸レベルを含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、最大約40%(約60%超のシアル化レベル)、例えば最大約35%(約65%超のシアル化レベル)、最大約30%(約70%超のシアル化レベル)、最大約25%(約75%超のシアル化レベル)、最大約20%(約80%超のシアル化レベル)、最大約15%(約85%超のシアル化レベル)、最大約10%(約90%超のシアル化レベル)、または最大約5%(約95%超のシアル化レベル)等、脱シアル化されていてよい。
【0113】
別の実施形態において、血清型V莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有する。さらなる実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸、または多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。
【0114】
血清型V莢膜多糖は、約0%から約40%の間、O-アセチル化されている。本発明の一実施形態において、多糖は、O-脱アセチル化されている(すなわち、約5%未満、O-アセチル化されている)。本発明の血清型V莢膜多糖の一部の例示的な株は、1169-NT1、CJB111(ATCC受託番号BAA-23)、CJB112、2603V/R(ATCC受託番号BAA-611)、NCTC10/81、CJ11およびPFEGBST0837を包含する。
【0115】
血清型VI
GBS血清型VI莢膜多糖は、von Hunolstein,C.ら、Infection and Immunity、61(4):1272~1280(1993)によって記述されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。血清型VIの構造は、次のように描写することができる:
【0116】
【0117】
コンジュゲーション前の血清型VI莢膜多糖の分子量は、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約50kDaから約750kDaの間、約50kDaから約500kDaの間、約50kDaから約450kDaの間、約50kDaから約400kDaの間、約50kDaから約350kDaの間、約50kDaから約300kDaの間、約50kDaから約250kDaの間、約50kDaから約200kDaの間、約75kDaから約750kDaの間、約75kDaから約500kDaの間、約75kDaから約450kDaの間、約75kDaから約400kDaの間、約75kDaから約350kDaの間、約75kDaから約300kDaの間、約75kDaから約250kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約750kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約650kDaの間、約100kDaから約600kDaの間、約100kDaから約550kDaの間、約100kDaから約500kDaの間、約100kDaから約450kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約350kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから750kDaの間、約200kDaから約700kDaの間、約200kDaから約650kDaの間、約200kDaから約600kDaの間、約200kDaから約550kDaの間、約200kDaから約500kDaの間、約200kDaから約450kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、の間、約250kDaから約750kDaの間、約250kDaから約700kDaの間、約250kDaから約650kDaの間、約250kDaから約600kDaの間、約250kDaから約550kDaの間、約250kDaから約500kDaの間、約250kDaから約450kDaの間、約250kDaから約400kDaの間、約300kDaから750kDaの間、約300kDaから約700kDaの間、約300kDaから約650kDaの間、約300kDaから約600kDaの間、約300kDaから約550kDaの間または約300kDaから約500kDaの間等である。上記範囲のうちのいずれか内の任意の整数は、本開示の実施形態として企図されている。
【0118】
本発明の一実施形態において、血清型VI莢膜多糖は、約100%または約95%超等、その自然なシアル酸レベルを含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、最大約40%(約60%超のシアル化レベル)、例えば最大約35%(約65%超のシアル化レベル)、最大約30%(約70%超のシアル化レベル)、最大約25%(約75%超のシアル化レベル)、最大約20%(約80%超のシアル化レベル)、最大約15%(約85%超のシアル化レベル)、最大約10%(約90%超のシアル化レベル)、または最大約5%(約95%超のシアル化レベル)等、脱シアル化されていてよい。
【0119】
別の実施形態において、血清型VI莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有する。さらなる実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸、または多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。
【0120】
血清型VI莢膜多糖は、約0%から約40%の間、O-アセチル化されている。本発明の一実施形態において、多糖は、O-脱アセチル化されている(すなわち、約5%未満、O-アセチル化されている)。本発明の血清型VI莢膜多糖の一部の例示的な株は、118754、114852、114862、114866、118775、B4589、B4645、SS1214およびCZ-PW-119を包含する。
【0121】
血清型VII
GBS血清型VII莢膜多糖は、Kogan,G.ら、Carbohydrate Research、277(1):1~9(1995)によって記述されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。血清型VIIの繰り返し単位は、次の通りである:
【0122】
【0123】
コンジュゲーション前の血清型VII莢膜多糖の分子量は、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約50kDaから約750kDaの間、約50kDaから約500kDaの間、約50kDaから約450kDaの間、約50kDaから約400kDaの間、約50kDaから約350kDaの間、約50kDaから約300kDaの間、約50kDaから約250kDaの間、約50kDaから約200kDaの間、約75kDaから約750kDaの間、約75kDaから約500kDaの間、約75kDaから約450kDaの間、約75kDaから約400kDaの間、約75kDaから約350kDaの間、約75kDaから約300kDaの間、約75kDaから約250kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約750kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約650kDaの間、約100kDaから約600kDaの間、約100kDaから約550kDaの間、約100kDaから約500kDaの間、約100kDaから約450kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約350kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから750kDaの間、約200kDaから約700kDaの間、約200kDaから約650kDaの間、約200kDaから約600kDaの間、約200kDaから約550kDaの間、約200kDaから約500kDaの間、約200kDaから約450kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、の間、約250kDaから約750kDaの間、約250kDaから約700kDaの間、約250kDaから約650kDaの間、約250kDaから約600kDaの間、約250kDaから約550kDaの間、約250kDaから約500kDaの間、約250kDaから約450kDaの間、約250kDaから約400kDaの間、約300kDaから750kDaの間、約300kDaから約700kDaの間、約300kDaから約650kDaの間、約300kDaから約600kDaの間、約300kDaから約550kDaの間または約300kDaから約500kDaの間等である。上記範囲のうちのいずれか内の任意の整数は、本開示の実施形態として企図されている。
【0124】
本発明の一実施形態において、血清型VII莢膜多糖は、約100%または約95%超等、その自然なシアル酸レベルを含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、最大約40%(約60%超のシアル化レベル)、例えば最大約35%(約65%超のシアル化レベル)、最大約30%(約70%超のシアル化レベル)、最大約25%(約75%超のシアル化レベル)、最大約20%(約80%超のシアル化レベル)、最大約15%(約85%超のシアル化レベル)、最大約10%(約90%超のシアル化レベル)、または最大約5%(約95%超のシアル化レベル)等、脱シアル化されていてよい。
【0125】
別の実施形態において、血清型VII莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1m
M当たり約1.0mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有する。さらなる実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸、または多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。
【0126】
血清型VII莢膜多糖は、約5%未満O-アセチル化されている。本発明の血清型VII莢膜多糖の一部の例示的な株は、7271およびCZ-PW-045を包含する。
【0127】
血清型VIII
GBS血清型VIII莢膜多糖は、Kogan,G.ら、The Journal of Biological Chemistry、271(15):8786~8790(1996)によって記述されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。血清型VIIIの繰り返し単位は、次の通りである:
【0128】
【0129】
コンジュゲーション前の血清型VIII莢膜多糖の分子量は、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約50kDaから約750kDaの間、約50kDaから約500kDaの間、約50kDaから約450kDaの間、約50kDaから約400kDaの間、約50kDaから約350kDaの間、約50kDaから約300kDaの間、約50kDaから約250kDaの間、約50kDaから約200kDaの間、約75kDaから約750kDaの間、約75kDaから約500kDaの間、約75kDaから約450kDaの間、約75kDaから約400kDaの間、約75kDaから約350kDaの間、約75kDaから約300kDaの間、約75kDaから約250kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約750kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約650kDaの間、約100kDaから約600kDaの間、約100kDaから約550kDaの間、約100kDaから約500kDaの間、約100kDaから約450kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約350kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから750kDaの間、約200kDaから約700kDaの間、約200kDaから約650kDaの間、約200kDaから約600kDaの間、約200kDaから約550kDaの間、約200kDaから約500kDaの間、約200kDaから約450kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、の間、約250kDaから約750kDaの間、約250kDaから約700kDaの間、約250kDaから約650kDaの間、約250kDaから約600kDaの間、約250kDaから約550kDaの間、約250kDaから約500kDaの間、約250kDaから約450kDaの間、約250kDaから約400kDaの間、約300kDaから750kDaの間、約300kDaから約700kDaの間、約300kDaから約650kDaの間、約300kDaから約600kDaの間、約300kDaから約550kDaの間または約300kDaから約500kDaの間等である。上記範囲の
うちのいずれか内の任意の整数は、本開示の実施形態として企図されている。
【0130】
本発明の一実施形態において、血清型VIII莢膜多糖は、約100%または約95%超等、その自然なシアル酸レベルを含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、最大約40%(約60%超のシアル化レベル)、例えば最大約35%(約65%超のシアル化レベル)、最大約30%(約70%超のシアル化レベル)、最大約25%(約75%超のシアル化レベル)、最大約20%(約80%超のシアル化レベル)、最大約15%(約85%超のシアル化レベル)、最大約10%(約90%超のシアル化レベル)、または最大約5%(約95%超のシアル化レベル)等、脱シアル化されていてよい。
【0131】
別の実施形態において、血清型VIII莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有する。さらなる実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸、または多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。
【0132】
血清型VIII莢膜多糖は、約0%から約40%の間、O-アセチル化されている。本発明の一実施形態において、多糖は、O-脱アセチル化されている(すなわち、約5%未満、O-アセチル化されている)。本発明の血清型VIII莢膜多糖の一部の例示的な株は、JM9130013およびJM9130672を包含する。
【0133】
血清型IX
GBS血清型IX莢膜多糖は、Berti,F.ら、The Journal of Biological Chemistry、289(34):23437~2348(2014)によって記述されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。血清型IXの構造は、次のように描写することができる:
【0134】
【0135】
コンジュゲーション前の血清型IX莢膜多糖の分子量は、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約50kDaから約750kDaの間、約50kDaから約500kDaの間、約50kDaから約450kDaの間、約50kDaから約400kDaの間、約50kDaから約350kDaの間、約50kDaから約300kDaの間、約50kDaから約250kDaの間、約50kDaから約200kDaの間、約75kDaから約750kDaの間、約75kDaから約500kDaの間、約75kDaから約450kDaの間、約75kDaから約400kDaの間、約75kDaから約350kDaの間、約75kDaから約300kDaの間、約75kDaから約250kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約750kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約650kDaの間、約100kDaから約600kDaの間、約100kDaから約550kDaの間、約100kDa
から約500kDaの間、約100kDaから約450kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約350kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから750kDaの間、約200kDaから約700kDaの間、約200kDaから約650kDaの間、約200kDaから約600kDaの間、約200kDaから約550kDaの間、約200kDaから約500kDaの間、約200kDaから約450kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、の間、約250kDaから約750kDaの間、約250kDaから約700kDaの間、約250kDaから約650kDaの間、約250kDaから約600kDaの間、約250kDaから約550kDaの間、約250kDaから約500kDaの間、約250kDaから約450kDaの間、約250kDaから約400kDaの間、約300kDaから750kDaの間、約300kDaから約700kDaの間、約300kDaから約650kDaの間、約300kDaから約600kDaの間、約300kDaから約550kDaの間または約300kDaから約500kDaの間等である。上記範囲のうちのいずれか内の任意の整数は、本開示の実施形態として企図されている。
【0136】
本発明の一実施形態において、血清型IX莢膜多糖は、約100%または約95%超等、その自然なシアル酸レベルを含む。別の実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、最大約40%(約60%超のシアル化レベル)、例えば最大約35%(約65%超のシアル化レベル)、最大約30%(約70%超のシアル化レベル)、最大約25%(約75%超のシアル化レベル)、最大約20%(約80%超のシアル化レベル)、最大約15%(約85%超のシアル化レベル)、最大約10%(約90%超のシアル化レベル)、または最大約5%(約95%超のシアル化レベル)等、脱シアル化されていてよい。
【0137】
別の実施形態において、血清型IX莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり約1.0mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有する。さらなる実施形態において、莢膜多糖は、コンジュゲーション前に、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸、例えば、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸、多糖1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸、または多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸等を有し得る。
【0138】
血清型IX莢膜多糖は、約0%から約40%の間、O-アセチル化されている。本発明の一実施形態において、多糖は、O-脱アセチル化されている(すなわち、約5%未満、O-アセチル化されている)。本発明の血清型IX莢膜多糖の一部の例示的な株は、IT-NI-016、IT-PW-62およびIT-PW-64を包含する。
【0139】
多糖-タンパク質コンジュゲート
本明細書において使用される場合、「コンジュゲート」は、通常は所望範囲の分子量の莢膜多糖および担体タンパク質を含み、莢膜多糖は、担体タンパク質とコンジュゲートしている。コンジュゲートは、若干量の遊離莢膜多糖を含有してもしなくてもよい。本明細書において使用される場合、「遊離莢膜多糖」は、コンジュゲートしている莢膜多糖-担体タンパク質と非共有結合的に会合している(すなわち、それと非共有結合している、それに吸着しているまたはその中にもしくはそれにより捕捉されている)莢膜多糖を指す。「遊離莢膜多糖」「遊離多糖」および「遊離糖」という用語は、交換可能に使用されてよく、同じ意味を伝えるように意図されている。担体分子の性質にかかわらず、担体分子は、直接的にまたはリンカーを介してのいずれかで、莢膜多糖とコンジュゲートすることができる。本明細書において使用される場合、「コンジュゲートする」、「コンジュゲート
している」および「コンジュゲートすること」は、細菌莢膜多糖が担体分子と共有結合するプロセスを指す。コンジュゲーションは、細菌莢膜多糖の免疫原性を強化する。コンジュゲーションは、後述する方法に従って、または当技術分野において公知のプロセスによって、実行することができる。
【0140】
「コンジュゲート免疫原性組成物」は、本明細書において使用される場合、免疫原性材料が、担体タンパク質と共有結合して多糖-タンパク質コンジュゲートを提供する抗原性多糖を包含する、免疫原性組成物を指す。一実施形態において、本発明の多糖-タンパク質コンジュゲートは、多価免疫原性組成物として製剤化され得る。
【0141】
本明細書において使用される場合、多糖のまたは担体タンパク質-多糖コンジュゲートの「分子量」という用語は、多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)と組み合わせたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって算出された分子量を指す。
【0142】
本明細書において使用される場合、「多糖-タンパク質コンジュゲート」は、1つまたは複数の共有結合を介してタンパク質担体分子とコンジュゲートしている多糖分子を指す。多糖を、標的宿主において免疫原性であることが公知の別の種由来のタンパク質とコンジュゲートすることが望ましい場合がある。したがって、一実施形態において、担体分子は、担体タンパク質である。本明細書において定義されている通り、そのような外来タンパク質を、「担体タンパク質」と称する。担体タンパク質は、多糖の抗原性および免疫原性を強化するために役立つ。本明細書において使用される場合、「担体効果」という用語は、弱免疫原性または非免疫原性分子の抗原性および免疫原性が、担体としてのより免疫原性の高い分子(例えば、異種タンパク質)と結合されることによって強化されるプロセスを指す。この場合、組み合わせた多糖-タンパク質コンジュゲート中の多糖は、単独で提示された場合よりも免疫原性が高くなる。担体タンパク質は、抗体応答を生成するのを助けるT細胞を刺激するために、T細胞エピトープを含有する。
【0143】
「担体タンパク質」または「タンパク質担体」は、本明細書において使用される場合、免疫応答が所望される抗原(莢膜多糖等)とコンジュゲートされ得る任意のタンパク質分子を指す。多糖等の抗原の担体タンパク質とのコンジュゲーションは、抗原を免疫原性にすることができる。担体タンパク質は、好ましくは、非毒性および非反応源性であり、十分な量および純度で取得可能なタンパク質である。担体タンパク質の例は、毒素、トキソイド、または破傷風、ジフテリア、百日咳、シュードモナス(Pseudomonas)種、大腸菌(E.coli)、ブドウ球菌(Staphylococcus)種およびレンサ球菌(Streptococcus)種由来の毒素の任意の突然変異体交差反応性材料(CRM197)である。担体タンパク質は、標準的なコンジュゲーション手順に適していなくてはならない。本発明の特定の実施形態において、CRM197は、担体タンパク質として使用される。
【0144】
交差反応材料またはCRMは、本発明の一部の実施形態にとりわけ有用である。遺伝子改変されたタンパク質を生成することができ、これは、ある特定の細菌毒素と抗原的に同様であるが、非毒性である。これらは、「交差反応材料」またはCRMと呼ばれる。CRM197(Wyeth/Pfizer Inc.、Sanford、NC)は、天然ジフテリア毒素由来の単一アミノ酸変化を有し、それと免疫学的に区別できないことから、注目に値する。Pappenheimer,A.M.ら、Immunochem.、9(9):891~906(1972);米国特許第5,614,382号を参照されたく、その開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。CRM197は、カザミノ酸および酵母抽出物ベースの培地中で成長させたジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)株C7(β197)の培養物から単離されたジフテリア毒素の非毒性変異体(すなわち、トキソイド)である。CRM197は、限外濾過
、硫酸アンモニウム沈殿およびイオン交換クロマトグラフィーを介して精製される。CRM197タンパク質を生成するジフテリア菌(C.diphtheriae)株C7(β197)の培養物は、American Type Culture Collection、Rockville、Marylandに寄託され、受託番号ATCC53281が割り当てられた。他のジフテリアトキソイドも、担体タンパク質として使用するために好適である。CRM3201は、百日咳毒素の遺伝子操作された変異体である。Black,W.J.ら、Science、240(4852):656~659(1988)を参照されたく、その開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0145】
ジフテリアトキソイド(DT)、CRM197および百日咳トキソイドに加えて、担体タンパク質のさらなる例は、破傷風トキソイド(TT)、コレラトキソイド(例えば、国際特許出願公開第WO2004/083251号において記述されている通り)、大腸菌(E.coli)易熱性トキソイド(LT)、大腸菌(E.coli)耐熱性トキソイド(ST)、肺炎レンサ球菌(S.pneumoniae)由来の肺炎球菌溶血素(野生型または毒性を低減した突然変異体)、肺炎球菌表面タンパク質A(PspA)、肺炎球菌アドヘシンタンパク質A(PsaA)、レンサ球菌(Streptococcus)由来のC5aペプチダーゼ、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来の溶血素、分類不可能なインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)(NTHi)タンパク質、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)タンパク質D、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)外毒素/トキソイド、B型肝炎表面抗原、B型肝炎コア抗原、ロタウイルスVP7タンパク質、ならびに呼吸器合胞体ウイルスFおよびGタンパク質、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)、ならびにシュードモナス(Pseudomonas)外毒素または組換えにより生成された非毒性突然変異体緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)外毒素Aを包含するその誘導体を包含する。細菌外膜タンパク質、例えば、外膜タンパク質複合体c(OMPC)、ポーリン、トランスフェリン結合タンパク質等、またはC.ディフィシル(C.difficile)エンテロトキシン(毒素A)および細胞毒素(毒素B)を使用することもできる。他のタンパク質、例えば、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)またはツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)等を、担体タンパク質として使用することもできる。好ましい実施形態において、担体タンパク質は、ジフテリアトキソイドである。より好ましくは、担体タンパク質は、CRM197である。本発明の別の実施形態において、担体タンパク質は、破傷風トキソイドである。
【0146】
多価コンジュゲート免疫原性組成物の合成のために、多糖-タンパク質コンジュゲートは、2つの異なる種の細菌から精製された多糖の混合物を、担体タンパク質とコンジュゲートすることによって生成され得る。代替として、多価コンジュゲート免疫原性組成物は、同じ細菌の2つ以上の異なる血清型の細菌から精製された多糖を組み合わせ、それらを混合物として担体タンパク質とコンジュゲートすることによって生成され得る。代替として、単一種類の多糖を担体タンパク質と、異なる多糖を使用する別個の反応において反応させることによって生成された多糖-タンパク質コンジュゲートを、混合してよい。故に、多価免疫原性組成物は、結合した多糖の均一または不均一集団を担持している担体タンパク質を包含し得る。
【0147】
莢膜多糖の担体タンパク質とのコンジュゲーション後、多糖-タンパク質コンジュゲートは、様々な技術によって精製される(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関しては富化される)。これらの技術は、例えば、濃縮/血液透析濾過作業、沈殿/溶離、カラムクロマトグラフィーおよび深層濾過を包含する。
【0148】
上述した通り、本発明は、担体タンパク質とコンジュゲートしているGBS莢膜多糖を含むコンジュゲートに関する。本発明の一実施形態は、担体タンパク質とコンジュゲートしているGBS血清型IV莢膜多糖を含むコンジュゲート、および、担体タンパク質とコンジュゲートしているGBS血清型Ia莢膜多糖、担体タンパク質とコンジュゲートしているGBS血清型Ib莢膜多糖、担体タンパク質とコンジュゲートしているGBS血清型II莢膜多糖、担体タンパク質とコンジュゲートしているGBS血清型III莢膜多糖、担体タンパク質とコンジュゲートしているGBS血清型V莢膜多糖、担体タンパク質とコンジュゲートしているGBS血清型VI莢膜多糖、担体タンパク質とコンジュゲートしているGBS血清型VII莢膜多糖、担体タンパク質とコンジュゲートしているGBS血清型VIII莢膜多糖、または担体タンパク質とコンジュゲートしているGBS血清型IX莢膜多糖を含む少なくとも1つの追加のコンジュゲートを提供する。本発明の一態様において、多糖は、約5kDaから1,000kDaの間の分子量を有し、コンジュゲートは、約300kDaから約20,000kDaの間の分子量を有し、コンジュゲートは、全多糖と比べて約40%未満の遊離多糖を含む。一実施形態において、コンジュゲートは、全多糖と比べて、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、または約5%未満の遊離多糖を含む。
【0149】
一実施形態において、血清型Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよび/またはIX多糖は、コンジュゲーションの前、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約50kDaから約750kDaの間、約50kDaから約500kDaの間、約50kDaから約450kDaの間、約50kDaから約400kDaの間、約50kDaから約350kDaの間、約50kDaから約300kDaの間、約50kDaから約250kDaの間、約50kDaから約200kDaの間、約75kDaから約750kDaの間、約75kDaから約500kDaの間、約75kDaから約450kDaの間、約75kDaから約400kDaの間、約75kDaから約350kDaの間、約75kDaから約300kDaの間、約75kDaから約250kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約750kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約650kDaの間、約100kDaから約600kDaの間、約100kDaから約550kDaの間、約100kDaから約500kDaの間、約100kDaから約450kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約350kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから750kDaの間、約200kDaから約700kDaの間、約200kDaから約650kDaの間、約200kDaから約600kDaの間、約200kDaから約550kDaの間、約200kDaから約500kDaの間、約200kDaから約450kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、の間、約250kDaから約750kDaの間、約250kDaから約700kDaの間、約250kDaから約650kDaの間、約250kDaから約600kDaの間、約250kDaから約550kDaの間、約250kDaから約500kDaの間、約250kDaから約450kDaの間、約250kDaから約400kDaの間、約300kDaから750kDaの間、約300kDaから約700kDaの間、約300kDaから約650kDaの間、約300kDaから約600kDaの間、約300kDaから約550kDaの間、または約300kDaから約500kDaの間等の分子量を有する。上記範囲のうちのいずれか内の任意の整数は、本開示の実施形態として企図されている。
【0150】
一実施形態において、コンジュゲートは、約300kDaから約20,000kDaの間、例えば、約300kDaから約15,000kDaの間、約300kDaから約10,000kDaの間、約300kDaから約9,000kDaの間、約300kDaから約8,000kDaの間、約300kDaから約7,000kDaの間、約300kDaから約6,000kDaの間、約300kDaから約5,000kDaの間、約300kDaから約4,000kDaの間、約300kDaから約3,000kDaの間、約30
0kDaから約2,000kDaの間、約300kDaから約1,000kDaの間、約500kDaから約20,000kDaの間、約500kDaから約15,000kDaの間、約500kDaから約10,000kDaの間、約500kDaから約9,000kDaの間、約500kDaから約8,000kDaの間、約500kDaから約7,000kDaの間、約500kDaから約6,000kDaの間、約500kDaから約5,000kDaの間、約500kDaから約4,000kDaの間、約500kDaから約3,000kDaの間、約500kDaから約2,000kDaの間、約500kDaから約1,000kDaの間、約1,000kDaから約20,000kDaの間、約1,000kDaから約15,000kDaの間、約1,000kDaから約10,000kDaの間、約1,000kDaから約9,000kDaの間、約1,000kDaから約8,000kDaの間、約1,000kDaから約7,000kDaの間、約1,000kDaから約6,000kDaの間、約1,000kDaから約5,000kDaの間、約1,500kDaから約20,000kDaの間、約1,500kDaから約15,000kDaの間、約1,500kDaから約10,000kDaの間、約1,500kDaから約9,000kDaの間、約1,500kDaから約8,000kDaの間、約1,500kDaから約7,000kDaの間、約1,500kDaから約6,000kDaの間、約1,500kDaから約5,000kDaの間、約2,000kDaから約20,000kDaの間、約2,000kDaから約15,000kDaの間、約2,000kDaから約10,000kDaの間、約2,000kDaから約9,000kDaの間、約2,000kDaから約8,000kDaの間、約2,000kDaから約7,000kDaの間、約2,000kDaから約6,000kDaの間、約2,500kDaから約20,000kDaの間、約2,500kDaから約15,000kDaの間、約2,500kDaから約10,000kDaの間、約2,500kDaから約9,000kDaの間、約2,500kDaから約8,000kDaの間、約2,500kDaから約7,000kDaの間、約2,500kDaから約6,000kDaの間、約3,000kDaから約20,000kDaの間、約3,000kDaから約15,000kDaの間、約3,000kDaから約10,000kDaの間、約3,000kDaから約9,000kDaの間、約3,000kDaから約8,000kDaの間、約3,000kDaから約7,000kDaの間、または約3,000kDaから約6,000kDaの間等の分子量を有する。
【0151】
ある実施形態において、GBS血清型IV莢膜多糖コンジュゲートは、上記範囲のうちのいずれかの分子量を有する。
【0152】
ある実施形態において、GBS血清型Ia莢膜多糖コンジュゲートは、上記範囲のうちのいずれかの分子量を有する。
【0153】
ある実施形態において、GBS血清型Ib莢膜多糖コンジュゲートは、上記範囲のうちのいずれかの分子量を有する。
【0154】
ある実施形態において、GBS血清型II莢膜多糖コンジュゲートは、上記範囲のうちのいずれかの分子量を有する。
【0155】
ある実施形態において、GBS血清型III莢膜多糖コンジュゲートは、上記範囲のうちのいずれかの分子量を有する。
【0156】
ある実施形態において、GBS血清型V莢膜多糖コンジュゲートは、上記範囲のうちのいずれかの分子量を有する。
【0157】
ある実施形態において、GBS血清型VI莢膜多糖コンジュゲートは、上記範囲のうち
のいずれかの分子量を有する。
【0158】
ある実施形態において、GBS血清型VII莢膜多糖コンジュゲートは、上記範囲のうちのいずれかの分子量を有する。
【0159】
ある実施形態において、GBS血清型VIII莢膜多糖コンジュゲートは、上記範囲のうちのいずれかの分子量を有する。
【0160】
ある実施形態において、GBS血清型IX莢膜多糖コンジュゲートは、上記範囲のうちのいずれかの分子量を有する。
【0161】
一実施形態において、本発明のコンジュゲートは、多糖1mM当たり少なくとも約0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、0.97または0.98mMのシアル酸を有する。好ましい実施形態において、コンジュゲートは、多糖1mM当たり少なくとも約0.9または0.95mMのシアル酸を有する。
【0162】
ある実施形態において、GBS血清型IV莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちの少なくともいずれかのシアル酸含有量を有する。
【0163】
ある実施形態において、GBS血清型Ia莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちの少なくともいずれかのシアル酸含有量を有する。
【0164】
ある実施形態において、GBS血清型Ib莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちの少なくともいずれかのシアル酸含有量を有する。
【0165】
ある実施形態において、GBS血清型II莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちの少なくともいずれかのシアル酸含有量を有する。
【0166】
ある実施形態において、GBS血清型III莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちの少なくともいずれかのシアル酸含有量を有する。
【0167】
ある実施形態において、GBS血清型V莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちの少なくともいずれかのシアル酸含有量を有する。
【0168】
ある実施形態において、GBS血清型VI莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちの少なくともいずれかのシアル酸含有量を有する。
【0169】
ある実施形態において、GBS血清型VII莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちの少なくともいずれかのシアル酸含有量を有する。
【0170】
ある実施形態において、GBS血清型VIII莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちの少なくともいずれかのシアル酸含有量を有する。
【0171】
ある実施形態において、GBS血清型IX莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちの少なくともいずれかのシアル酸含有量を有する。
【0172】
ある実施形態において、本発明のコンジュゲートは、糖繰り返し単位1mM当たり約0.01、0.02、0.03、0.04、または0.05mM未満のO-アセテートを含む。別の実施形態において、コンジュゲートは、糖繰り返し単位1mM当たり少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.35または約0.4mMのO-アセテートを含む。
【0173】
ある実施形態において、GBS血清型IV莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちのいずれかのO-アセテート含有量を有する。
【0174】
ある実施形態において、GBS血清型Ia莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちのいずれかのO-アセテート含有量を有する。
【0175】
ある実施形態において、GBS血清型Ib莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちのいずれかのO-アセテート含有量を有する。
【0176】
ある実施形態において、GBS血清型II莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちのいずれかのO-アセテート含有量を有する。
【0177】
ある実施形態において、GBS血清型III莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちのいずれかのO-アセテート含有量を有する。
【0178】
ある実施形態において、GBS血清型V莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちのいずれかのO-アセテート含有量を有する。
【0179】
ある実施形態において、GBS血清型VI莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちのいずれかのO-アセテート含有量を有する。
【0180】
ある実施形態において、GBS血清型VII莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちのいずれかのO-アセテート含有量を有する。
【0181】
ある実施形態において、GBS血清型VIII莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちのいずれかのO-アセテート含有量を有する。
【0182】
ある実施形態において、GBS血清型IX莢膜多糖コンジュゲートは、上記値のうちのいずれかのO-アセテート含有量を有する。
【0183】
さらなる実施形態において、免疫原性コンジュゲートは、GBS莢膜多糖の総量と比較して、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、または約5%未満の遊離GBS莢膜多糖を含む。好ましい実施形態において、免疫原性コンジュゲートは、GBS莢膜多糖の総量と比較して、約5%未満の未反応の遊離糖を含む。
【0184】
また別の実施形態において、コンジュゲート中におけるGBS莢膜多糖対担体タンパク質の比(重量/重量)は、約0.5から約3.0の間である。一態様において、コンジュゲート中におけるGBS莢膜多糖対担体タンパク質の比は、約0.5から約2.0の間、約0.5から約1.5の間、約0.5から約1.0の間、約1.0から約1.5の間、または約1.0から約2.0の間である。好ましい実施形態において、コンジュゲート中におけるGBS莢膜多糖対担体タンパク質の比は、約0.8から約1.0の間である。
【0185】
別の実施形態において、コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、2から15の間、2から13の間、2から10の間、2から8の間、2から6の間、2から5の間、2から4の間、3から15の間、3から13の間、3から10の間、3から8の間、3から6の間、3から5の間、3から4の間、5から15の間、5から10の間、8から15の間、8から12の間、10から15の間、または10から12の間である。好ましい実施形態において、コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、2から5の間である。
【0186】
コンジュゲーション
コンジュゲーションは、直接的であってよく、ここでは、多糖からの原子がタンパク質表面からの原子と共有結合している。代替として、コンジュゲーションは、リンカー分子を介するものであってよく、これが多糖およびタンパク質の両方と反応し、2つを接続して、炭水化物をタンパク質に繋ぐ。
【0187】
担体および多糖等の1つまたは複数の抗原がコンジュゲートしている(すなわち、共有結合的に会合している)場合、コンジュゲーションは、当業者において公知である任意の化学的方法、プロセスまたは遺伝学的技術によるものであってよい。例えば、担体ポリペプチド、および、炭水化物、オリゴ糖、脂質、リポオリゴ糖、多糖、オリゴ糖-タンパク質コンジュゲート、多糖-タンパク質コンジュゲート、ペプチド-タンパク質コンジュゲート、オリゴ糖-ペプチドコンジュゲート、多糖-ペプチドコンジュゲート、タンパク質-タンパク質コンジュゲート、リポオリゴ糖-タンパク質コンジュゲート、多糖-タンパク質コンジュゲート、またはそれらの任意の組合せを含む群から選択される1つまたは複数の抗原は、(1)タンパク質官能基を介する直接的カップリング(例えば、チオール-チオール結合、アミン-カルボキシル結合、アミン-アルデヒド結合;酵素直接的カップリング)、(2)アミンのホモ二官能性カップリング(例えば、ビス-アルデヒドを使用する)、(3)チオールのホモ二官能性カップリング(例えば、ビス-マレイミドを使用する)、(4)光活性化試薬を介するホモ二官能性カップリング、(5)アミンのチオールとのヘテロ二官能性カップリング(例えば、マレイミドを使用する)、(6)光活性化試薬を介するヘテロ二官能性カップリング(例えば、β-カルボニルジアゾファミリー)、(7)臭化シアン活性化またはカルボキシメチル化を介してアミン-反応性基を多糖またはオリゴ糖に導入すること、(8)マレイミド-ヒドラジド等のヘテロ二官能性化合物を介してチオール-反応性基を多糖またはオリゴ糖に導入すること、(9)疎水性基をタンパク質に導入することを介するタンパク質-脂質コンジュゲーションおよび(10)反応性基を脂質に組み込むことを介するタンパク質-脂質コンジュゲーションを包含するがこれらに限定されない技術によって、コンジュゲートしていてよい。また、ビオチン-アビジン相互作用等のヘテロ二官能性「非共有結合的カップリング」技術も企図されている。オリゴ糖および多糖の、免疫原性担体タンパク質とのコンジュゲーションを達成するための、当技術分野において周知である他の方法も、本発明の一部の実施形態の範囲内である。
【0188】
ある実施形態において、GBS莢膜多糖-タンパク質コンジュゲートは、多糖を1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレート(CDAP)で活性化させて、シアン酸エステルを形成することによって取得される。活性化多糖は、担体タンパク質上のアミノ基と、直接的にまたはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングされ得る。例えば、スペーサーは、マレイミド-活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIAまたはSBAPを使用する)との反応後に取得されるチオエーテル結合を介して担体とカップリングされ得るチオール化多糖を得るために、シスタミンまたはシステアミンであってよい。
【0189】
一態様において、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されていてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされており、アミノ誘導体化糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介するカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して、担体タンパク質とコンジュゲートしている。そのようなコンジュゲートは、例えば、国際特許出願公開第WO93/15760号、同第WO95/08348号および同第WO96/29094号において記述されている。
【0190】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S--NHS、EDCおよびTSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開第WO98/42721号において記述されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基の、1,1カルボニルジイミダゾール(CDI)または1,1カルボニルジ1,2,4トリアゾール(CDT)との反応(Bethellら、J.Biol.Chem.、254:2572~2574(1979);Hearnら、J.Chromatogr.、218:509~518(1981)を参照)、続いて、カルバメート結合を形成するためのタンパク質との反応によって形成され得るカルボニルリンカーを伴ってよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、第一級ヒドロキシル基の任意選択の保護/脱保護、CDI/CDTカルバメート中間体を形成するための第一級ヒドロキシル基のCDI/CDTとの反応、およびCDI/CDTカルバメート中間体をタンパク質上のアミノ基とカップリングすることを伴ってよい。
【0191】
好ましい実施形態において、本発明のGBS莢膜多糖-タンパク質コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の六糖単位において隣接ジオールからアルデヒド官能基を産生するための多糖の酸化、ならびに(2)コンジュゲートを形成するための活性化多糖および担体タンパク質の還元を伴う。
【0192】
ある実施形態において、GBS莢膜多糖は、
(a)単離されたGBS莢膜多糖を酸化剤と反応させるステップと、
(b)クエンチング剤の添加により酸化反応物をクエンチして、活性化GBS莢膜多糖をもたらすステップと
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【0193】
本発明のある態様において、単離された莢膜多糖の濃度は、約0.1mg/mLから約10.0mg/mLの間、例えば、約0.5mg/mLから約5.0mg/mLの間、約1.0mg/mLから約3.0mg/mLの間、または約2.0mg/mL等である。
【0194】
特定の実施形態において、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。過ヨウ素酸塩は、隣接ヒドロキシル基を酸化してカルボニルまたはアルデヒド基を形成し、C-C結合の開裂を引き起こす。「過ヨウ素酸塩」という用語は、過ヨウ素酸塩および過ヨウ素酸の両方を包含する。この用語は、メタ過ヨウ素酸塩(IO4-)およびオルト過ヨウ素酸塩(IO65-)の両方も包含する。「過ヨウ素酸塩」という用語は、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウムを包含する過ヨウ素酸塩の種々の塩も包含する。好ましい実施形態において、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。好ましい実施形態において、GBS莢膜多糖の酸化に使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。好ましい実施形態において、血清型莢膜多糖の酸化に使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0195】
別の実施形態において、多糖を、0.01から10.0、0.05から5.0、0.1から1.0、0.5から1.0、0.7から0.8、0.05から0.5、または0.1から0.3モル当量の酸化剤と反応させる。特定の実施形態において、多糖を、約0.05、約0.1、約0.15、約0.2、約0.25、約0.3、約0.35、約0.4、約0.45、約0.5、約0.55、約0.6、約0.65、約0.7、約0.75、約0.8、約0.85、約0.9、または約0.95モル当量の酸化剤と反応させる。さらなる実施形態において、多糖を、約0.1モル当量の酸化剤と反応させる。さらなる実施形態において、多糖を、約0.15モル当量の酸化剤と反応させる。追加の実施形態にお
いて、多糖を、約0.25モル当量の酸化剤と反応させる。また別の実施形態において、多糖を、約0.5モル当量の酸化剤と反応させる。代替的な実施形態において、多糖を、約0.6モル当量の酸化剤と反応させる。さらなる実施形態において、多糖を、約0.7モル当量の酸化剤と反応させる。
【0196】
本発明の一態様において、酸化反応の持続時間は、約1時間から約50時間の間、約10時間から約30時間の間、約15時間から約20時間の間、約15時間から約17時間の間、または約16時間である。
【0197】
本発明の別の態様において、酸化反応の温度は、約2℃から約25℃の間、約2℃から約8℃の間、または約20℃から約25℃の間に維持される。1つの好ましい実施形態において、反応の温度は、約23℃に維持される。別の好ましい実施形態において、反応の温度は、約5℃に維持される。
【0198】
さらなる態様において、酸化反応は、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)およびビス-トリスからなる群から選択される緩衝剤中で行われる。好ましい実施形態において、緩衝剤は、リン酸カリウムである。
【0199】
追加の態様において、緩衝剤は、約1mMから約500mMの間、約1mMから約300mMの間、または約50mMから約200mMの間の濃度を有する。好ましい実施形態において、緩衝剤は、約100mMの濃度を有する。
【0200】
一態様において、酸化反応は、約4.0から約8.0の間、約5.0から約7.0の間、または約5.5から約6.5の間のpHで行われる。好ましい実施形態において、pHは、約6.0である。
【0201】
一実施形態において、活性化GBS莢膜多糖は、約0.5mg/Lから約5.0mg/mLの単離された莢膜多糖を、約0.05から約0.3モル当量の過ヨウ素酸塩と、約20℃から25℃の間の温度で反応させることによって取得される。
【0202】
別の実施形態において、活性化GBS莢膜多糖は、約0.5mg/Lから約5.0mg/mLの単離された莢膜多糖を、約0.05から約0.3モル当量の過ヨウ素酸塩と、約2℃から約8℃の間の温度で反応させることによって取得される。
【0203】
別の実施形態において、活性化GBS莢膜多糖は、当業者に公知の方法、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/血液透析濾過等に従って精製される。例えば、活性化莢膜多糖は、濃縮および限外濾過デバイスを使用する血液透析濾過によって精製される。
【0204】
一実施形態において、活性化GBS莢膜多糖の酸化度は、5から25の間、例えば、5から15の間、5から10の間、10から25の間、10から20の間、10から15の間等である。好ましい実施形態において、活性化GBS莢膜多糖の酸化度は、10から20の間、11から19の間、12から18の間、13から17の間、または14から16の間である。
【0205】
別の実施形態において、活性化GBS莢膜多糖は、約5kDaから約1,000kDaの間、例えば、約50kDaから約300kDaの間、約75kDaから約400kDaの間、約75kDaから約200kDaの間、約100kDaから約700kDaの間、約100kDaから約500kDaの間、約100kDaから約400kDaの間、約100kDaから約300kDaの間、約200kDaから約400kDaの間、約300
kDaから約700kDaの間等の分子量を有する。好ましい実施形態において、活性化GBS莢膜多糖は、約75kDaから約400kDaの間の分子量を有する。
【0206】
ある実施形態において、活性化GBS莢膜多糖は、場合により糖の存在下で、凍結乾燥される。好ましい実施形態において、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。好ましい実施形態において、糖は、スクロースである。次いで、凍結乾燥された活性化莢膜多糖を、担体タンパク質を含む溶液と配合することができる。
【0207】
別の実施形態において、活性化GBS莢膜多糖は、担体タンパク質と配合され、場合により糖の存在下で、凍結乾燥される。一態様において、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。好ましい実施形態において、糖は、スクロースである。次いで、共凍結乾燥した多糖および担体タンパク質を、溶液に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【0208】
活性化GBS莢膜多糖は、
(a)活性化GBS莢膜多糖を担体タンパク質と配合するステップと、
(b)配合された活性化GBS莢膜多糖および担体タンパク質を、還元剤と反応させて、GBS莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成するステップと
を含むプロセスによって、担体タンパク質とコンジュゲートすることができる。
【0209】
極性非プロトン性溶媒中における還元的アミノ化による活性化GBS莢膜多糖のタンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、未反応の(遊離)多糖のレベルが有意に上昇する水溶液中における還元的アミノ化と比較して、低レベルの遊離多糖を維持するために好適である。好ましい実施形態において、ステップ(a)およびステップ(b)は、極性非プロトン性溶媒中で行われる。
【0210】
一実施形態において、ステップ(a)は、凍結乾燥したGBS莢膜多糖を、担体タンパク質および極性非プロトン性溶媒を含む溶液に溶解することを含む。別の実施形態において、ステップ(a)は、共凍結乾燥したGBS莢膜多糖および担体タンパク質を、極性非プロトン性溶媒に溶解することを含む。
【0211】
一実施形態において、極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、ジメチルホルムアミド(DMF)およびヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)からなる群から選択される。好ましい実施形態において、極性非プロトン性溶媒は、DMSOである。
【0212】
ステップ(a)および(b)が水溶液中で行われる場合、ステップ(a)および(b)は、好ましくは、PBS、MES、HEPES、ビス-トリス、ADA、PIPES、MOPSO、BES、MOPS、DIPSO、MOBS、HEPPSO、POPSO、TEA、EPPS、ビシンまたはHEPBから選択される、約6.0から約8.5の間、約7.0から約8.0の間、または約7.0から約7.5の間のpHの水性媒体中の緩衝剤中で行われる。好ましい実施形態において、緩衝剤は、PBSである。好ましい実施形態において、pHは、約7.3である。
【0213】
一実施形態において、ステップ(b)における活性化GBS莢膜多糖の濃度は、約0.1mg/mLから約10.0mg/mLの間、約0.5mg/mLから約5.0mg/mLの間、または約0.5mg/mLから約2.0mg/mLの間である。好ましい実施形態において、ステップ(b)における活性化血清型GBS莢膜多糖の濃度は、約0.1m
g/mL、約0.2mg/mL、約0.3mg/mL、約0.4mg/mL、約0.5mg/mL、約0.6mg/mL、約0.7mg/mL、約0.8mg/mL、約0.9mg/mL、約1.0mg/mL、約1.1mg/mL、約1.2mg/mL、約1.3mg/mL、約1.4mg/mL、約1.5mg/mL、約1.6mg/mL、約1.7mg/mL、約1.8mg/mL、約1.9mg/mL、約2.0mg/mL、約2.1mg/mL、約2.2mg/mL、約2.3mg/mL、約2.4mg/mL、約2.5mg/mL、約2.6mg/mL、約2.7mg/mL、約2.8mg/mL、約2.9mg/mL、または約3.0mg/mLである。
【0214】
好ましい実施形態において、活性化血清型GBS莢膜多糖対担体タンパク質の初期比(重量/重量)は、5:1から0.1:1、2:1から0.1:1、2:1から1:1、1.5:1から1:1、0.1:1から1:1、0.3:1から1:1、0.6:1から1:1の間である。好ましい実施形態において、活性化血清型GBS莢膜多糖対担体タンパク質の初期比は、約0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:1である。
【0215】
ある実施形態において、還元剤は、ブレンステッドもしくはルイス酸、アミンボラン、例えば、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMeiPrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)等の存在下、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛である。好ましい実施形態において、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0216】
別の実施形態において、ステップ(b)において使用される還元剤の分量は、約0.1から約10.0モル当量の間、約0.5から約5.0モル当量の間、または約1.0から約2.0モル当量の間である。好ましい実施形態において、ステップ(b)において使用される還元剤の分量は、約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2.0モル当量である。
【0217】
好ましい実施形態において、ステップ(b)の持続時間は、1時間から60時間の間、10時間から50時間の間、40時間から50時間の間、または42時間から46時間の間である。好ましい実施形態において、ステップ(b)の持続時間は、約44時間である。
【0218】
さらなる実施形態において、ステップ(b)における反応の温度は、10℃から40℃の間、15℃から30℃の間、または20℃から26℃の間に維持される。好ましい実施形態において、ステップ(b)における反応の温度は、約23℃に維持される。
【0219】
追加の実施形態において、担体タンパク質と共有結合しているGBS莢膜多糖を含む免疫原性コンジュゲートの調製のためのプロセスは、水素化ホウ素の添加により、未反応のアルデヒドをキャップする(クエンチする)ステップ(ステップ(c))をさらに含む。
【0220】
一実施形態において、キャッピング試薬は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素テトラブチルアンモニウム、水素化ホウ素カルシウムおよび水素化ホウ素マグネシウムからなる群から選択される水素化ホウ素である。好ましい実施形態において、キャッピング試薬は、水素化ホウ素ナトリウムである。
【0221】
また別の実施形態において、ステップ(c)において使用される水素化ホウ素の分量は
、約0.1から約10.0モル当量の間、約0.5から約5.0モル当量の間、または約1.0から3.0モル当量の間である。好ましい実施形態において、ステップ(c)において使用される水素化ホウ素の分量は、約2.0モル当量である。
【0222】
1つの好ましい実施形態において、ステップ(c)において使用される水素化ホウ素は、約2.0モル当量の濃度のNaBH4である。
【0223】
一実施形態において、ステップ(c)の持続時間は、0.1時間から10時間の間、0.5時間から5時間の間、2から4時間の間である。好ましい実施形態において、ステップ(c)の持続時間は、約3時間である。
【0224】
別の実施形態において、ステップ(c)における反応の温度は、約15℃から約45℃の間、約15℃から約30℃の間、または約20℃から約26℃の間に維持される。好ましい実施形態において、ステップ(c)における反応の温度は、約23℃に維持される。
【0225】
GBS莢膜多糖の担体タンパク質とのコンジュゲーションおよびキャッピング後、多糖-タンパク質コンジュゲートは、当業者に公知である様々な技術によって精製され得る(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関しては富化される)。これらの技術は、透析、濃縮/血液透析濾過作業、タンジェント流濾過、沈殿/溶離、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)および深層濾過を包含する。
【0226】
さらなる実施形態において、免疫原性コンジュゲートは、GBS莢膜多糖の総量と比較して、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、または約5%未満の遊離GBS莢膜多糖を含む。好ましい実施形態において、免疫原性コンジュゲートは、GBS莢膜多糖の総量と比較して約5%未満の未反応の遊離糖を含む。
【0227】
好ましい実施形態において、GBS多糖-タンパク質コンジュゲートは、約300kDaから約20,000kDaの間、例えば、約1,000kDaから約15,000kDaの間または約1,000kDaから約10,000kDaの間等の分子量を有する。
【0228】
また別の実施形態において、コンジュゲート中におけるGBS莢膜多糖対担体タンパク質の比(重量/重量)は、約0.5から約3.0の間である。一態様において、コンジュゲート中におけるGBS莢膜多糖対担体タンパク質の比は、約0.5から約2.0の間、約0.5から約1.5の間、約0.5から約1.0の間、約1.0から約1.5の間、または約1.0から約2.0の間である。好ましい実施形態において、コンジュゲート中におけるGBS莢膜多糖対担体タンパク質の比は、約0.8から約1.0の間である。
【0229】
別の実施形態において、コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、2から15の間、2から13の間、2から10の間、2から8の間、2から6の間、2から5の間、2から4の間、3から15の間、3から13の間、3から10の間、3から8の間、3から6の間、3から5の間、3から4の間、5から15の間、5から10の間、8から15の間、8から12の間、10から15の間、または10から12の間である。好ましい実施形態において、コンジュゲートのコンジュゲーションの程度は、2から5の間である。
【0230】
本発明の一態様において、GBS莢膜多糖-タンパク質コンジュゲートは、上述した還元的アミノ化方法によって取得される。例えば、一態様において、本開示は、
(a)単離されたGBS莢膜多糖を酸化剤と反応させるステップと、
(b)クエンチング剤の添加により酸化反応物をクエンチして、活性化GBS莢膜多糖をもたらすステップと、
(c)活性化GBS莢膜多糖を担体タンパク質と配合するステップと、
(d)配合された活性化GBS莢膜多糖および担体タンパク質を、還元剤と反応させて、GBS莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成するステップと、場合により
(e)水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)の添加により未反応のアルデヒドをキャップするステップと
を含む方法によって生成されるまたは取得可能な、担体タンパク質とコンジュゲートしている多糖を含むGBS莢膜多糖-タンパク質コンジュゲートを提供する。
【0231】
好ましい実施形態において、ステップ(c)および(d)は、DMSO中で行われる。
【0232】
本発明の別の態様において、本発明のGBS莢膜多糖-タンパク質コンジュゲートは、活性化/酸化ステップにおいて2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)フリーラジカルおよびN-クロロスクシンイミド(NCS)を共酸化剤として用いたことを除き、上述した通りの還元的アミノ化を使用して調製される。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際特許出願公開第WO2014/097099号を参照されたい。そのような実施形態において、GBS莢膜多糖由来のグリココンジュゲートは、実施例7および国際特許出願公開第WO2014/097099号において記述されているように、共酸化剤としてNCSを使用して糖の第一級アルコールをアルデヒドに酸化させる(以後、「TEMPO/NCS酸化」)ためにTEMPOフリーラジカルを使用して調製される。したがって、一態様において、GBS莢膜多糖のコンジュゲートは、a)GBS莢膜多糖を、溶媒中でTEMPOおよびNCSと反応させて、活性化糖を生成するステップと、b)活性化糖を、1つまたは複数のアミン基を含む担体タンパク質と反応させるステップ(以後、「TEMPO/NCS-還元的アミノ化」)とを含む方法によって取得可能である。一実施形態において、溶媒は、水性溶媒またはDMSOであってもよい。
【0233】
一態様において、GBS莢膜多糖-タンパク質コンジュゲートは、前記方法によって取得される。例えば、一態様において、本開示は、a)糖を、溶媒中で2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)およびN-クロロスクシンイミド(NCS)と反応させて、活性化糖を生成するステップと、b)活性化糖を、1つまたは複数のアミン基を含む担体タンパク質と反応させるステップとを含む方法によって生成されるまたは取得可能な、担体タンパク質とコンジュゲートしている多糖を含むGBS莢膜多糖-タンパク質コンジュゲートを提供する。一実施形態において、溶媒は、水性溶媒またはDMSOであってもよい。
【0234】
免疫原性組成物
個々のコンジュゲートを精製した後、これらを組み合わせて、例えばワクチンにおいて使用され得る本発明の免疫原性組成物を製剤化することができる。本発明の免疫原性組成物の製剤化は、当技術分野において認められている方法を使用して遂行することができる。
【0235】
免疫原性組成物に対する「免疫応答」は、目的の組成物中に存在する分子(例えば、タンパク質または多糖等の抗原)に対する体液性および/または細胞媒介性免疫応答の対象における発達である。本発明の目的のために、「体液性免疫応答」は、抗体媒介性免疫応答であり、本発明の免疫原性組成物中に存在する抗原に対する親和性を持つ抗体の産生を伴い、一方、「細胞媒介性免疫応答」は、T-リンパ球および/または他の白血球によって媒介されるものである。「細胞媒介性免疫応答」は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)のクラスIまたはクラスII分子と会合している抗原エピトープの提示によって導出される。これは、抗原特異的CD4+Tヘルパー細胞またはCD8+細胞毒性Tリンパ球細胞(CTL)を活性化させる。CTLは、MHCまたはCD1によってコードされ、細
胞の表面上に発現されるタンパク質と会合して提示されているペプチドまたは脂質抗原に対して特異性を有する。CTLは、細胞内微生物の細胞内破壊、またはそのような微生物に感染している細胞の溶菌を、誘発し促進するのを助ける。細胞性免疫の別の態様は、ヘルパーT細胞による抗原特異的応答を伴う。ヘルパーT細胞は、機能を刺激し、それらの表面上の古典的なまたは非古典的なMHC分子と会合しているペプチド抗原を表示している細胞に対する非特異的エフェクター細胞の活性に集中するのを助けるように作用する。「細胞媒介性免疫応答」は、サイトカイン、ケモカイン、ならびに活性化T細胞および/またはCD4+およびCD8+T細胞に由来するものを包含する他の白血球によって生成された他のそのような分子の生成も指す。細胞媒介性免疫学的応答を刺激する特定の抗原または組成物の能力は、若干数のアッセイによって、例えば、リンパ球増殖(リンパ球活性化)アッセイ、CTL細胞毒性細胞アッセイによって、感作された対象における抗原に対して特異的なT-リンパ球についてアッセイすることによって、または抗原による再刺激に応答したT細胞によるサイトカイン生成の測定によって等、決定され得る。そのようなアッセイは、当技術分野において周知である。例えば、Erickson,A.L.ら、J.Immunol.、151(8):4189~4199(1993);Doe,B.ら、Eur.J.Immunol.24(10):2369~2376(1994)を参照されたい。
【0236】
「免疫原性」という用語は、体液性もしくは細胞媒介性のいずれかまたは両方の免疫応答を導出する抗原またはワクチンの能力を指す。
【0237】
「免疫原性量」または「免疫学的有効量」または「用量」は、それらのそれぞれが本明細書において交換可能に使用され、概して、当業者に公知の標準的なアッセイによって測定される通りの、細胞性(T細胞)もしくは体液性(B細胞または抗体)応答のいずれかまたは両方の免疫応答を導出するのに十分な、抗原または免疫原性組成物の量を指す。
【0238】
「免疫干渉」または「有意な免疫干渉」は、本明細書において使用される場合、一価ワクチンで投与される場合の同じ抗原に対する免疫応答と比較した、多価または多成分ワクチンにおける個々の抗原に対する免疫応答の統計的に有意な減少を指す。
【0239】
「保護的」免疫応答は、対象を感染から保護するために役立つ、体液性または細胞媒介性いずれかの免疫応答を導出する免疫原性組成物の能力を指す。提供される保護は絶対的である必要はない、すなわち、対象の対照集団、例えば、ワクチンも免疫原性組成物も投与されていない感染動物と比較して統計的に有意な改善があるならば、感染を完全に予防するまたは根絶する必要はない。保護は、感染の症状の発症の重症度または速さを緩和することに限定され得る。免疫応答が「保護的免疫応答」を示すものであるか否かを決定するためのいくつかのアッセイが、当技術分野において公知である。例えば、抗体レベルの増大は、さらに後述する全細胞ELISAアッセイ等の結合アッセイによって測定され得る。他のアッセイは、後述する通りのオプソニン食作用アッセイ(OPA)で試験することができる、細菌死滅の容易化等の機能的抗体応答を測定することを包含する。特定の状況において、「保護的免疫応答」は、対象の少なくとも50%において、特定の抗原に対して特異的な、抗体レベルの2倍の増大または抗体レベルの4倍の増大の誘発を包含し得る。別の状況において、「保護的免疫応答」は、少なくとも10%、25%、50%、65%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の細菌カウントにおける減少を包含し得る。
【0240】
組成物中における特定のコンジュゲートの量は、概して、そのコンジュゲートについて、コンジュゲートしているおよびコンジュゲートしていない全多糖に基づいて算出される。例えば、20%の遊離多糖を持つGBS莢膜多糖コンジュゲートは、100mcg/mlのGBS莢膜多糖用量中に、約80mcg/mlのコンジュゲートしているGBS莢膜
多糖および約20mcg/mlのコンジュゲートしていないGBS莢膜多糖を有すると予想される。コンジュゲートへのタンパク質担体の寄与は、通常、コンジュゲートの用量を算出する際には考慮されない。コンジュゲートの量は、レンサ球菌の血清型に応じて変動し得る。概して、各用量は、約0.01mg/mlから約100mcg/ml、特に約1mcg/mlから約70mcg/ml、より好ましくは約5mcg/mlから約50mcg/mlの各多糖を含むことになる。免疫原性組成物中における異なる多糖成分の「免疫原性量」は、相違していてよく、それぞれが、約0.01mcg/ml、約0.1mcg/ml、約0.25mcg/ml、約0.5mcg/ml、約1mcg/ml、約2mcg/ml、約3mcg/ml、約4mcg/ml、約5mcg/ml、約6mcg/ml、約7mcg/ml、約8mcg/ml、約9mcg/ml、約10mcg/ml、約15mcg/ml、約20mcg/ml、約25mcg/ml、約30mcg/ml、約40mcg/ml、約50mcg/ml、約60mcg/ml、約70mcg/ml、約80mcg/ml、約90mcg/ml、または約100mcg/mlの任意の特定の多糖抗原を含み得る。多価免疫原性組成物の用量または免疫原性量は、別段の指示がない限り、各多糖の用量を示すと予想される。例えば、10mcg/ml用量の六価免疫原性組成物は、10mcg/mlの6つのそれぞれの多糖を含有すると予想される。
【0241】
免疫原としての抗原の有効性は、イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、機能的抗体アッセイ、例えば、インビトロオプソニンアッセイ等、および当技術分野において公知である多くの他のアッセイを使用して、血清中の抗原に特異的な循環抗体のレベルを測定することにより、B細胞活性のレベルを測定することによって測定することができる。T細胞免疫原としての抗原の有効性の別の測定は、増殖アッセイによって、細胞溶菌アッセイ、例えば、その特異的標的細胞を溶菌するT細胞の能力を測定するためのクロム放出アッセイ等によってのいずれかで測定することができる。さらに、本発明において、「免疫原性量」は、抗原の投与後に誘発された抗原特異的抗体の血清中レベルを測定することによって、または、そのようにして誘発された抗体の、本明細書において記述されている通りの特定の白血球のオプソニン食作用能力を強化する能力を測定することによって、定義されてもよい。免疫応答の保護のレベルは、免疫化された宿主に、注射された抗原を接種することによって測定され得る。例えば、免疫応答が所望される抗原が細菌である場合、「免疫原性量」の抗原によって誘発される保護のレベルは、動物への細菌細胞の接種後の生存パーセントまたは死亡パーセントを検出することによって測定することができる。一実施形態において、保護の量は、細菌感染に関連する少なくとも1つの症状、例えば、感染に関連する発熱を測定することによって測定され得る。多抗原もしくは多成分ワクチンまたは免疫原性組成物中における抗原のそれぞれの量は、他の成分のそれぞれに関して変動することになり、当業者に公知の方法によって決定することができる。そのような方法は、例えば、免疫原性および/またはインビボ効力を測定するための手順を包含すると予想される。
【0242】
「免疫原性組成物」という用語は、抗原、例えば微生物、またはその成分を含有し、対象において免疫応答を導出するために使用することができる任意の医薬組成物に関する。本発明の免疫原性組成物は、全身経皮または粘膜経路を介して免疫原性組成物を投与することを利用して、GBS感染の影響を受けやすいヒトを治療するために使用することができる。これらの投与は、筋肉内(i.m.)、腹腔内(i.p.)、皮内(i.d.)もしくは皮下経路を介する注射、パッチもしくは他の経皮送達デバイスによる適用、または経口/消化、呼吸もしくは尿生殖路への粘膜投与を介するものを含有し得る。一実施形態において、免疫原性組成物は、ワクチンの製造において、または動物を受動的に保護するもしくは治療するために使用され得るポリクローナルもしくはモノクローナル抗体の導出において使用され得る。
【0243】
一態様において、本発明は、本明細書において記述されている通りの、有効量の少なく
とも1つの多糖、オリゴ糖、多糖-タンパク質コンジュゲート、またはそれらの生物学的同等物を包含する免疫原性組成物に関する。例えば、一実施形態において、免疫原性組成物は、多糖-タンパク質コンジュゲートを包含し、莢膜多糖は、B群レンサ球菌血清型Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択され、莢膜多糖は、約60%超のシアル酸レベルを有する。別の例において、免疫原性組成物は、多糖-タンパク質コンジュゲートを包含し、コンジュゲートは、B群レンサ球菌血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも1つの追加の血清型由来の莢膜多糖を含む。別の実施形態において、免疫原性組成物は、多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、コンジュゲートは、B群レンサ球菌血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも2つの追加の血清型由来の莢膜多糖を含む。また別の実施形態において、免疫原性組成物は、多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、コンジュゲートは、B群レンサ球菌血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも3つの追加の血清型由来の莢膜多糖を含む。さらなる実施形態において、免疫原性組成物は、多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、コンジュゲートは、B群レンサ球菌血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも4つの追加の血清型由来の莢膜多糖を含む。特定の実施形態において、免疫原性組成物は、多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、コンジュゲートは、B群レンサ球菌血清型Ia、Ib、II、IIIおよびV由来の莢膜多糖を含む。別の実施形態において、免疫原性組成物は、多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、コンジュゲートは、B群レンサ球菌血清型Ia、Ib、II、IIIおよびIV由来の莢膜多糖を含む。また別の実施形態において、免疫原性組成物は、多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、コンジュゲートは、B群レンサ球菌血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも5つの追加の血清型由来の莢膜多糖を含む。1つのそのような実施形態において、免疫原性組成物は、6つの多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、コンジュゲートは、B群レンサ球菌血清型Ia、Ib、II、III、IVおよびV由来の莢膜多糖を含む。
【0244】
ある実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、S.アガラクティエ(S.agalactiae)の2から10までの異なる血清型を含む。したがって、ある実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、2、3、4、5、6、7、8、9または10価のGBSコンジュゲート組成物である。1つのそのような実施形態において、免疫原性組成物は、5価のGBSコンジュゲート組成物である。別の実施形態において、免疫原性組成物は、6価のGBSコンジュゲート組成物である。また別の実施形態において、免疫原性組成物は、7価のGBSコンジュゲート組成物である。さらなる実施形態において、免疫原性組成物は、8価のGBSコンジュゲート組成物である。
【0245】
組成物中において6つ未満、5つ未満、または4つ未満のGBS抗原を使用するという先の教示(国際特許出願公開第WO2006/082527号および同第WO2006/082530号を参照)および特に多価組成物中における血清型Vの使用に関する免疫干渉の経験(国際特許出願公開第WO2012/035519号を参照)にもかかわらず、本発明は、多価組成物中における4つ以上のGBS抗原の使用または血清型Vの使用によるいかなる有意な免疫干渉も示さない。したがって、本発明は、少なくとも4つのGBS莢膜多糖血清型、例えば、少なくとも5つのGBS莢膜多糖血清型、少なくとも6つのGBS莢膜多糖血清型、少なくとも7つのGBS莢膜多糖血清型、少なくとも8つのGBS莢膜多糖血清型、または少なくとも9つのGBS莢膜多糖血清型等を含む多糖-タンパク質コンジュゲートを含む多価免疫原性組成物に関し、組成物は、有意な免疫干渉を有さない。特定の実施形態において、免疫原性組成物は、GBS莢膜多糖血清型Vを含む。
【0246】
多糖-タンパク質コンジュゲートは、同じまたは異なるタンパク質担体を含み得る。一実施形態において、コンジュゲートは、同じタンパク質担体を含み、糖は、タンパク質担体の同じ分子(それとコンジュゲートしている2つ以上の異なる多糖を有する担体分子)とコンジュゲートしている[例えば、国際特許出願公開第WO2004/083251号を参照]。別の実施形態において、多糖は、タンパク質担体の異なる分子(それとコンジュゲートしている1種類の多糖のみを有するタンパク質担体の各分子)とそれぞれ独立してコンジュゲートしている。前記実施形態において、莢膜糖は、担体タンパク質と独立してコンジュゲートしていると言われている。
【0247】
特定の免疫原性組成物に最適な量の成分は、対象における適切な免疫応答の観察を伴う標準的な研究によって解明することができる。初回ワクチン接種の後、対象は、1回または数回のブースター免疫化を、適度に間隔をおいて受けることができる。
【0248】
本発明の免疫原性組成物は、複数の莢膜多糖タンパク質コンジュゲートに加えて、1つまたは複数の保存剤をさらに含んでよい。FDAは、複数回用量(多回用量)バイアル中の生物学的製品が、わずかな例外を除いて、保存剤を含有することを求めている。本発明は、そのような多回用量バイアルの使用を企図している。保存剤を含有するワクチン製品は、塩化ベンゼトニウム(炭疽)、2-フェノキシエタノール(DTaP、HepA、ライム、ポリオ(非経口))およびフェノール(肺炎、腸チフス(非経口))を含有するワクチンを包含する。注射薬において使用することが承認された保存剤は、例えば、クロロブタノール、mクレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、2-フェノキシエタノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、フェノールおよび硝酸フェニル水銀を包含する。
【0249】
別の態様において、本発明は、本明細書において記述されている任意の多糖のうちの少なくとも1つ、および薬学的に許容できる賦形剤、緩衝剤、安定剤、アジュバント、抗凍結剤、塩、二価カチオン、非イオン性界面活性物質、フリーラジカル酸化の阻害剤、希釈剤もしくは担体、またはそれらの混合物を包含する組成物に関する。
【0250】
免疫原性組成物は、HEPES、PIPES、MES、トリス(トリメタミン)、リン酸塩、酢酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、グリシン、ヒスチジンおよびコハク酸塩から選択されるがこれらに限定されない1つまたは複数の生理学的に許容できる緩衝剤を含んでいてもよい。好ましい実施形態において、緩衝剤は、ヒスチジンである。
【0251】
一実施形態において、免疫原性組成物は、緩衝剤を、約5mMから約50mM、約5mMから約40mM、約5mMから約30mM、約5mMから約20mM、約5mMから約10mM、約10mMから約50mM、約10mMから約40mM、約10mMから約35mM、約10mMから約30mM、約10mMから約25mM、約10mMから約20mM、約10mMから約15mM、約15mMから約50mM、約15mMから約40mM、約15mMから約35mM、約15mMから約30mM、約15mMから約25mM、または約15mMから約20mMまでの濃度で含む。好ましい実施形態において、免疫原性組成物は、緩衝剤を、約10mMから約25mM、最も好ましくは約20mMの濃度で含む。
【0252】
1つの好ましい実施形態において、免疫原性組成物は、ヒスチジンを、約20mMの濃度で含む。
【0253】
ある特定の実施形態において、製剤は、約5.0から約7.1、例えば、約5.3から約7.1、約5.5から約7.0、約6.0から約7.0、約6.0から約6.5、約6
.3から約7.0、または約6.5から約7.0等のpH範囲内に緩衝されている。別の実施形態において、製剤は、約6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、または7.0のpHに緩衝されている。好ましい実施形態において、製剤は、約6.0から約7.0までのpH範囲、最も好ましくは約6.5に緩衝されている。
【0254】
免疫原性組成物は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート-80(ツイーン80)、ポリソルベート-60(ツイーン60)、ポリソルベート-40(ツイーン40)、ポリソルベート-20(ツイーン20)を包含するがこれらに限定されない1つまたは複数の非イオン性界面活性剤、および、BRIJ58、BRIJ35を包含するがこれらに限定されないポリオキシエチレンアルキルエーテル、ならびにその他、例えば、トリトンX-100、トリトンX-114、NP40、スパン85およびプルロニックシリーズの非イオン性界面活性剤(例えば、プルロニック121)等を含んでいてもよい。一実施形態において、免疫原性組成物は、ポリソルベート-80またはポリソルベート-40、好ましくはポリソルベート-80(PS80)を含む。
【0255】
一実施形態において、免疫原性組成物は、界面活性剤を、約0.001%から約2%(v/w)、約0.001%から約1%、約0.001%から約0.5%、約0.001%から約0.1%、約0.001%から約0.05%、約0.001%から約0.01%、約0.001%から0.005%、約0.005%から約2%、約0.005%から約1%、約0.005%から約0.5%、約0.005%から約0.1%、約0.005%から約0.05%、約0.005%から約0.01%、約0.01%から約2%、約0.01%から約1%、約0.01%から約0.5%、約0.01%から約0.1%、約0.01%から約0.05%、約0.01%から約0.04%、約0.01%から約0.03%、約0.015%から約2%、約0.015%から約1%、約0.015%から約0.5%、約0.015%から約0.1%、約0.015%から約0.05%、約0.015%から約0.04%、約0.015%から約0.03%、約0.02%から約2%、約0.02%から約1%、約0.02%から約0.5%、約0.02%から約0.1%、約0.02%から約0.05%、約0.02%から約0.04%、約0.02%から約0.03%、約0.05%から約2%、約0.05%から約1%、約0.05%から約0.5%、約0.05%から約0.1%、約0.1%から約2%、約0.1%から約1%、約0.1%から約0.5%または約0.1%から0.25%までの濃度で含む。好ましい実施形態において、免疫原性組成物は、界面活性剤を、約0.01%から0.03%、最も好ましくは約0.02%の濃度で含む。
【0256】
別の実施形態において、免疫原性組成物は、約0.001%から約2%まで(最大約0.25%が好ましい)の濃度のポリソルベート-80または約0.001%から1%まで(最大約0.5%が好ましい)の濃度のポリソルベート-40を含む。
【0257】
好ましい実施形態において、免疫原性組成物は、PS80を、約0.02%の濃度で含む。
【0258】
薬学的に許容できる担体は、本発明の炭水化物をタンパク質に結合する際に使用され、その炭水化物に対する免疫応答を修飾する「担体タンパク質」と混同されるべきではない。本明細書において記述されているタンパク質担体との混同を回避するために、薬学的に許容できる希釈剤という用語を、薬学的に許容できる担体よりも好ましいとするが、これらの用語は、時折、交換可能に使用され得る。「薬学的に許容できる担体」という用語は、連邦規制機関、州政府もしくは他の規制機関によって承認されている、または、米国薬局方もしくはヒトおよび非ヒト哺乳動物を包含する動物において使用するための他の一般に認められている薬局方に収載された担体を意味する。「担体」という用語は、医薬組成
物がともに投与される、希釈剤、アジュバント、賦形剤またはビヒクルを指す。好適な薬学的に許容できる希釈剤は、ありとあらゆる従来の溶媒、分散媒、充填剤、固体担体、水溶液、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤等を包含する。そのような薬学的に許容できる希釈剤は、滅菌液体、例えば、水、および石油、動物、植物または合成起源のものを包含する油等であってよい。水、注射用水(WFI)、滅菌等張生理食塩水、リン酸緩衝溶液、アジュバント懸濁液、水性デキストロースおよびグリセロール溶液、ならびにそれらの組合せを、特に注射用溶液用の液体担体として用いることができる。薬学的に許容できる希釈剤は、体内における貯蔵寿命または有効性を強化する、少量の補助物質、例えば、湿潤もしくは乳化剤、保存剤または緩衝剤等をさらに含んでよい。薬学的に許容できる希釈剤の調製および使用は、当技術分野において周知である。好適な医薬担体の例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」E.W.Martin著において記述されている。一実施形態において、希釈剤は、水、注射用水(WFI)、アジュバント懸濁液または生理食塩水である。特定の実施形態において、希釈剤は、本明細書において記述されている任意のアジュバントの懸濁液である。好ましい実施形態において、希釈剤は、リン酸アルミニウム懸濁液等のアルミニウムベースのアジュバント懸濁液である。
【0259】
好適な医薬賦形剤は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、石粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、グリシン、アルギニン、リシン、塩化ナトリウム(NaCl)、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール等を包含する。好ましい実施形態において、賦形剤は、NaClである。
【0260】
一実施形態において、免疫原性組成物は、賦形剤を、約10mMから約500mM、約10mMから約450mM、約10mMから約400mM、約10mMから約350mM、約10mMから約300mM、約10mMから約250mM、約10mMから約200mM、約10mMから約150mM、約10mMから約100mM、約10mMから約50mM、約10mMから約30mM、約10mMから約20mM、20mMから約500mM、約20mMから約450mM、約20mMから約400mM、約20mMから約350mM、約20mMから約300mM、約20mMから約250mM、約20mMから約200mM、約20mMから約150mM、約20mMから約100mM、約20mMから約50mM、約20mMから約30mM、50mMから約500mM、約50mMから約450mM、約50mMから約400mM、約50mMから約350mM、約50mMから約300mM、約50mMから約250mM、約50mMから約200mM、約50mMから約150mM、約50mMから約100mM、約100mMから約500mM、約100mMから約450mM、約100mMから約400mM、約100mMから約350mM、約100mMから約300mM、約100mMから約250mM、約100mMから約200mM、約100mMから約150mM、約150mMから約500mM、約150mMから約450mM、約150mMから約400mM、約150mMから約350mM、約150mMから約300mM、約150mMから約250mM、約150mMから約200mM、約200mMから約500mM、約200mMから約450mM、約200mMから約400mM、約200mMから約350mM、約200mMから約300mM、約200mMから約250mM、約250mMから約500mM、約250mMから約450mM、約250mMから約400mM、約250mMから約350mM、約250mMから約300mM、約300mMから約500mM、約300mMから約450mM、約300mMから約400mM、約300mMから約350mM、約350mMから約500mM、約350mMから約450mM、約350mMから約400mM、約400mMから約500mM、約400mMから約450mMまたは約450mMから約500mMまでの濃度で含む。好ましい実施形態において、免疫原性組成物は、賦形
剤を、約10mMから約250mMまで、最も好ましくは約150mMの濃度で含む。
【0261】
1つの好ましい実施形態において、賦形剤は、約150mMの濃度のNaClである。
【0262】
組成物は、所望ならば、少量の湿潤、増量、乳化剤またはpH緩衝剤を含有することもできる。これらの組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、凍結乾燥粉末またはケーキ等の形態をとることができる。製剤は、投与モードに適合すべきである。任意の従来の媒体または作用物質が有効成分と不適合である場合を除いて、本発明の免疫原性組成物におけるそれらの使用が企図されている。
【0263】
ある実施形態において、免疫原性組成物は、場合により少なくとも1つの賦形剤の存在下で、凍結乾燥される。好ましい実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、石粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、グリシン、アルギニン、リシン、塩化ナトリウム(NaCl)、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水およびエタノールからなる群から選択される。好ましい実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、スクロース、マンニトールおよびグリシンからなる群から選択される。特定の実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、スクロースである。別の実施形態において、凍結乾燥した組成物は、追加の賦形剤を含む。1つのそのような実施形態において、追加の賦形剤は、マンニトールまたはグリシンである。
【0264】
別の実施形態において、凍結乾燥した組成物は、約1%(w/v)から約10%(w/v)、例えば、約1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%または10.0%等の少なくとも1つの糖を含む。好ましい実施形態において、凍結乾燥した組成物は、約5.5%(w/v)超、例えば、約7.0%(w/v)超等の少なくとも1つの賦形剤を含む。さらなる実施形態において、凍結乾燥した組成物は、約1%(w/v)から約10%(w/v)、例えば、約1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%または10.0%等の追加の賦形剤を含む。好ましい実施形態において、凍結乾燥した組成物は、約1%(w/v)から約10%(w/v)の少なくとも1つの賦形剤および約1%(w/v)から約10%(w/v)の追加の賦形剤を含む。
【0265】
また別の実施形態において、凍結乾燥した組成物は、水、注射用水(WFI)、アジュバント懸濁液または生理食塩水で再溶解される。好ましい実施形態において、希釈剤は、リン酸アルミニウム懸濁液等のアルミニウムベースのアジュバント懸濁液である。
【0266】
一実施形態において、組成物は、本明細書において記述されている単離された多糖および担体分子を包含する。好適な担体分子は、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、脂質凝集体(油滴またはリポソーム等)および不活性ウイルス粒子を包含し得る。粒子状担体の例は、ポリメチルメタクリレートポリマーに由来するもの、ならびに、ポリ(ラクチド)およびPLGとして公知のポリ(ラクチド-co-グリコリド)に由来する微粒子を包含する。
【0267】
本発明の免疫原性組成物は、免疫系を混乱させるまたは改変する作用物質である、1つまたは複数の追加の「免疫調節剤」をさらに含むことができ、そのため、体液性および/または細胞媒介性免疫の上方調節または下方調節のいずれかが観察される。1つの特定の
実施形態において、免疫系の体液性および/または細胞媒介性アームの上方調節が好ましい。ある特定の免疫調節剤の例は、例えば、中でも、米国特許第5,254,339号において記述されている、アジュバントもしくはサイトカイン、またはISCOMATRIX(CSL Limited、Parkville、Australia)を包含する。「アジュバント」という用語は、本明細書においてさらに記述されている通り、抗原に対する免疫応答を強化する化合物または混合物を指す。
【0268】
本発明の組成物において使用することができるアジュバントの非限定的な例は、RIBIアジュバント系(Ribi Inc.、Hamilton、Mont.);鉱物ゲル、例えば、水酸化アルミニウムゲル等;油中水型エマルション、例えば、フロイントの完全および不完全アジュバント等;ブロックコポリマー(CytRx、Atlanta Ga.);SAF-M(Chiron、Emeryville、Calif.);AMPHIGEN(登録商標)アジュバント;サポニン;Quil Aまたは他のサポニン画分;モノホスホリル脂質A;およびアブリジン脂質-アミンアジュバントを包含する。本発明のワクチンにおいてアジュバントとして有用な水中油型エマルションの非限定的な例は、MF59(米国特許第6,299,884号)(モデル110Yマイクロフルイダイザー(Microfluidics、Newton、MA)等のマイクロフルイダイザーを使用してサブミクロン粒子に製剤化された、5%スクアレン、0.5%ポリソルベート80、および0.5%スパン85(種々の量のMTP-PEを含有していてもよい)を含有する)、およびSAF(サブミクロンエマルションに微小流動化したか、より大きい粒径のエマルションを産生するためにボルテックスしたかいずれかの、10%スクアレン、0.4%ポリソルベート80、5%プルロニックブロックポリマーL121およびthr-MDPを含有する);修飾されたSEAM62(5%(v/v)スクアレン(Sigma)、1%(v/v)SPAN(登録商標)85界面活性物質(ICI界面活性剤)、0.7%(v/v)ポリソルベート80界面活性物質(ICI界面活性剤)、2.5%(v/v)エタノール、200μg/mlのQuil A、100μg/mlのコレステロールおよび0.5%(v/v)レシチンを含有する);ならびに修飾されたSEAM 1/2(5%(v/v)スクアレン、1%(v/v)SPAN(登録商標)85界面活性物質、0.7%(v/v)ポリソルベート80界面活性物質、2.5%(v/v)エタノール、100μg/mlのQuil Aおよび50μg/mlのコレステロールを含有する)を包含する。
【0269】
免疫応答を強化するために使用される好適なアジュバントは、限定されないが、米国特許第4,912,094号において記述されている、MPL(商標)(3-O-脱アシル化モノホスホリル脂質A、Corixa、Hamilton、MT)をさらに包含する。アジュバントとして使用するために、Corixa(Hamilton、MT)から入手可能であり、米国特許第6,113,918号において記述されている、合成脂質A類似体もしくはアミノアルキルグルコサミンリン酸化合物(AGP)、またはそれらの誘導体もしくは類似体も好適である。1つのそのようなAGPは、2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]エチル2-デオキシ-4-O-ホスホノ-3-O-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル(tetra-decanoyoxy-tetrade-canoyl)]-2-[(R)-3-テトラデカノイルオキシテトラデカノイル-アミノ]-b-D-グルコピラノシドであり、これは、529としても公知である(以前はRC529として公知であった)。この529アジュバントは、水性形態(AF)としてまたは安定なエマルション(SE)として製剤化される。
【0270】
また他のアジュバントは、シクロデキストリン誘導体(米国特許第6,165,995号);ポリアニオン性ポリマー(米国特許第6,610,310号);ムラミルペプチド、例えば、N-アセチル-ムラミル-L-トレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)およびN-アセチル-ノルムラミル-L-アラニン-2-(1’-2’ジパルミト
イル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(MTP-PE)等;Amphigen;アブリジン;L121/スクアレン;D-ラクチド-ポリラクチド/グリコシド;プルロニックポリオール;死滅ボルデテラ属;サポニン、例えば、米国特許第5,057,540号において記述されているStimulon(商標)QS-21(Antigenics、Framingham、MA.)等;結核菌(Mycobacterium tuberculosis);細菌リポ多糖;合成ポリヌクレオチド、例えば、CpGモチーフを含有するオリゴヌクレオチド(例えば、米国特許第6,207,646号)等;欧州特許第1,296,713号および同第1,326,634号において記述されているIC-31(Intercell AG、Vienna、Austria);百日咳毒素(PT)もしくはその突然変異体、コレラ毒素もしくはその突然変異体(例えば、米国特許第7,285,281号、同第7,332,174号、同第7,361,355号および同第7,384,640号);または、大腸菌(E.coli)易熱性毒素(LT)もしくはその突然変異体、特にLT-K63、LT-R72(例えば、米国特許第6,149,919号、同第7,115,730号および同第7,291,588号)を包含する。
【0271】
ワクチンに包含され得る他の「免疫調節剤」は、例えば、インターロイキン1-α、1-β、2、4、5、6、7、8、10、12(例えば、米国特許第5,723,127号を参照)、13、14、15、16、17および18(およびその突然変異体型);インターフェロン-α、βおよびγ;顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)(例えば、米国特許第5,078,996号およびATCC受託番号39900を参照);マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF);顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF);または腫瘍壊死因子αおよびβのうちの1つまたは複数を包含する。本明細書において記述されている免疫原性組成物で有用なまた他のアジュバントは、限定されないが、MCP-1、MIP-1α、MIP-1βおよびRANTESを包含するケモカイン;接着分子、例えば、セレクチン、例えば、L-セレクチン、P-セレクチンおよびE-セレクチン等;ムチン様分子、例えば、CD34、GlyCAM-1およびMadCAM-1;インテグリンファミリーのメンバー、例えば、LFA-1、VLA-1、Mac-1およびp150.95等;免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバー、例えば、PECAM、ICAMs、例えば、ICAM-1、ICAM-2およびICAM-3、CD2ならびにLFA-3等;共刺激分子、例えば、B7-1、B7-2、CD40およびCD40L等;血管成長因子、神経成長因子、繊維芽細胞成長因子、上皮成長因子、PDGF、BL-1および血管内皮成長因子を包含する成長因子;Fas、TNF受容体、Flt、Apo-1、p55、WSL-1、DR3、TRAMP、Apo-3、AIR、LARD、NGRF、DR4、DR5、KILLER、TRAIL-R2、TRICK2およびDR6を包含する受容体分子;ならびにカスパーゼ(ICE)を包含する。
【0272】
免疫調節剤および/もしくはアジュバントを使用するか否かの決断、またはいずれの免疫調節剤および/もしくはアジュバントを使用するかの選択は、ワクチンまたは免疫原性組成物が投与される対象、注射経路、および与えられる予定の注射の数によって決まると予想されることを理解されたい。例えば、対象が病原体に自然に曝露されてきた場合、ワクチン抗原が記憶応答を有効に誘発することができるため、アジュバントは必要とされない場合がある。ある特定の実施形態において、免疫原性組成物は、1つまたは複数のアジュバントを包含することになる。一実施形態において、免疫原性組成物は、アルミニウムベースのアジュバントを含む。1つのそのような実施形態において、アルミニウムアジュバントは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムまたはアルミニウムヒドロキシルホスフェートである。特定の実施形態において、アジュバントは、リン酸アルミニウムである。本発明の別の実施形態において、免疫原性組成物は、QS-21をアジュバントとして含む。
【0273】
一実施形態において、免疫原性組成物は、アジュバントを、約0.1mg/mlから約1.0mg/ml、0.1mg/mlから約0.9mg/ml、0.1mg/mlから約0.8mg/ml、0.1mg/mlから約0.7mg/ml、0.1mg/mlから約0.6mg/ml、0.1mg/mlから約0.5mg/ml、0.1mg/mlから約0.4mg/ml、0.1mg/mlから約0.3mg/ml、0.1mg/mlから約0.2mg/ml、0.25mg/mlから約0.95mg/ml、0.25mg/mlから約0.85mg/ml、0.25mg/mlから約0.75mg/ml、0.25mg/mlから約0.65mg/ml、0.25mg/mlから約0.55mg/ml、0.25mg/mlから約0.45mg/ml、0.25mg/mlから約0.35mg/ml、0.5mg/mlから約1.0mg/ml、0.5mg/mlから約0.9mg/ml、0.5mg/mlから約0.8mg/ml、0.5mg/mlから約0.75mg/ml、0.5mg/mlから約0.7mg/ml、0.5mg/mlから約0.65mg/ml、0.5mg/mlから約0.6mg/ml、0.75mg/mlから約1.0mg/ml、0.75mg/mlから約0.95mg/ml、0.75mg/mlから約0.9mg/ml、および0.75mg/mlから約0.85mg/mlまでの濃度で含む。好ましい実施形態において、免疫原性組成物は、アジュバントを、約0.25mg/mlから約0.75mg/mlまで、最も好ましくは約0.5mg/mlの濃度で含む。
【0274】
好ましい実施形態において、アジュバントは、約0.5mg/mlの濃度のアルミニウムベースのものである。1つのそのような実施形態において、アルミニウムベースのアジュバントは、リン酸アルミニウムまたはアルミニウムヒドロキシルホスフェートである。
【0275】
一実施形態において、免疫原性組成物は、本明細書において記述されている通りの多糖-タンパク質コンジュゲート、緩衝剤、界面活性剤、賦形剤、および場合によりアジュバントを含み、組成物は、約6.0から約7.0のpHに緩衝されている。
【0276】
1つのそのような実施形態において、免疫原性組成物は、GBS多糖-タンパク質コンジュゲート、緩衝剤、界面活性剤、賦形剤、および場合によりアジュバントを含み、組成物は、約6.0から約7.0のpHに緩衝されており、莢膜多糖は、約60%超のシアル酸レベルを有する。
【0277】
1つの特定の実施形態において、免疫原性組成物は、GBS多糖-タンパク質コンジュゲート、ヒスチジン、ポリソルベート-80、塩化ナトリウム、および場合によりリン酸アルミニウムを含み、組成物は、約6.0から約7.0のpHに緩衝されており、莢膜多糖は、約60%超のシアル酸レベルを有する。
【0278】
好ましい実施形態において、免疫原性組成物は、約5mcg/mlから約50mcg/mlのGBS多糖-タンパク質コンジュゲート、約10mMから約25mMのヒスチジン、約0.01%から約0.03%(v/w)のポリソルベート-80、約10mMから約250mMの塩化ナトリウム、および場合により約0.25mg/mlから約0.75mg/mlのアルミニウムをリン酸アルミニウムとして含み、ここで、莢膜多糖は、約60%超のシアル酸レベルを有する。
【0279】
1つのそのような実施形態において、免疫原性組成物は、少なくとも2つのGBS多糖-タンパク質コンジュゲート、緩衝剤、界面活性剤、賦形剤、および場合によりアジュバントを含み、組成物は、約6.0から約7.0のpHに緩衝されており、コンジュゲートは、B群レンサ球菌(GBS)血清型IVならびにIa、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも1つの追加の血清型由来の莢膜多糖を含む。
【0280】
1つの特定の実施形態において、免疫原性組成物は、少なくとも2つのGBS多糖-タンパク質コンジュゲート、ヒスチジン、ポリソルベート-80、塩化ナトリウム、および場合によりリン酸アルミニウムを含み、組成物は、約6.0から約7.0のpHに緩衝されており、コンジュゲートは、B群レンサ球菌(GBS)血清型IVならびにIa、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも1つの追加の血清型由来の莢膜多糖を含む。
【0281】
好ましい実施形態において、免疫原性組成物は、約5mcg/mlから約50mcg/mlずつの少なくとも2つのGBS多糖-タンパク質コンジュゲート、約10mMから約25mMのヒスチジン、約0.01%から約0.03%(v/w)のポリソルベート-80、約10mMから約250mMの塩化ナトリウム、および場合により約0.25mg/mlから約0.75mg/mlのアルミニウムをリン酸アルミニウムとして含み、コンジュゲートは、B群レンサ球菌(GBS)血清型IVならびにIa、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも1つの追加の血清型由来の莢膜多糖を含む。
【0282】
免疫原性組成物の評価
種々のインビトロ試験を使用して、本発明の免疫原性組成物の免疫原性を評定する。例えば、インビトロオプソニンアッセイは、レンサ球菌細胞、問題の抗原に対する特異的抗体を含有する熱不活性化血清、および外因性補体源の混合物を一緒にインキュベートすることによって行われる。オプソニン食作用は、新たに単離された多形核細胞(PMN)またはHL60等の分化したエフェクター細胞および抗体/補体/レンサ球菌細胞混合物のインキュベーション中に進行する。抗体および補体でコーティングされた細菌細胞は、オプソニン食作用時に死滅する。オプソニン食作用から回収される生存細菌のコロニー形成単位(cfu)は、アッセイ混合物を平板培養することによって決定される。力価は、アッセイ対照との比較によって決定された際に、50%細菌死滅を与える最高希釈の逆数として報告される。
【0283】
全細胞ELISAアッセイを使用して、抗原のインビトロ免疫原性および表面露出を評定してもよく、目的の細菌株(S.アガラクティエ(S.agalactiae))を、96ウェルプレート等のプレート上にコーティングし、免疫化された動物由来の試験血清を、細菌細胞と反応させる。試験抗原に特異的な抗体が抗原の表面露出エピトープと反応性であれば、当業者に公知の標準的な方法によって検出することができる。代替として、フローサイトメトリーを使用して、莢膜多糖抗原の表面露出およびモノクローナル抗体を包含する抗体の特異性を測定してもよい。
【0284】
次いで、所望のインビトロ活性を実証している抗原を、インビボ動物接種モデルにおいて試験してもよい。ある特定の実施形態において、免疫原性組成物は、当業者に公知である免疫化の方法および経路(例えば、鼻腔内、非経口、経口、経直腸、膣内、経皮、腹腔内、静脈内、皮下等)により、動物(例えば、マウス)の免疫化において使用される。GBS免疫原性組成物による動物の免疫化の後、動物に、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)株を接種し、レンサ球菌感染に対する抵抗についてアッセイする。
【0285】
一実施形態において、病原体フリーのマウスを免疫化し、S.アガラクティエ(S.agalactiae)を接種する。例えば、マウスを、免疫原性組成物中の1または複数回用量の所望の抗原で免疫化する。その後、マウスにS.アガラクティエ(S.agalactiae)を接種し、接種後、経時的に生存をモニターする。
【0286】
使用方法
「免疫不全である」は、本明細書において使用される場合、免疫系の細胞性および/または体液性アームに関して欠損を患っている対象を指す。したがって、免疫プロセスにおけるわずかな機能障害から完全な免疫抑制まで変動する、免疫機能における欠損の程度が企図されている。
【0287】
「対象」という用語は、哺乳動物、鳥、魚、爬虫類、または任意の他の動物を指す。「対象」という用語は、ヒトも包含する。「対象」という用語は、家庭用ペットも包含する。家庭用ペットの非限定的な例は、イヌ、ネコ、ブタ、ウサギ、ラット、マウス、スナネズミ、ハムスター、モルモット、フェレット、鳥、ヘビ、トカゲ、魚、カメおよびカエルを包含する。「対象」という用語は、家畜動物も包含する。家畜動物の非限定的な例は、アルパカ、バイソン、ラクダ、ウシ、シカ、ブタ、ウマ、ラマ、ラバ、ロバ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、トナカイ、ヤク、ニワトリ、ガチョウおよびシチメンチョウを包含する。
【0288】
本明細書において使用される場合、「治療」(その変化形、例えば、「治療する」または「治療される」を包含する)は、下記のうちのいずれか1つまたは複数を指す:(i)伝統的なワクチンのような、感染または再感染の予防、(ii)症状の重症度低減または排除、および(iii)問題の病原体または障害の実質的なまたは完全な排除。それ故、治療は、予防的に(感染前に)または治療的に(感染後に)達成され得る。本発明において、予防的または治療的治療を使用することができる。本発明の特定の実施形態によれば、微生物感染(例えば、S.アガラクティエ(S.agalactiae)等の細菌)に対して宿主動物を、予防的にかつ/または治療的に免疫化することを包含し、治療する組成物および方法が提供される。本発明の方法は、予防的および/または治療的免疫を対象に付与するために有用である。本発明の方法は、生物医学研究用途のために対象において実施することもできる。
【0289】
別の態様において、本発明は、対象に、有効量の本明細書において記述されている免疫原性組成物を投与することにより、対象においてGBSに対する免疫応答を誘発する方法に関する。一実施形態において、本発明は、対象に、有効量の本明細書において記述されている免疫原性組成物を投与することにより、対象においてB群レンサ球菌に関連する疾患または状態を予防するまたは低減させる方法に関する。ある態様において、本発明は、医薬として使用するための、本明細書において記述されている免疫原性組成物に関する。ある態様において、本発明は、対象においてGBSに対する免疫応答を誘発する方法において使用するための、本明細書において記述されている免疫原性組成物に関する。特定の実施形態において、対象は、妊娠を計画している女性または妊娠中の女性である。1つのそのような実施形態において、妊娠中の女性は、少なくとも妊娠20週または少なくとも27週等、妊娠後期である。好ましい実施形態において、妊娠中の女性は、妊娠27週から36週である。別の実施形態において、対象は、50歳以上、65歳以上、および85歳以上の成人等の老齢者である。さらなる実施形態において、対象は、免疫不全である。一態様において、対象は、肥満、糖尿病、HIV感染、がん、心血管疾患または肝疾患からなる群から選択される医学的状態を有し得る。好ましい実施形態において、B群レンサ球菌は、S.アガラクティエ(S.agalactiae)である。
【0290】
一実施形態において、免疫原性組成物は、GBS血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも1つの追加の血清型を含む多糖-タンパク質コンジュゲートを含む。別の実施形態において、コンジュゲートは、GBS血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも2つの追加の血清型を含む。追加の実施形態において、コンジュゲートは、GBS血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも3つの追加の血清型を含む。また別の実施形態において、
コンジュゲートは、GBS血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも4つの追加の血清型を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートは、GBS血清型Ia、Ib、II、IIIおよびIVを含む。さらなる実施形態において、コンジュゲートは、GBS血清型IVならびに血清型Ia、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも5つの追加の血清型を含む。さらなる実施形態において、組成物は、GBS血清型Vを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートは、GBS血清型Ia、Ib、II、IIIおよびVを含む。好ましい実施形態において、免疫原性組成物は、GBS血清型Ia、Ib、II、III、IVおよびV由来の6つの多糖-タンパク質コンジュゲートを含む。本発明の一態様は、免疫干渉を有さない免疫原性組成物に関する。
【0291】
免疫原性組成物の免疫原性または有効量は、対象を漸増量の免疫原性組成物で免疫化し、免疫応答を分析して最適投薬量を決定する、用量応答研究を行うことにより、決定することができる。研究の出発点は、動物モデルにおける免疫化データから推測することができる。投薬量は、個体の具体的な条件に応じて変動し得る。量は、当業者に公知の手段により、日常的検査で決定することができる。
【0292】
適切な用量数の、免疫学的有効量の免疫原性組成物を対象に投与して、免疫応答を導出する。投薬量は、年齢および体重等、個体の具体的な条件に応じて変動し得る。この量は、当業者に公知の手段により、日常的検査で決定することができる。
【0293】
一実施形態において、本発明の免疫原性組成物が投与された患者は、S.アガラクティエ(S.agalactiae)保菌率の低減を示す。免疫原性組成物の投与後の、そのような保菌の低減または非保菌者として過ごした時間間隔の延長は、医療ニーズの視点から有意である。例えば、保菌者におけるS.アガラクティエ(S.agalactiae)保菌全体の低減は、本発明の免疫原性組成物の1回用量後に評定され得る。例えば、免疫原性組成物の投与1日前に、18~50歳の成人の群を、鼻、喉、腋窩、直腸、会陰および膣スワブによって保菌についてスクリーニングし、続いて、培養して、保菌状態を決定することができる。次に、その群に本発明の免疫原性組成物を投与し、ある群には対照を受けさせることができる。免疫原性組成物の投与後、鼻、喉、腋窩、直腸、会陰および膣スワブを12週間にわたって毎週および最大6カ月間毎月実行し、プラシーボと比較する。1つのプライマリーエンドポイントは、免疫原性組成物の投与後の患者における保菌率を、免疫化後3カ月の間隔でプラシーボと比較することである。
【0294】
抗体
「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して、標的、例えば、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチド等と特異的結合することができる、免疫グロブリン分子である。本明細書において使用される場合、文脈上別段の指示がない限り、該用語は、無傷のポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけでなく、操作された抗体(例えば、エフェクター機能、安定性および他の生物学的活性を改変するために、キメラ、ヒト化および/または誘導体化されたもの)およびその断片(Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv等)、単鎖(ScFv)ならびにサメおよびラクダ抗体を包含するドメイン抗体)、および抗体部分を含む融合タンパク質、多価抗体、多重特異性抗体(例えば、それらが所望の生物学的活性を呈する限り、二重特異性抗体)および本明細書において記述されている通りの抗体断片、ならびに抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の修飾された配置を網羅することも意図されている。抗体は、任意のクラス、例えば、IgG、IgAまたはIgM等(またはそれらのサブクラス)の抗体を包含し、抗体は、任意の特定のクラスのものである必要はない。その重鎖の定常ドメインの抗体のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンを異なるクラスに割り当
てることができる。5つの主要なクラスの免疫グロブリン:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMがあり、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、ヒトにおいてはIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2にさらに分けられてよい。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマおよびミューと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元配置は周知である。
【0295】
「抗体断片」は、無傷の抗体の一部分のみを含み、該部分は、好ましくは、無傷の抗体中に存在する場合、その部分に通例関連する機能のうちの少なくとも1つ、好ましくはほとんどまたはすべてを保持している。
【0296】
抗体の「機能的活性」または「機能的抗体」は、本明細書において使用される場合、最低でも抗原と特異的に結合することができる抗体を指す。追加の機能は当技術分野において公知であり、オプソニン化、ADCCまたは補体媒介性細胞毒性を介するもの等、病原体のクリアランスまたは死滅を達成する免疫系の追加の成分を包含し得る。抗原結合後、その後のあらゆる抗体機能は、抗体のFc領域を介して媒介され得る。抗体オプソニン食作用アッセイ(OPA)は、エフェクター細胞(白血球)による細菌のインビトロIg補体補助死滅を測定するように設計されたインビトロアッセイであり、故に、生物学的プロセスを模倣している。抗体結合は、それが結合している抗原の生物学的機能を直接的に阻害する場合もある。一部の実施形態において、「機能的抗体」は、動物効力モデルにおける細菌の死滅または抗体が細菌を死滅させることを実証するオプソニン食作用死滅アッセイによって測定した場合に機能的である抗体を指す。
【0297】
一態様において、本発明は、本明細書において記述されている多糖と特異的に結合する単離された抗体またはその断片に関する。「単離された」抗体は、本明細書において使用される場合、その自然環境の成分から同定され、分離および/または回収された抗体を指す。その自然環境の汚染成分は、抗体の診断的または治療的使用に干渉し、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を包含し得る材料である。例示的な実施形態において、抗体は、(1)ローリー法によって決定された際に、95重量%の抗体、最も好ましくは99重量%超まで、(2)スピニングカップシークエネーターの使用によってN-末端もしくは内部アミノ酸配列の少なくとも15の残基を取得するのに十分な程度まで、または(3)クマシーブルーもしくは好ましくは銀染色を使用する還元もしくは非還元条件下でのSDS-PAGEにより均質まで、精製されることになる。単離された抗体は、抗体の自然環境のうちの少なくとも1つの成分が存在しないと予想されることから、組換え細胞内にインサイチュで抗体を包含する。しかしながら、通常、単離された抗体は、少なくとも1つの精製ステップによって調製されることになる。
【0298】
特定の多糖また特定の多糖上のエピトープ「と特異的に結合している」または「に特異的な」抗体は、いかなる他の多糖または多糖エピトープとも特異的に結合することなく、特定の多糖または特定の多糖上のエピトープと結合しているものである。
【0299】
「標識」という語は、本明細書において使用される場合、「標識」抗体を産生するように抗体と直接的にまたは間接的にコンジュゲートしている、検出可能な化合物または組成物を指す。標識は、それ自体が検出可能であってもよいし(例えば、放射性同位体標識または蛍光標識)、酵素標識の場合、検出可能である基質化合物または組成物の化学的改変を触媒していてもよい。
【0300】
本発明は、本発明の免疫原性組成物の1つまたは複数の抗原と特異的にかつ選択的に結合している抗体および抗体組成物をさらに提供する。一部の実施形態において、抗体は、本発明の免疫原性組成物の対象への投与時に産生される。一部の実施形態において、本発
明は、本発明の免疫原性組成物の抗原のうちの1つまたは複数に向けられた精製または単離された抗体を提供する。一部の実施形態において、本発明の抗体は、いずれかの動物効力モデルにおいて細菌を死滅させることによってまたはオプソニン食作用死滅アッセイを介して測定した場合、機能的である。一部の実施形態において、本発明の抗体は、対象に受動免疫を付与する。本発明はさらに、本発明の抗体または抗体断片をコードするポリヌクレオチド分子、ならびに、当業者に周知の技術を使用して本発明の抗体または抗体組成物を生成する細胞または細胞株(ハイブリドーマ細胞または抗体の組換え生成のための他の操作された細胞株等)およびトランスジェニック動物を提供する。
【0301】
本発明の抗体または抗体組成物は、対象においてS.アガラクティエ(S.agalactiae)に関連するレンサ球菌感染、疾患または状態を治療するまたは予防する方法であって、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体調製物を産生するステップと、前記抗体または抗体組成物を使用して、対象に受動免疫を付与するステップとを含む方法において使用され得る。本発明の抗体は、診断方法、例えば、本発明の免疫原性組成物の1つまたは複数の抗原の存在を検出することまたはそのレベルを定量化することにも有用となり得る。
【0302】
本発明の多糖等の繰り返し構造に対する抗体応答は、いくつかの独自の特色を呈し得る。例えば、繰り返し単位の規則性は、非常に様々な分子量の抗原分子が、多糖に対して特異的な抗体と結合できることを意味し得る。より長い多糖の第二の繰り返し構造は、T細胞非依存性抗体応答を誘発することができる。したがって、T細胞ヘルパーエピトープを有するタンパク質担体とコンジュゲートしている多糖を使用する場合、T細胞非依存性およびT細胞依存性抗体応答の両方を刺激することができる。したがって、免疫応答は、多糖サイズの適切な選択によって、担体タンパク質が使用されるか否かにかかわらず、修飾することができる。
【0303】
ポリクローナル抗体
ある特定の実施形態において、抗多糖抗体は、ポリクローナル抗体である。本明細書において定義されている通りのポリクローナル抗体は、血清の調製物に由来し、かつ異なるB細胞クローンを起源とする異なる特異性を有する抗体の混合物を指す。ポリクローナル抗体の調製および特徴付けは、当技術分野において公知である。
【0304】
ポリクローナル抗体は、免疫原または本明細書において記述されている免疫原性組成物の1または複数回の注射、ならびに、所望ならば、アジュバント、緩衝剤および/または希釈剤を投与することによって、対象において、例えば哺乳動物において育てられる。ある範囲の動物種が、特異的抗血清の生成に有用となり得る。典型的には、抗糖ポリクローナル抗血清の生成に使用される動物は、非ヒト霊長類、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、マウス、ラット、ハムスターまたはモルモットである。典型的には、免疫原または免疫原性組成物は、アジュバントを加えてまたは加えずに、複数回の注射によって哺乳動物に注射される。免疫原性材料は、多糖、オリゴ糖、多糖、本明細書において記述されている多糖-タンパク質コンジュゲート、または免疫原のより大きい集合体を包含し得る。典型的には、初回免疫化後初めの2~6週間、免疫化された動物から血液を収集し、凝固させ、血清を採取する。血清は、免疫化された動物由来の抗糖ポリクローナル抗体を含有し、多くの場合、抗血清と称される。
【0305】
モノクローナル抗体
抗糖モノクローナル抗体は、公知のハイブリドーマ技術の使用を介して調製され得る。典型的には、モノクローナル抗体を調製することは、多糖、オリゴ糖、多糖または本発明の多糖-タンパク質コンジュゲートを含む選択された免疫原で、好適な標的動物宿主を最初に免疫化することを伴う。所望ならば、アジュバント、緩衝剤および/または希釈剤が
包含されてもよい。免疫化は、多糖またはそのコンジュゲートと特異的に結合している抗体を生成するまたは発現するようにBリンパ球を導くために十分な様式で行われる。代替として、リンパ球はインビトロで免疫化される。
【0306】
次いで、リンパ球を、ポリエチレングリコール等の好適な融合剤を使用して不死化細胞株と融合して、ハイブリドーマ細胞を形成する。リンパ球の起源は、モノクローナル抗体がヒトまたは動物起源のいずれであるかを決定する。概して、末梢血リンパ球(「PBL」)は、ヒト起源の抗体および細胞が所望される場合に使用され、脾臓細胞またはリンパ節細胞は、非ヒト哺乳動物起源が所望される場合に使用される。
【0307】
不死化細胞株は、典型的には、形質転換された哺乳動物細胞、特に、げっ歯類、ウシおよびヒト起源の骨髄腫細胞である。通常は、ラットまたはマウス骨髄腫細胞株が用いられる。ハイブリドーマ細胞は、融合していない不死化細胞の成長または生存を阻害する1つまたは複数の物質を好ましくは含有する好適な培養培地中で培養される。例えば、親細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠いている場合、ハイブリドーマ用の培養培地は、典型的には、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジン(「HAT培地」)を包含することになり、この物質は、HGPRT欠損細胞の成長を防止する。
【0308】
不死化細胞株は、起源、融合および成長特徴の種等の実施上の配慮点で選択される。例えば、好適な不死化細胞株は、効率的に融合し、選択された抗体生成細胞によって抗体の安定した高レベルの発現を支持し、HAT培地等の培地に感受性であるものである。不死化細胞株の例は、ネズミ骨髄腫株を包含する。ヒト骨髄腫およびマウス-ヒトヘテロミエローマ細胞株も、ヒトモノクローナル抗体の生成について記述されている。
【0309】
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ細胞によって培養培地中に分泌される。次いで、培養培地を、多糖を認識し結合するモノクローナル抗体の存在についてアッセイする。ハイブリドーマ細胞によって生成される特定のモノクローナル抗体の抗多糖結合特異性は、当業者に周知である多数の手順のうちの1つによって決定される。例えば、抗体結合特異性は、免疫沈降、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ウエスタンブロット、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)または表面プラズモン共鳴(例えば、ビアコア)によって決定され得る。モノクローナル抗体によって認識された正確なエピトープは、エピトープマッピングによって決定される。そのような技術およびアッセイは、当技術分野において周知である。
【0310】
所望の特異性を持つハイブリドーマ細胞生成抗体が同定された後、クローンを限界希釈によってサブクローン化し、標準的な方法を使用して培養する。この目的に好適な培養培地は、例えば、ダルベッコ変法イーグル培地およびRPMI-1640培地を包含する。代替として、ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物における腹水のようにインビボで成長する。サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体を、従来の免疫グロブリン精製手順、例えば、タンパク質Aセファロース、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析または親和性クロマトグラフィー等によって、培養培地または腹水液から単離し、精製する。
【0311】
代替として、所望の特異性を有する、所望の種の起源由来の抗体は、ファージディスプレイライブラリーの使用を介して取得することができる。加えて、抗体ディスプレイライブラリーを産生しスクリーニングする際に使用するのに特に適している方法および試薬の例は、当技術分野において見ることができる。
【0312】
抗体の使用
一態様において、本発明は、GBS抗体および/または抗体断片を生成するための、本明細書において記述されている免疫原性組成物の使用に関する。本明細書において記述されている多糖-タンパク質コンジュゲートおよび/またはそれから産生された抗体は、ELISAおよびマイクロアレイ関連技術を包含する当業者に公知の様々な免疫診断技術において使用され得る。加えて、これらの試薬は、例えば、免疫原性多糖コンジュゲートに対する血清抗体レベルを含む抗体応答を評価するために使用され得る。本発明のアッセイ方法論は、蛍光、化学発光、放射性、酵素標識もしくは染料分子等の標識、ならびに/または生物学的試料中の抗原もしくは抗体および固体支持体と結合している対応する抗体もしくは抗原の間の複合体の直接的または間接的検出のための二次免疫学的試薬の使用を伴い得る。
【0313】
生成された抗体または抗体断片は、受動免疫療法において、またはレンサ球菌感染に対する予防のためにも有用であり得る。
【0314】
多糖を生成する方法
また別の態様において、本発明は、本明細書において記述されている多糖を生成するための方法に関する。方法は、GBSを培養するステップと、細菌によって生成された多糖を収集するステップとを包含する。一実施形態において、GBSは、S.アガラクティエ(S.agalactiae)を包含する。細菌は、S.アガラクティエ(S.agalactiae)の任意の株であってもよい。好ましい実施形態において、細菌は、S.アガラクティエ(S.agalactiae)の被包性株である。本発明において使用するためのS.アガラクティエ(S.agalactiae)株は、090、A909(ATCC受託番号BAA-1138)、515(ATCC受託番号BAA-1177)、B523、CJB524、MB4052(ATCC受託番号31574)、H36B(ATCC受託番号12401)、S40、S42、MB4053(ATCC受託番号31575)、M709、133、7357、PFEGBST0267、MB4055(ATCC受託番号31576)、18RS21(ATCC受託番号BAA-1175)、S16、S20、V8(ATCC受託番号12973)、DK21、DK23、UAB、5401、PFEGBST0708、MB4082(ATCC受託番号31577)、M132、110、M781(ATCC受託番号BAA-22)、D136C(3)(ATCC受託番号12403)、M782、S23、120、MB4316(M-732;ATCC受託番号31475)、M132、K79、COH1(ATCC受託番号BAA-1176)、PFEGBST0563、3139(ATCC受託番号49446)、CZ-NI-016、PFEGBST0961、1169-NT1、CJB111(ATCC受託番号BAA-23)、CJB112、2603V/R(ATCC受託番号BAA-611)、NCTC10/81、CJ11、PFEGBST0837、118754、114852、114862、114866、118775、B4589、B4645、SS1214、CZ-PW-119、7271、CZ-PW-045、JM9130013、JM9130672、IT-NI-016、IT-PW-62、およびIT-PW-64を包含する。
【0315】
本明細書において記述されている多糖は、GBSを適切な培地中で培養することによって生成され得る。適切な培地は、コロンビアブロスを包含し得る。培地は、デキストロース、ヘミンおよび/またはグルコースを包含し得る。好ましくは、培地は、コロンビアブロスおよびデキストロースを包含する。S.アガラクティエ(S.agalactiae)がコロンビアブロスおよびデキストロースを使用して培養される場合、好ましくは、培養のための温度は、20から40℃、好ましくは37℃である。好ましい実施形態において、細菌は、好気条件下で培養される。別の好ましい実施形態において、細菌は、12から60時間にわたって培養される。
【0316】
多糖は、培養物から標的物質を収集するための当業者において公知の方法、例えば、加熱、酵素処理、遠心分離、沈殿、活性炭による処理、および/または濾過等を使用することにより、取得された培養物から収集され得る(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、同第2006/0228381号、同第2007/0184071号、同第2007/0184072号、同第2007/0231340号および同第2008/0102498号;国際特許出願公開第WO2008/118752号を参照)。一実施形態において、細菌および多糖を含有する培養物を遠心分離し、酵素、例えば、リゾチーム、RNアーゼ、DNアーゼ、プロナーゼ、ムタノリシン、およびそれらの混合物等で処理する。例えば、一実施形態において、取得された上清に適切な有機溶媒を添加して、タンパク質を沈殿させ、沈殿物を遠心分離によって除去する。次いで、上清に適切な有機溶媒をさらに添加することによって多糖を沈殿させてよく、遠心分離によって多糖を収集してよい。より具体的には、本明細書において記述されている多糖は、エタノールを、約25体積%の最終濃度で、細菌が除去された上清に添加し、タンパク質を含有する沈殿を遠心分離によって除去し、それにエタノールを約75体積%の最終濃度までさらに添加し、次いで、遠心分離によって沈殿物を収集することによって取得され得る。得られた沈殿物を、窒素で乾燥させてよい。得られた沈殿物を、トリスおよび0.05%アジ化Naに再懸濁してよい。
【0317】
本発明のさらなる態様は、N-およびO-アセチル基を保存しながら、ほぼ無傷の高分子量CPの単離のために誘導体化ヒドロキシルアミン化合物等の有機試薬を使用する新規方法を提供する。この方法は、細胞を溶菌しないため、遠心分離によって単離されたCPは、細胞内成分による汚染が最小限であり、より高い全収率につながり得る。その上、これらの試薬は、その複数のホスホジエステル結合により、B群抗原不純物を非常に小さい断片に開裂し、これは、血液透析濾過によって簡単に除去することができる。
【0318】
一実施形態において、CPは、ヒドロキシルアミンを、莢膜多糖生産菌を含む細胞ペーストと反応させることによって単離される。特定の実施形態において、方法は、遠心分離するステップをさらに含む。別の実施形態において、方法は、濾過するステップをさらに含む。また別の実施形態において、莢膜多糖生産菌は、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、大腸菌(Escherichia coli)、チフス菌(Salmonella
typhi)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)および大便レンサ球菌(Enterococcus faecalis)からなる群から選択される。
【0319】
本発明のある態様において、ヒドロキシルアミンは、実施例2の表2に収載されたものであってもよい。好ましい実施形態において、ヒドロキシルアミンは、ジベンジルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、1,1,4,7,10,10ヘキサメチルトリエチレンテトラミンおよび2,6,10,トリメチル2,6,10トリアザウンデカンからなる群から選択される。
【0320】
本発明の一態様において、ヒドロキシルアミンの濃度は、約5mMから約200mM、例えば、約5mMから約150mM、約5mMから約100mM、約5mMから約75mM、約5mMから約50mM、約5mMから約25mM、約5mMから約10mM、10mMから約200mM、例えば、約10mMから約150mM、約10mMから約100mM、約10mMから約75mM、約10mMから約50mM、約10mMから約25m
M、約25mMから約200mM、約25mMから約150mM、約25mMから約100mM、約25mMから約75mM、約25mMから約50mM、約50mMから約200mM、約50mMから約150mM、50mMから約100mMおよび約50mMから約75mM等である。
【0321】
別の態様において、反応のpHは、約5.5から約9.5、例えば、約5.5から約9.0、約5.5から約8.5、約5.5から約8.0、約5.5から約7.5、約5.5から約7.0、約5.5から約6.5、約6.0から約9.5、約6.0から約9.0、約6.0から約8.5、約6.0から約8.0、約6.0から約7.5、約6.0から約7.0、約6.5から約9.5、約6.5から約8.5、約6.5から約8.0、約6.5から約7.5、約7.0から約9.5、約7.0から約9.0、7.0から約8.5および約7.0から約8.0等に維持される。
【0322】
本発明のさらなる態様において、反応は、約20℃から約85℃、例えば、約20℃から約80℃、約20℃から約75℃、約20℃から約70℃、約20℃から約65℃、約20℃から約60℃、約20℃から約55℃、約20℃から約50℃、約25℃から約85℃、約25℃から約80℃、約25℃から約75℃、約25℃から約70℃、約25℃から約65℃、約25℃から約60℃、約25℃から約55℃、約25℃から約50℃、約30℃から約85℃、約30℃から約80℃、約30℃から約75℃、約30℃から約70℃、約30℃から約65℃、約30℃から約60℃、約30℃から約55℃、約30℃から約50℃、約35℃から約85℃、約35℃から約80℃、約35℃から約75℃、約35℃から約70℃、約35℃から約65℃、約35℃から約60℃、約35℃から約55℃、約40℃から約85℃、約40℃から約80℃、約40℃から約75℃、約40℃から約70℃、約40℃から約65℃、約40℃から約60℃、約45℃から約85℃、約45℃から約80℃、約45℃から約75℃、約45℃から約70℃、約45℃から約65℃、約50℃から約85℃、約50℃から約80℃、約50℃から約75℃、約50℃から約70℃、約55℃から約85℃、約55℃から約80℃、約55℃から約75℃、約60℃から約85℃および約65℃から約85℃等の温度で起こる。
【0323】
また別の態様において、反応時間は、約10時間から約90時間、例えば、約10時間から約85時間、約10時間から約80時間、約10時間から約75時間、約10時間から約70時間、約10時間から約60時間、約10時間から約50時間、約10時間から約40時間、約10時間から約30時間、約10時間から約25時間、約10時間から約20時間、約10時間から約15時間、約15時間から約90時間、約15時間から約85時間、約15時間から約80時間、約15時間から約75時間、約15時間から約70時間、約15時間から約60時間、約15時間から約50時間、約15時間から約40時間、約15時間から約30時間、15時間から約20時間、例えば、約20時間から約90時間、約20時間から約85時間、約20時間から約80時間、約20時間から約75時間、約20時間から約70時間、約20時間から約60時間、約20時間から約50時間、約20時間から約40時間、約20時間から約30時間および約20時間から約25時間等である。
【0324】
代替として、本発明の別の実施形態において、多糖は、化学的に合成される。多糖は、従来の方法に従って、化学的に合成され得る。
【0325】
本発明のまた別の実施形態において、多糖は、多糖を生成するための生合成経路をクローン化し発現した後、代理宿主における発現によって調製される。例えば、宿主細胞は、本明細書において記述されている多糖と構造的類似性を有する多糖を生成するように修飾されてよく、宿主細胞において生成された多糖の繰り返し単位は、本明細書において記述されている多糖の繰り返し単位と部分的に同一である。多糖は、本明細書において記述さ
れている多糖と構造的に同様であり、例えば、多糖の繰り返し単位が不明の分枝を有するならば、本明細書において記述されている多糖の繰り返し単位と比較した場合に、サイズが不均一であり、かつ/または分枝配置が不均一である。好ましくは、宿主細胞は、細菌宿主細胞である。
【実施例】
【0326】
下記の例は、本発明の一部の実施形態を実証するものである。しかしながら、これらの例は、例証のみのためのものであり、本発明の条件および範囲について完全に決定的であることを主張するものではないことを理解されたい。典型的な反応条件(例えば、温度、反応時間等)が与えられている場合、概してあまり好都合ではないが、指定された範囲の上下両方の条件も使用できることを理解すべきである。本明細書において言及されるすべての部およびパーセントは、重量ベースであり、すべての温度は、別段の定めがない限り、摂氏度で表現される。
【0327】
さらに、下記の例は、別途詳細に記述されている場合を除き、当業者に周知かつ日常的である標準的な技術を使用して行った。上記で注記した通り、下記の例は、例証を目的として提示されるものであり、本発明の範囲をいかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。
【0328】
(実施例1)
O-脱アセチル化されている多糖を用いる多糖-タンパク質コンジュゲートの調製
それぞれの血清型についてのS.アガラクティエ(S.agalactiae)株を、限定培地中、pH制御した深部培養において発酵させた。使用した手順および培地は、実験を介して最適化したものであり、von Hunolstein,C.ら、Appl.Micro.Biotech.38(4):458~462(1993)において以前に記述された基本技術の拡張であった。莢膜多糖を、NaOH処理によって細胞から除去した。浄化後、一連のUF/DF、沈殿および炭素濾過ステップにより、精製された多糖を生じさせた。例えば、米国特許第8,652,480号を参照されたい。還元的アミノ化化学を使用して、活性化多糖をCRM197とコンジュゲートさせた。例えば、米国特許第5,360,897号を参照されたい。
【0329】
(実施例2)
O-アセチル化されている多糖の単離
発酵ブロス(1.2L)の熱での死滅および遠心分離後に取得されたGBS莢膜多糖(CP)血清型Ia由来の細胞ペーストを、175mLの25mMリン酸カリウム緩衝剤(25mM、pH6.9)に再懸濁した。懸濁液を、10mMの最終濃度まで、ヒドロキシルアミンO-スルホン酸水溶液と混合した。懸濁液のpHは、約5.8であると決定された。懸濁液を、55℃で72時間にわたって撹拌した。その後、懸濁液を10,000rpm前後で遠心分離し、上清を収集した。粗製開裂CPを含有する上清を、分子量および収率について分析した。残りの部分を、注射用水(WFI)を使用する30kDaのMWCO膜を使用して、血液透析濾過による精製に供した。精製された多糖を、多角度光散乱検出器と組み合わせたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC-MALS)によって、分子量についてさらに分析した(表1)。
【0330】
【0331】
いくつかのヒドロキシルアミン、窒素および酸素置換両方の化合物を、上述した方法を使用してそれらの活性についてスクリーニングした。収率は、屈折率(RI)応答および0.135の具体的な屈折率増分(dn/dc)の二乗値を使用する粗製上清の多角度光散乱検出と組み合わせたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC-MALS)によって算出した。収率は、ヒドロキシルアミンの種類、ならびに濃度、温度および反応時間等の条件の最適化によって決まった(表2を参照)。概して、ヒドロキシルアミン濃度の増大、より高い温度およびより長い反応時間は、より高収率につながる。
【0332】
【0333】
【0334】
【0335】
【0336】
置換および非置換ヒドロキシルアミンは、細胞壁からGBS莢膜多糖を放出する際に非常に有効であることが分かった。このアプローチは、高分子量CPSの単離をN-およびO-アセチル基の保存とともにもたらす。スクリーニングしたいくつかの化合物の中でも、ジベンジルヒドロキシルアミンが最も有効であることが分かった。データを表3に示す([ジベンジルヒドロキシルアミン]- 50mM;ph- 7~8;温度- 50℃;時間- 24時間)。
【0337】
【0338】
ジベンジルヒドロキシルアミンは水への溶解度が不十分であるため、ジベンジルヒドロキシルアミンよりも自由に水溶性であり、同様のまたはより高い活性を有する、ヒドロキシルアミンの代替的な誘導体が所望される。少数の化合物をスクリーニングした後、ジエチルヒドロキシルアミンが良好な代替物であることが分かった。データを表4に示す([
ジエチルヒドロキシルアミン]- 100mM;pH- 7~8;温度- 60℃;時間- 19時間)。
【0339】
【0340】
ヒドロキシルアミン(NH2-OH)も、細胞壁からのCPS開裂において有効であることが分かった。データを表5に示す([ヒドロキシルアミン]- 100mM;pH-
7~7.5;温度- 65℃;時間- 17時間)。血清型IIIについて、収率は、17時間後には54%であったが、収率は、3日半後には最大70%まで増大した。
【0341】
【0342】
細胞からのGBS莢膜多糖の放出についてのオリゴアミンのスクリーニング ヒドロキシルアミンおよびその置換化合物は、GBS細胞壁からの莢膜多糖の開裂に非常に効率的であることが分かった。しかしながら、これらは、血清型IIおよびVについてはあまり効率的でないことが分かった。したがって、オリゴアミンを、複数のアミン官能基によってより活性になり得るという確信により試験した。
【0343】
エチレンジアミンは、すべての血清型から莢膜多糖を放出する際に有効であることが分かった。データを表6に示す([エチレンジアミン]- 50または100mM;pH8.0;16時間;80℃;25mM EDTA)。
【0344】
【0345】
他の代表的なオリゴアミンを、血清型IaおよびV細胞ペーストを使用してそれらの活性について試験したが、同じく血清型Vについてはあまり効率的でないことが分かった。データを表7([トリエチレンテトラミン]- 100mM;pH- 8.9;温度- 60℃;時間- 15時間)、8([1,1,4,7,10,10ヘキサメチルトリエチレンテトラミン]- 10mM;pH- 6.3;温度- 60℃;時間- 20時間)、および9([2,6,10,トリメチル2,6,10トリアザウンデカン]- 10mM;pH- 7~8;温度- 60℃;時間- 19時間)に示す。
【0346】
【0347】
【0348】
【0349】
(実施例3)
還元的アミノ化によるGBS莢膜多糖のコンジュゲーション多糖を活性化する
多糖酸化は、100mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.0±0.5)中、計算量の500mMリン酸カリウム緩衝剤(pH6.0)および注射用水(WFI)の順次添加によって行い、2.0g/Lの最終多糖濃度を得た。必要ならば、反応pHを、およそpH6.0に調整した。pH調整後、反応温度を23℃に調整した。酸化は、およそ0.25モル当量の過ヨウ素酸ナトリウムの添加によって開始した。酸化反応は、およそ16時間の間、5±3℃で実行した。
【0350】
活性化多糖の濃縮および血液透析濾過は、5K MWCO限外濾過カセットを使用して行った。血液透析濾過は、20倍ダイアボリュームのWFIに対して実行した。次いで、精製された活性化多糖を、5±3℃で貯蔵した。精製された活性化糖を、とりわけ、(i)比色アッセイによる糖濃度、(ii)比色アッセイによるアルデヒド濃度、(iii)酸化度、および(iv)SEC-MALLSによる分子量によって、特徴付ける。
【0351】
活性化多糖の酸化度(DO=砂糖繰り返し単位のモル数/アルデヒドのモル数)は、次
のように決定された:
【0352】
砂糖繰り返し単位のモル数は、種々の比色法によって、例えば、アンスロン法を使用することによって決定される。アンスロン法により、多糖は、硫酸および熱の作用によって最初に単糖に解体される。アンスロン試薬は、ヘキソースと反応して、黄緑色の複合体を形成し、その吸光度を625nmにおいて分光光度的に読み取る。アッセイの範囲内で、吸光度は、存在するヘキソースの量に正比例している。
【0353】
アルデヒドのモル数も、MBTH比色法を使用して同時に決定される。MBTHアッセイは、アルデヒド基(所与の試料由来)を3-メチル-2-ベンゾチアゾロンヒドラゾン(MBTHアッセイ試薬)と反応させることによる、アジン化合物の形成を伴う。過剰な3-メチル-2-ベンゾチアゾロンヒドラゾンが酸化して、反応性カチオンを形成する。反応性カチオンおよびアジンが反応して、青色発色団を形成する。次いで、形成された発色団を、650nmにて分光的に読み取る。
【0354】
活性化多糖をスクロース賦形剤と配合し、凍結乾燥する
活性化多糖をスクロースと、活性化多糖1グラム当たり25グラムのスクロースの比まで配合した。次いで、配合された混合物のボトルを凍結乾燥した。凍結乾燥後、凍結乾燥した活性化多糖を含有するボトルを、-20±5℃で貯蔵した。計算量のCRM197タンパク質をシェル冷凍し、別個に凍結乾燥した。凍結乾燥したCRM197を、-20±5℃で貯蔵した。
【0355】
凍結乾燥した活性化多糖および担体タンパク質を再溶解する
凍結乾燥した活性化多糖を、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)中で再溶解した。多糖が完全溶解したら、等量の無水DMSOを、凍結乾燥したCRM197に、再溶解のために添加した。
【0356】
コンジュゲートし、キャップする
再溶解された活性化多糖を、再溶解されたCRM197と反応容器中で合わせ、続いて、徹底的に混合して、透明溶液を取得した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウムとのコンジュゲーションを開始した。反応溶液中における最終多糖濃度は、およそ1g/Lであった。コンジュゲーションは、1.0~1.5MEqのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを反応混合物に添加し、23±2℃で20~48時間にわたってインキュベートすることによって開始した。コンジュゲーション反応は、2MEqの水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)を添加して、未反応のアルデヒドをキャップすることにより、終了させた。このキャッピング反応を、23±2℃で3±1時間にわたって続けた。
【0357】
コンジュゲートを精製する
コンジュゲート溶液を、100~300KのMWCO膜を使用するタンジェント流濾過による精製のために、調製物中、冷やした5mMコハク酸塩-0.9%生理食塩水(pH6.0)で1:10に希釈した。
【0358】
希釈したコンジュゲート溶液を、5μmのフィルターに通過させ、5mMコハク酸塩/0.9%生理食塩水(pH6.0)を媒体として使用して、血液透析濾過を実行した。血液透析濾過が完了した後、コンジュゲート濃縮液を、0.22μmのフィルターを介して移した。コンジュゲートを、5mMコハク酸塩/0.9%生理食塩水(pH6)でさらに希釈して、およそ0.5mg/mLの標的糖濃度とした。代替として、コンジュゲートを、100~300KのMWCO膜を使用するタンジェント流濾過により、20mMヒスチジン-0.9%生理食塩水(pH6.5)を使用して精製した。最終0.22μm濾過ステップを完了させて、免疫原性コンジュゲートを取得した。
【0359】
(実施例4)
GBS多糖-CRM197コンジュゲートに対する様々なコンジュゲーション条件の効果
GBS血清型Ia、Ib、II、III、IVおよびVコンジュゲートは、試薬のための溶媒(水性媒体対DMSO)、初期多糖中における様々なレベルのシアル酸、および酸化度/糖エピトープ修飾を包含する、過ヨウ素酸酸化/還元的アミノ化化学(PO/RAC)条件を故意に変動させることによって産生された。概して、DMSOを溶媒として使用して生成されたコンジュゲートは、水性媒体を使用して生成されたコンジュゲートよりも、低レベルの未反応の(遊離)多糖、より高いコンジュゲート分子量およびより高い糖/タンパク質比を有することが分かった。
【0360】
低レベルの未反応の(遊離)多糖を持つコンジュゲートを生成するコンジュゲーションプロセスは、有利であり、好ましい。高レベルの未反応の(遊離)多糖は、多糖-タンパク質コンジュゲートによって産生されたT細胞依存性応答を希釈する可能性を有する過度のT細胞非依存性免疫応答を引き起こし得、それにより、コンジュゲートによって産生される免疫原性応答を低下させることが周知である。
【0361】
選択されたGBS多糖を、当技術分野において公知の方法によって化学的に脱シアルし(Chaffin,D.Oら、J Bacteriol 187(13):4615~4626(2005)を参照)、コンジュゲート変異体を産生して、免疫原性に対する脱シアル化%の影響を決定した。約40%超の脱シアル化(すなわち、シアル酸レベル約60%未満)は、免疫原性に対して悪影響を及ぼした。
【0362】
同様に、ほとんどの場合において、約5未満の酸化度、または約20%超の糖エピトープ修飾は、免疫原性に対して悪影響を及ぼした。酸化は莢膜多糖上のシアル酸を介して発生するため、結果は、約20%超の糖エピトープ修飾がシアル酸含有量を低減させ、これが免疫原性の低減をもたらすことを示しているように見える。
【0363】
逆に、様々な糖/タンパク質比または多糖分子量を有するコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性応答を生成し、これらの属性に関して比較的広範囲の受容基準を示した。
【0364】
追加のコンジュゲート変異体は、代替的な化学経路を使用しても産生された。1つの代替的な化学は、多糖をカルボニルジトリアゾール(CDT)と反応させることによりコンジュゲートを産生すること、およびDMSO中でコンジュゲーション反応を行うことを包含していた。別の代替的な化学において、コンジュゲートは、(過ヨウ素酸ナトリウムの代わりに)TEMPO[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシル]試薬を使用する多糖の酸化、続いて、DMSO中の還元的アミノ化化学(TEMPO/RAC)を使用するコンジュゲーションにより、上記の実施例3において詳述した通りに産生された。これらの代替的な化学によって産生されたすべてのコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であることが実証され、PO/RAC以外の代替的な化学経路の適合性を示していた。しかしながら、一部のコンジュゲーション化学は、他のものよりも、一部の血清型を用いて、より良好に実行された。
【0365】
OPAは、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)分離株をB群レンサ球菌分離株で代用し、前オプソニン化ステップを省略して、Nanra,J.S.ら、Hum.Vaccin.Immunother.、9(3):480~487(2013)のように実行した。用量3後(PD3)のOPA力価は、それぞれのコンジュゲートの各用量において1mcg/mlにより免疫化された10~20匹のマウスの群からの幾何平均として提供される。
【0366】
GBS血清型Ia多糖-CRM197コンジュゲート
PO/RACおよび16~17のDO(およそ6%の糖エピトープ修飾)を有する活性化多糖を使用して産生されたコンジュゲートは、免疫原性であると実証された(コンジュゲート1および3)。しかしながら、5.4のDO(およそ19%の糖エピトープ修飾)を有する活性化多糖を使用することは、免疫原性に対して悪影響を及ぼした(コンジュゲート2)。同様に、50%のシアル酸レベルは、免疫原性応答をほとんど生成しなかった(コンジュゲート4)。結果を表10に示す。
【0367】
【0368】
追加のコンジュゲート変異体は、代替的なコンジュゲーション化学およびコンジュゲート分子属性を使用して産生した(結果を表11に示す)。コンジュゲート5は、多糖をカルボニルジトリアゾール(CDT)と反応させることにより産生され、コンジュゲーション反応は、DMSO中で行った。コンジュゲート6は、(過ヨウ素酸ナトリウムの代わりに)TEMPO試薬を使用する多糖の酸化、続いて、DMSO中の還元的アミノ化化学を使用するコンジュゲーションにより、上記の実施例3において詳述した通りに産生された。コンジュゲート7は、PO/RACおよびコンジュゲーションパラメーターを故意に変動させて高い糖/タンパク質比(SPR)を持つコンジュゲートを生成することにより、産生された。コンジュゲート8は、低MW(40kDa)を有する多糖を使用するPO/RACによって産生された。これらすべてのコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であることが実証され、過ヨウ素酸酸化/還元的アミノ化化学以外の代替的なコンジュゲーション化学の適合性、ならびに初期多糖のSPRおよび低MW等の代替的なコンジュゲート属性を示していた。
【0369】
【0370】
GBS血清型Ib多糖-CRM197コンジュゲート
DMSO中においてPO/RACおよび15.8のDO(およそ6%の糖エピトープ修飾)を有する活性化多糖を使用して産生されたコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であると実証された(コンジュゲート9および11)。DMSO中のPO/RACによって産生されたコンジュゲートは、他のすべてのコンジュゲート分子属性が同じである場合、水性媒体中のPO/RACによって産生されたコンジュゲートよりもわずかに免疫原性であった(それぞれ、コンジュゲート9および11)。しかしながら、4.7のDO(およそ21%の糖エピトープ修飾)を有する活性化多糖を使用することは、免疫原性に悪影響を及ぼした(コンジュゲート10)。免疫原性は、ほぼ完全に消失し、PO/RACおよび95%脱シアル化(5%のシアル酸レベル)多糖を使用して産生されたコンジュゲートにおいて、応答するものは非常に少数であった(コンジュゲート12)。結果を表12に示す。
【0371】
【0372】
追加のコンジュゲート変異体は、代替的なコンジュゲーション化学およびコンジュゲート分子属性を使用して産生した(結果を表13に示す)。コンジュゲート13は、初期多糖において低シアル化(65%)を有する多糖を使用するPO/RACによって産生された。コンジュゲート14は、PO/RACおよびコンジュゲーションパラメーターを故意に変動させて高い糖/タンパク質比(SPR)を持つコンジュゲートを生成することにより、産生された。コンジュゲート15は、多糖をカルボニルジトリアゾール(CDT)と反応させることにより産生され、コンジュゲーション反応は、DMSO中で行った。コンジュゲート16は、(過ヨウ素酸ナトリウムの代わりに)TEMPO試薬を使用する多糖の酸化、続いて、DMSO中の還元的アミノ化化学を使用するコンジュゲーションにより、上記の実施例3において詳述した通りに産生された。これらすべてのコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であると実証され、過ヨウ素酸酸化/還元的アミノ化化学以外の代替的なコンジュゲーション化学の適合性、ならびに初期多糖のSPRおよび低MW等の代替的なコンジュゲート属性を示していた。
【0373】
【0374】
GBS血清型II多糖-CRM197コンジュゲート
PO/RACおよび4~15のDO(およそ7~23%の糖エピトープ修飾)を有する活性化多糖を使用して産生されたコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であると実証された(コンジュゲート17~20)。PO/RACおよび74%のシアル化レベル(26%脱シアル化)を持つ多糖を使用して産生されたコンジュゲートも、免疫原性であると実証された(コンジュゲート20)。結果を表14に示す。
【0375】
【0376】
追加のコンジュゲート変異体は、代替的なコンジュゲーション化学およびコンジュゲート分子属性を使用して産生した(結果を表15に示す)。コンジュゲート21および22は、PO/RACならびにコンジュゲーションパラメーターを故意に変動させてそれぞれ低いおよび高い糖/タンパク質比(SPR)を持つコンジュゲートを生成することにより、産生された。コンジュゲート23は、(過ヨウ素酸ナトリウムの代わりに)TEMPO試薬を使用する多糖の酸化、続いて、DMSO中の還元的アミノ化化学を使用するコンジュゲーションにより、上記の実施例3において詳述した通りに産生された。コンジュゲート24は、多糖をカルボニルジトリアゾール(CDT)と反応させることにより産生され、コンジュゲーション反応は、DMSO中で行った。これらすべてのコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であることが実証され、過ヨウ素酸酸化/還元的アミノ化化学以外の代替的なコンジュゲーション化学の適合性、およびSPR等の代替的なコンジュゲート属性を示していた。
【0377】
【0378】
GBS血清型III多糖-CRM197コンジュゲート
DMSO中においてPO/RACおよび10~17のDO(およそ6~10%の糖エピトープ修飾)を有する活性化多糖を使用して産生されたコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であると実証された(コンジュゲート25および30)。2.9のDO(およそ34%の糖エピトープ修飾)または高い糖/タンパク質比(2.1)を有するコンジュゲート(それぞれ、コンジュゲート26および27)は、免疫原性が比較的低いと実証された。PO/RACおよび81%のシアル化レベル(19%脱シアル化)を持つ多糖を使用して産生されたコンジュゲートは、免疫原性であると実証された(コンジュゲート30)。しかしながら、58%のシアル化レベル(42%脱シアル化)を持つ多糖を使用して産生されたコンジュゲートは、免疫原性が乏しいと実証された(コンジュゲート29)。DMSO中のPO/RACによって産生されたコンジュゲートは、他のすべてのコンジュゲート分子属性が同じである場合、水性媒体中のPO/RACによって産生されたコンジュゲートよりもわずかに免疫原性であった(それぞれ、コンジュゲート25および28)。結果を表16に示す。
【0379】
【0380】
追加のコンジュゲート変異体は、代替的なコンジュゲーション化学およびコンジュゲート分子属性を使用して産生した(結果を表17に示す)。コンジュゲート31~35は、PO/RACおよびコンジュゲーションパラメーターを故意に変動させて様々なMWを持つコンジュゲートを生成することにより、産生された。コンジュゲート36は、多糖をカルボニルジトリアゾール(CDT)と反応させることにより産生され、コンジュゲーション反応は、DMSO中で行った。コンジュゲート37は、(過ヨウ素酸ナトリウムの代わりに)TEMPO試薬を使用する多糖の酸化、続いて、DMSO中の還元的アミノ化化学を使用するコンジュゲーションにより、上記の実施例3において詳述した通りに産生された。これらすべてのコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であると実証され、過ヨウ素酸酸化/還元的アミノ化化学以外の代替的なコンジュゲーション化学の適合性、およびMW等の代替的なコンジュゲート属性を示していた。5の低さのDO(およそ20%の糖エピトープ修飾)で産生されたコンジュゲートは、2.9のDO(およそ34%の糖エピトープ修飾)で産生されたコンジュゲート(上記の表16中のコンジュゲート26)と比較して、マウスにおいて依然として免疫原性であった(表17中のコンジュゲート32)。
【0381】
【0382】
GBS血清型IV多糖-CRM197コンジュゲート
PO/RACおよび6.9~14.2のDO(およそ7~14%の糖エピトープ修飾)を有する活性化多糖を使用して産生されたコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であると実証された(コンジュゲート38~41)。PO/RACおよび60%のシアル化レベル(40%脱シアル化)を持つ多糖を使用して産生されたコンジュゲートも、免疫原性であると実証された(コンジュゲート41)。結果を表18に示す。
【0383】
【0384】
追加のコンジュゲート変異体は、代替的なコンジュゲーション化学およびコンジュゲート分子属性を使用して産生された。結果を表19に示す。コンジュゲート42および45は、PO/RACおよびコンジュゲーションパラメーターを故意に変動させて高いDO(より低い酸化レベル)および高いSPRをそれぞれ持つコンジュゲートを生成することにより、産生された。コンジュゲート43は、多糖をカルボニルジトリアゾール(CDT)と反応させることにより産生され、コンジュゲーション反応は、DMSO中で行った。コンジュゲート44は、(過ヨウ素酸ナトリウムの代わりに)TEMPO試薬を使用する多糖の酸化、続いて、DMSO中の還元的アミノ化化学を使用するコンジュゲーションにより、上記の実施例3において詳述した通りに産生された。すべての血清型IVコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であることが実証され、過ヨウ素酸酸化/還元的アミノ化化学以外の代替的なコンジュゲーション化学の適合性、およびSPR等のコンジュゲート属性を示していた。最大少なくとも20のDO(より低い酸化)(およそ5%の糖エピトープ修飾)で産生されたコンジュゲートは、マウスにおいて依然として免疫原性であった。
【0385】
【0386】
GBS血清型V多糖-CRM197コンジュゲート
PO/RACおよび4.4~14.6のDO(およそ7~23%の糖エピトープ修飾)を有する活性化多糖を使用して産生されたコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であると実証された(コンジュゲート46および47)。脱シアル化(5%のシアル化レベル)コンジュゲートは免疫原性ではなく(コンジュゲート49)、水性溶媒を使用するPO/RACプロセスを使用して産生されたコンジュゲートは、低い免疫応答を生成した(コンジュゲート48)。結果を表20に示す。
【0387】
【0388】
追加のコンジュゲート変異体は、代替的なコンジュゲーション化学およびコンジュゲート分子属性を使用して産生した。結果を表21に示す。コンジュゲート50および53は、PO/RACおよびコンジュゲーションパラメーターを故意に変動させてそれぞれより低いシアル化レベル(81%シアル化)および低MWを持つコンジュゲートを生成することにより、産生された。コンジュゲート51は、多糖をカルボニルジトリアゾール(CDT)と反応させることにより産生され、コンジュゲーション反応は、DMSO中で行った。コンジュゲート52は、(過ヨウ素酸ナトリウムの代わりに)TEMPO試薬を使用する多糖の酸化、続いて、DMSO中の還元的アミノ化化学を使用するコンジュゲーションにより、上記の実施例3において詳述した通りに産生された。CDT化学を使用して産生されたコンジュゲートを除き、すべての血清型Vコンジュゲートは、マウスにおいて免疫原性であることが実証され、過ヨウ素酸酸化/還元的アミノ化化学以外の代替的なコンジュゲーション化学の適合性、およびMW等のコンジュゲート属性を示していた。CDT化学を使用して産生されたコンジュゲートは、RACによって産生された他のコンジュゲートと比較して、有意に免疫原性が低いことが示された。81%のシアル化を持つコンジュゲート(コンジュゲート50)は、95%超のシアル化を持つコンジュゲート(コンジュゲート53)と比較して低いが5%のシアル化を持つコンジュゲート(上記の表20中のコンジュゲート49)よりも高い免疫応答を提供した。
【0389】
【0390】
(実施例5)
GBS III-CRM197およびGBS V-CRM197一価コンジュゲートワクチンはマウスにおいてOPA応答を生成した
雌CD-1マウスを、1mcg、0.1mcgまたは0.01mcgのCRM197とコンジュゲートしているB群レンサ球菌(GBS)血清型III(GBS III-CRM197)またはCRM197とコンジュゲートしているGBS血清型V(GBS V-CRM197)により、0、3および6週目に3回、皮下的に免疫化した。用量3後(PD3)の血清を、オプソニン食作用アッセイ(OPA)によって評価した。OPAは、実施例4において記述されている通りに実行した。両方のコンジュゲートが、マウスにおいてOPA応答を誘発した(表22)。検出可能なOPA応答のない試料に、50の値を割り当てた。
【0391】
【0392】
(実施例6)
GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197一価コンジュゲートワクチンはマウスにおいてOPA応答を生成した
6セットの雌CD-1マウスを、1mcgのCRM197とコンジュゲートしている個々のGBS莢膜多糖(CP)を含有するワクチンにより、0、3および6週目に3回、皮下的に免疫化した。初期の研究は、マウスが、試験された6つの血清型のいずれに対しても既存のOPA力価を有さないことを示していた。PD3からの血清を、ワクチン中に含有される同族GBS血清型に対するOPAにより、分析した。OPAは、実施例4において記述されている通りに実行した。結果を以下の表23および24に示す。
【0393】
【0394】
【0395】
(実施例7)
GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197一価コンジュゲートワクチンにより免疫化されたマウスから単離されたIgGと比較した血清のオプソニン活性
雌CD-1またはBALB/cマウスを、1mcgのCRM197とコンジュゲートしている個々のGBS CPにより、0、3および6週目に3回、皮下的に免疫化した。AlPO4またはQS-21のいずれかを、アジュバントとして使用した。PD3血清を血清型特異的OPAによって試験し、次いで、免疫グロブリンG画分を単離し、OPA活性について試験した。精製されたIgG OPA活性を5mg/mlに対して(正常マウス血清中におけるIgGの量の範囲内で)正規化した。6つすべてのGBS CPSコンジュゲートが、オプソニン活性を持つIgG抗体を誘発した(
図1)。
【0396】
(実施例8)
GBS Ia-TT、GBS Ib-TT、GBS II-TT、GBS III-TT、GBS IV-TTおよびGBS V-TT、一価コンジュゲートワクチンはウサギにおいてOPA応答を生成した
ウサギを、50mcg/mlの破傷風トキソイドとコンジュゲートしているGBS血清型Ia多糖、10mcg/mlの破傷風トキソイドとコンジュゲートしているGBS血清型Ib多糖、50mcg/mlの破傷風トキソイドとコンジュゲートしているGBS血清型II多糖、50mcg/mlの破傷風トキソイドとコンジュゲートしているGBS血清型III多糖、50mcg/mlの破傷風トキソイドとコンジュゲートしているGBS血清型IV多糖、または50mcg/mlの破傷風トキソイドとコンジュゲートしているGBS血清型V多糖により、初回用量においては完全フロイントアジュバントならびに第2および3回用量においては不完全フロイントアジュバントでアジュバント添加して、3回免疫化した。コンジュゲートは、95%超のシアル酸レベルを有する多糖およびCDAP(1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレート)化学を使用して生成された。PD3免疫応答は、OPAにより、実施例4において記述されている通りに測定した。血清力価を表25に示し、一方、精製されたIgG力価を以下の表26に示す。TTとコンジュゲートしているGBS血清型Ia、Ib、II、III、IVおよびV多糖は、ウサギにおいて高度に免疫原性であった。
【0397】
【0398】
【0399】
(実施例9)
六価GBSコンジュゲートワクチンは非ヒト霊長類においてOPA応答を生成した
アカゲザルの3つの群を、六価B群レンサ球菌(GBS6)ワクチンにより、0、4および8週目に3回、筋肉内的に免疫化した。GBS6ワクチンは、GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197を含んでいた。2つの群は、リン酸アルミニウム(AlPO4)をアジュバントとして包含しており、5mcgの各コンジュゲートまたは50mcgの各コンジュゲートのいずれかを投薬した。第3の群に、5mcgの各コンジュゲートを投薬し、アジュバントを含有していなかった。以下の表27は、免疫化スケジュールを記述している。
【0400】
【0401】
免疫前血清およびPD3からの血清を、ワクチン中に含有される6つすべてのGBS血清型についてOPAにより分析した。OPAは、実施例4において記述されている通りに実行した。結果を以下の表28および29に示す。6つすべての血清型について、AlPO4でアジュバント添加した処方は、検出可能なOPA応答(PD3の前からの力価における増大、または1超の倍率上昇前/PD3)を導出した。アジュバント添加していない5mcg/コンジュゲート用量は、6つの血清型のうちの5つについて検出可能なOPA応答を導出した。
【0402】
【0403】
【0404】
(実施例10)
六価GBSコンジュゲートワクチンはラットにおいてOPA応答を生成した
雌スプラーグ・ドーリー系ラットを、リン酸アルミニウム(AlPO4)を加えてまたは加えずにのいずれかで製剤化された実施例9において記述されている通りのGBS6多糖コンジュゲートワクチン中の5mcg/mlの各コンジュゲートで2回、皮下的に免疫化した。免疫前(ベースライン)および用量2後の血清を、6つすべての同族GBS血清型に対するOPAアッセイ力価について評価した。OPA力価を、GBS384ウェルアッセイフォーマットにおいて各血清型について測定し、倍率上昇を算出した。GBS6ワクチンを投与したラットは、第2回用量後、各血清型に対して強固な機能的抗体応答を有し、AlPO4の非存在下では、血清型の間で7から205倍の増大が見られたのに対し、その存在下では、これは11から294倍までの範囲になった(表30)。
【0405】
【0406】
(実施例11)
一価または六価GBSグリココンジュゲートワクチンによる妊娠中の雌親の免疫化は出生後にその子においてGBS IIIまたはV感染からの保護効果を示した
雌CD-1マウスを、5mcg/mlの各コンジュゲートおよび100mcg/mlのAlPO4を含有する実施例9において記述されている通りのGBS6ワクチン、GBS
IIIもしくはV一価グリココンジュゲートワクチン(それぞれ10mcg/mlのコンジュゲートおよび100mcg/mlのAlPO4を含有する)、またはビヒクル対照単独で3回、皮下的に免疫化した。マウスは、第3回免疫化の前に出産した。免疫化されたマウスの子に、致死用量のGBS血清型IIIまたはGBS血清型V細菌のいずれかを、受けたワクチンに従って接種し、生存を90時間にわたってモニターした。GBS6+AlPO4またはGBS III-CRM197+AlPO4による雌親の免疫化は、致死GBS血清型III接種に対する有意な保護(p<0.0001)を新生仔に提供した。同様に、GBS V-CRM197+AlPO4による雌親の免疫化は、致死GBS血清型V接種に対する有意な保護(p<0.0001)を新生仔に提供した。結果を表31に示す。
【0407】
【0408】
(実施例12)
乳児ラットにおけるGBS IIIモノクローナル抗体の受動免疫化は保護効果を示した
B群レンサ球菌血清型III(GBS III)モノクローナル抗体(mAb)は、マウスを、血清型Ia、Ib、II、IIIおよびVを含む五価ワクチンで免疫化することによって産生された。GBS III特異的mAbクローンを選択し、標準的な手順を使用して、GBS IIIのCPを認識するmAbを産生した。GBS血清型III mAbを、臨床GBS III分離株の接種16時間前に、乳児ラット(n=1群当たり10匹;2つの独立した実験を示す)に受動的に投与した。接種4時間後、血液を採取し、残りのCFUを数えた。GBS III mAbによる処理は、乳児ラットにおける回収CFUを、4ログ以上低減させた(表32)。
【0409】
【0410】
(実施例13)
妊娠中のマウスにおけるGBS Ib、IIIおよびVモノクローナル抗体の受動免疫化は、出生後にその子において保護効果を示した
モノクローナル抗体(mAb)は、五価ワクチン(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197およびGBS V-CRM197)により免疫化されたマウスから、標準的な手順を使用して産生された。次いで、mAbsは、5つの血清型のそれぞれの莢膜多糖を特異的に認識するものとして同定された。500mcg/ml用量のGBS血清型Ib(GBS Ib)mAb、GBS血清型III(GBS III)mAb、GBS血清型V(GBS V)mAbまたはアイソタイプ適合対照mAbを、出産のおよそ24から48時間前に、妊娠中のマウスに受動的に投与した。出生24から48時間後、免疫化されたネズミ雌親の子に、致死用量のGBS Ib、GBS IIIまたはGBS V細菌を接種した。生存を96時間にわたってモニターした。GBS Ib mAb、GBS III mAbまたはGBS V mAbにより免疫化された雌親のもとに生まれた新生仔においては、GBS接種後の対照mAbと比較して、有意に高い生存が見られた(表33)。
【0411】
【0412】
(実施例14)
GBSコンジュゲートの安定性
GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197を、10mMコハク酸塩-リン酸塩および155mM NaCl中、様々なpHレベルで独立して製剤化して、加速貯蔵条件においてコンジュゲートの安定性を試験した。SEC MALLSによって決定された際の分子量における変化パーセントを、50℃で4週間の貯蔵後に測定した。結果を
図2~7に示す。
【0413】
GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS III-CRM197およびGBS IV-CRM197コンジュゲートを、表34に示す種々の緩衝剤条件下、シアル化の安定性について試験した。遊離シアル酸(Nアセチルノイラミン酸;NANA)を、37℃で1カ月の貯蔵後に、HPLCを使用して測定した。結果を
図8に示す。
【0414】
両方の研究は、コンジュゲートが、6.0を上回るpH、最適には約pH6.5で良好な性能を発揮したことを示唆していた。
【0415】
【0416】
(実施例15)
GBS6製剤
緩衝剤の選択を決定するために、GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197(GBS6)を、上記の表33に示されているのと同じ緩衝剤条件を使用して、一緒に製剤化した。製剤の実際のpHを、下記の時点において試験した:0(製剤が作製されたとき)、5℃で1カ月後、25℃で1カ月後、および37℃で1カ月後。コハク酸塩を緩衝剤として使用した製剤においてはpHのシフトが見られたのに対し、ヒスチジンを緩衝剤として使用した製剤においてはシフトが見られなかった。結果を
図9~10に示す。
【0417】
GBSコンジュゲートのアルミニウムとの結合に対するヒスチジン緩衝剤濃度の効果も試験した。150mMのNaCl、0.01%ポリソルベート-80、および0.5mg/mlのアルミニウムをAlPO4として含むpH6.5の製剤を、2つの異なる濃度のコンジュゲート(10mcg/mlおよび40mg/mlの各血清型)およびいくつかの異なる濃度のヒスチジンにより試験した。アルミニウムと結合しているコンジュゲートのパーセントは、ワクチン中のコンジュゲートのそれぞれの総量およびアルミニウムと結合しているコンジュゲートのそれぞれの量を測定することによって決定した。結合しているコンジュゲートは、ワクチン製剤を遠心分離し、アルミニウムペレットを再懸濁し、アルミニウムを可溶化し、血清型のそれぞれに対する血清型特異的ポリクローナル抗体を用いる比濁法を使用して、結合しているコンジュゲートを測定することによって測定した。結果を
図11~12に示す。ヒスチジン緩衝剤の濃度は、アルミニウムと結合している各血清型のパーセントに影響を与え、影響は、高用量よりも低用量において、より顕著であることが分かった。
【0418】
望ましいと予想されるポリソルベート-80(PS80)の量を決定するために、撹拌研究を行った。20mMのヒスチジン、150mMのNaCl、0.5mg/mlのAlPO4(存在する場合)を含み、PS80を含まないか、0.01%PS80、0.02%PS80または0.03%PS80のいずれかを含むpH6.5のGBS6製剤を、撹拌ストレス時の全抗原性損失のパーセンテージについて試験した。製剤を予め充填したシリンジを、500RPMにて72時間にわたって室温で撹拌した。対照試料(撹拌されていない)を、室温で72時間にわたって貯蔵した。結果を
図13に示す。
【0419】
GBS6製剤中におけるアルミニウムの濃度も研究して、アルミニウムとのGBSコンジュゲート結合に対する効果を決定した。10mMのヒスチジン、150mMのNaCl、0.02%PS80、および0.25mg/ml、0.5mg/ml、0.75mg/mlまたは1.0mg/mlいずれかのアルミニウムをリン酸アルミニウム(AlPO4)として含むpH6.5のGBS6製剤を、アルミニウムと結合しているコンジュゲートのパーセントについて試験した。AlPO4との結合のパーセンテージは、AlPO4濃度が増大するにつれて増大する。結果を
図14に示す。
【0420】
(実施例16)
GBS6凍結乾燥製剤
GBS6の様々な凍結乾燥製剤(GBS Ia-CRM197、GBS Ib-CRM197、GBS II-CRM197、GBS III-CRM197、GBS IV-CRM197およびGBS V-CRM197)を、安定性について試験した。20mMのpH6.5のヒスチジン、0.02%PS80、約28mMのNaCl、および5.5%、7.0%または8.5%(w/v)いずれかのスクロースを含む低(10mcg/ml)および高(50mcg/ml)用量製剤を、凍結乾燥した。凍結乾燥製剤の安定性は、5℃で4カ月、37℃で4カ月、および50℃で1カ月後に、pHおよび水分を測定することによって試験した。すべての製剤が、pHおよび水分に基づき、安定であった(データは示されていない)。加えて、各血清型について抗原性回復のパーセンテージを、5℃および37℃の両方で1、4および9カ月後、ならびに50℃で1、2および4週間後に、すべての製剤について試験した。結果を
図15~20に示す。
【0421】
賦形剤における下記の変化形も調製し、40mcg/ml用量のGBS6製剤について評価した:1)7%(w/v)スクロース、2)2%(w/v)スクロースおよび4%(w/v)マンニトール、3)3%(w/v)スクロースおよび3%(w/v)マンニトール、4)2%(w/v)スクロースおよび4%(w/v)グリシン、または5)3%(w/v)スクロースおよび3%(w/v)グリシン。5つすべての製剤について、5℃で3カ月、25℃で3カ月、37℃で3カ月、および50℃で1カ月後、pHおよび水分は安定であった(データは示されていない)。加えて、各血清型について抗原性回復のパーセンテージを、52~8℃、25℃および37℃で1、3および7カ月後、ならびに50℃で1、2および4週間後に、すべての製剤について試験した。結果を
図21~25に示す。
【0422】
再溶解された凍結乾燥製剤および液体製剤中のGBS6ワクチンについて、リン酸アルミニウムアジュバントと結合している抗原のパーセントは、比濁法を使用して試験した。20mMのヒスチジン、0.02%PS80、7.0%(w/v)スクロース、および500mcg/mlのアルミニウムをリン酸アルミニウムとして含有する、凍結乾燥製剤と液体製剤の両方を、低(10mcg/ml)および高(50mcg/ml)用量で調製した。様々な濃度の塩化ナトリウム(NaCl)も試験して、抗原結合に対する効果を決定した。凍結乾燥製剤および液体製剤の結果を、それぞれ表35および36に示す。低用量製剤は、凍結乾燥組成物と液体組成物の両方について、約150mM以上のNaCl濃度
を使用した場合に相当する結果を有していた。
【0423】
【0424】
【0425】
本発明の態様
下記の条項は、本発明の追加の実施形態を記述するものである:
【0426】
C1. B群レンサ球菌(GBS)莢膜多糖と担体タンパク質とを含む免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートであって、前記莢膜多糖が、約60%超のシアル酸レベルを有する、免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲート。
【0427】
C2. 莢膜多糖が、血清型Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される、C1の免疫原性コンジュゲート。
【0428】
C3. 莢膜多糖が血清型Iaである、C2の免疫原性コンジュゲート。
【0429】
C4. 莢膜多糖が血清型Ibである、C2の免疫原性コンジュゲート。
【0430】
C5. 莢膜多糖が血清型IIである、C2の免疫原性コンジュゲート。
【0431】
C6. 莢膜多糖が血清型IIIである、C2の免疫原性コンジュゲート。
【0432】
C7. 莢膜多糖が血清型IVである、C2の免疫原性コンジュゲート。
【0433】
C8. 莢膜多糖が血清型Vである、C2の免疫原性コンジュゲート。
【0434】
C9. 莢膜多糖が血清型VIである、C2の免疫原性コンジュゲート。
【0435】
C10. 莢膜多糖が血清型VIIである、C2の免疫原性コンジュゲート。
【0436】
C11. 莢膜多糖が血清型VIIIである、C2の免疫原性コンジュゲート。
【0437】
C12. 莢膜多糖が血清型IXである、C2の免疫原性コンジュゲート。
【0438】
C13. 莢膜多糖が、約95%超のシアル酸レベルを有する、C1~C12のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0439】
C14. 莢膜多糖が、約100%のシアル酸レベルを有する、C1~C13のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0440】
C15. 莢膜多糖が、多糖1mM当たり少なくとも約0.6mMのシアル酸を有する、C1~C14のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0441】
C16. 莢膜多糖が、多糖1mM当たり少なくとも約0.65mMのシアル酸を有する、C1~C15のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0442】
C17. 莢膜多糖が、多糖1mM当たり少なくとも約0.7mMのシアル酸を有する、C1~C16のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0443】
C18. 莢膜多糖が、多糖1mM当たり少なくとも約0.75mMのシアル酸を有する、C1~C17のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0444】
C19. 莢膜多糖が、多糖1mM当たり少なくとも約0.8mMのシアル酸を有する、C1~C18のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0445】
C20. 莢膜多糖が、多糖1mM当たり少なくとも約0.85mMのシアル酸を有する、C1~C19のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0446】
C21. 莢膜多糖が、多糖1mM当たり少なくとも約0.9mMのシアル酸を有する、C1~C20のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0447】
C22. 莢膜多糖が、多糖1mM当たり少なくとも約0.95mMのシアル酸を有する、C1~C21のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0448】
C23. 莢膜多糖が、約5kDaから約1,000kDaの間の分子量を有する、C1~C22のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0449】
C24. 莢膜多糖が、約25kDaから約750kDaの間の分子量を有する、C1~C23のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0450】
C25. 莢膜多糖が、約25kDaから約400kDaの間の分子量を有する、C1~C24のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0451】
C26. 莢膜多糖が、約25kDaから約200kDaの間の分子量を有する、C1
~C25のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0452】
C27. 莢膜多糖が、約100kDaから約400kDaの間の分子量を有する、C1~C26のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0453】
C28. コンジュゲートの分子量が、約300kDaから約20,000kDaの間である、C1~27のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0454】
C29. コンジュゲートの分子量が、約1,000kDaから約15,000kDaの間である、C1~C28のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0455】
C30. コンジュゲートの分子量が、約1,000kDaから約10,000kDaの間である、C1~C29のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0456】
C31. 莢膜多糖が、約0%から約40%の間、O-アセチル化されている、C1~C30のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0457】
C32. 莢膜多糖が、約5%未満O-アセチル化されている、C1~C31のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0458】
C33. 莢膜多糖が、約4%未満O-アセチル化されている、C1~C32のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0459】
C34. 莢膜多糖が、約3%未満O-アセチル化されている、C1~C33のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0460】
C35. 莢膜多糖が、約2%未満O-アセチル化されている、C1~C34のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0461】
C36. 莢膜多糖が、約1%未満O-アセチル化されている、C1~C35のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0462】
C37. 莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり少なくとも約0.1mMのO-アセテートを含む、C1~C36のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0463】
C38. 莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり少なくとも約0.2mMのO-アセテートを含む、C1~C37のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0464】
C39. 莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり少なくとも約0.3mMのO-アセテートを含む、C1~C38のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0465】
C40. 莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり少なくとも約0.35mMのO-アセテートを含む、C1~C39のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0466】
C41. 莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり少なくとも約0.4mMのO-アセテートを含む、C1~C40のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0467】
C42. 莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり約0.01mM未満のO-アセテートを含む、C1~C41のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0468】
C43. 莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり約0.05mM未満のO-アセテートを含む、C1~C42のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0469】
C44. 莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり約0.04mM未満のO-アセテートを含む、C1~C43のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0470】
C45. 莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり約0.03mM未満のO-アセテートを含む、C1~C44のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0471】
C46. 莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり約0.02mM未満のO-アセテートを含む、C1~C45のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0472】
C47. 多糖が、それぞれ独立して担体タンパク質とコンジュゲートしている、C1~C46のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0473】
C48. 担体タンパク質が、CRM197または破傷風トキソイドである、C1~C47のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0474】
C49. 担体タンパク質が、CRM197である、C1~C48のいずれか一項の免疫原性コンジュゲート。
【0475】
C50. 莢膜多糖を単離する方法であって、有機試薬を、莢膜多糖生産菌を含む細胞ブロスと反応させるステップを含む方法。
【0476】
C51. 細菌を溶菌しない、C50の方法。
【0477】
C52. 細菌を熱で死滅させる、C50またはC51の方法。
【0478】
C53. 遠心分離して細胞ペーストを提供するステップをさらに含む、C50~C52のいずれか一項の方法。
【0479】
C54. 濾過するステップをさらに含む、C50~C53のいずれか一項の方法。
【0480】
C55. 前記濾過するステップが、血液透析濾過である、C54の方法。
【0481】
C56. 莢膜多糖生産菌が、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus
pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、大腸菌(Escherichia coli)、チフス菌(Salmonella typhi)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)および大便レンサ球菌(Enterococcus faecalis)からなる群から選択される、C50~C55のいずれか一項の方法。
【0482】
C57. 細菌が、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)である、C56の方法。
【0483】
C58. 前記有機試薬が、誘導体化ヒドロキシルアミン化合物である、C50~C57のいずれか一項の方法。
【0484】
C59. ヒドロキシルアミンが、実施例2の表2に収載された任意のヒドロキシルアミンである、C50~58のいずれか一項の方法。
【0485】
C60. ヒドロキシルアミンが、ジベンジルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、1,1,4,7,10,10ヘキサメチルトリエチレンテトラミンおよび2,6,10,トリメチル2,6,10トリアザウンデカンからなる群から選択される、C50~C59のいずれか一項の方法。
【0486】
C61. ヒドロキシルアミンの濃度が、約5mMから約200mMである、C50~C60のいずれか一項の方法。
【0487】
C62. 反応のpHが、約5.5から約9.5である、C50~C61のいずれか一項の方法。
【0488】
C63. 反応が、約20℃から約85℃の温度で起こる、C50~C62のいずれか一項の方法。
【0489】
C64. 反応反応時間が、約10時間から約90時間である、C50~C63のいずれか一項の方法。
【0490】
C65. C1~C49のいずれか一項の免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートを作製する方法であって、莢膜多糖が、C50~C64のいずれか一項の方法に従って単離される方法。
【0491】
C66. C50~C64のいずれか一項の方法によって調製された莢膜多糖を含む、免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲート。
【0492】
C67. C1~C49またはC66のいずれか一項の免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートを含む、免疫原性組成物。
【0493】
C68. 多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、前記コンジュゲートが、B群レンサ球菌(GBS)血清型IVならびにIa、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも1つの追加の血清型由来の莢膜多糖を含む、免疫原性組成物。
【0494】
C69. 少なくとも1つの追加の血清型が、Iaである、C68の免疫原性組成物。
【0495】
C70. GBS血清型Ib由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C69の免疫原性組成物。
【0496】
C71. GBS血清型II由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C69またはC70の免疫原性組成物。
【0497】
C72. GBS血清型III由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C69~C71のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0498】
C73. GBS血清型V由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C69~C72のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0499】
C74. GBS血清型VI由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C69~C73のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0500】
C75. GBS血清型VII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C69~74のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0501】
C76. GBS血清型VIII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C69~C75のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0502】
C77. GBS血清型IX由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C69~C76のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0503】
C78. 少なくとも1つの追加の血清型が、Ibである、C68の免疫原性組成物。
【0504】
C79. GBS血清型II由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C78の免疫原性組成物。
【0505】
C80. GBS血清型III由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C78またはC79の免疫原性組成物。
【0506】
C81. GBS血清型V由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C78~C80のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0507】
C82. GBS血清型VI由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C78~C81のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0508】
C83. GBS血清型VII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C78~C82のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0509】
C84. GBS血清型VIII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C78~C83のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0510】
C85. GBS血清型IX由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C78~C84のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0511】
C86. 少なくとも1つの追加の血清型が、IIである、C68の免疫原性組成物。
【0512】
C87. GBS血清型III由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C86の免疫原性組成物。
【0513】
C88. GBS血清型V由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C86またはC87の免疫原性組成物。
【0514】
C89. GBS血清型VI由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C86~C88のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0515】
C90. GBS血清型VII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C86~C89のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0516】
C91. GBS血清型VIII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C86~C90のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0517】
C92. GBS血清型IX由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C86~C91のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0518】
C93. 少なくとも1つの追加の血清型が、IIIである、C68の免疫原性組成物。
【0519】
C94. GBS血清型V由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C93の免疫原性組成物。
【0520】
C95. GBS血清型VI由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C93またはC94の免疫原性組成物。
【0521】
C96. GBS血清型VII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C93~C95のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0522】
C97. GBS血清型VIII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C93~C96のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0523】
C98. GBS血清型IX由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C93~C97のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0524】
C99. 少なくとも1つの追加の血清型が、Vである、C68の免疫原性組成物。
【0525】
C100. GBS血清型VI由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C99の免疫原性組成物。
【0526】
C101. GBS血清型VII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C99またはC100の免疫原性組成物。
【0527】
C102. GBS血清型VIII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C99~C101のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0528】
C103. GBS血清型IX由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C99~C102のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0529】
C104. 少なくとも1つの追加の血清型が、VIである、C68の免疫原性組成物。
【0530】
C105. GBS血清型VII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C104の免疫原性組成物。
【0531】
C106. GBS血清型VIII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C104またはC105の免疫原性組成物。
【0532】
C107. GBS血清型IX由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C104~C106のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0533】
C108. 少なくとも1つの追加の血清型が、VIIである、C68の免疫原性組成物。
【0534】
C109. GBS血清型VIII由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C108の免疫原性組成物。
【0535】
C110. GBS血清型IX由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C108またはC109の免疫原性組成物。
【0536】
C111. 少なくとも1つの追加の血清型が、VIIIである、C68の免疫原性組成物。
【0537】
C112. GBS血清型IX由来の莢膜多糖を含むコンジュゲートをさらに含む、C111の免疫原性組成物。
【0538】
C113. 少なくとも1つの追加の血清型が、IXである、C112の免疫原性組成物。
【0539】
C114. 多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、前記コンジュゲートが、GBS血清型Ia、Ib、II、IIIおよびIV由来の莢膜多糖を含む、免疫原性組成物。
【0540】
C115. 多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、前記コンジュゲートが、GBS血清型Ia、Ib、II、IIIおよびV由来の莢膜多糖を含む、免疫原性組成物。
【0541】
C116. 多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、前記コンジュゲートが、GBS血清型Ia、Ib、II、III、IVおよびV由来の莢膜多糖を含む、免疫原性組成物。
【0542】
C117. Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも4つのGBS莢膜多糖血清型を含む多糖-タンパク質コンジュゲートを含む、免疫原性組成物。
【0543】
C118. 少なくとも5つのGBS莢膜多糖血清型を含む、C117の免疫原性組成物。
【0544】
C119. 少なくとも6つのGBS莢膜多糖血清型を含む、C117またはC118の免疫原性組成物。
【0545】
C120. 少なくとも7つのGBS莢膜多糖血清型を含む、C117~C119のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0546】
C121. 少なくとも8つのGBS莢膜多糖血清型を含む、C117~C120のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0547】
C122. 少なくとも9つのGBS莢膜多糖血清型を含む、C117~C121のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0548】
C123. GBS莢膜多糖血清型Vを含む、C117~C122のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0549】
C124. 免疫干渉を有さない、C117~C123のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0550】
C125. 薬学的に許容できる賦形剤、緩衝剤、安定剤、アジュバント、抗凍結剤、塩、二価カチオン、非イオン性界面活性物質、フリーラジカル酸化の阻害剤、担体、またはそれらの混合物をさらに含む、C67~C124のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0551】
C126. 緩衝剤をさらに含む、C67~C125のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0552】
C127. 緩衝剤が、HEPES、PIPES、MES、トリス(トリメタミン)、リン酸塩、酢酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、グリシン、ヒスチジンおよびコハク酸塩からなる群から選択される、C126の免疫原性組成物。
【0553】
C128. 緩衝剤が、ヒスチジンである、C127の免疫原性組成物。
【0554】
C129. 界面活性剤をさらに含む、C67~C128のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0555】
C130. 界物。
【0556】
C131. 界面活性剤が、ポリソルベート-80である、C130の免疫原性組成物。
【0557】
C132. 賦形剤をさらに含む、C67~C131のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0558】
C133. 賦形剤が、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、石粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、グリシン、アルギニン、リシン、塩化ナトリウム(NaCl)、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水およびエタノールからなる群から選択される、C132の免疫原性組成物。
【0559】
C134. 賦形剤が、塩化ナトリウムである、C133の免疫原性組成物。
【0560】
C135. アジュバントをさらに含む、C67~C134のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0561】
C136. アジュバントが、アルミニウムベースのアジュバントまたはQS-21である、C135の免疫原性組成物。
【0562】
C137. アルミニウムベースのアジュバントが、リン酸アルミニウム、アルミニウムヒドロキシルホスフェートおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択される、C136の免疫原性組成物。
【0563】
C138. アジュバントが、リン酸アルミニウムである、C137の免疫原性組成物。
【0564】
C139. アジュバントが、アルミニウムヒドロキシルホスフェートである、C13
8の免疫原性組成物。
【0565】
C140. 緩衝剤、界面活性剤、賦形剤、および場合によりアジュバントを含み、約6.0から約7.0のpHに緩衝されている、C67~C139のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0566】
C141. ヒスチジン、ポリソルベート-80、塩化ナトリウム、および場合によりリン酸アルミニウムを含み、約6.0から約7.0のpHに緩衝されている、C67~C140のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0567】
C142. 約10mMから約25mMのヒスチジン、約0.01%から約0.03%(v/w)のポリソルベート-80、約10mMから約250mMの塩化ナトリウム、および場合により約0.25mg/mlから約0.75mg/mlのアルミニウムをリン酸アルミニウムとして含む、C67~C141のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0568】
C143. 約5mcg/mlから約50mcg/mlの用量を含む、C67~C142のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0569】
C144. 場合により少なくとも1つの賦形剤の存在下で、凍結乾燥される、C67~C143のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0570】
C145. 少なくとも1つの賦形剤が、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、石粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、グリシン、アルギニン、リシン、塩化ナトリウム(NaCl)、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水およびエタノールからなる群から選択される、C144の免疫原性組成物。
【0571】
C146. 少なくとも1つの賦形剤が、スクロースである、C145の免疫原性組成物。
【0572】
C147. 約1%(w/v)から約10%(w/v)の少なくとも1つの賦形剤を含む、C144~C146のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0573】
C148. 追加の賦形剤を含む、C144~C147のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0574】
C149. 追加の賦形剤が、マンニトールまたはグリシンである、C148の免疫原性組成物。
【0575】
C150. 約1%(w/v)から約10%(w/v)の追加の賦形剤を含む、C148またはC149の免疫原性組成物。
【0576】
C151. 水、注射用水(WFI)、アジュバント懸濁液または生理食塩水で再溶解される、C143~C150のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0577】
C152. 医薬として使用するための、C67~C151のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0578】
C153. 対象においてGBSに対する免疫応答を誘発する方法において使用するた
めの、C67~C152のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0579】
C154. 対象が、妊娠を計画している女性または妊娠中の女性である、C153の免疫原性組成物。
【0580】
C155. 女性が、妊娠後半期である、C154の免疫原性組成物。
【0581】
C156. 妊娠中の女性が、少なくとも妊娠20週である、C155の免疫原性組成物。
【0582】
C157. 妊娠中の女性が、妊娠27週から36週である、C156の免疫原性組成物。
【0583】
C158. 対象が、50歳以上の成人である、C157の免疫原性組成物。
【0584】
C159. 対象が、65歳以上の成人である、C158の免疫原性組成物。
【0585】
C160. 対象が、85歳以上の成人である、C159の免疫原性組成物。
【0586】
C161. 対象が、免疫不全である、C153~C160のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0587】
C162. 対象が、肥満、糖尿病、HIV感染、がん、心血管疾患または肝疾患からなる群から選択される医学的状態を有する、C161の免疫原性組成物。
【0588】
C163. B群レンサ球菌が、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)である、C153~C162のいずれか一項の免疫原性組成物。
【0589】
C164. B群レンサ球菌に対する免疫応答を誘発する方法であって、対象に、有効量のC67~C150のいずれか一項の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法。
【0590】
C165. 対象においてB群レンサ球菌に関連する疾患または状態を予防するまたは低減させる方法であって、対象に、有効量のC67~C151のいずれか一項の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法。
【0591】
C166. 対象が、妊娠を計画している女性または妊娠中の女性である、C164またはC165の方法。
【0592】
C167. 女性が、妊娠後半期である、C166の方法。
【0593】
C168. 妊娠中の女性が、少なくとも妊娠20週である、C166またはC167の方法。
【0594】
C169. 妊娠中の女性が、妊娠27週から36週である、C166~C168のいずれか一項の方法。
【0595】
C170. 対象が、50歳以上の成人である、C164またはC165の方法。
【0596】
C171. 対象が、65歳以上の成人である、C170の方法。
【0597】
C172. 対象が、85歳以上の成人である、C170またはC171の方法。
【0598】
C173. 対象が、免疫不全である、C164~C172のいずれか一項の方法。
【0599】
C174. 対象が、肥満、糖尿病、HIV感染、がん、心血管疾患または肝疾患からなる群から選択される医学的状態を有する、C173の方法。
【0600】
C175. B群レンサ球菌が、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)である、C164~C174のいずれか一項の方法。
【0601】
C176. C1~C49またはC66のいずれか一項の免疫原性コンジュゲートにおいて、莢膜多糖と結合する抗体。
【0602】
C177. C176の抗体を含む組成物。
【0603】
C178. 抗体を生成する方法であって、C67~C151のいずれか一項の免疫原性組成物を、対象に投与するステップを含む方法。
【0604】
C179. C178の方法によって生成された抗体。
【0605】
C180. 対象に受動免疫を付与する方法であって、
(a)C67~C151のいずれか一項の免疫原性組成物を使用して、抗体調製物を産生するステップと、
(b)抗体調製物を対象に投与して、受動免疫を付与するステップと
を含む方法。
【0606】
C181. C1~C49またはC66のいずれか一項の免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートを作製する方法であって、
(a)GBS莢膜多糖を酸化剤と反応させて、活性化多糖をもたらすステップと、
(b)活性化多糖を担体タンパク質と反応させて、多糖-タンパク質コンジュゲートをもたらすステップと
を含む方法。
【0607】
C182. ステップ(b)が、極性非プロトン性溶媒中で行われる、C181の方法。
【0608】
C183. 溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、ジメチルホルムアミド(DMF)およびヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)からなる群から選択される、C182の方法。
【0609】
C184. 溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)である、C183の方法。
【0610】
C185. 多糖を、0.01から10.0モル当量の酸化剤と反応させる、C181~C184のいずれか一項の方法。
【0611】
C186. 酸化剤が、過ヨウ素酸塩である、C181~C185のいずれか一項の方法。
【0612】
C187. 過ヨウ素酸塩が、過ヨウ素酸ナトリウムである、C186の方法。
【0613】
C188. ステップ(a)の酸化反応が、1時間から50時間の間である、C181~C187のいずれか一項の方法。
【0614】
C189. 酸化反応の温度が、約2℃から約25℃の間に維持される、C181~C188のいずれか一項の方法。
【0615】
C190. 酸化反応が、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)およびビス-トリスからなる群から選択される緩衝剤中で行われる、C181~C189のいずれか一項の方法。
【0616】
C191. 緩衝剤が、約1mMから約500mMの間の濃度を有する、C190の方法。
【0617】
C192. 酸化反応が、約4.0から約8.0の間のpHで行われる、C181~C191のいずれか一項の方法。
【0618】
C193. 酸化剤が、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)である、C181の方法。
【0619】
C194. N-クロロスクシンイミド(NCS)が、共酸化剤である、C193の方法。
【0620】
C195. ステップ(a)が、クエンチング剤の添加により酸化反応物をクエンチするステップをさらに含む、C181~C194のいずれか一項の方法。
【0621】
C196. 多糖の濃度が、約0.1mg/mLから約10.0mg/mLの間である、C182~C195のいずれか一項の方法。
【0622】
C197. 活性化多糖の酸化度が、5から25の間である、C181~C196のいずれか一項の方法。
【0623】
C198. 活性化多糖を凍結乾燥するステップをさらに含む、C181~C197のいずれか一項の方法。
【0624】
C199. 活性化多糖が、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットからなる群から選択される糖の存在下で凍結乾燥される、C188の方法。
【0625】
C200. ステップ(b)が、
(1)活性化多糖を担体タンパク質と配合するステップと、
(2)配合された活性化多糖および担体タンパク質を、還元剤と反応させて、GBS莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成するステップと
を含む、C181~C199のいずれか一項の方法。
【0626】
C201. ステップ(2)における活性化多糖の濃度が、約0.1mg/mLから約10.0mg/mLの間である、C200の方法。
【0627】
C202. 活性化多糖対担体タンパク質の初期比(重量/重量)が、5:1から0.
1:1の間である、C200またはC201の方法。
【0628】
C203. 還元剤が、ブレンステッドもしくはルイス酸、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMeiPrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)の存在下、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛からなる群から選択される、C200~C202のいずれか一項の方法。
【0629】
C204. 還元剤が、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである、C203の方法。
【0630】
C205. 還元剤の分量が、約0.1から約10.0モル当量の間である、C200~C204のいずれか一項の方法。
【0631】
C206. ステップ(2)の還元反応の持続時間が、1時間から60時間の間である、C200~C205のいずれか一項の方法。
【0632】
C207. 還元反応の温度が、10℃から40℃の間に維持される、C200~C206のいずれか一項の方法。
【0633】
C208. 水素化ホウ素の添加により、未反応のアルデヒドをキャップするステップ(ステップ(c))をさらに含む、C181~C207のいずれか一項の方法。
【0634】
C209. 水素化ホウ素の分量が、約0.1から約10.0モル当量の間である、C208の方法。
【0635】
C210. 水素化ホウ素が、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素テトラブチルアンモニウム、水素化ホウ素カルシウムおよび水素化ホウ素マグネシウムからなる群から選択される、C208の方法。
【0636】
C211. 水素化ホウ素が、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)である、C208の方法。
【0637】
C212. キャップするステップの持続時間が、0.1時間から10時間の間である、C207~C211のいずれか一項の方法。
【0638】
C213. キャップするステップの温度が、約15℃から約45℃の間に維持される、C207~C212のいずれか一項の方法。
【0639】
C214. 多糖-タンパク質コンジュゲートを精製するステップをさらに含む、C181~C213のいずれか一項の方法。
【0640】
C215. 多糖-タンパク質コンジュゲートが、多糖の総量と比較して約40%未満の遊離多糖を含む、C181~C214のいずれか一項の方法。
【0641】
C216. コンジュゲート中における多糖対担体タンパク質の比(重量/重量)が、約0.5から約3.0の間である、C181~C215のいずれか一項の方法。
【0642】
C217. コンジュゲートのコンジュゲーションの程度が、2から15の間である、
C181~C216のいずれか一項の方法。
【0643】
C218. 多糖-タンパク質コンジュゲートを作製する方法であって、
(a)単離されたGBS莢膜多糖を酸化剤と反応させるステップと、
(b)クエンチング剤の添加によりステップ(a)の酸化反応物をクエンチして、活性化GBS莢膜多糖をもたらすステップと、
(c)活性化GBS莢膜多糖を担体タンパク質と配合するステップと、
(d)配合された活性化GBS莢膜多糖および担体タンパク質を還元剤と反応させて、GBS莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成するステップと、
(e)水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)の添加により、未反応のアルデヒドをキャップするステップと
を含み、
ここで、ステップ(c)および(d)はDMSO中で行われる方法。
非限定的に、本発明は、以下の態様を含む。
[態様1]
B群レンサ球菌(GBS)莢膜多糖と担体タンパク質とを含む免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートであって、前記莢膜多糖が、約60%超、約95%超、または約100%のシアル酸レベルを有する、免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲート。
[態様2]
莢膜多糖が、血清型Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される、態様1に記載の免疫原性コンジュゲート。
[態様3]
莢膜多糖が、多糖1mM当たり少なくとも約0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95mMのシアル酸を有する、態様1または2に記載の免疫原性コンジュゲート。
[態様4]
莢膜多糖が、約5kDaから約1,000kDaの間、約25kDaから約750kDaの間、約25kDaから約400kDaの間、約25kDaから約200kDaの間、または約100kDaから約400kDaの間の分子量を有する、態様1から3のいずれか一項に記載の免疫原性コンジュゲート。
[態様5]
コンジュゲートの分子量が、約300kDaから約20,000kDaの間、約1,000kDaから約15,000kDaの間、または約1,000kDaから約10,000kDaの間である、態様1から4のいずれか一項に記載の免疫原性コンジュゲート。
[態様6]
莢膜多糖が、約0%から約40%の間、O-アセチル化されている、態様1から5のいずれか一項に記載の免疫原性コンジュゲート。
[態様7]
莢膜多糖が、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満、O-アセチル化されている、態様1から6のいずれか一項に記載の免疫原性コンジュゲート。
[態様8]
莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.35または約0.4mMのO-アセテートを有する、態様1から7のいずれか一項に記載の免疫原性コンジュゲート。
[態様9]
莢膜多糖が、糖繰り返し単位1mM当たり約0.01、0.02、0.03、0.04、または0.05mM未満のO-アセテートを有する、態様1から7のいずれか一項に記載の免疫原性コンジュゲート。
[態様10]
担体タンパク質が、CRM197または破傷風トキソイドである、態様1から9のいずれか一項に記載の免疫原性コンジュゲート。
[態様11]
担体タンパク質が、CRM197である、態様10に記載の免疫原性コンジュゲート。
[態様12]
莢膜多糖を単離する方法であって、有機試薬を、莢膜多糖生産菌を含む細胞ブロスと反応させるステップを含む方法。
[態様13]
細菌を溶菌しない、態様12に記載の方法。
[態様14]
細菌を熱で死滅させる、態様12または13に記載の方法。
[態様15]
遠心分離して細胞ペーストを提供するステップをさらに含む、態様12から14のいずれか一項に記載の方法。
[態様16]
濾過するステップをさらに含む、態様12から15のいずれか一項に記載の方法。
[態様17]
前記濾過するステップが、血液透析濾過である、態様16に記載の方法。
[態様18]
莢膜多糖生産菌が、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、大腸菌(Escherichia coli)、チフス菌(Salmonella typhi)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)および大便レンサ球菌(Enterococcus faecalis)からなる群から選択される、態様12から17のいずれか一項に記載の方法。
[態様19]
細菌が、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)である、態様18に記載の方法。
[態様20]
前記有機試薬が、誘導体化ヒドロキシルアミン化合物である、態様12から19のいずれか一項に記載の方法。
[態様21]
ヒドロキシルアミンが、実施例2の表2に収載された任意のヒドロキシルアミンである、態様12から20のいずれか一項に記載の方法。
[態様22]
ヒドロキシルアミンが、ジベンジルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、1,1,4,7,10,10ヘキサメチルトリエチレンテトラミンおよび2,6,10,トリメチル2,6,10トリアザウンデカンからなる群から選択される、態様12から21のいずれか一項に記載の方法。
[態様23]
ヒドロキシルアミンの濃度が、約5mMから約200mMである、態様12から22のいずれか一項に記載の方法。
[態様24]
反応のpHが、約5.5から約9.5である、態様12から23のいずれか一項に記載の方法。
[態様25]
反応が、約20℃から約85℃の温度で起こる、態様12から24のいずれか一項に記載の方法。
[態様26]
反応反応時間が、約10時間から約90時間である、態様12から25のいずれか一項に記載の方法。
[態様27]
態様1から11のいずれか一項に記載の免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートを作製する方法であって、莢膜多糖が、態様12から26のいずれか一項に記載の方法に従って単離される方法。
[態様28]
態様12から26のいずれか一項に記載の方法によって調製された莢膜多糖を含む、免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲート。
[態様29]
態様1から11または態様28のいずれか一項に記載の免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートを含む、免疫原性組成物。
[態様30]
多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、前記コンジュゲートが、B群レンサ球菌(GBS)血清型IVならびにIa、Ib、II、III、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも1つの追加の血清型由来の莢膜多糖を含む、免疫原性組成物。
[態様31]
多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、前記コンジュゲートが、GBS血清型Ia、Ib、II、IIIおよびIV由来の莢膜多糖を含む、免疫原性組成物。
[態様32]
多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、前記コンジュゲートが、GBS血清型Ia、Ib、II、IIIおよびV由来の莢膜多糖を含む、免疫原性組成物。
[態様33]
多糖-タンパク質コンジュゲートを含み、前記コンジュゲートが、GBS血清型Ia、Ib、II、III、IVおよびV由来の莢膜多糖を含む、免疫原性組成物。
[態様34]
Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VII、VIIIおよびIXからなる群から選択される少なくとも4つのGBS莢膜多糖血清型を含む多糖-タンパク質コンジュゲートを含む、免疫原性組成物。
[態様35]
GBS莢膜多糖血清型Vを含む、態様34に記載の免疫原性組成物。
[態様36]
免疫干渉を有さない、態様34または35に記載の免疫原性組成物。
[態様37]
薬学的に許容できる賦形剤、緩衝剤、安定剤、アジュバント、抗凍結剤、塩、二価カチオン、非イオン性界面活性物質、フリーラジカル酸化の阻害剤、担体、またはそれらの混合物をさらに含む、態様29から36のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様38]
緩衝剤をさらに含む、態様29から37のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様39]
緩衝剤が、HEPES、PIPES、MES、トリス(トリメタミン)、リン酸塩、酢酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、グリシン、ヒスチジンおよびコハク酸塩からなる群から選択される、態様38に記載の免疫原性組成物。
[態様40]
緩衝剤が、ヒスチジンである、態様39に記載の免疫原性組成物。
[態様41]
界面活性剤をさらに含む、態様29から40のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様42]
界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート-80、ポリソルベート-60、ポリソルベート-40、ポリソルベート-20およびポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群から選択される、態様41に記載の免疫原性組成物。
[態様43]
界面活性剤が、ポリソルベート-80である、態様42に記載の免疫原性組成物。
[態様44]
賦形剤をさらに含む、態様29から43のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様45]
賦形剤が、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、石粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、グリシン、アルギニン、リシン、塩化ナトリウム(NaCl)、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水およびエタノールからなる群から選択される、態様44に記載の免疫原性組成物。
[態様46]
賦形剤が、塩化ナトリウムである、態様45に記載の免疫原性組成物。
[態様47]
アジュバントをさらに含む、態様29から46のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様48]
アジュバントが、アルミニウムベースのアジュバントまたはQS-21である、態様47に記載の免疫原性組成物。
[態様49]
アルミニウムベースのアジュバントが、リン酸アルミニウム、アルミニウムヒドロキシルホスフェートおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択される、態様48に記載の免疫原性組成物。
[態様50]
アジュバントが、リン酸アルミニウムである、態様49に記載の免疫原性組成物。
[態様51]
アジュバントが、アルミニウムヒドロキシルホスフェートである、態様49に記載の免疫原性組成物。
[態様52]
緩衝剤、界面活性剤、賦形剤、および場合によりアジュバントを含み、約6.0から約7.0のpHに緩衝されている、態様29から51のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様53]
ヒスチジン、ポリソルベート-80、塩化ナトリウム、および場合によりリン酸アルミニウムを含み、約6.0から約7.0のpHに緩衝されている、態様29から52のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様54]
約10mMから約25mMのヒスチジン、約0.01%から約0.03%(v/w)のポリソルベート-80、約10mMから約250mMの塩化ナトリウム、および場合により約0.25mg/mlから約0.75mg/mlのアルミニウムをリン酸アルミニウムとして含む、態様29から53のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様55]
約5mcg/mlから約50mcg/mlの用量を含む、態様29から54のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様56]
場合により少なくとも1つの賦形剤の存在下で、凍結乾燥される、態様29から55のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様57]
少なくとも1つの賦形剤が、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトール、パラチニット、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、石粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、グリシン、アルギニン、リシン、塩化ナトリウム(NaCl)、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水およびエタノールからなる群から選択される、態様56に記載の免疫原性組成物。
[態様58]
少なくとも1つの賦形剤が、スクロースである、態様57に記載の免疫原性組成物。
[態様59]
約1%(w/v)から約10%(w/v)の少なくとも1つの賦形剤を含む、態様56から58のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様60]
追加の賦形剤を含む、態様56から59のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様61]
追加の賦形剤が、マンニトールまたはグリシンである、態様60に記載の免疫原性組成物。
[態様62]
約1%(w/v)から約10%(w/v)の追加の賦形剤を含む、態様60または61に記載の免疫原性組成物。
[態様63]
水、注射用水(WFI)、アジュバント懸濁液または生理食塩水で再溶解される、態様29から62のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様64]
医薬として使用するための、態様29から63のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様65]
対象においてGBSに対する免疫応答を誘発する方法において使用するための、態様29から63のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様66]
対象が、妊娠を計画している女性または妊娠中の女性である、態様65に記載の免疫原性組成物。
[態様67]
女性が、妊娠後半期、少なくとも妊娠20週、または妊娠27週から36週である、態様66に記載の免疫原性組成物。
[態様68]
対象が、50歳以上、65歳以上、または85歳以上の成人である、態様65に記載の免疫原性組成物。
[態様69]
対象が、免疫不全である、態様65から68のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様70]
対象が、肥満、糖尿病、HIV感染、がん、心血管疾患または肝疾患からなる群から選択される医学的状態を有する、態様69に記載の免疫原性組成物。
[態様71]
B群レンサ球菌が、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)である、態様65から70のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
[態様72]
B群レンサ球菌に対する免疫応答を誘発する方法であって、対象に、有効量の態様29から63のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法。
[態様73]
対象においてB群レンサ球菌に関連する疾患または状態を予防するまたは低減させる方法であって、対象に、有効量の態様29から63のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法。
[態様74]
対象が、妊娠を計画している女性または妊娠中の女性である、態様72または73に記載の方法。
[態様75]
女性が、妊娠後半期、少なくとも妊娠20週、または妊娠27週から36週である、態様74に記載の方法。
[態様76]
対象が、50歳以上、65歳以上、または85歳以上の成人である、態様72または73に記載の方法。
[態様77]
対象が、免疫不全である、態様72から76のいずれか一項に記載の方法。
[態様78]
対象が、肥満、糖尿病、HIV感染、がん、心血管疾患または肝疾患からなる群から選択される医学的状態を有する、態様77に記載の方法。
[態様79]
B群レンサ球菌が、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)である、態様72から78のいずれか一項に記載の方法。
[態様80]
態様1から11または28のいずれか一項に記載の免疫原性コンジュゲートにおいて、莢膜多糖と結合する抗体。
[態様81]
態様80に記載の抗体を含む組成物。
[態様82]
抗体を生成する方法であって、態様29から63のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を、対象に投与するステップを含む方法。
[態様83]
態様82に記載の方法によって生成された抗体。
[態様84]
対象に受動免疫を付与する方法であって、
(a)態様29から63のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を使用して、抗体調製物を産生するステップと、
(b)抗体調製物を対象に投与して、受動免疫を付与するステップと
を含む方法。
[態様85]
態様1から11または態様28のいずれか一項に記載の免疫原性多糖-タンパク質コンジュゲートを作製する方法であって、
(a)GBS莢膜多糖を酸化剤と反応させて、活性化多糖をもたらすステップと、
(b)活性化多糖を担体タンパク質と反応させて、多糖-タンパク質コンジュゲートをもたらすステップと
を含む方法。
[態様86]
ステップ(b)が、極性非プロトン性溶媒中で行われる、態様85に記載の方法。
[態様87]
溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、ジメチルホルムアミド(DMF)およびヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)からなる群から選択される、態様86に記載の方法。
[態様88]
溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)である、態様87に記載の方法。
[態様89]
多糖を、0.01から10.0モル当量の酸化剤と反応させる、態様85から88のいずれか一項に記載の方法。
[態様90]
酸化剤が、過ヨウ素酸塩である、態様85から89のいずれか一項に記載の方法。
[態様91]
過ヨウ素酸塩が、過ヨウ素酸ナトリウムである、態様90に記載の方法。
[態様92]
ステップ(a)の酸化反応が、1時間から50時間の間である、態様85から91のいずれか一項に記載の方法。
[態様93]
酸化反応の温度が、約2℃から約25℃の間に維持される、態様85から92のいずれか一項に記載の方法。
[態様94]
酸化反応が、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)およびビス-トリスからなる群から選択される緩衝剤中で行われる、態様85から93のいずれか一項に記載の方法。
[態様95]
緩衝剤が、約1mMから約500mMの間の濃度を有する、態様94に記載の方法。
[態様96]
酸化反応が、約4.0から約8.0の間のpHで行われる、態様85から95のいずれか一項に記載の方法。
[態様97]
酸化剤が、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(TEMPO)である、態様85に記載の方法。
[態様98]
N-クロロスクシンイミド(NCS)が、共酸化剤である、態様97に記載の方法。
[態様99]
ステップ(a)が、クエンチング剤の添加により酸化反応物をクエンチするステップをさらに含む、態様85から98のいずれか一項に記載の方法。
[態様100]
多糖の濃度が、約0.1mg/mLから約10.0mg/mLの間である、態様85から99のいずれか一項に記載の方法。
[態様101]
活性化多糖の酸化度が、5から25の間である、態様85から100のいずれか一項に記載の方法。
[態様102]
活性化多糖を凍結乾燥するステップをさらに含む、態様85から101のいずれか一項に記載の方法。
[態様103]
活性化多糖が、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットからなる群から選択される糖の存在下で凍結乾燥される、態様102に記載の方法。
[態様104]
ステップ(b)が、
(1)活性化多糖を担体タンパク質と配合するステップと、
(2)配合された活性化多糖および担体タンパク質を、還元剤と反応させて、GBS莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成するステップと
を含む、態様85から103のいずれか一項に記載の方法。
[態様105]
ステップ(2)における活性化多糖の濃度が、約0.1mg/mLから約10.0mg/mLの間である、態様104に記載の方法。
[態様106]
活性化多糖対担体タンパク質の初期比(重量/重量)が、5:1から0.1:1の間である、態様104または105に記載の方法。
[態様107]
還元剤が、ブレンステッドもしくはルイス酸、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMeiPrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)の存在下、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムおよび亜鉛からなる群から選択される、態様104から106のいずれか一項に記載の方法。
[態様108]
還元剤が、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである、態様107に記載の方法。
[態様109]
還元剤の分量が、約0.1から約10.0モル当量の間である、態様104から108のいずれか一項に記載の方法。
[態様110]
ステップ(2)の還元反応の持続時間が、1時間から60時間の間である、態様104から109のいずれか一項に記載の方法。
[態様111]
還元反応の温度が、10℃から40℃の間に維持される、態様104から110のいずれか一項に記載の方法。
[態様112]
水素化ホウ素の添加により、未反応のアルデヒドをキャップするステップ(ステップ(c))をさらに含む、態様104から111のいずれか一項に記載の方法。
[態様113]
水素化ホウ素の分量が、約0.1から約10.0モル当量の間である、態様112に記載の方法。
[態様114]
水素化ホウ素が、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素テトラブチルアンモニウム、水素化ホウ素カルシウムおよび水素化ホウ素マグネシウムからなる群から選択される、態様112に記載の方法。
[態様115]
水素化ホウ素が、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)である、態様114に記載の方法。
[態様116]
キャップするステップの持続時間が、0.1時間から10時間の間である、態様112から114のいずれか一項に記載の方法。
[態様117]
キャップするステップの温度が、約15℃から約45℃の間に維持される、態様112から116のいずれか一項に記載の方法。
[態様118]
多糖-タンパク質コンジュゲートを精製するステップをさらに含む、態様85から117のいずれか一項に記載の方法。
[態様119]
多糖-タンパク質コンジュゲートが、多糖の総量と比較して約40%未満の遊離多糖を含む、態様85から118のいずれか一項に記載の方法。
[態様120]
コンジュゲート中における多糖対担体タンパク質の比(重量/重量)が、約0.5から約3.0の間である、態様85から119のいずれか一項に記載の方法。
[態様121]
コンジュゲートのコンジュゲーションの程度が、2から15の間である、態様85から120のいずれか一項に記載の方法。
[態様122]
多糖-タンパク質コンジュゲートを作製する方法であって、
(a)単離されたGBS莢膜多糖を酸化剤と反応させるステップと、
(b)クエンチング剤の添加によりステップ(a)の酸化反応物をクエンチして、活性化GBS莢膜多糖をもたらすステップと、
(c)活性化GBS莢膜多糖を担体タンパク質と配合するステップと、
(d)配合された活性化GBS莢膜多糖および担体タンパク質を還元剤と反応させて、GBS莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成するステップと、
(e)水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)の添加により、未反応のアルデヒドをキャップするステップと
を含み、
ステップ(c)および(d)はDMSO中で行われる、方法。