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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】組電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/569 20210101AFI20241113BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20241113BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20241113BHJP
   H01G 11/12 20130101ALI20241113BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20241113BHJP
   H01M 50/249 20210101ALN20241113BHJP
【FI】
H01M50/569
H01M50/505
H01M50/209
H01G11/12
H01G11/74
H01M50/249
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023512812
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 JP2021035570
(87)【国際公開番号】W WO2022215286
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2021065486
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】505083999
【氏名又は名称】ビークルエナジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】海野 昭
(72)【発明者】
【氏名】菅原 辰夫
(72)【発明者】
【氏名】星 浩
【審査官】小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-333343(JP,A)
【文献】特開2007-323952(JP,A)
【文献】特開2017-98043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/569
H01M 50/505
H01M 50/209
H01G 11/12
H01G 11/74
H01M 50/249
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池と、前記複数の電池の電極端子と接続されるバスバと、前記バスバに接続される端子と、前記端子に接続される電線と、を有する組電池であって、
前記端子は、
前記端子の所定方向の一端側に位置し、かつ超音波溶接によって前記所定方向に対する垂直方向に前記バスバと接合される第1基部と、
前記所定方向の他端側に位置し、かつ前記電線と接続される第2基部と、
前記第1基部と前記第2基部の間に位置し、かつ前記垂直方向へ突出する突出部と、を有する
ことを特徴とする組電池。
【請求項2】
請求項1に記載の組電池であって、
前記第2基部は、
前記第1基部側に位置し、前記電線の被覆されていない部分と接続される第1接続部と、
前記第1基部の反対側に位置し、前記電線の被覆部材で被覆された部分が固定される第2接続部と、を有する
ことを特徴とする組電池。
【請求項3】
請求項1に記載の組電池であって、
前記突出部は、前記複数の電池側へ突出することを特徴とする組電池。
【請求項4】
請求項1に記載の組電池であって、
前記突出部は、前記複数の電池の反対側へ突出することを特徴とする組電池。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の組電池であって、
前記第2基部は、前記端子において前記突出部が突出する側に前記電線が接続されることを特徴とする組電池。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の組電池であって、
前記第2基部は、前記端子において前記突出部が突出する側の反対側に前記電線が接続されることを特徴とする組電池。
【請求項7】
請求項1に記載の組電池であって、
前記突出部は、前記垂直方向の断面視において、前記第1基部と連続する部分に対する前記突出部の頂点の第1の高さよりも、前記第2基部と連続する部分に対する前記頂点の第2の高さが高いことを特徴とする組電池。
【請求項8】
請求項1に記載の組電池であって、
前記突出部は、前記垂直方向の断面視において、前記第1基部と連続する部分に対する前記突出部の頂点の第1の高さよりも、前記第2基部と連続する部分に対する前記頂点の第2の高さが低いことを特徴とする組電池。
【請求項9】
請求項1に記載の組電池であって、
前記突出部は、前記垂直方向の断面形状が、湾曲形状、屈折形状、又は矩形状であることを特徴とする組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、バスバとレーザ溶接された「仮固定部」と、電線と接続された「電気接続部」と、の間にクランク形状が形成されている電圧検出端子を備える二次電池モジュールがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6335864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の従来技術では、電圧検出端子とバスバを超音波接合する際に、電圧検出端子と電線との接続部分において電線の断線が発生していた。すなわち、上述の従来技術のような電圧検出端子の形状であると、超音波溶接の振動負荷が接続部分に直接伝搬し、振動負荷により電線の断線が発生するという問題があった。
【0005】
ここで、接続部分を押圧することで、接続部分に伝わる振動負荷を抑制できるものの、二次電池モジュールの構造上、超音波溶接の振動方向に対して垂直の方向から接続部分を押圧するに過ぎないため、振動負荷の抑制効果は小さかった。
【0006】
本発明は、上記を考慮してなされたものであり、電圧検出端子を超音波溶接する際に、電圧検出端子と接続される電線の断線、損傷を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の従来技術の問題を解決するため、本発明では、複数の電池と、前記複数の電池の電極端子と接続されるバスバと、前記バスバに接続される端子と、前記端子に接続される電線と、を有する組電池であって、前記端子は、前記端子の所定方向の一端側に位置し、かつ超音波溶接によって前記所定方向に対する垂直方向に前記バスバと接合される第1基部と、前記所定方向の他端側に位置し、かつ前記電線と接続される第2基部と、前記第1基部と前記第2基部の間に位置し、かつ前記垂直方向へ突出する突出部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電圧検出端子を超音波溶接する際に、電圧検出端子と接続される電線の断線、損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】二次電池モジュールの外観斜視図。
図2】二次電池モジュールの分解斜視図。
図3】二次電池の斜視図。
図4】ハーネスケースと電圧検出線とバスバの構成をZ軸負方向側から見た分解斜視図。
図5】実施形態1の電圧検出端子の斜視図。
図6】超音波溶接及びレーザ溶接による接合結果を示す模式図。
図7】実施形態2の電圧検出端子の斜視図。
図8】実施形態3の電圧検出端子の斜視図。
図9】実施形態4の電圧検出端子の斜視図。
図10】実施形態5の電圧検出端子の斜視図。
図11】実施形態6の電圧検出端子の斜視図。
図12】実施形態7の電圧検出端子の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳述する。以下の実施形態は、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、ハイブリッドトラック、鉄道車両等の電源を構成する電池システムに適用できる。また、以下の実施形態は、リチウムイオン電池、鉛電池、ニッケル水素電池、多価カチオン電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ等の充放電可能な二次電池から構成される電池システムに適用できる。
【0011】
以下の実施形態では、本発明の適用対象として、複数の二次電池セルを直列に接続した組電池を例示している。しかし、本発明は、複数の二次電池セルを並列接続したものを複数個直列に接続した組電池や、直列接続した複数の二次電池セルを複数個並列に接続した組電池に対しても適用できる。
【0012】
以下の説明では、同一の構成に対して同一符号を付与して重複する説明を省略する。また、以下の説明では、図示のように、X軸、Y軸、及びZ軸を座標軸に持つXYZ座標系を用いる。X軸、Y軸、及びZ軸の各軸の矢印は、座標軸の正方向を示す。X軸は、二次電池モジュール100の長手方向の座標軸である。Y軸は、二次電池モジュール100の短手方向の座標軸である。Z軸は、二次電池モジュール100の鉛直方向の座標軸である。X軸及びY軸で構成される平面をXY平面、Y軸及びZ軸で構成される平面をYZ平面、X軸及びZ軸で構成される平面をXZ平面と呼ぶ。
【0013】
<実施形態1>
(二次電池モジュール100の構成)
図1図4を参照して、本発明を適用した二次電池モジュール100の構成の一例を説明する。二次電池モジュール100は、組電池の一例である。
【0014】
図1は、二次電池モジュール100の外観斜視図である。図2は、二次電池モジュール100の分解斜視図である。二次電池モジュール100において、複数の二次電池セル101がバスバ120によって電気的に接続されている。
【0015】
図1及び図2に示すように、二次電池モジュール100は、セルブロック10と、複数の電圧検出線130と、バスバケース3と、バスバカバー4と、ハーネスケース5とを備える。
【0016】
セルブロック10において、複数の二次電池セル101が、セルホルダを介してX軸方向に積層配列され、セル保持機構9により保持されている。二次電池セル101は、扁平な直方体形状(角形状)であって、一対の幅広側板109wを有する(図3参照)。
【0017】
図3は、二次電池セル101の斜視図である。図3を参照して、セルブロック10を構成する二次電池セル101について説明する。複数の二次電池セル101は、何れも同一構造である。
【0018】
図3に示すように、二次電池セル101は、電池蓋108と、電池缶109とを含んで構成される角形の電池容器107を有する。電池蓋108及び電池缶109は、例えばアルミニウムやアルミニウム合金で形成される。
【0019】
電池缶109は、直方体形状であり、直方体の1つの面に開口部を有する。電池蓋108は、矩形状の平板であって、電池缶109の開口部を閉塞するようにレーザ溶接され電池缶109を封止する。
【0020】
電池容器107は、一対の幅広側板109wと、一対の幅狭側板109nと、電池蓋108と、底板109bとを有する。幅広側板109wは、電池容器107を構成する側面のうちの最大面(幅広面)を構成する。幅狭側板109nは、電池容器を構成する側面のうちの最小面を構成する。電池容器107において、一対の幅広側板109w同士が対向し、一対の幅狭側板109n同士が対向し、電池蓋108と底板109bとが対向している。
【0021】
電池蓋108は、Y軸方向の両端に、正極端子104及び負極端子105を有する。正極端子104及び負極端子105は、直方体形状であり、バスバ120に接するZ軸正方向側の上面が、電池蓋108に対して平行かつ平坦な面として形成されている。
【0022】
電池容器107の内部には、絶縁ケースに被覆された充放電要素(不図示)が配置されている。充放電要素は、正極電極が正極端子104に接続され、負極電極が負極端子105に接続されている。充放電要素は、正極端子104及び負極端子105を介して、外部に電力を供給して放電し、外部から電力を供給され充電する。
【0023】
電池蓋108は、電池容器107内に電解液を注入するための注液孔を有する。注液孔は、電解液の注入後に注液栓108aによって封止される。
【0024】
電池蓋108は、正極端子104と負極端子105との間に、ガス排出弁108bを有する。ガス排出弁108bは、二次電池セル101が過充電等の異常により発熱してガスを発生し、電池容器107内の圧力が上昇して所定圧力に達すると、開裂する。開裂したガス排出弁108bは、電池容器107の内部のガスを排出し、電池容器107内の圧力を低下させる。
【0025】
図1及び図2の説明に戻る。図1及び図2に示すように、セル保持機構9は、一対のエンドプレート6と、センタープレート7と、一対のサイドフレーム8とを有する。一対のエンドプレート6は、セルブロック10のX軸方向の両端に配置され、セルホルダを介して複数の二次電池セル101を挟持する。
【0026】
センタープレート7は、配列された二次電池セル101群のX軸方向中央に配置される。一対のサイドフレーム8は、セルブロック10のY軸方向の両端に配置され、エンドプレート6とセンタープレート7にネジ等により固定される。複数の二次電池セル101及びセルホルダは、一対のエンドプレート6により挟持された状態で、一対のサイドフレーム8が一対のエンドプレート6とセンタープレート7に締結して、固定される。
【0027】
図2に示すバスバ120には、二次電池モジュール100において、X軸方向に隣接する一方の二次電池セル101の正極端子104と他方の二次電池セル101の負極端子105とが、レーザ溶接によって接合される。隣接する二次電池セル101は、バスバ120によって電気的に直列に接続される。バスバ120は、電圧検出線130を介して、二次電池セル101の電圧を監視するための制御装置(不図示)と接続される。電圧検出線130は、電圧検出端子140を有する(図4参照)。電圧検出端子140は、超音波溶接によってバスバ120と接合される。
【0028】
図4は、ハーネスケース5と電圧検出線130とバスバ120の構成をZ軸負方向側(二次電池セル101側)から見た分解斜視図である。ハーネスケース5は、電圧検出線130がハーネスケース5に配線され、電圧検出端子140とバスバ120が接合された状態で、バスバケース3と組み合わされて固定される。
【0029】
ハーネスケース5は、配線格納部51と、嵌合部52とを有する。電圧検出端子140は、電圧検出線130を配線格納部51内に配線し、嵌合部145をハーネスケース5の嵌合部52と嵌合した状態で、ハーネスケース5に固定される。電圧検出端子140は、ハーネスケース5に固定された状態で、超音波溶接によってバスバ120と接合される。
【0030】
バスバ120との接合によって複数の電圧検出端子140の各位置が固定された状態で、ハーネスケース5とバスバケース3が組み付けられる。よって、ハーネスケース5とバスバケース3を組み付ける際に、電圧検出端子140同士が接触して短絡することを防止できる。
【0031】
また、電圧検出端子140は、バスバ120との接合部分以外が、ハーネスケース5及びバスバケース3によって被覆される。ハーネスケース5及びバスバケース3が絶縁性を有する樹脂で形成されていることから、電圧検出端子140と他の部品との絶縁性を高めることができる。
【0032】
図5は、実施形態1の電圧検出端子140の斜視図である。図5(a)は電圧検出端子140をZ軸正方向側(ハーネスケース5側)から見た斜視図であり、図5(b)は電圧検出端子140をZ軸負方向側(二次電池セル101側)から見た斜視図である。
【0033】
電圧検出端子140は、例えば銅板をプレス加工することによって製造される。電圧検出端子140は、第1基部141と、第2基部142とを有する。第1基部141は、超音波溶接によってバスバ120と接合される。第2基部142は、カシメによって電圧検出線130と接続される。
【0034】
電圧検出端子140は、第1基部141と第2基部142との間に、Z軸方向の断面視(あるいはYZ平面の平面視)においてZ軸負方向に突出するように形成された湾曲形状(クランク形状)の突出部143を有する。
【0035】
第2基部142は、支持部144と、嵌合部145と、接続部146とを有する。支持部144及び嵌合部145は、第2基部142において突出部143側に位置する。嵌合部145は、支持部144と交差し支持部144によって支持されるようにZ軸負方向に突出している。嵌合部145は、支持部144側からハーネスケース5の嵌合部52に嵌入され嵌合部52と嵌合する。
【0036】
接続部146は、第2基部142において突出部143の反対側に位置し、カシメによって電圧検出線130と接続される。接続部146は、第1接続部146aと、第2接続部146bとを有する。第1接続部146a及び第2接続部146bは、カシメ部材であり、これらのカシメの脚が嵌合部145と同様にZ軸負方向に延伸する。
【0037】
電圧検出端子140の突出部143、嵌合部145、及び接続部146のカシメの脚、の突出方向は、二次電池セル101に対向する方向である。
【0038】
電圧検出線130は、絶縁体で被覆されている電線であるが、接続部146と接続される先端部分では電線が露出する電線露出部分130aとなっている。接続部146は、第1接続部146aによって電線露出部分130aをカシメて、電圧検出端子140に電圧検出線130を電気的に接続する。また、接続部146は、第2接続部146bによって電圧検出線130の電線露出部分130aの根本に該当する絶縁体被覆部分130bをカシメて、電圧検出端子140に電圧検出線130を物理的に固定する。すなわち、電圧検出線130を挟んでZ軸負方向に延びた二本のカシメの脚がX軸方向及びZ軸方向から加圧され、二本のカシメの脚が電圧検出線130を抱き込むようにして第2基部142に固定する。
【0039】
超音波溶接に伴って発生し第1基部141から第2基部142へ伝搬するY軸方向の振動は、振動の先端側である第2基部142を変形させるので、第1接続部146aと第2接続部146bの間において電圧検出線130の電線露出部分130aのうちの第1接続部146aによってカシメられていない部分が断線、損傷する場合がある。一方、片持ち梁の振動は、振動の先端側である第2基部142をほとんど変形させないため、接続部146で発生しやすい断線及び損傷を防止することができる。
【0040】
なお、超音波溶接による溶接結果は、レーザ溶接等の他の溶接結果と比較して、目視で識別できる特徴を持つ。図6は、超音波溶接及びレーザ溶接による接合結果を示す模式図である。図6(a)の超音波溶接による接合結果には、同一形状のスパイクが格子状に並んで表れている。これは、図6(b)に示すレーザ溶接による接合結果やその他の溶接結果と比較して大きな違いであり、超音波溶接によって接合されたことを目視で判別できる特徴である。
【0041】
上述した実施形態1では、電圧検出端子140の第1基部141と第2基部142の間に湾曲形状の突出部143を設けた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。以下、その他の実施形態の電圧検出端子について説明する。
【0042】
<実施形態2>
図7は、実施形態2の電圧検出端子240の斜視図である。図7(a)は電圧検出端子240をZ軸正方向側(ハーネスケース5側)から見た斜視図であり、図7(b)は電圧検出端子240をZ軸負方向側(二次電池セル101側)から見た斜視図である。実施形態2の電圧検出端子240は、実施形態1の電圧検出端子140と比較して、第1基部141と第2基部142との間に、突出部143に代えて、Z軸方向の断面視(あるいはYZ平面の平面視)においてZ軸正方向に突出するように形成された湾曲形状の突出部243を有する。その他は実施形態1の電圧検出端子140と同様である。よって、実施形態2も実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0043】
<実施形態3>
図8は、実施形態3の電圧検出端子340の斜視図である。図8(a)は電圧検出端子340をZ軸正方向側(ハーネスケース5側)から見た斜視図であり、図8(b)は電圧検出端子340をZ軸負方向側(二次電池セル101側)から見た斜視図である。実施形態3の電圧検出端子340は、実施形態1の電圧検出端子140と比較して、第1基部141と第2基部142との間に、突出部143に代えて、Z軸方向の断面視(あるいはYZ平面の平面視)においてZ軸負方向に突出するように形成された屈折形状の突出部343を有する。その他は実施形態1の電圧検出端子140と同様である。よって、実施形態3も実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0044】
<実施形態4>
図9は、実施形態4の電圧検出端子440の斜視図である。図9(a)は電圧検出端子440をZ軸正方向側(ハーネスケース5側)から見た斜視図であり、図9(b)は電圧検出端子440をZ軸負方向側(二次電池セル101側)から見た斜視図である。実施形態4の電圧検出端子440は、実施形態1の電圧検出端子140と比較して、第1基部141と第2基部142との間に、突出部143に代えて、Z軸方向の断面視(あるいはYZ平面の平面視)においてZ軸負方向に突出するように形成された矩形状の突出部443を有する。その他は実施形態1の電圧検出端子140と同様である。よって、実施形態4も実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0045】
<実施形態5>
図10は、実施形態5の電圧検出端子540の斜視図である。図10(a)は電圧検出端子540をZ軸正方向側(ハーネスケース5側)から見た斜視図であり、図10(b)は電圧検出端子540をZ軸負方向側(二次電池セル101側)から見た斜視図である。実施形態5の電圧検出端子540は、実施形態1の電圧検出端子140と比較して、第1基部141と第2基部142との間に、突出部143に代えて、Z軸方向の断面視(あるいはYZ平面の平面視)においてZ軸負方向に突出するように形成された湾曲形状の突出部543を有する。
【0046】
さらに、第1基部141と第2基部142とは、Z軸方向の断面視(あるいはYZ平面の平面視)において、段違いの位置関係に設けられている。第2基部142の支持部144に対する突出部543の突出の頂点からの距離d2(図10(a)参照)は、第1基部141に対する突出部543の突出の頂点からの距離d1(図10(b)参照)と比較して長い。その他は実施形態1の電圧検出端子140と同様である。
【0047】
よって、電圧検出端子540は、実施形態1と同様の効果と共に、第1基部141と第2基部142が同一平面上に位置する形状的制約がなくなり空間配置の自由度を上げることができるという効果を得ることができる。なお、突出部543の形状が湾曲形状でなく屈折形状(実施形態3)又は矩形状(実施形態4)の場合も同様である。
【0048】
<実施形態6>
図11は、実施形態6の電圧検出端子640の斜視図である。図11(a)は電圧検出端子640をZ軸正方向側(ハーネスケース5側)から見た斜視図であり、図11(b)は電圧検出端子640をZ軸負方向側(二次電池セル101側)から見た斜視図である。実施形態6の電圧検出端子640は、実施形態5の電圧検出端子140と比較して、第1基部141と第2基部142との間に、突出部543に代えて、Z軸方向の断面視(あるいはYZ平面の平面視)においてZ軸負方向に突出するように形成された湾曲形状の突出部643を有する。
【0049】
実施形態6の電圧検出端子640では、上述の距離d2及び距離d1について、実施形態5とは逆の大小関係d2<d1が成り立つ(図11(a)、(b)参照)。その他は実施形態5の電圧検出端子540と同様である。よって、実施形態6も実施形態5と同様の効果を得ることができる。なお、突出部643の形状が湾曲形状でなく屈折形状(実施形態3)又は矩形状(実施形態4)の場合も同様である。
【0050】
<実施形態7>
図12は、実施形態7の電圧検出端子740の斜視図である。図12(a)は電圧検出端子740をZ軸正方向側(ハーネスケース5側)から見た斜視図であり、図12(b)は電圧検出端子740をZ軸負方向側(二次電池セル101側)から見た斜視図である。
【0051】
実施形態7の電圧検出端子740は、実施形態1の電圧検出端子140と比較して、第2基部142に代えて第2基部742を有する。その他は実施形態1の電圧検出端子140と同様である。
【0052】
第2基部742は、実施形態1の第2基部142と比較して、YZ平面に関して対称となる形状である。第2基部742は、支持部744と、嵌合部745と、接続部746とを有する。
【0053】
支持部744及び嵌合部745は、第2基部742において突出部143側に位置する。嵌合部745は、支持部744と交差し支持部144によって支持されるようにZ軸正方向に突出している。嵌合部745は、ハーネスケース5の嵌合部52に嵌入され嵌合部52と嵌合する。
【0054】
接続部746は、第2基部742において突出部143の反対側に位置し、カシメによって電圧検出線130と接続される。接続部746は、第1接続部746aと、第2接続部746bとを有する。第1接続部746a及び第2接続部746bは、カシメ部材であり、これらのカシメの脚が嵌合部145と同様にZ軸正方向に延伸する。
【0055】
電圧検出端子740の突出部143の突出方向は、二次電池セル101に対向する方向である一方、嵌合部745及び接続部746のカシメの脚の突出方向は、ハーネスケース5に対向する方向である。
【0056】
接続部746は、第1接続部746aによって電線露出部分130aをカシメて、電圧検出端子740に電圧検出線130を電気的に接続する。また、接続部746は、第2接続部746bによって電線露出部分130aの根本に該当する電圧検出線130の絶縁体被覆部分130bをカシメて、電圧検出端子740に電圧検出線130を物理的に固定する。
【0057】
このように、実施形態7は、実施形態1と比較して、嵌合部745及び接続部746のカシメの脚の突出方向がZ軸の反対方向であるが、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0058】
なお、実施形態2~6の電圧検出端子240、340、440、540、640も、実施形態1の電圧検出端子140に対する実施形態7の電圧検出端子740のように、第2基部142の嵌合部145及び接続部146のカシメの脚の突出方向がZ軸正方向となるに変形してもよい。
【0059】
また、実施形態3~7の電圧検出端子340、440、540、640、740も、実施形態1の電圧検出端子140に対する実施形態2の電圧検出端子240のように、突出部343、443、543、643、143の突出方向がZ軸正方向となるように変形してもよい。
【0060】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明は上述の実施形態の構成に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成で置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成に関し、他の構成の追加、削除、又は置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0061】
3:バスバケース、4:バスバカバー、5:ハーネスケース、6:エンドプレート、7:センタープレート、8:サイドフレーム、9:セル保持機構、10:セルブロック、51:配線格納部、52:嵌合部、100:二次電池モジュール、101:二次電池セル、120:バスバ、130:電圧検出線、130a:電線露出部分、130b:絶縁体被覆部分、140,240,340,440,540,640,740:電圧検出端子、141:第1基部、142:第2基部、143,243,343,443,543,643:突出部、144,744:支持部、145,745:嵌合部、146,746:接続部、146a,747a:第1接続部、146b,746b:第2接続部
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図12