(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】シューインターフェース消耗インジケータ
(51)【国際特許分類】
G01N 27/9013 20210101AFI20241113BHJP
G01N 29/24 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
G01N27/9013
G01N29/24
(21)【出願番号】P 2023513211
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 CA2021051153
(87)【国際公開番号】W WO2022040783
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-03-24
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522343027
【氏名又は名称】エヴィデント・カナダ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・ノグ
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル・ベダール-オーデ
(72)【発明者】
【氏名】レミ・ルクレール
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-157049(JP,A)
【文献】特開平11-230952(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103673935(CN,A)
【文献】特表2004-535306(JP,A)
【文献】特表2016-517937(JP,A)
【文献】特開2016-107981(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02665768(FR,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0356515(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/72-27/9093
G01N 29/00-29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成要素を分析するためのシューであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの側面に配設された非破壊試験(NDT)プローブと、
前記ハウジングの前記側面に配設されたシューインターフェースであって、前記構成要素の前記分析中に前記構成要素に接触し、一方で、前記構成要素の前記分析中に前記構成要素から前記NDTプローブを分離させるように構成され、前記構成要素に沿って移動するように構成されている、シューインターフェースと、
前記シューインターフェースと同様の構成を有し、かつ前記構成要素に沿って移動するように構成されている、第1の摩耗インジケータと、
前記シューインターフェースと同様の構成を有し、かつ前記構成要素に沿って移動するように構成されている、第2の摩耗インジケータと、を備え、
前記シューインターフェース
及び前記第1の摩耗インジケー
タの各々が、円筒構成を有し、
前記第2の摩耗インジケータは円柱構成を有し、前記第1の摩耗インジケータの視認度が、前記シューインターフェースが使用可能であることを示すように、前記第1の摩耗インジケータが、前記第2の摩耗インジケータの上に配設されている、シュー。
【請求項2】
前記ハウジングの端部に配設された衝撃保護装置を更に備えている、請求項1に記載のシュー。
【請求項3】
前記NDTプローブが、渦電流プローブである、請求項1又は2に記載のシュー。
【請求項4】
前記NDTプローブが、音響プローブである、請求項1又は2に記載のシュー。
【請求項5】
前記第2の摩耗インジケータが、前記シューインターフェースを交換するべきであることを示す、請求項1に記載のシュー。
【請求項6】
前記第1の摩耗インジケータが、第1のパターンであり、前記第2の摩耗インジケータが、前記第1のパターンと異なる第2のパターンである、請求項5に記載のシュー。
【請求項7】
前記第1の摩耗インジケータが、第1の色であり、前記第2の摩耗インジケータが、前記第1の色と異なる第2の色である、請求項5に記載のシュー。
【請求項8】
前記シューインターフェースを交換するべきであるときに、前記第2の摩耗インジケータの一部分が視認可能である、請求項1に記載のシュー。
【請求項9】
前記シューインターフェースが、第1の硬度を有する第1の材料から形成され、前記第1の摩耗インジケータ及び前記第2の摩耗インジケータの各々が、前記第1の材料の前記第1の硬度よりも低い第2の硬度を有する第2の材料から形成されている、請求項1に記載のシュー。
【請求項10】
前記第1の材料がカーバイドであり、前記第2の材料がプラスチックである、請求項9に記載のシュー。
【請求項11】
構成要素を分析するためのシューであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの側面に配設された非破壊試験(NDT)プローブと、
前記ハウジングの前記側面に配設されたシューインターフェースであって、前記構成要素の前記分析中に、前記構成要素に接触し、一方で、前記構成要素から前記NDTプローブを分離させるように構成され、前記構成要素に沿って移動するように構成されている、シューインターフェースと、
前記構成要素の前記分析中に前記シューインターフェースが使用可能であることを示す、第1の摩耗インジケータであって、前記シューインターフェースと同様の構成を有し、かつ前記構成要素に沿って移動するように構成されている、第1の摩耗インジケータと、
前記シューインターフェースを交換するべきであることを示す第2の摩耗インジケータであって、前記シューインターフェースと同様の構成を有し、かつ前記構成要素の前記分析中に前記構成要素に沿って移動するように構成されている、第2の摩耗インジケータと、を備え、
前記シューインターフェース
及び前記第1の摩耗インジケー
タの各々が、円筒構成を有し、
前記第2の摩耗インジケータは円柱構成を有し、前記構成要素の前記分析中に前記シューインターフェースが使用可能であるときに前記第1の摩耗インジケータのみが視認可能であるように、前記第1の摩耗インジケータが、前記第2の摩耗インジケータの上に配設されている、シュー。
【請求項12】
前記第1の摩耗インジケータが、第1の色であり、前記第2の摩耗インジケータが、前記第1の色と異なる第2の色である、請求項11に記載のシュー。
【請求項13】
前記第1の摩耗インジケータが、第1のパターンであり、前記第2の摩耗インジケータが、前記第1のパターンと異なる第2のパターンである、請求項11に記載のシュー。
【請求項14】
前記シューインターフェースを交換するべきであるときに、前記第2の摩耗インジケータの一部分が視認可能である、請求項11に記載のシュー。
【請求項15】
前記シューインターフェースが、第1の硬度を有する第1の材料から形成され、前記第1の摩耗インジケータ及び前記第2の摩耗インジケータの各々が、前記第1の材料の前記第1の硬度よりも低い第2の硬度を有する第2の材料から形成されている、請求項11に記載のシュー。
【請求項16】
構成要素を分析するためのシューであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの側面に配設された非破壊試験(NDT)プローブと、
前記ハウジングの前記側面に配設されたシューインターフェースであって、前記構成要素の前記分析中に、前記構成要素に接触し、一方で、前記構成要素から前記NDTプローブを分離させるように構成され、前記構成要素に沿って移動するように構成されている、シューインターフェースと、
前記構成要素の前記分析中に前記シューインターフェースが使用可能であることを示す、第1の摩耗インジケータであって、前記シューインターフェースと同様の構成を有し、かつ前記構成要素に沿って移動するように構成されている、第1の摩耗インジケータと、
前記シューインターフェースを交換するべきであることを示す第2の摩耗インジケータであって、前記シューインターフェースと同様の構成を有し、かつ前記構成要素の前記分析中に前記構成要素に沿って移動するように構成されている、第2の摩耗インジケータと、を備え、
前記シューインターフェース
及び前記第1の摩耗インジケー
タの各々が、円筒構成を有し、
前記第2の摩耗インジケータは円柱構成を有し、
前記構成要素の前記分析中に前記シューインターフェースが使用可能であるときに前記第1の摩耗インジケータのみが視認可能であるように、前記第1の摩耗インジケータが、前記第2の摩耗インジケータの上に配設され、
前記シューインターフェースが、第1の硬度を有する第1の材料から形成され、前記第1の摩耗インジケータ及び前記第2の摩耗インジケータの各々が、前記第1の材料の前記第1の硬度よりも低い第2の硬度を有する第2の材料から形成されている、シュー。
【請求項17】
前記ハウジングの端部に配設された衝撃保護装置を更に備えている、請求項16に記載のシュー。
【請求項18】
前記第1の摩耗インジケータが、第1の色であり、前記第2の摩耗インジケータが、前記第1の色と異なる第2の色である、請求項16に記載のシュー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月24日に出願された米国特許出願第17/000,508号に対する優先権の利益を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本文書は、概して、限定するものではいが、構成要素を分析するために使用することができる非破壊試験(NDT)検査デバイスとともに使用するためのシューに関する。より具体的には、本出願は、限定するものではないが、構成要素の解析を支持する際に使用することができる、シューのための消耗インジケータに関する。
【背景技術】
【0003】
渦電流試験(ECT)は、非破壊試験を必要とする様々な構成要素に使用される。例えば、金属配管及び他の合金管などの石油化学産業における構成要素とともに、胴体及び航空機翼などの航空宇宙用途に使用される構成要素は、潜在的な安全に関する又は品質に関する問題を検出するために分析が必要である。ECTは、金属表面の下の腐食を特定するとともに、金属シート及び管のクラックを検出するために使用することができる。更に、ECTは、導電性コーティングを覆う非導電性コーティングの厚さを決定するとともに、構成要素への熱処理の影響を監視するために使用され得る。
【0004】
典型的には、ECTは、交流電流がワイヤコイルを通って流れることによって生じる振動磁場を生成する渦電流プローブを必要とする。渦電流プローブを金属胴体などの導電性材料に近づけると、渦電流が導電性材料を通って移動する。金属の厚さの変化、又は金属の厚さにおける任意の欠陥は、結果として生じる磁場とともに渦電流の振幅及びパターンを変化させる。渦電流の振幅及びパターンの変化は、渦電流プローブのワイヤコイル内のインピーダンスを変化させ、操作者は、この変化を使用して、構成要素の変化及び/又は欠陥を特定することができる。
【0005】
渦電流プローブの機能を維持するために、渦電流プローブは、構成要素の分析中に、構成要素から離間させなければならない。典型的には、渦電流プローブを構成要素から分離させると同時に、渦電流プローブが構成要素に十分に近づいた状態を維持することを可能にして、適切な分析を行うために、スペーサが使用される。例えば、渦電流プローブによるECT中に、インターフェースを構成要素に沿って移動させてもよい。しかしながら、インターフェースは、構成要素の分析中に渦電流プローブが構成要素と接触し始め得る地点まで摩耗する場合がある。渦電流プローブと構成要素との接触は、渦電流プローブの尚早の摩耗につながり得る。
【発明の概要】
【0006】
構成要素の分析中に渦電流プローブが構成要素に接触する可能性を最小にするシューが必要である。更に、渦電流プローブを構成要素から分離させると同時に、渦電流プローブによる分析を可能にするシューのインターフェースを交換するべきである旨の指示を、シューがユーザに提供しなければならない。
【0007】
本開示の実施例は、構成要素を分析するシューのインターフェースの摩耗インジケータを提供することによって、上述の問題を解決する。一実装形態では、シューは、ハウジングと、ハウジングの側面に配設された非破壊試験(NDT)プローブと、ハウジングの側面に配設されたシューインターフェースと、を含むことができる。シューはまた、第1の摩耗インジケータと、第2の摩耗インジケータと、を含むことができる。一実装形態では、NDTプローブは、構成要素を分析すると同時に、構成要素から分離された状態を維持することができる。一実装形態では、シューインターフェースは、分析中に構成要素に接触すると同時に、NDTプローブを構成要素から離間させることができる。シューインターフェースは、円筒構成を有することができ、かつNDTプローブが構成要素を分析するときに構成要素に沿って移動することができる。第1及び第2の摩耗インジケータは、シューインターフェースを交換するべきか、又は別様に修理点検するべきかに関する視覚的指示を提供することができる。例えば、第1の摩耗インジケータのみが視認可能である場合は、シューインターフェースを追加的な分析に使用してもよく、例えば、シューインターフェースを交換又は別様に修理点検する必要はない。一実装形態では、第2の摩耗インジケータが視認可能である場合は、第2の摩耗インジケータの視認度が、シューインターフェースを交換又は別様に修理点検するべきであることを示す。
【0008】
一実装形態では、第1の摩耗インジケータは、第1の色とすることができ、第2の摩耗インジケータは、第1の色と異なる第2の色とすることができる。更に、第1の摩耗インジケータは、構成要素の分析中にシューインターフェースが使用可能であるときに第1の摩耗インジケータのみを視認することができるように、第2の摩耗インジケータの上に配設することができる。一実装形態では、シューインターフェースは、第1の硬度を有する第1の材料から形成することができ、第1の摩耗インジケータ及び第2の摩耗インジケータの各々は、第1の材料の第1の硬度よりも低くすることができる第2の硬度を有する第2の材料から形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施例による、シューの環境図を例示する。
【
図2】本開示の実施例による、
図1を参照して示されるシューの斜視図を例示する。
【
図3】本開示の実施例による、
図2を参照して示されるシューのシューインターフェースの斜視図を例示する。
【
図4】本開示の実施例による、
図3のシューインターフェースの摩耗インジケータを例示する。
【
図5】本開示の実施例による、
図3のシューインターフェースの摩耗インジケータを例示する。
【
図6】本開示の実施例による、
図3のシューインターフェースの摩耗インジケータを例示する。
【
図7】本開示の実施例による、
図4~6を参照して示される摩耗インジケータのパターンを例示する。
【
図8】本開示の実施例による、
図4~6を参照して示される摩耗インジケータのパターンを例示する。
【
図9】本開示の実施例による、
図3のシューインターフェースの摩耗インジケータを例示する。
【
図10】本開示の実施例による、
図3のシューインターフェースの摩耗インジケータを例示する。
【
図11】本開示の実施例による、
図3を参照して示されるシューの表面の様々な構成を例示する。
【
図12】本開示の実施例による、
図3を参照して示されるシューの表面の様々な構成を例示する。
【
図13】本開示の実施例による、
図3を参照して示されるシューの表面の様々な構成を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施例は、構成要素を分析するシューのインターフェースの摩耗インジケータを提供することによって、上述の問題を解決する。一実装形態では、シューは、ハウジングと、ハウジングの側面に配設されたNDTプローブと、ハウジングの側面に配設されたシューインターフェースと、を含むことができる。シューはまた、第1の摩耗インジケータと、第2の摩耗インジケータと、を含むことができる。一実装形態では、NDTプローブは、構成要素を分析すると同時に、構成要素から分離された状態を維持することができる。一実装形態では、シューインターフェースは、分析中に構成要素に接触すると同時に、NDTプローブを構成要素から離間させることができる。シューインターフェースは、円筒構成を有することができ、かつNDTプローブが構成要素を分析するときに構成要素に沿って移動することができる。第1及び第2の摩耗インジケータは、シューインターフェースを交換するべきかどうかに関する視覚的指示を提供することができる。例えば、第1の摩耗インジケータのみが視認できる場合は、シューインターフェースを追加的な分析に使用してもよく、例えば、シューインターフェースを交換する必要はない。一実装形態では、第2の摩耗インジケータが視認できる場合は、第2の摩耗インジケータの視認度が、シューインターフェースを交換するべきであることを示す。
【0011】
ここで、図を、より具体的には
図1を参照すると、本開示の実装形態に従って、構成要素102を検査するためにシュー100が使用される環境が示されている。
図1では、構成要素102がパイプとして示されているが、構成要素102は、圧力容器、航空機翼、航空機胴体、鉄道のレール、鉄道車両の車輪、海洋若しくは他の船舶の船殻、又は任意の他のタイプの構成要素、などが挙げられるが、これらに限定されない、任意の構成要素であり得る。更に、構成要素102は、鋼、アルミニウム、金属合金、ポリマー(部分的)、などが挙げられるが、これらに限定されない、任意のタイプの材料から形成され得る。一実装形態では、シュー100は、溶接検査、導電率試験、表面検査、腐食検出、ボルト孔検査、管検査などの、任意の数の試験を構成要素102に行うことができる。
【0012】
図2を参照して示されるように、シュー100は、シューインターフェース202が存在し得る側面を有するハウジング200を含むことができる。明細書の全体を通じて、1つのシューインターフェース202及び複数のシューインターフェース202を参照する。各々の用語は交換可能であることに留意されたい。ハウジング200は、3D印刷手順によって形成することができ、その場合、ハウジング200は、ナイロンから形成される。ハウジング200は、鋳造、射出成型、又は任意の他の好適な技法などの他の技法を使用して形成することができる。ハウジング200はまた、三次元印刷に適した任意の材料とともに、任意のタイプの金属合金、熱可塑性物質、又は任意の他のタイプの剛性材料から形成することもできる。
【0013】
図3を参照して示されるように、シューインターフェース202は、円筒構成を有することができる。1つのシューインターフェース202及び複数のシューインターフェース202は、カーバイドで形成することができる、円筒構成を有する本体300を含むことができる。しかしながら、本体300は、円筒構成に加えて、正方形又は三角形の形状を有することができることに留意されたい。カーバイドに加えて、本体300はまた、鋼、鉄などの金属合金、ポリエチレン、ポリアミドナイロン、ポリエーテルエーテルケトンなどを含むプラスチック材料で形成され得る。本体300が円筒構成を有する実装形態では、本体300は、約3.0mm~約7.0mmの範囲の直径を有することができる。更に、本体300は、約6.3mmの直径を有することができる。シューインターフェース202は、本体300に加えて、摩耗インジケータ302と、摩耗インジケータ304と、を有することができる。一実装形態では、摩耗インジケータ302及び304は、本体の端部300に配設することができる。本開示の実装形態によれば、摩耗インジケータ302及び304は、本体300の中間部分又は本体300の端部306と308との間の任意の場所などの、本体300に対して任意の位置に配設することができる。2つの摩耗インジケータを有する実施形態が開示されているが、シューインターフェースは、3つ、4つ、又は5つなどの任意の数の摩耗インジケータを有することができ、その場合、摩耗インジケータは、本明細書に記載された摩耗インジケータ302及び304の特徴を有することができることに留意されたい。
【0014】
摩耗インジケータ302及び304の各々は、本体300を形成するために使用される材料よりも軟質である材料で形成することができる。換言すれば、本体300の材料硬度は、摩耗インジケータ302及び304の材料硬度よりも高くすることができる。一実装形態では、摩耗インジケータ302及び304の各々は、本体300の硬度よりも低い硬度を有するプラスチック、ナイロン、又は合金で形成することができる。したがって、シュー100の使用中に本体300の表面が摩滅するにつれて、摩耗インジケータ302及び304も摩滅する。
【0015】
一実装形態では、摩耗インジケータ302及び304は、シューインターフェース202を交換するべきであるときに、シュー100の操作者に知らせるように機能する。一実装形態では、シューインターフェース202は、シュー100の使用により本体300が摩滅したときに交換するべきである。一実装形態では、本体300並びに摩耗インジケータ302及び304は、シュー100を使用して構成要素102を分析するときに、シューインターフェース202が構成要素102の表面に接触してその上を移動することによって引き起こされるシューインターフェース202と構成要素102との間に生じ得る摩擦によって摩滅し得る。一実装形態では、
図4を参照してより明らかに示されるように、摩耗インジケータ302は、摩耗インジケータ304の周りに形成することができる。したがって、一実装形態では、摩耗インジケータ302は、摩耗インジケータ302が摩耗インジケータ304の周りに配設されてそれを覆うので、摩耗インジケータ304よりも先に摩滅する。一実装形態では、
図5を参照して示されるように、摩耗インジケータ302は、摩耗インジケータ304を中空部分500内に嵌合することができるように、中空部分500を有する。更に、一実装形態では、摩耗インジケータ304は、摩耗インジケータ304を中空部分500内に嵌合することができるように、中空部分500に対して相補的である構成を有する。例えば、中空部分は、
図5に関して示されるように、円形形状を有することができ、摩耗インジケータ304は、
図6を参照して示されるように、摩耗インジケータ304を摩耗インジケータ302内に嵌合することができるように、相補的円形形状を有することができる。したがって、摩耗インジケータ302は、摩耗インジケータ304の摩滅よりも先に摩滅する。
【0016】
一実装形態では、摩耗インジケータ302は、緑色などの第1の色で形成すことができ、一方で、摩耗インジケータ304は、赤色などの異なる色で形成することができる。摩耗インジケータ302は、第1及び第2の色を有するように記載されているが、摩耗インジケータ302は、第1のインジケータを有することができ、摩耗インジケータ304は、第1のインジケータと異なる第2のインジケータを有することができることに留意されたい。例えば、第1のインジケータは、
図7を参照して示されるように、パターン700を有することができ、第2のインジケータは、
図8を参照して示されるように、パターン700と異なるパターン800を有することができる。更に、3つ、4つ、又は5つの摩耗インジケータなどの2つを超える摩耗インジケータが使用される一実施形態では、摩耗インジケータの各々は、異なる色又はパターンを有し得る。
【0017】
一実装形態では、摩耗インジケータ302及び304の各々が、本体300の硬度よりも低い硬度を有する材料で形成されているので、シュー100の使用を通じて本体300が摩滅するにつれて、摩耗インジケータ302及び304の各々は、本体300と同じ速度で摩滅し得る。上述したように、一実装形態では、本体300並びに摩耗インジケータ302及び304は、シュー100の使用中に、シューインターフェース202が構成要素102の表面に接触してその上を移動することによって引き起こされるシューインターフェース202と構成要素102との間に生じ得る摩擦によって摩滅し得る。摩耗インジケータ302及び304は、シュー100の操作者に本体300及びシューインターフェース202の摩耗状態の視覚的指示を提供する。例えば、摩耗インジケータ302のみが視認可能である、例えば、緑色又はパターン700が視認可能である場合、これは、本体300がもはや使用できない程度まで摩滅していない旨の、操作者に対する視覚インジケータとしての役割を果たす。したがって、シューインターフェース202は、交換を必要としない。摩耗インジケータ302のみが視認可能である実装形態は、
図9を参照して示される。一実装形態では、摩耗インジケータ302は、シュー100の使用中に、本体300とともに摩滅する。一実装形態では、摩耗インジケータの下の摩耗インジケータ304が現在露出する程度まで摩耗インジケータ302が摩滅したので、摩耗インジケータ304もまた視認可能である場合、例えば、緑色及び赤色の両方又はパターン700及び800の両方が視認可能である場合、これは、本体300が摩滅しており、シューインターフェース202を交換するべきである旨の、シュー100の操作者に対する視覚インジケータとしての役割を果たす。摩耗インジケータ302及び304の両方が視認可能である実装形態は、
図10を参照して示される。したがって、シュー100の目視検査中に、操作者は、摩耗インジケータ302及び304の状態を、その結果として、シュー202を交換するべきかどうかを、容易に判断することができる。
【0018】
再度
図2を参照すると、シュー100は、構成要素102を検査するために使用されるプローブ204を含むことができる。一実装形態では、プローブ204は、渦電流プローブ、飛行時間回折トランスデューサ(TOFD)、位相アレイセンサ、音響プローブ、又は任意の他のタイプのNDTセンサなどの、NDTプローブとすることができる。シュー100の動作中に、プローブ204は、上述した溶接検査、導電率試験、表面検査、又は腐食検出などの試験を構成要素102に行う。一実装形態では、シュー100が構成要素102を検査するときに、シューインターフェース202が構成要素102に物理的に接触して、プローブ204を構成要素102の表面から分離させる。一実装形態では、プローブ204は、約0.5mm~3.0mmの範囲で構成要素102の表面から分離され得る。
【0019】
シュー100はまた、衝撃保護装置206及び208も含むことができ、これらは、シュー100の使用中に、ハウジング200、シューインターフェース202、及びプローブ204を保護するように機能することができる。衝撃保護装置206及び208は、3D印刷手順によって形成することができ、その場合、衝撃保護装置206及び208は、ナイロンから形成される。衝撃保護装置206及び208は、鋳造、射出成型、又は任意の他の好適な技法などの他の技法を使用して形成することができる。衝撃保護装置206及び208はまた、任意のタイプの金属合金、熱可塑性物質、又は任意の他のタイプの剛性材料から形成することもできる。
【0020】
上述したように、シュー100は、様々なタイプの試験、検査、及び検出を行うために使用することができる。例えば、溶接検査は、シュー100によって行うことができ、その場合、プローブ204は、構成要素102の表面下試験のために、超音波NDTを用いることができ、一方で、賞賛的な渦電流法を使用して、構成要素102の溶接キャップ上の及び熱影響ゾーン内の開放面クラックについて表面を走査することができる。導電率試験は、シュー100によって行うことができ、その場合、導電率を測定するプローブ204の能力を使用して、鉄合金及び非鉄合金を特定及び分類し、構成要素102の熱処理を確認することができる。シュー100はまた、プローブ204を使用して、構成要素102の表面クラックを検査するために使用することもできる。構成要素102が、アルミニウム航空機外板などの薄い金属合金に対応する実装形態では、シュー100は、腐食検出に用いられ得、その場合、プローブ204は、薄い金属合金の内部の腐食を検出して、定量化するために使用することができる。ここで、プローブ204は、低周波プローブとすることができ、超音波的に検査することができない金属の第2及び第3の層の腐食の位置を特定するために使用することができる。更に、構成要素102が管に対応する実装形態では、シュー100は、製造段階にある管のインライン検査及び管の現場検査に使用することができ、その場合、プローブ204は、渦電流プローブとすることができる。
【0021】
上述した用途の場合、シュー100は、異なる構成を有する構成要素の試験を可能にすることができる、様々な構成を有することができる。例えば、上で論じたように、構成要素102は、シュー100が構成要素102の外面を検査する、円形形状を有する。この実装形態では、シュー100は、
図11を参照して示されるように、湾曲面1100を有する。この実装形態では、シュー100は、湾曲面1100に沿って配設されたシューインターフェース202を含むことができる。更に、プローブ204は、シュー100の使用中にプローブ204が構成要素102などの構成要素を検査することができるように、湾曲面1100と同様の構成を有することができる。
【0022】
シュー100はまた、
図12に関して示されるように、平坦な構成も有し得る。具体的には、シュー100が、実質的に平坦な表面を有する構成要素とともに使用される場合、シュー100は、
図12を参照して示されるように実質的に平坦である表面1200を含むことができる。この構成では、シューインターフェース202は、シュー100と平坦面を有する構成要素との使用を容易にするために、プローブ204とともに表面1200に沿って配設されている。
【0023】
更に、シュー100は、
図13を参照して示されるように、凸状構成を有し得る。この実装形態では、シュー100は、シュー100が凸状構成を有することを可能にする、湾曲面1300を含む。いくつかの実装形態では、この構成を有するシューは、管、圧力容器などの管状構造の内径を検査するために使用され得る。この実装形態では、シューインターフェース202は、シューインターフェース202が凸状構成を有するように、湾曲面1300の周りに配設されている。同様に、プローブ204もまた、
図13に関して示されるように、凸状構成を有することもできる。シュー100は、
図11~13を参照して示される構成を有するように示されているが、シュー100は、これらの構成に限定されるものではなく、本開示の実装形態に従う他の構成が想定されることに留意されたい。
【0024】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、例示として、本発明を実施することができる特定の例を示す。これらの例は、本明細書において「実施例」とも称される。かかる例は、示された又は記載されたものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明の発明者はまた、示された又は記載された要素のみが提供される例も想到する。更に、本発明者は、特定の例(又はその1つ以上の態様)に関して、又は本明細書に示された若しくは記載された他の例(又はその1つ以上の態様)に関して示された又は記載されたそれらの要素(又はその1つ以上の態様)の任意の組み合わせ又は順列を使用する例も想到する。
【0025】
本文書において、「a」又は「an」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」の任意の他の事例又は使用法とは無関係に、1つ以上を含むように使用される。本文書において、「又は」という用語は、別段の指示がない限り、「A又はB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、及び「A及びB」を含むように、非排他的論理和を指すために使用される。本文書において、「含む(including)」及び「それに(in which)」という用語は、それぞれの「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という用語の平易な英語の等価物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「備える(comprising)」という用語は、限定されておらず、すなわち、特許請求の範囲のそのような用語の後に列挙される要素に加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、製剤、又はプロセスは、依然として、その特許請求の範囲の範囲内にあるとみなされる。更に、以下の特許請求の範囲では、「第1」、「第2」、及び「第3」という用語などは、単にラベルとして使用され、それらの目的語に数値的要件を課すことを意図するものではない。
【0026】
上記の説明は、例示的であり、限定的ではないことが意図される。例えば、上で説明される例(又はその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。上記の説明を検討した当業者などによって、他の例が使用され得る。要約書は、読者が技術開示の性質を迅速に確認することを可能にするように提供される。特許請求の範囲の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないことを理解して提出される。また、上記の詳細な説明では、様々な特徴を一緒にグループ化して、開示を合理化することができる。これは、請求されていない開示された特徴が任意の特許請求の範囲に不可欠であることを意図するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された例の全ての特徴にない場合がある。このため、以下の特許請求の範囲は、例又は例として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の例として単独で存在し、そのような例は、様々な組み合わせ又は順列で互いと組み合わされ得ることが想到される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とともに決定されるべきである。
【符号の説明】
【0027】
100 シュー
102 構成要素
200 ハウジング
202 シューインターフェース
204 プローブ
206 衝撃保護装置
208 衝撃保護装置
300 端部
302 摩耗インジケータ
304 摩耗インジケータ
306 端部
700 パターン
800 パターン