(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】台所用液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20241113BHJP
C11D 1/88 20060101ALI20241113BHJP
C11D 1/68 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/88
C11D1/68
(21)【出願番号】P 2024104298
(22)【出願日】2024-06-27
【審査請求日】2024-07-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591225132
【氏名又は名称】株式会社アルボース
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】三輪 真之
(72)【発明者】
【氏名】尾山 昌弘
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-036223(JP,A)
【文献】米国特許第06140289(US,A)
【文献】特開2017-125146(JP,A)
【文献】特開2010-047711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)両性界面活性剤、及び(B)アルキルグリコシドを含有
し、陰イオン界面活性剤を含有しない、台所用液体洗浄剤組成物であって、
(A)両性界面活性剤
の中、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤
の割合は50質量%以上であり、
該洗浄剤組成物中の(A)両性界面活性剤の含有量は4質量%以上
20質量%以下であり、
該洗浄剤組成物中の炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の含有量は1質量%未満であり、
(B)アルキルグリコシド
として、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシド
のみを含有し、
該洗浄剤組成物中の(B)アルキルグリコシドの含有量は5質量%以上25質量%以下である、
台所用液体洗浄剤組成物。
【請求項2】
(A)両性界面活性剤の中、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の割合が80質量%以上である、請求項1に記載の台所用液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
(A)両性界面活性剤として、炭素数が8、10、12又は14のアルキル基を有する両性界面活性剤のみを含む、請求項1に記載の台所用液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を含有しない、請求項1に記載の台所用液体洗浄剤組成物。
【請求項5】
(A)両性界面活性剤が、炭素数が8又は10のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の台所用液体洗浄剤組成物。
【請求項6】
(A)両性界面活性剤として、炭素数が8、10又は14のアルキル基を有する両性界面活性剤のみを含む、請求項1に記載の台所用液体洗浄剤組成物。
【請求項7】
(A)両性界面活性剤として、炭素数14のアルキル基を有する両性界面活性剤のみを含む、請求項1に記載の台所用液体洗浄剤組成物。
【請求項8】
pHが、6.0~8.0の範囲である、請求項1に記載の台所用液体洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所用液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
台所用品である食器や調理器具を手洗いで洗浄する食器洗いの方法としては、台所用液体洗浄剤を付着させたスポンジ等の洗浄具で食器等を擦り洗いした後に水ですすぐ洗浄方法や、台所用液体洗浄剤を水に分散させて浸漬液とし、この浸漬液に食器等を漬け置き、一定時間放置した後に水ですすぐ洗浄方法がある。このように食器等を手洗いするために用いられる液体洗浄剤には、洗浄成分として界面活性剤(典型的には両性界面活性剤)が配合されており、この界面活性剤の機能により、食器等に付着した油汚れが洗浄される。このような両性界面活性剤を主成分とする台所用液体洗浄剤として、例えば、特許文献1には、両性界面活性剤およびジオール合成酵素を含む洗剤組成物が開示されている。
【0003】
近年、SDGsへの関心の高まりから、台所用液体洗浄剤についても、より少ない量でより大量の食器等を洗浄可能な、環境に配慮した製品が望まれるようになっている。すなわち、台所用液体洗浄剤の開発において、以前よりも増して、泡立ちや洗浄性能の持続性の改善が求められている。また、台所用液体洗浄剤は、取り扱いを容易にするために、あらかじめ数倍希釈した希釈液(例えば、実際の洗浄時の濃度により近い)を準備しておく場合があり、従来、希釈時の保存安定性も台所用液体洗浄剤の重要な性能として要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、泡立ち持続性および洗浄力持続性に優れ、かつ希釈時の保存安定性にも優れる台所用液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、意外にも、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤と、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドとを組み合わせることが、上記課題の解決に有効であることを見出した。より具体的には、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤は、アルキルグリコシドとの組み合わせにおいて洗浄力を高めるのに有効である一方、炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を同時に多量に使用することは洗浄力を低下させるためにその含有量を制限する必要があり、また、アルキルグリコシドは、両性界面活性剤との組み合わせにおいて泡立ち持続性を向上させるのに有効であるものの、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドでないと所望の効果を得ることができないことを見出し、さらに、当該組み合わせは希釈時の保存安定性にも優れていることを見出した。これらの知見より、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤と、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドとを含有し、かつ炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の含有量を制限した台所用液体洗浄剤組成物によれば、泡立ち持続性および洗浄力持続性に優れ、かつ希釈時の保存安定性にも優れる台所用液体洗浄剤組成物を提供できるとして、本発明を完成させた。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
【0007】
[1](A)両性界面活性剤、及び(B)アルキルグリコシドを含有する、台所用液体洗浄剤組成物であって、(A)両性界面活性剤は、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を含み、該洗浄剤組成物中の(A)両性界面活性剤の含有量は4質量%以上であり、該洗浄剤組成物中の炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の含有量は1質量%未満であり、(B)アルキルグリコシドは、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドを含む、台所用液体洗浄剤組成物。
[2]炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を含有しない、[1]に記載の台所用液体洗浄剤組成物。
[3]陰イオン界面活性剤を含有しない、[1]又は[2]に記載の台所用液体洗浄剤組成物。
[4](B)アルキルグリコシドとして、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドのみを含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の台所用液体洗浄剤組成物。
[5](A)両性界面活性剤が、炭素数が8又は10のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤をさらに含む、[1]~[4]のいずれかに記載の台所用液体洗浄剤組成物。
[6](A)両性界面活性剤として、炭素数が8、10又は14のアルキル基を有する両性界面活性剤のみを含む、[1]~[5]のいずれかにに記載の台所用液体洗浄剤組成物。
[7](A)両性界面活性剤として、炭素数14のアルキル基を有する両性界面活性剤のみを含む、[1]~[6]のいずれかに記載の台所用液体洗浄剤組成物。
[8]pHが、6.0~8.0の範囲である、[1]~[7]のいずれかに記載の台所用液体洗浄剤組成物。
【0008】
なお、前記[1]から[8]の各構成は、任意に2つ以上を選択して組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、泡立ち持続性および洗浄力持続性に優れ、かつ希釈時の保存安定性にも優れる台所用液体洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書中で使用される用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味で解釈される。
【0011】
<台所用液体洗浄剤組成物>
本発明の台所用液体洗浄剤組成物(以下、単に洗浄剤組成物ということがある)は、(A)両性界面活性剤、及び(B)アルキルグリコシドを含有し、(A)両性界面活性剤は、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を含み、該洗浄剤組成物中の(A)両性界面活性剤の含有量が4質量%以上であり、該洗浄剤組成物中の炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の含有量が1質量%未満であり、(B)アルキルグリコシドは、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドを含むことを特徴とする。本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤と、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドとを組み合わせて含有し、かつ炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の含有量を制限することで、優れた泡立ち持続性および洗浄力持続性を実現するとともに、優れた希釈時の保存安定性も実現している。
【0012】
[(A)両性界面活性剤]
本発明において、(A)両性界面活性剤は、当該技術分野において公知のものを、特に制限なく、広く使用することができる。両性界面活性剤として、具体的には、ベタイン型、アミンオキシド型、アミノ酸型等の両性界面活性剤を挙げることができる。中でも、ベタイン型およびアミンオキシド型の両性界面活性剤を好ましく使用できる。
【0013】
そして、本発明においては、(A)両性界面活性剤として、炭素数が14であるアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を使用することに特徴がある。このような両性界面活性剤を後述の(B)アルキルグリコシドと組み合わせて使用することで、優れた泡立ち持続性および洗浄力持続性を実現するとともに、優れた希釈時の保存安定性をも実現できる。ここで、本発明においては、炭素数が12であるアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の含有量を1質量%未満に制限する。上記界面活性剤及びアルキルグリコシドと同時に、炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を多量に使用することは、洗浄剤組成物における当該組み合わせによる洗浄力の向上を低下させてしまうことから、本発明ではこれを制限する。他方、炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤以外の両性界面活性剤(例えばベタイン型およびアミンオキシド型の両性界面活性剤)は同時に使用することが許容される。なお、(A)両性界面活性剤として、炭素数12の炭化水素基を有する両性界面活性剤を使用しないことも好ましい。
【0014】
したがって、本発明において、(A)両性界面活性剤は、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を含み、例えば、(A)両性界面活性剤は、炭素数が8又は10のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤(すなわち、炭素数8のアルキル基を有する両性界面活性剤、炭素数8のアシル基を有する両性界面活性剤、炭素数10のアルキル基を有する両性界面活性剤、炭素数10のアシル基を有する両性界面活性剤)をさらに含んでもよい。すなわち、本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、(A)両性界面活性剤として、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を使用するが、さらに、炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤以外の界面活性剤もあわせて使用でき、中でも好適に、炭素数が8又は10のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤をあわせて使用できる。そして、本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、(A)両性界面活性剤として、炭素数が8、10又は14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤のみを含むことが好ましく、(A)両性界面活性剤として、炭素数が8、10又は14のアルキル基を有する両性界面活性剤のみを含むことがより好ましく、(A)両性界面活性剤として、炭素数14のアルキル基を有する両性界面活性剤のみを含むことが特に好ましい。
【0015】
本発明において、上記炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤におけるアルキル基又はアシル基は、直鎖であることが好ましく、すなわち、上記炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤は、炭素数14の直鎖のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤であることが好ましい。特に、炭素数14の直鎖アルキル基を有する両性界面活性剤を好適に使用できる。また、同様に、上記炭素数が8又は10のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤におけるアルキル基又はアシル基は、直鎖であることが好ましく、すなわち、上記炭素数が8又は10のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤は、炭素数が8又は10の直鎖のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤であることが好ましい。特に、炭素数が8又は10の直鎖アルキル基を有する両性界面活性剤を好適に使用できる。
【0016】
ベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、2-アルキル-N-カルボキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のカルボン酸塩型;ミリスチルジメチルスルホベタイン、ミリスチルヒドロキシスルホベタイン等のスルホン酸塩型;などの界面活性剤が挙げられる(炭素数12のものについては後述)。炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤として、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ミリスチルベタインともいう)及びミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ミリスチン酸アミドプロピルベタインともいう)を好ましく使用でき、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタインをより好ましく使用できる。
【0017】
アミンオキシド型両性界面活性剤としては、例えば、オクチルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、パルミチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジエチルアミンオキシド、ミリスチルジヒドロキシエチルアミンオキシド等のアルキルアミンオキシド型;ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド等のアミドアミンオキシド型;ミリスチルオキシプロピルアミンオキシド等のアルキルオキシプロピルアミンオキシド型;などの界面活性剤が挙げられる(炭素数12のものについては後述)。炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤として、ミリスチルジメチルアミンオキシドを好ましく使用できる。
【0018】
アミノ酸型両性界面活性剤としては、例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン、アルキルアミノエチルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン、アルキルβアラニン等が挙げられる(炭素数12のものについては後述)。
【0019】
また、本発明における両性界面活性剤として、例えば、以下の市販品を使用することができる:グローバル・アミンズ社のGENAMINOX OC(オクチルジメチルアミンオキシド)、GENAMINOX K-10(デシルジメチルアミンオキシド)、GENAMINOX MY(ミリスチルジメチルアミンオキシド)など;新日本理化社のリカビオンA-200(ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン)など;松本油脂製薬社のマーポビスターMAP(ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)など。
【0020】
なお、本発明の台所用液体洗浄剤組成物において、両性界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0021】
本発明の台所用液体洗浄剤組成物における(A)両性界面活性剤の含有量は、4質量%以上に設定するが、本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限なく、適量配合できる。(A)両性界面活性剤の含有量の下限としては、洗浄力の観点から、4.5質量%以上が好ましい。また、(A)両性界面活性剤の含有量の上限としては、配合安定性の観点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。(A)両性界面活性剤の含有量の数値範囲としては、4質量%以上30質量%以下であることが好ましく、4質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、4.5質量%以上15質量%以下であることが更に好ましい。
【0022】
本発明の台所用液体洗浄剤組成物に含有される(A)両性界面活性剤の中、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の割合は、本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限されず、同時に配合される両性界面活性剤の種類によって適宜調整することができるが、洗浄力の観点から、例えば、50質量%以上であり、70質量%以上が好ましく、100質量%であること(すなわち、台所用液体洗浄剤組成物に含有される(A)両性界面活性剤の全てが、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤であること)がより好ましい。
【0023】
また、前述のとおり、炭素数が12であるアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤は、本発明の洗浄剤組成物の洗浄力の向上を低下させてしまうことから、その含有量は低ければ低いほどよい。したがって、本発明の台所用液体洗浄剤組成物に含有される(A)両性界面活性剤の中、炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の割合は、例えば、25質量%未満が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、0質量%であること(すなわち、台所用液体洗浄剤組成物に炭素数が12であるアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤が含有されない)が特に好ましい。
【0024】
また、本発明の台所用液体洗浄剤組成物における、炭素数が12であるアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の含有量は、1質量%未満に制限されるが、例えば、0.9質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下がさらに好ましく、0質量%であること(すなわち、台所用液体洗浄剤組成物に炭素数が12であるアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤が含有されない)が特に好ましい。
【0025】
本発明における、炭素数が12であるアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジアミノエチルグリシン等が挙げられ、例えば、以下の市販品が挙げられる:グローバル・アミンズ社のGENAMNINOX K-12(ラウリルジメチルアミンオキシド)など;新日本理化社のリカビオンA-100(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)など;ミヨシ油脂社のアンホレックス LB-2(ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)など;三洋化成社のレボンT-2(ラウリルジアミノエチルグリシン)など。
【0026】
[(B)アルキルグリコシド]
本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、(B)アルキルグリコシドを含む。そして、本発明において、(B)アルキルグリコシドは、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシド(すなわち、アルキルグリコシドにおけるアルキル基は、炭素数が偶数であり、かつ直鎖である)を用いる。このようなアルキルグリコシドとして、当該技術分野において公知のものを、特に制限なく、広く使用することができる。このようなアルキルグリコシドは、例えば、下記の一般式により示すことができ、当該技術分野において一般的に使用されるものを適宜選択して使用できる。
【化1】
[式中、R
1は直鎖アルキル基であり、その炭素数は2~22の範囲にある偶数である。nは1以上であり、好ましくは1000以下である。]
【0027】
本発明では、(B)アルキルグリコシドとして、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドのみを使用するのが好ましい。したがって、本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドのみを含有することが好ましい。またこのため、例えば、本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、アルキル基が分岐である、あるいはアルキル基の炭素数が奇数であるアルキルグリコシドを含有しないことが好ましい。
【0028】
なお、本発明の台所用液体洗浄剤組成物において、アルキルグリコシドは、1種単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。また、本発明における「アルキルグリコシド」には、アルキルモノグリコシド、アルキルポリグリコシド、およびこれらの混合物が含まれる。
【0029】
ここで、より具体的に、本発明で使用されるアルキルグリコシドにおいて、その直鎖アルキル基の炭素数は、2~22の範囲にある偶数であることが好ましく、8~16の範囲にある偶数(すなわち、8、10、12、14、16)であることがより好ましい。これらは、その範囲にあれば、いずれかの炭素数の単一物であってもよいし、それらの混合物であってもよい。なお、例えば、C8,C10アルキルグリコシドと表記した場合、C8アルキルグルコシドとC10アルキルグリコシドの混合物を意味する。
【0030】
さらにより具体的な例として、例えば、C8,C10,C12,C14,C16(混合)アルキルグリコシドやデシルグリコシドを好適に使用でき、C8,C10,C12,C14,C16(混合)アルキルグリコシドを特に好適に使用できる。
【0031】
(B)アルキルグリコシドは、例えば、以下の市販品を使用することができる。花王社製の、マイドール10(C10の直鎖アルキル基)、マイドール12(C12の直鎖アルキル基)など。BASF社製の、Glucopon 215UP(C8,C10の(混合)直鎖アルキル基)、Glucopon 650EC(C8,C10,C12,C14,C16の(混合)直鎖アルキル基)など。
【0032】
本発明の台所用液体洗浄剤組成物における(B)アルキルグリコシドの含有量は、本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限なく、適量配合できる。(B)アルキルグリコシドの含有量の下限としては、泡立ち持続性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、9質量%以上が特に好ましい。また、(B)アルキルグリコシドの含有量の上限としては、配合安定性の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が更に好ましい。(B)アルキルグリコシドの含有量の数値範囲としては、0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、1質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上25質量%以下であることが更に好ましく、9質量%以上25質量%以下であることが特に好ましい。
【0033】
本発明の台所用液体洗浄剤組成物中の(A)両性界面活性剤と(B)アルキルグリコシドとの質量比[(A)/(B)]は、特に制限されず、配合される両性界面活性剤およびアルキルグリコシドの種類によって適宜調整することができるが、洗浄力と泡立ち持続性の観点から、例えば、0.0025~300であることが好ましく、0.01~100であることがより好ましく、0.1~50であることが更に好ましく、0.2~5であることが特に好ましい。
【0034】
本発明の台所用液体洗浄剤組成物には、上記成分の他、本発明の効果が奏される範囲であれば、必要に応じて、高分子分散剤、キレート剤、酵素、色素、殺菌剤、水溶性溶剤、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤、酸化防止剤、除菌剤、香料、金属腐食防止剤、防腐剤、pH調整剤等を含有させることができる。また、本発明の洗浄剤組成物は、両性界面活性剤以外の任意の界面活性剤(例えば、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤)を含有してもよい。
【0035】
ここで、本発明の台所用液体洗浄剤組成物において、陰イオン界面活性剤は配合安定性を低下させる可能性があることから、本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、陰イオン界面活性剤を含まないことが好ましい。
【0036】
本発明の台所用液体洗浄剤組成物において例えば、上記成分以外の残部として水を含有する。本発明の台所用液体洗浄剤組成物が含有する水としては、特に限定されず、例えば水道水、イオン交換水、精製水、蒸留水、純水、軟水、硬水等が挙げられる。
【0037】
本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、上述の各成分を常法により混合することで製造することができる。
【0038】
[pH]
本発明の台所用液体洗浄剤組成物のpHは、特に制限されるものではないが、例えば、25℃でのpHが6.0~8.0であり、好ましくは6.0~7.5であり、より好ましくは6.0~7.0である。pHが中性であると、皮膚に対しての刺激が少なく、使用感に優れた台所用液体洗浄剤組成物となる。
【0039】
<台所用品の洗浄方法>
本発明の台所用液体洗浄剤組成物を用いた台所用品の洗浄方法(以下、単に洗浄方法ということがある)は、本発明の台所用液体洗浄剤組成物を用いて被洗浄物を洗浄することを特徴とし、その他の工程、条件等は制限されない。なお、この洗浄方法の説明には、前述の本発明の台所用液体洗浄剤組成物の記載が援用できる。
【0040】
本発明の洗浄方法は、例えば、本発明の台所用液体洗浄剤組成物を水で所定の倍率に希釈することで希釈洗浄剤とし、該希釈液体洗浄剤を用いて被洗浄物を洗浄することを含む。
【0041】
本発明の洗浄方法において、具体的な洗浄方法は特に限定されないが、例えば手洗いを行うことができる。より具体的に、被洗浄物に応じて、擦り洗い、漬け置き洗い等を行うことができる。
【0042】
本発明の洗浄方法において、本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、水で希釈しても、希釈せずに原液のままで使用してもよい。本発明の台所用液体洗浄剤組成物を水で希釈するときの希釈倍率は、特に制限はされないが、例えば、2~10000倍である。また、希釈洗浄剤中の本発明の台所用液体洗浄剤組成物の濃度は、例えば、0.01質量%以上50質量%以下である。
【0043】
なお、本発明の台所用液体洗浄剤組成物の洗浄対象(被洗浄物)は、皿、箸、スプーン等の食器;鍋、包丁、まな板等の調理器具;レンジ、コンロ等の厨房器具;などの台所用品が挙げられる。中でも、食器または調理器具を洗浄するのに好ましく用いられ、食器を洗浄するのに好ましく用いられる。そこで、本発明の台所用洗浄剤組成物は、例えば、食器用液体洗浄剤組成物や調理器具用液体洗浄剤組成物ということもできる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0045】
下記表1に示す組成の台所用液体洗浄剤組成物を調製し、以下の試験を行った。配合に用いた各成分を以下に示す。ここで洗浄剤組成物のpHは、pH調整剤としてのクエン酸を適量配合することで、いずれもpH6.5(25℃)に調整した。なお、以下において「%」は特に記載がない限り質量%を表す。また、表1における括弧内の数値は純分換算値である。
【0046】
[配合成分]
<両性界面活性剤>
・23%ミリスチルジメチルアミンオキシド(C14直鎖アルキル基):商品名「GENAMNINOX MY」(液状)、グローバル・アミンズ社製
・30%ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン(C14直鎖アルキル基):商品名「リカビオンA-200」(液状)、新日本理化社製
・30%ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(C14直鎖アシル基):商品名「マーポビスター MAP」(液状)、松本油脂製薬社製
・30%ラウリルジメチルアミンオキシド(C12直鎖アルキル基):商品名「GENAMNINOX K-12」(液状)、グローバル・アミンズ社製
・30%ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(C12直鎖アルキル基):商品名「リカビオンA-100」(液状)、新日本理化社製
・30%ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(C12直鎖アシル基):商品名「アンホレックス LB-2」(液状)、ミヨシ油脂社製
・30%デシルジメチルアミンオキシド(C10直鎖アルキル基):商品名「GENAMNINOX K-10」(液状)、グローバル・アミンズ社製
・30%オクチルジメチルアミンオキシド(C8直鎖アルキル基):商品名「GENAMNINOX OC」(液状)、グローバル・アミンズ社製
<アルキルグルコシド>
・40%デシルグリコシド(C10直鎖アルキル基):商品名「マイドール10」(液状)、花王社製
・65%C8,C10アルキルグリコシド(C8,C10(混合)直鎖アルキル基):商品名「Glucopon 215UP」(液状)、BASF社製
・50%C8,C10,C12,C14,C16アルキルグリコシド(C8,C10,C12,C14,C16(混合)直鎖アルキル基):商品名「Glucopon 650EC」(液状)、BASF社製
・65%2-エチルヘキシルグリコシド(C8分岐アルキル基):商品名「AG6202」(液状)、ヌーリオン社製
・70%C7アルキルグリコシド(C7直鎖アルキル基):商品名「SIMULSOL SL 7G」(液状)、SEPPIC社製
・50%C11アルキルグリコシド(C11直鎖アルキル基):商品名「SIMULSOL SL 11W」(液状)、SEPPIC社製
<陰イオン界面活性剤>
・70%ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム:商品名「アルスコープTH-370N」(ワセリン状)、東邦化学工業社製
・93%アルカンスルホン酸ナトリウム:商品名「WeylClean SAS93」(粒状固体)、アゼリスジャパン社製
・75%ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム:商品名「マーポマーセPT」(液状)、松本油脂製薬社製
・40%C14アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム:商品名「リポランLJ-441」(液状)、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製
【0047】
[配合安定性試験]
各洗浄剤組成物を、前述のとおり調製した後、液温を25℃にした。外観を目視で観察し、配合安定性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:透明の液体である。
×:白濁、分離、ゲル化等が生じている。
【0048】
[希釈時保存安定性試験]
各洗浄剤組成物を、水で10倍希釈したのち、40℃で1日間保存した。保存後、外観を目視で観察し、保存安定性を評価した。評価基準は以下のとおりである。なお、「-」は、試験を実施しなかったことを示す。
○:透明の液体である。
×:白濁、分離、ゲル化等が生じている。
【0049】
[泡立ち持続性試験]
<汚れ付着食器>
モデル汚れは、牛脂と大豆油とを1:1で混合した油を使用した。この油を0.5gずつ、直径23cmのPEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂製丸皿に均一に塗布し、汚れ付着食器を準備した。
【0050】
<洗浄方法>
各洗浄剤組成物を用いて、上記汚れ付着食器を洗浄した。具体的には、洗浄剤組成物を10倍希釈した希釈液20gをスポンジに含ませ、そのスポンジを5回揉んで泡立て、上記汚れ付着食器をぬるつきがなくなるまで擦り洗いした。ぬるつきがなくなれば、その食器については擦り洗いをやめ、同じスポンジを用いて新たな汚れ付着食器を擦り洗いすることを繰り返し、約十数枚の食器を擦り洗いした。その後、食器を水ですすぎ、自然乾燥させた。
【0051】
<評価方法>
泡立ちが維持されていた食器枚数により洗浄時の泡立ち持続性を評価した。具体的には、上記洗浄方法にて、汚れ付着食器を一枚ずつ、順次擦り洗い洗浄した。擦り洗い時少しでも泡が生じた場合には泡立ちが維持されていたと判断し、洗浄時に泡立ちが維持されていた食器の枚数を数えた。評価基準は以下のとおりである。なお、「-」は、試験を実施しなかったことを示す。
◎:8枚以上
○:6~7枚
×:5枚以下
【0052】
[洗浄力試験]
<洗浄方法>
上記の洗浄時の泡立ち持続性試験と同様の方法にて、各洗浄剤組成物を用いて上記汚れ付着食器を洗浄した。
<評価方法>
上記洗浄方法により洗浄できた食器の枚数により洗浄力(洗浄力持続性)を評価した。ここで、洗浄できたことの確認は、オイルレッドを用いて油汚れを検出し、目視により油汚れが残っていないことを確認することで行った。評価基準は以下のとおりである。なお、「-」は、試験を実施しなかったことを示す。
◎:8枚以上
○:6~7枚
×:5枚以下
【0053】
[残臭性試験]
まず、各洗浄剤組成物1gを手に塗り込んだ。その後、ぬめりが手から除去されるまで流水で洗い流した。洗浄後の手の臭気をヒトの嗅覚で確認することで残臭性を評価した。評価基準は以下のとおりである。なお、「-」は、試験を実施しなかったことを示す。
○:臭いが全く感じられなかった。
×:臭いが感じられた。
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
各試験の結果を表1に示す。表1に示されるとおり、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤と、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドとを組み合わせて含有し、炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の含有量を1質量%未満に制限した洗浄剤組成物(実施例1~10)は、泡立ち持続性および洗浄力持続性に優れ、かつ希釈時保存安定性に優れていた。中でも、炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を含有しない洗浄剤組成物(実施例1~8)は、より泡立ち持続性および洗浄力持続性に優れていた。しかしながら、炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を1質量%以上含有する洗浄剤組成物(比較例11~13)は、泡立ち持続性および洗浄力持続性に劣っていた。これに対し、両性界面活性剤として、炭素数12のアルキル基を有する両性界面活性剤以外の両性界面活性剤は、特に低濃度に制限せずにあわせて使用した場合(実施例3)であっても、泡立ち持続性および洗浄力持続性の低下は認められなかった。したがって、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤と、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドとの組み合わせは、泡立ち持続性および洗浄力持続性を向上させることができ、かつ希釈時保存安定性にも優れていることがわかった。そして、あわせて炭素数12のアルキル基を有する両性界面活性剤を使用することは1質量%未満であれば許容され、泡立ち持続性および洗浄力持続性の観点から、その含有量はより低い方が好ましいことがわかった。一方、炭素数12のアルキル基を有する両性界面活性剤以外の両性界面活性剤の使用は特に低濃度に制限しなくとも許容されることがわかった。なお、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤としては、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタインおよびミリスチルジメチルアミンオキシドを使用することで、より泡立ち持続性および洗浄力持続性に優れる洗浄剤組成物を得ることができることがわかった。
【0059】
そして、両性界面活性剤と組み合わせて使用されるアルキルグリコシドとしては、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドを使用する必要があることがわかった。すなわち、アルキルグリコシドとして、アルキル基の炭素数が奇数であるものを使用した場合(比較例3、4、9および10)や、分岐のアルキル基であるものを使用した場合(比較例1および2)には、泡立ち持続性および洗浄力持続性に優れ、かつ希釈時保存安定性に優れる洗浄剤組成物を得ることができなかった。また、アルキル基の炭素数が偶数であるアルキルグリコシドと奇数であるアルキルグリコシドを混合して使用した場合(比較例5~8)にも、泡立ち持続性および洗浄力持続性に優れ、かつ希釈時保存安定性に優れる洗浄剤組成物を得ることができなかった。したがって、両性界面活性剤と組み合わせて使用されるアルキルグリコシドとしては、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドを使用する必要があることがわかった。
【0060】
なお、参考例1~8の洗浄剤組成物は、両性界面活性剤およびアルキルグリコシドに加え、種々の陰イオン界面活性剤を含有した洗浄剤組成物であるが、洗浄力の低下(参考例1、5および8)や配合安定性の低下(参考例2~4、6、7)が認められた。したがって、陰イオン界面活性剤をさらに配合させると、洗浄剤組成物の性能を低下させてしまうことがわかった。
【0061】
また、残臭性評価に関しても、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤と、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドとを組み合わせて含有する洗浄剤組成物(実施例1~10)は臭い残りがなく、使用感にも優れていることがわかった。
【0062】
以上より、本発明によれば、泡立ち持続性および洗浄力持続性に優れ、かつ希釈時の保存安定性にも優れる台所用液体洗浄剤組成物を提供することができることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によれば、泡立ち持続性および洗浄力持続性に優れ、かつ希釈時の保存安定性にも優れる台所用液体洗浄剤組成物を提供することができる。
【要約】
【課題】本発明は、泡立ち持続性および洗浄力持続性に優れ、かつ希釈時の保存安定性にも優れる台所用液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、(A)両性界面活性剤、及び(B)アルキルグリコシドを含有する、台所用液体洗浄剤組成物であって、(A)両性界面活性剤は、炭素数14のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤を含み、該洗浄剤組成物中の(A)両性界面活性剤の含有量は4質量%以上であり、該洗浄剤組成物中の炭素数12のアルキル基又はアシル基を有する両性界面活性剤の含有量は1質量%未満であり、(B)アルキルグリコシドは、炭素数が偶数の直鎖アルキル基を有するアルキルグリコシドを含む、台所用液体洗浄剤組成物である。
【選択図】なし