(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】預かり品管理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241114BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023114097
(22)【出願日】2023-07-11
(62)【分割の表示】P 2018129147の分割
【原出願日】2018-07-06
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】501363969
【氏名又は名称】株式会社デジジャパン
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】一柳 和彦
(72)【発明者】
【氏名】長澤 隼人
(72)【発明者】
【氏名】榎本 義一
(72)【発明者】
【氏名】平井 英幸
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-280292(JP,A)
【文献】月刊あずかりくん2018年5月号,2018年5月号,日本,株式会社 ライト,2018年05月,1-5,https://www.right.jp/pdf/gekkan_azukarikun_201805.pdf,[online],<検索日:2024年6月5日 検索>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
業者が客からクリーニングの対象として預かる預かり品に関する預かり品情報を登録する登録手段と、
登録された預かり品に対応して預かり品番号の採番を行う採番手段と、
一取引において登録された預かり品に関連する項目が印刷された媒体として、前記客に渡される第1の伝票および前記業者による作業にて使用される第2の伝票を出力する出力手段とを備え、
前記出力手段は、
前記採番手段により採番された預かり品番号が他の項目に対して強調される態様で仕上がり日及び登録情報よりも上方に位置するようにされ、前記登録された預かり品の仕上がり日に対応して分割した複数の前記第2の伝票
として、前記業者が運営する工場で使用される工場控え伝票を出力可能であり、強調される態様の前記預かり品番号を、クリップに挟む位置を示すクリップ用領域よりも下側に配置した前記工場控え伝票を出力する
預かり品管理装置。
【請求項2】
前記出力手段は、一取引において登録された複数の預かり品について、預かり品を畳む仕上げ形態と前記預かり品を畳む以外の仕上げ形態とで分割された複数の前記第2の伝票を出力する
請求項1に記載の預かり品管理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、
前記第2の伝票として
、前記業者が運営する店舗で使用される店舗控え伝票を出力可能であり、
登録された預かり品について指定された付加価値サービスが他の項目に対して強調される態様で前記店舗控え伝票を出力する
請求項1または2に記載の預かり品管理装置。
【請求項4】
コンピュータを、
業者が客からクリーニングの対象として預かる預かり品に関する預かり品情報を登録する登録手段、
登録された預かり品に対応して預かり品番号の採番を行う採番手段、
一取引において登録された預かり品に関連する項目が印刷された媒体として、前記客に渡される第1の伝票および前記業者による作業にて使用される第2の伝票を出力する出力手段であって、前記採番手段により採番された預かり品番号が他の項目に対して強調される態様であるとともに仕上がり日及び登録情報よりも上方に位置するようにされたうえで、前記登録された預かり品の仕上がり日に対応して分割した複数の前記第2の伝票
として、前記業者が運営する工場で使用される工場控え伝票を出力可能であり、強調される態様の前記預かり品番号を、クリップに挟む位置を示すクリップ用領域よりも下側に配置した前記工場控え伝票を出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、預かり品管理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クリーニング工場でのクリーニング工程においてクリーニング対象物を撮像して得られた画像データに基づいて、色のにじみ等の瑕疵の発生の有無を判定するようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クリーニング業者としては、客から預かったクリーニング対象の品(預かり品)について、工場でのクリーニングの工程を含め、できるだけ効率よく円滑に処理されていくことが好ましい。特許文献1の技術では、クリーニング処理の工程において発生した預かり品の瑕疵を発見できるにとどまり、預かり品を効率よく処理していくという点では不十分である。
【0005】
上記した課題を考慮して、本発明は、業者が客から預かった預かり品についての処理の効率が向上されるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本願発明の一態様は、預かり品に関する預かり品情報を登録する登録手段と、登録された預かり品に関連する数量を示す数量関連項目と登録された預かり品についての処理に関する処理関連項目との少なくともいずれか一方である特定項目と、他の項目とをそれぞれ異なる態様で出力する出力手段とを備える預かり品管理装置である。
【0007】
本願発明の一態様は、コンピュータを、預かり品に関する預かり品情報を登録する登録手段、登録された預かり品についての数量に関する数量関連項目と登録された預かり品についての処理に関する処理関連項目との少なくともいずれか一方である特定項目と、他の項目とをそれぞれ異なる態様で出力する出力手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、業者が客から預かった預かり品についての処理の効率が向上されるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態においてクリーニング業者が行う預かり品の処理の流れについて説明する図である。
【
図2】第1実施形態におけるPOS端末の構成例を示す図である。
【
図3】第1実施形態における客控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【
図4】第1実施形態における工場控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【
図5】第1実施形態における店舗控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【
図6】第1実施形態における伝票についての印刷項目の設定内容例を示す図である。
【
図7】第2実施形態における客控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【
図8】第2実施形態における工場控え伝票、店舗控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【
図9】本実施形態の第2変形例に対応する工場控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【
図10】本実施形態の第2変形例に対応する客控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【
図11】本実施形態の第3変形例に対応する店舗控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【
図12】本実施形態の第4変形例と第5変形例とに対応する工場控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【
図13】本実施形態の第6変形例に対応する工場控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【
図14】本実施形態の第7変形例に対応する工場控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【
図15】本実施形態の第8変形例に対応する工場控え伝票の印刷内容例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0011】
<第1実施形態>
〔預かり品の処理の流れ〕
図1を参照して、本実施形態に対応してクリーニング業者が行う預かり品の処理の流れについて説明する。本実施形態において預かり品とは、客CSから預かった衣類等のクリーニング対象品である。本実施形態において、クリーニング業者は店舗STと工場FCとを運営する。以下の処理の流れの説明は、図において括弧内に記載した手順の番号に従って行う。
【0012】
手順1[クリーニングの依頼]
客CSは、クリーニング対象品を持って店舗STに赴き、店員CLにクリーニング対象品のクリーニング処理を依頼する。客CSは、この際にクリーニング対象品を店員CLに手渡し、預ける。
【0013】
手順2[会計]
客CSからのクリーニング処理の依頼を受けた店員CLは、預かったクリーニング対象品(預かり品)を対象として会計を行う。会計に際して、店員CLは、POS端末20を操作して、預かり品を登録する操作を行う。会計において、POS端末20は、例えば店員CLの操作に応じて、預かり品のクリーニング処理に関する料金についての決済処理を実行する。
【0014】
手順3[採番]
POS端末20は、会計において預かり品を登録する操作が行われたことに応じて、登録された預かり品を管理する預かり品番号の採番(発番)処理を実行する。つまり、POS端末20は、預かり品番号を生成し、生成した預かり品番号を登録された預かり品に対応付ける処理を実行する。POS端末20による採番の処理は、例えば連番に従って行われる。
【0015】
手順4[伝票発行]
手順2の会計の完了に伴い、POS端末20は伝票を発行する。本実施形態のPOS端末20は、店舗控え伝票VC1、工場控え伝票VC2、及び客控え伝票VC3の3種類の伝票を発行する。
店舗控え伝票VC1は、今回のクリーニング処理の受注に応じて、店舗STにて控えとして保管される伝票である。
工場控え伝票VC2は、今回のクリーニング処理の受注に応じて、工場FCにて控えとして保管される伝票である。
客控え伝票VC3は、今回のクリーニング処理の受注(客CSにとっては依頼(発注))に応じて、客CSが控えとして保管する伝票である。
上記の3種の伝票についての印刷内容の具体例については後述する。
【0016】
手順5[タグ取り付け]
店舗STにおいては、預かり品の管理のために預かり品ごとに取り付ける番号タグTGが保管されている。例えば、番号タグTGには、クリーニング処理による汚損が生じにくい材質の用紙が用いられる。番号タグTGにはそれぞれ所定の番号が印刷されている。また、番号タグTGは、例えば連番に従った綴りの形式とされ、例えばミシン目などが施されていることで1枚ずつ切り離せるようになっている。
番号タグTGは、客CSと応対する店員CLがすぐに手に取ることができるように、POS端末20の近傍に用意されている。
店員CLは、会計に際して、採番により生成されたのと同じ番号が付された番号タグTGを、預かり品とともに預かりカゴに入れる。
店員CLは、同じ預かり品カゴに入っている預かり品とタグとを取り出して、預かり品にタグを取り付ける作業を行う。この際、店員CLは、店舗控え伝票VC1に印刷された預かり品と預かり品番号との対応関係を確認しながら行うことができる。
また、預かり品については、客CSからの申し出に応じて、通常のクリーニングに付加される所定に付加価値サービスが指定される場合がある。店員CLは、付加価値サービスが指定された場合には、預かり品の登録に際して、指定された付加価値サービスも対応付けて登録されるように操作を行う。少なくとも、店舗控え伝票VC1には、預かり品ごとに登録された付加価値サービスを示す情報が印刷されている。店員CLは、付加価値サービスが指定されている預かり品については、預かり品番号に対応する番号タグTGに加えて、さらに指定された付加価値サービスの内容に対応するタグ(付加価値タグ)を取り付ける。
以降の説明にあたり、番号タグTGと付加価値タグとで特に区別しない場合には、単にタグと記載する。
【0017】
以下に付加価値サービスの具体例を挙げる。
1「急ぎ」:通常の仕上がり日より前に仕上がるように対応するサービスである。
2「のり無し」:例えば、Yシャなどは一般には糊付けが施されることで、衿や袖などに梁を与えることが行われるが、客によっては、糊付けされた衣類の着心地を快いと感じない場合がある。「のり無し」は、このような客に対応して、通常は糊付けをする預かり品について糊付けをしないようにするサービスである。
3「のり強く」:客によっては、着心地や見栄えなどの観点から、通常よりも強い糊付けを好む場合がある。「のり強く」は、このような客に対応して、糊付けをする預かり品について、通常よりも強く糊付けをするサービスである。
4「線無し」:一般にスラックスなどの衣類については線付けと呼ばれる折り目を付ける処理が行われるが、客によっては折り目を付けないことを希望する場合がある。「線無し」は、このような場合に対応して、預かり品について線付けをいしないサービスである。
5「汗抜き」:水洗いできない預かり品について、ドライクリーニングでは落ちにくいとされている汗等による汚れを取ることを目的として、通常とは異なる技術を用いて型崩れ等なく水洗いするサービスである。
6「吊るし」:預かり品についてハンガーに掛けられた状態で客に返却できるように、クリーニング処理された預かり品を工場でハンガーに掛けておくサービスである。
7「タタミ」:預かり品について畳まれた状態で客に返却できるように、クリーニング処理された預かり品を工場で畳んでおくサービスである。
8「防虫加工」:預かり品について、虫食いによる穴あきなどを防止するため、防虫加工を施すサービスである。
9「撥水加工」:預かり品について撥水加工を施すサービスである。
10「オーダーコース」:多様な項目について客の指定に応じたクリーニング処理等を行うサービスである。
11「ダブル洗いコース」:ドライクリーニングとウェットクリーニングとの両方によるクリーニング処理を行うサービスである。
また、上記のような付加価値サービス内容に応じて、クリーニング処理が完了した預かり品(仕上がり品)の包装の仕方も指定される場合がある。また、付加価値サービスとして所定の包装の仕方が指定されてもよい。
【0018】
手順6[工場発送]
店舗STにおいては、客CSからの依頼を受けるごとに手順1~5が繰り返されることで、店舗STにおいては、タグが取り付けられた預かり品がたまっていく。このようにして店舗STにて保管された預かり品は、所定のタイミングでまとめて工場FCに向けて発送される。
店舗STにおいて、タグ付けが完了した預かり品については、例えば洗い区分ごとに応じて仕分けをしたうえでためていくようにされてよい。この場合には、洗い区分ごとに仕分けされた預かり品の束単位で工場FCへの発送が行われるので、工場FCでは店舗STから受け取った預かり品を洗い区分ごとに応じて仕分けする必要はない。なお、店舗STでは特に仕分けることなくまとめてためておき、工場FCにて、作業員が、例えば預かり品に付けられたタグを確認して仕分けを行うようにされてもよい。
また、店舗STにおいては、タグが取り付けられた預かり品とともに、会計に際して発行された工場控え伝票VC2もたまっていく。このように店舗STにて保管された工場控え伝票VC2も、対応の預かり品とともに工場FCに発送される。
【0019】
手順7[クリーニング処理]
工場FCでは、手順6により発送された預かり品と、当該預かり品に対応する工場控え伝票VC2とを受け取る。工場FCにおいて、作業者は、受け取った預かり品のクリーニング処理を行う。この際、作業者は、付加価値タグが取り付けられた預かり品については、付加価値タグにおいて示される付加サービスの内容を確認し、確認した付加サービスに対応する処理も行う。
【0020】
手順8[アセンブリ作業]
工場FCにおいて、作業者は、クリーニング処理が完了した預かり品のアセンブリ作業を行う。アセンブリ作業は、客への預かり品の1回の返却(返却単位)ごとに応じて、まとめて返却すべき預かり品を物理的にまとめる作業である。
本実施形態におけるアセンブリ作業は、例えば以下のようにして行われる。アセンブリの作業エリアにおいては、返却単位ごとに対応する1つの親ハンガーが吊り下げられるようにして用意される。用意された親ハンガーには、それぞれ、返却単位ごとに対応する工場控え伝票VC2が付けられている。
【0021】
返却単位は、基本的には、客CSが店舗STに赴いて行ったクリーニング処理についての1回の依頼に応じた受注の対象とされた預かり品を含む。しかしながら、1回の受注(一取引)に対応する預かり品であっても、預かり品の種類、指定された付加価値サービス等に応じてクリーニング処理に要する時間が異なるために、仕上がり日が異なってくる場合がある。このような場合には、一取引に対応する預かり品は、仕上がり日に応じて複数の返却単位に区分される。
【0022】
工場控え伝票VC2には、返却単位ごとに対応する預かり品についての預かり品番号が示されている。そこで、作業者は、クリーニング処理が完了した預かり品のうちから、親ハンガーに付けられた工場控え伝票VC2により示されるのと同じ預かり品番号が示される番号タグTGが取り付けられた預かり品を取り出す。作業者は、取り出した預かり品を親ハンガーに掛ける。このようなアセンブリ作業によって、親ハンガーごとに区分けされるように、それぞれ同じ返却単位に含まれる預かり品がまとめられる。このように返却単位ごとにまとめられた預かり品は、店舗発送分の預かり品となる。
【0023】
手順9[店舗発送]
店舗発送分の預かり品は、例えば対応の工場控え伝票VC2において示される仕上がり日までに店舗STに発送が完了するように発送準備が行われる。発送準備が整った預かり品は、工場FCから店舗STに発送される。
【0024】
手順10[引き渡し]
店舗STでは、手順9によって発送された預かり品を保管する。そして、店舗STの店員は、引き取りのために店舗STに赴いた客CSに、預かり品を引き渡す。この際、店員は、客CSが持参した客控え伝票VC3において示される預かり品番号、預かり品の点数等を確認する。店員は、保管していた預かり品から、確認した預かり品番号、点数等に該当する預かり品を取り出し、客CSに引き渡す。
【0025】
〔POS端末の構成例〕
図2を参照してPOS端末20の構成例について説明する。同図のPOS端末20は、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、記憶部23、入力部24、表示部25、印刷部26、及び通信部27を備える。
【0026】
CPU21は、POS端末20の中央演算処理装置であり、記憶部23に記憶されているプログラムを読み出してRAM22に展開し、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、POS端末20の動作を制御する。
RAM22は、POS端末20の主記憶装置であり、CPU21が演算に利用する情報を記憶する。
記憶部23は、POS端末20の補助記憶装置であり、POS端末20に対応する各種の情報を記憶する。
【0027】
入力部24は、POS端末20に対する各種操作を受け付ける部位である。入力部24は、POS端末20に備えられる物理的なキー、ボタン等の操作子を含んでよい。また、入力部24は、表示部25がタッチパネルとして構成される場合には、表示部25の表示面上に配置されたタッチパッドを含んでよい。また、入力部24は、コード情報等を読み取るスキャナ、各種カードから情報を読み取るカードリーダーなどを含んでよい。
【0028】
表示部25は、CPU21の制御に応じて各種の情報を表示する。
印刷部26は、装填された用紙に印刷を行う。本実施形態において印刷部26は、会計に際して、店舗控え伝票VC1、工場控え伝票VC2、及び客控え伝票VC3を印刷することができる。つまり、POS端末20による伝票の発行は、印刷部26が印刷を行うことによって実現される。
【0029】
通信部27は、例えばネットワーク経由で通信を行う。これにより、POS端末20は、例えば店舗STに設置された他のPOS端末や管理装置、さらに本部等に設置された端末装置やサーバ等と通信を行うことができる。また、通信部27は、例えば近距離無線通信が可能とされてよい。これにより、POS端末20は、近距離無線通信経由で、店員等が所持する携帯端末や客が所持する携帯端末等と通信を行うことができる。
【0030】
〔伝票の印刷内容例〕
続いて、本実施形態における伝票(店舗控え伝票VC1、工場控え伝票VC2、及び客控え伝票VC3)の印刷内容例について説明する。
まず、
図3を参照して、客控え伝票VC3の印刷内容例について説明する。同図においては、客控え伝票VC3として、2枚の客控え伝票VC3-1、VC3-2が示されている。客控え伝票VC3-1、VC3-2は、それぞれ一取引に対応する預かり品について、異なる2つの仕上がり日に区分されたことに応じて、2つの返却単位ごとに対応して発行されたものである。
【0031】
客控え伝票VC3-1、VC3-2のうち、客控え伝票VC3-1が1枚目の客控え伝票となる。
客控え伝票VC3-1においては、ヘッダ領域AR11、伝票綴り番号領域AR12、伝票種別領域AR13、伝票番号領域AR14、日付領域AR15、会員番号領域AR16、客情報領域AR17、仕上がり日領域AR18、登録情報領域AR19、点数内訳領域AR20、及び店舗情報領域AR21が配置されている。
【0032】
ヘッダ領域AR11は、客控えとしての伝票としての体裁を明示するような情報の印字が行われる領域である。
【0033】
伝票綴り番号領域AR12は、当該客控え伝票VC3-1が、一取引(1回のクリーニング処理の受注(客からは発注となる)に対応する)の客控え伝票として何枚目にあたるものであるのかを示す領域である。同図では、伝票綴り番号領域AR12において「1/2」との綴り番号が示されていることで、一取引に対応する客控え伝票として2枚が発行されており、当該客控え伝票VC3-1は、2枚のうちの1枚目であることが示される。
【0034】
伝票種別領域AR13は、当該伝票の種別が示される領域である。同図では、「お預り票」との文字により、当該伝票の種別が客控え伝票であることが示される。
【0035】
伝票番号領域AR14は、当該伝票に対応付けられた伝票番号を示す領域である。本実施形態において、伝票番号は、一取引に対応して付与される場合を例に挙げる。
日付領域AR15は、当該伝票が発行された日時を示す領域である。
【0036】
会員番号領域AR16は、対応のクリーニング処理を発注した客の会員番号を示す領域である。
客情報領域AR17は、対応のクリーニング処理を依頼した客に関する情報が示される領域である。具体的に、同図の客情報領域AR17においては、客の氏名と電話番号とが示された例を挙げている。
【0037】
仕上がり日領域AR18は、当該客控え伝票VC3-1に対応する預かり品についての仕上がり日(引き取り可能となる予定の日時)を示す領域である。
【0038】
登録情報領域AR19は、対応のクリーニング処理の受注において登録された預かり品のうち、当該客控え伝票VC3-1に対応する返却単位の預かり品に関する登録内容を示す領域である。
同図の登録情報領域AR19においては、「Yシャツ立体」としての預かり品が3点登録されており、3点の金額が600円であることが示される。また、登録情報領域AR19においては、1つの預かり品番号(「タグNo.」)が示されている。この預かり品番号は、3つの預かり品のそれぞれに付された預かり品番号のうちで最も若い番号である。
【0039】
点数内訳領域AR20は、当該客控え伝票VC3-1に対応して登録された預かり品の点数についての返却単位に応じた内訳を示す領域である。
同図においては、「点数 3点」、「総点数 6点」と印刷されている。このような印刷内容は、対応のクリーニング処理の受注により全部で6点が登録されたうえで、登録された6点のうち3点が、当該客控え伝票VC3-1に対応することを示している。
【0040】
なお、点数内訳領域AR20においては、例えばより詳細な情報が示されてよい。例えば、点数内訳領域AR20において、総点数6点のうち、当該客控え伝票VC3に対応する3点の仕上がり日と、他の3点の仕上がり日とが示されるようにしてよい。このような点数内訳領域AR20の内容とすることで、例えば、当該客控え伝票VC3-1における点数内訳領域AR20を見さえすれば、2枚目の客控え伝票VC3-2を見ることなく、残り3点の仕上がり日を確認できる。
【0041】
店舗情報領域AR21は、店舗STに関する情報を示す領域である。同図では、店舗情報領域AR21において、店舗STの店名、電話番号、住所、担当者名等を示した例が挙げられている。
【0042】
次に、同図に示される2枚目の客控え伝票VC3-2においては、客控え伝票VC3-1と同様に、ヘッダ領域AR11、伝票綴り番号領域AR12、伝票種別領域AR13、伝票番号領域AR14、日付領域AR15、会員番号領域AR16、客情報領域AR17、仕上がり日領域AR18、登録情報領域AR19、点数内訳領域AR20、店舗情報領域AR21が配置されている。
【0043】
上記の各領域のうち、ヘッダ領域AR11、伝票種別領域AR13、伝票番号領域AR14、日付領域AR15、会員番号領域AR16、客情報領域AR17、登録情報領域AR19、及び店舗情報領域AR21においては、1枚目の客控え伝票VC3-1と共通の内容が示される。
【0044】
一方、上記の各領域のうち、伝票綴り番号領域AR12、仕上がり日領域AR18、及び点数内訳領域AR20においては、2枚目の客控え伝票VC3-2に対応する内容が示される。
まず、伝票綴り番号領域AR12においては、「2/2」と示されていることで、当該客控え伝票VC3-2は、一取引に対応する客控え伝票として発行された2枚のうちの2枚目であることが示される。
また、仕上がり日領域AR18においては、1枚目の客控え伝票VC3-1における仕上がり日領域AR18において示されているのとは異なる仕上がり日としての日時が示される。ここで、2枚目の客控え伝票VC3-2の仕上がり日領域AR18にて示される仕上がり日は、1枚目の客控え伝票VC3-1の仕上がり日領域AR18にて示される仕上がり日よりも後の日時となっている。
点数内訳領域AR20においては、「点数 3点」、「総点数 6点」と印刷されている。この場合、結果的に点数内訳領域AR20において示される内容は1枚目の客控え伝票VC3-1と同じなっている。しかしながら、客控え伝票VC3-2の点数内訳領域AR20の内容は、対応のクリーニング処理の受注により全部で6点が登録されたうえで、登録された6点のうち3点が、当該客控え伝票VC3-2に対応することを示す。
【0045】
そのうえで、客控え伝票VC3-2においては、さらに会計情報領域AR22、会員有効期限領域AR23、及び預かり品番号領域AR24が配置される。
【0046】
会計情報領域AR22は、当該客控え伝票VC3-2に対応する取引に応じた会計結果を反映した会計情報を示す領域である。会計に関しては、一取引に対応して、客控え伝票VC3-1が対応する3点の預かり品と、客控え伝票VC3-2が対応する3点の預かり品とをあわせた6点を対象として行われている。このため、会計情報領域AR22において示される会計情報は、客控え伝票VC3-2に対応する3点のみでなく、客控え伝票VC3-1に対応する3点をあわせた6点を対象として行われた会計情報が示される。
【0047】
会員有効期限領域AR23は、対応の客の会員証の有効期限の日付を示す領域である。
預かり品番号領域AR24は、客控え伝票VC3-2が対応する一取引に応じて登録された全ての預かり品(6点の預かり品)に付された連番の預かり品番号を示す領域である。同図の預かり品番号領域AR24では、例えば「7-179~7-184」のように、最初の預かり品番号と最後の預かり品番号とを示した例が挙げられている。
【0048】
次に、
図4を参照して、工場控え伝票VC2(VC2-1、VC-2)の印刷内容例について説明する。
同図の工場控え伝票VC2は、
図3に示した客控え伝票VC3と同じ受注内容に対応する。工場控え伝票VC2も、客控え伝票VC3と同様に、一取引に対応する預かり品について異なる仕上がり日により区分される場合には、仕上がり日に応じた返却単位ごとに対応して複数が発行される。
【0049】
工場控え伝票VC2-1、VC2-2のうち、工場控え伝票VC2-1が1枚目の工場控え伝票となる。
工場控え伝票VC2-1においては、伝票綴り番号領域AR30、伝票種別領域AR31、強調預かり品番号領域AR32、伝票番号領域AR33、日付領域AR34、会員番号領域AR35、仕上がり日領域AR36、登録情報領域AR37、点数内訳領域AR38、及び店舗情報領域AR39が配置されている。
【0050】
伝票綴り番号領域AR30は、当該工場控え伝票VC2-1が、一取引対応する工場控え伝票として何枚目にあたるものであるのかを示す領域である。同図では、伝票綴り番号領域AR30において「1/2」との綴り番号が示されていることで、一取引に対応する工場控え伝票として2枚が発行されており、当該工場控え伝票VC2-1は、2枚のうちの1枚目であることが示される。
【0051】
伝票種別領域AR31は、当該伝票の種別が示される領域である。同図では、「工場控え」との文字により、当該伝票の種別が工場控え伝票であることが示される。
【0052】
強調預かり品番号領域AR32は、工場控え伝票VC2-1が対応する返却単位に含まれる預かり品(3点の預かり品)に付された連番の預かり品番号を示す領域である。同図の預かり品番号領域AR24では、例えば「7-179~7-181」のように、対応の返却単位に含まれる3つの預かり品についての最初の預かり品番号と最後の預かり品番号とを示した例が挙げられている。また、同図では、強調預かり品番号領域AR32において、さらに「計3点」のように、対応の返却単位に含まれる預かり品の総数が3つであることも示した例が挙げられている。
【0053】
伝票番号領域AR33は、当該伝票に対応付けられた伝票番号を示す領域である。前述のように、伝票番号は、一取引に対応して付与される。このため、伝票番号領域AR33において示される伝票番号は、
図3の客控え伝票VC3-1、VC3-2の伝票番号領域AR14において示される伝票番号と共通となっている。
日付領域AR34は、当該伝票が発行された日時を示す領域である。
【0054】
会員番号領域AR35は、対応のクリーニング処理を発注した客の会員番号を示す領域である。
仕上がり日領域AR36は、当該工場控え伝票VC2-1に対応する預かり品についての仕上がり日を示す領域である。
登録情報領域AR37は、対応のクリーニング処理の受注において登録された預かり品のうち、当該工場控え伝票VC2-1に対応する返却単位の預かり品に関する登録内容を示す領域である。
点数内訳領域AR38は、当該工場控え伝票VC2-1に対応して登録された預かり品の点数についての返却単位に応じた内訳を示す領域である。
【0055】
店舗情報領域AR39は、店舗STに関する情報を示す領域である。
例えば、工場FCにて複数の店舗の預かり品に対応してクリーニング処理を行うようにされている場合には、預かり品番号のみによっては、預かり品がいずれの店舗に対応するものであるのかを特定できない場合がある。
具体的に、店舗間での重複を考慮することなく店舗ごとに個別に預かり品に預かり品番号を付している場合には、預かり品番号のみにより預かり品と店舗との対応を特定することは難しい。店舗情報領域AR39が印刷されていれば、工場FCの作業者は、工場控え伝票VC2の店舗情報領域AR39に示される店舗の情報を確認することで、預かり品がいずれの店舗に対応するのかを特定できる。
【0056】
次に、2枚目の工場控え伝票VC2-2においては、工場控え伝票VC2-1と同様に、伝票綴り番号領域AR30、伝票種別領域AR31、強調預かり品番号領域AR32、伝票番号領域AR33、日付領域AR34、会員番号領域AR35、仕上がり日領域AR36、登録情報領域AR37、点数内訳領域AR38、及び店舗情報領域AR39が配置されている。
【0057】
上記の各領域のうち、伝票種別領域AR31、伝票番号領域AR33、日付領域AR34、及び会員番号領域AR35については、1枚目の工場控え伝票VC2-1と共通の内容が示される。
また、店舗情報領域AR39については、1枚目の工場控え伝票VC2-1では、店舗名と担当者名のみであったが、2枚目の工場控え伝票VC2-2では、さらに電話番号が示されている。つまり、店舗情報領域AR39は、工場控え伝票VC2-1と工場控え伝票VC2-2とで提示する店舗STは同じであるが、工場控え伝票VC2-1では一部情報が省略されている。
【0058】
また、上記の各領域のうち、伝票綴り番号領域AR30、強調預かり品番号領域AR32、仕上がり日領域AR36、登録情報領域AR37、点数内訳領域AR38においては、2枚目の工場控え伝票VC2-2に対応する預かり品の点数についての内訳が示される。
まず、伝票綴り番号領域AR30においては、「2/2」と示されていることで、当該工場控え伝票VC2-2は、一取引に対応する工場控え伝票として発行された2枚のうちの2枚目であることが示される。
また、強調預かり品番号領域AR32は、工場控え伝票VC2-2が対応する返却単位に含まれる預かり品(3点の預かり品)に付された連番の預かり品番号を示す。同図の強調預かり品番号領域AR32では、例えば「7-182~7-184」のように、対応の返却単位に含まれる3つの預かり品についての最初の預かり品番号と最後の預かり品番号が示される。また、強調預かり品番号領域AR32においては、工場控え伝票VC2-1と同様に、「計3点」のように、対応の返却単位に含まれる預かり品の総数が3つであることも示される。
仕上がり日領域AR36においては、1枚目の工場控え伝票VC2-1における仕上がり日領域AR36において示されているのとは異なる仕上がり日としての日時が示される。ここで、2枚目の工場控え伝票VC2-2の仕上がり日領域AR36にて示される仕上がり日は、1枚目の工場控え伝票VC2-1の仕上がり日領域AR36にて示される仕上がり日よりも後の日時となっている。
点数内訳領域AR38においては、「点数 3点」、「総点数 6点」と印刷されている。この場合、結果的に点数内訳領域AR38において示される内容は1枚目の工場控え伝票VC2-1と同じなっている。しかしながら、工場控え伝票VC2-2の点数内訳領域AR38の内容は、対応のクリーニング処理の受注により全部で6点が登録されたうえで、登録された6点のうち3点が、当該工場控え伝票VC2-2に対応することを示す。
【0059】
そのうえで、工場控え伝票VC2-2においては、さらに会計情報領域AR40、会員有効期限領域AR41、及び預かり品番号領域AR42が配置されている。
会計情報領域AR40、会員有効期限領域AR41、及び預かり品番号領域AR42の各内容は、それぞれ、
図3の客控え伝票VC3-2における会計情報領域AR22、会員有効期限領域AR23、及び預かり品番号領域AR24と同様である。
【0060】
ここで、工場控え伝票VC2-1、VC2-2のそれぞれにおける強調預かり品番号領域AR32と伝票綴り番号領域AR30における印刷内容としての文字(数字も含む)は、他の領域に印刷される文字よりも大きい。
前述のように、工場FCにおいては、クリーニング処理を完了した預かり品を返却単位ごとにまとめるアセンブリ作業が行われる。アセンブリ作業に際しては、親ハンガーに工場控え伝票VC2が1枚ずつ付けられる。作業者は、親ハンガーに付けられた工場控え伝票VC2の強調預かり品番号領域AR32に印刷された預かり品番号に該当する預かり品を親ハンガーに掛けていく。
このように、アセンブリ作業としては、工場控え伝票VC2に印刷された預かり品番号を確認する作業が含まれる。そこで、本実施形態では、工場控え伝票VC2に印刷された預かり品番号については他の文字より大きいサイズとして作業者が見やすくなるようにしている。これにより、アセンブリ作業の効率化が図られる。
【0061】
さらに、本実施形態においては、伝票綴り番号領域AR30における伝票綴り番号の文字のサイズも他の文字より大きくしている。これにより、作業者は、同じ一取引に含まれる他の返却単位の預かり品のあることを意識して作業することができる。また、強調預かり品番号領域AR32の内容と併せて伝票綴り番号の内容を把握しやすくなるので、例えば同じ一取引において返却単位の異なる預かり品を確認したりする場合に、預かり品を特定しやすい。
【0062】
また、工場FCが複数の店舗の預かり品を処理している場合において、アッセンブリ作業等で預かり品と店舗との対応を確認する機会が多いような場合には、店舗情報領域AR39において示される店舗に関する情報を示す文字等についても強調されてよい。
【0063】
また、
図3の客控え伝票VC3と比較した場合、同図の工場控え伝票VC2では、ヘッダ領域AR11、客情報領域AR17、登録情報領域AR19の情報が省略されている。ヘッダ領域AR11は、客に向けて用意される領域であることから、工場控え伝票VC2においては不要なものとして省略できる。
また、客との応対は店舗STにて行われることから、工場FCの作業者にとって客に関する情報は必要最小限でよい。このため、工場控え伝票VC2においては、会員番号領域AR35により客の会員番号については示したうえで、客情報領域AR17に対応する客の氏名、電話番号等の詳細な情報については省略されている。
また、預かり品の登録に関する情報は、店舗STにて客との対応にあたり必要となる情報であり、工場FCでの作業で特に必要となる情報ではない。そこで、工場控え伝票VC2においては、登録情報領域AR19に対応する預かり品の登録に関する情報も省略されている。
このように情報の省略を行うことで、工場控え伝票VC2に必要な用紙を節約できる。特に、工場控え伝票VC2では、強調預かり品番号領域AR32と伝票綴り番号領域AR30等のように文字が大きく印刷される領域により多くの用紙を使用することになる。このため、工場での作業にあたり不要あるいは必要性の低い情報を工場控え伝票VC2から省略して用紙の節減を図ることは有効である。
【0064】
なお、工場控え伝票VC2においては、ヘッダ領域AR11、客情報領域AR17、登録情報領域AR19だけではなく、さらに省略される領域があってもよい。
例えば、工場FCが1つの特定の店舗STからの預かり品を処理しているなど、工場FCでの作業にて預かり品と店舗との対応を確認する必要がないような場合、店舗情報領域AR39も省略することができる。あるいは、店舗情報領域AR39について店舗コードのみを印刷するといったように簡略化することもできる。
また、工場控え伝票VC2からは、会計情報領域AR40、会員有効期限領域AR41等についても省略されてよい。
【0065】
また、工場控え伝票VC2-2においては、強調預かり品番号領域AR32と預かり品番号領域AR42のように、共通の預かり品番号を示す2つの領域が配置されている。預かり品番号領域AR42においては、通常のサイズの文字により預かり品番号が印刷されるが、強調預かり品番号領域AR32においては、大きいサイズの文字が印刷されている。つまり、工場控え伝票VC2-2においては、1の媒体において複数箇所に印刷する共通の項目のうちの少なくとも1箇所の項目の態様を他の箇所の項目の態様と異ならせることを行っている。
【0066】
また、
図4の工場控え伝票VC2の上端側において破線で示される部分に対応する領域は、クリップ用領域CLPである。アセンブリ作業において親ハンガーに工場控え伝票VC2を付けるにあたっては、親ハンガーに設けられたクリップに工場控え伝票VC2を挟むことが行われる。
クリップ用領域CLPは、クリップにより挟まれる位置に対応する。このため、同図においてはクリップ用領域CLPには、特に文字等が印刷されていない例が示されている。このようにクリップ用領域CLPにおいて印刷される情報がない状態とすることで、クリップで挟んでも工場控え伝票VC2に印刷された情報がクリップによって隠されてしまうことがない。一方で、クリップ用領域CLPの右に配置された伝票綴り番号領域AR30は、工場控え伝票VC2のクリップ用領域CLPがクリップにより挟まれても、クリップの右側において露出した状態であるため、作業者が伝票綴り番号を問題なく確認できる。このような観点からすれば、例えば伝票綴り番号領域AR30は、クリップ用領域の右側に代えて左側に配置されてもよい。
なお、クリップ用領域CLP、アセンブリ作業に際して必要のないような情報については印刷されていてもよい。例えば、装飾のための印刷等はクリップ用領域CLPに含まれてよい。
【0067】
また、これまでの説明から理解されるように、工場控え伝票VC2における預かり品番号は、作業者にとって見やすいことが求められる。この点を考慮すると、預かり品番号を強調して示す強調預かり品番号領域AR32は、工場控え伝票VC2において下側よりは、できるだけ上側に配置されることが好ましい。ただし、クリップ用領域CLPには預かり品番号が位置しないように配慮する必要がある。このため、同図においても、強調預かり品番号領域AR32は、工場控え伝票VC2において上側ではあるものの、クリップ用領域CLPとは異なる領域(同図の例ではクリップ用領域CLPよりは下側の領域)に配置されている。
【0068】
また、例えばシャツ等の軽量な預かり品と、冬物のコートなどのように重量のある預かり品とで、アセンブリ作業に際して使用するハンガーが異なり、これに伴ってクリップの大きさも異なる場合がある。
このような場合に対応して、例えばPOS端末20は、預かり品の登録処理に際して、登録された預かり品の分類に基づいて対応するクリップの種類(大きさ等)を判定してよい。POS端末20は、判定された種類のクリップにより挟まれても、工場の作業者にとって必要な情報がクリップによって隠れてないようにした領域のレイアウトで工場控え伝票VC2を印刷してよい。
【0069】
次に、
図5を参照して、店舗控え伝票VC1(VC1-1、VC-2)の印刷内容例について説明する。
同図の店舗控え伝票VC1は、
図3に示した客控え伝票VC3と同じ受注内容に対応する。店舗控え伝票VC1も、客控え伝票VC3と同様に、一取引に対応する預かり品について異なる仕上がり日により区分される場合には、仕上がり日に応じた返却単位ごとに対応して発行される。
【0070】
店舗控え伝票VC1-1、VC1-2のうち、店舗控え伝票VC1-1が1枚目の店舗控え伝票となる。
店舗控え伝票VC1-1においては、伝票綴り番号領域AR50、伝票種別領域AR51、強調預かり品番号領域AR52、伝票番号領域AR53、日付領域AR54、会員番号領域AR55、客情報領域AR56、仕上がり日領域AR57、登録情報領域AR58、点数内訳領域AR59、及び店舗情報領域AR60が配置されている。
【0071】
伝票綴り番号領域AR50は、当該店舗控え伝票VC1-1が、一取引対応する店舗控え伝票として何枚目にあたるものであるのかを示す領域である。同図では、伝票綴り番号領域AR50において「1/2」との綴り番号が示されていることで、一取引に対応する店舗控え伝票として2枚が発行されており、当該店舗控え伝票VC1-1は、2枚のうちの1枚目であることが示される。
【0072】
伝票種別領域AR51は、当該伝票の種別が示される領域である。同図では、「店舗控え」との文字により、当該伝票の種別が店舗控え伝票であることが示される。
【0073】
預かり品番号領域AR52は、店舗控え伝票VC1-1が対応する返却単位に含まれる預かり品(3点の預かり品)に付された連番の預かり品番号を示す領域である。同図の預かり品番号領域AR24では、例えば「7-179、7-180、7-181」のように、対応の返却単位に含まれる3つの預かり品ごとの預かり品番号を示した例が挙げられている。
そのうえで、預かり品番号領域AR52において示される預かり品番号ごとに、対応の預かり品について指定された付加価値サービスの内容が示される。具体的に、同図では、預かり品番号7-179に対応させて「タタミ」の付加価値サービスが示されている。また、預かり品番号7-180に対応させて「撥水加工」の付加価値サービスが示されている。また、預かり品番号7-181に対応させて「のり無し」の付加価値サービスが示されている。
【0074】
伝票番号領域AR53は、当該伝票に対応付けられた伝票番号を示す領域である。前述のように、伝票番号は、一取引に対応して付与される。このため、伝票番号領域AR53において示される伝票番号は、
図3の客控え伝票VC3-1、VC3-2の伝票番号領域AR14において示される伝票番号と共通となっている。
日付領域AR54は、当該伝票が発行された日時を示す領域である。
【0075】
会員番号領域AR55は、対応のクリーニング処理を発注した客の会員番号を示す領域である。
客情報領域AR56は、対応のクリーニング処理を依頼した客に関する情報が示される領域である。
【0076】
仕上がり日領域AR57は、当該店舗控え伝票VC1-1に対応する預かり品についての仕上がり日を示す領域である。
登録情報領域AR58は、対応のクリーニング処理の受注において登録された預かり品のうち、当該店舗控え伝票VC1-1に対応する返却単位の預かり品に関する登録内容を示す領域である。
点数内訳領域AR59は、当該店舗控え伝票VC1-1に対応する預かり品についての点数に関する情報を示す領域である。
店舗情報領域AR60は、店舗STに関する情報を示す領域である。
【0077】
次に、2枚目の店舗控え伝票VC1-2においては、店舗控え伝票VC1-1と同様に、伝票綴り番号領域AR50、伝票種別領域AR51、預かり品番号領域AR52、伝票番号領域AR53、日付領域AR54、会員番号領域AR55、客情報領域AR56、仕上がり日領域AR57、登録情報領域AR58、点数内訳領域AR59、及び店舗情報領域AR60が配置されている。
【0078】
上記の各領域のうち、伝票種別領域AR51、伝票番号領域AR53、日付領域AR54、会員番号領域AR55、及び客情報領域AR56については、1枚目の店舗控え伝票VC1-1と共通の内容が示される。
また、店舗情報領域AR60については、1枚目の店舗控え伝票VC1-1では、店舗名と担当者名のみであったが、2枚目の店舗控え伝票VC1-2では、さらに電話番号が示されている。つまり、店舗情報領域AR60は、店舗控え伝票VC1-1と店舗控え伝票VC1-2とで提示する店舗STは同じであるが、店舗控え伝票VC1-1では一部情報が省略されている。
【0079】
また、上記の各領域のうち、伝票綴り番号領域AR50、預かり品番号領域AR52、仕上がり日領域AR57、登録情報領域AR58、点数内訳領域AR59においては、2枚目の店舗控え伝票VC1-2に対応する内容が示される。
まず、伝票綴り番号領域AR50においては、「2/2」と示されていることで、当該店舗控え伝票VC1-2は、一取引に対応する店舗控え伝票として発行された2枚のうちの2枚目であることが示される。
また、預かり品番号領域AR52は、店舗控え伝票VC1-2が対応する返却単位に含まれる預かり品(3点の預かり品)に付された連番の預かり品番号を示す。同図の預かり品番号領域AR52では、例えば「7-182~7-184」のように、対応の返却単位に含まれる3つの預かり品についての最初の預かり品番号と最後の預かり品番号が示される。
そのうえで、預かり品番号領域AR52においては、「7-182~7-184」の3つの預かり品番号に対して共通に「タタミ」の文字が1つ対応付けられており、「タタミ」の文字も大きく印刷された状態が示されている。つまり、店舗控え伝票VC1-2に対応する3つの預かり品については、それぞれ、「タタミ」の付加価値サービスが指定されていることが示される。このように、預かり品番号が連続する複数の預かり品について同じ付加価値サービスが指定される場合には、強調預かり品番号領域AR52において、対象の預かり品の最初の預かり品番号から最後の預かり品番号までの範囲に対して、1つの付加価値サービスを対応付ける態様が採られてよい。
【0080】
仕上がり日領域AR57においては、1枚目の店舗控え伝票VC1-1における仕上がり日領域AR57において示されているのとは異なる仕上がり日としての日時が示される。
登録情報領域AR58においては、店舗控え伝票VC1-2に対応する3つの預かり品についての登録情報が示される。
点数内訳領域AR59においては、「点数 3点」、「総点数 6点」と印刷されている。この場合、結果的に点数内訳領域AR59において示される内容は1枚目の店舗控え伝票VC1-1と同じなっている。しかしながら、店舗控え伝票VC1-2の点数内訳領域AR59の内容は、対応のクリーニング処理の受注により全部で6点が登録されたうえで、登録された6点のうち3点が、当該店舗控え伝票VC1-2に対応することを示す。
【0081】
そのうえで、店舗控え伝票VC1-2においては、さらに会計情報領域AR61、会員有効期限領域AR62、及び預かり品番号領域AR63が配置されている。
会計情報領域AR61、会員有効期限領域AR62、及び預かり品番号領域AR63の各内容は、それぞれ、
図3の客控え伝票VC3-2における会計情報領域AR22、会員有効期限領域AR23、及び預かり品番号領域AR24と同様である。
【0082】
店舗控え伝票VC1-1、VC1-2のそれぞれにおける預かり品番号領域AR52と伝票綴り番号領域AR50における印刷内容としての文字(数字も含む)は、他の領域に印刷される文字よりも大きい。
前述のように、店舗STにおいて店員CLは、店舗控え伝票VC1を見て、預かり品ごとに付加価値サービスの指定について確認し、付加価値サービスが指定されている預かり品には、指定された付加価値サービスの付加価値タグを取り付ける作業を行う。そこで、本実施形態においては、強調預かり品番号領域AR52において、預かり品番号とともに付加価値サービスの内容を示すようにしたうえで、そのうえで、預かり品番号の文字と付加価値サービスの内容を示す文字とを大きくしている。
これにより、店員CLは、預かり品に対応する付加価値サービスの内容を把握しやすくなり、付加価値タグを取り付ける作業を効率よく行っていくことができる。
【0083】
さらに、本実施形態においては、店舗控え伝票VC1において、伝票綴り番号領域AR50における伝票綴り番号の文字のサイズも他の文字より大きくしている。これにより、店員CLは、同じ一取引に対応する複数枚の店舗控え伝票VC1を確認しやすくなる。
【0084】
また、店舗控え伝票VC1-2においては、強調預かり品番号領域AR52と預かり品番号領域AR63のように、共通の預かり品番号を示す2つの領域が配置されている。預かり品番号領域AR63においては、通常のサイズの文字により預かり品番号が印刷されるが、強調預かり品番号領域AR52においては、大きいサイズの文字が印刷されている。このように、店舗控え伝票VC1-2でも、1の媒体において複数箇所に印刷する共通の項目のうちの少なくとも1箇所の項目の態様を他の箇所の項目の態様と異ならせることを行っている。
【0085】
図6は、
図3~
図5に示した客控え伝票VC3、工場控え伝票VC2、及び店舗控え伝票VC1のそれぞれに対応する印刷項目の設定内容を示している。
同図における一部を抜粋し説明すると、例えば「ヘッダ」の項目(ヘッダ領域AR11)は、客控え伝票VC3においては印刷されるが、工場控え伝票VC2及び店舗控え伝票VC1においては印刷が省略されるべきことが示されている。
また、「伝票綴り番号」の項目(伝票綴り番号領域AR12、AR30、AR50)は、返却単位に応じて伝票が複数枚に分割される場合には、客控え伝票VC3、工場控え伝票VC2、及び店舗控え伝票VC1において、それぞれ印刷されるべきことが示されている。そのうえで、工場控え伝票VC2及び店舗控え伝票VC1においては、「伝票綴り番号」の項目は、通常よりも大きな文字サイズで印刷することが示されている。
強調預かり品番号の項目(強調預かり品番号領域AR32、AR52)は、客控え伝票VC3においては省略されるが、工場控え伝票VC2(返却単位に応じた複数枚ごと)及び店舗控え伝票VC1(返却単位に応じた複数枚ごと)においては、通常よりも大きな文字サイズで印刷することが示されている。また、工場控え伝票VC2においては、預かり品番号とともに預かり品の点数も印刷し、店舗控え伝票VC1においては、付加価値サービスが指定された預かり品については、付加価値サービスの内容も印刷することが示されている。
また、店舗情報の項目(店舗情報領域AR21、AR39、AR60)については、客控え伝票VC3、工場控え伝票VC2、及び店舗控え伝票VC1において、それぞれ印刷されるべきことが示されている。ただし、各伝票について返却単位ごとに対応する複数枚が発行される場合、綴り番号が最後の伝票以外については、店舗情報における住所(所在地)などの一部情報を省略可能であることが示されている。
また、会計情報の項目(会計情報領域AR22、AR40、AR61)、会員有効期限の項目(会員有効期限領域AR23、AR41、AR62)、預かり品番号の項目(預かり品番号領域AR24、AR42、AR63)については、客控え伝票VC3、工場控え伝票VC2、及び店舗控え伝票VC1のそれぞれに印刷すべきであるが、返却単位ごとに対応する複数枚が発行される場合、綴り番号が最後の伝票にのみ印刷すればよいことが示されている。
【0086】
なお、工場控え伝票VC2が工場でのアセンブリ作業にて使用されるものであることを考慮すると、工場控え伝票VC2において最低限印刷されるべき項目としては、「伝票種別」、「伝票番号」、「強調預かり品番号」の3つの項目となる。また、店舗控え伝票VC1が店舗でのタグ付け作業にて使用されるものであることを考慮すると、店舗控え伝票VC1において最低限印刷されるべき項目としても、同様に「伝票種別」、「伝票番号」、「強調預かり品番号」の3つの項目となる。
そこで、工場控え伝票VC2と店舗控え伝票VC1とについては、伝票種別領域(AR31、AR51)、伝票番号領域(AR33、AR53)、強調預かり品番号領域(AR32、AR52)以外の領域に関して、例えば店舗や工場での運用等に応じて、適宜省略されてよい。
【0087】
〔伝票発行処理〕
次に、本実施形態のPOS端末20による伝票発行に関する処理(伝票発行処理)について説明する。
POS端末20は、一取引に対応する会計の完了に際して伝票(店舗控え伝票VC1、工場控え伝票VC2、及び客控え伝票VC3)を発行する。
POS端末20は、伝票の発行にあたり、店舗控え伝票VC1、工場控え伝票VC2、及び客控え伝票VC3に印刷にあたり必要な情報を取得する。例えば、POS端末20は、該当の一取引に対応する会計の内容を示す情報(会計内容情報)を取得する。会計内容情報には、一取引に対応して登録された預かり品ごとの預かり品番号、伝票番号、会計が行われた日時、会員情報(会員番号、客情報、会員有効期限を含む)、仕上がり日、預かり品の登録内容を示す登録情報(登録された預かり品の点数の情報を含む)等が含まれる。また、POS端末20は、客控え伝票VC3のヘッダ領域AR11に印刷するヘッダ内容の情報は、例えば記憶部23に記憶されている印刷データから取得すればよい。
POS端末20は、上記のように取得した情報を利用して、印刷部26により伝票が印刷されるように制御する。この際、印刷部26は、店舗控え伝票VC1、工場控え伝票VC2、及び客控え伝票VC3について、所定の発行順に従って、順次、伝票ごとに用紙への印刷を行っていく。
伝票の印刷にあたり、一取引における預かり品が複数の返却単位に区分されている場合には、POS端末20は、店舗控え伝票VC1、工場控え伝票VC2、及び客控え伝票VC3のそれぞれについて、返却単位ごとに複数枚に分割されるように印刷部26を制御する。この際、POS端末20は、店舗控え伝票VC1、工場控え伝票VC2、及び客控え伝票VC3ごとに、返却単位に対応して分割された1枚目から最後の伝票のそれぞれに伝票綴り番号(伝票綴り番号領域AR12、AR30、AR50)が印刷されるように制御する。
また、一取引における預かり品が複数の返却単位に区分されている場合には、POS端末20は、店舗控え伝票VC1、工場控え伝票VC2、及び客控え伝票VC3のそれぞれについて、返却単位に対応して分割された複数のうちの最後の伝票のみに、会計情報(会計情報領域AR22、AR40、AR61)、会員有効期限(会員有効期限領域AR23、AR41、AR62)、及び預かり品番号(預かり品番号領域AR24、AR42、AR63)が印刷されるように制御する。
POS端末20は、例えば
図6に示した印刷項目の設定内容例が反映された印刷項目テーブルを参照し、伝票ごとの印刷内容を決定し、印刷部26に伝票の印刷を実行させてもよい。
【0088】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。
先の第1実施形態では、一取引に対応する伝票について、預かり品の仕上がり日が異なる場合に、仕上がり日に応じた返却単位ごとに対応して複数枚に分割される場合を例に挙げた。
本実施形態においては、一取引において登録された預かり品の点数が一定数を超えることに応じて一取引に対応する伝票が複数枚に分割される。
【0089】
図7は、本実施形態におけるPOS端末20により発行された、一取引に対応する客控え伝票VC3の一例を示している。同図の客控え伝票VC3は、一取引に対応して登録された預かり品が7点である場合に対応する。同図において、
図3と同一の意義を有する領域には、同一符号を付している。また、
図3と同一符号を付した領域において、
図3と同様の情報内容が示される領域については、ここでの説明を省略する。
【0090】
同図の客控え伝票VC3は、1枚目の客控え伝票VC3-11と2枚目の客控え伝票VC3-12とに分割されて発行されている。
1枚目の客控え伝票VC3-11においては、ヘッダ領域AR11、伝票綴り番号領域AR12、伝票種別領域AR13、伝票番号領域AR14、日付領域AR15、会員番号領域AR16、客情報領域AR17、仕上がり日領域AR18、登録情報領域AR19、店舗情報領域AR21、及びバーコード領域AR25が配置されている。
【0091】
同図の登録情報領域AR19においては、一取引において登録された7点の預かり品のうち、6点のリストが示されている。
先の第1実施形態における登録情報領域AR19においては、預かり品名と預かり品の点数とを併用することで、例えば種別が同じ複数の預かり品については、1行でまとめて示すことができるようにしている。
これに対して、本実施形態の登録情報領域AR19においては、預かり品の種別が同じであるか否かに関わらず、預かり品ごとに1行が割り当てられるようにして、各預かり品についての登録内容が示される。具体的には、1つの預かり品について、預かり品番号と、種別に応じた預かり品名と、金額とが示される。
また、同図の例では、1枚目の客控え伝票VC3-11の登録情報領域AR19においてリストにより示すことが可能な預かり品の数は最大で6つまでである場合が示されている。この場合、登録された7つの預かり品のうち、1つ目から6つ目までの計6つの預かり品の登録情報については1枚目の客控え伝票VC3-11の登録情報領域AR19において示される。そして、残る7つ目の預かり品の登録情報については、2枚目の客控え伝票VC3-12の登録情報領域AR19において示されることになる。
【0092】
ここで、同図においては、1枚目の客控え伝票VC3-11の登録情報領域AR19と2枚目の客控え伝票VC3-12の登録情報領域AR19とにおいて示される、預かり品の項目ごとにおいて示される預かり品番号は、いずれも「00484」で共通となっている。これは、本実施形態における預かり品番号の採番方法として、一取引において登録された預かり品に共通の預かり品番号を付す共通採番が採用されていることを示す。
【0093】
本実施形態においても、会計情報領域AR22は、1枚目の客控え伝票VC3-11においては印刷されず、2枚目の客控え伝票VC3-12にて印刷される。また、同図の例では、2枚目の客控え伝票VC3-12にて会員有効期限領域AR23は印刷されずに省略された例が示されている。
また、本実施形態においては共通採番を採用していることから、複数の預かり品に対して同じ1つの預かり品番号が付与され、預かり品番号は既に登録情報領域AR19において示される。このため客控え伝票VC3-12では、預かり品番号領域AR24は省略されている。
【0094】
また、客控え伝票VC3-11、VC3-12のそれぞれにおいて印刷されるバーコード領域AR25においては、バーコードが印刷されている。バーコード領域AR25におけるバーコードは、例えば対応の取引を識別する取引識別情報(伝票番号であってもよい)を含んでよい。
店員CLは、例えば取引に関して詳細を確認するような必要のある場合に、バーコード領域AR25に印刷されたバーコードを、スキャナ等によってPOS端末20に読み取らせる操作を行う。POS端末20は、読み取ったバーコードにおいて示される取引識別情報が示す取引に対応する取引履歴情報を取得する。取引履歴情報は、例えばPOS端末20において記憶部23に記憶されている。あるいは、取引履歴情報は、例えばPOS端末20と通信可能に接続された管理装置にて記憶されるようにしてもよい。
また、バーコード領域AR25におけるバーコードは、対応の客控え伝票VC3-11、VC3-12それぞれの印刷内容の全てまたは所定の一部を示す情報を含んでよい。この場合には、バーコードから読み取った情報を、対応の取引に関する情報を提示する画面として表示させることができる。
なお、バーコード領域AR25は、
図3の客控え伝票VC3-11、VC3-12にも印刷されてよい。
【0095】
次に、
図8を参照して、本実施形態の工場控え伝票VC2と店舗控え伝票VC1の印刷内容例について説明する。
まず、工場控え伝票VC2について説明する。同図の工場控え伝票VC2は、
図7に示した客控え伝票VC3(VC3-11、VC3-12)と同じ受注内容に対応する。
【0096】
客控え伝票VC3については、預かり品の点数が7点とされて6点を超えたことに応じて、客控え伝票VC3-11、VC3-12との2枚に分割されていた。これに対して、本実施形態の工場控え伝票VC2は、預かり品の点数が6点を超えたか否かにかかわらず1枚が発行される。
同図の工場控え伝票VC2においては、伝票種別領域AR31、強調預かり品番号領域AR32、伝票番号領域AR33、日付領域AR34、会員番号領域AR35、仕上がり日領域AR36、登録情報領域AR37、店舗情報領域AR39、及び会計情報領域AR40が配置されている。
強調預かり品番号領域AR32においては、対応の一取引にて登録された7点の預かり品に共通に付与された預かり品番号と、預かり品の総数が7点であることが、通常よりも大きい文字により示される。
本実施形態の場合、返却単位により預かり品が区分されておらず、発行される工場控え伝票VC2は1枚である。このため、工場控え伝票VC2において、伝票綴り番号領域AR30、点数内訳領域AR38は省略されている。
【0097】
次に、同図を参照して、店舗控え伝票VC1について説明する。同図の店舗控え伝票VC1は、
図7に示した客控え伝票VC3(VC3-11、VC3-12)と同じ受注内容に対応する。本実施形態の店舗控え伝票VC1は、工場控え伝票VC2と同様に、預かり品の点数が6点を超えたか否かにかかわらず1枚が発行される。
同図の店舗控え伝票VC1-1においては、伝票種別領域AR51、強調預かり品番号領域AR52、伝票番号領域AR53、日付領域AR54、会員番号領域AR55、客情報領域AR56、仕上がり日領域AR57、登録情報領域AR58、店舗情報領域AR60、会計情報領域AR61、及びバーコード領域AR64が配置されている。
【0098】
強調預かり品番号領域AR52においては、対応の一取引にて登録された7点の預かり品に共通に付与された預かり品番号と、預かり品の総数が7点であることが、通常よりも大きい文字により示される。
客控え伝票VC3において、伝票綴り番号領域AR50と点数内訳領域AR59とについては、工場控え伝票VC2と同様の理由により省略されている。また、本実施形態の場合には、本実施形態においては共通採番を採用していることから、複数の預かり品に対して同じ1つの預かり品番号が付与され、預かり品番号は既に登録情報領域AR58において示される。このため客控え伝票VC3では、預かり品番号領域AR63は省略されている。また、この場合には、客控え伝票VC3における会員有効期限領域AR62の印刷も省略された例が示されている。
【0099】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
〔第1変形例〕
第2実施形態の客控え伝票VC3のように、登録情報領域AR19において一取引において登録された預かり品のリストを示す態様は、共通採番だけではなく、第1実施形態のように、1つの預かり品ごとに対応させて1つの預かり品番号を付すようにされた採番方法が採用される場合にも適用されてよい。この場合においては、登録情報領域AR19におけるリストの項目は、例えば最も若い預かり品番号の項目と、最も古い預かり品番号の項目のみを示し、その中間の預かり品番号の項目については省略する態様が採られてもよい。
【0100】
〔第2変形例〕
一取引に対応する伝票を複数枚に分割する条件としては、第1実施形態のように預かり品の仕上がり日が異なる場合と、第2実施形態のように預かり品の点数が一定数を超えた場合に限定されない。
例えば、一取引に対応して登録された預かり品について指定された仕上げ形態や洗い区分等に応じて伝票が分割されるようにしてよい。
【0101】
また、一取引に対応する伝票を複数枚に分割する条件は、上記の各条件が適宜組み合わされてもよい。例えば、第1実施形態において、仕上がり日に加えて、仕上げ形態にも対応して伝票を分割する場合には、仕上がり日と仕上げ形態との組み合わせに応じて伝票が分割されてよい。具体的に、3つの異なる仕上がり日と2種類の異なる仕上げ形態とが提示された場合には、6(=2×3)枚の伝票に分割される。
【0102】
図9は、本変形例に対応する工場控え伝票VC2の印刷内容の一例を示している。同図の工場控え伝票VC2は、
図4に示した工場控え伝票VC2-1、工場控え伝票VC2-1のうち、工場控え伝票VC2-1について、預かり品の仕上げ形態に応じて工場控え伝票VC2-1Aと工場控え伝票VC2-1Bとの2枚に分割された例を示している。
【0103】
工場控え伝票VC2-1Aは、同じ仕上がり日の3枚のYシャツとしての預かり品のうち、仕上げ形態として例えば「タタミ」が指定された1枚のYシャツに対応する。
工場控え伝票VC2-1Bは、同じ仕上がり日の3枚のYシャツとしての預かり品のうち、仕上げ形態として例えば「吊るし」が指定された2枚のYシャツに対応する。
この場合、工場控え伝票VC2-1Aの強調預かり品番号領域AR32は、「7-179」、「計1点」の文字が印刷されている。これにより当該伝票は、「7-179」の預かり品番号が付された1点の預かり品に対応するものであることを示す。
また、工場控え伝票VC2-1Bの強調預かり品番号領域AR32は、「7-180~7-181」、「計2点」の文字が印刷されている。これにより、当該伝票は、「7-180」、「7-181」の預かり品番号がそれぞれ付された2点の預かり品に対応するものであることを示す。
【0104】
また、工場控え伝票VC2-1が、工場控え伝票VC2-1Aと工場控え伝票VC2-1Bとの2枚であることに応じて、この場合の伝票綴り番号領域AR30は、工場控え伝票VC2-1Aにおいて「1/3」が印刷され、工場控え伝票VC2-1Aにおいて「2/3」が印刷され、工場控え伝票VC2-2において「3/3」が印刷される。つまり、同図の各工場控え伝票VC2において示される伝票綴り番号領域AR30によっては、一取引に対応する工場控え伝票として3枚が発行されており、3枚のうち、工場控え伝票VC2-1Aが1枚目、工場控え伝票VC2-1Bが2枚目、工場控え伝票VC2-2が3枚目であることが示されている。
なお、仕上げ形態については、工場FCの作業者は、クリーニング処理の仕上げ段階において、預かり品に取り付けられた付加価値タグに印刷された内容を確認することで、預かり品の仕上げ形態として何が指定されているのかを判断する。このため、仕上げ形態が何であるのかを示す印刷は、工場控え伝票VC2において必須ではない。ただし、工場FCでの作業手順等の事情で、工場控え伝票VC2にも仕上げ形態の情報が示されることが好ましいような事情であれば、工場控え伝票VC2に仕上げ形態に関する情報の印刷が行われてよい。
【0105】
このように、預かり品の仕上がりが同じ工場控え伝票VC2-1について、仕上がり形態に応じて複数枚に分割することで、工場FCでのアセンブリ作業の効率の向上が図られる。つまり、工場FCにおいてクリーニング処理が完了した預かり品をアセンブリして発送準備をするにあたり、預かり品をまとめて保管しておく場所等が仕上がり形態に応じて異なる場合がある。このような場合に、それぞれの場所に対応して例えば同時に作業を行うことなどが可能となり、預かり品を効率よくまとめていくことが可能になる。
【0106】
また、客は、通常、同じ仕上がり日のものについては、1回の来店で一度に引き取りに来る。したがって、同図のように同じ仕上がり日の工場控え伝票VC2が仕上げ形態等に応じて複数枚に分割される場合であっても、店舗控え伝票VC1については、
図5と同様に、同じ仕上がり日のものについては分割されることなく、1枚であってよい。
【0107】
また、同じ仕上がり日の工場控え伝票VC2が仕上げ形態等に応じて複数枚に分割される場合であっても、対応の客控え伝票VC3は、同じ仕上がり日のものについては分割されることなく、1枚であってよい。
ただし、店舗STの運用によっては、クリーニング処理が完了して工場FCから受け取った預かり品について、客が引き取りに来るまで、仕上がり形態ごとに分けて保管する場合がある。
そこで、上記のように店舗STにて預かり品を仕上がり形態ごとに分けて保管する場合に対応して、1つの仕上がり日に対応する客控え伝票VC3については、仕上がり形態ごとに応じた預かり品の保管場所が示されるような態様としてもよい。
【0108】
図10は、仕上がり形態ごとに応じた預かり品の保管場所が示されるようにした態様による客控え伝票VC3-11の印刷内容例を示している。同図の客控え伝票VC3-11は、
図3の客控え伝票VC3-1と同じ取引内容に対応する。
図10の客控え伝票VC3-11では、登録情報領域AR19において、「7-179」の預かり品番号が付された1点の預かり品については、「タタミ」の仕上がり形態であることに対応して、1番の棚(「棚 No.1」)にて保管されていることが示される。
また、「7-180」、「7-181」の預かり品番号の2点の預かり品については、「吊るし」の仕上がり形態であることに対応して、10番のハンガー(「ハンガー No.10」)に吊り下げられるように保管されていることが示される。
そのうえで、本変形例では、保管場所を示す「棚No.1」、「ハンガー No.10」の文字について、他の文字に対して強調される態様となっている。
なお、預かり品の保管場所については、例えば預かり品の登録処理が行われた際に、POS端末20が、保管場所における現在の棚やハンガーの利用に関する状況を示す情報(保管場所状況情報)に基づいて決定し、決定された保管場所を登録情報領域AR19に印刷するようにしてよい。
【0109】
なお、POS端末20は、
図10の変形例に対応する印刷項目の設定内容例が反映された印刷項目テーブルを記憶してよい。このような印刷項目テーブルには、登録情報領域AR19における保管場所を示す箇所を強調すべき(文字サイズを大きくする)ことが示されている。POS端末20は、客控え伝票VC3の印刷にあたり、印刷項目テーブルを参照して印刷制御を実行することにより、登録情報領域AR19において保管場所を示す箇所を強調した態様とすることができる。
【0110】
保管場所状況情報は、POS端末20が管理してよい。POS端末20は、上記のように保管場所を決定することに応じて、保管場所状況情報において、決定された保管場所としての棚やハンガーが使用中であることが示されるようにする。使用中の保管場所は、対応の預かり品の預かり品番号等と対応付けられる。また、預かり品を客に返却する際に、店員が預かり品番号をPOS端末20に入力する操作を行うことで、保管場所状況情報において、入力された預かり品番号が対応付けられていた保管場所が未使用であることが示されるようにする。
【0111】
客は、店舗STにて預かり品を引き取る際には、店員に自分が保管していた客預り票を手渡す。店員は手渡された客預り票の登録情報領域AR19に印刷されているのと同じ預かり品番号の預かり品を保管場所から取ってきて、客に渡すようにされる。
そこで、本変形例の客控え伝票VC3-11のように、登録情報領域AR19において預かり品の保管場所が示されていれば、店員は、例えば単に預かり品番号のみを頼りに預かり品を探す場合よりも迅速に預かり品を見つけることができる。また、保管場所を示す文字が強調して示されることで、店員は、客控え伝票VC3-11から保管場所が印刷されている箇所を見つけやくなるとともに、読み間違いなどのミスも軽減される。
【0112】
〔第3変形例〕
図5においては、仕上がり日等の区分に応じて、同じ一取引に対応する店舗控え伝票VC1が複数枚に分割される態様を例示した。
一方で、店舗控え伝票VC1は、番号タグや付加価値サービスタグを預かり品に取り付けるにあたって、店員が番号や付加価値を把握する際に参照するものである。この点を考慮すると、店舗控え伝票VC1を区分に応じて分割する必要性は低いという考え方を採ることもできる。
そこで、
図11を参照して、一取引において仕上がり日の異なる預かり品が含まれる場合において、仕上がり日にかかわらず一取引に対応して1枚が発行される場合の店舗控え伝票VC1-21の印刷内容例について説明する。
同図においては、説明の理解のために、店舗控え伝票VC1-21とともに、同じ一取引に対応して1枚が発行された客控え伝票VC3-21が示される。
【0113】
同図においては、一取引における預かり品が2つの仕上がり日に区分された場合を例に挙げている。
まず、客控え伝票VC3-21においては、1つ目の仕上がり日に対応する仕上がり日領域18-1及び登録情報領域AR19-1と、2つ目の仕上がり日に対応する仕上がり日領域18-2及び登録情報領域AR19-2とが配置されている。
【0114】
仕上がり日領域18-1においては、1つ目の仕上がり日が示される。登録情報領域AR19-1においては、1つ目の仕上がり日に対応する預かり品についての登録内容が示される。同図の登録情報領域AR19-1においては、「7-810」の預かり品番号が付された1つの預かり品についての登録内容が示されている。
仕上がり日領域18-2においては、2つ目の仕上がり日が示される。登録情報領域AR19-2においては、2つ目の仕上がり日に対応する預かり品についての登録内容が示される。同図の登録情報領域AR19-2においては、「7-811」、「7-812」、「7-813」がそれぞれ付された3つの預かり品についての登録内容が示されている。
【0115】
また、店舗控え伝票VC1-21においては、1つ目の仕上がり日に対応する仕上がり日領域57-1及び登録情報領域AR58-1と、2つ目の仕上がり日に対応する仕上がり日領域57-2及び登録情報領域AR58-2とが配置されている。
【0116】
仕上がり日領域57-1においては、1つ目の仕上がり日が示される。登録情報領域AR58-1においては、1つ目の仕上がり日に対応する預かり品についての登録内容が示される。同図の登録情報領域AR58-1においては、「7-810」の預かり品番号が付された1つの預かり品についての登録内容が示されている。
そのうえで、同図の例では、「7-810」の預かり品番号の預かり品について、「急ぎ」の付加価値サービスが指定されている。このように付加価値サービスが指定されたことに応じて、登録情報領域AR57-1においては、付加価値強調標示FKが配置される。
同図の付加価値強調標示FKでは、「急ぎ」の付加価値サービスを強調して示すため、星型の装飾的マークの配置と、「急ぎ」の付加価値サービスを示す「特急」との文字についての大型化及び背景の付加が行われている。なお、付加価値強調標示FKの態様については同図の例に限定されるものではなく、例えばフォントの種類の変更や、文字の斜体化等による強調であってもよい。
このような付加価値強調標示FKが行われることで、店員は、店舗控え伝票VC1-221を見ながら預かり品へのタグ付け作業を行うにあたり、指定された付加価値サービスを把握しやすくなる。
【0117】
また、仕上がり日領域57-2においては、2つ目の仕上がり日が示される。登録情報領域AR58-2においては、2つ目の仕上がり日に対応する預かり品についての登録内容が示される。同図の登録情報領域AR58-2においては、それぞれ「7-811」、「7-812」、「7-813」が付された3つの預かり品についての登録内容が示されている。
【0118】
なお、POS端末20は、本変形例に対応する印刷項目の設定内容例が反映された印刷項目テーブルを記憶してよい。このような印刷項目テーブルには、登録情報領域AR58における付加価値サービスを示す箇所を強調すべきことが示されている。POS端末20は、店舗控え伝票VC1の印刷にあたり、印刷項目テーブルを参照して印刷制御を実行することにより、登録情報領域AR58において付加価値強調標示FKを含めた態様とすることができる。
【0119】
〔第4変形例〕
店舗STが例えば付加価値サービスの1つとして長期保管のサービスを提供する場合がある。長期保管のサービスは、例えば冬物のコート等のように通年着用するものではないがかさばるようなものに関して、客が着用しない期間は店舗側で保管しておくようにするサービスである。
店舗STが長期保管のサービスを行う場合、工場FCでは、長期保管が指定された預かり品について、アセンブリを完了させた後、工場FCにおける保管室に移動されて管理される。
【0120】
このような長期保管が指定された場合には、工場控え伝票VC2の強調預かり品番号領域AR32において、長期保管が指定されていることが強調して示されるようにしてよい。
図12(A)は、預かり品について長期保管が指定された場合に対応する工場控え伝票VC2-31の強調預かり品番号領域AR32の印刷内容例を示している。同図の強調預かり品番号領域AR32においては、長期保管が指定された預かり品の預かり品番号が拡大された文字により強調されている。
【0121】
そのうえで、強調預かり品番号領域AR32においては、指示内容領域AR321と仕上がり日強調領域AR322とがさらに配置されている。
指示内容領域AR321においては、例えば「保管」との拡大された文字によって、対応の預かり品について長期保管が指定されていることを示している。
仕上がり日強調領域AR322においては、長期保管に対応する仕上がり日の日付が拡大された文字によって示される。長期保管に対応する仕上がり日は、例えば店舗側と客とで取り決められた長期保管の期間の終了日となる。
このような態様の強調預かり品番号領域AR32が印刷された工場控え伝票VC2-31がハンガーに取り付けられることで、工場FCの作業者は、アセンブリ作業を行っているときに、長期保管が指定された預かり品であることを確認しやすくなる。これにより、長期保管が指定された預かり品についてアセンブリ作業が完了した後に保管室に移動させることを忘れるなどのミスを防止することができる。
【0122】
なお、POS端末20は、本変形例に対応する印刷項目の設定内容例が反映された印刷項目テーブルを記憶してよい。このような印刷項目テーブルには、長期保管が指定された場合には、強調預かり品番号領域AR32において長期保管を示す指示内容領域AR321と仕上がり日強調領域AR322とを配置するとともに、指示内容領域AR321と仕上がり日強調領域AR322を強調すべきことが示されている。POS端末20は、店舗控え伝票VC1の印刷にあたり、印刷項目テーブルを参照して印刷制御を実行することにより、長期保管を示す指示内容領域AR321と仕上がり日強調領域AR322を強調した態様とすることができる。
【0123】
〔第5変形例〕
預かり品のうち、例えば革製品や修理品等としての預かり品については、工場で対応できないため、専門の業者に外注する場合がある。預かり品について外注するか否かの判断は工場FCが預かり品を引き取った段階で行われ、外注すべきと判断された預かり品は、工場FCから外注先の業者に委託される。この場合、店舗STのPOS端末20は、特に登録される預かり品について外注の対象であるか否かに応じた処理を実行しなくともよい。
しかしながら、POS端末20は、例えば登録された預かり品が外注の対象である場合には、工場控え伝票VC2において、外注に関する情報が強調して示されるようにしてよい。
【0124】
図12(B)は、預かり品が外注の対象である場合に対応する工場控え伝票VC2-32の強調預かり品番号領域AR32の印刷内容例を示している。同図の強調預かり品番号領域AR32においては、外注の対象である預かり品の預かり品番号が拡大された文字により強調されている。
そのうえで、強調預かり品番号領域AR32においては、指示内容領域AR321と仕上がり日強調領域AR322とがさらに配置されている。
指示内容領域AR321においては、例えば「外注」との拡大された文字によって、対応の預かり品が外注の対象であることが指定されていることを示している。
【0125】
例えば、POS端末20は、預かり品の登録処理に際して、預かり品の種別と外注の必要の有無とを対応させたテーブルを参照して、登録された預かり品が外注の対象であるか否かを判定してよい。あるいは、POS端末20は、預かり品の登録処理に際して、店員の操作による外注の指定が行われたか否かに応じて、登録された預かり品が外注の対象であるか否かを判定してよい。POS端末20は、登録された預かり品が外注の対象であると判定した場合に、同図のように、強調預かり品番号領域AR32において、外注の対象であることに関する情報を強調した態様での印刷を行う。
仕上がり日強調領域AR322においては、仕上がり日の日付が拡大された文字によって示される。
このような態様の強調預かり品番号領域AR32がハンガーに取り付けられることで、工場FCの作業者は、対応の預かり品について外注の対象であることを確認しやすくなる。これにより、例えば外注に委託すべき預かり品を外注先に委託し忘れるなどのミスを防止することができる。
また、同図の強調預かり品番号領域AR32と同様の内容を含んで印刷された外注用の控え伝票が、工場FCまたは店舗STにて発行されるようにしてもよい。店舗STもしくは工場FCから外注先の業者に預かり品を引き渡す際に、外注用の控え伝票も引き渡される。外注先の業者は、外注用控えを利用して預かり品の納期等の管理を行うことができる。
【0126】
なお、POS端末20は、本変形例に対応する印刷項目の設定内容例が反映された印刷項目テーブルを記憶してよい。このような印刷項目テーブルには、外注の対象の預かり品の場合には、強調預かり品番号領域AR32において外注の対象であることを示す指示内容領域AR321と仕上がり日強調領域AR322とを配置するとともに、指示内容領域AR321と仕上がり日強調領域AR322を強調すべきことが示されている。POS端末20は、店舗控え伝票VC1の印刷にあたり、印刷項目テーブルを参照して印刷制御を実行することにより、外注の対象であることを示す指示内容領域AR321と仕上がり日強調領域AR322を強調した態様とすることができる。
【0127】
〔第6変形例〕
本変形例においては、預かり品について指定された仕上げ形態を伝票において示すにあたり、図柄(アイコン)が用いられる。
図13(A)、
図13(B)は、本変形例において、一取引に対応する工場控え伝票VC2が仕上げ形態の区分に応じて2枚に分割された場合の強調預かり品番号領域AR32の印刷内容例を示している。
図13(A)の工場控え伝票VC2-41は、「吊るし」の仕上げ形態が指定された預かり品に対応し、
図13(B)の工場控え伝票VC2-42は、「タタミ」の仕上げ形態が指定された預かり品に対応する。
【0128】
図13(A)の工場控え伝票VC2-41の強調預かり品番号領域AR32においては、「3-500~3-503」の預かり品番号とともに、預かり品の仕上げ形態を示す図柄が配置された区分標示領域AR323が配置される。同図の区分標示領域AR323は、ハンガーの形態を記号化した図柄により、仕上げ形態が「吊るし」であることを示している。
つまり、工場控え伝票VC2-41は、強調預かり品番号領域AR32により、「3-500~3-503」の預かり品番号による4つの預かり品について「吊るし」の仕上げ形態が指定されていることを示す。
【0129】
図13(B)の工場控え伝票VC2-42の強調預かり品番号領域AR32においては、「3-504~3-505」の預かり品番号とともに、例えば畳まれたシャツが容れられる鞄を記号化した図柄により、仕上げ形態が「タタミ」であることを示している。
つまり、工場控え伝票VC2-42は、強調預かり品番号領域AR32により、「3-504~3-505」の預かり品番号による2つの預かり品について「タタミ」の仕上げ形態が指定されていることを示す。
【0130】
また、
図13(C)は、本変形例において、一取引に対応する工場控え伝票VC2として、複数の仕上げ形態の区分に関わらず1枚として発行される場合の印刷内容例を示している。
同図には工場控え伝票VC2-41Aが示される。工場控え伝票VC2-41Aは、一取引に対応して1枚発行されたものである。
強調預かり品番号領域AR32の強調預かり品番号領域AR32において、まず、「3-500~3-505」の文字により、計6点の預かり品に関する伝票であることが示される。
そのうえで、強調預かり品番号領域AR32において、1つ目の仕上げ形態に対応する区分標示領域AR323-1においては「吊るし」に対応する図柄が示され、区分預かり品番号領域AR324-1においては「3-500~3-503」の預かり品番号が示される。これにより、「3-500~3-503」の預かり品番号による4つの預かり品について「吊るし」の仕上げ形態が指定されていることが示される。
また、強調預かり品番号領域AR32において、2つ目の仕上げ形態に対応する区分標示領域AR323-2においては「タタミ」に対応する図柄が示され、区分預かり品番号領域AR324-2においては「3-504、3-505」の預かり品番号が示される。これにより、「3-504、3-505」の預かり品番号による2つの預かり品について「タタミ」の仕上げ形態が指定されていることが示される。
【0131】
なお、POS端末20は、本変形例に対応する印刷項目の設定内容例が反映された印刷項目テーブルを記憶してよい。このような印刷項目テーブルには、仕上げ形態として「吊るし」、「タタミ」が指定された場合には、強調預かり品番号領域AR32について、同図の態様とすべきことが示されている。また、この場合の印刷項目テーブルには、区分標示領域AR323において指定の仕上げ形態に応じて印刷すべき図柄も示されている。POS端末20は、工場控え伝票VC2の印刷にあたり、印刷項目テーブルを参照して印刷制御を実行する。これにより、工場控え伝票VC2について同図の態様とすることができる。
【0132】
なお、同図に示される工場控え伝票VC2における強調預かり品番号領域AR32の態様は、店舗控え伝票VC1の強調預かり品番号領域AR52等にも適用されてよい。
【0133】
〔第7変形例〕
預かり品については洗い種別により区分される。洗い種別による区分(洗い区分)には、例えば「ドライ」と「ランドリー」がある。「ドライ」は、例えば有機溶剤を使用した洗いであり、「ランドリー」は水を利用する洗いである。
洗い区分を伝票で示す場合において、洗い区分が文字等により示されてもよいが、本変形例では、伝票に対して施す所定のデザインにより洗い区分を示すようにされる。
図14は、同じ一取引において洗い区分により2枚に分割された工場控え伝票VC2の印刷内容例を示している。
図14(A)は、「ドライ」の洗い区分に対応する工場控え伝票VC2-51を示し、
図14(B)は、「ランドリー」の洗い区分に対応する工場控え伝票VC2-52を示す。
【0134】
図14(A)の工場控え伝票VC2-51の強調預かり品番号領域AR32においては、「3-500~3-503」の預かり品番号とともに、洗い区分が「ドライ」であることを示す図柄が配置された区分標示領域AR323が配置される。同図では、「ドライ」の1つ目の文字である「ド」を円で囲む態様の図柄とした例が示されている。
このような工場控え伝票VC2-41は、強調預かり品番号領域AR32により、「3-500~3-503」の預かり品番号による4つの預かり品について「ドライ」の洗い区分指定されていることを示す。
【0135】
図14(B)の工場控え伝票VC2-52の強調預かり品番号領域AR32においては、「3-504~3-505」の預かり品番号とともに、洗い区分が「ランドリー」であることを示す図柄が配置された区分標示領域AR323が配置される。同図では、「ランドリー」の1つ目の文字である「ラ」を円で囲む態様の図柄とした例が示されている。
このような工場控え伝票VC2-52は、強調預かり品番号領域AR32により、「3-504~3-505」の預かり品番号による2つの預かり品について「ランドリー」の仕上げ形態が指定されていることを示す。
【0136】
そのうえで、工場控え伝票VC2-51には、実線による枠FLが、伝票としての用紙の外周に添うように印刷されている。実線の枠FLは、当該伝票が「ドライ」の洗い区分が指定された預かり品に対応するものであることを示す。
一方、工場控え伝票VC2-52には、一点鎖線による枠FLが、伝票としての用紙の外周に添うように印刷されている。一点鎖線の枠FLは、当該伝票が「ランドリー」の洗い区分が指定された預かり品に対応するものであることを示す。
このように枠FLが印刷されることにより、作業者は、工場控え伝票VC2がいずれの洗い区分に対応する預かり品についてのものであるのかの確認を行いやすくなる。
【0137】
なお、POS端末20は、本変形例に対応する印刷項目の設定内容例が反映された印刷項目テーブルを記憶してよい。このような印刷項目テーブルには、洗い区分として「ドライ」、「ランドリー」が指定された場合には、強調預かり品番号領域AR32において区分標示領域AR323を配置すべきことが示されている。また、この場合の印刷項目テーブルには、区分標示領域AR323において指定の洗い区分に応じて印刷すべき図柄も示されている。POS端末20は、工場控え伝票VC2の印刷にあたり、印刷項目テーブルを参照して印刷制御を実行する。これにより、工場控え伝票VC2について同図の態様とすることができる。
【0138】
なお、同図に示される強調預かり品番号領域AR32の態様は、店舗控え伝票VC1の強調預かり品番号領域AR52等にも適用されてよい。
【0139】
〔第8変形例〕
先の実施形態において、一取引に対応した伝票が所定の区分等に応じて分割される場合には、分割された枚数を、伝票綴り番号領域AR30、AR50において印刷される分数の分母により示すようにされていた。
本変形例では、所定の区分に応じて分割された伝票の枚数を、伝票に施す所定の図柄により示す。
【0140】
図15(A)は、本変形例のもとで、洗い区分に応じて2枚に分割された工場控え伝票VC2の印刷内容例を示している。同図においては、「ドライ」の洗い区分に対応する工場控え伝票VC2-61と、「ドライ」の洗い区分に対応する工場控え伝票VC2-62とが示されている。
同じ一取引に対応して分割された2枚の工場控え伝票VC2-61、VC2-62には、それぞれ同じ態様の綴りマークTMKが印刷されている。同図の綴りマークTMKは、工場控え伝票VC2-61、VC2-62のそれぞれの上側において横方向に添った2本の実線である。この態様による綴りマークTMKは、対応の伝票について、分割された2枚のうちの1枚であることを示す。
【0141】
一方、
図15(B)は、本変形例のもとで3枚に分割された工場控え伝票VC2の一例を示している。同図においては、工場控え伝票VC2-71が「ドライ」の洗い区分に対応し、工場控え伝票VC2-72、VC2-73が「ランドリー」の洗い区分に対応する。さらに、工場控え伝票VC2-72、VC2-73は、同じ「ランドリー」の洗い区分において、例えば仕上がり日が異なることに応じてさらに2枚に分割されたものである。
【0142】
このように、同じ一取引に対応して分割された3枚の工場控え伝票VC2-71、VC2-72、VC-73のそれぞれには、例えば星型の図柄が横方向に1行並べられた態様の綴りマークTMKが印刷されている。同図の綴りマークTMKは、対応の伝票について、分割された3枚のうちの1枚であることを示す。
【0143】
このように、
図15(A)、
図15(B)に示される態様の綴りマークTMKを見ることで、作業者は、工場控え伝票VC2-61、VC2-62については、所定の区分に応じて分割された2枚の工場控え伝票VC2のうちの1枚であることを、一目で把握できる。また、伝票VC2-71、VC2-72、VC-73については、所定の区分に応じて分割された3枚の工場控え伝票VC2のうちの1枚であることを、一目で把握できる。
なお、綴りマークTMKの態様は、店舗控え伝票VC1や客控え伝票VC3にも適用されてよい。
【0144】
なお、POS端末20は、本変形例に対応する印刷項目の設定内容例が反映された印刷項目テーブルを記憶してよい。このような印刷項目テーブルには、一取引に対応して分割された伝票の枚数に対応する綴りマークTMKの図柄が示される。POS端末20は、一取引において分割される伝票の印刷にあたり、印刷項目テーブルを参照して印刷制御を実行する。これにより、一取引において分割された伝票について、同図のように分割枚数に応じた綴りマークTMKが印刷された態様とすることができる。
【0145】
〔第9変形例〕
一取引に対応する伝票の印刷内容及び分割条件等については、例えばPOS端末20の画面に対する操作に応じて設定できるようにされてよい。
例えば、印刷内容については、店舗控え伝票VC1、工場控え伝票VC2、客控え伝票VC3ごとに、例えば各図に示した伝票内の領域に対応する所定の印刷項目のそれぞれを印刷するか否かを設定する操作が行えるようにされてよい。この場合、少なくとも特定の印刷項目については、強調した態様とするか否かについて設定する操作も併せて行えるようにされてよい。
【0146】
また、分割条件の設定にあたっては、店舗控え伝票VC1、工場控え伝票VC2、客控え伝票VC3ごとに、分割のトリガとなる項目(分割基準項目)を設定できる。分割基準項目としては、これまでに説明したように、仕上がり日、仕上げ形態(収納区分)、洗い区分、預かり品点数(
図7のように預かり品のリストが印刷される形式の場合)等を挙げることができる。預かり品点数により分割項目を設定する際には、1枚の伝票が対応する預かり品点の最大点数を操作により設定できるようにしてよい。
また、分割基準項目については、優先順位の指定とともに複数が組み合わされてよい。具体的に、具体的に
図9では、工場控え伝票VC2について、仕上がり日、仕上げ形態の2つの分割基準項目が組み合わされており、優先順位としては仕上がり日、仕上げ形態の順で設定された例が示されている。つまり、
図9の例では、まず、2つの異なる仕上がり日に応じて伝票が仕上がり日ごとに2つに分割される。そのうえで、一方の仕上がり日に含まれる預かり品の内訳としては、「吊るし」と「タタミ」とで仕上げ形態が異なるものが含まれている。これに対応して、一方の仕上がり日の伝票について、「吊るし」と「タタミ」とに対応して2つに分割される。この結果、同図では工場控え伝票VC2が3枚に分割されることになる。
【0147】
〔第10変形例〕
なお、例えば、店舗での受注する洗い区分に関して、「ランドリー」のほうが「ドライ」よりも多い傾向にあるといった場合がある。この場合には、例えば「ランドリー」の洗い区分が指定された預かり品には付加価値サービスタグを付けず、「ドライ」の洗い区分が指定された預かり品に対応の付加価値サービスタグを付ける運用とすることができる。この場合、付加価値サービスタグが付されていない預かり品が「ランドリー」の洗い区分が指定されたものであることになる。
このような運用に対応して、例えば店舗控え伝票VC1の強調預かり品番号領域AR52において、登録された預かり品のうち、「ランドリー」が指定された預かり品を示す文字等の内容については強調しない態様としてよい。また、この場合において、「ランドリー」が指定された預かり品に対応する情報としては、例えば預かり品番号が印刷されていればよく、「ランドリー」の指定を示す文字、図柄等は省略されてよい。
また、このように強調預かり品番号領域AR52において強調しない態様を含む店舗控え伝票VC1の印刷は、例えば、仕上げ形態(収納区分)等をはじめ、洗い区分以外の区分にも適用されてよい。
【0148】
〔第11変形例〕
強調預かり品番号領域AR32、AR52等における文字等の強調は、文字を大きくするほか、文字の背景に所定の意匠を施したり、色を他の文字と異ならせたりすることにより行ってもよい。また、これらの強調の態様が適宜組み合わされてよい。
【0149】
〔第12変形例〕
必要に応じて、客控え伝票VC3においても、所定の項目について他の項目に対して態様が異なるようにされてよい。例えば、預かり品番号領域AR24や登録情報領域AR19における預かり品番号の項目の文字を大きくするなどして態様を異なるようにしてもよい。これにより、例えば店員CLが、預かり品を客に返却する際に、客控え伝票VC3に印刷された預かり品番号を確認しやすくなる。
【0150】
〔第13変形例〕
上記実施形態及び変形例における各種伝票としての用紙が印刷部26から排出される方向は、
図3~
図5等に例示されるように伝票の縦方向に沿うものとなる。そのうえで、伝票に印刷される文字は伝票の横方向に沿って横書き形式で印刷される。
本変形例としては、伝票には、例えば用紙の縦方向に沿って横書き形式で文字等が印刷されるようにしてもよい。例えば、
図3~
図5等のように伝票の横方向に沿って横書き形式で文字等が印刷される場合、伝票の横方向の長さに制限があるため、1行で十分な情報を示すことが難しい場合がある。これに対して、本変形例の場合には文字が横書きされる方向が用紙の排出方向に沿うために制限が無く、1行で十分な情報を示すことが容易になる。
【0151】
〔第14変形例〕
なお、上記各実施形態においては、クリーニングの対象とされた物品(クリーニング品)を預かり品として管理するようにされていた。しかしながら、本実施形態の構成は、クリーニング品以外の商品の管理にも適用できる。例えば、レストラン、イベント会場、式場などのクロークにおいて、客から預かる衣類や荷物などを預かり品として扱う場合に対応して預かり品管理装置を構成してもよい。また、例えば貸し倉庫業等において倉庫に収納される荷物などを預かり品として扱う場合に対応して預かり品管理装置を構成してもよい。
【0152】
<実施形態のまとめ>
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、預かり品に関する預かり品情報を登録する登録手段と、登録された預かり品に関連する数量を示す数量関連項目(預かり品番号、点数、伝票綴り番号(預かり品の仕上がり日等に関連した数量である)等)と登録された預かり品についての処理に関する処理関連項目(付加価値サービス内容)との少なくともいずれか一方である特定項目と、他の項目とをそれぞれ異なる態様で出力する出力手段とを備える預かり品管理装置(POS端末20)である。
【0153】
上記構成によれば、例えば預かり品についての数量関連項目や処理関連項目については他の項目に対して強調される態様とすることで、店員や作業者が強調された項目を目視で確認しやすくなる。これにより、客から預かった預かり品についての処理の効率が向上される。
また、数量関連項目や処理関連項目以外の項目で、店員や作業者にとっては不要なものについては、印刷を省略したり、一部情報を省略するなどして情報量を少なくしたり、さらには文字を小さくするなどすることができる。これにより、伝票において店員や作業者にとって必要な数量関連項目や処理関連項目の情報をさらに把握しやすくなり、この点でも預かり品についての処理の効率が向上される。また、伝票の用紙を節約できる。
【0154】
(2)本実施形態の一態様は、上記の預かり品管理装置であって、登録された預かり品に対応して預かり品番号の採番を行う採番手段をさらに備え、前記出力手段は、前記採番手段により採番された預かり品番号としての前記数量関連項目を、登録された預かり品の名称としての前記他の項目とは異なる態様で出力する。
上記構成によれば、預かり品に付与された番号(預かり品番号)等を他の項目に対して強調することができる。これにより、例えばクリーニング処理との対応では、預かり品番号が確認しやすくなり、工場でのアセンブリ作業の効率が向上される。
【0155】
(3)本実施形態の一態様は、上記の預かり品管理装置であって、前記出力手段は、登録された預かり品に対応する数量関連項目が他の項目に対して強調されるように印刷された媒体と、登録された預かり品に対応する処理関連項目を他の項目に対して強調されるように印刷された媒体とが異なるように出力する。
上記構成によれば、店舗STの店員が行うべき作業と、工場FCの作業者が行うべき作業とに対応させて、数量関連項目(預かり品番号)については工場控え伝票VC2において強調され手印刷されるようにし、処理関連項目(付加価値サービスの内容)については店舗控え伝票VC1において強調されるようにすることができる。
【0156】
(4)本実施形態の一態様は、上記の預かり品管理装置であって、前記出力手段は、1の媒体において複数箇所に印刷する共通の項目のうちの少なくとも1箇所の項目の態様を他の箇所の項目の態様と異ならせる。
上記構成によれば、1つの媒体において同じ内容が複数箇所にて示される場合において、少なくとも1箇所については他の箇所よりも強調されるようにして示すことができる。
【0157】
(5)本実施形態の一態様は、コンピュータを、預かり品に関する預かり品情報を登録する登録手段、登録された預かり品に関連する数量を示す数量関連項目と登録された預かり品についての処理に関する処理関連項目との少なくともいずれか一方である特定項目と、他の項目とをそれぞれ異なる態様で出力する出力手段として機能させるためのプログラムである。
【0158】
なお、上述のPOS端末20の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のPOS端末20としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0159】
20 POS端末、21 CPU、22 RAM、23 記憶部、24 入力部、25 表示部、26 印刷部、27 通信部