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特許7587787情報処理装置、情報処理プログラム、および、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理プログラム、および、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20241114BHJP
【FI】
G06Q40/04
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2024088466
(22)【出願日】2024-05-31
【審査請求日】2024-05-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520434950
【氏名又は名称】株式会社スマートバンク
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯川 晟
(72)【発明者】
【氏名】森口 貴之
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 暸
(72)【発明者】
【氏名】大庭 直人
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 はろか
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-077730(JP,A)
【文献】特開2018-116602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報を取得する取引情報取得部と、
前記取引情報取得部により取得された取引情報に基づいて、前記対象ユーザの支出または残高のうちの少なくとも一方を算出する算出部と、を備え、
前記取引情報取得部による取引情報の取得頻度は、前記対象金融サービスの種別により異なり、
前記取引情報取得部は、前記対象金融サービスに固有のIDまたは前記対象金融サービスの種別を区別可能なIDと紐づけて前記取引情報取得部による取引情報の取得頻度を示す情報を記憶する記憶部に記憶された、前記対象金融サービスに固有のIDまたは前記対象金融サービスの種別を区別可能なIDと前記取得頻度を示す情報とに基づいて、前記取引情報の取得頻度を特定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記対象金融サービスは、銀行が提供する銀行サービス、および、銀行以外の事業者が提供する決済サービスであり、
前記取引情報取得部による取引情報の取得頻度は、前記決済サービスの方が、前記銀行サービスよりも高い
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決済サービスに関する取引情報は、決済取引を示す情報および入出金取引を示す情報であり、
前記銀行サービスに関する取引情報は、口座取引を示す情報である
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取引情報取得部は、前記決済サービスが特定の決済サービスである場合には、決済取引が実行された場合に取引情報を取得し、前記決済サービスが特定の決済サービス以外の決済サービスである場合には、前記決済サービスが特定の決済サービスである場合よりも低い頻度で取引情報を取得する
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取引情報取得部は、取得頻度の異なる前記対象金融サービスに関する取引情報について、特定の日には、ともに取得する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取引情報取得部は、取得頻度の異なる前記対象金融サービスに関する取引情報について、特定のタイミングには、ともに取得する
ことを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対象ユーザは、共同口座に紐づけられた複数の対象ユーザであり、
前記共同口座に連携する前記対象金融サービスである連携金融サービスを示す連携情報を取得する連携情報取得部と、
前記共同口座に紐づけられた前記対象ユーザからの共同口座画面の表示用情報の取得要求に応じ、前記連携情報取得部により取得された連携情報に基づいて、前記取引情報取得部により取得された取引情報のうちの、前記連携金融サービスに関する前記対象ユーザの取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する表示用情報出力部と、を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記連携情報取得部は、前記連携金融サービス、および、共有する取引情報である共有取引情報、を示す前記連携情報を取得し、
前記表示用情報出力部は、前記共同口座に紐づけられた前記対象ユーザからの要求に応じ、前記連携情報取得部により取得された連携情報に基づいて、前記取引情報取得部により取得された取引情報のうちの、前記連携金融サービスに関する前記対象ユーザの前記共有取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する
ことを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記連携情報取得部は、前記連携金融サービス、および、共有する取引情報のカテゴリである共有カテゴリ、を示す前記連携情報を取得し、
前記表示用情報出力部は、前記共同口座に紐づけられた前記対象ユーザからの要求に応じ、前記連携情報取得部により取得された連携情報に基づいて、前記取引情報取得部により取得された取引情報のうちの、前記連携金融サービスに関する前記対象ユーザの前記共有カテゴリの取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する
ことを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取引情報取得部は、所定のトリガに応じて、前記対象金融サービスに関する取引情報の取得を行う
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記トリガは、前記対象金融サービスにおける決済取引の実行に基づくタイミングである
ことを特徴とする請求項10記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記対象ユーザが用いるアプリケーションの起動を検出する起動検出部を備え、
前記トリガは、前記起動検出部により起動が検出されたタイミングである
ことを特徴とする請求項10記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記取引情報取得部により前記トリガに応じて取得された取引情報に基づいて、または、前記取引情報取得部により前記トリガに応じて取得された取引情報を用いた前記算出部による算出結果に基づいて、判定処理を行う判定部を備え、
前記トリガは、前記判定部に判定処理を実行させる条件を満たしたタイミングである
ことを特徴とする請求項10記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記判定部は、前記算出部による算出結果に基づいて、前記対象ユーザの支出が支出閾値以上である場合またはユーザの残高が残高閾値以下である場合に使い過ぎであると判定する
ことを特徴とする請求項13記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータを請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項16】
取引情報取得部が、複数の対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報を取得するステップと、
算出部が、前記取引情報取得部により取得された取引情報に基づいて、前記対象ユーザの支出または残高のうちの少なくとも一方を算出するステップと、を備え、
前記取引情報取得部による取引情報の取得頻度は、前記対象金融サービスの種別により異なり、
前記取引情報取得部は、前記対象金融サービスに固有のIDまたは前記対象金融サービスの種別を区別可能なIDと紐づけて前記取引情報取得部による取引情報の取得頻度を示す情報を記憶する記憶部に記憶された、前記対象金融サービスに固有のIDまたは前記対象金融サービスの種別を区別可能なIDと前記取得頻度を示す情報とに基づいて、前記取引情報の取得頻度を特定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理プログラム、および、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行が提供するAPI(Application Programming Interface)を利用して銀行口座もしくは仮想口座の残高または入出金の情報を取得する際、その取得頻度を、入出金または決済の頻度に応じて変更する機能が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6831165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、決済サービスなどを提供する金融サービス(以下単に「金融サービス」という。)が多様化しており、1人のユーザが、複数の金融サービスを利用することも増えている。このため、ユーザが利用する複数の金融サービスにおける取引情報を一括して提供するサービス(以下「アグリゲーションサービス」という。)に対するニーズがある。以下アグリゲーションサービスが対象とする金融サービスを「対象金融サービス」ともいう。アグリゲーションサービスは、例えば、それぞれの対象金融サービスを提供する事業者が公開するAPIを利用して取引情報を取得することにより提供可能である。しかし、通信負荷またはコストの観点から、APIを利用した取引情報の取得は、効率的に行う必要がある。
従来、アグリゲーションサービスにおける取引情報の取得を効率的に行う技術が提供できていないとの課題あった。
例えば、特許文献1に開示された技術も、アグリゲーションサービスを提供するものではなく、上記の課題を解決するものではない。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、アグリゲーションサービスにおいて取引情報の取得を効率的に行うことができる情報処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る情報処理装置は、複数の対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報を取得する取引情報取得部と、取引情報取得部により取得された取引情報に基づいて、対象ユーザの支出または残高のうちの少なくとも一方を算出する算出部と、を備え、取引情報取得部による取引情報の取得頻度は、対象金融サービスの種別により異なり、取引情報取得部は、対象金融サービスに固有のIDまたは対象金融サービスの種別を区別可能なIDと紐づけて取引情報取得部による取引情報の取得頻度を示す情報を記憶する記憶部に記憶された、対象金融サービスに固有のIDまたは対象金融サービスの種別を区別可能なIDと取得頻度を示す情報とに基づいて、取引情報の取得頻度を特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、上記のように構成したので、対象金融サービスの種別に応じて取引情報の取引頻度を変更可能となる。このため、本開示によれば、アグリゲーションサービスにおいて取引情報の取得を効率的または効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】実施の形態1に係るサーバの構成例を示す図である。
図3】実施の形態1に係るクライアント端末の構成例を示す図である。
図4】実施の形態1に係るサーバおよびクライアント端末のハードウェア構成例を示す図である。
図5】実施の形態1に係るサーバの動作例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態1に係る情報処理システムでの個人口座への金融サービスの連携を説明する図である。
図7】実施の形態1に係るクライアント端末に表示される個人口座画面の一例を示す図である。
図8】実施の形態2に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図9】実施の形態2に係るサーバの構成例を示す図である。
図10】実施の形態2に係るクライアント端末の構成例を示す図である。
図11】実施の形態2に係る情報処理システムでの共同口座への金融サービスの連携を説明する図である。
図12】実施の形態3に係るサーバの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
情報処理システム1では、例えば図1に示すように、サーバ3(情報処理装置)、対象ユーザが用いるクライアント端末2、および、店舗端末4が、ネットワークNWを介して接続されている。ネットワークNWとしては、既存の電気通信回線が利用できる。ネットワークNWは、例えばインターネットである。なお、「対象」とは、取引情報の取得対象という意味である。
また、図1の例では、ネットワークNWに、外部サーバ5が追加的に接続されている。
また、図1の例では、クライアント端末2として、対象ユーザA1が用いるクライアント端末2A1が示されている。
【0010】
なお、図1では、クライアント端末2を1つのみ示しているが、ネットワークNWには、複数のクライアント端末2が接続され得る。
また、図1では、店舗端末4を1つのみ示しているが、ネットワークNWには、複数の店舗端末4が接続され得る。
【0011】
サーバ3は、対象ユーザに対し、アグリゲーションサービスを提供するものである。サーバ3を用いてアグリゲーションサービスを提供する事業者は、対象金融サービスを提供する事業者と同一の事業者であってもよい。
以下では、サーバ3を用いてアグリゲーションサービスを提供する事業者(以下「アグリゲーションサービス提供事業者」という。)が、決済用カードを用いた決済取引またコード決済による決済取引を可能とする決済サービスを提供する事業者の1つでもあるものとする。決済用カードとしては、例えば、プリペイドカードまたはクレジットカードなどのように、代金の支払いに利用可能な任意のカードが挙げられる。コード決済としては、例えば、スマートフォンなどの画面にバーコードまたは二次元バーコードを表示させるものが挙げられる。
【0012】
図1の例では、対象ユーザは、店舗端末4を備えた店舗において、商品を購入しまたはサービスの提供を受ける。対象ユーザが、代金の支払いを決済用カードで行うと、店舗端末4は、取引情報を、サーバ3または外部サーバ5へ送信する。取引情報には、例えば、店舗名、商品名、サービス名、取引日時、取引金額、および、決済用カードの識別情報などの情報が含まれる。店舗端末4から取得した取引情報は、サーバ3の記憶部33または外部サーバ5の記憶部に格納される。
また、サーバ3の記憶部33または外部サーバ5の記憶部に格納される取引情報には、後述の、決済サービスにおける入出金取引が行われた際の、取引日時および取引金額、または、銀行サービスにおける口座取引および銀行決済が行われた際の、取引日時および取引金額などの情報が含まれる。
また、取引情報には、決済サービスにおける各種口座の残高、または、銀行サービスにおける口座の残高の情報も含まれる。
【0013】
外部サーバ5は、サーバ3を用いたアグリゲーションサービスとは異なる外部サービスを提供するためのサーバである。
外部サービスは、アグリゲーションサービス提供事業者以外の事業者が提供する対象金融サービスである。例えば、外部サービスとしては、後述の、銀行が提供する銀行サービス、または、銀行以外の事業者が提供する決済サービスが挙げられ、外部サーバ5としては、銀行が提供する銀行サービスにおいて用いられるサーバ、または、銀行以外の事業者が提供する決済サービスにおいて用いられるサーバが挙げられる。
取引情報が外部サーバ5へ送信される場合には、サーバ3は、外部サーバ5とAPI連携をすることによって、この取引情報を外部サーバ5から取得可能である。外部サーバ5から取得した取引情報は、サーバ3の記憶部33(図2参照)に格納される。
【0014】
サーバ3は、例えば図2に示すように、通信部31、演算部32、および、記憶部33を備えている。
なお、サーバ3は、物理的に1台の端末で構成されていてもよく、複数台の端末で構成されていてもよい。
【0015】
通信部31は、ネットワークNWを介して、クライアント端末2、店舗端末4、または、外部サーバ5と通信を行う。
【0016】
演算部32は、サーバ3の全体動作を制御する。演算部32は、情報処理装置アプリケーションを実行することにより、各種の機能を実現する。
【0017】
記憶部33は、情報処理装置アプリケーションを記憶し、演算部32の演算処理に用いるデータを記憶する。また、ネットワークNWを介してクライアント端末2に各機能を提供するために、サーバ3がクライアント端末アプリケーションを実行する場合、記憶部33にはクライアント端末アプリケーションも記憶される。
なお、記憶部33は、サーバ3からアクセス可能であればよく、サーバ3の外部に備えられていてもよい。
【0018】
演算部32は、例えば図2に示すように、取引情報取得部301、算出部302、表示用情報出力部303、および、連携情報取得部304を備えている。演算部32が、例えば、情報処理装置アプリケーションを実行することにより、取引情報取得部301、算出部302、表示用情報出力部303、および、連携情報取得部304の各機能が実現される。
【0019】
取引情報取得部301は、複数の対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報を取得する。
上記のように、アグリゲーションサービス提供事業者が、決済用カードを用いた決済取引またはコード決済による決済取引を可能とする決済サービスを提供する事業者の1つでもある場合、取引情報取得部301は、例えば、対象ユーザによる当該決済用カードまたは二次元バーコードなどのコードを用いた決済取引がなされる度に、店舗端末4から取引情報を取得する。また、決済用カードがいわゆるチャージ型のプリペイドカードである場合、対象ユーザのプリペイドカードにチャージが行われる度にそのチャージの旨を示す取引情報を取得することができる。また、コード決済の場合、対象ユーザのコード決済用口座へのチャージまたは他者への送金などのための出金の度に、入出金取引を示す取引情報が取得することができる。
また、取引情報取得部301は、外部サーバ5とAPI連携を行うことで、後述のタイミングで、対象ユーザによる、その他の事業者が提供する対象金融サービスにおける取引情報を取得することができる。
【0020】
この取引情報取得部301による取引情報の取得頻度は、対象金融サービスの種別に応じて異なる。
【0021】
対象金融サービスの種別としては、例えば、銀行が提供する銀行サービス、および、銀行以外の事業者が提供する決済サービスが挙げられる。
決済サービスに関する取引情報は決済取引を示す情報および入出金取引を示す情報であり、銀行サービスに関する取引情報は口座取引を示す情報である。決済サービスにおける決済取引としては、例えば、プリペイドカード、もしくは、クレジットカードなどを用いた決済取引またはコード決済による決済取引が挙げられる。また、口座取引には、銀行口座に対する入出金に関わるすべての取引が含まれ、例えば銀行決済取引および入出金取引などが含まれる。
【0022】
例えば、複数の対象金融サービスには、それぞれに固有のID(以下「対象金融サービスID」という。)が付され、対象金融サービスの種別には、それぞれの種別を区別可能なID(以下「種別ID」という。)が付与され、サーバ3の記憶部33には、複数の対象金融サービスのそれぞれを示す名称、種別ID、および、対象金融サービスIDが紐づけて格納され得る。
また、種別ごとの取得頻度を示す情報は、上述の各種別IDと紐づけて、記憶部33に記憶されてもよいし、対象金融サービスIDと紐づけて記憶部33に記憶されてもよい。対象金融サービスの種別ごとの取得頻度は、例えば、アグリゲーションサービス提供事業者によって予め設定され、その取得頻度を示す情報が、記憶部33に格納される。
ここで、対象ユーザがアグリゲーションサービスの利用登録をする際には、それぞれの対象ユーザには固有のID(以下「ユーザID」という。)が付与され、記憶部33には、ユーザIDと、ユーザIDが示す対象ユーザがアグリゲーションサービスの対象とすることを指定した複数の対象金融サービスそれぞれの対象金融サービスIDとも、紐づけて格納され得る。
以下、記憶部33に上述のような各種の情報が記憶されることで、取引情報取得部301は、対象金融サービスの種別ごとに、取引情報を取得すべき取得頻度を特定でき、かつ、対象ユーザごとに、その対象ユーザがアグリゲーションサービスにおける対象とした対象金融サービスを特定できるものとする。
【0023】
また、対象金融サービスが銀行サービスおよび決済サービスである場合には、取引情報取得部301による取引情報の取得頻度は、決済サービスの方が、銀行サービスよりも高い。
【0024】
なお、取引情報取得部301は、決済サービスが特定の決済サービスである場合には、決済取引が実行された場合に取引情報(その決済取引を示す情報)を取得してもよい。
また、取引情報取得部301は、決済サービスが特定の決済サービス以外の決済サービスである場合には、決済サービスが特定の決済サービスである場合よりも低い頻度で取引情報を取得してもよい。
上記特定の決済サービスを提供する事業者は、アグリゲーションサービス提供事業者であってもよい。
上記特定の決済サービスが、アグリゲーションサービス提供事業者自体が提供するサービスである場合には、店舗端末4から取得した取引情報は、サーバ3の記憶部33に格納される。したがって、取引情報取得部301は、決済取引が実行される度に取引情報を取得することができ、比較的高い頻度で取引情報を取得できる。
これに対し、上記の場合、特定の決済サービス以外の決済サービスは、アグリゲーションサービス提供事業者以外の事業者によって提供されるものであって、当該決済サービスによる取引情報は、外部サーバ5によって管理される。APIを利用する際の通信負荷またはコストの観点から、取引情報取得部301は、決済取引が実行される度に取引情報を取得することはせず、比較的低い頻度で、外部サーバ5から取引情報を取得する。
決済サービスごとの取得頻度は、例えば、アグリゲーションサービス提供事業者によって予め設定され、その取得頻度を示す情報は、対象金融サービスIDと紐づけて記憶部33に格納される。
記憶部33に上述のような各種の情報が記憶されることで、取引情報取得部301は、対象金融サービスが提供する決済サービスが特定の決済サービスであるか、それ以外の決済サービスであるかに応じて、取引情報を取得すべき取得頻度を特定できる。そして、取引情報取得部301は、記憶部33から取得した取引頻度に応じて、各決済サービスにおえける取引情報を取得する。
【0025】
また、取引情報取得部301は、上記特定のサービスを、対象ユーザが用いるクライアント端末2により指定された決済サービスとしてもよい。すなわち、複数の対象金融サービスが提供する決済サービスのうち、どの決済サービスを特定の決済サービスとし、どの決済サービスをそれ以外の決済サービスとするかについては、例えば、対象ユーザによってそれぞれ指定され、特定の決済サービスか否かを示す情報は、各対象金融サービスIDと紐づけて、記憶部33に格納されてもよい。
クライアント端末2は、対象ユーザが操作部23(後述)を操作することによって、操作部23から、特定の決済サービスとそれ以外のサービスを指定するための操作情報を取得すると、当該指定の内容を示す情報(以下「特定決済サービス指定情報」という。)を生成し、生成した特定決済サービス指定情報をサーバ3に送信する。特定決済サービス指定情報には、クライアント端末2を操作した対象ユーザのユーザIDと、上述の対象金融サービスIDと、それぞれの対象金融サービスIDが示す対象金融サービスが提供する決済サービスが特定の決済サービスとして指定されたか否かを示す情報とが含まれ得る。サーバ3は、クライアント端末2から特定決済サービス指定情報を取得すると、取得した特定決済サービス指定情報を、記憶部33に格納する。
記憶部33に上述のような各種の情報が記憶されることで、取引情報取得部301は、対象ユーザごとに、対象金融サービスが提供する決済サービスが、その対象ユーザが指定した特定の決済サービスであるか、それ以外の決済サービスであるかに応じて、取引情報を取得すべき取得頻度を特定できる。そして、取引情報取得部301は、記憶部33から取得した取引頻度に応じて、各決済サービスにおける取引情報を取得する。
【0026】
また、取引情報取得部301は、取得頻度の異なる対象金融サービスに関する取引情報について、特定の日には、ともに取得してもよい。上記特定の日としては、例えば、上記取得頻度の異なる対象金融サービスのうちの取得頻度の低い対象金融サービスにおいて、取引情報の取得を行う日が挙げられる。
例えば、対象金融サービスが決済サービスおよび銀行サービスである場合に、取引情報取得部301は、銀行サービスに関する取引情報を取得する日には、決済サービスに関する取引情報についても取得してもよい。
【0027】
また、取引情報取得部301は、取得頻度の異なる対象金融サービスに関する取引情報について、上記特定の日における特定のタイミングには、ともに取得してもよい。上記特定のタイミングとしては、例えば、上記取得頻度の異なる対象金融サービスのうちの取得頻度の低い対象金融サービスにおいて、取引情報の取得を行うタイミングが挙げられる。
例えば、対象金融サービスが決済サービスおよび銀行サービスである場合であって、銀行サービスに関する取引情報を特定の日の朝一に取得する場合に、取引情報取得部301は、銀行サービスに関する取引情報を取得する日の朝一には、決済サービスに関する取引情報についても取得してもよい。
特定の日、または、特定の日における特定のタイミング(例えば、上記「朝一」としての具体的な時刻)については、アグリゲーションサービス提供事業者によって予め設定され、それらの取引情報を取得するタイミングを示す情報は、対象金融サービスIDと紐づけて記憶部33に格納される。
記憶部33に上述のような各種の情報が記憶されることで、取引情報取得部301は、現時点の日付が特定の日であるか、現時点が特定の日における特定のタイミングであるか否かに応じて、取引情報を取得すべきかどうかを判断し、取得すべきと判断された場合に、取引情報の取得を行う。
【0028】
取引情報取得部301は、複数の対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報を取得すると、取得した取引情報を対象ユーザのユーザIDと紐づけて記憶部33に格納するか、または、それに加えて、算出部302に出力する。
【0029】
算出部302は、取引情報取得部301により取得された取引情報に基づいて、対象ユーザの支出または残高のうちの少なくとも一方を算出する。すなわち、算出部302は、取引情報から対象ユーザの支出を算出する機能、取引情報から対象ユーザの残高を算出する機能、あるいは、取引情報から対象ユーザの支出および残高を算出する機能のいずれかの機能を有する。上記支出または残高は、対象ユーザの口座に連携された複数の対象金融サービス全体の取引情報に基づく支出または残高である。
【0030】
なお、算出部302は、支出を算出する機能を有する場合には、対象ユーザの取引情報に基づいて、対象ユーザの任意の期間での支出を算出可能である。例えば、算出部302は、現時点から1か月の範囲内での支出を算出可能である。
算出部302が支出の算出の対象とする期間は、アグリゲーションサービス提供事業者によって予め設定され、その期間を示す情報(以下「期間情報」という。)は、記憶部33に格納され得る。または、算出部302が支出の算出の対象とする期間は、対象ユーザによって指定されてもよい。クライアント端末2は、対象ユーザが操作部23を操作することによって、操作部23から、支出の算出の対象とする期間を指定するための操作情報を取得すると、指定された期間を示す期間情報を生成し、生成した期間情報をサーバ3に送信する。期間情報には、クライアント端末2を操作した対象ユーザのユーザIDが含まれ得る。サーバ3は、クライアント端末2から期間情報を取得すると、取得した期間情報を、記憶部33に格納する。この場合、算出部302は、支出の算出を行う際に、算出の対象とする対象ユーザのユーザIDに応じて、記憶部33から期間情報を取得することができる。
算出部302は、取引情報取得部301が取引情報を取得すると、取引情報取得部301により取得された複数の対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報に含まれる取引日時と、記憶部33に記憶された期間情報とに基づき、支出の算出の対象とすべき取引を特定し、特定された取引のうち、その取引情報における取引金額が支出を示している取引を特定し、支出金額を合計することで、支出の算出を行う。
【0031】
また、算出部302は、残高を算出する機能を有する場合には、対象ユーザの取引情報に基づいて、対象ユーザの任意の時点での残高を算出可能である。例えば、算出部302は、現時点の残高を算出可能である。
算出部302は、取引情報取得部301により取得された複数の対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報に含まれる残高を合計することで、残高の算出を行う。
【0032】
表示用情報出力部303は、対象ユーザが用いるクライアント端末2からの個人口座画面の表示用情報の取得要求に応じ、その表示用情報を出力する。
クライアント端末2は、対象ユーザが操作部23を操作することによって、操作部23から、個人口座画面の表示用情報の取得を要求するための操作情報を取得すると、取得要求を生成し、生成した取得要求をサーバ3に送信する。サーバ3の表示用情報出力部303は、クライアント端末2から取得要求を取得すると、表示用情報をクライアント端末2に送信するために通信部31に出力する。通信部31は、表示用情報出力部303から表示用情報を取得すると、表示用情報をクライアント端末2に送信する。
この際、表示用情報出力部303は、取引情報取得部301により取得された取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する。例えば、表示用情報出力部303は、表示用情報として、対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報、その取引情報を用いて算出された支出、または、その取引情報を用いて算出された残高のうちの少なくとも1つの情報を表示可能とする情報を生成する。
なお、この表示用情報は、個人口座画面そのものを示す情報であってもよいし、個人口座画面を生成可能とする情報であってもよい。
【0033】
連携情報取得部304は、クライアント端末2から、サーバ3で用いられる個人口座連携情報を取得する。個人口座連携情報は、対象ユーザの個人口座に連携する対象金融サービスを示す情報である。ここでは、対象ユーザの個人口座は、アグリゲーションサービス提供事業者が提供する決済サービスにおける、対象ユーザの個人用の口座である。
上述のように、対象ユーザがアグリゲーションサービスの利用登録をする際には、それぞれの対象ユーザにはユーザIDが付与され、記憶部33には、ユーザIDと、ユーザIDが示す対象ユーザがアグリゲーションサービスの対象とすることを指定した複数の対象金融サービスそれぞれの対象金融サービスIDとが、紐づけて格納され得る。つまり、この場合、対象ユーザの個人口座に連携する対象金融サービスを示す情報は、記憶部33に互いに紐づけられて格納された、ユーザIDと、アグリゲーションサービス提供事業者が提供する決済サービスを示す対象金融サービスIDと、当該決済サービス以外の、対象ユーザによって指定された決済サービスを提供する対象金融サービスを示す対象金融サービスIDである。
【0034】
クライアント端末2は、ネットワークNWを介してサーバ3と通信可能な端末であり、ユーザが使用する端末である。このクライアント端末2としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、または、PC(Personal Computer)が挙げられる。
【0035】
クライアント端末2は、例えば図3に示すように、通信部21、演算部22、操作部23、表示部24、および、記憶部25を備えている。
【0036】
通信部21は、ネットワークNWを介して、サーバ3と通信を行う。
【0037】
演算部22は、クライアント端末2の全体動作を制御する。この演算部22は、例えば、クライアント端末アプリケーションがクライアント端末2にインストールされている場合には、クライアント端末アプリケーションを実行することにより各種の機能を実現する。また、演算部22は、例えば、クライアント端末アプリケーションがサーバ3において実行されるものである場合には、サーバ3からの指示を受けることで、各種の機能を実現する。
【0038】
操作部23は、クライアント端末2における表示部24に表示された画面に対する操作を受け付ける入力装置である。例えば、クライアント端末2がスマートフォンまたはタブレット端末である場合、操作部23は、表示部24と一体に設けられたタッチパネルである。また、クライアント端末2がPCである場合は、操作部23は、例えば、マウスまたはキーボードである。
【0039】
表示部24は、クライアント端末2が備える表示装置である。表示部24は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electroluminescence)表示装置である。
【0040】
記憶部25は、クライアント端末アプリケーションを記憶し、演算部22の演算処理に用いるデータを記憶する。
なお、記憶部25は、クライアント端末2からアクセス可能であればよく、クライアント端末2の外部に備えられていてもよい。
【0041】
演算部22は、例えば図3に示すように、操作情報取得部201、連携情報出力部202、表示用情報取得部203、および、表示制御部204を備えている。演算部22が、例えば、クライアント端末アプリケーションを実行することにより、操作情報取得部201、連携情報出力部202、表示用情報取得部203、および、表示制御部204の各機能が実現される。
【0042】
操作情報取得部201は、操作情報を取得する。操作情報取得部201により取得される操作情報は、操作部23により受け付けられた操作を示す情報である。
【0043】
連携情報出力部202は、操作情報取得部201により取得された操作情報に基づいて、個人口座連携情報をサーバ3に出力する。
クライアント端末2は、対象ユーザが操作部23を操作することによって、操作部23から、複数の対象金融サービスを指定するための操作情報を取得すると、当該指定の内容を示す情報(以下「対象金融サービス指定情報」という。)を生成し、生成した対象金融サービス指定情報をサーバ3に送信する。対象金融サービス指定情報には、クライアント端末2を操作した対象ユーザのユーザIDと、指定された対象金融サービスの対象金融サービスIDが含まれ得る。サーバ3は、クライアント端末2から対象金融サービス指定情報を取得すると、取得した対象金融サービス指定情報を、対象ユーザのユーザIDと紐づけて記憶部33に格納する。
【0044】
表示用情報取得部203は、操作情報取得部201により取得された操作情報に基づいて個人口座画面の表示用情報の取得要求をサーバ3に対して行い、サーバ3から表示用情報を取得する。クライアント端末2は、対象ユーザが操作部23を操作することによって、操作部23から、個人口座画面の表示用情報の取得を要求するための操作情報を取得すると、取得要求を生成し、生成した取得要求をサーバ3に送信する。サーバ3の表示用情報出力部303は、クライアント端末2から取得要求を取得すると、通信部31を介して、表示用情報をクライアント端末2に送信する。クライアント端末2の表示用情報取得部203は、表示用情報を取得すると、取得した表示用情報を表示制御部204に出力する。
【0045】
表示制御部204は、操作情報取得部201により取得された操作情報および表示用情報取得部203により取得された表示用情報に基づいて、個人口座画面を表示部24に表示する。なお、表示用情報が個人口座画面そのものを示す情報である場合には、表示制御部204はこの情報が示す個人口座画面を表示部24に表示する。また、表示用情報が個人口座画面を生成可能とする情報である場合には、表示制御部204は、この情報から個人口座画面を生成し、生成した個人口座画面を表示部24に表示する。
表示制御部204により表示される個人口座画面には、例えば、対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報、その取引情報を用いて算出された支出、または、その取引情報を用いて算出された残高のうちの少なくとも1つの情報が表示される。
この表示制御部204による表示は、クライアント端末2にダウンロードされたクライアント端末アプリケーションを介して実施されてもよいし、クライアント端末2からWebブラウザを通じてアクセス可能なWebアプリケーションを介して実施されてもよい。
【0046】
図4は、サーバ3またはクライアント端末2を実現するハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0047】
例えば、サーバ3の機能は、演算部32により実現される。演算部32は、ハードウェア構成として、通信インタフェース100、入出力インタフェース101、プロセッサ102、および、メモリ103を有する。演算部32が備える取引情報取得部301、算出部302、表示用情報出力部303、および、連携情報取得部304の各機能は、これらのハードウェア構成によって実現される。
【0048】
通信インタフェース100は、通信部31によって、ネットワークNWを介してクライアント端末2から受信されたデータをプロセッサ102へ出力し、プロセッサ102が生成したデータを、ネットワークNWを介してクライアント端末2へ送信する。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して、記憶部33に対するデータの読み書きを制御する。
【0049】
取引情報取得部301、算出部302、表示用情報出力部303、および、連携情報取得部304の各機能を実現するための情報処理プログラム(情報処理装置アプリケーション)は、メモリ103に記憶されている。メモリ103は、例えば、サーバ3として機能するコンピュータが備える半導体メモリである。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して記憶部33からメモリ103にロードしたプログラムを実行する。これにより、プロセッサ102は、取引情報取得部301、算出部302、表示用情報出力部303および、連携情報取得部304の各機能を実現する。
【0050】
また、クライアント端末2の機能は、演算部22により実現される。演算部22は、ハードウェア構成として、通信インタフェース100、入出力インタフェース101、プロセッサ102、および、メモリ103を有する。演算部22が備える操作情報取得部201、連携情報出力部202、表示用情報取得部203、および、表示制御部204の各機能は、これらのハードウェア構成により実現される。
【0051】
通信インタフェース100は、通信部21によって、ネットワークNWを介してサーバ3から受信されたデータをプロセッサ102へ出力し、プロセッサ102が生成したデータを、ネットワークNWを介してサーバ3へ送信する。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して、表示部24の表示を制御し、操作部23から操作情報を取得する。
【0052】
クライアント端末アプリケーションがクライアント端末2にインストールされている場合、操作情報取得部201、連携情報出力部202、表示用情報取得部203、および、表示制御部204の各機能を実現するためのクライアント端末プログラム(クライアント端末アプリケーション)は、メモリ103に記憶されている。メモリ103は、例えば、クライアント端末2として機能するタブレット端末に搭載された半導体メモリである。
【0053】
クライアント端末アプリケーションがクライアント端末2にインストールされている場合、プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介してメモリ103にロードしたプログラムを実行する。これにより、プロセッサ102は、操作情報取得部201、連携情報出力部202、表示用情報取得部203、および、表示制御部204の各機能を実現する。
【0054】
次に、図2に示す実施の形態1に係るサーバ3の動作例について、図5を参照しながら説明する。
なお、連携情報取得部304は、クライアント端末2から、対象ユーザの個人口座に連携する対象金融サービスを示す個人口座連携情報を取得し、予め記憶部33に格納しているとする。
図6は、対象ユーザの個人口座への金融サービスの連携を説明する図である。図6の例では、アグリゲーションサービス提供事業者が、決済サービスを提供する事業者の1つである場合を示している。そして、図6の例では、この決済サービスの対象ユーザの個人口座a1に、2つの対象金融サービスb1,b2が連携されている。
【0055】
図2に示す実施の形態1に係るサーバ3の動作例では、例えば図5に示すように、まず、取引情報取得部301は、複数の対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報を取得する(ステップST101)。この取引情報取得部301による取引情報の取得頻度は、対象金融サービスの種別に応じて異なる。例えば、対象金融サービスが決済サービスおよび銀行サービスである場合には、取引情報取得部301による取引情報の取得頻度は、決済サービスの方が、銀行サービスよりも高い。
【0056】
なお、取引情報取得部301は、決済サービスが特定の決済サービスである場合には、決済取引が実行された場合に取引情報(その決済取引を示す情報)を取得してもよい。
また、取引情報取得部301は、決済サービスが特定の決済サービス以外の決済サービスである場合には、決済サービスが特定の決済サービスである場合よりも低い頻度で取引情報を取得してもよい。
【0057】
また、取引情報取得部301は、取得頻度の異なる対象金融サービスに関する取引情報について、特定の日には、ともに取得してもよい。
また、取引情報取得部301は、取得頻度の異なる対象金融サービスに関する取引情報について、上記特定の日における特定のタイミングには、ともに取得してもよい。
【0058】
次いで、算出部302は、取引情報取得部301により取得された取引情報に基づいて、対象ユーザの支出または残高のうちの少なくとも一方を算出する(ステップST102)。
なお、算出部302は、支出を算出する機能を有する場合には、対象ユーザの取引情報に基づいて、対象ユーザの任意の期間での支出を算出可能である。
また、算出部302は、残高を算出する機能を有する場合には、対象ユーザの取引情報に基づいて、対象ユーザの任意の時点での残高を算出可能である。
【0059】
次いで、表示用情報出力部303は、表示用情報出力部303は、対象ユーザが用いるクライアント端末2からの個人口座画面の表示用情報の取得要求に応じ、その表示用情報を出力する(ステップST103)。
この際、表示用情報出力部303は、取引情報取得部301により取得された取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する。例えば、表示用情報出力部303は、表示用情報として、対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報、その取引情報を用いて算出された支出、または、その取引情報を用いて算出された残高のうちの少なくとも1つの情報を表示可能とする情報を生成する。
なお、この表示用情報は、個人口座画面そのものを示す情報であってもよいし、個人口座画面を生成可能とする情報であってもよい。
【0060】
図7は、個人口座画面の一例を示す図である。図7に示す個人口座画面の例では、算出部302により算出された対象ユーザの対象期間における支出を示す情報が表示されている。
この例においては、対象期間が「2024年1月1日から16日まで」であることが示されるとともに、2024年1月における、複数の対象金融サービスを合わせた支出の予算が180,000であるのに対し、1月16日の時点で、複数の対象金融サービスの合計支出が82,000円であること、そして、予算までの余裕額が98,000円であることが示されている。
【0061】
ここで、APIを利用して取引情報を取得する場合、一般的に、銀行の口座取引を示す情報の取得コストの方が、決済取引を示す情報の取得コストよりも高い。また、一般的に、決済取引の頻度の方が、口座取引の頻度よりも高い。よって、口座取引を示す情報の取得頻度よりも、決済取引を示す情報の取得頻度を高くすることが望ましいと考えられる。
そこで、実施の形態1に係る情報処理装置では、対象金融サービスの種別に応じて取引情報取得部301による取引情報の取得頻度を変える。例えば、対象金融サービスが決済サービスおよび銀行サービスである場合には、取引情報取得部301による取引情報の取得頻度は、決済サービスの方が銀行サービスよりも高くなるようにする。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置では、対象金融サービスの種別に適した取得頻度で、対象金融サービスに関する取引情報を取得可能となる。
【0062】
例えば、対象金融サービスが決済サービスである場合には、取引情報取得部301は、毎日特定のタイミング(例えば朝一)に取引情報を取得してもよい。
また、例えば、対象金融サービスが銀行サービスである場合には、取引情報取得部301は、毎週特定のタイミング(例えば月曜の朝一)と特定のイベントが発生するタイミング(例えば、給与日、カード引き落とし日、または、家賃引き落とし日)に、取引情報を取得してもよい。なお、特定のイベントが発生するタイミングについては、例えば、サーバ3は、対象ユーザが用いるクライアント端末2による指定に基づいて設定してもよいし、過去の取引情報から自動で推測して設定してもよい。
【0063】
また、取引情報取得部301は、取引情報の取得タイミングに関して、特定の決済サービスに対しては、決済取引が実行される度に取引情報の取得を行い、特定の決済サービス以外の決済サービスに対しては、上記に対して取得頻度を落として取得を行ってもよい。
例えば、上記特定の決済サービスが自社提供サービスである場合には、決済取引を示す情報の取得コストを考慮する必要はない。そのため、このような決済サービスについては、決済取引が実行される度に取引情報の取得を行うことによって、リアルタイムに最新の取引情報を把握可能となる。
また、対象金融サービスのうちの特に取引情報を把握したい決済サービスを上記特定の決済サービスとして設定することで、その決済サービスについては、決済取引が実行される度に取引情報の取得を行うことが可能となり、リアルタイムに最新の取引情報を把握可能となる。
【0064】
また、取引情報の取得頻度が異なる場合には、ある時点で見た場合に、最新の情報となっているものもあれば、そうではないものもあり得る。そのため、適切な口座管理が難しい場合があり得る。
そこで、実施の形態1における取引情報取得部301では、対象金融サービスに関する取引情報の取得頻度が異なる場合であっても、特定の日または特定の日における特定のタイミングには、全ての取引情報を更新することも可能としている。
例えば、対象金融サービスが銀行サービスおよび決済サービスである場合であって、銀行サービスに関する取引情報については特定のイベントが発生する日に取得を行う場合、取引情報取得部301は、その特定のイベントが発生する日に、銀行サービスに関する取引情報だけではなく、他の決済サービスに関する取引情報についても取得を行ってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置では、取得頻度は異なるものの、ある時点においては全ての対象金融サービスに関する取引情報が最新の情報とされ、全ての対象金融サービスについて定期的に最新の取引情報を把握可能となる。
【0065】
以上のように、この実施の形態1によれば、情報処理装置は、複数の対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報を取得する取引情報取得部301と、取引情報取得部301により取得された取引情報に基づいて、対象ユーザの支出または残高のうちの少なくとも一方を算出する算出部302と、を備え、取引情報取得部301による取引情報の取得頻度は、対象金融サービスの種別により異なる。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置では、対象金融サービスの種別に応じて取引情報の取得頻度を変更可能となる。このため、実施の形態1に係る情報処理装置では、アグリゲーションサービスにおいて取引情報の取得を効率的または効果的に行うことができる。
【0066】
また、この実施の形態1によれば、対象金融サービスは、銀行が提供する銀行サービス、および、銀行以外の事業者が提供する決済サービスであり、取引情報取得部301による取引情報の取得頻度は、決済サービスの方が、銀行サービスよりも高い。
また、この実施の形態1によれば、決済サービスに関する取引情報は、決済取引を示す情報および入出金取引を示す情報であり、銀行サービスに関する取引情報は、口座取引を示す情報である。
これらにより、実施の形態1に係る情報処理装置では、取引情報の取得コストが高く、また、取引頻度の少ない銀行サービスに関する取引情報の取得頻度を、決済サービスに関する取引情報の取得頻度に対して落とすことができる。
【0067】
また、この実施の形態1によれば、取引情報取得部301は、決済サービスが特定の決済サービスである場合には、決済取引が実行された場合に取引情報を取得し、決済サービスが特定の決済サービス以外の決済サービスである場合には、決済サービスが特定の決済サービスである場合よりも低い頻度で取引情報を取得する。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置では、対象金融サービスのうちの自社提供サービスまたは特に取引情報を把握したい決済サービスなどの決済サービスについて、リアルタイムに最新の取引情報を把握可能となる。
【0068】
また、この実施の形態1によれば、取引情報取得部301は、取得頻度の異なる対象金融サービスに関する取引情報について、特定の日には、ともに取得する。
また、この実施の形態1によれば、取引情報取得部301は、取得頻度の異なる対象金融サービスに関する取引情報について、特定のタイミングには、ともに取得する。
これらにより、実施の形態1に係る情報処理装置では、取引情報の取得頻度の異なる対象金融サービス間において、ある特定の日またはある特定の日における特定のタイミングで取引情報をともに取得することで、各対象金融サービスについて定期的に最新の取引情報を把握可能となる。
【0069】
また、この実施の形態1によれば、情報処理プログラムは、コンピュータを情報処理装置として機能させる。
これにより、実施の形態1に係る情報処理プログラムでは、対象金融サービスの種別に応じて取引情報の取得頻度を変更可能となる。このため、実施の形態1に係る情報処理プログラムでは、アグリゲーションサービスにおいて取引情報の取得を効率的または効果的に行うことができる。
【0070】
また、この実施の形態1によれば、情報処理方法は、取引情報取得部301が、複数の対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報を取得するステップと、算出部302が、取引情報取得部301により取得された取引情報に基づいて、対象ユーザの支出または残高のうちの少なくとも一方を算出するステップと、を備え、取引情報取得部301による取引情報の取得頻度は、対象金融サービスの種別により異なる。
これにより、実施の形態1に係る情報処理方法では、対象金融サービスの種別に応じて取引情報の取得頻度を変更可能となる。このため、実施の形態1に係る情報処理方法では、アグリゲーションサービスにおいて取引情報の取得を効率的または効果的に行うことができる。
【0071】
実施の形態2.
実施の形態1では、個人口座に連携された対象金融サービスに関する取引情報の取得について説明を行った。これに対し、実施の形態2では、共同口座に連携された対象金融サービスに関する取引情報の取得について説明を行う。
【0072】
図8は実施の形態2に係る情報処理システム1の構成例である。この図8に示す実施の形態2に係る情報処理システム1では、図1に示す実施の形態1に係る情報処理システム1に対し、クライアント端末2が複数のクライアント端末2に変更されている。
また、図9は実施の形態2に係るサーバ3の構成例である。この図9に示す実施の形態2に係るサーバ3では、図2に示す実施の形態1に係るサーバ3に対し、表示用情報出力部303および連携情報取得部304が表示用情報出力部303bおよび連携情報取得部304bに変更されている。
また、図10は実施の形態2に係るクライアント端末2の構成例である。この図10に示す実施の形態2に係るクライアント端末2では、図3に示す実施の形態1に係るクライアント端末2に対し、連携情報出力部202、表示用情報取得部203および表示制御部204が、連携情報出力部202b、表示用情報取得部203bおよび表示制御部204bに変更されている。
実施の形態2に係る情報処理システム1、サーバ3およびクライアント端末2におけるその他の構成例については、実施の形態1に係る情報処理システム1、サーバ3およびクライアント端末2の構成例と同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
【0073】
実施の形態2では、対象ユーザは、共同口座に紐づけられた複数の対象ユーザであるとする。共同口座とは、複数の者により共用される口座であって、各人の支出が反映される口座を意味する。共同口座に紐づけられた複数の対象ユーザの例としては、例えば、夫婦、カップル、または、ビジネスパートナーが含まれるが、その他の関係性を有する者が含まれていてもよい。
また、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、アグリゲーションサービス提供事業者が、決済用カードを用いた決済取引またはコード決済による決済取引を可能とする決済サービスを提供する事業者の1つでもあり、特に、この実施の形態2では、当該決済サービスにおいて、個人口座が提供され得るとともに、上述の共同口座も提供され得るものとする。共同口座は、例えば、1つの共同口座を共有する複数の対象ユーザの同意のもとで開設される。
図8では、対象ユーザとして対象ユーザA1および対象ユーザA2が示されている。この対象ユーザA1と対象ユーザA2はいずれも共同口座に紐づけられた対象ユーザである。
図8の例では、クライアント端末2として、対象ユーザA1が用いるクライアント端末2A1、および、対象ユーザA2が用いるクライアント端末2A2が示されている。
【0074】
連携情報取得部304bは、クライアント端末2から、サーバ3で用いられる共同口座連携情報を取得する。共同口座連携情報は、共同口座に連携する対象金融サービスを示す情報である。ここでは、共同口座に連携する対象金融サービスを連携金融サービスとも呼ぶ。
実施の形態1において上述したように、対象ユーザがアグリゲーションサービスの利用登録をする際には、それぞれの対象ユーザにはユーザIDが付与される。対象ユーザA1および対象ユーザA2が両者で共有する共同口座を有する場合、例えば、それぞれの対象ユーザA1,A2にユーザIDが付与される。記憶部33には、両対象ユーザA1,A2のユーザIDと、両対象ユーザA1,A2のいずれかが共同口座を含めたアグリゲーションサービスの対象とすることを指定した複数の対象金融サービスそれぞれの対象金融サービスIDとが、紐づけて格納され得る。つまり、この場合、対象ユーザA1と対象ユーザA2の共同口座に連携する対象金融サービスを示す情報は、記憶部33に互いに紐づけられて格納された、両対象ユーザA1,A2のユーザIDと、アグリゲーションサービス提供事業者が提供する決済サービス(共同口座)を示す対象金融サービスIDと、当該決済サービス以外の、両対象ユーザA1,A2によって指定された決済サービスを提供する対象金融サービスを示す対象金融サービスIDである。
【0075】
また、連携情報取得部304bは、連携情報として、連携金融サービスに加え、共有する取引情報を示す情報も取得してもよい。ここでは、共有する取引情報を共有取引情報とも呼ぶ。
この場合、各対象ユーザA1,A2は、取引情報の内容を確認したうえで、その取引情報を共有対象とするか否かを選択してもよい。各対象ユーザA1,A2が、共有対象とする取引情報を1つ1つ選択する場合、例えば、各対象ユーザA1,A2は、取引情報取得部301が取得した、各対象金融サービスにおける決済サービスを用いた決済の取引情報のうち各自が行った取引情報を、自身の用いるクライアント端末2A1,2A2の表示部24に表示させ、いずれの取引情報を共有対象とするかを選択することができる。ここで、取引情報には、対象ユーザA1,A2のいずれかが行った取引であるかによって、対応するユーザIDが含まれているものとする。クライアント端末2A1,2A2は、選択された取引情報を示す情報をサーバ3に送信し、サーバ3は、当該情報を両対象ユーザA1,A2のユーザIDと、アグリゲーションサービス提供事業者が提供する決済サービス(共同口座)を示す対象金融サービスIDと紐づけて記憶部33に格納する。
このような、両対象ユーザA1,A2が、どの取引情報を共有するかの条件については、予め対象ユーザA1,A2のいずれかによって設定され、両対象ユーザA1,A2のユーザIDと紐づけて、記憶部33に格納され得る。上述のように、当該条件の指定は、例えば、対象ユーザA1がクライアント端末2A1を操作することによって、または、対象ユーザA2がクライアント端末2A2を操作することによって行うことができる。
【0076】
また、連携情報取得部304bは、連携情報として、連携金融サービスに加え、共有する取引情報のカテゴリを示す情報も取得してもよい。ここでは、共有する取引情報のカテゴリを共有カテゴリとも呼ぶ。
両対象ユーザA1,A2が、どの取引情報を共有するかの条件については、共有する取引情報のカテゴリを指定することで設定され得る。例えば、カテゴリとしては、対象金融サービスにおける決済サービスなどを利用して決済を行った店舗のカテゴリ、または、商品またはサービスのカテゴリが設定され得る。店舗のカテゴリとしては、レストラン、コンビニエンスストア、ドラッグストア、書店などが挙げられる。また、商品のカテゴリとしては、食品、薬、本などが挙げられ、サービスのカテゴリとしては、家賃、病院、トレーニングジム、クリーニング、映画などが挙げられる。
この場合、各対象ユーザA1,A2は、その取引情報のカテゴリを自身の用いるクライアント端末2A1,2A2の表示部24に表示させたカテゴリの一覧から選択してもよいし、同様に表示部24に表示させた取引情報のカテゴリから共有対象とするか否かを選択してもよい。後者の場合、取引情報には、取引した店舗、商品またはサービスのカテゴリが付与され表示部24に表示可能であるものとする。各対象ユーザA1,A2が、共有対象とする取引情報のカテゴリを選択する場合、例えば、各対象ユーザA1,A2は、取引情報取得部301が取得した取引情報を、自身の用いるクライアント端末2A1,2A2の表示部24に表示させ、いずれの取引情報のカテゴリを共有対象とするかを選択することができる。クライアント端末2A1,2A2は、選択された取引情報のカテゴリを示す情報をサーバ3に送信し、サーバ3は、当該情報を両対象ユーザA1,A2のユーザIDと、アグリゲーションサービス提供事業者が提供する決済サービス(共同口座)を示す対象金融サービスIDと紐づけて記憶部33に格納する。
【0077】
なお、両対象ユーザA1,A2が、どの取引情報を共有するかの条件については、取引情報ごと以外のものまたは取引情報のカテゴリ以外のものが設定されてもよい。例えば、当該条件としては、1回の取引の支出金額が予め設定した額を超えた場合、所定の期間の支出が予め設定した額を超えた場合、特定の曜日に取引が行われた場合、予め定められた額を超えるチャージがなされた場合などが設定され得る。
【0078】
なお、連携情報取得部304bは、上記の共同口座連携情報を取得する機能に加え、実施の形態1における連携情報取得部304が有する個人口座連携情報を取得する機能を有していてもよい。
【0079】
図11は、共同口座への金融サービスの連携を説明する図である。図11の例では、サーバ3を用いたサービスを提供する事業者が、決済サービスを提供する事業者である場合を示している。そして、図10の例では、この決済サービスの対象ユーザの共同口座a2に、2つの対象金融サービスb3、b4が連携されている。
なお、図11の例では、共同口座a2に対する対象金融サービスの連携の他に、個人口座a1に対する対象金融サービスの連携も行われている。
【0080】
表示用情報出力部303bは、対象ユーザが用いるクライアント端末2からの共同口座画面の表示用情報の取得要求に応じ、その表示用情報を出力する。
この際、表示用情報出力部303bは、連携情報取得部304bにより取得された連携情報に基づいて、取引情報取得部301により取得された取引情報のうちの、連携金融サービスに関する対象ユーザの取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する。例えば、表示用情報出力部303bは、表示用情報として、連携金融サービスに関する対象ユーザの取引情報、その取引情報を用いて算出された支出、または、その取引情報を用いて算出された残高のうちの少なくとも1つの情報を表示可能とする情報を生成する。
なお、この表示用情報は、共同口座画面そのものを示す情報であってもよいし、共同口座画面を生成可能とする情報であってもよい。
【0081】
また、連携情報取得部304bが、連携金融サービスおよび共有取引情報を示す連携情報を取得する場合には、表示用情報出力部303bは、この連携情報に基づいて、取引情報取得部301により取得された取引情報のうちの、連携金融サービスに関する対象ユーザの共有取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する。
【0082】
また、連携情報取得部304bが、連携金融サービスおよび共有カテゴリを示す連携情報を取得する場合には、表示用情報出力部303bは、この連携情報に基づいて、取引情報取得部301により取得された取引情報のうちの、連携金融サービスに関する対象ユーザの共有カテゴリの取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する。
【0083】
なお、表示用情報出力部303bは、上記の共同口座画面の表示用情報を出力する機能に加え、実施の形態1における表示用情報出力部303が有する個人口座画面の表示用情報を出力する機能を有していてもよい。
【0084】
連携情報出力部202bは、操作情報取得部201により取得された操作情報に基づいて、共同口座連携情報をサーバ3に出力する。
なお、連携情報出力部202bは、上記の共同口座連携情報を出力する機能に加え、実施の形態1における連携情報出力部202が有する個人口座連携情報を出力する機能を有していてもよい。
【0085】
表示用情報取得部203bは、操作情報取得部201により取得された操作情報に基づいて共同口座画面の表示用情報の取得要求をサーバ3に対して行い、サーバ3から表示用情報を取得する。
なお、表示用情報取得部203bは、上記の共同口座画面の表示用情報を取得する機能に加え、実施の形態1における表示用情報取得部203が有する個人口座画面の表示用情報を取得する機能を有していてもよい。
【0086】
表示制御部204bは、操作情報取得部201により取得された操作情報および表示用情報取得部203bにより取得された表示用情報に基づいて、共同口座画面を表示部24に表示する。なお、表示用情報が共同口座画面そのものを示す情報である場合には、表示制御部204bはこの情報が示す共同口座画面を表示部24に表示する。また、表示用情報が共同口座画面を生成可能とする情報である場合には、表示制御部204bは、この情報から共同口座画面を生成し、生成した共同口座画面を表示部24に表示する。
表示制御部204bにより表示される共同口座画面には、例えば、連携金融サービスに関する連携ユーザの取引情報、その取引情報を用いて算出された支出、または、その取引情報を用いて算出された残高のうちの少なくとも1つの情報が表示される。
【0087】
なお、表示制御部204bは、上記の共同口座画面を表示する機能に加え、実施の形態1における表示制御部204が有する個人口座画面を表示する機能を有していてもよい。
例えば、対象ユーザA1が用いるクライアント端末2A1の表示部24に表示される共同口座画面には、画面表示を対象ユーザA1の個人口座画面に切り替えるための選択ボタンが表示される。対象ユーザA1は、この選択ボタンを操作することによって、表示画面を個人口座画面に切り替えることができる。また、同様に、クライアント端末2A1の表示部24に表示される対象ユーザA1の個人口座画面には、画面表示を共同口座画面に切り替えるための選択ボタンが表示される。対象ユーザA1は、この選択ボタンを操作することによって、表示画面を共同口座画面に切り替えることができる。対象ユーザA2が用いるクライアント端末2A2についても、同様に、共同口座画面と対象ユーザA2の個人口座画面との切り替えが可能となっている。
【0088】
このように、実施の形態2に係るサーバ3では、共同口座に対象金融サービスを連携する操作を対象ユーザが実行すると、この対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報が、共同口座に紐づけられた他の対象ユーザにも共有される。
なお、実施の形態2に係るサーバ3では、共同口座に連携されていない対象金融サービス、すなわち個人口座に連携された対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報については、共同口座に紐づけられた他の対象ユーザには共有されない。
【0089】
また、連携情報取得部304bは、連携金融サービスに関する取引情報のうち、共有対象とする取引情報またはそのカテゴリを示す情報も取得してもよい。
そして、この場合、表示用情報出力部303bは、取引情報取得部301により取得された取引情報のうちの、連携金融サービスに関する連携ユーザの共有取引情報または共有カテゴリの取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する。
これにより、実施の形態2に係る情報処理装置では、共同口座に連携された連携金融サービスに関する全ての取引情報は共有せず、その一部の取引情報のみを共有可能とすることができ、よりきめ細やかな対応が可能となる。
【0090】
以上のように、この実施の形態2によれば、情報処理装置は、対象ユーザは、共同口座に紐づけられた複数の対象ユーザであり、共同口座に連携する対象金融サービスである連携金融サービスを示す連携情報を取得する連携情報取得部304bと、共同口座に紐づけられた対象ユーザからの要求に応じ、連携情報取得部304bにより取得された連携情報に基づいて、取引情報取得部301により取得された取引情報のうちの、連携金融サービスに関する対象ユーザの取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する表示用情報出力部303bと、を備えた。
これにより、実施の形態2に係る情報処理装置では、共同口座に対して対象ユーザが対象金融サービスを連携した場合に、その連携した対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報を、共同口座に紐づけられた他の対象ユーザも把握可能となる。
【0091】
また、この実施の形態2によれば、連携情報取得部304bは、連携金融サービス、および、共有する取引情報である共有取引情報、を示す連携情報を取得し、表示用情報出力部303bは、共同口座に紐づけられた対象ユーザからの要求に応じ、連携情報取得部304bにより取得された連携情報に基づいて、取引情報取得部301により取得された取引情報のうちの、連携金融サービスに関する対象ユーザの共有取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する。
また、この実施の形態2によれば、連携情報取得部304bは、連携金融サービス、および、共有する取引情報のカテゴリである共有カテゴリ、を示す連携情報を取得し、表示用情報出力部303bは、共同口座に紐づけられた対象ユーザからの要求に応じ、連携情報取得部304bにより取得された連携情報に基づいて、取引情報取得部301により取得された取引情報のうちの、連携金融サービスに関する対象ユーザの共有カテゴリの取引情報に関する情報を表示可能とする表示用情報を出力する。
これらにより、実施の形態2に係る情報処理装置では、共同口座に連携された連携金融サービスに関する取引情報のうちの一部の取引情報のみを共有可能となり、よりきめ細やかな対応が可能となる。
【0092】
実施の形態3.
実施の形態3では、所定のトリガに応じて対象金融サービスに関する取引情報の取得を行う場合について説明を行う。
【0093】
図12は実施の形態3に係るサーバ3の構成例である。この図12に示す実施の形態3に係るサーバ3では、図1に示す実施の形態1に係るサーバ3に対し、取引情報取得部301が取引情報取得部301cに変更されている。
実施の形態3に係る情報処理システム1、サーバ3およびクライアント端末2におけるその他の構成例については、実施の形態1に係る情報処理システム1、サーバ3およびクライアント端末2の構成例と同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
【0094】
取引情報取得部301cは、実施の形態1における取引情報取得部301が有する機能に加え、所定のトリガに応じて、対象金融サービスに関する取引情報の取得を行う機能を有する。
すなわち、取引情報取得部301cは、対象金融サービスの種別に応じた取得頻度で取引情報の取得を行う中で、所定のトリガが生じた場合には、対象金融サービスの種別に関わらず取引情報の取得を行う。
【0095】
この際、取引情報取得部301cは、上記トリガに応じて、全ての対象金融サービスに関する取引情報の取得を行ってもよいし、一部の対象金融サービスに関する取引情報の取得を行ってもよい。
例えば、取引情報取得部301cが、特定の決済サービスに対して決済取引が実行された場合に取引情報を取得するように設定されている場合、この決済サービスについては常に最新の状態に更新されるために、上記トリガに応じてこの決済サービスに対して取引情報を取得する必要はない。そのため、このような場合には、取引情報取得部301cは、上記特定の決済サービス以外の対象金融サービスについて、上記トリガに応じて取引情報の取得を行うようにしてもよい。
【0096】
例えば、取引情報取得部301cが、上記トリガに応じて、全ての対象金融サービスに関する取引情報の取得を行う場合には、当該トリガを示す情報が、記憶部33に記憶される。また、例えば、取引情報取得部301cが、上記トリガに応じて、一部の対象金融サービスに関する取引情報の取得を行う場合には、当該トリガを示す情報が、当該一部の対象金融サービスの対象金融サービスIDと紐づけて記憶部33に記憶される。
記憶部33に上述のような情報が記憶されることで、取引情報取得部301cは、トリガを特定し、かつ、トリガの発生に応じて取引情報を取得すべき対象金融サービスを特定して、上記トリガが生じた場合に取引情報の取得を行う。
【0097】
また、例えば、取引情報取得部301cが取引情報の取得を行うトリガは、対象金融サービスにおける決済取引の実行に基づくタイミングであってもよい。決済取引に基づくタイミングとしては、例えば、一日の中で最初に決済取引が実行されたタイミング、または、決済取引が所定回数実行されたタイミングが挙げられる。
【0098】
また、例えば、取引情報取得部301cが取引情報の取得を行うトリガは、対象ユーザが用いるクライアント端末アプリケーションが起動されたタイミングであってもよい。
この場合、サーバ3は、対象ユーザが用いるクライアント端末アプリケーションの起動を検出する起動検出部(不図示)を備える。そして、取引情報取得部301cは、この起動検出部により起動が検出されたタイミングで、全ての対象金融サービスに関する取引情報の取得を行う。
【0099】
なお、上記では、トリガ対象となる対象ユーザのアクションとして、対象ユーザが決済を行った場合および対象ユーザがクライアント端末アプリケーションを起動した場合を示した。
しかしながら、トリガ対象となる対象ユーザのアクションとしては、これに限らず、例えば、対象ユーザが更新ボタンを選択した場合などのように所定の操作を行ったタイミングをトリガとしてもよい。
【0100】
また、例えば、取引情報取得部301cが取引情報の取得を行うトリガは、サーバ3が、取引情報取得部301cによる取得結果または算出部302による算出結果に基づいて判定処理を行うタイミングであってもよい。
この場合、サーバ3は、取引情報取得部301cにより上記トリガに応じて取得された取引情報に基づいて、または、取引情報取得部301cにより上記トリガに応じて取得された取引情報を用いた算出部302による算出結果に基づいて、判定処理を行う判定部(不図示)を備える。すなわち、判定部は、判定処理を行うタイミングで最新の状態に更新された取引情報に基づいて、または、その取引情報を用いた算出部302による算出結果に基づいて、判定処理を行う。
【0101】
なお、例えば、上記判定部として、使い過ぎ判定部が挙げられる。使い過ぎ判定部は、算出部302による算出結果に基づいて、対象ユーザの支出が支出閾値以上である場合または対象ユーザの残高が残高閾値以下である場合に使い過ぎであると判定する。使い過ぎ判定部が判定を行う条件としては、例えば月一のタイミングが挙げられる。なお、使い過ぎ判定部が判定を行う条件は、サーバ3が自動で設定してもよいし、対象ユーザが用いるクライアント端末2による指定に応じてサーバ3が設定してもよい。
また、例えば、上記判定部として、入金要否判定部が挙げられる。入金要否判定部は、算出部302による算出結果に基づいて、対象ユーザの残高が入金閾値以下である場合に入金が必要であると判定する。
また、例えば、上記判定部として、不正利用判定部が挙げられる。不正利用判定部は、取引情報取得部301cによる取得結果に基づいて、対象ユーザの取引情報が示す取引金額が上限閾値以上である場合に不正利用の可能性ありと判定する。
【0102】
このように、実施の形態3に係るサーバ3は、対象金融サービスの種別に関わらず、対象ユーザによる所定のアクションなどのトリガに応じて、対象金融サービスに関する取引情報の更新を行うことを可能としている。
これにより、実施の形態3に係るサーバ3では、各対象金融サービスについて、少なくとも上記のトリガのタイミングでは、最新の取引情報を把握可能となる。
【0103】
なお、上記では、実施の形態1に係るサーバ3に対し、取引情報取得部301が取引情報取得部301cに変更された場合を示した。
しかしながら、これに限らず、実施の形態2に係るサーバ3に対し、取引情報取得部301が取引情報取得部301cに変更されてもよく、上記と同様の効果が得られる。
【0104】
以上のように、この実施の形態3によれば、情報処理装置は、取引情報取得部301cは、所定のトリガに応じて、対象金融サービスに関する取引情報の取得を行う。
これにより、実施の形態3に係る情報処理装置では、対象金融サービス間において、あるタイミングでは取引情報をともに取得することで、各対象金融サービスに関する取引情報を把握しやすくなる。
【0105】
また、この実施の形態3によれば、トリガは、対象金融サービスにおける決済取引の実行に基づくタイミングである。
また、この実施の形態3によれば、対象ユーザが用いるアプリケーションの起動を検出する起動検出部を備え、トリガは、起動検出部により起動が検出されたタイミングである。
また、この実施の形態3によれば、取引情報取得部301cによりトリガに応じて取得された取引情報に基づいて、または、取引情報取得部301cによりトリガに応じて取得された取引情報を用いた算出部302による算出結果に基づいて、判定処理を行う判定部を備え、トリガは、判定部に判定処理を実行させる条件を満たしたタイミングである。
また、この実施の形態3によれば、判定部は、算出部302による算出結果に基づいて、対象ユーザの支出が支出閾値以上である場合または対象ユーザの残高が残高閾値以下である場合に使い過ぎであると判定する。
これらにより、実施の形態3に係る情報処理装置は、対象金融サービス間において、適切なタイミングで各取引情報を取得することが可能となる。
【0106】
なお、各実施の形態の自由な組合わせ、或いは各実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 情報処理システム、2 クライアント端末、3 サーバ(情報処理装置)、4 店舗端末、5 外部サーバ、21 通信部、22 演算部、23 操作部、24 表示部、25 記憶部、31 通信部、32 演算部、33 記憶部、100 通信インタフェース、101 入出力インタフェース、102 プロセッサ、103 メモリ、201 操作情報取得部、202,202b 連携情報出力部、203,203b 表示用情報取得部、204,204b 表示制御部、301,301c 取引情報取得部、302 算出部、303,303b 表示用情報出力部、304,304b 連携情報取得部。
【要約】      (修正有)
【課題】アグリゲーションサービスにおいて取引情報の取得を効率的に行う情報処理装置、情報処理プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】サーバ、対象ユーザが用いるクライアント端末及び店舗端末が、ネットワークを介して接続されている情報処理システムにおいて、情報処理装置であるサーバ3は、複数の対象金融サービスに関する対象ユーザの取引情報を取得する取引情報取得部301と、取引情報取得部301により取得された取引情報に基づいて、対象ユーザの支出または残高のうちの少なくとも一方を算出する算出部302と、を備え、取引情報取得部301による取引情報の取得頻度は、対象金融サービスの種別により異なる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12