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▶ ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】コントローラ、方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A63G 21/02 20060101AFI20241114BHJP
   A63G 7/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A63G21/02
A63G7/00
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021020677
(22)【出願日】2021-02-12
(62)【分割の表示】P 2019004570の分割
【原出願日】2015-09-16
(65)【公開番号】P2021079135
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】14/498,357
(32)【優先日】2014-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ボイル パトリック デヴィン
(72)【発明者】
【氏名】オスターマン ロス アラン
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-123579(JP,A)
【文献】特開2007-75579(JP,A)
【文献】特表2011-514829(JP,A)
【文献】特開平7-275509(JP,A)
【文献】特開2002-126359(JP,A)
【文献】米国特許第6220965(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0106455(US,A1)
【文献】特開2001-137531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 21/00 - 21/22
A63G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームシステムのコントローラであって、前記コントローラは、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリと、
を備え、
前記命令は、前記プロセッサにより実行されたときに、前記コントローラに、
第1のゲーム環境の第1の設定にアクセスすることと、
前記第1のゲーム環境の前記第1の設定を有効化する命令を提供することと、
前記第1のゲーム環境の第1の場所において、前記第1のゲーム環境内の個々の車両から1以上の入力を受け取ることと、
前記1以上の入力に基づいて、前記第1のゲーム環境とは異なる2以上のゲーム環境から選択されたゲーム環境の第2の設定にアクセスすることと、
異なる競合車両によって同時に占有されるように構成された前記異なる2以上のゲーム環境の第2の場所において、前記第1の設定から前記異なる2以上のゲーム環境の前記第2の設定に移行する命令を提供することと、
前記第1の場所に集まっている前記個々の車両のうちの第1の個別の車両に、車両経路を介して前記1以上の入力に基づいて前記第1の個別の車両を前記第1の場所から前記第2の場所に移動させる命令を提供することと、
を含む動作を実行させ、
前記第1のゲーム環境の前記第1の場所と、前記第1のゲーム環境とは異なる2以上のゲーム環境の前記第2の場所とは、物理的に異なる場所に位置し、前記車両経路を介して互いに接続されている、コントローラ。
【請求項2】
前記第1の設定及び前記第2の設定は、表示情報、音声情報及び特殊効果情報を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記第1の設定は、第1のゲームキャラクタ及び第1のゲーム目標に関連付けられ、前記第2の設定は、第2のゲームキャラクタ及び第2のゲーム目標に関連付けられている、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記第1のゲーム目標は、前記第2のゲーム目標よりも高いスキル目標である、請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記第1の場所及び前記第2の場所は、部屋である、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記1以上の入力は、前記第1のゲーム環境との相互作用入力、ゲーム目標若しくはゲームスキル達成の指示、又はその両方を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記相互作用入力は、前記第1の個別の車両、前記第2の個別の車両、又はその両方に関連付けられたマーカーからの入力を含む、請求項6に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記相互作用入力は、前記第1の個別の車両、前記第2の個別の車両、又はその両方に関連付けられた選択ツールを介した前記第1のゲーム環境内の表示画像の選択を含む、請求項6に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記相互作用入力は、前記第1の個別の車両、前記第2の個別の車両、又はその両方の位置情報を含む、請求項6に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記第1の設定及び前記第2の設定は、車両効果情報を含み、前記動作は、前記第1の個別の車両、前記第2の個別の車両、又はその両方に前記車両効果情報を送信することを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項11】
ゲームシステムを制御するための方法であって、前記方法は、前記ゲームシステムのコントローラに、
第1のゲーム環境の第1の設定にアクセスすることと、
前記第1のゲーム環境の前記第1の設定を有効化する命令を提供することと、
前記第1のゲーム環境内の個々の車両から1以上の入力を受け取ることと、
前記1以上の入力に基づいて第2のゲーム環境の第2の設定にアクセスすることであって、前記第2の設定は、前記1以上の入力に基づいて有効化される1以上の相互作用要素を含み、前記相互作用要素は、所定のプレイヤと相互作用し、前記第2の設定は、前記第1のゲーム環境とは異なる2以上のゲーム環境から選択された前記第2のゲーム環境の設定である、アクセスすることと、
前記第1の設定から前記第2の設定に移行する命令を提供することであって、前記第1の設定は前記第1のゲーム環境の第1の場所に関連付けられ、前記第2の設定は前記第2のゲーム環境の第2の場所に関連付けられている、ことと、
前記第1の場所に集まっている前記個々の車両のうちの第1の個別の車両に、車両経路に沿って前記1以上の入力に基づいて前記第1の個別の車両を前記第1の場所から前記第2の場所に移動させる命令を提供することと、
を含む動作を実行させ
前記第1のゲーム環境の前記第1の場所と、前記第2のゲーム環境の前記第2の場所とは、物理的に異なる場所に位置し、前記車両経路を介して互いに接続され、
前記異なる2以上のゲーム環境は、異なる競合車両により同時に占有されるように構成されている、方法。
【請求項12】
前記第1の設定及び前記第2の設定は、表示情報、音声情報、若しくは特殊効果情報、又は、これらの組み合わせを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の場所及び前記第2の場所は、部屋である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の設定から前記第2の設定を移行することは、前記第1の個別の車両、前記第2の個別の車両、又はその両方の動きを引き起こすことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の設定は、第1のゲームキャラクタ及び第1のゲーム目標に関連付けられ、前記第2の設定は、第2のゲームキャラクタ及び第2のゲーム目標に関連付けられている、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のゲーム目標が達成されたことを示すメッセージを前記第1のゲーム環境の画面に表示することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1以上の入力は、ゲーム目標又はゲームスキル達成の指示を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記1以上の入力は、前記第1のゲーム環境との相互作用入力を含み、前記相互作用入力は、前記第1の個別の車両、前記第2の個別の車両、又はその両方に関連付けられたマーカーからの入力を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
システムであって、
第1のゲーム環境内の1以上の乗り手を収容するように構成された複数の車両と、
ゲームコントローラと、
を含み、
前記ゲームコントローラは、
前記第1のゲーム環境の第1の設定にアクセスし、
前記第1のゲーム環境の前記第1の設定を有効化する命令を提供し、
前記第1のゲーム環境の1以上のゲーム特徴に関連する1以上の入力を前記複数の車両から受け取り、
前記1以上の入力に基づいて前記第1のゲーム環境とは異なる2以上のゲーム環境から選択されたゲーム環境の第2の設定にアクセスし、
前記第1の設定から前記第2の設定に移行する命令を提供するように構成され、前記第1の設定は、前記第1のゲーム環境の第1の場所に関連付けられ、前記第2の設定は、前記第1のゲーム環境とは異なる2以上のゲーム環境の第2の場所に関連付けられ、
前記第1の場所に集まっている前記複数の車両のうちの第1の車両に、車両経路に沿って前記1以上の入力に基づいて前記第1の車両を前記第1の場所から前記第2の場所に移動させる命令を提供するように構成され、
前記第1のゲーム環境の前記第1の場所と、前記第1のゲーム環境とは異なる2以上のゲーム環境の前記第2の場所とは、物理的に異なる場所に位置し、車両経路を介して互いに接続され、
前記異なる2以上のゲーム環境は、異なる競合車両により同時に占有されるように構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、遊園地のゲーム又は乗り物に関連して使用する方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
遊園地(又はテーマパーク)は、20世紀の初頭から大幅に人気が高まってきた。いくつかの乗り物は、訪問客に対して夢中になれる体験を提供することができる。例えば、オーディオ機能、ビデオ機能及び特殊効果機能を含む様々な機能を有する部屋を通じて、一連の車両が乗り手(riders)を運ぶことができる。これらの機能は、乗り物のテーマに関連することもできる。最新の乗り物アトラクションが高度かつ複雑になり、これに対応してテーマパーク又は遊園地の常連客の間で期待が高まるとともに、より複雑な乗り物オプションと乗り物テーマに関連する機能とを有する乗り物アトラクションを含む、よりクリエイティブな改善された乗り物アトラクションが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろ開示するいくつかの実施形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本開示は、以下に示す実施形態と同様の又は異なる様々な形態を含むことができる。
【0004】
1つの実施形態によれば、システムが、1又は2以上の乗り手を収容するように構成された複数の車両を含み、各車両は、ゲームキャラクタに関連するとともに車両インターフェイス回路(vehicle interface circuitry)を有し、複数の車両の各車両は、車両インターフェイス回路を介してゲーム環境の1又は2以上のゲーム特徴(game features)に関連するそれぞれの入力を1又は2以上の乗り手から受け取るように構成される。このシステムは、車両インターフェイス回路からそれぞれの入力に関連する情報を受け取り、それぞれの入力のうちの少なくとも1つの入力に基づいて、ゲーム環境又は複数のゲーム車両のうちの1又は2以上のゲーム車両の経路を修正する命令を与えるように構成されたゲームコントローラも含み、それぞれの入力は、ゲームキャラクタに関連するゲーム特徴に関連し、ゲーム環境の修正は、ゲーム内の仮想オブジェクト又は物理オブジェクトを修正することを含む。
【0005】
別の実施形態では、方法が、ゲーム環境内の複数の車両から1又は2以上の入力を受け取るステップと、1又は2以上の入力に基づいて、各個々の車両にスコア又はゲーム物語(game narratives)を割り当てるステップと、それぞれの個々の車両のスコア又はゲーム物語に基づいて、複数の車両の各個々の車両にゲーム環境内の車両経路を割り当てるステップと、対応する個々の車両にそれぞれの車両経路に関する情報を送信するステップとを含む。
【0006】
別の実施形態では、コントローラがメモリを含む。メモリは、実行時に、ゲーム環境の第1の設定にアクセスし、ゲーム環境の第1の設定を有効化する(activate)命令を与え、ゲーム環境内の個々の車両から1又は2以上の入力を受け取り、1又は2以上の入力に基づいてゲーム環境の第2の設定にアクセスし、ゲーム環境の第2の設定を有効化する命令を与えるように構成された命令を記憶し、第1の設定は、ゲーム環境内の第1の場所に関連し、第2の設定は、ゲーム環境内の第2の場所に関連し、プロセッサが、この命令を実行するように構成される。
【0007】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本技術による双方向型車両乗り物のブロック図である。
図2】本技術によるゲーム環境における車両の斜視図である。
図3】本技術によるゲーム環境におけるマルチプレーヤ車両のブロック図である。
図4】本技術による双方向型車両乗り物システムのブロック図である。
図5】本技術による、ゲームプレイに基づく車両経路決定方法のフロー図である。
図6】本技術によるマルチ経路ゲームのブロック図である。
図7】本技術によるマルチ経路ゲームの概略図である。
図8】本技術による、ゲーム環境における異なるゲーム設定間の移行を示す図である。
図9】本技術による、プレーヤのスキルレベルに基づくゲームスコア決定方法のフロー図である。
図10】本技術による、異なるプレーヤに割り当てられるゲーム機能の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、車両内の乗り手が体験できる音響効果、視覚効果及び物理効果を提供する乗り物の特徴と、プレーヤと様々なゲーム効果との相互作用及びこの相互作用に基づく動的体験を含むゲームの特徴とを兼ね備えた双方向型ゲーム乗り物(interactive game ride)に関する。この双方向型ゲーム乗り物は、各乗り手に静的体験を提供する受動的乗り物とは対照的なものであり、例えば、受動的乗り物は、乗り物に乗るたびに変化するルート又は結果を含まず、及び/又は乗り手が乗り物の物理的特徴と動的に相互作用したり、又はこのような物理的特徴を制御したりすることができない。本技術は、乗り物に乗る度に各車両及び/又はゲームプレーヤにとって潜在的に異なる体験を促す。さらに、ゲームプレーヤは、自身の物理的環境の結果を能動的に制御することができる。さらに、この双方向型ゲーム乗り物は、プレーヤの制御による仮想的効果の作用を物理的な結果に結びつける。例えば、投影された仮想的なプレーヤの化身が(実際の又は投影された)レバーの上に飛び乗ると、このレバーが作動して物理的な跳ね橋を開くことができる。別の例では、ファンなどの効果を物理的に作動させると、進路から瓦礫が吹き飛ばされて、隠れた経路が現れるようにすることもできる。この例では、瓦礫が、物理的効果と協調してディスプレイ上で変化する投影された又は仮想的な瓦礫を含むことができる。このように、双方向型ゲーム乗り物は、複数回の遊園地来園にわたって継続的に楽しみを与える。
【0010】
双方向型ゲーム乗り物は、ゲームプレーヤが行う選択に応じて変化する又は独自の内容を含む物語の進行を可能にすることができる。例えば、このような選択は、役割を演じる又は追随する特定のゲームキャラクタの選択、ゲーム内の目的の選択、特定の引き金となるフレーズの発話などを含むことができる。双方向型ゲーム乗り物は、プレーヤが自分の好きなゲームを大規模な設定で体験できるようにする没入的なビデオゲーム型体験を提供することもできる。双方向型ゲーム乗り物は、様々なレベル又は能力のゲームプレーヤに対応することができ、(マルチプレーヤを含む)ゲームプレーヤの相互作用が、乗り物経路及びストーリーに対して個人的に(すなわち、個人プレーヤの場合)及び集団的に(すなわち、マルチプレーヤプレイの結果が、車両の経路又はゲーム内のプレーヤ全員にとってのストーリー性に影響を与えることができる)影響を及ぼすことができる。さらに、双方向型ゲーム乗り物は、ファーストパーソンシューティングゲーム、レーシングゲーム、スポーツゲーム、ロジックゲーム、謎解きゲーム、パズル、埋め込み物語などを含む様々なゲームタイプのプラットフォームとして機能することもできる。ゲーム乗り物は、ゲーム体験を向上させるために、個々の車両内のプレーヤ又は各車両内の個々のプレーヤ(例えば、車両の乗り手)が特定のゲームキャラクタになりきってそのキャラクタとしてゲームを体験できるようにし、すなわちロールプレイングを可能にすることもできる。例えば、双方向型ゲーム乗り物は、プレーヤがキャラクタメニューからキャラクタを選択できるようにし、又はプレーヤへのキャラクタ割り当てを容易にすることができる。この時、キャラクタは、特定のスキルレベル又は特定のゲーム目標に関連することができる。いくつかの実施形態では、ゲーム乗り物が、各プレーヤにスキルレベルを課し又は割り当て、これに応じて順応することができる。
【0011】
1つの実施形態では、ゲームシステム自体が主役又はメインキャラクタの役割を担い、ゲームプレーヤがサポートキャラクタ(すなわち、メインキャラクタ以外のキャラクタ)を選択することができる。例えば、あるゲームでは、ゲームの物語に応じて、メインキャラクタの目標を促進/支援し、又は邪魔することを目的にゲームを行うサポートキャラクタを選択することができる。さらに、ゲームプレーヤの個人的及び/又は集団的プレイは、メインキャラクタがとる経路及び選択を含め、ゲームシステムがメインキャラクタに提示するストーリーの内容に影響を与える。このように、個々の乗り手プレーヤは、自身の個々のサポートキャラクタを制御することができる一方で、自分たちの車両を導き、又は別様に物語を方向付けているように見えるメインキャラクタも、集団的車両グループとして共に制御することができる。他の実施形態では、ゲームプレーヤが1又は2以上のメインキャラクタの役割を担い、そのメインキャラクタとしてゲーム乗り物を体験することができる。さらなる実施形態では、他のプレーヤがゲーム内のサポートキャラクタの役割を担うことができる。キャラクタは、ゲーム環境内で投影される又はビデオ画面上に表示される特定のキャラクタアバターの形をとることもできる。
【0012】
双方向型ゲーム乗り物は、ゲームプレーヤの興味に応じて変化する動的物語の利点をもたらすこともできる。例えば、小さな子供を含む家族が乗り物に参加している場合、ゲームは、適切なゲーム環境を選択できるようにプレーヤの年齢に関する入力を受け取ることができる。これとは別に、又はこれに加えて、プレーヤとゲームとの相互作用がゲームに影響を与えてフィードバックを提供することもできる。1つの例では、ゲームが一連のパズル部屋である場合、プレーヤが各シーン又はパズル内でとる行動が環境を変化させ、異なる経路を有効にし、又は異なる物理的効果を生じることができる。
【0013】
プレーヤは、ゲーム内を進むにつれて、いくつかの実施形態ではゲーム車両の一部として提供できる、又はポータブル無線装置として提供できる1又は2以上のゲーム入力装置を介してゲームと相互作用することができる。このような装置は、ジョイスティック、ハンドル、ワンド、マーカー(例えば、武器として構成されたコントローラ)などの身近なゲーム用付属品とすることができる。ゲーム用ジョイスティックの例では、プレーヤがゲーム内に存在する時に、ジョイスティックによってゲーム環境のビデオ面(例えば、壁、天井又は床)上のアバターを制御することができ、ゲームは、プレーヤ独自のアバター制御に基づいて、プレーヤが何を選択又は標的化したか、或いはプレーヤがビデオ面上のどこに移動したかを反映するようにゲーム体験を動的に調整することができる。例えば、この選択は、撃たれた標的又は開かれたドアを示すことができる。また、ゲーム入力装置を用いて、ゲーム内の物理オブジェクトの一部であるビデオ、投影、表示又は表面(例えば、相互作用オブジェクト、障壁)と相互作用し、ゲームコントローラを、入力装置、表面上のセンサ、及び/又はゲームシステム内のカメラなどの外部センサからの入力から相互作用の性質を判別するように構成することもできる。別の実施形態では、ゲームに伴うプレーヤの動き又は行動を様々なセンサによって検知して、ゲームへの入力として使用することができる。例えば、プレーヤが特定のフレーズを口にした場合、環境内のセンサが、検知された音声をコントローラへの入力として提供して特定のゲームアクションを引き起こすことができ、この場合、ゲームプレーヤが「はい」と述べた場合には、「いいえ」と述べた場合とは異なるゲーム結果がもたらされる。したがって、ゲームは、ゲームプレーヤと、ゲーム内のアニマトロニクスキャラクタ又は役者のいずれかであるゲームキャラクタとの相互作用を含むこともできる。このような相互作用がゲームに動的入力を提供して、この相互作用の結果に応じて環境内に変化を引き起こすこともできる。
【0014】
例えばプログラマブルロジックコントローラ(PLC)などの1又は2以上の自動化コントローラを含むことができるゲームコントローラが、システムのいくつかのコンポーネントに動作可能に接続され、これらのコンポーネントと通信し、及び/又はこれらのコンポーネントの動作を制御する。例えば、ゲームコントローラは、1又は2以上のゲーム面上の画像又はビデオの表示を制御し、いくつかの実施形態では、ゲーム車両内のいくつかの表示状態を制御する命令を与えることもできる。また、ゲームコントローラは、ゲーム入力装置、ゲーム車両、ゲーム環境特徴(game environment features)、センサなどを含む様々なゲームコンポーネントから、ゲームプレイのいくつかの態様を制御する入力を受け取るようにも構成される。また、特定の実施形態では、ゲームコントローラを、ゲーム内のあらゆる車両について個々の車両の動きを制御するように構成することもできる。例えば、双方向型ゲーム乗り物システムには、無人搬送車を実装することができる。このような実施形態では、車両経路がゲームコントローラを介して決定され、ゲームプレーヤが車両を運転又は操縦することはない。しかしながら、ゲームプレーヤとゲームとの相互作用は、車両経路に影響を及ぼすだけでなく、車両効果(例えば、ノイズ効果、車両の振動又は傾斜など)も引き起こすことができるゲームコントローラへの入力として提供することもできる。さらに、本開示によれば、ゲームオペレータの制御下で、又は車両の乗り手のスキル又は能力に基づいて、ゲームコントローラがゲーム構成を更新又は変更することもできる。
【0015】
開示する双方向型ビデオゲーム乗り物は、ショー、乗り物及びプロモーションなどを含む遊園地アトラクションで実装することができる。この双方向型ビデオゲーム乗り物を、従来のビデオゲームなどの特定のテーマに関連して使用することにより、来園客が遊園地を訪れようという気になり、遊園地が提供するテーマ体験をさらに楽しむことができる。さらに、双方向型ビデオゲーム乗り物は、構成可能かつ動的なものであるため、1つのゲーム環境を、多くの異なるテーマ又は物語を有するゲームをホストするように構成することもできる。
【0016】
これらを踏まえて、図1に、本開示による双方向型ゲーム乗り物システム10の実施形態を示す。双方向型ゲーム乗り物システム10は、1又は2以上のゲーム車両16のためのゲーム環境14を含むことができる。図示の実施形態では、ゲーム環境14内に複数の車両16が配置され、ゲーム環境14内を移動するように構成される。一般に、ゲーム環境14とは、アリーナ12又は建物内のゲームをプレイする場所のことである。いくつかの実施形態では、ゲーム環境14が、通路又はドアを介して相互接続された異なる場所(例えば、環境14a~14f)を含むことができる。他の実施形態では、環境14a~fを、さらに大きなアリーナ12の別個の区画とすることができる。ゲームシステム10は、ゲームプレイに応じて、環境14a~fの全部又はほんの一部における1又は2以上の車両16の移動を可能に又は容易にすることができる。さらに、各車両16は、他の車両16と共に又は単独で異なるゲーム環境14a~fを訪れるようにアリーナ12内を移動することができる。
【0017】
例えば、ゲ―ムプレイの一例では、第1の車両16が、環境14a、14c及び14eを移動することができ、第2の車両16が、環境14c、14b、14d、14f及び14eを移動することができる。ゲーム環境14は、複数の車両16が同時にプレイするように構成することも、或いは1台又は2、3台の車両16のみを保持するように構成することもできる。したがって、動作中のゲームは、車両16がアリーナ12内の特定の場所に集結して共にプレイした後に散らばって個別のゲーム目標を達成することを特徴とすることができる。このように、システム10は、ゲームプレイを妨げる障害になっていたはずの関心の高いゲーム環境14の有効動作時間を最大化にするように構成することもでき、アリーナ内における車両16の分布は、特定のゲーム環境14における所望の車両16の台数、環境14における所望の車両時間の長さ、環境14のゲーム目標、いずれかの物理的効果の回復時間などを入力として使用する1又は2以上のルールに基づくアルゴリズムを通じて部分的に決定することができる。特定のゲームにどの車両経路が割り当てられたとしても、例えば選択されたゲームキャラクタのアバターなどを介したゲームプレーヤの相互作用を組み込んだ線形的なストーリー又は物語が提示される。システム10は、特定の入力を受け取ったことに基づいて作動する異なる物語又は結果を記憶することができる。いくつかの実施形態では、ゲームシステム10が、変化する車両経路、物理オブジェクト、物理的効果、キャラクタ相互作用などを含むことができる100を上回る又は1000を上回る実施可能な異なる物語を有することができる。各車両(又は車両グループ)は、1回のゲーム中に特定の線形物語を体験する。しかしながら、この物語は動的であり、ゲームプレーヤからの入力に応答する。したがって、ゲームの開始時にはゲームの物語が設定されておらず、ゲームプレーヤは、ゲームがどのように展開されるかを予測することができない。
【0018】
いくつかの実施形態では、システム10が、ゲームプレイ及び車両16内のプレーヤから受け取った入力に基づいて、分岐する車両経路を決定することもできる。車両16は、プレーヤ運転型又はプレーヤ制御型とすることも、或いはゲームコントローラを介して制御される無人搬送車として提供することもできる。搬送車を用いた実施形態では、車両経路がゲームコントローラによって決定され、プレーヤは、車両16の動きを制御することなくアリーナ12内及び様々なゲーム環境14を通じて移動する。車両16は、表示機能を含むこともでき、車両経路に関する情報を地図表示の一部として提供することにより、プレーヤによる車両16の運転を容易にすることもできる。このような表示は、様々なゲームの特徴を含むことができ、ゲーム物語の一部とすることができる。すなわち、車両16は、ゲームプレイのためにコントローラが選択したゲーム環境14の描写を含む地図を表示することができる。
【0019】
個々のゲーム環境14は、ゲーム体験を向上させる双方向型の1又は2以上の特徴を含むことができる。プレーヤとこれらの特徴との相互作用は、ゲームの方向を動的に変化させる。例えば、1つの実施形態では、いくつかの車両16が、ゲーム内の他の車両及び/又は他のゲーム体験時と比べて全く異なる経路、並びにゲーム物語及びゲーム課題を体験することができる。このように、ゲームでの各体験は、プレーヤ又はプレーヤグループに合わせられる。図2は、投射型ディスプレイ又はビデオディスプレイ30によって提供される特徴などの仮想ゲーム特徴を含むゲーム環境14の斜視図である。ビデオディスプレイは、ゲームプレーヤ(例えば、プレーヤ46)が選択できる様々な選択可能な仮想表示特徴32を含むことができる。いくつかの実施形態では、このディスプレイを、所望のゲーム環境14に応じて、壁、天井及び/又は床36の一部とすることができる。環境14は、例えば環境に従って映像を反射できる、動的物理障壁、視覚的関心物を形成する、或いはゲーム目標の達成時に有効化できる表面特徴などの物理的相互作用オブジェクト38を含むこともできる。例えば、一定のゲーム目標が達成された場合、機械的制御下で床から金の壺が出現することができる。或いは、ゲームプレイに基づいて障壁を課し、又は上昇させることもできる。このような物理オブジェクト38は、アニマトロニックフィギュアを含むこともできる。1つの実施形態では、アニマトロニックフィギュアが、ゲームプレーヤ46のゲームプレイに応じてゲームプレーヤ46に異なる音声メッセージを伝えることができる。このように、アニマトロニックフィギュアは、高スキルプレーヤ46に報酬を与えたり、遅れているプレーヤ46に手掛かりを与えてゲーム内の他のプレーヤに追いつくのを助けたりすることができる。アニマトロニックフィギュア又は他の物理オブジェクト38は、ゲームコントローラを介して制御され、車両16が特定の動きのアクションを作動させる距離範囲内に存在することを示す指示を与えるように構成することができる。
【0020】
ゲーム環境14は、例えば煙効果又は水効果などのいくつかの特殊効果を有効にするように構成することもできる。他の物理的な効果としては、雪、炎、風、氷、温度効果、匂いなどを挙げることができる。特殊効果40は、ビデオディスプレイ30によって増強することができる。例えば、水壁効果は、プレーヤ46をびしょ濡れにしてしまうことなくプレーヤが滝の中を通過している印象を受けるようにビデオディスプレイによって支持された若干の物理的な水を含むことができる。ゲーム環境14は、1又は2以上のスピーカ42を介して伝えられる様々な音響効果を含むこともできる。プレーヤとゲーム環境14との相互作用を制御するオペレータインターフェイス44は、例えば、ハンドル、ブレーキ及びアクセル、ジョイスティック、ディスプレイ画面、1又は2以上のボタン、銃などの1又は2以上のプレーヤ入力装置を含むことができる。ビデオディスプレイ30上の選択ボックス50は、ジョイスティック又はその他の入力装置を介したプレーヤ選択を示す。例えば、ドアを選択すると、ゲームコントローラが小屋の内部に似た隣接するゲーム環境14を作動させ、車両16を適切な環境14内に自動的に誘導することができる。ドアを選択せずに環境14を通過すると、ゲーム環境が外部設定のまま維持される。
【0021】
いくつかの実施形態では、単一の車両16内に複数のプレーヤ46が存在する場合、車両16が、図3に示すように複数のインターフェイス44を含むことができる。各インターフェイス44は、ゲームへの異なる入力を可能にする。1つの実施形態では、プレーヤ46a~46dが、異なるゲームキャラクタに関連する。したがって、各プレーヤ46は、異なるゲーム目標及び/又は異なるオペレータインターフェイス44a~44dを有することができる。例えば、魔法使いをテーマにしたゲームでは、各オペレータインターフェイス44が、各キャラクタに関連する異なる杖を表すことができる。これらの杖はプレーヤの独自の杖とすることができ、このような実施形態では、ゲーム開始前にゲームシステム10が杖にリンクしてゲームプレイを構成し、個々の杖がゲーム環境14と相互作用する許可を与えることができる。無許可の杖は、ゲームシステム10内の特徴と相互作用する効果又は能力を有さない。
【0022】
さらに、プレーヤ46a~46dは、ゲーム構成のタイプに応じて、対抗チームで競い合ったり、又は共通の目標を達成するために協力し合ったりすることもできる。チームによるプレイでは、車両16に個別に及び累積的にスコアを付けることができる。様々なオペレータインターフェイス入力を合計車両スコアのためにプールし、或いは最高プレーヤ能力又は最低プレーヤ能力に裁定して、車両経路及び/又はゲームプレイを決定し、又は展開されるストーリーに影響を与えることができる。例えば、ゲームプレイに応じて、さらなる手掛かり、物語の展開点、又はアバターの相互作用を公開することができる。1つの実施形態では、優れたゲームプレイに対し、映画公開情報などのゲームテーマに関連する情報を公開したり、或いはゲームテーマ内の特定キャラクタの紹介を公開したりすることができる。別の実施形態では、何らかのゲームプレイに対し、初心者プレーヤを熟練プレーヤに追いつかせる手掛かり又はヒントを公開することができる。
【0023】
図4に示すように、システム10は、(単複の)車両16及びゲーム環境14に通信可能に結合されたゲームコントローラ48を含む。システム10のブロック図である図4に示すように、本明細書に開示する技術は、車両16、ゲーム環境14及びゲームコントローラ48を含むシステム10の1又は2以上のコンポーネントに関連して使用することができる。車両16は、個々の車両16の動きをもたらすために、モータ62及びブレーキ64を含む。車両16の動きは、車両16の走行(例えば、加速、減速)、旋回及び停止を含むことができる。モータ62は、以下に限定されるわけではないが、バッテリ、ソーラーパネル、発電機、ガスエンジン又はこれらの組み合わせを含むいずれかの好適な動力源(power source)58によって駆動することができる。モータ62及びブレーキ64の動作は、車両コントローラ50によって制御することができる。例えば、車両コントローラ50は、モータ62の出力を調整するようにモータ62を制御して、車両16を加速又は減速させることができる。車両コントローラ50は、ブレーキ64を制御して車両16を減速又は停止させることもできる。さらに、車両コントローラ50は、オペレータインターフェイス44を介したプレーヤからの命令に従って動作する(例えば、オペレータによるハンドル又はジョイスティックの制御に基づいて車両を操縦する)ことも、及び/又はゲームコントローラ48からの命令に従って動作することもできる。
【0024】
車両16は、ゲーム環境14における車両16の位置をモニタする位置フィードバックシステム54を含むことができる。1つの実施形態では、位置フィードバックシステム54が、ゲーム環境14内の1又は2以上のセンサ又はタグと相互作用する。このような実施形態では、車両位置フィードバックシステム54が、センサ又はタグを検知して車両16の位置情報を提供できる読取装置を含む。読取装置は、車両コントローラ50に位置情報を提供し、車両コントローラ50は、この情報をさらにゲームコントローラ48に提供する。車両16は、ゲームコントローラ48との通信を容易にするとともに、ゲーム固有入力(例えば、ゲーム環境の相互作用)に関するオペレータインターフェイス44からの情報の送信、並びに自律的車両誘導及び制御された車両経路に関する情報の受信を容易にする通信モジュール56を含むことができる。このように、ゲームコントローラ48は、システム10における車両16の動きを制御することができる。車両16は、ゲームコントローラ48からのフィードバックに基づいて、ディスプレイ画面に接続されたディスプレイモジュール60を介してゲーム情報を表示することもできる。ゲーム情報は、車両スコア、チームスコア、及びゲーム環境14の表現(例えば、現在のゲーム構成及びゲーム環境における車両位置、並びにいずれかの利用可能な双方向型表示要素32を含む動的2Dグラフィック表示)を含むことができる。
【0025】
ゲームコントローラ48及び車両コントローラ50は、プレーヤ46と車両16及びゲーム環境14との相互作用を可能にする様々なコンポーネントを含むことができる。さらに、ゲーム環境は、ビデオディスプレイ30のディスプレイ回路70、車両16及び/又はオペレータインターフェイス44の入力装置を追跡するためのタグ又はセンサ72、サウンドモジュール74、及び1又は2以上の物理的効果(例えば、特殊効果40及び/又は物理オブジェクト36、図2を参照)を制御する物理的効果モジュール76を含む、双方向型の動的ゲーム要素を促す別個の制御回路を含むことができる。或いは、ゲーム環境14内の1又は2以上の開示する特徴を車両16に実装することもでき、例えば、スピーカは、車両16の一部であるが、ゲームコントローラ48及び/又は車両コントローラ50を介して制御することもできる。
【0026】
いくつかの要素をゲームコントローラ48の文脈で説明しているが、車両コントローラ50及びゲームコントローラ48は同様のコンポーネントを含むことができると理解されたい。例えば、車両コントローラ16は、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサ80を使用するいずれかの装置とすることができる。車両コントローラ50は、本明細書で説明する方法を実行して車両16の動作を制御するためにプロセッサ80が実行可能な命令を記憶するメモリデバイス82を含むこともできる。プロセッサ80は、1又は2以上の処理装置を含むことができ、メモリ82は、1又は2以上の有形の非一時的機械可読媒体を含むことができる。一例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD-ROM又はその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶装置、或いは機械実行可能命令又はデータ構造の形の所望のプログラムコードを搬送又は記憶するために使用することができ、プロセッサ80、或いはいずれかの汎用又は専用コンピュータ、又はプロセッサを含む他の機械がアクセスすることができる他のいずれかの媒体を含むことができる。また、ゲームコントローラ48は、有線又は無線通信経路を介してゲーム環境14及び車両16と通信するように構成することができる。ゲームコントローラ48は、ディスプレイ84と、完全に又は部分的に自動化された入力/出力インターフェイス86とを含む分散制御システム(DCS)又はいずれかのコンピュータベースのワークステーションを含むことができる。
【0027】
1つの実施形態では、ゲームコントローラ48と、ゲーム環境14と、車両コントローラ50との間で、少なくとも部分的に無線ネットワークを介してデータが転送される。車両コントローラ50は、車両の状態を示すデータをゲームコントローラ48に転送することができる。このようなデータは、個々の車両16のための車両識別子、及び関連する位置、速度、衝撃ゾーン、進行方向、モータ出力、負荷状態などを含むことができる。ゲームコントローラ48は、車両コントローラ50から受け取ったデータに基づいて、車両16の動きを制御する命令を車両コントローラ50に送信することができる。本開示によれば、ゲームコントローラ48は、複数の乗り物車両16の各々を独立して制御することができる。
【0028】
システム10は、ゲーム環境14上又はゲーム環境14内のタグ72又はセンサ72と相互作用する位置追跡システム54、又は他の好適な車両位置特定技術を通じて、車両位置及びゲームプレーヤの相互作用を特定することができる。例えば、システム10は、車両16の位置を追跡してゲームコントローラ48にデータを提供するカメラなどの外部センサ90を含むことができる。また、車両16は、ゲームコントローラ48に信号を供給する、位置情報を求めるために使用できるRFID送信機などの送信機を含むこともできる。さらに、開示する実施形態を車両16の文脈で説明したが、他の実施形態では、ゲームプレーヤ46がゲーム環境14と直接相互作用することもできる。このような実施形態では、ゲームプレーヤが、位置表示装置を組み込むことができる時計又はその他のオブジェクトを着用することができる。或いは、外部センサ90を通じてプレーヤの位置を特定することもできる。
【0029】
動作時には、ゲームシステム(例えば、図4のゲーム乗り物システム10)がゲームを開始し、車両16がゲーム環境14内を進む。これらの車両の大型ゲームアリーナ12内での移動、及び個々の環境14を通じた移動は、ゲームプレイに基づいて動的に決定することができる。このことは、全ての乗り物参加者がアトラクション内の固定経路内を移動する受動的乗り物とは対照的である。本明細書に示すように、双方向型ゲーム乗り物は、ゲーム乗り物内の異なる経路及び/又はゲームプレイに基づく異なるゲーム体験を可能にして容易にする。したがって、開始時にはゲームの進行が固定されておらず、プレーヤ自身及びプレーヤとゲームの特徴との相互作用に応じて決まる。
【0030】
双方向型ゲーム乗り物システムの図5は、ゲームプレイ中の1又は2以上の車両16の車両経路に基づいて車両16に車両経路を割り当てる方法100のフロー図である。方法100は、本明細書に示すようなゲームコントローラ48が制御論理回路又はプログラミングを用いて(例えば、コントローラ100を介して)完全に又は部分的に実行することができる。ブロック102において、コントローラ48が、双方向型ゲーム入力情報を含む1又は2以上の信号又は入力を車両16から受け取る。この情報は、オペレータインターフェイス44及び/又はディスプレイ画面30からの情報とすることができる。例えば、この情報は、ジョイスティックの位置及び/又は角度、ボタンの作動、引き金を引くことなどとすることができる。この情報は、位置フィードバックシステム54を介した車両位置情報を含むこともできる。1つの実施形態では、コントローラ48が、特定のゲーム環境位置から引き金が引かれた旨の情報を受け取ることができる。さらに、コントローラ48は、光信号(銃身内の光源が標的上に光を放ち、標的内の光センサが、光検出がゲーム標的への命中に一致する旨の情報を提供することができる)又はその他の信号に基づいて、標的に命中したかどうかを判定することもできる。オペレータインターフェイスを介してプレーヤの動作を受け取って、この動作に関するデータを記憶し、及び/又はブロック104におけるスコア決定などのさらなる処理のためにコントローラ48に送信することができる。いくつかの実施形態では、スコア入力が、杖の動きなどのプレーヤの動きを取り込んで動き特性をスコア決定アルゴリズムに入力として提供する外部センサ90からの入力を含むことができる。杖の動きが、ゲ―ムにとって効果的な呪文である特定の呪文に関連する場合、プレーヤのスコアを更新して、「凍結呪文」又は他の呪文の発動に成功したことを示すことができる。さらなるスコア入力は、ゲーム環境14内のビデオディスプレイ及びセンサからの情報を含むこともできる。例えば、ビデオディスプレイ30内の特定のオブジェクトの選択をゲームコントローラ48によって受け取り、スコア入力として提供することができる。ステップ106において、方法100は、車両スコアに基づいてゲーム内の車両経路を割り当てるとともに、ステップ108において、プレーヤの動作及びスコア又は同様の動作得点を反映するように既存のゲーム環境を修正又は更新することができる。例えば、プレーヤ46がドアを選択した場合、コントローラ48を介して、閉じたドアではなく開いたドアを表示するようにゲーム環境14を更新することができる。経路が割り当てられると、コントローラ48は、車両16に(例えば、車両コントローラ50に)経路情報を通信する。方法100は、車両16がゲームプレイ中にゲーム環境14を進むにつれ、ステップ102に戻って新たな位置情報を処理することにより、ゲームの進行と特定の車両16及び/又は乗り手46のスコアとを追跡する。
【0031】
図6は、図5の方法100を通じて実践できる車両経路割り当ての例である。例えば、ゲーム内の車両16a及び16bは、いずれも同じ環境14でスタートする。この時、これらの車両は、(例えば、オペレータインターフェイス44を介して)ゲーム環境14と相互作用し、この相互作用に関する情報をゲームコントローラ48が受け取る。ゲームコントローラ48は、この情報及び追加情報(例えば、選択されたキャラクタ、選択されたプレイ難易度)に基づいて車両16に経路情報を提供する。無人搬送車の場合、車両コントローラは、ゲーム内における車両16の速度及び方向、車両の回転速度及び回転度合い、車両の出発、停止、後退などを含め、車両経路を自動的に制御する。1つの実施形態では、車両16aがキャラクタAに関連し、車両16bがキャラクタBに関連することができる。車両16aは、制御内の選択を操作し、ディスプレイ画面上に示された経路内の分岐点をクリックすることによって経路を選択することができる。車両16aは、この選択に基づいて環境14aに進む。同様に、車両16bも異なる経路を選択することができ、この場合は環境14bを進む。車両16a及び16bは、ゲームに応じて、ゲームから抜け出る前に別のゲーム環境14に集まることもできる。いくつかの実施形態では、異なる車両16内のプレーヤが、所望の又は勝利をもたらす経路上を進むために互いに競い合う。他の実施形態では、マルチプレーヤ車両内のプレーヤが複数のキャラクタに追従し、各プレーヤは、プレーヤ自身のキャラクタに入力/制御を与えることに集中する。
【0032】
図7は、図5の方法100を通じて実践できる、環境14内における車両経路割り当ての別の例である。例えば、環境14は、複数の入口120(例えば、入口120a及び120b)及び出口122(例えば、出口122a~d)を含むことができる。ゲーム内への車両の入場は、所定の要因に基づいて特定の入口120に割り当てることができる。1つの実施形態では、リピートプレーヤを来場毎に新たな入口120に割り当てることができる。別の実施形態では、リピートプレーヤが、ゲームスキル又は成果によって新たな入口へのアクセスを「ロック解除」することができる。他の入口割り当て要因としては、評価スキルレベル、年齢、又はキャラクタ割り当て(例えば、予め設定した入口に特定のゲームキャラクタを割り当て、他のキャラクタは、自ら指定した入口を使用することができる)、又は累積「スコア」、或いは同じ車両内の全てのプレーヤの実績レベルを挙げることができる。例えば、1つの実施形態では、特定のスキルレベルを達成したリピートゲームプレーヤが多くのゲームプレイにわたって累積スコア閾値に達すると、オプションとして特定の隠れキャラクタ又は特別なキャラクタを利用できるようにすることができる。環境14は、特定のキャラクタに関連する車両のみが入場できる特定のキャラクタ訓練室を含むことができる。例えば、キャラクタ訓練室は、割り当てられたキャラクタ入口120内にのみ存在することができる。
【0033】
環境内に入ると、プレーヤ車両が環境14内を前進するにつれて、例えばプレーヤが部屋に入ってゲーム環境14と相互作用するにつれてゲームが進行することができる。ゲーム内のいくつかの場所は、経路分岐点を引き起こすことができる。例えば、経路126上の車両は、経路分岐点128に到達することができ、ここでプレーヤが経路130に沿って出口122bに進んで退場するか、それとも経路132に沿って出口122dに進んで退場するかをゲームプレイによって決定することができる。例えば、ゲーム目標が達成されている場合には、経路130に沿ってより高いレベルの場所に進むように車両に指示することができる。或いは、ゲーム目標が達成されていない場合、車両は、より低いレベルの経路132に沿って進むことができる。したがって、これらの経路は、異なるスキルレベルに関連する環境を通過する経路を表すことができる。これらの経路は、プレーヤの興味に応じて異なるオプションを提示することもできる。例えば、車両内の(単複の)プレーヤは、ダンジョンを通る経路とキッチンを通る経路のどちらに興味があるかを選択することができ、スキルレベルに関わらずいずれの経路を選択することもできる。図示の構成では、他の経路が他のゲーム場所に進むことができる。経路134は、経路分岐点136に進むことができ、ここで経路分岐点128又は経路分岐点137のいずれかに向かって分岐することができ、経路分岐点137では経路138及び経路139にさらに分岐することができる。これらの経路は、他の特徴を示すこともできる。例えば、城のゲームでは、様々な経路が玉座の間又は寝室のゲーム環境内を進むことができる。なお、図示の経路は一例であり、所望のゲーム目標に基づいて他の環境構成を選択することもできると理解されたい。いくつかの経路を他の経路よりも長く複雑にすることもでき、より長いゲーム実行時間に関連付けることもできる。さらに、ゲームプレイに応じて、異なる車両が同時に様々な入口に進入し、車両がゲーム内で合流し、その後に離れるようにゲームをプレイすることもできる。他の例では、他の車両が同じゲームをプレイしながらも、これらの経路が決して合流しないことによって決して互いに出くわさないようにすることもできる。
【0034】
異なるゲーム環境14を通じたゲーム内の車両の進行を制御することに加え、1つの環境内の表示画像を変更することによってシステム10を再構成することもできる。図8は、第1の設定から第2の設定に移行するゲーム環境14の例である。いくつかの実施形態では、車両16からの情報又は車両16に関連する情報が、特定のゲーム目標が達成された(ブロック140)ことを示し、第2の設定への更新を引き起こす(ブロック144)。このように、ゲームシステム10は、ゲームプレイに応じて基本的にリアルタイムでゲームを変更することができる。1つの実施形態では、このような移行が、異なるレベルを通過したことを示すメッセージを提供する画面を含むことができる。
【0035】
本明細書に示すように、ゲームシステム10は、スコア及び/又は環境更新を決定する際にプレーヤスキル情報を組み込むことができる。図9に、ゲーム内でプレーヤスキルを考慮する方法160を示す。例えば、マルチ車両チームゲームでは、各車両16(車両16a~16c)が、高いスキル(ブロック162)、中間のスキル(ブロック164)及び低いスキル(ブロック166)を含む異なるスキルレベルに関連するプレーヤ46を有することができる。スキルレベルは、プレーヤの自己評価又は以前のゲームプレイ情報から決定することができ、例えば、ゲームプレーヤがリピート訪問客の場合には、以前のパーク来場時のゲームスコアを訪問客カード又はパスに記憶しておくことができる。いくつかの実施形態では、テスト環境又は初期ゲーム環境14においてスキルレベルを決定することができる。したがって、ゲームシステム10は、異なるスキルレベルのプレーヤに動的に適合する。初心者プレーヤでは、低いスキルレベルが、このようなプレーヤがゲーム環境14との相互作用を含まない乗り物としてゲーム乗り物を体験できるデフォルト設定を含むこともできる。ゲームシステム10は、ゲームとの相互作用に基づいて、スキルレベルに従ってゲームスコア(又は環境更新)に重み付けして、調整されたスコア(例えば、スコア174、176及び178)をもたらすことができる。さらに、スコアを合計チームスコア180に組み合わせることもできる。他の実施形態では、ゲーム乗り物の焦点をスコアに合わせるのではなく(すなわち、スコアを提供するのではなく)代わりにストーリーの目的を打開するミッションの達成に関するものとすることもできる。例えば、ゲームは、悪者の捕獲、宝物の発見、謎解きなどを行うようにプレーヤを導くことができる。
【0036】
図10に、特定のゲームプレーヤに特化した双方向要素を含むゲーム環境14の実施形態を示す。要素32aは、プレーヤ46aに関連し、要素32bは、プレーヤ46bに関連する。このような区別は、プレーヤ46のキャラクタ及び/又はスキルレベルに基づくことができる。プレーヤ46aが要素32bと相互作用しようとしても応答がなく、例えば、コントローラ48は、試みられた相互作用からの入力を受け取らない。或いは、ゲーム10を、このような試みに関連するペナルティを示すように構成することもできる。
【0037】
別の実施形態では、ゲームシステム10が、プレーヤのゲーム体験を追跡することができる。例えば、遊園地は、カード又はモバイル装置などを通じて、様々なゲームにおけるプレーヤの進捗をパークへの来場にわたって追跡することができる。プレーヤ又はプレーヤグループが再びゲームを行うと、ゲームコントローラ48は、以前にプレイしたゲームに基づいてゲーム表示を選択することができる。このように、1つのゲーム場所が、初心者だけでなく経験を積んだプレーヤにもやりがいを与えることができる。例えば、再来場する毎に新たなゲームレベル及び乗り物体験をプレイし、体験することができる。さらに、プレーヤのスキルレベルが入り交じったゲームでは、ゲームコントローラ48が、高レベルプレーヤのためのさらなる課題を導入することもできる。ゲームシステム10は、遊園地内の乗り物ゲームに関連する家庭用ゲーム又はオンラインゲーム版でのプレーヤの実績を追跡し、これに応じて応答及び調整を行うこともできる。
【0038】
本明細書では、本発明の実施形態のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が浮かぶであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に含まれる全てのこのような修正及び変更も対象とすることが意図されていると理解されたい。さらに、開示した実施形態のいくつかの要素は、互いに組み合わせ、又は交換することもできると理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
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図10