(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】横型ピロー包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 57/02 20060101AFI20241114BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20241114BHJP
B65B 9/213 20120101ALI20241114BHJP
【FI】
B65B57/02 E
B65B57/00 H
B65B9/213
(21)【出願番号】P 2021178403
(22)【出願日】2021-10-30
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小川 拓己
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-043621(JP,A)
【文献】特開2015-160638(JP,A)
【文献】特開2012-041073(JP,A)
【文献】特開2020-111356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/02
B65B 57/00
B65B 9/213
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる製品長の製品を1つずつ包装する横型ピロー包装機であって、
ピロー包装する包装機本体と、
前記包装機本体に帯状の包材を供給する包材供給装置と、
を備え、
前記包装機本体は、前記包材を筒状に形成する製袋器と、その製袋器で筒状に形成された前記包材の両側端縁部をシールするセンターシール装置と、そのセンターシール装置の下流側に配置され前記包材を搬送方向に対して直交する方向にシール・カットするトップシール装置を有し、
筒状に形成された前記包材内の製品を検知する検知手段と、
前記検知手段の出力に対しオフディレイ動作後の前記製品の後端位置を決定する機能と、
その決定された前記製品の後端位置に基づき前記包材のカット位置を設定する際に、オフディレイ分を差し引いて設定し、その設定した前記カット位置で前記シール・カットするように前記包装機本体と前記包材供給装置の動作を制御する制御機能を備える横型ピロー包装機。
【請求項2】
前記決定された前記製品の後端位置よりも前記オフディレイ分を差し引いて求めた前記製品の実際の後端位置が前記トップシール装置を通過してから所定距離移動した際に前記トップシール装置に至る前記包材の位置を前記カット位置に設定するようにした請求項1に記載の横型ピロー包装機。
【請求項3】
前記決定された前記製品の後端位置よりも前記オフディレイ分を差し引いて求めた前記製品の実際の後端位置に基づき前記製品の長さを求め、求めた前記製品の長さに所定長さを加えた長さがカット長になるように前記カット位置を設定するようにした請求項1に記載の横型ピロー包装機。
【請求項4】
前記オフディレイ動作は、前記検知手段が前記製品を検知できなくなると所定長さ分の前記包材を搬送し、その間に前記検知手段が前記製品が検知されない状態が継続した場合に前記製品の後端位置と判定する請求項1から3のいずれか1項に記載の横型ピロー包装機。
【請求項5】
前記トップシール装置の上流側に、前記製品の前進移動を抑止可能とするシャッター装置を備え、
閉じた状態の前記シャッター装置により前記製品の前端が位置決めされるようにした請求項1から4のいずれか1項に記載の横型ピロー包装機。
【請求項6】
前記検知手段は、高さ方向の異なる位置を検知するように構成する請求項1から5のいずれか1項に記載の横型ピロー包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横型ピロー包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前後方向の長さの異なる製品がランダムに供給されてくるものに対応する横型ピロー包装機として、例えば特許文献1に開示されるように、センターシール装置より上流側に製品の長さを検出する製品検出センサを配置し、制御装置が製品検出センサによって検出したデータに基づいて算出した製品の長さに基づき、トップシール装置のトップシーラの動作パターンと動作タイミングや、包装に必要なフィルム長さとを演算し、その演算した動作パターンと動作タイミングと必要なフィルム長さに基づいてトップシーラの動作を制御するようにしたピロー型包装装置がある。このとき求める包装に必要なフィルム長さは、製品の長さに前後の余材長さを加えたものとしている。
【0003】
また、例えば製品の高さが前後方向で変化し、前後方向の途中の部位が低かったり、薄かったりする製品の場合、1つの製品が製品検出センサの検出位置を通過中に、製品検出センサの出力がON/OFFを繰り返す場合がある。そのような製品が含まれる場合、製品検出センサの出力がOFFになってすぐに製品の後端と判断して製品長さを求めると、実際の製品の長さよりも短くなり、例えばトップシール装置で製品の噛み込みを生じてしまう。そこで、製品検出センサの出力がOFFになっても一定時間内に出力がONに切り替わった場合には製品は存在していると判断し、一定時間経過しても出力がOFFのままの場合に製品が完全に通過したと判断して製品の長さを求め、余材長さを加えた包装フィルムのカット長さを決定し、トップシーラの動作を制御するといったオフディレイ制御を行うようにしている(特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5325179号公報
【文献】特許第6532511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようにオフディレイ制御を行うと、製品検出センサの出力から得られる実際の製品長さにオフディレイ分を加えたものが製品長さとして設定されるため、製品長さが実際のものよりもオフディレイ分だけ長くなるため、製品に比較してカット長が長くなる。その結果、包装フィルムが余分に消費されてしまう。また、包装フィルムを一定速度で搬送する場合、実際の製品の後端からオフディレイ制御をする一定時間に移動する包装フィルムの固定長さ分だけ実際の製品長よりも長い製品長として処理されるため、製品長が短いものほど製品に対する余分長さの割合が長くなり、包装体に対する製品の占める割合が小さくなり、製品が包装体内で遊んでしまうおそれがある。
【0006】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できればよい。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の横型ピロー包装機は、(1)異なる製品長の製品を1つずつ包装する横型ピロー包装機であって、ピロー包装する包装機本体と、前記包装機本体に帯状の包材を供給する包材供給装置と、を備え、前記包装機本体は、前記包材を筒状に形成する製袋器と、その製袋器で筒状に形成された前記包材の両側端縁部をシールするセンターシール装置と、そのセンターシール装置の下流側に配置され前記包材を搬送方向に対して直交する方向にシール・カットするトップシール装置を有し、筒状に形成された前記包材内の製品を検知する検知手段と、前記検知手段の出力に対しオフディレイ動作後の前記製品の後端位置を決定する機能と、その決定された前記製品の後端位置に基づき前記包材のカット位置を設定する際に、オフディレイ分を差し引いて設定し、その設定したカット位置で前記シール・カットするように前記包装機本体と前記包材供給装置の動作を制御する制御機能を備えるようにした。
【0008】
オフディレイ動作をすることで、製品の移動途中の一部で検知手段が検知できなくなる箇所を有するようなものであっても、製品の後端位置が検知手段を通過するまで製品が存在すると正しく認識でき、実際の製品長以下と誤判定することがない。そして、オフディレイ動作のため、製品の後端位置が検知手段を通過してからオフディレイ動作の後に製品の後端位置が決定されるが、カット位置は、オフディレイ分を差し引いて設定するため、製品長さに見合ったカット長でシール・カットされ、製品に対して適切な大きさの包装体が製造される。
【0009】
(2)前記決定された前記製品の後端位置よりも前記オフディレイ分を差し引いて求めた前記製品の実際の後端位置が前記トップシール装置を通過してから所定距離移動した際に前記トップシール装置に至る前記包材の位置を前記カット位置に設定するとよい。このようにすると、製品長さにかかわらず余分なフィルム長さを含むことなく製品の実際の後端位置から所定距離だけ離れた位置でシール・カットすることができ、製品に対して適切な大きさの包装体が製造される。
【0010】
(3)前記決定された前記製品の後端位置よりも前記オフディレイ分を差し引いて求めた前記製品の実際の後端位置に基づき前記製品の長さを求め、求めた前記製品の長さに所定長さを加えた長さがカット長になるように前記カット位置を設定するとよい。このようにすると、製品の製品長さ応じたカット長でシール・カットすることができる。
【0011】
(4)前記オフディレイ動作は、前記検知手段が前記製品を検知できなくなると所定長さ分の前記包材を搬送し、その間に前記検知手段が前記製品が検知されない状態が継続した場合に前記製品の後端位置と判定するようにするとよい。包材の送り量により制御できるので、オフディレイ分を差し引く制御が容易に行える。
【0012】
(5)前記トップシール装置の上流側に、前記製品の前進移動を抑止可能とするシャッター装置を備え、閉じた状態の前記シャッター装置により前記製品の前端が位置決めされるようにするとよい。このようにすると、製品を挿入する際の位置決めが容易かつ精度よく行える。
【0013】
(6)前記検知手段は、高さ方向の異なる位置を検知するように構成するとよい。このようにすると、検知手段で検出可能な程度の製品の薄い部位が存在する高さが異なる場合でも、検知することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、製品長さに見合ったカット長で包装することができる。よって包材の無駄な消費を抑制し、包装体が製品に比べて大きくなり製品内で遊ぶことを可及的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る横型ピロー包装機の好適な一実施形態を示す正面図である。
【
図4】シャッター装置の別の実施形態を示す図である。
【
図5】シャッター装置のさらに別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0017】
図1は、本発明に係る横型ピロー包装機の好適な一実施形態を示している。本実施形態の横型ピロー包装機10は、ランダムに供給される異なるサイズの製品13をピロー包装するものである。製品13は、例えば単一の物品や、複数の物品の組み合わせからなり、異なるサイズの製品13の少なくとも一部は、形状が不確かなものを含む。このようにサイズが異なる製品13は、例えば、通販商品のように異なる商品を送り先ごとに包装するものや、例えば惣菜パンその他各種のパンなどのように同じ種類でも個々の製品毎に寸法形状が異なるものや、特許文献2に開示されるように同じ商品を前後に任意の数並べた単品或いは集合体のようなものなどがある。
【0018】
形状が不確かなものとは、例えば製品の高さが搬送方向に沿った前後方向で変化し、前後方向の途中の部位が低かったり、薄かったりする製品などがある。係る製品は、例えば、製品の外形状自体に凹凸があり一部に肉薄の部分が存在するもの、袋内に粉状物が充填されていて粉状物の存在位置により不定形状となり当該粉状物が一端側に集まり他端側が薄くなるとともにその他端側に付属品が取り付けられているようなもの複数の物品が台紙などの上に隙間をおいて前後に配置されるような集合体などがある。
【0019】
この横型ピロー包装機10は、製品13の搬送方向に沿った前後方向の長さである製品長に合わせた包材のカット寸法を調整し、製品13のサイズに合わせた寸法形状からなる包装体を製造する。
【0020】
上述したような各種の製品13を順次包装する横型ピロー包装機10は、包装機本体11と、その包装機本体11に対して帯状の包材15を連続して供給する包材供給装置12等を備える。包材15は、例えばフィルム、紙など各種の材質のものを用いるとよい。本実施形態では透明で外部から製品13を検知可能なフィルムを用いる。
【0021】
包材供給装置12は、製品13を包み込むための帯状の包材15を連続して包装機本体11に供給するためのものである。この包材供給装置12は、帯状の包材15をロール状に巻き取った原反ロール16を支持する回転軸17と、原反ロール16から連続して繰り出される包材15を包装機本体11に導く搬送経路を構成する複数のローラ18(図では代表してフィードローラを1つ描画)と、包材15に搬送力を与える図示省略する駆動モータ(サーボモータ等の速度制御可能なモータ)等を備える。
【0022】
包材15は、適宜位置に配置されたローラ18に掛け渡されることで、所定の経路を通って包装機本体11に導かれる。このローラ18は、帯状の包材15に対して駆動を掛ける駆動ローラや、テンションを掛けるテンションローラや、弛みの発生を解消するダンサーローラや、帯状の包材15の搬送方向を変更したり搬送をガイドしたりするフリーローラなどがある。この例では、駆動モータの出力をフィードローラに連携し、包材15を引き出すようにしたが、例えば、回転軸17に駆動モータの出力を連係し、包材15を繰り出させるようにするなど、各種の態様がとれる。
【0023】
本実施形態では、作業員が手作業で待機エリアにある製品13を包装機本体11に供給し、その供給した状態で横型ピロー包装機10が、供給された製品13を自動包装して包装体28を製造する。このように、この実施形態の横型ピロー包装機10は、人手による供給を行い、1個ずつ自動包装を行う。このように1個ずつ自動包装するため、横型ピロー包装機10は、間歇運転を行い、一つの製品13に対する包装処理が終了すると一時停止し、次に製品13が供給されるのを待つ。
【0024】
包装機本体11は、その搬入側に供給される包材15を筒状に製袋する製袋器20を備える。製袋器20は、包材供給装置12から連続して供給される帯状の包材15を通過させることで、包材15の両側端縁部同士を接触(重合)させるとともに、筒状に製袋するものである。
【0025】
更に包装機本体11は、製袋器20の下流側に配置された包材15の両側縁部を合わせて接合するセンターシール装置21と、そのセンターシール装置21の下流側に配置されたトップシール装置22と、そのトップシール装置22の下流側に配置された搬出コンベア23等を備える。さらに図示省略するが、センターシール装置21とトップシール装置22の間に搬送路を構成するベルト或いは渡り板等を配置するとよい。
【0026】
センターシール装置21は、所定の間隔を置いて左右に配置した2枚の上板21aを備える。包材15の両側端縁部は、左右の上板21aの間の隙間から下方に突出した状態で搬送される。さらにセンターシール装置21は、上板21aの下方に配置され包材15の両側端縁部に対して加熱する左右一対のバーシーラ21bと、バーシーラ21bの上流側に配置される左右一対の第一ピンチローラ21cと、バーシーラ21bの下流側に配置される左右一対の第二ピンチローラ21dを備える。一対のバーシーラ21bは、開閉して対向する加熱面が接近離反するように構成する。一対のバーシーラ21bは、作業員が製品13を投入するあいだは、包材15を余計に加熱しないよう開いた状態で待機する。そして、製品13の投入が完了し、包装処理の開始に伴う包材15の搬送開始のタイミングに合わせて閉じて包材15を加熱する。
【0027】
この第一ピンチローラ21c,第二ピンチローラ21dは、製袋器20を経て接触した包材15の両側端縁部同士を所定の圧力で挟み込むとともに、同期して回転することで、その両側端縁部ひいては包材15に対して搬送力を与えるようになっている。また、第二ピンチローラ21dは、バーシーラ21bで加熱した包材15の両側端縁部を、加圧するとともに冷却して融着してシールする加圧ローラとしても機能する。このシールされた部位が、包装体28におけるセンターシール部となる。
【0028】
トップシール装置22は、製品13を内包する筒状の包材15に対し、搬送方向に対して直交する方向で搬送面と平行な方向で横断する方向にシールするとともにカットするものである。このトップシール装置22は、包材15を挟んでその上下に上側トップシーラ26と下側トップシーラ27を備える。上側トップシーラ26と下側トップシーラ27は、ヒータが内蔵され、互いの先端のシール面が所定の温度に加熱される。さらに、例えば上側トップシーラ26のシール面26aの前後方向の中央部には、カッター刃が内蔵される。また、下側トップシーラ27のシール面27aの前後方向の中央部にはカッター溝を有する。
【0029】
本形態では、上側トップシーラ26と下側トップシーラ27は、シール面26a,27aが対向した状態のまま接近離反し、接近時に上下のシール面26a,27aが包材15を上下から挟み込んで加熱し、カッター刃がカッター溝に進入してカットする。よって、トップシール装置22は、センターシールされた包材15の所定位置(製品の存在しない部分)を横方向にシール・カットし、横方向に延びるトップシール部を形成する。これにより、包材15の先端部分(先頭の製品13を内包する部分)は、後続の包材15から分離され、包装体28が製造される。
【0030】
更に本実施形態では、製袋器20の入口からトップシール装置22までの距離を、1包装体の長さ以下(カット長以下)にする。トップシール装置22の位置は、例えば、上側トップシーラ26と下側トップシーラ27が包材15を挟み込んでカットする位置とすると良い。このようにすると、包装機本体11内の製袋器20からトップシール装置22に至る領域には一つの製品13しか存在せず、次に包装処理される製品13を容易に確認できる。つまり、トップシール装置22の直前には、一回分の製品が置かれた状態となる。
【0031】
本実施形態の横型ピロー包装機10は、ランダムに供給される異なるサイズの製品13を包装処理するに際し、その製品長さに合わせたカット長で包材15をトップシール装置22にてシール・カットするように制御する機能を備える。そこで本実施形態では、トップシール装置22の上流側であって製品13,包材15の搬送経路の外側所定位置に、製品13を検知するための検知センサ30を配置する。この検知センサ30は、例えば透過型や反射型の光電センサを用い、製品13の通過位置に向けて光を出射し、その透過光或いは反射光を受光可能に配置する。これにより、出射された光が製品13に照射された場合にはセンサ出力がONになり、照射されない場合にはセンサ出力がOFFになる。
【0032】
さらに本実施形態では、製品13の包装機本体11への供給は、作業員が人手により1つずつ行う。すなわち、制御装置は、駆動モータを停止或いは出力の駆動ローラへの連携を遮断し包材15を一時停止する。この状態で、作業員は製品13を製袋器20内に挿入し、製品13を包材15内の所定位置にセットする。所定位置へのセットは、例えば製品13の前端が筒状に製袋された包材15の先端近くに位置するように作業員の手または所定の道具或いは押し込む装置等を用いて製品13を包材15内に挿入するとよい。ついで、作業員は、横型ピロー包装機10が備える運転再開指示を与えるための操作部を操作する。この操作は、所定のボタンを押したり画面にタッチしたりするものとするとよい。
【0033】
所定位置は、本実施形態では、検知センサ30が製品13を検知、すなわち、センサ出力がONになる位置とするとよい。これにより、製品13の前端が検知センサ30の検知位置にあるか、前端が検知センサ30を超えて下流側に位置する状態にセットされる。そして、制御装置は、上記の運転再開指示を与えるための操作部の操作と、検知センサ30の出力がONの場合に、運転再開し包材15を移動させるとともに、シール装置等の動作を制御する機能を備える。これにより、例えば製品13が包材15の奥まで充分に挿入されずに製品13の前端と包材15の先端との間に余分な空間が空いてしまうことや、製品13が供給されていない状態で誤って操作部が操作されるなどして空袋が発生するのを抑制できる。
【0034】
制御装置は、係る操作に伴う運転再開指示を受け付けると、フィードローラを回転駆動させて包材15の搬送を開始するとともに、間歇駆動のため一時停止していた包装機本体11の動作を開始する。すると、包材15の移動に伴い製袋器20で筒状に製袋された包材15内の製品13も、包材15とともに搬送される。
【0035】
そして制御装置は、検知センサ30の出力に基づいて以下の制御を行い、包装体28を製造する。すなわち、検知センサ30からトップシール装置22例えば上側トップシーラ26と下側トップシーラ27の前後方向の中心までの距離Xは既知のため、製品13の後端位置を検知すると、制御装置は、フィードローラの回転にともなう包材15の送りを継続し、その製品13の後端位置がトップシール装置22を通過し、製品13の後端位置からさらに余長βの長さ分だけ移動するまで包材15を送り、搬送を一時停止する。これにより、製品13の検出された後端位置から余長βの長さ分だけ上流側のフィルム部位が、上側トップシーラ26と下側トップシーラ27の前後方向の中心に位置する。そこで制御装置は、トップシール装置22を制御し、上側トップシーラ26と下側トップシーラ27で包材15を挟み込んでシール・カットする。
【0036】
ところで、例えば
図2(a)に示すように、製品13がその前後方向に渡り一定の高さ以上の場合、製品13の前端が検知センサ30より上流側に位置している状態ではセンサ出力はOFFになり、製品13の前端が検知センサ30の前を通過すると、検知センサ30の出力はONになる。そして、製品13が検知センサ30の前を移動中は、検知センサ30の出力は継続してONになり、製品13の後端が検知センサ30の前を通り過ぎると出力はOFFになり、以降、検知センサ30の出力は継続してOFFとなる。
【0037】
なお、上述したように本実施形態では検知センサ30で製品13を検知すること、すなわち、検知センサ30の出力がOFFからONに切り替わることを条件に運転再開を行い包材15の送りを行うようにしたため、図に示す製品13の移動は、操作員の手動に基づくものと包材15の移動に基づくものが混在している。これは以下の説明でも同様である。
【0038】
一方、例えば
図2(b)に示すように、製品13の一部分が薄く、検知センサ30で製品13を検知できない場合、製品13の移動に伴い検知センサ30の出力は、ON-OFF-ONのように一旦OFFになる区間が発生する。図示の例ではOFFが1回発生するが、製品13の形状によっては1つの製品13が通過する際に複数回OFFの区間が発生する場合もある。
【0039】
従って、検知センサ30の出力がONからOFFに切り替わったタイミングで製品13の後端と判定し、それに基づいてトップシール装置22の動作を制御すると、
図2(b)のような製品13の場合、製品13の途中で後端と判定されてしまうので、トップシール装置22での噛み込みを発生する。
【0040】
そこで、検知センサ30の出力がONからOFFに切り替わっても、直ぐにOFF、すなわち製品13の後端縁が通過したと判断せず、OFF状態が継続していても包材15をディレイ分の所定長さだけ送り続け、そのディレイ分だけ包材15を送っている間に検知センサ30が製品13を検知してONに復帰した場合、その前のOFFの区間も1つの製品13が継続していると判断するオフディレイ制御を行う。このようにすると、製品13の後端を確実に検知でき、その検知した後端に基づいて包材15のカット位置を決定することでトップシール装置22での製品13の噛み込みの発生を防止できる。
【0041】
一方、製品13の後端が検知センサ30の前を通過すると、検知センサ30の出力はOFFになるが、ディレイ分の所定長さの包材15を搬送するまでは製品13が通過したと判断されない。よって、ディレイ分の包材の送り長さが長すぎると、製品13の途中のオフの区間中にディレイ分の所定長さの送りが終了してしまう誤検出の発生は抑制できるが、製品13の通過の判断が遅くなり、その後の制御に影響を与える恐れがある。そこでディレイ分の所定長さを変更可能にする機能を備えるとよい。
【0042】
上述したように、オフディレイ制御をしているため、製品13の後端が検知センサ30の前を通過してから更にディレイ分の長さの包材が送られた位置が後端位置として決定される。そこで本実施形態では、包材15の搬送や、トップシール装置22の動作を制御する制御装置は、オフディレイ分を加味して決定された製品13の後端からオフディレイ分の長さであるオフディレイ距離だけ差し引いた実際の製品13の後端の位置に基づき包材の送り長さを決定し、その送り長さ分だけ包材を送り出すべくフィードローラを回転させ、停止する制御を行う。例えば、上述したように検知センサ30からトップシール装置22までの距離Xは既知であり、オフディレイ分の長さ(ディレイ距離x0)も既知であるので、オフディレイ制御により製品13の後端が検知されると、そのときから「X-x0+β」の長さ分の包材15を送り出したらフィードローラの回転を停止し、それに合わせて書くシール装置の動作を制御する。このようにすることで、カット長は実際の製品13の前後長に対し過不足なく適したものとなる。なお、βの値は固定値としても良いし、製品高さ等に応じて変化する値としても良い。
【0043】
図3は、別の実施形態を示している。本実施形態では、上述した第1実施形態を前提とし、トップシール装置22の上流側にシャッター装置31を備えた。このシャッター装置31は、上下に開閉する一対のシャッター板32とそのシャッター板32を昇降させる駆動機構(図示省略)を備える。シャッター装置31は、適宜のタイミングでシャッター板32が閉じ、筒状の包材15を上下から挟み込みその進路を塞ぐように構成する。図中実線で示すように、シャッター板32が閉じた状態で、製品13を包材15内に供給し、製品13の前端がシャッター板32に接触するまで挿入する。このようにすると、製品13の位置決めが、製品13ごとにばらつくことなく精度よく行える。しかもシャッター板32に突き当たるまで製品13を挿入すればよいので、位置決めが簡単に行える。
【0044】
そして、運転再開指示の操作部が操作されると、シャッター板32が開いて図中二点鎖線で示す状態になり、製品13並びに包材15が前進移動可能になり、その後上述した実施形態に示す制御がなされ、製品13の前後長に合わせたカット長で包材がシール・カットされ、包装体28が製造される。
【0045】
上述した実施形態では、シャッター装置31は昇降移動する一対のシャッター板32を備えた構造としたが、本発明はそれに限ることはなく、例えば、
図4に示すように上流側の長辺を回転中心として所定角度範囲内で正逆回転する上下の第1シャッター板33を備えるものとしてもよい。このようにすると、製品13の前側に存在する余長部分の包材15を潰すことなく斜め傾斜状にすることができる。すなわち、第1シャッター板33が閉じたときに先細りのかたちになる傾斜した形状としているため、包装体28の仕上がりが良くなる。
【0046】
また、
図5に示すように上記の第1シャッター板33に加え、左右に所定角度範囲内で正逆回転する第2シャッター板34を備えた構成を取るものとしてもよい。このようにすると、第2シャッター板34にて、筒状の包材15の側面を中央側に押し込むことができる。特に、第2シャッター板34の移動する頂点側の位置を
図5(b)よりもさらに奥に位置させるようにすると、包装体28を製造する際に、ガゼットをよりしっかりと形成することができる。
【0047】
図6,
図7は、さらに別の実施形態を示している。上述した各実施形態では、製品13の後端の位置に基づいて包材15の送り量を制御することでカット長を適切にするようにしたが、本実施形態では、移動時間等に基づいて製品長を求め、それに基づいてカット長を適切にするようにした。
【0048】
本実施形態のオフディレイ制御は、時間に基づいて行うため、例えば
図6に示すように、検知センサ30の出力がONからOFFに切り替わっても、直ぐにOFF、すなわち製品13の後端が通過したと判断せず、一定時間(ディレイ時間t0)以内に検知センサ30が製品13を検知してONに復帰した場合、その前のOFFの区間も1つの製品13が継続していると判断するようにしている。このようにすると、製品13の後端を確実に検知でき、それに基づいてカット長を決定することでトップシール装置22での製品13の噛み込みの発生を防止できる。
【0049】
ディレイ時間t0は、包装対象となる製品13のうち、検知センサ30が検知できずOFFの状態が継続する最大時間に基づき設定する。また、このディレイ時間t0は、設定変更可能にする機能を備えるとよい。変更可能にすることで、ユーザの状況に応じて適切なディレイ時間t0を設定し、確実に製品13の後端を検知できる(検知センサ30の前を通過中の製品13の途中でディレイ時間t0が経過して後端と誤検知しない)。
【0050】
一方、製品13の後端が検知センサ30の前を通過すると、検知センサ30の出力はOFFになるが、ディレイ時間t0を経過するまでは製品13が通過したと判断されない。よって、ディレイ時間t0が長すぎると、製品13の途中でディレイ時間t0が経過してしまう誤検出の発生は抑制できるが、製品13の通過の判断が遅くなり、その後の制御に影響を与える恐れがある。ディレイ時間t0を変更可能にする機能を備えることで、係る事態の発生も抑制できる。
【0051】
上述したように、オフディレイ処理をしているため製品13の後端位置を検知するのは、製品13の後端が検知センサ30の前を通過してからディレイ時間t0経過後である。よって、検知センサ30がONになって製品13の前端を検知してから、オフディレイ時間t0を加味して決定された製品長Aは、実際の製品13の前後の製品長Bよりもディレイ時間t0の経過中に製品13が移動する長さ分だけ長くなる。そこで本実施形態では、包材15の搬送や、トップシール装置22の動作を制御する制御装置が、オフディレイ制御により求められた製品長Aからオフディレイ分だけ差し引いた長さを求めて実際の製品長Bとし、その製品長Bに余長分αを加算した値を求めてカット長Lとし、そのカット長Lで包材15をカットすべく、包材15の搬送やトップシール装置22の動作を制御する。すなわち、例えば前回シール・カットしてから包材15をカット長Lだけ搬送し、前回のシール・カットされた筒状の包材15の先端からカット長Lだけ離れた位置を、上側トップシーラ26と下側トップシーラ27で挟み込んでシール・カットするようにトップシール装置22の動作を制御する。
【0052】
カット長Lを求める制御装置の機能は、例えば
図7に示すフローチャートに示すように動作するものとするとよい。本例では、検知センサ30の出力を、制御装置に与える。上述したように検知センサ30は、製品13が検出できない場合はOFFを出力し、検出している場合はONを出力する。そして、製品13が検知センサ30の前を通過中でも、例えば低い・薄い等その外形状により光が製品13に当たらない場合には、OFFを出力する。
【0053】
本実施形態でもまず制御装置は、駆動モータを停止或いは出力の駆動ローラへの連携を遮断し包材15を一時停止する。この状態で、作業員は製品13を製袋器20内に挿入し、製品13を包材15内の所定位置にセットする。所定位置へのセットは、例えば製品13の前端が筒状に製袋された包材15の先端近くに位置するように作業員の手または所定の道具或いは押し込む装置等を用いて製品13を包材15内に挿入するとよい。ついで、作業員は、横型ピロー包装機10が備える運転再開指示を与えるための操作部を操作する。この操作は、所定のボタンを押したり画面にタッチしたりするものとするとよい。
【0054】
所定位置は、本実施形態でも検知センサ30が製品13を検知し、出力がONになる位置とし、操作部が操作された際に、検知センサ30の出力がOFFの状態の場合、運転再開をしないようにしている。さらに本実施形態では、検知センサ30が製品13の前端を検知したことがわかるような報知機能を備える。これにより、作業員は、製品13の前端が検知センサ30の位置に至ったことを知るので、それ以上の製品13の押し込み等を停止する。つまり、所定位置は、製品13の前端が検知センサ30の検知位置に至る位置とする。上記の報知機能は、例えば、OFFからONに切り替わった際に、所定の音を出力したり、所定のランプを点灯したりするなど各種の態様がとれる。
【0055】
制御装置は、係る操作に伴う運転再開指示を受け付けると、包材15の搬送を開始するとともに、間歇駆動のため一時停止していた包装機本体11の動作を開始する。すると、包材15の移動に伴い製袋器20で筒状に製袋された包材15内の製品13も、包材15とともに搬送される。
【0056】
このとき制御装置は、タイムカウンター(t1)をスタートし、製品13の移動時間の計測を開始する(S1)。なお、t1の値は、計測を開始する際に0にリセットしてもよいし、前回の包装処理の終了時など適宜のタイミングで0にしてもよい。
【0057】
タイムカウンターの計測開始後、検知センサ30の出力を監視し、例えばONか否かを判断する(S2)。検知センサ30が製品13を検知し続ける間は、ON信号が継続するため、S2をループする。そして、検知センサ30の出力がOFFになると(S2=No)、制御装置はオフディレイ制御のためのタイマーをスタートさせる(S3)。そして、制御装置は再び検知信号の出力を監視し、例えばONであるか否かを判断する(S4)。出力がOFF(S4=No)の場合、制御装置は、タイマーがタイムアップすなわち、S3でタイマースタートしてからディレイ時間t0が経過していないかを判断する(S5)。
【0058】
タイムアップしてない場合(S5=No)、制御装置は、S4に戻り検知センサ30の出力を監視する。そして、検知センサ30の出力がONになった場合(S4=Yes)、制御装置は、タイマーをリセット(S6)した後、S2に戻り検知センサ30の出力を監視する。これにより、検知センサ30の出力が一旦OFFになっても一定時間(設定されたディレイ時間:t0)以内にONに復帰すると、検知センサ30の前を通過する製品13の移動時間を計測するタイムカウンターはそのまま継続して計時され、1つの製品13がそのまま存続していると判断される。
【0059】
一方、例えば製品13の後端が検知センサ30の前を通過し終えると、検知センサ30の出力はOFFが継続する。係る状況では、S2の分岐判断がNoとなりS3に進み、ディレイ時間t0のタイマーがスタートする。そして、検知センサ30の出力はOFFが継続するので、S4の分岐判断はNoが継続し、S4とS5のループがタイムアップすなわちディレイ時間t0が経過する迄続き、タイムアップする(S5=Yes)と、S7に進む。
【0060】
そして、制御装置は、タイムアップしたときのタイムカウンター値t1を取得し、そこからディレイ時間t0を減算し、製品13が実際に検知センサ30の前を通過している移動時間tを求める。そして、制御装置は、求めた実際の移動時間tに包材15の移動速度vを乗算して製品13の実際の製品長Bを算出するとともに、余長分αを加算してカット長L(=t*v+α)を求める。
【0061】
そして制御装置は、カット長がLになるように横型ピロー包装機10を制御する(S8)。すなわち、トップシール装置22の上側トップシーラ26と下側トップシーラ27は、所定位置で離反した状態で待機させ、筒状の包材15の先端からカット長Lのフィルム部位が、その対向する上側トップシーラ26と下側トップシーラ27の位置に至るタイミングに合わせて上側トップシーラ26と下側トップシーラ27が接近移動し、当該フィルム部位を上下から挟み込み、所定圧で加熱する。そして、上側トップシーラ26と下側トップシーラ27は、包材15を挟み込んで加圧・加熱した状態のまま包材15の移動に合わせて下流側に移動し熱シールするとともに、カットして後続の包材15から分離されて製品13を内包する包装体28を製造する。その後、制御装置は包材15の搬送を一時停止し、また上側トップシーラ26と下側トップシーラ27を離反させるとともに上流側に移動させて待機位置に位置させる。
【0062】
本実施形態では、実際の製品長Bに、トップシールするのに必要な製品の前後のフィルム部位相当の余長分αを加算した値をカット長Lとしたので、内包する製品13の長さに対して過不足のない適切な長さで包材15をカットでき、包材15を無駄に長く使用することが抑制できるとともに、製品13にとって大きすぎることなく適度な大きさの包装体28を製造することができる。
【0063】
また上述した実施形態では、オフディレイ制御を制御装置においてプログラムで処理するようにしたが、例えば、検知センサ30の出力をオフディレイタイマなどの回路・機器に与え、オフディレイタイマの出力を制御装置に与え、制御装置がオフディレイタイマの出力がONの継続時間を求めるとともに、
図3に示すS8及びS9の処理を行うとよい。また、検知センサにオフディレイ機能を組み込んだものを用いてもよく、各種の対応が取れる。但し本実施形態のようにオフディレイ機能をソフトウェアで実行するようにすると、ディレイ時間の変更調整を容易に高精度で行うことができる。
【0064】
また、上述した実施形態では、製品13を手供給して所定位置にセットした状態で既に製品13の前端が検知センサ30の検知位置に位置しており、運転再開から製品13の全体の区間が検知センサ30で検出されるようにしたが、例えば、製品13の前端が検知センサ30の検知位置よりも下流側に行き、製品13の途中から
図7に示すフローチャートを実行するようにしてもよい。係る場合、手供給された製品13の前端が位置する基準位置から検知センサ30の設置位置までの長さを求めておき、カット長Lを求める際にその長さを加算するとよい。そして、このように基準位置が、製品13の前端が検知センサ30より前に位置している状態の製品の前端とする場合、検知センサ30から基準位置までの距離が一定になるようにすべく、例えば上述した各種のシャッター装置等を設け、製品がシャッター装置に当たるまで押し込むようにするとよい。なおその他の構成並びに作用効果は上述した実施形態等と同一のためその詳細な説明を省略する。
【0065】
また、上述した実施形態では、包材15が透明なフィルムを用いたため、検知センサ30も包材15の外側に配置したが、例えば包材15が紙などの不透明な材質のもので構成される場合には、検知センサは、例えば筒状に形成される包材15の内側に配置し、包材15の内部で製品13を検知するように構成するとよい。
【0066】
また、上述した実施形態では、製品13の製品長Bに余長分αを加えた長さで(カット長L)を求め、トップシール装置22や包材15の搬送等の横型ピロー包装機10の動作を制御するようにしたが、オフセット分を考慮した制御はこれに限ることはなく、例えば、オフディレイ制御により検知した製品13の後端位置にオフディレイ分の長さ(ディレイ時間*移動速度)だけ下流側に位置を補正することで、製品13の実際の後端位置を求め、その後端位置がトップシール装置22より下流側の所定位置に至るタイミングでトップシール装置22にて包材15をシール・カットするとよい。
【0067】
また、検知センサ30は、一つ設けるのでは無く、例えば搬送方向の同一位置に上下に複数の発光部30aを並べ、その複数の発光部30aに対応する複数の受光部を配置するとよい(
図4参照)。そしてこのように複数の発光部及び受光部を備える検知センサ30はこの複数の受光部に基づく出力が1つでもONの場合、製品を検出するとONが出力されるようにするとよい。このようにすると、比較的薄い部分や低い部分を有する部位を有する製品であり、その薄い部分が存在する上下方向のどの位置に存在するものであっても、検知しやすくなる。そして、製品13の通過中にOFFが出力される時間が短くなると、ディレイ時間も短くすることができる。
【0068】
また検知センサは、上述した各実施形態のように横から製品13を検知するものに限られず、例えば上方向から検知し、製品の上面すなわち搬送面からの高さを計測し、高さが基準値以下の場合に製品がないと判断するようにするものなど各種のものを用いることができる。
【0069】
また、上述した各実施形態では、余長αや余長βの長さは、異なる製品長の製品13であってもそれぞれ所定の固定値としたが、製品13に応じて変更する機能を備えてもよい。変更する場合、例えば製品13の高さを検出する機能を備え、高さに基づいてαやβの値を変更して加算するとよい。
【0070】
以上、本発明の様々な側面を実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0071】
10 :横型ピロー包装機
11 :包装機本体
12 :包材供給装置
13 :製品
15 :包材
16 :原反ロール
17 :回転軸
18 :ローラ
20 :製袋器
21 :センターシール装置
22 :トップシール装置
23 :搬出コンベア
26 :上側トップシーラ
27 :下側トップシーラ
28 :包装体
30 :検知センサ
31 :シャッター装置