(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】印刷インク液滴測定および精密な公差内で流体を堆積する制御のための技法
(51)【国際特許分類】
H10K 71/13 20230101AFI20241114BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20241114BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20241114BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20241114BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241114BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241114BHJP
H10K 59/10 20230101ALN20241114BHJP
【FI】
H10K71/13
B05C5/00 101
B05C11/00
B05D1/26
B41J2/01
G09F9/30 365
H10K59/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022193872
(22)【出願日】2022-12-05
(62)【分割の表示】P 2021013579の分割
【原出願日】2014-04-23
【審査請求日】2023-01-04
(32)【優先日】2013-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2013/077720
(32)【優先日】2013-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(32)【優先日】2014-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】ナヒッド ハルジー
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ディー. バークレー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー アール. ハウフ
(72)【発明者】
【氏名】エリヤフ ブロンスキー
(72)【発明者】
【氏名】コナー エフ. マディガン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ルイス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ソウ-カン コー
(72)【発明者】
【氏名】バレリー ガッサン
【審査官】横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-227762(JP,A)
【文献】特開2003-173871(JP,A)
【文献】国際公開第2008/131383(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00-102/20
H05B 33/00-33/28
B05C 5/00
B05C 11/00
B05D 1/26
B41J 2/01
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタであって、
基板の標的領域のアレイ上にインクを印刷するノズルを有するプリントヘッドと、
前記プリントヘッドと前記基板との間の連続した相対移動を提供する少なくとも1つの運動機構と、
前記ノズルのそれぞれに対する液滴量平均を識別するデータを記憶する記憶装置と、
命令を記憶する非一過性の機械可読媒体と、を備え、
前記命令は、実行されたとき、前記プリンタに、
前記標的領域のそれぞれに対する所望の充填量を、関連付けられた公差範囲内で定義する電子ファイルを受信することと、
前記ノズルのそれぞれに対する液滴量平均を識別する前記データ、および前記電子ファイルに基づいて、前記標的領域のそれぞれに対して、1滴以上の液滴を印刷するための前記ノズルの組み合わせを選択することであって、前記液滴のそれぞれは、対応する前記ノズルの前記液滴量平均によって定義される所期量を有し、前記選択された印刷されるノズルの液滴の前記所期量の合計は、前記関連付けられた公差範囲内の値であり、さらに、
前記ノズルの組み合わせに含まれる前記ノズルのそれぞれを前記標的領域のアレイの第1の標的領域と近接させるように前記運動機構に指示し、前記第1の標的領域に対して選択される前記ノズルの組み合わせに含まれる前記ノズルのそれぞれに活性化を指示して、前記第1の標的領域に前記1滴以上の液滴を堆積させる、制御データを生成することと、
前記第1の標的領域に対して選択される前記組み合わせの前記ノズルを前記第1の標的領域に近接させ、前記1つ以上の液滴を前記第1の標的領域に堆積させるように、前記運動機構、および前記プリントヘッドを制御することと、
各標的領域について印刷時間が最小となるように、前記各標的領域に対して少なくとも1つの、ノズルの組み合わせが最小時間で印刷するための基準に応じて選択されることと、を行わせるプリンタ。
【請求項2】
前記プリントヘッドおよび前記基板を収容するガスエンクロージャと、印刷中に前記ガスエンクロージャを制御された雰囲気に設定する雰囲気制御システムと、をさらに備える、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記基板は、表示デバイスを形成するものであり、前記基板の標的領域の3つのアレイを有し、各アレイの前記標的領域は、前記アレイの画素の各色成分を表し、前記プリンタは、前記3つのアレイのうちの対応するアレイの標的領域上に各インクを印刷するために、1つの色成分につき少なくとも1つを含む少なくとも3つのプリントヘッドを備える、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項4】
液滴測定デバイスをさらに備え、前記命令は、さらに、実行されたときに、前記プリントヘッドを前記液滴測定デバイスと連動させて、各ノズルからの複数の液滴の体積を測定させるように前記運動機構を制御し、かつ、各ノズルについて、前記測定で得られた値から前記液滴量平均を識別する前記データを定義するように前記液滴測定デバイスを制御する、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記命令は、さらに、実行されたときに、前記プリントヘッドと前記液滴測定デバイスとを断続的に連動させ、各ノズルの前記液滴量平均を更新する、請求項4に記載のプリンタ。
【請求項6】
各ノズルは、複数の電圧波形から選択された電圧波形を使用して動作可能であり、前記命令は、さらに、実行されたときに、前記プリンタに、
各ノズルに対する各電圧波形について液滴量の統計母集団を生じさせることと、
前記統計母集団に基づいて、前記運動機構および前記プリントヘッドに印刷を行わせるように制御することと、
を含む、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記液滴測定デバイスは、光源と、光学検出器とを備え、前記光学検出器によって検出された前記光源と前記光学検出器との間を飛行する液滴に基づき、光の干渉パターンを測定するハードウェアまたはソフトウェアと、を備える、請求項4に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記液滴測定デバイスは、前記光学検出器によって検出された前記液滴の直径を計算するハードウェアまたはソフトウェアと、を備える、請求項7に記載のプリンタ。
【請求項9】
サービス領域と、
前記プリントヘッドを前記サービス領域に移動させるプリントヘッド輸送機構と、
前記プリントヘッドが前記サービス領域の内側にあるときに、前記プリントヘッドと連動する液滴測定デバイスであって、インク液滴が通って進行する測定領域からの光を収集することによって、前記プリントヘッドのノズルによって吐出された前記インク液滴の特性を測定し、前記液滴測定デバイスは、前記プリントヘッドが前記サービス領域まで移動した後に、前記測定領域が前記プリントヘッドのノズルのいずれか1つに隣接するように位置決めするように動作可能な移動機構を、さらに備える、液滴測定デバイスと、をさらに備え、
前記プリントヘッドのノズルのそれぞれは、インク液滴を前記ノズルから液滴飛行方向に距離hまで吐出するように適合され、前記移動機構は、前記測定領域が、前記サービス領域で、前記ノズルから前記距離h内となるように、前記測定領域を前記液滴飛行方向と実質的に平行な第1の方向に移動させて、液滴測定を行うように動作可能であり、前記移動機構は、前記液滴飛行方向に実質的に垂直な2つの方向のそれぞれにおいて独立して前記測定領域を移動させて、各ノズルからの液滴を測定するように動作可能である、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記液滴測定デバイスは、前記測定領域を通ってプリントヘッドから離れて進行する液滴からの測定光を、前記距離hよりも長い前記液滴飛行方向に沿った距離に配置された光
検出器に向ける少なくとも1つの光路経路指定機構を備え、前記液滴測定デバイスは、光源からの光源光を、前記測定領域を通って進行する液滴に向ける少なくとも1つの光路経路指定機構を備え、前記光源もまた、前記距離hよりも長い前記液滴飛行方向に沿った前記距離に配置され、
各光路経路指定機構は、鏡、プリズム、または光ファイバケーブルのうちの1つを備える、請求項9に記載のプリンタ。
【請求項11】
前記制御データは、前記プリントヘッドに、複数のノズルから標的領域に液滴を同時に堆積させる、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項12】
飛行中の液滴の曲率に起因する干渉パターンの測定値を収集し、測定した前記干渉パターンから液滴量を計算して前記統計母集団を生じさせる液滴測定デバイスを、さらに備える、請求項6に記載のプリンタ。
【請求項13】
印刷装置であって、
プリントヘッド移動体と、
前記プリントヘッド移動体に結合されたプリントヘッドと、
基板支持体と、
前記基板支持体に併設された基板輸送機構と、
前記基板支持体に併設され、前記プリントヘッドから吐出された液滴の特性を表す電子信号を出力する液滴測定システムであって、前記液滴測定システムは、ビーム光源、検出器、前記ビーム光源と前記検出器との間に画定される測定領域、および液滴回収器を備え、前記ビーム光源、前記検出器、および前記液滴回収器は、固定された位置関係を有し、
前記プリントヘッドが
静止している間、前記液滴測定システムを前記プリントヘッドに対して少なくとも2つの独立した方向において移動させ、前記測定領域が前記プリントヘッドのノズルのいずれかに隣接するように位置決めする液滴測定システムの輸送機構と、を備える印刷装置において、
前記プリントヘッド移動体は、前記液滴測定システムに隣接した位置まで移動可能であり、
各標的領域について印刷時間が最小となるように、前記各標的領域に対して少なくとも1つの、ノズルの組み合わせが最小時間で印刷するための基準に応じて選択される、印刷装置。
【請求項14】
前記ビーム光源から発出されるビーム経路の移動線分が平面を画定し、前記液滴測定システムは、光学系を備え、前記光学系の少なくとも1つの部品は、前記平面外に位置する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記液滴測定システムは、鏡をさらに備え、前記ビーム光源、前記検出器、および前記鏡は、それぞれ、前記液滴測定システムにより互いに固定された位置関係で装着される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記特性は、液滴量である、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記特性は、軌道または速度のうちのいずれか一方である、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
保守ステーションをさらに備え、前記プリントヘッド移動体は、前記プリントヘッドを前記保守ステーションに隣接するように位置決めするように移動可能であり、前記液滴測定システムの前記輸送機構は、前記プリントヘッドが前記保守ステーションに位置する間、前記測定領域を前記プリントヘッドのノズルのいずれかに隣接するように位置決めするように動作可能である、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
プロセッサおよびメモリをさらに備え、各ノズルの前記特性の測定値を表す値を前記メモリに記憶し、前記プロセッサは、所定の印刷ファイルに従って印刷を計画するが、前記メモリに記憶された各ノズルの前記値によって表されるノズル間の前記特性の差異に応じて、前記液滴を吐出するために前記ノズルのうちいずれを使用するかについて制御する、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、
基板の前記標的領域において、前記プリントヘッドに液体を所定の公差範囲内の凝集量で堆積させ、前記プロセッサは、前記領域の印刷に使用する液滴の所期量の合計が、前記所定の公差範囲内に前記凝集量が収まるように、前記メモリに記憶された各ノズルの前記特性に基づいてノズルを選択する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
基板上に層を作製して電子デバイスの一部を形成する方法であって、
ビーム光源、検出器、および液滴回収器を備え、前記ビーム光源、前記検出器、および前記液滴回収器は、固定された位置関係を有する液滴測定システムを用いて、プリントヘッドのノズルから吐出された液体の液滴の飛行中に、前記液滴の特性を測定することであって、前記検出器は、前記特性を表す電子出力を提供し、前記電子出力の内容は、前記ビーム光源からのビームと前記液滴との相互作用から形成される干渉パターンの検出結果に依存し、さらに、
前記ビームの経路の移動線分が平面を画定するように、前記液滴測定システムを前記プリントヘッドに対して少なくとも2つの独立した方向において移動させることであって、前記液滴測定システムの前記ビーム光源と前記検出器のそれぞれは、前記平面外に装着され、さらに、
前記電子出力に基づいて、前記液体を前記プリントヘッドから前記基板上に印刷することと、
基板輸送機構を用いて、前記プリントヘッドが到達可能な印刷領域に、かつ前記印刷領域から前記基板を輸送することと、
前記基板上に堆積された前記液体から前記電子デバイスの層を形成することと、
各標的領域について印刷時間が最小となるように、前記各標的領域に対して少なくとも1つの、ノズルの組み合わせが最小時間で印刷するための基準応じて選択されることと、
を含む方法。
【請求項22】
前記プリントヘッドが
静止している間、少なくとも3つの独立した方向において前記液滴測定システムを位置決めして、前記ビームと前記液滴との交点を前記プリントヘッドからの標的距離に位置決めすること、をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記液滴測定システムは、鏡をさらに備え、前記ビーム光源、前記検出器、および前記鏡は、全て、前記液滴測定システムにおいて、互いに固定された位置関係で装着される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記特性は、液滴量である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記特性は、軌道または速度のうちのいずれか一方である、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記プリントヘッドは、複数のノズルを有し、
前記方法は、各ノズルの前記特性を測定すること、をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記プリントヘッドは、前記測定中、静止位置にある、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記基板上に堆積された前記液体から前記電子デバイスの前記層を形成することは、前記液体を硬化放射線に曝すこと、を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記測定することは、前記プリントヘッドが保守ステーションに隣接して位置する間に行われる、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、前記プリントヘッドの複数のノズルの前記特性を測定することと、前記複数のノズルのそれぞれについて前記特性をメモリに記憶することと、プロセッサを用いて、記憶された前記特性のノズル間の差異に応じて、前記ノズルのうちいずれを使用して液滴を吐出するかについて制御すること、をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項31】
前記方法は、記憶された前記特性に基づいて、前記プリントヘッドに前記液体を所定の公差範囲内の凝集量で前記基板の
標的領域に堆積させること、をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2014年3月10日に出願された「Techniques For Print Ink Droplet Volume Measurement And Control Over Deposited Fluids Within Precise Tolerances」という題名の米国仮特許出願第61/950,820号(第1の発明者Nahid Harjee)に対して優先権を主張する。本出願はまた、2014年1月23日に出願された「Techniques for Print Ink Volume Control To Deposit Fluids Within Precise Tolerances」という題名の米国特許出願第14/162525号(第1の発明者Nahid Harjee)の一部継続である。米国特許出願第14/162525号は、2013年12月26日に出願された「Techniques for Print Ink Volume Control To Deposit Fluids Within Precise Tolerances」という題名の台湾特許出願第102148330号(第1の発明者Nahid Harjee)に対して優先権を主張し、さらに、2013年12月24日に出願された「Techniques for Print Ink Volume Control To Deposit Fluids Within Precise Tolerances」という題名のPCT特許出願第PCT/US2013/077720号(第1の発明者Nahid Harjee)の継続である。PCT特許出願第PCT/US2013/077720号は、2012年12月27日に出願された「Smart Mixing」という題名の米国仮特許出願第61/746,545号(第1の発明者Conor Francis Madigan)、2013年5月13日に出願された「Systems and Methods Providing Uniform Printing of OLED Panels」という題名の米国仮特許出願第61/822855号(第1の発明者Nahid Harjee)、2013年7月2日に出願された「Systems and Methods Providing Uniform Printing of OLED Panels」という題名の米国仮特許出願第61/842351号(第1の発明者Nahid Harjee)、2013年7月23日に出願された「Systems and Methods Providing Uniform Printing of OLED Panels」という題名の米国仮特許出願第61/857298号(第1の発明者Nahid Harjee)、2013年11月1日に出願された「Systems and Methods Providing Uniform Printing of OLED Panels」という題名の米国仮特許出願第61/898769号(第1の発明者Nahid Harjee)、および2013年12月24日に出願された「Techniques for Print Ink Volume Cont
rol To Deposit Fluids Within Precise Tolerances」という題名の米国仮特許出願第61/920,715号(第1の発明者Nahid Harjee)のそれぞれに対して優先権を主張する。本出願はまた、2014年4月26日に出願された「OLED Printing Systems and Methods Using Laser Light Scattering for Measuring Ink Drop Size,Velocity and Trajectory」という題名の米国仮特許出願第61/816696号(第1の発明者Alexander Sou-Kang Ko)、および2013年8月14日に出願された「OLED Printing Systems and Methods Using Laser Light Scattering for Measuring Ink Drop Size,Velocity and Trajectory」という題名の米国仮特許出願第61/866031号(第1の発明者Alexander Sou-Kang Ko)の利益を主張する。上記特許文献らのそれぞれは、参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
本開示は、高度な統計的精度で、有機発光ダイオード(「OLED」)デバイス加工に使用されるインクジェット液滴量を測定するための技法、精密な総数量で基板の標的領域に流体インクの液滴を移送する印刷プロセスの使用、ならびに関連方法、デバイス、改良、およびシステムに関する。1つの非限定的な用途では、本開示によって提供される技法は、OLED表示パネルのための製造プロセスに適用することができる。
【背景技術】
【0003】
(背景)
プリントヘッドが複数のノズルを有する印刷プロセスでは、全てのノズルが同一の方法で標準駆動波形に反応するわけではなく、すなわち、各ノズルは、わずかに異なる量の液滴を生成し得る。それぞれの流体堆積領域(「標的領域」)の中へ流体液滴を堆積させるために、ノズルが依拠される状況では、一貫性の欠如が問題につながり得る。これは、特に、インクが電子デバイス内で永久薄膜構造になるであろう材料を輸送する、製造用途の場合に当てはまる。この問題が生じる1つの例示的用途は、小型および大型電子デバイスに(例えば、携帯用デバイス、大規模高解像度テレビパネル、および他のデバイスに)使用されるような有機発光ダイオード(「OLED」)ディスプレイ等のディスプレイの加工に適用される製造プロセスにある。印刷プロセスが、そのようなディスプレイの発光材料を担持するインクを堆積させるために使用される場合、画素の行または列にわたる量の相違は、表示された画像内の可視的な照明または色の欠陥に寄与する。本明細書で使用されるような「インク」とは、色特性に関係なく、プリントヘッドのノズルによって基板に適用される任意の流体を指し、例えば、記述されたOLEDディスプレイ加工用途では、インクは、典型的には、定位置で堆積させられ、次いで、永久材料層を直接形成するために処理、乾燥、または硬化させられ、このプロセスは、いくつかのそのような層を形成するように、同一のインクまたは異なるインクを用いて繰り返され得ることに留意されたい。
【0004】
図1Aは、概して数字101を使用して参照される例示的略図を用いて、このノズル・液滴の非一貫性問題を紹介するために使用される。
図1Aでは、プリントヘッド103は、それぞれ、(1)-(5)と番号付けられた、プリントヘッドの底部で小さい三角形を使用してそれぞれ描写される、5つのインクノズルを有することが分かる。典型的な製造用途では、用途に応じて、5つより多くのノズル、例えば、24~10,000個のノズルがあり得、
図1Aの場合では、単純に理解を容易にするために5つのノズルが参照されていることに留意されたい。例示的用途では、そのような領域のアレイの5つの特定の標的領域のそれぞれの中へ50ピコリットル(50.00pL)の流体を堆積させることが所望され、さらに、プリントヘッドの5つのノズルのそれぞれは、プリントヘッドと基板との間の各相対移動(「通過」または「スキャン」)を伴って、種々の標的領域のそれぞれの中へ10ピコリットル(10.00pl)の流体を放出するものであると仮定されたい。標的領域は、隣接する未分離領域(例えば、堆積した流体インクが部分的に拡散して領域間でともに混合するように)、またはそれぞれの流体的に単離した領域を含む、基板の任意の表面領域であり得る。これらの領域は、概して、それぞれ、長円形104-108を使用して
図1Aで表される。したがって、5つの特定の標的領域のそれぞれを充填するために、描写されるようにプリントヘッドの正確に5回の通過が必要であることが仮定され得る。しかしながら、それぞれのノズル変換器に適用される所与の駆動波形が、各ノズルに対するわずかに異なる液滴量を生じるように、プリントヘッドノズルは、実践では、構造または作動にいくつかの軽微な変動を有するであろう。例えば、
図1Aで描写されるように、ノズル(1)の発射は、各通過で9.80ピコリットル(pL)の液滴量を生じ、5つの9.80pL液滴が長円形104内に描写されている。液滴のそれぞれは、標的領域104内の特異的な場所によって図に表されるが、実践では、液滴のそれぞれの場所は、同一であり得るか、または重複し得ることに留意されたい。ノズル(2)-(5)は、対照的に、10.01pL、9.89pL、9.96pL、および10.03pLのわずかに異なる別個の液滴量を生じる。各ノズルが相互排他的に標的領域104-108の中へ流体を堆積させる、プリントヘッドと基板との間の5回の通過により、この堆積は、5つの標的領域にわたって1.15pLの総堆積インク量変動をもたらすであろう。これは、多くの用途にとって受け入れ難くあり得る。例えば、いくつかの用途では、堆積した流体のわずか1パーセント(またはさらに少ない)の相違が問題を引き起こし得る。OLEDディスプレイ加工の場合、そのような変動は、完成したディスプレイで観察可能な画像アーチファクトを潜在的にもたらし得る。
【0005】
したがって、テレビおよび他の形態のディスプレイの製造業者は、結果として生じた製品が容認可能であると見なされるために、高度な精度、例えば、50.00pL±0.25pLで観察されなければならない、精密な量範囲を効果的に特定するであろう。この例示的な場合では、特定された公差は、50.00pLの標的の0.5パーセント以内でなければならないことに留意されたい。
図1Aによって表される各ノズルが、高解像度テレビ(「HDTV」)画面のそれぞれの水平線内の画素の中へ堆積させるものであった用途では、したがって、49.02pL~50.17pLの描写された変動が、(例えば、±0.5%変動という所望の最大公差の代わりに)約±1.2%を表すであろうため、受け入れ難い品質を生じ得た。ディスプレイ技術が実施例として引用されているが、ノズル・液滴の非一貫性問題は他の状況でも生じ得ることを理解されたい。
【0006】
図1Aでは、特定のノズルが特定の標的領域の中へ印刷するように、ノズルは、標的領域(例えば、ウェル)と特異的に整合させられる。
図1Bでは、ノズルが特別に整合させられないが、ノズル密度が標的領域密度に対して高い、代替的な事例151が示されており、そのような場合において、スキャンまたは通過中に特定の標的領域を偶然に横断する、いずれかのノズルが、これらの標的領域の中へ印刷するために使用され、潜在的に、いくつかのノズルが各通過で各標的領域を横断する。示される実施例では、プリントヘッド153は、5つのインクノズルを有することが分かり、基板は、ノズル(1)および(2)が標的領域154を横断し、ノズル(4)および(5)が標的領域155を横断し、ノズル(3)がいずれの標的領域も横断しないようにそれぞれ位置する、2つの標的領域154-155を有することが分かる。示されるように、各通過で、1滴または2滴の液滴が、描写されるように各ウェルの中へ堆積させられる。再度、重複する様式で、または各標的領域内の離散点で、液滴を堆積させることができ、
図1Bの特定の説明図は例証的にすぎず、
図1Aで提示される実施例と同様に、再度、標的領域154-155のそれぞれの中へ50ピコリットル(50.00pL)の流体を堆積させることが所望され、各ノズルは、約10.00pLの公称液滴量を有すると仮定されることに留意されたい。
図1Aの実施例に関連して観察されるものと同一のノズルあたりの液滴量変動を利用し、所与の通過で標的領域と重複する各ノズルが、合計5滴の液滴が送達されるまで、その標的領域の中へ液滴を送達するであろうことを仮定すると、標的領域が3回の通過で充填され、2つの標的領域にわたって50.00pLの標的から0.58pLの総堆積インク量変動、さらに特定公差外の相違があることが観察され、これは、再度、多くの用途にとって受け入れ難くあり得る。
【0007】
上記の実施例に関連して、液滴の非一貫性の問題は、液滴量が所与のノズルおよび所与の駆動波形に対してさえも統計的に変動し得るという問題によって、さらに悪化させられることに留意されたい。したがって、上記で議論される実施例では、
図1Aおよび1Bからのプリントヘッドのノズル(1)は、所与の駆動波形に応答して9.80pLの液滴量を生成するであろうが、実践で現実の場合では、液滴量は、実際の液滴量が正確に把握されない場合があるように、種々の要因、例えば、プロセス、電圧、温度、プリントヘッド年数、および他の多くの要因に応じて、若干変動すると仮定され得ることが仮定された。
【0008】
液滴の非一貫性の問題に対処するように技法が提案されているが、一般的に言えば、これらの技法は、所望の公差範囲内にとどまる充填量を依然として確実に提供しないか、または製造時間および費用を著しく増加させるかのいずれかであり、すなわち、それらは、低い消費者プライスポイントとともに高い品質を有するという目標と矛盾し、そのような品質および低いプライスポイントは、HDTV等の商品生産物が関係する用途に対して重要であり得る。
【0009】
したがって、必要とされるものは、ノズルを伴うプリントヘッドを使用して、基板の標的領域の中へ流体を堆積させることにおいて有用な技法である。より具体的には、必要とされるものは、理想的には、高速流体堆積動作を可能にし、したがって、デバイス加工の速度を向上させる、費用効率的な基準で、ノズル・液滴放出量の変動にもかかわらず、基板のそれぞれの標的領域中で堆積した流体量を正確に制御するための技法である。以下で説明される技法は、これらの必要性を満たし、さらなる関連利点を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、層材料を基板に移送するための印刷プロセス、高度な精度を伴う液滴測定のための技法、ならびに関連方法、改良、デバイス、およびシステムの使用に関する。
【0011】
上記で紹介されるノズル一貫性の問題は、所与のノズル発射波形に対するプリントヘッドのノズルあたりの液滴量(またはノズルにわたる液滴量の変動)を測定することによって対処することができる。これは、各標的領域中でインクの精密な総充填量を堆積させるように、プリントヘッド発射パターンおよび/または運動の計画を可能にする。どのようにして液滴量がノズルにわたって変動するかという理解により、液滴量の差異に適応するが、各通過またはスキャンにより隣接標的領域中で同時印刷を最適化する様式で、プリントヘッド/基板の位置オフセットおよび/または液滴発射パターンを計画することができる。異なる視点から見ると、液滴量のノズル間変動を正規化または平均化するよりもむしろ、各ノズルの特定の液滴量特性が測定され、基板の複数の標的領域のそれぞれに対する特定の範囲内総量を同時に達成するために、計画された様式で使用される。多くの実施形態では、この計画は、1つ以上の最適化基準に依存して、スキャンまたはプリントヘッド通過の数を削減するプロセスを使用して行われる。
【0012】
これらの結果を達成することに寄与する、いくつかの異なる実施形態が以下で提示されるであろう。各実施形態を孤立して使用することができ、また、任意の実施形態の特徴を、随意に、異なる実施形態の特徴と混合し、合致させることができると明示的に考慮される。
【0013】
一実施形態は、(例えば、何百から何千もの、またはそれを上回るノズルを有する)非常に大型のプリントヘッドアセンブリにわたって個別化液滴測定を提供する、システムおよび技法を提示する。堆積面下測定技法を使用して(すなわち、基板が通常は堆積のために位置付けられるであろう、相対距離を越えて、プリントヘッドの近傍から離れて光を再指向することによって)、例えば、(例えば、限定空間内の)大型プリントヘッドアセンブリを、随意に(例えば、プリンタサービスステーションに)駐留させることができ、液滴測定デバイスを大型プリントヘッドアセンブリに対して精密に関節動作させることができるように、最大3次元で関節動作させることができる光学アセンブリを使用して、光学部の位置付けと関連付けられるロジスティックの困難が解決される。堆積面下光学アセンブリの精密な配置は、限定空間にもかかわらず、ノズルプレートから必要距離を置いて、充詰ノズルアレイの液滴量測定を可能にする(プリントヘッドアセンブリは、典型的には、基板表面から約1ミリメートルで動作する)。1つの随意的な実施形態では、光学システムは、期待液滴量の統計的信頼度を増加させるために、特定のノズルから生じる液滴(および随意に、多様なノズル駆動波形)のシャドウグラフィおよび反復測定を採用する。別の随意的な実施形態では、光学システムは、期待液滴量の統計的信頼度を増加させるために、特定のノズルから生じる液滴(および随意に、多様なノズル駆動波形)の干渉法および反復測定を採用する。
【0014】
生産ラインでは、典型的には、生産性を最大限化するため、および製造費を最小限化するために、生産において可能な限り少ない休止時間を有することが所望されることに留意されたい。別の随意的な実施形態では、したがって、液滴測定時間は、他のラインプロセスの背後で「隠される」か、または「積み重ねられる」。例えば、随意的なフラットパネルディスプレイ加工生産ラインでは、各新しい基板が装填されるか、または別様に取り扱われ、処理され、あるいは移送されると、ノズルあたり(および/またはノズルあたり、駆動波形あたり)の液滴量の正確な統計的理解を促進するように、液滴測定を使用して、プリンタのプリントヘッドアセンブリが分析される。何万ものノズルを有するプリントヘッドアセンブリについては、反復液滴測定(例えば、ノズルにつき、複数の駆動波形が使用される場合は駆動波形につき、数十回の液滴測定)は、大幅な時間を要し得る。したがって、随意的なシステム制御プロセスおよび関連ソフトウェアが、随意に、動的な増分基準で液滴測定を行うことができる。例えば、仮想装填/非装填プロセスが、例えば、30秒を必要とし、各プリント印刷が90秒かかる場合、2分サイクルで装填/非装填プロセス中にプリントヘッドアセンブリを測定することができ、各2分サイクルと関連付けられる装填/非装填プロセス中に分析されるノズル/液滴のスライドウィンドウを使用して、ノズルあたりの液滴量平均および信頼区間を得るように、液滴測定を更新する。多くの他のプロセスが可能であり、連続的な動的プロセスが全ての実施形態に必要とされるわけではないことに留意されたい。しかしながら、実践では、所与のノズルおよび駆動波形に対する液滴量が、他のノズルおよび駆動波形に対して変動するであろうだけでなく、さらに、インク性質の微妙な変動、ノズル年数および劣化、ならびに他の要因により、典型的な値が経時的に変化するであろうと考えられる。したがって、例えば、数時間から数日毎に測定を周期的に更新するプロセスが、有利なことには、信頼性をさらに向上させることができる。
【0015】
さらに別の随意的な実施形態では、液滴測定システムは、非常に速い液滴測定を得るために干渉法および非撮像技法を使用し、例えば、マイクロ秒単位で液滴あたりの測定を行い、30分未満で何千ものノズルを伴うプリントヘッドアセンブリにわたって反復液滴測定を行う。(量測定を導出するために、カメラおよび捕捉画像画素処理技法を使用する)撮像技法とは対照的に、干渉技法は、複数の光センサを使用して、液滴形状を表す干渉パターン間隔を検出することによって、およびこの間隔を液滴量と相関させることによって、正確な液滴量測定を提供することができる。1つの実装では、レーザ源および/または関連光学部および/またはセンサが、堆積面下測定および大型プリントヘッドアセンブリに対する効果的な関節動作のために、機械的に搭載される。そのようなシステムを用いて取得可能である非常に高速の測定により、干渉技法は、このように動的な増分測定を行う実施形態で特に有用であり、そのような技法を用いると、各印刷サイクルで、各期待液滴量の周囲で高い統計的信頼度を達成するように、数十から数百のノズルに反復液滴測定(例えば、ノズルにつき30個の液滴の測定)を受けさせることができる。
【0016】
さらに別の随意的な実施形態では、多くの液滴測定が、ノズルにつき、および(多様なノズル駆動波形を使用する実施形態については)ノズル駆動波形につき行われる。測定の数が増加すると、(正規無作為分布を仮定すると)各ノズル・波形の組み合わせに対する平均および標準偏差が、より確固となる。ソフトウェアによって実装される数学的プロセスを使用して、各液滴の統計的モデルを作成し、標的領域あたりの複合インク充填の統計的モデルを発生させるように正確に組み合わせることができる。実施例を提供するために、多くの測定が各駆動波形に対する各ノズルについて行われる。液滴量の所与の単一の測定が、2パーセントの標準偏差で正確であることが期待される場合には、多くの測定を行うことによって、低減した分散または標準偏差で統計的に正確な平均が得られ、つまり、再度、正規無作為分布を仮定すると、標準偏差は、液滴量の4回の測定が標準偏差を半分だけ低減させるように等、σ/(n)1/2に従って測定の数nだけ減少させられる。したがって、一実施形態では、測定誤差を実質的に低減させることに役立つ、特異的に計画された反復測定を通して、期待液滴量の周囲ではるかに高い信頼区間を達成するためにソフトウェアが使用される。多くの異なる統計的尺度を使用することができるが、例えば、複合充填が±x%(例えば、標的充填の±0.5%)の範囲内に入ると期待される実施形態については、次いで、各ノズルについて、および各異なる駆動波形について、3σ(99.73%)信頼区間が平均液滴量の同一範囲(例えば±0.5%)内で期待液滴量の周囲で得られることを確実にするように、液滴測定を行うことができる。おそらく別様に記述すると、各異なる液滴について構築された正確な統計的モデルを用いて、(ノズル間および波形間液滴量変動にもかかわらず)標的領域あたりの総インク充填の周囲でより高度な精度を生じるように、関連統計的モデルの数学的組み合わせに基づいて液滴の組み合わせを計画するために、既知の技法を使用することができる。正規無作為分布が選択された実施形態に使用されるが、異なる液滴の組み合わせを表す総分布を得るように、個々の分布を(例えば、ソフトウェアによって)組み合わせることができる、任意の統計的モデルを使用することができる(例えば、ポアソン、スチューデントのT等)ことに留意されたい。また、いくつかの実施形態では、3σ(99.73%)尺度が使用されるが、他の考慮された実施形態では、4σ、5σ、または6σ、あるいは無作為分布と特異的に関連付けられない尺度等の他の種類の統計的尺度が使用されることに留意されたい。
【0017】
各ノズル・波形の組み合わせに対する液滴速度および飛行軌道のモデルを発生させるように、類似技法を適用できることに留意されたい。これらの変数はさらに、他の随意的な実施形態で適用することができる。
【0018】
標的領域中の総インク充填を正確に計画するように、つまり、ノズルあたりの液滴量変動に基づいて特定の複合量を計画する様式で、上記で説明される技法および実施形態の任意の順列またはサブセットを適用することができる。つまり、ノズルにわたる量の差異を平均しようとするよりもむしろ、これらの差異は、(例えば、異なるノズルから、または異なる駆動波形を使用して)異なる液滴を組み合わせて非常に精密なインク充填を得るために、理解され、印刷制御プロセスで特異的に使用される。
【0019】
1つの随意的な実施形態では、プリントヘッドおよび/または基板は、適宜、特異的に所望される液滴量を放出するために種々の通過で各標的領域に使用される1つまたは複数のノズルを変更するよう、可変量で「段階的」である。例えば、基板に対してプリントヘ
ッドまたはプリントヘッドアセンブリを選択的にオフセットすることによって、(例えば、9.95pLの平均液滴量を伴う)1つのノズルからの液滴を、(例えば、20.00pLの総複合量を得るように10.05pLの平均液滴量を伴う)第2のノズルからの液滴と組み合わせることができる。各標的領域が、所望の標的充填に合致する特定の総充填を受容するように、複数の通過が計画される。つまり、各標的領域(例えば、ディスプレイの画素化構成要素を形成するであろう、ウェルの行の中の各ウェル)は、基板に対するプリントヘッドの異なる幾何学的ステップを使用して、特定の公差範囲内の総量を達成するように、1つ以上の液滴量の計画された組み合わせを受容する。本実施形態のさらに詳細な特徴では、相互に対するノズルの位置関係を考慮すると、各標的領域中の量変動の許容量が仕様内で許可されるが、同時に、プリントヘッド/基板移動が、それぞれの標的堆積領域に対するノズルの平均同時使用を最大限化するよう計画されるように、パレート最適解法を計算して適用することができる。上記で議論される統計的技法は、複合(すなわち、多重液滴)インク充填の統計的モデルが任意の所望の公差範囲内に入ることを確実にするために使用することができる。1つの随意的な精緻化では、印刷がこれらの目的を達成するために必要とされるプリントヘッド/基板通過の数を削減し、さらに最小限化するように、機能が適用される。これらの種々の特徴を手短に熟考すると、基板上の材料の層の印刷を迅速かつ効率的に行うことができるため、加工費が大幅に削減される。
【0020】
典型的な用途では、インクを受容する標的領域を、行または列内で整列する、つまり、レイアウトすることができ、相対的プリントヘッド/基板運動によって表される帯状の場所は、(アレイの標的領域の)行の全ての一部の中であるが、1回の通過でアレイの全ての列を覆う様式でインクを堆積させるであろうことに留意されたい。また、行、列、およびプリントヘッドノズルの数は、極めて大きくあり得る、例えば、何百または何千もの行、列、および/またはプリントヘッドノズルを伴う。
【0021】
別の随意的な実施形態は、わずかに異なる様式で、ノズル一貫性の問題に対処する。既知の(かつ異なる)液滴量特性を伴う、複数の事前配列された代替的ノズル発射波形のセットが、各ノズルに利用可能にされ、例えば、選択可能なわずかに異なる液滴量の対応するセットを提供するように、4つ、8つ、または別の数の代替的波形のセットを、配線で接続するか、または別様に事前定義することができる。次いで、基板の各標的領域に対するノズル・波形の組み合わせのセットを判定することによって、複数の標的領域の同時堆積を計画するために、ノズルあたりの量のデータ(または差異データ)および任意の関連統計的モデルが使用される。再度、高い信頼度で特定の充填量を達成するために、各ノズル(この場合、各ノズル・波形の組み合わせ)および関連分布の特定の量特性、信頼区間等が依拠され、つまり、ノズルあたりの量変動を補正しようとするよりもむしろ、十分理解された統計的範囲内で特定の充填量を得るために、変動が組み合わせで特異的に使用される。典型的には、これらの目的を満たすために、基板の各標的領域中で所望の範囲に到達するように液滴を堆積させるために使用することができる、多数の代替的な組み合わせがあろうことに留意されたい。さらに詳細な実施形態では、ノズル波形の「一般的なセット」を、プリントヘッドのいくつか(またはさらに全ての)ノズルにわたって共有することができ、ノズルあたりの液滴量が貯蔵され、特定の充填を達成するように異なる液滴量を混合して合致させるために利用可能である。さらなるオプションとして、オフラインプロセス(例えば、上記で紹介される動的な増分測定プロセス)で異なる波形を選択するために、較正段階を使用することができ、特定のノズル発射波形のセットが、それぞれの特異的に所望される量特性のセットを達成するように、較正に基づいて選択される。再度、さらなる詳細な実施形態では、例えば、スキャンまたはプリントヘッド通過の数を最小限化することによって、同時ノズル使用を最大限化することによって、またはいくつかの他の基準を最適化することによって、印刷時間を向上させる方法で印刷を計画するように、最適化を行うことができる。
【0022】
さらに別の実施形態は、各プリントヘッドおよびそのノズルを相互に対してオフセットすることができる、プリントヘッドアセンブリ内の複数のプリントヘッド(または同等に、相互に対してそれぞれオフセットすることができるノズルの複数の行を有する、印刷構造)の使用に依拠する。そのような意図的なオフセットを使用して、ノズルあたりの量変動を、プリントヘッド(またはノズルの行)にわたって、各通過またはスキャンと知的に組み合わせることができる。再度、典型的には、基板の各標的領域中で所望の範囲に到達するように液滴を堆積させるために使用することができる、多数の代替的な組み合わせが生じ、詳細な実施形態では、例えば、スキャンまたはプリントヘッド通過の数を最小限化することによって、または同時ノズル使用を最大限化すること等によって、印刷時間を向上させる方法でオフセットの使用を計画するように、最適化が行われる。
【0023】
上記で説明される技法の1つの利益は、液滴量変動を受け入れるが、特定の所定の標的領域充填量を達成するようにそれらを組み合わせることによって、所望の充填公差範囲を満たす能力だけでなく、精密な量およびそのような量の意図的に制御された(または注入された)変動にも対する高度な制御を達成できることであることに留意されたい。ムラまたは観察可能なパターンを生じ得る堆積プロセスからの幾何学的パターンの存在は、本明細書で提示されるいくつかの技法を通して軽減することができる。つまり、低空間周波数での標的充填量のわずかな相違でさえも、人間の眼に可視的であり、したがって、望ましくない、非意図的な幾何学的アーチファクトを導入し得る。したがって、いくつかの実施形態では、依然として仕様内で、各標的領域の複合充填量または複合充填を達成するために使用される液滴の特定の組み合わせを意図的であるが、無作為に変動させることが所望される。49.75pL~50.25pLの例示的公差を使用して、単純に、全ての標的領域充填が、この公差範囲内の値にあることを恣意的に確実にすることよりもむしろ、例えば、変動または差異の任意のパターンが、完成した動作するディスプレイにおいてパターンとして人間の眼に観察可能ではないように、そのような用途が、この範囲内で意図的な変動を導入することが所望され得る。カラーディスプレイに適用されると、1つの例示的実施形態は、(a)(例えば、標的領域の行の方向に沿った)x次元、(b)(例えば、標的領域の列の方向に沿った)y次元、および/または(c)1つ以上の色次元にわたって(例えば、赤対青、青対緑、赤対緑の標的領域について独立して)のうちの少なくとも1つについて統計的に独立した様式で、そのような充填量変動を意図的に追加する。一実施形態では、変動は、これらの次元のそれぞれにわたって統計的に独立している。そのような変動は、任意の充填量変動を人間の眼に認識できなくし、したがって、そのようなディスプレイの高い画質に寄与すると考えられる。スキャン経路における「幾何学的ステップ」またはオフセットの反復可能なセットを通して生成される、異なるノズルからの液滴の計画された組み合わせを使用する、実施形態については、(すなわち、各ノズルに対する複数の代替的な発射波形の使用を通して生成される)各ノズルに対する微妙であるが意図的な液滴量変動の使用が、スキャン経路を変動させる必要なく、ムラの可能性を抑制するための強力な技法を提供することに留意されたい。1つの考慮された実施形態では、例えば、各ノズルは、理想的な量の±10.0%以内でそれぞれの平均量を生成する、代替的な波形のセットを割り当てられる。次いで、液滴パターンの注入された変動の使用を通して(異なるノズル・波形対合からの液滴量の計画された組み合わせを通して、または特定の充填を達成するためのノズル・液滴の組み合わせの選択/計画後に注入される波形変動を通してのいずれかで)抑制されるムラを伴って、精密な平均に従って(すなわち、精密な意図された充填を達成するように)異なるノズルからの液滴の組み合わせを計画することができる。他の実施形態では、全ての同一の趣旨で、総充填を生成するように、意図的に異なる複合液滴量を各標的領域のために事前に配列することができ、または異なるノズル・液滴の組み合わせをスキャン経路に沿って適用することができ、あるいは非線形スキャン経路を使用することができる。他の変形例も可能である。
【0024】
また、従来の液滴測定技法が、何時間または何時間もかかり、したがって、長い測定サ
イクル中の液滴特性の起こり得る変動による印刷プロセスの誤差につながり得る一方で、干渉技法等の高速技法および関連構造(上記で紹介される)の使用は、ノズル間および液滴量間変動のより最新であり、したがって、より正確な動的理解を促進し、高い信頼度で以前に説明されたような計画された組み合わせの使用を可能にする。例えば、従来の液滴測定技法は、行うのに何時間もかかり得るが、非撮像技法(干渉法等)の使用を通して、液滴測定を継続的に最新に保ち、したがって、プロセス、電圧および温度(PVT変動)、プリントヘッドノズル劣化、インク交換、および測定の精度に影響を及ぼし得る他の動的プロセスを正確に追跡させることができる。例えば、前述のような基板装填および非装填時間において増分液滴測定を隠す、ローリング測定プロセスの使用を通して、液滴測定をほぼ連続的に(例えば、各ノズルについて3~4時間未満毎に)再び行って更新し、したがって、以前に説明されたように複合充填計画を可能にする、正確なモデルを提示させることができると期待される。一実施形態では、全ノズルまたはノズル・波形対合によって生成される液滴が、周期的に、例えば、2時間~24時間期間毎に1回、好ましくは、2時間等のより短い時間間隔で、(例えば、最初から)再測定される。ローリングプロセスは、全ての実施形態に必要とされるわけではなく、すなわち、一実施形態では、その間に印刷が中断される、専用較正プロセス中に、全てのノズルについて測定を行う(または再び行う)ことができることに留意されたい。一実施例を提供するために、1つの可能な実施形態では、各反復で、全てのノズル・波形の組み合わせが処理されるまで、24,000個のノズル・波形の組み合わせの異なるローリングサブセットを検査し、次いで、循環基準でプロセスを繰り返すように戻る、連続的な事柄として、各90秒の印刷サイクルに対する基板装填および非装填段階中に15秒にわたって、6,000個のノズルおよび24,000個のノズル・波形の組み合わせを有する、プリントヘッドアセンブリを測定することができる。代替として、専用較正プロセスを(例えば、3時間毎に)使用する実施形態では、アクティブ印刷に戻る前に、全てのノズル・波形の組み合わせに対する統計的モデルを発生させるように、そのようなプリントヘッドアセンブリをある期間(例えば、30分)にわたって駐留させることができる。
【0025】
再度、上記で紹介される随意的な技法および実施形態のそれぞれは、相互に随意的と見なされるものであり、逆に、種々の実施形態では、任意の可能な順列または組み合わせで、そのような技法を随意に組み合わせることができると考慮されることに留意されたい。実施例として、特定のノズル・波形の組み合わせが異常な液滴「平均」を生じるという判定に基づいて、または特定のノズル・波形の組み合わせが閾値を超える液滴の統計的拡散を生じるという判定に基づいて、所与のノズル・波形の組み合わせに対する「誤った」液滴を不適格と見なすために、ノズル/駆動波形あたりの液滴速度および/または飛行角度の測定を使用することができる。別の非限定的実施例を提供するために、断続的な間隔で、すなわち、プリントヘッドアセンブリが基板の装填および/または非装填中に「駐留させられる」と、ノズル・波形の組み合わせの種々のウィンドウでそのような測定を漸増的かつ動的に行うことによって、速度および/または飛行角度挙動を動的に更新するために、干渉法または他の非撮像技法を使用することができる。明確に、上記で紹介される順列に基づいて、多くの組み合わせおよび順列が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A】
図1Aは、5つの特定の標的領域のぞれぞれの中で50.00pLの標的充填を堆積させるために、5つのノズルを伴うプリントヘッドが使用される、基板の標的領域中でインクを堆積させることの仮想問題を提示する、略図である。
【
図1B】
図1Bは、2つの特定の標的領域のそれぞれの中で50.00pLの標的充填を堆積させるために、5つのノズルを伴うプリントヘッドが使用される、基板の標的領域中でインクを堆積させることの仮想問題を提示する、別の略図である。
【
図2A】
図2Aは、大型プリントヘッドアセンブリの各ノズルに対する液滴量を測定することが可能な液滴測定システムを示す、例証的略図である。
【
図2B】
図2Bは、各ノズルに対する液滴量の測定と関連付けられる種々のプロセスおよびオプションを示す、方法の略図である。
【
図2C】
図2Cは、期待液滴量の高信頼理解を達成するための各ノズルに対する液滴量の測定と関連付けられる種々のプロセスのオプションを示す、方法の略図である。
【
図2D】
図2Dは、液滴測定を行うために一実施形態で使用される種々の構成要素のレイアウトを示す、概略図である。
【
図2E】
図2Eは、液滴測定を行うために別の実施形態で使用される種々の構成要素のレイアウトを示す、概略図である。
【
図3A】
図3Aは、以前に紹介された技法をそれぞれ独立して具現化することができる、一連の随意的な段階、製品、またはサービスを示す、例証的な図を提供する。
【
図3B】
図3Bは、基板が画素を有する表示パネルを最終的に形成するものである用途において、プリンタおよび基板の仮想配列を示す例示的略図である。
【
図4A】
図4Aは、
図1Aに類似する略図であるが、所定の公差範囲内で各標的領域に対するインク充填量を確実に生成するための液滴量の組み合わせの使用を図示する。1つの随意的な実施形態では、異なる液滴量の組み合わせが、所定のノズル発射波形のセットから生成され、別の随意的な実施形態では、異なる液滴量の組み合わせが、プリントヘッドと基板との間の相対運動(405)を使用して、プリントヘッドのそれぞれのノズルから生成される。
【
図4B】
図4Bは、相対的プリントヘッド/基板運動、および基板のそれぞれの標的領域の中への異なる液滴量の組み合わせの放出を図示するために使用される略図である。
【
図4C】
図4Cは、基板のそれぞれの標的領域の中への異なる液滴量の組み合わせを生成するための各ノズルでの異なるノズル駆動波形の使用を図示するために使用される略図である。
【
図4D】
図4Dは、
図1Bに類似する略図であるが、所定の公差範囲内で各標的領域に対するインク充填量を確実に生成するための液滴量の組み合わせの使用を図示する。1つの随意的な実施形態では、異なる液滴量の組み合わせが、所定のノズル発射波形のセットから生成され、別の随意的な実施形態では、異なる液滴量の組み合わせが、プリントヘッドと基板との間の相対運動(472)を使用して、プリントヘッドのそれぞれのノズルから生成される。
【
図5】
図5は、基板の各標的領域に対する液滴の組み合わせを計画する方法を示すブロック図を提供し、この方法は、
図4A-Dによって紹介される随意的な実施形態のうちのいずれかに適用することができる。
【
図6A】
図6Aは、例えば、以前に紹介された実施形態のうちのいずれかを用いて使用可能である、基板の各標的領域に対する許容液滴組み合わせの特定のセットを選択するためのブロック図を提供する。
【
図6B】
図6Bは、プリントヘッド/基板運動を反復して計画し、各印刷領域に対する液滴の組み合わせに基づいてノズルを使用するためのブロック図を提供する。
【
図6C】
図6Cは、具体的には、可能な限り効率的に印刷を行うことができる様式でスキャンを順序付けるように、プリントヘッド/基板運動のさらなる最適化およびノズルの使用を図示する、ブロック図を提供する。
【
図6D】
図6Dは、複数のフラットパネル表示デバイス(例えば、683)を最終的に生産するであろう、基板の仮想平面図である。領域687によって表されるように、プリントヘッド/基板運動は、単一のフラットパネル表示デバイスの特定の領域のために最適化することができ、最適化は、各表示デバイス(4つの描写されたフラットパネル表示デバイス等)にわたって反復可能または周期的に使用される。
【
図7】
図7は、表示デバイスにおける視覚アーチファクトを低減させるために、許容公差内で充填量を意図的に変動させるためのブロック図を提供する。
【
図8A】
図8Aは、ノズルあたりおよび駆動波形あたりの液滴量の統計的変動に適応し、その上、所与の標的領域内で精密な総インク充填を可能にするために、どのようにして液滴測定を使用することができるかを示す、ブロック図を提供する。
【
図8B】
図8Bは、ノズルあたりおよび駆動波形あたりの液滴量の統計的変動に適応し、その上、所与の標的領域内で精密な総インク充填を可能にするよう、どのようにして液滴測定を計画することができるかを示す、ブロック図を提供する。
【
図9A】
図9Aは、プリントヘッドのノズル間液滴量変動の調整を伴わない、標的領域充填量の変動を示すグラフを提供する。
【
図9B】
図9Bは、プリントヘッドのノズル間液滴量変動を統計的に補償するために、異なるノズルが無作為に使用される、標的領域充填量の変動を示すグラフを提供する。
【
図9C】
図9Cは、計画された基準で精密な公差内の標的領域充填量を達成するために、異なる量の1つ以上の液滴が使用される、標的領域充填量の変動を示すグラフを提供する。
【
図10A】
図10Aは、プリントヘッドのノズル間液滴量変動の調整を伴わない、標的領域充填量の変動を示すグラフを提供する。
【
図10B】
図10Bは、プリントヘッドのノズル間液滴量変動を統計的に補償するために、異なるノズルが無作為に使用される、標的領域充填量の変動を示すグラフを提供する。
【
図10C】
図10Cは、計画された基準で精密な公差内の標的領域充填量を達成するために、異なる量の1つ以上の液滴が使用される、標的領域充填量の変動を示すグラフを提供する。
【
図11】
図11は、加工装置の一部として使用されるプリンタの平面図を示す。プリンタは、制御された雰囲気中で印刷が起こることを可能にする、ガスエンクロージャ内にあり得る。
【
図12】
図12は、プリンタのブロック図を提供する。そのようなプリンタは、随意に、例えば、
図11で描写される加工装置で採用することができる。
【
図13A】
図13Aは、基板上でインクを堆積させるために、(それぞれノズルを伴う)複数のプリントヘッドが使用される、実施形態を示す。
【
図13B】
図13Bは、それぞれのプリントヘッドのノズルを基板とより良好に整合させるための複数のプリントヘッドの回転を示す。
【
図13C】
図13Cは、特定の液滴量の組み合わせを意図的に生成するためのインテリジェントスキャンと関連する複数のプリントヘッドのうちの個々のプリントヘッドのオフセットを示す。
【
図13D】
図13Dは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイで使用することができる層を含む、基板の断面図を示す。
【
図14A】
図14Aは、ノズル発射波形をカスタマイズするか、または変動させる、いくつかの異なる方法を示す。
【
図15A】
図15Aは、所定のノズル発射波形の異なる組み合わせを使用して、異なる液滴量の組み合わせを達成することができる、実施形態を示す。
【
図15B】
図15Bは、プログラムされた波形を生成し、プログラムされた時間(または位置)でプリントヘッドのノズルに適用することと関連付けられる回路を示す。この回路は、例えば、
図15Aからの回路1523/1531、1524/1532、および1525/1533のそれぞれの1つの可能な実装を提供する。
【
図15C】
図15Cは、異なるノズル発射波形を使用する一実施形態のフロー図を示す。
【
図15D】
図15Dは、ノズルまたはノズル・波形適格性と関連付けられるフロー図を示す。
【
図18A】
図18Aは、シャドウグラフィベースの液滴測定システムの実施形態における構成要素のレイアウトを示す、概略図を提示する。
【
図18B】
図18Bは、干渉法ベースの液滴測定システムの実施形態における構成要素のレイアウトを示す、概略図を提示する。
【
図19】
図19は、随意にOLEDデバイス加工に使用される、液滴測定システムを工業用プリンタと統合する1つの例示的なプロセスと関連付けられるフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
列挙された請求項によって定義される主題は、添付図面と併せて熟読されるべきである、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、より深く理解され得る。請求項によって記載される技術の種々の実装を構築して使用することを可能にするように以下で立案される、1つ以上の特定の実施形態の本説明は、列挙された請求項を限定することを目的としておらず、それらの用途を例示することを目的としている。前述の内容を限定することなく、本開示は、所定の許容内で堆積したインク量を維持するよう、プリントヘッド移動を計画する一方で、プリントヘッド通過の数(したがって、堆積層を完成させるために必要とされる時間)を過剰に増加させないことによって、材料層を加工するために使用される技法のいくつかの異なる実施例を提供する。これらの技法に関連して、任意の標的領域中で複合インク充填を正確に計画するよう、正確な液滴測定を行うことができ、測定は、生産印刷と高度に統合される。種々の技法は、これらの技法を行うためのソフトウェアとして、そのようなソフトウェアを実行するコンピュータ、プリンタ、または他のデバイスの形態で、材料層を形成するための制御データ(例えば、印刷イメージ)の形態で、堆積機構として、またはこれらの技法の結果として加工される電子あるいは他のデバイス(例えば、フラットパネルデバイスまたは他の消費者最終製品)の形態で具現化することができる。具体的実施例が提示されているが、本明細書で説明される原理は、他の方法、デバイス、およびシステムにも適用され得る。
【0028】
(詳細な説明)
実施例は、標的領域あたりの充填量の知的計画に関する、いくつかの概念を紹介することに役立つであろう。基板の各標的領域に対する可能なノズル・液滴量セットを判定することによって、複数の標的領域の同時堆積を計画するために、所与のノズル発射波形に対するノズルあたりの量のデータ(または差異データ)を使用することができる。典型的には、仕様を満たす狭い公差範囲内の所望の充填量まで、各標的領域を充填するように、複数の通過でインク液滴を堆積させることができる、ノズルおよび/または駆動波形の多数の可能な組み合わせがあろう。
図1Aを使用して紹介される仮説に手短に戻ると、仕様に従った許容充填量が49.75pL~50.25pL(すなわち、標的の0.5%の範囲内)である場合、限定ではないが、(a)合計50.05pLのためにノズル2(10.01pL)の5回の通過、(b)合計49.92pLのためにノズル1(9.80pL)の1回の通過およびノズル5(10.03pL)の4回の通過、(c)合計50.01pLのためにノズル3(9.89pL)の1回の通過およびノズル5(10.03pL)の4回の通過、(d)合計49.80pLのためにノズル3(9.89pL)の1回の通過、ノズル4(9.96pL)の3回の通過、およびノズル5(10.03pL)の1回の通過、ならびに(e)合計49.99pLのためにノズル2(10.01pL)の1回の通過、ノズル4(9.96pL)の2回の通過、およびノズル5(10.03pL)の2回の通過を含む、ノズル/通過の多くの異なるセットを使用して、許容充填量を達成することもできる。他の組み合わせもまた、明確に可能である。上記で紹介される液滴測定技法は、単一の液滴測定と関連付けられる、比較的大きい統計的公差(例えば、量の±2%)にもかかわらず、これらの期待(例えば、平均)液滴量を得るために使用することができる。したがって、たとえノズル駆動波形の1つだけの選択が各ノズル(または全てのノズル)に利用可能であったとしても、(例えば、異なる標的領域中で)液滴を堆積させるように、各スキャン中に可能な限り多くのノズルを適用するが、特異的に意図された様式で各標的領域に対する堆積液滴を組み合わせる、一連の計画されたオフセットまたは「幾
何学的ステップ」で基板に対してプリントヘッドをオフセットするために、上記で紹介される第1の実施形態を使用することができる。つまり、この仮定でのノズル・液滴量の多くの組み合わせは、仕様公差に一致する統計的分散の十分理解された範囲内で所望の充填量を達成するために使用することができ、具体的実施形態は、それぞれのノズルを使用して、標的領域の異なる行および/または列の同時充填を促進するよう、スキャン運動および/またはノズル駆動波形のその選択を通して、各標的領域に対する許容液滴組み合わせのうちの特定の1つ(すなわち、各領域に対する特定のセット)を効果的に選択する。印刷が起こる時間を最小限化する方法で、相対的プリントヘッド/基板運動のパターンを選択することによって、この第1の実施形態は、実質的に増進した製造スループットを提供する。この増進は、随意に、プリントヘッド/基板スキャンまたは「通過」の数を最小限化する形態で、相対的プリントヘッド/基板移動の未加工距離を最小限化する様式で、または全体的な印刷時間を別様に最小限化する様式で、具現化できることに留意されたい。すなわち、プリントヘッド/基板移動(例えば、スキャン)は、事前に計画し、最小限のプリントヘッド/基板通過またはスキャン、1つまたは複数の定義された次元での最小限のプリントヘッドおよび/または基板移動、最小限の時間量での印刷、あるいは他の基準等の事前定義された基準を満たす様式で、標的領域を充填するために使用することができる。
【0029】
同一のアプローチは全て、ノズルがそれぞれの標的領域と特別に整合させられない、
図1Bの仮説に同等に適用される。再度、仕様に従った許容充填量が49.75pL~50.25pL(すなわち、標的の両側の0.5%の範囲内)である場合、限定ではないが、
図1Aについて上記に記載される実施例の全て、ならびに2つの隣接ノズルが特定の標的領域を充填するために1回の通過で使用される、
図1Bの仮説に特有の付加的な実施例、例えば、合計49.99pLのためのノズル(4)(9.96pL)およびノズル(5)(10.03pL)の2回の通過、ならびにノズル(2)(10.01pL)の1回の通過を含む、多くの異なるセットのノズル/通過で、許容充填量を達成することもできる。再度、各そのような量は、多くの液滴測定に基づいて統計的平均と同等と見なすことができる。例えば、本実施例でのノズル(4)、(5)、および(2)が、記載された平均および記載された平均の0.5%以下の3σ値を特色とする、統計的モデルと関連付けられた場合、総充填もまた、概して、高度な統計的精度で特定公差を満たして、49.99pLの±0.5%に等しいまたはそれ未満の3σ値を有するであろう。高解像度OLEDディスプレイ(すなわち、何百万もの画素を伴う)について、充填公差に密接に合致する3σ(99.73%)値は、不十分である場合があり、例えば、これは、潜在的に何千もの画素が依然として所望の公差外にあり得ることを統計的に示し、この理由により、多くの実施形態では、より大きい拡散尺度(例えば、6σ)が、複合充填公差に合致させられ、高解像度ディスプレイの事実上あらゆる画素が製造業者の仕様に一致することを効果的に保証することに留意されたい。
【0030】
これらの同一の原理はまた、ノズルにつき複数駆動波形の実施形態にも適用される。例えば、
図1Aによって提示される仮説では、異なる発射波形に対する異なるノズルの結果として生じる量特性が、以下の表1Aによって説明されるように、発射波形A-Eとして識別される、5つの異なる発射波形によって、ノズルのそれぞれを駆動することができる。唯一の標的領域104および唯一のノズル(1)を考慮すると、例えば、全てスキャン経路のいかなるオフセットも伴わずに、(ノズル(1)から9.96pL液滴を生成するように)事前定義された発射波形Dを使用する第1のプリントヘッド通過を用いて、および(ノズル(1)から10.01pL液滴を生成するように)事前定義された発射波形Eを使用する4回の後続の通過を用いて、5回の通過で50.00pL標的を堆積させることが可能であろう。同様に、スキャン経路のいかなるオフセットも伴わずに、各ノズルが標的値に近い量を標的領域のそれぞれの中で生成するために、発射波形の異なる組み合わせを各通過で同時に使用することができる。
【表1A】
【0031】
これらの同一の原理は全て、
図1Bの仮説に同等に適用される。例えば、唯一の標的領域154ならびにノズル(1)および(2)(すなわち、スキャン中に標的領域154に重複する2つのノズル)を考慮すると、例えば、(9.70pLの液滴量のための)ノズル(1)および事前定義された波形B、ならびに(10.10pLの液滴量のための)ノズル(2)および事前定義された波形Cを使用する、第1のプリントヘッド通過、(10.01pLの液滴量のための)ノズル(1)および事前定義された波形E、ならびに(10.18pLの液滴量のための)ノズル(2)および事前定義された波形Dを使用する、第2のプリントヘッド通過、および(10.01pLの液滴量のための)ノズル(1)および事前定義された波形Eを使用する第3のプリントヘッド通過を用いて、3回の通過で50.00pLを達成することが可能である。
【0032】
図1Aの仮説および
図1Bの仮説の両方では、1回の通過で、標的領域の単一の行の中で各標的量を堆積させることが可能であることに留意されたい。例えば、プリントヘッドを90度回転させて、例えば、ノズル(1)に波形(E)、ノズル(2)、(4)、および(5)に波形(A)、ならびにノズル(3)に波形(C)(10.01pL+10.01pL+9.99pL+9.96pL+10.03pL=50.00pL)を使用して、1行内の各標的領域に対して各ノズルから単一の液滴を用いて正確に50.00pLを堆積させることが可能であろう。また、プリントヘッドを回転させることなく、1回の通過で標的量を達成するために必要な液滴の全てを堆積させることも可能であり得る。例えば、ノズル(1)は、単一の通過で、波形Dを用いて1滴の液滴および波形Eから4滴の液滴を領域104の中へ分注することが可能であり得る。
【0033】
これらの同一の原理はまた、上記で紹介されるプリントヘッドオフセット実施形態にも適用される。例えば、
図1Aによって提示される仮説については、量特性が、第1のプリントヘッド(例えば、「プリントヘッドA」)のためのノズルを反映することができ、この第1のプリントヘッドは、それぞれ、単一の発射波形によって駆動され、それぞれのノズルあたりの液滴量特性を有する、4つの付加的なプリントヘッド(例えば、プリントヘッド「B」-「E」)とともに統合されている。プリントヘッドは、スキャン通過を実行する際に、プリントヘッドのためのノズル(1)として識別されるノズルのそれぞれが、標的領域(例えば、
図1Aからの標的領域104)の中へ印刷するように整合させられ、種々のプリントヘッドからのノズル(2)として識別されるノズルのそれぞれが、第2の標的領域(例えば、
図1Aからの標的領域105)の中へ印刷するように整合させられる等であり、異なるプリントヘッドのための異なるノズルの量特性が、以下の表1Bによって説明されるように、集合的に組織化される。随意に、それぞれのプリントヘッドは、例えば、スキャンの間の間隔を調整するモータを使用して、相互からオフセットすることができる。唯一の標的領域104および各プリントヘッド上のノズル(1)を考慮すると、例えば、プリントヘッドDおよびプリントヘッドEの両方が液滴を標的領域の中へ発射する第1のプリントヘッド通過、およびプリントヘッドEのみが液滴を標的領域の中へ発射する3回の後続の通過を用いて、4回の通過で50.00pLを堆積させることが可能であろう。例えば、49.75pL~50.25pLの範囲内で、50.00pL標的に近
い量を標的領域中で依然として生成することができる、さらに少ない通過を使用して、他の組み合わせが可能である。再度、唯一の標的領域104および各プリントヘッド上のノズル(1)を考慮すると、例えば、プリントヘッドC、D、およびEが全て、液滴を標的領域の中へ発射する第1のプリントヘッド通過、ならびにプリントヘッドDおよびEが両方とも、液滴を標的領域の中へ発射する第2のプリントヘッド通過を用いて、2回の通過で49.83pLを堆積させることが可能であろう。同様に、スキャン経路のいかなるオフセットも伴わずに、標的値に近い量を標的領域のそれぞれの中で生成するために、異なるプリントヘッドからのノズルの異なる組み合わせを各通過で同時に使用することができる。したがって、このようにして複数の通過を使用することは、異なる標的領域中で(すなわち、例えば、画素の異なる行内で)液滴を同時に堆積させることが所望される、実施形態に対して有利であろう。再度、ノズルあたりおよび/または駆動波形あたりの液滴量ならびに関連平均と関連付けられる所望の統計的特性を得るように計算される様式で、液滴測定を計画することによって、統計的精度を確保することができる。
【表1B】
【0034】
同一のアプローチの全ては、
図1Bの仮説に同等に適用される。再度、唯一の標的領域154、および各プリントヘッド上のノズル(1)および(2)(すなわち、スキャン中に標的領域154と重複するノズル)を考慮すると、例えば、プリントヘッドCおよびEがノズル(1)を発射し、プリントヘッドBおよびCがノズル(2)を発射する第1のプリントヘッド通過、およびプリントヘッドCがノズル(2)を発射する第2のプリントヘッド通過を用いて、2回の通過で50.00pLを堆積させることが可能である。また、例えば、プリントヘッドC、D、およびEがノズル(1)を発射し、プリントヘッドBおよびEがノズル(2)を発射する、プリントヘッド通過を用いて、1回の通過で49.99pL(明確には、高い統計的精度で49.75pL~50.25pLの例示的標的範囲内)を堆積させることも可能である。
【0035】
また、随意に、スキャン経路オフセットと組み合わせられて、代替的なノズル発射波形の使用が、所与のプリントヘッドについて達成することができる液滴量の組み合わせの数を著しく増加させ、これらのオプションは、上記で説明されるように、複数のプリントヘッド(または同等にノズルの複数の行)によってさらに増加させられることも明白なはずである。例えば、上記の
図1の議論によって伝えられる仮想実施例では、それぞれの固有の放出特性(例えば、液滴量)および8つの代替的な波形との5つのノズルの組み合わせが、文字通り何千もの異なるセットの可能な液滴量の組み合わせを提供し得る。ノズル・波形の組み合わせのセットを最適化し、各標的領域に対する(またはアレイ内の印刷ウェルの各行に対する)ノズル・波形の組み合わせの特定のセットを選択することにより、所望の基準に従って印刷のさらなる最適化を可能にする。複数のプリントヘッド(またはプリントヘッドノズルの行)を使用する実施形態では、これらのプリントヘッド/行を選択的にオフセットする能力もまた、プリントヘッド/基板スキャンにつき適用することができる組み合わせの数をさらに増進する。再度、これらの実施形態について、特定充填量を達成するために、代替として、(1つ以上の)ノズル・波形の組み合わせの複数のセットを使用できることを考慮すると、本実施形態は、各標的領域に対する「許容」セットのうちの特定のセットを選択し、標的領域にわたる特定のセットのこの選択は、概して、複数
のノズルを使用する複数の標的領域の同時印刷に対応する。つまり、印刷が起こる時間を最小限化するようにパラメータを変動させることによって、これらの実施形態はそれぞれ、製造スループットを増進し、必要なプリントヘッド/基板スキャンまたは「通過」の数、特定の次元に沿った相対的プリントヘッド/基板移動の未加工距離、またはある他の基準を満たすことに役立つものを最小限化することを促進する。
【0036】
多くの他のプロセスを、上記で紹介される種々の技法とともに使用するか、または組み合わせることができる。例えば、ノズルあたりの液滴量の変動を低減させるように、ノズル毎にノズル駆動波形を「調節」することが可能である(例えば、駆動電圧、上昇または下降傾斜、パルス幅、減衰時間、液滴につき使用されるパルスの数およびそれぞれのレベル等を変更することによる、駆動パルスの成形)。
【0037】
本書で議論される、ある用途は、離散流体容器または「ウェル」の中の充填量を参照するが、基板の他の構造に対して(例えば、トランジスタ、経路、ダイオード、および他の電子構成要素に対して等)大きい地形を有する「ブランケットコーティング」を堆積させるために、記述された技法を使用することも可能である。そのような状況では、(例えば、永久デバイス層を形成するように原位置で硬化、乾燥、または硬質化させられるであろう)層材料を担持する流体インクは、ある程度拡散するであろうが、(インク粘度および他の要因を考慮して)基板の他の標的堆積領域に対して特定の特性を依然として保持するであろう。この状況では、例えば、各標的領域に対するインク充填量の特異的な局所的制御を用いて、カプセル化または他の層等のブランケット層を堆積させるために、本明細書の技法を使用することが可能である。本明細書で議論される技法は、具体的に提示された用途または実施形態によって限定されない。
【0038】
上記で紹介される技法からの他の変形例、利点、および用途が、当業者に容易に明白となるであろう。すなわち、これらの技法は、多くの異なる分野に適用することができ、表示デバイスまたは画素化デバイスの加工に限定されない。本明細書で使用されるような印刷「ウェル」とは、堆積したインクを受容するものである基板の任意の容器を指し、したがって、そのインクの流動を含有するように適合される化学または構造特性を有する。以下のOLED印刷について例示されるように、これは、それぞれの流体容器がそれぞれの量のインクおよび/またはそれぞれの種類のインクをそれぞれ受容するものである、状況を含むことができ、例えば、異なる色の発光材料を堆積させるために記述された技法が使用される、ディスプレイ用途では、それぞれのプリントヘッドおよびそれぞれのインクを使用して、連続印刷プロセスを各色について行うことができ、この場合、各プロセスは、(例えば、全ての「青」色成分のために)アレイ内の「2つおきのウェル」、または同等に(他の色成分のために重複アレイとともにウェルを散在させる)第3のアレイ内の全てのウェルを堆積させることができる。各印刷ウェルは、1つの可能な種類の標的領域の実施例である。他の変形例も可能である。また、いかなる絶対方向も示唆することなく、「行」および「列」が本開示で使用されることに留意されたい。例えば、印刷ウェルの「行」は、基板の長さまたは幅に、あるいは別の様式で(線形または非線形)延在することができ、一般的に言えば、「行」および「列」は、少なくとも1つの独立次元をそれぞれ表す方向を指すために本明細書で使用されるであろうが、これは全ての実施形態に当てはまる必要はない。また、現代のプリンタは、複数の次元を伴う相対的基板/プリントヘッド運動を使用することができるため、相対移動は、経路または速度が線形である必要はなく、すなわち、プリントヘッド/基板相対運動は、真っ直ぐな経路または連続経路にさえも、あるいは一定の速度に従う必要がないことに留意されたい。したがって、基板に対するプリントヘッドの「通過」または「スキャン」とは、単純に、相対的プリントヘッド/基板運動を伴う、複数の標的領域にわたって複数のノズルを使用して液滴を堆積させることの反復を指す。しかしながら、OLED印刷プロセスについて以下で説明される多くの実施形態では、各通過またはスキャンは、実質的に連続的な線形運動であり得、各続く通過またはスキャンは、相互に対する幾何学的ステップによってオフセットされ、次の通過またはスキャンと平行である。このオフセットまたは幾何学的ステップは、通過またはスキャン開始位置、平均位置、終了位置、またはある他の種類の位置オフセットの差異であり得、必ずしも平行スキャン経路を示唆するわけではない。また、本明細書で議論される種々の実施形態は、異なる標的領域(例えば、標的領域の異なる行)中で堆積させるための異なるノズルの「同時」使用について話し、この「同時」という用語は、同時液滴放出を必要としないが、むしろ、任意のスキャンまたは通過中に、相互排他的にインクをそれぞれの標的領域の中へ発射するために、異なるノズルまたはノズル群を使用することができるという概念を指すにすぎないことも留意されたい。例えば、流体ウェルの第1の行の中で第1の液滴を堆積させるように、1つ以上のノズルの第1のグループを所与のスキャン中に発射することができる一方で、流体ウェルの第2の行の中へ第2の液滴を堆積させるように、1つ以上のノズルの第2のグループをこの同一のスキャン中に発射することができる。「プリントヘッド」という用語は、基板に向かってインクを印刷する(放出する)ために使用される、1つ以上のノズルを有する、一体またはモジュール式デバイスを指す。「プリントヘッドアセンブリ」とは、対照的に、基板に対する一般的な位置付けのためにグループとして1つ以上のプリントヘッドを支持する、アセンブリまたはモジュール式要素を指す。したがって、プリントヘッドアセンブリは、いくつかの実施形態では、単一のプリントヘッドのみを含むことができる一方で、他の実施形態では、そのようなアセンブリは、6つ以上のプリントヘッドを含む。いくつかの実装では、個々のプリントヘッドを、そのようなアセンブリ内で相互に対してオフセットすることができる。大規模製造プロセス(例えば、テレビのフラットパネルディスプレイ)に使用される典型的な実施形態では、プリントヘッドアセンブリは、極めて大型であり得、何千もの印刷ノズルを包含し、実装に応じて、そのようなアセンブリは、大型であり得、本明細書で議論される液滴測定機構は、液滴あたりの測定を得るように、そのようなアセンブリの周囲で関節動作するように設計されることに留意されたい。例えば、6個のプリントヘッドおよび約10,000個またはそれを上回る印刷ノズルを有する、プリントヘッドアセンブリを用いると、プリントヘッドアセンブリは、液滴測定を含む種々の支持動作のために、(印刷)軸外サービスステーション内で、プリンタ内に駐留させることができる。
【0039】
いくつかの異なる実施形態の主要部品がこのようにしてレイアウトされると、本開示は、おおよそ以下のように組織化されるであろう。大規模プリントヘッドアセンブリを撮像するためのある液滴測定構成を紹介するために、
図2A-2Eが使用されるであろう。これらの構成は、随意に、プリンタ、例えば、フラットパネルデバイス基板上に永久薄膜層を形成するであろうインク材料を印刷する、フラットパネルディスプレイ加工デバイスと統合することができる。随意的な実装では、これらの構成は、例えば、プリンタのサービスステーションに駐留させられている、複数のプリントヘッドおよび何千ものインクジェットノズルを伴うプリントヘッドアセンブリの周囲で関節動作するために、液滴測定と関連付けられる光学部の一部または全ての3次元関節動作を使用することができる。ノズル一貫性の問題、OLED印刷/加工、およびどのようにして実施形態がノズル一貫性の問題に対処するかに関する、いくつかの一般的原理を紹介するために、
図3A-4Dが使用されるであろう。これらの技法は、随意に、記述された液滴測定構成とともに使用することができる。
図5-7は、基板の各標的領域に対する液滴の組み合わせを計画するために使用することができる、ソフトウェアプロセスを例示するために使用されるであろう。
図8A-Bは、各ノズル/波形の組み合わせに対する液滴量の統計的モデルを構築することと関連付けられる原理を図示するため、および各標的領域に対する総インク充填の統計的モデルを生成するようにこれらのモデルを使用するために使用される。これらの原理は、随意に、ノズル一貫性の問題にもかかわらず、定量化可能な確実性で(例えば、標的領域につき99%またはそれより優れた信頼度で)特定公差範囲を満たす複合インク充填を確実に生成するために(すなわち、計画された液滴の組み合わせの使用を通して)液滴測定と併せて使用することができる。
図9A-10Cは、つまり、標的領域充填の一貫性を向上させることにおいて既述の計画された液滴組み合わせ技法の有効性を実証する、いくつかの経験的データを提示するために使用される。
図11-12は、OLEDパネル加工、ならびに関連印刷および制御機構への例示的適用について議論するために使用されるであろう。
図13A-13Cは、各スキャンで堆積させることができる液滴の組み合わせを変動させるために使用することができる、プリントヘッドオフセットについて議論するために使用される。
図14A-15Dは、異なる液滴量または組み合わせを提供するように適用される、異なる代替的なノズル発射波形についてさらに議論するために使用される。
図16-17は、液滴測定デバイスを含む、工業用プリンタの構造および構成についての付加的な詳細を提供するであろう。
図18Aおよび18Bは、それぞれ、例えば、そのような工業用プリンタと統合される、液滴測定システムのある詳細な実施形態について議論するために使用されるであろう。最終的に、
図19は、生産時間を最大限化するよう、他のシステムプロセスの背後に液滴測定時間を隠すための技法について議論するために使用されるであろう。
【0040】
図2A-2Eは、概して、ノズルあたりの液滴測定のための技法を紹介するために使用される。
【0041】
より具体的には、
図2Aは、光学システム201および比較的大型のプリントヘッドアセンブリ203を描写する、例証的な図を提供し、プリントヘッドアセンブリは、何百から何千ものノズルが存在する、多数の個々のノズル(例えば、207)をそれぞれ伴う、複数のプリントヘッド(205A/205B)を有する。インク供給部(図示せず)が、各ノズル(例えば、ノズル207)と流体的に接続され、圧電変換器(同様に図示せず)が、ノズルあたりの電子制御信号の制御下でインクの液滴を噴出するために使用される。ノズル設計は、ノズルプレートの氾濫を回避するように、各ノズル(例えば、ノズル207)においてインクのわずかな陰圧を維持し、所与のノズルに対する電子信号は、対応する圧電変換器を起動し、所与のノズルのためのインクを加圧し、それによって、所与のノズルから液滴を放出するために使用される。一実施形態では、各ノズルに対する制御信号は、通常は0ボルトであり、所与の電圧での正のパルスまたは信号レベルは、特定のノズルがそのノズルに対する液滴(パルスにつき1つ)を放出するために使用される。別の実施形態では、異なる調節されたパルス(または他のより複雑な波形)をノズル毎に使用することができる。しかしながら、
図2Aによって提供される実施例に関連して、液滴が、排出つぼ209によって収集されるようにプリントヘッドから下向きに(すなわち、3次元座標系208に対するz軸高を表す、方向「h」へ)放出される、特定のノズル(例えば、ノズル207)によって生成される液滴量を測定することが所望されると仮定されたい。典型的な用途では、「h」の寸法は、典型的には、約1ミリメートルまたはそれを下回り、動作するプリンタ内に、それぞれの液滴をこのようにして個別に測定させるものである何千ものノズル(例えば、10,000個のノズル)があることに留意されたい。したがって、精密に各液滴(すなわち、説明されたような約1ミリメートルの測定窓内で、大型プリントヘッドアセンブリ環境内の何千ものノズルのうちの特定のノズルから生じる液滴)を光学的に測定するために、ある技法が、光学測定のために相互に対して、光学アセンブリ201、プリントヘッドアセンブリ203、または両方の要素を精密に位置付けるように、開示された実施形態で使用される。
【0042】
一実施形態では、これらの技法は、(a)光学較正/測定のために液滴を生成するものである任意のノズルに直接隣接して測定領域215を精密に位置付けるための(例えば、次元面213内の)光学システムの少なくとも一部のx-y運動制御(211A)、および(b)面下光学回復(211B)の組み合わせを利用する(例えば、それによって、広いプリントヘッド表面積にもかかわらず、任意のノズルの隣の測定領域の容易な配置を可能にする)。したがって、約10,000個またはそれを上回る印刷ノズルを有する例示的実施形態では、この運動システムは、プリントヘッドアセンブリのそれぞれのノズルの
排出経路に近接して、(例えば)10,000ほどの離散位置に光学システムの少なくとも一部分を位置付けることが可能である。以下で議論されるように、2つの考慮された光学測定技法は、シャドウグラフィおよび干渉法を含む。それぞれを用いると、飛行中の液滴を捕捉するよう(例えば、シャドウグラフィの場合は液滴の影を効果的に撮像するよう)、精密な焦点が測定領域上で維持されるように、光学部が、典型的には定位置で調整される。典型的な液滴は、直径が約数ミクロンであり得るため、光学的配置は、典型的には、極めて精密であり、プリントヘッドアセンブリおよび測定光学部/測定領域の相対的位置付けに関して課題を提示することに留意されたい。いくつかの実施形態では、この位置付けを支援するために、光学システムおよびプリントヘッドの相対的位置付けに干渉することなく、測定光学部を測定領域の近くに配置することができるように、光学部(鏡、プリズム等)が、測定領域215から生じる次元面213の下方で感知するための光捕捉経路を配向するために使用される。これは、内側で液滴が撮像されるミリメートル次数の堆積高h、または監視されているプリントヘッドによって占有される大規模xおよびy幅によって制限されない様式で、効果的な位置制御を可能にする。干渉法ベースの液滴測定技法を用いると、異なる角度から小液滴に入射する別個の光線が、光路に対して略直角な視点から検出可能な干渉パターンを作成し、したがって、そのようなシステム内の光学部は、光源ビームの経路から約90度外れた角度からであるが、液滴パラメータを測定するよう、面下光学回復を利用する様式でも光を捕捉する。他の光学測定技法も使用することができる。これらのシステムのさらに別の変異形では、運動システム211Aは、随意に、かつ有利なことには、液滴測定中にプリントヘッドアセンブリを移動させることなく、液滴測定システムの選択的従事および離脱を可能にする、xyz運動システムであるように作製される。手短に紹介すると、1つ以上の大型プリントヘッドアセンブリを有する、工業用加工デバイスでは、製造稼働時間を最大限化するために、各プリントヘッドアセンブリが、1つ以上の保守機能を果たすように、時としてサービスステーションに「駐留させられる」であろうことが考慮され、プリントヘッドの純然たるサイズおよびノズルの数を考慮すると、プリントヘッドの異なる部品上で複数の保守機能を一度に果たすことが所望され得る。この趣旨で、そのような実施形態では、逆よりもむしろプリントヘッドの周囲で測定/較正デバイスを移動させることが有利であり得る。[これは、次いで、例えば、所望であれば別のノズルに関する、他の非光学的保守プロセスの従事も可能にする。]これらの動作を促進するために、プリントヘッドアセンブリは、随意に、光学較正の対象となる特定のノズルまたは一連のノズルを識別するシステムを用いて、「駐留させる」ことができる。いったんプリントヘッドアセンブリまたは所与のプリントヘッドが静止すると、運動システム211Aは、特定のノズルから噴出される液滴を検出するために好適な位置で測定領域215を精密に位置付けるために、「駐留させられた」プリントヘッドアセンブリに対して光学システムの少なくとも一部を移動させるように従事させられ、移動のz軸の使用は、プリントヘッドの面の十分に下方からの光回復光学部の選択的従事を可能にし、光学較正の代わりに、またはそれに加えて、他の保守動作を促進する。おそらく別様に記述すると、xyz運動システムの使用は、サービスステーション環境で使用される他の試験または試験デバイスから独立している、液滴測定システムの選択的従事を可能にする。この構造は、全ての実施形態に必要とされるわけではなく、例えば、以下の
図16-17に関連して、測定アセンブリおよびプリントヘッドアセンブリの両方の運動、例えば、液滴測定の目的で、x-y運動を有する測定アセンブリに対するプリントヘッドアセンブリのz軸運動を可能にする、機構が説明されるであろうことに留意されたい。プリントヘッドアセンブリのみが移動し、測定アセンブリが静止している、またはプリントヘッドアセンブリの駐留が必要ではない、他の代替案も可能である。
【0043】
一般的に言えば、液滴測定に使用される光学部は、光源217と、(必要に応じて光を光源217から測定領域215に指向する)光送達光学部219の随意的なセットと、1つ以上の光センサ221と、液滴を測定するために使用される光を測定領域215から1つ以上の光センサ221に指向する回復光学部223のセットとを含むであろう。運動シ
ステム211Aは、随意に、噴出されたインクを収集するように容器(例えば、排出つぼ209)も提供しながら、排出つぼ209の周囲の測定領域215から面下場所への液滴測定後の光の指向を可能にする様式で、排出つぼ209とともに、これらの要素のうちのいずれか1つ以上の要素を移動させる。一実施形態では、光送達光学部219および/または光回復光学部223は、液滴進行と平行な垂直寸法に沿って、光を測定領域215に/から指向する鏡を使用し、運動システムは、液滴測定中に一体的ユニットとして要素217、219、221、223、および排出つぼ209のそれぞれを移動させる。この設定は、焦点が測定領域215に対して再較正される必要がないという利点を提示する。数字211Cによって記述されるように、光送達光学部もまた、随意に、例えば、概して図示されるように、測定の目的で排出つぼ209の両側で光を指向する、光源217および光センサ221の両方とともに、測定領域の次元面213の下方の場所から光源光を供給するために使用される。数字225および227によって記述されるように、光学システムは、随意に、集束の目的でレンズ、ならびに(例えば、多画素化「写真」の処理に依拠しない非撮像技法のための)光検出器を含むことができる。再度、光学アセンブリおよび排出つぼに対するz運動制御の随意的な使用が、光学システムの随意的な従事および離脱、ならびにプリントヘッドアセンブリが「駐留させられている」間の任意の時点で、任意のノズルに近接する測定領域215の精密な移動を可能にすることに留意されたい。プリントヘッドアセンブリ203のそのような駐留および光学システム201のxyz運動は、全ての実施形態に必要とされるわけではない。例えば、一実施形態では、レーザ干渉法が、液滴特性を測定するために使用され、種々のノズルからの液滴を撮像するように、プリントヘッドアセンブリ(および/または光学システム)が、堆積面内で、またはそれと平行に(例えば、面213内で、またはそれと平行に)、いずれかで移動させられる。他の組み合わせおよび順列も可能である。
【0044】
図2Bは、いくつかの実施形態のための液滴測定と関連付けられるプロセスのフローを提供する。このプロセスフローは、概して、
図2Bの数字231を使用して指定される。より具体的には、参照数字233によって使用されるように、この特定のプロセスでは、プリントヘッドアセンブリが、最初に、例えば、プリンタまたは堆積装置のサービスステーション(図示せず)に駐留させられる。次いで、例えば、堆積面の下方から、光学システムが個々の液滴を測定することが可能である位置までの移動を通して、光学システムの一部または全体の選択的従事によって、液滴測定デバイスが、プリントヘッドアセンブリとともに従事させられる(235)。数字237により、駐留させられたプリントヘッドに対する、1つ以上の光学システムの構成要素のこの相対運動は、随意に、x、y、およびz次元で行うことができる。
【0045】
以前に示唆されたように、単一のノズルおよび関連ノズル発射駆動波形(すなわち、液滴を噴出するために使用されるパルスまたは信号レベル)でさえも、液滴によってわずかに異なる、液滴量、軌道、および速度を生成することができる。本明細書の教示によると、一実施形態では、数字239によって示されるような液滴測定システムは、所望のパラメータの期待性質に関する統計的信頼度を導出するように、液滴につきそのパラメータのn回の測定を得る。1つの実装では、測定されたパラメータが量であり得る一方で、他の実装については、測定されたパラメータは、飛行速度、飛行軌道、または別のパラメータ、あるいは複数のそのようなパラメータの組み合わせであり得る。1つの実装では、「n」が、各ノズルについて異なり得る一方で、別の実装では、「n」は、各ノズルに行われる測定の固定された数(例えば、「24」)であり得、なおも別の実装では、「n」は、パラメータの測定された統計的性質を動的に調整するよう、または信頼度を精緻化するよう、付加的な測定を行うことができるように、測定の最小数を指す。明確に、多くの変形例が可能である。
図2Bによって提供される実施例については、所与のノズルからの期待液滴量および緊密な信頼区間を表す正確な平均を得るよう、液滴量が測定されていると仮定されたい。これは、期待標的の周囲の標的領域中で(すなわち、液滴平均の複合量に対して)複合インク充填の分布を確実に維持しながら、(複数のノズルおよび/または駆動波形を使用して)液滴の組み合わせの随意的な計画を可能にする。随意的なプロセスボックス241および243によって記述されるように、理想的には、量(または他の所望のパラメータ)の瞬間または近瞬間測定および計算を可能にする、光学測定プロセスが、干渉法またはシャドウグラフィに考慮され、そのような高速測定を用いると、例えば、インク性質(粘度および構成材料を含む)、温度、電力供給変動、および他の要因の経時的な変化に対処するように、量測定を頻繁かつ動的に更新することが可能になる。この点を基に、シャドウグラフィが、典型的には、例えば、光センサ機構として高解像度CCDカメラを使用する、液滴の画像の捕捉を特色とし、(例えば、ストロボ光源を使用して)複数の位置にて単一の画像捕捉フレーム内で液滴を正確に撮像することができる一方で、画像処理ソフトウェアは、典型的には、(例えば、何千ものノズルを伴う)大型プリントヘッドアセンブリからの十分な液滴集団の撮像が数時間かかり得るように、液滴量を計算するために有限量の時間を伴う。複数の2元光検出器およびそのような検出器の出力に基づく干渉パターン間隔の検出に依拠する、干渉法は、非撮像技法(すなわち、画像分析を必要としない)であるため、シャドウグラフィまたは他の技法より何倍も速く(例えば、50倍)液滴量測定を生成する。例えば、10,000個のノズルプリントヘッドアセンブリを用いると、何千ものノズルのそれぞれに対する大型測定集団を数分で得ることができ、液滴測定を頻繁かつ動的に行うことを実行可能にすると期待される。前述のように、1つの随意的な実施形態では、液滴測定(あるいは軌道および/または速度等の他のパラメータの測定)は、スケジュールに従って従事させられている、または(例えば、基板が装填または非装填されている際に)基板の間で、あるいは他のアセンブリおよび/または他のプリントヘッド保守プロセスに対して積み重ねられた液滴測定システムを用いて、周期的な断続的プロセスとして行うことができる。代替的なノズル駆動波形が各ノズルに特有の様式で使用されることを可能にする、実施形態について、高速測定システム(例えば、干渉計システム)は、各ノズルに対する、およびそのノズルのための各代替的駆動波形に対する、統計的集団の発生を容易に可能にし、それによって、以前に示唆されたように、種々のノズル・波形対合によって生成される液滴の計画された液滴の組み合わせを促進することに留意されたい。数字245および247により、0.01pLより良い精度まで、ノズル毎に(および/またはノズル・波形対合毎に)期待液滴量を測定することによって、標的堆積領域あたりの非常に精密な液滴の組み合わせを計画することが可能となり、複合充填もまた、0.01pL分解能まで計画することができ、標的量を標的量の0.5%またはそれより良い特定誤差(例えば、公差)範囲内で保つことができる。数字247によって示されるように、各ノズルまたは各ノズル・波形対合に対する測定集団は、一実施形態では、それぞれのそのようなノズルまたはノズル・波形対合に対する信頼性分布モデルを生成するよう、すなわち、仕様最大充填誤差より小さい3σ信頼度(または4σ、5σ、6σ等の他の統計的尺度)を伴って、計画される。いったん十分な測定が種々の液滴について行われると、これらの液滴の組み合わせを伴う充填を評価し、可能な限り最も効率的な様式で印刷(248)を計画するために使用することができる。分離線249によって示されるように、液滴測定は、アクティブ印刷プロセスと測定および較正プロセスとの間で断続的に前後に切り替えて行うことができる。
【0046】
図2Cは、ノズルあたりの(ノズル・波形対合あたりの)液滴測定の計画および/またはそれを用いて各ノズルの挙動をモデル化する統計的データの初期化と関連付けられる、1つの可能なプロセスのフロー251を図示する。数字253によって示されるように、このプロセスでは、例えば、製造業者の仕様に従って確立することができる、所望の公差範囲を特定するデータが、最初に受信される。一実施形態では、例えば、この公差または許容範囲は、所与の標的の±5.0%として特定することができ、別の実施形態では、所望の標的液滴サイズの±2.5%、±2.0%、±1.0%、±0.6%、または±0.5%等の別の範囲を使用することができる。また、代替的な様式で、許容値の範囲またはセットを特定することも可能である。所望の公差および液滴システム測定誤差に依存する
、仕様の方法に関係なく、次いで、測定の閾値数が識別される(255)。上記で示されるように、この数は、いくつかの目的、すなわち、(a)期待液滴パラメータ(例えば、平均量、速度、または軌道)の確実な尺度を提供するよう、液滴測定の十分に大きい集団を得ること、(b)液滴パラメータの変動(例えば、所与のパラメータに対する標準偏差またはσ)をモデル化するよう、液滴測定の十分に大きい集団を得ること、および/または(c)印刷プロセス中に特定のノズル/ノズル・波形対合の使用を不適格と見なす目的で、期待より大きい誤差を伴うノズルまたはノズル・波形対合を識別するよう、十分なデータを得ることを達成するように選択できることに留意されたい。任意の計画された数の液滴測定、またはこのようにして定義される所望の測定基準あるいは関連最小値を用いて、次いで、液滴測定システム259を使用して(例えば、本明細書で議論されるような光学技法を使用して)、測定が行われる(257)。次いで、プロセス決定ブロック261により、特定基準が満たされるまで、各ノズル(またはノズル・波形)に対する測定が行われる。測定の数が計画された基準を満たす場合、本方法は、プロセスブロック269により終了する。付加的な測定が行われる必要がある場合、測定プロセスは、
図2Cで参照されるように、十分な測定が得られるまでループする。
【0047】
図2Cは、いくつかの例示的なプロセス変形例を示す。第1に、数字263によって示されるように、この測定プロセスは、随意に、プリントヘッドアセンブリの全てのノズル(および/または全ての可能なノズル/波形の組み合わせ)に適用される。これは全ての実施形態に当てはまる必要はない。例えば、一実施形態では(以下の
図14A-15Cの議論を参照)、所与のノズルのための噴出液滴のパラメータに影響を及ぼすために、潜在的に無限数の駆動波形の変形例を使用することができる。各起こり得る波形を排他的に試験する代わりに、液滴測定プロセスは、(例えば、所望の液滴サイズの±10%の範囲に及ぶ平均液滴量を生成する可能性が高い)少数の波形を選択するために使用される、反復内挿検索プロセスを用いて、起こり得る波形の広い分布を表す、所定の波形のセットで実験することができる。別の実施形態では、初期測定に基づいて、所与のノズルに欠陥があると見なされる(例えば、所望の平均から20%を上回る分布を有する液滴量)場合、そのノズル(またはノズル・波形対合)を、随意に、さらなる考慮から除外することができる。さらに別の実施例では、実践で、あるノズルを使用しない印刷スキャンが計画される場合、少なくともある種類の誤差または分散基準に達するまで、計画されたスキャンでアクティブに使用されるノズルのみに動的で付加的な液滴測定を行うことが有利であり得る。再度、多くの可能性が存在し、機能ブロック263は、単純に、適用されたプロセスが全てのノズル(またはノズル・波形対合)を伴う必要があるわけではないことを示す。第2に、数字265は、一実施形態では、最小基準が、各ノズルまたはノズル・波形対合について異なり得る、最小閾値を伴い得ることを示す。この機能に関するいくつかの実施例を引用すると、一実施形態では、液滴測定が所与のノズルまたはノズル・波形対合に行われ、分布拡散尺度(例えば、分散、標準偏差、または別の尺度)が計算され、拡散尺度が所定の基準を満たすまで、未加工閾値を超える測定が行われる。理解されるはずであるように、最小値が、例えば、ノズルにつき10回の液滴測定である場合、および特定のノズルに対する10回の液滴測定が期待より大きい分散を生じる場合、所望の拡散が達成されるまで(例えば、平均量の3σ≦1.0%)、またはある最大数の測定が行われるまで、付加的な測定を所与のノズルに一意に行うことができる。そのような実施形態は、例えば、ノズルにつき異なる数の測定をもたらすことができ、すなわち、ある最小基準(例えば、この実施例では最小数の測定および閾値未満の拡散尺度)を達成するように、測定反復が計画される。第3に、数字267によって示されるように、液滴測定計画でデッドレコニングを使用すること、例えば、ノズル(またはノズル・波形)につき「正確に24回の」液滴測定を得ること、または1時間につきx回の測定を得ること等も可能である。最終的に、測定管理技法に関係なく、あるノズルまたはノズル・波形の組み合わせを適格(合格)または不適格と見なすように、測定を適用することが可能である。再度、可能な実装オプションを引用すると、閾値数の測定の実施に続いて、数字270により、測定データに基づいて、あるノズルまたはノズル・波形を適格または不適格と見なすことができる。例えば、理想的な液滴量が、ある用途では10.00pLである場合、9.90pL~10.10pLの平均液滴量を生成しない、ノズル/ノズル・波形対合を即時に不適格と見なすことができる。同一のアプローチを統計的拡散のためにとることができ、例えば、最小数の測定に続いて、0.5%を上回る液滴拡散(例えば、分散、標準偏差等)を生成する任意のノズル/ノズル・波形対合を即時に不適格と見なすことができる等である。再度、多くの実装例が存在する。
【0048】
図2Dは、概して、数字271によって参照される、光学技法で予測される液滴測定システムの1つの実装の概略図である。より具体的には、プリントヘッド273は、(参照凡例274によって示されるように)z方向へ下向きに流体インクを噴出するであろう、ノズルの行として配列される、5つの列挙印刷ノズルを有するものとして断面で図示される。光源275Aは、測定のために液滴が通過するであろう測定領域278を照射するよう、プリントヘッドの側面に配列される。
図2Dの場合、この測定領域(および光学システムの一部または全体)は、プリントヘッドのノズル(3)から生じる液滴を測定するよう配列される。光源275Aは、プリントヘッド273に干渉することなく、複数のノズルのうちのいずれかを照射するように光を光測定領域の中へ(すなわち、変数hによって表されるミリメートル次数の高さ以内で)指向するであろう、光路277を生成するよう、プリントヘッド273の一側面の外部に描写されている。数字275Bによって表されるように、一実施形態では、光源はまた、代わりに、任意のノズルからの液滴経路に対する光学部の比較的容易な固定距離位置付けを提供するよう、堆積面289(および排出つぼ286の上周囲)の下方に有利に搭載することもできる。再度、5つのノズルが
図2Dで描写されているが、一実施形態では、何百から何千ものノズルまたはそれを上回るノズルがある。照射を液滴測定領域278に指向するために使用される光学部を用いた、堆積面下光生成は、描写されたプリントヘッド273の任意のノズルに対して、ならびに(例えば、以前に説明されたように随意的なサービスステーションに対する)液滴測定システムの選択的従事および離脱のために、光学システムの容易な位置付けを促進する。描写された実施例では、プリントヘッド273から排出つぼ286に向かって進行する測定領域278内の液滴に入射するよう、光源275Bから光を再指向するために鏡285Aが使用される。非限定的実施例として、プリズム、光ファイバケーブル等の光源275Bに対して光学経路を位置付ける他の手段も使用することができる。撮像測定技法が使用される実装(例えば、シャドウグラフィ)については、光源275A/275Bは、ストロボ熱光源または単色源であり得る。
図2Dはまた、光源が図面ページの外側にあり、(例えば、参照凡例274によって描写されるy次元に沿って)光路経路指定光学部の助けにより、または助けがなくても、光を図面ページの中または外に指向する、経路275Cに沿って指向される第3の起源位置からの光も示し、例えば、照射経路に対して直角な(またはそれに対して別の角度にある)方向から生じる干渉パターンの検出とともに、干渉法が依拠される場合に、そのような位置付け枠組みを使用できることに留意されたい。照明源の相対的配列に関係なく、光がプリントヘッド273および堆積面290の位置に対して中間にある光路277および照射面290に沿って指向され、(すなわち、測定された液滴からの)測定光が、光路経路指定光学部285Bによって、撮像面から堆積面289の下方に搭載される光検出器に経路措定されることに留意されたい。再度、これは、大きいプリントヘッドサイズおよび比較的小さい高さhにもかかわらず、光の狭い指向および集束を可能にする。また、光路経路指定光学部285Aと同様に、この光回復の堆積面下経路指定を達成するために、鏡、プリズム、光ファイバ、または他の光再指向デバイスおよび技法を使用することができる。
図2Dで見られるように、測定光は、集束光学部279(例えば、レンズ)に、および光検出器280上に指向される。集束光学部と測定領域との間の光路の距離は、光学システムの焦点距離を表す距離fによって識別される。以前に示唆されたように、(光学技術に応じて)液滴測定は、液滴を適正に撮像するために必要とされる精密な集束を提供し、この趣旨で、
図2Dによって表されるシステムについて、光路経路指定光学部285B、集束光学部279、液滴測定領域278、および排出つぼ286レンズは全て、共通シャーシ283への描写された接続によって表されるように、異なるノズルからの液滴を測定する一体的ユニットとして移動させられることが所望される。光源275A/275Bおよび光源指向光学部もまた、実施形態に応じて、随意に、このシャーシに連結することができる。
【0049】
同様に
図2Dによって概略的に表される、干渉法ベースのシステムでは、光源275A/275B(または生成光路275C)は、ビームが、光学経路に沿ったある点で、干渉パターンを生成するために使用される2つ以上の異なる成分に分割される、レーザであり得ることに留意されたい。これらの光学部に関する付加的な詳細および干渉パターンを作成するための複数のビームの使用が、
図18Bに関連して以下でさらに議論されるであろう。差し当たり、レーザ源(干渉法のための光源を含む)は、参照275A/275B/275Cによって包含されるものと仮定されたい。
【0050】
図2Eは、概して、数字291によって参照される、光学技法で予測される液滴測定システムの実装の別の概略図を図示する。より具体的には、
図2Eで見られる実装は、(量等の)液滴パラメータを測定するために干渉法に依拠する。以前のように、この構成は、プリントヘッド273、測定領域278、シャーシ283、および排出つぼ286に依拠する。しかしながら、本実施形態では、照射経路293を介して測定領域に指向される光線を生成するために、レーザが光源292として特異的に使用される。典型的には、以下でさらに説明されるように、2つ以上のビームがこのようにして指向されることに留意されたい。干渉パターンが、測定領域278中の液滴において生成され、この干渉パターンは、数字297によって表されるように、照射経路293に対して実質的に直角な方向から観察される。この同一の関係(照射経路と平行ではない方向からの測定)はまた、
図2Dによって(例えば、経路275Cを使用して)も表されたが、
図2Eでは、発散測定角度は、測定光が測定領域278の面の下方で自然に下向きに指向されるようなものである。光検出器295は、(典型的には複数の光検出器が使用されるが)カメラの使用が必要とされず、画素化画像内の液滴輪郭を識別するための画像処理の使用が必要とされないという意味で非撮像型であり、検出および測定の速度を実質的に向上させ、つまり、干渉アプローチは、単純に、液滴が同時光線の領域を通過するにつれて干渉パターンの変化を測定し、液滴量が得られた結果から導出可能であることに留意されたい。2つより多くの光線(または増加した数の検出器)の使用は、液滴軌道および速度ならびに他のパラメータの測定を促進する。以前のように、光源292、排出つぼ286、および光検出器295は、1つのものとして(すなわち、共通シャーシ283を用いて)移動させることができ、精密な光学経路パラメータの保存を促進する。1つの実装では、光学システムの運動は、再度、プリントヘッドアセンブリがサービスステーションの中にある間に液滴測定デバイスを選択的に従事および離脱させるように、ならびに液滴測定デバイスを容易かつ精密に位置付けて、大規模プリントヘッドの何千ものノズルのうちのいずれかを測定するように、「駐留させられた」プリントヘッドアセンブリに対して3次元で行われる。
【0051】
前述のように、液滴測定デバイスまたはシステムの好適な構成を用いて、(例えば、OLEDデバイス加工に使用される)工業用プリンタは、ノズルおよびそれらの結果として生じる液滴を繰り返し較正させることができ、任意の標的領域中で非常に精密な液滴の組み合わせの計画を可能にする。つまり、測定デバイスは、複合充填を達成するために使用される、液滴の組み合わせの正確な計画を可能にする、各ノズルおよびノズルに使用される各波形に対する量の正確な緊密にグループ化された統計的分布を迅速に生じるために使用することができる。他の実施形態では、これらの同一の技法は、液滴速度および飛行角度に対するモデルを印刷プロセスで適用することができるように、これらのパラメータに対するモデルを構築するために使用される。
【0052】
これらの種々の技法のうちのいずれか(および本開示で紹介される印刷または複合充填技法のうちのいずれか)を、異なる製品および/または異なる製造段階で発現させることができることに留意されたい。例えば、
図3Aは、参照数字301によって集合的に指定される、いくつかの異なる実装段階を表し、これらの段階の各自は、上記で紹介される技法の可能な離散実装を表す。第1に、上記で紹介される技法は、グラフィック303によって表されるように、非一過性の機械可読媒体上に記憶された命令として具現化することができる(例えば、コンピュータまたはプリンタを制御するためのソフトウェア)。第2に、コンピュータアイコン305により、これらの技法は、例えば、販売または他の製品での使用のための構成要素を設計または製造する企業内で、コンピュータまたはネットワークの一部として実装することができる。例えば、上記で紹介される技法は、高解像度テレビ(HDTV)の製造業者に助言するか、または製造業者のために設計を行う企業によって、設計ソフトウェアとして実装することができる。代替として、これらの技法は、テレビ(または表示画面)を作製するために、そのような製造業者によって直接使用することができる。第3に、以前に紹介され、記憶媒体グラフィック307を使用して例示されるように、上記で紹介される技法は、例えば、作用されたときに、上記の議論により、計画された液滴凝集技法の使用に依存している構成要素の1つ以上の層をプリンタに加工させるであろう、記憶された命令またはデータとして、プリンタ命令の形態を成すことができる。第4に、加工デバイスアイコン309によって表されるように、上記で紹介される技法は、加工装置または機械の一部として、あるいはそのような装置または機械内のプリンタの形態で、実装することができる。例えば、液滴測定、および外部から供給された「層データ」の変換が、機械によって(例えば、ソフトウェアの使用を通して)、印刷プロセスを透過的に最適化/加速するように本明細書で説明される技法を使用して印刷するであろうプリンタ命令に自動的に変換される様式で、加工機械を販売またはカスタマイズすることができる。そのようなデータはまた、オフラインで計算し、次いで、多くのユニットを製造する拡張可能なパイプライン製造プロセスにおいて再現可能に再適用することもできる。加工デバイスアイコン309の特定の描写は、(例えば、
図11-12を参照して)以下で議論されるであろう、1つの例示的なプリンタデバイスを表すことに留意されたい。上記で紹介される技法はまた、別々に販売されるであろう複数の構成要素のアレイ311等のアセンブリとして具現化することもでき、例えば、
図3では、いくつかのそのような構成要素は、最終消費者製品に組み込むために後に分離されて販売されるであろう、半分完成したフラットパネルデバイスのアレイの形態で描写されている。描写されたデバイスは、例えば、上記で紹介される方法に依存して堆積させられる、1つ以上の層(例えば、色成分層、半導体層、カプセル化層、または他の材料)を有してもよい。上記で紹介される技法はまた、参照されるような最終消費者製品の形態で、例えば、携帯用デジタルデバイス313(例えば、電子パッドまたはスマートフォン等)用の表示画面の形態で、テレビの表示画面315(例えば、HDTV)、または他の種類のデバイスとして、具現化することもできる。例えば、
図3Aは、例えば、標的領域あたりの構造(集合デバイスを構成する個々のセルの1つ以上の層等)またはブランケット層(例えば、テレビまたはソーラパネル用のカプセル化層)を堆積させるように、上記で紹介されるプロセスを他の形態の電子デバイスに適用できることを表すために、ソーラパネルグラフィック317を使用する。明確に、多くの実施例が可能である。
【0053】
上記で紹介される技法は、限定ではないが、
図3Aで図示される段階または構成要素のうちのいずれかに適用することができる。例えば、本明細書で開示される技法の一実施形態は、最終消費者デバイスであり、本明細書で開示される技法の第2の実施形態は、特定の標的領域あたりの充填を得るように、特定のノズル量の組み合わせを使用して層の加工を制御するデータを備える、装置である。ノズル量は、事前に判定するか、または原位置で測定して適用することができる。さらに別の実施形態は、例えば、上記で紹介される技法を使用して1つ以上のインクを印刷するためにプリンタを使用する、堆積機械である。これらの技法は、1つの機械または1つより多くの機械、例えば、異なるステップが異な
る機械で適用される、機械のネットワークまたは一連の機械上で実装することができる。全てのそのような実施形態および他の実施形態は、独立して、または集合的に、本開示によって紹介される技法を利用することができる。
【0054】
図3Bによって表されるように、ある用途では、材料の1つ以上の層を基板上に堆積させるために、印刷プロセスを使用することができる。上記で議論される技法は、デバイスを加工する際に後に使用するためのプリンタ制御命令(例えば、プリンタに転送することができる電子制御ファイル)を生成するために使用することができる。ある特定の用途では、これらの命令は、低費用の拡張可能有機発光ダイオード(「OLED」)ディスプレイの層を印刷する際に有用なインクジェット印刷プロセスのために連動させることができる。より具体的には、記述された技法は、そのようなOLEDデバイスの1つ以上の発光または他の層、例えば、そのようなデバイスの「赤色」、「緑色」、および「青色」(またはその他)画素化色成分あるいは他の発光層または構成要素を堆積させるように適用することができる。この例示的用途は非限定的であり、記述された技法は、これらの層が発光するかどうか、およびデバイスが表示デバイスであるかどうかにかかわらず、多くの他の種類の層および/またはデバイスの加工に適用することができる。この例示的用途では、インクジェットプリントヘッドの種々の従来の設計制約が、種々のインクジェット印刷システムを使用して印刷することができる、OLEDスタックの種々の層のプロセス効率およびフィルムコーティング一様性に課題を提供する。これらの課題は、本明細書の教示を通して対処することができる。
【0055】
より具体的には、
図3Bは、プリンタ321の一実施形態の平面図である。プリンタは、基板325上に流体インクを堆積させるために使用される、プリントヘッドアセンブリ323を含む。テキストおよびグラフィックを印刷するプリンタ用途とは異なり、本実施例でのプリンタ321は、所望の厚さを有するであろう流体インクを堆積させるために、製造プロセスで使用される。つまり、典型的な製造用途では、インクは、完成したデバイスの永久層を形成するために使用されるであろう材料を担持し、その層は、特異的に所望される厚さを有する。流体インクの堆積によって生成される層の厚さは、適用されたインクの量に依存する。インクは、典型的には、単量体、ポリマー、または溶剤あるいは他の輸送媒体によって担持される材料として形成される、完成した層の一部を形成するであろう、1つ以上の材料を特色とする。一実施形態では、これらの材料は、有機的である。インクの堆積に続いて、インクは、永久層を形成するように乾燥、硬化、または硬質化させられ、例えば、いくつかの用途が、液体単量体を固体ポリマーに変換するために紫外線(UV)硬化プロセスを使用する一方で、他のプロセスは、溶剤を除去して永久的な場所に輸送された材料を残すように、インクを乾燥させる。他のプロセスも可能である。描写された印刷プロセスを従来のグラフィックスおよびテキスト用途と区別する、多くの他の変形例があり、例えば、いくつかの実施形態では、所望の材料層の堆積は、空気以外のものであるように周囲大気を調節するか、または別様に不要な粒子物質を除外するかのいずれかを行うように制御される、環境で行われることに留意されたい。例えば、以下でさらに説明されるように、例えば、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むが、それらによって限定されない、不活性環境等の制御された雰囲気の存在下で印刷を行うことができるように、ある考慮された用途は、ガスチャンバ内にプリンタ321を封入する加工機構を使用する。
【0056】
図3Bでさらに見られるように、プリントヘッドアセンブリ323は、ノズル327等のいくつかのノズルを含む。
図3Bでは、例証を容易にするために、プリントヘッドアセンブリ323およびノズルは、ページの最上部から外へ開放するものとして描写されているが、実際には、これらのノズルは、基板に向かって下向きに対面し、
図3Bの視点からは図から隠されている(すなわち、
図3Bは、実際にはプリントヘッドアセンブリ323の切断図であるものを示す)ことに留意されたい。ノズルは、行および列(例示的な行3
28および列329等)で配列されることが分かるが、これは全ての実施形態に必要とされるわけではなく、すなわち、いくつかの実装は、1行のノズルのみ(行328等)を使用する。加えて、ノズルの行がそれぞれのプリントヘッド上に配置されることが可能であり、各プリントヘッドは、(随意に)上記で紹介されるように相互に対して個別にオフセット可能である。表示デバイスの一部、例えば、表示デバイスのそれぞれの赤、緑、および青色成分の各自のための材料を加工するために、プリンタが使用される用途では、プリンタは、典型的には、各異なるインクまたは材料に専用プリントヘッド構成要素を使用し、本明細書で議論される技法は、各対応するプリントヘッドまたはプリントヘッドアセンブリに別々に適用することができる。
【0057】
図3Bは、プリントヘッドアセンブリ323を図示する(すなわち、1つ以上の個々のプリントヘッドが別々に描写されていない)。プリンタ321は、本実施例では、基板325に対してプリントヘッドアセンブリ323を位置付けるために使用することができる、2つの異なる運動機構を含む。第1に、プリントヘッドアセンブリ323を搭載するため、および矢印333によって表されるような相対運動を可能にするために、トラベラまたはキャリッジ331を使用することができる。この運動機構はまた、随意に、存在する場合、プリントヘッドアセンブリ323をサービスステーションに運搬することもでき、そのようなサービスステーションは、
図3Bで数字334によって表される。しかしながら、第2に、1つ以上の次元に沿って、トラベラに対して基板を移動させるために、基板輸送機構を使用することができる。例えば、矢印335によって表されるように、基板輸送機構は、xおよびyデカルト次元(337)に従って等、2つの直交方向のそれぞれで移動を可能にすることができ、随意に、基板回転を支援することができる。一実施形態では、基板輸送機構は、ガス軸受上の基板の移動を選択的に確保して可能にするために使用される、ガス浮動テーブルを備える。さらに、プリンタは、随意に、回転グラフィック338によって表されるように、トラベラ331に対するプリントヘッドアセンブリ323の回転を可能にすることに留意されたい。そのような回転は、ノズル327の見掛けの間隔および相対構成が、基板に対して変化させられることを可能にし、例えば、基板の各標的領域が特定面積であるように画定される場合、または別の標的領域に対する間隔を有するために、プリントヘッドアセンブリおよび/または基板の回転が、スキャン方向に沿った、またはそれと垂直な方向へ、ノズルの相対分離を変化させることができる。実施形態では、例えば、
図3Bの図の方向の内外にあるzデカルト次元に沿って、基板325に対するプリントヘッドアセンブリ323の高度も変化させることができる。
【0058】
2つのスキャン経路は、それぞれ、
図3Bの方向矢印339および340によって図示される。簡潔には、基板運動機構は、プリントヘッドが矢印333の方向へ幾何学的ステップまたはオフセットで移動するにつれて、矢印339および340の方向へ前後に基板を移動させる。これらの移動の組み合わせを使用して、プリントヘッドアセンブリのノズルは、インクを堆積させるように基板の任意の所望の領域に到達することができる。以前に参照されたように、インクは、制御された基準で基板の離散標的領域の中へ堆積させられる。これらの標的領域は、随意に、それぞれ、描写されたyおよびx次元に沿って等、行および列に整列する、つまり、配列することができる。ノズルの行(行328等)は、この図では、すなわち、1行のノズルが、標的領域の行の方向に沿った各スキャンで掃引し、(例えば、方向339に沿って)基板の標的領域の列のそれぞれを横断するように、標的領域の行および列と垂直に見られることに留意されたい。これは、全ての実施形態に当てはまる必要はない。運動の効率のために、次いで、後続のスキャンまたは通過は、この運動の方向を逆転させ、逆の順序で、つまり、方向340に沿って、標的領域の列に対処する。
【0059】
本実施例での標的領域の配列は、図の右側に拡大図で見られる、強調表示された領域341によって描写される。つまり、各画素が赤、緑、および青色成分を有する、2行の画
素が、それぞれ、数字343によって表される一方で、スキャン方向(339/340)に対して直角の画素の列は、それぞれ、数字345によって表される。最も左上の画素では、赤、緑、および青色成分は、領域のそれぞれの重複アレイの一部として、特異的な標的領域347、349、および351を占有することが分かる。各画素内の各色成分はまた、例えば、数字353によって表されるように、関連電子機器を有することもできる。加工されるデバイスが(例えば、従来型のLCDテレビの一部としての)バックライト付きディスプレイである場合、これらの電子機器は、赤色、緑色、および青色領域によってフィルタにかけられる光の選択的マスキングを制御することができる。加工されるデバイスが、より新しい種類のディスプレイである場合、つまり、赤色、緑色、および青色領域が、対応する色特性を有する独自の色を直接生成する場合、これらの電子機器353は、所望の光生成および光特性に寄与する、パターン化電極および他の材料層を含むことができる。
【0060】
図3Cは、線C-Cの視点から
図3Bのプリントヘッドアセンブリに対して得られた、プリントヘッド373および基板375の接近断面図を提供する。より具体的には、数字371が、概して、プリンタを表す一方で、数字378は、1行の印刷ノズル377を表す。各ノズルは、括弧付きの数字、例えば、(1)、(2)、(3)等を使用して指定される。典型的なプリントヘッドは、典型的には、例えば、64、128、または別の数である、複数のそのようなノズルを有し、一実施形態では、1つ以上の行で配列される、1,000~10,000個またはそれを上回るノズルがあり得る。前述のように、本実施形態でのプリントヘッドは、矢印385によって参照される方向へスキャンの間で幾何学的ステップまたはオフセットを達成するように、基板に対して移動させられる。基板運動機構に応じて、基板は、この方向に対して直角に(例えば、
図3Cの図に対してページの内外に)、およびいくつかの実施形態では、矢印385によって表される方向にも移動させることができる。
図3Cはまた、この場合、堆積したインクを受容し、それぞれのウェルの構造的制約内で堆積したインクを保持するであろう、「ウェル」として配列される、基板のそれぞれの標的領域379の列383も示すことに留意されたい。
図3Cの目的で、1つだけのインクが表される(例えば、各描写されたウェル379が、赤色成分等のディスプレイの1つだけの色を表し、他の色成分および関連ウェルが示されていない)ことが仮定されるであろう。図面は縮尺に忠実ではなく、例えば、ノズルが、(1)から(16)まで番号付けられることが分かる一方で、ウェルは、702個のウェルを表す、(A)から(ZZ)まで文字を付けられることが分かることに留意されたい。いくつかの実施形態では、16個のノズルを伴う描写されたプリントヘッドが、
図3Cの視点からページの内外にある相対的プリントヘッド/基板運動のスキャンを使用して、矢印381の方向へ同時に16個もの多くのウェルの中でインクを堆積させるように、ノズルは、それぞれのウェルに整合するであろう。(例えば、
図1Bを参照して)以前に記述されたような他の実施形態では、ノズル密度は、標的領域密度よりさらに大きくなり、任意のスキャンまたは通過を用いると、ノズルの一部(例えば、どのノズルが各標的領域を横断するかに依存して、1つから多くのノズルのグループ)が、それぞれの標的領域の中への堆積に使用されるであろう。例えば、再度、16個のノズルの例証的実施例を使用して、所与の通過について相互排他的に、第1の標的領域中でインクを堆積させるためにノズル(1)-(3)を使用することができ、第2の標的領域中でインクを堆積させるためにノズル(7)-(10)を同時に使用することができる可能性がある。
【0061】
従来、プリンタは、例えば、5滴の液滴が各ウェルの中で堆積させられるまで、必要に応じて次のスキャンで前後に移動して、16行もの多くのウェルの中でインクを同時に堆積させるために16個のノズルを使用するように操作され得、プリントヘッドは、スキャンによって横断される帯状の場所の幅の整数倍数である、固定ステップを使用して必要に応じて前進させられる。しかしながら、本開示によって提供される技法は、各ウェルのための特定の充填量を生成するように計算される組み合わせで、異なるノズルによって生成
される液滴量の固有の変動を利用する。異なる実施形態は、これらの組み合わせを達成するために異なる技法に依拠する。一実施形態では、幾何学的ステップは、異なる組み合わせを達成するように変動させられ、プリントヘッドの帯状の場所によって表される幅の整数倍数以外のものに自由になることができる。例えば、
図3Cのそれぞれのウェル379の中で選択された液滴の組み合わせのセットを堆積させることに対して適切であれば、幾何学的ステップは、実際には、本実施例では1行のウェルの10分の1の間隔のプリントヘッドと基板との間の相対変位を表す、プリントヘッドの帯状の場所の160分の1であり得る。次のオフセットまたは幾何学的ステップは、各ウェルの中で所望される液滴の特定の組み合わせに対して適宜異なり得る、例えば、ウェルの整数間隔に対応する、プリントヘッドの帯状の場所の16分の5の仮想オフセットであり得る。この変動は、インクを堆積させて所望の充填量を得るように、必要に応じて、正および負のステップの両方を継続し得る。多くの異なる種類またはサイズのオフセットが可能であり、ステップサイズは、スキャン間で固定される必要がなく、またはウェル間隔の特定の割合である必要はないことに留意されたい。しかしながら、多くの製造用途では、可能な限り生産速度を最大限化し、単位あたりの製造費用を最小限化するために、印刷時間を最小限化することが所望される。この目的を達成するために、具体的実施形態では、スキャンの総数、幾何学的ステップの総数、オフセットまたは幾何学的ステップのサイズ、および幾何学的ステップによって横断される累積距離を最小限化する様式で、プリントヘッド運動が計画されて順序付けられる。これらまたは他の尺度は、総印刷時間を最小限化するように、個別に、ともに、または任意の所望の組み合わせで使用することができる。ノズルの独立してオフセット可能な行(例えば、複数のプリントヘッド)が使用される実施形態では、幾何学的ステップは、プリントヘッドまたはノズル行の間のオフセットによって部分的に表すことができ、プリントヘッド構成要素の全体的なオフセット(例えば、プリントヘッドアセンブリの固定ステップ)と組み合わせられる、そのようなオフセットは、可変サイズの幾何学的ステップを達成し、したがって、各ウェルの中へ液滴の組み合わせを堆積させるために使用することができる。ノズル駆動波形の変動が単独で使用される実施形態では、従来の固定ステップを使用することができ、液滴量変動は、複数のプリントヘッドおよび/または複数のプリントヘッド通過を使用して達成される。以下で記述されるように、一実施形態では、ノズル駆動波形を液滴の間で各ノズルに対してプログラムすることができ、したがって、各ノズルが、1行のウェル内の1つのウェルあたりのそれぞれの液滴量を生成して提供することを可能にする。
【0062】
図4A-4Dは、所望の充填量を達成する際の特定の液滴量への依拠に関する付加的な詳細を提供するために使用される。
【0063】
図4Aは、プリントヘッド404の例証的な
図401およびプリントヘッド401の下方で見られる2つの関連略図を提示する。プリントヘッドは、随意に、基板に対するプリントヘッドの固定されていない幾何学的ステップを提供する、実施形態で使用されるため、特定のプリントヘッドノズル(例えば、図で描写されるノズル(1)-(5)を伴う合計16個のノズル)を異なる標的領域(本実施例では、413、414、415、416、および417の5つ)と整合させるオフセットを表すために、数字405が使用される。
図1Aの実施例を思い返すと、ノズル(1)-(16)が、それぞれ、9.80、10.01、9.89、9.96、10.03、9.99、10.08、10.00、10.09、10.07、9.99、9.92、9.97、9.81、10.04、および9.95pLの流体インクの液滴量(例えば、平均液滴量)を生成する場合、および標的領域につき50.00pLとこの値の±0.5パーセントを堆積させることが所望される場合、それぞれ、0、-1、-1、-2、および-4の幾何学的ステップを使用して、5回の通過またはスキャンで液滴を堆積させ、図で描写されるように、領域につき49.82、49.92、49.95、49.90、および50.16pLの(期待平均)総充填値をもたらすために、プリントヘッドを使用することができる。これは、明確に、描写された標的領域のそれぞれに対して49.75pL~50.25pLの所望の公差範囲内である。本実施例での全てのステップは、前の位置に対して漸進的に表されるが、他の尺度を使用することも可能である。期待される液滴量あたりの変動に応じて、充填が所望の公差範囲に一致するであろうと事実上保証することが依然として可能である。例えば、上記で参照されるように多くの液滴測定(例えば、ノズルにつき20~30回またはそれを上回る液滴測定)を行うことによって、各液滴量の期待分散を極めて小さくすることができ、期待複合量の分散において高い信頼度を可能にする。したがって、示されるように、高度な信頼性で精密な調節された充填を達成するために、各標的領域に対するそれぞれの液滴量および所望の充填に依存する意図的な様式での液滴の組み合わせを使用することができる。
【0064】
この同一の図は、ノズル駆動波形変動および/または複数のプリントヘッドの使用を表すために使用できることに留意されたい。例えば、ノズル参照(1)-(16)が、16個の異なる駆動波形によって(すなわち、波形1-16を使用して)生成される単一のノズルのための液滴量を指す場合、単純に、標的領域413に、異なる駆動波形、例えば、波形番号1、2、3、5、および9を使用することによって、理論上の領域あたりの充填量を取得することができる。実践では、プロセス変動が、異なるノズルあたりの特性をもたらし得るため、本システムは、各波形に対する各ノズルのための液滴量を測定し、この基準で液滴の組み合わせを知的に計画するであろう。ノズル参照(1)-(15)が複数のプリントヘッドを指す(例えば、参照(1)-(5)が第1のプリントヘッドを指し、参照(6)-(10)が第2のプリントヘッドを指し、参照(11)-(15)が第3のプリントヘッドを指す)実施形態では、通過またはスキャンの数を削減するために、プリントヘッドの間のオフセットを使用することができる。例えば、最右標的領域417は、10.03、10.09、および9.97pLの液滴量(プリントヘッド(1)、0オフセット;プリントヘッド(2)、+1オフセット;およびプリントヘッド(3)、+2オフセット)を含む、1回の通過で堆積させられる3滴の液滴を有することができる。これらの種々の技法の組み合わせは、公差範囲内の特定の充填量を達成するように特定の量の液滴の多くの可能な組み合わせを促進することが明白であるはずである。
図4Aでは、標的領域の間の総インク充填量の分散が小さく、公差内である、すなわち、49.82pL~50.16pLの範囲内であることに留意されたい。
【0065】
図4Bは、各スキャンが矢印422の方向と垂直であり、ノズルが数字423-430によって参照されるような異なる長方形またはバーによって表される、一連のプリントヘッドスキャンの例証的な
図421を示す。この図に関連して、プリントヘッド/基板相対運動が一連の可変サイズの幾何学的ステップで前進させられると仮定されたい。再度、典型的には、各ステップは、図面ページの平面上に表される(および数字413-417によって表される)5つの領域の1列を越えて標的領域(例えば、画素)の複数の列を掃引する、スキャンを指定するであろうことに留意されたい。ノズル(1)および(2)のみが、それぞれ、標的領域416および417と整合させられるように、プリントヘッドが基板に対して右に変位させられて見える、第1のスキャン423を含む、スキャンが、上から下への順序で示される。各印刷スキャン描写(ボックス423等)内で、円は、ノズルがスキャン中に特異的に描写された標的領域を覆っているときにノズルが発射されるものであることを表すように、黒く塗りつぶして、またはノズルが関連する時間に発射されないものである(しかしスキャンで遭遇する他の標的領域については発射され得る)ことを表すように、「中空」、つまり、白く塗りつぶして、いずれかで各ノズルを表す。本実施形態では、各ノズルは、2元基準で発射される、すなわち、各ノズルは、例えば、スキャン中に遭遇する各標的領域について、所定の液滴量を堆積させるように、任意の調整可能なパラメータに従って発射されるか、またはされないかのいずれかであることに留意されたい。この「2元」発射方式は、随意に、本明細書で説明される実施形態のいずれかに(つまり、例えば、波形パラメータが液滴の間で調整される、複数の発射波形が使用され
る実施形態で)採用することができる。第1の通過423では、ノズル(1)が、2番目に最右の標的領域の中へ9.80pL液滴を堆積させるように発射される一方で、ノズル(2)は、最右標的領域417の中へ10.01pL液滴を堆積させるように発射されることが分かる。スキャンは、適宜インク液滴を堆積させて、標的領域の他の列(例えば、画素ウェルの他の行)を掃引し続ける。第1の通過423が完了した後、プリントヘッドは、ノズル(1)が第1のスキャンと反対の方向への第2のスキャン424中に標的領域413を横断するように、基板に対してプリントヘッドを左に移動させる、-3の幾何学的ステップによって前進させられる。この第2のスキャン424中に、ノズル(2)、(3)、(4)、および(5)もまた、それぞれ、領域414、415、416、および417を横断するであろう。黒く塗りつぶした円によって、適切な時間に、それぞれ、ノズル(1)、(2)、(3)、および(5)の固有の特性に対応する、9.80pL、10.01pL、9.89pL、および10.03pLの液滴量を堆積させるように、ノズル(1)、(2)、(3)、および(5)が発射されるであろうことが分かる。また、いずれか1回の通過で、インクを堆積させるために使用される1行のノズルの中のノズルが、相互排他的にそれぞれの標的領域の中へ堆積させるであろう、例えば、通過424については、ノズル(1)が、(標的領域414-417のうちのいずれでもなく)標的領域413の中へインクを堆積させるために使用され、ノズル(2)が、(領域413または415-417のうちのいずれでもなく)標的領域414の中へインクを堆積させるために使用され、ノズル(3)が、(領域413-414または416-417のうちのいずれでもなく)標的領域415の中へインクを堆積させるために使用され、ノズル(5)が、(領域413-416のうちのいずれでもなく)標的領域417の中へインクを堆積させるために使用されることにも留意されたい。数字425を使用して表される第3のスキャンは、ノズル(2)、(3)、(4)、(5)、および(6)が、スキャン中に、それぞれ、領域413、414、415、416、および417を横断するように、1行の標的領域(-1幾何学的ステップ)だけプリントヘッドを効果的に前進させ、塗りつぶしたノズルグラフィックは、この通過中に、ノズル(2)-(6)のそれぞれが液滴を発射し、それぞれ、10.01、9.89、9.96、10.03、および9.99pLの期待液滴量を生成するように作動させられるであろうことを表す。
【0066】
印刷プロセスがこの時点で停止された場合、領域417が、例えば、3滴の液滴に対応する30.03pL(10.01pL+10.03pL+9.99pL)の充填を有するであろう一方で、領域413は、2滴の液滴に対応する19.81pL(9.80pL+10.01pL)の充填を有するであろう。スキャンパターンは、一実施形態では、
図3Bの矢印339および340によって表される前後パターンに従うことに留意されたい。これらの標的領域の次の通過426-430(または複数のそのような領域の複数の列のスキャン)は、それぞれ、(a)連続スキャンにおいてノズル(2)、(3)、(4)、(7)、および(9)による通過に対応する、領域413中で10.01pL、0.00pL、0.00pL、10.08pL、および10.09pL液滴、(b)連続スキャンにおいてノズル(3)、(4)、(5)、(8)、および(10)によるそれぞれの通過に対応する、領域414中で0.00pL、0.00pL、10.03pL、10.00pL、および10.07pL液滴、(c)連続スキャンにおいてノズル(4)、(5)、(6)、(9)、および(11)による通過に対応する、領域415で9.89pL、9.96pL、10.03pL、9.99pL、10.09pL、および0.00pL液滴、(d)連続スキャンにおいてノズル(5)、(6)、(7)、(10)、および(12)による通過に対応する、領域416中で0.00pL、9.99pL、10.08pL、10.07pL、および0.00pL液滴、ならびに(e)連続スキャンにおいてノズル(6)、(7)、(8)、(11)、および(13)による通過に対応する、領域417中で9.99pL、0.00pL、10.00pL、0.00pL、および0.00pL液滴を堆積させる。再度、本実施例でのノズルは、2元基準で単一の発射波形のみとともに(すなわち、それらの液滴量特性がスキャンによって変化しないように)使用され、例えば、第5のスキャン427では、ノズル(7)が発射されず、領域417のための液滴を生成しない(0.00pL)一方で、次のスキャンでは、発射されて領域416のための10.08pL液滴を生成することに留意されたい。
【0067】
ページの最下部でのグラフで見られるように、この仮想スキャンプロセスは、容易に標的値(50.00pL)±0.5パーセント(49.75pL~50.25pL)の所望の範囲内で、49.99pL、50.00pL、49.96pL、49.99pL、および50.02pLの期待総充填を生成する。本実施例では、ノズルは、各スキャンに対して略同時に複数の標的領域の中へインクを堆積させるために使用され、各描写された領域に対する液滴量の特定の組み合わせ(すなわち、数字413-417でグラフィックによって識別されるような)は、多くの通過により各標的領域中で複数の液滴を堆積させることができるように計画されたことに留意されたい。8つの描写された通過はともに、特定公差範囲内の充填量を生成する液滴量の特定のセット(または特定の組み合わせ)(例えば、領域413の場合、ノズル(1)、(2)、(2)、(7)、および(9)からの液滴の組み合わせ)と相関するが、可能な液滴の他のセットも、おそらく使用することができたであろう。例えば、領域413については、代替として、ノズル(2)からの5滴の液滴(5×10.01pL=50.05pL)を使用することが可能であったであろう。しかしながら、(例えば)ノズル(3)(9.89pL)を、この時間の間に同時に広範に使用することができなかったであろう(すなわち、このノズルからの5滴の液滴からの結果が、所望の公差範囲外の5×9.89=49.45pLであったであろう)ことにより、付加的なスキャンが必要とされたであろうため、この代替案は非効率的であったであろう。
図4Bによって伝えられる実施例では、より少ない印刷時間、より少数の通過、より小さい幾何学的ステップ、および潜在的に小さい総幾何学的ステップ距離を使用するよう、またはある他の基準に従って、特定のスキャンおよびそれらの順序が選択された。描写された実施例は、叙述的議論のためのものにすぎず、標的充填を取得するように、提示された液滴量を使用するスキャンの数を、8より少ないスキャン数にさらに削減することが可能であり得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、スキャンプロセスは、必要とされるスキャンの数(例えば、90度回転させられるプリントヘッドを用いた1行の標的領域につき1回のスキャン)とともに最悪の場合のシナリオを回避する様式で計画される。他の実施形態では、この最適化は、1つ以上の最大値または最小値に基づく程度に適用され、例えば、所与のインクに対する各標的領域のための全ての可能な液滴の組み合わせを考慮して、可能な限り少数のスキャンをもたらす様式で、スキャンを計画する。
【0068】
図4Cは、
図4Bに類似するが、各ノズルに対する異なるノズル駆動波形の使用に対応する、略図を提示する。理解されるはずであるように、インクジェットプリントヘッドでは、インクは、典型的には、それぞれの印刷ノズルからインクを放出するために流体貯留部を拡張および収縮する、圧電アクチュエータを使用して放出される。インクは通常、電圧パルスのサイズおよび形状に依存する性質を伴う液滴を放出するように、アクチュエータに印加される電圧パルスを伴って、ノズルプレートの氾濫を回避するようにわずかな陰圧下で貯留部内に維持される。したがって、異なるパルス特性は、放出された液滴の異なる量、速度、および他の特性をもたらすことができる。
図4Cでは、異なる事前計画された電圧パルス波形が一連の異なる液滴量(および関連液滴量確率分布)を生成すると判定されていると仮定されたい。スキャンは、概して、数字441によって参照され、スキャン443-447のそれぞれが、バー443-447と垂直な方向へ起こり、各スキャンバー(例えば、ボックス443)内で、数字指定は、特定のプリントヘッドノズルを表し、文字指定は、特定のノズルに対する異なる波形を表す。例えば、参照「1-A」が、ノズル(1)のためのアクチュエータに使用される第1の駆動波形「A」を表す一方で、参照「1-C」は、ノズル(1)のためのアクチュエータに使用される第3の駆動波形「C」を表す。較正手順中に、理想的な標的液滴量に合致する期待液滴量(または複数の液滴の量)を生成する波形を選択するように、任意の所望の数の波形を試験できることに留意されたい。
図4Cでは、例えば、ノズル(1)に対する複数の波形の試験は、2つの特定の波形(例えば、「A」および「C」)が、所望の10.00pL平均に近い期待液滴量、例えば、それぞれ、9.94pLおよび10.01pL平均を生成するという結果を生じ得る。つまり、試験を通して、理想液滴量(例えば、10.00pL)に正確に合致する期待平均を生成することができない場合には、所望の理想量、例えば、ノズル(1)、(3)、(4)、および(5)について描写されるような9.94pL/10.01pL、9.99pL/10.01pL、10.03pL/9.95pL、および9.95/10.04pLを一括する、2つ以上の波形を選択することができる。上記の実施例と同様に、次いで、所望の公差内である各標的領域に対する総充填を特異的に計画するように、異なるノズル駆動波形を使用して、異なる液滴を組み合わせることができる。
図4Cの実施例について、これらの組み合わせを達成するために、スキャンの間でプリントヘッドアセンブリをオフセットする必要がないが、多くの実施形態では、最小数のスキャン(したがって、最小限の基板あたりの印刷時間)を使用して標的充填を生成するために使用することができる、多くの可能な液滴の組み合わせを生じるように、複数のノズル波形の使用を、部分帯状場所幅オフセットと組み合わせることができることに留意されたい。
図4Cでは、描写されたプロセスは、非常に緊密にグループ化される仮想充填、例えば、49.99pL~50.02pLの期待充填量を生成することが分かる。
【0069】
図4Dは、
図4Aに類似するが、ここでは特定のウェルに特別に整合させられていないノズルを有する、プリントヘッド474の例証的な
図471およびプリントヘッド474の下方で見られる2つの関連略図を提示する。プリントヘッドは、随意に、基板に対するプリントヘッドの固定されていない幾何学的ステップを提供する、実施形態で使用されるため、特定のプリントヘッドノズル(例えば、図で描写されるノズル(1)-(5)を伴う合計16個のノズル)を異なる標的領域(本実施例では、474および475の2つ)と整合させるオフセットを表すために、数字472が使用される。再度、
図4Aの実施例に従って、ノズル(1)-(16)が、それぞれ、9.80、10.01、9.89、9.96、10.03、9.99、10.08、10.00、10.09、10.07、9.99、9.92、9.97、9.81、10.04、および9.95pLの流体インクの期待液滴量を生成する場合、および標的領域につき50.00pLとこの値の±0.5パーセントを堆積させることが所望される場合、それぞれ、0、-1、および-3の幾何学的ステップを使用し、スキャンにつき各標的領域の中へ1滴または2滴の液滴を発射して、3回の通過またはスキャンで液滴を堆積させるために、プリントヘッドを使用することができる。これは、再度、明確に、描写された標的領域のそれぞれに対して49.75pL~50.25pLの所望の公差範囲内である、図で描写されるように領域につき49.93または50.10の総充填値をもたらすであろう。したがって、示されるように、同一のアプローチは、ウェルに整合させられていないノズルの場合に同等に適用され、精密な調節された充填を達成するために、各標的領域に対するそれぞれの液滴量および所望の充填に依存する意図的な様式での液滴の組み合わせを使用することができる。さらに、
図4Aの仮説について上記で説明されるように、この同一の図は、ノズル駆動波形変動および/または複数のプリントヘッドの使用を表すために使用することができる。例えば、ノズル参照(1)-(16)が、16個の異なる駆動波形によって(すなわち、波形1-16を使用して)生成される単一のノズルのための液滴量を指す場合、単純に、異なる駆動波形を使用することによって、理論上の領域あたりの充填量を取得することができる。当業者であれば、
図4B-4Cを参照して上記で説明されるような同一のアプローチはまた、ウェルに特別に整合させられていない、すなわち、1つ以上のノズルのグループがそれぞれのウェルの中への同時液滴堆積に使用される、ノズルの場合にも同等に適用されることが分かる。最終的に、
図4A-Dはまた、比較的単純な実施例を表し、典型的な用途では、何百から何千ものノズルおよび何百万もの標的領域があり得ることに留意されたい。例えば、開示された技法が現在の高解像度テレビ画面の各画素色成分の加工で適用される(例えば、画素がそれぞれ、赤色、緑色、および青色ウェルを有し、画素が、垂直解像度の1080本の水平線および水平解像度の1920本の垂直線で配列される)用途では、インクを受容し得る約600万個のウェル(すなわち、200万個ずつのウェルの3つの重複アレイ)がある。次世代テレビは、この解像度を4倍またはそれを上回って増加させることが期待される。そのようなプロセスでは、印刷速度を向上させるために、プリントヘッドは、印刷に何千個ものノズルを使用してもよく、例えば、典型的には、圧倒的な数の可能な印刷プロセス順列があろう。上記で提示される簡略化実施例は、概念を紹介するために使用されるが、典型的な組み合わせで提示される圧倒的な数を考慮すると、実世界のテレビ用途によって表される順列は極めて複雑であり、印刷最適化は、典型的には、ソフトウェアによって適用され、複雑な数学演算を使用することに留意されたい。
図5-7は、どのようにしてこれらの動作を適用することができるかという非限定的実施例を提供するために使用される。
【0070】
印刷を計画するための例示的なプロセスが、
図5によって紹介される。このプロセスならびに関連方法およびデバイスは、概して、数字501を使用して参照される。
【0071】
より具体的には、各ノズルのための(および複数の駆動波形が適用される場合は各波形に対する各ノズルのための)液滴量が特異的に判定される(503)。そのような測定は、例えば、限定ではないが、飛行中に(例えば、較正印刷動作またはライブ印刷動作中に)液滴を測定し、かつ液滴形状、速度、軌道、および/または他の要因に基づく精度で量を計算する、プリンタ(または工場常駐機械)に組み込まれる光学撮像またはレーザ撮像あるいは非撮像デバイスを含む、種々の技法を使用して行うことができる。具体的実施形態では、記述されるように、単一の駆動波形を使用して生成される単一のノズルからの液滴量でさえも液滴によって異なり得るため、各測定は、近似的にのみ正確である。この趣旨で、各ノズルからの液滴に対する、および各ノズル・波形の組み合わせに対する統計的モデルを発生させるために、液滴測定技法を使用することができ、各特定の液滴量は、所与のノズルおよび所与のノズル駆動波形からの平均期待液滴量として表される。インクを印刷し、次いで、パターン認識に基づいて個々の液滴量を計算するために印刷後撮像または他の技法を使用することを含む、他の測定技法も使用することができる。代替として、識別は、プリンタまたはプリントヘッド製造業者によって供給されるデータに基づく、例えば、加工プロセスに十分先立って工場で行われ、機械に(またはオンラインで)供給される測定に基づくことができる。いくつかの用途では、液滴量特性は、例えば、インク粘度または種類、温度、ノズルの詰まり、または他の劣化に依存して、あるいは他の要因により、経時的に変化し得る。したがって、一実施形態では、所定の時間の満了時に、または別のカレンダーあるいは非カレンダー基準で、基板の各新しい印刷を伴って、例えば、電源投入時に(または他の種類の電力サイクル事象時に)、液滴量測定を原位置で動的に行うことができる。一実施形態では、そのような測定は、動的な更新を得るように、新しいフラットパネル基板が装填または非装填される度に、印刷ノズルおよびノズル・波形の組み合わせの移動ウィンドウに対する測定を行うことによって、以前に参照されたように断続的に、継続的に行われる。数字504によって表されるように、この(測定または提供される)データは、最適化プロセスで使用するために記憶される。
【0072】
ノズルあたりの(随意に、駆動波形あたりの)液滴量データに加えて、各標的領域に対する所望の充填量に関する情報(505)も受信される。このデータは、全ての標的領域に適用される単一の標的充填値、個々の標的領域、標的領域の行、または標的領域の列に適用される、それぞれの標的充填値、あるいはある他の様式で分解される値であり得る。例えば、個々の電子デバイス構造(トランジスタまたは経路等)に対して大きい材料の単一の「ブランケット」層を加工することに適用されるように、そのようなデータは、層全体に適用される単一の厚さ(例えば、次いで、ソフトウェアが、関連インクに固有である所定の変換データに基づいて、標的領域あたりの所望のインク充填量に変換する)から成ることができる。そのような場合において、データは、各「印刷セル」(この場合、各標
的領域に同等であり得るか、または複数の標的領域から成り得る)の共通値に変換することができる。別の実施例では、データは、範囲データが状況に基づいて提供されるか、または理解されるかのいずれかである、1つ以上のウェルの特定の値(例えば、50.00pL)を表すことができる。これらの実施例から理解されるはずであるように、所望の充填は、限定ではないが、厚さデータまたは量データを含む、多くの異なる形態で特定することができる。付加的なフィルタリングまたは処理基準もまた、随意に、受信デバイスに提供することができるか、または受信デバイスによって実施することもできる。例えば、以前に参照されたように、線効果を完成したディスプレイにおいて人間の眼に見えなくするように、充填量の無作為な変動を、受信デバイスによって、1つ以上の提供された厚さまたは量パラメータに注入することができる。そのような変動は、事前に行うことができる(領域によって異なる、それぞれの標的領域あたりの充填として提供される)か、または(例えば、下流コンピュータまたはプリンタによって)受信側デバイスから独立して透過的に導出することができる。
【0073】
各領域に対する標的充填量および個々の液滴量測定(すなわち、プリントヘッドノズルあたり、およびノズルあたりの駆動波形)に基づいて、次いで、本プロセスは、続けて、随意に、(すなわち、プロセスブロック506により)所望の公差範囲内の充填量に合計される、種々の液滴の組み合わせを計算する。記述されるように、この範囲は、標的充填データを提供することができるか、または状況に基づいて「理解」することができる。一実施形態では、範囲は、提供された充填値の±1パーセントであると理解される。別の実施形態では、範囲は、提供された充填値の±0.5パーセントであると理解される。明確に、これらの例示的な範囲より大きかろうと小さかろうと、多くの他の可能性が公差範囲に存在する。
【0074】
この時点で、実施例は、可能な液滴の組み合わせのセットを計算するための1つの可能な方法を伝えることに役立つであろう。以前に説明された簡略化実施例に戻ると、9.80pL、10.01pL、9.89pL、9.96pL、および10.03pLのそれぞれの仮想平均液滴量をそれぞれ有する、5つのノズルがあり、5つのウェルの中で50.00pLの標的量±0.5パーセント(49.75pL~50.25pL)を堆積させることが所望されると仮定されたい。この方法は、公差範囲に達するが、それを超えないように組み合わせることができる液滴の数、および各ノズルについて、任意の許容順列で使用することができるそのノズルからの最小および最大数の液滴を判定することから始まる。例えば、この仮説では、検討中のノズルの最小および最大液滴量を考慮して、ノズル(1)からのわずか1滴の液滴、ノズル(3)からの2滴の液滴、およびノズル(4)からの4滴の液滴が、任意の組み合わせで使用可能であると期待されるであろう。このステップは、考慮される必要がある組み合わせの数を制限する。セット考慮にそのような制約を装備して、次いで、本方法は、順に、各ノズルを取り込んで、必要数の液滴(本実施例では5滴)の組み合わせを考慮する。例えば、本方法は、最初に、このノズルを伴う許容組み合わせのみが、このノズルからの1滴またはそれより少ない液滴を特色とすることを理解して、ノズル(1)から始まる。このノズルからの単一の液滴を伴う組み合わせを考慮すると、次いで、本方法は、検討中の他のノズル・波形の組み合わせの最小および最大液滴量を考慮する。例えば、ノズル(1)が所与の駆動波形に対して9.80pLの液滴量を生成すると判定されることを考慮して、所望の公差範囲に達するために、ノズル(3)からわずか1滴の液滴またはノズル(4)からの2滴の液滴を、ノズル(1)からの液滴と組み合わせて使用することができる。本方法は、続いて、ノズル(1)からの液滴の組み合わせ、および他のノズルからの4滴の液滴の組み合わせ、例えば、ノズル(2)または(5)からの4滴の液滴、ノズル(2)からの3滴の液滴、およびノズル(4)からの1滴の液滴等を考慮する。ノズル(1)のみを伴う組み合わせを考慮すると、議論を簡略化するために、第1のノズルを伴う以下の異なる組み合わせのうちのいずれか、すなわち、{1(1),4(2)}、{1(1),3(2),1(4)}、{1(1),3(2),1(5)}、{1(1),2(2),1(4),1(5)}、{1(1),1(2),1(3),2(5)}、{1(1),1(2),1(4),2(5)}、{1(1),1(2),3(5)}、{1(1),1(3),3(5)}、{1(1),2(4),2(5)}、{1(1),1(4),3(5)}、および{1(1),4(5)}を、潜在的に公差範囲内で使用することができる。上記で記載される数式では、角括弧の使用は、1つ以上のノズルからの液滴量の組み合わせを表す、5滴の液滴のセットを表し、これらの角括弧内の各丸括弧が特定のノズルを識別する。例えば、式{1(1),4(2)}は、ノズル(1)からの1滴の液滴、およびノズル(2)からの4滴の液滴、すなわち、特定公差範囲内の複合充填を生成することが期待される、9.80pL+(4×10.01pL)=49.84pLを表す。実際には、本実施例での方法は、種々の平均に基づいて、所望の公差を生成するために使用することができるノズル(1)からの最多数の液滴を考慮し、この最多数を伴う組み合わせを評価し、数を1だけ削減し、考慮のプロセスを繰り返す。一実施形態では、このプロセスは、使用することができる、非冗長的な液滴の組み合わせの全ての可能なセットを判定するように繰り返される。ノズル(1)を伴う組み合わせが完全に探索されたとき、本方法は、ノズル(1)ではなくノズル(2)を伴う組み合わせへ進み、本プロセスを繰り返す等して、所望の公差範囲を達成することができるかどうかを判定するように、各可能なノズルの組み合わせの複合平均を試験する。例えば、本実施形態では、本方法が、ノズル(1)からの2滴以上の液滴の組み合わせを使用することができないと判定したため、種々の組み合わせで、ノズル(1)からの1滴の液滴および他のノズルからの4滴の液滴を伴う組み合わせの考慮から始める。本方法は、実際には、ノズル(2)の4滴の液滴を使用することができるかどうかを評価し、{1(1),4(2)}であり得ることを判定し、次いで、この数を1だけ低減させ(ノズル2からの3滴の液滴)、この数をノズル(4)または(5)からの単一の液滴と組み合わせて使用することができ、{1(1),3(2),1(4)}、{1(1),3(2),1(5)}という許容セットを生じることを判定する。次いで、本方法はさらに、ノズル(2)からの許容液滴の数を削減し、{1(1),2(2)....}、次いで、{1(1),1(2)....}等の組み合わせを評価する。いったんノズル(2)を伴う組み合わせがノズル(1)からの液滴と組み合わせて考慮されると、次いで、本方法は、次のノズル、すなわち、ノズル(3)を取り込み、ノズル(2)ではなく、このノズルを伴うノズル(1)の組み合わせを考慮し、唯一の許容組み合わせが{1(1),1(3),3(5)}によって求められることを判定する。いったんノズル(1)からの液滴を伴う全ての組み合わせが考慮されると、次いで、本方法は、ノズル(1)ではなくノズル(2)からの液滴を伴う、5滴の液滴の組み合わせ、例えば、{5(2)}、{4(2),1(3)}、{4(2),1(4)}、{4(2),1(5)}、{3(2),2(3)}、{3(2),1(3),1(4)}等を考慮する。
【0075】
また、ノズルを複数の発射波形(それぞれ異なる液滴量を生成する)によって駆動することができる場合において、同一のアプローチが同等に適用されることも留意されたい。これらの付加的なノズル・波形の組み合わせは、単純に、標的量の公差範囲内である、液滴の組み合わせのセットを選択する際に使用するための付加的な液滴量平均を提供する。複数の発射波形の使用はまた、より多数の許容液滴の組み合わせを利用可能にし、それによって、各通過でノズルの大部分から液滴を同時に発射する可能性を増加させることによって、印刷プロセスの効率を向上させることもできる。ノズルが複数の駆動波形を有し、幾何学的ステップも使用される場合において、液滴の組み合わせのセットの選択は、所与のスキャンで使用される幾何学的オフセットおよび各ノズルに使用されるであろうノズル波形の両方を組み込むであろう。
【0076】
叙述の目的で、強引なアプローチが説明されており、例えば、ノズルおよび標的領域の数が大きい(例えば、それぞれ128より多い)、圧倒的な数の可能な組み合わせが、典型的には、実践で提示されるであろうことに留意されたい。しかしながら、そのような計
算は、適切なソフトウェアを有する高速プロセッサの能力の十分に範囲内である。また、計算を削減するように適用することができる、種々の数学的ショートカットが存在することにも留意されたい。例えば、所与の実施形態では、本方法は、いずれか1回の通過で利用可能なノズルの半分未満の使用に対応するであろう、任意の組み合わせを考慮から除外することができる(または代替として、いずれか1回の通過で標的領域(TR)にわたる量分散を最小限化する組み合わせに考慮を限定することができる)。一実施形態では、本方法は、許容複合充填値を生成するであろう、液滴の組み合わせのあるセットのみを判定し、第2の実施形態では、本方法は、許容複合充填値を生成するであろう、液滴の組み合わせの全ての可能なセットを徹底的に計算する。また、複数の反復で、印刷スキャンが行われ、次の後続スキャンを最適化する目的で、所望の公差範囲に達するように依然として堆積させられていないインクの量が考慮される、反復アプローチを使用することも可能である。他のアプローチも可能である。
【0077】
また、初期動作として、同一の充填値(および公差)が各標的領域に適用される場合、(例えば、1つの標的領域について)組み合わせを1回計算すること、および各標的領域とともに最初に使用するためにこれらの可能な液滴の組み合わせを記憶することが十分であることにも留意されたい。これは、必ずしも全てのセット計算方法および全ての用途に当てはまるわけではない(例えば、いくつかの実施形態では、許容充填範囲が全ての標的領域について変化し得る)。
【0078】
さらに別の実施形態では、本方法は、各標的領域に対する許容液滴の組み合わせのセットを判定するために、近似、行列数学、無作為な選択、または他の技法等の数学的なショートカットを使用する。
【0079】
プロセスブロック507によって表されるように、いったん許容組み合わせのセットが各標的領域について判定されると、次いで、本方法は、各標的領域に対する特定のセット(または液滴の組み合わせ)と相関する方法で、スキャンを効果的に計画する。この特定のセット選択は、特定のセット(各標的領域に対して1つ)が、複数の標的領域中で液滴量を同時に堆積させるための少なくとも1回のスキャンの使用を通したプロセス節約を表す様式で、行われる。すなわち、理想的な場合において、本方法は、各標的領域に対する1つの特定のセットを選択し、特定のセットは、プリントヘッドが1度に標的領域の複数の行の中へ同時に印刷することができる様式で、特定の液滴量の組み合わせを表す。選択された組み合わせでの特定の液滴の選択は、最小印刷時間、最小数のスキャン、幾何学的ステップの最小サイズ、最小総幾何学的ステップ距離、または他の基準等の所定の基準に合致する印刷プロセスを表す。これらの基準は、
図5の数字508によって表される。一実施形態では、最適化は、特定のセットが、スキャンの数、総幾何学的ステップ距離、および幾何学的ステップのサイズのそれぞれをその順序で最小限化する様式で選択される、パレート最適である。再度、この特定のセットの選択は、いくつかの非限定的実施例が以下でさらに議論される、任意の所望の様式で行うことができる。
【0080】
一実施例では、本方法は、考慮されている全ての領域に適用される特定の幾何学的ステップまたは波形に対応する、各標的領域に対する各セットから液滴を選択し、次いで、利用可能なセットからこの液滴を減算し、残余を判定する。例えば、利用可能なセットの選択が、最初は、5つの標的領域のそれぞれについて{1(1),4(2)}、{1(1),3(2),1(4)}、{1(1),3(2),1(5)}、{1(1),2(2),1(4),1(5)}、{1(1),1(2),1(3),2(5)}、{1(1),1(2),1(4),2(5)}、{1(1),1(2),3(5)}、{1(1),1(3),3(5)}、{1(1),2(4),2(5)}、{1(1),1(4),3(5)}、および{1(1),4(5)}である場合、本実施形態は、5つの標的領域のうちの第1の領域に特有の残余を得るように、この最初のセットから1滴の液滴(1)を減算し、5つの標的領域のうちの第2の領域に特有の残余を得るように、最初のセットから1滴の液滴(2)を減算し、標的領域のうちの第3の領域に特有の残余を得るように、最初のセットから1滴の液滴(3)を減算する等であろう。この評価は、「0」の幾何学的ステップを表すであろう。次いで、本方法は、残余を評価し、他の可能な幾何学的ステップのためのプロセスを繰り返すであろう。例えば、次いで、「-1」の幾何学的ステップが適用された場合、本方法は、5つの標的領域のうちの第1の領域について、最初のセットから1滴の液滴(2)を減算し、標的領域のうちの第2の領域について、最初のセットから1滴の液滴(3)を減算する等して、残余を評価するであろう。
【0081】
印刷計画の一部として特定の幾何学的ステップ(およびノズル発射)を選択する際に、本方法は、採点および優先機能に従って種々の残余を分析し、最良のスコアを伴う幾何学的ステップを選択する。一実施形態では、採点は、(a)同時に使用されるノズルの数を最大限化し、(b)影響を受けた標的領域について残っている最小数の組み合わせを最大限化するステップをより大きく加重するように適用される。例えば、スキャン中に4つのノズルからの液滴を使用したスキャンが、2つだけのノズルからの液滴を使用したものより大いに好まれるであろう。同様に、異なるステップを考慮する際に上記で議論される減算プロセスを使用して、1つの可能なステップについて、それぞれの標的領域に対する1、2、2、4、および5の残りの組み合わせ、および第2の可能なステップについて、それぞれの標的領域に対する2、2、2、3、および4の残りの組み合わせをもたらした場合、本方法は、後者をより大きく加重するであろう(すなわち、最大の最小数が「2」である)。実践では、好適な重み付け係数を経験的に発生させることができる。明確に、他のアルゴリズムを適用することができ、他の形態の分析またはアルゴリズムショートカットを適用することができる。例えば、特定の液滴の組み合わせ、および所定の基準を満たす関連スキャンパラメータを判定するために、(例えば、固有ベクトル分析を使用して)行列数学を使用することができる。別の変形例では、例えば、線効果を軽減するために計画された無作為充填変動の使用を考慮に入れる、他の式を使用することができる。
【0082】
いったん特定のセットおよび/またはスキャン経路が数字507により選択されると、数字509により、プリンタ作用が順序付けられる。例えば、総充填量が唯一の考慮事項であった場合、典型的には、液滴のセットを恣意的な順序で堆積させることができることが留意される。印刷がスキャンまたは通過の数を最小限化するように計画される場合、幾何学的ステップの順序もまた、プリントヘッド/基板運動を最小限化するように選択することができる。例えば、仮想実施例での許容スキャンが、{0、+3、-2、+6、および-4}という相対的な幾何学的ステップを伴う場合、これらのスキャンは、プリントヘッド/基板運動を最小限化し、したがって、印刷速度をさらに向上させるように並べ替えることができ、例えば、{0、+1、+2、0、および+4}という一連のステップとしてスキャンを順序付ける。15という総ステップ増分距離を伴う、第1の一連の幾何学的ステップ{0、+3、-2、+6、および-4}と比較して、第2の一連の幾何学的ステップ{0、+1、+2、+0、および+4}は、より速いプリンタ応答を促進する、7という総ステップ増分距離を伴う。
【0083】
数字510によって表されるように、同一の標的充填を受容するものである、標的領域の多数の行を伴う用途については、次いで、基板のサブセット領域にわたって再現される反復可能パターンとして、特定の解法も表され得る。例えば、ある用途で、単一の行で配列された128個のノズル、および1024行の標的領域があった場合、255行またはそれより少ない標的領域のサブセット領域について、最適なスキャンパターンを判定でき、したがって、本実施例では、同一の印刷パターンを基板の4つ以上のサブセット領域に適用できることが期待される。したがって、いくつかの実施形態は、随意的なプロセスブロック510によって表されるような反復可能パターンを活用する。
【0084】
非一過性の機械可読媒体アイコン511の使用に留意されたい。このアイコンは、上記で説明される方法が、随意に、1つ以上の機械を制御するための命令(例えば、1つ以上のプロセッサを制御するためのソフトウェアまたはファームウェア)として実装されることを表す。非一過性の媒体は、任意の機械可読物理媒体、例えば、フラッシュドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、テープ、サーバ記憶装置または大容量記憶装置、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、コンパクトディスク(CD)、または他のローカルあるいは遠隔記憶装置を含むことができる。この記憶装置は、より大型の機械の一部(例えば、デスクトップコンピュータまたはプリンタ内の常駐メモリ)として、または単離基準で(例えば、後にファイルを別のコンピュータまたはプリンタに転送するであろう、フラッシュドライブまたは独立型記憶装置)具現化することができる。
図5を参照して記述される各機能は、単一の媒体表現(例えば、単一のフロッピー(登録商標)ディスク)上でともに、または複数の別個の記憶デバイス上でのいずれかで記憶される、複合プログラムの一部として、または独立型モジュールとして実装することができる。
【0085】
図5の数字513によって表されるように、いったん計画プロセスが完了すると、プリントヘッドに対するノズル発射データと、発射パターンを支援するためのプリントヘッドと基板との間の相対移動に対する命令とを備える、プリンタ命令のセットを効果的に表す、データが生成されるであろう。スキャン経路、スキャン順序、および他のデータを効果的に表す、このデータは、(例えば、非一過性の機械可読媒体アイコン515によって描写されるように)後に使用するために記憶するか、またはプリンタ(517)を制御して選択された組み合わせ(標的領域あたりのノズルの特定のセット)を表すインクを堆積させるように即時に適用することができるかのいずれかである、電子ファイル(513)である。例えば、本方法は、独立型コンピュータ上で適用することができ、命令データは、後に使用するため、または別の機械にダウンロードするために、RAMに記憶される。代替として、本方法は、プリンタパラメータ(ノズル・液滴量データ等)に依存してスキャンを自動的に計画するように実装し、プリンタによって動的に「着信」データに適用することができる。多くの他の代替案が可能である。
【0086】
図6A-6Dは、概して、ノズル選択およびスキャン計画プロセスに関する略図を提供する。再度、スキャンが移動の方向または速度で連続的または線形である必要はなく、かつ基板の1つの側面から別の側面まで進む必要がないことに留意されたい。
【0087】
第1のブロック図が、
図6Aの数字601によって表される。この図は、前の叙述で議論された例示的プロセスの多くを表す。本方法は、最初に、数字603により、各標的領域に対する許容液滴量の組み合わせのセットをメモリから取り出すことから始まる。これらのセットは、動的に計算することができ、または例えば、異なる機械上のソフトウェアを使用して、事前に計算することができたであろう。ローカルに記憶されたデータベース(例えば、ローカルRAMに記憶された)または遠隔データベースのいずれか一方を表す、データベースアイコン605の使用に留意されたい。次いで、本方法は、各標的領域に対する許容セットのうちの特定の1つを効果的に選択する(607)。この選択は、多くの実施形態では間接的であり、つまり、本方法は、(例えば、上記で参照される技法を使用して)特定のスキャンを選択するように許容組み合わせを処理し、実際に特定のセットを定義するのは、これらのスキャンである。それでもなお、スキャンを計画することによって、本方法は、それぞれの標的領域に対する組み合わせの特定のセットを選択する。次いで、このデータは、上記で参照されるように、スキャンを順序付けて運動および発射パターンをまとめる(609)ために使用される。
【0088】
図6Aの中央および右は、スキャン経路およびノズル発射パターンを計画し、実際に、印刷最適化を表す様式で各標的領域に対する特定の液滴の組み合わせを選択するためのいくつかのプロセスオプションを図示する。数字608によって表されるように、図示した
技法は、このタスクを行うための1つの可能な方法論を表すにすぎない。数字611により、分析は、許容組み合わせで各ノズル(またはノズルが1つより多くの発射波形によって駆動される、これらの場合においては、ノズル・波形の組み合わせ)の最小および最大使用を判定することを伴うことができる。特定のノズルが不良である(例えば、発射しない、または容認不可能な軌道で発射する)場合、随意に、そのノズルを使用のために(および考慮のために)除外することができる。第2に、ノズルが非常に少ない、または非常に多い期待液滴量のいずれか一方を有する場合、これは、許容組み合わせでそのノズルから使用することができる液滴の数を制限し得る。数字611は、考慮されるであろう組み合わせの数を削減する、事前処理を表す。数字612によって表されるように、評価されるであろう液滴の組み合わせのセットの数を制限するために、プロセス/ショートカットを使用することができる。例えば、各ノズルに対する「全ての」可能な液滴の組み合わせを考慮する代わりに、本方法は、随意に、半分より少ないノズル(または1/4等の別の数量のノズル)を伴う組み合わせ、半分より多くの液滴が任意の特定のノズル・波形に由来する組み合わせ、または液滴量の高い分散を表す、あるいは標的領域にわたって適用される同時液滴量の大きい分散を表す、組み合わせを除外するように構成することができる。他の測定基準も使用することができる。
【0089】
計算/考慮されるセットの数への任意の制限を受けて、次いで、本方法は、続いて、数字613により、許容液滴の組み合わせを計算して考慮する。数字614および615によって参照されるように、スキャンを計画し、および/または別様に標的領域(TR)あたりの液滴量の特定のセットを効果的に選択するために、種々のプロセスを使用することができる。例えば、上記で紹介されるように、1つの方法は、スキャン経路(例えば、特定の幾何学的ステップ選択)を仮定し、次いで、考慮されている全てのTRにわたる最も少ない残りのセット選択の最大値を考慮する。本方法は、1度に複数の標的領域を覆う次のスキャンの能力を最大限化する、これらのスキャン経路(代替的な幾何学的ステップ)を有利に加重することができる。代替として、または加えて、本方法は、1度に使用されるノズルの数を最大限化する、幾何学的ステップを有利に加重することができる。上記の簡略化された5つのノズルの議論に戻ると、5つのノズルを標的領域に適用するであろうスキャンを、1回の通過で3つだけのノズルを発射するであろうスキャンまたは通過より有意に加重することができる。したがって、一実施形態では、以下のアルゴリズムをソフトウェアによって適用することができる。
【数1】
この例示的な方程式では、「i」は、幾何学的ステップまたはスキャン経路の特定の選択を表し、w1は、1つの経験的に判定された加重を表し、w2は、第2の経験的に判定された加重を表し、#RemCombsTR,iは、スキャン経路iを仮定した、標的領域あたりの残りの組み合わせの数を表し、#Simult.Nozzlesiは、スキャン経路iに使用されるノズルの数の尺度を表す。この後者の値は整数である必要はなく、例えば、TRあたりの充填値が(例えば、表示デバイスにおいて潜在的に可視的なアーチファクトを隠すように)変化させられる場合、所与のスキャン経路が、1列の標的領域につき使用される様々な数のノズルを特色とすることができる、例えば、平均またはある他の尺度を使用できることに留意されたい。また、これらの係数および加重は例証的にすぎず、すなわち、これらとは異なる加重および/または考慮事項を使用すること、一方の分散のみを使用するが他方を使用しないこと、または完全に異なるアルゴリズムを使用することが可能であることも留意されたい。
【0090】
図6Aはまた、いくつかのさらなるオプションも示す。例えば、ある実装における液滴セットの考慮が、数字617により、方程式/アルゴリズム従って行われる。特定のステ
ップまたはオフセットを選択するために、各可能な代替幾何学的ステップについて計算することができるスコアとして、比較測定基準を表すことができる。例えば、別の可能なアルゴリズムアプローチは、以下に示されるような3つの項を用いた方程式を伴う。
【数2】
式中、Sv、Se、およびSdに基づく項は、それぞれ、堆積した液滴量、効率(通過につき使用される最大ノズル)、および幾何学的ステップの変動の分散について計算されるスコアである。1つの公式化では、「(Sv,min/Sv)」という項は、液滴の総数に依存する様式で、通過あたりの標的値からの充填量の変動を最小限化しようとする。
【0091】
図6Aの数字619は、一実施形態では、例えば、全ての液滴量の組み合わせを同時に考慮し、スキャン経路を選択するために固有ベクトル分析の形態を使用する、数学的技法の使用を通した、行列数学を使用して、液滴の組み合わせの選択を行うことができることを表す。
【0092】
数字621によって表されるように、考慮された液滴の組み合わせの数を削減するように、反復プロセスを適用することができる。つまり、例えば、1つの可能な処理技法の以前の叙述によって表されるように、幾何学的ステップを1度に1つ計算することができる。特定のスキャン経路が計画される度に、本方法は、検討中の各標的領域中で依然として必要とされる増分量を判定し、次いで、所望の公差内である標的領域あたりの総量または充填量を生成することに最も適したスキャンまたは幾何学的オフセットを続けて判定する。次いで、このプロセスは、全てのスキャン経路およびノズル発射パターンが計画されるまで、それぞれの反復として繰り返すことができる。
【0093】
数字622により、ハイブリッドプロセスの使用も可能である。例えば、一実施形態では、ノズルあたりの液滴量の最小限化された偏差および最大効率(例えば、スキャンにつき使用されるノズル)に基づいて、例えば、1つ以上のスキャンまたは幾何学的ステップの第1のセットを選択して使用することができる。いったんある数のスキャン、例えば、1、2、3回、またはそれを上回るスキャンが適用されると、(例えば、適用された液滴量の偏差にかかわらず)例えば、スキャンにつき使用されるノズルを最大限化する、異なるアルゴリズムを呼び出すことができる。上記で議論される特定の方程式または技法のうちのいずれか(あるいは他の技法)は、随意に、そのようなハイブリッドプロセスにおけるアルゴリズムのうちの適用された1つであり得、他の変形例が当業者に当然ながら想起されるであろう。
【0094】
以前に参照されたように、例示的なディスプレイ製造プロセスでは、標的領域あたりの充填量は、線効果を軽減するように意図的に注入される、計画された無作為化(623)を有することができることに留意されたい。一実施形態では、随意に、この計画された無作為化または他の効果を達成する様式で、標的充填量を意図的に変動させるように(または各標的領域に対する液滴の組み合わせについて生成される総量を非対称にするように)、発生器関数(625)が適用される。前述のように、異なる実施形態では、すなわち、液滴の組み合わせが分析される前でさえも、そのような変動が標的充填量および公差に含まれること、および例えば、標的領域あたりの充填要件を満たすように、以前に示されたようなアルゴリズムアプローチを適用することも可能である。
図8Bに関連して以下で議論されるように、無作為化を確率分布と見なすこと、および複合充填公差を満たすように計算される様式で、そのような無作為化に依存する液滴測定(およびノズルあたり、波形分布あたりの発生)を計画することも可能である。例えば、計画された充填の無作為化が、通常、標的複合充填の±0.2%の間で変動するものであり、特定公差が、標的複合充填の±0.5%である場合には、標的の0.3%以内である各ノズル/ノズル・波形の3σ値を生成するように、各ノズルおよび各ノズル・波形の組み合わせに対する液滴測定を計画することができる(0.2%+0.3%=0.5%)。
【0095】
図6Bおよび数字631は、上記で参照される反復液滴組み合わせ選択プロセスに関係付けられる、さらに詳細なブロック図を参照する。数字633および635によって表示されるように、再度、可能な液滴の組み合わせが、最初に識別され、記憶され、ソフトウェアによる評価のために適宜取り出される。各可能なスキャン経路(または幾何学的ステップ)については、数字637により、本方法は、スキャン経路を識別する設置面積(639)および適用されるノズルを記憶し、各標的領域に対する残余の組み合わせを判定するように(643)、標的領域あたりのセットからノズルあたりの発射を減算する(641)。これらも記憶される。次いで、数字645により、本方法は、事前定義された基準に従って記憶されたデータを評価する。例えば、随意的な(鎖線)ブロック647によって示されるように、全ての関連標的領域にわたって液滴の組み合わせの最小数を最大限化しようとする方法は、ちょうど記憶された組み合わせが、以前に考慮された代替案より良好であるか、または不良であるかどうかを示す、スコアを割り当てることができる。特定基準が満たされた(645)場合、特定のスキャンまたは幾何学的ステップを選択することができ、残余の組み合わせが、数字649および651によって表されるように、別のプリントヘッド/基板スキャンまたは通過の考慮で使用するために記憶されるか、または別様にフラグを付けられる。基準が満たされない(または考慮が不完全である)場合、別のステップを考慮することができ、および/または本方法は、数字653により、検討中の幾何学的ステップ(または以前に選択されたステップ)の考慮を調整することができる。再度、多くの変形例が可能である。
【0096】
スキャンが行われる、または液滴が堆積させられる順序は、各標的領域の最終的な複合充填値にとって重要ではないことが以前に留意された。これは事実であるが、印刷速度およびスループットを最大限化するために、スキャンは、好ましくは、可能な限り最も速いまたは効率的な印刷をもたらすよう順序付けられる。したがって、幾何学的ステップ分析に以前は含まれなかった場合、次いで、スキャンまたはステップの並べ替えおよび/または順序付けを行うことができる。このプロセスは、
図6Cによって表される。
【0097】
具体的には、数字661が、
図6Cの方法を概して指定するために使用される。例えば、好適な機械で作動するソフトウェアが、プロセッサに、選択されたスキャン経路(および適宜に、あるノズルを1つより多くの発射波形によって駆動することができる、これらの実施形態において、複数の発射波形のうちのどれが各液滴に使用されるものであるかを特定するデータをさらに含むことができる、ノズル発射パターン)を識別する、選択された幾何学的ステップ、特定のセット、または他のデータを取り出させる(663)。次いで、これらのステップまたはスキャンは、増分ステップ距離を最小限化する様式で並べ替えられるか、または順序付けられる。例えば、再度、以前に紹介された仮想実施例を参照すると、選択されたステップ/スキャン経路が{0、+3、-2、+6、および-4}であった場合、これらは、各増分ステップを最小限化するように、およびスキャンの間で運動システムによって横断される全体(総)距離を最小限化するように、並べ替えられ得る。例えば、並べ替えがないと、これらのオフセットの間の増分距離は、(横断される総距離が本実施例では「15」となるように)3、2、6、および4と同等であろう。スキャン(例えば、スキャン「a」、「b」、「c」、「d」、および「e」)が説明される様式で(例えば、「a」、「c」、「b」、「e」、および「d」の順序で)並べ替えられた場合、増分距離は、(横断される総距離が「7」となるように)+1、+2、0、および+4であろう。数字667によって表されるように、この時点で、本方法は、運動をプリントヘッド運動システムおよび/または基板運動システムに割り当てることができ、かつノズル発射の順序を逆転させることができる(例えば、
図3Bの数字339および340により、交互の往復スキャン経路方向が使用される場合)。以前に記述され、随意的なプロセスブロック669によって表されるように、いくつかの実施形態では、計画および/または最適化を標的領域の一部について行うことができ、次いで、解法が大型基板にわたって空間的に反復する基準で適用される。
【0098】
この反復は、
図6Dによって部分的に表される。
図6Dによって示唆されるように、この叙述について、フラットパネルデバイスのアレイを加工することが所望されると仮定されたい。共通基板が、数字681によって表され、ボックス683等の鎖線のボックスのセットが、各フラットパネルデバイスの幾何学形状を表す。好ましくは、2次元特性を伴う基準685が、基板上に形成され、種々の加工プロセスを位置付けて整合させるために使用される。これらのプロセスの最終的な完了に続いて、各パネル683は、切断または類似プロセスを使用して、共通基板から分離されるであろう。パネルのアレイがそれぞれのOLEDディスプレイを表す場合、共通基板681は、典型的には、1つ以上のカプセル化層が後に続く、ガラスが上に堆積させられた構造を伴う、ガラスであろう。次いで、各パネルは、ガラス基板がディスプレイの発光表面を形成するように反転させられるであろう。いくつかの用途については、他の基板材料、例えば、透明または不透明の可撓性材料を使用することができる。記述されるように、多くの他の種類のデバイスを、説明された技法に従って製造することができる。フラットパネル683の特定の一部687について、解法を計算することができる。次いで、この解法は、フラットパネル683の他の類似サイズの一部689について繰り返すことができ、次いで、各パネルが所与の基板から形成されるために、解法セット全体を繰り返すこともできる。
【0099】
上記で紹介される種々の技法および考慮を熟考すると、迅速に、単位あたりの低費用で製品を大量生産するように、製造プロセスを行うことができる。表示デバイス製造、例えば、フラットパネルディスプレイに適用されると、これらの技法は、複数のパネルが共通基板から生産される、高速のパネルあたりの印刷プロセスを可能にする。(例えば、パネルからパネルに共通インクおよびプリントヘッドを使用する)高速の反復可能印刷技法を提供することによって、印刷を実質的に向上させることができ、例えば、標的領域あたりの充填量が仕様内であることを保証しながら、層あたりの印刷時間を、上記の技法を用いないと必要とされるであろうほんのわずかな時間に削減することが考えられる。再度、大型HDテレビディスプレイの実施例に戻ると、大幅なプロセス向上を表す、180秒またはそれを下回って、あるいはさらに90秒またはそれを下回って、各色成分層を、大型基板(例えば、約220cm×250cmである8.5世代基板)のために正確かつ確実に印刷できることが考えられる。印刷の効率および品質を向上させることは、大型HDテレビディスプレイを生産する費用の有意な削減、したがって、より低い最終消費者費用のための道を開く。前述のように、ディスプレイ製造(具体的にはOLED製造)が、本明細書で紹介される技法の1つの用途であるが、これらの技法は、多種多様のプロセス、コンピュータ、プリンタ、ソフトウェア、製造機器、およびエンドデバイスに適用することができ、表示パネルに限定されない。
【0100】
公差内の精密な標的領域量(例えば、ウェル量)を堆積させる能力の1つの利益は、記述されるように、公差内の意図的な変動を注入する能力である。これらの技法は、ディスプレイの画素化アーチファクトを隠し、そのような「線効果」を人間の眼に認識できなくする能力を提供するため、ディスプレイにおいて大幅な品質向上を促進する。
図7は、この変動を注入するための1つの方法と関連付けられる、ブロック
図701を提供する。上記で議論される種々の方法およびブロック図と同様に、ブロック
図701および関連方法は、随意に、独立型媒体上で、またはより大型の機械の一部としてのいずれかで、ソフトウェアとして実装することができる。
【0101】
数字703によって表されるように、変動を特定の基準に依存させることができる。例
えば、コントラスト変動に対する人間の眼の感受性は、輝度、期待視認距離、ディスプレイ解像度、色、および他の要因の関数であることが、概して理解される。特定基準の一部として、異なる輝度レベルでの色の間のコントラストの空間的変動に対する典型的な人間の眼の感受性を考慮すると、そのような変動が、人間の眼に知覚可能ではない様式で平滑化される、例えば、(a)1つまたは複数の任意の方向で、あるいは(b)期待視認条件を考慮して色成分の間で、人間が観察可能なパターンを提供しない様式で変動させられるであろうことを確実にするために、尺度が使用される。これは、随意に、以前に参照されたように、計画された無作為化関数を使用して達成することができる。最小基準が特定されると、各色成分および各画素に対する標的充填量は、数字705によって表されるように、人間の眼から任意の視覚アーチファクトを隠すように計算された様式で、意図的に変動させることができる。
図7の右側は、例えば、充填変動が知覚可能なパターンを生じないことを確実にするように、アルゴリズム基準で適用される知覚可能なパターンに対する試験とともに、色成分にわたって変動を独立させることができる(707)という、種々のプロセスオプションを表すことに留意されたい。数字707によって記述されるように、任意の所与の色成分(例えば、任意の所与のインク)について、変動はまた、複数の空間次元のそれぞれ、例えば、xおよびy次元で独立させることができる(709)。再度、一実施形態では、知覚可能ではないよう、変動が各次元/色成分について平滑化されるだけでなく、これらの次元のそれぞれの間の差異の任意のパターンも、可視的であるよう抑制される。数字711により、例えば、随意に、任意の所望の基準を使用して、液滴量分析に先立って、軽微な標的充填変動を各標的領域の充填に割り当てることによって、これらの基準が満たされることを確実にするように、1つまたは複数の発生器関数を適用することができる。数字713によって表されるように、一実施形態では、随意に、変動を無作為にさせることができる。
【0102】
数字715により、各標的領域に対する特定の液滴の組み合わせの選択が、このようにして、選択された変動基準を支持して加重される。これは、記述されるように、標的充填変動を介して、または液滴(例えば、スキャン経路、ノズル・波形の組み合わせ、または両方)選択時に行うことができる。この変動を付与するための他の方法も存在する。例えば、1つの考慮された実装では、数字717により、スキャン経路は、非線形的に変動させられ、平均スキャン経路方向にわたって液滴量を効果的に変動させる。数字719により、例えば、発射パルス上昇時間、下降時間、電圧、パルス幅を調整すること、または軽微な液滴量変動を提供するためにパルスにつき複数の信号レベル(または他の形態のパルス成形技法)を使用することによって、ノズル発射パターンも変動させることができる。一実施形態では、これらの変動を事前に計算することができ、異なる実施形態では、総充填が特定公差範囲内にとどまることを確実にするために採用される他の尺度とともに、非常に軽微な量変動を生成する波形変動のみが使用される。一実施形態では、各標的領域については、特定公差範囲内に入る、複数の液滴の組み合わせが計算され、各標的領域については、どの液滴の組み合わせがその標的領域で使用されるかという選択が変動させられ(例えば、無作為に、または数学関数に基づいて)、または(すなわち、所与の量の液滴を生成するように使用される)特定の波形が、選択された組み合わせに寄与する1つのノズルについて変動させられ、例えば、わずかな量変動を提供し、それによって、標的領域にわたって液滴量を効果的に変動させるが、計画されたスキャン経路を変動させない。そのような変動は、1行の標的領域にわたって、1列の標的領域にわたって、または両方にわたって、スキャン経路方向に沿って実装することができる。
【0103】
図8A-8Bは、各ノズルまたはノズル・波形の組み合わせによって生成される液滴を評価するために、および随意に、測定から判定される統計的平均に従って複数の液滴の組み合わせを計画するために使用される、統計的モデルを発生させるための方法を説明するために使用される。
図8A-8Bの実施例では、統計的モデルは、所与のノズル・駆動波形対合から期待することができる液滴量について構築され、代替実施形態では、類似統計
的モデルを、液滴速度、(例えば、正規に対する)液滴飛行軌道について、またはある他のパラメータについて構築できることに留意されたい。
【0104】
図8によって描写される方法は、概して、数字801によって指定される。機能ブロック803により、本実施形態での方法は、仕様範囲、例えば、インクを受容するであろう所与の標的領域に対する最大および最小充填の確立から始まる。以前に提示された実施例では、この仕様範囲は、平均±特定値(例えば、50.00pL±0.5%)として表すことができるが、許容値のほぼあらゆる範囲または表現を使用することができる。1つの考慮された実装では、標的についての特定公差は、±0.5%であるが、限定ではないが1.0%または2.0%等の他の値も使用することができる。以前の実施例と一致して、本実施例について、標的が50.00pLであり、(許容範囲が49.75pL~50.25pLであるように)公差が±0.5%であるが、ほぼあらゆる範囲または許容基準を使用できることが仮定されるであろう。
【0105】
数字805により、1つ以上の候補波形が、プリントヘッドまたはプリントヘッドアセンブリの各ノズルについて選択される。単一の駆動波形のみ(例えば、固定電圧の方形電圧パルス)を使用する実施形態では、行われる必要がある選択がない。カスタマイズされた波形定義を可能にする実施形態では(例えば、
図14Bおよび
図15A-Bと関連付けられる以下の議論を参照)、典型的には、(例えば、検討中の各ノズルに対する複数の許容波形を最終的に識別するように間に補間することができる)値の範囲を表す、いくつかの選択的な波形を評価することが所望される。この選択は、手動設計プロセス(807)に従って(すなわち、設計者によって選択されてシステムに事前にプログラムされる波形を伴って)行うことができ、または数字809により、選択プロセスを自動化することもできる。
【0106】
1つ以上の波形が各ノズルについて定義されると、液滴測定が、所与のノズル・波形対合に対する異なる液滴放出のために計画される。例えば、一実施形態では、いくつかの液滴(例えば、「24」)が各ノズルに必要とされ得、種々の液滴に対する測定された統計的分布の評価の基礎を提供する。液滴測定デバイス(例えば、撮像または非撮像型)を、本明細書で議論されるように、この目的で使用することができる。24回(または他の数の)測定は、即時測定のために、またはそれぞれあるいは複数の測定サイクルあるいは反復で実行するために計画することができる。さらに、一実施形態では、閾値数の測定を初期化のために計画することができ、次いで、本システムが、測定された統計的分布に関する強力な信頼度を発生させるように、経時的に測定データセットを増加させ、代替実施形態では、各測定を移動時間窓のために計画することができ(例えば、再測定を「3時間毎に」計画することができ、または測定データを分析に使用されるある限定時間間隔のみにわたって保持することができる)、したがって、一実施形態では、各測定が、評価中にその妥当性および有効期限を示すようにタイムスタンプとともに記憶される。いずれの測定および/または測定保持基準が使用されようとも、統計的分析の目的で、測定の数を各ノズル・波形対合のために計画することができる(811)。有利なことには、各ノズル・波形対合に起因する液滴に対するそれぞれの測定は、セットとしてグループ化され、(集計を含む)数学的処理のための十分理解された規則を用いて既知の共通分布形式を発生させることを助長する様式で計画される。例えば、正規、スチューデントのT、およびポアソン分布は全て、(それぞれのノズル・波形対合に対する)個々の液滴の組み合わせに起因するであろう、充填量の総または複合分布を予測するために、既知の数学的プロセスに従って組み合わせることができる、関連パラメータを有する。したがって、非常に高度な信頼度(例えば、典型的には、数字813により、99%を上回る信頼度)で特定公差内の精密な充填を達成するために、潜在的に異なるノズル・波形対合と関連付けられる液滴の統計的組み合わせを可能にする、液滴データセットを発生させるために、本明細書で説明される技法に従って、測定計画を行うことができる。したがって、説明された技法の1
つの実装では、各ノズル・波形の組み合わせに対する液滴測定は、既知の確率分布の種類を表すパラメータのセット(例えば、正規分布の場合は測定または構成要素の数n、統計的平均μ、および標準偏差σ)を満たすように計画され、測定データが(いったん取得されると)検討中の全ての可能なノズルおよびノズル・波形対合について記憶される。一実施形態では、計画および測定は反復であり得、すなわち、未加工測定の最小数(n)、ある基準を満たす測定の最小数、最小統計的拡散(例えば、ある基準または所望の信頼区間を満たす3σ値)、または別のもの等のある所望の基準に達するまで繰り返される。いずれの計画基準が(例えば、ソフトウェアによって)適用されても、次いで、検討中の液滴測定デバイスおよびプリントヘッドアセンブリを含む、システムは、統計的に有意な数の液滴の測定を発生させるように、各ノズル(および所与のノズルに対する各駆動波形)に個別に適用される液滴測定を受ける(815)。数字817および819によって記述されるように、そのような測定は、随意に、原位置で(例えば、随意に、制御された雰囲気下で、プリンタまたはOLEDデバイス加工装置において)、かつ統計的信頼度を発生させるために十分な様式で行われる。次いで、収集されたデータは、総確率分布として(821)、および/または随意に、(例えば、ノズルあたりの測定を表示するために使用される任意のタイムスタンプを含む)個別測定データを保持する様式で、記憶することができる。
【0107】
前述のように、一実施形態では、潜在的に異なるノズルおよび/またはノズル駆動波形からの液滴が、高度な統計的信頼度以内で精密な充填を得るように、知的に組み合わせられる。共通形式の確率分布が各ノズルについて構築されると、この組み合わせ(および関連計画)は、精密な充填(および各充填に対する十分理解された確率分布)を得るために、それぞれの液滴に対する統計的パラメータを組み合わせることによって達成される。これは、
図8Aで数字823、825、および827によって表される。より具体的には、液滴平均は、一実施形態では、標的領域に対する予測総充填を得るように(例えば、関連正規分布に対応して)組み合わせられる。実施例として、所与の第1および第2のノズル・波形対合について、平均液滴量が、それぞれ、9.98pLおよび10.03pLとして測定される場合には、各対合と関連付けられる1滴の液滴に基づく平均総充填は、20.01pLであると期待される(正規分布が関与する場合、μc=μ1+μ2)。この同一の仮想実施例で、標準偏差が、それぞれの液滴について0.032pL(σ1)および0.035pL(σ2)である場合には、集計の期待標準偏差は、0.0474pLであり(すなわち、σ2c=σ21+σ22に基づく)、集計の3σ値は、約0.142pLであろう(1σが約68.27%の信頼区間に等しい一方で、3σは約99.73%の信頼区間に等しいことに留意されたい)。独立確率変数として各ノズル・波形対合に対する液滴測定を取り扱うことを介して、類似技法を任意の共通分布形式に適用することができる。したがって、本明細書で採用される技法は、(正規分布の場合)ボックス825によって表されるように、集計確率変数の分析に基づいて、種々の液滴の組み合わせを計画するように、各ノズル・波形対合に対する統計的モデルを構築するために液滴測定技法を使用する。確率分布の種類が確率変数集計の影響を受けやすいならば、ほぼあらゆる分布の種類を使用することができる。機能ブロック827によって示されるように、所望の仕様範囲(例えば、標的について0.5%)を考慮すると、提案された組み合わせが、高度な統計的信頼度で所望の範囲を満たすことを確実にするように(例えば、ソフトウェアによって)分析される。例えば、一実施形態では、記述されるように、所望の信頼基準(例えば、99.73%信頼区間を表す3σ)が、所望の公差範囲内に適合することを確実にするように試験される。実施例として、所望の公差が、上記で紹介される実施例により49.75~50.25pLであり、可能な液滴の組み合わせが、0.07pLに等しい3σ値を伴って49.89pLという平均として表された場合、これは、総充填が十分に所望の公差範囲内で49.82pL~49.96pLにあろうという99%信頼度に変わり、特定の組み合わせが、(上記で説明される液滴の組み合わせの分析機能により)許容組み合わせと見なされるであろう。再度、任意の所望の統計的基準または適合度データを使用
することができる。別の実施形態では、4σ値(99.993666%)または他の値が、所望の公差範囲に対して分析される。許容液滴組み合わせが各印刷ウェルについて判定されると、次いで、各ウェルに対する事前に計画された液滴の組み合わせに従って次の印刷(829)を伴って、(プリントヘッドアセンブリの複数のノズルによる同時堆積を表す)各ウェルに対する液滴の具体的な特定の組み合わせを計画することができる(
図5-7参照)。
【0108】
図8Bは、所望の基準に従って意図的な標的領域充填変動に適応するため、また、随意に、ノズルにつき(またはノズル波形につき)可変数の液滴測定を行うための別の方法851を提供する。より具体的には、本方法は、再度、命令によって決定付けられる機能のセットを果たすように少なくとも1つのプロセッサを制御する、非一過性の機械記憶媒体上に記憶された命令として実装することができる。所望の公差範囲が、数字853により、第1のオペランド「x」として受信され、例えば、標的領域(例えば、画素ウェル)充填が標的量の所与の割合、例えば、50.00pL±0.5%以内であるべきと特定することができる。この公差範囲は、機能855によって示されるように、顧客または業界仕様によって決定付けることができる。複合量の意図的な変動(例えば、完成したディスプレイにおいて線効果または他の顕著なアーチファクトを回避するための小範囲内の無作為変動)を計画することが所望される場合、その範囲は、機能857により、第2のオペランド「y」として受信される。これら2つのオペランドに基づいて、本方法は、ブロック859により、有効許容最大変動、標準偏差、または他の尺度を計算する。一実施形態では、yは、図で描写されるようにxから減算され、有効許可充填変動に等しい。例えば、仕様が上記の実施例により、±0.5%以内の充填を必要とし、±0.1%の意図的な無作為変動が、ウェル充填の計画された複合平均(例えば、49.95pL~50.05pL)に注入される場合には、再度、50.00pL±0.5%という標的の実施例を使用して、(無作為変動に先立った)許可変動を49.80pL~50.20pLに制限することができる。他の技法も可能であり、例えば、これらの尺度を単純に減算する代わりに、例えば、独立した無作為変数に対する標準偏差または分散の統計的組み合わせと関連付けられる数学に基づいて、境界基準の別のセットを使用することができ、実施形態に応じて、多くの他の基準を適用できることに留意されたい。ブロック859により、次いで、残りの範囲(例えば、標的の±0.4%)を、所望の信頼区間(例えば、3σ間隔または他の統計的尺度)と同等と見なし、上記で挙げられる実施例により、可能な液滴の組み合わせが容認可能であるか、または考慮から除外されるものであるかどうかを査定するために使用することができる。
【0109】
代替として、機能ブロック861および863によって示されるように、各液滴に対する所望の統計的モデルを構築するために、液滴測定を統制する基準として、残りの範囲および関連信頼区間を適用することができる。例えば、ブロック861によって表されるように、所望の信頼区間が定義されると(例えば、3σ<=標的の0.4%)、所望の分散または最大許可分散を識別することができ、所望の統計的基準を満たす統計的モデルを生成するように計算される様式で、各ノズル・波形の組み合わせについて行われる必要がある基準数nの液滴測定を効果的に定義する。例えば、充填が意図的に変動させられるものであるかどうかにかかわらず、緊密となるであろう統計的分布を生成し、したがって、印刷計画に使用することができる多数の可能な液滴の組み合わせにつながるように計算される、測定の数(例えば、24、50、または別の数)を識別するために、所望の有効公差範囲を使用することができる。この計算は、いくつかの方法で適用することができ、例えば、(a)各ノズル・波形の組み合わせに適用される測定の閾値数(例えば、それぞれに対して24回の液滴測定)を識別する、または(b)各ノズル・波形の組み合わせについて満たされなければならない閾値統計的基準を識別する(例えば、閾値基準、例えば、分散、標準偏差等まで、潜在的に可変数の測定がノズルまたはノズル波形につき行われる)。次いで、機能ボックス865に記載されるこの試験によって表される種々の例示的な関
数を用いて、測定を行うように、液滴測定デバイスを使用して、液滴試験機能が適用される(863)。例えば、ni個の液滴を、ボックス865で示されるように各ノズル(またはノズル・波形対合)「i」について測定することができる。各測定について、液滴測定デバイスを制御するソフトウェアは、増分液滴量測定を行い(867)、メモリにデータを記憶する(869)ことができる。各測定に続いて(または閾値数の測定後に)、特定のノズル・波形の組み合わせに対する統計的パラメータ(例えば、正規分布の種類の場合は平均および標準偏差、μおよびσ)を計算する(871)ように、所与のノズル・波形の組み合わせに対する集合的測定を集計することができる。次いで、これらの値をメモリに記憶することができる(873)。随意に、機能ボックス874により、速度v、ならびにxおよびy次元軌道(αおよびβ)に対する1つまたは複数の液滴測定を記憶するように、これらの同一または異なる測定技法を適用することができる。数字875によって反映されるように、次いで、十分な測定が特定のノズル・波形の組み合わせ(i)に対する所与のパラメータ(例えば、量)について行われているかどうか、または付加的な測定が所望されるかどうかを判定するように、決定基準を適用することができる。付加的な測定が必要とされる場合、本方法は、そのような付加的な測定を獲得するように、すなわち、所望のロバスト性基準を満たす統計的モデルを、特定のノズル・波形の組み合わせについて構築することができるように、フロー矢印877によりループする。付加的な測定が必要とされない場合、次いで、本方法は、次のノズル879に進むことができ、全てのノズルおよび/またはノズル・波形の組み合わせが処理されるまで、フロー矢印881により適宜ループする。この順番は全ての実施形態に必要とされるわけではなく、例えば、ループ877および881は順序を変更させることができ、例えば、液滴測定が連続的に各ノズルに行われると、十分にロバストなデータが取得されるまで、このプロセスが繰り返され、そのようなプロセスは、例えば、他のシステムプロセスに対して積み重ねられる様式で液滴測定が漸増的に行われるものである実施形態にとって、ある利点を提供することに留意されたい(例えば、以下の
図19の議論を参照)。いったん全てのノズルまたはノズル・波形の組み合わせが十分に試験されると、本方法は、数字883により、終了するか、または断続的に実行される場合は一時的に停止する。説明された液滴試験について、測定されたデータおよび/または計算された統計的パラメータを含む、取得されたデータは、例えば、上記で議論されるような液滴の組み合わせの計画で使用するために、機械可読メモリ885に記憶される。獲得されたデータはまた、随意に、異なる液滴量の知的な混合の代わりに、またはそれに加えて、他の様式で使用することもできる。一実施形態では、記述されるように、記憶されたデータは、再度、個々の測定および/または統計的パラメータの形態で、液滴量、液滴量および/または液滴軌道のうちの1つ以上を含む、任意の所望の液滴パラメータを表すことができる。
【0110】
図9A-10Cは、本明細書で議論される技法のためのシミュレーションデータを提供するために使用される。
図9A-9Cが、5滴の液滴に基づく期待複合充填量を表す一方で、
図10A-10Cは、10個の液滴に基づく期待複合充填量を表す。これらの図のそれぞれについては、文字指定「A」(例えば、
図9Aおよび10A)は、量差に関して考慮することなく液滴を堆積させるためにノズルが使用される、状況を表す。それに反して、文字指定「B」(例えば、
図9Bおよび10B)は、ノズル間の期待量差を「平均化」するように、(5または10個の)液滴の無作為な組み合わせが選択される、状況を表す。最終的に、文字指定「C」(例えば、
図9Cおよび10C)は、スキャンおよびノズル発射が、標的領域にわたる総充填分散を最小限化しようとする、標的領域あたりの特定の総インク量に依存している、状況を表す。これらの種々の図では、ノズルあたりの変動は、実際のデバイスで観察される変動と一致すると仮定され、各垂直軸は、pL単位の総充填量を表し、各水平軸は、標的領域、例えば、画素ウェルまたは画素色成分の数を表す。これらの図の強調は、仮定された平均についての無作為に分布した液滴変動を仮定して、総充填量の変動を示すものであることに留意されたい。
図9A-9Cについては、ノズルあたりの平均量は、ノズルにつき10.00pLをわずかに下回ると仮定され、
図10A-10Cについては、ノズルあたりの平均液滴量は、ノズルにつき10.00pLをわずかに上回ると仮定される。
【0111】
図9Aで表される第1のグラフ901は、ノズル液滴量の差異を軽減しようとすることなく、これらの差異を仮定する、ウェルあたりの量変動を示す。これらの変動は、約±2.61%の総充填量の範囲を伴って、(例えば、ピーク903により)極端であり得ることに留意されたい。記述されるように、5滴の液滴の平均は、50.00pLをわずかに下回り、
図9Aは、この値を中心とした±1.00%の範囲を表す第1の範囲905、およびこの値を中心とした±0.50%の範囲を表す第2の範囲907を含む、この平均を中心としたサンプル公差範囲の2つのセットを示す。いずれか一方の範囲を超える数値ピークおよびトラフ(例えば、ピーク903)によって見られるように、そのような印刷プロセスは、仕様(例えば、これらの範囲の一方または他方のいずれか)を満たすことができないであろう、多数のウェルをもたらす。
【0112】
図9Bで表される第2のグラフ911は、液滴量変動の効果を統計的に平均化しようとして、ウェルあたり5つのノズルの無作為化セットを使用する、ウェルあたりの量変動を示す。そのような技法が、任意の特定のウェルの中の特定の量のインクの精密な生成を可能にせず、そのようなプロセスが、範囲内の総量を保証しないことも留意されたい。例えば、仕様外になる充填量の割合は、
図9Aによって表されるよりはるかに良好な事例を表すが、依然として、(トラフ913によって識別されるような)個々のウェルが仕様外になる、例えば、それぞれ、数字905および907によって表される±1.00%および±0.50%変動外になる状況がある。そのような場合において、最小/最大誤差は、±1.01%であり、
図9Aで表されるデータに対する無作為混合を用いた向上を反映する。
【0113】
図9Cは、上記の技法に従って、ノズルあたりの液滴の特定の組み合わせを使用する、第3の事例を表す。具体的には、グラフ921は、変動が完全に±1.00%範囲内であり、全ての表された標的領域に対する±0.50%範囲を満たすことに極めて近いことを示す。再度、これらの範囲は、それぞれ、数字905および907によって表される。本実施例では、各通過またはスキャンに対して、適宜、プリントヘッド/基板偏移を伴って、各スキャンライン内のウェルを充填するために、5つの特異的に選択された液滴量が使用される。最小/最大誤差は、±0.595%であり、この形態の「スマート混合」を用いたさらなる向上を反映する。例えば、ノズル行(または複数のプリントヘッド)の間のオフセットが使用される、または特異的に選択された液滴量の組み合わせを可能にするために複数の事前選択された駆動波形が使用される、特定の充填または公差範囲を、任意の形態の知的な液滴量の組み合わせが達成するために、向上およびデータ観察が一貫するであろうことに留意されたい。
【0114】
記述されるように、
図10A-10Cは、類似データを提示するが、ノズルあたり約10.30pLの平均液滴量を伴う、ウェルあたり10個の液滴の組み合わせを仮定する。具体的には、
図10Aのグラフ1001は、液滴量差を軽減することに注意が払われていない事例を表し、
図10Bのグラフ1011は、量差を統計的に「平均化」しようとして液滴が無作為に適用される事例を表し、
図10Cのグラフ1021は、(
図10A/10Bの平均充填量、すなわち、約103.10pLを達成するように)特定の液滴の計画された混合の事例を表す。これらの種々の図は、それぞれ、矢印1005および1007を使用して表される、この平均についての±1.00%および±0.50%変動の公差範囲を示す。図のそれぞれはさらに、変動によって表される、それぞれのピーク1003、1013、および1023を示す。しかしながら、
図10Aは、標的について±2.27%の変動を表し、
図10Bは、標的について±0.707%の変動を表し、
図10Cは、標的について±0.447%の変動を表すことに留意されたい。より多数の液滴の平均化に
より、
図10Bの「無作為液滴」解法は、±0.50%範囲ではなく、平均について±1.00%公差範囲を達成することが分かる。それに反して、
図10Cによって描写される解法は、両方の公差範囲を満たすことが分かり、依然としてウェル間の液滴の組み合わせの変動を可能にしながら、仕様内にあるように変動を制約できることを実証する。
【0115】
本開示で説明される技法の1つの随意的な実施形態は、以下の通りである。±y%の最大変動を有する総充填量を堆積させるために、x%の液滴量標準偏差を伴うノズルが使用される、印刷プロセスについては、従来、総充填量が±y%だけ変動するであろうことを保証する手段がいくつか存在する。これは潜在的な問題を提示する。(例えば、
図9Bおよび10Bで見られるデータによって表されるような)液滴平均化技法は、標的領域にわたる総量の標準偏差をx%/(n)1/2まで統計的に削減し、nは、所望の充填量を達成するために標的領域につき必要とされる液滴の平均数である。しかしながら、そのような統計的アプローチを用いても、特にyおよびnが小さい場合、実際の標的領域充填量が実際に±y%の最大誤差限界内にあろうことを確実に確保するための機構がない。本明細書で議論される技法は、標的領域の既知の割合を保証し、±y%以内の複合 充填を達成することによって、そのような信頼性を提供するための機構を提供する。したがって、1つの随意的な実施形態は、標的領域にわたる量の標準偏差がx%/(n)1/2より良好(例えば、x%/(n)1/2より大幅に良好)である、制御データを生成する、またはプリンタ、ならびに関連装置、システム、ソフトウェア、および改良を制御するための方法を提供する。具体的実装では、各スキャンで標的領域のそれぞれの行(例えば、それぞれの画素ウェル)の中で液滴を堆積させるためにプリントヘッドノズルが同時に使用される状況で、この条件が満たされる。
【0116】
それらの量の合計が、このように説明された特定の標的を満たすよう具体的に選択されるように、液滴を組み合わせるための基本的技法のセットを用いて、ここで、本書は、これらの原理から利益を得ることができる、特定のデバイスおよび用途のより詳細な説明を参照する。この議論は、非限定的であること、すなわち、上記で紹介される方法を実践するための少数の具体的に考慮された実装を説明することを目的としている。
【0117】
図11で見られるように、多重チャンバ加工装置1101は、移送モジュール1103、印刷モジュール1105、および処理モジュール1107を含む、いくつかの一般的なモジュールまたはサブシステムを含む。各モジュールは、例えば、印刷を第1の制御された雰囲気中で印刷モジュール1105によって行うことができ、他の処理、例えば、無機カプセル化層堆積等の別の堆積プロセスまたは(例えば、印刷された材料のための)硬化プロセスを第2の制御された雰囲気中で行うことができるように、各モジュールは、制御された環境を維持する。装置1101は、基板を制御されていない雰囲気に暴露させることなく、モジュールの間で基板を移動させるために、1つ以上の機械ハンドラを使用する。任意の所与のモジュール内で、そのモジュールについて行われる処理に適合される、他の基板取扱システムおよび/または特定のデバイスおよび制御システムを使用することが可能である。
【0118】
移送モジュール1103の種々の実施形態は、入力ロードロック1109(すなわち、制御された雰囲気を維持しながら異なる環境間で緩衝を提供するチャンバ)、移送チャンバ1111(基板を輸送するためのハンドラも有する)、および雰囲気緩衝チャンバ1113を含むことができる。印刷モジュール1105内で、印刷プロセス中に基板の安定した支持のための浮動テーブル等の他の基板取扱機構を使用することが可能である。加えて、分割軸またはガントリ運動システム等のxyz運動システムを、基板に対する少なくとも1つのプリントヘッドの精密な位置付けに使用することができるとともに、印刷モジュール1105を通した基板の輸送のためのy軸運搬システムを提供する。また、例えば、2つの異なる種類の堆積プロセスを制御された雰囲気中の印刷モジュール内で行うことができるように、印刷チャンバ内で、例えば、それぞれのプリントヘッドアセンブリを使用して、印刷するために複数のインクを使用することも可能である。印刷モジュール1105は、不活性雰囲気(例えば、窒素、希ガス、別の類似ガス、またはそれらの組み合わせ)を導入し、別様に、環境的調節(例えば、温度および圧力)、ガス構成要素、および粒子状物質の存在について雰囲気を制御するための手段とともに、インクジェット印刷システムを収納するガスエンクロージャ1115を備えることができる。
【0119】
処理モジュール1107は、例えば、移送チャンバ1116を含むことができ、この移送チャンバはまた、基板を輸送するためのハンドラも有する。加えて、処理モジュールはまた、出力ロードロック1117、窒素スタック緩衝器1119、および硬化チャンバ1121を含むこともできる。いくつかの用途では、硬化チャンバは、例えば、熱または紫外線放射硬化プロセスを使用して、単量体フィルムを一様なポリマーフィルムに硬化させるために使用することができる。
【0120】
ある用途では、装置1101は、まとめて液晶表示画面またはOLED表示画面の大量生産、例えば、単一の大型基板上に1度に8枚の画面のアレイの加工に適合される。これらの画面は、テレビに、および他の形態の電子デバイス用の表示画面として使用することができる。第2の用途では、装置は、さらに類似する様式で、ソーラパネルの大量生産に使用することができる。
【0121】
上記で説明される液滴量の組み合わせ技法に適用されると、印刷モジュール1105は、有利なことには、光フィルタリング層、発光層、障壁層、伝導性層、有機または無機層、カプセル化層、および他の種類の材料等の1つ以上の層を堆積させるために、表示パネル製造で使用することができる。例えば、描写された装置1101は、基板を装填されることができ、全て制御されていない雰囲気への暴露に介入することによって途切れない様式で、種々のチャンバの間で基板を前後に移動させ、1つ以上の印刷層を堆積および/または硬化あるいは硬質化させるように制御することができる。随意に、基板が任意のチャンバの中で移動または処理されるにつれて、インク液滴測定(描写されたシステムに関連して使用される場合)を行うことができる。例えば、入力ロードロック1109を介して、第1の基板を装填することができ、このプロセス中に、印刷ノズルの一部に液滴測定を行うように、印刷モジュール1105内のプリントヘッドアセンブリを液滴測定デバイスと係合させることができる。多くの印刷ノズルを有する実施形態では、種々の印刷サイクルの間に、印刷アセンブリの全てのノズルの循環漸次的な一部を表す、異なるノズルが較正され、液滴量、(垂直に対する)放出角度、および速度のそれぞれに対する統計的モデルを発生させるよう関連液滴が測定されるように、液滴測定を周期的かつ断続的にすることができる。移送モジュール1103の中に位置付けられたハンドラは、入力ロードロック1109から印刷モジュール1105まで第1の基板を移動させ、そのときに液滴測定が離脱させられ、プリントヘッドアセンブリがアクティブ印刷のための位置まで移動させられる。印刷プロセスの完了に続いて、第1の基板は、硬化のために処理モジュール1107まで移動させることができる。再度、液滴測定の新しいサイクルを行うことができ、随意に、第2の基板を(本システムによって支持される場合)入力ロードロック1109の中へ装填することができる。多くの他の代替案およびプロセスの組み合わせが可能である。後続の層の繰り返しの堆積によって、例えば、印刷および硬化の繰り返しの反復のために第1の基板を前後に移動させることによって、標的領域あたりの制御された量、凝集層性質のそれぞれを、任意の所望の用途に適するように構築することができる。代替実施形態では、(例えば、新しい層、例えば、新しいOLED材料層、またはカプセル化あるいは他の層を連続的にパイプライン印刷するために)第1の基板を第2のプリンタに移送するために、出力ロードロック1117を使用することができる。再度、上記で説明される技法が表示パネル製造プロセスに限定されず、多くの異なる種類のツールを使用できることに留意されたい。例えば、装置1101の構成は、異なる並置で種々のモジュール1103、1105、および1107を配置するように変動させることができ、また、付加的なモジュールまたはより少ないモジュールも使用することができる。数字1121および1123によって表されるように、種々のプロセスを制御するため、および他のプロセスと連携して上記で説明されるような随意的な液滴測定を行うため、すなわち、本装置の休止時間を最小限化するため、ロバストな統計的モデルを維持しながら液滴測定を可能な限り最新に維持するため、および他のシステムプロセスに重複するように可能な限り多く液滴測定プロセスを積み重ねるために、好適なソフトウェアを実行するコンピュータデバイス(例えば、プロセッサ)を使用することができる。
【0122】
図11は、連結されたチャンバまたは加工構成要素のセットの一実施例を提供するが、明確に多くの他の可能性が存在する。上記で紹介されるインク液滴測定および堆積技法は、
図11で描写されるデバイスとともに、または実際には、任意の他の種類の堆積機器によって行われる加工プロセスを制御するために、使用することができる。
【0123】
図12は、本明細書で特定されるような1つ以上の層を有するデバイスを加工するために使用することができる、1つの装置の種々のサブシステムを示す、ブロック図を提供する。種々のサブシステムにわたる協調は、ソフトウェア(
図12に示されていない)によって提供される命令の下で作用する、プロセッサ1203によって提供される。加工プロセス中に、プロセッサは、ノズル発射命令に応じて、プリントヘッドに種々の量のインクを放出させるように、データをプリントヘッド1205に供給する。プリントヘッド1205は、典型的には、1行(またはアレイの行)に配列される複数のインクジェットノズルと、ノズルあたりの圧電または他の変換器の起動に応答してインクの噴出を可能にする関連貯留部とを有し、そのような変換器は、対応する圧電変換器に適用される電子ノズル駆動波形信号によって統制される量で、ノズルに制御された量のインクを放出させる。複数のプリントヘッドが存在する場合、各プリントヘッド用のプロセッサがあり得、または1つのプロセッサがプリントヘッドアセンブリ全体を制御することができる。他の発射機構も使用することができる。各プリントヘッドは、ハーフトーン印刷イメージによって表されるように、種々の印刷セル内の格子座標に対応する種々のx-y位置でインクを基板1207に適用する。位置の変動は、プリントヘッド運動システム1209および基板取扱システム1211(例えば、基板を横断する1つ以上の帯状の場所を印刷に表させる)の両方によって達成される。一実施形態では、プリントヘッド運動システム1209が、トラベラに沿って前後にプリントヘッドを移動させる一方で、基板取扱システムは、基板の任意の部分の「分割軸」印刷を可能にするように、安定した基板支持および基板の「y」次元輸送を提供する。基板取扱システムが、比較的高速のy次元輸送を提供する一方で、プリントヘッド運動システム1209は、比較的低速のx次元輸送を提供する。別の実施形態では、基板取扱システム1211は、xおよびy次元輸送の両方を提供することができる。さらに別の実施形態では、完全に基板取扱システム1211によって、一次輸送を提供することができる。任意の基準を位置付け、整合および/または誤差検出を支援するために、画像捕捉デバイス1213を使用することができる。
【0124】
本装置はまた、インク送達システム1215と、印刷動作を支援するプリントヘッド維持システム1217とを備える。プリントヘッドは、周期的に較正するか、または維持プロセスを受けることができ、この目的を達成するために、維持シーケンス中に、プリントヘッド維持システム1217は、特定のプロセスに対して、適宜、適切な下準備、インクまたはガスのパージ、試験および較正、ならびに他の動作を行うために使用される。
【0125】
以前に紹介されたように、印刷プロセスは、制御された環境で、つまり、堆積層の有効性を劣化させ得る汚染物質のリスクの低減を提示する様式で、行うことができる。この趣旨で、本装置は、機能ブロック1221によって表されるように、チャンバ内の雰囲気を制御するチャンバ制御サブシステム1219を含む。随意的なプロセス変形例は、記述さ
れるように、周囲窒素ガス雰囲気の存在下で堆積材料の噴出を行うことを含むことができる。
【0126】
前述のように、本明細書で開示される実施形態では、標的充填量に依存して選択される、標的領域あたりの特定の充填量を達成するように、個々の液滴量が組み合わせられる。特定の充填量を各標的領域のために計画することができ、充填値は許容公差範囲内で標的値について変動する。そのような実施形態については、液滴量は、インク、ノズル、駆動波形、および他の要因に依存する様式で、特異的に測定される。この目的を達成するために、参照数字1223は、液滴量1225が、各ノズルについて、および各駆動波形について測定され、次いで、メモリ1227に記憶される、随意的な液滴量測定システムを表す。そのような液滴測定システムは、前述のように、市販の印刷デバイスに組み込まれる光学ストロボカメラまたはレーザスキャンデバイス(または他の量測定ツール)であり得る。一実施形態では、そのようなデバイスは、個々の液滴量、堆積飛行角度または軌道、および液滴速度のリアルタイムまたは近リアルタイム測定を達成するように、(例えば、画素に作用する画像処理ソフトウェアの代わりに単純な光学検出器を使用する)非撮像技法を使用する。このデータは、印刷中、または1度きりの断続的あるいは周期的較正動作中のいずれかで、プロセッサ1203に提供される。数字1229によって示されるように、発射波形の事前配列されたセットもまた、随意に、後に特定の標的領域あたりの液滴の組み合わせを生成する際に使用するために、各ノズルと関係付けることができる。そのような波形のセットが実施形態に使用される場合、液滴量測定は、有利なことには、各波形について、各ノズル用の液滴測定システム1223を使用して較正中に計算される。必要に応じて測定を行い、統計的量測定誤差を最小限化するように処理(例えば、平均)することができるため、リアルタイムまたは近リアルタイム液滴量測定システムを提供することにより、所望の公差範囲内の標的領域量充填を提供することにおいて信頼性を大いに増進する。
【0127】
数字1231は、プロセッサ1203上で作動する印刷最適化ソフトウェアの使用を指す。より具体的には、このソフトウェアは、液滴量1225(原位置で測定されるか、または別様に提供される)の統計的モデルに基づいて、標的領域あたりの特定の充填量を得るように適宜液滴量を組み合わせる方法で、印刷を計画するためにこの情報を使用する。一実施形態では、上記の実施例により、液滴測定デバイスが個別液滴測定と関連付けられる、より低い精度を有し得ることにもかかわらず、総量を、ある誤差公差内で0.01pLまたはそれより良い分解能まで下げて計画することができ、つまり、ノズルあたりおよびノズル/波形の組み合わせあたりの液滴量の統計的モデルを構築するために、本明細書で説明される技法を使用することによって、液滴測定システムの精度によって表されるものより統計的精度の程度を推測することができる。いったん印刷が計画されると、プロセッサは、スキャンの数および順序、液滴径、相対的液滴発射時間、および類似情報等の印刷パラメータを計算し、各スキャンに対するノズル発射を判定するために使用される印刷イメージを構築する。一実施形態では、印刷イメージは、ハーフトーインイメージである。別の実施形態では、プリントヘッドは、10,000個もの多くの複数のノズルを有する。以下で説明されるように、時間値および発射値(例えば、発射波形を表すデータ、または液滴が「デジタルで」発射されるであろうかどうかを示すデータ)に従って、各液滴を表すことができる。ウェルあたりの液滴量を変動させるために幾何学的ステップおよび2元ノズル発射決定が依拠される、実施形態では、データのビット、ステップ値(またはスキャン数)、および液滴が配置される場所を示す位置値によって、各液滴を定義することができる。スキャンが連続運動を表す実装では、時間値を位置値の均等物として使用することができる。時間/距離を根拠にしようと、または絶対位置を根拠にしようと、値は、ノズルが発射されるべきである場所および時間を精密に特定する参照(例えば、同期化マーク、位置、またはパルス)に対する位置を表す。いくつかの実施形態では、複数の値を使用することができる。例えば、1つの具体的に考慮された実施形態では、スキャン中の相対的プリントヘッド/基板運動の各ミクロンに対応する様式で、同期パルスが各ノズルについて生成される。各同期パルスについて、各ノズルは、(a)ノズルが発射される前の整数クロックサイクル遅延を表すオフセット値、(b)特定のノズルドライバ専用のメモリに事前にプログラムされた15個の波形選択のうちの1つを表す(すなわち、16個の可能な値のうちの1つがノズルの「オフ」または非発射状態を特定する)4ビット波形選択信号、および(c)1回だけ、全同期パルスに1回、またはn個の同期パルス毎に1回、ノズルが発射されるべきかどうかを特定する、再現性値を伴ってプログラムされる。そのような場合において、波形選択および各ノズルのアドレスは、プロセッサ1203によって、メモリ1227に記憶された特定の液滴量データと関連付けられ、特定のノズルからの特定の波形の発射は、総インクを基板の特定の標的領域に供給するために、特定の対応する液滴量が使用されるものであるという計画された決定を表す。
【0128】
図13A-15Dは、異なる液滴量を組み合わせて各標的領域に対する精密な公差内充填量を得るために使用することができる、他の技法を紹介するために使用されるであろう。第1の技法では、印刷中に(例えば、スキャンの間に)ノズルの行をプリントアセンブリ内で相互に対して選択的にオフセットすることができる。この技法は、
図13A-13Bを参照して紹介される。第2の技法では、圧電変換器発射、したがって、(量を含む)各放出された液滴の性質を調整するために、ノズル駆動波形を使用することができる。
図14A-14Bは、いくつかのオプションについて議論するために使用される。最終的に、一実施形態では、複数の代替的な液滴発射波形のセットが、事前に計算され、各印刷ノズルとともに使用するために利用可能にされる。この技法および関連回路は、
図15A-Bを参照して議論される。
【0129】
図13Aは、矢印1307によって示されるスキャン方向に基板1305を横断する、プリントヘッド1303の平面
図1301を提供する。基板は、ここでは、各画素が、それぞれの色成分と関連付けられるウェル1309-R、1309-G、および1309-Bを有する、いくつかの画素1309から成ることが分かる。再度、この描写は、実施例にすぎず、すなわち、本明細書で使用されるような技法をディスプレイの任意の層(例えば、個々の色成分に限定されず、かつ色付与層に限定されない)に適用することができ、これらの技法はまた、表示デバイス以外のものを作製するためにも使用できることに留意されたい。この場合、プリントヘッドが1度に1つのインクを堆積させ、インクが色成分特有であることを仮定すると、ディスプレイのそれぞれのウェルについて、色成分の1つずつに、別個の印刷プロセスが行われるであろうことが意図される。したがって、第1のプロセスが赤色光生成に特有のインクを堆積させるために使用されている場合、画素1309のウェル1309-Rおよび画素1311の類似ウェル等の各画素の第1のウェルのみが、第1の印刷プロセスでインクを受容するであろう。第2の印刷プロセスでは、画素1309の第2のウェル(1309-G)および画素1311の類似ウェルのみが、第2のインクを受容する等であろう。したがって、種々のウェルが、標的領域の3つの異なる重複アレイ(この場合、流体容器またはウェル)と見なされる。
【0130】
プリントヘッド1303は、番号1313、1315、および1317を使用して表されるようないくつかのノズルを含む。この場合、番号のそれぞれは、行が基板の列軸1318に沿って延在する、ノズルの別個の行を指す。ノズル1313、1315、および1317は、基板1305に対してノズルの第1の列を形成することが分かり、ノズル1329は、ノズルの第2の列を表す。
図13Aによって描写されるように、ノズルは、画素と整合せず、プリントヘッドがスキャンで基板を横断すると、いくつかのノズルが標的領域を通り越すであろう一方で、他のノズルは通り越さないであろう。さらに、図では、印刷ノズル1313、1315、および1317が、画素1309から始まって画素の行の中心に精密に整合する一方で、印刷ノズル1329もまた、画素1311から始まって画素の行を通り越すであろうが、印刷ノズル1329の整合は画素1311の中心およびそ
の関連する行に精密ではない。ウェルの行とのノズルの列のこの整合/不整合は、それぞれ、インクを受容するものである印刷ウェルの中心を表す、線1325および1327によって描写される。多くの用途では、液滴が標的領域内で堆積させられる精密な場所は重要ではなく、そのような不整合は容認可能である(例えば、
図1Bおよび4Dに関連して議論されるように、複数のノズルのあるグループを各行と概ね整合させることが所望され得る)。
【0131】
図13Bは、ノズル(または個々のプリントヘッド)の3つ全ての行が、軸1318に対して約30度回転させられていることが分かる、第2の
図1331を提供する。この随意的な能力は、
図3Bの数字338によって以前に参照された。より具体的には、回転により、ウェル中心1325および1327と整合するか、あるいはスキャン中に標的印刷標的領域あたりのノズルの見掛けの密度を増加させるよう別様に調整された、ノズルの各列を伴って、列軸1318に沿ったノズルの間隔が変化している。しかしながら、そのような回転およびスキャン運動1307により、ノズルの各列からのノズルは、異なる相対的時間で画素の列(例えば、1309および1311)を横断し、したがって、潜在的に異なる位置発射データ(例えば、液滴を発射するための異なるタイミング)を有するであろうことに留意されたい。各ノズルの発射データを調整するための方法が、
図15A-Bに関連して以下で議論されるであろう。
【0132】
図13Cで表されるように、一実施形態では、随意に複数のプリントヘッドまたはノズルの行を与えられたプリントヘッドアセンブリが、相互から選択的にオフセットされたそのような行を有することができる。つまり、
図13Cは、オフセット矢印1353および1355によって表されるように、プリントヘッド(またはノズル行)1319、1321、および1323のそれぞれが相互に対してオフセットされる、別の平面図を提供する。これらの矢印は、プリントヘッドアセンブリに対する、対応する行の選択的オフセットを可能にする、ノズルの各行に1つずつ、随意的な運動機構の使用を表す。これは、(例えば、数字1307により)各スキャンとのノズル(および関連する特定の液滴量)の異なる組み合わせ、したがって、異なる特定の液滴の組み合わせを提供する。例えば、そのような実施形態では、
図13Cによって描写されるように、そのようなオフセットは、ノズル1313および1357の両方が、中心線1325と整合し、したがって、単一の通過で組み合わせられたそれぞれの液滴量を有することを可能にする。本実施形態は、幾何学的ステップを変動させる実施形態の特定の事例と見なされ、例えば、たとえ基板1305に対するプリントヘッドアセンブリ1303の連続スキャンの間の幾何学的ステップサイズが固定されたとしても、ノズルの所与の行のそれぞれのそのようなスキャン運動は、他のスキャンにおいて所与の行の位置に対して運動機構を使用して、可変オフセットまたはステップで効果的に位置付けられることに留意されたい。また、または代替として、そのようなオフセットは、堆積させられた液滴間に多様な間隔を提供するために、有効印刷格子を調整するように行うことができる。以前に紹介された原理と一致して、随意的なオフセットの使用は、各ウェルに対する特定の組み合わせ(または液滴セット)で、しかし削減した数のスキャンまたは通過を伴って、個々のノズルあたりの液滴量が集計されることを可能にする。例えば、
図13Cで描写される実施形態では、3滴の液滴を各スキャンで各標的領域(例えば、赤色成分のためのウェル)の中に堆積させることができ、さらに、オフセットが液滴量および/または空間的組み合わせの計画された変動を可能にする。
【0133】
図13Dは、スキャンの方向で得られた1つのウェル(例えば、
図13Aからのウェル1309-R)のための完成したディスプレイの断面図を図示する。具体的には、この図は、フラットパネルディスプレイ、具体的には、OLEDディスプレイの基板1352を示す。描写された断面図は、ディスプレイ(各画素の色を含む)を制御する電子信号を受信する、アクティブ領域1353および伝導性末端1355を示す。図の小さい楕円形領域1361は、基板1352の上方のアクティブ領域内の層を図示するように、図の右側
で拡大されて見える。これらの層は、それぞれ、アノード層1369、正孔注入層(「HIL」)1371、正孔輸送層(「HTL」)1373、放射または発光層(「EML」)1375、電子輸送層(「ETL」)1377、およびカソード層1378を含む。偏光子、障壁層、プライマ、および他の材料等の付加的な層も含むことができる。場合によっては、OLEDデバイスは、これらの層の一部のみを含むことができる。描写されたスタックが製造に続いて最終的に操作されるとき、電流がEML内で電子および「正孔」の再結合を引き起こし、光の放射をもたらす。アノード層1369は、いくつかの色成分および/または画素に共通する1つ以上の透明電極を備えることができ、例えば、アノードは、インジウムスズ酸化物(ITO)から形成することができる。アノード層1369はまた、反射性または不透明であり得、他の材料も使用することができる。カソード層1378は、典型的には、選択的制御を各画素のための各色成分に提供するように、パターン化電極から成る。カソード層は、アルミニウム等の反射金属層を備えることができる。カソード層はまた、ITOの層と組み合わせられた金属の薄い層等の不透明層または透明層を備えることもできる。ともに、カソードおよびアノードは、OLEDスタックに入る、および/またはそれを通過する、電子および正孔を供給および収集する働きをする。HIL1371は、典型的には、アノードからHTLの中へ正孔を輸送するように機能する。HTL1373は、典型的には、EMLからHTLの中への電子の輸送を妨害しながらも、HILからEMLの中へ正孔を輸送するように機能する。ETL1377は、典型的には、EMLからETLの中への電子の輸送を妨害しながらも、カソードからEMLの中へ電子を輸送するように機能する。それによって、これらの層はともに、EML1375の中へ電子および正孔を供給し、再結合して光を生成することができるように、これらの電子および正孔をその層に閉じ込める働きをする。典型的には、EMLは、ディスプレイの各画素のための赤、緑、および青の3原色のそれぞれに対する別個に制御された活性材料から成り、記述されるように、この場合、赤色光生成材料によって表される。
【0134】
このアクティブ領域内の層は、酸素および/または湿気への暴露を通して劣化させられ得る。したがって、基板の反対側のこれらの層の面および側面(1362/1363)の両方、ならびに外側縁上で、これらの層をカプセル化することによって、OLED寿命を増進することが所望される。カプセル化の目的は、耐酸素および/または湿気障壁を提供することである。そのようなカプセル化は、全体で、または部分的に、1つ以上の薄膜層の堆積を介して形成することができる。
【0135】
本明細書で議論される技法は、これらの層のうちのいずれかならびにそのような層の組み合わせを堆積させるために使用することができる。したがって、1つの考慮された用途では、本明細書で議論される技法は、3原色のそれぞれに対するEML層のためのインク量を提供する。別の用途では、本明細書で議論される技法は、HIL層のためのインク量等を提供するために使用される。さらに別の用途では、本明細書で議論される技法は、1つ以上のOLEDカプセル化層のためのインク量を提供するために使用される。本明細書で議論される印刷技法は、プロセス技術に対して、適宜、有機または無機層、および他の種類のディスプレイおよび非表示デバイスのための層を堆積させるために使用することができる。
【0136】
図14Aは、ノズル駆動波形調整、およびプリントヘッドの各ノズルから異なる放出液滴量を提供するための代替的なノズル駆動波形の使用を紹介するために使用される。第1の波形1403は、静穏期1405(0ボルト)、時間t2におけるノズルを発射する決定と関連付けられる上昇傾斜1413、電圧パルスまたは信号レベル1407、および時間t3における下降傾斜1411から成る、単一のパルスと見なされる。数字1409によって表される有効パルス幅は、パルスの上昇および下降傾斜の間の差異に応じて、t3-t2に略等しい持続時間である。一実施形態では、これらのパラメータ(例えば、上昇傾斜、電圧、下降傾斜、パルス持続時間)のうちのいずれかは、所与のノズルの液滴量放
出特性を潜在的に変化させるように変動させることができる。第2の波形1423は、第1の波形1403の信号レベル1407に対して、より大きい駆動電圧1425を表すことを除いて、第1の波形1403に類似する。より大きいパルス電圧および有限上昇傾斜1427により、このより高い電圧に達するためにより長くかかり、同様に、下降傾斜1429は、典型的には、第1の波形からの類似傾斜1411に対して遅延する。この場合、(例えば、ノズル発射経路インピーダンスの調整を通して)傾斜1413および1411の代わりに異なる上昇傾斜1435および/または異なる下降傾斜1437を使用できることを除いて、第3の波形1433も第1の波形1403に類似する。異なる傾斜は、より急またはより浅くのいずれかにさせることができる(描写された場合では、より急勾配)。それに反して、第4の波形1443では、(数字1445によって表されるように)所与の信号レベルでパルスの時間を増加させるため、および数字1447によって表されるようにパルスの立ち下がりエッジを遅延させるための両方で、例えば、遅延回路(例えば、電圧制御された遅延線)を使用して、パルスがより長くさせられる。最終的に、第5の波形1453は、パルス成形の手段も提供するものとして、複数の離散信号レベルの使用を表す。例えば、この波形は、最初に記述された信号レベル1407における時間、次いで、時間t3とt2との間の途中で適用される第2の信号レベル1455まで上昇する傾斜を含むことが分かる。大きい方の電圧により、この波形1457の立ち下がり区間は、立ち下がりエッジ1311の後に遅延することが分かる。
【0137】
これらの技法のうちのいずれかは、本明細書で議論される実施形態のうちのいずれかと組み合わせて使用することができる。例えば、駆動波形調整技法は、随意に、線効果を軽減するように、スキャン運動およびノズル発射がすでに計画された後に、小さい範囲内で液滴量を変動させるために使用することができる。第2の公差が仕様に一致するような様式での波形変動の設計は、計画された非無作為または計画された無作為変動を伴って高品質層の堆積を促進する。例えば、テレビメーカーが50.00pL±0.50%の充填量を特定する、以前に紹介された仮定に戻ると、(総充填量に達するために必要とされる5滴の液滴を考慮して)変動が液滴あたりわずか±0.025pLの量変動を統計的に提供する、波形変動に適用される非無作為または無作為技法を用いて、領域あたりの充填量を50.00pL±0.25%(49.785pL~50.125pL)の第1の範囲内で計算することができる。代替として、または加えて、放出された液滴の速度または軌道(飛行角度)に影響を及ぼすために、駆動波形変動を使用することができる。例えば、1つのプロセスでは、液滴は、量および/または速度および/または軌道に関する基準の所定のセットを満たすように要求され、液滴が容認された規範外になる場合には、準拠が達成されるまでノズル駆動波形を調整することができる。代替として、所定の波形のセットを測定することができ、これらの波形の一部は所望の規範への適合に基づいて選択される。明確に、多くの変形例が存在する。
【0138】
上述のように、
図14Aからの第5の波形1453によって表される、一実施形態では、パルスを成形するために複数の信号レベルを使用することができる。この技法はさらに、
図14Bを参照して議論される。
【0139】
つまり、一実施形態では、波形は、例えば、デジタルデータによって定義される、一連の離散信号レベルとして事前定義することができ、駆動波形は、デジタル・アナログ変換器(DAC)によって生成される。
図14Bの数字1451は、離散信号レベル1455、1457、1459、1461、1463、1465、および1467を有する、波形1453を指す。本実施形態では、各ノズルドライバは、各波形が、それぞれマルチビット電圧および持続時間として表される、一連の最大16個の信号レベルで定義される、最大16個の異なる信号波形を受信して記憶する回路を含む。すなわち、そのような実施形態では、1つ以上の信号レベルに対する異なる持続時間を定義することによって、パルス幅を効果的に変動させることができ、微妙な液滴径変動を提供するように選択される様式で、駆動電圧を波形成形することができ、例えば、液滴量は、0.10pL単位等の特定の量漸進増分を提供するように計測される。したがって、そのような実施形態では、波形成形は、標的液滴量値に近くなるように液滴量を調節する能力を提供し、上記で例示される技法を使用して等、他の特定の液滴量と組み合わせられたとき、これらの技法は、標的領域あたりの精密な充填量を促進する。しかしながら、加えて、これらの波形成形技法はまた、線効果を低減または排除するための方策も促進し、例えば、1つの随意的な実施形態では、上記で議論されるように、特定の量の液滴が組み合わせられるが、最後の液滴(または複数の液滴)は、所望の公差範囲の境界に対する変動を提供する様式で選択される。別の実施形態では、所定の波形を適用することができ、随意的なさらなる波形成形またはタイミングが、液滴量、速度、および/または軌道を調整するように適宜適用される。さらに別の実施例では、ノズル駆動波形代替案の使用は、さらなる波形成形が必要ではないように量を計画する機構を提供する。
【0140】
典型的には、異なる駆動波形および結果として生じた液滴量の効果は、事前に測定される。各ノズルについては、次いで、最大16個の異なる駆動波形が、後に、ソフトウェアによって選択されるような離散量変動を提供する際に選択的に使用するために、ノズルあたり1kの同期ランダムアクセスメモリ(SRAM)に記憶される。異なる駆動波形が手元にあると、次いで、各ノズルは、特定の駆動波形を達成するデータのプログラミングを介して、どの波形を適用するかに関して液滴毎に指示される。
【0141】
図15Aは、概して、数字1501によって指定される、そのような実施形態を図示する。具体的には、印刷される材料の特定の層に対する標的領域あたりの意図された充填量を定義するデータを受信するために、プロセッサ1503が使用される。数字1505によって表されるように、このデータは、格子点または位置アドレスあたりの液滴量を定義する、レイアウトファイルまたはビットマップファイルであり得る。一連の圧電変換器1507、1508、および1509は、それぞれ、ノズル駆動波形およびプリントヘッド間製造変動を含む、多くの要因に依存する、関連放出液滴量1511、1512、および1513を生成する。較正動作中に、変数のセットのそれぞれは、使用されるであろう特定のインクを考慮して、ノズル間変動および異なる駆動波形の使用を含む、液滴量に及ぼすその効果について試験される。所望であれば、この較正動作は、例えば、温度、ノズルの詰まり、または他のパラメータの変化に応答するように、動的にさせることができる。この較正は、印刷計画および次の印刷を管理する際に使用するために、測定データをプロセッサ1503に提供する、液滴測定デバイス1515によって表される。一実施形態では、この測定データは、(例えば、何千個ものプリントヘッドノズルおよび潜在的に多数の可能なノズル発射波形について)文字通り数分、例えば、何千個ものノズルについてはわずか30分、好ましくはさらに少ない時間を要する、動作中に計算される。別の実施形態では、記述されるように、そのような測定は、反復して、つまり、異なる時点でノズルの異なる一部を更新するように、行うことができる。非撮像(例えば、干渉)技法を、随意に、以前に説明されたように使用することができ、毎秒何十から何百ものノズルを覆って、ノズルにつき何十回もの液滴測定を潜在的にもたらす。このデータおよび任意の関連統計的モデル(および平均)は、受信されたときにレイアウトまたはビットマップデータ1505を処理する際に使用するために、メモリ1517に記憶することができる。ある実装では、プロセッサ1503が、実際のプリンタから遠隔にあるコンピュータの一部である一方で、第2の実装では、プロセッサ1503は、製品用の加工機構(例えば、ディスプレイを加工するためのシステム)またはプリンタのいずれか一方と統合される。
【0142】
液滴の発射を行うために、1つ以上のタイミングまたは同期化信号1519のセットが、基準として使用するために受信され、これらは、特定のノズル(それぞれ、1527、1528、および1529)に対する駆動波形を生成するように、各ノズルドライバ1523、1524、および1525に配信するためにクロックツリー1521を通過させられる。各ノズルドライバは、それぞれ、プロセッサ1503からマルチビットプログラミングデータおよびタイミング情報を受信する、1つ以上のレジスタ1531、1532、および1533を有する。各ノズルドライバおよびその関連レジスタは、それぞれ、レジスタ1531、1532、および1533をプログラムする目的で、1つ以上の専用書き込み許可信号(wen)を受信する。一実施形態では、レジスタのそれぞれは、複数の所定の波形を記憶する1k SRAMを含む、かなりの量のメモリと、これらの波形の間で選択し、別様に波形生成を制御するプログラム可能レジスタを備える。プロセッサからのデータおよびタイミング情報は、マルチビット情報として描写されるが、この情報は、各ノズルへの直列または並列ビット接続のいずれか一方を介して提供することができる(以下で議論される
図15Bで見られるように、一実施形態では、この接続は、
図15Aで見られる並列信号表現とは対照的に直列である)。
【0143】
所与の堆積、プリントヘッド、またはインクについて、プロセッサは、液滴を生成するために選択的に適用することができる、16個の駆動波形のセットを各ノズルのために選択する。この数は、恣意的であり、例えば、ある設計では、4つの波形を使用することができる一方で、別の設計では、4000個の波形を使用できることに留意されたい。これらの波形は、有利なことには、各ノズルに対する出力液滴量の所望の変動を提供するように、例えば、略理想的な液滴量(例えば、10.00pLの平均液滴量)を生成する少なくとも1つの波形選択を各ノズルに行わせるように、および各ノズルから一連の意図的な量変動を提供するように選択される。種々の実施形態では、16個の駆動波形の同一のセットが、ノズルの全てに使用されるが、描写された実施形態では、各波形がそれぞれの液滴量特性を与える、各ノズルについて事前に定義される16個のおそらく一意の波形は、それぞれ別個である。
【0144】
印刷中に、各液滴の堆積を制御するために、次いで、事前定義された波形のうちの1つを選択するデータが、ノズル毎の基準で、各ノズルのそれぞれのレジスタ1531、1532、または1533にプログラムされる。例えば、10.00pLの標的液滴量を考慮すると、ノズルドライバ1523は、レジスタ1531へのデータの書き込みを通して、16個の異なる液滴量のうちの1つに対応する、16個の波形のうちの1つを設定するように構成することができる。ノズル毎の(および波形毎の)液滴量および関連分布がプロセッサ1503によって登録され、所望の標的充填を生成することを補助してメモリに記憶されると、各ノズルによって生成される量は、液滴測定デバイス1515によって測定されているであろう。プロセッサは、レジスタ1531をプログラムすることによって、特定のノズルドライバ1523に16個の波形のうちのプロセッサが選択した1つを出力させたいかどうかを定義することができる。加えて、プロセッサは、所与のスキャン線のためのノズルの発射へのノズルあたりの遅延またはオフセットを有するように(例えば、各ノズルをプリントヘッドによって横断される格子と整合させるように、速度または軌道誤差を含む誤差を補正するように、および他の目的で)レジスタをプログラムすることができ、このオフセットは、各スキャンのためのプログラム可能な数のタイミングパルスによって特定のノズル(または発射波形)を非対称にする、カウンタによって達成される。実施例を提供するために、液滴測定の結果が、1つの特定の液滴が期待より低い速度を有する傾向があることを示す場合には、対応するノズル波形をより早くトリガする(例えば、圧電作動に使用されるアクティブ信号レベルの前の無駄時間を短縮することによって、時間的に前進させる)ことができ、逆に、液滴測定の結果が、1つの特定の液滴が比較的高い速度を有することを示す場合には、波形を後にトリガすることができる等である。他の実施例が明確に可能であり、例えば、いくつかの実施形態では、駆動強度(すなわち、所与のノズルの圧電アクチュエータを駆動するために使用される信号レベルおよび関連電圧)を増加させることによって、遅い液滴速度を妨げることができる。一実施形態では、全てのノズルに配信される同期信号は、同期化の目的で、定義された時間間隔(例えば、1マイクロ秒)で生じ、別の実施形態では、同期信号は、例えば、プリントヘッドと基板との間の1ミクロン毎の漸進的相対運動を発射するように、プリンタ運動および基板地形に対して調整される。高速クロック(φhs)が、例えば、100メガヘルツ、33メガヘルツ等で、同期信号より何千倍も速く作動させられ、一実施形態では、複数の異なるクロックまたは他のタイミング信号(例えば、ストロボ信号)を組み合わせて使用することができる。プロセッサはまた、格子間隔を画定する値もプログラムし、ある実装では、格子間隔は、利用可能なノズルの集合全体に共通するが、これは各実装に当てはまる必要はない。例えば、場合によっては、全ノズルが「5ミクロン毎に」発射するものである、規則的な格子を画定することができる。この格子は、印刷システム、基板、または両方に特有であり得る。したがって、1つの随意的な実施形態では、先験的に未知である基板地形に合致するように格子を効果的に変換するために使用される、同期周波数またはノズル発射パターンを用いて、特定のプリンタについて格子を画定することができる。別の考慮された実施形態では、プロセッサが、次いで、(例えば、不規則な格子を画定するように)全てのノズルから読み出される新しい格子間隔を(要求に応じて)選択することができるように、全てのノズルにわたって共有される、いくつかの異なる格子間隔(例えば、16)を、プロセッサが事前に記憶することを可能にするメモリが、全てのノズルにわたって共有される。例えば、(例えば、非色特有の層を堆積させるように)ノズルがOLEDの全ての色成分ウェルのために発射するものである、実装では、3つ以上の異なる格子間隔を、プロセッサによってラウンドロビン様式で連続的に適用することができる。明確に、多くの設計代替案が可能である。プロセッサ1503はまた、動作中に各ノズルのレジスタを動的に再プログラムすることもでき、すなわち、同期パルスは、そのレジスタの中で設定される任意のプログラムされた波形パルスを起動するトリガとして適用され、新しいデータが次の同期パルスの前に非同期的に受信された場合には、新しいデータが次の同期パルスとともに適用されるであろうことに留意されたい。プロセッサ1503はまた、同期パルス生成(1536)のためのパラメータを設定することに加えて、スキャンの開始および速度(1535)を制御する。加えて、プロセッサは、上記で説明される種々の目的で、プリントヘッドの回転(1537)を制御する。このようにして、各ノズルは、任意の時間に(すなわち、任意の「次の」同期パルスとともに)各ノズルに対する16個の異なる波形のうちのいずれか1つを使用して、一斉に(または同時に)発射することができ、選択された発射波形を、1回のスキャン中に発射間で動的に、16個の異なる波形のうちのいずれかの他方と挟むことができる。
【0145】
図15Bは、各ノズルに対する出力ノズル駆動波形を生成するためにそのような実施形態で使用される、回路(1541)の付加的な詳細を示し、出力波形は、
図15Bで「nzzl-drv.wvfm」として表される。より具体的には、回路1541は、同期信号、シリアルデータ(「データ」)を搬送する単一のビット線、専用書き込み許可信号(we)、および高速クロック(φhs)の入力を受信する。レジスタファイル1543は、それぞれ、初期オフセット、格子定義値、および駆動波形IDを伝える、少なくとも3つのレジスタのデータを提供する。初期オフセットは、記述されるように、格子の開始と整合するように各ノズルを調整する、プログラム可能な値である。例えば、複数のプリントヘッド、ノズルの複数の行、異なるプリントヘッド回転、ノズル発射速度およびパターン、ならびに他の要因等の実装変数を考慮すると、初期オフセットは、遅延および他の要因を考慮するように、各ノズルの液滴パターンを格子の開始と整合させるために使用することができる。オフセットは、例えば、基板地形に対して格子またはハーフトーンパターンを回転させるように、あるいは基板の不整合を補正するように、複数のノズルにわたって異なる方法で適用することができる。同様に、記述されるように、オフセットはまた、異常な速度または他の効果を補正するために使用することもできる。格子定義値は、プログラムされた波形がトリガされる前に「数えられる」同期パルスの数を表す数であり、フラットパネルディスプレイ(例えば、OLEDパネル)を印刷する実装の場合に、印刷される標的領域は、おそらく、規則的な(一定の間隔)または不規則的な(複数の間隔)格子に対応する、異なるプリントヘッドノズルに対して1つ以上の規則的な間隔を有する。前述のように、ある実装では、プロセッサは、要求に応じて全てのノズルのためのレジスタ回路に読み出すことができる、最大16個の異なる格子間隔を画定するように、独自の16エントリSRAMを保つ。したがって、格子間隔値が2(例えば、2ミクロン毎)に設定された場合には、各ノズルは、この間隔で発射されるであろう。駆動波形IDは、各ノズルに対する事前に記憶された駆動波形のうちの1つの選択を表し、実施形態に応じて、多くの様式でプログラムして記憶することができる。一実施形態では、駆動波形IDは、4ビット選択値であり、各ノズルは、16×16×4Bエントリとして記憶される、最大16個の所定のノズル駆動波形を記憶するように、独自の専用1kバイトSRAMを有する。簡潔には、各波形に対する16個のエントリのそれぞれは、プログラム可能な信号レベルを表す4バイトを含有し、これらの4バイトは、高速クロックのパルスの数を数えるために使用される、2バイトの分解能電圧レベルおよび2バイトのプログラム可能な持続時間を表す。したがって、各プログラム可能な波形は、(0~1個の)離散パルスから、それぞれプログラム可能な電圧および持続時間の(例えば、33メガヘルツクロックの1~255個のパルスに等しい持続時間の)最大16個までの離散パルスから成ることができる。
【0146】
数字1545、1546、および1547は、どのようにして所与のノズルに対して特定波形を生成することができるかを示す、回路の一実施形態を指定する。第1のカウンタ1545は、新しい線スキャンの開始によってトリガされる、初期オフセットのカウントダウンを開始するように、同期パルスを受信する。第1のカウンタ1545は、ミクロン増分でカウントダウンし、ゼロに達するとき、トリガ信号が第1のカウンタ1545から第2のカウンタ1546に出力される。このトリガ信号は、本質的に、各スキャン線に対する各ノズルの発射プロセスを開始する。次いで、第2のカウンタ1546は、ミクロンの増分でプログラム可能な格子間隔を実装する。第1のカウンタ1545が、新しいスキャン線と併せてリセットされる一方で、第2のカウンタ1546は、その出力トリガに続いて、高速クロックの次のエッジを使用してリセットされる。第2のカウンタ1546は、トリガされたとき、特定のノズルに対する選択された駆動波形形状を生成する、波形回路発生器1547を起動する。発生器回路の下で見られる、鎖線のボックス1548-1550によって表されるように、この後者の回路は、高速クロック(φhs)に従って時期を決定される、高速デジタル・アナログ変換器1548、カウンタ1549、および高電圧増幅器1550に基づく。第2のカウンタ1546からのトリガが受信されると、波形発生器回路は、駆動波形ID値によって表される数のペア(信号レベルおよび持続時間)を取り出し、信号レベル値に従って所与のアナログ出力電圧を生成し、カウンタ1549は、カウンタに従って持続時間のDAC出力を保持するために効果的である。次いで、関連出力電圧レベルが、高電圧増幅器1550に適用され、ノズル・駆動波形として出力される。次いで、次の数のペアが、次の信号レベル値/持続時間等を定義するように、レジスタ1543からラッチされる。
【0147】
描写された回路は、プロセッサ1503によって提供されるデータに従って、任意の所望の波形を定義する効果的な手段を提供する。格子の幾何学形状に準拠すること、または異常な速度または飛行角度を伴うノズルを軽減することが必要な場合、任意の特定の信号レベル(例えば、同期に対するオフセットを定義する第1の「0」信号レベル)と関連付けられる持続時間および/または 電圧レベルを調整することができる。記述されるように、一実施形態では、プロセッサは、事前に波形のセット(例えば、ノズルあたり16個の可能な波形)を決定し、次いで、これらの選択された波形のそれぞれの定義を、各ノズルのドライバ回路用のSRAMに書き込み、次いで、プログラム可能な波形の「発射時間」決定が、4ビット駆動波形IDを各ノズルレジスタに書き込むことによって達成される。
【0148】
図15Cは、ノズルあたりの異なる波形および異なる構成オプションを使用する方法に
ついて議論する、フローチャート1551を提供する。1553によって表されるように、システム(例えば、好適なソフトウェアからの命令の下で作用する1つ以上のプロセッサ)は、所定のノズル駆動波形のセットを選択する。各波形について、および各ノズル(1555)について、例えば、レーザ測定デバイスまたはCCDカメラを使用して、液滴量が特異的に測定され、統計的モデルが構築される。これらの量は、メモリ1557等のプロセッサにアクセス可能なメモリに記憶される。再度、測定されたパラメータは、インクの選択および多くの他の要因に応じて変動し得る。したがって、これらの要因および計画された堆積活動に応じて、較正が行われる。例えば、一実施形態1561では、プリントヘッドまたはプリンタを製造する工場で較正が行われ、このデータを販売デバイス(例えば、プリンタ)に事前にプログラムするか、またはダウンロードのために利用可能にすることができる。代替として、随意的な液滴測定デバイスまたはシステムを保有するプリンタについては、これらの量測定は、最初の使用(1562)時に、例えば、初期デバイス構成時に行うことができる。さらに別の実施形態では、測定は、各電力または基板サイクル(1563)で、例えば、プリンタが「オン」にされる、または低電力状態から起動される、あるいは別様に印刷の準備ができている状態に移行される度に行われる。前述のように、放出液滴量が温度または他の動的要因の影響を受ける実施形態については、断続的または周期的に(1564)、例えば、定義された時間間隔の満了後に、誤差が検出されたときに、各新しい基板動作の状態で(例えば、基板装填および/または装填中に)、毎日またはある他の基準で、較正を行うことができる。他の較正技法およびスケジュールも使用することができる(1565)。
【0149】
較正技法は、随意に、プロセス分離線1566によって表されるように、オフラインプロセスで、または較正モード中に行うことができる。記述されるように、一実施形態では、そのようなプロセスは、潜在的には、何千個もの印刷ノズルおよび1つ以上の関連ノズル発射波形について、30分未満で完了する。このプロセス分離線1566の下方に表される、オンライン動作中に(または印刷モード中に)、1567により、各セットに対する液滴量が、定義された公差範囲内の特定の総量に合計されるように、測定された液滴量は、特定の測定された液滴量に基づいて、標的領域あたりの液滴のセットを選択する際に使用される。領域あたりの量は、数字1568によって表されるように、レイアウトファイル、ビットマップデータ、ある他の表現に基づいて選択することができる。これらの液滴量、および各標的領域に対する液滴量の許容組み合わせに基づいて、発射パターンおよび/またはスキャン経路が選択され、実際には、数字1569によって表される、堆積プロセスに使用されるであろう各標的領域に対する液滴の特定の組み合わせ(すなわち、組み合わせの許容セットのうちの1つ)を表す。この選択または計画プロセス1569の一部として、例えば、スキャンまたは通過の数を、標的領域の行(または列)の数を掛けた標的領域あたりの液滴の平均数の積より少ない数まで(例えば、各影響を受けた標的領域に対する各スキャンで、行内の全てのノズルを使用することができるように、90度回転させられ、1度に1行進んで、標的領域の各行に対する複数の通過で液滴を堆積させる、1行のノズルに必要とされるであろうものより小さい数まで)削減するために、随意に、最適化機能1570を採用することができる。各スキャンについては、プリントヘッドを移動させることができ、ビットマップまたはレイアウトファイルに従って液滴堆積命令を達成するように、ノズルあたりの波形データをノズルにプログラムすることができ、これらの機能は、
図15Cの数字1571、1573、および1575によって様々に表される。各スキャン後に、本プロセスは、数字1577により、次のスキャンについて繰り返される。随意に、これらの技法およびそれらの実装は、特定の時間にインクの放出を制御する際の以降のまたは反復可能な使用のために作成される、プリンタ制御ファイル1579で具現化することができる。
【0150】
再度、相互に対して随意的である、いくつかの異なる実装が上記で説明されていることに留意されたい。第1に、一実施形態では、駆動波形は、変動させられないが、各ノズル
について一定のままである。液滴量の組み合わせは、必要に応じて、異なるノズルを標的領域の異なる行と重ね合わせるために、プリントヘッド/基板オフセットを表す可変幾何学的ステップを使用することによって、生成される。測定されたノズルあたりの液滴量を使用して、このプロセスは、任意の液滴量変動を所望の公差内で適応させることができる高い信頼度で、標的領域あたりの(例えば、0.01pL分解能までの)非常に特異的な充填量を達成するように、特定の液滴量平均の組み合わせを可能にする。このプロセスは、各通過で標的領域の異なる行の中にインクを堆積させるために、複数のノズルが使用されるように計画することができる。一実施形態では、印刷解法は、可能な限り少ないスキャン、および可能な限り高速の印刷時間を生成するように最適化される。第2に、別の実施形態では、再度、特異的に測定された液滴量を使用して、異なる駆動波形を各ノズルに使用することができる。印刷プロセスは、特定の液滴量が特定の組み合わせで集計されるように、これらの波形を制御する。再度、測定されたノズルあたりの液滴量を使用して、このプロセスは、標的領域あたりの(例えば、0.01pL分解能までの)非常に特異的な充填量を達成するように、特定の液滴量平均の組み合わせを可能にする。このプロセスは、各通過で標的領域の異なる行の中にインクを堆積させるために、複数のノズルが使用されるように計画することができる。これらの実施形態の両方では、1行のノズルを使用することができ、またはプリントヘッドアセンブリの1つ以上のプリントヘッドとして配列される複数行のノズルを使用することができる。例えば、1つの考慮された実装では、各プリントヘッドが1行のノズルを有し、各行が256個のノズルを有する、30個のプリントヘッドを使用することができる。プリントヘッドはさらに、種々の異なるグループに組織化することができ、例えば、これらのプリントヘッドは、ともに機械的に搭載される5つのプリントヘッドを有する、プリントヘッドアセンブリに組織化することができ、これらの結果として生じる6つのグループは、印刷システムの中へ別々に搭載することができる。さらに別の実施形態では、さらに相互から位置的にオフセットすることができる、複数行のノズルを有する、集合プリントヘッドアセンブリが使用される。本実施形態は、可変有効位置オフセットまたは幾何学的ステップを使用して、異なる液滴量を組み合わせることができるという点で、上記の第1の実施形態に類似する。再度、測定されたノズルあたりの液滴量を使用して、このプロセスは、標的領域あたりの(例えば、0.05pL、またはさらに0.01pL分解能までの)非常に特異的な充填量を達成するように、特定の液滴量平均の組み合わせを可能にする。これは、測定が測定誤差等の統計的不確実性を含まないことを必ずしも示唆するわけではない。一実施形態では、そのような誤差は、小さく、標的領域充填計画に含まれる。例えば、液滴量測定誤差が±a%である場合には、標的領域にわたる充填量変動を、標的充填±(b-an1/2)%の公差範囲内に計画することができ、±(b)%は、仕様の公差範囲を表し、±(n1/2)は、標的領域またはウェルあたりの液滴の平均数の平方根を表す。おそらく、別の言い方をすると、期待測定誤差が含まれるときに、例えば、
図8A-8Bに関連して上記で説明されるように、標的領域に対する結果として生じた総充填量が、仕様の公差範囲内に入ることが期待され得るように、仕様より小さい公差の範囲を計画することができる。当然ながら、本明細書で説明される技法は、随意に、他の統計的プロセスと組み合わせることができる。
【0151】
液滴堆積は、随意に、各通過で標的領域の異なる行の中にインクを堆積させるために、複数のノズルが使用されるように計画することができ、印刷解法は、随意に、可能な限り少ないスキャン、および可能な限り高速の印刷時間を生成するように最適化される。前述のように、相互と、および/または他の技法とのこれらの技法の任意の組み合わせも採用することができる。例えば、1つの具体的に考慮されたシナリオでは、標的領域につき計画される、非常に特異的な量の組み合わせを達成するために、可変幾何学的ステップが、ノズルあたりの駆動波形変動およびノズルあたりの駆動波形あたりの量測定とともに使用される。例えば、別の具体的に考慮されたシナリオでは、標的領域につき計画される、非常に特異的な量の組み合わせを達成するために、固定幾何学的ステップが、ノズルあたりの駆動波形変動、およびノズルあたりの駆動波形あたりの量測定とともに使用される。
【0152】
各スキャン中に同時に使用することができるノズルの数を最大限化することによって、およびそれらが必ず仕様を満たすように液滴量の組み合わせを計画することによって、これらの実施形態は、高品質のディスプレイを約束する。また、印刷時間を短縮することによっても、これらの実施形態は、非常に低い単位あたりの印刷費用を助長し、したがって、最終消費者に対してのプライスポイントを低減させることに役立つ。
【0153】
図15Dは、ノズル適格性に関するフロー図を示す。一実施形態では、各ノズルに対する、および任意の所与のノズルに適用される各波形に対する、液滴量、速度、および軌道のいずれかおよび/またはそれぞれに対する、統計的モデル(例えば、分布および平均)を生じるように、液滴測定が行われる。したがって、例えば、12個のノズルのそれぞれに対する波形の2つの選択がある場合、最大24個の波形・ノズルの組み合わせまたは対合がある。一実施形態では、各パラメータ(例えば、量)の測定が、ロバストな統計的モデルを発生させるために十分な各ノズルまたは波形・ノズル対合について行われる。計画にもかかわらず、所与のノズルまたはノズル・波形対合が、例外的に広い分布、または十分に異常であるため特別に処置されるべきである平均を生じ得ることが概念的に可能であることに留意されたい。適用されるそのような特別な処置は、一実施形態では、
図15Dによって概念的に表される。
【0154】
より具体的には、参照数字1581を使用して、一般的な方法が表される。液滴測定デバイスによって生成されるデータは、後に使用するためにメモリ1585に記憶される。方法1581の適用中に、このデータは、メモリから回収され、各ノズルまたはノズル・波形対合のデータは、抽出されて個別に処理される(1583)。一実施形態では、記述されるように、正規無作為分布が、平均、標準偏差、および測定される液滴の数(n)によって表されるように、または同等の尺度を使用して、各変数が適格と見なされるために構築される。再度、他の分布形式(例えば、スチューデントのT、ポアソン等)を使用できることに留意されたい。測定されたパラメータは、関連液滴を実践で使用することができるかどうかを判定するように、1つ以上の範囲と比較される(1587)。一実施形態では、使用から液滴を不適格と見なすように、少なくとも1つの範囲が適用される(例えば、液滴が所望の標的に対して十分に多いまたは少ない量を有する場合には、そのノズルまたはノズル・波形対合を短期間の使用から除外することができる)。実施例を提供するために、10.00pLの液滴が所望される場合には、例えば、この標的から1.5%より多く離れた(例えば、<9.85pLまたは>10.15pL)液滴平均に結び付けられるノズルまたはノズル・波形を、使用から除外することができる。また、あるいは代わりに、範囲、標準偏差、分散、または別の拡散尺度を使用することができる。例えば、狭い分布(例えば、3σ<平均の1.005%)を伴う液滴の統計的モデルを有することが所望される場合には、この基準を満たさない測定値を伴う液滴を除外することができる。また、複数の要因を考慮する、精巧/複雑な基準のセットを使用することも可能である。例えば、非常に狭い拡散と組み合わせられた異常な平均が承認され得、例えば、測定された(例えば、異常な)平均μから離れた拡散(例えば、3σ)が1.005%以内である場合には、関連液滴を使用することができる。例えば、10.00pL±0.1pL以内の3σ量を伴う液滴を使用することが所望される場合には、±0.8pLの3σ値を伴う9.96pL平均を生成するノズル・波形対合が除外され得るが、±0.3pLの3σ値を伴う9.93pL平均を生成するノズル・波形対合は、容認可能であり得る。明確に、任意の所望の拒否/異常基準(1589)に従って、多くの可能性が可能である。同一の種類の処理を、液滴あたりの飛行角度および速度に適用することができ、すなわち、ノズル・波形対合あたりの飛行角度および速度が、統計的分布を呈し、液滴測定デバイスから導出される測定および統計的モデルに応じて、いくつかの液滴を除外できることが期待されることに留意されたい。例えば、正規の5%外である平均速度または飛行軌道、あるいは特定の標的外の速度の分散を有する液滴を、仮定的に使用から除外することができる。
異なる範囲および/または評価基準を、記憶装置1585によって測定および提供される各液滴パラメータに適用することができる。
【0155】
拒否/異常基準1589に応じて、液滴(およびノズル・波形の組み合わせ)を異なる様式で処理および/または処置できることに留意されたい。例えば、記述されるように、所望の規範を満たさない特定の液滴を拒否することができる(1591)。代替として、特定のノズル・波形対合の次の測定反復のために付加的な測定を選択的に行うことが可能であり、実施例として、統計的分布が広すぎる場合、付加的な測定を通して統計的分布の緊密性を向上させるよう、特定のノズル・波形対合に付加的な測定を特別に行うことが可能である(例えば、分散および標準偏差は、測定されたデータ点の数に依存する)。数字1593により、例えば、より高いまたは低い電圧レベルを使用するために(例えば、より大きいまたは小さい速度、あるいはより一貫した飛行角度を提供するために)、または特定規範を満たす調整されたノズル・波形対合を生成するよう、波形を成形するために、ノズル駆動波形を調整することも可能である。数字1594により、(例えば、特定のノズル・波形対合と関連付けられる異常な平均速度を補償するように)波形のタイミングも調整することができる。(以前に示唆された)実施例として、他のノズルに対して早い時間に、遅い液滴を発射することができ、より速い飛行時間を補償するように、速い液滴を後の時間に発射することができる。多くのそのような代替案が可能である。最終的に、数字1595により、任意の調整されたパラメータ(例えば、発射時間、波形電圧レベルまたは形状)を記憶することができ、随意に、所望であれば、1つ以上の関連液滴を再測定するように、調整されたパラメータを適用することができる。(修正された、または別様な)各ノズル・波形対合が適格と見なされた(合格した、または拒否された)後に、次いで、本方法は、数字1597により、次のノズル・波形対合に進む。
【0156】
理解されるはずであるように、説明されたノズル駆動構造は、異なるサイズの液滴を印刷することの融通性を提供する。標的領域あたりの精密な充填量、液滴量、液滴速度、および液滴軌道の使用は、(仕様内の)定義された基準に従って、充填量を変動させ、ノズル/波形および/または液滴の使用を計画する、高度な技法の使用を可能にする。これは、従来の方法に対してさらなる品質の向上を提供する。
【0157】
ここで、2つの考慮された液滴測定デバイス(またはシステム)について、すなわち、それぞれ、シャドウグラフィおよび干渉法で予測される、さらなる詳細を提供するために、
図16-18Bを使用する。
図16-17が、液滴測定システムを有するプリンタの一実施形態を図示するために使用されるであろう一方で、
図18Aおよび18Bは、それぞれ、シャドウグラフィおよび干渉法について議論するために使用されるであろう。
【0158】
前述のように、本教示は、印刷システムに組み込まれた液滴測定装置を含む、工業用インクジェット薄膜印刷システムの種々の実施形態を開示する。本教示のインクジェット薄膜印刷システムの種々の実施形態は、インクジェットプリントヘッドの複数のノズルの高速測定のために有意な利点を提供することができる、シャドウグラフィ等の撮像技法、または位相ドップラ分析(PDA)(干渉法に基づく技法)等の非撮像技法を利用することができ、本教示による薄膜インクジェット印刷システムで使用されるプリントヘッドアセンブリの種々の実施形態は、複数のプリントヘッドを有することができる。そのような高速測定は、印刷プロセス中の任意の時間に原位置で行うことができ、各プリントヘッドの各ノズルからの各液滴に対する量、速度、および軌道を含むことができる、データを提供することができる。OLEDパネルディスプレイ上の何百万もの画素のそれぞれに送達されるインク量の一様性を提供するために、インクジェット薄膜印刷システムに組み込まれた液滴測定装置から得られる集合的データを利用することができる。
【0159】
OLEDパネルの製造でフィルムを堆積させるときに、堆積させられたフィルム材料の
厚さが、多くの場合、パネル性能に影響を及ぼし、良好な表示一様性が、良好なOLEDパネルの重要な属性であるため、多くの場合、パネルにわたって一様な厚さを有するフィルム材料を堆積させることが望ましい。フィルムを堆積させるためにインクジェット印刷方法を使用するとき、インクの液滴が、印刷装置からパネル基板上に放出され、パネルの各領域中の堆積させられたフィルムの厚さは、典型的には、パネル表面上への液滴の量および配置にさらに関係付けられる、パネルのその領域にわたって分注されたインクの量に関係付けられる。したがって、多くの場合、OLEDパネルディスプレイにわたる分注された液滴の量および位置の両方に関して、インクの量を一様に分注することが望ましい。
【0160】
前述のように、インクジェット印刷システムは、典型的には、各ノズルがパネル表面上にインクの液滴を分注することが可能である、複数のインクジェットノズルを有する、少なくとも1つのプリントヘッドを有することができる。典型的には、分注される液滴の量、軌道、および速度に関して、プリントヘッドの複数のノズルにわたって変動がある。そのような変動は、ノズル稼働条件の変動、圧電ノズルドライバの年数を含む、固有のノズルアクチュエータ挙動の変動、インクの変動、ならびに固有のノズルサイズおよび形状の変動を含むが、それらに限定されない、種々の起源から生じ得る。そのような変動の影響は、パネルにわたって量装填の非一様性をもたらし得る。例えば、液滴量の変動が、堆積させられた量の変動に直接つながり得る一方で、液滴速度および軌道の変動は、OLEDパネル表面上の液滴の配置の変動を引き起こすことによって、インクの堆積させられた量の変動に間接的につながり得る。理論上、これらの変動は、印刷するときに単一のノズルのみを使用することによって回避することができるが、単一のノズルを用いた印刷は、遅すぎて実世界の製造用途では実用的ではない。異なるノズルから分注されるインク液滴のそのような変動、および製造用途にインクジェット印刷を使用するときに合理的な処理速度を得るために複数のノズルを使用するという実用的必要性に照らして、そのようなノズル間液滴変動にもかかわらず、OLEDパネル領域にわたってインクの一様な量の分注を提供する方法および関連装置を有することが望ましい。
【0161】
印刷プロセスの実行中の任意の時間に、または印刷プロセスの実行に断続的に、インクジェットプリントヘッドの各ノズルに対する量、速度、および軌道の実際の測定を提供するために、本教示による薄膜インクジェット印刷システムに組み込まれた測定装置を使用することができる。そのような測定は、インクジェット方法を使用して、フィルム材料のより一様な堆積を達成するよう、ノズル間液滴変動の軽減を提供することができる。いくつかの実施形態では、ノズル間液滴変動を直接低減させるよう、個々のノズルのそれぞれに駆動波形を適応させることによって、プリントヘッド性能を調節するために、そのような測定を使用することができる。いくつかの実施形態では、堆積させられたフィルムのノズル間液滴変動を平均化するよう、液滴堆積のためにノズル選択を調整することによって、ノズル間液滴変動を低減させることができる、印刷パターン最適化システムへの入力として、そのような測定を使用することができる。本教示の薄膜インクジェット印刷システムに組み込まれた測定装置の種々の実施形態は、シャドウグラフィ等の種々の撮像技法、またはPDA等の非撮像技法を利用することができる。PDAは、具体的には、多くのノズルおよび/またはプリントヘッドを有するシステムに特に有用である、インクジェットプリントヘッドの複数のノズルを急速に分析するという有意な利点を提供することができる。
【0162】
この点に関して、本教示の種々の実施形態による、インクジェット薄膜印刷システムは、基板上の特定の場所へのインク液滴の確実な配置を可能にする、いくつかのデバイスおよび装置から成ることができる。これらのデバイスおよび装置は、非限定的実施例として、プリントヘッドアセンブリ、インク送達システム、運動システム、浮動テーブルまたはチャック等の基板支持装置、基板装填および非装填システム、プリントヘッド保守システム、およびプリントヘッド測定装置を含むことができる。加えて、インクジェット薄膜印刷システムは、例えば、花崗岩または金属基部を含むことができる、安定した支持アセンブリ上に搭載することができる。プリントヘッドアセンブリは、制御された速度でインクの液滴を放出することが可能な少なくとも1つのオリフィスを伴う、少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドから成ることができ、そのような放出された液滴は、それらの量、速度、および軌道によってさらに特徴付けられる。
【0163】
印刷がプリントヘッドアセンブリと基板との間の相対運動を必要とするため、印刷システムは、ガントリまたは分割軸XYZシステム等の運動システムを含むことができる。プリントヘッドアセンブリが、静止基板を覆って移動することができる(ガントリ型)か、またはプリントヘッドおよび基板の両方が、例えば、分割軸構成で移動することができるかのいずれかである。別の実施形態では、印刷ステーションを固定することができ、基板は、プリントヘッドに対してXおよびY軸で移動することができ、Z軸運動が基板またはプリントヘッドのいずれかで提供される。プリントヘッドが基板に対して移動すると、インクの液滴が、基板上の所望の場所に堆積させられるように正しい時間に放出される。基板は、基板装填および非装填システムを使用して、挿入し、プリンタから除去される。プリンタ構成に応じて、これは、機械コンベヤ、基板浮動テーブル、またはエンドエフェクタを伴うロボットを用いて達成することができる。プリントヘッド測定および保守システムは、液滴量の検証、液滴量、速度、および軌道測定等の測定、ならびにインクジェットノズル表面の拭き取り、廃棄物入れの中へインクを放出するための下準備等のプリントヘッド保守手順を可能にする、いくつかのサブシステムから成ることができる。インクジェット薄膜印刷システムを備えることができる、種々の構成要素を考慮すると、本教示の種々の実施形態によるインクジェット薄膜印刷システムの種々の実施形態は、種々の設置面積および形状因子を有することができる。
【0164】
非限定的実施例として、
図16は、例えば、限定されないが、OLEDパネル等の基板を印刷するために使用することができる、種々の実施形態によるインクジェット薄膜印刷システムを描写する。
図16では、インクジェット薄膜印刷システム1600は、分割軸運動システムを利用する。インクジェット薄膜印刷システム1600は、支持フレーム1614によって担持されるパン1612を含むことができる、印刷システム支持アセンブリ1610上に搭載することができる。基部1616が、パンの上方に搭載され、基部は、随意に、花崗岩または金属から構築することができる。インクジェット薄膜印刷システムは、運動システム1620、例えば、示されるような分割軸運動システムを含むことができる。
【0165】
運動システム1620は、順にZ軸搭載プレート1626を搭載する、X軸キャリッジ1624を支持する、ブリッジ1622を含むことが分かる。Z軸搭載プレートは、順に、交換可能なプリントヘッドアセンブリ1640を搭載するために使用される、プリントヘッド搭載および締付アセンブリ1628を支持する。分割軸運動システム1620について、順に、基板支持アセンブリ1630を担持する、Y軸キャリッジ1625のための支持を提供するよう、Y軸トラック1623を基部1616上に搭載することができ、これらの種々の構成要素は、基板支持アセンブリ1630上に搭載される基板のY軸移動を提供する。
図16に示されるように、薄膜印刷システムの種々の実施形態について、基板支持アセンブリ1630は、チャックであり得る。基板支持アセンブリは、例えば、参照することにより本明細書に組み込まれる、米国特許第8,383,202号で詳細に説明されるように、浮動テーブルによって提供することができる。インクジェット薄膜印刷システム1600は、ツールカルーセル1645の中に搭載されて示される種々のプリントヘッドアセンブリ等の1つ以上のモジュール式インクジェットプリントヘッドアセンブリを支持する、システムアセンブリを利用することができる。種々のプリントヘッドアセンブリの選択的交換を提供することにより、OLEDパネル基板の印刷中等の印刷プロセス中の基板上の種々の処方の種々のインクの効率的な連続印刷のための融通性をエンドユー
ザに提供することができる。これは、全ての実施形態に必要とされるわけではない、すなわち、他の実施形態は、異なる印刷プロセス間で交換されない単一のプリントヘッドアセンブリを特色とすることができることに留意されたい。例えば、1つの考慮された実施形態は、(例えば、それぞれのインクを使用して)それぞれの印刷プロセスをそれぞれ行う、複数のプリンタのアセンブリラインを特色とする。本明細書で説明される技術は、各そのようなプリンタに適用されることができる。
【0166】
プリントヘッドアセンブリは、例えば、OLEDフィルム形成材料を基板上に送達するために少なくとも1つのインクジェットプリントヘッドと流体連通しているインク貯留部を有する、流体システムを含むことができる。その点に関して、
図16に示されるように、プリントヘッドアセンブリ1640は、少なくとも1つのプリントヘッド1642を含むことができる。種々の実施形態では、プリントヘッドアセンブリは、随意に、各プリントヘッドへの流体および電子接続を含むことができる。各プリントヘッドは、順に、測定可能な液滴量、速度、および軌道で、制御された速度においてインク液滴を放出することが可能な複数のノズルおよびオリフィスを有することができる。プリントヘッドアセンブリ1640の種々の実施形態は、プリントヘッドアセンブリにつき約1~約30個のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッド1642は、それぞれ約0.10pL~約200.00pLの液滴量を放出することができる、約16~約2048個のノズルを有することができる。
【0167】
所与のプリントヘッドの各ノズルの性能を測定することは、ノズル発射をチェックすること、ならびに液滴量、速度、および軌道を測定することを含むことができる。前述のように、そのような測定データを有することにより、各ノズルのためにより一様な性能を提供するように、印刷前にヘッドを調節すること、または印刷中の差異を補償することができる印刷アルゴリズムを提供するために測定データを使用することのいずれか、あるいはそのようなアプローチの組み合わせを提供することができる。明確に、確実かつ最新の測定データのデータセットを有することにより、ノズル間液滴量変動を補償するために測定データを使用することができる、種々のアプローチを提供し、(異なる駆動波形を使用する同一のノズルから、またはそれぞれのノズルからの)異なる量の液滴を組み合わせる、計画された印刷プロセスを可能にすることができる。前述のように、平均液滴量、軌道、および速度の期待を発生させ、それぞれのそのような液滴パラメータの期待変動を十分に理解して、印刷計画で使用することができるように、測定データが、有利なことには、各ノズルの分布を表す測定の集団を発生させるように収集される。
【0168】
その点に関して、描写されたインクジェット薄膜印刷システムは、支持体1655上に搭載することができる、液滴測定デバイスまたはシステム1650を含むことができる。液滴測定システム1650の種々の実施形態は、記述されるような撮像または非撮像技法、例えば、シャドウグラフィまたは干渉法ベースの方法に基づき得ることが考慮される。非撮像PDA技法を利用する実施形態は、(例えば、典型的な撮像技法より約50倍高速である)プリントヘッド1642等の各プリントヘッドの約16~約2048個のノズルを急速に分析するという有意な利点を提供することができる。プリントヘッドアセンブリが、例えば、30個のプリントヘッドを含むことができる(すなわち、10,000より多くのノズルを使用する印刷システムを伴う)ことを思い起こすと、これは、2~24時間毎に、またはより頻繁に液滴再較正を伴って、全てのノズル(および実施形態に関連する場合は全ての代替的駆動波形)のプリンタ内の高速原位置動的測定を可能にする。また、本教示によるシステムおよび方法の種々の実施形態は、印刷装置を収納することができるガスエンクロージャアセンブリおよびシステムに組み込まれたPDA測定デバイスを利用することができる。印刷装置を収納するガスエンクロージャアセンブリおよびシステムに組み込まれたPDA測定デバイスを利用する、そのようなシステムおよび方法は、プリントヘッドの中の複数のノズルの高速原位置測定を提供することができる。これは、例えば、1つ以上のOLEDデバイスを有する、大型基板にわたって一様な堆積量を確保し、いかなるムラ効果も低減させるために、特に有用である。
【0169】
数字1617は、液滴測定システム1650と関連付けられるインクジェット印刷装置の領域を指定するために使用される。この領域は、
図17で拡大して詳細に図示される。
【0170】
図17に示されるように、プリントヘッドアセンブリ1740は、それ自体が再度、運動システムのZ軸マウント1726によって担持される、プリントヘッド搭載および締付アセンブリ1728による印刷中に保持することができる。この点に関して、運動システムは、例えば、サービス領域またはサービスステーション中で液滴測定システム1750に近接して測定するために、プリントヘッドアセンブリ1740を位置付けるために使用される。前述のように、液滴測定システム1750は、プリントヘッドアセンブリ1740がこの位置にある間の選択的従事および離脱のために設計することができる。(例えば、何千ものノズルを有する)大型プリントヘッドアセンブリを用いると、そのような構造は、プリントヘッドアセンブリ1740が「駐留させられている」間に液滴測定システムが試験を行うことを可能にし、他の試験が他の試験または較正機器またはプロセス(図示せず)によって同時に行われる。例えば、全体的なインクジェット印刷システムの任意の休止時間を最小限化することに役立つように適用される、同時プロセスの使用により、プリントヘッドノズルをパージし、清掃し、または別様に管理することができ、これは、製造生産性を最大限化することに役立つ。前述のように(および
図19に関して以下で説明されるように)、基板が輸送、乾燥、硬化、装填、または非装填されている間に液滴測定(および他の点検)を行うことができ、印刷/製造動作と関連付けられる他の回避不可能なタスクに対して液滴測定を積み重ねることによって、任意のシステム休止時間をさらに最小限化する。プリントヘッドアセンブリ1740のプリントヘッド1742の各ノズルは、液滴測定システム1750を使用して各ノズルから放出される液滴の測定のために測定領域1756に適応させることができる。本実施形態では、個々のプリントヘッド1742を分析のために他のプリントヘッドに対して移動させることができるが、再度、これは全ての実施形態に必要とされるわけではないことに留意されたい。例えば、また、測定中に各プリントヘッドを静的に搭載させることも可能であり、液滴測定システムは、所与のプリントヘッド内の各プリントヘッド場所および各ノズル場所まで前進させられる。前述のように、これは、プリントヘッドアセンブリが駐留させられている間に、複数の点検動作の同時処理または「スタッキング」を可能にする。また、例えば、異なる空間的に分離されたプリントヘッドの異なるノズルを独立して測定するために、複数の液滴測定システムを使用することも可能である。
【0171】
例証の目的で、液滴測定システムは、レーザ源および光透過光学部等の光源、ビームスプリッタ、および透過レンズを有する、PDA装置(すなわち、干渉法ベースのデバイス)であると仮定されたい。加えて、そのようなPDA装置はまた、受光レンズおよび複数の光検出器を含む、受容光学部を有することもできる。例えば、液滴測定システム1750の第1の光学側面1752が、斜線によって示されるように、測定のための1つ以上の光線を供給し、光を測定領域1756上で集束させることができる一方で、第2の光学側面1754は、測定領域1756中の液滴から受容光学部および1つ以上の光検出器へ分散させられている測定光を通過させることができる。
【0172】
液滴測定システム1750は、直接的に、または遠隔でのいずれかで、コンピュータまたはコンピュータデバイス(図示せず)にインターフェース接続することができる。そのようなコンピュータデバイスは、プリントヘッドアセンブリ1740の各プリントヘッド1742からノズル(またはノズル・波形の組み合わせ)によって生成される各液滴の測定された液滴量、速度、および軌道を表す、信号を受信するように構成することができる。再度、各ノズル/ノズル・波形対合からの多くの液滴の複数の測定は、有利なことには、種々の再現可能な液滴を表す統計的集団を発生させるために行われる。
【0173】
図11および12に関連して前述のように、印刷システムの種々の実施形態は、不活性の低粒子環境を提供するガスエンクロージャの中に収納することができ、液滴測定が、好ましくはそのような環境で起こる。一実施形態では、液滴測定は、例えば、同一の一般的な(封入された)チャンバの中で、印刷に使用される共通雰囲気中で行われる。第2の実施形態では、例えば、サービスステーション領域の一部として、別個の流体的に単離されたチャンバが測定に使用される。
【0174】
図18Aは、シャドウグラフィ技法を使用するように特異的に構成される液滴測定システム1801のレイアウトを示す。具体的には、プリントヘッド1803は、液滴1805を排出つぼ(
図18Aに示されていない)の中へ噴出するであろう位置で見られる。液滴1805の飛行中に、液滴は、液滴が光源によって照射される測定領域を横断し、
図18Aでは、例えば、ストロボ光1807、および光をストロボ光1807から測定領域に(例えば、
図2A-Eまたは
図16-17に関連して以前に例示されたように測定面の下方から)指向するために採用される随意的な光源光学部1809から成ることが分かる。光学部は、集束または再指向経路1811によって表される比較的広い領域を照射するように光を指向して、単一の画像フレームで捕捉するために、異なる位置で急速に連続して液滴を繰り返し露出する。したがって、
図18Aは、ともに集合的に撮像されるストロボの異なるフラッシュを表す、同一の液滴の3つの異なる位置を示す。したがって、例えば、分析中の画像フレームは、異なる位置で(すなわち、数字1805の複数の事例により)複数の液滴であるように見えるものを示すであろうが、これらは、実際には、飛行軌道に沿った異なる位置での同一の液滴である。光学部1813の第2のセットは、捕捉された画像が、液滴の輪郭、および液滴量を計算するために画像処理ソフトウェアによって使用される液滴直径を表す可変量の影の両方を明確に描写するように、光の収集および集束を提供する。理解されるべきであるように、複数の位置でその飛行中に同一の液滴を撮像することによって、液滴測定システムは、液滴量、速度、および軌道を計算するために1つの画像を使用することができ、液滴質量、したがって、量を計算するために、影パラメータが使用され、速度および軌道の両方を計算するために、液滴の相対位置が使用される。例えば、捕捉された画像フレーム内の「下位置」で見掛けの直径を増加させる液滴は、受光光学部1813に向かって移動しており、逆に、直径を減少させるものは、離れていく。受光光学部1813は、順に、カメラ1815、例えば、グラフィック1817によって描写されるように液滴輪郭および影を撮像する高解像度CCDカメラに捕捉された光を伝える。液滴測定システムは、随意に、全て統制コンピュータシステム1823(およびそのような制御のためにコンピュータシステムの1つ以上のプロセッサによって使用される非一過性の機械記憶媒体上に記憶された命令)の制御下にある、受光光学部のズーム/焦点(1819)および/またはXY位置(1821)に対する制御を提供する。一実施形態では、記述されるように、受光光学部および光源は、共通シャーシに搭載されてともに輸送され、固定焦点経路を提供するが、これは各実施形態に当てはまる必要はない。描写されたシステムが、数マイクロ秒で各液滴の移動を捕捉する一方で、次いで、コンピュータシステム1823によって実行される画像処理アプリケーションソフトウェア1825は、液滴パラメータを計算する。実施例として、コンピュータは、液滴および/または測定されたパラメータの表示および可視化(1827)を提供することができ、量、速度、および軌道(1829、1831、および1833)等の種々のパラメータ、または他のパラメータの値を計算することができる。コンピュータシステム1823がインクジェット印刷システムの一部であり得るか、また、遠隔にもあり得(例えば、遠隔でデータを収集するように、ローカルエリアネットワーク「LAN」または広域ネットワーク「WAN」、例えば、インターネットによって接続される)、同様に、表示および可視化1827も、同様にLANまたはWANを介して、コンピュータシステム1823から遠隔の場所で提供できることに留意されたい。数字1835によって示されるように、コンピュ
ータシステム1823は、液滴を生成した所与のノズルに対する(および代替的駆動波形が印刷システムの特定の実施形態によって使用される場合は所与のノズル・波形対合に対する)測定の統計的集団を形成するように、測定されたパラメータをコンパイルする。コンピュータシステム1823は、随意に、データベース1837に個々の測定自体および/または統計的概要(例えば、正規分布の場合は平均および標準偏差または分散、ならびに他の分布の種類がサポートされる場合は同等の測定基準)を記憶する。十分にロバストな集団が測定されると、次いで、例えば、標的領域につき複合充填を得るように液滴平均の特定の組み合わせを使用して、データベースを上記で説明されるような印刷プロセスの計画および/または最適化で適用することができ、複合充填は、(例えば、異なるノズルおよび/または駆動波形からの)異なる液滴量に基づくことができる。
【0175】
図18Bは、PDA(干渉法)技法を使用するように特異的に構成される液滴測定システム1851のレイアウトを示す。プリントヘッドは、数字1853によって参照されるように、測定のために定位置で図示されている。プリントヘッドは、数字1855によって示されるように、(例えば、特定の駆動波形を使用して)特定のノズルから液滴測定領域の中へ下向きに液滴を放出するであろう。以前の実施形態と同様に、液滴測定システムは、随意に、液滴測定領域が特定のノズルの液滴飛行に効果的に「運ばれる」ように、駐留させられたプリントヘッドに対する3次元輸送のために設計することができる。光源、この場合、レーザ1857は、ビームスプリッタ1861に入射するように指向される、光線1859を生成する。ビームスプリッタは、2つ以上の光線1863および1864(2つだけが
図18Bで図示されている)を生成し、次いで、光学部1865が、収束様式で、すなわち、数字1866および1867によって表されるように、光線が飛行中液滴と一致する位置で交差するように、光線を再指向する。光学部1865は、随意に、測定面の下方に搭載されるレーザ1857を提供し(上記の
図2Dおよび2Eの議論を参照)、随意に、(例えば、排出つぼの周囲で光路のうちの1つ以上の光路を再指向することによって)測定領域に到達するよう光路1859または1863/1864を再指向することに留意されたい。数字1869は、照射光学部(例えば、光路1866および1867等)の一般的な連続寸法を表すために使用されることに留意されたい。前述のように、干渉ベースの技法を用いると、角度1873によって表されるように、回折パターンが、この連続寸法1869に角度オフセットされた方向から捕捉される。この角度偏差は、典型的には、90度であるが、他の捕捉の方向も使用することができる。したがって、測定光1871は、光学部の第2のセット1875(「光学部2」と標識される)によって、この角度偏差で入射光から受容され、非撮像検出器1877によって堆積面下測定のために再指向される。これらの検出器は、グラフィック1879によって図示されるように、回折パターンを表すデータを生成し、(例えば、このグラフィック1879を
図18Aからのグラフィック1817と対比することによって)理解されるはずであるように、回折パターンにおける線の間隔は、液滴量の尺度を提供し、この間隔は、液滴量を測定するように、
図18Aによって表される撮像方法よりもはるかに急速に処理される。
図18Bが、1つの光源1857ならびに2つの入射光線1866および1867の使用を図示する一方で、他の実施形態は、例えば、液滴速度、軌道、および他のパラメータを捕捉するように、1つより多くの光源および2つより多くの入射光線を使用することに留意されたい。
図18Aの実施形態と同様に、
図18Bでは、コンピュータ(1881)は、随意に、測定光学部のズーム/焦点(1883)およびXY輸送を提供し、種々の液滴パラメータを計算するように好適なアプリケーションソフトウェア(1887)を実行し、表示および可視化(1889)を提供する。以前と全く同じように、これらの種々の要素は、プリンタまたは製造デバイスと統合することができ、あるいはそれぞれのコンピュータまたはサーバの複数の分離されたプロセッサによって制御されるWANまたはLANにわたって分散させることができる。以前のように、測定されたパラメータは、スキャン計画の目的でデータベース(1899)に記憶された統計的集団(1897)を表すデータとともに、液滴量(1891)、速度(1893)、および軌道(1895)を含むことができる
。このスキャン計画は、再度、複数の異なる液滴量に意図的に基づく標的領域の精密な充填を行うように、異なるノズルおよび/または波形からの液滴パラメータを組み合わせることができる。
【0176】
液滴パラメータは、例えば、システムパラメータに従って、周囲条件またはインク特性を経時的に変化させ得ることが以前に記述された。したがって、工業用印刷システムは、有利なことには、比較的頻繁に、単一の液滴だけでなく、各液滴の統計的集団の(ならびに各液滴の期待平均量/速度および軌道の)液滴測定を更新し、これは、常に正確かつ最新である精密な液滴データを確保することに役立ち、複合インク充填の最大公差に確実に一致する、計画された液滴の組み合わせを可能にする。液滴パラメータは、実践では、例えば、2~12時間毎に検出可能な変動を伴って、若干ゆっくりと変化することが見出されている。原位置液滴測定の使用は、この時間範囲内で測定されたパラメータの新しい統計的集団の動的測定および構築を反復して行うことを可能にし、この従来の方法を用いると、大規模プリントヘッドまたはプリントヘッドアセンブリを測定するために何時間もかかり得、上記で議論されるようなPDA等の高速技法の使用を通して、何千もの印刷ノズルが関与する場合でさえも、非常に急速に、例えば、30分以下のリードタイムで、全ての統計的測定を更新することが可能になることに留意されたい。したがって、上記で議論される技法のうちのいくつかまたは全てを利用するシステムは、記述された2~12時間の時間枠内で統計的分布に基づく再較正された液滴測定パラメータを有する工業用プリンタを促進して有効にし、したがって、標的領域充填変動の最大公差内でより正確な印刷を促進する。
【0177】
前述のように、1つの考慮された実施形態では、プリンタは、プリンタがアクティブに印刷していないときはいつでも液滴パラメータ測定を行うように、断続的または連続的に制御される。これは、製造ラインの動作稼働時間を最大限化するのに役立つ。記述されるように、一実施形態では、プリンタのプリントヘッドアセンブリが使用されていないときはいつでも、そのプリントヘッドアセンブリを液滴パラメータ測定のために流用することができる。例えば、基板が装填または非装填され、チャンバ間で前進させられ、または乾燥させられ、硬化させられ、あるいは別様に処理されるときはいつでも、印刷キャリッジは、液滴測定および/または他の点検動作のために、プリントヘッドアセンブリをサービスステーションに輸送することができる。そのような動作は、説明されたように、各ノズルに対する液滴統計的集団の頻繁な動的更新をさらに提供することに役立ち、随意に、PDAベースの液滴測定デバイス(例えば、干渉法ベースの技法)とともに採用されると、そのような制御スキームは、液滴測定タスクを任意の所望の印刷動作に透過的にすることができる。考慮されたシステムでは、この制御は、印刷プロセスを管理する少なくとも1つのプロセッサ上で作動する制御ソフトウェアによって実装されることに留意されたい。さらに、このソフトウェアは、プリンタ、1つ以上のコンピュータまたはサーバ、あるいは両方の上に常駐できることに留意されたい。
【0178】
図19は、そのような制御プロセスのためのフローの一実施例1901を示す。記述されるように、このプロセスは、随意に、実行されたときに、少なくとも1つのプロセッサに記載されたステップを行わせる/提供させる、非一過性の機械記憶媒体上に記憶された命令によって実装することができる。
【0179】
図19は、それぞれ、起動およびオフライン初期化プロセス、オンライン印刷、およびオフライン特殊動作を表す、3つの一般的領域1903、1905、および1907に分割される。本システムが電源投入されると、本システムは、典型的には、上記で説明されているように、新しい測定が統計的集団を発生させるように各ノズルについて行われる、初期化プロセス1909を受ける。同時に、(例えば、標的液滴量の±10.0%以内の液滴量を生成する16個の波形を選択するために、以前に説明されたような反復プロセス
を使用して)各ノズルに対する複数のノズル発射波形を選択するように、較正プロセス(図示せず)も呼び出すことができる。したがって、統計的集団は、平均液滴量ならびに所望の拡散を含む、それぞれのそのような波形および/またはノズルについて発生させられる。前述のように、一実施形態では、固定数の測定が各液滴に行われる一方で、別の実施形態では、数は、十分に緊密な統計的拡散を達成するようにノズルによって(またはノズル・波形対合につき)異なり得る。また、一実施形態では、所望のパラメータを有する液滴を生成しないノズル(またはノズル・波形対合)を、印刷計画において使用から不適格と見なすことができる、妥当性確認または適格性プロセスを、随意に適用することができる。次いで、測定および/または統計的尺度が、適宜に、各ノズルについて、および各ノズル・波形対合について、記憶される(1911)。この起動較正は、本システムがオンにされた最初のときに(例えば、1回限りの基準で)行うことができ、他の実施形態では、本システムが新たに電源を入れられる度に行われることに留意されたい。例えば、(生産ラインが毎日の一部分の間のみ作動させられる場合)計算された液滴パラメータを事前に記憶すること(次いで、以下で議論されるプロセスに従って、これらのパラメータを更新すること)が有利であり得る。代替的な新しいパラメータを、各電力サイクルで新たに計算することができる。
【0180】
本システムはまた、随意に、印刷プロセスおよび基板パラメータを定義するパラメータを受信し(1913)、以前に説明されたように、液滴の組み合わせおよびスキャンプロセスを自動的に計画する(1915)。例えば、プリンタが特定のOLEDディスプレイ製品のためのアセンブリラインの一部である、他の考慮された実装では、これらのパラメータおよび計画は不変であり得る。しかしながら、液滴パラメータが変化し得る場合には、印刷計画を行うことができ、したがって、プロセス1915は、随意に、例えば、(数字1917によって示されるように)液滴測定システムが従事させられる度に、自動背景プロセスとして、統計的パラメータが変化するときはいつでも再び行われる。
【0181】
システム印刷パラメータおよび液滴パラメータの平均が(すなわち、各ノズルまたはノズル・波形対合について)利用可能であると、次いで、本システムは、数字1919により、所望に応じて印刷を行うオンラインモードになってもよい。つまり、基板をプリンタの中へ装填または輸送することができ、次いで、1つ以上のOLEDデバイス薄膜層の印刷を所望に応じて行うことができる。しかしながら、デバイス休止時間を最小限化するために、(例えば、基板を装填または非装填するように)印刷が停止させられる度に、種々のプリントヘッドノズルは、断続的または周期的に統計的液滴集団を更新するように、新たな液滴測定を受ける。例えば、(いくつかの大型テレビ画面を表す)大型HDTV基板のための典型的な印刷プロセスを約90秒で完了することができ、次いで、完成した基板は、例えば、15~30秒かかるプロセス中に別のチャンバに非装填または前進させられる(1920)ことが期待される。この15~30秒の中断中に、プリンタは、印刷するために使用されておらず、したがって、この時間の間に液滴測定を行うことができる。例えば、プリンタ用の制御ソフトウェアが、プリントヘッドキャリッジの到達範囲外から古い基板を外へ移動させるように、基板輸送機構を制御し、同時に、制御ソフトウェアは、液滴測定および/または他の点検機能のために、プリントヘッドアセンブリをサービスステーションまで移動させる。プリントヘッドアセンブリが駐留させられる(1921)とすぐに、制御ソフトウェアは、数字1923により、液滴測定を行うように液滴測定システムを選択的に従事させる。前述のように、測定は、異なるノズルまたは異なるノズル・波形対合によって生成される液滴の統計的集団を発生させることができる。任意の以前に記憶された測定を補足するために、液滴測定システムは、次の基板が装填されるまで、または別様に印刷が再開する時間まで、可能な限り多くの液滴測定を行う、ループで操作される。例えば、機能ブロック1925、1927、1929、および1931により、液滴測定システムは、(1)所与のノズルまたはノズル・波形対合に対する複数の液滴を測定し、(2)メモリに結果を記憶または更新する(すなわち、新しい付加的な測定データ
を未加工データとして記憶するか、または更新された平均あるいは統計的概要を記憶するかのいずれか、または両方)(3)ノズルアドレス(または次の測定サイクルのためのノズル波形識別子)を識別する、次いで、(4)適宜、別のセットの測定のために別のノズルまたはノズル・波形対合に進む。基板を装填/非装填するプロセスは、潜在的に、可変量の時間がかかり得、したがって、本システムが新しい印刷サイクルのために準備ができているとき、制御ソフトウェアは、適宜(例えば、液滴測定システムを含んで)、サービス動作から離脱し(1935)、プリントヘッドアセンブリをアクティブ印刷(1919)に戻すように、中断または関数呼び出し(1933)を発行する。記述されるように、制御ソフトウェアはまた、ノズルあたりの液滴平均の更新により、もはや有効ではない場合がある、液滴の組み合わせを透過的に更新または再計算する。液滴測定ループが次の測定サイクルのためのアドレスおよび場所を記憶する(1930)ため、本システムは、液滴を生成する際に利用可能な何千もの異なるノズル/ノズル・波形対合を通して循環基準で前進し、ノズル/液滴の小窓に液滴測定を効果的に行うことに留意されたい。次いで、次の基板反復が完了するまで印刷が行われ、そのときに基板が非装填され、測定/点検サイクルが継続する。他のプリンタ動作の背後で説明されるような液滴測定を積み重ねることによって、これらの技法は、任意のシステム休止時間を実質的に短縮することに役立ち、再度、製造スループットを最大限化する。描写された方法が、液滴測定システムを全負荷サイクルに従事させる一方で、これは全ての実施形態に当てはまるわけではなく、すなわち、特定の速度で(例えば、8時間毎に)液滴測定を更新することが所望され得、したがって、記述された積み重ね動作を使用して、液滴の統計的集団がより迅速に構築される場合、代わりに、基板装填および/または輸送および/または硬化動作中に異なる点検動作を実行することが所望され得ることに留意されたい。
図19はまた、特別な臨時動作、例えば、プリントヘッドを交換する必要性、または別のオフラインプロセスと関連付けられる、特別保守ボックス1937も示す。
【0182】
理解されるはずであるように、記述された技法は、製造プロセス、特に、OLEDデバイス製造プロセスにおける高度な一様性、したがって、増進した信頼性を促進する。これらの技法は、いくつかの実施形態では、異種のノズルの組み合わせおよび液滴量の組み合わせの使用を通して、精密な液滴の組み合わせおよびムラ抑制を可能にする、液滴測定技法を使用して、少なくとも部分的に促進される。加えて、特に、全体的なシステム休止時間を短縮するように計算される様式で、液滴測定の速度および他のシステムプロセスに対するそのような測定の積み重ねに関する、制御効率を提供することによって、上記で提示される教示は、加工プロセスにおいて融通性および精度の両方を提供するように設計される、より高速で安価な製造プロセスを提供することに役立つ。
【0183】
前述の説明および添付の図面では、特定の用語および図面の記号が、開示された実施形態の徹底的な理解を提供するように記載されている。場合によっては、用語および記号は、これらの実施形態を実践するために必要とされない、具体的詳細を示唆し得る。「例示的な」および「実施形態」という用語は、選好または要件ではなく実施例を表すために使用される。
【0184】
示されるように、本開示のより広義の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で提示される実施形態に種々の修正および変更が行われ得る。例えば、実施形態のうちのいずれかの特徴または側面は、少なくとも実用的である場合、実施形態のうちのいずれか他方と組み合わせて、またはその対応特徴または側面の代わりに適用され得る。したがって、例えば、全ての特徴がありとあらゆる図面に示されているわけではなく、例えば、1つの図面の実施形態に従って示される特徴または技法は、随意に、たとえ本明細書で具体的に宣言されていなくても、任意の他の図面または実施形態の特徴の要素として、または特徴と組み合わせて、採用可能であると仮定されたい。したがって、本明細書および図面は、制限的な意味よりもむしろ例証的な意味で見なされるものである。
【0185】
(項目1)
基板の少なくとも1つの標的領域中でインクの総量を堆積させるプリントヘッドのノズルのための制御データを生成する方法であって、前記総量は、所定の量公差範囲内であり、前記ノズルのそれぞれは、少なくとも1つの別個の液滴量を生成し、前記方法は、
それぞれの別個液滴量を表す、統計的集団を表す情報を受信することと、
対応する液滴量を表す平均が、前記所定の公差範囲内に制限される値に合計される、液滴の組み合わせを計算することと、
前記組み合わせに依存して前記制御データを生成することと
を含み、
前記制御データは、前記組み合わせと関連付けられる前記ノズルのそれぞれを前記少なくとも1つの標的領域の第1の標的領域と近接させるように、前記プリントヘッドと前記基板との間の相対運動を指示することと、前記第1の標的領域中で前記組み合わせと関連付けられる各液滴量を堆積させるように、前記組み合わせと関連付けられる前記ノズルのそれぞれの発射を指示することとに対して十分である、方法。
(項目2)
前記所定の公差範囲は、標的量を中心とする範囲を備え、前記範囲は、前記標的量±前記標的量の2パーセントによって表される範囲によって包含され、前記制御データを生成することは、前記少なくとも1つの標的領域のうちの標的領域に対する総標的量を生成するために、前記ノズルのうちの少なくとも2つからの液滴の組み合わせを使用するように適合される様式で、前記制御データを生成することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記方法は、インクジェット印刷機構を制御する方法として具現化され、前記方法はさらに、前記制御データに依存して、前記組み合わせと関連付けられる前記ノズルの相対運動および発射を行うように、前記インクジェット印刷機構を制御することを含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記インクジェット印刷機構は、液滴測定デバイスを備え、前記情報を受信することは、前記液滴量のそれぞれを経験的に判定するように、前記液滴測定デバイスを従事させることを含み、前記情報を受信することは、前記液滴測定デバイスによる各ノズルに対する複数の測定から前記情報を受信することを含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記基板の別個の標的領域中で前記所定の公差範囲内の前記インクの総量を堆積させるプリントヘッドのノズルのための制御データを生成する方法として具現化され、
前記組み合わせを計算することは、前記別個の標的領域のそれぞれについて行われ、
前記制御データを生成することは、各組み合わせと相関する様式で前記制御データを生成するように行われ、前記制御データは、各組み合わせと関連付けられる少なくとも1つのノズルを前記別個の標的領域と同時に近接させるように、前記プリントヘッドと前記基板との間の相対運動を指示することと、前記別個の標的領域中で前記液滴量を同時に堆積させるように、各組み合わせと関連付けられる前記少なくとも1つのノズルの発射を指示することとに対して十分である、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記方法はさらに、所定のノズル制御波形のセットを識別することを含み、各所定のノズル制御波形は、ノズルに適用されるときに、別個のインク液滴量を生成し、
前記別個の標的領域のそれぞれに対する組み合わせは、整数の液滴と関連付けられ、前記ノズルのうちの少なくとも2つの異なるノズルおよび前記所定のノズル制御波形のうちの少なくとも2つの異なる波形を包含するように適合される、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記少なくとも1つの標的領域は、標的領域を含み、前記標的領域のそれぞれは、前記所定の量公差範囲を達成し、前記標的領域は、第1の軸の方向に相互からオフセットされ
、前記相対運動は、少なくとも2回のスキャンを含み、前記少なくとも2回のスキャンは、それぞれ、方向において前記第1の軸と実質的に垂直であり、前記少なくとも2回のスキャンは、少なくとも1つの幾何学的ステップの順序に従って相互からオフセットされ、前記ノズルのそれぞれは、相互に対する位置関係を有し、
前記方法はさらに、対応する液滴量平均が、前記標的領域の各自に対する前記所定の公差範囲内に制限される値に合計される、液滴の少なくとも1つの組み合わせを計算することを含み、
前記制御データを生成することは、前記標的領域の各自に対する液滴の特定の組み合わせと相関する様式で行われ、
前記方法はさらに、可変サイズであり、かつ前記特定の組み合わせと相関する様式で、各幾何学的ステップを選択することを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記プリントヘッドは、128個以上の前記プリントノズルを有し、
前記方法はさらに、プリントヘッドと、プリントヘッド運動制御機構と、基板運動制御機構とを備える分割軸インクジェット印刷機構を制御する方法として具現化され、
前記制御データを生成することはさらに、前記基板運動制御機構が、第1の方向で前記プリントヘッドに対して前記基板を移動させるものであり、プリントヘッド運動制御機構が、前記第1の方向から独立した第2の方向で前記基板に対して前記プリントヘッドを移動させるものであるように、機械に前記インクジェット印刷機構を制御させて前記プリントヘッドと前記基板との間の前記相対運動を行うことを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
電子デバイスのための有機発光層を形成する方法として具現化され、前記インクは、溶剤によって担持される有機材料、有機単量体、または有機ポリマーのうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
プリンタであって、
基板の標的領域のアレイ上にインクを印刷するノズルを有するプリントヘッドと、
前記プリントヘッドと前記基板との間の実質的に連続的な運動のそれぞれのスキャンを含む、前記プリントヘッドと前記基板との間の相対移動を提供する少なくとも1つの運動機構と、
前記ノズルのそれぞれに対する液滴量平均を識別するデータを記憶する記憶装置と、
非一過性の機械可読媒体上に記憶された命令と
を備え、
前記命令は、実行されたとき、前記プリンタに、
前記標的領域のそれぞれに対する所望の充填量を定義する電子ファイルを受信することであって、前記標的領域のそれぞれの前記所望の充填量は、関連付けられた量公差範囲内で達成される、ことと、
前記ノズルのそれぞれに対する液滴量平均を識別するデータ、および前記標的領域のそれぞれに対する前記充填量を定義するファイルに基づいて、対応する液滴量平均が前記関連付けられた量公差範囲内の充填値に合計される、各標的領域に対する前記ノズルのうちの1つ以上のノズルからの液滴の組み合わせを印刷するように、前記運動機構および前記プリントヘッドを制御することと
を行わせ、
前記命令は、前記標的領域の全てを充填するために、前記運動機構および前記プリントヘッドを制御して、前記それぞれの標的領域に対する前記充填値を堆積させるものである、プリンタ。
(項目11)
前記プリントヘッドおよび前記基板を含有するガスエンクロージャと、印刷中に前記ガスエンクロージャに制御された雰囲気を注入する雰囲気制御システムとをさらに備える、項目10に記載のプリンタ。
(項目12)
前記基板は、表示デバイスを形成するものであり、前記基板の標的領域の3つのアレイを有し、各アレイの標的領域は、前記アレイの画素の別個の色成分を表し、前記プリンタは、前記3つのアレイのうちの対応するアレイの標的領域上に別個のインクを印刷するために、1つの色成分につき少なくとも1つを含む少なくとも3つのプリントヘッドを備える、項目10に記載のプリンタ。
(項目13)
液滴測定デバイスをさらに備え、前記命令はさらに、実行されたときに、前記ノズルのうちのそれぞれの所与の1つに対する複数の液滴量を測定して、前記ノズルのうちの前記所与の1つに対する統計的集団を生じさせるように、前記プリンタに前記液滴測定デバイスを従事させ、前記データは、前記ノズルのそれぞれに対する前記液滴測定デバイスによる前記測定から得られる前記液滴量平均を識別する、項目10に記載のプリンタ。
(項目14)
前記命令はさらに、実行されたときに、前記ノズルのそれぞれに対する前記液滴量平均を更新するように、断続的に前記プリンタに前記液滴測定デバイスを従事させるものである、項目13に記載のプリンタ。
(項目15)
インクの別個の液滴を放出するように制御されたノズルを伴うプリントヘッドを有するインクジェットプリンタを制御する方法であって、前記方法は、
前記ノズルのうちの1つからの複数の別個の液滴と関連付けられるパラメータを測定することにより、前記ノズルのうちの前記1つに対する前記パラメータの統計的集団を生じさせることと、
他のノズルのそれぞれに対する前記パラメータの測定を繰り返すことにより、前記ノズルのそれぞれに対するそれぞれの統計的集団を生じさせることと、
各統計的集団を処理することにより、前記パラメータの別個の平均値および前記パラメータの分布を表す別個の拡散尺度を関連付けることと
を含む、方法。
(項目16)
前記パラメータは、液滴量、液滴速度、または液滴軌道角度のうちの1つである、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記インクジェットプリンタは、各ノズルに対して複数の代替発射駆動波形を使用するように適合され、
前記パラメータの測定は、前記ノズルのうちの前記1つおよび前記ノズルのうちの前記1つとともに使用するために利用可能な前記複数の代替発射駆動波形のうちの特定の波形に対する別個の統計的集団を生じさせるように、前記特定の波形について前記ノズルのうちの前記1つのために行われ、
前記方法はさらに、前記ノズルのうちの前記1つとともに使用するために利用可能な前記複数の代替発射駆動波形のうちの他方の各自に対する前記パラメータの測定を繰り返すことにより、別個の統計的集団を生じさせることを含み、
前記他のノズルのそれぞれに対する前記パラメータの測定の前記反復は、前記ノズルのうちの他方の各自とともに使用するために利用可能な前記複数の代替発射駆動波形のうちの他方の各自に対する前記パラメータの測定を繰り返すことにより、別個の統計的集団を生じさせることを含み、
前記パラメータの平均値および分布の拡散尺度を関連付ける、各統計的集団の前記処理は、前記ノズルのうちの別個の1つのそれぞれとともに使用するために利用可能な前記複数の代替発射駆動波形の各波形について行われる、項目15に記載の方法。
(項目18)
前記方法はさらに、所与の基板標的領域内でそれぞれのノズルから選択された複数の液滴を堆積させるように、印刷を制御することを含み、前記選択された複数の液滴は、前記
ノズルのうちの別個の1つによって生成される前記液滴と関連付けられる平均値の合計に等しい、前記標的領域に対する複合インク充填量を生成するように選択される、項目15に記載の方法。
(項目19)
前記測定することおよび前記繰り返すことは、前記ノズルの各自に対する測定の閾値集団を得るように行われ、前記測定の閾値集団は、少なくとも24回の測定を表す、項目15に記載の方法。
(項目20)
インクジェットプリンタであって、
インクの別個の液滴を放出するノズルを有するプリントヘッドと、
インクの液滴が通って進行する測定領域からの光を収集することによって、それぞれのノズルによって放出される前記インクの液滴と関連付けられるパラメータを測定する液滴測定デバイスと
を備え、
前記インクジェットプリンタは、サービスステーションと、前記プリントヘッドを前記サービスステーションに移動させることを選択するための手段とを含み、
前記インクジェットプリンタはさらに、3次元のそれぞれで独立して前記測定領域を選択的に移動させるための手段を備える、インクジェットプリンタ。
(項目21)
インクジェットプリンタであって、
インクの別個の液滴を放出するノズルを有するプリントヘッドと、
サービス領域、および前記プリントヘッドを前記サービス領域に選択的に移動させるプリントヘッド輸送機構と、
前記プリントヘッドが前記サービス領域中にあるときに、前記プリントヘッドに選択的に係合する液滴測定デバイスと
を備え、
前記液滴測定デバイスは、インクの液滴が通って進行する測定領域からの光を収集することによって、それぞれのノズルによって放出される前記インクの液滴と関連付けられるパラメータを測定し、前記液滴測定デバイスは、前記プリントヘッドが前記サービス領域まで移動した後に、前記ノズルのうちのいずれか1つに隣接して前記測定領域を位置付けるように、3次元のそれぞれで前記測定領域を関節動作させるように動作可能な移動機構をさらに備える、インクジェットプリンタ。
(項目22)
前記液滴測定デバイスは、少なくとも1つの光学検出器と、前記少なくとも1つの光学検出器によって検出される光の干渉パターンを測定するハードウェアまたはソフトウェアのうちの少なくとも1つとを備える、項目21に記載のインクジェットプリンタ。
(項目23)
前記液滴測定デバイスは、少なくとも1つの画像センサと、前記少なくとも1つの光学検出器によって検出される影を測定するハードウェアまたはソフトウェアのうちの少なくとも1つとを備える、項目21に記載のインクジェットプリンタ。
(項目24)
前記プリントヘッドは、前記サービス領域まで移動させられたときに、駐留位置に位置付けられ、前記プリントヘッドのノズルは、前記駐留位置に対して距離h内でインクの液滴を放出するように適合され、前記移動機構は、前記距離hの寸法と実質的平行な方向で前記測定領域を選択的に移動させて、前記距離h内で前記測定領域を運んで液滴測定を行うように適合され、前記移動機構は、前記プリントヘッドのノズル荷担面と平行であり、かつ前記距離hの寸法と実質的に垂直である2次元のそれぞれで独立して前記測定領域を選択的に移動させて、それぞれのノズルからの液滴を測定するように動作可能である、項目21に記載のインクジェットプリンタ。
(項目25)
前記液滴測定デバイスは、前記測定領域を通って前記ノズル荷担面から離れて進行する液滴からの測定光を、前記距離hより大きい前記距離hの寸法に沿った距離に位置付けられた光学検出器に指向する少なくとも1つの光路経路指定機構を備え、前記液滴測定デバイスは、光源からの光源光を、前記測定領域を通って進行する液滴に指向する少なくとも1つの光路経路指定機構を備え、前記光源はまた、前記距離hより大きい前記距離hの寸法に沿った距離に位置付けられ、各光路経路指定機構は、鏡、プリズム、または光ファイバケーブルのうちの1つを備える、項目24に記載のインクジェットプリンタ。
(項目26)
インクジェットプリンタであって、
基板上にインクを印刷するプリントヘッドであって、前記プリントヘッドは、ノズルを有する、プリントヘッドと、
サービス領域、および前記プリントヘッドを前記サービス領域に選択的に輸送するプリントヘッド輸送機構と、
液滴測定デバイスと、
前記基板上に連続的に薄膜としてインクを前記プリンタに印刷させることと、前記プリントヘッドが前記基板上にインクを印刷させられている期間の間に、前記プリントヘッド輸送機構に前記プリントヘッドを前記サービス領域へ輸送させることと、前記液滴測定デバイスに前記ノズルのそれぞれから別個の液滴量を測定させることとを行う制御機構と
を備える、インクジェットプリンタ。
(項目27)
ノズルを伴うプリントヘッドを有するインクジェットプリンタを制御する方法であって、
前記インクジェットプリンタの液滴測定デバイスを使用することにより、前記ノズルのそれぞれによって生成される液滴の繰り返された測定を介して、前記ノズルのそれぞれに対する液滴パラメータの統計的分布を構築することと、
前記ノズルのそれぞれに対する前記統計的分布と関連付けられる少なくとも1つの統計的尺度を閾値と比較することと、
比較結果に依存して、前記ノズルのうちのそれぞれの1つによって生成される液滴を有効にするか、または拒否することと、
拒否された前記ノズルのうちのそれぞれの1つによって生成される液滴の使用を除外する印刷プロセスを計画することと
を含む、方法。