(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A63F7/02 351A
A63F7/02 346A
A63F7/02 301C
A63F7/02 312Z
(21)【出願番号】P 2023097442
(22)【出願日】2023-06-14
(62)【分割の表示】P 2020214592の分割
【原出願日】2020-12-24
【審査請求日】2023-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】原 一功
(72)【発明者】
【氏名】小川 慎也
【審査官】進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-135961(JP,A)
【文献】特開2013-212367(JP,A)
【文献】特開2003-102932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技球を封入して備え、前記複数の遊技球が発射装置により遊技領域に発射されてから外部に排出されることなく前記発射装置に戻るように循環する遊技機において、
前記遊技領域を流下した前記複数の遊技球が貯留される貯留槽と、
前記貯留槽と前記発射装置との間を連絡する連絡路と、
前記連絡路のうち上下方向に延びる樋部と、
前記樋部に沿って遊技球を上方へ移動させるスクリューと、
前記樋部のうち前記複数の遊技球の移動空間を挟んで前記スクリューと対向する対向部に配置されて前記対向部と一緒に樋本体から分離可能に設けられると共に、前記複数の遊技球を前記樋部の通過中に研磨する研磨手段と、
前記樋部のうち前記スクリューの下端部が位置する部分に連絡し、前記貯留槽から流下してくる複数の遊技球を前記樋部が延びる方向と交差する方向から流入させて、前記樋部内で前記スクリューの回転に応じて上昇させる流入部と、を備える遊技機。
【請求項2】
前記流入部は、前記スクリューの下端部に連絡する位置から前記樋部が延びる方向と交差する方向に延びている請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機として、内部に複数の遊技球を封入し、それら複数の遊技球を循環させて遊技に使用するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-014953号公報(段落[0040]、[0041]、
図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の遊技機に対し、きれいな遊技球を提供することが可能な技術の提供が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、複数の遊技球を封入して備え、前記複数の遊技球が発射装置により遊技領域に発射されてから外部に排出されることなく前記発射装置に戻るように循環する遊技機において、前記遊技領域を流下した前記複数の遊技球が貯留される貯留槽と、前記貯留槽と前記発射装置との間を連絡する連絡路と、前記連絡路のうち上下方向に延びる樋部と、前記樋部に沿って遊技球を上方へ移動させるスクリューと、前記樋部のうち前記複数の遊技球の移動空間を挟んで前記スクリューと対向する対向部に配置されて前記対向部と一緒に樋本体から分離可能に設けられると共に、前記複数の遊技球を前記樋部の通過中に研磨する研磨手段と、前記樋部のうち前記スクリューの下端部が位置する部分に連絡し、前記貯留槽から流下してくる複数の遊技球を前記樋部が延びる方向と交差する方向から流入させて、前記樋部内で前記スクリューの回転に応じて上昇させる流入部と、を備える遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、発射される直前で遊技球が研磨されるので、きれいな遊技球を遊技者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、
図1~
図7を参照して、本開示の第1実施形態に係る遊技機10について説明する。
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、パチンコ遊技機であって、前面扉10Zを前面に備え、その前面扉10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技板11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。
【0009】
図2に示されるように、遊技領域R1は、遊技板11の前面から突出したガイドレール12に四方を囲まれることで形成されている。ガイドレール12は、円弧状に湾曲した第1レール12A及び第2レール12Bと、緩衝部材12Cとによって形成されている。第1レール12Aは、遊技領域R1の周縁部のうち上側の略1/4円周分を除いた部分に沿わせて配置されている。第2レール12Bは、その一部(第2レール12Bの上部)が遊技領域R1の周縁部における上側の略1/4円周分に沿って延在し、残りの部分(第2レール12Bの左側部)が第1レール12Aの左側部に外側から向かい合うように配置されている。第2レール12Bの一端部は、第1レール12Aの最下部に対して左側方に配置され、第2レール12Bの他端部は、第1レール12Aの右側端部に対して遊技球1~2個分上方にオフセットした位置に配置される。
【0010】
第1レール12Aの右側端部と第2レール12Bの右側端部との間は、緩衝部12Cによって閉塞されている。また、第1レール12Aの左側端部と第2レール12Bの途中部分との間は、遊技球1~2球分離され、ここが遊技球の進入口12Kになっている。
【0011】
遊技領域R1には、始動入賞口14と大入賞口16が備えられ、始動入賞口14に遊技球が入球すると当否判定が行われる。当否判定の結果は、遊技領域R1に設けられた表示装置13にて、その結果に基づいた演出と共に表示される。大入賞口16は、通常は、可動扉16Tで閉塞されて遊技球が入球困難な状態になっていて、上記当否判定の結果が当りとなったときに開放されて遊技球が入球可能な状態となる。また、遊技領域R1には、一般入賞口17が複数配されている。上述した各入賞口14,16,17の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端部に設けられたアウト口20に全て取り込まれる。
【0012】
本実施形態の遊技機10は、内部に所定数の遊技球が封入された、所謂、封入式パチンコである。具体的には、
図3に示すように、遊技機10は、遊技球が貯留された球貯留部30を有している。球貯留部30の上方には、球送り装置45を介して球貯留部30内の遊技球が1球ずつ送られる発射装置31が備えられている。発射装置31は、前面扉10Zの右下隅部に配された発射ハンドル28(
図1参照)が回動操作されると、遊技球を1球ずつ発射する。発射装置31により発射された遊技球は、第1レール12Aの左側部と第2レール12Bの左側部との間の通路を含む発射通路11Hを通過し、進入口12Kから遊技領域R1へ進入する。球送り装置45については後に詳説する。
【0013】
遊技機10のうち遊技板11の裏側には、遊技領域R1を流下し、各入賞口14,16,17へ入球した遊技球と、アウト口20に取り込まれた遊技球とが全て通過する排出経路21が設けられている。
図3に示すように、排出経路21は球貯留部30に連絡していて、これにより、遊技領域R1を流下した遊技球が球貯留部30に戻り、再び遊技領域R1へ向けて発射される。また、排出経路21には、通過する遊技球を検出する排出球センサ22が設けられている。
【0014】
図3に示すように、発射通路11Hの発射装置31側端部寄り位置には、下方へ向かって分岐した戻り通路11Rが設けられている。戻り通路11Rは、球貯留部30に連絡している。発射装置31により発射されたものの勢いが弱く、遊技領域R1へ進入できない遊技球は、この戻り通路11Rを通過して球貯留部30に戻される。
【0015】
発射通路11Hのうち戻り通路11Rとの分岐部には、逆流防止部材27が設けられている。逆流防止部材27は、板状をなし、一端が戻り通路11Rの入口の発射装置31側端部に配されている。逆流防止部材27は、常には、鉛直方向に延びる姿勢に付勢されていて、発射装置31により発射された遊技球は、逆流防止部材27を押し倒して発射通路11Hを通過する(
図4(A)参照)。そして、勢いが弱く、発射通路11Hを戻ってきた遊技球は、鉛直方向に延びた逆流防止部材27により発射装置31へ戻ることが防がれ、戻り通路11Rへ案内される(
図4(B)参照)。
【0016】
図3に示すように、発射通路11Hのうち逆流防止部材27より発射装置31側には、発射通路11Hにより発射された遊技球を検出する発射球センサ35が設けられていて、戻り通路11Rの上端部には、戻り通路11Rを通過する遊技球を検出する戻り球センサ36が設けられている。
【0017】
図1に示すように、遊技機10の隣には、カードユニット60が配されている。カードユニット60は、カード挿入口61に挿入されたカード60Cに対して、読み込み、書き込み等の情報処理を行う。具体的には、カードユニット60は、遊技者の持ち球(遊技者が所有する遊技球)の数をカード内貯球の数としてカード60Cに書き込む。また、カードユニット60は、カード60Cに書き込まれているカード内貯球の数を読み込む。なお、カードユニット60には、現金で遊技球の貸出を行うための紙幣挿入口62が設けられていて、カードユニット60は、残金の情報についてもカード60Cに書き込み可能となっている。
【0018】
本実施形態の遊技機10は、前面扉10Zの下部中央に、球管理ユニット40を備えている。球管理ユニット40では、カード内貯球の数を遊技者が所有する持ち球の数として表示され、また、紙幣挿入口62に挿入された現金のうち遊技球の貸し出しに使用されなかった残りの金額等が表示される。そして、遊技者は、球管理ユニット40上で操作を行って、カード内貯球の一部を、遊技機10において消費可能な遊技機側貯球として設定したり、紙幣挿入口62に挿入した現金から遊技球の貸出を行ったりすることができる。なお、本実施形態の機台内に封入された遊技球が循環するので、現実の遊技球が貸し出されるのではなく、貸出の金額に応じた遊技球の数が遊技機側貯球の数として記憶される。
【0019】
そして、遊技球が発射球センサ35(
図3参照)に検出されると、検出された遊技球の数が遊技機側貯球の数から減算され、遊技球が戻り球センサ36(
図3参照)に検出されると、検出された遊技球の数が遊技機側貯球に加算される。また、各入賞口14,16,17に遊技球が入賞すると、その遊技球が各賞球センサ37(
図5参照)に検出され、入賞に応じた賞球分の遊技球の数が遊技機側貯球の数に加算される。
【0020】
図5には、遊技機10の電気的構成が示されている。同図に示す符号50は、主制御基板50である。主制御基板50は、CPU51AとRAM51B及びROM51Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン51を主要部として備えている。ワンチップマイコン51は、入出力回路を介して、入賞球を検出するための各種センサ及びスイッチ等から検出信号を受信して主制御基板メインプログラムを実行する。そして、その処理結果に応じて、サブ制御基板52、遊技球管理基板54等に制御データを出力する。
【0021】
サブ制御基板52は、主制御基板50と同様に、CPU53A、RAM53B、ROM53Cをパッケージしてなるワンチップマイコン53を備えている。ワンチップマイコン53は、CPU53AがROM53Cからサブ制御基板メインプログラムを取り出してランする。また、ワンチップマイコン53は、主制御基板50から出力された制御データに応じて表示装置13へと制御データを出力する。
【0022】
遊技球管理基板54は、遊技球側貯球とカード内貯球を管理する。具体的には、遊技球管理基板54は、発射球センサ35、戻り球センサ36、賞球センサ37から検出信号を受信して遊技機側貯球を増減する。また、遊技球管理基板54は、カードユニット60がカード60Cから読み取った情報を受信し、カードユニット60にカード60Cに書き込む情報を送信する。また、遊技球管理基板54は、球管理ユニット40に接続され、球管理ユニット40から受信した信号に基づいて、カード内貯球から遊技機側貯球へ遊技球を移したり、遊技機側貯球からカード内貯球へ遊技球を移したりすると共に、球管理ユニット40の表示部40Hに表示する持ち球の情報を球管理ユニット40へ出力する。
【0023】
さて、現実の遊技球が遊技者に貸し出される従来の遊技機では、遊技球が遊技機の外に排出されるので、遊技球を遊技機の外で研磨可能であったところ、封入式パチンコの場合、遊技球を遊技機の外に出して研磨する作業は手間がかかるため、遊技機10内に、遊技球を研磨するための機構が組み込まれている。本実施形態の遊技機10では、遊技球を研磨するための機構が球送り装置45に適応されている。
【0024】
図6及び
図7に示すように、球送り装置45は、球貯留部30と発射装置31との間を連絡する通路に配されていて、上下方向に延びる樋部46と、遊技球を上方へ移動させるスクリュー47と、を有している。樋部46は、第1水平方向で対向する1対の対向壁46Aと、第1水平方向と直交する第2水平方向でスクリュー47と対向するスクリュー対向壁46Bと、を有し、遊技球が1球ずつ通過可能になっている。また、
図6に示すように、スクリュー対向壁46Bの内側面には、研磨シート46Cが固定されている。スクリュー対向壁46Bは、取り外し可能になっていて、研磨シート46Cの交換が行える。
【0025】
スクリュー47は、回転シャフト47Aと、回転シャフト47Aから螺旋状に張り出した螺旋張り出し部47Bと、螺旋張り出し部47Bを回転シャフト47Aと共に回転駆動するモータ47Cと、を有している。スクリュー47の螺旋張り出し部47Bは、樋部46内に突出し、1対の対向壁46Aとスクリュー対向壁46Bとに囲まれた遊技球を下方から支持する。
【0026】
そして、スクリュー47が回転すると、1対の対向壁46Aとスクリュー対向壁46Bとに囲まれた遊技球が螺旋張り出し部47Bに押し上げられて樋部46内を上方へ移動し、発射装置31へ送られる。このとき、スクリュー対向壁46Bの表面に研磨シート46Cが配されているので、スクリュー47の螺旋張り出し部47Bに押し上げられる遊技球は、研磨シート46Cに押し付けられて研磨される。また、発射される直前で遊技球が研磨されるので、きれいな遊技球を遊技者に見せることができる。なお、本実施形態の球送り装置45では、スクリュー47が1回転すると1つの遊技球が発射装置31へ送られる。
【0027】
上述したように、遊技機10では、遊技機10内に設置された研磨シート46Cにより遊技球が研磨される。ここで、同じ研磨シート46Cをずっと使用していると、研磨シート46Cが摩耗したり汚れが付着するため、遊技ホールのスタッフによる研磨シート46Cの交換が必要となる。しかしながら、研磨シート46Cの交換が必要なタイミングは、遊技機10の稼働率等によっても異なるため、判断が難しい。
【0028】
これに対して、本実施形態の遊技機10では、遊技球管理基板54が発射球センサ35に検出された遊技球の数(即ち、発射数)を累積記憶し、前面扉10Zに設けられた発射数表示部41(
図1参照)に表示するように構成されている。発射数表示部41のカウントは、リセットボタン(図示せず)の操作によりリセットされる(再び0からカウントされる)。発射数表示部41は、液晶表示であってもよいし、7セグメントによる表示であってもよい。
【0029】
これにより、遊技ホールのスタッフは、発射数表示部41で発射数が例えば1000万を超えたことを確認したら研磨シート46Cを交換する等、研磨シート46Cを交換するタイミングを発射数表示部41で判断することが可能となる。また、発射数を表示することで、表示される遊技球数と、研磨シート46Cを通過する遊技球とを略一致させることができる。
【0030】
[変形例]
(1)上記実施形態では、発射数が表示されていたが、排出球センサ22に検出される遊技球の数(排出数)を表示する構成であってもよい。この場合、戻り球の分だけ、表示される球数と研磨シート46Cを通過する遊技球とにずれが生じるが、発射数に対する戻り球の割合は極めて少ないので、十分、研磨シート46C交換の目安にすることができる。
【0031】
(2)上記実施形態では、発射数表示部41が前面扉10Zに設けられていたが、遊技球管理基板54上に配され、前面扉10Zを開かないと視認できない構成であってもよい。
【0032】
(3)発射数表示部41は、持ち球数やエラー発生時のエラー番号を表示する表示部と兼用されていてもよい。この場合、発射数や持ち球数等を順番に表示する構成であってもよいし、特定のスイッチの操作を契機に表示する構成であってもよい。
【0033】
(4)発射数は、1球ずつカウントアップされる構成であってもよいし、複数球(例えば10球)毎に1ずつカウントアップされる構成であってもよい。
【0034】
(5)表示されている発射数により、研磨シート46C以外の部品の交換又は点検のタイミングを判断してもよい。
【0035】
[第2実施形態]
以下、本開示の第2実施形態に係る遊技機10Vについて説明する。本実施形態の遊技機10Vは、第2実施形態の遊技機10と比して、発射数表示部41を有しておらず、研磨シート46Cの交換タイミングを報知する構成が異なっている。以下、詳細を説明する。
【0036】
本実施形態の遊技機10Vでは、遊技球管理基板54のCPUに、任意の数値(例えば1000万)を「特定球数」として設定可能になっている。そして、発射球センサ35に検出された遊技球の数(即ち、発射数)が「特定球数」を超えると、遊技球管理基板54は、主制御基板50を介してサブ制御基板52に、信号を発信する。この信号を受けたサブ制御基板52は、表示装置13へ、研磨シート46Cの交換を促すメッセージ13Mを表示する(
図8参照)。これにより、遊技ホールのスタッフは、メッセージ13Mにより、研磨シート46Cの交換タイミングを知ることができる。なお、メッセージ13Mは、リセットボタン(図示せず)の操作により消去される。
【0037】
[変形例]
(1)上記実施形態では、メッセージ13Mの表示タイミングを、発射数により判定していたが、排出球センサ22に検出される遊技球の数(排出数)により判定する構成であってもよい。この場合、戻り球の分だけ、表示される球数と研磨シート46Cを通過する遊技球とにずれが生じるが、発射数に対する戻り球の割合は極めて少ないので、十分、研磨シート46C交換の目安にすることができる。
【0038】
(2)上記実施形態では、特定球数が遊技球管理基板54に設定される構成であったが、サブ制御基板52に設定される構成であってもよい。この場合、遊技球管理基板54がサブ制御基板52に発射数に関する情報を有する信号を出力することになるが、この出力は、1球毎に行ってもよいし、所定複数球(例えば1000球)毎に行ってもよい。後者の場合、遊技球管理基板54及びサブ制御基板52の負担が抑えられる。
【0039】
(3)メッセージ13Mではなく、遊技ホールのスタッフが識別可能なマークを表示装置13に表示する構成であってもよい。また、表示装置13での表示ではなく、ランプを点灯する構成であってもよいし、スピーカーから警告音や音声を出力する構成であってもよい。
【0040】
(4)研磨シート46C以外の部品の交換又は点検のタイミングを判断するために、特定球数を設定してもよい。
【0041】
[他の実施形態]
(1)研磨シート46Cではなく、研磨ブラシや研磨布等により遊技球を研磨する構成であってもよい。この場合であっても、研磨ブラシや研磨布の交換タイミングを遊技ホールのスタッフに知らせることができる。
【0042】
(2)上記実施形態では、研磨シート46Cが、球貯留部30と発射装置31との間に配されていたが、発射装置31内や球貯留部30内、発射通路11H内等に配されていてもよい。また、研磨シート46Cが、排出経路21内に配されていてもよい。この場合、発射数ではなく、排出数を表示したり(第1実施形態の場合)、排出数が特定数を超えたときにメッセージ13Mが表示される構成とすることが好ましい。
【0043】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【0044】
<付記>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群A~Bについて、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0045】
(発明群A)
発明群Aは、遊技機に関し、「従来の遊技機として、内部に複数の遊技球を封入し、それら複数の遊技球を循環させて遊技に使用するものが知られている(例えば、特開2020-014953号公報(段落[0040]、[0041]、
図2))参照)。」という背景技術について、「上述した従来の遊技機には、封入された遊技球を研磨する研磨手段が設けられていて、作業者が、研磨手段の交換のタイミングを判断しやすくすることが求められている。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
【0046】
[発明A1]
遊技球を封入して備え、遊技領域へ発射された遊技球を再び前記遊技領域へ発射可能に循環させる封入式の遊技機において、
封入された遊技球を研磨する研磨手段と、
前記研磨された遊技球の数に関連する特別球数を表示する特別球数表示手段と、を備える遊技機。
【0047】
発明A1の遊技機によれば、研磨手段により研磨された遊技球の数に関連する特別球数が表示されるので、研磨手段の交換のタイミングを、研磨手段により研磨された遊技球の数に関連する特別球数によって判断することが可能となる。
【0048】
[発明A2]
遊技球を前記遊技領域へ発射する発射装置を備え、
前記研磨手段は、前記発射装置に発射されて前記遊技領域を流下した遊技球が再び前記発射装置に到達するまでに必ず通る経路のうち遊技球が1球ずつ通過可能な研磨用通路に配されている発明A1に記載の遊技機。
【0049】
[発明A3]
前記特別球数表示手段は、前記特別球数として、前記発射装置に発射された遊技球の数を表示する発明A2に記載の遊技機。
【0050】
[発明A4]
前記遊技領域を流下した遊技球が貯留される球貯留部と、
前記球貯留部と前記発射装置との間を連絡する連絡部と、
前記発射装置により発射された遊技球を前記遊技領域まで案内する発射通路と、
前記発射通路の途中から分岐して球貯留部に連絡し、前記前記発射装置に発射されたが前記遊技領域に進入しなかった遊技球を前記球貯留部に戻すための戻り通路と、を備え、
前記研磨手段は、前記連絡部に配されている発明A3に記載の遊技機。
【0051】
(発明群B)
発明群Bは、遊技機に関し、「従来の遊技機として、内部に複数の遊技球を封入し、それら複数の遊技球を循環させて遊技に使用するものが知られている(例えば、特開2020-014953号公報(段落[0040]、[0041]、
図2))参照)。」という背景技術について、「上述した従来の遊技機には、封入された遊技球を研磨する研磨手段が設けられていて、作業者が、研磨手段の交換のタイミングを判断しやすくすることが求められている。」という課題をもってなされたものと考えることができる。
【0052】
[発明B1]
遊技球を封入して備え、遊技領域へ発射された遊技球を再び前記遊技領域へ発射可能に循環させる封入式の遊技機において、
封入された遊技球を研磨する研磨手段と、
任意な値を特定数として設定可能な特定数設定手段と、
前記研磨手段により研磨された遊技球の数に関連する特別球数が前記特定数を超えたことを報知する報知手段と、を備える遊技機。
【0053】
発明B1の遊技機によれば、研磨手段により研磨された遊技球の数に関連する特別球数が任意に設定される特定数を超えたことが報知されるので、研磨手段の交換のタイミングを、研磨手段により研磨された遊技球の数に関連する特別球数によって判断することが可能となる。
【0054】
[発明B2]
遊技球を前記遊技領域へ発射する発射装置を備え、
前記研磨手段は、前記発射装置に発射されて前記遊技領域を流下した遊技球が再び前記発射装置に到達するまでに必ず通る経路のうち遊技球が1球ずつ通過可能な研磨用通路に配されている発明B1に記載の遊技機。
【0055】
[発明B3]
前記特別球数は、前記発射装置に発射された遊技球の数である発明B2に記載の遊技機。
【0056】
[発明B4]
前記遊技領域を流下した遊技球が貯留される球貯留部と、
前記球貯留部と前記発射装置との間を連絡する連絡部と、
前記発射装置により発射された遊技球を前記遊技領域まで案内する発射通路と、
前記発射通路の途中から分岐して球貯留部に連絡し、前記前記発射装置に発射されたが前記遊技領域に進入しなかった遊技球を前記球貯留部に戻すための戻り通路と、を備え、
前記研磨手段は、前記連絡部に配されている発明B3に記載の遊技機。
【0057】
[発明B5]
前記特別球数を累積記憶し、前記特別球数の情報を有する信号を前記報知手段に出力する特別球数記憶手段を備え、
前記特別球数記憶手段は、前記報知手段への前記信号の出力を所定複数球毎に行う発明B1からB4の何れか1の発明に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0058】
10,10V 遊技機
11H 発射通路
11R 戻り通路
13 表示装置
21 排出経路
22 排出球センサ
30 球貯留部
31 発射装置
35 発射球センサ
36 戻り球センサ
36 前面扉
41 発射数表示部
45 球送り装置
46 樋部
46C 研磨シート
47 スクリュー
50 主制御基板
52 サブ制御基板
54 遊技球管理基板