(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】試薬容器およびこれを備えた試薬容器組立体
(51)【国際特許分類】
B01L 3/00 20060101AFI20241114BHJP
B01L 9/00 20060101ALI20241114BHJP
G01N 35/02 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
B01L3/00
B01L9/00
G01N35/02 A
(21)【出願番号】P 2023544655
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 KR2022003957
(87)【国際公開番号】W WO2022203339
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0036536
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523279730
【氏名又は名称】ジュンギョム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】リム ミュン ウン
【審査官】太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-090740(JP,U)
【文献】特開2014-015260(JP,A)
【文献】実開昭62-069434(JP,U)
【文献】特表2004-513038(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0130146(KR,A)
【文献】特開平02-194846(JP,A)
【文献】特開2003-144968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L 1/00 - 99/00
G01N 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬が収容されるボトル;
前記ボトルの開放された端部に嵌められ、試薬が吐出されるノズルが形成されたスポイト;
前記スポイトを締め切ってボトルと締結されるキャップ;
前記ボトルに結合されるマグネチックモールド
;
前記マグネチックモールドの内側に形成された磁石収容溝;および
前記磁石収容溝に収容された磁石;
を備えた試薬容器と、
鉄材で形成された据置台と、を備え、
前記試薬容器は、磁力によって前記据置台に取り付けられて自立状態を保持し、
前記マグネチックモールドは、前記ボトルの平断面と同一の断面形状を有し、
前記ボトルを取り囲む一対のフランジが、前記マグネチックモールドに形成されており、
前記一対のフランジは、前記マグネチックモールドと前記ボトルが相互結合するとき、結合位置をガイドする役割を遂行する、試薬容器
組立体。
【請求項2】
前記マグネチックモールドの内側に磁石収容溝が形成され、前記磁石収容溝に磁石が収容されたことを特徴とする、請求項1に記載の試薬容器
組立体。
【請求項3】
前記マグネチックモールドには、ボトルを取り囲む一対のフランジが形成されたことを特徴とする、請求項2に記載の試薬容器
組立体。
【請求項4】
前記スポイトのノズルは、終端に行くほど断面積が小さくなるように形成され、前記ノズルは、スポイトの内側に延びて突出した延長端が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の試薬容器
組立体。
【請求項5】
前記ノズルの貫通孔は、終端から延長端まで横切って形成されたことを特徴とする、請求項4に記載の試薬容器組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試薬容器およびこれを備えた試薬容器組立体に関し、さらに詳細には、試薬を安全に保管することができる試薬容器およびこれを備えた試薬容器組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
実験室や研究室には、各種実験や研究に使用される各種試薬が備えられている。
【0003】
このような試薬は、大部分試薬容器に保存されているが、試薬を探しやすくて安全に保管するために、所定の位置に試薬容器を整理しておく必要性がある。
【0004】
従来には、通常の収納庫形態を有する試薬収納庫に試薬容器を整理、保管していた。
【0005】
また、試薬容器を整理する場合、試薬の用途や性質別に分類して整理、保管することが良いため、四角のプラスチック容器などに試薬容器を用途や性質別に分類しておいた後、この四角のプラスチック容器などを試薬収納庫に収納する形態で試薬を整理、保管していた。
【0006】
このように収納された試薬を使用しようとするときは、プラスチック容器自体を収納庫から引き出して試薬容器の試薬をスポイトなどで引き抜いて使用する。
【0007】
このようなプラスチック容器などは、試薬収納庫に収納されなくても、多数個の試薬容器を整理しておくことができる特徴がある。
【0008】
しかし、従来の試薬容器を保管するプラスチック容器などは、試薬容器が互いに接触されるか、試薬容器が揺れる可能性があり、これによって安全事故が発生する問題点を有していた。
【0009】
すなわち、試薬容器と試薬容器が接触された状態で衝撃が加えられると、試薬容器が割れたり、試薬が漏出されたりすることがある。
【0010】
また、試薬の使用時には、試薬容器の蓋を取り外した状態を保持することから試薬容器が倒れる場合、試薬の漏出が頻繁に発生した。
【0011】
よって、試薬の使用時にも安定的に据え置き可能な試薬容器およびこれを備えた試薬容器組立体の開発が要求されている実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前述の従来の諸般問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、試薬容器の使用と保管時に直立状態を保持するように安定的に据え置き可能な試薬容器およびこれを備えた試薬容器組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記のような目的を達成するための本発明の試薬容器は、試薬が収容されるボトル;前記ボトルの開放された端部に嵌められ、試薬が吐出されるノズルが形成されたスポイト;前記スポイトを締め切ってボトルと締結されるキャップ;および前記ボトルに結合されるマグネチックモールドで構成されたことを特徴とする。
【0014】
また、前記マグネチックモールドの内側に磁石収容溝が形成され、前記磁石収容溝に磁石が収容されたことを特徴とする。
【0015】
また、前記マグネチックモールドには、ボトルを取り囲む一対のフランジが形成されたことを特徴とする。
【0016】
また、前記スポイトのノズルは、終端に行くほど断面積が小さくなるように形成され、前記ノズルは、スポイトの内側に延びて突出した延長端が形成されたことを特徴とする。
【0017】
また、前記ノズルの貫通孔は、終端から延長端まで横切って形成されたことを特徴とする。
【0018】
本発明による試薬容器組立体は、鉄材で形成された据置台;および前記据置台に据え置かれる前述の試薬容器:を含み、前記試薬容器は、磁力によって鉄材据置台に取り付けられて自立状態を保持することを特徴とする。
【0019】
また、前記据置台は、「¬」字に折り曲げ形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明による試薬容器およびこれを備えた試薬容器組立体によると、鉄材据置台に磁石が取り付けられた試薬容器を取り付けることによって試薬容器の使用と保管時に直立状態を保持するように安定的に据え置き可能な効果を提供する。
【0021】
このとき、試薬容器のキャップを除去した状態でも磁力によって安定的に自立状態を保持して試薬の漏出を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による試薬容器組立体を示した斜視図である。
【
図2】本発明による試薬容器を分解して示した斜視図である。
【
図5】本発明による試薬容器組立体の使用状態図である。
【
図6】本発明による試薬容器組立体の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明による試薬容器組立体を示した斜視図であり、
図2は、本発明による試薬容器を分解示した斜視図であり、
図3は、
図2の結合状態を示した斜視図であり、
図4は、
図3の断面図であり、
図5ないし
図6は、本発明による試薬容器組立体の使用状態図である。
【0025】
図1ないし
図6に示したように、本発明による試薬容器組立体Aは、鉄材で形成された据置台100および据置台100に据え置かれる試薬容器200で構成される。
【0026】
このような、試薬容器200は、磁力によって鉄材据置台100に取り付けられて自立状態を保持するように構成される。
【0027】
具体的に、試薬容器200は、試薬が収容されるボトル210と、ボトル210の開放された端部に嵌められ、試薬が吐出されるノズル221が形成されたスポイト220と、スポイト220を締め切ってボトル210と締結されるキャップ230およびボトル210に結合されるマグネチックモールド240で構成される。このような試薬容器200は、合成樹脂で形成される。ただし、ガラス金属素材に変更も可能である。
【0028】
ボトル210は内部収容空間を有し、上面には開口部211が開放された容器形態で形成される。
【0029】
また、ボトル210には使用者が把持できる第1把持溝212が形成される。
【0030】
そして、ボトル210の上端には雄ネジ213が形成される。
【0031】
一方、ボトル210の外面に製品のブランドと製品の内容物などが表示されるように印刷またはステッカーが貼り付けられる。
【0032】
スポイト220は、ボトル210の開口部211に嵌められる挿入部材222が形成され、挿入部材222の枠に沿ってストッパ223が形成されて開口部211を締め切る。
【0033】
キャップ230は、ボトル210の雄ネジ213に対応されてねじ締められる雌ネジ(図示しない)と使用者が把持できる第2把持溝231が形成される。このとき、第2把持溝231はキャップ230がボトル210と結合時に第1把持溝212の形状が一致するように形成される。一致した形状は楕円形である。
【0034】
また、キャップ230には製品のブランドと製品の内容物などが表示されるように印刷またはステッカーが貼り付けられる。
【0035】
マグネチックモールド240はボトル210と締結されてボトル210の平断面と同一の断面形状を有する。
【0036】
また、マグネチックモールド240の内側に磁石収容溝241が形成され、磁石収容溝241に磁石242が収容される。これによって、磁石242が鉄材据置台100に磁力によって取り付けられて本発明の試薬容器200は自立状態を保持することができるようになる。
【0037】
そして、マグネチックモールド240には、ボトル210を取り囲む一対のフランジ243が形成される。これによって、フランジ243によってマグネチックモールド240とボトル210の締結時にずれを防止する。
【0038】
さらに、マグネチックモールド240とボトル210は接着融着などで取り付けることによって相互結合時にフランジ243は結合位置をガイドする役割を遂行する。
【0039】
一方、スポイト220のノズル221は終端に行くほど断面積が小さくなるように形成される。これによって、断面積が小さなノズル221終端は、吐出された試薬との表面張力を減らして吐出された試薬が自由落下するように構成される。
【0040】
ノズル221はスポイト220の内側に延びて突出された延長端221aが形成される。
【0041】
また、ノズル221の終端から延長端221aまで貫通孔221bが横切って形成される。
【0042】
これによって、使用者が試薬容器200をひっくり返して把持すると試薬が延長端221aとその周辺に集まり、使用者がボトル210を握るとノズルの終端貫通孔221bを通じて試薬が一滴落ちるようになる。
【0043】
このとき、試薬の吐出量はノズル221の終端断面積と貫通孔221bの長さと直径によって決まり、通常、20μl(±1μl)が吐出される。
【0044】
最後に、据置台100は「¬」字に折り曲げ形成される。これによって、
図5のように試薬容器200のキャップ230が使用者に向かうように構成して使用者が試薬容器200の内容物を確認すると同時に容易に把持するようになる。
【0045】
本発明によれば、鉄材据置台100に磁石が取り付けられた試薬容器200を取り付けることによって試薬容器200の使用と保管時に直立状態を保持するように安定的に据え置き可能である。
【0046】
このとき、試薬容器200のキャップ230を除去した状態でも磁力によって安定的に自立状態を保持して試薬の漏出を防止する。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施例について詳しく説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施例に限定されず、特許請求の範囲によって解析されなければならない。このとき、この技術分野における通常の知識を習得した者であれば、本発明の範囲から外れないながらも多くの修正と変形が可能であることを考慮しなければならない。