(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】手元作業撮影装置及び手元作業映像の製造方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/222 20060101AFI20241114BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20241114BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
H04N5/222 100
G03B17/56 A
G03B15/02
(21)【出願番号】P 2024054076
(22)【出願日】2024-03-28
(62)【分割の表示】P 2022201160の分割
【原出願日】2022-12-16
【審査請求日】2024-05-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518259693
【氏名又は名称】株式会社アクアフィールド
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】白 兆章
(72)【発明者】
【氏名】山岡 圭介
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第213517835(CN,U)
【文献】特開2002-135638(JP,A)
【文献】特開2022-149888(JP,A)
【文献】中国実用新案第215067671(CN,U)
【文献】特開2008-211850(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0397809(US,A1)
【文献】中国実用新案第217404704(CN,U)
【文献】特開2003-271946(JP,A)
【文献】国際公開第2001/44868(WO,A1)
【文献】中国実用新案第206339819(CN,U)
【文献】便利な撮影ボックス 100均の材料で自作♪手元動画の撮影にも!,Youtube[online][video],2020年02月05日,[2024年1月4日検索],<https://youtube.com/watch?v=rdUKz_Z6uWs>,10:47~12:10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N5/222
H04N23/00
G03B15/02
G03B17/56
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手元作業をする作業領域を囲う箱部と、該箱部内に配置される照明と、を備え、
前記箱部は、前記作業領域の両側方及び奥側を囲うとともに手前側に前記作業領域の内外を連通する作業開口を画定する壁部と、前記壁部の上部に配置され、前記作業領域の上方を覆う天板と、を備え、
前記天板又は壁部は、
前記箱部の外部から前記作業領域を撮影すべく、撮影手段を設置可能な撮影手段設置部を備え、
前記撮影手段設置部は、前記天板又は前記壁部の一部として構成され、前記撮影手段のレンズを前記箱部内に臨ませるための撮影穴が形成された設置本体部と、前記撮影穴よりも小さい孔である適合孔が形成され、前記設置本体部に対して外方から前記撮影穴と連通するように配置可能な板状体と、を備える、手元作業撮影装置。
【請求項2】
前記板状体は、前記適合孔の前記撮影穴に対する位置を調整すべく前記設置本体部に対して位置調整可能である、請求項1に記載の手元作業撮影装置。
【請求項3】
前記板状体は、前記設置本体部の外面に配置された状態で前記設置本体部に対向する面が非光沢の面である請求項
1に記載の手元作業撮影装置。
【請求項4】
手元作業をする作業領域を囲う箱部と、該箱部内に配置される照明と、を備え、
前記箱部は、前記作業領域の両側方及び奥側を囲うとともに手前側に前記作業領域の内外を連通する作業開口を画定する壁部と、前記壁部の上部に配置され、前記作業領域の上方を覆う天板と、を備え、
前記天板又は壁部は、
前記箱部の外部から前記作業領域を撮影すべく、撮影手段を設置可能な撮影手段設置部を備え、
前記撮影手段設置部は、前記撮影手段のレンズを前記箱部内に臨ませるための撮影穴を備え、
前記撮影穴の大きさを変えることができる、手元作業撮影装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の手元作業撮影装置を用いた手元作業映像の製造方法であって、
前記作業領域を囲うように前記手元作業撮影装置を設置する工程と、
設置した前記手元作業撮影装置に描画対象を配置して、該描画対象に描画する手元作業を前記撮影手段設置部に設置した前記撮影手段で撮影する工程と、を含む手元作業映像の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手元作業を撮影するための手元作業撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体を撮影するための撮影装置として、特許文献1に記載の撮影キットが知られている。撮影キットは、内部に撮影空間が形成される箱形の撮影箱と、被写体が載置される被写体載置部と、を備える。撮影箱は、底板、壁板、天板、及び、散光板を箱形にして形成され、散光板以外から撮影空間に侵入する外部光を遮断するように構成され、天板には、撮影空間の内外を連通する撮影用穴が形成されている。
【0003】
以上のような撮影キットによれば、被写体載置部に被写体を載置して撮影空間内に配置し、天板の撮影用穴を介して被写体を撮影することができる。この場合に、撮影空間への外部光の侵入が制限されるので、反射光や撮影者の影の映り込みを防ぎつつも散光板によって外部の環境光を撮影空間内に効率よく取り込むことができるので、被写体をきれいに撮影できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、作業をしている手元を被写体として撮影したい場合がある。しかしながら、特許文献1に記載の撮影キットでは、反射光等の映り込みを防ぐべく、撮影箱が撮影空間に侵入しようとする外部からの光を遮るように構成されているので、撮影空間に手を入れて作業をし、該作業を撮影することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、手元作業を撮影できる手元作業撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の手元作業撮影装置は、手元作業をする作業領域を囲う箱部と、該箱部内に配置される照明と、を備え、前記箱部は、前記作業領域の両側方及び奥側を囲うとともに手前側に前記作業領域の内外を連通する作業開口を画定する壁部と、前記壁部の上部に配置され、前記作業領域の上方を覆う天板と、を備え、前記天板又は壁部は、前記箱部の外部から前記作業領域を撮影すべく、撮影手段を設置可能な撮影手段設置部を備え、前記撮影手段のレンズを前記箱部内に臨ませるための部位を有する。
【0008】
また、前記撮影手段設置部は、前記部位を前記撮影手段のレンズの大きさに適合させて、前記撮影手段の写り込みを抑制する写り込み抑制手段を備える構成とすることもできる。
【0009】
また、前記写り込み抑制手段は、板状であり、前記撮影手段の前記レンズの口径に適合した大きさの厚み方向に貫通する適合孔を有する構成とすることもできる。
【0010】
また、前記撮影手段設置部は、前記撮影手段が設置される設置本体部を備え、前記写り込み抑制手段は、前記設置本体部の外面に配置され、前記設置本体部に対向する面が非光沢の面である構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、手元作業を撮影できる手元作業撮影装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る手元作業撮影装置を示す斜視図である。
【
図6】同手元作業撮影装置の断面図であり、(A)は、
図5のA-A断面図であり、(B)は、
図5のB-B断面図である。
【
図7】同手元作業撮影装置の連結壁及び連結部照明を示す図である。
【
図8】同手元作業撮影装置の照明取付具を示す図である。
【
図9】同手元作業撮影装置に撮影手段を設置した状態を示す図である。
【
図10】同手元作業撮影装置の壁部を折り畳んだ状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態にかかる手元作業撮影装置1及び手元作業映像の製造方法について、
図1乃至
図10を参照して説明する。説明の都合上、上下方向、左右方向及び奥行方向は、手元作業撮影装置1を設置した状態における方向を基準に説明する。
【0014】
手元作業撮影装置1は、例えば、作業台Dの上のような、手元作業をするための一定の範囲である作業領域S1において行われる手元作業を撮影するための装置である。手元作業とは、手指を使って行う作業の全般を指す。以下説明においては、絵を描くための描画領域B1を上面に有する描画対象(ホワイトボードB)に絵を描く作業を例に挙げる。また、本実施形態の手元作業撮影装置1は、手元作業を上方から撮影(俯瞰撮影)するために用いられる。
【0015】
図1に示すように、手元作業撮影装置1は、作業台Dの上に配置される箱部2と、該箱部2の内部に配置される照明6と、を備える。
【0016】
箱部2は、複数の板状体を組み合わせて形成されるとともに、手前側が開放された箱状体であり、具体的には、作業領域S1の左右(両側方)及び奥側を囲うとともに、手前側に作業領域S1の内外を連通する作業開口S2を画定する壁部3と、壁部3の上部3bに配置され、作業領域S1の上方を覆う天板4と、を備える。また、箱部2は、手元作業を撮影するための撮影手段7が設置される撮影手段設置部5を有する。本実施形態の箱部2は、内面及び外面が非光沢の白色であり、箱部2の内部に配置された照明6が発した光を箱部2の内部で乱反射させつつ、外光が箱部2の内部(作業領域S1)に進入することを抑制する。
【0017】
図2及び
図3に示すように、壁部3は、作業領域S1の左右を覆う一対の側壁31と、作業領域S1の奥側を覆う奥壁32と、一対の側壁31及び奥壁32を連結する連結壁33と、を備える。側壁31、奥壁32及び連結壁33は、それぞれが板状体であり、隣り合う板同士を連結して壁部3が構成されている。また、壁部3は、両側方及び奥側が閉じ、手前側が開放された、平面視略コ字型であり、作業台Dに接する底部3aと、天板4が設置される上部3bと、を備える。さらに、壁部3は、左右方向長さが奥行に比べて長く、具体的には左右方向長さが奥行の2倍程度の長さである。
【0018】
図5に示すように、壁部3を構成する板状体には、上部3bから下方に窪むように配置される天板設置切欠き3cが複数形成されている。天板設置切欠き3の下方に窪む長さは、後述する天板連結部42の天板取付部421の上下方向長さ(厚み)と略等しい。このような天板設置切欠き3cは、載置される天板4の天板連結部42に対応した位置に配置される。
【0019】
図2及び
図3に示すように、奥壁32は、長辺及び短辺を有する略方形の板状体であり、長手方向が左右方向に、短手方向が上下方向に、厚み方向が奥行方向に一致するように配置されている。
【0020】
側壁31は、長辺及び短辺を有する略方形の板状体であり、左右方向で対向して一対設けられる。各側壁31は、長手方向が奥行方向に、短手方向が上下方向に、厚み方向が左右方向に一致するように配置されている。
【0021】
図2、
図3及び
図7に示すように、に示すように、連結壁33は、長辺及び短辺を有する略方形の板状体であり、奥壁32と各側壁31の間に配置されている。具体的に、連結壁33は一対設けられており、一方の連結壁33は、長手方向が上下方向に一致するように配置されるとともに、短手方向の一端が奥壁32の左端部に、他端が左側に配置された側壁31の奥側の端部に連結されている。他方の連結壁33は、長手方向が上下方向に一致するように配置されるとともに、短手方向の一端が奥壁32の右端部に、他端が右側に配置された側壁31の奥側の端部に連結されている。
【0022】
図7に示すように、各連結壁33には、厚み方向に貫通する切り欠きが複数形成されている。具体的に、各連結壁33には、底部3aから上方に向かって延びるように形成された下側切欠き33bと、上下方向の中途部分に形成された上側切欠き33aと、が形成されている。本実施形態で、下側切欠き33bは、連結壁33の短手方向に離間して2か所に形成されており、上側切欠き33aは、連結壁33の短手方向で、両下側切欠き33bの間の位置に形成されている。
【0023】
図1に示すように、壁部3において、隣り合う板同士は、内面に貼り付けられるテープ34によって連結されており、
図1に示すような展開状態3Aと
図10に示すような折り畳み状態3Bに切り替え可能である。本実施形態のテープ34は、製本テープであり、粘着面が壁部3の内面と対向するように配置され、粘着面と反対側の面が非光沢の白色に構成されている。壁部3の折り畳みについては後述する。展開状態3Aの壁部3の内面において、奥壁32と連結壁33がなす角度及び連結壁33と側壁31がなす角度はいずれも鈍角であり、具体的には110度以上170度以下、好ましくは115度以上155度以下である。また、展開状態3Aで、奥壁32、連結壁33及び側壁31の内面は連続するように配置されている。本実施形態の壁部3には、展開状態3Aにおける板同士の連結部分の外面を覆う覆い部材(図示しない)が設けられている。覆い部材は例えばテープ34と同じ製本テープであり、粘着面が壁部3の外面と対向するように配置されている。である。
【0024】
図1及び
図2に示すように、天板4は、板状の天板本体41と、天板本体41と壁部3を連結する天板連結具42と、天板本体41を補強する補強部43と、を備える。また、天板4は、撮影手段設置部5を備える。
【0025】
図2に示すように、天板本体41は、壁部3の上部3bに配置されて、作業領域S1の上方を覆う板状体である。具体的に、天板本体41は、外縁部分が壁部3の上部3bに即した形状の板状体であり、厚み方向が上下方向に一致するように配置される。天板本体41は、壁部3の上部3bに配置された状態において、壁部3に下方から支持される被支持辺41aと、作業開口S2の上端を画定する開口側辺41bと、を備える。本実施形態で、開口側辺41bは、天板本体41の手前側の辺であり、開口側辺41b以外の辺は被支持辺41aである。
【0026】
補強部43は、天板本体41よりも剛性のある棒状の部材であり、具体的には、直線状で断面コ字型の金属製の棒状体である。このような補強部43は、開口側辺41bに装着されて、天板本体41のうち開口側辺41bの部分を補強する。具体的に、補強部43は、開口側辺41bに嵌め込まれた状態で、開口側辺41bに沿って天板本体41の左端から右端まで連続して延びるように構成されており、補強部43の剛性で開口側辺41bが変形することを抑制する。なお、本実施形態で補強部43は、天板本体41のうち開口側辺41bにのみ装着され、被支持辺41aには装着されない。
【0027】
図6(A)に示すように、天板連結具42は、天板本体41を壁部3の上部3bに連結して固定するための部材である。具体的に、天板連結具42は、天板本体41の下面に取り付けられる板状の天板取付部421と、壁部3の上部3bに係止する壁係止部422と、を備える。本実施形態では、天板取付部421が天板本体41の下面の外縁部分に固定されており、具体的に天板取付部421は、展開状態3Aの壁部3に天板本体41を配置した際に、壁係止部422が壁部3の上部3b(天板載置切欠き3c)に係止できる位置に固定されている。また、壁係止部422は、天板取付部421から下方に延びて壁部3を厚み方向の両側から挟持するクリップであり、具体的に、壁係止部422は、壁部3の厚み方向の外方に配置される外側挟持片422aと、厚み方向の内方に配置される内側挟持片422bと、を備え、両挟持片で壁部3の上部3bを挟むことで壁部3に係止する。
【0028】
図5及び
図7に示すように、壁部3に係止した天板連結具42の天板取付部421は、天板載置切欠きに嵌った状態となる。本実施形態で、天板設置切欠き3cの下方に窪む幅と天板取付部421の厚みが略等しいので、天板取付部421の全体が天板設置切欠き3cに嵌る。よって、天板4の下面が、壁部3の上部3bに対して天板取付部421の厚み分だけ浮くことを抑制でき、
図6(b)に示すように、天板4の下面が壁部3に当接した状態で、天板4を壁部3に設置することができる。
【0029】
図2及び
図9に示すように、撮影手段設置部5は、撮影手段7が設置される部位であり、設置された撮影手段7を支持する。また、撮影手段設置部5は、天板本体41の上面の一部に位置しており、具体的には中央部分に位置している。また、撮影手段設置部5には、撮影手段7のレンズ72を箱部2内に臨ませるための撮影穴51aが形成され、かつ、撮影手段設置部5は、撮影穴51aをレンズ72の大きさに適合させて、撮影手段7の写り込みを抑制する写り込み抑制手段と、を備える。具体的に撮影手段設置部5は、撮影手段7が設置される設置本体部51と、該設置本体部51と設置される撮影手段7の間に配置される、写り込み防止手段としての写り込み防止板52と、を備える。
【0030】
設置本体部51は、天板本体41の上面のうち、撮影手段7が設置される部分であり、具体的には、天板本体41の上面の一部分である。また、設置本体部51には、天板本体41の厚み方向に貫通する撮影穴51aが形成されている。撮影穴51aは、撮影手段7のレンズ72よりも大きい孔であり、本実施形態では奥行方向に長い長孔である。
【0031】
写り込み防止板52は、下面が設置本体部51の上面と対向し、上面に撮影手段7が直接載置される板状体である。写り込み防止板52は、天板4と同じ材質である。また、写り込み防止板52には、厚み方向に貫通する適合孔52aが形成されている。適合孔52aは、撮影手段7のレンズ72の口径に適合した大きさの孔であり、撮影手段7のレンズ72と略同じ大きさ又はレンズ72のよりも大きく、かつ、撮影穴51aよりも小さい穴である。また、写り込み防止板52の下面は、非光沢の面である。このような写り込み防止板52は、撮影穴51aと適合孔52aが上下方向で重なるように配置され、適合孔52aの周縁部分が撮影穴51aのうち、適合孔52aと重なっていない領域を塞ぐ。
【0032】
図1乃至
図4に示すように、照明6は、箱部2内に設けられ、作業領域S1を照らすための光を発する。本実施形態の照明6は、箱部2内の複数個所に設けられている。また、本実施形態で照明6が発した光は、散乱させられて、散乱光で作業領域S1を照らす。照明6は、側壁31に沿って配置される一対の側方照明61と、奥壁32に沿って配置される奥側照明62と、連結壁33に沿って配置される一対の連結部照明63と、天板4の下面に配置される天板照明64と、を備える。各照明6は、作業領域S1の外側に配置されている。なお、作業領域S1の外側とは、撮影手段7によって撮影される範囲の外側であり、撮影手段設置部5に設置された撮影手段7が撮影した際に映らない範囲又は撮影後にトリミングなどによって除去される範囲である。
【0033】
図2及び
図3に示すように、側方照明61、奥側照明62及び天板照明64は、いずれも直線状の光源を有する棒状照明本体6Aを備えている。棒状照明本体6Aは、複数の発光体(LED)が直線状に並んで配置されることで光源が直線状に構成されている。連結部照明63は、円環状の光源を有する環状照明本体6Bを有している。環状照明本体6Bは、複数の発光体が円環状に並んで配置されることで光源が環状に構成されている。また、環状照明本体6Bの中央部分には、連結部照明63の軸線方向に貫通する孔が形成されている。
【0034】
図2に示すように、側方照明61は、作業台Dの上面に、光源が側壁31の下端部に沿って(奥行方向に)延びるように、箱部2基準で側壁31よりも内側(左側の側壁31よりも右側、右側の側壁31よりも左側)に配置されている。また、側方照明61は、各発光体の光軸が天板4を向くように配置されており、本実施形態では光軸が上下方向に沿って延びるように配置されている。さらに、側方照明61の上面は、それ自体によって生じる影が作業領域S1にかからない程度の高さに配置されており、本実施形態では、側方照明61の上面が、ホワイトボードB(描画対象)の上面(描画領域B1)よりも低い位置に位置している(
図4参照)。
【0035】
奥側照明62は、作業台Dの上面に、光源が奥壁32の下端部に沿って(左右方向に延びるように)、箱部2基準で奥壁32よりも内側(手前側)に配置されている。また、奥側照明62は、光軸が天板4を向くように配置されており、本実施形態では各発光体の光軸が上下方向に沿って延びるように配置されている。さらに、奥側照明62の上面は、それ自体によって生じる影が作業領域S1にかからない程度の高さに配置されており、本実施形態では、奥側照明62の上面が、ホワイトボードBの上面よりも低い位置に位置している(
図4参照)。
【0036】
図2及び
図7に示すように、連結部照明63は、光源が連結壁33の下端部に沿うように、箱部2基準で連結壁33よりも内側に配置されている。また、連結部照明63は、各発光体の光軸が連結壁33の内面を向くように配置されており、本実施形態では、光軸が連結壁33の内面と略直交する方向に延びるように配置される。本実施形態の連結部照明63は、後述する照明取付具65によって、連結壁33に取り付けられている。
【0037】
図8に示すように、照明取付具65は、連結壁33に係止可能であり、該係止した状態で連結部照明63を保持可能な部材である。具体的に、照明取付具65は、連結壁33に形成された切欠きに係止する壁取付部651と、連結部照明63を保持する照明保持部652と、を備える。壁取付部651は、連結壁33に形成された切欠きに嵌合することで連結壁33に係止可能であり、具体的に、壁取付部651には、連結壁33に形成された切欠きに嵌合する嵌合切欠き651aが形成されている。また、照明保持部652には、連結部照明63が嵌合する保持切欠き652aが形成されており、照明保持部652は、該保持切欠き652aに連結部照明63が嵌合することで連結部照明63を保持可能である。さらに、照明取付具65は、透光性を有し、具体的には、照明取付具65全体が無色透明である。
【0038】
図7に示すように、照明取付具65は、連結壁33の上側切欠き33aに係止して、連結部照明63を上方から支持する上方取付具65Uと、連結壁33の下側切欠き33bに係止して、連結部照明63を下方から支持する下方取付具65Dと、を備える。本実施形態で上方取付具65Uは1つ設けられ、下方取付具65Dは2つ設けられている。また、下方取付具65Dは、底面が平坦な面であり、下側切欠き33bに係止した状態で、底面の全体が作業台Dの上面に当接する。
【0039】
図2及び
図4に示すように、天板照明64は、天板4の下面に配置された照明6であり、左右方向に延びるように配置されている。また、天板照明64は、撮影手段設置部5よりも手前側の位置に配置されている。具体的に、天板照明64は、天板4の下面に配置される棒状照明本体6Aと、棒状照明本体6Aが発した光を散乱させる光散乱手段66と、を備える。天板照明64の棒状照明本体6Aは、各発光体の光軸が下方を向くように配置されている。本実施形態の天板照明64の棒状照明本体6Aは、天板本体41の下面に固定されている。
【0040】
光散乱手段66は、天板4の下面に、天板照明64の棒状照明本体6Aを覆うように配置されたシート体であり、本実施形態では、天板4の下面に着脱可能に取り付けられた白色の薄布である。光散乱手段66は、棒状照明本体6Aが発した光を散乱させつつ厚み方向で透過させる。即ち、天板照明64の棒状照明本体6Aが発した光は、光散乱手段66を透過する際に散乱させられる。本実施形態の光散乱手段66は、布取付手段661によって、天板本体41に装着される。布取付手段661は、天板4に予め配置された磁石に吸着可能な磁性体であり、天板4に予め配置された磁石との間で光散乱手段66を挟持する。本実施形態の光散乱手段66は、下方に凸となるように湾曲した形状で天板本体41に装着される。なお、光散乱手段66を、例えば、乳白色の合成樹脂(アクリルやプラスチック)で構成することもできる。このような構成であっても、透過する光を散乱させることができる。
【0041】
図2に示すように、本実施形態の照明6には、光を発するための電力が外部電源(具体的には商用電源)から供給される。本実施形態で、照明6に電力を供給するための動線は、作業開口S2から箱部2の内部に延びるように設置される。また、本実施形態の照明6には、調光器68が接続されており、調光器68を操作することで、明るさを調整できるように構成されている。なお、このような構成に限らず各照明6が電源を内蔵する構成とし、導線67を不要とすることもできる。また、側壁31の下端部に、厚み方向に貫通する切欠きを形成し、該切欠きを介して箱部2の外部から各照明6に電力を供給するための導線67を配置することもできる。
【0042】
以上のような照明6が発した光は散乱させられ、散乱した光が作業領域S1を照らす。具体的に、側方照明61及び奥側照明62が発した光は、天板4の下面及び壁部3の内面で反射し、反射光が作業領域S1を照らす。ここで、天板4の下面及び壁部3の内面が非光沢である(反射する光が乱反射する程度の凹凸がある面である)ので、光が天板4の下面及び壁部3の内面で反射する際に乱反射し、結果として光が散乱する。連結部照明63が発した光は、壁部3の内面で反射し、反射光が作業領域S1を照らす。ここでも同様に、壁部3の内面が非光沢であるので、光が壁部3の内面で反射する際に乱反射し、結果として光が散乱する。また、連結部照明63には、中央部分に孔が形成されているので、反射光が孔を通過して作業領域S1を照らすことができる。このように、各照明6が発した光は、箱部2の内部に反射して作業領域S1を照らすので、作業領域S1は、箱部2の内面から全体的に照らされる。よって、作業領域S1がむらなく全体的に照らされる。さらに、天板照明64が発した光は、光散乱手段66を透過し、透過光が作業領域S1を照らす。ここで、光散乱手段66は、透過する光を散乱させるので、結果として散乱させられて光が作業領域S1を照らすこととなる。
【0043】
図9に示すように、撮影手段7は、作業領域S1を撮影可能な手段であり、具体的には、カメラやカメラを内蔵した端末である。なお、本実施形態の撮影手段7は、動画及び静止画を両方撮影可能であるが、動画及び静止画の一方のみを撮影可能であってもよい。具体的に、撮影手段7は、箱型の撮影本体部71と、撮影本体部71に設けられるレンズ72と、を備え、レンズ72を通った光(映像)を撮影本体部71がデジタル又はアナログで記憶媒体に記憶させるように構成されている。
【0044】
撮影手段7は、撮影手段設置部5に設置される。具体的に、撮影手段7は、設置本体部51の撮影穴51aに適合孔52aが連通するように配置された写り込み防止板52の上部に、レンズ72が適合孔52aと上下方向で重なるように配置される。なお、撮影手段7の天板4に対する位置を調整する場合には、撮影手段7と一緒に写り込み防止板52を移動させて、適合孔52a及びレンズ72の撮影穴51aに対する位置を調整することで、撮影手段7の天板4に対する位置が調整される。なお、レンズ72の大きさが撮影穴51aと適合している場合には、写り込み防止板52を用いることなく、設置本体部51に直接撮影手段7を設置することもできる。このような場合には、撮影穴51aの全体をレンズ72で塞ぐことができるので、撮影手段7の写り込みを抑制できる。
【0045】
以上のような構成の手元作業撮影装置1を用いて手元作業映像を製造する方法について説明する。
【0046】
まず、準備段階として、手元作業撮影装置1を作業台Dに設置する。手元作業撮影装置1の作業台Dへの設置は、壁部展開工程、天板載置工程、照明配置工程の3工程でおこわなれる。
【0047】
壁部展開工程では、
図10に示すように折り畳み状態3Bの壁部3をから、
図1に示すように展開状態3Aとして、作業領域S1を囲むように作業台Dに載置する。なお、この段階での壁部3の配置は仮の配置であり、最終的な配置は天板載置工程でおこなわれる。
【0048】
天板載置工程では、展開状態3Aの壁部3の上部3bに天板4を載置する。具体的に、天板載置工程では、作業領域S1の上方を覆うように天板本体41を壁部3の上部3bに配置しつつ、天板連結具42の壁係止部422を壁部3の上部3bに係止することで、天板4と壁部3を連結する。ここで、天板連結具42は、展開状態3Aの壁部3に係止するように配置されているので、壁係止部422を壁部3に係止させる際に、同時に壁部3の位置決めがなされ、壁部3は、一対の側壁31が左右方向で対向し、奥壁32が両側壁31に直交する方向に延びるように配置される。以上の工程で箱部2の作業台Dに対する設置が完了する。
【0049】
照明配置工程は、箱部2の内部に照明6を配置する工程である。具体的には、一対の側壁31に沿って側方照明61を配置し、奥壁32に沿って奥側照明62を配置する。また、連結壁33に照明取付具65を取り付けて、該照明取付具65に連結部照明63を保持させることで、連結部照明63を配置する。なお、本実施形態で、天板照明64は天板本体41に予め固定されているので、天板4を壁部3に配置した際に天板照明64の配置は完了する。そして、各照明6に電力供給がされるように配線をして照明配置工程は完了する。以上の各工程で手元作業撮影装置1の作業台Dへの設置が完了する。
【0050】
次に、手元作業撮影装置1を用いて手元作業映像を撮影して、手元作業映像を製造する。本実施形態では、手元作業映像としての、描画領域B1を上面に有する描画対象(ホワイトボードB)に絵を描く描画作業を俯瞰撮影した映像を製造する場合について説明する。手元作業映像の製造に先立って、手元作業撮影装置1の各照明6を点灯させるとともに、作業領域S1に描画対象としてのホワイトボードBを配置し、撮影手段設置部5に撮影手段7を設置する。また、撮影手段設置部5に撮影手段7を設置する際には、必要に応じて撮影手段7の天板4に対する位置が調整される。
【0051】
次に、撮影手段7で作業領域S1を撮影しながら作業開口S2から作業領域S1に手指を入れて、手元作業を行う。本実施形態では、撮影手段7で動画を撮影しながら、描画対象に対して絵や文字を書く作業を撮影する。即ち、本実施形態では、描画対象に描画された絵や文字を撮影するのではなく、絵や文字を書いている経過(手元作業の経過)を撮影する。なお、撮影手段7で作業領域S1を撮影する際にも作業開口S2は開かれた状態である。
【0052】
ここで、作業開口S2が開いているので、照明6が発した光が作業開口S2から箱部2の外部に逃げてしまうが、本実施形態では、撮影手段設置部5よりも手前側に天板照明64が設けられているので、天板照明64によって、作業開口S2から逃げる光を補うことができる。よって、作業開口S2が開いたまま作業領域S1を撮影したとしても、手前側が暗くなることを抑制できる。
【0053】
そして、撮影された手元作業映像を撮影本体部71が記憶媒体に記憶させることで、手元作業映像の撮影(製造)が完了する。本実施形態で手元作業映像は、撮影手段7の内部の記憶媒体に記憶されるが、外部の記憶媒体(メモリカードや外部サーバ)に記憶される構成とすることもできる。
【0054】
撮影終了後は、手元作業撮影装置1は作業台Dから撤去されて、壁部3が折り畳まれた状態で収納される。本実施形態で壁部3を折り畳む場合には、奥壁32及び連結壁33の内面が一直線上に延びるように配置し、前記内面に側壁31の内面を重ねるように側壁31を折り畳む。また、本実施形態では、覆い部材(図示しない)及びテープ34としての製本テープが壁部3に貼り付けたままの状態で、壁部3が折り畳まれる。
【0055】
以上のような構成の手元作業撮影装置1によれば、作業開口S2から手指を入れて作業をした場合に、該作業をする手指等の手元を照明6で照らしつつ撮影することができる。よって、作業領域S1を囲う壁部3及び天板4で外部の光等の映り込みを抑制しつつも、照明6で手元を照らしながら手元作業を撮影することができる。なお、壁部3及び天板4は、外部の光等の映り込みを抑制できる構成であればよく、例えば、外部の光を撮影に影響がない程度まで散乱させつつ透過させる構成や、外部の光を完全に遮る構成を採用することができる。
【0056】
また、作業領域S1を両側方及び奥側から照らすことができるので、作業領域S1に明るさのムラが発生することを抑制できる。よって、手元作業をきれいに撮影できる。
【0057】
さらに、天板照明64が撮影手段設置部5よりも手前側に配置されるので、作業をする手元を天板照明64で照らすことができる。よって、手元をきれいに撮影することができる。
【0058】
また、連結壁33に沿うように連結部照明63が設けられるので、作業領域S1を奥側の隅の部分から照らすことができる。よって、作業領域S1の隅部分が暗くなることを抑制できるので、手元作業をきれいに撮影できる。
【0059】
さらに、連結部照明63を、照明取付具65を介して連結壁33に取り付けることができるので照明取付具65を連結壁33に近い位置に配置できるため、照明取付具65によって影ができ、該影が映り込むことを抑制できる。よって、手元作業をきれいに撮影できる。
【0060】
また、天板本体41が壁部3によって下方から支持されるとともに補強部43によって補強されるので、天板本体41に荷重がかかったとしても、該荷重によって下方に撓むことを抑制できる。
【0061】
さらに、各照明6(発光体が集合してできた光源)は天板4の面方向で連続して延びるように構成されている。よって、照明6(光源)が点在する場合に比べて光を均一に当てることができる。
【0062】
また、側方照明61及び奥側照明62の光軸は天板4に向くように設けられる。よって、天板4に反射した反射光で作業領域S1を全体的にむらなく照らすことができる。
【0063】
さらに、側方照明61及び奥側照明62の光源は、描画対象の描画領域B1(上面)よりも下方に配置されている。よって、照明6が発した光が直接描画領域B1に当たることを抑制できるので、照明6が映り込むことを抑制できる。
【0064】
また、天板照明64は光軸が囲う(作業台D)に向くように設けられる。よって、作業をする手元を確実に照らすことができるので、手元を明るく撮影できる。
【0065】
さらに、天板照明64は、光源と、光源が発した光を散乱させる光散乱手段66と、を備える。よって、天板照明64が作業台Dに向けて光を発したとしても、該光が散乱するので天板照明64が映り込むことを抑制できる。よって、明るさの確保と照明6の光の映り込みの抑制を両立できる。
【0066】
また、照明取付具65は透明であるので、照明取付具65によって影が生じることを抑制できる。
【0067】
さらに、撮影手段設置部5は、天板本体41の上面に撮影手段7が設置される設置本体部51を備え、設置本体部51には、天板本体41の厚み方向に貫通する撮影穴51aが形成される。よって、撮影手段7を天板本体41に載置して撮影するので手軽に撮影できつつも撮影穴51aを介して作業領域S1を撮影するので、撮影対象が歪んで見えることを抑制できる。よって、手軽かつきれいに手元作業を撮影することができる。なお、特に上記のような場合に、撮影穴51aが形成されることで天板本体41の強度が下がったとしても、補強部43で補強できるので撮影手段7の重みで天板4が歪むことを抑制できる。
【0068】
また、撮影手段設置部5は、板状で厚み方向に貫通する適合孔52aが形成された写り込み防止板52を備え、適合孔52aは、撮影穴51aよりも小さい孔であり、写り込み防止板52は設置本体部51と撮影手段7の間に、撮影手段7のレンズ72と撮影穴51aが適合孔52aを介して連通するように配置される。よって、撮影手段7が作業領域S1に対して露出する量を写り込み防止板52によって抑制できるため、撮影手段7が作業台D等に反射して写り込むことを抑制できる。また、写り込み防止板52の下面が非光沢の面であるため、各照明6が発した光が、写り込み防止板52の下面で乱反射して、反射光で作業領域S1を照らすことができる。よって、光が撮影穴51aから箱部2の外部に逃げて、作業領域S1が暗くなることを抑制できる。
【0069】
さらに、照明6が発した光は、散乱させられて作業領域S1を照らす。よって、散乱した光によって、作業領域S1が照らされるので、作業領域S1に局所的に強い光が当たることを抑制できるため、作業領域S1全体をむらなく照らすことができる。特に、側方照明61、奥側照明62及び連結部照明63が発した光は、壁部3の内面及び天板4の下面に反射しつつ散乱するので、壁部3の内面全体から作業領域S1を全体的に照らすことができる。
【0070】
また、壁部3の内面同士がなす角度は鈍角であるので、壁部3の内面同士の境目でも作業領域S1に向かって光が反射でき、反射光で作業領域S1を照らすことができる。よって、作業領域S1が局所的に暗くなることを抑制できる。
【0071】
さらに、以上のような手元作業映像の製造方法によれば、作業開口S2から手を入れて作業をした場合に、該作業をする手等を照明6で照らしつつ撮影することができる。よって、作業領域S1を囲う壁部3及び天板4で外部の光等の映り込みを抑制しつつも、照明6で手元を照らしながら手元作業を撮影することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0073】
例えば、照明6の発した光は散乱させられて作業領域S1を照らす場合について説明したが、照明6が発した光が散乱させられることなく作業領域S1を照らすように構成することもできる。
【0074】
また、撮影手段7は、手元作業の動画を撮影する場合について説明したが、このような構成に限らず、手元作業の経過を静止画で撮影する構成とすることもできる。
【0075】
さらに、壁部3は展開及び折り畳み可能である場合について説明したが、このような構成に限らず、壁部3が折り畳み不能な構成であってもよい。壁部3を折り畳み不能な構成とする場合には、例えば、壁部3を奥側に凸となるような、平面視半円状の1枚の板状体として構成することもできる。また、壁部3が連結壁33を備えない構成とし、側壁31と奥壁32が直接連結される構成とすることもできる。
【0076】
また、箱部2は底板を備える構成とすることもできる。このような構成を採用する場合には、作業領域S1の下方が底板によって覆われることとなり、例えば、底板の上面に描画対象が配置される。
【0077】
さらに、照明6の配置及び数は、上記例に限定されない。例えば、側方照明61、奥側照明62、連結部照明63及び天板照明64のうち1つ又は複数を備えない構成を採用することもできるし、追加の照明6を備える構成とすることもできる。また、照明6の構成も例示した構成に限定されず、例えば、連結部照明63は環状照明本体6Bを有する場合について説明したが、連結部照明63が棒状の棒状照明本体6Aを有する構成とすることもできる。
【0078】
また、照明取付具65の壁取付部651は、連結壁33に形成された切欠きに係止する場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、接着剤等で連結壁33に取り付けられる構成とすることもできる。
【0079】
さらに、補強部43は開口側辺41bに嵌め込まれる金属である場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、天板本体41の内部に埋め込まれるワイヤとして構成したり、天板本体41の縁を折り返すことで、剛性を高めるように構成したりすることもできる。また、補強部43を開口側辺41b以外の辺(被支持辺41a)にも装着することもできる。このような構成を採用する場合には、天板本体41の強度を更に高めることができる。さらに、天板本体41を、撮影手段7を載置したとしても変形しない程度に剛性のある材料で構成する場合には補強部43を備えない構成とすることもできる。なお、このような場合であっても、天板本体41の変形を防止する観点から補強部43を有することが好ましい。
【0080】
また、撮影手段設置部5には、撮影穴51aが形成されることで、箱部2の外部から箱部2の内部の作業領域S1を撮影可能である場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、撮影手段設置部5の一部が透明の材料で構成されることで、箱部2の外部から箱部2の内部の作業領域S1を撮影可能な構成とすることもできる。
【0081】
さらに、撮影手段設置部5は、天板4に設けられ、作業領域S1を俯瞰撮影する場合について説明したが、このような構成に限らない。例えば、撮影手段設置部5が壁部3に設けられ、作業領域S1を側方又は奥側から撮影する構成とすることもできるし、撮影手段設置部5を天板4に設ける場合であっても、例えば、天板4の下方に撮影手段7を設置可能な構成とすることもできる。
【0082】
また、撮影手段設置部5の写り込み防止手段として、写り込み防止板52を例に説明したが、このような構成に限られない。例えば、撮影穴51aの大きさを変えることができるように構成し、撮影穴51a自体をレンズ72の大きさに合わせることができるように構成することもできる。このような構成であっても、撮影手段7の写り込みを抑制することができる。また、写り込み防止手段を備えない構成とすることもできる。
【0083】
さらに、撮影される手元作業として、描画対象に対して絵や文字を書く作業を例に説明したが、このような構成に限らず、例えば、調理作業や、裁縫作業、小物を紹介する作業などの手元作業を撮影することもできる。
【0084】
以下に、本実施形態のまとめを記載する。
【0085】
本実施形態の手元作業撮影装置は、手元作業をする作業領域を囲う箱部と、該箱部内に配置される照明と、を備え、前記箱部は、前記作業領域の両側方及び奥側を囲うとともに手前側に前記作業領域の内外を連通する作業開口を画定する壁部と、前記壁部の上部に配置され、前記作業領域の上方を覆う天板と、前記作業領域を撮影する撮影手段を設置可能な撮影手段設置部と、を備える。
【0086】
かかる構成によれば、作業開口から手指を入れて作業をした場合に、該作業をする手指等の手元を照明で照らしつつ撮影することができる。よって、作業領域を囲う壁部及び天板で外部の光等の映り込みを抑制しつつも、照明で手元を照らしながら手元作業を撮影することができる。
【0087】
また、前記壁部は、前記作業領域の両側方を覆う一対の側壁と、前記作業領域の奥側を覆う奥壁と、を備え、前記照明は、少なくとも、前記一対の側壁の下端部に沿うように設けられる側方照明と、前記奥壁の下端部に沿うように設けられる奥側照明と、を備えることもできる。
【0088】
かかる構成によれば、作業領域を両側方及び奥側から照らすことができるので、作業領域に明るさのムラが発生することを抑制できる。よって、手元作業をきれいに撮影できる。
【0089】
また、前記撮影手段設置部は、前記天板に設けられ、前記照明は、少なくとも、前記天板の下面において前記撮影手段設置部よりも手前側に配置される天板照明を備えることもできる。
【0090】
かかる構成によれば、天板照明が撮影手段設置部よりも手前側に配置されるので、作業をする手元を天板照明で照らすことができる。よって、手元をきれいに撮影することができる。
【0091】
また、前記壁部は、前記作業領域の両側方を覆う一対の側壁と、前記作業領域の奥側を覆う奥壁と、前記一対の側壁及び前記奥壁を連結する連結壁と、を備え、前記照明は、少なくとも、前記連結壁に沿うように設けられる連結部照明を備えることもできる。
【0092】
かかる構成によれば、連結壁に沿うように連結部照明が設けられるので、作業領域を奥側の隅の部分から照らすことができる。よって、作業領域の隅部分が暗くなることを抑制できるので、手元作業をきれいに撮影できる。
【0093】
また、前記連結壁に取り付け可能な壁取付部と、前記連結部照明を保持する照明保持部と、を有する照明取付具を備えるように構成することもできる。
【0094】
かかる構成によれば、連結部照明を、照明取付具を介して連結壁に取り付けることができるので照明取付具を連結壁に近い位置に配置できるため、照明取付具によって影ができ、該影が映り込むことを抑制できる。よって、手元作業をきれいに撮影できる。
【0095】
また、前記天板は、板状で前記壁部に下方から支持される天板本体と、補強部と、を備え、前記補強部は、前記天板本体のうち、前記作業開口の上端を画定する開口側辺を補強するように構成することもできる。
【0096】
かかる構成によれば、天板本体が壁部によって下方から支持されるとともに補強部によって補強されるので、天板本体に荷重がかかったとしても、該荷重によって下方に撓むことを抑制できる。
【符号の説明】
【0097】
1…手元作業撮影装置、2…箱部、3…壁部、31…側壁、32…奥壁、33…連結壁、33a…上側切欠き、33b…下側切欠き、34…テープ、4…天板、41…天板本体、41a…被支持辺、41b…開口側辺、42…天板連結具、421…天板取付部、422…壁係止部、422a…外側挟持片、422b…内側挟持片、43…補強部、5…撮影手段設置部、51…設置本体部、51a…撮影穴、52…写り込み防止板、52a…適合孔、6…照明、6A…棒状照明本体、6B…環状照明本体、61…側方照明、62…奥側照明、63…連結部照明、64…天板照明、65…照明取付具、65U…上方取付具、65D…下方取付具、651…壁取付部、651a…嵌合切欠き、652…照明保持部、652a…保持切欠き、66…光散乱手段、661…布取付手段、67…導線、68…調光器、7…撮影手段、71…撮影本体部、72…レンズ、B…ホワイトボード、B1…描画領域、D…作業台、S1…作業領域、S2…作業開口