(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】パーソナルケア装置のための駆動トレインアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61C 17/34 20060101AFI20241114BHJP
A46B 13/02 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A61C17/34 A
A46B13/02
(21)【出願番号】P 2019505041
(86)(22)【出願日】2017-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2017072898
(87)【国際公開番号】W WO2018046760
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-09-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-24
(32)【優先日】2016-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ソーマーズ ヘルマヌス マシアス ヨハネス レネ
(72)【発明者】
【氏名】ソーテンズ ヨハネス バルサザール マリア
【合議体】
【審判長】北村 英隆
【審判官】関口 哲生
【審判官】永冨 宏之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0119848(US,A1)
【文献】特開平11-84305(JP,A)
【文献】国際公開第2011/134124(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0025080(US,A1)
【文献】特表2005-525067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C17/34
A46B13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア装置のための駆動トレインアセンブリであって、
第1の端部マウントと第2の端部マウントとの間に懸架されたねじりばねを有し、前記第1の端部マウント及び前記第2の端部マウントがそれぞれ、前記ねじりばねを受ける支持構造を有し、前記ねじりばねは、前記第1の端部マウントに取り付けられた第1の端部と前記第2の端部マウントに取り付けられた第2の端部とを有し、前記ねじりばねの前記第1及び第2の端部は、交差たわみばねヒンジをそれぞれ有
し、
前記交差たわみばねヒンジのそれぞれが、前記ねじりばねから外側へ延在して交差する2つのリーフレットを有する、駆動トレインアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の端部マウントが、モータと係合するように構成される、請求項1記載の駆動トレインアセンブリ。
【請求項3】
前記第2の端部マウントが、アタッチメントの接続のための駆動シャフトと係合するように構成される、請求項1記載の駆動トレインアセンブリ。
【請求項4】
前記ねじりばねが、長手方向に沿ってV字型である、請求項1記載の駆動トレインアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の端部マウントにおける第1の支持構造であって、前記ねじりばねの前記第1の端部が前記第1の支持構造に取り付けられる前記第1の支持構造と、
前記第2の端部マウントにおける第2の支持構造であって、前記ねじりばねの前記第2の端部が前記第2の支持構造に取り付けられる前記第2の支持構造と、
を更に有する、請求項1記載の駆動トレインアセンブリ。
【請求項6】
前記ねじりばねの前記第1の端部が、前記第1の支持構造に溶接されており、前記ねじりばねの前記第2の端部が、前記第2の支持構造に溶接されている、請求項
5記載の駆動トレインアセンブリ。
【請求項7】
パーソナルケア装置のための駆動トレインアセンブリであって、
モータと連絡するように構成された第1の端部マウントと、
アタッチメントの接続のための駆動シャフトと連絡するように構成された第2の端部マウントと、
前記第1の端部マウントと前記第2の端部マウントとの間に懸架されるとともに、前記第1の端部マウントに取り付けられた第1の端部と前記第2の端部マウントに取り付けられた第2の端部とを有する、ねじりばねと、
前記第1の端部マウントにおける第1の支持構造であって、前記ねじりばねの前記第1の端部が前記第1の支持構造に取り付けられる前記第1の支持構造と、
前記第2の端部マウントにおける第2の支持構造であって、前記ねじりばねの前記第2の端部が前記第2の支持構造に取り付けられる前記第2の支持構造と、
前記ねじりばねの前記第1の端部上の第1の交差たわみばねヒンジと、
前記ねじりばねの前記第2の端部上の第2の交差たわみばねヒンジと、
を有し、
前記第1の交差たわみばねヒンジ及び前記第2の交差たわみばねヒンジの各々が、前記各ねじりばねから外側へ延在して交差する2つのリーフレットを有する、駆動トレインアセンブリ。
【請求項8】
前記ねじりばねが、V字型である、請求項
7記載の駆動トレインアセンブリ。
【請求項9】
パーソナルケア装置であって、
ハウジングと、
第1の端部マウントと第2の端部マウントとの間に懸架されるねじりばねを有する駆動トレインアセンブリと、
を有し、
前記第1の端部マウント及び前記第2の端部マウントがそれぞれ、前記ねじりばねを受ける支持構造を有し、
前記ねじりばねは、前記第1の端部マウントに取り付けられた第1の端部と前記第2の端部マウントに取り付けられた第2の端部とを有し、
前記ねじりばねの前記第1及び第2の端部は、交差たわみばねヒンジをそれぞれ有
し、
前記交差たわみばねヒンジの各々が、前記ねじりばねから外側へ延在して交差する2つのリーフレットを有する、パーソナルケア装置。
【請求項10】
前記第1の端部マウントが、モータと係合するように構成される、請求項
9記載のパーソナルケア装置。
【請求項11】
前記第2の端部マウントが、アタッチメントの接続のための駆動シャフトと係合するように構成される、請求項
9記載のパーソナルケア装置。
【請求項12】
前記第1の端部マウントにおける第1の支持構造であって、前記ねじりばねの前記第1の端部が前記第1の支持構造に取り付けられる前記第1の支持構造と、
前記第2の端部マウントにおける第2の支持構造であって、前記ねじりばねの前記第2の端部が前記第2の支持構造に取り付けられる前記第2の支持構造と、
を更に有する、請求項
9記載のパーソナルケア装置。
【請求項13】
前記ねじりばねが、V字型である、請求項
9記載のパーソナルケア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、節点取り付けを必要としないV字型ばねを有するパーソナルケア装置の駆動トレイン構成に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラッシングの長さ及びカバー率を含む適切な歯磨きは、長期的な歯の健康を確保するのに役立つ。多くの歯の問題は、定期的に歯磨きをしないか、あるいは、口腔の特定の領域又は区画において、不適切に行なう人が経験する。ブラッシングを定期的に行なう個人の間では、不適切なブラッシング習慣は、標準的なブラッシング養生法が遵守されていても、ブラッシングの範囲が悪く、従って洗浄セッション中に適切に洗浄されない表面をもたらす可能性がある。電動歯ブラシなどの電気清掃装置は、洗浄セッションの効率を大幅に向上させることが示されている。
【0003】
電動歯ブラシ、シェーバ、スキンクリーナー、および同様の装置を含むこれらの電気清掃装置は、ブラシヘッドなどのアタッチメントを振動、往復運動、又は、他のパターンで駆動するために駆動トレインと係合する、機械的または電気機械的モータなどのモータを有する。あるタイプの駆動トレイン構成は、両端に取り付けられたばねを使用する。いくつかの構成は、2つの端部間のほぼ中間の長さに位置する節点を有し、いくつかのばねはV字型を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらのばね配置は、例えば、ばねのクランプされた端部の境界面で繰り返し力がばねおよびクランプに応力を生じさせるフレッティング疲労の結果として故障する傾向がある。時間が経つと、これは1又は複数の部品の故障につながる可能性がある。さらに、ばねが両端に取り付けられているばね構成は、多数の異なる部品を必要とし、それは部品コスト、製造コスト、および製造時間を増加させる。
【0005】
節点マウントは、マウントが過度に硬くなるか、またはドライブのヒステリシス挙動をもたらし、ドライブに作用する力とドライブの応答との間に著しい遅れが生じる可能性があるため、信頼できないか予測できないこともある。ヒステリシスは、非常に非効率的な駆動をもたらし、システムによって実行される振幅および力の感知を複雑にする。
【0006】
したがって、部品点数が少なく、節点で取り付けられていないことで、応力および疲労に対する堅牢性が向上した、V字型ばねを含むパーソナルケア装置駆動トレイン構成の必要性が引き続きある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、節点に取り付けられているのではなく両端に懸架されているV字型のばねを備える本発明の駆動トレインアセンブリに関する。V字型ばねは、両端にX字型ばねヒンジを含む。電動歯ブラシ、スキンクリーナー、またはシェーバなどの電気または電力パーソナルケア装置に適用されると、本発明のシステムは、より効率的で応力に対してより耐性がある単純化された駆動トレインアセンブリを提供する。
【0008】
概して一態様では、パーソナルケア装置のための駆動トレインアセンブリが提供される。駆動トレインアセンブリは、第1の端部マウントと第2の端部マウントとの間に懸架されたねじりばねを含み、当該ばねは、第1の端部マウントに取り付けられた第1の端部と第2の端部マウントに取り付けられた第2の端部とを含む。ねじりばねの第1及び第2の端部は、それぞれX字型のばねヒンジを含む。
【0009】
一実施形態によれば、第1の端部マウントは、モータと係合するように構成される。
【0010】
一実施形態によれば、第2の端部マウントは、アタッチメントのためのマウントと係合するように構成される。
【0011】
一実施形態によれば、X字型のばねヒンジの各々は、ねじりばねから外側へ延在している2つのばねリーフレットを有する。
【0012】
一実施形態によれば、ねじりばねは、V字型である。
【0013】
一実施形態によれば、駆動トレインは、第1の端部マウントにおける第1の支持構造であって、ねじりばねの第1の端部が第1の支持構造に取り付けられる前記第1の支持構造と、第2の端部マウントにおける第2の支持構造であって、ねじりばねの第2の端部が第2の支持構造に取り付けられる前記第2の支持構造と、をさらに含む。一実施形態によれば、ねじりばねの第1の端部は、第1の支持構造に溶接されており、ねじりばねの第2の端部は、第2の支持構造に溶接されている。
【0014】
他の態様によれば、パーソナルケア装置のための駆動トレインアセンブリが提供される。当該駆動トレインアセンブリは、モータと連絡するように構成された第1の端部マウントと、ブラシヘッドのためのマウントと連絡するように構成された第2の端部マウントと、前記第1の端部マウントと前記第2の端部マウントとの間に懸架されるとともに、前記第1の端部マウントに取り付けられた第1の端部と前記第2の端部マウントに取り付けられた第2の端部とを有する、ねじりばねと、前記第1の端部マウントにおける第1の支持構造であって、前記ねじりばねの前記第1の端部が前記第1の支持構造に取り付けられる前記第1の支持構造と、前記第2の端部マウントにおける第2の支持構造であって、前記ねじりばねの前記第2の端部が前記第2の支持構造に取り付けられる前記第2の支持構造と、第1の支持構造上の第1の交差たわみと、第2の支持構造上の第2の交差たわみと、を有し、第1の交差たわみ及び第2の交差たわみの各々が、各支持構造から外側へ延在している2つのばねヒンジリーフレットを有する。
【0015】
他の態様によれば、パーソナルケア装置が提供される。当該パーソナルケア装置は、ハウジングと、第1の端部マウントと第2の端部マウントとの間に懸架されるねじりばねを有する駆動トレインアセンブリと、を有し、前記ねじりばねは、前記第1の端部マウントに取り付けられた第1の端部と前記第2の端部マウントに取り付けられた第2の端部とを含み、前記ねじりばねの前記第1及び第2の端部は、X字型のばねヒンジをそれぞれ有する。
【0016】
前述の概念及び以下でより詳細に論じられる追加の概念(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件とする)の全ての組み合わせが、本明細書に開示された発明要旨の一部であると考えられることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる主張される主題の全ての組み合わせは、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると考えられる。
【0017】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される1又は複数の実施形態を参照して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図中、同様の参照符号は、一般的に、異なる図面を通じて同じ部分を表す。また、図面は、原寸通りではなく、代わりに、本発明の原理を図示するにあたって強調されている。
【
図1】
図1は、一実施形態に係るパーソナルケア装置の概略図である。
【
図2】
図2は、パーソナルケア装置の従来技術の駆動トレインアセンブリの概略図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係るパーソナルケア装置の駆動トレインアセンブリの概略図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係るパーソナルケア装置の駆動トレインアセンブリのためのV字型ばねの断面の概略図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係るパーソナルケア装置の駆動トレインアセンブリのためのU字型ばねの断面の概略図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係るパーソナルケア装置の駆動トレインアセンブリの概略図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係るパーソナルケア装置の駆動トレインアセンブリの概略図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係るパーソナルケア装置の駆動トレインアセンブリの一部の断面図である。
【
図9】
図9は、一実施形態に係るパーソナルケア装置の駆動トレインアセンブリの一部の断面図である。
【
図10】
図10は、一実施形態に係るパーソナルケア装置の駆動トレインアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、電気パーソナルケア装置のための駆動トレインアセンブリの様々な実施形態について述べている。より一般的には、本出願人は、節点に取り付けられていないばねアセンブリを提供することが有益であり、それがより効率的で応力に対してより耐性があることを発見し、認識している。したがって、本明細書に記載または他の方法で想定されているシステムは、電動歯ブラシまたはシェーバなどのパーソナルケア装置に、節点に取り付けられていないV字型またはU字型のばねアセンブリを含むとともに、両端においてX字型のばねヒンジを有する駆動トレインばねアセンブリを備える。
【0020】
本明細書における実施形態および実施例の利用の特定の目的は、例えば、(Koninklijke Philips Electronics、NVによって製造されている)Philips Sonicare(登録商標)歯ブラシなどのパーソナルケア装置用の駆動トレインばねアセンブリを提供することであるが、当該アセンブリは、シェーバ、スキンクリーナー、および相互運動を有する他のパーソナルケア装置を含むがこれらに限定されない他の多くのパーソナルケアデバイスと一緒に使用されてもよい。
【0021】
図1によれば、一実施形態において、ここに示されるように、本体部分12と、ブラシヘッド部材14などのアタッチメントと、を含むパーソナルケア装置10が提供される。アタッチメント14は、本体部分から離れた端部にブラシヘッド16を含む。
【0022】
アタッチメント14は、本体部分12に対して移動可能であるように取り付けられている。当該移動は、とりわけ、振動又は回転を含む、多種多様な運動のいずれかであり得る。
【0023】
本体部分12は、通常、運動を発生させるための駆動トレインアセンブリ100、200と、発生された運動をアタッチメント14に伝達するための伝達部品または駆動トレインシャフト24とを含む。例えば、駆動トレイン100、200は、後にブラシヘッド部材14に伝達されるばねアセンブリの動きを発生させるモータまたは電磁石を含む。駆動トレイン100、200は、とりわけ、電源、発振器、および、1または複数の電磁石などの構成要素を含むことができる。この実施形態では、電源は、使用されていないときにパーソナルケア装置10が配置されている充電ホルダ内で、例えば充電することができる、図示されていない1または複数の充電式バッテリを備える。一実施形態によれば、アタッチメント14は、本体部分12に対して振動することができるように駆動トレインシャフト24に取り付けられている。アタッチメント14は、駆動トレインシャフト24上に固定的に取り付けることができ、あるいはアタッチメント14を異なる動作特徴のために、あるいは、アタッチメントの毛またはアタッチメントの別の構成要素が磨耗し交換が必要な場合には異なるアタッチメントと交換することができるように、取り外し可能に取り付けることができる。
【0024】
本体部分12には、駆動トレイン100、200を起動および停止するためのユーザ入力部26がさらに設けられている。ユーザ入力部26により、ユーザはパーソナルケア装置10を操作して、例えば装置をオンおよびオフにすることができる。ユーザ入力26部は、例えば、ボタン、タッチスクリーン、またはスイッチであり得る。
【0025】
また、装置の本体部分は、コントローラ30を有する。コントローラ30は、1または複数のモジュールから形成されてもよく、ユーザ入力部26を介して取得された入力などの入力に応答してパーソナルケア装置10を動作させるように構成されている。コントローラ30は、例えば、プロセッサ32とメモリ34とを備えることができ、オプションで接続モジュール38を含むことができる。プロセッサ32は、マイクロコントローラ、複数のマイクロコントローラ、回路、単一のプロセッサ、または複数のプロセッサを含むがこれらに限定されない、任意の適切な形態をとり得る。メモリ34は、不揮発性メモリ及び/又はRAMを含む任意の適切な形態をとることができる。不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスクドライブ(HDD)、またはソリッドステートドライブ(SSD)を含み得る。メモリは、とりわけ、オペレーティングシステムを格納することができる。RAMはデータの一時記憶のためにプロセッサによって使用される。一実施形態によれば、オペレーティングシステムは、コントローラ30によって実行されたときにパーソナルケア装置10のハードウェア構成要素の動作を制御するコードを含むことができる。一実施形態によれば、接続モジュール38は、収集されたセンサデータを送信し、Wi‐Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信、及び/又は、セルラモジュールを含むがこれらに限定されない、有線または無線信号を送信できる任意のモジュール、デバイス、または手段であり得る。
【0026】
図2には、節点に取り付けられたV字型ねじりばね110を具備する従来技術の駆動トレインアセンブリ100が示されている。従来技術の駆動トレインアセンブリ100は、モータ(図示せず)によって駆動される第1の端部マウント120を有する。また、駆動トレインアセンブリは、第2の端部マウント130を含む。第2の端部マウント130から延びるのは、アタッチメント14(図示せず)を接続するための駆動シャフトである。接点に取り付けられたV字型ねじりばね110は、その各々の端部で端部マウントアセンブリ120、130に固定的に取り付けられている。節点150であるほぼ中心点において、ねじりばね110は、要素160を介して本体12に取り付けられている。要素160は、例えば、ばね、固定リング、または他の連結構成要素であり得る。
【0027】
図3によれば、一実施形態において、節点に取り付けられていないねじりばね210を具備する本発明の駆動トレインアセンブリ200が示されている。駆動トレインアセンブリ200は、モータ(図示せず)によって駆動される第1の端部マウント220を有する。また、駆動トレインアセンブリは、第2の端部マウント230を含む。アタッチメント14(図示せず)を接続するための駆動シャフト240が第2の端部マウント230から延びている。ばね210は、その各々の端部で端部マウントアセンブリ220、230に取り付けられている。従来技術のばね110とは異なり、ばね210はその中心長さに沿って節点的に取り付けられていない。代わりに、ばね210は各端部にX字型の交差たわみばねヒンジ250、260を含む。交差たわみ250、260の各々は、X字型を形成するようにばね210のそれぞれの端部に取り付けられた2つのばねヒンジリーフレットを含む。これにより、従来技術で必要とされていたような多数の支持部品が不要になる。
【0028】
図4によれば、一実施形態において、
図3のA-A軸で切ったV字型ねじりばね210の断面図が示されている。同様に、
図5には、
図3のA-A軸で切ったU字型ばね210の断面図が示されている。ばね210は、多くの異なる形状および大きさを含み得る。さらに、ばねは、十分な弾力性、応力に対する抵抗、および他の望ましい特性を提供する1または複数の材料から構成することができる。
【0029】
図6には、一実施形態において、節点に取り付けられていないねじりばね210を備えた駆動トレインアセンブリ200が示されている。駆動トレインアセンブリ200は、モータ(図示せず)によって駆動される第1の端部マウント220を備える。駆動トレインアセンブリはまた、第2の端部マウント230を含む。ばね210は、その各々の端部で端部マウントアセンブリ220、230に取り付けられている。ばね210は各端部にX字型たわみばねヒンジ250、260を含む。交差たわみばねヒンジ250、260のそれぞれは、一端がばね210に取り付けられ、X字型を形成する、2つのばねヒンジリーフレット250a、250b、260a、260bを備える。
【0030】
一実施形態によれば、ばね210の2つの端部は、様々な機構のうちの任意の1つを使用して適所に固定することができる。例えば、2つの端部は、ねじ、ボルト、または他の固定方法で適所に固定することができる。さらに別の例として、ばねの2つの端部は、レーザ溶接などによって端部を溶接することによって所定の位置に固定することができる。例えば、
図6に示すように、ばね210の第1の端部は、領域310でまたは領域310に沿って支持構造330に溶接または他の方法で固定することができる。同様に、ばね210の第2の端部は、領域320において又は領域320に沿って同様の支持構造体340に溶接されるか又はそうでなければ固定されることができる。ばねの端部をそれぞれの支持構造330、340に溶接または接続することに加え、ばねの端部を第1および第2の端部マウントアセンブリ220、230に溶接または他の方法で固定することができる。例えば、
図6に示すように、第2の端部は、交点350で第2の端部マウントアセンブリ230に溶接または固定することができる。
【0031】
図7によれば、他の実施形態において、非節点的に取り付けられたねじりばね210を備えた駆動トレインアセンブリ200が示されている。駆動トレインアセンブリ200は、モータ(図示せず)によって駆動される第1の端部マウント220を備える。駆動トレインアセンブリはまた、第2の端部マウント230を含む。第2の端部マウント230から延びるのは、アタッチメントのための駆動シャフト24(図示せず)である。ばね210は、その各々の端部で端部マウントアセンブリ220、230に取り付けられている。この実施形態によれば、駆動トレインアセンブリは、第1の支持構造330および第2の支持構造340のそれぞれに交差たわみばねヒンジ250、260を備える。交差たわみ250、260のそれぞれは、X字型を形成するばね210に一端で取り付けられた、2つのばねヒンジリーフレット250a、250b、260a、260b(
図6参照)を備える。各リーフレットは、それぞれの支持構造に取り付けられ、各リーフレットの取り付けられた端部は、空間380、390だけばね210からわずかに離間している。これは他の利点の中でも、より大きなXばねのたわみを可能にする。
【0032】
図8及び
図9は、
図6及び
図7の軸A‐Aに沿ってとられた駆動トレインアセンブリ200の様々な実施形態又は同様のアセンブリ200の実施形態の断面図である。例えば、
図8に示すように、交差たわみばねヒンジ250の2つのばねヒンジリーフレットは、ばね210に接続され、そこから外側に延びている。この実施形態では、交差たわみ250の2つのばねリーフレットは、第2の支持構造340に直接接続されていないが、第2の支持構造340に接続されているばね210を介して接続されている。別の実施形態によれば、交差たわみばねヒンジ250の2つのばねリーフレットは、ばね210と第2の支持構造340の両方に直接接続することができる。
図9に示されるように、例えば、交差たわみばねヒンジ250の2つのばねヒンジリーフレットは、ばね210に直接接続されていないが、代わりに第2の支持構造340に接続されている。空間390が、ばね210と交差たわみばねヒンジ250との間に配置されている。これら2つの実施形態は、
図8及び
図9に示されているが、他の多くの実施形態が可能であることを理解されたい。
【0033】
図10によれば、一実施形態において、節点で取り付けられていないねじりばね210を備えた駆動トレインアセンブリ200が示されている。駆動トレインアセンブリ200は、モータ(図示せず)によって駆動される第1の端部マウント220を備える。駆動トレインアセンブリはまた、第2の端部マウント230を含む。アタッチメント14を接続するための駆動シャフト24が第2の端部マウント230から延びている。ばね210は、そのそれぞれの端部で端部マウントアセンブリ220、230に取り付けられている。ばね210は、各端部にX字型の交差たわみばねヒンジ250、260を含む。交差たわみばねヒンジ250、260のそれぞれは、X字型を形成するばね210の一端に取り付けられた、2つのばねヒンジリーフレット250a、250b、260a、260bを備える。駆動トレインアセンブリを囲むのは、内部駆動ハウジング270である。
【0034】
本発明の他の非節点取り付け型ばね懸架システムは、
図2に示す従来技術のシステムに対する改良である。これにより、接続の複雑さが軽減され、より予測可能なシステムの動作が提供される。システムは、第2の動作モードのために節点をクランプする必要なしに、依然として駆動システムの2モード動作を可能にする。本発明の駆動システムは振動を低減し、駆動ヒステリシスを欠き、駆動システムのより容易な振幅および力の検知を可能にする。アタッチメントの複雑さが減少したために、早期の破損および駆動ヒステリシスにつながり得る材料応力が劇的に減少する。さらに、取り付けの複雑さが減少すると、必要な部品の数および製造の複雑さおよびコストが減少する。
【0035】
本明細書で定義され使用されている全ての定義は、辞書定義、参照により組み込まれた文献の定義、及び/又は、定義された用語の通常の意味を制御すると理解されるべきである。
【0036】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される単数形は、明確に反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0037】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される語句"及び/又は"は、そのように結合された複数の要素の"いずれか又は両方"、即ち、或る幾つかの場合には接続的に存在し、他の場合には分離的に存在する複数の要素を意味すると理解されるべきである。"及び/又は"と共に記載されている複数の要素は、同じ様式で、即ち、そのように結合された複数の要素のうちの"一つ又はそれ以上"と解釈されるべきである。他の複数の要素は、任意的に、「及び/又は」節によって具体的に特定された複数の要素以外に存在してもよく、それら具体的に特定された複数の要素と関連していても関連していなくてもよい。
【0038】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される"又は"は、上述の"及び/又は"と同じ意味を有するものと理解されるべきである。例えば、あるリスト内の複数の項目を分離させた場合に、"又は"又は"及び/又は"は包括的である、即ち、1又は複数の要素のリストのうちの少なくとも一つ(ただし一つよりも多くも含む)を含み、そして任意的に、追加的なリストにない複数の項目を含むものと解釈されるものとする。明確に反対の指示をする用語、例えば"一つのみ"又は"厳密に一つの"又は特許請求の範囲において使用される場合の"から成る"のみが、数又は複数の要素のリストのうちの厳密に1の要素を含むことを参照することができる。概して、本明細書において使用される"又は"は、例えば"~のいずれか"、"~のうちの一方"、"~の一つのみ"、又は、"厳密に一つの"を伴う場合にのみ、排他的な代替手段(即ち、"一方又は他方であり、両方ではない")を示すと解釈されるものとする。
【0039】
本明細書及び特許請求の範囲に用いられるように、1つ以上の要素を含むリストを参照した際の「少なくとも1つ」との表現は、要素のリストにおける任意の1つ以上の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解すべきであるが、要素のリストに具体的に列挙された各要素の少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストにおける要素の任意の組み合わせを排除するものではない。この定義は、「少なくとも1つの」との表現が指す要素のリストの中で具体的に特定された要素以外の要素が、それが具体的に特定された要素に関係していても関連していなくても、任意選択的に存在してもよいことを可能にする。
【0040】
また、反対の意味で明確に示されなければ、2以上のステップ又は動作を含む請求項中の任意の方法において、方法のステップ又は動作の順序は、記載の方法のステップ又は動作の順序に必ずしも限定されない。
【0041】
明細書と同様に、請求項中、「有する」、「含む」、「運ぶ」、「持つ」、「包含する」、「取り込む」、「保持する」、「構成される」などの移行句は、オープンエンドである、即ち、含むが、これらに限定されないものとして理解されるべきである。「~からなる」及び「実質的に~からなる」という移行句のみが、それぞれ、クローズド又はセミクローズド移行句であるべきである。
【0042】
本明細書では多様な実施形態が記載及び図示されたが、当業者は、本明細書に説明される機能を実行するための、並びに/又は、本明細書に説明される結果、及び/若しくは、1つ以上の利点を得るための他の多様な手段及び/若しくは構造を容易に想像し、かかる変形例及び/又は改変例は、本明細書で説明される発明の実施形態の範囲内に含まれると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に説明される全てのパラメータ、寸法、材料、及び、構成の全ては例であり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は、構成は、本発明の教示が使用される具体的な用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験より多くを要することなく、本明細書に説明される本発明の具体的な実施形態の多数の均等物を認識又は確認することができるであろう。よって、上記の実施形態はあくまで例として提示され、本発明の実施形態は、特許請求の範囲及び均等物の範囲内において、具体的に説明及び請求されたものとは異なる態様又は方法で実施することができる。本開示の発明の実施形態は、本明細書に説明される個々の特徴、システム、物品、材料、キット(道具)、及び/又は、方法に向けられる。また、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は、方法が互いに矛盾しない場合、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は、方法のうちの2つ以上の任意の組み合わせは本開示の発明の範囲内に含まれる。