(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】天井点検口
(51)【国際特許分類】
E04F 19/08 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
E04F19/08 101E
(21)【出願番号】P 2020216464
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】P 2019236487
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 晃
【審査官】齋藤 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-093210(JP,A)
【文献】特開2018-111930(JP,A)
【文献】特開2000-179141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
E04F 15/00
E04F 15/024
E04B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に形成された第1開口を閉塞するための天井点検口であって、
前記第1開口を閉塞するための第1天井塞ぎ板であって、前記第1天井塞ぎ板に形成された第2開口を有し、前記天井に着脱自在に取り付けられた第1天井塞ぎ板と、
前記第1天井塞ぎ板の内周縁に取り付けられた枠部材である外枠体と、
前記第2開口を閉塞するための第2天井塞ぎ板であって、前記外枠体に開閉可能に取り付けられた第2天井塞ぎ板と、を備え
、
前記第1開口は長方形状を有し、
前記天井に設けられ、前記第1開口の長手方向に沿って延びる一対の天井下地材であって、前記第1開口を挟んで互いに対向して配置される一対の天井下地材をさらに備え、
前記第1天井塞ぎ板は、前記第1開口の一対の長辺に対応する一対の長辺縁に沿ってそれぞれ延在する一対の外側フランジ部を含み、
前記一対の外側フランジ部の各々は、第1締結部材を介して、前記一対の天井下地材のそれぞれに着脱自在に取り付けられる、
天井点検口。
【請求項2】
前記第1天井塞ぎ板は、前記第1天井塞ぎ板の内周縁の少なくとも一部に形成される内側フランジ部を含み、
前記外枠体は、前記内側フランジ部に着脱自在に取り付けられる、請求項
1に記載の天井点検口。
【請求項3】
天井に形成された第1開口を閉塞するための天井点検口であって、
前記第1開口を閉塞するための第1天井塞ぎ板であって、前記第1天井塞ぎ板に形成された第2開口を有し、前記天井に着脱自在に取り付けられた第1天井塞ぎ板と、
前記第1天井塞ぎ板の内周縁に取り付けられた枠部材である外枠体と、
前記第2開口を閉塞するための第2天井塞ぎ板であって、前記外枠体に開閉可能に取り付けられた第2天井塞ぎ板と、を備え、
前記第1開口は長方形状を有し、
前記天井に設けられ、前記第1開口の長手方向に沿って延びる一対の天井下地材であって、前記第1開口を挟んで互いに対向して配置される一対の天井下地材をさらに備え、
前記第1開口の一対の長辺に対応する前記第1天井塞ぎ板の長辺縁に沿って延在するとともに前記第1天井塞ぎ板の上面に取り付けられる一対の凹状部材であって、前記一対の凹状部材のそれぞれの凹部が互いに対向する一対の凹状部材と、
前記凹状部材の延在方向に沿ってスライド可能に構成された一対のスライドバー部材であって、前記スライドバー部材の一端部および他端部が前記一対の凹状部材の凹部にそれぞれ収容された一対のスライドバー部材と、をさらに備え、
前記スライドバー部材に、第2締結部材を介して、前記外枠体が取り付けられる
、
天井点検口。
【請求項4】
前記一対の凹状部材の各々は、第3締結部材を介して、前記一対の天井下地材のそれぞれに着脱自在に取り付けられ、
前記スライドバー部材に、前記第2締結部材を介して、前記外枠体が着脱自在に取り付けられる請求項
3に記載の天井点検口。
【請求項5】
前記一対の凹状部材の各々は、第3締結部材を介して、前記一対の天井下地材のそれぞれに着脱自在に取り付けられ、
前記スライドバー部材に、前記第2締結部材を介して、前記外枠体が取り付けられ、
前記第3締結部材にアクセス可能であるように、前記外枠体の上方に空間が形成される請求項
3に記載の天井点検口。
【請求項6】
前記第2開口は、前記第1開口の前記一対の長辺に沿ってそれぞれ延在する一対の左右辺と、前記第1開口の一対の短辺に沿ってそれぞれ延在する一対の前後辺と、を有する矩形状に形成され、
前記外枠体は、前記一対の左右辺および前記一対の前後辺に沿って取り付けられる枠本体部と、少なくとも前記一対の左右辺に沿って形成されるとともに前記枠本体部の下面から外側に向かって延在する下板部と、を含む請求項
3から
5の何れか一項に記載の天井点検口。
【請求項7】
天井に形成された第1開口を閉塞するための天井点検口であって、
前記第1開口を閉塞するための第1天井塞ぎ板であって、前記第1天井塞ぎ板に形成された第2開口を有し、前記天井に着脱自在に取り付けられた第1天井塞ぎ板と、
前記第1天井塞ぎ板の内周縁に取り付けられた枠部材である外枠体と、
前記第2開口を閉塞するための第2天井塞ぎ板であって、前記外枠体に開閉可能に取り付けられた第2天井塞ぎ板と、を備え、
前記第1開口は長方形状を有し、
前記天井に設けられ、前記第1開口の長手方向に沿って延びる一対の天井下地材であって、前記第1開口を挟んで互いに対向して配置される一対の天井下地材をさらに備え、
前記天井の上面に設けられ、前記第1開口の短手方向に沿って延び前記第1開口を挟んで互いに対向して配置される一対の第1スタッド材であって、前記一対の第1スタッド材の各々の両端が前記一対の天井下地材の各々に接続される一対の第1スタッド材をさらに備える
、
天井点検口。
【請求項8】
天井に形成された第1開口を閉塞するための天井点検口であって、
前記第1開口を閉塞するための第1天井塞ぎ板であって、前記第1天井塞ぎ板に形成された第2開口を有し、前記天井に着脱自在に取り付けられた第1天井塞ぎ板と、
前記第1天井塞ぎ板の内周縁に取り付けられた枠部材である外枠体と、
前記第2開口を閉塞するための第2天井塞ぎ板であって、前記外枠体に開閉可能に取り付けられた第2天井塞ぎ板と、を備え、
前記第1開口は長方形状を有し、
前記天井に設けられ、前記第1開口の長手方向に沿って延びる一対の天井下地材であって、前記第1開口を挟んで互いに対向して配置される一対の天井下地材をさらに備え、
前記第1開口の一対の長辺に対応する前記第1天井塞ぎ板の長辺縁に沿って延在するとともに前記第1天井塞ぎ板の上面に取り付けられる一対の凹状部材であって、前記一対の凹状部材のそれぞれの凹部が互いに対向する一対の凹状部材と、
前記第1開口の一対の短辺に対応する前記第1天井塞ぎ板の短辺縁に沿って延在するとともに前記第1天井塞ぎ板の上面に取り付けられる一対の第2スタッド材であって、前記一対の第2スタッド材の各々の両端が前記一対の凹状部材の各々に接続される一対の第2スタッド材を備える
、
天井点検口。
【請求項9】
前記一対の凹状部材に取り付けられ、前記外枠体の外側で前記外枠体の周囲を囲むように配置された第3スタッド材を備え、
前記第3スタッド材に前記外枠体が取り付けられている、
請求項
8に記載の天井点検口。
【請求項10】
天井に形成された第1開口を閉塞するための天井点検口であって、
前記第1開口を閉塞するための第1天井塞ぎ板であって、前記第1天井塞ぎ板に形成された第2開口を有し、前記天井に着脱自在に取り付けられた第1天井塞ぎ板と、
前記第1天井塞ぎ板の内周縁に取り付けられた枠部材である外枠体と、
前記第2開口を閉塞するための第2天井塞ぎ板であって、前記外枠体に開閉可能に取り付けられた第2天井塞ぎ板と、を備え、
前記第1天井塞ぎ板の下面および前記天井の下面に夫々張り付けられるクロス材と、
前記第1天井塞ぎ板の外周縁と前記天井との間に配置される目地材であって、前記クロス材の端部が夫々挿入される凹部を有する目地材と、をさらに備える
、
天井点検口。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、天井点検口に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の天井裏には、換気装置やエアコン等の設備機器が設置されることがある。特許文献1には、この設備機器の更新や、この設備機器に取り付けられている接続ダクトや配管等の部材の点検といった大規模な保守作業を行うための天井点検口について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、大規模な保守作業以外にも、天井点検口を開口して、設備機器の一部(例えば、換気装置に設けられるエアフィルタ)の清掃、交換又は定期点検といった軽微な保守作業も実施される。しかしながら、天井点検口は、大規模な保守作業の実施を可能とするため設備機器全体に対してアクセスできるように大きく開口している。このため、軽微な保守作業を実施する場合にも、必要以上に大きい開口を塞ぐ天井点検口の内蓋を開閉する必要があり、軽微な保守作業の実施時における天井点検口の操作性の向上が望まれている。
【0005】
本発明は上述の課題に鑑みなされたものであり、軽微な保守作業の実施時における操作性を向上させることができる天井点検口を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る天井点検口は、天井に形成された第1開口を閉塞するための天井点検口であって、前記第1開口を閉塞するための第1天井塞ぎ板であって、前記第1天井塞ぎ板に形成された第2開口を有し、前記天井に着脱自在に取り付けられた第1天井塞ぎ板と、第1天井塞ぎ板の内周縁に取り付けられた枠部材である外枠体と、前記第2開口を閉塞するための第2天井塞ぎ板であって、前記外枠体に開閉可能に取り付けられた第2天井塞ぎ板と、を備える。
【0007】
建築物の天井裏には、エアコンのような設備機器が設置されることがあり、エアフィルタの清掃のような設備機器の一部にアクセスする軽微な保守作業や、エアコンの更新のような設備機器全体にアクセスする可能性がある大規模な保守作業が実施される。上記(1)に記載の構成によれば、天井点検口は、天井に形成された第1開口(大型の天井点検口)を閉塞するための第1天井塞ぎ板と、この第1天井塞ぎ板に形成された第2開口(小型の天井点検口)を閉塞するための第2天井塞ぎ板と、を備える。このため、第2天井塞ぎ板を、第1天井塞ぎ板よりも小さく、且つ軽くすることができる。よって、大規模な保守作業を実施するときには、第1天井塞ぎ板を着脱して設備機器全体にアクセスすることができる。一方で、軽微な保守作業を実施するときには、第2天井塞ぎ板を開閉して設備機器の一部にアクセスすることができる。よって、軽微な保守作業の実施時における操作性を向上させることができる。
【0008】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の構成において、前記第1開口は長方形状を有し、前記天井に設けられ、前記第1開口の長手方向に沿って延びる一対の天井下地材であって、前記第1開口を挟んで互いに対向して配置される一対の天井下地材をさらに備える。
【0009】
上記(2)に記載の構成によれば、第1天井塞ぎ板を、第1開口を挟んで互いに対向して配置される上記一対の天井下地材を介して、天井に取り付けることができる。
【0010】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)に記載の構成において、前記第1天井塞ぎ板は、前記第1開口の一対の長辺に対応する一対の長辺縁に沿ってそれぞれ延在する一対の外側フランジ部を含み、前記一対の外側フランジ部の各々は、第1締結部材を介して、前記一対の天井下地材のそれぞれに着脱自在に取り付けられる。
【0011】
上記(3)に記載の構成によれば、一対の外側フランジ部の各々が第1締結部材によって一対の天井下地材のそれぞれに締結されることで、第1天井塞ぎ板を天井に取り付けることができる。また、この第1締結部材を取り外すことで、第1開口を閉塞する第1天井塞ぎ板を取り外すことができ、設備機器全体にアクセスすることができる。
【0012】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)に記載の構成において、前記第1天井塞ぎ板は、前記第1天井塞ぎ板の内周縁の少なくとも一部に形成される内側フランジ部を含み、前記外枠体は、前記内側フランジ部に着脱自在に取り付けられる。
【0013】
上記(4)に記載の構成によれば、内側フランジ部に着脱自在に取り付けられる外枠体を取り外すことで、外側フランジ部と天井下地材とを締結している第1締結部材へのアクセスを容易にすることができる。
【0014】
(5)幾つかの実施形態では、上記(2)に記載の構成において、前記第1開口の一対の長辺に対応する前記第1天井塞ぎ板の長辺縁に沿って延在するとともに前記第1天井塞ぎ板の上面に取り付けられる一対の凹状部材であって、前記一対の凹状部材のそれぞれの凹部が互いに対向する一対の凹状部材と、前記凹状部材の延在方向に沿ってスライド可能に構成された一対のスライドバー部材であって、前記スライドバー部材の一端部および他端部が前記一対の凹状部材の凹部にそれぞれ収容された一対のスライドバー部材と、をさらに備え、前記スライドバー部材に、第2締結部材を介して、前記外枠体が取り付けられる。
【0015】
上記(5)に記載の構成によれば、一対の凹状部材は、第1天井塞ぎ板の上面に取り付けられる。スライドバー部材は、一端部および他端部が一対の凹状部材の凹部にそれぞれ収容されており、凹状部材にスライド可能に支持されている。そして、このスライドバー部材は、第2締結部材を介して、外枠体に着脱自在に取り付けられる。よって、外枠体を第1天井塞ぎ板に固定することができる。また、上記(5)に記載の構成によれば、凹状部材の延在方向における第2開口の長さが変化しても、スライドバー部材をスライドさせてスライドバー部材の位置を調整するだけで、本発明に係る天井点検口を構成することができる。
【0016】
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)に記載の構成において、前記一対の凹状部材の各々は、第3締結部材を介して、前記一対の天井下地材のそれぞれに着脱自在に取り付けられ、前記スライドバー部材に、前記第2締結部材を介して、前記外枠体が着脱自在に取り付けられる。
【0017】
上記(6)に記載の構成によれば、一対の凹状部材の各々が第3締結部材によって一対の天井下地材のそれぞれに締結されることで、第1天井塞ぎ板を天井に取り付けることができる。また、スライドバー部材と外枠体とを締結する第2締結部材を取り外し、スライドバー部材をスライドさせることで、第3締結部材にアクセスすることができる。そして、この第3締結部材を取り外すことで、第1開口を閉塞する第1天井塞ぎ板を取り外すことができ、設備機器全体にアクセスすることができる。さらに、外枠体はスライドバー部材に着脱自在に取り付けられるので、外枠体をスライドバー部材から取り外すことで第3締結部材にアクセスするための空間を確保することができる。
【0018】
(7)幾つかの実施形態では、上記(5)に記載の構成において、前記一対の凹状部材の各々は、第3締結部材を介して、前記一対の天井下地材のそれぞれに着脱自在に取り付けられ、前記スライドバー部材に、前記第2締結部材を介して、前記外枠体が取り付けられ、前記第3締結部材にアクセス可能であるように、前記外枠体の上方に空間が形成される。
【0019】
上記(7)に記載の構成によれば、外枠体をスライドバー部材から取り外さなくても、外枠体の上方に形成された空間を通って、第3締結部材にアクセスすることができる。よって、第3締結部材を取り外し、第1開口を閉塞する第1天井塞ぎ板を取り外すことができ、設備機器全体にアクセスすることができる。
【0020】
(8)幾つかの実施形態では、上記(5)から(7)の何れか1つに記載の構成において、前記第2開口は、前記第1開口の前記一対の長辺に沿ってそれぞれ延在する一対の左右辺と、前記第1開口の一対の短辺に沿ってそれぞれ延在する一対の前後辺と、を有する矩形状に形成され、
前記外枠体は、前記一対の左右辺および前記一対の前後辺に沿って取り付けられる枠本体部と、少なくとも前記一対の左右辺に沿って形成されるとともに前記枠本体部の下面から外側に向かって延在する下板部と、を含む。
【0021】
外枠体の枠本体部のうち一対の前後辺に沿って取付けられる部分は、スライドバー部材によって支持されているが、外枠体の枠本体部のうち一対の左右辺に沿って取付けられる部分(左右側枠本体部)は、スライドバー部材によって支持されていない。このため、第1天井塞ぎ板の内周縁のうち左右側枠本体部が取り付けられている部分を含む部分(取付部)が、重力によって下方に垂れてしまう場合がある。これに対し、上記(8)に記載の構成によれば、外枠体は、少なくとも一対の左右辺に沿って形成されるとともに枠本体部の下面から外側(つまりは取付部)に向かって延在する下板部を含む。このため、下板部が取付部を下方から支持し、取付部が下方に垂れることを防止する。
【0022】
(9)幾つかの実施形態では、(2)に記載の構成において、前記天井の上面に設けられ、前記第1開口の短手方向に沿って延び前記第1開口を挟んで互いに対向して配置される一対の第1スタッド材であって、前記一対の第1スタッド材の各々の両端が前記一対の天井下地材の各々に接続される一対の第1スタッド材をさらに備える。
【0023】
このような構成によれば、第1天井塞ぎ板の短辺縁と対向して配置される天井において、第1天井塞ぎ板の短辺縁付近に配置される天井領域の支持強度を増加できる。これによって、該天井領域の垂れ下がりを防止することができる。
【0024】
(10)幾つかの実施形態では、(2)又は(9)に記載の構成において、前記第1開口の一対の長辺に対応する前記第1天井塞ぎ板の長辺縁に沿って延在するとともに前記第1天井塞ぎ板の上面に取り付けられる一対の凹状部材であって、前記一対の凹状部材のそれぞれの凹部が互いに対向する一対の凹状部材と、前記第1開口の一対の短辺に対応する前記第1天井塞ぎ板の短辺縁に沿って延在するとともに前記第1天井塞ぎ板の上面に取り付けられる一対の第2スタッド材であって、前記一対の第2スタッド材の各々の両端が前記一対の凹状部材の各々に接続される一対の第2スタッド材を備える。
【0025】
このような構成によれば、上記一対の第2スタッド材を備えるため、第1天井塞ぎ板の短辺縁及びその付近の第1天井塞ぎ板の支持強度を増加できる。これによって、第1天井塞ぎ板の短辺縁及びその付近の第1天井塞ぎ板の垂れ下がりを防止できる。
【0026】
(11)幾つかの実施形態では、(10)に記載の構成において、前記一対の凹状部材に取り付けられ、前記外枠体の外側で前記外枠体の周囲を囲むように配置された第3スタッド材を備え、前記第3スタッド材に前記外枠体が取り付けられている。
【0027】
このような構成によれば、上記第3スタッド材が外枠体を支持し、かつ外枠体に取り付けられる第2天井塞ぎ板を支持するため、外枠体及び第2天井塞ぎ板の支持強度を増加できる。また、第2開口に対向する第1天井塞ぎ板の内周縁及びその付近の第1天井塞ぎ板の支持強度を増加できるため、この領域の第1天井塞ぎ板の垂れ下がりを防止できる。
【0028】
(12)幾つかの実施形態では、(1)から(11)の何れかに記載の構成において、前記第1天井塞ぎ板の下面および前記第2天井塞ぎ板ならびに前記天井の下面に夫々張り付けられるクロス材と、
前記第1天井塞ぎ板の外周縁と前記天井との間に配置される目地材であって、前記クロス材の端部が夫々挿入される凹部を有する目地材と、をさらに備える。
【0029】
第1天井塞ぎ板は、第1天井塞ぎ板の上方に配置される設備機器全体にアクセスする可能性がある大規模な保守作業の時以外には、あまり開閉されない。上記構成によれば、第1天井塞ぎ板とその周囲の天井との間に形成される継ぎ目を上記目地材で覆い、さらに目地材の表面を上記クロス材で覆うことで、設備機器が配置される天井の下面の見栄えを良くすることができる。また、上記継ぎ目を目地材で覆うことで、継ぎ目付近の第1天井塞ぎ板及び天井の支持強度を高めることができ、これによって、継ぎ目付近の第1天井塞ぎ板及び天井の垂れ下がりを抑制できる効果もある。
【発明の効果】
【0030】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、軽微な保守作業の実施時における操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る天井点検口のレイアウト図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を下方から視たときの図(下面図)である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を前後方向に視たときの図である。
【
図4】本発明の第1実施形態の変形例に係る天井点検口の構成を示す概略構成図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を下方から視たときの図(下面図)である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を前後方向に視たときの図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係るスライド―バー部材の移動を示す図である。
【
図8】本発明の別の実施形態に係るスライド―バー部材の移動を示す図である。
【
図9】本発明の第2実施形態の変形例に係る外枠体の構成を示す概略構成図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を上方から視たときの図(上面図)である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を前後方向に視たときの図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0033】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る天井点検口の構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る天井点検口のレイアウト図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を下方から視たときの図(下面図)である。
図3は、本発明の第1実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を前後方向に視たときの図である。
図4は、本発明の第1実施形態の変形例に係る天井点検口の構成を示す概略構成図である。
【0034】
図1~
図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る天井点検口1A(1)は、天井2に形成された第1開口3を閉塞するためのものである。そして、このような天井点検口1Aは、第1天井塞ぎ板4と、外枠体6と、第2天井塞ぎ板8と、を備える。
【0035】
図1に示すように、天井2には天井2の上方に配置されている設備機器100にアクセスするための第1開口3が形成されている。第1実施形態では、第1開口3は長方形状を有している。この第1開口3を上下方向に視ると、設備機器100が存在する第1領域R1が、第1開口3によって開口される第2領域R2内に含まれている。つまり、第1開口3を介して、設備機器100全体にアクセス可能となっている。設備機器100は、例えば、換気装置やエアコンなどである。
【0036】
また、
図1に示すように、第1領域R1は第3領域R3を含んでいる。この第3領域R3は、例えば、換気装置に設けられるエアフィルタのような設備機器100の一部が存在する領域である。設備機器100の一部にアクセスすることで、設備機器100の一部の清掃、交換又は定期点検といった軽微な保守作業を行うことができるようになっている。尚、設備機器100の一部は設備機器100の下面に設けられている。
【0037】
以下の説明では、第1開口3の長手方向を前後方向とし、紙面を上に向かう方向を前方とし、紙面を下に向かう方向を後方とする。また、第1開口3の短手方向を左右方向とし、紙面を右に向かう方向を右方向とし、紙面を左に向かう方向を左方向とする。
【0038】
図2に示すように、天井点検口1Aは、一対の天井下地材10をさらに備えてもよい。一対の天井下地材10のそれぞれは、天井2に設けられるものであって、第1実施形態では天井2の上面2aに設けられている(
図3参照)。この天井下地材10は、例えば、中空の角パイプである。また、一対の天井下地材10のそれぞれは、前端が第1開口3よりも前後方向前方に位置し、且つ後端が第1開口3よりも前後方向後方に位置するように、第1開口3の長手方向(前後方向)に沿って延びる。また、一対の天井下地材10のそれぞれは、第1開口3を挟んで互いに対向して配置されている。
【0039】
第1天井塞ぎ板4は、板状形状を有し、第1開口3を閉塞するためのものである。この第1天井塞ぎ板4には、第2開口14が形成されている。第2開口14(つまりは第1天井塞ぎ板4の内周縁4cによって囲まれる開口)は、第1開口3の一対の長辺3aに沿ってそれぞれ延在する一対の左右辺14aと、第1開口3の一対の短辺3bに沿ってそれぞれ延在する一対の前後辺14bと、を有する矩形状に形成されている。この第2開口14を上下方向に視ると、上述した第3領域R3が、第2開口14によって開口される第4領域R4内に含まれている(
図1参照)。第1実施形態では、第2開口14は正方形状を有している。
【0040】
また、第1天井塞ぎ板4は天井2に着脱自在に取り付けられている。第1実施形態では、第1天井塞ぎ板4は、第1開口3の一対の長辺3aに対応する一対の長辺縁4aに沿ってそれぞれ延在する一対の外側フランジ部16を含む。そして、一対の外側フランジ部16の各々は、第1締結部材18を介して、一対の天井下地材10のそれぞれに着脱自在に取り付けられる。この第1締結部材18は、例えば、ボルトである。尚、第1実施形態では、第1天井塞ぎ板4は、一対の外側フランジ部16を2つ含んでいるが、本発明はこの実施形態に限定されない。第1天井塞ぎ板4は、一対の外側フランジ部16を1つ含んでもよいし、3つ以上含んでもよい。
【0041】
また、一対の天井下地材10のそれぞれは、天井2に取り付けられている。
図3に示すように、第1実施形態では、一対の天井下地材10のそれぞれは、ビス19を介して、天井2の上面2aに取り付けられている。但し、本発明はこの実施形態に限定されず、幾つかの実施形態では、接着剤を用いて、一対の天井下地材10のそれぞれを、天井2に取り付けてもよい。尚、
図3に示すビス19の位置は一例に過ぎない。
【0042】
外枠体6は、第1天井塞ぎ板4の内周縁4cに取り付けられた枠部材である。この外枠体6は、枠本体部32を含んでいてもよい。枠本体部32は、一対の左右辺14aおよび一対の前後辺14bに沿って取り付けられるものである。以下では、枠本体部32のうち一対の左右辺14aに沿って取り付けられる部分を一対の左右側枠本体部32aとし、枠本体部32のうち一対の前後辺14bに沿って取り付けられる部分を一対の前後側枠本体部32bとする。
【0043】
第2天井塞ぎ板8は、板状形状を有し、第2開口14を閉塞するためのものである。この第2天井塞ぎ板8は、外枠体6に開閉可能に取り付けられている。
図3に示すように、第1実施形態では、第2天井塞ぎ板8は、第2天井塞ぎ板8の右端が外枠体6に設けられたヒンジ機構17を介して外枠体6に回動可能に支持されている。
【0044】
また、
図2に示すように、第1天井塞ぎ板4は、第1天井塞ぎ板4の内周縁4cの少なくとも一部に形成される内側フランジ部20を含んでもよい。そして、外枠体6は、内側フランジ部20に着脱自在に取り付けられる。第1実施形態では、内側フランジ部20は、第1天井塞ぎ板4の上面に設けられ、第1天井塞ぎ板4の内周縁4cのうち一対の左右辺14aのそれぞれ(長手方向に延在する部分)に形成されている。そして、外枠体6は、ビス23を介して、内側フランジ部20に着脱自在に取り付けられる。尚、外枠体6を内側フランジ部20に着脱自在に取り付け可能であるならば、本発明はこの実施形態に限定されない。例えば、はさみ金具を用いて外枠体6を内側フランジ部20に着脱自在に取り付けてもよい。
【0045】
本発明の第1実施形態に係る天井点検口1Aの作用・効果について説明する。建築物の天井2裏には、換気装置のような設備機器100が設置されることがあり、この換気装置のエアフィルタの清掃のような設備機器100の一部にアクセスする軽微な保守作業や、換気装置の更新のような設備機器100全体にアクセスする可能性がある大規模な保守作業が実施される。
【0046】
第1実施形態によれば、第1天井塞ぎ板4は天井2に形成された第1開口3を閉塞するためのものであるのに対し、第2天井塞ぎ板8は第1天井塞ぎ板4に形成された第2開口14を閉塞するためのものである。このため、第2天井塞ぎ板8を、第1天井塞ぎ板4よりも小さく、且つ軽くすることができる。また、設備機器100が存在する第1領域R1が、第1開口3によって開口される第2領域R2内に含まれているので、第1開口3を開口することで大規模な保守作業を実施することができる。同様に、軽微な保守作業の対象となる設備機器100の一部が存在する第3領域R3が、第2開口14によって開口される第4領域R4内に含まれているので、第2天井塞ぎ板8を操作して第2開口14を開口することで、軽微な保守作業を実施することができる。
【0047】
よって、大規模な保守作業を実施するときには、第1天井塞ぎ板4を着脱して設備機器100全体にアクセスすることができる。一方で、軽微な保守作業を実施するときには、第2天井塞ぎ板8を開閉して設備機器100の一部にアクセスすることができる。よって、軽微な保守作業の実施時における操作性を向上させることができる。尚、軽微な保守作業は、保守作業に不慣れな作業員や利用者によって行われることがあるが、小さく且つ軽く構成された第2天井塞ぎ板8を開閉すれば、設備機器100の一部にアクセスすることができるので、軽微な保守作業の安全性を確保することもできる。
【0048】
また、第1実施形態によれば、一対の外側フランジ部16の各々が第1締結部材18によって一対の天井下地材10のそれぞれに締結されることで、第1天井塞ぎ板4を天井2に取り付けることができる。また、第2天井塞ぎ板8を開けて第1締結部材18にアクセスし、第1締結部材18を取り外すことで、第1開口3を閉塞する第1天井塞ぎ板4を取り外すことができる。このため、作業員は、天井2の上方に配置されている設備機器100全体にアクセスすることができる。
【0049】
また、第1実施形態によれば、ビス23を取り外すことで、内側フランジ部20に取り付けられている外枠体6を取り外すことができる。このため、第1締結部材18へのアクセスをさらに容易にすることができる。
【0050】
尚、第1天井塞ぎ板4は、着脱自在に天井2に取り付けられるのであれば、第1実施形態で説明した構成に限定されない。幾つかの実施形態では、
図4に示すように、第1天井塞ぎ板4を第1開口3に対してスライド可能に支持するスライド機構21を備えてもよい。
【0051】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る天井点検口の構成について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を下方から視たときの図(下面図)である。
図6は、本発明の第2実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を前後方向に視たときの図である。
【0052】
第2実施形態は、第1天井塞ぎ板4に一対の外側フランジ部16、及び内側フランジ部20が設けられず、一対の凹状部材24、及び一対のスライドバー部材26が設けられている点で異なる。第2実施形態では、第1天井塞ぎ板4の上面4dは面一となっている(
図6参照)。第2実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0053】
図5及び
図6に示すように、本発明の第2実施形態に係る天井点検口1B(1)は、一対の凹状部材24と、一対のスライドバー部材26と、をさらに備えてもよい。
【0054】
一対の凹状部材24は、第1開口3の一対の長辺3aに対応する第1天井塞ぎ板4の長辺縁4aに沿って延在するとともに、第1天井塞ぎ板4の上面4dに取り付けられるものである。第2実施形態では、一対の凹状部材24のそれぞれは、ビス25を介して、第1天井塞ぎ板4の上面4dに取り付けられている。また、一対の凹状部材24は、一対の凹状部材24の前端が第2開口14よりも前後方向前方に位置し、且つ一対の凹状部材24の後端が第2開口14よりも前後方向後方に位置するように、第1天井塞ぎ板4の前端部から後端部に亘って延在している。また、
図6に示すように、一対の凹状部材24のそれぞれは凹状形状を有しており、一対の凹状部材24のそれぞれの凹部24aが第2開口14を挟んで互いに対向している。尚、一対の凹状部材24のそれぞれに対して5つのビス25が締結されているが、本発明はこの実施形態に限定されない。ビス25の数や位置は任意に変更することができる。
【0055】
また、一対の凹状部材24の各々は、第3締結部材30を介して、一対の天井下地材10のそれぞれに着脱自在に取り付けられてもよい。この第3締結部材30は、例えば、ボルトである。第3締結部材30は、前後方向において第2開口14と互いに重複しない位置に設けられている。つまり、第3締結部材30は、第2開口14よりも前方又は後方に位置している。第2実施形態では、第3締結部材30は、一対の天井下地材10のそれぞれの前端部及び後端部に設けられている。
【0056】
一対のスライドバー部材26のそれぞれは、棒状形状を有しており、一端部(左端部26a)および他端部(右端部26b)が一対の凹状部材24の凹部24aにそれぞれ収容されている。このようなスライドバー部材26は、例えば、中空の角パイプである。上述した構成により、一対のスライドバー部材26は、凹状部材24の延在方向(つまりは前後方向)に沿ってスライド可能になっている。
【0057】
また、スライドバー部材26は、第2締結部材28を介して、外枠体6に取り付けられる。この第2締結部材28は、例えば、ボルトである。第2実施形態では、スライドバー部材26に、前後側枠本体部32bが着脱自在に取り付けられている。
【0058】
本発明の第2実施形態に係る天井点検口1Bの作用・効果について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係るスライド―バー部材の移動を示す図である。
【0059】
第2実施形態によれば、一対の凹状部材24は、第1天井塞ぎ板4の上面4dに取り付けられる。スライドバー部材26は、左端部26aおよび右端部26bが一対の凹状部材24の凹部24aにそれぞれ収容されており、凹状部材24にスライド可能に支持されている。そして、このスライドバー部材26は、第2締結部材28を介して、外枠体6に着脱自在に取り付けられる。よって、外枠体6を第1天井塞ぎ板4の内周縁4cに固定することができる。また、第2開口14の前後方向の長さが変化しても、スライドバー部材26をスライドさせてスライドバー部材26の位置を調整するだけで、本発明に係る天井点検口1Bを構成することができる。
【0060】
また、第2実施形態によれば、一対の凹状部材24の各々が第3締結部材30によって一対の天井下地材10のそれぞれに締結されることで、第1天井塞ぎ板4を天井2に取り付けることができる。また、スライドバー部材26と外枠体6とを締結する第2締結部材28を取り外し、スライドバー部材26をスライドさせることで、第3締結部材30にアクセスすることができる。例えば、
図7に示すように、スライドバー部材26を前後方向にスライドさせることで、第3締結部材30にアクセスすることができる。そして、第3締結部材30を取り外すことで、第1開口3を閉塞する第1天井塞ぎ板4を取り外すことができ、天井2の上方に設置されている設備機器100全体にアクセスすることができる。さらに、外枠体6の前後側枠本体部32bがスライドバー部材26に着脱自在に取り付けられるので、外枠体6をスライドバー部材26から取り外すことで第3締結部材30にアクセスするための空間を確保することができる。
【0061】
尚、
図8に示すように、第2開口14は、スライドバー部材26をスライドさせた際に、スライドバー部材26が第2開口14を通過可能であるように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第2開口14の対角線の長さはスライドバー部材26の長さよりも大きい。このような構成によれば、スライドバー部材26をスライドさせてから、第2開口14を通過させることで、一対の凹状部材24からスライドバー部材26を取り外してから第3締結部材30にアクセスすることができる。
【0062】
また、第2実施形態では、外枠体6はスライドバー部材26に着脱可能に取り付けられていたが、本発明はこの実施形態に限定されない。不図示であるが、幾つかの実施形態では、スライドバー部材26に、第2締結部材28を介して、外枠体6が取り付けられ、第3締結部材30にアクセス可能であるように、外枠体6の上方に空間が形成されてもよい。この空間は、外枠体6の上面と設備機器100の下面との間に形成され、作業員が第3締結部材30にアクセス可能であるように、上下方向の大きさが所定値以上となるように設計される。このような構成によれば、外枠体6をスライドバー部材26から取り外さなくても、外枠体6の上方に形成された空間を通って、第3締結部材30にアクセスすることができる。よって、第3締結部材30を取り外し、第1開口3を閉塞する第1天井塞ぎ板4を取り外すことができ、設備機器100全体にアクセスすることができる。
【0063】
ところで、第1実施形態に係る第1天井塞ぎ板4は、外側フランジ部16及び内側フランジ部20が設けられるように、第1天井塞ぎ板4を加工する必要がある。つまり、ユニット品として第1天井塞ぎ板4を製造する必要がある。しかしながら、第2実施形態によれば、第1天井塞ぎ板4として、一般的な石膏ボードを採用し、この石膏ボードの上面に、一般的に市販されているような一対の凹状部材24及び一対のスライドバー部材26を配置することができる。よって、第1天井塞ぎ板4の設計の自由度を向上させるとともに、第1天井塞ぎ板4の製造コストを抑制することができる。
【0064】
(第2実施形態の変形例)
本発明の第2実施形態の変形例について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態の変形例に係る外枠体の構成を示す概略構成図である。第2実施形態の変形例は、第2実施形態で説明した外枠体6の構成について限定したものであって、それ以外の構成は第2実施形態で説明した構成と同じである。第2実施形態の変形例において、第2実施形態の構成と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。尚、第2実施形態の変形例として説明する外枠体6の構成は、第1実施形態で説明した外枠体6に適用されてもよい。
【0065】
図9に示すように、外枠体6は下板部34をさらに含んでいてもよい。下板部34は、少なくとも一対の左右辺14aに沿って形成されるとともに枠本体部32の下面から外側に向かって延在するものである。第2実施形態の変形例では、下板部34は、左右側枠本体部32aの下面に取り付けられており、左右方向において第2開口14とは反対側の第1天井塞ぎ板4側に向かって延在している。そして、下板部34は、第1天井塞ぎ板4の内周縁4cのうち左右側枠本体部32aが取り付けられている部分を含む取付部38の下面を支えている。尚、天井点検口1Bは、第1天井塞ぎ板4を下方から覆う天井クロス36をさらに備えてもよく、天井クロス36の設置範囲は下板部34で覆われる範囲とする(
図9)以外に、下板部34に突き付けても、下板部34を下方から覆っていてもよい。
【0066】
上述した
図5に示すように、外枠体6の枠本体部32のうち一対の前後辺14bに沿って取り付けられる部分は、つまり前後側枠本体部32bは、スライドバー部材26によって支持されている。しかし、外枠体6の枠本体部32のうち一対の左右辺14aに沿って取り付けられる部分は、つまり左右側枠本体部32aは、スライドバー部材26によって支持されていない。このため、取付部38が、重力によって下方に垂れてしまう場合がある。
【0067】
これに対し、第2実施形態の変形例によれば、外枠体6は、左右側枠本体部32aの下面及び取付部38の下面に取り付けられる下板部34を含む。このため、下板部34が取付部38を下方から支持し、取付部38が下方に垂れることを防止する。
【0068】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る天井点検口の構成について説明する。
図10は、本発明の第3実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を上方から視たときの図(上面図)である。
図11は、本発明の第3実施形態に係る天井点検口の構成を示す概略構成図であって、天井点検口を前後方向に視たときの図である。
図12は、
図11中のA部拡大図である。
【0069】
図10及び
図11に示すように、第3実施形態に係る天井点検口1Cは、一対の第1スタッド材40が天井2の上面2aに設けられる。一対の第1スタッド材40は、第1開口3の短手方向に沿って延び第1開口3を挟んで互いに対向して配置される。また、一対の第1スタッド材40の各々の両端は一対の天井下地材10の各々に接続され、一対の天井下地材10によって支持される。天井2を構成する天井ボードは、一対の第1スタッド材40に支持される。
【0070】
このような構成によれば、一対の第1スタッド材40が、第1天井塞ぎ板4の短辺縁4bと対向して配置される天井2において、短辺縁4b付近に配置される天井2を支持するため、短辺縁4b付近の天井2の支持強度を増加することができる。これによって、短辺縁4b付近の天井2の垂れ下がりを防止できる。
【0071】
天井ボードは、例えば石膏ボードで構成される。石膏ボードの強度はそれほど大きくないため、ある程度の期間経過で垂れ下がりを生じるおそれがあるが、第1スタッド材40を設けることで、垂れ下がりを効果的に防止できる。
【0072】
一実施形態では、一対の第1スタッド材40として、大きな強度を有する中空の角パイプが用いられる。
図3に示すように、天井2は一対の第1スタッド材40の下面に、第4締結部材42によって取り付けられる。第4締結部材42は、例えばビスであり、複数のビスが第1スタッド材40の軸方向に沿って配置されて、第1スタッド材40に天井2を固定し支持できる。
【0073】
一実施形態では、天井下地材10にも中空の角パイプが用いられ、天井下地材10を構成する中空の角パイプと一対の第1スタッド材40として用いられる中空の角パイプとが、例えばビスなどの締結部材で接続される。天井下地材10は、例えば、その両端部が建物を構成する支柱などの鉄骨材(不図示)に支持される。また、
図11に示すように、天井下地材10にビス19によって天井2が取り付けられている。ビス19は
図10では省略されている。
【0074】
図10に示す例示的な実施形態では、一対の天井下地材10と一対の第1スタッド材40とは、互いに直角方向に接続され、第1開口3(即ち、第1天井塞ぎ板4)の周囲を囲うように配置され、長方形を有する第1開口3の形状に対応して、長方形状に配置されている。
図10及び
図11に示す実施形態では、一対の第1スタッド材40の軸方向両端部が、一対の天井下地材10の軸方向両端部よりも中央側の部位に取り付けられているが、一対の第1スタッド材40の軸方向両端部が、一対の天井下地材10の軸方向両端部に取り付けられ、一対の天井下地材10と一対の第1スタッド材40とで矩形を形成するようにしてもよい。
【0075】
一実施形態では、第2実施形態に係る天井点検口1Bで用いられた凹状部材24が本実施形態に係る天井点検口1Cでも用いられ、天井点検口1Cにおいて、一対の凹状部材24は、第2実施形態と同じ部位に設けられる。即ち、一対の凹状部材24は、第1開口3の一対の長辺3aに対応する第1天井塞ぎ板4の長辺縁4aに沿って延在すると共に、第1天井塞ぎ板4の上面4dに取り付けられる。そして、一対の凹状部材24の夫々の凹部24aは互いに対向するように配置される。即ち、凹部24aは互いに凹部の開口が向き合うように配置される。
【0076】
また、一対の第2スタッド材44が第1天井塞ぎ板4の上面4dに設けられる。一対の第2スタッド材44は、第1開口3の一対の短辺3bに対応する第1天井塞ぎ板4の短辺縁4bに沿って延在するように配置される。一対の第2スタッド材44の各々の軸方向両端部44a及び44bは、一対の凹状部材24の各々に接続される。第1天井塞ぎ板4は第5締結部材46によって第2スタッド材44に取り付けられる。
図10に示す例示的な実施形態では、第5締結部材46としてビスが用いられ、天井2は、第2スタッド材44の軸方向に沿って設けられた複数のビスによって第2スタッド材44に取り付けられる。
【0077】
このような構成によれば、一対の第2スタッド材44を備えるため、第1天井塞ぎ板4の短辺縁4b付近の増加できる。従って、短辺縁4b及び短辺縁4b付近の第1天井塞ぎ板4の垂れ下がりを防止できる。
【0078】
一実施形態では、一対の第2スタッド材44として中空の角パイプが用いられる。また、一対の第2スタッド材44の両端部44a及び44bは、夫々一対の凹状部材24の凹部24aに挿入され、ビス48によって凹状部材24に固定される。こうして、第1天井塞ぎ板4の短辺縁4b付近で天井2を支持する第2スタッド材44は凹状部材24によって支持される。
【0079】
一実施形態では、一対の凹状部材24は、
図5に示す第2実施形態と同様に、夫々の凹状部材24に隣接して配置された一対の天井下地材10に第3締結部材30によって締結される。こうして、一対の凹状部材24は、夫々一対の天井下地材10に支持される。第3締結部材30として、例えば、複数のビスが用いられ、凹状部材24は、凹状部材24の軸方向に配置された複数のビスによって天井下地材10に着脱可能に取り付けられる。
【0080】
図10に示す例示的な実施形態では、一対の第2スタッド材44の各々は、一対の第1スタッド材40と軸方向が同一で(即ち平行に)隣接して配置される。従って、一対の第2スタッド材44の各々は、一対の凹状部材24の各々と直角をなして配置され、一対の凹状部材24と一対の第2スタッド材44とは長方形を形成するように配置される。
【0081】
図10及び
図11に示す例示的な実施形態では、第1天井塞ぎ板4を構成する一対の凹状部材24及び一対の第2スタッド材44の対向面と、第1開口3の長辺3a及び短辺3bとは、平面視で異なる位置にあり、後者のほうが前者より外側に位置している。しかし、別な実施形態では、一対の凹状部材24及び一対の第2スタッド材44の対向面と、第1開口3の長辺3a及び短辺3bとは、平面視で一致していてもよい。
【0082】
一実施形態では、天井点検口1Cは、外枠体6の外側に配置され、外枠体6を囲むように配置された第3スタッド材50を備えている。第3スタッド材50は凹状部材24に取り付けられて凹状部材24に支持され、外枠体6は、第2締結部材28によって第3スタッド材50に着脱自在に取り付けられ、第3スタッド材50によって支持されている。また、天井2は第3スタッド材50に第6締結部材56によって取り付けられ、第3スタッド材50によって支持される。
【0083】
このように、第3スタッド材50は、外枠体6及び外枠体6に取り付けられる第2天井塞ぎ板8を支持すると共に、第3スタッド材50によって、第2開口14に対向する第1天井塞ぎ板4の内周縁4c付近の第1天井塞ぎ板4の強度を増加できる。これによって、第1天井塞ぎ板4の内周縁4c及びその付近の第1天井塞ぎ板4の垂れ下がりを防止できる。
【0084】
一実施形態では、
図10に示すように、第3スタッド材50は、一対のスタッド材52及び一対のスタッド材54で構成される。一対のスタッド材52及び54は、直線形状の棒状体で構成され、一対のスタッド材52の両端部52a及び52bは、一対の凹状部材24の各々に取り付けられる。一対のスタッド材54の両端部は一対のスタッド材52の各々に取り付けられる。これによって、第3スタッド材50は、矩形状の第2天井塞ぎ板8の周辺に沿って矩形状に配置される。
一実施形態では、一対のスタッド材52及び54は中空の角パイプで構成される。
【0085】
一実施形態では、
図10に示すように、一対のスタッド材52の両端部52a及び52bは、凹状部材24の凹部24aに挿入され、ビス58によって凹状部材24に取り付けられる。また、一対のスタッド材54の一部が凹部24aに挿入され、一対のスタッド材54の両端部が一対のスタッド材52の両端部52a及び52bの各々に取り付けられる。
【0086】
一実施形態では、天井2は第6締結部材56としての複数のビスによって第3スタッド材50に取り付けられる。
図10では、天井2を一対のスタッド材52にビスによって取り付けられるように図示されているが、天井2をビスによって一対のスタッド材54に取り付けるようにしてもよい。
【0087】
天井点検口1Cの変形例として、第2天井塞ぎ板8及び第2開口14の左右方向の寸法が小さい場合、一対のスタッド材54の左右方向の位置を第2天井塞ぎ板8及び第2開口14の左右方向の寸法に合わせて一対のスタッド材52の軸方向中央側へ平行移動させて第2開口14の左右辺14aに隣接させ、一対の凹状部材24と一対のスタッド材54との間の領域に天井2を設けるようにする。この変形例では、一対のスタッド材54の両端部の各々は、一対のスタッド材52の両端部44a及び44bではなく、中央側の部位に取り付けられる。
【0088】
図12に示すように、第1天井塞ぎ板4と第1天井塞ぎ板4の外側の天井2との境界に形成される隙間sに、隙間sを塞ぐように目地材60が設けられる。目地材60は、幅方向中央部に長手方向に延在する凹部60aが形成されており、凹部60aは隙間sに挿入される。目地材60は、凹部60aの幅方向両側に平坦面を有する帯状部60b及び60cを有し、
図12に示すように、帯状部60bは第1天井塞ぎ板4の下面4eに当接され、帯状部60cは天井2の下面2bに当接された状態で接着剤で接着される。そして、第1天井塞ぎ板4の下面4eと帯状部60bとの間に生じた段差、及び天井2の下面2bと帯状部60cとの間に生じた段差をパテ66で均し、その後、目地材60の外側から第1天井塞ぎ板4の下面にクロス材62が貼り付けられ、天井2の下面2bにクロス材64が貼り付けられる。
【0089】
第1天井塞ぎ板4は、例えば、設備機器100の大掛かりな修理や更新の時などに取り外される。従って、頻繁に着脱されない。そこで、隙間sを目地材60で覆うことで、天井の下面の見栄えを良くすることができる。また、隙間sに目地材60を取り付けることで、隙間s付近の第1天井塞ぎ板4及び天井2の支持強度を増加でき、これによって、隙間s付近の第1天井塞ぎ板4及び天井2の垂れ下がりを抑制できる。
【0090】
一実施形態では、目地材60の凹部60aの底面60a1の幅寸法は凹部60aの開口60a2の幅寸法より大きくなっている。これによって、凹部60aによるクロス材62及び63の端部の保持力を増加できる。
【0091】
以上、本発明の第1~第3実施形態に係る天井点検口1A、1B及び1Cについて説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0092】
1A 第1実施形態に係る天井点検口
1B 第2実施形態に係る天井点検口
1C 第3実施形態に係る天井点検口
2 天井
2a 天井の上面
2b 天井の下面
3 第1開口
3a 第1開口の一対の長辺
3b 第1開口の一対の短辺
4 第1天井塞ぎ板
4a 第1天井塞ぎ板の長辺縁
4b 第1天井塞ぎ板の短辺縁
4c 第1天井塞ぎ板の内周縁
4d 第1天井塞ぎ板の上面
4e 第1天井塞ぎ板の下面
6 外枠体
8 第2天井塞ぎ板
10 天井下地材
14 第2開口
14a 第2開口の一対の左右辺
14b 第2開口の一対の前後辺
16 外側フランジ部
17 ヒンジ機構
18 第1締結部材
19、23、25、48、58 ビス
20 内側フランジ部
21 スライド機構
24 凹状部材
24a 凹状部材の凹部
26 スライドバー部材
26a スライドバー部材の左端部(一端部)
26b スライドバー部材の右端部(他端部)
28 第2締結部材
30 第3締結部材
32 枠本体部
32a 枠本体部の左右側枠本体部
32b 枠本体部の前後側枠本体部
34 下板部
36 天井クロス
38 取付部
40 第1スタッド材
42 第4締結部材
44 第2スタッド材
44a、44b 第2スタッド材の両端部
46 第5締結部材
50 第3スタッド材
52、54 第3スタッド材のスタッド材
52a、52b スタッド材の両端部
56 第6締結部材
60 目地材
60a 目地材の凹部
60a1 目地材の凹部の底面
60a2 目地材の凹部の開口
60b、60c 目地材の帯状部
62,64 クロス材
66 パテ
100 設備機器
R1 第1領域
R2 第2領域
R3 第3領域
R4 第4領域
s 隙間