(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】縮合環化合物、及びそれを含む有機発光素子
(51)【国際特許分類】
H10K 85/30 20230101AFI20241114BHJP
C07F 5/02 20060101ALI20241114BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20241114BHJP
H10K 50/12 20230101ALI20241114BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20241114BHJP
【FI】
H10K85/30
C07F5/02 A CSP
C09K11/06 660
C09K11/06 690
H10K50/12
H10K85/60
(21)【出願番号】P 2021003696
(22)【出願日】2021-01-13
【審査請求日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0018568
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】キム セラン
(72)【発明者】
【氏名】ユン セナ
(72)【発明者】
【氏名】チョン サンホ
【審査官】内村 駿介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/198698(WO,A1)
【文献】特開2021-063074(JP,A)
【文献】特開2008-186778(JP,A)
【文献】特開2015-194518(JP,A)
【文献】特開2014-154226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00-102/20
C09K 11/06
C07F 5/02
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極に対向した第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極の間に配置され、発光層を含む有機層と、
下記化学式1で表される縮合環化合物1種以上と、を含む、有機発光素子:
【化1】
...1
前記化学式1で、
環A
1~環A
4は、互いに独立して、C
5-C
60炭素環基であり、
環B
1は、C
5-C
60炭素環基及びC
1-C
60ヘテロ環基のうちから選択され、
Y
1及びY
2は、互いに独立して、B及びP(=O)のうちから選択され、
X
1は、O、N(R
1)、SまたはSeであり、
X
2は、O、N(R
2)、SまたはSeであり、
X
3は、O、N(R
3)、SまたはSeであり、
X
4は、O、N(R
4)、SまたはSeであり、
L
1~L
5は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環基、及び置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環基のうちから選択され、
a1~a5は、互いに独立して、0~3のうちから選択された整数であり、a1が0である場合、*-(L
1)
a1-*’は、単結合を示し、a2が0である場合、*-(L
2)
a2-*’は、単結合を示し、a3が0である場合、*-(L
3)
a3-*’は、単結合を示し、a4が0である場合、*-(L
4)
a4-*’は、単結合を示し、a5が0である場合、*-(L
5)
a5-*’は、単結合を示し、
Ar
1~Ar
5は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、及び-P(=O)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、
b1~b5は、互いに独立して、0~3のうちから選択される整数であり、
c1~c5は、互いに独立して、0~10のうちから選択される整数であり、
R
1~R
4は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環基、または置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
R
1~R
4は、選択的に、隣接した基と、互いに、単結合、-C(Q
4)(Q
5)-、-Si(Q
4)(Q
5)-、-O-、-S-、-N(Q
4)-、-B(Q
4)-、C(=O)-、-S(=O)
2-、-S(=O)(Q
4)-及びP(=O)(Q
4)-で連結されて縮合されたヘテロ環を形成することができ、
Z
1及びZ
2は、互いに独立して、電子吸引性基、及び電子吸引性基が少なくとも一つ置換されたC
1-C
60アルキル基のうちから選択され、
前記電子吸引性基は、
-F、-Cl、-Br、-I及びCN;並びに
-F、-Cl、-Br、-I及びCNのうち少なくとも一つで置換されたC
1
-C
20
アルキル基;のうちから選択され、
t1及びt2は、互いに独立して、1~3のうちから選択される整数であり、
前述の置換されたC
5-C
60炭素環基、置換されたC
1-C
60ヘテロ環基、置換されたC
1-C
60アルキル基、置換されたC
2-C
60アルケニル基、置換されたC
2-C
60アルキニル基、置換されたC
1-C
60アルコキシ基、置換されたC
3-C
10シクロアルキル基、置換されたC
2-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3-C
10シクロアルケニル基、置換されたC
2-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6-C
60アリール基、置換されたC
6-C
60アリールオキシ基、置換されたC
6-C
60アリールチオ基、置換されたC
2-C
60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)及び-P(=O)(Q
11)(Q
12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)2(Q
21)及び-P(=O)(Q
21)(Q
22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基;並びに
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32);のうちから選択され、
前述のQ
1~Q
5、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23、及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
1-C
60アルキル基で置換されたC
6-C
60アリール基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基、及びターフェニリル基のうちから選択され、
*及び*’は、隣接した基との結合サイトである。
【請求項2】
前記第1電極がアノードであり、
前記第2電極がカソード
であり、
前記有機層は、前記縮合環化合物1種以上を含み、
前記有機層は、前記第1電極と前記発光層との間に介在された正孔輸送領域、及び前記発光層と前記第2電極との間に介在された電子輸送領域をさらに含み、
前記正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、電子阻止層、またはその任意の組み合わせを含み、
前記電子輸送領域は、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、またはその任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項3】
前記発光層が前記縮合環化合物を含む、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記発光層に含まれた前記縮合環化合物は、遅延蛍光エミッタであり、
前記発光層が遅延蛍光を放出する、請求項3に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記発光層がホストをさらに含み、
前記発光層に含まれた前記縮合環化合物は、ドーパントであり、
前記発光層に含まれたホストの含有量は、前記発光層に含まれた縮合環化合物の含有量よりも多い、請求項3に記載の有機発光素子。
【請求項6】
前記ホストはアントラセン含有化合物、カルバゾール含有化合物、ベンズイミダゾール含有化合物、ホスフィンオキシド含有化合物、アリールアミン化合物、スチリルアミン化合物、またはそれらの組み合わせを含む、請求項5に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記発光層は、第1色光放出発光層であり、
前記第1電極と第2電極との間に、i)少なくとも1層の第2色光放出発光層が追加して含まれているか、あるいはii)少なくとも1層の第2色光放出発光層、及び少なくとも1層の第3色光放出発光層が追加して含まれており、
前記第1色光の最大発光波長、前記第2色光の最大発光波長、及び前記第3色光の最大発光波長は、互いに同一であるか、あるいは異なり、
前記第1色光と前記第2色光とが互いに混合された混色光、または前記第1色光、前記第2色光及び前記第3色光が互いに混合された混色光が放出される、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項8】
下記化学式1で表される縮合環化合物:
【化2】
...1
前記化学式1で、
環A
1~環A
4は、互いに独立して、C
5-C
60炭素環基のうちから選択され、
環B
1は、C
5-C
60炭素環基及びC
1-C
60ヘテロ環基のうちから選択され、
Y
1及びY
2は、互いに独立して、B及びP(=O)のうちから選択され、
X
1は、O、N(R
1)、SまたはSeであり、
X
2は、O、N(R
2)、SまたはSeであり、
X
3は、O、N(R
3)、SまたはSeであり、
X
4は、O、N(R
4)、SまたはSeであり、
L
1~L
5は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環の二価基、及び置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環の二価基のうちから選択され、
a1~a5は、互いに独立して、0~3のうちから選択された整数であり、a1が0である場合、*-(L
1)
a1-*’は、単結合を示し、a2が0である場合、*-(L
2)
a2-*’は、単結合を示し、a3が0である場合、*-(L
3)
a3-*’は、単結合を示し、a4が0である場合、*-(L
4)
a4-*’は、単結合を示し、a5が0である場合、*-(L
5)
a5-*’は、単結合を示し、
Ar
1~Ar
5は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、及び-P(=O)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、
b1~b5は、互いに独立して、0~3のうちから選択される整数であり、
c1~c5は、互いに独立して、0~10のうちから選択される整数であり、
R
1~R
4は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環基、または置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
R
1~R
4は、選択的に、隣接した基と、互いに、単結合、-C(Q
4)(Q
5)-、-Si(Q
4)(Q
5)-、-O-、-S-、-N(Q
4)-、-B(Q
4)-、C(=O)-、-S(=O)
2-、-S(=O)(Q
4)-及びP(=O)(Q
4)-で連結されて縮合されたヘテロ環を形成することができ、
Z
1及びZ
2は、互いに独立して、電子吸引性基、及び電子吸引性基が少なくとも一つ置換されたC
1-C
60アルキル基のうちから選択され、
前記電子吸引性基は、
-F、-Cl、-Br、-I及びCN;並びに
-F、-Cl、-Br、-I及びCNのうち少なくとも一つで置換されたC
1
-C
20
アルキル基;のうちから選択され、
t1及びt2は、互いに独立して、1~10のうちから選択される整数であり、
前述の置換されたC
5-C
60炭素環基、置換されたC
1-C
60ヘテロ環基、置換されたC
1-C
60アルキル基、置換されたC
2-C
60アルケニル基、置換されたC
2-C
60アルキニル基、置換されたC
1-C
60アルコキシ基、置換されたC
3-C
10シクロアルキル基、置換されたC
2-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3-C
10シクロアルケニル基、置換されたC
2-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6-C
60アリール基、置換されたC
6-C
60アリールオキシ基、置換されたC
6-C
60アリールチオ基、置換されたC
2-C
60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)及び-P(=O)(Q
11)(Q
12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)及び-P(=O)(Q
21)(Q
22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基;並びに
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32);のうちから選択され、
前述のQ
1~Q
5、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23、及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
1-C
60アルキル基で置換されたC
6-C
60アリール基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基、及びターフェニリル基のうちから選択され、
*及び*’は、隣接した基との結合サイトである。
【請求項9】
環A
1~環A
4は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン及びペリレンのうちから選択される環構造であり、
環B
1は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノキサリン、フタラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフチリジンのうちから選択される環構造である、請求項8に記載の縮合環化合物。
【請求項10】
環A
1及び環A
2は、互いに独立して、ベンゼンまたはナフタレンから選択される環構造であり、
環A
3及び環A
4は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン基、クリセン及びペリレンのうちから選択され環構造であり、
環B
1は、ベンゼン環である、請求項8に記載の縮合環化合物。
【請求項11】
Y
1及びY
2は、互いに同一である、請求項8に記載の縮合環化合物。
【請求項12】
L
1~L
5は、互いに独立して、
フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフタレニレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ピロリレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、シロリレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、ピリジニレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、カルバゾリレン基、ベンゾシロリレン基、ジベンゾシロリレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基及びイミダゾピリミジニレン基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ベンゾシロリル基、ジベンゾシロリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフタレニレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ピロリレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、シロリレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、ピリジニレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、カルバゾリレン基、ベンゾシロリレン基、ジベンゾシロリレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基及びイミダゾピリミジニレン基;のうちから選択され、
Q
31~Q
33は、互いに独立して、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基及びピリジニル基のうちから選択された、請求項8に記載の縮合環化合物。
【請求項13】
Ar
1~Ar
5は、互いに独立して、
水素、重水素、C
1-C
20アルキル基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
6-C
20アリール基、C
7-C
20アリールアルキル基、C
1-C
20ヘテロアリール基、C
2-C
20ヘテロアリールアルキル基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;並びに
重水素、-F、シアノ基、C
1-C
10アルキル基及びC
3-C
10シクロアルキル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
6-C
20アリール基、C
7-C
20アリールアルキル基、C
1-C
20ヘテロアリール基、C
2-C
20ヘテロアリールアルキル基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;のうちから選択された、請求項8に記載の縮合環化合物。
【請求項14】
R
1~R
4は、互いに独立して、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、フェノキサジニル基及びフェノチアジニル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基、-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)及び-B(Q
31)(Q
32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、フェノキサジニル基及びフェノチアジニル基;のうちから選択され、
前述のQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素、重水素、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
6-C
20アリール基、C
1-C
20アルキル基で置換されたC
6-C
20アリール基、C
6-C
20アリール基で置換されたC
6-C
20アリール基、C
1-C
20ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、及びターフェニリル基のうちから選択された、請求項8に記載の縮合環化合物。
【請求項15】
前記A
1及び前記A
2は、ベンゼン環であり、
t1及びt2は、互いに独立して、1または2であり、
c1及びc2は、互いに独立して、1または2である、請求項8に記載の縮合環化合物。
【請求項16】
前記化学式1は、下記化学式1-1~1-36のうちいずれか一つで表される、請求項8に記載の縮合環化合物:
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
前記化学式1-1~1-36で、
A
3、A
4、B
1、Y
1、Y
2、X
1、X
2、X
3、X
4、L
3、L
4、L
5、a3、a4、a5、Ar
3、Ar
4、Ar
5、b3、b4、b5、c3、c4及びc5に係わる内容は、請求項8を参照し、
L
11、L
12及びL
13それぞれに係わる内容は、請求項8のL
1の記載を参照し、
a11、a12及びa13それぞれに係わる内容は、請求項8のa1の記載を参照し、
Ar
11、Ar
12及びAr
13それぞれに係わる内容は、請求項8のAr
1の記載を参照し、
b11、b12及びb13それぞれに係わる内容は、請求項8のb1の記載を参照し、
Ar
21、Ar
22及びAr
23それぞれに係わる内容は、請求項8のAr
2の記載を参照し、
b21、b22及びb23それぞれに係わる内容は、請求項8のb2の記載を参照し、
Z
11、Z
12及びZ
13それぞれに係わる内容は、請求項8のZ
1の記載を参照し、
Z
21、Z
22及びZ
23それぞれに係わる内容は、請求項8のZ
2の記載を参照する。
【請求項17】
前記化学式1-1~1-36で、
Z
11、Z
13、Z
21及びZ
23は、互いに独立して、
-F、-Cl、-Br、-I及びCN;並びに
-F、-Cl、-Br、-I及びCNのうち少なくとも一つで置換されたC
1-C
20アルキル基;のうちから選択され、
Z
12及びZ
22は、互いに独立して、
-F、-Cl、-Br、-I;及び
-F、-Cl、-Br、-Iのうち少なくとも一つで置換されたC
1-C
20アルキル基;のうちから選択された、請求項
16に記載の縮合環化合物。
【請求項18】
a11~a13及びa21~a23は、いずれも0であり、
Ar
11~Ar
13、及びAr
21~Ar
23は、いずれも水素である、請求項
16に記載の縮合環化合物。
【請求項19】
下記化合物1~48のうちから選択された、請求項8に記載の縮合環化合物:
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮合環化合物、及びそれを含む有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(organic light emitting device)は、自発光型素子であり、従来の素子に比べ、視野角が広く、コントラストにすぐれるだけではなく、応答時間が短く、輝度、駆動電圧及び応答速度の特性にすぐれ、多色化が可能である。
【0003】
有機発光素子は、基板上部に第1電極が配置されており、第1電極上部に、正孔輸送領域(hole transport region)、発光層、電子輸送領域(electron transport tregion)及び第2電極が順次に形成されている構造を有することができる。第1電極から注入された正孔は、正孔輸送領域を経由して発光層に移動し、第2電極から注入された電子は、電子輸送領域を経由して発光層に移動する。正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合し、励起子(exciton)を生成する。励起子が励起状態から基底状態に変わりながら光が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明がなそうとする課題は、縮合環化合物、及びそれを含む有機発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面によれば、下記化学式1で表される縮合環化合物が提供される:
【化1】
...1
化学式1で、
環A
1~環A
4は、互いに独立して、C
5-C
60炭素環基のうちから選択され、
環B
1は、C
5-C
60炭素環基及びC
1-C
60ヘテロ環基のうちから選択され、
Y
1及びY
2は、互いに独立して、B及びP(=O)のうちから選択され、
X
1は、O、N(R
1)、SまたはSeであり、
X
2は、O、N(R
2)、SまたはSeであり、
X
3は、O、N(R
3)、SまたはSeであり、
X
4は、O、N(R
4)、SまたはSeであり、
L
1~L
5は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環の二価基、及び置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環の二価基のうちから選択され、
a1~a5は、互いに独立して、0~3のうちから選択された整数であり、a1が0である場合、*-(L
1)
a1-*’は、単結合を示し、a2が0である場合、*-(L
2)
a2-*’は、単結合を示し、a3が0である場合、*-(L
3)
a3-*’は、単結合を示し、a4が0である場合、*-(L
4)
a4-*’は、単結合を示し、a5が0である場合、*-(L
5)
a5-*’は、単結合を示し、
Ar
1~Ar
5は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-N(Q
1)(Q
2)、-B(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、及び-P(=O)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、
b1~b5は、互いに独立して、0~3のうちから選択される整数であり、
c1~c5は、互いに独立して、0~10のうちから選択される整数であり、
R
1~R
4は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環基、または置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
R
1~R
4は、選択的に(optionally)、隣接した基と、互いに、単結合、-C(Q
4)(Q
5)-、-Si(Q
4)(Q
5)-、-O-、-S-、-N(Q
4)-、-B(Q
4)-、C(=O)-、-S(=O)
2-、-S(=O)(Q
4)-及びP(=O)(Q
4)-で連結されて縮合されたヘテロ環を形成することができ、
Z
1及びZ
2は、互いに独立して、電子吸引性基(electron with drawing group)、及び電子吸引性基が少なくとも一つ置換されたC
1-C
60アルキル基のうちから選択され、
t1及びt2は、互いに独立して、1~10のうちから選択される整数であり、
前述の置換されたC
5-C
60炭素環基、置換されたC
1-C
60ヘテロ環基、置換されたC
1-C
60アルキル基、置換されたC
2-C
60アルケニル基、置換されたC
2-C
60アルキニル基、置換されたC
1-C
60アルコキシ基、置換されたC
3-C
10シクロアルキル基、置換されたC
2-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3-C
10シクロアルケニル基、置換されたC
2-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6-C
60アリール基、置換されたC
6-C
60アリールオキシ基、置換されたC
6-C
60アリールチオ基、置換されたC
2-C
60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)及び-P(=O)(Q
11)(Q
12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニルリ基、ターフェニルリ基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)及び-P(=O)(Q
21)(Q
22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基;並びに
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32);のうちから選択され、
前述のQ
1~Q
5、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23、及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素、重水素、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
1-C
60アルキル基で置換されたC
6-C
60アリール基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基、及びターフェニリル基のうちから選択され、
*及び*’は、隣接した基との結合サイトである。
【0007】
他の側面によれば、第1電極と、第1電極に対向した第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置されて発光層を含む有機層と、化学式1で表される縮合環化合物1種以上と、を含む有機発光素子が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の縮合環化合物を含む有機発光素子は、高効率及び長寿命を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【
図2】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【
図3】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【
図4】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[置換基の一般的な定義]
本明細書において、C1-C60アルキル基は、炭素数1~60の線状または分枝状の脂肪族炭化水素一価基を意味し、具体的な例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、iso-アミル基、ヘキシル基などが含まれる。本明細書において、C1-C60アルキレン基は、C1-C60アルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0011】
本明細書において、C2-C60アルケニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素二重結合を含む炭化水素基を意味し、その具体的な例には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルケニレン基は、C2-C60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0012】
本明細書において、C2-C60アルキニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素三重結合を含む炭化水素基を意味し、その具体的な例には、エチニル基、プロピニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルキニレン基は、C2-C60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0013】
本明細書において、C1-C60アルコキシ基は、-OA101(ここで、A101は、C1-C60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体的な例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0014】
本明細書において、C3-C10シクロアルキル基は、C3-C10一価飽和炭化水素単環基を意味し、その具体例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルキレン基は、C3-C10シクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0015】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキル基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含むC1ーC10一価単環基を意味し、その具体例には、1,2,3,4-オキサトリアゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0016】
本明細書において、C3-C10シクロアルケニル基は、C3-C10一価単環基として、環内に少なくとも1つの二重結合を有するが、芳香族性(aromaticity)を有さない基を意味し、その具体例には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルケニレン基は、C3-C10シクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0017】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含むC1-C10一価単環基として、環内に少なくとも1つの二重結合を有する。C1-C10ヘテロシクロアルケニル基の具体例には、4,5-ジヒドロ-1,2,3,4-オキサトリアゾリル基、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0018】
本明細書において、C6-C60アリール基は、C6-C60炭素環芳香族系を有する一価基を意味し、C6-C60アリーレン基は、C6-C60炭素環芳香族系を有する二価基を意味する。C6-C60アリール基の具体例には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、クリセニル基などを含まれる。C6-C60アリール基及びC6-C60アリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに縮合されうる。
【0019】
本明細書において、C1-C60ヘテロアリール基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C1-C60ヘテロ環芳香族系を有する一価基を意味し、C1-C60ヘテロアリーレン基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C1-C60ヘテロ環芳香族系を有する二価基を意味する。C1-C60ヘテロアリール基の具体例には、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基などが含まれる。C1-C60ヘテロアリール基及びC1-C60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに縮合されうる。
【0020】
本明細書において、C6-C60アリールオキシ基は、-OA102(ここで、A102は、C6-C60アリール基である)を示し、C6-C60アリールチオ基は、-SA103(ここで、A103は、C6-C60アリール基である)を示す。
【0021】
本明細書において、一価非芳香族縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み、分子全体が非芳香族性(non-aromaticity)を有する一価基(例えば、炭素数8~60である)を意味する。一価非芳香族縮合多環基の具体例には、フルオレニル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族縮合多環基は、一価非芳香族縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0022】
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素以外に、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、炭素数1~60である)を意味する。一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の具体例には、カルバゾリル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0023】
本明細書において、C5-C60炭素環基とは、環形成原子として炭素のみを含むC5-C60単環基またはC5-C60多環基を意味する。C5-C60炭素環基は、芳香族炭素環基または非芳香族炭素環基であってもよい。C5-C60炭素環基は、ベンゼンのような環、フェニル基のような一価基、またはフェニレン基のような二価基であってもよい。または、C5-C60炭素環基に連結された置換基の個数により、C5-C60炭素環基は、三価基または四価基であってもよく、多様な変形が可能である。
【0024】
本明細書において、C1-C60ヘテロ環基とは、C5-C60炭素環基と同一構造を有するが、環形成原子として、炭素(炭素数は、1~60であってもよい)以外に、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む基を意味する。
本明細書において、前述の置換されたC5-C60炭素環基、置換されたC1-C60ヘテロ環基、置換されたC3-C10シクロアルキレン基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換されたC3-C10シクロアルケニレン基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換されたC6-C60アリーレン基、置換されたC1-C60ヘテロアリーレン基、置換された二価非芳香族縮合多環基、置換された二価非芳香族ヘテロ縮合多環基、置換されたC1-C60アルキル基、置換されたC2-C60アルケニル基、置換されたC2-C60アルキニル基、置換されたC1-C60アルコキシ基、置換されたC3-C10シクロアルキル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC3-C10シクロアルケニル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC6-C60アリール基、置換されたC6-C60アリールオキシ基、置換されたC6-C60アリールチオ基、置換されたC1-C60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)及び-P(=O)(Q11)(Q12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)及び-P(=O)(Q21)(Q22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;並びに
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32);のうちから選択され、
前述のQ11~Q13、Q21~Q23、及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニリル基及びターフェニリル基のうちから選択されてもよい。
【0025】
本明細書において、「Ph」は、フェニル基を意味し、「Me」は、メチル基を意味し、「Et」は、エチル基を意味し、「ter-Bu」または「But」は、tert-ブチル基を意味し、「OMe」は、メトキシ基を意味する。
【0026】
本明細書において、「ビフェニリル基」は、「フェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ビフェニリル基」は、置換基が「C6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0027】
本明細書において、「ターフェニリル基」は、「ビフェニリル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ターフェニリル基」は、置換基が「C6-C60アリール基で置換されたC6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0028】
本明細書において、*及び*’は、他の定義がない限り、化学式において、隣接原子との結合サイトを意味する。
【0029】
本発明の縮合環化合物は、下記化学式1で表される。
【化2】
...1
【0030】
化学式1で、環A1~環A4は、互いに独立して、C5-C60炭素環基のうちから選択され、環B1は、C5-C60炭素環基及びC1-C60ヘテロ環基のうちから選択されてもよい。
【0031】
一実施形態によれば、環A1~環A4は、互いに独立して、C6-C60芳香族環のうちから選択され、環B1は、C6-C60芳香族環及びC1-C60芳香族複素環のうちから選択されてもよい。
【0032】
一実施形態によれば、環A1~環A4は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン及びペリレンのうちから選択される環構造であり、
環B1は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノキサリン、フタラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフチリジンのうちから選択される環構造であってもよい。
【0033】
例えば、環A1及び環A2は、互いに独立して、ベンゼンまたはナフタレンから選択される環構造であり、
環A3及び環A4は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン及びペリレンのうちから選択される環構造であってもよく、
環B1は、ベンゼン環であってもよい。
【0034】
例えば、環A1、A2、A3及びA4は、ベンゼン環であり、環B1は、ベンゼン環であってもよい。
【0035】
化学式1で、Y1及びY2は、互いに独立して、B及びP(=O)のうちから選択されてもよい。
【0036】
一実施形態によれば、Y1及びY2は、互いに同一であってもよい。例えば、Y1及びY2は、Bであってもよい。
【0037】
化学式1で、X1は、O、N(R1)、SまたはSeであり、X2は、O、N(R2)、SまたはSeであり、X3は、O、N(R3)、SまたはSeであり、X4は、O、N(R4)、SまたはSeであってもよい。
【0038】
一実施形態によれば、(i)X1は、N(R1)であり、X2がN(R2)であり、X3がN(R3)であり、X4がN(R4)であるか、(ii)X1は、N(R1)であり、X2がN(R2)であり、X3がO、SまたはSeであり、X4がN(R4)であるか、(iii)X1は、N(R1)であり、X2がN(R2)であり、X3がN(R3)であり、X4がO、SまたはSeであるか、(iv)X1は、N(R1)であり、X2がN(R2)であり、X3がO、SまたはSeであり、X4がO、SまたはSeであるか、(v)X1は、O、SまたはSeであり、X2がN(R2)であり、X3がO、SまたはSeであり、X4がN(R4)であるか、(vi)X1は、N(R1)であり、X2がO、SまたはSeであり、X3がN(R3)であり、X4がO、SまたはSeであるか、あるいは(vii)X1は、O、SまたはSeであり、X2がO、SまたはSeであり、X3がO、SまたはSeであり、X4がO、SまたはSeであってもよい。
【0039】
他の実施形態によれば、Y1及びY2は、いずれもBであり、(i)X1は、N(R1)であり、X2がN(R2)であり、X3がN(R3)であり、X4がN(R4)であるか、(ii)X1は、N(R1)であり、X2がN(R2)であり、X3がO、SまたはSeであり、X4がN(R4)であるか、(iii)X1は、N(R1)であり、X2がN(R2)であり、X3がN(R3)であり、X4がO、SまたはSeであるか、(iv)X1は、N(R1)であり、X2がN(R2)であり、X3がO、SまたはSeであり、X4がO、SまたはSeであるか、(v)X1は、O、SまたはSeであり、X2がN(R2)であり、X3がO、SまたはSeであり、X4がN(R4)であるか、(vi)X1は、N(R1)であり、X2がO、SまたはSeであり、X3がN(R3)であり、X4がO、SまたはSeであるか、あるいは(vii)X1は、O、SまたはSeであり、X2がO、SまたはSeであり、X3がO、SまたはSeであり、X4がO、SまたはSeであってもよい。
【0040】
化学式1で、L1~L5は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環の二価基、及び置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環の二価基のうちから選択されてもよい。
【0041】
一実施形態によれば、L1~L5は、互いに独立して、
フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ピロリレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、シロリレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、ピリジニレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、カルバゾール基、ベンゾシロール基、ジベンゾシロール基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾイミダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基及びイミダゾピリミジニレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ベンゾシロリル基、ジベンゾシロリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフタレニレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ピロリレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、シロリレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、ピリジニレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、カルバゾリレン基、ベンゾシロリレン基、ジベンゾシロリレン基、キノリン基、イソキノリニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イミダゾピリジニレン基及びイミダゾピリミジニレン基;のうちから選択され、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基及びピリジニル基のうちから選択されてもよい。
【0042】
前述のa1~a5は、互いに独立して、0~3のうちから選択された整数であり、a1が0である場合、*-(L1)a1-*’は、単結合を示し、a2が0である場合、*-(L2)a2-*’は、単結合を示し、a3が0である場合、*-(L3)a3-*’は、単結合を示し、a4が0である場合、*-(L4)a4-*’は、単結合を示し、a5が0である場合、*-(L5)a5-*’は、単結合を示す。
【0043】
化学式1で、Ar1~Ar5は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC1-C60アルキル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルケニル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルキニル基、置換もしくは無置換のC1-C60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の一価無芳香族縮合多環基(non-aromatic condensed poycyclic group)、置換もしくは無置換の一価無芳香族ヘテロ縮合多環基(non-aromatic condensed heteropolycyclic group)、-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-N(Q1)(Q2)、-B(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)、及び-P(=O)(Q1)(Q2)のうちから選択されてもよい。
【0044】
一実施形態によれば、前述のAr1~Ar5は、互いに独立して、
水素、重水素、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C6-C20アリール基、C7-C20アリールアルキル基、C1-C20ヘテロアリール基、C2-C20ヘテロアリールアルキル基、一価無芳香族縮合多環基及び一価無芳香族ヘテロ縮合多環基;並びに
重水素、-F、シアノ基、C1-C10アルキル基及びC3-C10シクロアルキル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C6-C20アリール基、C7-C20アリールアルキル基、C1-C20ヘテロアリール基、C2-C20ヘテロアリールアルキル基、一価無芳香族縮合多環基及び一価無芳香族ヘテロ縮合多環基;のうちから選択されてもよい。
【0045】
例えば、前述のAr1~Ar5は、互いに独立して、
水素、重水素、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基;
重水素・F・シアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、及びtert-ブチル基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基及びトリアジニル基;並びに
重水素、-F、シアノ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基及びトリアジニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基及びトリアジニル基;のうちから選択されてもよい。
【0046】
b1~b5は、互いに独立して、0~3のうちから選択される整数であり、c1~c5は、互いに独立して、0~10のうちから選択される整数であってもよい。
【0047】
化学式1で、R1~R4は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であってもよい。
【0048】
一実施形態によれば、R1~R4は、互いに独立して、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、フェノキサジニル基及びフェノチアジニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)及び-B(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、スピロ-シクロペンタン-フルオレニル基、スピロ-シクロヘキサン-フルオレニル基、スピロ-フルオレン-ベンゾフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、フェノキサジニル基及びフェノチアジニル基;のうちから選択され、
前述のQ31~Q33は、互いに独立して、水素、重水素、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C6-C20アリール基、C1-C20アルキル基で置換されたC6-C20アリール基、C6-C20アリール基で置換されたC6-C20アリール基、C1-C20ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、及びターフェニリル基のうちから選択されてもよい。
【0049】
例えば、前述のR1~R4は、互いに独立して、
フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、フェノキサジニル基及びフェノチアジニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、フェノキサジニル基及びフェノチアジニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、フェノキサジニル基及びフェノチアジニル基のうちから選択されてもよい。
【0050】
前述のR1~R4は、選択的に(optionally)、隣接した基と、互いに、単結合、-C(Q4)(Q5)-、-Si(Q4)(Q5)-、-O-、-S-、-N(Q4)-、-B(Q4)-、C(=O)-、-S(=O)2-、-S(=O)(Q4)-及びP(=O)(Q4)-で連結されて縮合されたヘテロ環を形成することができる。
【0051】
化学式1で、Z1及びZ2は、互いに独立して、電子吸引性基(electron withdrawing group)、及び電子吸引性基が少なくとも一つ置換されたC1-C60アルキル基のうちから選択されてもよい。
【0052】
ここで、電子吸引性基は、分子内において、水素を基準に、隣接した電子を引き寄せる傾向がある基を意味する。
【0053】
例えば、電子吸引性基は、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、またはハロゲン基・シアノ基・ニトロ基及びカルボニル基のうちから選択された少なくとも一つが置換されたアルキル基などがあり、特に限定されるものではなく、水素に比べ、電子を引き寄せる傾向が強い原子をいずれも含んでもよい。
【0054】
例えば、電子吸引性基は、-F、-Cl、-Br、-I及びCN;並びに
-F、-Cl、-Br、-I及びCNのうち少なくとも一つで置換されたC1-C20アルキル基;のうちから選択されてもよい。
【0055】
化学式1で、t1及びt2は、互いに独立して、1~10のうちから選択される整数であってもよい。一実施形態によれば、t1及びt2は、互いに独立して、1または2であってもよい。
【0056】
一実施形態によれば、化学式1で、前述のA1及びA2は、ベンゼン環であり、t1及びt2は、互いに独立して、1または2であり、c1及びc2は、互いに独立して、1または2であってもよい。
【0057】
一実施形態によれば、化学式1は、下記化学式1-1~1-36のうちいずれか一つによって表されてもよい。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0058】
化学式1-1~1-36で、
A3、A4、B1、Y1、Y2、X1、X2、X3、X4、L3、L4、L5、a3、a4、a5、Ar3、Ar4、Ar5、b3、b4、b5、c3、c4及びc5に係わる内容は、前述のところを参照し、
L11、L12及びL13それぞれに係わる内容は、前述のL1の記載を参照し、
a11、a12及びa13それぞれに係わる内容は、前述のa1の記載を参照し、
Ar11、Ar12及びAr13それぞれに係わる内容は、前述のAr1の記載を参照し、
b11、b12及びb13それぞれに係わる内容は、前述のb1の記載を参照し、
Ar21、Ar22及びAr23それぞれに係わる内容は、前述のAr2の記載を参照し、
b21、b22及びb23それぞれに係わる内容は、前述のb2の記載を参照し、
Z11、Z12及びZ13それぞれに係わる内容は、前述のZ1の記載を参照し、
Z21、Z22及びZ23それぞれに係わる内容は、前述のZ2の記載を参照する。
【0059】
一実施形態によれば、化学式1-1~1-36で、
Z11、Z13、Z21及びZ23は、互いに独立して、
-F、-Cl、-Br、-I及びCN;並びに
-F、-Cl、-Br、-I及びCNのうちから選択された少なくとも一つで置換されたC1-C20アルキル基;のうちから選択され、
Z12及びZ22は、互いに独立して、
-F、-Cl、-Br及び-I;並びに
-F、-Cl、-Br及び-Iのうちから選択された少なくとも一つで置換されたC1-C20アルキル基;のうちから選択されてもよい。
【0060】
例えば、化学式1-1~1-36で、
Z11、Z13、Z21及びZ23は、互いに独立して、
-F、CN;並びに
F及びCNのうちから選択された少なくとも一つで置換されたC1-C20アルキル基;のうちから選択され、
Z12及びZ22は、互いに独立して、
-F、及び
少なくとも一つの-Fで置換されたC1-C20アルキル基のうちから選択されてもよい。
【0061】
一実施形態によれば、化学式1-1~1-36で、a11~a13、及びa21~a23は、いずれも0であり、Ar11~Ar13、及びAr21~Ar23は、いずれも水素であってもよい。
【0062】
一実施形態によれば、縮合環化合物は、下記化合物1~48のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0063】
化学式1で表された縮合環化合物は、常温においても、三重項(triplet)励起状態から、熱活性を介した一重項(singlet)励起状態への逆項間交差が可能であり、遅延蛍光を示すことができ、三重項状態の励起子が発光に利用されるので、発光効率が向上するのである。
【0064】
具体的には、化学式1で表された縮合環化合物は、下記数式1を満足することができる。
△EST=S1-T1≦0.3eV ...1
S1は、縮合環化合物の一重項エネルギー準位で、T1は、縮合環化合物の三重項エネルギー準位である。
【0065】
一実施形態による縮合環化合物は、化学式1で表される縮合環構造を含むことにより、N原子とB原子との多重共鳴(multiple resonance)により、HOMO(highest occupied molecular orbital)とLUMO(lowest unoccupied molecular orbital)とを分離させ、熱活性化遅延蛍光(TADF)特性を有することができる。併せて、縮合環化合物は、ホウ素原子を含む複数の縮合環モイエティが、ベンゼン環を共有しながら縮合された強固な(rigid)骨格を有するために、転移(transition)前後の構造変化が小さく、安定性が向上する。
【0066】
また、化学式1で表される縮合環化合物は、1分子内に2個のホウ素原子を含み、多重共鳴効果を増幅させ、さらに一層高い吸収性と発光効率とを有する。
【0067】
また、化学式1で表される縮合環化合物に結合された電子吸引性基は、HOMO及びLUMOの分離中、LUMO分離に寄与し、原子レベルでの多重共鳴を形成する。
それだけではなく、化学式1で表される縮合環化合物に電子吸引性基を導入し、多重共鳴を維持しながら、電子供与性基を有する場合に比べ、結合解離エネルギー(BDE:bond dissociation energy)を改善させ、寿命特性が向上した。
【0068】
さらに、電子吸引性基の導入から、三重項励起状態と一重項励起状態とのカップリング(spin orbit coupling)が強化され、kRISC値が増大し、TADF特性が向上した。
【0069】
また、化学式1で表される縮合環化合物は、相対的に高い電荷(正孔または電子)輸送能を有するので、化学式1で表される縮合環化合物を採用した有機発光素子において、発光層内での励起子形成の比率が向上し、有機発光素子は、低駆動電圧、高効率、長寿命、及び高い最大量子効率を有することができる。
【0070】
化学式1で表される縮合環化合物の合成方法は、後述する実施例を参照し、当業者が認識することができるであろう。
【0071】
化学式1で表される縮合環化合物のうち少なくとも一つは、有機発光素子の1対の電極間にも使用される。例えば、縮合環化合物は、正孔輸送領域(hole transport region)、電子輸送領域(electron transport region)及び発光層のうち少なくとも一つに含まれてもよい。または、化学式1で表される縮合環化合物は、有機発光素子の1対の電極の外側に位置したキャッピング層材料としても使用される。
【0072】
従って、第1電極と、第1電極に対向した第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置され、発光層を含む有機層と、化学式1で表される縮合環化合物1種以上と、を含む有機発光素子が提供される。
【0073】
一実施形態によれば、有機発光素子の有機層が、化学式1で表される縮合環化合物を含んでもよい。
【0074】
一実施形態によれば、第1電極は、アノードであり、第2電極は、カソードであり、有機層は、化学式1で表される縮合環化合物を含み、
有機層は、第1電極と発光層との間に配置された正孔輸送領域、及び発光層と第2電極との間に配置された電子輸送領域をさらに含み、
正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、電子阻止層、またはその任意の組み合わせを含み、
電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0075】
一実施形態によれば、有機発光素子の発光層が縮合環化合物を含んでもよい。例えば、発光層に含まれた縮合環化合物は、熱活性化遅延蛍光エミッタ(TADF emitter)であり、発光層が遅延蛍光を放出することができる。
【0076】
一実施形態によれば、発光層がホストをさらに含み、発光層に含まれた縮合環化合物は、ドーパントであり、発光層に含まれたホストの含有量は、発光層に含まれた縮合環化合物の含有量よりも多くなる。例えば、縮合環化合物の含有量は、発光層100重量部に対し、0.01重量部~49.99重量部であってもよい。
【0077】
例えば、発光層に含まれたホストは、アントラセン含有化合物、カルバゾール含有化合物、ベンズイミダゾール含有化合物、ホスフィンオキシド含有化合物、アリールアミン化合物、スチリルアミン化合物、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0078】
一実施形態によれば、有機発光素子の発光層が縮合環化合物を含み、発光層が、最大発光波長が420nm以上480nm以下の光を放出することができる。
【0079】
一実施形態によれば、発光層は、第1色光放出発光層であり、
第1電極と第2電極との間に、i)少なくとも1層の第2色光放出発光層が追加して含まれているか、あるいはii)少なくとも1層の第2色光放出発光層、及び少なくとも1層の第3色光放出発光層が追加して含まれており、
第1色光の最大発光波長、第2色光の最大発光波長、及び第3色光の最大発光波長は、互いに同一であるか、あるいは異なっており、
第1色光と第2色光とが互いに混合された混色光、または第1色光、第2色光及び第3色光が互いに混合された混色光が放出されうる。
【0080】
一実施形態によれば、前述の有機発光素子及び薄膜トランジスタを含み、有機発光素子の第1電極と、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極のうち一つとが電気的に接続されている電子装置が提供される。
【0081】
本明細書において、「有機層」は、有機発光素子において、第1電極と第2電極との間に介在された単一及び/または複数の全ての層を示す用語である。「有機層」の層に含まれた物質が有機物に限定されるものではない。
【0082】
[
図1についての説明]
図1は、本発明の一実施形態による有機発光素子10の断面図を概略的に図示したものである。有機発光素子10は、第1電極110、有機層150及び第2電極190を含む。
【0083】
以下、
図1を参照し、本発明の一実施形態による有機発光素子10の構造及び製造方法について説明すれば、次の通りである。
【0084】
[第1電極110]
図1の第1電極110の下部または第2電極190の上部には、基板が追加しても配置される。基板としては、機械的強度、熱安定性、透明性、表面平滑性、取り扱い容易性及び防水性にすぐれるガラス基板またはプラスチック基板を使用することができる。
【0085】
第1電極110は、例えば、基板上部に、第1電極用物質を、蒸着法またはスパッタリング法などを利用して提供することによって形成されてもよい。第1電極110がアノードである場合、正孔注入が容易であるように、第1電極用物質は、高い仕事関数を有する物質のうちから選択されてもよい。
【0086】
第1電極110は、反射型電極、半透過型電極または透過型電極であってもよい。透過型電極である第1電極110を形成するために、第1電極用物質は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、及びその任意の組み合わせのうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。または、半透過型電極または反射型電極である第1電極110を形成するために、第1電極用物質は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)、及びその任意の組み合わせのうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0087】
第1電極110は、単一層である単層構造、または複数の層を有する多層構造を有することができる。例えば、第1電極110は、ITO/Ag/ITOの3層構造を有することができるが、それに限定されるものではない。
【0088】
[有機層150]
第1電極110上部には、有機層150が配置されている。有機層150は、発光層を含む。
【0089】
有機層150は、第1電極110と発光層との間に介在された正孔輸送領域及び発光層と第2電極190の間に介在された電子輸送領域をさらに含んでもよい。
【0090】
[有機層150における正孔輸送領域]
正孔輸送領域は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0091】
正孔輸送領域は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光補助層及び電子阻止層(EBL)のうちから選択された少なくとも1層を含んでもよい。
【0092】
例えば、正孔輸送領域は、複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造を有するか、あるいは第1電極110から順に積層された正孔注入層/正孔輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光補助層、正孔注入層/発光補助層、正孔輸送層/発光補助層または正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層の多層構造を有することができるが、それらに限定されるものではない。
【0093】
正孔輸送領域は、m-MTDATA、TDATA、2-TNATA、NPB(NPD)、β-NPB、TPD、spiro-TPD、spiro-NPB、メチル化された-NPB、TAPC、HMTPD、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン)(TCTA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、下記化学式201で表される化合物、及び下記化学式202で表される化合物のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよい。
【化13】
【化14】
【化15】
...201
【化16】
...202
【0094】
化学式201及び202で、
L201~L204は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
L205は、*-O-*’、*-S-*’、*-N(Q201)-*’、置換もしくは無置換のC1-C20アルキレン基、置換もしくは無置換のC2-C20アルケニレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xa1~xa4は、互いに独立して、0~3の整数のうちから選択され、
xa5は、1~10の整数のうちから選択され、
R201~R204、及びQ201は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択されてもよい。
【0095】
例えば、化学式202で、R201とR202は、選択的に、単結合、ジメチル-メチレン基またはジフェニル-メチレン基を介しても互いに連結され、R203とR204は、選択的に、単結合、ジメチル-メチレン基またはジフェニル-メチレン基を介して互いにも連結される。
【0096】
一実施形態によれば、化学式201及び化学式202で、
L201~L205は、互いに独立して、
フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、及び-N(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;のうちから選択され、
前述のQ31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよい。
【0097】
他の実施形態によれば、xa1~xa4は、互いに独立して、0、1または2であってもよい。
【0098】
さらに他の実施形態によれば、xa5は、1、2、3または4であってもよい。
【0099】
さらに他の実施形態によれば、R201~R204、及びQ201は、互いに独立して、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリルギ及びピリジニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、及び-N(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;のうちから選択されてもよく、
前述のQ31~Q33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照する。
【0100】
さらに他の実施形態によれば、化学式201で、R201~R203のうち少なくとも一つは、互いに独立して、
フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0101】
さらに他の実施形態によれば、化学式202で、i)R201とR202は、単結合を介しても互いに連結され、かつ/またはii)R203とR204は、単結合を介しても互いに連結される。
【0102】
さらに他の実施形態によれば、化学式202で、R201~R204のうち少なくとも一つは、
カルバゾリル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたカルバゾリル基;のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0103】
化学式201で表される化合物は、下記化学式201-1によって表されてもよい。
【化17】
...201-1
【0104】
例えば、化学式201で表される化合物は、下記化学式201-2によって表されてもよく、それに限定されるものではない。
【化18】
...201-2
【0105】
さらに他の例として、化学式201で表される化合物は、下記化学式201-2(1)によって表されてもよく、それに限定されるものではない。
【化19】
...201-2(1)
【0106】
化学式201で表される化合物は、下記化学式201Aによって表されてもよい。
【化20】
...201A
【0107】
例えば、化学式201で表される化合物は、下記化学式201A(1)によって表されてもよく、それに限定されるものではない。
【化21】
...201A(1)
【0108】
さらに他の例として、化学式201で表される化合物は、下記化学式201A-1によって表されてもよく、それに限定されるものではない。
【化22】
...201A-1
【0109】
一実施形態によれば、化学式202で表される化合物は、下記化学式202-1によって表されてもよい。
【化23】
...202-1
【0110】
さらに他の実施形態によれば、化学式202で表される化合物は、下記化学式202-1(1)によって表されてもよい。
【化24】
...202-1(1)
【0111】
一方、化学式202で表される化合物は、下記化学式202Aによって表されてもよい。
【化25】
...202A
【0112】
さらに他の実施形態によれば、化学式202で表される化合物は、下記化学式202A-1によって表されてもよい。
【化26】
...202A-1
【0113】
化学式201-1、201-2、201-2(1)、201A,201A(1)、201A-1、202-1、202-1(1)、202A及び202A-1で、
L201~L203、xa1~xa3、xa5、及びR202~R204についての説明は、本明細書に記載されたところを参照し、
L205は、フェニレン基及びフルオレニレン基のうちから選択され、
X211は、O、S及びN(R211)のうちから選択され、
X212は、O、S及びN(R212)のうちから選択され、
R211及びR212についての説明は、本明細書において、R203についての説明を参照し、
R213~R217は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、及びピリジニル基のうちから選択されてもよい。
【0114】
正孔輸送領域は、下記化合物HT1~HT48のうちから選択された少なくとも一つの化合物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【0115】
正孔輸送領域の厚みは、約10nm~約1000nm、例えば、約10nm~約100nmであってもよい。正孔輸送領域が、正孔注入層及び正孔輸送層のうち少なくとも1層を含むならば、正孔注入層の厚みは、約10nm~約900nm、例えば、約10nm~約100nmであり、正孔輸送層の厚みは、約5nm~約200nm、例えば、約10nm~約150nmであってもよい。正孔輸送領域、正孔注入層及び正孔輸送層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき正孔輸送特性を得ることができる。
【0116】
発光補助層は、発光層で放出される光の波長による光学的共振距離を補償し、光放出効率を向上させる役割を行う層であり、電子阻止層は、電子輸送領域からの電子注入を防止する役割を行う層である。発光補助層及び電子阻止層には、前述のような物質が含まれてもよい。
【0117】
[p-ドーパント]
正孔輸送領域は、前述のような物質以外に、導電性向上のために、電荷生成物質をさらに含んでもよい。電荷生成物質は、正孔輸送領域内に均一に分散されていてもよく、不均一に分散されていてもよい。
【0118】
電荷生成物質は、例えば、p-ドーパントであってもよい。
【0119】
一実施形態によれば、p-ドーパントのLUMO(highest occupied molecular orbital)は、-3.5eV以下であってもよい。
【0120】
p-ドーパントは、キノン誘導体、金属酸化物及びシアノ基含有化合物のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0121】
例えば、p-ドーパントは、
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)及び2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)のようなキノン誘導体;
タングステン酸化物及びモリブデン酸化物のような金属酸化物;
1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN);及び
下記化学式221で表される化合物;のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
<HAT-CN>
【化35】
<F4-TCNQ>
【化36】
【化37】
...221
【0122】
化学式221で、
R221~R223は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択されるが、前述のR221~R223のうち少なくとも一つは、シアノ基、-F、-Cl、-Br、-I、-Fで置換されたC1-C20アルキル基、-Clで置換されたC1-C20アルキル基、-Brで置換されたC1-C20アルキル基、及び-Iで置換されたC1-C20アルキル基のうちから選択された少なくとも一つの置換基を有する。
【0123】
[有機層150における発光層]
有機発光素子10がフルカラー有機発光素子である場合、発光層は、副画素毎に、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層にパターニングされてもよい。または、発光層は、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層のうちから選択された2以上の層が接触または離隔されて積層された構造を有するか、あるいは赤色光放出物質、緑色光放出物質及び青色光放出物質のうちから選択された2以上の物質が、層区分なしに混合された構造を有し、白色光を放出することができる。
【0124】
発光層は、ホスト及びドーパントを含んでもよい。ドーパントは、リン光ドーパント及び蛍光ドーパントのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0125】
発光層において、ドーパントの含有量は、一般的、にホスト約100重量部に対し、約0.01重量部~約15重量部の範囲から選択されてもよく、それに限定されるものではない。
発光層の厚みは、約10nm~約100nm、例えば、約20nm~約60nmであってもよい。発光層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な発光特性を示すことができる。
【0126】
[発光層におけるホスト]
ホストは、下記化学式301で表される化合物を含んでもよい。
[Ar301]xb11-[(L301)xb1-R301]xb21 ...301
【0127】
化学式301で、
Ar301は、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xb11は、1、2または3であり、
L301は、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xb1は、0~5の整数のうちから選択され、
R301は、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC1-C60アルキル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルケニル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルキニル基、置換もしくは無置換のC1-C60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q301)(Q302)(Q303)、-N(Q301)(Q302)、-B(Q301)(Q302)、-C(=O)(Q301)、-S(=O)2(Q301)、及び-P(=O)(Q301)(Q302)のうちから選択され、
xb21は、1~5の整数のうちから選択され、
Q301~Q303は、互いに独立して、C1-C10 アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0128】
一実施形態によれば、化学式301でAr301は、
ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、インデノアントラセニル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、インデノアントラセニル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニルン基;のうちから選択され、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0129】
化学式301で、xb11が2以上である場合、2以上のAr301は、単結合を介しても互いに連結される。
【0130】
他の実施形態によれば、化学式301で表される化合物は、下記化学式301-1または301-2によって表されてもよい。
【化38】
...301-1
【化39】
...301-2
【0131】
化学式301-1~301-2で、
A301~A304は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ピリジン、ピリミジン、インデン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、インドール、カルバゾール、ベンゾカルバゾール、ジベンゾカルバゾール、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ナフトフラン、ベンゾナフトフラン、ジナフトフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ナフトチオフェン、ベンゾナフトチオフェン及びジナフトチオフェンのうちから選択される環構造であり、
X301は、O、SまたはN-[(L304)xb4-R304]であり、
R311~R314は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択され、
xb22及びxb23は、互いに独立して、0、1または2であり、
L301、xb1、R301、及びQ31~Q33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照し、
L302~L304についての説明は、互いに独立して、L301についての説明を参照し、
xb2~xb4についての説明は、互いに独立して、xb1についての説明を参照し、
R302~R304についての説明は、互いに独立して、R301についての説明を参照する。
【0132】
例えば、化学式301,301-1及び301-2で、L301~L304は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;のうちから選択され、
前述のQ31~Q33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照することができる。
【0133】
他の例として、化学式301,301-1及び301-2で、R301~R304は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;並びに
水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;のうちから選択され、
前述のQ31~Q33についての説明は、本明細書に記載されたところを参照することができる。
【0134】
さらに他の例として、ホストは、アルカリ土類金属錯体を含んでもよい。例えば、ホストは、Be錯体(例えば、下記化合物H55)、Mg錯体及びZn錯体のうちから選択されてもよい。
【0135】
ホストは、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(ADN)、2-メチル-9,10-ビス(ナフチレン-2-イル)アントラセン(MADN)、9,10-ジ-(2-ナフチル)-2-t-ブチル-アントラセン(TBADN)、4,4’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニル(CBP)、1,3-ジ-9-カルバゾリルベンゼン(mCP)、1,3,5-トリ(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(TCP)、及び下記化合物H1~H55のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【0136】
[有機層150における発光層に含まれたリン光ドーパント]
リン光ドーパントは、下記化学式401で表される有機金属錯体を含んでもよい。
M(L
401)
xc1(L
402)
xc2 ...401
【化47】
...402
【0137】
化学式401及び402で、
Mは、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、ロジウム(Rh)及びツリウム(Tm)のうちから選択され、
L401は、化学式402で表されるリガンドのうちから選択され、xc1は、1、2または3であり、xc1が2以上である場合、2以上のL401は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
L402は、有機リガンドであり、xc2は、0~4の整数のうちから選択され、xc2が2以上である場合、2以上のL402は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、
X401~X404は、互いに独立して、窒素または炭素であり、
X401とX403は、単結合または二重結合を介して連結され、X402とX404は、単結合または二重結合を介して連結され、
A401及びA402は、互いに独立して、C5-C60炭素環基またはC1-C60ヘテロ環基であり、
X405は、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(=O)-*’、*-N(Q411)-*’、*-C(Q411)(Q412)-*’、*-C(Q411)=C(Q412)-*’、*-C(Q411)=*’または*=C=*’であり、前述のQ411及びQ412は、水素、重水素、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェリニル基、ターフェニリル基またはナフチル基であり、
X406は、単結合、OまたはSであり、
R401及びR402は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC1-C20アルキル基、置換もしくは無置換のC1-C20アルコキシ基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q401)(Q402)(Q403)、-N(Q401)(Q402)、-B(Q401)(Q402)、-C(=O)(Q401)、-S(=O)2(Q401)、及び-P(=O)(Q401)(Q402)のうちから選択され、前述のQ401~Q403は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、C6-C20アリール基及びC1-C20ヘテロアリール基のうちから選択され、
xc11及びxc12は、互いに独立して、0~10の整数のうちから選択され、
化学式402で、*及び*’は、化学式401において、Mとの結合サイトである。
【0138】
一実施形態によれば、化学式402で、A401及びA402は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、インデン、ピロール、チオフェン、フラン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、キノキサリン、キナゾリン、カルバゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、イソベンゾオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェンのうちから選択される環構造であってもよい。
【0139】
他の実施形態によれば、化学式402で、i)X401は、窒素であり、X402は、炭素であるか、あるいはii)X401とX402とがいずれも窒素であってもよい。
【0140】
さらに他の実施形態によれば、化学式402で、R401及びR402は、互いに独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、フェニル基、ナフチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基及びノルボルネニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;並びに
-Si(Q401)(Q402)(Q403)、-N(Q401)(Q402)、-B(Q401)(Q402)、-C(=O)(Q401)、-S(=O)2(Q401)及び-P(=O)(Q401)(Q402);のうちから選択され、
前述のQ401~Q403は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0141】
さらに他の実施形態によれば、化学式401で、xc1が2以上である場合、2以上のL401において、2個のA401は、選択的に、連結基であるX407を介して互いに連結されるか、あるいは2個のA402は、選択的に、連結基であるX408を介しても互いに連結される(下記化合物PD1~PD4、及びPD7参照)。X407及びX408は、互いに独立して、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(=O)-*’、*-N(Q413)-*’、*-C(Q413)(Q414)-*’または*-C(Q413)=C(Q414)-*’(ここで、Q413及びQ414は、互いに独立して、水素、重水素、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基またはナフチル基)であってもよいが、それらに限定されるものではない。
【0142】
化学式401でL402は、任意の一価、二価または三価の有機リガンドであってもよい。例えば、L402は、ハロゲン、ジケトン(例えば、アセチルアセトネート)、カルボン酸(例えば、ピコリネート)、-C(=O)、イソニトリル、-CN及びホスホロス(例えば、ホスフィン(phosphine)、ホスファイト(phosphite))のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0143】
または、リン光ドーパントは、例えば、下記化合物PD1~PD25のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【化48】
【化49】
【化50】
【0144】
[発光層における蛍光ドーパント]
蛍光ドーパントは、化学式1で表される縮合環化合物を含んでもよい。化学式1で表される縮合環化合物は、熱活性遅延蛍光エミッタであってもよい。
【0145】
蛍光ドーパントは、アリールアミン化合物またはスチリルアミン化合物をさらに含んでもよい。
【0146】
蛍光ドーパントは、下記化学式501で表される化合物を含んでもよい。
【化51】
...501
【0147】
化学式501で、
Ar501は、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
L501~L503は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xd1~xd3は、互いに独立して、0~3の整数のうちから選択され、
R501及びR502は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xd4は、1~6の整数のうちから選択されてもよい。
【0148】
一実施形態によれば、化学式501でAr501は、
ナフチル基、ヘプタレニル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニルン基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、インデノアントラセニル基及びインデノフェナントレニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、ナフチル基、ヘプタレニル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、インデノアントラセニル基及びインデノフェナントレニル基のうちから選択されてもよい。
【0149】
他の実施形態によれば、化学式501で、L501~L503は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基;及び
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基;のうちから選択されてもよい。
【0150】
さらに他の実施形態によれば、化学式501で、R501及びR502は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基及び-Si(Q31)(Q32)(Q33)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;のうちから選択され、
前述のQ31~Q33は、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよい。
【0151】
さらに他の実施形態によれば、化学式501でxd4は、2であってもよいが、それに限定されるものではない。
【0152】
例えば、蛍光ドーパントは、下記化合物FD1~FD22のうちから選択されてもよい。
【化52】
【化53】
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【0153】
または、蛍光ドーパントは、下記化合物のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【化61】
【化62】
【0154】
[有機層150における電子輸送領域]
電子輸送領域は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0155】
電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層及び電子注入層のうちから選択された少なくとも1層を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0156】
例えば、電子輸送領域は、発光層から順に積層された電子輸送層/電子注入層、正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層、電子調節層/電子輸送層/電子注入層、またはバッファ層/電子輸送層/電子注入層などの構造を有することができるが、それらに限定されるものではない。
【0157】
電子輸送領域(例えば、電子輸送領域における、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層または電子輸送層)は、π電子欠乏性含窒素環を少なくとも一つ含む金属非含有化合物を含んでもよい。
【0158】
「π電子欠乏性含窒素環」は、環形成モイエティであり、少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有するC1-C60ヘテロ環基を意味する。
【0159】
例えば、「π電子欠乏性含窒素環」は、i)少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有する5員~7員のヘテロ単環基である、ii)少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有する5員~7員のヘテロ単環基において、2以上が互いに縮合されているヘテロ多環基であるか、またはiii)少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有する5員~7員のヘテロ単環基のうち少なくとも一つと、少なくとも1つのC5-C60炭素環基とが互いに縮合されているヘテロ多環基であってもよい。
【0160】
π電子欠乏性含窒素環の具体例としては、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インダゾール環、プリン環、キノリン環、イソキノリン環、ベンゾキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、ベンゾイミダゾール環、イソベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾル環、イソベンゾオキサゾル環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、チアジアゾール環、イミダゾピリジン環、イミダゾピリミジン環、アザカルバゾール環などを挙げることができるが、それらに限定されるものではない。
【0161】
例えば、電子輸送領域は、下記化学式601で表される化合物を含んでもよい。
[Ar601]xe11-[(L601)xe1-R601]xe21 ...601
【0162】
化学式601で、
Ar601は、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
xe11は、1、2または3であり、
L601は、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価非芳香族縮合多環基、及び置換もしくは無置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環基のうちから選択され、
xe1は、0~5の整数のうちから選択され、
R601は、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q601)(Q602)(Q603)、-C(=O)(Q601)、-S(=O)2(Q601)、及び-P(=O)(Q601)(Q602)のうちから選択され、
前述のQ601~Q603は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基またはナフチル基であり、
xe21は、1~5の整数のうちから選択される。
【0163】
一実施形態によれば、xe11個のAr601、及びxe21個のR601のうち少なくとも一つは、前述のようなπ電子欠乏性含窒素環を含んでもよい。
【0164】
一実施形態によれば、化学式601で環Ar601は、
フェニル基、ナフタレニル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、インデノアントラセニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、チアジアゾリルル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ナフタレニル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、インデノアントラセニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、チアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾール基;のうちから選択されてもよく、
前述のQ31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよい。
【0165】
化学式601で、xe11が2以上である場合、2以上のAr601は、単結合を介しても互いに連結される。
【0166】
他の実施形態によれば、化学式601で、Ar
601は、アントラセニル基であってもよい。
さらに他の実施形態によれば、化学式601で表される化合物は、下記化学式601-1によって表されてもよい。
【化63】
...601-1
【0167】
化学式601-1で、
X614は、NまたはC(R614)であり、X615は、NまたはC(R615)であり、X616は、NまたはC(R616)であり、X614~X616のうち少なくとも一つは、Nであり、
L611~L613は、互いに独立して、L601についての説明を参照し、
xe611~xe613は、互いに独立して、xe1についての説明を参照し、
R611~R613は、互いに独立して、R601についての説明を参照し、
R614~R616は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基及びナフチル基のうちから選択されてもよい。
【0168】
一実施形態によれば、化学式601及び601-1で、L601、及びL611~L613は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソオキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0169】
他の実施形態によれば、化学式601及び601-1で、xe1、及びxe611~xe613は、互いに独立して、0、1または2であってもよい。
【0170】
さらに他の実施形態によれば、化学式601及び601-1で、R601、及びR611~R613は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;並びに
-S(=O)2(Q601)及び-P(=O)(Q601)(Q602);のうちから選択され、
Q601及びQ602についての説明は、本明細書に記載されたところを参照する。
【0171】
電子輸送領域は、下記化合物ET1~ET36のうちから選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化64】
【化65】
【化66】
【化67】
【化68】
【化69】
【化70】
【化71】
【化72】
【化73】
【化74】
【化75】
【0172】
または、電子輸送領域は、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、Alq3、BAlq、3-(ビフェニル-4-イル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾール(TAZ)及びNTAZのうちから選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよい。
【化76】
【0173】
バッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みは、互いに独立して、約2nm~約100nm、例えば、約3nm~約30nmであってもよい。バッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な正孔阻止特性または電子調節特性を得ることができる。
【0174】
電子輸送層の厚みは、約10nm~約100nm、例えば、約15nm~約50nmであってもよい。電子輸送層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子輸送特性を得ることができる。
【0175】
電子輸送領域(例えば、電子輸送領域における電子輸送層)は、前述のような物質以外に、金属含有物質をさらに含んでもよい。
【0176】
金属含有物質は、アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよい。アルカリ金属錯体の金属イオンは、Liイオン、Naイオン、Kイオン、Rbイオン及びCsイオンのうちから選択されてもよく、アルカリ土類金属錯体の金属イオンは、Beイオン、Mgイオン、Caイオン、Srイオン及びBaイオンのうちから選択されてもよい。アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体の金属イオンに配位されたリガンドは、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン及びシクロペンタジエンのうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0177】
例えば、金属含有物質は、Li錯体を含んでもよい。Li錯体は、例えば、下記化合物ET-D1(リチウムキノレート(LiQ))またはET-D2を含んでもよい。
【化77】
【0178】
電子輸送領域は、第2電極190からの電子注入を容易にする電子注入層を含んでもよい。電子注入層は、第2電極190と直接(directly)接触することができる。
【0179】
電子注入層は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、またはiii)複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0180】
電子注入層は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせを含んでもよい。
【0181】
アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb及びCsのうちから選択されてもよい。一実施形態によれば、アルカリ金属は、Li、NaまたはCsであってもよい。他の実施形態によれば、アルカリ金属は、LiまたはCsであってもよく、それらに限定されるものではない。
【0182】
アルカリ土類金属は、Mg、Ca、Sr、及びBaのうちから選択されてもよい。
【0183】
希土類金属は、Sc、Y、Ce、Tb、Yb及びGdのうちから選択されてもよい。
アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物及び希土類金属化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属の酸化物及びハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化化物、ヨウ化物など)のうちから選択されてもよい。
【0184】
アルカリ金属化合物は、Li2O、Cs2O、K2Oのようなアルカリ金属酸化物、及びLiF、NaF、CsF、KF、LiI、NaI、CsI、KIのようなアルカリ金属ハロゲン化物のうちから選択されてもよい。一実施形態によれば、アルカリ金属化合物は、LiF、Li2O、NaF、LiI、NaI、CsI、KIのうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0185】
アルカリ土類金属化合物は、BaO、SrO、CaO、BaxSr1-xO(0<x<1)、BaxCa1-xO(0<x<1)のようなアルカリ土類金属化合物のうちから選択されてもよい。一実施形態によれば、アルカリ土類金属化合物は、BaO、SrO及びCaOのうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0186】
希土類金属化合物は、YbF3、ScF3、ScO3、Y2O3、Ce2O3、GdF3、TbF3、YbI3、ScI3及びTbI3のうちから選択されてもよい。一実施形態によれば、希土類金属化合物は、YbF3、ScF3、TbF3、YbI3、ScI3、TbI3のうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0187】
アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体及び希土類金属錯体は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属のイオンを含み、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体及び希土類金属錯体の金属イオンに配位されたリガンドは、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン及びシクロペンタジエンのうちから選択されてもよく、それらに限定されるものではない。
【0188】
電子注入層は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせだけからなるか、あるいは有機物をさらに含んでもよい。電子注入層が有機物をさらに含む場合、前述のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせは、有機物からなるマトリックスに均一にまたは不均一にも分散されている。
【0189】
電子注入層の厚みは、約0.1nm~約10nm、約0.3nm~約9nmであってもよい。電子注入層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子注入特性を得ることができる。
【0190】
[第2電極190]
前述のような有機層150上部には、第2電極190が配置されている。第2電極190は、電子注入電極であるカソードであってもよく、このとき、第2電極190用物質としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物、及びそれらの組み合わせを使用することができる。
【0191】
第2電極190は、リチウム(Li)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)ITO及びIZOのうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。第2電極190は、透過型電極、半透過型電極または反射型電極であってもよい。
第2電極190は、単一層である単層構造、または複数の層を有する多層構造を有することができる。
【0192】
[
図2~
図4についての説明]
なお、
図2の有機発光素子20は、第1キャッピング層210、第1電極110、有機層150及び第2電極190が順に積層された構造を有し、
図3の有機発光素子30は、第1電極110、有機層150、第2電極190及び第2キャッピング層220が順に積層された構造を有し、
図4の有機発光素子40は、第1キャッピング層210、第1電極110、有機層150、第2電極190及び第2キャッピング層220が順に積層された構造を有する。
【0193】
図2~
図4において、第1電極110、有機層150及び第2電極190についての説明は、
図1についての説明を参照する。
【0194】
有機発光素子20,40の有機層150において、発光層で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第1電極110及び第1キャッピング層210を経て、外部にも取り出され、有機発光素子30,40の有機層150において、発光層で生成された光は、半透過型電極または透過型電極である第2電極190及び第2キャッピング層220を経て外部に取り出されてもよい。
【0195】
第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220は、補強干渉の原理により、外部発光効率を向上させる役割を担う。
【0196】
第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220は、互いに独立して、有機物からなる有機キャッピング層、無機物からなる無機キャッピング層、または有機物及び無機物を含む複合キャッピング層であってもよい。
【0197】
第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層は、互いに独立して、炭素環化合物、ヘテロ環化合物、アミン系化合物、ポルフィン誘導体(porphine derivatives)、フタロシアニン誘導体(phthalocyanine derivatives)、ナフタロシアニン誘導体(naphthalocyanine derivatives)、アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体のうちから選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。前述の炭素環化合物、ヘテロ環化合物及びアミン系化合物は、選択的に、O、N、S、Se、Si、F、Cl、Br及びIのうちから選択された少なくとも1つの元素を含む置換基によって置換されてもよい。一実施形態によれば、第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層は、互いに独立して、アミン系化合物を含んでもよい。
【0198】
他の実施形態によれば、第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層は、互いに独立して、化学式201で表される化合物、または化学式202で表される化合物を含んでもよい。
【0199】
さらに他の実施形態によれば、第1キャッピング層210及び第2キャッピング層220のうち少なくとも1層は、互いに独立して、化合物HT28~HT33、及び下記化合物CP1~CP5のうちから選択された化合物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化78】
【0200】
以上、有機発光素子について、
図1~
図4を参照して説明したが、それらに限定されるものではない。
【0201】
前述の正孔輸送領域に含まれた各層、発光層、及び電子輸送領域に含まれた各層は、それぞれ、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett)法、インクジェットプリンティング法、レーザプリンティング法、レーザ熱転写(LITI:laser induced thermal imaging)法のような多様な方法を利用し、所定領域にも形成される。
【0202】
真空蒸着法により、前述の正孔輸送領域に含まれた各層、発光層、電子輸送領域に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、蒸着条件は、例えば、約100~約500℃の蒸着温度、約10-8~約10-3torrの真空度、及び約0.001nm/sec~約10nm/secの蒸着速度の範囲内において、形成する層に含まれる材料、及び形成する層の構造を考慮して選択されてもよい。
【0203】
スピンコーティング法により、前述の正孔輸送領域に含まれた各層、発光層、及び電子輸送領域に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、該コーティング条件は、例えば、約2,000rpm~約5,000rpmのコーティング速度、及び約80℃~200℃の熱処理温度の範囲内において、形成する層に含まれる材料、及び形成する層の構造を考慮して選択されてもよい。
【実施例】
【0204】
以下において、合成例及び実施例を挙げ、本発明の一実施形態による化合物及び有機発光素子について、さらに具体的に説明する。下記合成例において、「Aの代わりにBを使用した」という表現において、Aのモル当量とBのモル当量は、互いに同一である。
【0205】
合成例1:化合物1の合成
(中間体化合物1-1の合成)
【化79】
【0206】
4,6-ジブロモイソフタロニトリル(8.11g)、ジフェニルアミン(10.1g、60mM)、Na-t-ブトキシド(8.60g、90mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g、1.2mM)、Pd2(dba)3(550mg、0.6mM)、トルエン(300mL)をフラスコに入れ、80℃で15時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物1-1(4-ブロモ-6-(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル)5.66gを得た(収率:43%)。
【0207】
【0208】
中間体化合物1-1(4-ブロモ-6-(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル)(5.66g)、アニリン(20.3mL、223mM)、Na-t-ブトキシド(25.5g、265mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g、1.2mM)、Pd2(dba)3(971mg、1.06mM)、トルエン(400mL)をフラスコに入れ、110℃で18時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物1-2(4-(ジフェニルアミノ)-6-(フェニルアミノ)イソフタロニトリル)3.4gを得た(収率:60%)。
【0209】
【0210】
中間体化合物1-2(4-(ジフェニルアミノ)-6-(フェニルアミノ)イソフタロニトリル)(3.4g)、1,3-ジブロモベンゼン(25.0g、106mM)、Na-t-ブトキシド(1.47g、15mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(60.7mg)、Pd2(dba)3(0.140g、0.15mM)、トルエン(200mL)をフラスコに入れ、110℃で8時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物1-3(6,6’-(1,3-フェニレンビス(フェニルアザネジイル))ビス(4-(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル))3.0gを得た(収率:87%)。
【0211】
【0212】
中間体化合物1-3(6,6’-(1,3-フェニレンビス(フェニルアザネジイル))ビス(4-(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル))(3.0g)、o-ジクロロベンゼン(o-DCB)(400mL)をフラスコに入れ、室温でBBr3(1.13mL、12mM)を添加した。その後、180℃まで温度を上げ、20時間撹拌して反応させた後、440℃で、昇華精製を介し、化合物1を得た(1.17g)。
【0213】
合成例2:化合物6の合成
(中間体化合物6-1-1の合成)
【化83】
【0214】
4-ブロモ-6-フルオルイソフタロニトリル(5.5g)、3-クロロフェノール(3.00g)、Cs2CO3(10.0g)、N-メチルピロリドン(NMP)(300mL)をフラスコに入れ、140℃で13時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物6-1-1(4-ブロモ-6-(3-クロロフェニキシ)イソフタロニトリル)4.9gを得た(収率89%)。
【0215】
【0216】
中間体化合物6-1-1(4-ブロモ-6-(3-クロロフェニキシ)イソフタロニトリル)(4.9g)、アニリン(20.3mL、223mM)、Na-t-ブトキシド(25.5g、265mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g)、Pd2(dba)3(971mg、1.06mM)、トルエン(400mL)をフラスコに入れ、110℃で18時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物6-1-2(4-(3-クロロフェニキシ)-6-(フェニルアミノ)イソフタロニトリル)3.4gを得た(収率:85%)。
【0217】
【0218】
4,6-ジブロモイソフタロニトリル(4,6-ジブロモイソフタロニトリル)(8.11g、30mM)、ジフェニルアミン(10.1g、60mM)、Na-t-ブトキシド(8.60g、90mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g)、Pd2(dba)3(550mg、0.6mM)、トルエン(300mL)をフラスコに入れ、80℃で15時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物6-2-1(4-ブロモ-6-(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル)5.66gを得た(収率:43%)。
【0219】
【0220】
中間体化合物6-2-1(4-ブロモ-6-(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル)(5.66g)、ジフェニルアミン(10.1g、60mM)、Na-t-ブトキシド(8.60g、90mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g、1.2mM)、Pd2(dba)3(550mg、0.6mM)、トルエン(300mL)をフラスコに入れ、80℃で15時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物6-2-2(4,6-ビス(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル)3.8gを得た(収率:60%)。
【0221】
【0222】
中間体化合物6-1-2(4-(3-クロロフェニキシ)-6-(フェニルアミノ)イソフタロニトリル)(3.4g)、中間体化合物6-2-2(4,6-ビス(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル)(3.8g)、ジフェニルアミン(10.1g、60mM)、Na-t-ブトキシド(8.60g、90mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g)、Pd2(dba)3(550mg、0.6mM)、トルエン(300mL)をフラスコに入れ、80℃で15時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物6-3(4-((3-((2、4-ジシアノ-5-(ジフェニルアミノ)フェニル)(フェニル)アミノ)フェニル)(フェニル)アミノ)-6-フェノキシイソフタロニトリル)2.1gを得た(収率:60%)。
【0223】
【0224】
中間体化合物6-3(4-((3-((2、4-ジシアノ-5-(ジフェニルアミノ)フェニル)(フェニル)アミノ)フェニル)(フェニル)アミノ)-6-フェノキシイソフタロニトリル)(2.1g)、o-DCB(400mL)をフラスコに入れ、室温でBBr3(1.13mL、12mM)を加えた。その後、180℃までスングオンして20時間撹拌して反応させた後、440℃で、昇華精製を介し、化合物6を得た。(50mg)
【0225】
合成例3:化合物9の合成
(中間体化合物9-1の合成)
【化89】
【0226】
1,3-ジブロモ-5-フルオロベンゼン(1,3-ジブロモ-5-フルオロベンゼン)(8.0g)、ジフェニルアミン(10.1g、60mM)、Na-t-ブトキシド(8.60g、90mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g)、Pd2(dba)3(550mg、0.6mM)、トルエン(300mL)をフラスコに入れ、80℃で15時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物9-1(3-ブロモ-5-フルオロ-N,N-ジフェニルアニリン)5.5gを得た(収率:43%)。
【0227】
【0228】
中間体化合物9-1(3-ブロモ-5-フルオロ-N,N-ジフェニルアニリン)(5.5g)、アニリン(20.3mL、223mM)、Na-t-ブトキシド(25.5g、265mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g)、Pd2(dba)3(971mg、1.06mM)、トルエン(400mL)をフラスコに入れ、110℃で18時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物9-2(5-フルオロ-N1,N1,N3-トリフェニルベンゼン-1,3-ジアミン)3.2gを得た(収率:60%)。
【0229】
【0230】
中間体化合物9-2(5-フルオロ-N1,N1,N3-トリフェニルベンゼン-1,3-ジアミン)(3.2g)、1,3-ジブロモベンゼン(25.0g、106mM)、Na-t-ブトキシド(1.47g、15mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(60.7mg)、Pd2(dba)3(0.140g、0.15mM)、トルエン(200mL)をフラスコに入れ、110℃で8時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物9-3(N1,N1’-(1,3-フェニレン)ビス(5-フルオロ-N1,N3,N3-トリフェニルベンゼン-1,3-ジアミン))2.7gを得た(収率:87%)。
【0231】
【0232】
中間体化合物9-3(N1,N1’-(1,3-フェニレン)ビス(5-フルオロ-N1,N3,N3-トリフェニルベンゼン-1,3-ジアミン))(2.7g)、o-DCB(400mL)をフラスコに入れ、室温でBBr3(1.13mL、12mM)を加えた。その後、180℃まで温度を上げ、20時間撹拌して反応させた後、440℃で、昇華精製を介し、化合物9を得た(1.0g)。
【0233】
合成例4:化合物12の合成
(中間体化合物12-1の合成)
【化93】
【0234】
4,6-ジフルオロイソフタロニトリル(5.8g)、レゾルシノール(resorcinol)(3.10g、29mM)、Cs2CO3(10.0g)、NMP(300mL)をフラスコに入れ、140℃で13時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物12-1(6,6’-(1,3-フェニレンビス(オキシ))ビス(4-フルオロイソフタロニトリル))3.4gを得た(収率60%)。
【0235】
【0236】
中間体化合物12-1(6,6’-(1,3-フェニレンビス(オキシ))ビス(4-フルオロイソフタロニトリル))(3.4g)、フェノール(3.0g)、Cs2CO3(10.0g)、NMP(300mL)をフラスコに入れ、140℃で13時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物12-2(6,6’-(1,3-フェニレンビス(オキシ))ビス(4-フェノキシイソフタロニトリル))2.3gを得た(収率73%)。
【0237】
【0238】
中間体化合物12-2(6,6’-(1,3-フェニレンビス(オキシ))ビス(4-フェノキシイソフタロニトリル))(2.3g)、o-キシレン(500mL)をフラスコに入れ、室温でBBr3(0.832mL、8.8mM)を加えた。その後、150℃に昇温し、24時間撹拌して反応させた後、N-ジイソプロピルエチルアミン(5.60mL、33mM)を加えた後、昇華精製を介し、化合物12を得た(50mg)。
【0239】
合成例5:化合物17の合成
(中間体化合物17-1の合成)
【化96】
【0240】
2.4-ジブロモベンゾ二トリル(8.0g)、ジフェニルアミン(10.1g、60mM)、Na-t-ブトキシド(8.60g、90mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g、1.2mM)、Pd2(dba)3(550mg、0.6mM)、トルエン(300mL)をフラスコに入れ、80℃で15時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物17-1(4-ブロモ-6-(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル)5.5gを得た(収率:65%)。
【0241】
(中間体化合物17-2の合成)
【化97】
中間体化合物17-1(4-ブロモ-6-(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル)(5.5g)、アニリン(20.3mL、223mM)、Na-t-ブトキシド(25.5g、265mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g)、Pd
2(dba)
3(971mg、1.06mM)、トルエン(400mL)をフラスコに入れ、110℃で18時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物17-2(4-(ジフェニルアミノ)-2-(フェニルアミノ)ベンゾニトリル)3.3gを得た(収率:60%)。
【0242】
【0243】
中間体化合物17-2(4-(ジフェニルアミノ)-2-(フェニルアミノ)ベンゾニトリル)(3.3g)、1,3-ジブロモベンゼン(25.0g、106mM)、Na-t-ブトキシド(1.47g、15mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(60.7mg)、Pd2(dba)3(0.140g、0.15mM)、トルエン(200mL)をフラスコに入れ、110℃で8時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物17-3(6,6’-(1,3-フェニレンビス(フェニルアザネジイル))ビス(4-(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル))2.7gを得た(収率:67%)。
【0244】
【0245】
中間体化合物1-3(6,6’-(1,3-フェニレンビス(フェニルアザネジイル))ビス(4-(ジフェニルアミノ)イソフタロニトリル))(2.7g)、o-DCB(400mL)をフラスコに入れ、室温でBBr3(1.13mL、12mM)を添加した。その後、180℃に昇温し、20時間撹拌して反応させた後、440℃で、昇華精製を介し、化合物17を得た(1.2g)。
【0246】
合成例6:化合物33の合成
(中間体化合物33-1の合成)
【化100】
【0247】
1,5-ジブロモ-2,3-ジフルオロベンゼン(8.2g)、ジフェニルアミン(10.1g、60mM)、Na-t-ブトキシド(8.60g、90mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g、1.2mM)、Pd2(dba)3(550mg、0.6mM)、トルエン(300mL)をフラスコに入れ、80℃で15時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物33-1(3-ブロモ-4,5-ジフルオロ-N,N-ジフェニルアニリン)5.5gを得た(収率:65%)。
【0248】
【0249】
中間体化合物33-1(3-ブロモ-4,5-ジフルオロ-N,N-ジフェニルアニリン)(5.5g)、アニリン(20.3mL、223mM)、Na-t-ブトキシド(25.5g、265mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(0.493g)、Pd2(dba)3(971mg、1.06mM)、トルエン(400mL)をフラスコに入れ、110℃で18時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物33-2(4,5-ジフルオロ-N1,N1,N3-トリフェニルベンゼン-1,3-ジアミン)3.3gを得た(収率:63%)。
【0250】
【0251】
中間体化合物33-2(4,5-ジフルオロ-N1,N1,N3-トリフェニルベンゼン-1,3-ジアミン)(3.3g)、1,3-ジブロモベンゼン(25.0g、106mM)、Na-t-ブトキシド(1.47g、15mM)、トリ-t-ブチルホスフィン(60.7mg)、Pd2(dba)3(0.140g、0.15mM)、トルエン(200mL)をフラスコに入れ、110℃で8時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、カラム分離を介し、中間体化合物33-3(N3,N3’-(1,3-フェニレン)ビス(4,5-ジフルオロ-N1,N1,N3-トリフェニルベンゼン-1,3-ジアミン))2.8gを得た(収率:88%)。
【0252】
【0253】
中間体化合物33-3(N3,N3’-(1,3-フェニレン)ビス(4,5-ジフルオロ-N1,N1,N3-トリフェニルベンゼン-1,3-ジアミン))(2.8g)、o-DCB(400mL)をフラスコに入れ、室温でBBr3(1.13mL、12mM)を添加した。その後、180℃に昇温し、20時間撹拌して反応させた後、440℃で、昇華精製を介し、化合物33を得た(0.9g)。
【0254】
合成例1~6で合成された化合物の1H NMR及びMS/FABを下記表1に示した。
【0255】
表1に示された化合物以外の他の化合物も、前述の合成経路及び原料物質を参照し、当該技術分野の当業者であるならば、その合成方法を容易に認識することができるであろう。
【表1】
【0256】
[評価例]
評価例1:化合物の結合解離エネルギー評価
前述の合成例1~6で合成された化合物、下記化合物A~Fについて、最も弱い中性/陰イオン/陽イオン結合解離エネルギー(weakest neutral/anion/cation bond dissociation energy)を、Gaussian 09プログラムを利用し、B3LYP/6-311G**に基づいた密度汎関数理論(DFT)法によってシミュレーションして計算した。
【表2】
【0257】
【化104】
【化105】
【化106】
【化107】
【化108】
【化109】
【0258】
表2の結果から、本発明の一実施形態による化合物は、比較例化合物A、B、D~F対比で、さらに高い最小結合解離エネルギーを有することにより、比較例化合物に比べ、強固な構造を有し、長寿命に有利な特性を有する。また、比較例化合物Cの場合、単結合を含まないので、最小結合解離エネルギーの測定が不可能であった。
【0259】
評価例2:化合物のkRISC評価
前述の合成例1~8で合成された化合物、化合物A~Fに対し、kRISC値を、下記数式を利用するADFプログラムを使用してシミュレーションして計算し、Gaussian 09プログラムを利用して発光波長台を計算し、Materials Studioプログラムを利用して化合物の分子量を計算し、その結果を下記表3に示した。
【数1】
【表3】
【0260】
表3の結果から、本発明の一実施形態による化合物は、比較例化合物A~F対比で、さらに高いkRISC値を有するので、TADF特性が改善され、低分子量を有するために、deep blue発光波長帯を有する発光層の実現に非常に適する。
【0261】
実施例1
正極は、コーニング(Corning)15Ω/cm2(120nm)ITOガラス基板を、50mm×50mm×0.5mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とを利用し、各15分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄し、真空蒸着装置にガラス基板を設けた。
【0262】
ガラス基板上部に、m-MTDATAを真空蒸着し、60nm厚に正孔注入層を形成した後、正孔注入層上部にNPBを真空蒸着し、10nm厚の正孔輸送層を形成した。
【0263】
次に、正孔輸送層上部に、ホスト及びドーパントとして、それぞれBAlq及び化合物1を、重量比97:3で共蒸着し、30nm厚の発光層を形成した。
【0264】
発光層上部に、BAlqを10nm厚に蒸着し、正孔阻止層を形成し、正孔阻止層上部に、Alq3を20nm厚に蒸着し、電子輸送層を形成した。
【0265】
電子輸送層上部に、LiQを1nm厚に蒸着し、電子注入層を形成し、電子注入層上部に、Alを200nm厚に蒸着し、カソードを形成し、有機発光素子を作製した。
【0266】
実施例2及び5、並びに比較例1~6
発光層の形成時、表4に記載された化合物を使用したことを除いては、実施例1と同様有機発光素子を作製した。
【0267】
評価例3:素子特性評価
実施例1~5、及び比較例1~6で作製した有機発光素子に対し、電流密度10mA/cm
2での効率(cd/A)、発光波長、及び電流密度10mA/cm
2での初期輝度が95%低減するまでの時間(半減寿命)を測定し、下記表4に示した。
【表4】
【0268】
表4の結果から、本発明の一実施形態による化合物を含む実施例1~6の素子は、比較例1~6の素子に比べ、効率及び寿命特性が顕著に向上した。
【0269】
本発明について、前述の合成例及び実施例を参照して説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、本発明に属する技術分野の当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められるのである。
【符号の説明】
【0270】
10,20,30,40 有機発光素子
110 第1電極
150 有機層
190 第2電極
210 第1キャッピング層
220 第2キャッピング層