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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】機器収納用箱体
(51)【国際特許分類】
   A47B 81/00 20060101AFI20241114BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20241114BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
A47B81/00 F
E05B49/00 J
E05B65/00 N
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021041714
(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公開番号】P2022141422
(43)【公開日】2022-09-29
【審査請求日】2024-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】平下 英里
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-046884(JP,A)
【文献】特開2010-095913(JP,A)
【文献】特開2006-182540(JP,A)
【文献】特開2009-271711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00-49/04
E05B 65/00
E05B 77/00-85/28
A47B 81/00
G06K 17/00
G06K 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電用ケースが取り付けられた機器を収納可能な複数の機器収納部を有しており、前記充電用ケースにケース電極が設けられているとともに、前記機器収納部にキャビネット電極が設けられ、前記充電用ケースの前記機器収納部への収納に伴い前記ケース電極と前記キャビネット電極とが接続され、前記充電用ケースが取り付けられた前記機器の充電が可能となっている一方、
前記機器の前記機器収納部からの取り出しを許容/阻止する電子錠、及び前記電子錠の動作を制御する制御装置を有する電子錠装置を備えた機器収納用箱体であって、
各前記機器収納部には1つの前記充電用ケースが取り付けられた前記機器収納可能であり、前記電子錠が各前記機器収納部毎に設けられているとともに、所定の識別情報を入力可能な入力部が設けられている一方、
前記制御装置に、前記識別情報と、前記充電用ケース毎に設定される固有識別情報とが対応づけられて設定されているとともに、
前記充電用ケースに、前記固有識別情報を有するICチップが設けられ、前記機器収納部に、収納されている前記充電用ケースの前記ICチップから前記固有識別情報を読み取り可能な固有読み取り部が設けられており、
前記制御装置は、前記入力部で前記識別情報が入力されると、当該識別情報に対応する前記固有識別情報が設定された前記充電用ケースが収納されている前記機器収納部の前記電子錠を動作させ、前記充電用ケースが取り付けられた前記機器の前記機器収納部からの取り出しを許容/阻止することを特徴とする機器収納用箱体。
【請求項2】
機器を収納可能な複数の機器収納部を有しているとともに、前記機器の前記機器収納部からの取り出しを許容/阻止する電子錠、及び前記電子錠の動作を制御する制御装置を有する電子錠装置を備えた機器収納用箱体であって、
各前記機器収納部には1つの前記機器が収納可能であり、前記電子錠が各前記機器収納部毎に設けられているとともに、所定の識別情報と前記機器収納部を特定する収納位置情報とを入力可能な入力部が設けられており、
前記制御装置は、前記入力部で前記識別情報と前記収納位置情報とが入力されると、前記収納位置情報に対応する前記機器収納部の前記電子錠を動作させ、前記機器の前記機器収納部からの取り出しを阻止するとともに、前記識別情報と前記収納位置情報とを対応づけて記憶する一方、
前記入力部で前記識別情報が入力され、前記識別情報に対応する前記収納位置情報を記憶していると、前記収納位置情報に対応する前記機器収納部の前記電子錠を動作させ、前記機器の前記機器収納部からの取り出しを許容することを特徴とする機器収納用箱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばタブレット端末等の機器を保管するための機器収納用箱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、タブレット端末等の機器を収納して保管するための機器収納用箱体としては、たとえば特許文献1に記載されているようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-121511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の機器収納用箱体では、どの機器が機器収納用箱体に保管され、又、どの機器が機器収納用箱体から取り出されているのかを管理しにくいという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、各機器の保管状況を容易に管理することができる機器収納用箱体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、充電用ケースが取り付けられた機器を収納可能な複数の機器収納部を有しており、前記充電用ケースにケース電極が設けられているとともに、前記機器収納部にキャビネット電極が設けられ、前記充電用ケースの前記機器収納部への収納に伴い前記ケース電極と前記キャビネット電極とが接続され、前記充電用ケースが取り付けられた前記機器の充電が可能となっている一方、前記機器の前記機器収納部からの取り出しを許容/阻止する電子錠、及び前記電子錠の動作を制御する制御装置を有する電子錠装置を備えた機器収納用箱体であって、各前記機器収納部には1つの前記充電用ケースが取り付けられた前記機器収納可能であり、前記電子錠が各前記機器収納部毎に設けられているとともに、所定の識別情報を入力可能な入力部が設けられている一方、前記制御装置に、前記識別情報と、前記充電用ケース毎に設定される固有識別情報とが対応づけられて設定されているとともに、前記充電用ケースに、前記固有識別情報を有するICチップが設けられ、前記機器収納部に、収納されている前記充電用ケースの前記ICチップから前記固有識別情報を読み取り可能な固有読み取り部が設けられており、前記制御装置は、前記入力部で前記識別情報が入力されると、当該識別情報に対応する前記固有識別情報が設定された前記充電用ケースが収納されている前記機器収納部の前記電子錠を動作させ、前記充電用ケースが取り付けられた前記機器の前記機器収納部からの取り出しを許容/阻止することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項2に記載の発明は、機器を収納可能な複数の機器収納部を有しているとともに、前記機器の前記機器収納部からの取り出しを許容/阻止する電子錠、及び前記電子錠の動作を制御する制御装置を有する電子錠装置を備えた機器収納用箱体であって、各前記機器収納部には1つの前記機器が収納可能であり、前記電子錠が各前記機器収納部毎に設けられているとともに、所定の識別情報と前記機器収納部を特定する収納位置情報とを入力可能な入力部が設けられており、前記制御装置は、前記入力部で前記識別情報と前記収納位置情報とが入力されると、前記収納位置情報に対応する前記機器収納部の前記電子錠を動作させ、前記機器の前記機器収納部からの取り出しを阻止するとともに、前記識別情報と前記収納位置情報とを対応づけて記憶する一方、前記入力部で前記識別情報が入力され、前記識別情報に対応する前記収納位置情報を記憶していると、前記収納位置情報に対応する前記機器収納部の前記電子錠を動作させ、前記機器の前記機器収納部からの取り出しを許容することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、各機器収納部には1つの充電用ケースが取り付けられた機器収納可能であり、電子錠が各機器収納部毎に設けられているとともに、所定の識別情報を入力可能な入力部が設けられている。また、制御装置に、識別情報と、充電用ケース毎に設定される固有識別情報とが対応づけられて設定されているとともに、充電用ケースに、固有識別情報を有するICチップが設けられ、機器収納部に、収納されている充電用ケースのICチップから固有識別情報を読み取り可能な固有読み取り部が設けられている。そして、制御装置は、入力部で識別情報が入力されると、当該識別情報に対応する固有識別情報が設定された充電用ケースが収納されている機器収納部の電子錠を動作させ、充電用ケースが取り付けられた機器の機器収納部からの取り出しを許容/阻止するようになっている。すなわち、識別情報と、充電用ケース毎に設定される固有識別情報と、電子錠の動作態様とを関連付けているため、それらを記憶したり表示したりすることが可能であり、各機器(充電用ケースが取り付けられた機器)の保管状況を容易に管理することができる機器収納用箱体とすることができる。また、充電用ケースが取り付けられた機器を収納する機器収納部を都度選択することができるため、使い勝手の良い機器収納用箱体とすることができる。
さらに、充電用ケースが取り付けられた機器を、充電用ケースごと機器収納部に収納可能となっているとともに、各機器収納部にキャビネット電極を設ける一方、充電用ケースに機器収納部への収納に伴ってキャビネット電極に接続されるケース電極を設けている。そのため、充電用ケースごと機器を機器収納部から取り出したり機器収納部に収納したりするだけで、機器を使用したり充電しながら保管したりすることができる。したがって、機器の充電端子に充電ケーブルを接続したり取り外したりする必要のある従来の機器収納用箱体と比べると、機器を容易に充電しながら保管することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、各機器収納部には1つの機器が収納可能であり、電子錠が各機器収納部毎に設けられているとともに、所定の識別情報と機器収納部を特定する収納位置情報とを入力可能な入力部が設けられている。そして、制御装置は、入力部で識別情報と収納位置情報とが入力されると、収納位置情報に対応する機器収納部の電子錠を動作させ、機器の機器収納部からの取り出しを阻止するとともに、識別情報と収納位置情報とを対応づけて記憶する一方、入力部で識別情報が入力され、識別情報に対応する収納位置情報を記憶していると、収納位置情報に対応する機器収納部の電子錠を動作させ、機器の機器収納部からの取り出しを許容するようになっている。すなわち、識別情報と機器が収納される機器収納部とを関連付けているため、それらを記憶したり表示したりすることが可能であり、各機器の保管状況を容易に管理することができる機器収納用箱体とすることができる。また、機器を収納する機器収納部を都度選択することができるため、使い勝手の良い機器収納用箱体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施例となる機器収納用箱体を後側から示した斜視説明図である。
図2】右端の電子錠がロック状態にある機器収納用箱体の電子錠装置、充電用ケースが取り付けられたタブレット端末、及び充電機構部を前側から示した斜視説明図である。
図3】右端の電子錠がロック状態にある機器収納用箱体の電子錠装置、充電用ケースが取り付けられたタブレット端末、及び充電機構部を右側から示した説明図である。
図4】右端の電子錠が解除状態にある機器収納用箱体の電子錠装置、充電用ケースが取り付けられたタブレット端末、及び充電機構部を前側から示した斜視説明図である。
図5】右端の電子錠が解除状態にある機器収納用箱体の電子錠装置、充電用ケースが取り付けられたタブレット端末、及び充電機構部を右側から示した説明図である。
図6】第1実施例となる機器収納用箱体でのタブレット端末の保管、及びタブレット端末の保管状況の管理に係る制御を示したフローチャートである。
図7】第2実施例となる機器収納用箱体を前側から示した斜視説明図である。
図8】左から2つ目の電子錠がロック状態にある機器収納用箱体の電子錠装置、及びタブレット端末を前側から示した斜視説明図である。
図9】左から2つ目の電子錠がロック状態にある機器収納用箱体の電子錠装置、及びタブレット端末を右側から示した説明図である。
図10】左から2つ目の電子錠が解除状態にある機器収納用箱体の電子錠装置、及びタブレット端末を右側から示した説明図である。
図11】第2実施例となる機器収納用箱体でのタブレット端末の保管、及びタブレット端末の保管状況の管理に係る制御を示したフローチャートである。
図12】第3実施例となる機器収納用箱体を前側から示した斜視説明図である。
図13】右端の電子錠がロック状態にある機器収納用箱体の電子錠装置、充電用ケースが取り付けられたタブレット端末、及び充電機構部を前側から示した斜視説明図である。
図14】第3実施例となる機器収納用箱体でのタブレット端末の保管、及びタブレット端末の保管状況の管理に係る制御を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態となる機器収納用箱体(以下、単に箱体と称す)について図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
(第1実施例)
図1は、第1実施例となる箱体1を後側から示した斜視説明図である。図2は、右端の電子錠11がロック状態にある箱体1の電子錠装置3、充電用ケース5が取り付けられたタブレット端末50、及び充電機構部を前側から示した斜視説明図である。図3は、右端の電子錠11がロック状態にある箱体1の電子錠装置3、充電用ケース5が取り付けられたタブレット端末50、及び充電機構部を右側から示した説明図である。図4は、右端の電子錠11が解除状態にある箱体1の電子錠装置3、充電用ケース5が取り付けられたタブレット端末50、及び充電機構部を前側から示した斜視説明図である。図5は、右端の電子錠11が解除状態にある箱体1の電子錠装置3、充電用ケース5が取り付けられたタブレット端末50、及び充電機構部を右側から示した説明図である。図6は、第1実施例となる箱体1でのタブレット端末の保管、及びタブレット端末の保管状況の管理に係る制御を示したフローチャートである。
【0011】
第1実施例となる箱体1は、機器としてのタブレット端末50を保管するためのものであって、底面の四隅に脚部が設けられた箱本体2と、タブレット端末50の箱本体2からの取り出しを許容/阻止する電子錠装置3とを備えてなる。箱本体2には、タブレット端末50を充電用ケース5ごと収納可能な機器収納凹部4、4・・が、左右方向へ複数並べて設けられている。各機器収納凹部4は、箱本体2の前面に開口しており、機器収納凹部4の左右幅、上下長さ、及び前後深さは、それぞれ充電用ケース5の厚み、上下長さ、及び前後深さと略同じ程度とされている。また、各機器収納凹部4の底部(後面)には、後述する充電用ケース5のケース電極8と接続可能なキャビネット電極6が設けられており、キャビネット電極6、6・・は、充電機構部の一要素として箱本体2内に配設されている電線7に電気的に接続されている。さらに、各機器収納凹部4の底部には、充電用ケース5に内蔵されているICチップ(図示せず)を読み取るためのチップ読み取り部9が設けられている。なお、電線7は、箱本体2に設けられた図示しない電源供給部(充電機構部の一要素であって、たとえば電源プラグ又は電源コンセント)に接続されており、その電源供給部を介してキャビネット電極6、6・・へ商用電力が供給されるようになっている。
【0012】
充電用ケース5は、右側面に開口する方体箱状に形成されており、開口が右側面に位置する当該姿勢のまま機器収納凹部4内へ収納可能となっている。また、充電用ケース5には、タブレット端末50の操作面を右側面の開口内に露出させた状態で、その表面を覆うようにタブレット端末50を取付可能となっている。さらに、充電用ケース5の後壁には、前方(ケース内側)へ突出してタブレット端末50の充電端子(図示せず)に接続可能な端末コネクタ(図示せず)が設けられているとともに、後方(ケース外側)に露出してキャビネット電極6に接続可能なケース電極8が設けられている。さらにまた、各充電用ケース5の後壁には、夫々異なる固有識別情報を有するICチップが内蔵されている。加えて、充電用ケース5の上壁には、後述するように動作する電子錠11のロックバー12が掛止する掛止凹部10が設けられている。なお、端末コネクタとケース電極8とは、充電用ケース5の後壁に内蔵されている電路(図示せず)によって電気的に接続されている。また、充電用ケースとしては、上記充電用ケース5以外に、タブレット端末の種類(充電端子の種類及び/又は位置、タブレット端末の大きさや形状等)に応じて端末コネクタの種類及び/又は位置、右側面の開口の大きさや形状等が異なる複数種類のものが準備されている。
【0013】
一方、電子錠装置3は、各機器収納凹部4毎に対応して設けられた複数の電子錠11、11・・と、電子錠11、11・・の動作を制御する制御装置15とを備えてなる。電子錠11は、各機器収納凹部4の上方に設けられており、上下方向に出没動作するロックバー12と、ロックバー12を作動させるための駆動部13とを有している。ロックバー12は、上下方向へ延びる柱体であり、機器収納凹部4内まで下方へ突出して、機器収納凹部4に収納されている充電用ケース5の掛止凹部10内に入り込むロック位置と、機器収納凹部4外まで上方へ没入して、掛止凹部10から抜け出す解除位置との間で移動可能となっている。制御装置15は、後述するIDカード51を読み取るための読み取り部16と、タブレット端末50(充電用ケース5が取り付けられたタブレット端末50)の保管状況を表示する表示部17とを有しており、読み取り部16及び表示部17を箱本体22の前面に露出させた状態で箱本体2に内蔵されている。なお、制御装置15には、制御部としてのCPU(図示せず)、記憶部や電源部等が設けられている。また、制御装置15は電線7に接続されており、制御装置15へは電線7を介して電源供給されるようになっている。さらに、18は、制御装置15と電子錠11、11・・とを接続する第1制御線であり、19は、制御装置15とチップ読み取り部9、9・・とを接続する第2制御線である。
【0014】
そして、上記箱体1では、図6に示すような制御によって、タブレット端末を充電用ケースごと保管するとともに、充電用ケースが取り付けられたタブレット端末の保管状況を管理する。
まず、各タブレット端末を使用する使用者が携帯するIDカード(識別情報を有する識別体)と、該タブレット端末に取り付けられた充電用ケース5に内蔵されているICチップとを対応付け、予め入力端末(図示せず)等を利用して制御装置15にIDカードとICチップとの対応付けを設定しておく。すなわち、図1図5に示す箱体1では、箱本体2に左右方向へ10個の機器収納凹部4、4・・が設けられているため、識別情報の異なる最大10枚のIDカードを準備し、各IDカード毎に夫々異なる1つのICチップを対応させて設定する。また、それらのIDカードとは別に特定のIDカード(特定の識別情報を有する識別体)をマスターカードとし、当該マスターカードについても制御装置15に設定しておく。
【0015】
上述したように設定された箱体1では、読み取り部16にIDカードがかざされると、制御装置15が当該IDカードを読み取り(S1)、当該IDカードがマスターカードであるか否かを判断する(S2)。そして、かざされたIDカードがマスターカードでない(S2でNOと判断する)と、そのIDカードに対応づけられたICチップを内蔵する充電用ケースが機器収納凹部4、4・・の何れかに収納されているか否かを確認する(S3)。当該確認は、IDカードに対応するICチップの固有識別情報が対応づけられた機器収納凹部4が記憶部に記憶されているか否かの確認と、現時点でICチップの固有識別情報が対応づけられていない機器収納凹部4(すなわち、充電用ケースが収納されていない機器収納凹部4)におけるチップ読み取り部9によるICチップの読み取りとによって行う。そして、対応するICチップを内蔵した充電用ケースが何れかの機器収納凹部4に収納されている(S3でYESと判断する)と、その充電用ケースを収納している電子錠11の状態を検出し(S4)、電子錠11がロック状態にある(S4でYESと判断する)と、ロックバー12を解除位置に移動させて電子錠11を解除状態とする(S5)。一方、電子錠11が解除状態にある(S4でNOと判断する)と、ロックバー12をロック位置に移動させて電子錠11をロック状態とする(S6)とともに、今回読み取ったICチップの固有識別情報と充電用ケースが収納されている機器収納凹部4とを対応づけて記憶する。なお、かざされたIDカードに対応するICチップを内蔵した充電用ケースが機器収納凹部4、4・・の何れにも収納されていない(S3でNOと判断する)と、電子錠11の状態の検出等をすることなく制御終了となる。このとき「充電用ケースを収納して下さい」等のメッセージを表示部17に表示する等してもよい。
【0016】
さらに、読み取り部16にかざされたIDカードがマスターカードである(S2でYESと判断する)と、制御装置15は、全ての電子錠11、11・・の状態を検出し(S7)、1つでもロック状態にある電子錠11がある(S7でNOと判断する)と、全ての電子錠11、11・・を解除状態にする(S8)一方、全ての電子錠11、11・・が解除状態にある(S7でYESと判断する)と、全ての電子錠11、11・・をロック状態とする(S9)。加えて、制御装置15は、電子錠11を解除状態にすると、現時点で電子錠11がロック状態にある機器収納凹部4に収納されていない充電用ケースを示す情報(たとえば充電用ケース又は該充電用ケースが取り付けられたタブレット端末に付与されている番号や記号等)を表示部17に表示する。なお、S6を経ることで、その充電用ケースに係る表示部17での表示は終了となる。
【0017】
ここで、上記箱体1でのタブレット端末の保管、及びタブレット端末の保管状況の管理について具体的に説明すると、まずIDカードとICチップとの対応付けに関しては、IDカード51が、図1図5において右端の機器収納凹部4に収納されている充電用ケース5のICチップに対応づけられて制御装置15に設定されている。また、タブレット端末50に、当該タブレット端末50の種類に対応する充電用ケース5を取り付けておき、タブレット端末50を使用する場合には充電用ケース5を取り付けた状態のまま使用する。そして、タブレット端末50を機器収納凹部4から取り出したい場合には、上記対応づけられたIDカード51を読み取り部16にかざせばよい。すると、IDカード51に対応するICチップを内蔵した充電用ケース5が収納されている機器収納凹部4(右端の機器収納凹部4)において電子錠11が解除状態となり、ロックバー12が掛止凹部10から抜け出して電子錠11と充電用ケース5との掛止状態が解除されて、充電用ケース5の取り出し、ひいてはタブレット端末50の取り出しが許容される(図4図5)。また、電子錠11を解除状態とすることに伴い、表示部17には、今回取り出し可能とされた充電用ケース5を示す情報(たとえば充電用ケース5に付与された記号「A」)が表示される。
【0018】
一方、タブレット端末50を保管する際には、現時点で空の機器収納凹部4、4・・のうち、何れか1つの機器収納凹部4(どの機器収納凹部4であってもよい)に、充電用ケース5ごとタブレット端末50を収納すればよい。ここでは右端の機器収納凹部4に収納するとして、充電用ケース5の開口が右側を向く姿勢とした上で、機器収納凹部4内に充電用ケース5を収納する。それから、IDカード51を読み取り部16にかざせば、充電用ケース5のICチップがチップ読み取り部9で読み取られた後、電子錠11がロック状態となって、ロックバー12の先端が掛止凹部10内へ突出して電子錠11と充電用ケース5とが掛止状態となり、機器収納凹部4からの充電用ケース5の取り出し、ひいてはタブレット端末50の取り出しが阻止される(図2図3)。また、電子錠11がロック状態になったことをもって、表示部17での上記表示は終了となる。さらに、充電用ケース5の機器収納凹部4への収納に伴い、ケース電極8とキャビネット電極6とが接続され、タブレット端末50の充電が開始される。
【0019】
以上のような構成を有する箱体1によれば、充電用ケース5ごとタブレット端末50を収納可能な機器収納凹部4毎に電子錠11が設けられているとともに、制御装置15に、各使用者が夫々携帯するIDカードと、各充電用ケース5毎に内蔵されているICチップとが対応づけられて設定されている一方、各機器収納凹部4に、収納されている充電用ケース5のICチップを読み取り可能なチップ読み取り部9が設けられている。そして、制御装置15は、IDカードが読み取り部16にかざされると、当該IDカードに対応するICチップが内蔵された充電用ケース5を収納している機器収納凹部4の電子錠11を動作させ、機器収納凹部4からのタブレット端末50の取り出しを許容/阻止するようになっている。また、電子錠11をロック状態にした際には、チップ読み取り部9により読み取ったICチップの固有識別情報と充電用ケースが収納された機器収納凹部4とを対応づけて記憶する一方、電子錠11を解除状態にした際には、現時点で電子錠11がロック状態にある機器収納凹部4に収納されていない充電用ケースを示す情報を表示部17に表示するようになっている。したがって、各タブレット端末の保管状況を容易に管理することができる箱体1とすることができる。また、タブレット端末50を収納する機器収納凹部4を、収納する時点で空の機器収納凹部4、4・・から都度選択することができるため、使い勝手の良い箱体1とすることができる。
【0020】
また、タブレット端末50の充電端子に接続可能な端末コネクタを有する充電用ケース5が、充電端子と端末コネクタとを接続した状態でタブレット端末50に取り付けられ、且つ、当該取付状態においてタブレット端末50を使用可能に設けられている。さらに、そのような充電用ケースとして、タブレット端末の充電端子の種類及び/又は位置の違いに応じて端末コネクタの種類及び/又は位置の異なる複数種類の充電用ケースを設けている。加えて、機器収納凹部4が、充電端子に対応する充電用ケース5が取り付けられたタブレット端末50を、充電用ケース5ごと収納可能とされているとともに、各機器収納凹部4内に、電線7に電気的に接続されたキャビネット電極6を設ける一方、充電用ケース5に機器収納凹部4への収納に伴ってキャビネット電極6に接続されるケース電極8を設けている。そのため、予め充電端子に対応する充電用ケース5をタブレット端末50に取り付けてさえおけば、充電用ケース5ごとタブレット端末50を機器収納凹部4から取り出したり機器収納凹部4に収納したりするだけで、タブレット端末50を使用したり充電しながら保管したりすることができる。したがって、タブレット端末50の充電端子に充電ケーブルを接続したり取り外したりする必要のある従来の機器収納用箱体と比べると、タブレット端末50を容易に充電しながら保管することができる。
【0021】
(第2実施例)
図7は、第2実施例となる箱体21を前側から示した斜視説明図である。図8は、左から2つ目の電子錠31がロック状態にある箱体21の電子錠装置23、及びタブレット端末50を前側から示した斜視説明図である。図9は、左から2つ目の電子錠31がロック状態にある箱体21の電子錠装置23、及びタブレット端末50を右側から示した説明図である。図10は、左から2つ目の電子錠31が解除状態にある箱体21の電子錠装置23、及びタブレット端末50を右側から示した説明図である。図11は、第2実施例となる箱体21でのタブレット端末の保管、及びタブレット端末の保管状況の管理に係る制御を示したフローチャートである。
【0022】
第2実施例となる箱体21は、機器としてのタブレット端末50を保管するためのものであって、底面の四隅に脚部が設けられた箱本体22と、タブレット端末50の箱本体22からの取り出しを許容/阻止する電子錠装置23とを備えてなる。箱本体22には、タブレット端末50を収納可能な機器収納凹部24、24・・が、左右方向へ複数並べて設けられている。各機器収納凹部24は、箱本体22の前面に開口しており、機器収納凹部24の左右幅及び上下長さは、タブレット端末50の厚み及び上下長さと略同じ(若しくは一回り程度大きく)、機器収納凹部24の前後深さは、タブレット端末50の前後長さよりも十分に深くなっている。また、左右で隣り合う機器収納凹部24、24を仕切る仕切壁25の前端上部は面取りされており、後述するように動作する電子錠31のロックバー32と干渉しないようになっている。さらに、箱本体22の前面で、各機器収納凹部24、24・・の下側には、使用者が押し込み操作可能なボタン(収納位置情報を入力する入力部)26、26・・が機器収納凹部24毎に対応して設けられている。
【0023】
一方、電子錠装置23は、各機器収納凹部24毎に対応して設けられた複数の電子錠31、31・・と、電子錠31、31・・の動作を制御する制御装置35とを備えてなる。電子錠31は、箱本体22の前面において各機器収納凹部24の上方に設けられており、上下方向に出没動作するロックバー32と、ロックバー32を作動させるための駆動部33とを有している。ロックバー32は、上下方向へ延びる柱体であり、下方へ突出して機器収納凹部24に収納されているタブレット端末50の前方に位置するロック位置と、上方へ没入してタブレット端末50の前方から退避する解除位置との間で移動可能となっている。制御装置35は、IDカード51を読み取るための読み取り部36と、タブレット端末50の保管状況を表示する表示部37とを有しており、読み取り部36及び表示部37を箱本体2の前面に露出させた状態で箱本体2に内蔵されている。
【0024】
なお、制御装置35には、制御部としてのCPU(図示せず)、記憶部や電源部等が設けられている。また、制御装置35は箱本体22内に配設されている電線(図示せず)に接続されており、制御装置35へは電線を介して電源供給されるようになっている。さらに、制御装置35と電子錠31、31・・とは第1制御線38により接続されており、制御装置35とボタン26、26・・とは第2制御線(図示せず)により接続されている。加えて、電線は、箱本体2に設けられた図示しない電源供給部(たとえば電源プラグ又は電源コンセント)に接続されている。
【0025】
そして、上記箱体21では、図11に示すような制御によって、タブレット端末を保管するとともに、タブレット端末の保管状況を管理する。
まず、各タブレット端末を使用する使用者が携帯するIDカードに係る識別情報を、予め入力端末(図示せず)等を利用して制御装置35に設定しておく。すなわち、図7図10に示す箱体21では、箱本体22に左右方向へ10個の機器収納凹部24、24・・が設けられているため、識別情報の異なる最大10枚のIDカードを準備し、各IDカードの識別情報を制御装置35に設定する。また、それらのIDカードとは別に特定のIDカードをマスターカードとし、当該マスターカードに係る識別情報ついても制御装置35に設定しておく。
【0026】
上述したように設定された箱体21では、読み取り部36にIDカードがかざされると、制御装置35が当該IDカードを読み取り(S11)、IDカードがマスターカードであるか否かを判断する(S12)。かざされたIDカードがマスターカードでない(S12でNOと判断する)と、機器収納凹部24、24・・のうちにそのIDカードに対応づけられた機器収納凹部24が存在するか否かを確認する(S13)。そして、対応する機器収納凹部24が存在する(S13でYESと判断する)と、当該機器収納凹部24の電子錠31について、ロックバー32を解除位置に移動させて電子錠31を解除状態とする(S15)。一方、IDカードに対応づけられた機器収納凹部24が存在しない(S13でNOと判断する)と、IDカードがかざされてから所定時間内にボタン26、26・・のうちの何れかが押し込み操作されたか否かを判定する(S14)。そして、所定時間内にボタン26、26・・のうち何れかのボタン26が操作される(S14でYESと判断する)と、操作されたボタン26に対応する機器収納凹部24の電子錠31について、ロックバー32をロック位置に移動させて電子錠31をロック状態とする(S16)とともに、IDカードと今回電子錠31をロック状態とした機器収納凹部24とを対応づけて記憶する。なお、IDカードがかざされてから所定時間内に何れのボタン26、26・・も操作されない(S14でNOと判断する)と、何れの電子錠31、31・・も動作させることなく制御終了となる。このとき「タブレット端末を収納した位置のボタンを操作して下さい」等のメッセージを表示部37に表示する等してもよい。また、S14において、すでに電子錠31がロック状態にある機器収納凹部24(今回以前にかざされたIDカードに対応づけられている機器収納凹部24)に対応するボタン26が操作されると、エラーとして何れの電子錠31、31・・も動作させることなく制御終了する。このとき「ボタンが間違っています」等のメッセージを表示部37に表示する等してもよい。
【0027】
さらに、読み取り部36にかざされたIDカードがマスターカードである(S12でYESと判断する)と、制御装置35は、全ての電子錠31、31・・の状態を検出し(S17)、1つでもロック状態にある電子錠31がある(S17でNOと判断する)と、全ての電子錠31、31・・を解除状態にする(S18)一方、全ての電子錠31、31・・が解除状態にある(S17でYESと判断する)と、全ての電子錠31、31・・をロック状態とする(S19)。加えて、制御装置35は、電子錠31のロック/解除に伴い、現時点で電子錠31がロック状態にある機器収納凹部24に対応づけられていないIDカードを示す情報(たとえばIDカードを所持する者の名前等)を表示部37に表示する。
【0028】
ここで、上記箱体21でのタブレット端末の保管、及びタブレット端末の保管状況の管理について具体的に説明すると、タブレット端末50を保管する際には、機器収納凹部24、24・・のうち空いている機器収納凹部24(ここでは、左から2つ目の機器収納凹部24)にタブレット端末50を収納した後、IDカード51を読み取り部36にかざすとともに、かざしてから所定時間内にタブレット端末50を収納した機器収納凹部24に対応するボタン26(ここでは、左から2つ目のボタン26)を操作すればよい。すると、対応する電子錠31がロック状態となって、ロックバー32がタブレット端末50の前方へ突出するため、機器収納凹部24からのタブレット端末50の取り出しが阻止される(図8図9)。また、電子錠31がロック状態になったことをもって、表示部37でのIDカード51を示す情報の表示は終了となる。一方、タブレット端末50を取り出して使用したい場合には、IDカード51を読み取り部36にかざすだけで良い。すると、電子錠31をロック状態した際にIDカード51に対応づけられている機器収納凹部24において、電子錠31が解除状態となり、ロックバー32がタブレット端末50の前方から退避するため、機器収納凹部24からのタブレット端末50の取り出しが許容される(図10)。また、電子錠31が解除状態になったことをもって、今回かざされたIDカード51を示す情報が表示部37に表示される。
【0029】
以上のような構成を有する箱体21によれば、タブレット端末50を収納可能な機器収納凹部24毎に電子錠31が設けられているとともに、制御装置35に、各使用者が夫々携帯するIDカードが設定されている。そして、制御装置35は、IDカードが読み取り部36にかざされると、当該IDカードに対応する機器収納凹部24が存在するか否かを確認し、対応する機器収納凹部24が存在すると、当該機器収納凹部24の電子錠31を動作させて電子錠31を解除状態とし、機器収納凹部24からのタブレット端末50の取り出しを許容するようになっている。また、かざされたIDカードに対応する機器収納凹部24が存在しないと、ボタン26の操作を検出し、操作されたボタン26に対応する機器収納凹部24の電子錠31をロック状態とし、機器収納凹部24からのタブレット端末50の取り出しを阻止するとともに、IDカードと今回電子錠31をロック状態とした機器収納凹部24とを対応づけて記憶するようになっている。さらに、電子錠31を解除状態にした際には、今回かざされたIDカード51を示す情報を表示部37に表示するようになっている。したがって、各タブレット端末の保管状況を容易に管理することができる箱体21とすることができる。また、タブレット端末50を収納する機器収納凹部24を、収納する時点で空の機器収納凹部24、24・・から都度選択することができるため、使い勝手の良い箱体21とすることができる。
【0030】
(第3実施例)
図12は、第3実施例となる箱体61を前側から示した斜視説明図である。図13は、右端の電子錠71がロック状態にある箱体61の電子錠装置63、充電用ケース65が取り付けられたタブレット端末50、及び充電機構部を前側から示した斜視説明図である。図14は、第3実施例となる箱体61でのタブレット端末の保管、及びタブレット端末の保管状況の管理に係る制御を示したフローチャートである。
【0031】
第3実施例となる箱体61は、機器としてのタブレット端末50を保管するためのものであって、底面の四隅に脚部が設けられた箱本体62と、タブレット端末50の箱本体62からの取り出しを許容/阻止する電子錠装置63とを備えてなる。箱本体62には、タブレット端末50を充電用ケース65ごと収納可能な機器収納凹部64、64・・が、左右方向へ複数並べて設けられている。各機器収納凹部64は、箱本体62の前面に開口しており、機器収納凹部64の左右幅、上下長さ、及び前後深さは、それぞれ充電用ケース65の厚み、上下長さ、及び前後深さと略同じ程度とされている。また、各機器収納凹部64の底部(後面)には、第1実施例の充電用ケース5と略同様に構成された充電用ケース65のケース電極(図示せず)と接続可能なキャビネット電極66が設けられており、キャビネット電極66、66・・は、充電機構部の一要素として箱本体62内に配設されている電線67に電気的に接続されている。さらに、各機器収納凹部64の底部には、充電用ケース65が収納されているか否かを検出するためのリミットスイッチ(収納位置情報を入力する入力部)68が設けられている。なお、電線67は、箱本体62に設けられた図示しない電源供給部(充電機構部の一要素であって、たとえば電源プラグ又は電源コンセント)に接続されており、その電源供給部を介してキャビネット電極66、66・・へ商用電力が供給されるようになっている。
【0032】
充電用ケース65は、上述したように第1実施例での充電用ケース5と略同様に構成されたものであって、右側面に開口する方体箱状に形成され、開口が右側面に位置する当該姿勢のまま機器収納凹部64内へ収納可能となっている。また、充電用ケース65には、タブレット端末50の操作面を右側面の開口内に露出させた状態で、その表面を覆うようにタブレット端末50を取付可能となっている。さらに、充電用ケース65の後壁には、前方(ケース内側)へ突出してタブレット端末50の充電端子(図示せず)に接続可能な端末コネクタ(図示せず)が設けられているとともに、後方(ケース外側)に露出してキャビネット電極66に接続可能なケース電極が設けられている。加えて、充電用ケース65の上壁には、後述するように動作する電子錠71のロックバー72が掛止する掛止凹部69が設けられている。なお、端末コネクタとケース電極とは、充電用ケース65の後壁に内蔵されている電路(図示せず)によって電気的に接続されている。また、充電用ケースとしては、上記充電用ケース65以外に、タブレット端末の種類(充電端子の種類及び/又は位置、タブレット端末の大きさや形状等)に応じて端末コネクタの種類及び/又は位置、右側面の開口の大きさや形状等が異なる複数種類のものが準備されている。
【0033】
一方、電子錠装置63は、各機器収納凹部64毎に対応して設けられた複数の電子錠71、71・・と、電子錠71、71・・の動作を制御する制御装置75とを備えてなる。電子錠71は、各機器収納凹部64の上方に設けられており、上下方向に出没動作するロックバー72と、ロックバー72を作動させるための駆動部73とを有している。ロックバー72は、上下方向へ延びる柱体であり、機器収納凹部64内まで下方へ突出して、機器収納凹部64に収納されている充電用ケース65の掛止凹部69内に入り込むロック位置と、機器収納凹部64外まで上方へ没入して、掛止凹部69から抜け出す解除位置との間で移動可能となっている。制御装置75は、IDカード51を読み取るための読み取り部76と、タブレット端末50(充電用ケース65が取り付けられたタブレット端末50)の保管状況を表示する表示部77とを有しており、読み取り部76及び表示部77を箱本体62の前面に露出させた状態で箱本体62に内蔵されている。なお、制御装置75には、制御部としてのCPU(図示せず)、記憶部や電源部等が設けられている。また、制御装置75は電線67に接続されており、制御装置75へは電線67を介して電源供給されるようになっている。さらに、78は、制御装置75と電子錠71、71・・とを接続する第1制御線であり、79は、制御装置75とリミットスイッチ68、68・・とを接続する第2制御線である。
【0034】
そして、上記箱体61では、図14に示すような制御によって、タブレット端末を充電用ケースごと保管するとともに、充電用ケースが取り付けられたタブレット端末の保管状況を管理する。
まず、各タブレット端末を使用する使用者が携帯するIDカードに係る識別情報を、予め入力端末(図示せず)等を利用して制御装置75に設定しておく。すなわち、図12及び図13に示す箱体61では、箱本体62に左右方向へ10個の機器収納凹部64、64・・が設けられているため、識別情報の異なる最大10枚のIDカードを準備し、各IDカードの識別情報を制御装置75に設定する。また、それらのIDカードとは別に特定のIDカードをマスターカードとし、当該マスターカードに係る識別情報ついても制御装置75に設定しておく。さらに、制御装置75では、常時リミットスイッチ68、68・・の状態を監視している。
【0035】
上述したように設定された箱体61では、読み取り部76にIDカードがかざされると、制御装置75が当該IDカードを読み取り(S21)、IDカードがマスターカードであるか否かを判断する(S22)。かざされたIDカードがマスターカードでない(S22でNOと判断する)と、IDカードがかざされる前にON操作されたリミットスイッチ68(充電用ケース65ごとタブレット端末50が機器収納凹部64に収納されることで、リミットスイッチ68はON操作される)が存在するか否かを確認する(S23)。そして、IDカードがかざされる前にON操作されたリミットスイッチ68が存在する(S23でYESと判断する)と、当該リミットスイッチ68に対応する機器収納凹部64の電子錠71について、ロックバー72をロック位置に移動させて電子錠71をロック状態とする(S25)とともに、IDカードと今回電子錠71をロック状態とした機器収納凹部64とを対応づけて記憶する。一方、IDカードがかざされる前にON操作されたリミットスイッチ68が存在しない(S23でNOと判断する)と、機器収納凹部64、64・・のうちにそのIDカードに対応づけられた機器収納凹部64が存在するか否かを確認する(S24)。そして、対応する機器収納凹部64が存在する(S24でYESと判断する)と、当該機器収納凹部64の電子錠71について、ロックバー72を解除位置に移動させて電子錠71を解除状態とする(S26)。一方、IDカードに対応づけられた機器収納凹部64が存在しない(S24でNOと判断する)と、エラーとして何れの電子錠71、71・・も動作させることなく制御終了する。このとき「タブレット端末を収納してください」等のメッセージを表示部77に表示する等してもよい。
【0036】
さらに、読み取り部76にかざされたIDカードがマスターカードである(S22でYESと判断する)と、制御装置75は、全ての電子錠71、71・・の状態を検出し(S27)、1つでもロック状態にある電子錠71がある(S27でNOと判断する)と、全ての電子錠71、71・・を解除状態にする(S78)一方、全ての電子錠71、71・・が解除状態にある(S27でYESと判断する)と、全ての電子錠71、71・・をロック状態とする(S29)。加えて、制御装置75は、電子錠71のロック/解除に伴い、現時点で電子錠71がロック状態にある機器収納凹部64に対応づけられていないIDカードを示す情報(たとえばIDカードを所持する者の名前等)を表示部77に表示する。
【0037】
ここで、上記箱体61でのタブレット端末の保管、及びタブレット端末の保管状況の管理について具体的に説明すると、タブレット端末50には、当該タブレット端末50の種類に対応する充電用ケース65を予め取り付けておき、タブレット端末50を使用する場合には充電用ケース65を取り付けた状態のまま使用する。そして、タブレット端末50を機器収納凹部64から取り出したい場合には、IDカード51を読み取り部76にかざせばよい。すると、IDカード51に対応されている機器収納凹部64(ここでは右端の機器収納凹部64)において電子錠71が解除状態となり、ロックバー72が掛止凹部69から抜け出して電子錠71と充電用ケース65との掛止状態が解除されて、充電用ケース65の取り出し、ひいてはタブレット端末50の取り出しが許容される。また、電子錠71が解除状態になったことをもって、今回かざされたIDカード51を示す情報が表示部77に表示される。
【0038】
一方、タブレット端末50を保管する際には、機器収納凹部64、64・・のうち空いている機器収納凹部64(ここでは、右端の機器収納凹部64)に充電用ケース65ごとタブレット端末50を収納した後、IDカード51を読み取り部76にかざせばよい。すると、タブレット端末50の収納に伴い機器収納凹部64のリミットスイッチ68がON操作されているため、タブレット端末50を収納した機器収納凹部64の電子錠71がロック状態となって、ロックバー72の先端が掛止凹部69内へ突出して電子錠71と充電用ケース65とが掛止状態となり、機器収納凹部64からの充電用ケース65の取り出し、ひいてはタブレット端末50の取り出しが阻止される。また、電子錠71がロック状態になったことをもって、表示部77での上記表示は終了となる。さらに、充電用ケース65の機器収納凹部64への収納に伴い、ケース電極とキャビネット電極66とが接続され、タブレット端末50の充電が開始される。
【0039】
以上のような構成を有する箱体61によれば、充電用ケース65ごとタブレット端末50を収納可能な機器収納凹部64毎に電子錠71が設けられているとともに、制御装置75に、各使用者が夫々携帯するIDカードが設定されている。そして、制御装置75は、IDカードが読み取り部76にかざされると、リミットスイッチ68がON操作された機器収納凹部64が存在するか否かを確認し、ON操作されたリミットスイッチ68が存在すると、当該リミットスイッチ68に対応する機器収納凹部64の電子錠71をロック状態として、機器収納凹部64からのタブレット端末50の取り出しを阻止するとともに、IDカードと今回電子錠71をロック状態とした機器収納凹部64とを対応づけて記憶するようになっている。一方、リミットスイッチ68がON操作された機器収納凹部64が存在しないと、当該IDカードに対応する機器収納凹部64が存在するか否かを確認し、対応する機器収納凹部64の電子錠71を動作させて電子錠71を解除状態とし、機器収納凹部64からのタブレット端末50の取り出しを許容するようになっている。さらに、電子錠71を解除状態にした際には、今回かざされたIDカード51を示す情報を表示部77に表示するようになっている。したがって、各タブレット端末の保管状況を容易に管理することができる箱体61とすることができる。また、タブレット端末50を収納する機器収納凹部64を、収納する時点で空の機器収納凹部64、64・・から都度選択することができるため、使い勝手の良い箱体61とすることができる。
【0040】
また、タブレット端末50の充電端子に接続可能な端末コネクタを有する充電用ケース65が、充電端子と端末コネクタとを接続した状態でタブレット端末50に取り付けられ、且つ、当該取付状態においてタブレット端末50を使用可能に設けられている。さらに、そのような充電用ケースとして、タブレット端末の充電端子の種類及び/又は位置の違いに応じて端末コネクタの種類及び/又は位置の異なる複数種類の充電用ケースを設けている。加えて、機器収納凹部64が、充電端子に対応する充電用ケース65が取り付けられたタブレット端末50を、充電用ケース65ごと収納可能とされているとともに、各機器収納凹部64内に、電線67に電気的に接続されたキャビネット電極66を設ける一方、充電用ケース65に機器収納凹部64への収納に伴ってキャビネット電極66に接続されるケース電極を設けている。そのため、予め充電端子に対応する充電用ケース65をタブレット端末50に取り付けてさえおけば、充電用ケース65ごとタブレット端末50を機器収納凹部64から取り出したり機器収納凹部64に収納したりするだけで、タブレット端末50を使用したり充電しながら保管したりすることができる。したがって、タブレット端末50の充電端子に充電ケーブルを接続したり取り外したりする必要のある従来の機器収納用箱体と比べると、タブレット端末50を容易に充電しながら保管することができる。
【0041】
なお、本発明に係る箱体は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、箱体の全体的な構成は勿論、電子錠装置の構成や機器の保管・保管状況の管理に係る構成等についても必要に応じて適宜変更することができる。
【0042】
たとえば、上記実施形態では、機器がタブレット端末であるとしているが、モバイル機器や携帯型パソコン等の他の機器についても本発明は好適に採用することができる。
また、上記実施形態では、複数の機器収納部を設けるにあたり、複数の機器収納凹部を左右方向に並設するとしているが、上下方向にも複数列設けるように構成しても何ら問題はない。
さらに、上記実施形態では、機器の保管状況について制御装置に設けた表示部に表示するとしているが、たとえば各機器収納部毎にその近傍に表示部としてのLEDを設置し、機器の保管状況(電子錠の動作状態やICチップの読み取り状態)に応じてLEDを点灯/点滅させる等するように構成することも可能である。
【0043】
さらにまた、電子錠がどのようにして機器の機器収納部からの取り出しを阻止するかについても設計変更可能であり、第1実施例や第3実施例のように充電用ケースを取り付ける場合であっても充電用ケースの前方にロックバーを突出させるようにしてもよいし、各機器収納部の下方に電子錠を設けてロックバーを上方へ突出させることによりロック状態となるように構成することも可能である。さらには、電子錠を箱体外に設けてもよい。
またさらに、上記第1実施例ではICチップを充電用アタッチメントである充電用ケースに内蔵するとしているが、充電用アタッチメントを取り付けないものにあっては、機器の表面に固有識別情報を有するICタグを直接貼着するとともに、各機器収納部に該ICタグを読み取り可能な固有読み取り部を設けて構成することも可能である。
【0044】
また、充電用アタッチメントについても、上記実施形態では充電用ケースとしているが、たとえば機器に貼着可能なシール体としたり、機器の充電端子に接続するだけのブロック体としたりしても何ら問題はなく、適宜設計変更可能である。
さらに、上記実施形態では、使用者が携帯するIDカードを読み取らせることで識別情報を制御装置に入力させているが、IDカードの代わりにICカードを採用することも可能であるし、そのようなカード体ではなく、テンキー等の入力部を制御装置に設け、その入力部を使用者が操作することによって識別情報が入力されるように構成してもよい。なお、制御装置を箱体外に設置しても良いことは言うまでもない。
【0045】
さらにまた、上記第2実施例では、収納位置情報を入力する入力部として各機器収納部の近傍に設けたボタンを採用しており、識別情報を入力する入力部と、収納位置情報を入力する入力部とを別個にしているが、収納位置情報についても識別情報を入力する入力部を用いて入力するように構成することも可能である。
またさらに、上記第2実施例と第3実施例とでは、1つのIDカードで1つの機器を収納するように構成しているが、1つのIDカードで複数台の機器を収納するように構成することも可能である。その際、たとえばIDカードをかざした後に複数のボタンを操作したり、複数台の機器を収納した上でIDカードをかざす等すればよく、1つのIDカードに複数の収納位置情報が対応づけられて記憶されることになる。
加えて、上記第1実施例と第3実施例とでは、箱体に機器を充電するための充電機構部を設けているが、そのような充電機構部を設けずに箱体を構成しても何ら問題はないし、第2実施例の箱体に充電機構部を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0046】
1、21、61・・箱体、3、23、63・・電子錠装置、4、24、64・・機器収納凹部(機器収納部)、9・・チップ読み取り部(固有読み取り部)、11、31、71・・電子錠、15、35、75・・制御装置、16、36、76・・読み取り部(入力部)、26・・ボタン(入力部)、68・・リミットスイッチ(入力部)、50・・タブレット端末(機器)、51・・IDカード(識別情報)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14