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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】携帯情報端末ケース
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20241114BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20241114BHJP
   G09F 9/00 20060101ALN20241114BHJP
【FI】
G06F1/16 313C
H05K5/02 C
G09F9/00 350Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021175546
(22)【出願日】2021-10-27
(65)【公開番号】P2023065013
(43)【公開日】2023-05-12
【審査請求日】2024-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】319010088
【氏名又は名称】楽天モバイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】村上 勝清
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 高志
(72)【発明者】
【氏名】アーチャー ワン
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第214432439(CN,U)
【文献】特開2000-029395(JP,A)
【文献】特開2021-177318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
H05K 5/02
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯情報端末の裏面に取り付けられる携帯情報端末ケースであって、
前記裏面を覆う長方形状の内面を有した裏面被覆部と、
前記裏面被覆部の長辺に沿って延びる帯状を有し、かつ前記携帯情報端末ケースの外面を前記裏面被覆部の外面と共に構成する支持部と、を備え、
前記支持部は、
前記支持部の長手方向における中央に、前記裏面被覆部の短辺に沿って延びる線状を有した折り曲げ部を備え、前記帯状を有した第1状態から、前記裏面被覆部の外面よりも外側に前記折り曲げ部を配置するような突形状を有した第2状態に、前記折り曲げ部の折り曲げによって切り替わるように構成され、
前記短辺の延びる方向に見て、前記第2状態の前記折り曲げ部と前記短辺とを結ぶ線分を斜辺とし、かつ前記裏面被覆部の外面に位置する底辺を有した直角三角形における頂角と、
前記長辺の延びる方向に見て、前記第2状態の前記折り曲げ部の端部と前記長辺とを結ぶ線分を斜辺とし、かつ前記裏面被覆部の外面に位置する底辺を有した直角三角形における頂角と、が相互に等しいとともに、
前記裏面被覆部の外面は、前記第1状態の前記支持部を収容する凹部を備え、
前記凹部は、前記第1状態の前記支持部における前記折り曲げ部と対向する位置に前記短辺の延びる方向に広がる窪みを備える
携帯情報端末ケース。
【請求項2】
前記支持部は、第1支持部であり、
前記第1支持部の下端部は、前記短辺に沿って延びる第1回転軸を中心として回転可能に前記裏面被覆部に支持された固定端であり、
前記第1支持部の上端部は、前記上端部と前記下端部との間に前記折り曲げ部を配置し、前記折り曲げ部の折り曲げによって前記裏面被覆部に対して移動する可動端であり、
前記携帯情報端末ケースは、前記長辺に沿って延びる帯状を有し、かつ前記第1状態の前記第1支持部と、前記携帯情報端末の裏面との間に位置する第2支持部をさらに備え、
前記第2支持部の基端部は、前記短辺に沿って延びる第2回転軸を中心として回転可能に前記裏面被覆部に支持された固定端であり、かつ前記第1状態の前記第1支持部と、前記携帯情報端末の裏面との間に位置し、
前記第2支持部の先端部は、前記短辺に沿って延びる線状を有した折り返し部を介して前記第1支持部の上端部に接続された可動端であり、かつ前記第1状態の前記第1支持部が前記第2支持部を覆うように前記折り返し部で折り返され、
前記第1状態の前記第1支持部は、前記第1回転軸を中心に回転しながら前記折り曲げ部を折り曲げると共に、前記第2回転軸を中心に前記第2支持部を回転させながら前記第1支持部が前記第2支持部を露出させるように前記折り返し部における折り返しの向きを反転させ、これによって、前記第2状態に変わる
請求項1に記載の携帯情報端末ケース。
【請求項3】
前記第1状態と前記第2状態とを磁力によって保持する状態保持部をさらに備え、
前記状態保持部は、
前記裏面被覆部に対して固定された被覆部磁石片と、
前記第2支持部に搭載された第2磁石片と、を備え、
前記折り返し部が折り返しの向きを反転した状態で、前記被覆部磁石片と前記第2磁石片とが最も引き合うように、前記被覆部磁石片と前記第2磁石片とが配置されている
請求項2に記載の携帯情報端末ケース。
【請求項4】
前記第1状態と前記第2状態とを磁力によって保持する状態保持部をさらに備え、
前記状態保持部は、
前記裏面被覆部に対して固定された被覆部磁石片と、
前記第1支持部に搭載された第1磁石片と、を備え、
前記第1状態の前記第1支持部が前記第2支持部を覆う状態で、前記被覆部磁石片と前記第1磁石片とが最も引き合うように、前記被覆部磁石片と前記第1磁石片とが配置されている
請求項2に記載の携帯情報端末ケース。
【請求項5】
前記第1状態と前記第2状態とを磁力によって保持する状態保持部をさらに備え、
前記状態保持部は、
前記裏面被覆部に対して固定された被覆部磁石片と、
前記第2支持部に搭載された第2磁石片と、
前記第1支持部の上端部と前記折り曲げ部との間に搭載された第1磁石片と、を備え、
前記第2支持部における基端部と先端部との距離は、前記第1支持部の上端部と前記折り曲げ部との距離の3/4よりも短く、
前記第1状態の前記第1支持部が前記第2支持部を覆う状態で、前記被覆部磁石片と前記第1磁石片とが対向するように、前記被覆部磁石片と前記第1磁石片とが配置され、かつ、前記折り返し部が折り返しの向きを反転した状態で、前記被覆部磁石片と前記第2磁石片とが対向するように、前記第2磁石片が配置されている
請求項2に記載の携帯情報端末ケース。
【請求項6】
前記状態保持部は、前記支持部が前記第1状態であるときに、前記携帯情報端末ケースの外面と対向する視点から見て、前記裏面被覆部の中央を含み、かつ前記短辺の延びる方向において前記短辺の長さの1/3の長さを有し、かつ前記長辺の延びる方向において前記長辺の1/3の長さを有する領域に位置する
請求項3から5のいずれか一項に記載の携帯情報端末ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、携帯情報端末に着脱可能である携帯情報端末ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末ケースの多機能化は、携帯情報端末の利便性を高める。携帯情報端末ケースの一例は、蓄電可能なバッテリーを備える。バッテリーは、携帯情報端末ケースに取り付けられた携帯情報端末に接続されて携帯情報端末に電力を供給する(例えば、特許文献1を参照)。携帯情報端末ケースの一例は、ミリ波帯信号を送受信するミリ波帯通信用アンテナを備える。ミリ波通信用アンテナは、携帯情報端末に備えられたRFICとミリ波通信を行う(例えば、特許文献2を参照)。携帯情報端末ケースの一例は、折り曲げ可能な支持部を備える。支持部の折り曲げは、携帯情報端末ケースに携帯情報端末を倒す平面形状から、携帯情報端末を起こす突形状に、支持部の形状を切り替える(例えば、特許文献3、4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-120182号公報
【文献】特開2020-065245号公報
【文献】特開2018-015173号公報
【文献】特開2018-190448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
卓上や机上において起立する携帯情報端末の画面は、例えば映像アプリケーション、ゲームアプリケーション、および会議アプリケーションなどの各種のアプリケーションにおいて、人間工学に基づく好適な使用姿勢をユーザーに促す。一方、携帯情報端末の各種のアプリケーションは、携帯情報端末に縦表示を要求する場合もあれば、携帯情報端末に横表示を要求する場合もある。また、携帯情報端末の各種のアプリケーションは、画面の自動回転機能を許容し、これによって、ユーザーの嗜好に適合した画面を提供する。しかし、上述した支持部の折り曲げでは、起こされた携帯情報端末に横表示を実行させるが、起こされた携帯情報端末に縦表示を実行させられない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための携帯情報端末ケースは、携帯情報端末の裏面に取り付けられる携帯情報端末ケースである。携帯情報端末ケースは、前記裏面を覆う長方形状の内面を有した裏面被覆部と、前記裏面被覆部の長辺に沿って延びる帯状を有し、かつ前記携帯情報端末ケースの外面を前記裏面被覆部の外面と共に構成する支持部と、を備える。前記支持部は、前記支持部の長手方向における中央に、前記裏面被覆部の短辺に沿って延びる線状を有した折り曲げ部を備え、前記帯状を有した第1状態から、前記裏面被覆部の外面よりも外側に前記折り曲げ部を配置するような突形状を有した第2状態に、前記折り曲げ部の折り曲げによって切り替わるように構成される。携帯情報端末ケースにおいて、前記短辺の延びる方向に見て、前記第2状態の前記折り曲げ部と前記短辺とを結ぶ線分を斜辺とし、かつ前記裏面被覆部の外面に位置する底辺を有した直角三角形における頂角と、前記長辺の延びる方向に見て、前記第2状態の前記折り曲げ部の端部と前記長辺とを結ぶ線分を斜辺とし、かつ前記裏面被覆部の外面に位置する底辺を有した直角三角形における頂角と、が相互に等しい。
【0006】
上記構成によれば、縦表示の携帯情報端末は、携帯情報端末の短辺、すなわち裏面被覆部の短辺を底部として、机上や卓上に立てられる。この際、第2状態の支持部における折り曲げ部は、上述した直角三角形の直角以外の底角だけ、携帯情報端末を傾けるように、縦表示の携帯情報端末を起立させる。一方、横表示の携帯情報端末は、携帯情報端末の長辺、すなわち裏面被覆部の長辺を底部として、机上や卓上に立てられる。この際、第2状態の支持部における折り曲げ部の端部は、これもまた、上述した直角三角形の直角以外の底角だけ、携帯情報端末を傾けるように、縦表示の携帯情報端末を起立させる。このように、1つの携帯情報端末ケースは、縦表示の携帯情報端末であれ、横表示の携帯情報端末であれ、相互に等しい角度だけ傾くように、携帯情報端末を机上や卓上に起立させる。したがって、1つの携帯情報端末ケースは、縦表示を行う携帯情報端末の起立と、横表示を行う携帯情報端末の起立とを可能にする。
【0007】
上記携帯情報端末ケースにおいて、前記支持部は、第1支持部であり、前記第1支持部の下端部は、前記短辺に沿って延びる第1回転軸を中心として回転可能に前記裏面被覆部に支持された固定端であり、前記第1支持部の上端部は、前記上端部と前記下端部との間に前記折り曲げ部を配置し、前記折り曲げ部の折り曲げによって前記裏面被覆部に対して移動する可動端であってもよい。また、前記携帯情報端末ケースは、前記長辺に沿って延びる帯状を有し、かつ前記第1状態の前記第1支持部と、前記携帯情報端末の裏面との間に位置する第2支持部をさらに備えてもよい。この際、前記第2支持部の基端部は、前記短辺に沿って延びる第2回転軸を中心として回転可能に前記裏面被覆部に支持された固定端であり、かつ前記第1状態の前記第1支持部と、前記携帯情報端末の裏面との間に位置してもよい。また、前記第2支持部の先端部は、前記短辺に沿って延びる線状を有した折り返し部を介して前記第1支持部の上端部に接続された可動端であり、かつ前記第1状態の前記第1支持部が前記第2支持部を覆うように前記折り返し部で折り返されてもよい。そして、前記第1状態の前記第1支持部は、前記第1回転軸を中心に回転しながら前記折り曲げ部を折り曲げると共に、前記第2回転軸を中心に前記第2支持部を回転させながら前記第1支持部が前記第2支持部を露出させるように前記折り返し部における折り返しの向きを反転させ、これによって、前記第2状態に変わってもよい。
【0008】
上記構成によれば、第1支持部は、第1支持部の下端部を回転の中心として回転し、そして、第1状態から第2状態に、また第2状態から第1状態に遷移する。このように、第1支持部を回転させる簡単な操作によって、携帯情報端末を倒すことも、携帯情報端末を起こすことも可能となる。この際、第1支持部の上端部は、折り返し部を介して、第2支持部の先端部に連動する。すなわち、第1支持部の上端部は、第2支持部の基端部を回転の中心とした先端部の軌道に沿って、第2支持部の先端部と共に、裏面被覆部から引き出されるように回転する。結果として、第1支持部の上端部が長辺に沿って並進するような構成と比べて、第1支持部の変形に要する負荷を抑え、また、第1支持部の変形を円滑に進められる。
【0009】
上記携帯情報端末ケースは、前記第1状態と前記第2状態とを磁力によって保持する状態保持部をさらに備えてもよい。前記状態保持部は、前記裏面被覆部に対して固定された被覆部磁石片と、前記第2支持部に搭載された第2磁石片と、を備え、前記折り返し部が折り返しの向きを反転した状態で、前記被覆部磁石片と前記第2磁石片とが最も引き合うように、前記被覆部磁石片と前記第2磁石片とが配置されてもよい。
【0010】
上記構成によれば、折り返し部が折り返しの向きを反転した状態で、被覆部磁石片と第2磁石片とが最も引き合うため、支持部の第2状態が磁力によって保持される。
上記携帯情報端末ケースは、前記第1状態と前記第2状態とを磁力によって保持する状態保持部をさらに備えてもよい。前記状態保持部は、前記裏面被覆部に対して固定された被覆部磁石片と、前記第1支持部に搭載された第1磁石片と、を備え、前記第1状態の前記第1支持部が前記第2支持部を覆う第1状態で、前記被覆部磁石片と前記第1磁石片とが最も引き合うように、前記被覆部磁石片と前記第1磁石片とが配置される。
【0011】
上記構成によれば、第1支持部が第2支持部を覆う状態で、被覆部磁石片と第1磁石片とが最も引き合うため、支持部の第1状態が磁力によって保持される。
上記携帯情報端末ケースは、前記第1状態と前記第2状態とを磁力によって保持する状態保持部をさらに備えてもよい。前記状態保持部は、前記裏面被覆部に対して固定された被覆部磁石片と、前記第2支持部に搭載された第2磁石片と、前記第1支持部の上端部と前記折り曲げ部との間に搭載された第1磁石片と、を備えてもよい。この際、前記第2支持部における基端部と先端部との距離は、前記第1支持部の上端部と前記折り曲げ部との距離の3/4よりも短く、前記第1状態の前記第1支持部が前記第2支持部を覆う状態で、前記被覆部磁石片と前記第1磁石片とが対向するように、前記被覆部磁石片と前記第1磁石片とが配置され、かつ、前記折り返し部が折り返しの向きを反転した状態で、前記被覆部磁石片と前記第2磁石片とが対向するように、前記第2磁石片が配置されてもよい。
【0012】
上記構成によれば、第1支持部が第2支持部を覆う状態で、被覆部磁石片と第1磁石片とが向かい合うため、支持部の第1状態が磁力によって保持される。また、折り返し部が折り返しの向きを反転した状態で、被覆部磁石片と第2磁石片とが向き合うため、支持部の第2状態が磁力によって保持される。この際、第1支持部の折り曲げと共に、第1磁石片が被覆部磁石片から遠ざかりはじめ、これによって、第1支持部が第2状態に切り替わりはじめる。また、第2支持部の回転と共に、第2磁石片が被覆部磁石片に近づきはじめ、これによって、第1支持部が第2状態に切り替わりはじめる。結果として、支持部が第2状態に誘導されるように、支持部が第1状態から第2状態に円滑に遷移する。また、支持部が第1状態に誘導されるように、支持部が第2状態から第1状態に円滑に遷移する。さらに、第2支持部における基端部と先端部との距離が、第1支持部における上端部と折り曲げ部との距離の3/4よりも短い。そのため、第1支持部が第1状態であるときに、第2磁石片が被覆部磁石片に引き付けられないよう、被覆部磁石片と第2磁石片との間に十分な距離を確保することも可能となる。
【0013】
上記携帯情報端末ケースにおいて、前記状態保持部は、前記支持部が前記第1状態であるときに、前記携帯情報端末ケースの外面と対向する視点から見て、前記裏面被覆部の中央を含み、かつ前記短辺の延びる方向において前記短辺の長さの1/3の長さを有し、かつ前記長辺の延びる方向において前記長辺の1/3の長さを有する領域に位置してもよい。
【0014】
携帯情報端末のなかの外周部は、通常、通信回路やアンテナなどを備える。この点、磁力によって状態を保持する状態保持部が上述した領域に配置される構成であれば、状態保持部の磁力が通信に及ぼす影響を抑えられる。
【0015】
上記携帯情報端末ケースにおいて、前記裏面被覆部の外面は、前記第1状態の前記支持部を収容する凹部を備えてもよい。そして、前記凹部は、前記第1状態の前記支持部における前記折り曲げ部と対向する位置に前記短辺の延びる方向に広がる窪みを備えてもよい。
【0016】
上記構成によれば、第1状態の支持部が裏面被覆部の凹部に収容される。そのため、第1状態の支持部と裏面被覆部とに一体感を醸し出すことが可能ともなる。そして、凹部が備える窪みに指を入れて折り曲げ部を引き出すことが容易であるから、第1状態の支持部を第2状態に変える操作をユーザーに誘導すること、また、第1状態の支持部を第2状態に変える操作を容易にすることもできる。
【発明の効果】
【0017】
縦表示を行う携帯情報端末の起立と横表示を行う携帯情報端末の起立とを可能にした携帯情報端末ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、携帯情報端末ケースの内面構造を示す斜視図である。
図2図2は、携帯情報端末ケースの外面構造を示す斜視図である。
図3図3は、支持部の外面構造を示す斜視図である。
図4図4は、支持部の断面構造を示す斜視図である。
図5図5(a)は、支持部の平面構造を示す平面図である。図5(b)は、平面形状の支持部を示す側面図である。図5(c)は、突形状の支持部を示す側面図である。
図6図6は、縦表示用の携帯情報端末ケースを示す作用図である。
図7図7は、横表示用の携帯情報端末ケースを示す作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
携帯情報端末ケースの一実施形態を説明する。まず、携帯情報端末ケースの構成を説明する。次に、携帯情報端末ケースが備える支持部の構成を説明する。そして、携帯情報端末ケースが備える支持部の作用、および効果を説明する。
【0020】
携帯情報端末ケースは、携帯情報端末を保護する閉形状と、携帯情報端末の機能を補助する開形状とに切り替わる。携帯情報端末ケースが備える支持部は、机上や卓上に携帯情報端末を倒す平面形状と、机上や卓上に携帯情報端末を立てる突形状とに切り替わる。突形状の支持部は、携帯情報端末の縦表示と、携帯情報端末の横表示とに適した姿勢に、携帯情報端末を支持する。
【0021】
[携帯情報端末ケースの構成]
図1が示すように、携帯情報端末ケース11は、板形状を有する。携帯情報端末ケース11は、内面11Fと外面11B(図2を参照)とを備える。内面11Fと外面11Bとは、それぞれ単一の素材から構成されてもよいし、複数の素材から構成されてもよい。
【0022】
携帯情報端末ケース11は、表面被覆部11Lと裏面被覆部11Rとを備える。表面被覆部11Lと裏面被覆部11Rとは、内面11Fと対向する視点から見て、相互にほぼ等しい長方形状を有する。裏面被覆部11Rは、上下に一対の短辺11Eと、左右に一対の長辺11Tとを備える。携帯情報端末ケース11は、1つの長辺11Tである開閉軸11Aによって、表面被覆部11Lと裏面被覆部11Rとに区切られる。
【0023】
内面11Fのうち、裏面被覆部11Rの内面は、携帯情報端末50の裏面50Bの全体を覆う。裏面被覆部11Rの内面は、携帯情報端末50の端面の一部を覆う端末保持部12を備える。携帯情報端末50は、端末保持部12に取り出し可能に嵌め込まれる。これによって、裏面被覆部11Rは、携帯情報端末50の裏面50Bに取り付けられる。
【0024】
内面11Fのうち、表面被覆部11Lの内面は、収納ポケット13を備えてもよい。収納ポケット13は、開閉軸11Aに向く挿入口を備えてもよい。なお、収納ポケット13が備える挿入口は、短辺11Eに向く開口でもよい。収納ポケット13は、挿入口から挿入されたカードなどを収納する。表面被覆部11Lは、閉状態の携帯情報端末ケース11において、携帯情報端末50の表面を覆う。これによって、表面被覆部11Lは、携帯情報端末50の表面を保護する。
【0025】
携帯情報端末50は、通信機能、表示機能、および自動回転機能を備える。携帯情報端末50における外周部は、通信機能の一部を担う通信回路、およびアンテナを搭載する。携帯情報端末50の表面は、表示機能の一部を担うディスプレイを備える。携帯情報端末50は、ディスプレイを配置された表面と、表面とは反対側の面である裏面50Bとを備える。自動回転機能は、携帯情報端末50の回転によって、携帯情報端末50の画面を、縦表示の画面と横表示の画面とを切り替える。携帯情報端末50は、通話機能を備えてもよいし、撮像機能を備えてもよい。携帯情報端末50の一例は、スマートフォン、あるいはタブレットデバイスである。
【0026】
図2が示すように、裏面被覆部11Rは、裏面被覆部11Rを貫通する撮影孔14を備えてもよい。撮影孔14は、携帯情報端末50の撮影部と撮影孔14とが対向するように配置される。撮影孔14の一例は、裏面被覆部11Rの上端部における1つの隅部に配置される。
【0027】
[第1支持部の構成]
携帯情報端末ケース11は、支持部の一例である第1支持部21を備える。
第1支持部21は、第1状態において、長辺11Tに沿って延びる帯状を有する。第1支持部21の一例は、可撓性を有した被覆素材と、被覆素材に被覆された樹脂板とから構成される。
【0028】
短辺11Eの延びる方向において、第1支持部21の幅は、裏面被覆部11Rの幅の1/3以上2/3以下でもよい。第1支持部21の幅が、裏面被覆部11Rの幅の1/3以上である場合、縦表示を行う携帯情報端末50の起立姿勢の安定化が容易となる。第1支持部21の幅が、裏面被覆部11Rの幅の2/3以下である場合、縦表示を行う携帯情報端末50の起立と、横表示を行う携帯情報端末50の起立との両立が容易となる。
【0029】
長辺11Tの延びる方向において、第1支持部21の長さは、裏面被覆部11Rの長さの1/2以上3/4以下でもよい。第1支持部21の長さが、裏面被覆部11Rの長さの1/2以上3/4以下である場合、縦表示を行う携帯情報端末50の起立姿勢の安定化、および横表示を行う携帯情報端末50の起立姿勢の安定化が図られる。
【0030】
長辺11Tの延びる方向において、第1支持部21の下端部は、第1回転軸2A1を備える。第1回転軸2A1は、短辺11Eの延びる方向に沿って、第1支持部21の全体にわたり延びる。第1支持部21の下端部は、裏面被覆部11Rに支持される固定端である。第1支持部21の下端部は、第1回転軸2A1を中心として回転可能に、裏面被覆部11Rに支持される。
【0031】
長辺11Tの延びる方向において、第1支持部21の中央は、折り曲げ部2A2を備える。第1支持部21の中央は、長辺11Tの延びる方向において、第1支持部21の長さを等分する位置でもよいし、第1支持部21の長さをほぼ等分する位置でもよい。折り曲げ部2A2は、短辺11Eの延びる方向に沿って、第1支持部21の全体にわたり延びる線状を有する。折り曲げ部2A2は、長辺11Tの延びる方向において、第1支持部21を第1回転片22と第1連動片23とに区切る。長辺11Tの延びる方向において、第1回転片22の長さは、第1連動片23の長さと等しくてもよいし、第1連動片23の長さとは異なってもよい。
【0032】
第1支持部21は、第2状態において、折り曲げ部2A2で折り曲げられる。第1支持部21は、第2状態において、裏面被覆部11Rの外面よりも外側に折り曲げ部2A2を配置するような突形状を有する(図6を参照)。
【0033】
第1回転片22、および第1連動片23は、可撓性を有した被覆素材と、被覆素材に被覆された樹脂板とから構成されてもよい。第1回転軸2A1、および折り曲げ部2A2は、被覆素材のみから構成されてもよい。第1回転軸2A1、および折り曲げ部2A2は、第1支持部21のなかで相対的に可撓性を有する薄い部分でもよいし、第1支持部21のなかで樹脂製のヒンジ構造を備える部分でもよい。第1回転軸2A1、および折り曲げ部2A2は、第1回転片22、および第1連動片23と一体でもよいし、第1回転片22、および第1連動片23と別体でもよい。
【0034】
図3が示すように、裏面被覆部11Rの外面は、第1状態をなす第1支持部21を収容する凹部を備えてもよい。第1支持部21を収容する凹部は、裏面被覆部11Rの外面と、第1支持部21の外面とに一体感を醸し出させる。第1支持部21を収容する凹部の深さは、裏面被覆部11Rの外面と、第1支持部21の外面とを面一とする大きさでもよい。裏面被覆部11Rの外面と、第1支持部21の外面とが面一であることは、裏面被覆部11Rの外面と、第1支持部21の外面との一体感をさらに高める。第1支持部21を収容する凹部は、短辺11Eの延びる方向において、第1支持部21における折り曲げ部2A2と対向する位置に、短辺11Eの延びる方向に広がる窪み15を備えてもよい。窪み15の一例は、裏面被覆部11Rの外面と、折り曲げ部2A2との間に、ユーザーの指先を入れるための隙間を形成する。
【0035】
携帯情報端末ケース11は、状態保持部の一例として、3つの磁石片を備えてもよい。3つの磁石片は、被覆部磁石片2M1、第1磁石片2M3、および第2磁石片2M2である。第1磁石片2M3は、第1支持部21の第1連動片23に搭載される。被覆部磁石片2M1と第1磁石片2M3は、第1状態をなす第1支持部21において、相互に対向するように配置される。これによって、被覆部磁石片2M1と第1磁石片2M3は、相互に引き合う。被覆部磁石片2M1と第2磁石片2M2とは、第2状態をなす第1支持部21において、相互に対向するように配置される。これによって、被覆部磁石片2M1と第2磁石片2M2とは、相互に引き合う。
【0036】
[第2支持部の構成]
図4が示すように、携帯情報端末ケース11は、第2支持部24を備えてもよい。第2支持部24は、第1状態をなす第1支持部21と、携帯情報端末50の裏面50Bとの間に位置する。第2支持部24は、第1状態を構成する第1連動片23と、端末保持部12とに挟まれている。第2支持部24は、長辺11Tに沿って延びる帯状を有し、かつ第1状態を構成する第1連動片23に覆われている。
【0037】
第2支持部24の先端部は、折り返し部2A3を介して第1支持部21の上端部に接続されている。折り返し部2A3は、短辺11Eの延びる方向に沿って、第2支持部24の全体にわたり延びる線状を有する。第1連動片23と第2支持部24とは、第1支持部21が第1状態であるとき、相互に向かい合うように、折り返し部2A3で折り返されている。折り返し部2A3は、第1支持部21が第2状態であるとき、第2支持部24を露出させるように、折り返しの向きを反転させる(図6を参照)。
【0038】
第2支持部24の基端部は、第2回転軸2A4を介して固定片25に接続されている。第2支持部24と固定片25とは、第2回転軸2A4を介して一体である。第2回転軸2A4は、短辺11Eの延びる方向に沿って、第2支持部24の全体にわたり延びる。第2支持部24の下端部は、固定片25に支持される固定端である。第2支持部24の下端部は、第2回転軸2A4を中心として回転可能に、固定片25に支持される。
【0039】
固定片25は、端末保持部12と挟持片26とに挟まれ、これによって、端末保持部12と挟持片26とに固定されている。挟持片26は、端末保持部12と裏面被覆部11Rとに挟まれ、これによって、端末保持部12と裏面被覆部11Rとに固定されている。すなわち、第2支持部24の基端部は、裏面被覆部11Rに支持された固定端である。第2支持部24の基端部は、第2回転軸2A4を中心として回転可能に、裏面被覆部11Rに支持される。
【0040】
固定片25の一例は、第2支持部24の基端部から長辺11Tに沿って延びる帯状を有する。固定片25の一例は、折り返し部2A3が折り返しの向きを反転させたとき、第2支持部24に覆われる。挟持片26の一例は、長辺11Tに沿って延びる帯状を有する。挟持片26の一例は、裏面被覆部11Rの一部を構成し、第1状態を構成する第1連動片23に覆われている。
【0041】
第2支持部24は、可撓性を有した被覆素材と、被覆素材に被覆された樹脂板とから構成され、折り返し部2A3、第2回転軸2A4、および固定片25は、被覆素材のみから構成されてもよい。折り返し部2A3、および第2回転軸2A4は、可撓性を有して第2支持部24よりも薄い部分でもよいし、樹脂製のヒンジ構造を備える部分でもよい。折り返し部2A3、および第2回転軸2A4は、第2支持部24、および固定片25と一体でもよいし、第2支持部24、および固定片25と別体でもよい。
【0042】
このように、第1連動片23の下端部は、折り曲げ部2A2を通じ、第1回転片22の回転に連動し、これによって、第1回転片22における先端部の軌道に沿って移動する。また、第1連動片23の上端部、すなわち第1支持部21の上端部は、第2支持部24の回転に連動し、これによって、第2支持部24の先端部の軌道に沿って移動する。言い換えれば、第1回転片22、および第2支持部24は、それぞれの一端を、裏面被覆部11Rのなかの回転中心とする回転リンクである。第1連動片23は、第1回転片22と第2支持部24とを接続する可動リンクである。
【0043】
[状体保持部の構成]
固定片25は、被覆部磁石片2M1を搭載する。被覆部磁石片2M1は、裏面被覆部11Rに対して固定されている。第1状態をなす第1支持部21は、被覆部磁石片2M1と対向するように、第1連動片23のなかに、第1磁石片2M3を搭載する。第1状態をなす第1支持部21が第2支持部24を覆う状態で、被覆部磁石片2M1と第1磁石片2M3とは、最も引き合う。
【0044】
第2支持部24は、第1支持部21が第1状態であるとき、被覆部磁石片2M1と対向しない位置に、第2磁石片2M2を搭載する。第2磁石片2M2は、第1支持部21が第2状態であるとき、第2支持部24が固定片25と重なることによって、被覆部磁石片2M1と対向する。第2状態をなす第1支持部21が第2支持部24に固定片25を覆わせる状態で、被覆部磁石片2M1と第2磁石片2M2とは、最も引き合う。
【0045】
被覆部磁石片2M1、第1磁石片2M3、第2磁石片2M2は、携帯情報端末ケース11の外面と対向する視点から見て、裏面被覆部11Rの中央領域に配置されてもよい。中央領域は、携帯情報端末ケース11の外面と対向する視点から見て、裏面被覆部11Rの中央を中央領域の中央として含む。中央領域は、短辺11Eの延びる方向において短辺11Eの長さの1/3の長さを有し、かつ長辺11Tの延びる方向において長辺11Tの1/3の長さを有する。
【0046】
なお、第2支持部24における基端部と先端部との距離は、第1支持部21の上端部と折り曲げ部2A2との距離の3/4よりも短くてもよい。すなわち、第2支持部24における基端部と先端部との距離は、長辺11Tの延びる方向における第1連動片23の距離の3/4よりも短くてもよい。これによって、第1支持部21が第1状態であるときに、被覆部磁石片2M1が第2磁石片2M2を引き付けないよう、被覆部磁石片2M1と第2磁石片2M2との間に十分な距離を確保することが可能となる。
【0047】
[支持部の状態遷移]
図5(a)が示すように、携帯情報端末ケース11の短辺11Eが机上の載置面55に載置される。この際、第1支持部21は、長辺11Tに沿って延びる帯状を有した第1状態である。第1支持部21の長辺と、開閉軸11Aとの間の距離は、底辺長W1である。そして、被覆部磁石片2M1と第1磁石片2M3とが対向することによって、被覆部磁石片2M1による第1磁石片2M3の引き付け力が、第1支持部21を第1状態に保持する。
【0048】
図5(b)が示すように、折り曲げ部2A2が裏面被覆部11Rの凹部から引き出されるように、第1回転軸2A1を中心に、第1回転片22が回転しはじめる。回転リンクである第1回転片22の回転に伴い、可動リンクである第1連動片23が移動すると共に、第2回転軸2A4を中心に第2支持部24が回転しはじめる。そして、折り曲げ部2A2における折り曲げと、折り返し部2A3における折り返し方向の反転とが進む。
【0049】
図5(c)が示すように、第2支持部24と固定片25とが対向する状態で、第2支持部24の回転が終了し、これに伴い、折り曲げ部2A2における折り曲げが終了する。そして、被覆部磁石片2M1と第2磁石片2M2とが対向することによって、被覆部磁石片2M1による第1磁石片2M3の引き付け力が、第1支持部21を第2状態に保持する。
【0050】
この際、折り曲げ部2A2が裏面被覆部11Rの外面から突き出る距離は、突出量H1に設定されている。折り曲げ部2A2と載置面55との距離、すなわち折り曲げ部2A2と短辺11Eとの距離は、突出高さT1に設定されている。携帯情報端末ケース11において、上述した底辺長W1は、突出高さT1と等しい値に設定されている。そして、突出高さT1を底辺の長さとし、かつ突出量H1を高さとする直角三角形の頂角は、所定の角度θaに設定されている。角度θaの一例は、50°以上80°以下である。
【0051】
[支持部の作用]
図6が示すように、第1支持部21が第2状態であるとき、携帯情報端末ケース11は、携帯情報端末50の短辺、すなわち裏面被覆部11Rの短辺11Eを底部として、載置面55に携帯情報端末50を立てる。これによって、縦表示の携帯情報端末50が第1支持部21によって支持される。この際、短辺11Eの延びる方向に見て、折り曲げ部2A2と短辺11Eとを結ぶ線分は、直角三角形の斜辺である。裏面被覆部11Rの外面に、直角三角形の底辺が位置する。こうした直角三角形の頂角は、上述した角度θaを有する。結果として、縦表示用の携帯情報端末ケース11は、うつむかせて首を前に出させるような前傾姿勢ではなく、人間工学に基づく好適な使用姿勢を、ユーザー51に促す。
【0052】
図7が示すように、第1支持部21が第2状態であるとき、携帯情報端末ケース11は、携帯情報端末50の長辺、すなわち裏面被覆部11Rの長辺11Tを底部として、載置面55に携帯情報端末50を立てる。これによって、横表示の携帯情報端末50が第1支持部21によって支持される。この際、長辺11Tの延びる方向に見て、折り曲げ部2A2の端部2AEと長辺11Tとを結ぶ線分は、直角三角形の斜辺である。裏面被覆部11Rの外面に、直角三角形の底辺が位置する。直角三角形の底辺の長さは、上述した底辺長W1であり、突出高さT1と等しい。こうした直角三角形の頂角は、これもまた、上述した角度θaを有する。結果として、横表示用の携帯情報端末ケース11もまた、人間工学に基づく好適な使用姿勢を、ユーザー51に促す。
【0053】
なお、上述したように、底辺長W1と突出高さT1とが相互に等しいことは、底辺長W1に許容される範囲が、突出高さT1に許容される範囲の一部に重なることを含む。底辺長W1に許容される範囲、および、突出高さT1に許容される範囲は、例えば、縦表示における角度θaが、50°以上80°以下の1つの値であり、かつ横表示における角度θaが、50°以上80°以下の他の値であることを含む。すなわち、縦表示における角度θaは、横表示における角度θaと実質的に等しく、角度θaが50°以上80°以下であれば、横表示における角度θaに裕度を含めた値であってもよい。
【0054】
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)縦表示の携帯情報端末50は、裏面被覆部11Rの短辺11Eを底部として、載置面55に立てられる。横表示の携帯情報端末50は、裏面被覆部11Rの長辺11Tを底部として、載置面55に立てられる。いずれの表示においても、折り曲げ部2A2は、90°から角度θaを差し引いた角度だけ、携帯情報端末50を傾けるように、携帯情報端末50を起立させる。したがって、1つの携帯情報端末ケース11は、縦表示を行う携帯情報端末50の起立と、横表示を行う携帯情報端末50の起立とを可能にする。
【0055】
(2)第1支持部21は、第1支持部21の下端部を回転の中心として回転し、これによって、第1支持部21は、第1状態と第2状態とに遷移する。すなわち、第1回転片22を回転させる簡単な操作によって、携帯情報端末50を倒すこと、および携帯情報端末50を起こすことが可能となる。
【0056】
(3)第1支持部21の上端部は、第2支持部24の先端部と共に、第2支持部24における先端部の軌道に沿って、裏面被覆部11Rから引き出されるように回転する。結果として、第1支持部21の上端部が長辺11Tに沿って並進するような構成と比べて、第1支持部21の変形に要する負荷を抑え、また、第1支持部21の変形を円滑に進められる。
【0057】
(4)折り返し部2A3が折り返しの向きを反転した第1支持部21の第2状態で、被覆部磁石片2M1と第2磁石片2M2とが最も引き合う。こうした被覆部磁石片2M1と第2磁石片2M2との引き合いは、第1支持部21に第2状態を保持させる。
【0058】
(5)第1支持部21が第2支持部24を覆う第1状態で、被覆部磁石片2M1と第1磁石片2M3とが最も引き合う。こうした被覆部磁石片2M1と第1磁石片2M3との引き合いは、第1支持部21に第1状態を保持させる。
【0059】
(6)第1支持部21の折り曲げと共に、第1磁石片2M3が被覆部磁石片2M1から遠ざかりはじめ、これによって、第1支持部21が第2状態に切り替わりはじめる。また、第2支持部24の回転と共に、第2磁石片2M2が被覆部磁石片2M1に近づきはじめ、これによって、第1支持部21が第2状態に切り替わりはじめる。結果として、第1支持部21が第2状態に誘導されるように、第1支持部21が第1状態から第2状態に円滑に遷移する。また、第1支持部21が第1状態に誘導されるように、第1支持部21が第2状態から第1状態に円滑に遷移する。
【0060】
(7)第2支持部24における基端部と先端部との距離が、第1支持部21における上端部と折り曲げ部2A2との距離の3/4よりも短い。これによって、第1支持部21が第1状態であるときに、第2磁石片2M2が被覆部磁石片2M1に引き付けられないよう、被覆部磁石片2M1と第2磁石片2M2との間に十分な距離を確保することも可能となる。
【0061】
(8)被覆部磁石片2M1、第1磁石片2M3、および第2磁石片2M2が中央領域に配置される。そのため、被覆部磁石片2M1、第1磁石片2M3、および第2磁石片2M2の磁力が通信に及ぼす影響を抑えられる。
【0062】
(9)第1状態をなす第1支持部21が裏面被覆部11Rの凹部に収容される。そのため、第1状態をなす第1支持部21と裏面被覆部11Rとに一体感を醸し出すことが可能ともなる。
【0063】
(10)裏面被覆部11Rの凹部が備える窪み15に指を入れて折り曲げ部2A2を引き出すことが容易であるから、第1支持部21を第1状態から第2状態に遷移させる操作を、ユーザーに誘導することが可能でもある。また、第1支持部21を第1状態から第2状態に遷移させる操作を容易にすることもできる。
【0064】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[状態保持部]
・状態保持部が第1支持部21に作用させる保持力は、磁力に限らず、第1支持部21と裏面被覆部11Rとの機械的な係合力でもよいし、第1支持部21と裏面被覆部11Rとの間の化学的な接着力でもよい。
【0065】
・状態保持部が第1支持部21に作用させる保持力は、第1支持部21に直接作用する力に限らず、第2支持部24を介した、第2支持部24と裏面被覆部11Rとの機械的な係合力でもよいし、第2支持部24と裏面被覆部11Rとの間の化学的な接着力でもよい。
【0066】
[第2支持部24]
・第1支持部21の上端部が長辺11Tに沿って並進する場合、第2支持部24は、割愛されてもよいし、第1支持部21の上端部を並進させる機構に変更されてもよい。
【0067】
・第1支持部21の上端部が、第1状態の位置に抜き差し可能に、かつ第2状態の位置に抜き差し可能に、裏面被覆部11Rが構成される場合もまた、第2支持部24は割愛されてもよい。
【0068】
[携帯情報端末50]
・携帯情報端末50は、携帯情報端末ケース11の外面11Bに取り付けられる1つのディスプレイを備えてもよいし、2つのディスプレイを備えてもよい。携帯情報端末50が1つのディスプレイを備える場合、携帯情報端末50のディスプレイが携帯情報端末ケース11の折り曲げに追従して折り曲げ線で折れ曲がるように、携帯情報端末ケース11の全体に、携帯情報端末50が取り付けられてもよい。
・携帯情報端末ケース11は、携帯情報端末50に取り付けられる裏面被覆部11R、および支持部を備える構成であれば、表面被覆部11Lを割愛された構成であってもよい。
【0069】
[付記]
上記実施形態と変更例とから導き出される技術的思想を以下に付記する。
[付記1]
携帯情報端末の裏面に取り付けられる携帯情報端末ケースであって、
前記裏面を覆う長方形状の内面を有した裏面被覆部と、
前記裏面被覆部の長辺に沿って延びる帯状を有し、かつ前記携帯情報端末ケースの外面を前記裏面被覆部の外面と共に構成する支持部と、を備え、
前記支持部は、
前記支持部の長手方向における中央に、前記裏面被覆部の短辺に沿って延びる線状を有した折り曲げ部を備え、前記帯状を有した第1状態から、前記裏面被覆部の外面よりも外側に前記折り曲げ部を配置するような突形状を有した第2状態に、前記折り曲げ部の折り曲げによって切り替わるように構成され、
前記支持部は、第1支持部であり、
前記第1支持部の下端部は、前記短辺に沿って延びる第1回転軸を中心として回転可能に前記裏面被覆部に支持された固定端であり、
前記第1支持部の上端部は、前記上端部と前記下端部との間に前記折り曲げ部を配置し、前記折り曲げ部の折り曲げによって前記裏面被覆部に対して移動する可動端であり、
前記携帯情報端末ケースは、前記長辺に沿って延びる帯状を有し、かつ前記第1状態の前記第1支持部と、前記携帯情報端末の裏面との間に位置する第2支持部をさらに備え、
前記第2支持部の基端部は、前記短辺に沿って延びる第2回転軸を中心として回転可能に前記裏面被覆部に支持された固定端であり、かつ前記第1状態の前記第1支持部と、前記携帯情報端末の裏面との間に位置し、
前記第2支持部の先端部は、前記短辺に沿って延びる線状を有した折り返し部を介して前記第1支持部の上端部に接続された可動端であり、かつ前記第1状態の前記第1支持部が前記第2支持部を覆うように前記折り返し部で折り返され、
前記第1状態の前記第1支持部は、前記第1回転軸を中心に回転しながら前記折り曲げ部を折り曲げると共に、前記第2回転軸を中心に前記第2支持部を回転させながら前記第1支持部が前記第2支持部を露出させるように前記折り返し部における折り返しの向きを反転させ、これによって、前記第2状態に変わる、携帯情報端末ケース。
【0070】
[付記1の効果]
上記構成によれば、縦表示の携帯情報端末は、携帯情報端末の短辺、すなわち裏面被覆部の短辺を底部として、机上や卓上に立てられる。この際、第1支持部は、第1支持部の下端部を回転の中心として回転し、これによって、第1状態と第2状態との間を遷移する。すなわち、第1支持部を回転させる簡単な操作によって、携帯情報端末を倒すこと、および携帯情報端末を起こすことが可能となる。また、第1支持部の上端部は、折り返し部を介して、第2支持部の先端部に連動する。すなわち、第1支持部の上端部は、第2支持部の先端部と共に、第2支持部の基端部を回転の中心とした先端部の軌道に沿って、裏面被覆部から引き出されるように回転する。したがって、第1支持部の上端部が長辺に沿って並進するような構成と比べて、第1支持部の変形に要する負荷は小さく、結果として、第1支持部の変形が円滑に進められる。なお、第2状態の支持部によって定められる上述した直角三角形の頂角が、短辺の延びる方向に見た場合と、長辺の延びる方向に見た場合との間で相互に異なる構成においても、こうした効果は得られる。
【0071】
[付記2]
前記第2支持部における基端部と先端部との距離は、前記第1支持部の上端部と前記折り曲げ部との距離の3/4よりも短い、付記1に記載の携帯情報端末ケース。
【0072】
[付記2の効果]
上記構成によれば、第2支持部における基端部と先端部との距離が、第1支持部の上端部と折り曲げ部との距離の3/4よりも短い。そのため、第2支持部の基端部を回転の中心とした先端部の軌道が過度に広がることが抑えられる。結果として、第1状態と第2状態との間の過渡状態において、第1支持部の形状の安定化、および、第2支持部の形状の安定化が図られる。
【符号の説明】
【0073】
2A1…第1回転軸
2A2…折り曲げ部
2A3…折り返し部
2A4…第2回転軸
2AE…端部
11…携帯情報端末ケース
11F…内面
11R…裏面被覆部
11B…外面
11T…長辺
11E…短辺
15…窪み
21…第1支持部
24…第2支持部
2M1…被覆部磁石片
2M3…第1磁石片
2M2…第2磁石片
50…携帯情報端末
50B…裏面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7