IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図1
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図2
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図3
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図4
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図5
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図6
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図7
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図8
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図9
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図10
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図11
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図12
  • 特許-ゲート駆動部及びこれを含む表示装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ゲート駆動部及びこれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20241114BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241114BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20241114BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20241114BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20241114BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20241114BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20241114BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20241114BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20241114BHJP
【FI】
G09G3/20 622A
G09G3/20 622E
G09G3/20 621M
G09G3/20 680G
G09F9/30 338
G09F9/30 349A
G09F9/30 349D
G09F9/30 365
G09G3/3233
H05B33/02
H05B33/04
H05B33/12 E
H05B33/14 A
H05B33/14 Z
H10K59/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021203007
(22)【出願日】2021-12-15
(65)【公開番号】P2022099283
(43)【公開日】2022-07-04
【審査請求日】2021-12-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0180990
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】趙 誠 鶴
(72)【発明者】
【氏名】高 兌 熙
【合議体】
【審判長】岡田 吉美
【審判官】濱本 禎広
【審判官】佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-203973(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0074933(US,A1)
【文献】特開2007-157470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
G09F 9/00-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素が配置される表示領域、及び前記表示領域を囲む非表示領域を含む表示パネルと、
前記非表示領域に配置され、複数のゲートラインを介して前記画素にゲート信号を印加するゲート駆動部と、
を含み、
前記表示領域及び前記非表示領域のそれぞれは、
回路素子が配置され、互いに離隔して配置される回路部と、
前記回路部同士の間に配置され、外部光を透過させる透明部と
を含み、
前記ゲート駆動部は、それぞれゲートラインにゲート信号を出力する複数のステージを含み、
各ステージは、前記非表示領域内に前記回路部および前記透明部を含み、
前記複数のステージは第1ステージおよび第2ステージを含み、
前記第1ステージおよび前記第2ステージは、少なくとも第1回路部および第2回路部をそれぞれ含み、
前記第1ステージの前記第1回路部および、前記第2ステージの前記第1回路部は、同一の機能を実行し、前記第1ステージの前記第2回路部および、前記第2ステージの前記第2回路部は、同一の機能を実行し、
前記複数の回路部のそれぞれは、前記複数の回路部のそれぞれの所定の機能を実行することを要求する少なくとも一つの回路ブロックを含み、
前記表示領域における前記回路部は、
基板の第1の領域と、
前記基板上に配置され、前記回路素子を有する回路素子層の第1の領域と、
前記回路素子層上の前記回路素子をカバーする平坦化層の第1の領域と、
前記平坦化層上に配置され、複数の発光素子を含む発光素子層の第1の領域であって、前記複数の発光素子の各々が、
アノード電極、
カソード電極、及び
前記アノード電極と前記カソード電極との間に配置された発光層
を含む発光素子を含む、
発光素子層の第1の領域と、
前記発光素子層をカバーする封止層の第1の領域と、
前記封止層の上部に配置されるカバー基板の第1の領域と、
前記封止層と前記カバー基板との間に配置されるカラーフィルタと
を含み、
前記非表示領域における複数の前記回路部の各々は、
前記基板の第2の領域と、
前記回路素子層の第2の領域と、
前記平坦化層の第2の領域と、
前記平坦化層の前記第2の領域上に配置されるダミー反射層と、
前記ダミー反射層をカバーする前記封止層の第2の領域と
を含み、
前記ダミー反射層は、前記アノード電極と実質的に同じ材料を含む、
表示装置。
【請求項2】
画素が配置される表示領域、及び前記表示領域を囲む非表示領域を含む表示パネルと、
前記非表示領域に配置され、複数のゲートラインを介して前記画素にゲート信号を印加するゲート駆動部と、
を含み、
前記表示領域及び前記非表示領域のそれぞれは、
回路素子が配置され、互いに離隔して配置される回路部と、
前記回路部同士の間に配置され、外部光を透過させる透明部と
を含み、
前記ゲート駆動部は、それぞれゲートラインにゲート信号を出力する複数のステージを含み、
各ステージは、前記非表示領域内に前記回路部および前記透明部を含み、
前記複数のステージは第1ステージおよび第2ステージを含み、
前記第1ステージおよび前記第2ステージは、少なくとも第1回路部および第2回路部をそれぞれ含み、
前記第1ステージの前記第1回路部および、前記第2ステージの前記第1回路部は、同一の機能を実行し、前記第1ステージの前記第2回路部および、前記第2ステージの前記第2回路部は、同一の機能を実行し、
前記複数の回路部のそれぞれは、前記複数の回路部のそれぞれの所定の機能を実行することを要求する少なくとも一つの回路ブロックを含み、
前記表示領域における前記回路部は、
基板の第1の領域と、
前記基板上に配置され、前記回路素子を有する回路素子層の第1の領域と、
前記回路素子層に配置された前記回路素子をカバーする平坦化層の第1の領域と、
前記平坦化層上に配置され、複数の発光素子を有し、前記複数の発光素子が、
アノード電極、
カソード電極、及び
前記アノード電極と前記カソード電極との間に配置された発光層
を含む、
発光素子層と、
前記発光素子層をカバーする封止層の第1の領域と、
前記封止層の上部に配置されるカバー基板の第1の領域と、
前記封止層と前記カバー基板との間に配置されるカラーフィルタと
を含み、
前記非表示領域における前記回路部は、
前記基板の第2の領域と、
前記回路素子層の第2の領域と、
前記平坦化層の第2の領域と、
前記平坦化層上に配置される前記封止層の第2の領域と、
前記カバー基板の第2の領域と、
前記封止層の前記第2の領域と前記カバー基板の前記第2の領域との間に配置されるダミーカラーフィルタと
を含み、
前記ダミーカラーフィルタは、前記カラーフィルタと実質的に同じ材料を含む、表示装置。
【請求項3】
各ステージの前記回路部のそれぞれは、
第1方向に延び、回路素子が配置される第1延長部と、
前記第1方向に対して垂直な第2方向に延び、前記回路部同士の間を接続する第2配線が配置される第2延長部と
を含み、
前記第1延長部の前記第2方向への幅は、前記第2延長部の前記第1方向への幅よりも大きい、
請求項またはに記載の表示装置。
【請求項4】
各ステージの前記回路部は、
画素センシングのために前記画素に提供される第2ゲート信号の出力を制御する機能を実行する前記第1回路部と、
前記ゲート駆動部に配置される第1ノードの電圧を設定する機能を実行する前記第2回路部と、
対応するステージの後に配置された他のステージに提供されるキャリー信号の出力を制御する機能を実行する第3回路部と、
前記対応するステージの前に配置された他のステージから受信される前記キャリー信号に応答して、前記第1ノード及び前記ゲート駆動部に接続される第2ノードの電圧をリセットする第4回路部と、
前記第1ノード及び前記第2ノードに印加される信号を反転させて出力する機能を実行する第5回路部と、
前記第2ノードの電圧に応答してターンオンされる少なくとも一つのプルダウントランジスタを介してゲートオフ電圧の第1ゲート信号を出力する機能を実行する第6回路部と、
前記第1ノードの電圧に応答してターンオンされる少なくとも一つのプルアップトランジスタを介してゲートオン電圧の前記第1ゲート信号を出力する機能を実行する第7回路部と
を含み、
前記複数の透明部のそれぞれは、前記第1乃至第7回路部の内の隣接する2つの回路部のそれぞれの間にそれぞれ配置される、
請求項またはに記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1回路部は、前記非表示領域における前記表示パネルの縁部に隣接して配置され、
前記第6回路部及び前記第7回路部は、前記第1、第2、第3、第4及び第5回路部よりも前記表示領域に近接して配置される、
請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第4回路部は、前記キャリー信号を出力する前記第3回路部に隣接して配置される、請求項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第7回路部は、
互いに離隔して配置された複数のサブ回路部と、
前記サブ回路部同士の間に配置された前記透明部と
を含み、
前記複数のサブ回路部は、
それぞれがプルアップトランジスタの部分で構成される第1サブ回路部と、
前記プルアップトランジスタにスキャンクロック信号を印加する前記第1配線が配置される第2サブ回路部と
を含む、請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記画素は、赤色の画素、緑色の画素、及び青色の画素を含み、
前記ゲート駆動部の前記回路部は、前記赤色、緑色及び青色の画素と実質的に同じサイズ及び形状を有する、
請求項またはに記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示領域に配置される透明部と、前記非表示領域に配置される透明部と実質的に同じ形状を有する、請求項またはに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲート駆動部及びこれを含む表示装置に関し、より詳しくは、透明部を有するゲート駆動部及びこれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、電子と正孔との再結合によって光を発生する有機発光ダイオードを用いて画像を表示する。有機発光表示装置は、自発光方式の表示装置であって、応答速度が速く、低消費電力で駆動されるため、次世代ディスプレイとして脚光を浴びている。
【0003】
有機発光表示装置は、装置内部のトランジスタや発光素子を透明な形態で構成し、また回路領域と透過領域とを分離させることにより、透明表示装置として形成することができる。しかし、従来の透明表示装置は、ベゼルなどの非表示領域が存在するため、透明イメージの視感特性が低下するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-038964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、透明表示装置において、表示領域と非表示領域との視覚的な違和感を低減させた表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によるゲート駆動部は、回路素子が配置され、互いに離隔して配置された複数の回路部と、これらの回路部同士の間に配置され、外部光を透過させる複数の透明部と、を含み、前記複数の回路部のそれぞれは、同じ機能を行う少なくとも一つの回路ブロックを含むことができる。
【0007】
前記複数の回路部は、第1方向に延び、回路素子が配置される第1延長部と、前記第1方向に対して垂直な第2方向に延び、前記回路部同士の間を接続する第2配線が配置される第2延長部と、を含むことができる。
【0008】
前記第1延長部の前記第2方向への幅は、前記第2延長部の前記第1方向への幅よりも大きいことができる。
【0009】
前記回路部のそれぞれにグローバル信号を印加する複数の第1配線をさらに含み、前記グローバル信号は、スキャンクロック信号、キャリークロック信号、スタート信号、リセット信号、センシング選択信号、第1電源、第2電源及び第3電源のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0010】
前記複数の回路部は、画素センシングのために前記画素に提供される第2ゲート信号の出力を制御する第1回路部と、前記ゲート駆動部に配置されるQノード(又は第1ノード)の電圧を設定する第2回路部と、当該ステージの後に配置された他のステージに提供されるキャリー信号の出力を制御する第3回路部と、前記当該ステージの前に配置された他のステージから受信される前記キャリー信号に応答して、前記Qノード及び前記ゲート駆動部に配置されるQBノード(又は第2ノード)の電圧をリセットする第4回路部と、前記Qノード及び前記QBノードに印加される信号を反転させて出力する第5回路部と、前記QBノードの電圧に応答してターンオンされる少なくとも一つのプルダウントランジスタを介してゲートオフ電圧の第1ゲート信号を出力する第6回路部と、前記Qノードの電圧に応答してターンオンされる少なくとも一つのプルアップトランジスタを介してゲートオン電圧の前記第1ゲート信号を出力する第7回路部と、を含むことができる。
【0011】
前記第1回路部は、前記ゲート駆動部の一側縁に隣接して配置されることができる。
【0012】
前記第4回路部は、前記キャリー信号を出力する前記第3回路部に隣接して配置されることができる。
【0013】
前記第6回路部及び前記第7回路部は、前記ゲート駆動部の他側縁に隣接して配置されることができる。
【0014】
前記第7回路部は、互いに離隔して配置された複数のサブ回路部、及び前記サブ回路部同士の間に配置された前記透明部を含み、前記複数のサブ回路部は、それぞれが前記プルアップトランジスタの部分で構成される第1サブ回路部、及び前記プルアップトランジスタに前記スキャンクロック信号を印加する前記第1配線が配置される第2サブ回路部を含むことができる。
【0015】
前記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7回路部を、全体として「前記第1乃至第7回路部」と呼ぶことがある。
【0016】
前記第1乃至第7回路部のうちの少なくとも一部は、回路部の動作のために必要なローカル信号を直接生成するように構成され、前記ローカル信号は、前記プルアップトランジスタのターンオン及びターンオフを制御するためのQノード信号、前記プルダウントランジスタのターンオン及びターンオフを制御するためのQBノード信号、前記キャリー信号CR、前記第1及び第2ゲート信号、及び画素センシングのために前記Qノード及び前記QBノードを充電及び放電するためのM_o信号のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0017】
前記回路部は、基板、前記基板上に配置され、前記回路素子が配置される回路素子層(又は第1の層)、前記回路素子層に配置された前記回路素子をカバーする平坦化層(又は第2の層)、前記平坦化層上に配置されるダミー反射層(又は第3の層)、及び前記ダミー反射層をカバーする封止層(又は第4の層)を含み、前記ダミー反射層は、反射型電極で構成されることができる。
【0018】
前記回路部は、基板、前記基板上に配置され、前記回路素子が配置される回路素子層、前記回路素子層に配置された前記回路素子をカバーする平坦化層、前記平坦化層上に形成された封止層、前記封止層の上部に配置されるカバー基板、及び前記封止層と前記カバー基板との間に配置されるダミーカラーフィルタをさらに含み、前記ダミーカラーフィルタは、色剤を含む感光性樹脂で構成されることができる。
【0019】
一実施形態による表示装置は、画素が配置される表示領域、及び前記表示領域を囲む非表示領域を含む表示パネルと、前記非表示領域に配置され、ゲート信号をゲートラインを介して前記画素に印加するゲート駆動部と、を含み、前記表示領域及び前記非表示領域のそれぞれは、回路素子が配置され、互いに離隔して配置される回路部、及び前記回路部同士の間に配置され、外部光を透過させる透明部を含むことができる。
【0020】
前記回路部は、第1方向に延び、回路素子が配置される第1延長部、及び前記第1方向に対して垂直な第2方向に延び、前記回路部同士の間を接続する第2配線が配置される第2延長部を含み、前記第1延長部の前記第2方向への幅は、前記第2延長部の前記第1方向への幅よりも大きいことができる。
【0021】
前記ゲート駆動部は、画素センシングのために前記画素に提供される第2ゲート信号の出力を制御する第1回路部、前記ゲート駆動部に配置されるQノードの電圧を設定する第2回路部、当該ステージの後に配置された他のステージに提供されるキャリー信号の出力を制御する第3回路部、前記当該ステージの前に配置された他のステージから受信される前記キャリー信号に応答して、前記Qノード及び前記ゲート駆動部に配置されるQBノードの電圧をリセットする第4回路部、前記Qノード及び前記QBノードに印加される信号を反転させて出力する第5回路部、前記QBノードの電圧に応答してターンオンされる少なくとも一つのプルダウントランジスタを介してゲートオフ電圧の第1ゲート信号を出力する第6回路部、及び前記Qノードの電圧に応答してターンオンされる少なくとも一つのプルアップトランジスタを介してゲートオン電圧の前記第1ゲート信号を出力する第7回路部を含むことができる。
【0022】
前記第1回路部は、前記非表示領域における前記表示パネルの縁部に隣接して配置され、前記第6回路部及び前記第7回路部は、前記表示領域に隣接して配置されることができる。
【0023】
前記第4回路部は、前記キャリー信号を出力する前記第3回路部に隣接して配置されることができる。
【0024】
前記第7回路部は、互いに離隔して配置された複数のサブ回路部、及び前記サブ回路部同士の間に配置された前記透明部を含み、前記複数のサブ回路部は、それぞれが前記プルアップトランジスタの部分で構成される第1サブ回路部、及び前記プルアップトランジスタに前記スキャンクロック信号を印加する前記第1配線が配置される第2サブ回路部を含むことができる。
【0025】
前記表示領域における前記回路部は、基板、前記基板上に配置され、前記回路素子が配置される回路素子層、前記回路素子層に配置された前記回路素子をカバーする平坦化層、前記平坦化層上に配置され、アノード電極、カソード電極、及び前記アノード電極と前記カソード電極との間に配置された発光層を含む発光素子が備えられた発光素子層、前記発光素子層をカバーする封止層、前記封止層の上部に配置されるカバー基板、及び前記封止層と前記カバー基板との間に配置されるカラーフィルタを含み、前記非表示領域における前記回路部は、前記基板、前記回路素子層、前記平坦化層、前記平坦化層上に配置されるダミー反射層、及び前記ダミー反射層をカバーする前記封止層を含み、前記ダミー反射層は、前記アノード電極と同じ材料で構成されることができる。
【0026】
前記表示領域における前記回路部は、基板、前記基板上に配置され、前記回路素子が配置される回路素子層、前記回路素子層に配置された前記回路素子をカバーする平坦化層、前記平坦化層上に配置され、アノード電極、カソード電極、及び前記アノード電極と前記カソード電極との間に配置された発光層を含む発光素子が備えられた発光素子層、前記発光素子層をカバーする封止層、前記封止層の上部に配置されるカバー基板、及び前記封止層と前記カバー基板との間に配置されるカラーフィルタを含み、前記非表示領域における前記回路部は、前記基板、前記回路素子層、前記平坦化層、前記平坦化層上に配置される前記封止層、前記封止層の上部に配置される前記カバー基板、及び前記封止層と前記カバー基板との間に配置されるダミーカラーフィルタを含み、前記ダミーカラーフィルタは、前記カラーフィルタと同じ材料で構成されることができる。
【0027】
前記画素は、R、G、B画素を含み、前記ゲート駆動部の前記回路部は、前記R、G、B画素と同じサイズ及び形状を有することができる。
【0028】
前記表示領域に配置される透明部と、前記非表示領域に配置される透明部とは実質的に同じ形状を有することができる。
【発明の効果】
【0029】
実施形態による表示装置は、非表示領域に配置されるゲート駆動部を表示領域と同様に回路部及び透明部で構成して、表示領域と非表示領域との間の視覚的な違和感を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一実施形態による表示装置の構成を示すブロック図である。
図2図1に示された表示装置の概略的な斜視図である。
図3図1に示された画素の一実施形態を示す回路図である。
図4図1に示されたゲート駆動部を概略的に示す図である。
図5図4に示されたステージの動作を説明するための回路図である。
図6図2に示された領域の一実施形態による拡大図である。
図7図2に示された領域の他の実施形態による拡大図である。
図8図7に示された回路の拡大図である。
図9図8に示されたステージを構成する回路部を概略的に示すブロック図である。
図10】第1プルアップトランジスタの一例を概略的に示す図である。
図11】表示領域の一実施形態による断面図である。
図12】非表示領域の一実施形態による断面図である。
図13図12のダミー反射パターン及びダミーカラーフィルタの配置状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して実施形態を説明する。本明細書において、ある構成要素(又は領域、層、部分など)が他の構成要素の「上にある」、「接続される」、又は「結合される」と記載される場合、それは他の構成要素の上に直接連結/結合されることも、それらの間に第3の構成要素が配置されることもあることを意味する。
【0032】
同じ図面符号は同じ構成要素を指す。また、図面において、構成要素の厚さ、割合及び寸法は、技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。「及び/又は」は、関連する構成が定義することができる一つ以上の組み合わせを全て含む。
【0033】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するために使用できるが、これらの構成要素は、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、一つの構造要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本実施形態の権利範囲を逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成要素と命名されてもよく、同様に第2の構成要素も第1の構成要素と命名されてもよい。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を有しない限り、複数の表現を含む。
【0034】
また、「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示された構成の連関関係を説明するために使用される。これらの用語は、相対的な概念であって、図面に表示した方向を基準に説明される。
【0035】
「含む」又は「有する」などの用語は、本明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定するためのものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0036】
図1は一実施形態による表示装置の構成を示すブロック図である。
【0037】
図1を参照すると、表示装置1は、タイミング制御部10、ゲート駆動部20、データ駆動部30は、電源供給部40及び表示パネル50を含む。
【0038】
タイミング制御部10は、外部から映像信号RGB及び制御信号CSを受信することができる。映像信号RGBは複数の階調データを含むことができる。タイミング制御部10は、映像信号RGB及び制御信号CSを表示パネル50の動作条件に適合するように処理して、映像データDATA、ゲート駆動制御信号CONT1、データ駆動制御信号CONT2及び電源供給制御信号CONT3を生成及び出力することができる。
【0039】
ゲート駆動部20は、複数の第1ゲートラインGL11~GL1nを介して表示パネル50の画素PXに接続されることができる。ゲート駆動部20は、タイミング制御部10から出力されるゲート駆動制御信号CONT1に基づいて、ゲート信号を生成し、生成されたゲート信号を複数の第1ゲートラインGL11~GL1nを介して画素PXに提供することができる。
【0040】
様々な実施形態において、ゲート駆動部20は、複数の第2ゲートラインGL21~GL2nを介して表示パネル50の画素PXにさらに接続されることができる。ゲート駆動部20は、複数の第2ゲートラインGL21~GL2nを介してセンシング信号を画素PXに提供することができる。
【0041】
データ駆動部30は、複数のデータラインDL1~DLmを介して表示パネル50の画素PXに接続されることができる。データ駆動部30は、タイミング制御部10から出力される映像データDATA及びデータ駆動制御信号CONT2に基づいて、データ信号を生成し、複数のデータラインDL1~DLmを介して画素PXに提供することができる。
【0042】
様々な実施形態において、データ駆動部30は、複数のセンシングライン(又は、リファレンスライン)SL1~SLmを介して表示パネル50の画素PXにさらに接続されることができる。データ駆動部30は、複数のセンシングラインSL1~SLmを介して基準電圧(又は、センシング電圧、初期化電圧)を画素PXに提供するか、或いは画素PXからフィードバックされる電気信号に基づいて画素PXの状態をセンシングすることができる。
【0043】
電源供給部40は、複数の電源ラインPL1、PL2を介して表示パネル50の画素PXに接続されることができる。電源供給部40は、電源供給制御信号CONT3に基づいて、表示パネル50に提供される駆動電圧(例えば、高電位駆動電圧ELVDD及び低電位駆動電圧ELVSS)を生成し、駆動電圧ELVDD、ELVSSを対応する電源ラインPL1、PL2を介して画素PXに提供することができる。
【0044】
表示パネル50には、複数の画素PX(又は、サブ画素と命名される)が配置される。画素PXは、例えば、表示パネル50上にマトリックス状に配列されることができる。画素PXは、第1ゲートラインGL11~GL1n及びデータラインDL1~DLmを介して供給されるゲート信号及びデータ信号に対応する輝度で発光することができる。それぞれの画素PXは、赤色、緑色、青色及び白色のうちのいずれかの色を表示することができる。
【0045】
図2図1に示した表示装置の概略的な斜視図である。
【0046】
表示装置1は多様な形態で実現できる。例えば、表示装置1は長方形の板状に実現できる。
【0047】
表示パネル50は表示領域AA及び非表示領域NAAを含む。表示領域AAは、画素PXが配置される領域であって、活性領域ともいう。非表示領域NAAは表示領域AAの周辺に配置できる。
【0048】
非表示領域NAAは、画素PXを駆動するための駆動部として、例えばゲート駆動部20が設けられることができる。ゲート駆動部20は、図2に示すように、表示パネル50の非表示領域NAAにゲートインパネル方式で形成されることができる。
【0049】
非表示領域NAAには複数のパッド(図示せず)が設けられることができる。パッドは、絶縁層によって覆われず表示パネル50の外部に露出され、データ駆動部30及び回路基板70などと電気的に接続されることができる。
【0050】
軟性フィルム60は、一端が表示パネル50のパッド領域PAに付着し、他端が回路基板70に付着することで、表示パネル50と回路基板70とを電気的に接続することができる。軟性フィルム60は、パッド領域PAに形成されたパッドと回路ボード70の配線とを電気的に接続するための複数の配線を含むことができる。
【0051】
回路ボード70は、プリント回路ボード(printed circuit board)又はフレキシブルプリント回路ボード(flexible printed circuit board)であることができる。回路ボード70は、集積回路の形で実装されたタイミング制御部10及び電源供給部40を含むことができる。
【0052】
図3図1に示された画素の一実施形態を示す回路図である。図3はi番目のゲートラインGL1i、GL2iとj番目のデータラインDLjに接続される画素PXijを例として示す。
【0053】
図3を参照すると、画素PXは、スイッチングトランジスタST、駆動トランジスタDT、センシングトランジスタSST、ストレージキャパシタCst及び発光素子LDを含む。
【0054】
スイッチングトランジスタSTの第1電極(例えば、ドレイン電極)はj番目のデータラインDLjと電気的に接続され、第2電極(例えば、ソース電極)は第1ノードN1と電気的に接続される。スイッチングトランジスタSTのゲート電極はi番目の第1ゲートラインGL1iと電気的に接続される。スイッチングトランジスタSTは、i番目の第1ゲートラインGL1iにゲートオンレベルのゲート信号が印加されるときにターンオンされ、j番目のデータラインDLjに印加されるデータ信号を第1ノードN1に伝達する。
【0055】
ストレージキャパシタCstの第1電極は第1ノードN1と電気的に接続され、第2電極は発光素子LDの第1電極に接続される。ストレージキャパシタCstは、第1ノードN1に印加される電圧と発光素子LDの第1電極に印加される電圧との差に対応する電圧を充電することができる。
【0056】
駆動トランジスタDTの第1電極(例えば、ドレイン電極)は、高電位駆動電圧ELVDDの提供を受けるように構成され、第2電極(例えば、ソース電極)は、発光素子LDの第1電極(例えば、アノード電極)に電気的に接続される。駆動トランジスタDTのゲート電極は、第1ノードN1に電気的に接続される。駆動トランジスタDTは、第1ノードN1を介してゲートオンレベルの電圧が印加されるときにターンオンされ、ゲート電極に提供される電圧に対応して発光素子LDを流れる駆動電流の量を制御することができる。
【0057】
センシングトランジスタSSTの第1電極(例えば、ドレイン電極)は、j番目のセンシングラインSLjと電気的に接続され、第2電極(例えば、ソース電極)は、発光素子LDの第1電極(例えば、アノード電極)に電気的に接続される。センシングトランジスタSSTのゲート電極は、i番目の第2ゲートラインGL2iに電気的に接続される。センシングトランジスタSSTは、i番目の第2ゲートラインGL2iにゲートオンレベルのセンシング信号が印加されるときにターンオンされ、j番目のセンシングラインSLjに印加される基準電圧を発光素子LDの第1電極に伝達する。
【0058】
発光素子LDは、駆動電流に対応する光を出力する。発光素子LDは、赤色、緑色、青色、白色のうちのいずれかの色に対応する光を出力することができる。発光素子LDは、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode;OLED)であることができる。
【0059】
図4図1に示されたゲート駆動部を概略的に示す図であり、図5図4に示されたステージの動作を説明するための回路図である。
【0060】
図4を参照すると、ゲート駆動部20は、複数のステージST1~STnを含む。ステージST1~STnは、ゲート駆動部20にグローバル信号として印加されるスキャンクロック信号SCLK、キャリークロック信号CCLK、スタート信号Vst/以前ステージのキャリー信号CR、リセット信号Rst、センシング選択信号LSP、第1電源Vdd、第2電源Vdd_even/Vdd_odd及び第3電源Vssの入力をそれぞれ受けるための複数の入力端子を含む。また、ステージST1~STnは、第1ゲートラインGL11~GL1nのいずれかと第2ゲートラインGL21~GL2nのうちのいずれかにそれぞれ接続される複数の出力端子を含む。これらのステージST1~STnは、入力されるグローバル信号とステージST1~STnの内部で生成されるローカル信号に応答して第1ゲートラインGL11~GL1nに第1ゲート信号GS11~GS1nを供給し、第2ゲートラインGL21~GL2nに第2ゲート信号GS21~GS2nを供給することができる。
【0061】
ステージST1~STnは、スキャンクロック信号SCLK及びキャリークロック信号CCLKの供給を受ける。スキャンクロック信号SCLK及びキャリークロック信号CCLKは一つの信号と示されるが、それぞれが複数のクロック信号で構成できる。例えば、スキャンクロック信号SCLKは第1~第iスキャンクロック信号で構成され、キャリークロック信号CCLKは第1~第iキャリークロック信号で構成されることができる。
【0062】
スキャンクロック信号SCLK及びキャリークロック信号CCLKは、ハイ電圧及びロー電圧を繰り返す矩形波信号であることができる。ハイ電圧は、ロー電圧よりも高い電圧であり得る。ここで、ハイ電圧期間は、ゲート信号の幅に対応し、画素PXの回路構造及び駆動方式に対応して多様に設定できる。
【0063】
様々な実施形態において、スキャンクロック信号SCLKは同じ周期を有し、位相がシフトされた信号に設定できる。例えば、第1~第iスキャンクロック信号は、以前スキャンクロック信号よりも1/i周期だけ位相がシフトされた形態の信号であることができる。同様に、キャリークロック信号CCLKは、同じ周期を有し、位相がシフトされた信号に設定されることができる。例えば、第1~第iキャリークロック信号は、以前のキャリークロック信号よりも1/i周期だけ位相がシフトされた形態の信号であることができる。様々な実施形態において、キャリークロック信号CCLKは、対応するキャリークロック信号SCLKにそれぞれ同期化した信号であることができる。しかし、本実施形態がこれに限定されない。
【0064】
図5を参照すると、それぞれのステージSTは、プルアップトランジスタTup1、Tup2、Tup3、及びプルアップトランジスタTup1、Tup2、Tup3の動作状態を制御するための制御回路CCを含むことができる。第1プルアップトランジスタTup1のゲートは、QノードQに接続され、QノードQがゲートオン電圧に設定されるときにターンオンされ、ゲートオンレベルのスキャンクロック信号SCLKを第1ゲートラインG11~G1nに第1ゲート信号GS1として出力することができる。第2プルアップトランジスタTup2のゲートは、QノードQに接続され、QノードQがゲートオン電圧に設定されるときにターンオンされ、ゲートオンレベルのスキャンクロック信号SCLKを第2ゲートラインG21~G2nに第2ゲート信号GS2として出力することができる。第3プルアップトランジスタTup3は、ゲートに印加される電圧に応じてターンオンされ、ゲートオンレベルのキャリークロック信号CCLKをキャリー信号CRとして出力することができる。
【0065】
ステージST1~STnは、スタート信号Vst又は以前ステージから出力されるキャリー信号CRを受信することができる。第1ステージST1の入力端子にスタート信号Vstが入力され、第1ステージST1以外のステージに以前ステージのキャリー信号CRが入力されることができる。ここで、キャリー信号CRは、当該ステージの前に配置されたステージのうちのいずれか一つから出力されるキャリー信号CRであることができる。ゲートオンレベルのスタート信号Vst又は以前ステージのキャリー信号CRがステージST1~STnに供給されることにより、第1ゲート信号GS11~GS1n、GS21~GS2nの生成及び出力タイミングが制御できる。
【0066】
ステージST1~STnは、リセット信号Rstの供給を受けることができる。リセット信号Rstは、一フレーム内のリセット期間の間にステージST1~STnに供給され、図5に示されたQノードQ及びQBノードQBの電圧を初期化することができる。一実施形態において、リセット信号Rstによって、QノードQは充電され、QBノードQBは放電されることができる。一実施形態において、リセット期間は一フレーム内の垂直ブランク期間内に含まれることができ、特にセンシング期間の以後に配置されることができる。
【0067】
ステージST1~STnは、センシング選択信号LSPを受信することができる。センシング選択信号LSPは、一フレーム内のセンシング期間に第2ゲート信号GS21~GS2nの出力を制御するための信号である。ゲートオンレベルのセンシング選択信号LSPを受信したステージのみがセンシング期間中に第2ゲート信号GS21~GS2nを出力するように制御できる。センシング期間の間に第2ゲート信号GS21~GS2nの印加を受けた画素PXに対して駆動トランジスタDTの移動度、しきい値電圧及び発光素子LDの電流特性などがセンシングされることができる。一実施形態において、センシング期間は一フレーム内の垂直ブランク期間内に含まれることができる。
【0068】
第1電源Vddは、QノードQを充電するために印加される電圧であって、QノードQに電気的に接続されることができる。このような第1電源VddはQノードQに接続されたプルアップトランジスタTup1、Tup2、Tup3をターンオンさせるのに十分なゲートオンレベルに設定されることができる。
【0069】
第2電源Vdd_even/Vdd_oddは、QBノードQBを充電するために印加される電圧であって、QBノードQBに電気的に接続されることができる。このような第2電源Vdd_even/Vdd_oddは、QBノードQBに接続されたプルダウントランジスタTdown1、Tdown2、Tdown3をターンオンさせるのに十分なゲートオンレベルに設定されることができる。
【0070】
第3電源VssはステージST1~STnをグラウンドさせ、ゲートオフレベルのゲート信号GS11~GS1n、GS21~GS2n及びキャリー信号CRを生成するための電圧であることができる。
【0071】
図5を参照すると、ステージST1~STnは、プルダウントランジスタTdown1、Tdown2、Tdown3、及びプルダウントランジスタTdown1、Tdown2、Tdown3の動作状態を制御するための制御回路CCを含むことができる。第1プルダウントランジスタTdown1のゲートは、QBノードQBに接続され、QBノードQBがゲートオン電圧に設定されるときにターンオンされ、ゲートオフレベルの第3電源Vssを第1ゲートラインG11~G1nに第1ゲート信号として出力することができる。第2プルダウントランジスタTdown2のゲートは、QBノードQBに接続され、QBノードQBがゲートオン電圧に設定されるときにターンオンされ、ゲートオフレベルの第3電源Vssを第2ゲートラインG21~G2nに第2ゲート信号として出力することができる。第3プルダウンランジスタTdown3は、ゲートに印加される電圧に応じてターンオンされ、ゲートオフレベルの第3電源Vssをキャリー信号CRとして出力することができる。
【0072】
図4及び図5では、ステージST1~ST1nがすべて一つの第3電源Vssに接続されるものと示される。しかし、本実施形態は、これに限定されず、ステージST1~ST1nが複数の低電位電源に接続されることができる。例えば、ゲート駆動部20を構成する回路素子と画素PXを構成する回路素子の特性及び表示装置1の電力消費などを考慮して、第1及び第2プルダウントランジスタTdown1、Tdown2と第3プルダウントランジスタTdown3が互いに異なる低電位電源に接続されることができる。
【0073】
一方、様々な実施形態において、図5に示されたステージST1~STnは、互いに離隔した複数の回路部で構成されることができる。以下、ステージの具体的な実施形態を説明する。
【0074】
図6図2に示された領域A1の一実施形態による拡大図である。図7図2に示された領域A1の他の実施形態による拡大図である。
【0075】
図6及び図7を参照すると、一実施形態による表示パネル50は、表示領域AA及び非表示領域NAAを含む。表示領域AAと非表示領域NAAは、それぞれ回路部CAと透明部TAを含む。透明部TAと回路部CAは、互いに隣接し、別途の物理的な区分なく連続的に配置されることができる。回路部CAが位置する領域は、回路エリアCAとも呼ばれ、回路が位置する領域のエリアである。この回路自体は、異なる層に配置することができ、したがって、X平面、Y平面及び/又はZ平面に配置することができる。これは、図11及び12を用いてより詳細に説明される。X,Y平面における回路領域の延長が回路エリアであり、回路部CAが占める面積と考えることができる。同様に、透明部TAが位置する領域は、透明部が占めるエリアである。
【0076】
表示領域AAと非表示領域NAAにおける回路部CA及び透明部TAは、概ね同じサイズと形状を有し、同一に配列されることができる。それにより、表示領域AAと非表示領域NAAは同一の視感を持つことができ、表示装置1は、透明表示装置としての機能を効果的に行うことができる。
【0077】
ここで、「同一」とは、工程マージンを考慮した偏差を含む。例えば、表示領域AAと非表示領域NAAにおいて、回路部CA及び透明部TAは、一方側で数μm内のサイズ変化(工程マージン)を含むことができる。例えば、表示領域AAの透明部TAの一方側に対して、非表示領域NAAの透明部TAの一方側は5μmの範囲内で左/右、上/下にさらに大きく或いはさらに小さく配置されることができる。また、表示領域AAの回路部CAの一方側に対して、非表示領域NAAの回路部CAの一方側は5μmの範囲内で左/右、上/下にさらに大きく或いはさらに小さく配置されることができる。以下の実施形態においても同様である。
【0078】
表示領域AAにおける回路部CAには、画素PXを構成する少なくとも一つの回路素子、回路素子に接続された発光素子、及びこれらの間を接続する配線が配置されることができる。一実施形態において、一つの回路部CAには、一つの単位画素PXUが配置されることができる。単位画素PXUは、例えば、赤色、緑色、青色及び白色でそれぞれ発光する画素PXの全部又は一部で構成できる。一実施形態において、回路部CAに互いに異なる色の組み合わせの単位画素PXUが配置されることができる。
【0079】
非表示領域NAAにおける回路部CAには、画素PXを駆動するための回路素子が配置されることができる。例えば、非表示領域NAAにおける回路部CAには、ゲート駆動部20を構成する回路素子が配置されることができる。上述したように、表示領域AAと非表示領域NAAにおける回路部CAは、概ね類似のサイズと形状を有する。一般的に、ゲート駆動部20を構成するゲート駆動部は、単位画素PXUよりも多くの数の回路素子を含み、さらに大きい面積を有する。したがって、表示領域AAと非表示領域NAAにおける回路部CAのサイズと形状を概ね同一に形成するために、一つのステージSTは、複数の回路部CAにわたって実現できる。このとき、回路部CAは、それらの間に透明部TAを挟んで互いに離隔することができる。
【0080】
図6の実施形態において、回路部CAは長方形の形状を有する。すなわち、回路エリアは矩形状である。ここでいう回路部の形状とは、回路エリアの形状であり、回路領域エリアとも呼ばれる。同様に、本明細書に記載される透明部の形状は、透明エリアの形状を意味する。図6及び他の平面図では、X次元は水平、つまり左から右の方向を意味し、Y次元は垂直、つまり上から下の方向を意味する。これらはエリアを構成する2つの次元であり、回路部CAの占める設置面積(フットプリント)と考えることもできる。図11及び12に示すように、Z次元はページ内に存在する。図7の実施形態において、回路部CAによって覆われるエリアは十字形又は風車形の形状を有する。これらの実施形態において、赤色、緑色、青色及び白色の画素R、G、B、Wは、図6の一単位画素PXUに例示的に示されているように上部から下部へと順次配置されることができる。又は、赤色、緑色、青色及び白色の画素R、G、B、Wは、図7の一単位画素PXUに例示的に示されているように配列されることができるが、本実施形態がこれに限定されない。
【0081】
また、本実施形態において、回路部CAの形状及び回路部CAに配置される画素PXの配列状態は多様に変形することができる。以下では、回路部CAが十字形又は風車形の形状を有する表示パネル50を例として挙げて実施形態を説明する。
【0082】
透明部TAは、回路部CAではない残りの領域であって、上述した回路素子及び発光素子が配置されていない領域である。透明部TAは、透光性を有し、入射する光を透過させるために透明又は半透明で形成されることができる。このため、透明部TAに積層されるレイヤーは、透明又は半透明性質の物質が使用できる。表示領域AAが回路部CA及び透明部TAを備えることにより、表示パネル50は、映像が表示されるだけでなく、表示パネル50の反対側の背景イメージを見ることができる透明表示装置で実現される。
【0083】
図8図7に示された回路部の拡大図である。図8に示された回路部CAは、表示領域AA又は非表示領域NAAに配置される回路部CAであることができる。
【0084】
図8を参照すると、一実施形態による回路部CAは十字形の形状を有することができる。具体的には、回路部CAは、第1方向DR1に延びた第1延長部A、及び第1方向DR1に概ね垂直な第2方向DR2に延び、第1延長部Aと重畳する第2延長部Bを含むことができる。第1延長部Aと第2延長部Bとが重畳する領域に重畳部Cが形成される。第1方向DR1をY方向とみなすことができ、第2方向DR2をX方向とみなすことができる。
【0085】
表示領域AAにおける第1延長部Aには、少なくとも一つの画素PXを構成する回路素子が配置されることができる。回路素子は、トランジスタ及びキャパシタなどを含むことができる。また、表示領域AAにおける第2延長部Bには、回路素子を互いに接続し、回路素子に信号を印加するための配線が配置されることができる。一般的に、配線は、回路素子よりも少ない面積を占めるので、第1延長部Aの幅W1は、第2延長部Bの幅W2よりも大きい。このように、第1延長部Aに広い面積を有する回路素子を配置し、第2延長部Bに面積が小さい配線を配置することにより、回路部CA周辺の透明部TAの面積がさらに増加し、表示パネル50の透明度が増加することができる。
【0086】
非表示領域NAAにおける第1延長部Aには、ステージSTの一部を構成する回路素子が配置されることができる。このとき、一つの第1延長部Aには、ステージSTを構成する回路素子のうち、同一の機能を行う回路素子が配置されることにより、回路ブロックを構成することができる。一つの第1延長部Aには複数の回路ブロックが配置されることができる。
【0087】
非表示領域NAAにおける第1延長部Aには、ステージSTにグローバル信号を印加するための第1配線がさらに配置されることができる。グローバル信号は、後述されるローカル信号よりもその種類及び数が多く、グローバル信号が非表示領域NAAに配置される回路部CAのそれぞれに独立して印加されることは有益である。したがって、グローバル信号を印加するための第1配線は、その数が多いので、相対的に面積の広い第1延長部Aに配置される。
【0088】
非表示領域NAAにおける第2延長部Bには、回路部CAの間でローカル信号を送受信するための第2配線が配置されることができる。ローカル信号は、それぞれの回路ブロックで生成される信号であって、図5に示されたプルアップトランジスタTup1、Tup2、Tup3のターンオン/ターンオフを制御するためのQノード信号、プルダウントランジスタTdown1、Tdown2、Tdown3のターンオン/ターンオフを制御するためのQBノード信号、第1及び第2ゲート信号、キャリー信号CR及び画素センシングのためにQノードQ及びQBノードQBを充電/放電するためのM_o信号などを含むことができる。ローカル信号は、第2延長部Bに配置される第2配線を介して離隔した他の回路ブロックに伝達されるか、或いはステージSTの外部に出力されることができる。
【0089】
ローカル信号は、概してグローバル信号よりもその数及び種類が少ない。よって、グローバル信号のための第1配線を第1延長部Aに配置し、ローカル信号のための第2配線を第2延長部Bに配置することにより、第2延長部Bの幅W2を第1延長部Aの幅W1よりも狭く構成することができる。
【0090】
このように、表示領域AAにおける第1延長部Aと第2延長部Bとの間の面積比は、非表示領域NAAにおける第1延長部Aと第2延長部Bとの間の面積比と概ね同一に構成される。それにより、表示領域AAと非表示領域NAAは実質的に同一の視角的な外観を持つことができる。
【0091】
重畳部Cでは、第1延長部Aから第1方向DR1に延びた第1配線と、第2延長部Bから第2方向DR2に延びた第2配線とが互いに重畳することができる。このとき、第1配線と第2配線との間に少なくとも一つの絶縁層が配置されることにより、第1配線と第2配線との間を絶縁させることができる。又は、第1配線と第2配線は、重畳部Cに形成されるコンタクトホールを介して電気的に接続されることができる。
【0092】
図9図8に示されたステージを構成する回路部を概略的に示すブロック図である。図10は第1プルアップトランジスタの一例を概略的に示す図である。
【0093】
図9及び図10を参照すると、一実施形態において、一つのステージSTは複数の回路部CA1~CA7にわたって実現できる。それぞれの回路部CAには、同一又は類似の機能を行う回路素子の集合である第1乃至第14回路ブロックを含むことができる。類似の機能を行う回路ブロックを一つの回路部CA内に配置することにより、お互いに離れている回路部CAの間を接続する第2配線の数を減少させることができる。第2配線の数を減少させるために、それぞれの回路部CAは、回路部CAの動作のために有益なローカル信号を直接生成するように構成できる。様々な実施形態において、お互いに離れている回路部CAの間を接続する第2配線の数は3~4個であり得るが、本実施形態がこれに限定されない。
【0094】
第1回路部CA1は、画素センシングのための第2ゲート信号GS21~GS2nの出力を制御することができる。例えば、第1回路部CA1は、一フレーム内のセンシング期間の間に第2ゲート信号GS21~GS2nを第2ゲートラインGL21~GL2nへ出力することができる。
【0095】
一実施形態において、第1回路部CA1は、画素センシングの際にQノードQを充電/放電するためのM_o信号を生成する第1回路ブロック、画素センシングの際にQBノードQBをリセットする第2回路ブロック、及び画素センシングの際にQノードQを充電する第3回路ブロックを含むことができる。第1回路ブロックは、センシング選択信号LSP及び以前ステージのキャリー信号CRに応答してM_o信号を出力することができる。第2回路ブロックは、第1回路ブロックから出力されるM_o信号、以前ステージのキャリー信号CR、リセット信号Rstに応答してQBノードQBをゲートオフ電圧に設定することができる。第3回路ブロックは、リセット信号Rstに応答してQノードQをゲートオン電圧に設定することができる。
【0096】
一実施形態において、第1回路部CA1は、ゲート駆動部20の動作時に発生する電圧変動からの電気的影響を低減させるために、ステージSTの一側縁、例えば非表示領域NAAの最外郭に配置されることができる。最外郭に配置されることにより、第1回路部CA1内へのキャパシタの形成がより容易であることができる。
【0097】
第2回路部CA2は、QノードQの電圧を設定する。第2回路部CA2のQノードQの電圧設定によってゲート信号GS21~GS2nの出力が制御されることができる。第2回路部CA2は、ゲート信号GS21~GS2nが出力されるステージSTのQノードQを充電する第4回路ブロックを含むことができる。第4回路ブロックは、以前ステージのキャリー信号CRに応答してQノードQをゲートオン電圧又はゲートオフ電圧に設定することができる。
【0098】
第3回路部CA3は、キャリー信号CRの出力を制御することができる。一実施形態において、第3回路部CA3は、第3プルアップトランジスタTup3のターンオン/ターンオフを制御する第5回路ブロック、及び第3プルダウントランジスタTdown3のターンオン/ターンオフを制御する第6回路ブロックを含むことができる。
【0099】
第5回路ブロックは、キャリークロック信号CCLKに応答して、第3プルアップトランジスタTup3のターンオン/ターンオフを制御することができる。第3プルアップトランジスタTup3がターンオンされるとき、ゲートオン電圧のキャリー信号が出力されることができる。
【0100】
第6回路ブロックは、第2電源Vdd_even/Vdd_oddに基づいて第3プルダウントランジスタTdown3のターンオン/ターンオフを制御することができる。第3プルダウントランジスタTdown3がターンオされるとき、ゲートオフ電圧のキャリー信号が出力されることができる。
【0101】
第4回路部CA4は、QノードQ及びQBノードQBの電圧をリセットすることができる。一フレームの垂直ブランク期間に、第4回路部CA4によってQノードQがゲートオフ電圧にリセットされ、QBノードQBがゲートオン電圧にリセットされることができる。
【0102】
一実施形態において、第4回路部CA4は、QノードQの電圧をリセットする第7及び第8回路ブロック、及びQBノードQBの電圧をリセットする第9及び第10回路ブロックを含むことができる。
【0103】
第7回路ブロック及び第8回路ブロックは、以前ステージのキャリー信号に基づいて、第2電源Vdd_even/Vdd_odd及び第3電源Vssを用いてQノードQをゲートオフ電圧にリセットすることができる。第9回路ブロック及び第10回路ブロックは、第2電源Vdd_even/Vdd_odd及び第3電源Vssを用いてQBノードQBをゲートオン電圧にリセットすることができる。
【0104】
一実施形態において、第4回路部CA4は、以前ステージのキャリー信号の入力を受けるので、キャリー信号CRを出力する第3回路部CA3に隣接して配置されることができる。図9では、第4回路部CA4が第3回路部CA3の右側に配置されるものと示されるが、第4回路部CA4は、第3回路部CA3の左側に配置されることもできる。このように、キャリー信号CRを出力する第3回路部CA3と、第3回路部CA3から出力されるキャリー信号CRに応じて動作する第4回路部CA4とが互いに隣接して配置されることにより、第2配線の数及び長さを減少させることができる。
【0105】
第5回路部CA5は、インバータ動作を行うことができる。第5回路部CA5は、QノードQ及びQBノードQBの電圧を反転させた信号を出力する第11回路ブロックを含むことができる。このような第5回路部CA5は、第1回路部CA1を除き、QノードQ及びQBノードQBの電圧を設定/リセットする任意の他の回路部に隣接して配置されることができる。すなわち、第5回路部CA5は、第1回路部CA1と第6回路部CA6との間でいずれの位置にも配置されることができる。図9では、第5回路部CA5が第4回路部CA4と第6回路部CA6との間に配置されるものと示されるが、本実施形態は、これに限定されず、第5回路部CA5の配置は相対的に自由であり得る。
【0106】
第6回路部CA6は、第12及び第13回路ブロックを含むことができる。第12及び第13回路ブロックは、少なくとも一つの第1プルダウントランジスタTdown1を含み、QBノードQBの電圧に応答して第1ゲートラインGL11~GL1nにゲートオフ電圧の第1ゲート信号GS11~GS1n、GS21~GS2nを出力することができる。
【0107】
第7回路部CA7は第14回路ブロックを含むことができる。第14回路ブロックは、少なくとも一つの第1プルアップトランジスタTup1を含み、QノードQの電圧に応答して第1ゲートラインGL11~GL1nにゲートオン電圧の第1ゲート信号GS11~GS1n、GS21~GS2nを出力することができる。
【0108】
一般的に、第1プルアップトランジスタTup1は、ゲート駆動部20を構成するトランジスタのうちの最も大きい面積を有するので、複数のサブ回路部で構成されることができる。例えば、第1プルアップトランジスタTup1は、図10に示すように、複数の第7サブ回路部CA7-1、CA7-2で構成されることができる。複数の第7サブ回路部CA7-1、CA7-2それぞれは、第1プルアップトランジスタTup1の部分で構成されることができる。第1プルアップトランジスタTup1は、スキャンクロック信号SCLKに接続されるので、第1プルアップトランジスタTup1が複数の第7サブ回路部CA7-1、CA7-2で構成されるときに、スキャンクロック信号SCLKを第1プルアップトランジスタTup1に印加する配線の長さが長くなることができる。配線の長さが長くなると、図8に示された第2延長部Bの面積が大きくなるので、表示パネル50の透明度が減少し、表示領域AAと非表示領域NAAとの間の視覚的違和感が大きくなることができる。このような問題を防ぐために、第1プルアップトランジスタTup1を構成する複数の第7サブ回路部CA7-1、CA7-2に隣接してスキャンクロック信号配線のみで構成される第8サブ回路部CA8-1、CA8-2が配置されることができる。第1プルアップトランジスタTup1を構成する複数の第7サブ回路部CA7-1、CA7-2とスキャンクロック信号配線SCLKのみで構成される第8サブ回路部CA8-1、CA8-2は、第2方向DR2に沿って交互に配置されることができる。このような構造を介して、第1プルアップトランジスタTup1のための十分な回路面積が確保され、スキャンクロック信号SCLK配線のインピーダンスを低減させ、第2延長部Bの面積の増加を防止して表示パネル50の透明度を確保することができる。
【0109】
ゲート駆動部20の内部に延びる第1ゲートラインGL11~GL1nの長さを短くするためにゲート駆動部の他側縁、例えば第6回路部CA6及び第7回路部CA7は、表示領域AAに最も近接して配置されることができる。例えば、第6の回路部CA6及び第7の回路部CA7は、ともに第1、第2、第3、第4及び第5の回路部CA1乃至CA5よりも表示領域AAに近い位置に配置されていてもよい。第7の回路部CA7は表示領域AAに直接隣接して配置されてもよく、第6の回路部CA6は表示領域AAに隣接して(例えば、第7の回路部CA7を挟んで)配置されていてもよい。
【0110】
図9では、ゲート駆動部20が7つの回路部CA1~CA7で構成される例が示される。しかし、本実施形態は、これに限定されず、ゲート駆動部20は、7個よりも多いか少ない数の回路部で構成されることができる。また、それぞれの回路部CA1~CA7は、図示されたものよりも多いか少ない数の回路ブロックで構成されることもできる。
【0111】
図11は一実施形態による表示領域内の回路部CA及び透明部TAを示す断面図である。図11を参照すると、表示領域AAにおいて、表示パネル50は回路部CAと透明部TAを含む。回路部CAには画素PXが配置され、透明部TAは、透明な絶縁層のみが配置され、入射する光を透過させる。
【0112】
回路部自体を構成する部分は、任意の層に配置することができ、したがって、3次元にすることができる。図11は、Z次元を上下に、X寸法を水平に延長したものである。回路部CAは、例えば、基板100、基板100上に配置される回路素子層CEL、及び発光素子層LDLを含むことができる。図11の上面図は、図6図7及び図8に示すようにすることができる。
【0113】
回路素子層CELには、画素PXを構成する回路素子として、少なくとも一つのトランジスタ、キャパシタ及び配線が配置されることができる。これらの各種回路素子は、ともに回路部CAを構成している。回路素子を構成する電極同士の間には透明な絶縁層が配置されることにより、電極同士の間を電気的に絶縁させることができる。回路素子は、パッシベーション層及び/又はオーバーコート層でカバーされることにより、異物から保護できる。また、回路素子の上面の凹凸は、オーバーコート層(平坦化層)によってカバーされることにより、凹凸による外部光の乱反射が防止されることができる。
【0114】
発光素子層LDLには発光素子が配置される。発光素子は、アノード電極、発光層及びカソード電極を含む。これらの各種回路素子は、ともに回路部CAを構成している。表示パネル50が前面発光型である場合、アノード電極は反射型電極であり、カソード電極は透過型電極であることができる。しかし、表示パネル50が後面発光型である場合、アノード電極が透過型電極であり、カソード電極が反射型電極であることができる。以下では、表示パネル50が前面発光型である場合を例として挙げて実施形態を説明する。
【0115】
回路素子及び発光素子は、封止層PACによってカバーできる。封止層PACは、外部の水分が回路素子及び発光素子に浸透することを防止する役割を果たす。封止層PACは、無機絶縁物からなってもよく、無機絶縁物と有機絶縁物が交互に積層された構造からなってもよいが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0116】
封止層PACの上部にはカバー基板200が形成されることができる。カバー基板200は、接着剤などを介して封止層PAC上に接着されることができる。
【0117】
封止層PACとカバー基板200との間にはカラーフィルタCFがさらに形成されることができる。カラーフィルタCFは、発光素子に重畳して配置されることができる。このCF及びMBは、ともに回路部CAを構成している。カラーフィルタCFは、特定の波長帯域の光は透過し、他の特定の波長帯域の光は遮断して入射光の一部の波長帯域を選択的に透過する波長-選択的光学フィルターであって、顔料又は染料などの色剤(colorant)を含む感光性樹脂で構成されることができる。発光素子から生成されてカラーフィルタCFを通過した光は、赤色、緑色、青色のうちのいずれかの色を持つことができる。白色を表示する画素PXに対して、カラーフィルタCFは省略できる。カラーフィルタCF同士の間はブラックマトリックスBMが形成されることにより、発光領域同士の間の光漏れ現象を防止することができる。
【0118】
図12は非表示領域の一実施形態による断面図であり、図13図12のダミー反射パターン及びダミーカラーフィルタの配置状態を示す平面図である。
【0119】
図12を参照すると、非表示領域NAAにおいて、表示パネル50は、回路部CAと透明部TAを含む。回路部CAには、ゲート駆動部20の回路ブロックが配置され、透明部TAは、透明な絶縁層のみが配置され、入射する光を透過させる。図12において、回路部の一部である素子は、CF’及びBM’と同様にCEL及びANO’を含む。
【0120】
様々な実施形態において、非表示領域NAAは、表示領域AAと概ね類似の積層構造を有する。つまり、非表示領域NAAに配置される回路ブロックは、画素PXと類似の積層構造で形成されることができる。例えば、ゲート駆動部20は、発光動作をしないので、カラーフィルタCF及びアノード電極を含むことにより利益を受けるわけではない。しかしながら、表示領域AAとの視覚的な類似性を提供するためにダミーカラーフィルタCF’及びダミー反射パターンANO’を含むことができる。ダミー反射パターンANO’は、ダミー反射層であってもよいし、ダミー反射層ANO’を含んでいてもよい。ダミー反射パターンANO’は、ダミー陽極電極ANO’とも呼ばれ、ダミー陽極電極ANO’は、陽極電極に類似しているが、陽極電極の電気的機能を提供せず、陽極電極の光学的機能(例えば反射率)を提供する場合がある。以下で、ゲート駆動部20の断面図を参照して具体的な構造を説明する。
【0121】
回路部CAは、例えば、基板100、及び基板100上に配置される回路素子層CELを含むことができる。回路素子層CELには、回路ブロックを構成する回路素子として、少なくとも一つのトランジスタ、キャパシタ及び配線が配置されることができる。回路部が位置する領域は、回路領域とみなすことができる。回路素子を構成する電極同士の間には透明な絶縁層が配置されることにより、電極同士の間を電気的に絶縁させることができる。回路素子は、パッシベーション層及び/又はオーバーコート層でカバーされることにより、異物から保護できる。また、オーバーコート層は、回路素子の上部表面に形成される凹凸を平坦化する平坦化層であって、回路素子の凹凸によって外部光が乱反射されて表示領域AAとの視感特性が変わることを防止することができる。
【0122】
回路素子層CEL上にはダミー反射パターンANO’が形成されることができる。ダミー反射パターンANO’は、表示領域AAに配置されたアノード電極と同一の材料で構成されることができる。例えば、ダミー反射パターンANO’は、反射型電極で構成されることができる。一実施形態において、ダミー反射パターンANO’は反射層で構成され、反射層はアルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)又はこれらの合金などの金属物質からなることができる。
【0123】
回路部CA内におけるダミー反射パターンANO’の平面上の配置は、画素PX内におけるアノード電極の配置と対応することができる。また、ダミー反射パターンANO’は、アノード電極と同一又は類似の形態を持つことができるが、これに限定されない。ダミー反射パターンANO’は、アノード電極と同じ一回の工程で形成できるが、これに限定されない。
【0124】
一実施形態において、周辺素子とのカップリングによる干渉発生を防止するために、ダミー反射パターンANO’に特定のDC電源が印加されることができる。たとえば、DC電源は、第3電源Vssであることができるが、これに限定されない。他の実施形態において、ダミー反射パターンANO’には電源が印加されず、フローティングされることができる。
【0125】
ダミー反射パターンANO’は、外部光を反射させることができる。このようなダミー反射パターンANO’によって画素PXが配置される表示領域AAと、ゲート駆動部20が配置される非表示領域NAAとが概ね同一の反射率を持つことができ、これらの間の視覚的類似性が向上することができる。
【0126】
ダミー反射パターンANO’は、封止層PACによってカバーされることができる。
【0127】
封止層PACの上部にはカバー基板200が形成されることができる。カバー基板200は、接着剤などを介して封止層PAC上に接着できる。
【0128】
封止層PACとカバー基板200との間には、ダミーカラーフィルタCF’がさらに形成されることができる。ダミーカラーフィルタCF’は、ダミー反射パターンANO’に重畳して配置されることができる。ダミーカラーフィルタCF’は、カラーフィルタCFと同一の材料で構成されることができ、例えば、顔料又は染料などの色剤(colorant)を含む感光性樹脂で構成されることができる。ダミーカラーフィルタCF’の間はブラックマトリックスBM’が形成されることにより、発光領域同士の間の光漏れ現象を防止することができる。
【0129】
回路部CA内におけるダミーカラーフィルタCF’の平面上の配置は、画素PX内におけるカラーフィルタCFの配置と対応することができる。例えば、表示領域AAにおいて赤色、緑色、青色、白色の画素PXが十字形に配列される場合、非表示領域NAAにも赤色、緑色、青色のダミーカラーフィルタCF’が十字形に配列されることができる。白色の画素PXに対応する位置では、ダミーカラーフィルタCF’が省略できる。
【0130】
また、ダミーカラーフィルタCF’は、カラーフィルタCFと同一又は類似の形態を持つことができるが、これに限定されない。ダミーカラーフィルタCF’は、カラーフィルタCFと同じ1回の工程で形成できるが、これに限定されない。
【0131】
このようなダミーカラーフィルタCF’によって画素PXが配置される表示領域AAと、ゲート駆動部20が配置される非表示域NAAとが概ね同一の視感を持つことができ、これらの間の視覚的類似性を向上させることができる。
【0132】
以上、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、上述した本発明の技術的構成は、本発明の属する技術分野における当業者が本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることを理解することができるだろう。よって、上述した実施形態は、あらゆる面で例示的なもので、限定的なものではないと理解すべきである。本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示される。また、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更又は変形形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0133】
1 表示パネル
10 タイミング制御部
20 ゲート駆動部
30 データ駆動部
40 電源供給部
50 表示パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13