(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電圧検出装置及び電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/569 20210101AFI20241114BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20241114BHJP
【FI】
H01M50/569
H01M50/507
(21)【出願番号】P 2022022636
(22)【出願日】2022-02-17
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】井澤 貴美
(72)【発明者】
【氏名】雨谷 竜一
(72)【発明者】
【氏名】中井 昌之
(72)【発明者】
【氏名】豊▲崎▼ 信吉
(72)【発明者】
【氏名】柳原 康宏
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-197661(JP,A)
【文献】国際公開第2011/117971(WO,A1)
【文献】特開2018-032556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧検出部と、
前記電圧検出部の
貫通孔を貫通する軸部材と、
を備え、
前記電圧検出部は、前記軸部材が前記貫通孔を貫通した状態で、前記軸部材に沿って可動に支持されており、
電圧検出部
は、前記貫通孔の周辺の少なくとも一部分に位置する隆起を有
し、
前記軸部材及び前記隆起は、前記軸部材に交差する方向に前記軸部材を通過する回転軸の周りにおける前記電圧検出部の揺動を前記軸部材及び前記隆起が互いに接触することで抑制するように配置されている、電圧検出装置。
【請求項2】
前記軸部材の周りの周方向に前記電圧検出部の少なくとも一部分と対向する構造体をさらに備える、請求項1に記載の電圧検出装置。
【請求項3】
前記貫通孔が、前記軸部材に交差する方向に長手方向を有する、請求項1又は2に記載の電圧検出装置。
【請求項4】
電圧検出部と、
前記電圧検出部の
貫通孔を貫通する軸部材と、
前記軸部材の周りの周方向に前記電圧検出部の少なくとも一部分と対向する構造体と、
を備え
、
前記電圧検出部は、前記軸部材が前記貫通孔を貫通した状態で、前記軸部材に沿って可動に支持されており、
前記電圧検出部及び前記構造体は、前記軸部材に平行な方向に前記軸部材を通過する回転軸の周りにおける前記電圧検出部の揺動を前記電圧検出部及び前記構造体が互いに接触することで抑制するように配置されている、電圧検出装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の電圧検出装置と、
前記電圧検出部と電気的に接続された少なくとも1つの電池セルと、
を備える電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧検出装置及び電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池等の電池モジュールは、積層された複数の電池セルを備えていることがある。このような電池モジュールでは、電池セルの外装材から引き出された正極リード及び負極リードによって複数の電池セルが電気的に互いに接続されている。
【0003】
特許文献1には、電池モジュールの一例について記載されている。当該電池モジュールでは、一の電池セルの正極リードと、他の電池セルの負極リードと、が接合されている。これによって、一の電池セルと他の電池セルとは、互いに接合された正極リード及び負極リードを含むリード部を介して電気的に接続されている。
【0004】
特許文献2及び3には、電池モジュールの一例について記載されている。当該電池モジュールでは、一の電池セルの正極リードと、他の電池セルの負極リードと、がバスバーを介して電気的に互いに接続されている。
【0005】
特許文献4には、電池モジュールの一例について記載されている。当該電池モジュールでは、一の電池セルの正極リードに溶接された正極締結端子と、他の電池セルの負極リードに溶接された負極締結端子と、が電気的に互いに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-47435号公報
【文献】特開2017-84465号公報
【文献】特表2014-516457号公報
【文献】特開2020-87721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電池モジュールは、少なくとも1つの電池セルに電気的に接続された電圧検出部を有する電圧検出装置を備えていることがある。この電圧検出装置では、軸部材が電圧検出部の一部分を貫通していることがある。この構造では、電圧検出部が軸部材に沿って可動に支持されている。しかしながら、この構造においては、電圧検出部が軸部材に対して揺らぐことがある。
【0008】
本発明の目的の一例は、電圧検出部の揺らぎを抑制することにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、
電圧検出部と、
前記電圧検出部の一部分を貫通する軸部材と、
を備え、
電圧検出部が、前記電圧検出部の前記軸部材を貫通させる貫通孔の周辺の少なくとも一部分に位置する隆起を有する、電圧検出装置である。
【0010】
本発明の他の一態様は、
電圧検出部と、
前記電圧検出部の一部分を貫通する軸部材と、
前記軸部材の周りの周方向に前記電圧検出部の少なくとも一部分と対向する構造体と、
を備える電圧検出装置である。
【0011】
本発明のさらに他の一態様は、
前記電圧検出装置と、
前記電圧検出部と電気的に接続された少なくとも1つの電池セルと、
を備える電池モジュールである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、電圧検出部の揺らぎを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る電池モジュールを前方から見た斜視図である。
【
図2】実施形態に係る電池モジュールを後方から見た斜視図である。
【
図5】実施形態に係るセル積層体を前方から見た斜視図である。
【
図6】実施形態に係る電池モジュールの一部分を前方から見た拡大斜視図である。
【
図7】実施形態に係る第1電圧検出装置のうち第1ヒューズ装置が設けられた位置の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
本明細書において、「第1」、「第2」、「第3」等の序数詞は、特に断りのない限り、同様の名称が付された構成を単に区別するために付されたものであり、構成の特定の特徴(例えば、順番又は重要度)を意味するものではない。
【0016】
図1は、実施形態に係る電池モジュール50を前方から見た斜視図である。
図2は、実施形態に係る電池モジュール50を後方から見た斜視図である。
図3は、
図1から収容体20を取り外した図である。
図4は、
図2から収容体20を取り外した図である。
図5は、実施形態に係るセル積層体10を前方から見た斜視図である。
図6は、実施形態に係る電池モジュール50の一部分を前方から見た拡大斜視図である。
【0017】
図1~
図5において、第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zを示す矢印は、当該矢印の基端から先端に向かう方向が当該矢印によって示される方向の正方向であり、当該矢印の先端から基端に向かう方向が当該矢印によって示される方向の負方向であることを示している。第1方向Xは、鉛直方向に垂直な水平方向に平行な一方向を示している。具体的には、第1方向Xは、電池モジュール50の前後方向を示している。第1方向Xの正方向は、電池モジュール50の前方から後方に向かう方向である。第1方向Xの負方向は、電池モジュール50の後方から前方に向かう方向である。第2方向Yは、鉛直方向と、第1方向Xと、に垂直な方向を示している。第2方向Yは、電池モジュール50の左右方向を示している。第2方向Yの正方向は、電池モジュール50の前方から見て、電池モジュール50の右から左に向かう方向である。第2方向Yの負方向は、電池モジュール50の前方から見て、セル積層体10の左から右に向かう方向である。第3方向Zは、鉛直方向に平行な方向を示している。第3方向Zの正方向は、電池モジュール50の下方から上方に向かう方向である。第3方向Zの負方向は、電池モジュール50の上方から下方に向かう方向である。
【0018】
第1方向Xと、第2方向Yと、第3方向Zと、鉛直方向と、水平方向と、の関係は上述した例に限定されない。例えば、第1方向X又は第2方向Yが鉛直方向に平行となるようにセル積層体10は配置されていてもよい。
【0019】
以下、特に断りがない限り、「右」及び「左」は、それぞれ、電池モジュール50の前方から見た場合の右及び左を意味する。
【0020】
本実施形態において、電池モジュール50は、自動車等の移動体に搭載される。しかしながら、電池モジュール50の用途はこの例に限定されない。
【0021】
電池モジュール50は、セル積層体10、収容体20、第1電圧検出装置30A及び第2電圧検出装置30Bを備えている。第1電圧検出装置30Aは、第1ヒューズ装置40Aを有している。第2電圧検出装置30Bは、第2ヒューズ装置40Bを有している。
図7を用いて後述するように、第1ヒューズ装置40Aは、終端正極リード112Tに電気的に接続されたヒューズを有している。第2ヒューズ装置40Bは、終端負極リード114Tに電気的に接続されたヒューズを有している。
【0022】
図5に示すように、セル積層体10は、第2方向Yに積層された複数のセル群100Gを含んでいる。各セル群100Gは、第2方向Yに積層された複数の電池セル100を含んでいる。各電池セル100は、外装材102、正極リード112及び負極リード114を含んでいる。
【0023】
本実施形態において、各セル群100Gは、2つの電池セル100を含んでいる。しかしながら、各セル群100Gは、3つ以上の電池セル100を含んでいてもよい。なお、セル積層体10では、複数のセル群100Gが直列に接続されずに、複数の電池セル100が直列に接続されていてもよい。言い換えると、セル群100Gに含まれる電池セル100の数は1つのみであってもよい。
【0024】
各電池セル100は、実質的に縦向きに置かれている。電池セル100が実質的に縦向きに置かれているとは、電池セル100が厳密に縦向きに置かれていることのみを意味するのではない。電池セル100が実質的に縦向きに置かれているとは、電池モジュール50の動作に支障が生じない範囲で、電池セル100が第3方向Zから斜めに傾いてもよいことを意味している。
【0025】
図3及び
図4に示すように、セル積層体10の上面には複数の接着部材104が配置されている。各接着部材104は、例えば、液体樹脂の硬化体である。本実施形態において、複数の接着部材104は、規則的に配置されている。具体的には、複数の接着部材104は、第2方向Yに平行に延在して第1方向Xに平行に並んでいる。複数の接着部材104の上方には、不図示の絶縁シートが配置されている。不図示の絶縁シートの上方には、後述する第6カバー部材260が配置されている。なお、接着部材104のレイアウトは、本実施形態に係るレイアウトに限定されない。例えば、接着部材104は、セル積層体10の上面の全体に亘って設けられていてもよい。或いは、複数の接着部材104が不規則に配置されていてもよいし、又は
図3及び
図4に示す規則と異なる規則で並んでいてもよい。セル積層体10の下面にも、セル積層体10の上面と同様にして、接着部材が配置されている。
【0026】
外装材102は、不図示の正極電極、負極電極及びセパレータを不図示の電解液とともに収容している。一例において、正極電極、負極電極及びセパレータは、外装材102内で第2方向Yに積層されている。或いは、正極電極、負極電極及びセパレータは、外装材102内で巻回されていてもよい。
【0027】
正極リード112は、外装材102の前端及び後端の一方から実質的に水平方向に引き出されている。正極リード112は、外装材102内の正極電極に電気的に接続されている。一例において、正極リード112は、アルミニウム等の金属からなっている。正極リード112が実質的に水平方向に引き出されているとは、正極リード112が厳密に水平方向に引き出されていることのみを意味するのではない。正極リード112が実質的に水平方向に引き出されているとは、電池モジュール50の動作に支障が生じない範囲で、正極リード112が水平方向からずれた方向に引き出されてもよいことを意味している。
【0028】
負極リード114は、外装材102の前端及び後端の他方から実質的に水平方向に引き出されている。負極リード114は、外装材102内の負極電極に電気的に接続されている。一例において、負極リード114は、正極リード112を構成する金属と異なる金属、例えば銅からなっている。負極リード114が実質的に水平方向に引き出されているとは、負極リード114が厳密に水平方向に引き出されていることのみを意味するのではない。負極リード114が実質的に水平方向に引き出されているとは、電池モジュール50の動作に支障が生じない範囲で、負極リード114が水平方向からずれた方向に引き出されてもよいことを意味している。
【0029】
各セル群100Gに複数の電池セル100が含まれる場合、これらの複数の電池セル100は並列に接続されている。具体的には、各セル群100Gに含まれる複数の電池セル100は、第2方向Yに積層されている。また、各セル群100Gに含まれる複数の電池セル100の正極リード112は、第2方向Yに束ねられて互いに接続されている。また、各セル群100Gに含まれる複数の電池セル100の負極リード114は第2方向Yに束ねられて互いに接続されている。隣り合う電池セル100は接着部材を介して積層してもよい。接着部材としては、両面テープや液状の樹脂を硬化させるもの等が挙げられる。
【0030】
複数のセル群100Gは、リード部110を介して直列に接続されている。リード部110は、第2方向Yに隣り合うセル群100Gの一方のセル群100Gの複数の正極リード112と、第2方向Yに隣り合うセル群100Gの他方のセル群100Gの複数の負極リード114と、を含んでいる。リード部110に含まれる複数の正極リード112と負極リード114とは、レーザ溶接、超音波接合、抵抗溶接、接着等の接合方法によって互いに接合されている。正極リード112の材料と負極リード114の材料とが異なる場合、これらの接合方法の中でも、接合の信頼性の高さや、部品点数の低減という観点から、レーザ溶接が好ましい。リード部110は、第2方向Yに隣り合うセル群100Gの間で折り返されている。これによって、セル積層体10の前方において、複数のリード部110が第2方向Yに並んでいる。また、セル積層体10の後方において、複数のリード部110が第2方向Yに並んでいる。
【0031】
本実施形態において、
図3に示すように、セル積層体10の前方に位置する各リード部110の複数の正極リード112及び複数の負極リード114の接合部では、複数の負極リード114が複数の正極リード112よりも前方に位置している。また、
図4に示すように、セル積層体10の後方に位置する各リード部110の複数の正極リード112及び複数の負極リード114の接合部では、複数の正極リード112が複数の負極リード114よりも後方に位置している。なお、セル積層体10の前方において複数の正極リード112が複数の負極リード114よりも前方に位置しているときには、後述する第1先端部314Aの材料は、正極リード112の材料と同じであることが好ましい。
【0032】
本実施形態において、
図3に示すように、直列に接続された複数のセル群100Gの一端のセル群100Gに含まれる複数の正極リード112は、セル積層体10の右前側に位置している。以下、必要に応じて、直列に接続された複数のセル群100Gの一端のセル群100Gに含まれる複数の正極リード112を終端正極リード112Tという。また、
図4に示すように、直列に接続された複数のセル群100Gの他端のセル群100Gに含まれる複数の負極リード114は、セル積層体10の左後側に位置している。以下、必要に応じて、直列に接続された複数のセル群100Gの他端のセル群100Gに含まれる複数の負極リード114を終端負極リード114Tという。
【0033】
セル積層体10の構造は、本実施形態に係る構造に限定されない。例えば、終端負極リード114Tは、セル積層体10の左後側でなく、左前側に位置していてもよい。この例においては、終端正極リード112Tと終端負極リード114Tとの双方が前側に位置している。終端負極リード114Tがセル積層体10の左前側又は左後側に位置するかは、第2方向Yに積層されたセル群100Gの数によって調整可能である。
【0034】
本実施形態において、
図3に示すように、セル積層体10の前方に位置する各リード部110の正極リード112及び負極リード114の接合部の前面は、第1方向Xに垂直な方向に実質的に平行となっている。当該接合部の前面が第1方向Xに垂直な方向に実質的に平行であるとは、当該接合部の前面が第1方向Xに垂直な方向に厳密に平行であることのみを意味するのでない。当該接合部の前面が第1方向Xに垂直な方向に実質的に平行であるとは、リード部110の機能に支障が生じない範囲で、当該接合部の前面が第1方向Xに垂直な方向に平行な状態から僅かに変形していることも意味する。本実施形態においては、当該接合部の前面が湾曲している場合と比較して、後述する第1電圧検出部310Aをリード部110の前面に接合しやすくすることができる。本実施形態と異なる他の例において、上述した接合部の前面は、湾曲していてもよい。
【0035】
本実施形態において、
図4に示すように、セル積層体10の後方に位置する各リード部110の正極リード112及び負極リード114の接合部の後面は、セル積層体10の前方に位置する各リード部110の正極リード112及び負極リード114の接合部の前面と同様にして、第1方向Xに垂直な方向に実質的に平行となっている。
【0036】
収容体20は、セル積層体10、第1電圧検出装置30A及び第2電圧検出装置30Bを収容している。収容体20は、第1カバー部材210、第2カバー部材220、第3カバー部材230、第4カバー部材240、第5カバー部材250及び第6カバー部材260を有している。本実施形態において、第1カバー部材210、第2カバー部材220、第3カバー部材230、第4カバー部材240、第5カバー部材250及び第6カバー部材260は、例えば、アルミニウムを主成分として含む金属からなっている。しかしながら、第1カバー部材210、第2カバー部材220、第3カバー部材230、第4カバー部材240、第5カバー部材250及び第6カバー部材260を構成する材料は、この例に限定されない。
【0037】
第1カバー部材210は、セル積層体10の前側と、第1電圧検出装置30Aと、を覆っている。第2カバー部材220は、セル積層体10の後側と、第2電圧検出装置30Bと、を覆っている。第3カバー部材230は、セル積層体10の右側を覆っている。第4カバー部材240は、セル積層体10の左側を覆っている。第5カバー部材250は、セル積層体10の下側を覆っている。第6カバー部材260は、セル積層体10の上側を覆っている。
【0038】
図1及び
図2に示すように、第6カバー部材260の上面のうち右前側には、「+」のマークが付されている。また、第6カバー部材260の上面のうち左後側には、「-」のマークが付されている。「+」のマークは、
図3に示す終端正極リード112Tが「+」のマークが付された位置に位置していることを示している。「-」のマークは、
図4に示す終端負極リード114Tが「-」のマークが付された位置に位置していることを示している。したがって、電池モジュール50の使用者は、収容体20の外側からはセル積層体10がほとんど見えない状態になっていたとしても、終端正極リード112Tの位置及び終端負極リード114Tの位置を、「+」のマーク及び「-」のマークから、判断することができる。
【0039】
第1電圧検出装置30Aは、第1保持体300A、複数の第1電圧検出部310A、複数の第1電圧検出線320A、第1コネクタ330Aを有している。
【0040】
第1保持体300Aは、セル積層体10の前方に設けられている。第1保持体300Aは、絶縁体である。絶縁体としては、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテルやそれと同等以上の硬度や絶縁性を持つ樹脂が用いられる。第1保持体300Aは、スナップフィット、ねじ等の機械的接合によって収容体20に取り付けられている。
【0041】
各第1電圧検出部310Aは、第1基端部312A、第1先端部314A及び第1接続部316Aを有している。
【0042】
第1基端部312Aは、第1保持体300Aに設けられた第1軸部材340Aに沿って第1方向Xに可動に支持されている。これによって、各第1電圧検出部310Aは、第1保持体300Aによって保持されている。第1軸部材340Aは、第1基端部312Aに設けられた貫通孔を第1方向Xに貫通している。第1軸部材340Aの前端部の第1方向Xに垂直な方向の直径は、第1基端部312Aの当該貫通孔の第1方向Xに垂直な方向の直径より大きくなっている。したがって、第1基端部312Aが第1軸部材340Aの前方に向けて第1軸部材340Aから抜けることが抑制されている。
【0043】
本実施形態において、セル積層体10の前方から見て、第1先端部314Aは、第1基端部312Aに対して水平方向かつ鉛直方向にずれて位置している。具体的には、セル積層体10の前方から見て、第1先端部314Aは、第1基端部312Aの右下側に位置している。これによって、第1基端部312Aの右側かつ第1先端部314Aの上側には、リード部110の前面の一部分が前方に向けて露出される隙間が設けられている。したがって、リード部110のうち当該隙間と第1方向Xと重なる領域に正極リード112と負極リード114とのレーザ溶接部等の接合部の少なくとも一部分を設けることができる。すなわち、リード部110の当該接合部は、第1先端部314Aと第1方向Xに重ならなくする必要がある。したがって、本実施形態においては、例えば第1先端部314Aが第1基端部312Aに対して下方にずれずに第1基端部312Aの右側に位置している場合と比較して、リード部110の上記接合部の鉛直方向の長さを長くすることができる。したがって、本実施形態においては、上述した場合と比較して、リード部110における正極リード112と負極リード114との接続を良好にすることができる。
【0044】
また、本実施形態において、第1先端部314Aは、第1基端部312Aに対して、リード部110が位置する側にずれて位置している。したがって、本実施形態においては、第1基端部312Aの第1方向Xの位置と、第1先端部314Aの第1方向Xの位置と、が第1方向Xに揃っている場合と比較して、第1先端部314Aをリード部110に近づけやすくすることができ、第1先端部314Aをリード部110に接続させやすくすることができる。また、本実施形態においては、上述した場合と比較して、第1基端部312Aの第1方向Xの可動域を大きくすることができる。
【0045】
第1接続部316Aは、第1基端部312Aから下方に向けて突出している。第1接続部316Aには、第1電圧検出線320Aの一端が接続されている。第1接続部316Aは、例えば、第1基端部312Aと一体となっていてもよい。
図6に示すように、本実施形態において、第1接続部316Aは、第1電圧検出線320Aの一端をかしめる2つの第1バレル316aAを有している。2つの第1バレル316aAは、鉛直方向に並んでいる。第1電圧検出線320Aの一端は、2つの第1バレル316aAの下方から鉛直方向に実質的に平行に2つの第1バレル316aAの内部空間に入り込んでいて、2つの第1バレル316aAによってかしめられている。これによって、第1電圧検出線320Aの一端は、第1接続部316Aに固定されている。しかしながら、第1電圧検出線320Aの一端を第1接続部316Aに固定する方法は、本実施形態に係る方法に限定されない。例えば、各第1接続部316Aに設けられる第1バレル316aAの数は1つのみであってもよい。また、第1電圧検出線320Aの一端は、第1接続部316Aに半田付けされていてもよい。
【0046】
第1電圧検出部310Aの形状は、第1先端部314Aがリード部110のうちの正極リード112と負極リード114との接合部と第1方向Xに重ならない限り、本実施形態に係る形状に限定されない。例えば、セル積層体10の前方から見て、第1基端部312Aの右側かつ第1先端部314Aの上側には上記隙間が設けられていなくてもよい。また、第1基端部312Aの第1方向Xの位置と、第1先端部314Aの第1方向Xの位置と、は第1方向Xに揃っていてもよい。
【0047】
複数の第1電圧検出部310Aの各々は、セル積層体10の前方の複数のリード部110の各々に接続されている。具体的には、各第1先端部314Aは、レーザ溶接等の接合方法によってセル積層体10の前方の各リード部110に接合されている。本実施形態では、第1先端部314Aの後面がリード部110の正極リード112及び負極リード114の接合部の前面に接合されている。第1先端部314Aは、リード部110のうち第1先端部314Aに接触する部分と同じ材料からなることが好ましい。本実施形態において、第1先端部314Aは負極リード114に接触している。この例においては、第1先端部314Aが負極リード114と異なる材料からなる場合と比較して、第1先端部314Aを負極リード114に接合させやすくなる。他の例において、第1先端部314Aは、リード部110のうち第1先端部314Aに接触する部分と異なる材料からなっていてもよい。
【0048】
複数の第1電圧検出線320Aの各々は、複数の第1電圧検出部310Aの各々を第1コネクタ330Aに電気的に接続している。上述したように、各第1電圧検出線320Aの一端は、第1接続部316Aに接続されている。各第1電圧検出線320Aの他端は、第1コネクタ330Aに接続されている。本実施形態において、各第1電圧検出線320Aの一部分は、後述する第1フレーム350Aに設けられた切欠き350aAを経由して、第1接続部316Aから第1フレーム350Aの下方の空間に引き出されている。切欠き350aAは、第1フレーム350Aのうち後述する第2縁部354Aと第3縁部356Aとの間の角に設けられている。各第1電圧検出線320Aの他の一部分は、第1保持体300Aの中央から右側にずれた領域で隣り合う第1フレーム350Aの間の空間を通過して、複数の第1フレーム350Aの下方の空間から複数の第1フレーム350Aの上方に位置する第1コネクタ330Aまで引き出されている。なお、第1電圧検出部310Aの位置、第1電圧検出線320Aの配策、切欠き350aAの位置、第1コネクタ330Aの位置等の第1電圧検出部310A、第1電圧検出線320A、切欠き350aA及び第1コネクタ330Aのレイアウトは、本実施形態に係る例に限定されない。例えば、切欠き350aAを第1縁部352A側に設け、第1電圧検出部310Aの第1先端部314Aが第1縁部352Aに対して第2方向Yの正方向側に引き出されていてもよい。また、第1電圧検出部310Aの第1接続部316Aを第3方向Zの正方向側に向けて取り出し、第1電圧検出線320Aを第1フレーム350Aの上方の空間から引き出して第1コネクタ330Aに接続させてもよい。
【0049】
本実施形態において、第1電圧検出線320Aのうち第1接続部316Aと切欠き350aAとの間に位置する領域の少なくとも一部分は可撓性を有している。第1基端部312Aを第1軸部材340Aに沿って第1方向Xに移動させる際に、切欠き350aAの近傍において第1電圧検出線320Aが第1保持体300A又は第1フレーム350Aに接触する場合がある。このような場合であっても、第1電圧検出線320Aの上述した少なくとも一部分が撓むことで、第1基端部312Aを第1軸部材340Aに沿って第1方向Xに移動させることができる。
【0050】
第1保持体300Aは、複数の第1フレーム350Aを有している。第1フレーム350Aは、絶縁体である。絶縁体としては、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテルやそれと同等以上の硬度や絶縁性を持つ樹脂が用いられる。複数の第1フレーム350Aの各々は、複数のリード部110の各々及び複数の第1電圧検出部310Aの各々を囲んでいる。したがって、外部の衝撃からリード部110及び第1電圧検出部310Aを第1フレーム350Aによって保護することができる。各第1フレーム350Aは、各リード部110及び各第1電圧検出部310Aを囲む領域の全体に位置していなくてもよい。各第1フレーム350Aは、各リード部110及び各第1電圧検出部310Aを囲む領域の少なくとも一部分に位置していてもよい。第1保持体300Aは、単一の部材からなっていてもよいし、又は互いに組み合わされた複数の部材からなっていてもよい。
【0051】
各第1フレーム350Aは、第1縁部352A、第2縁部354A、第3縁部356A及び第4縁部358Aを含んでいる。第1縁部352Aは、各第1フレーム350Aによって囲まれたリード部110及び第1電圧検出部310Aの右側で鉛直方向に延在している。第2縁部354Aは、各第1フレーム350Aによって囲まれたリード部110及び第1電圧検出部310Aの左側で鉛直方向に延在している。第3縁部356Aは、各第1フレーム350Aによって囲まれたリード部110及び第1電圧検出部310Aの下側で左右方向に延在している。第4縁部358Aは、各第1フレーム350Aによって囲まれたリード部110及び第1電圧検出部310Aの上側で左右方向に延在している。
【0052】
第1フレーム350Aの形状は、本実施形態に係る形状に限定されない。例えば、第1フレーム350Aは、第1縁部352A及び第2縁部354Aの一方を有していなくてもよい。また、第1フレーム350Aは、第1フレーム350Aは、第3縁部356A及び第4縁部358Aの少なくとも一方を有していなくてもよい。
【0053】
本実施形態において、各第1フレーム350Aを構成する絶縁体の少なくとも一部分は、各第1フレーム350Aによって囲まれる第1電圧検出部310Aと、当該第1電圧検出部310Aに接続されるリード部110と異なるリード部110と、の間に位置している。したがって、本実施形態においては、各第1フレーム350Aによって囲まれる第1電圧検出部310Aと、当該第1電圧検出部310Aに接続されるリード部110と異なるリード部110と、の間の電気的絶縁を確保することができる。
【0054】
具体的には、最も右端に位置する第1フレーム350Aを除いて、第1縁部352Aを構成する絶縁体の少なくとも一部分は、当該第1縁部352Aの左側に位置する第1電圧検出部310Aと、当該第1縁部352Aの右側に位置するリード部110と、の間に位置している。したがって、第1縁部352Aが設けられていない場合と比較して、当該第1縁部352Aの左側に位置する第1電圧検出部310Aと、当該第1縁部352Aの右側に位置するリード部110と、の間の電気的絶縁を確保することができる。
【0055】
また、最も左端に位置する第1フレーム350Aを除いて、第2縁部354Aを構成する絶縁体の少なくとも一部分は、当該第2縁部354Aの右側に位置する第1電圧検出部310Aと、当該第2縁部354Aの左側に位置するリード部110と、の間に位置している。したがって、第2縁部354Aが設けられていない場合と比較して、当該第2縁部354Aの右側に位置する第1電圧検出部310Aと、当該第2縁部354Aの左側に位置するリード部110と、の間の電気的絶縁を確保することができる。
【0056】
本実施形態において、各第1フレーム350Aを構成する絶縁体の少なくとも一部分は、異なるリード部110の間に位置している。具体的には、各第1フレーム350Aを構成する絶縁体の少なくとも一部分は、隣り合うリード部110の間に位置している。したがって、各第1フレーム350Aを構成する絶縁体の少なくとも一部分が異なるリード部110の間に位置しない場合と比較して、異なるリード部110の間の電気的絶縁を確保することができる。
【0057】
具体的には、最も右端に位置する第1フレーム350Aを除いて、第1縁部352Aを構成する絶縁体の少なくとも一部分は、当該第1縁部352Aの左側に位置するリード部110と、当該第1縁部352Aの右側に位置するリード部110と、の間に位置している。したがって、第1縁部352Aが設けられていない場合と比較して、当該第1縁部352Aの左側に位置するリード部110と、当該第1縁部352Aの右側に位置するリード部110と、の間の電気的絶縁を確保することができる。
【0058】
また、最も左端に位置する第1フレーム350Aを除いて、第2縁部354Aを構成する絶縁体の少なくとも一部分は、当該第2縁部354Aの右側に位置するリード部110と、当該第2縁部354Aの左側に位置するリード部110と、の間に位置している。したがって、第2縁部354Aが設けられていない場合と比較して、当該第2縁部354Aの右側に位置するリード部110と、当該第2縁部354Aの左側に位置するリード部110と、の間の電気的絶縁を確保することができる。
【0059】
なお、第1フレーム350Aの第1方向Xの正方向側の面には、第1方向Xの正方向側に向けて突出する絶縁性の突出部が設けられていてもよい。この突出部の少なくとも一部分は、第2方向Yに隣り合うリード部110の間に位置している。例えば、当該突出部は、第2方向Yに隣り合う第1フレーム350Aのうちの左側の第1フレーム350Aの第1縁部352Aの第1方向Xの正方向側と、第2方向Yに隣り合う当該第1フレーム350Aのうちの右側の第1フレーム350Aの第2縁部354Aの第1方向Xの正方向側と、に設けられている。この例においては、第2方向Yに隣り合うリード部110が外部からの衝撃等の要因で第2方向Yにずれたとき、リード部110が当該突出部に当たる。このため、第2方向Yに隣り合うリード部110同士の衝突を抑制することができる。当該突出部の長さは、特に限定されないが、例えば、第2方向Yに隣り合うリード部110同士の衝突を抑制するための長さにすることができる。また、当該突出部が設けられる位置は、上述した例に限定されない。
【0060】
本実施形態において、各第1フレーム350Aを構成する絶縁体の少なくとも一部分は、少なくとも1つのリード部110と、収容体20のうち導電性を有する少なくとも一部分と、の間に位置している。したがって、本実施形態においては、少なくとも1つのリード部110と収容体20のうち導電性を有する少なくとも一部分との間の電気的絶縁を確保することができる。
【0061】
具体的には、第3縁部356Aの少なくとも一部分は、各第1フレーム350Aによって囲まれたリード部110の下方に位置している。本実施形態では、リード部110の下端部の下方に第5カバー部材250の前端部が位置している。第5カバー部材250が導電性を有する場合において、リード部110の下端部が第5カバー部材250の前端部に接触すると、リード部110と第5カバー部材250とが短絡するおそれがある。これに対して、本実施形態では、第3縁部356Aを構成する絶縁体の少なくとも一部分が、リード部110の下端部と、第5カバー部材250の前端部と、の間に位置している。このため、第3縁部356Aが設けられていない場合と比較して、リード部110と第5カバー部材250との短絡を抑制することができる。
【0062】
上述した例では、第3縁部356Aによってリード部110の下端部と第5カバー部材250の前端部との間の電気的絶縁が確保されることを説明した。しかしながら、第1フレーム350Aによるリード部110と収容体20との間の電気的絶縁の確保は上述した例に限定されない。例えば、第4縁部358Aによってリード部110の上端部と第6カバー部材260の前端部との間の電気的絶縁を確保することができる。また、複数の第1フレーム350Aのうち最も右端に位置する第1フレーム350Aの第1縁部352Aによって、複数のリード部110のうち最も右端に位置するリード部110の右端部と、第3カバー部材230の前端部と、の間の電気的絶縁を確保することができる。さらに、複数の第1フレーム350Aのうち最も左端に位置する第1フレーム350Aの第2縁部354Aによって、複数のリード部110のうち最も左端に位置するリード部110の左端部と、第4カバー部材240の前端部と、の間の電気的絶縁を確保することができる。
【0063】
本実施形態において、第2方向Yに隣り合うリード部110の間には、第2方向Yに隣り合うリード部110のうちの右側のリード部110を囲む第1フレーム350Aの第2縁部354Aと、第2方向Yに隣り合うリード部110のうちの左側のリード部110を囲む第1フレーム350Aの第1縁部352Aと、が位置している。したがって、第2方向Yの隣り合うリード部110の間の第2方向Yの距離は、第2方向Yに隣り合うリード部110の間に位置する上述した第2縁部354Aと上述した第1縁部352Aとの間の第2方向Yの距離よりも大きくなっている必要がある。第2方向Yに隣り合うリード部110の間の第2方向Yの距離は、セル群100Gに含まれる電池セル100の数が多くなるほど大きくなる。したがって、セル群100Gに含まれる電池セル100の数が1つのみである場合よりも、セル群100Gに含まれる電池セル100の数が複数である場合の方が、第2方向Yに隣り合うリード部110の間の第2方向Yの距離を大きくしやすくなる。
【0064】
図3に示すように、第1保持体300Aは、複数の第1パーティション360Aを有していてもよい。ただし、第1保持体300Aは、第1パーティション360Aを有していなくてもよい。第1パーティション360Aは、絶縁体である。絶縁体としては、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテルやそれと同等以上の硬度や絶縁性を持つ樹脂が用いられる。複数の第1パーティション360Aの各々は、第2方向Yに隣り合う第1フレーム350Aの間に位置している。したがって、第1パーティション360Aが設けられている場合、第1パーティション360Aが設けられていない場合と比較して、第1コネクタ330Aに接続される第1電圧検出線320A等の配線と、第1電圧検出部310Aと、の接触を抑制することができる。
【0065】
図6を参照して、第1電圧検出部310Aについてさらに説明する。
【0066】
第1基端部312Aは、第1隆起318Aを有している。第1隆起318Aは、例えば、第1基端部312Aと同じ材料からなっている。また、第1隆起318Aは、第1基端部312Aと一体となっている。ただし、第1隆起318Aは、第1基端部312Aと異なる材料からなっていてもよい。第1方向Xから見て、第1隆起318Aは、第1基端部312Aの第1軸部材340Aを貫通させる第1貫通孔312aAの周辺の少なくとも一部分に位置している。したがって、実施形態では、第1隆起318Aが設けられていない場合と比較して、第1軸部材340Aを支点とした第1電圧検出部310Aの揺動を抑制することができる。このため、実施形態では、第1隆起318Aが設けられていない場合と比較して、第1電圧検出部310Aの揺らぎを抑制することができる。
【0067】
具体的には、実施形態において、第1隆起318Aは、第1方向Xから見て、第1基端部312Aの第1方向Xの負方向側の面の第1貫通孔312aAの全周に亘って設けられている。このため、第1隆起318Aは、第1基端部312Aの第1貫通孔312aAの第3方向Zの両側に設けられている。この場合、第1隆起318Aが第1基端部312Aの第1貫通孔312aAの第3方向Zの両側に設けられていない場合と比較して、第1軸部材340Aの第1貫通孔312aAの通過部分を第2方向Yに平行に通過する回転軸の周りにおける第1電圧検出部310Aの揺動を抑制することができる。また、第1隆起318Aは、第1基端部312Aの第1貫通孔312aAの第2方向Yの両側に設けられている。この場合、第1隆起318Aが第1基端部312Aの第1貫通孔312aAの第2方向Yの両側に設けられていない場合と比較して、第1軸部材340Aの第1貫通孔312aAの通過部分を第3方向Zに平行に通過する回転軸の周りにおける第1電圧検出部310Aの揺動を抑制することができる。
【0068】
なお、第1隆起318Aが設けられる位置は実施形態で説明した例に限定されない。例えば、第1隆起318Aは、第1基端部312Aの第1方向Xの正方向側の面に設けられていてもよい。また、第1方向Xから見て、第1隆起318Aは、第1基端部312Aの第1貫通孔312aAの全周の一部分のみに設けられていてもよい。例えば、第1隆起318Aは、第1基端部312Aの第1貫通孔312aAの第3方向Zの両側の少なくとも一方に設けられていてもよい。また、第1隆起318Aは、第1基端部312Aの第1貫通孔312aAの第2方向Yの両側の少なくとも一方に設けられていてもよい。
【0069】
第1貫通孔312aAは、第1方向Xから見て第3方向Zに長手方向を有している。すなわち、第1貫通孔312aAは、第1軸部材340Aの延在方向である第1方向Xに交差する方向に長手方向を有している。この場合、第1貫通孔312aAが第1方向Xから見て円である場合と比較して、第1軸部材340Aの周りにおける第1電圧検出部310Aの揺動を抑制することができる。ただし、第1貫通孔312aAは、第1方向Xから見て、円であってもよい。
【0070】
第1基端部312Aの第3方向Zの正方向側には、第1フレーム350Aの一部分、すなわち、第2縁部354Aが位置している。第2縁部354Aの第1基端部312Aに対向する部分は、第1方向Xから見て、第1軸部材340Aの周りの周方向に第1電圧検出部310Aの少なくとも一部分と対向する構造体となっている。具体的には、第1方向Xの負方向から見て第1電圧検出部310Aが第1軸部材340Aの周りに反時計回りに回転した場合、第1電圧検出部310Aの少なくとも一部分が第2縁部354Aの当該端部に接触する。したがって、実施形態では、第2縁部354Aの当該端部が設けられていない場合と比較して、第1軸部材340Aを第1方向Xに平行に通過する回転軸の周りにおける第1電圧検出部310Aの揺動を抑制することができる。
【0071】
第1基端部312A及び第1接続部316Aの第2方向Yの正方向側には、第1パーティション360Aが位置している。第1パーティション360Aの第1基端部312A及び第1接続部316Aに対向する部分は、第1軸部材340Aの周りの周方向に第1電圧検出部310Aの少なくとも一部分と対向する構造体となっている。具体的には、第1方向Xの負方向から見て第1電圧検出部310Aが第1軸部材340Aの周りに時計回りに回転した場合、第1電圧検出部310Aの少なくとも一部分が第1パーティション360Aの当該部分に接触する。したがって、第1軸部材340Aを第1方向Xに平行に通過する回転軸の周りにおける第1電圧検出部310Aの揺動を抑制することができる。なお、第1パーティション360Aを設けない場合には、第1方向Xの負方向から見て第1電圧検出部310Aが第1軸部材340Aの周りに時計回りに回転した場合、第1電圧検出部310Aの少なくとも一部分が、当該第1電圧検出部310Aが配置された第1フレーム350Aの左側に位置する第1フレーム350Aの第1縁部352Aに接触するように、第1電圧検出部310Aを配置してもよい。
【0072】
なお、第1基端部312Aの第2方向Yの正方向側の端部は、第1方向Xの正方向側又は第1方向Xの負方向側に向けて折れ曲がっていてもよい。この場合、第1軸部材340Aの第1貫通孔312aAの通過部分を第3方向Zに平行に通過する回転軸の周りに第1電圧検出部310Aが揺動しても、第1基端部312Aの第2方向Yの正方向側の折り曲げられた端部を第1パーティション360A等の周囲の構造体に接触させることができる。このため、第1基端部312Aの第2方向Yの正方向側の端部が折り曲げられていない場合と比較して、第1軸部材340Aの第1貫通孔312aAの通過部分を第3方向Zに平行に通過する回転軸の周りにおける第1電圧検出部310Aの揺動を抑制することができる。また、第1基端部312Aの第2方向Yの正方向側の端部の折り曲げに代えて、第1基端部312Aの第2方向Yの正方向側の端部又はその周辺から第1方向Xの正方向側又は第1方向Xの負方向側に向けて突出した突起が設けられていてもよい。当該突起が設けられている場合、第1軸部材340Aの第1貫通孔312aAの通過部分を第3方向Zに平行に通過する回転軸の周りに第1電圧検出部310Aが揺動しても、当該突起を第1パーティション360A等の周囲の構造体に接触させることができる。このため、当該突起が設けられていない場合と比較して、第1軸部材340Aの第1貫通孔312aAの通過部分を第3方向Zに平行に通過する回転軸の周りにおける第1電圧検出部310Aの揺動を抑制することができる。
【0073】
第2電圧検出装置30Bは、第1電圧検出装置30Aと同様にして、第2保持体300B、複数の第2電圧検出部310B、複数の第2電圧検出線320B、第2コネクタ330Bを有している。
【0074】
第2保持体300Bは、セル積層体10の後方に設けられている。複数の第2電圧検出部310Bの各々は、セル積層体10の後方の複数のリード部110の各々に接続されている。本実施形態では、各第2電圧検出部310Bの第1方向Xの負方向側の面が、リード部110の正極リード112及び負極リード114の接合部の第1方向Xの正方向側の面に接合されている。複数の第2電圧検出線320Bの各々は、複数の第2電圧検出部310Bの各々を第2コネクタ330Bに電気的に接続している。第2保持体300Bには、複数の第2フレーム350Bが設けられている。複数の第2フレーム350Bの各々は、複数の第1フレーム350Aと同様にして、セル積層体10の後方に設けられた複数のセル積層体10の各々と、複数の第2電圧検出部310Bの各々と、を囲んでいる。
【0075】
図7は、実施形態に係る第1電圧検出装置30Aのうち第1ヒューズ装置40Aが設けられた位置の拡大図である。
【0076】
第1ヒューズ装置40Aは、第1ベース302A、第1導体400A、第1固定具432A、第2固定具434A及び第1配線440Aを備えている。
【0077】
第1ベース302Aは、第1保持体300Aの右端部を含んでいる。本実施形態において、第1ベース302Aは、複数の第1フレーム350Aのうち最も右端の2つの第1フレーム350Aを含んでいる。
【0078】
第1導体400Aは、第1ベース302Aに設けられている。第1導体400Aは、例えば、金属からなっている。第1導体400Aは、終端正極リード112Tに電気的に接続されたバスバーとして機能している。
【0079】
第1導体400Aは、異なる方向に延在する複数の延在体を含んでいる。複数の延在体のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分は、第1ベース302Aによって保持されている。
【0080】
具体的には、第1導体400Aは、水平方向に延在する第1延在体410Aと、鉛直方向に延在する第2延在体420Aと、を含んでいる。第2延在体420Aは、第1延在体410Aの右端部から下方に向けて延在している。第1延在体410Aと第2延在体420Aとは一体的に形成されている。ただし、第1導体400Aは、例えば、第1延在体410Aとなる金属と、第2延在体420Aとなる金属と、を結合して形成されていてもよい。しかしながら、第1導体400Aの形成方法は、この例に限定されない。また、第1導体400Aの形状は、本実施形態に係る形状に限定されない。例えば、第1導体400Aは、第2延在体420Aを含んでいなくてもよい。
【0081】
第1延在体410Aは、第1幅広部412A、幅狭部414A及び第2幅広部416Aを含んでいる。幅狭部414Aの左端は、第1幅広部412Aの右端に接続されている。幅狭部414Aの右端は、第2幅広部416Aの左端に接続されている。
【0082】
第1幅広部412Aは、不図示の別の電池モジュールと電気的に接続するためのターミナルとして機能している。第1幅広部412Aの左端部には、締結孔450Aが設けられている。締結孔450Aには、例えば、別の電池モジュールと電気的に接続されている不図示のバスバーを固定するための不図示の固定具が固定される。なお、本実施形態において、第1幅広部412Aの締結孔450Aの周辺部分は、幅狭部414Aよりも高い位置にある。しかしながら、第1幅広部412Aの締結孔450Aの周辺部分は、幅狭部414Aと同じ高さに位置していてもよい。
【0083】
幅狭部414Aは、ヒューズとして機能している。幅狭部414Aの第1方向Xの幅は、第1幅広部412Aの第1方向Xの幅及び第2幅広部416Aの第1方向Xの幅のいずれよりも狭くなっている。このため、幅狭部414Aの第2方向Yに垂直な断面積は、第1幅広部412Aの第2方向Yに垂直な断面積及び第2幅広部416Aの第2方向Yに垂直な断面積のいずれよりも小さくなっている。したがって、過電流が第1導体400Aに流れた場合、幅狭部414Aは、第1幅広部412A及び第2幅広部416Aよりも、溶融しやすくなっている。
【0084】
本実施形態においては、幅狭部414Aは、第1保持体300Aに取り付けられている。したがって、ヒューズを保持するための構造を第1保持体300Aとは別に設ける場合と比較して、第1電圧検出部310A及びヒューズを空間的に効率的に設けることができる。
【0085】
さらに、本実施形態においては、ヒューズとして管状ヒューズ管を用いる場合と比較して電池モジュール50を小型化することができる。具体的には、管状ヒューズを用いる場合、電池モジュール50のエネルギーが高くなるほど、管状ヒューズの大きさが大きくなる。したがって、比較的高いエネルギーの電池モジュール50においては、管状ヒューズを設けるためのスペースが比較的大きくなる。これに対して、第1導体400Aの一部分をヒューズとして機能させる場合、管状ヒューズを用いる場合と比較して、ヒューズを設けるためのスペースを小さくすることができる。
【0086】
本実施形態において、幅狭部414Aは、第1幅広部412Aの延在方向と同じ方向に延在している。すなわち、第1幅広部412A及び幅狭部414Aは、第2方向Yに延在している。仮に、幅狭部414Aが第2延在体420Aに設けられていて第1幅広部412Aの延在方向と直交する方向に延在する場合、第2延在体420Aに設けられた幅狭部414Aを終端正極リード112Tと接合させることが難しくなり得る。これに対して、本実施形態においては、第2延在体420Aに幅狭部414Aを設ける必要がない。したがって、本実施形態においては、上述した場合と比較して、第2延在体420Aと終端正極リード112Tとの接合部分の第3方向Zの長さを長くすることができる。また、本実施形態においては、上述した場合と比較して、幅狭部414Aの第2方向Yの長さを調整しやすくすることができる。さらに、本実施形態においては、上述した場合と比較して、幅狭部414Aと終端正極リード112Tとをより離して設けることができる。したがって、本実施形態においては、上述した場合と比較して、幅狭部414Aの発熱による終端正極リード112Tへの影響を抑制することができる。
【0087】
第1延在体410Aのうち幅狭部414Aの前方には、幅狭部414Aを画定する第1空間402Aが設けられている。本実施形態において、第1空間402Aは、第1延在体410Aを構成する導体のうち幅狭部414Aとなる部分の前方部分をプレス加工によって打ち抜くことで形成されている。
【0088】
第1延在体410Aのうち幅狭部414Aの後方には、幅狭部414Aを画定する空間が設けられていない。しかしながら、幅狭部414Aの形成方法は、本実施形態に係る方法に限定されない。例えば、第1空間402Aは、幅狭部414Aの後方に設けられていてもよい。或いは、第1空間402Aは、幅狭部414Aの前方及び後方の双方に設けられていてもよい。また、第1空間402Aは、第1延在体410Aを鉛直方向に貫通する貫通孔によって形成されていてもよい。この場合、第1延在体410Aのうち第1空間402Aの第1方向Xの両側の部分が、ヒューズとして機能する幅狭部414Aとなる。
【0089】
プレス加工によって幅狭部414Aを形成する場合、本実施形態のように、幅狭部414Aを画定する空間は、第1延在体410Aの第1方向Xの両側のうち一方のみに設けられていることが好ましい。この場合、第1延在体410Aを構成する導体のうち幅狭部414Aとなる部分の後方部分をプレス加工によって打ち抜く必要がない。本実施形態と、第1延在体410Aを構成する導体のうち幅狭部414Aとなる部分の前方部分及び後方部分の双方をプレス加工によって打ち抜く場合と、を比較する。上述した場合においては、本実施形態と比較して、幅狭部414Aとなる部分の前方部分及び後方部分を同時又は個別に打ち抜く必要があるため、プレス加工の際に第1延在体410Aの中で最も幅狭となる幅狭部414Aにかかる機械的な負荷が増加する。このため、上述した場合においては、本実施形態と比較して、幅狭部414Aの破断を抑制する観点から、幅狭部414Aの第1方向Xの幅を広くする必要がある。これに対して、本実施形態においては、上述した場合と比較して、幅狭部414Aの第1方向Xの幅をより狭くすることができ、幅狭部414Aの寸法の自由度を大きくことができる。
【0090】
なお、幅狭部414Aを形成する方法は、プレス加工に限定されない。幅狭部414Aは、例えば、レーザ加工によって形成されてもよい。レーザ加工によって幅狭部414Aを形成する場合、幅狭部414Aを画定する空間は、第1延在体410Aの第1方向Xの両側のうち一方のみに設けられていてもよいし、又は第1延在体410Aの第1方向Xの両側に設けられていてもよい。
【0091】
幅狭部414Aの下方には、第2空間304Aが設けられている。第2空間304Aは、第1ベース302Aのうち第1延在体410Aが載置された上面に設けられた凹部によって画定されている。本実施形態においては、第1導体400Aに過電流が流れて幅狭部414Aが溶融した場合、溶融した幅狭部414Aが第2空間304Aに向けて落下することができる。したがって、本実施形態によれば、幅狭部414Aの下面が第1ベース302Aの上面に接触している場合と比較して、幅狭部414Aの溶断の確度を高くすることができる。
【0092】
本実施形態において、幅狭部414Aの少なくとも一部分は、正極リード112及び負極リード114の少なくとも一方の上方に位置している。また、第1ベース302Aの少なくとも一部分が、第3方向Zにおいて、正極リード112及び負極リード114の少なくとも一方と、幅狭部414Aの少なくとも一部分と、の間に位置している。具体的には、第1ベース302Aにおける上記凹部の底を画定している部分が、第3方向Zにおいて、正極リード112及び負極リード114の少なくとも一方と、幅狭部414Aの少なくとも一部分と、の間に位置している。したがって、溶融した幅狭部414Aが、幅狭部414Aの下方に位置する正極リード112又は負極リード114に接触することを防止することができる。
【0093】
幅狭部414Aの正極リード112及び負極リード114の少なくとも一方の上方に位置する部分は、耐熱性を有していてもよい。例えば、第1ベース302Aの上記凹部の底面には、耐熱層が設けてられていてもよい。耐熱層は、金属であってもよいし、セラミックやガラス質等の無機材料であってもよい。耐熱層を設けることで、溶融した幅狭部414Aが第1ベース302Aの本体部を溶かして正極リード112、負極リード114又は第1配線440Aに接触することをより確実に防止することができる。
【0094】
第1幅広部412Aは、第1固定具432Aによって第1ベース302Aに固定されている。本実施形態において、第1固定具432Aは、第1幅広部412Aを鉛直方向に貫通して第1ベース302Aのうち第1幅広部412Aの下方に位置する部分に差し込まれたねじである。第1幅広部412Aには、第1固定具432Aの軸部が鉛直方向に挿通可能な貫通孔が設けられている。第1固定具432Aは、ねじ以外の固定具、例えば、ビス、ボルト等であってもよい。
【0095】
第2幅広部416Aは、第2固定具434Aによって第1ベース302Aに固定されている。本実施形態において、第2固定具434Aは、第2幅広部416Aを鉛直方向に貫通して第1ベース302Aのうち第2幅広部416Aの下方に位置する部分に差し込まれたねじである。第2幅広部416Aには、第2固定具434Aの軸部が鉛直方向に挿通可能な貫通孔が設けられている。第2固定具434Aは、ねじ以外の固定具、例えば、ビス、ボルト等であってもよい。
【0096】
本実施形態において、第1固定具432A、第2固定具434A等の固定具は、第1導体400Aに対して着脱自在となっている。したがって、幅狭部414Aが溶断する等して第1導体400Aの交換が必要になった際は、第1固定具432A、第2固定具434A等の固定具を取り外すことで、第1導体400Aを新たな第1導体400Aに交換することができる。
【0097】
第1導体400Aを第1ベース302Aに固定する方法は、上述した例に限定されない。例えば、第1導体400Aの少なくとも一部分は、第1ベース302Aの少なくとも一部分にスナップフィット等の機械的接合を介して接合されていてもよい。
【0098】
本実施形態において、第1幅広部412A及び第2幅広部416Aの双方が第1固定具432A及び第2固定具434Aによって第1ベース302Aに固定されている。この場合、第1幅広部412A及び第2幅広部416Aの少なくとも一方が第1ベース302Aに固定されていない場合と比較して、幅狭部414Aを破断させる力が幅狭部414Aに加わることを抑制することができる。幅狭部414Aを破断させる力は、例えば、電池モジュール50を不図示の別の電池モジュールと電気的に接続するため不図示のバスバーを第1幅広部412Aに取り付ける場合において、締結孔450Aに対して不図示の固定具を固定する際に生じる。これは、締結孔450Aと幅狭部414Aとが第3方向Zに垂直な略同一平面内に位置していることによる。
【0099】
第1固定具432A及び第2固定具434Aは、幅狭部414Aに近い位置に配置することが好ましい。例えば、第1固定具432A及び第2固定具434Aは、第1空間402Aを介して互いに対向する位置に設けられることが好ましい。
【0100】
本実施形態において、第1配線440Aの少なくとも一部分は、第1空間402Aを通過している。この場合、第1配線440Aが第1空間402Aと異なる領域を通過する場合と比較して、第1配線440Aを空間的に効率的に配策することができる。
【0101】
また、本実施形態において、第1配線440Aの少なくとも一部分は、第1ベース302Aの幅狭部414Aの下方に位置する部分から水平方向にずれた部分を通過している。本実施形態では、第1ベース302Aにおける第2空間304Aを画定する凹部の底面に、第1配線440Aを通す貫通孔が設けられている。当該貫通孔は、幅狭部414Aの直下の領域から第1方向Xの負方向側に位置している。したがって、溶融して第2空間304Aに落下した幅狭部414Aが第1配線440Aに接触しにくくすることができる。
【0102】
第1配線440Aは、第2幅広部416Aに接続された一端と、
図3に示した第1コネクタ330Aに接続された他端と、を有している。第1配線440Aの一部分は、第1配線440Aのうち第2幅広部416Aに接続された一端から下方に向けて引き出されて、第1空間402A及び第2空間304Aを通過している。第1配線440Aの他の一部分は、第1ベース302Aのうち第2空間304Aの下方に位置する部分と、最も右端の2つの第1フレーム350Aの間の領域を通過して、複数の第1フレーム350Aの下方の空間に引き出されている。第1配線440Aのさらに他の一部分は、第1保持体300Aの中央から右側にずれた領域で隣り合う第1フレーム350Aの間の空間を通過して、複数の第1フレーム350Aの下方の空間から複数の第1フレーム350Aの上方に位置する第1コネクタ330Aまで引き出されている。第1配線440Aの配策は、本実施形態に係る例に限定されない。
【0103】
本実施形態において、第1配線440Aのうち第2幅広部416Aに接続された一端は、第2固定具434Aによって第2幅広部416Aに固定されている。本実施形態においては、第1配線440Aの上記一端が例えばはんだによって第2幅広部416Aに固定されている場合と比較して、幅狭部414Aが溶断したときの第1配線440Aの着脱が容易になる。第1配線440Aの上記一端には、例えば、圧着端子等の接続部品が設けられていてもよい。この場合、当該接続部品が第2固定具434Aによって固定されることで、第1配線440Aの上記一端を第2幅広部416Aに固定することができる。しかしながら、第1配線440Aの上記一端を第2幅広部416Aに接続する方法は、この例に限定されない。
【0104】
また、本実施形態において、第2固定具434Aは、第2幅広部416Aと、第1配線440Aのうち第2幅広部416Aに接続された一端と、の双方を第1ベース302Aに固定している。この場合、第2幅広部416Aを第1ベース302Aに固定するための固定具と、第1配線440Aの上記一端を第1ベース302A固定するための固定具と、を別々に設ける場合よりも、部品点数を少なくすることができる。本実施形態と異なる他の例において、第2幅広部416Aを第1ベース302Aに固定するための固定具と、第1配線440Aの上記一端を第1ベース302A固定するための固定具と、は別々に設けられていてもよい。
【0105】
第2幅広部416Aのうち第2固定具434Aが設けられた部分は、終端正極リード112Tの電圧を検出する電圧検出部として機能している。すなわち、終端正極リード112Tは、第2幅広部416Aのうち第2固定具434Aが設けられた部分の電圧検出対象となっている。第1配線440Aは、当該電圧検出部に電気的に接続された電圧検出線として機能している。本実施形態において、第1配線440Aのうち第2固定具434Aによって固定された一端は、第2幅広部416Aに電気的に接続されている。この場合、第1配線440Aが第1幅広部412Aに電気的に接続されている場合と比較して、幅狭部414Aにおける電圧降下の影響を抑制して終端正極リード112Tの電圧を検出することができるので、終端正極リード112Tの電圧をより正確に検出することが可能になる。
【0106】
図3及び
図7において、第2延在体420Aは、終端正極リード112Tに電気的に接続されている。本実施形態では、第2延在体420Aの右側面と、終端正極リード112Tの左側面と、がレーザ溶接等の接合方法によって互いに接合されている。なお、第2延在体420Aは設けられていなくてもよい。第2延在体420Aが設けられていない場合、不図示のL字状のバスバーを介して、終端正極リード112Tと第1延在体410Aとを電気的に接続することも可能である。
【0107】
第2延在体420Aの少なくとも一部分は、第1ベース302Aの少なくとも一部分によって保持されている。本実施形態では、第1延在体410Aの上端は、第1ベース302Aのうち第1延在体410Aの上端が貫通する貫通孔の第2方向Yの両側面によって保持されている。また、第2延在体420Aの下端は、第1ベース302Aのうち第2延在体420Aの下端が差し込まれる穴の第2方向Yの両側面によって保持されている。本実施形態においては、第2延在体420Aが第1ベース302Aによって保持されていない場合と比較して、幅狭部414Aを鉛直方向に垂直な方向に回転させる力が加わることを抑制することができるので好ましい。したがって、第2延在体420Aが第1ベース302Aによって保持されていない場合と比較して、幅狭部414Aの破断をより抑制することができる。
【0108】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0109】
例えば、実施形態に係る第1ヒューズ装置40Aは、電池セル100に電気的に接続されている。しかしながら、第1ヒューズ装置40Aは、電池セル100と異なる電子機器に電気的に接続されていてもよい。第2ヒューズ装置40Bについても同様である。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 電圧検出部と、
前記電圧検出部の一部分を貫通する軸部材と、
を備え、
電圧検出部が、前記電圧検出部の前記軸部材を貫通させる貫通孔の周辺の少なくとも一部分に位置する隆起を有する、電圧検出装置。
2. 前記軸部材の周りの周方向に前記電圧検出部の少なくとも一部分と対向する構造体をさらに備える、1.に記載の電圧検出装置。
3. 前記貫通孔が、前記軸部材に交差する方向に長手方向を有する、1.又は2.に記載の電圧検出装置。
4. 電圧検出部と、
前記電圧検出部の一部分を貫通する軸部材と、
前記軸部材の周りの周方向に前記電圧検出部の少なくとも一部分と対向する構造体と、
を備える電圧検出装置。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載の電圧検出装置と、
前記電圧検出部と電気的に接続された少なくとも1つの電池セルと、
を備える電池モジュール。
【符号の説明】
【0110】
10 セル積層体
20 収容体
30A 第1電圧検出装置
30B 第2電圧検出装置
40A 第1ヒューズ装置
40B 第2ヒューズ装置
50 電池モジュール
100 電池セル
100G セル群
102 外装材
104 接着部材
110 リード部
112 正極リード
112T 終端正極リード
114 負極リード
114T 終端負極リード
210 第1カバー部材
220 第2カバー部材
230 第3カバー部材
240 第4カバー部材
250 第5カバー部材
260 第6カバー部材
300A 第1保持体
300B 第2保持体
302A 第1ベース
304A 第2空間
310A 第1電圧検出部
310B 第2電圧検出部
312A 第1基端部
312aA 第1貫通孔
314A 第1先端部
316A 第1接続部
316aA 第1バレル
318A 第1隆起
320A 第1電圧検出線
320B 第2電圧検出線
330A 第1コネクタ
330B 第2コネクタ
340A 第1軸部材
350A 第1フレーム
350aA 切欠き
350B 第2フレーム
352A 第1縁部
354A 第2縁部
356A 第3縁部
358A 第4縁部
360A 第1パーティション
400A 第1導体
402A 第1空間
410A 第1延在体
412A 第1幅広部
414A 幅狭部
416A 第2幅広部
420A 第2延在体
432A 第1固定具
434A 第2固定具
440A 第1配線
450A 締結孔
X 第1方向
Y 第2方向
Z 第3方向