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特許7588127送信電力制御のための装置ならびにこの装置の送信電力制御のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】送信電力制御のための装置ならびにこの装置の送信電力制御のための方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20241114BHJP
   H04W 72/25 20230101ALI20241114BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20241114BHJP
   H04W 4/46 20180101ALI20241114BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W72/25
H04W92/18
H04W4/46
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022197817
(22)【出願日】2022-12-12
(62)【分割の表示】P 2021557707の分割
【原出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2023029999
(43)【公開日】2023-03-07
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】62/827,287
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】リン、ホエイ-ミン
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】Intel Corporation,Physical Layer Procedures for NR V2X Sidelink Design,3GPP TSG RAN WG1#96 R1-1903450,フランス,3GPP,2019年02月27日
【文献】Samsung,Considerations on Sidelink CSI,3GPP TSG RAN WG1#96 R1-1902279,フランス,3GPP,2019年02月15日
【文献】OPPO,Discussion on RRM for V2X,3GPP TSG RAN WG2 #105bis R2-1903679,フランス,3GPP,2019年03月29日
【文献】LG Electronics Inc.,Discussion on SL-RSRP measurement and report procedures in NR SL,3GPP TSG RAN WG2 #105bis R2-1904886,フランス,3GPP,2019年03月29日
【文献】Spreadtrum Communications,Discussion on NR V2X physical layer procedure,3GPP TSG RAN WG1#96 R1-1902724,フランス,3GPP,2019年02月16日
【文献】Intel Corporation,Feature Lead Summary for NR-V2X AI - 7.2.4.1.4 Resource Allocation Mechanism,3GPP TSG RAN WG1 #96 R1-1903397,フランス,3GPP,2019年02月26日
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Discussion on sidelink power control,3GPP TSG RAN WG1 #90 R1-1714002,フランス,3GPP,2017年08月12日
【文献】Huawei, HiSilicon,Sidelink measurements,3GPP TSG RAN WG1 #96 R1-1903076,フランス,3GPP,2019年02月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信電力制御のための第2ユーザ機器(UE)であって、
メモリと、
トランシーバと、
前記メモリおよび前記トランシーバに対して結合されたプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
第1UEから受信したトリガ信号によってトリガされることにより、前記トランシーバを制御することで、サイドリンク-基準信号受信電力(SL-RSRP)測定報告を報告し、および、
前記トランシーバを制御することにより、前記第1UEに対してSL-RSRP測定結果を報告するように、構成され、
前記トランシーバは、前記第1UEに対して物理的サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を介して前記SL-RSRP測定報告を送信するようにさらに構成され、
前記トリガ信号は、SL-RSRP測定報告間隔を指示し、
前記トランシーバは、前記第2UEでのSL-RSRP測定を目的として、前記第1UEから、前記PSSCHの復調基準信号(DMRS)を受信するようにさらに構成され、前記第2UEは、前記PSSCHの前記送信されたDMRSに基づいて、前記SL-RSRP測定を実行するように構成されている、第2ユーザ機器。
【請求項2】
前記SL-RSRP測定報告のための前記トリガ信号は、無線リソース制御(RRC)信号の一部である、請求項1に記載の第2ユーザ機器。
【請求項3】
前記第1UEと前記第2UEとの間の経路損失が、前記SL-RSRP測定結果と、前記第1UEから前記第2UEへと前記PSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルと、のうちの少なくとも1つに従って推定される、請求項1または2に記載の第2ユーザ機器。
【請求項4】
前記第1UEと前記第2UEとの間の経路損失が、前記第1UEと前記第2UEとの間のこの経路損失が、前記第1UEから前記第2UEへと前記PSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルから、前記報告されたSL-RSRP測定報告を差し引いたものに等しい、という計算によって、推定される、請求項1または2に記載の第2ユーザ機器。
【請求項5】
前記報告されたSL-RSRP測定結果は、測定されたSL-RSRPレベルを含み、前記測定されたSL-RSRPレベルは、レイヤ3フィルタリングを介して平均化される、請求項1または2に記載の第2ユーザ機器。
【請求項6】
第2ユーザ機器の送信電力制御のための方法であって、
第1UEから受信したトリガ信号によってトリガされることにより、サイドリンク-基準信号受信電力(SL-RSRP)測定結果を報告することと、
前記第1UEに対して物理的サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を介してSL-RSRP測定報告を送信することにより、前記第1UEに対して前記SL-RSRP測定結果を報告することと、を含
前記トリガ信号を、SL-RSRP測定報告間隔を指示するものとし、
前記第2UEでのSL-RSRP測定を目的として、前記第1UEから、前記PSSCHの復調基準信号(DMRS)を受信することと、前記PSSCHの前記送信されたDMRSに基づいて前記SL-RSRP測定を実行することと、をさらに含む、方法。
【請求項7】
前記SL-RSRP測定報告のための前記トリガ信号を、無線リソース制御(RRC)信号の一部とする、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1UEと前記第2UEとの間の経路損失を、前記SL-RSRP測定結果と、前記第1UEから前記第2UEへと前記PSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルと、のうちの少なくとも1つに従って推定する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1UEと前記第2UEとの間の経路損失を、前記第1UEと前記第2UEとの間のこの経路損失が、前記第1UEから前記第2UEへと前記PSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルから、前記報告されたSL-RSRP測定結果を差し引いたものに等しい、という計算によって、推定する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項10】
前記報告されたSL-RSRP測定結果を、測定されたSL-RSRPレベルを含むものとし、前記測定されたSL-RSRPレベルを、レイヤ3フィルタリングを介して平均化されたものとする、請求項6または7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムの分野に関し、より具体的には、良好な通信性能と高い信頼性とを提供し得るような、送信電力制御のための装置ならびにこの装置の送信電力制御のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現行のロングタームエボリューション(LTE)サイドリンク(SL)での端末間通信(D2D)および車両対すべての通信(V2X)では、ミッションクリティカルなサービスおよび交通安全応用をサポートするよう可能な限り広範囲の無線カバーエリアに到達するために、また同時に、無線SL通信接続の高い信頼性が所与の必要な距離範囲で維持されることを確保するために、送信機をなすユーザ機器(UE)は、SL信号およびチャネルを送信するに際して最大許容出力電力を使用することが多い。その上、これらのタイプの応用およびサービスに関しては、UEsがさらに大きな出力電力レベルで送信することが要求されることを想定して、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)において、より大きなUE出力クラスが、追加的に定義されている。
【0003】
従来的には、利用可能な最大出力電力を常に使用するというこの動作原理は、対象をなす使用事例およびサービスには当てはまり得るけれども、無線SL通信技術が商用サービスに使用される場合には、特に、タブレット、スマートフォン、拡張現実/仮想現実(AR/VR)メガネ、ラップトップ等、などの携帯式デバイスにとっては、UEのバッテリ消費にかなりの負荷がかかってしまう。ミッションクリティカルな応用およびV2Xサービスにおいてさえ、救急隊員が携帯する携帯式通信デバイスおよび歩行者用UEsなど、電力供給が制限された現場にUEsが配備されることは、よくあることである。さらに、いくつかの先進的なV2X使用事例に関しては、自律走行およびセンサ共有などのように、対象をなすV2Xの通信範囲が、互いに近接した車どうしの間のみである時には、大規模な無線SL信号カバー率は、それほど重要ではない場合がある。SL送信に関してのUEの出力電力を低減することができれば、UEのバッテリ電力を節約できるだけでなく、周囲のUEsに与える干渉を制限することもでき、ひいては、システム全体の性能を向上させることができる。
【0004】
したがって、良好な通信性能と高い信頼性とを提供し得るような、送信電力制御のための装置ならびにこの装置の送信電力制御のための方法が要望されている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、良好な通信性能と高い信頼性とを提供し得るような、送信電力制御のための装置ならびにこの装置の送信電力制御のための方法を提案することである。
【0006】
本開示の第1態様では、送信電力制御のための第1ユーザ機器は、メモリと、トランシーバと、メモリおよびトランシーバに対して結合されたプロセッサと、を含む。プロセッサは、トランシーバを制御することにより、第2UEに対してトリガ信号を送信し、これにより、第2UEに対してサイドリンク-基準信号受信電力(SL-RSRP)測定結果の報告を要求し、また、トランシーバを制御することにより、第2UEからSL-RSRP測定報告を受信し、および、報告されたSL-RSRP測定結果に従って、第1UEと第2UEとの間の経路損失を推定するように、構成されている。
【0007】
本開示の第2態様では、第1ユーザ機器の送信電力制御のための方法は、第2UEに対してトリガ信号を送信することにより、第2UEに対してサイドリンク-基準信号受信電力(SL-RSRP)測定結果の報告を要求することと、第2UEからSL-RSRP測定報告を受信することと、報告されたSL-RSRP測定結果に従って、第1UEと第2UEとの間の経路損失を推定することと、を含む。
【0008】
本開示の第3態様では、送信電力制御のための第2ユーザ機器は、メモリと、トランシーバと、メモリおよびトランシーバに対して結合されたプロセッサと、を含む。プロセッサは、第1UEから受信したトリガ信号によってトリガされることにより、トランシーバを制御することで、サイドリンク-基準信号受信電力(SL-RSRP)測定結果を報告するように、および、トランシーバを制御することにより、第1UEに対してSL-RSRP測定結果を報告するように、構成されている。
【0009】
本開示の第4態様では、第2ユーザ機器の送信電力制御方法は、第1UEから受信したトリガ信号によってトリガされることにより、サイドリンク-基準信号受信電力(SL-RSRP)測定結果を報告することと、第1UEに対してSL-RSRP測定結果を報告することと、を含む。
【0010】
本開示の第5態様では、非一過性の機械可読ストレージ媒体は、コンピュータによって実行された時にはコンピュータに上記の方法を実行させる命令を格納している。
【0011】
本開示の第6態様では、ターミナルデバイスは、プロセッサと、コンピュータプログラムを格納するように構成されたメモリと、を含む。プロセッサは、メモリ内に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、上記の方法を実行するように、構成される。
【0012】
本開示の第7態様では、基地局は、プロセッサと、コンピュータプログラムを格納するように構成されたメモリと、を含む。プロセッサは、メモリ内に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、上記の方法を実行するように、構成される。
【0013】
本開示の第8態様では、チップは、メモリ内に格納されたコンピュータプログラムを呼び出して実行することにより、チップが搭載されたデバイスに、上記の方法を実行させるように構成されたプロセッサを含む。
【0014】
本開示の第9態様では、コンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読ストレージ媒体は、コンピュータに上記の方法を実行させる。
【0015】
本開示の第10態様では、コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは、コンピュータに上記の方法を実行させる。
【0016】
本開示の第11態様では、コンピュータプログラムは、コンピュータに上記の方法を実行させる。
【0017】
本開示または関連技術の実施形態をより明確に示すために、以下の図について実施形態を簡単に紹介して説明する。図面が本開示のいくつかの実施形態に過ぎないことは明らかであり、当業者であれば、前提を払うことなく、これらの図に基づいて他の図を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本開示の一実施形態による、通信ネットワークシステムにおける送信電力制御のための第1ユーザ機器(UE)および第2ユーザ機器を示すブロック図である。
【0019】
図2図2は、本開示の一実施形態による、第1ユーザ機器の送信電力制御のための方法を示すフローチャートである。
【0020】
図3図3は、本開示の一実施形態による、第2ユーザ機器の送信電力制御のための方法を示すフローチャートである。
【0021】
図4図4は、本開示の一実施形態による、新規無線(NR)サイドリンク通信におけるUEの送信電力を制御するための方法を示すフローチャートである。
【0022】
図5図5は、本開示の一実施形態による、送信と経路損失の推定と新規送信電力レベルの適用とのための第1UEと、受信電力の測定とフィードバック報告の提供とのための第2UEと、を含むNRサイドリンク通信に関するUE電力制御のための提案された方法を示す例示的な図示である。
【0023】
図6図6は、本開示の一実施形態による、無線通信のためのシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の実施形態について、以下の添付図面を参照しながら、技術的事項と、構造的特徴点と、達成される目的と、効果と、に関して詳細に説明する。具体的には、本開示の実施形態における用語は、特定の実施形態に関する目的を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態では、サイドリンク(SL)データ送信に関して、送信機をなすユーザ機器(UE)の出力電力を制御するために、受信機をなすUEの測定と、フィードバックと、が提供され、これにより、UEのバッテリ電力消費ならびに周囲のUEsに対しての不要な干渉の発生という上記の問題点が解決される。いくつかの実施形態における無線SL送信に関する電力制御のための提案された方法を採用することによる利点は、以下を含む。
【0026】
1.携帯式UEデバイスのバッテリ電力を節約し、これにより、デバイスのより長い動作時間をもたらすこととなる。
【0027】
2.周囲の近くの他のUEsに対する干渉を最小化し、その結果、より良好なSLシステムの性能と、より多くのエリアでのより多くの無線周波数の再利用と、をもたらす。
【0028】
3.セルラアップリンク(UL)基地局(BS)受信機に対する干渉を最小化し、UL方向におけるセルラ性能をより良好とする。
【0029】
4.無線チャネル環境に対するSL送信パラメータの適応がより良好となり、これにより、より信頼性の高いSLデータ転送と、より良好な無線リソースの利用と、データスループットの向上と、可能であればデータ転送待ち時間の短縮と、をもたらすこととなる。
【0030】
図1は、いくつかの実施形態における、本開示の一実施形態による、通信ネットワークシステム30における送信電力制御のための、第1ユーザ機器(UE)10および第2ユーザ機器20が提供されることを示している。通信ネットワークシステム30は、第1UE10と、第2UE20と、を含む。第1UE10は、メモリ12と、トランシーバ13と、メモリ12およびトランシーバ13に対して結合されたプロセッサ11と、を含んでもよい。第2UE20は、メモリ22と、トランシーバ23と、メモリ22およびトランシーバ23に対して結合されたプロセッサ21と、を含んでもよい。プロセッサ11または21は、本明細書において説明するような、提案された機能、手順、および/または方法を実装するように構成されてもよい。無線インターフェースプロトコルのレイヤは、プロセッサ11または21内に実装されてもよい。メモリ12または22は、プロセッサ11または21に対して動作可能に結合され、プロセッサ11または21を動作させるための様々な情報を格納している。トランシーバ13または23は、プロセッサ11または21に対して動作可能に結合され、無線信号の送信および/または受信を実行する。
【0031】
プロセッサ11または21は、特定用途向け集積回路(ASIC)、他のチップセット、論理回路、および/または、データ処理デバイス、を含んでもよい。メモリ12または22は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、メモリカード、ストレージ媒体、および/または、他のストレージデバイス、を含んでもよい。トランシーバ13または23は、無線周波数信号を処理するためのベースバンド回路を含んでもよい。実施形態がソフトウェアで実装される場合には、本明細書において説明する技術は、本明細書において説明する機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能、など)によって実装することができる。モジュールは、メモリ12または22内に格納され得るとともに、プロセッサ11または21によって実行され得る。メモリ12または22は、プロセッサ11または21の内部で実装することができる、あるいは、プロセッサ11または21の外部で実装することができ、その場合、それらは、当該技術分野において公知の様々な手段を介してプロセッサ11または21に対して通信可能に結合することができる。
【0032】
UEsどうしの間の通信は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のロングタームエボリューション(LTE)および新規無線(NR)リリース16以降で開発されたサイドリンク技術に従って、車両対車両(V2V)、車両対歩行者(V2P)、および車両対インフラストラクチャ/ネットワーク(V2I/N)を含む車両対すべて(V2X)の通信に関する。UEsどうしは、PC5インターフェースなどのサイドリンクインターフェースを介して、互いに直接的に通信する。本開示のいくつかの実施形態は、3GPP NRリリース16以降のサイドリンク通信技術に関する。
【0033】
いくつかの実施形態では、プロセッサ11は、トランシーバ13を制御することにより、第2UE20に対してトリガ信号を送信し、これにより、第2UE20に対してサイドリンク-基準信号受信電力(SL-RSRP)測定結果の報告を要求し、また、トランシーバ13を制御することにより、第2UE20からSL-RSRP測定報告を受信し、さらに、報告されたSL-RSRP測定結果に従って、第1UE10と第2UE20との間の経路損失を推定するように、構成される。いくつかの実施形態における無線SL送信に関する電力制御のための提案された方法を採用することによる利点は、以下を含む。1.携帯式UEデバイスのバッテリ電力を節約し、これにより、デバイスのより長い動作時間をもたらすこととなる。2.周囲の近くの他のUEsに対する干渉を最小化し、その結果、より良好なSLシステムの性能と、より多くのエリアでのより多くの無線周波数の再利用と、をもたらす。3.セルラアップリンク(UL)基地局(BS)受信機に対する干渉を最小化し、UL方向におけるセルラ性能をより良好とする。4.無線チャネル環境に対するSL送信パラメータの適応がより良好となり、これにより、より信頼性の高いSLデータ転送と、より良好な無線リソースの利用と、データスループットの向上と、可能であればデータ転送待ち時間の短縮と、をもたらすこととなる。
【0034】
いくつかの実施形態では、トリガ信号は、SL-RSRP測定報告間隔または報告スロット番号を指示する。いくつかの実施形態では、SL-RSRP測定報告に関するトリガ信号は、物理的サイドリンク制御チャネル(PSCCH)信号において符号化されて送信されることとなるサイドリンク制御情報(SCI)または無線リソース制御(RRC)信号の一部である。いくつかの実施形態では、トランシーバ13は、第2UE20でのSL-RSRP測定を目的として、第2UE20に対して物理的サイドリンク共有チャネル(PSSCH)の復調基準信号(DMRS)を送信するようにさらに構成され、第2UE20は、PSSCHの送信されたDMRSに基づいて、SL-RSRP測定を実行するように構成される。
【0035】
いくつかの実施形態では、トリガ信号は、物理的サイドリンク制御チャネル(PSCCH)で符号化されて送信されることとなるサイドリンク制御情報(SCI)の一部として、SL-RSRP測定期間またはスロット番号を含む。いくつかの実施形態では、トランシーバ13は、第2UE20に対してPSSCHの復調基準信号(DMRS)を送信するようにさらに構成され、プロセッサ11は、第2UE20に対してPSSCHのDMRSに従ってSL-RSRP測定結果を測定することを要求するように、構成される。いくつかの実施形態では、トランシーバ13は、第2UE20からPSSCHを介してSL-RSRP測定報告を受信するようにさらに構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1UE10と第2UE20との間の経路損失は、第1UE10から第2UE20へとPSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルに従って推定される。いくつかの実施形態では、第1UE10と第2UE20との間の経路損失は、第1UE10と第2UE20との間の経路損失が、第1UE10から第2UE20へとPSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルから、受信されたSL-RSRP測定結果を差し引いたものに等しい、という計算によって、推定される。いくつかの実施形態では、プロセッサ11は、第1UE10から第2UE20へとPSSCHを送信するために使用される新規SL送信電力レベルを決定するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、新規SL送信電力レベルは、推定された経路損失値と、変調符号化方式(MCS)レベルと、周波数リソースブロック(RBs)の割り当てと、周波数RBsのサイズと、パケットトランスポートブロック(TB)サイズと、のうちの少なくとも1つに従って決定される。いくつかの実施形態では、報告されたSL-RSRP測定結果は、測定されたSL-RSRPレベルを含み、測定されたSL-RSRPレベルは、レイヤ3フィルタリングを介して平均化される。
【0037】
いくつかの実施形態では、プロセッサ21は、第1UE10から受信したトリガ信号によってトリガされることにより、トランシーバ23を制御することで、サイドリンク-基準信号受信電力(SL-RSRP)測定結果を報告するように、さらに、トランシーバ23を制御することにより、SL-RSRP測定結果を第1UE10に対して報告するように、構成される。いくつかの実施形態における無線SL送信に関する電力制御のための提案された方法を採用することによる利点は、以下を含む。1.携帯式UEデバイスのバッテリ電力を節約し、これにより、デバイスのより長い動作時間をもたらすこととなる。2.周囲の近くの他のUEsに対する干渉を最小化し、その結果、より良好なSLシステムの性能と、より多くのエリアでのより多くの無線周波数の再利用と、をもたらす。3.セルラアップリンク(UL)基地局(BS)受信機に対する干渉を最小化し、UL方向におけるセルラ性能をより良好とする。4.無線チャネル環境に対するSL送信パラメータの適応がより良好となり、これにより、より信頼性の高いSLデータ転送と、より良好な無線リソースの利用と、データスループットの向上と、可能であればデータ転送待ち時間の短縮と、をもたらすこととなる。
【0038】
いくつかの実施形態では、トリガ信号は、SL-RSRP測定報告間隔または報告スロット番号を指示する。いくつかの実施形態では、SL-RSRP測定報告のためのトリガ信号は、物理的サイドリンク制御チャネル(PSCCH)信号において符号化されて送信されることとなるサイドリンク制御情報(SCI)または無線リソース制御(RRC)信号の一部である。いくつかの実施形態では、トランシーバ23は、第2UE20でのSL-RSRP測定を目的として、第1UE10から、物理的サイドリンク共有チャネル(PSSCH)の復調基準信号(DMRS)を受信するようにさらに構成され、第2UE20は、PSSCHの送信されたDMRSに基づいて、SL-RSRP測定を実行するように構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、トリガ信号は、物理的サイドリンク制御チャネル(PSCCH)で符号化されて送信されることとなるサイドリンク制御情報(SCI)の一部として、SL-RSRP測定期間またはスロット番号を含む。いくつかの実施形態では、トランシーバ23は、第1UE10から、PSSCHの復調基準信号(DMRS)を受信するようにさらに構成され、プロセッサ21は、PSSCHのDMRSに従ってSL-RSRP測定結果を測定するように構成される。いくつかの実施形態では、トランシーバ23は、第1UE10に対してPSSCHを介してSL-RSRP測定報告を送信するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、第1UE10と第2UE20との間の経路損失は、SL-RSRP測定結果と、第1UE10から第2UE20へとPSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルと、のうちの少なくとも1つに従って推定される。いくつかの実施形態では、第1UE10と第2UE20との間の経路損失は、第1UE10と第2UE20との間の経路損失が、第1UE10から第2UE20へとPSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルから、報告されたSL-RSRP測定結果を差し引いたものに等しい、という計算によって、推定される。
【0040】
図2は、本開示の一実施形態による、第1UEの送信電力制御のための方法200を示している。いくつかの実施形態では、方法200は、第2UEに対してトリガ信号を送信することにより、第2UEに対してサイドリンク-基準信号受信電力(SL-RSRP)測定結果の報告を要求するブロック202と、第2UEからSL-RSRP測定報告を受信するブロック204と、報告されたSL-RSRP測定結果に従って、第1UEと第2UEとの間の経路損失を推定するブロック206と、を含む。いくつかの実施形態における無線SL送信に関する電力制御のための提案された方法を採用することによる利点は、以下を含む。1.携帯式UEデバイスのバッテリ電力を節約し、これにより、デバイスのより長い動作時間をもたらすこととなる。2.周囲の近くの他のUEsに対する干渉を最小化し、その結果、より良好なSLシステムの性能と、より多くのエリアでのより多くの無線周波数の再利用と、をもたらす。3.セルラアップリンク(UL)基地局(BS)受信機に対する干渉を最小化し、UL方向におけるセルラ性能をより良好とする。4.無線チャネル環境に対するSL送信パラメータの適応がより良好となり、これにより、より信頼性の高いSLデータ転送と、より良好な無線リソースの利用と、データスループットの向上と、可能であればデータ転送待ち時間の短縮と、をもたらすこととなる。
【0041】
いくつかの実施形態では、トリガ信号は、SL-RSRP測定報告間隔または報告スロット番号を指示する。いくつかの実施形態では、SL-RSRP測定報告のためのトリガ信号は、物理的サイドリンク制御チャネル(PSCCH)信号において符号化されて送信されることとなるサイドリンク制御情報(SCI)または無線リソース制御(RRC)信号の一部である。いくつかの実施形態では、本方法は、第2UEでのSL-RSRP測定を目的として、第2UEに対して物理的サイドリンク共有チャネル(PSSCH)の復調基準信号(DMRS)を送信することをさらに含み、第2UEは、PSSCHの送信されたDMRSに基づいてSL-RSRP測定を実行するように構成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、トリガ信号は、物理的サイドリンク制御チャネル(PSCCH)において符号化されて送信されることとなるサイドリンク制御情報(SCI)の一部として、SL-RSRP測定期間またはスロット番号を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、PSSCHの復調基準信号(DMRS)を第2UEに対して送信することと、第2UEに対してPSSCHのDMRSに従ってSL-RSRP測定結果を測定することを要求することと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第2UEからPSSCHを介してSL-RSRP測定報告を受信することをさらに含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1UEと第2UEとの間の経路損失は、第1UEから第2UEへとPSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルに従って推定される。いくつかの実施形態では、第1UE10と第2UE20との間の経路損失は、第1UE10と第2UE20との間の経路損失が、第1UE10から第2UE20へとPSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルから、報告されたSL-RSRP測定結果を差し引いたものに等しい、という計算によって、推定される。いくつかの実施形態では、本方法は、第1UEから第2UEへとPSSCHを送信するために使用される新規SL送信電力レベルを決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、新規SL送信電力レベルは、推定された経路損失値と、変調符号化方式(MCS)レベルと、周波数リソースブロック(RBs)の割り当てと、周波数RBsのサイズと、パケットトランスポートブロック(TB)サイズと、のうちの少なくとも1つに従って決定される。いくつかの実施形態では、報告されたSL-RSRP測定結果は、測定されたSL-RSRPレベルを含み、測定されたSL-RSRPレベルは、レイヤ3フィルタリングを介して平均化される。
【0044】
図3は、本開示の一実施形態による、第2UEの送信電力制御のための方法300を示している。いくつかの実施形態では、本方法300は、第1UEから受信したトリガ信号によってトリガされることにより、サイドリンク-基準信号受信電力(SL-RSRP)測定結果を報告するブロック302と、第1UEに対してSL-RSRP測定結果を報告するブロック304と、を含む。いくつかの実施形態における無線SL送信に関する電力制御のための提案された方法を採用することによる利点は、以下を含む。1.携帯式UEデバイスのバッテリ電力を節約し、これにより、デバイスのより長い動作時間をもたらすこととなる。2.周囲の近くの他のUEsに対する干渉を最小化し、その結果、より良好なSLシステムの性能と、より多くのエリアでのより多くの無線周波数の再利用と、をもたらす。3.セルラアップリンク(UL)基地局(BS)受信機に対する干渉を最小化し、UL方向におけるセルラ性能をより良好とする。4.無線チャネル環境に対するSL送信パラメータの適応がより良好となり、これにより、より信頼性の高いSLデータ転送と、より良好な無線リソースの利用と、データスループットの向上と、可能であればデータ転送待ち時間の短縮と、をもたらすこととなる。
【0045】
いくつかの実施形態では、トリガ信号は、SL-RSRP測定報告間隔または報告スロット番号を指示する。いくつかの実施形態では、SL-RSRP測定報告のためのトリガ信号は、物理的サイドリンク制御チャネル(PSCCH)信号において符号化されて送信されることとなるサイドリンク制御情報(SCI)または無線リソース制御(RRC)信号の一部である。いくつかの実施形態では、本方法は、第2UEでのSL-RSRP測定を目的として、第1UEから、物理的サイドリンク共有チャネル(PSSCH)の復調基準信号(DMRS)を受信することをさらに含み、第2UEは、PSSCHの送信されたDMRSに基づいてSL-RSRP測定を実行するように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態では、トリガ信号は、物理的サイドリンク制御チャネル(PSCCH)において符号化されて送信されることとなるサイドリンク制御情報(SCI)の一部として、SL-RSRP測定期間またはスロット番号を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1UEから、PSSCHの復調基準信号(DMRS)を受信することと、PSSCHのDMRSに従ってSL-RSRP測定結果を測定することと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1UEに対してPSSCHを介してSL-RSRP測定報告を送信することをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1UEと第2UEとの間の経路損失は、SL-RSRP測定結果と、第1UEから第2UEへとPSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルと、のうちの少なくとも1つに従って推定される。いくつかの実施形態では、第1UE10と第2UE20との間の経路損失は、第1UE10と第2UE20との間の経路損失が、第1UE10から第2UE20へとPSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルから、SL-RSRP測定結果を差し引いたものに等しい、という計算によって、推定される。
【0047】
図4は、本開示の一実施形態による、新規無線(NR)サイドリンク通信におけるUE送信電力制御のための方法を示すフローチャートである。図5は、本開示の一実施形態による、送信と経路損失の推定と新規送信電力レベルの適用とのための第1UEと、受信電力の測定とフィードバック報告の提供とのための第2UEと、を含むNRサイドリンク通信に関するUE電力制御のための提案された方法を示す例示的な図示である。
【0048】
本開示のいくつかの実施形態では、提案された方法は、図4および図5におけるそれぞれ図示400および500を参照して、第1UE(送信機UE1、Tx-UE1)からSLデータを受信するように構成された少なくとも1つの第2UE(受信機UE2、Rx-UE2)に向けて、第1UEに関するSL信号およびチャネルの送信電力の制御を提供する。Tx-UE1 504は、まず、操作402において、Rx-UE2 505をトリガすることにより、PSCCHで符号化されて送信されることとなるサイドリンク制御情報(SCI)の一部として、SL-RSRP測定期間/タイムフレームまたは報告スロット番号を指示することによって、サイドリンク-基準信号受信電力(SL-RSRP)を報告させる。Rx-UE2 505に関してSCIで指示されたSL-RSRP測定期間/タイムフレーム503は、NRスロットの数、ミリ秒、あるいは、Tx-UE1 504からのPSSCH送信回数、として表現することができる。
【0049】
Rx-UE2 505が、操作402においてPSCCH SCIで指示されたSL-RSRP報告トリガを受信した時には、Rx-UE2 505は、指示された測定期間/タイムフレーム503に従ってSL-RSRPレベルの測定を実行する。Rx-UE2 505がSL-RSRP測定報告を提供し得るタイミングが、NR(D2Dフレーム番号)ダイレクトフレーム番号(DFN)またはスロット番号として表現されている場合には、Rx-UE2 505は、Rx-UE2 505に関して意図したTx-UE1 504から操作502において送信されたすべてのPSSCHに対してSL-RSRP測定を実行することができる。SL-RSRP測定期間/タイムフレームが、時間長さ継続時間またはPSSCH送信回数で表現されている場合には、Rx-UE2 505は、測定期間/タイムフレーム503時に、Rx-UE2 505に関して意図されたTx-UE1 504からの操作502において送信されたすべてのPSSCHに対してSL-RSRP測定を実行することができる。
【0050】
さらに、Tx-UE1 504が、測定期間/タイムフレームの間に、Rx-UE2 505に関して意図した複数のPSSCHを送信した場合には、Rx-UE2 505は、操作502においてPSSCH送信ごとにSL-RSRP測定を実行することができ、レイヤ3フィルタリングによって、複数の測定されたSL-RSRPレベルを平均化することができる。測定期間/タイムフレーム503の間に、Rx-UE2 505に関して意図したTx-UE1 504から1つのPSSCHのみが送信された場合には、Rx-UE2 505は、それに関して意図した送信されたPSSCHのみについてSL-RSRP測定を実行することができ、レイヤ3フィルタリングまたは平均化を適用することはできない。
【0051】
さらに、Rx-UE2 505は、操作402におけるSL-RSRP報告に対するトリガの後に、かつ、測定期間/タイムフレーム503の間に、それに関して意図されたTx-UE1 504からのすべてのPSSCH送信に対して適用される一定の送信電力を仮定することができる。加えて、SL-RSRPレベルの測定は、Tx-UE1 504から送信されたPSSCHの復調基準信号(DMRS)501に基づいて、Rx-UE2 505によって実行することができる。最後に、SL電力制御に関するSL-RSRP測定の目的で、Tx-UE1 504からPSSCHおよび/またはDMRSを送信するために使用された実際の送信電力を指示する必要はない。
【0052】
指示されたSL-RSRP測定期間/タイムフレームの後には、Rx-UE2 505は、操作404において、それ自身のPSSCH送信を介して、その測定された最終的なSL-RSRPレベルを、そして適用可能である場合にはフィルタリングされた最終的なSL-RSRPレベルを、Tx-UE1 504に対して、報告/フィードバックすることができる。SL-RSRP報告時に、Rx-UE2 505が、また、同じスロット内にまたは同じサブフレーム内に、Tx-UE1 504に対して送信されるべきSLデータトランスポートブロック(TB)を有している場合には、最終的なSL-RSRPレベルは、SL送信のPSSCH領域でPSSCHと共に送信されることとなるけれども、PSSCHの一部として符号化されることはない。SL-RSRP報告時に、Rx-UE2 505が、また、同じスロット内にまたは同じサブフレーム内に、Tx-UE1 504に対して送信されるべきSLデータトランスポートブロック(TB)を全く有していない場合には、この場合、最終的なSL-RSRPレベルは、Tx-UE1 504に対して、PSSCHごとに、符号化されて送信されることとなる。
【0053】
Tx-UE1 504が、Rx-UE2 505からSL-RSRP報告を受信した時には、Tx-UE1 504は、受信したSL-RSRP報告と、SL-RSRP測定期間/タイムフレーム中にPSSCHを送信するために使用された送信電力と、に基づいて、経路損失=PSSCHを送信するために使用されたTx電力 - 報告されたSL-RSRPレベル、という単純な計算に従って、操作406において経路損失値を推定する。その後、新規SL送信電力を、Tx-UE1 504によって決定することができ、操作408において、同じRx-UE2 505に関して意図されたSLデータメッセージを付帯した次のまたは将来的なPSSCH送信に対して適用することができる。新規SL送信電力の決定は、推定された経路損失値と、選択されたMCSレベルと、周波数RBsの割り当て/サイズと、SLデータTBサイズと、のうちの少なくとも1つに基づくことができる。
【0054】
要約すると、いくつかの実施形態の一態様(システムレベル)は、少なくとも1つの第2UEからの測定フィードバックに基づいて、第1UEに関するNR物理的サイドリンクチャネルおよび信号の送信電力を制御するための方法を提供する。本方法は、PSCCH SCI内で第1UEが指示することにより、第2UEにおけるSL-RSRPレベルの測定をトリガすることと、測定されたSL-RSRPレベルを第2UEからPSSCHを介して第1UEに対して報告することと、第1UEと第2UEとの間の経路損失値を推定することと、を含む。本方法は、NR SL送信に関して第1UEによって新規に決定されたSL送信電力レベルを第2UEに対して適用することをさらに含む。いくつかの実施形態では、指示は、少なくとも、SL-RSRP測定期間/タイムフレームを含む。いくつかの実施形態では、SL-RSRPの測定は、第1UEから送信されたPSSCH-DMRSに基づく。いくつかの実施形態では、測定フィードバックは、第2UEからのPSSCHを介して伝達される。いくつかの実施形態では、経路損失は、経路損失=PSSCHを送信するために使用されたTx電力 - 報告されたSL-RSRPレベル、を計算することによって推定することができる。いくつかの実施形態では、新規SL送信電力レベルは、推定された経路損失値と、MCSレベルと、周波数RBsの割り当て/サイズと、パケットTBサイズと、のうちの少なくとも1つに基づいて決定される。
【0055】
いくつかの実施形態における別の態様(第1Tx-UE1)は、少なくとも1つの第2UEからの測定フィードバックに基づいて、第1UEに関するNR物理的サイドリンクチャネルおよび信号の送信電力を制御するための方法を提供する。本方法は、SL-RSRP測定および第2UEからの報告を第1UEがトリガすることと、第2UEからSL-RSRP測定結果を受信することと、受信したSL-RSRP値と、第1UEから第2UEへとPSSCHを送信するために使用された基準SL送信電力レベルに基づいて、第1UEと第2UEとの間の経路損失を推定することと、を含む。本方法は、推定された経路損失値と、MCSレベルと、周波数RBsの割り当て/サイズと、パケットTBサイズと、のうちの少なくとも1つに基づいて、第2UEに対してPSSCHを送信するために第1UEが使用すべき新規SL送信電力レベルを決定することをさらに含む。
【0056】
いくつかの実施形態における別の態様(第2Rx-UE2)は、少なくとも1つの第2UEからの測定フィードバックに基づいて、第1UEに関するNR物理的サイドリンクチャネルおよび信号の送信電力を制御するための方法を提供する。本方法は、第1UEからのPSSCH SCI内におけるSL-RSRP測定トリガを受信することと、第1UEから送信された1つまたは複数のPSSCHに関連したDMRSに基づいて1つまたは複数のSL-RSRPレベルを測定することと、PSSCHにおける最終的なSL-RSRP値を、PSSCHを介して第1UEに対して報告することと、を含む。
【0057】
いくつかの実施形態に関する商業的興味は、以下の通りである。1.携帯式UEデバイスのバッテリ電力を節約し、これにより、デバイスのより長い動作時間をもたらすこととなる。2.周囲の近くの他のUEsに対する干渉を最小化し、その結果、より良好なSLシステムの性能と、より多くのエリアでのより多くの無線周波数の再利用と、をもたらす。3.セルラアップリンク(UL)基地局(BS)受信機に対する干渉を最小化し、UL方向におけるセルラ性能をより良好とする。4.無線チャネル環境に対するSL送信パラメータの適応がより良好となり、これにより、より信頼性の高いSLデータ転送と、より良好な無線リソースの利用と、データスループットの向上と、可能であればデータ転送待ち時間の短縮と、をもたらすこととなる。5.本開示のいくつかの実施形態は、5G-NRチップセットベンダ、V2X通信システム開発ベンダ、自動車や電車やトラックやバスや自転車やモトバイクやヘルメット等を含む自動車メーカ、ドローン(無人航空機)、スマートフォンメーカ、公共安全用途の通信デバイス、例えばゲームや会議/セミナや教育などの目的でのAR/VR機器メーカ、によって使用される。本開示のいくつかの実施形態は、最終製品を作製するために3GPP仕様で採用可能な「技術/プロセス」の組合せである。
【0058】
図6は、本開示の一実施形態による、無線通信のための例示的なシステム700を示すブロック図である。本明細書において説明する実施形態は、任意の適切に構成されたハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用してシステム内に実装されてもよい。図6は、少なくとも図示のようにして互いに結合された、無線周波数(RF)回路710と、ベースバンド回路720と、アプリケーション回路730と、メモリ/ストレージ740と、ディスプレイ750と、カメラ760と、センサ770と、入出力(I/O)インターフェース780と、を含むシステム700を示している。
【0059】
アプリケーション回路730は、1つまたは複数のシングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサなどの回路を含んでもよいが、これに限定されるものではない。プロセッサは、汎用プロセッサと、グラフィックスプロセッサやアプリケーションプロセッサなどの専用プロセッサと、の任意の組合せを含んでもよい。プロセッサは、メモリ/ストレージと結合されてもよく、システム上で実行される様々なアプリケーションおよび/またはオペレーティングシステムを有効とするために、メモリ/ストレージ内に格納された命令を実行するように構成されてもよい。
【0060】
ベースバンド回路720は、1つまたは複数のシングルコアプロセッサまたはマルチコアプロセッサなどの回路を含んでもよいが、これに限定されるものではない。プロセッサは、ベースバンドプロセッサを含んでもよい。ベースバンド回路は、RF回路を介して1つまたは複数の無線ネットワークとの通信を可能とする様々な無線制御機能を処理してもよい。無線制御機能は、信号の変調、符号化、復号化、無線周波数のシフト、等を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、ベースバンド回路は、1つまたは複数の無線技術と互換的な通信を提供してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ベースバンド回路は、進化型ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(EUTRAN)および/または他の無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)との通信をサポートしてもよい。ベースバンド回路が2つ以上の無線プロトコルの無線通信をサポートするように構成された実施形態は、マルチモードベースバンド回路と称されてもよい。
【0061】
様々な実施形態では、ベースバンド回路720は、厳密にはベースバンド周波数であるとは見なされない信号で動作するための回路を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ベースバンド回路は、ベースバンド周波数と無線周波数との間にある中間周波数を有した信号で動作する回路を含んでもよい。
【0062】
RF回路710は、非固体媒体を介して変調された電磁放射を使用して、無線ネットワークとの通信を可能としてもよい。様々な実施形態では、RF回路は、無線ネットワークとの通信を促進するために、スイッチ、フィルタ、増幅器、等を含んでもよい。
【0063】
様々な実施形態では、RF回路710は、厳密には無線周波数であるとは見なされない信号で動作する回路を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、RF回路は、ベースバンド周波数と無線周波数との間にある中間周波数を有した信号で動作する回路を含んでもよい。
【0064】
様々な実施形態では、ユーザ機器、eNB、またはgNBに関して上述したような、送信回路、制御回路、または受信回路は、RF回路、ベースバンド回路、および/またはアプリケーション回路、のうちの1つまたは複数において、全体的にまたは部分的に具現されてもよい。本明細書において使用された際には、「回路」は、1つまたは複数のソフトウェアプログラムまたはファームウェアプログラムを実行するような、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、プロセッサ(共有、専用、またはグループ)、および/またはメモリ(共有、専用、またはグループ)、組合せ論理回路、ならびに/もしくは、説明した機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネントを指してもよく、またはそれらの一部であってもよく、またはそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、電子デバイス回路は、1つまたは複数のソフトウェアモジュールまたはファームウェアモジュール内に実装されてもよく、あるいは、1つまたは複数のソフトウェアまたはファームウェアモジュールによって実装され得る回路に関連して機能する。
【0065】
いくつかの実施形態では、ベースバンド回路、アプリケーション回路、および/または、メモリ/ストレージの構成要素のいくつかまたはすべては、システムオンチップ(SOC)上に一緒に実装されてもよい。
【0066】
メモリ/ストレージ740は、例えば、システム用のデータおよび/または命令をロードして格納するために使用されてもよい。一実施形態に関するメモリ/ストレージは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))などの適切な揮発性メモリ、および/または、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、の任意の組合せを含んでもよい。
【0067】
様々な実施形態では、I/Oインターフェース780は、システムとユーザとの対話を可能とするように設計された1つまたは複数のユーザインターフェース、および/または、システムと周辺機器との対話を可能とするように設計された周辺機器インターフェース、を含んでもよい。ユーザインターフェースは、物理的なキーボードまたはキーパッド、タッチパッド、スピーカ、マイクロフォン、等を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。周辺機器インターフェースは、不揮発性メモリポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、オーディオジャック、および電源インターフェースを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0068】
様々な実施形態では、センサ770は、システムに関連する環境条件および/または位置情報を決定するために、1つまたは複数の感知デバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサは、ジャイロセンサ、加速度計、近接センサ、周囲光センサ、および測位ユニットを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。測位ユニットは、また、測位ネットワークの構成要素と通信するための例えば全地球測位システム(GPS)衛星と通信するためのベースバンド回路および/またはそのようなRF回路の一部であってもよく、またはそれらと相互作用してもよい。
【0069】
様々な実施形態では、ディスプレイ750は、液晶ディスプレイおよびタッチスクリーンディスプレイなどのディスプレイを含んでもよい。様々な実施形態では、システム700は、ラップトップコンピューティングデバイス、タブレットコンピューティングデバイス、ネットブック、ウルトラブック、スマートフォン、AR/VRメガネ、等のモバイルコンピューティングデバイスであってもよいが、これらに限定されるものではない。様々な実施形態では、システムは、より多数のまたはより少数の構成要素、および/または異なるアーキテクチャ、を有していてもよい。適切であれば、本明細書において説明する方法は、コンピュータプログラムとして実装されてもよい。コンピュータプログラムは、非一過性ストレージ媒体などのストレージ媒体上に格納されてもよい。
【0070】
当業者であれば、本開示の実施形態において説明されて開示されたユニット、アルゴリズム、およびステップのそれぞれが、電子ハードウェアを使用して、あるいは、コンピュータ用ソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せを使用して、実現されることは、理解されよう。機能がハードウェアで実行されるかあるいはソフトウェアで実行されるかは、技術計画に関する適用条件および設計要件に依存する。
【0071】
当業者であれば、特定の用途ごとに機能を実現するに際して異なる方法を使用し得るけれども、そのような実現は、本開示の範囲を超えてはならない。当業者であれば、上述したシステム、デバイス、およびユニットの動作プロセスが基本的に同じであることにより、当業者が、上述の実施形態におけるシステム、デバイス、およびユニットの動作プロセスを参照し得ることは、理解されよう。説明を容易として簡潔とするために、これらの動作プロセスについては詳述しない。
【0072】
本開示の実施形態における開示されたシステム、デバイス、および方法が、他の態様で実現され得ることは、理解されよう。上述した実施形態は、例示的なものに過ぎない。ユニットの分割は、単に論理的な機能に基づくものであり、実現に際しては、他の分割が存在する。複数のユニットまたは構成要素を、組み合わせたり別のシステム内に統合したりすることも可能である。また、いくつかの特性を、省略したりスキップしたりすることも可能である。他方、図示したまたは説明した相互結合、直接結合、または通信結合は、電気的にまたは機械的にまたは他の種類の形態で、間接的にまたは通信的に、いくつかのポート、デバイス、またはユニットを介して動作する。
【0073】
説明用の別個の部材としてのユニットは、物理的に分離されている、あるいは物理的に分離されていない。表示用のユニットは、物理的なユニットである、あるいは物理的なユニットではない、つまり、一箇所に配置されている、あるいは複数のネットワークユニット上に分散して配置されている。いくつかのユニットまたはすべてのユニットは、実施形態の目的に従って使用される。その上、各実施形態における機能ユニットのそれぞれは、1つの処理ユニット内に統合することができる、あるいは、物理的に独立していることができる、あるいは、2つ以上のユニットと一緒に1つの処理ユニット内に統合することができる。
【0074】
ソフトウェア機能ユニットが実現され、製品として使用して販売される場合には、コンピュータ内の読み取り可能なストレージ媒体内に格納することができる。この理解に基づいて、本開示が提案する技術計画は、ソフトウェア製品の形態として本質的または部分的に実現することができる。あるいは、従来技術に対して有益な技術計画の一部分を、ソフトウェア製品の形態として実現することができる。コンピュータ内のソフトウェア製品は、本開示の実施形態が開示するすべてのステップまたはいくつかのステップを実行するための演算デバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、または、ネットワークデバイス、など)に関する複数の命令を含めて、ストレージ媒体内に格納されている。ストレージ媒体は、USBディスク、モバイルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フロッピーディスク、または、プログラムコードを格納し得る他の種類の媒体、を含む。
【0075】
本開示を、最も実用的で好ましいと考えられる実施形態に関連して説明してきたけれども、本開示が、開示された実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に関する最も広範な解釈範囲から逸脱せずに実施される様々な構成を包含することを意図していることは、理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6