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特許7588136骨インプラントにおける係留可能なタンパク質の送達のための材料
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】骨インプラントにおける係留可能なタンパク質の送達のための材料
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/10 20060101AFI20241114BHJP
   A61L 27/12 20060101ALI20241114BHJP
   A61L 27/18 20060101ALI20241114BHJP
   A61L 27/54 20060101ALI20241114BHJP
   A61L 27/56 20060101ALI20241114BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20241114BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20241114BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20241114BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20241114BHJP
   A61K 38/18 20060101ALI20241114BHJP
   C07K 14/51 20060101ALN20241114BHJP
   C07K 14/475 20060101ALN20241114BHJP
【FI】
A61L27/10
A61L27/12
A61L27/18
A61L27/54
A61L27/56
A61P19/08
A61P19/00
A61P17/00
A61P19/10
A61K38/18
C07K14/51 ZNA
C07K14/475
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022508582
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-26
(86)【国際出願番号】 US2020047042
(87)【国際公開番号】W WO2021034958
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】62/889,296
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520351185
【氏名又は名称】セラダプティブ インク
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】アルバレス,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ヘイル,トッド
【審査官】田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0037385(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0117375(US,A1)
【文献】特表2005-512614(JP,A)
【文献】特表2014-528734(JP,A)
【文献】特表2007-503849(JP,A)
【文献】特表2005-505311(JP,A)
【文献】特開2008-142379(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/203038(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/296343(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 27/00-27/60
A61P 1/00-43/00
A61K 38/00-38/58
C07K 14/475,14/51
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元構造、治療剤、および標的化部分を含むデバイスであって、
ここで前記標的化部分は、キメラポリペプチド中の前記治療剤に接続したポリペプチドであり、前記三次元構造に非共有結合し、
前記三次元構造は、セラミックと、任意選択でポリマーとを含み、
前記セラミックは前記三次元構造中に50重量%から100重量%で存在し、
前記ポリマーは前記三次元構造中に0重量%から50重量%で存在する、
デバイス。
【請求項2】
前記セラミックは前記三次元構造中に50重量%から70重量%で存在し、前記ポリマーは前記三次元構造中に5重量%から30重量%で存在する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記セラミックは、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フッ素リン灰石、骨、シリケート、またはバナデート、あるいはそれらの組み合わせを含む、請求項1または請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記セラミックはβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ポリマーを含み、ここで、前記ポリマーはポリカプロラクトンを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
00重量%のセラミックを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ポリマーを含み、ここで前記セラミックは、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含み、前記ポリマーはポリカプロラクトンを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記三次元構造は、1g/cmら3g/cmの密度を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記三次元構造は、15%から45%の開放気孔率を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記三次元構造は、325μmと475μmの直径を有する繊維を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記治療剤は、哺乳動物成長因子またはその機能的部分を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記治療剤は骨形成タンパク質(BMP)を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
骨欠損、軟骨欠損、軟組織欠損、腱欠損、筋膜欠損、靭帯欠損、器官欠損、骨腱組織欠損、皮膚欠損、骨軟骨欠損、骨粗鬆症、無血管性壊死、または先天性骨格奇形、あるいはそれらの組み合わせを含む疾病を処置するための方法における使用のための、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記方法は、脊椎固定術、骨修復、歯科修復、頭蓋顎顔面修復、足関節固定、椎骨形成術、骨形成術、舟状骨骨折修復、腱骨修復、肋骨再建、軟骨下骨修復、または軟骨修復を含む、請求項13に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月20日に出願された米国仮特許出願第62/889,296号の利益を主張するものであり、これは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
政府の権利
本発明は、米国陸軍医療物資司令部により与えられたW81XWH-18-C-0182の下で政府支援を受けて行われた。政府は本発明において一定の権利を有している。
【0003】
配列表
本出願は配列表を含んでおり、この配列表はEFS-Webを介してASCIIフォーマットで提出され、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。2020年8月13日に作成されたASCIIコピーは、50222-703.601_SEQ.txtと名付けられ、235KBの大きさである。
【背景技術】
【0004】
三次元(3D)印刷は、デジタルファイルから三次元の固体物体を作成する製造プロセスである。3D印刷のアディティブ法では、最大マイクロメートル精度で、所望の物体が作成されるまで材料の連続する層を配置することによって物体が作成される。コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアと組みあわせることで、3D印刷は、従来の製造法と比較して、容易にカスタマイズすることができる複雑な機能的形状の生成を可能にする。
【0005】
組織再生を促進するために足場および/または他の形態の移植片材料を外科的に移植することは、インプラントが天然組織の機械的特性と一致し得る場合に有用な技術である。組織を模倣し、組織の再成長を可能にする材料を含む様々な材料が、移植のための多孔性3D印刷構造の製造におけるインクとして使用され得る。効果的な生物活性および機械的特性を備えたインクは、天然組織の再生に必要であり、3D印刷で使用する場合はカスタマイズして、大きな組織欠損の修復に採用することができる。
【発明の概要】
【0006】
多孔性骨足場インプラントの3D印刷のための生物活性のセラミック材料を組み込んだ、様々なインク製剤が開発されている。これらのインクは、デュアル非対称的な遠心混合プロセスを用いて、セラミック粒子を液体インク成分に分散させることによって製剤化される。その後、これらのインクで印刷された足場は、骨成長を促進する係留された(tethered)タンパク質でコーティングされる。3D印刷された材料に細胞を播種して、外科的骨置換および移植に使用することができる。開発されたインクの1つ目は、強固なリン酸カルシウムセラミック材料の3D印刷を可能にし、2つ目は、柔軟性があり取り扱いが容易なリン酸カルシウムポリマー複合材料の3D印刷を可能にし、そして3つ目は、多孔性で柔軟性がある印刷物を生成する、リン酸三カルシウム粉末、非水溶性ポリマー、および水溶性ポリマーのブレンドを含むものの3D印刷を可能にする。インク製剤は、Direct Ink Writing(ロボキャスティング(robocasting)としても知られている)および溶融押出などの押し出しに基づく技術による3D印刷を可能にする、ずり流動化挙動を有する。
【0007】
両方の技術はアディティブマニュファクチャリングの方法であり、この方法では、ノズルがビルドプラットフォームを横切って移動する間に、ペースト(「インク」と呼ばれる)のフィラメントが小さなノズルから(例えば、シリンジから)押し出される。印刷される物体の3Dコンピュータ支援設計(CAD)モデルは、ノズル直径と同様の厚さの層に分割される。物体は、第1の層を充填するのに必要な形状でインクのフィラメントを押し出すことにより生成される。その後、ビルドプラットフォームは下へ移動するか、または、ノズルは(例えば、ノズル直径の幅だけ)移動し、次の層は、後の層によって必要とされるパターンで堆積する。3D物体の製作が完了するまで、このプロセスは繰り返される。
【0008】
ロボキャスティングでは、ノズルの位置を制御して各層の形状を描くため、インク(典型的にはセラミックスラリー)は、液体のような状態でノズルから出るが、インクのずり流動化のレオロジー特性により、直ちにその形状を維持する。所望の物体は、このように層ごとに構築され、幾何学的に複雑なセラミック成形体が生成され得る。
【0009】
溶融押出中に、インク材料は、ノズルを介して押出し可能になるように、3Dプリンター内でポリマー溶融温度を超えて加熱される。ポリマーが印刷ノズルを出た後、ポリマーは急速に冷却および硬化し、これにより、後の層が適用されて三次元の物体を製作することができる。
【0010】
本開示の態様は、印刷された三次元構造に非共有結合した治療剤を含むデバイスである。印刷された三次元構造は、約50重量%~約100重量%のセラミックと、約0重量%~約50重量%のポリマーとを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間の密度、約15%と約45%の間の開放気孔率、約0.50m/gと約1.0m/gの間の比表面積の1つ以上を含み、三次元構造は約325μmおよび約475μmの繊維径を有する。
【0012】
様々な実施形態では、セラミックは、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フッ素リン灰石、骨、シリケート(silicate)、またはバナデート(vanadate)、またはそれらの組み合わせを含む。
【0013】
実施形態では、セラミックはβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、ポリマーはポリカプロラクトンを含む。
【0015】
様々な実施形態では、デバイスは、約100重量%のセラミックを含む。デバイスにおいて、セラミックはβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む。
【0016】
実施形態では、デバイスは、約70重量%~約80重量%のセラミックと、約20重量%~約30重量%のポリマーとを含む。デバイスにおいて、セラミックはβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含み得、ポリマーはポリカプロラクトンを含む。
【0017】
印刷された三次元構造は、約30重量%~約70重量%のセラミックと、約5重量%~約30重量%のポリマーと、任意選択で消泡剤および/または分散剤とを含むインクから形成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、治療剤は、哺乳動物成長因子またはその機能的部分を含む。
【0019】
様々な実施形態では、治療剤は、表4から選択される1つ以上のポリペプチド、またはその機能的部分を含む。
【0020】
実施形態では、治療剤は骨形成タンパク質(BMP)を含む。
【0021】
治療剤は標的化部分を含み得、標的化部分は印刷された三次元構造に非共有結合される。デバイスにおいて、標的化部分は、約1pM~約100μmの親和性で、印刷された三次元構造に結合され得る。標的化部分は、表5-6の配列のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一のポリペプチドを含む。デバイスにおいて、表5-6の配列から選択される標的化部分は、約2、3、4、5、6、7、8、9、または10の配列を含み得る。
【0022】
様々な実施形態では、治療剤は、配列番号794-802のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含むキメラポリペプチドである。
【0023】
本開示の別の態様は、必要とする対象の疾病を治療する方法である。上記方法は、任意の本明細書で開示されるデバイスを対象に投与することを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、疾病は、骨欠損、軟骨欠損、軟組織欠損、腱欠損、筋膜欠損、靭帯欠損、器官欠損、骨腱組織(osteotendinous tissue)欠損、皮膚欠損、骨軟骨欠損、骨粗鬆症、無血管性壊死、あるいは先天性骨格奇形、またはそれらの組み合わせを含む。
【0025】
実施形態では、方法は脊椎固定術を含む。方法では、脊椎固定術は、後側方固定術(posterior lumbar fusion)(PLF)および/または椎体間固定術を含み得る。
【0026】
様々な実施形態では、方法は、骨修復、歯科修復、頭蓋顎顔面修復、足関節固定、椎骨形成術、骨形成術、舟状骨骨折修復、腱骨(tendeno-osseous)修復、肋骨再建、軟骨下骨修復、軟骨修復、あるいは三次元構造またはデバイスの外科的移植、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0027】
しかし、別の態様は、三次元構造を製造するための方法である。上記方法は、セラミック、ポリマー、ならびに任意選択で消泡剤および/または分散剤を含む溶液を提供する工程と、インク製剤を得るために上記溶液を混合する工程と、三次元形態でインク製剤を堆積させる工程とを含む。上記方法は、(i)約30重量%~約70重量%のセラミックと、約5重量%~約60重量%のポリマーとを含むインク製剤、および/または(ii)約50重量%~約100重量%のセラミックと約0重量%~約50重量%のポリマーとを含む三次元構造を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、インク製剤および/または三次元構造のセラミックは、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フッ素リン灰石、骨、シリケート、またはバナデート、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0029】
実施形態では、インク製剤および/または三次元構造のセラミックは、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む。
【0030】
様々な実施形態では、インク製剤のポリマーは、ポリカプロラクトンを含む第1のポリマーと、ポリエチレングリコールを含む第2のポリマーとを含む。方法では、インク製剤は、約10重量%~約30重量%のポリカプロラクトンと、約10重量%~約30重量%のポリエチレングリコールとを含み得る。
【0031】
三次元構造は、約100重量%のセラミックを含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、三次元構造は、約100重量%のβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む。
【0033】
様々な実施形態では、三次元構造は、約70重量%~約80重量%のセラミックと、約20重量%~約30重量%のポリマーとを含む。
【0034】
三次元構造は、約70重量%~約80重量%のβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)と、約20重量%~約30重量%のポリカプロラクトンとを含み得る。
【0035】
実施形態では、方法は、三次元構造を治療剤と組み合わせる工程をさらに含む。方法では、治療剤は、哺乳動物成長因子あるいはその機能的部分、および/または表4から選択される1つ以上ポリペプチドあるいはその機能的部分を含む。治療剤は、骨形成タンパク質(BMP)を含み得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、治療剤は、三次元構造に非共有結合する標的化部分を含む。方法では、標的化部分は、約1pM~約100μmの親和性で、印刷された三次元構造に結合し得る。
【0037】
標的化部分は、表5-6の配列のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0038】
様々な実施形態では、標的化部分は、表5-6の配列から選択される約2、3、4、5、6、7、8、9、または10の配列を含む。
【0039】
実施形態では、治療剤は、配列番号794-802のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含むキメラポリペプチドである。
【0040】
一態様では、本開示は、必要とする対象の疾病を治療するための方法を提供する。上記方法は、任意の本明細書に開示された三次元構造を対象に投与する工程を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、疾病は、骨欠損、軟骨欠損、軟組織欠損、腱欠損、筋膜欠損、靭帯欠損、器官欠損、骨腱組織(osteotendinous tissue)欠損、皮膚欠損、骨軟骨欠損、骨粗鬆症、無血管性壊死、または先天性骨格奇形、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0042】
上記方法は、脊椎固定術を含み得る。様々な実施形態では、脊椎固定術は、後側方固定術(PLF)および/または椎体間固定術を含む。
【0043】
実施形態では、方法は、骨修復、歯科修復、頭蓋顎顔面修復、足関節固定、椎骨形成術、骨形成術、舟状骨骨折修復、腱骨修復、肋骨再建、軟骨下骨修復、軟骨修復、あるいは三次元構造またはデバイスの外科的移植、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0044】
他の態様では、本開示は、三次元印刷のためのインク製剤を提供し、上記インク製剤は、約30重量%~約70重量%のセラミックと、約5重量%~約30重量%のポリマーとを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、セラミックは、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フッ素リン灰石、骨、シリケート、あるいはバナデート、またはそれらの組み合わせを含む。
【0046】
実施形態では、セラミックは、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む。
【0047】
上記製剤は、約50重量%~約70重量%のセラミック、約10重量%~約30重量%の第1のポリマー、および約10重量%~約30重量%の第2のポリマー、または、約50重量%~約70重量%のβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)、ポリカプロラクトンを含む約10重量%~約30重量%の第1のポリマー、およびポリエチレングリコールを含む約10重量%~約30重量%の第2のポリマーを含む。
【0048】
様々な実施形態では、上記製剤は、約50重量%~約70重量%のセラミックと、約5重量%~約15重量%のポリマーと、任意選択で消泡剤および/または分散剤とを含むか、あるいは、約50重量%~約70重量%のリン酸三カルシウムと、約5重量%~約15重量%のポロキサマーと、任意選択で消泡剤および/または分散剤とを含む。上記製剤は、約0.1重量%~約1重量%の消泡剤を含む場合があり、ここで、上記消泡剤は、アルコール、および/または約0.1重量%~約1重量%の分散剤を含み、ここで、上記分散剤は任意選択でアンモニウムポリアクリレートを含む。
【0049】
上記製剤は、約40重量%~約60重量%のセラミック、約5重量%~約15重量%のポリマー、および約30重量%~40重量%の溶媒、または、約40重量%~約60重量%のβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)、約5重量%~約15重量%のポリカプロラクトン、および約30重量%~約40重量%の溶媒を含み得る。実施形態では、溶媒は、ジクロロメタン、2-ブトキシエタノール、ジブチルフタレート、またはクロロホルム、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0050】
さらなる態様では、本開示は、三次元構造を調製するための方法を提供する。上記方法は、三次元印刷法においてインクとして任意の本明細書で開示される製剤(formation)を使用する工程を含む。
【0051】
本開示の態様は、任意の本明細書で開示される形成を使用して調製された三次元構造である。
【0052】
様々な実施形態では、三次元構造は、約50重量%~約100重量%のセラミックを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、三次元構造は、約50重量%~約100重量%のリン酸三カルシウムを含む。
【0054】
実施形態では、三次元構造は、約50重量%~約90重量%のリン酸三カルシウムと、約10%~約50%のポリマーとを含む。ポリマーはポリカプロラクトンを含み得る。
【0055】
三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間の密度、約15%と約45%の間の開放気孔率、約0.50m/gと約1.0m/gの間の比表面積の1つ以上を含み得、三次元構造は約325μmおよび約475μmの繊維径を有する。
【0056】
本開示の別の態様は、約50重量%~約100重量%のセラミックと、約0%~約50%のポリマーとを含む三次元構造である。
【0057】
いくつかの実施形態では、セラミックは、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フッ素リン灰石、骨、シリケート、またはバナデート、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0058】
実施形態では、セラミックは、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、三次元構造は、約50重量%~約100重量%のセラミックを含む。
【0060】
様々な実施形態では、三次元構造は、約100重量%のセラミックを含む。
【0061】
さらなる実施形態では、三次元構造は、約100重量%のリン酸三カルシウムを含む。
【0062】
三次元構造は、約50重量%~約90重量%のセラミックと約10%~約50%のポリマー、または、約50重量%~約90重量%のリン酸三カルシウムと約10%~約50%のポリマーを含み得る。実施形態では、ポリマーはポリカプロラクトンを含む。
【0063】
実施形態では、三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間の密度、約15%と約45%の間の開放気孔率、約0.50m/gと約1.0m/gの間の比表面積の1つ以上を含み、三次元構造は約325μmおよび約475μmの繊維径を有する。
【0064】
三次元構造は、三次元印刷方法によって調製され得る。
【0065】
本開示のさらなる態様は、必要とする対象に治療剤を送達するための方法である。上記方法は、対象の器官または組織に、治療剤および任意の本明細書で開示される三次元構造を含むデバイスを送達する工程を含む。
【0066】
一態様では、本開示は、治療剤および任意の本明細書で開示される三次元構造を含むデバイスを提供する。
【0067】
様々な実施形態では、治療剤は、哺乳動物成長因子またはその機能的部分を含む。
【0068】
実施形態では、治療剤は、表4から選択される1つ以上のポリペプチド、またはその機能的部分を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、治療剤は骨形成タンパク質(BMP)を含む。
【0070】
デバイスは標的化部分を含み得る。実施形態では、標的化部分は、表5-6の配列のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の1つ以上配列を含むポリペプチドを含む。標的化部分は、表5-6の配列から選択される約2、3、4、5、6、7、8、9、または10の配列を含み得る。いくつかの実施形態では、標的化部分は、三次元構造に非共有結合する。
【0071】
様々な実施形態では、標的化部分は、キメラポリペプチド中の治療剤に接続される。
【0072】
いくつかの実施形態では、キメラポリペプチドは、配列番号794-802のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。
【0073】
他の態様では、本開示は、任意の本明細書で開示されるデバイスを調製する方法を提供する。上記方法は、治療剤を三次元構造と組み合わせる工程を含み、ここで、上記治療剤は上記三次元構造に非共有結合する。
【0074】
さらに別の態様では、本開示は、必要とする対象の疾病を処置するための方法を提供する。上記方法は、任意の本明細書で開示される三次元構造または任意の本明細書で開示されるデバイスを対象に投与する工程を含む。
【0075】
様々な実施形態では、疾病は、骨欠損、軟骨欠損、軟組織欠損、腱欠損、筋膜欠損、靭帯欠損、器官欠損、骨腱組織欠損、皮膚欠損、骨軟骨欠損、骨粗鬆症、無血管性壊死、あるいは先天性骨格奇形、またはそれらの組み合わせを含む。上記方法は、脊椎固定術、例えば、後側方固定術(PLF)および/または椎体間固定術を含む脊椎固定術を含み得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、方法は、骨修復、歯科修復、頭蓋顎顔面修復、足関節固定、椎骨形成術、骨形成術、舟状骨骨折修復、腱骨修復、肋骨再建、軟骨下骨修復、軟骨修復、あるいは三次元構造またはデバイスの外科的移植、あるいはそれらの組み合わせを含む。
【0077】
本明細書で開示される態様または実施形態では、三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間の密度を有し得る。
【0078】
本明細書で開示される態様または実施形態では、三次元構造は、約15%と約45%の間の開放気孔率を有し得る。
【0079】
本明細書で開示される態様または実施形態では、三次元構造は、約0.50m/gと約1.0m/gの間の比表面積を有し得る。
【0080】
本明細書で開示される態様または実施形態では、三次元構造は、約325μmおよび約475μmの繊維径を有し得る。
【0081】
本明細書で開示される態様または実施形態では、三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間の密度、約15%と約45%の間の開放気孔率、約0.50m/gと約1.0m/gの間の比表面積を有し得、三次元構造は、約325μmおよび約475μmの繊維径を有する。
【0082】
実施形態では、三次元構造は、約2.44g/cmの密度、約19.6%の開放気孔率、および約384μmの繊維径を有する。
【0083】
別の実施形態では、三次元構造は、約1.32g/cmの密度、約38%の開放気孔率、および約394μmの繊維径を有する。
【0084】
さらに別の実施形態では、三次元構造は、約1.49g/cmの密度、約31%の開放気孔率、0.81m/gの比表面積、および420μmの繊維径を有する。
【0085】
本明細書に記載される材料および方法の利点は、3D印刷されたカスタマイズ可能なインプラント、および、より普遍的な一片、塊、または円柱状の物体を提供することを含む。インプラントが3D印刷される場合、インプラントの幾可学的形状の正確な制御が可能になる。したがって、これらのインクで印刷されたインプラントは、長骨修復、脊椎固定術、顎顔面構造などを含む様々な治療に適している。骨組織の再生を増強するために、埋込み型のデバイスのセラミック含有物に、係留可能な成長因子がロードされ得る。インクの様々な製剤は、異なる多孔率および柔軟性を含む、異なる特性を備えた埋込み型デバイスを結果としてもたらす材料を生成する。
【0086】
本開示の1つ以上の実施形態の詳細は、添付図面および以下の説明に記載されている。本開示の他の特徴、目的、および利点は、明細書、図面、および請求項から明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
図1A】リン酸カルシウムのセラミックインクを使用して、3D印刷された物体を製作するプロセスの概要である。
図1B図1Aで使用されるリン酸カルシウムのセラミックインクを作成するための工程を例証するフローチャートである。
図2A】リン酸カルシウムのポリマーインクを使用して、3D印刷された物体を製作するプロセスの概要である。
図2B図2Aで使用されるリン酸カルシウムのポリマーインクを作成するための工程を例証するフローチャートである。
図2C図2Aで概説されるようにリン酸カルシウムのポリマーインクで作られた、例示的な3D印刷された物体の顕微鏡写真である。
図3A】複合インクを使用して、3D印刷された物体を製作するプロセスの概要である。
図3B図3Aで使用される複合インクを作製するための工程を例証するフローチャートである。
図3C図2Aで概説されるように、複合インクで作られた、3D印刷された例示的な顕微鏡写真である。
図4A】本明細書に記載されるように、複合インク(320)で作られた、例示的な3D印刷された物体の写真である。
図4B】水和の前の、図4Aの3D印刷された物体の写真である。
図4C】動脈血で水和された図4Aの3D印刷された物体の写真である。
図4D】移植の準備ができている図4Cの3D印刷された物体の写真である。
【0088】
様々な図面中の同様の参照記号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0089】
多孔性骨足場インプラントの3D印刷のために、様々なリン酸カルシウムのセラミックインク製剤が開発されてきた。インク製剤は、押し出しに基づく技術によって3D印刷を可能にする、ずり流動化挙動を有する。これらのインクは、デュアル非対称的な遠心混合プロセスを用いて、セラミック粒子を液体インク成分に分散させることによって製剤化される。そのようなインクの1つ目は、強固なリン酸カルシウムセラミック材料を3D印刷し、2つ目は、柔軟性があり取り扱いが容易なリン酸カルシウムポリマー複合材料を3D印刷し、そして3つ目は、β-TCP粉末、水溶性ポリマー、および多孔性で柔軟性がある水溶性ポリマーのブレンドを含む、溶融押出を介した3D印刷構造である。
【0090】
本明細書に記載される3D印刷された構造は、骨成長を促進する製作中に係留可能なタンパク質(例えば、tBMP2)でコーティングされる。いくつかの例では、細胞が3D印刷された構造の気孔を占めるように、製作後に細胞が3D印刷された構造に播種され得る。調製されると、3D印刷された構造は、外科的骨置換および移植のために患者に外科的に移植され得る。
【0091】
インク製剤
一態様では、3D印刷された構造を製作するための製剤が本明細書で提供される。非限定的な例として、上記製剤には、セラミック材料、例えば、リン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウム、β-リン酸三カルシウム、αリン酸三カルシウム)、ハイドロキシアパタイト、フッ素リン灰石、骨(例えば、脱灰骨)、ガラス(バイオガラス)、例えば、シリケート、バナデート、および関連するセラミックミネラル、またはキレート化された二価金属イオン、あるいはそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、セラミック材料は、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む。いくつかの実施形態では、上記製剤は、製剤の約30~70、30~65、30~60、30~55、30~50、30~45、30~40、30~35、35~70、35~65、35~60、35~55、35~50、35~45、35~40、40~70、40~65、40~60、40~55、40~50、40~45、45~70、45~65、45~60、45~55、45~50、50~70、50~65、50~55、55~70、55~65、55~60、60~70、60~65、または65~70重量パーセントのセラミックである。例えば、上記製剤は、約30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量%、54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%、または70重量%である。いくつかの実施形態では、セラミックはβ-TCPである。いくつかの実施形態では、β-TCPは粉末として製剤に導入される。いくつかの実施形態では、製剤は1つ以上の追加の成分を含む。追加の成分の非限定的な例としては、水、ポリマー、消泡剤、分散剤、溶媒、および可塑剤が挙げられる。
【0092】
いくつかの実施形態では、製剤は、1つ以上のポリマー、例えば、約1、2、3、4、または5つのポリマーを含む。ポリマーの非限定的な例としては、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリエチレングリコール(PEG)、およびポリエステルが挙げられる。いくつかの実施形態では、製剤は、約5~30重量パーセントのポリマーである。いくつかの実施形態では、製剤は、約5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、20~25、または25~30重量パーセントの第1のポリマー、および、約5~30重量パーセントの第2のポリマーである。一例では、ポリマーはポロキサマーを含む。ポロキサマーは、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)およびポリ(プロピレンオキシド)(PPO)のブロックコポリマーである。ポロキサマーの非限定的な例は、Pluronic(登録商標) F-127などのポロキサマー407である。場合によっては、製剤は、約5~20、5~15、5~10、10~20、10~15、または15~20重量パーセントのポロキサマー(407)を含む。別の例として、ポリマーはポリエチレングリコール(PEG)を含む。場合によっては、製剤は、約10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、20~25、または25~30重量パーセントのPEGを含む。場合によっては、製剤は、1,500g/molの分子量を有するPEGを含む。別の例として、ポリマーはポリエステルを含む。いくつかの実施形態では、ポリエステルは、ポリカプロラクトン(PCL)などの生分解性ポリエステルである。場合によっては、製剤は、約10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、20~25、または25~30重量パーセントのPCLを含む。場合によっては、製剤は、50,000g/molの分子量を有するPCLを含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、製剤は、1つ以上の消泡剤、例えば、約1、2、または3つの消泡剤を含む。消泡剤の非限定的な例としては、1-オカタノール(ocatanol)、2-ブトキシエタノール、オレイン酸、スルホン化油、有機ホスフェート(organic phosphate)、およびジメチルポリシロキサンが挙げられる。いくつかの実施形態では、消泡剤は、1-オクタノールなどのオクタノールを含む。場合によっては、製剤は、約0.25~0.75、0.25~0.70、0.25~0.65、0.25~0.60、0.25~0.55、0.25~0.50、0.25~0.45、0.25~0.40、0.25~0.35、0.25~0.30、0.30~0.75、0.30~0.70、0.30~0.65、0.30~0.60、0.30~0.55、0.30~0.50、0.30~0.45、0.30~0.40、0.30~0.35、0.35~0.75、0.35~0.70、0.35~0.65、0.35~0.60、0.35~0.55、0.35~0.50、0.35~0.45、0.35~0.40、0.40~0.75、0.40~0.70、0.40~0.65、0.40~0.60、0.40~0.55、0.40~.50、0.40~0.45、0.45~0.75、0.45~0.70、0.45~0.65、0.45~0.60、0.45~0.55、0.45~0.50、0.50~0.75、0.50~0.70、0.50~0.65、0.50~0.60、0.50~0.55、0.55~0.75、0.55~0.70、0.55~0.65、0.55~0.60、0.60~0.75、0.60~0.70、0.60~0.65、0.65~0.75、または0.65~0.70重量パーセントの1-オクタノールを含む。いくつかの実施形態では、消泡剤は2-ブトキシエタノールを含む。場合によっては、製剤は、約2.5~12.5、2.5~10、2.5~7.5、2.5~5、5~12.5、5~10、5~7.5、7.5~12.5、7.5~10、または10~12.5重量パーセントの2-ブトキシエタノールを含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、製剤は、1つ以上の分散剤、例えば、約1、2、または3つの分散剤を含む。分散剤の非限定的な例としては、Darvan(登録商標) 821-A、Darvan(登録商標) C-N、Darvan(登録商標) 811、Darvan(登録商標) 811D、Darvan(登録商標) 7N、およびDarvan(登録商標) 7-NSが挙げられる。場合によっては、製剤は、約0.1~0.3、0.1~0.25、0.1~0.2、0.1~0.15、0.15~0.3、0.15~0.25、0.15~0.2、0.2~0.3、0.2~0.25、または0.25~0.3重量パーセントの分散剤を含む。いくつかの実施形態では、分散剤はDarvan(登録商標) 821-Aを含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、製剤は、1つ以上の溶媒、例えば、約1、2、または3つの溶媒を含む。場合によっては、製剤は、約25~35、25~33、25~31、25~29、25~27、27~33、27~31、27~29、29~35、29~33、29~31、31~35、または33~35重量パーセントの溶媒を含む。例示的な溶媒としては、有機塩素(organochloride)、例えば、ジクロロメタン(DCM)およびクロロホルムが挙げられ、溶媒は2-ブトキシエタノールであり得る。場合によっては、溶媒の組み合わせはジブチルフタレートを含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、製剤は、1つ以上の可塑剤、例えば、約1、2、または3つの可塑剤を含む。場合によっては、製剤は、約2~6、2~5、2~4、2~3、3~6、3~5、3~4、4~6、または5~6重量パーセントの可塑剤を含む。いくつかの実施形態では、可塑剤はフタレートを含む。フタレートの非限定的な例としては、ジブチルフタレート(DBP)、ベンジルブチルジフタレート(BBP)、およびジエチルヘキシル-フタレート(DEHP)が挙げられる。
【0097】
いくつかの実施形態では、製剤はβ-TCPおよびポリマーを含む。ポリマーは、PEO、PPO、PEG、またはポリエステル、あるいはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、その製剤は、約30~70、30~65、30~60、30~55、30~50、30~45、30~40、30~35、35~70、35~65、35~60、35~55、35~50、35~45、35~40、40~70、40~65、40~60、40~55、40~50、40~45、45~70、45~65、45~60、45~55、45~50、50~70、50~65、50~60、50~55、55~70、55~65、55~60、60~70、60~65、または65~70重量パーセントのβ-TCP、例えば、約30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量% 54重量% 55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%、または70重量%のβ-TCPである。場合によっては、製剤は、約5~20、5~15、5~10、10~20、10~15、または15~20重量パーセントのポロキサマー407を含む。場合によっては、製剤は、約10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、20~25、または25~30重量パーセントのPEGを含む。場合によっては、製剤は、約10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、20~25、または25~30重量パーセントのPCLを含む。いくつかの実施形態では、製剤は消泡剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は分散剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は溶媒をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は可塑剤をさらに含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、製剤はβ-TCPと消泡剤とを含む。消泡剤は、1-オクタノールおよび/または2-ブトキシエタノールを含み得る。いくつかの実施形態では、製剤は、約30~70、30~65、30~60、30~55、30~50、30~45、30~40、30~35、35~70、35~65、35~60、35~55、35~50、35~45、35~40、40~70、40~65、40~60、40~55、40~50、40~45、45~70、45~65、45~60、45~55、45~50、50~70、50~65、50~60、50~55、55~70、55~65、55~60、60~70、60~65、または65~70重量パーセントのβ-TCP、例えば、約30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量% 54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%、または70重量%のβ-TCPである。場合によっては、製剤は、約0.25~0.75、0.25~0.70、0.25~0.65、0.25~0.60、0.25~0.55、0.25~0.50、0.25~0.45、0.25~0.40、0.25~0.35、0.25~0.30、0.30~0.75、0.30~0.70、0.30~0.65、0.30~0.60、0.30~0.55、0.30~0.50、0.30~0.45、0.30~0.40、0.30~0.35、0.35~0.75、0.35~0.70、0.35~0.65、0.35~0.60、0.35~0.55、0.35~0.50、0.35~0.45、0.35~0.40、0.40~0.75、0.40~0.70、0.40~0.65、0.40~0.60、0.40~0.55、0.40~.50、0.40~0.45、0.45~0.75、0.45~0.70、0.45~0.65、0.45~0.60、0.45~0.55、0.45~0.50、0.50~0.75、0.50~0.70、0.50~0.65、0.50~0.60、0.50~0.55、0.55~0.75、0.55~0.70、0.55~0.65、0.55~0.60、0.60~0.75、0.60~0.70、0.60~0.65、0.65~0.75、または0.65~0.70重量パーセントの1-オクタノールを含む。場合によっては、製剤は、約2.5~12.5、2.5~10、2.5~7.5、2.5~5、5~12.5、5~10、5~7.5、7.5~12.5、7.5~10、または10~12.5重量パーセントの2-ブトキシエタノールを含む。いくつかの実施形態では、製剤はポリマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は分散剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は溶媒をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は可塑剤をさらに含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、製剤はβ-TCPと分散剤とを含む。分散剤の非限定的な例としては、Darvan(登録商標) 821-A、Darvan(登録商標) C-N、Darvan(登録商標) 811、Darvan(登録商標) 811D、Darvan(登録商標) 7N、およびDarvan(登録商標) 7-NSが挙げられる。分散剤はDarvan(登録商標) 821-Aを含み得る。いくつかの実施形態では、製剤は、約30~70、30~65、30~60、30~55、30~50、30~45、30~40、30~35、35~70、35~65、35~60、35~55、35~50、35~45、35~40、40~70、40~65、40~60、40~55、40~50、40~45、45~70、45~65、45~60、45~55、45~50、50~70、50~65、50~60、50~55、55~70、55~65、55~60、60~70、60~65、または65~70重量パーセントのβ-TCP、例えば、約30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量% 54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%、または70重量%のβ-TCPである。場合によっては、製剤は、約0.1~0.3、0.1~0.25、0.1~0.2、0.1~0.15、0.15~0.3、0.15~0.25、0.15~0.2、0.2~0.3、0.2~0.25、または0.25~0.3重量パーセントの分散剤を含む。いくつかの実施形態では、製剤はポリマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は溶媒をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は可塑剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は消泡剤をさらに含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、製剤はβ-TCPと抽出剤とを含む。溶媒は、有機塩素、例えば、ジクロロメタン(DCM)およびクロロホルムを含み得、溶媒は2-ブトキシエタノールであり得る。溶媒の組み合わせはジブチルフタレートを含み得る。いくつかの実施形態では、製剤は、約30~70、30~65、30~60、30~55、30~50、30~45、30~40、30~35、35~70、35~65、35~60、35~55、35~50、35~45、35~40、40~70、40~65、40~60、40~55、40~50、40~45、45~70、45~65、45~60、45~55、45~50、50~70、50~65、50~60、50~55、55~70、55~65、55~60、60~70、60~65、または65~70重量パーセントのβ-TCP、例えば、約30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量% 54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%、または70重量%のβ-TCPである。場合によっては、製剤は、約25~35、25~33、25~31、25~29、25~27、27~33、27~31、27~29、29~35、29~33、29~31、31~35、または33~35重量パーセントの溶媒を含む。いくつかの実施形態では、製剤はポリマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は分散剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は可塑剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は消泡剤をさらに含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、製剤はβ-TCPと可塑化装置とを含む。溶媒はフタレートを含み得る。フタレートの非限定的な例としては、ジブチルフタレート(DBP)、ベンジルブチルジフタレート(BBP)、およびジエチルヘキシル-フタレート(DEHP)が挙げられる。いくつかの実施形態では、製剤は、約30~70、30~65、30~60、30~55、30~50、30~45、30~40、30~35、35~70、35~65、35~60、35~55、35~50、35~45、35~40、40~70、40~65、40~60、40~55、40~50、40~45、45~70、45~65、45~60、45~55、45~50、50~70、50~65、50~60、50~55、55~70、55~65、55~60、60~70、60~65、または65~70重量パーセントのβ-TCP、例えば、約30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量% 54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%、または70重量%のβ-TCPである。場合によっては、製剤は、約25~35、25~33、25~31、25~29、25~27、27~33、27~31、27~29、29~35、29~33、29~31、31~35、または33~35重量パーセントの溶媒を含む。場合によっては、製剤は、約2~6、2~5、2~4、2~3、3~6、3~5、3~4、4~6、または5~6重量パーセントの可塑剤を含む。いくつかの実施形態では、製剤はポリマーをさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は分散剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は溶媒をさらに含む。いくつかの実施形態では、製剤は消泡剤をさらに含む。
【0102】
一態様では、製剤は、約45%~約65%のβ-TCPに含む。例えば、製剤は、約45~60、45~55、45~50、50~65、50~60、50~55、55~65、55~60、60~65、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、または65重量パーセントのβ-TCPを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、水、例えば、約20~40、20~35、20~30、20~25、25~40、25~35、25~30、30~40、30~35、または35~40重量パーセントの水を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、ポリマー、例えば、約5~20、5~15、5~10、10~20、10~15、または15~20重量パーセントのポリマーを含む。ポリマーは、ポロキサマー407などのポロキサマーであり得る。いくつかの実施形態では、製剤は、消泡剤、例えば、約0.25~0.75、0.25~0.70、0.25~0.65、0.25~0.60、0.25~0.55、0.25~0.50、0.25~0.45、0.25~0.40、0.25~0.35、0.25~0.30、0.30~0.75、0.30~0.70、0.30~0.65、0.30~0.60、0.30~0.55、0.30~0.50、0.30~0.45、0.30~0.40、0.30~0.35、0.35~0.75、0.35~0.70、0.35~0.65、0.35~0.60、0.35~0.55、0.35~0.50、0.35~0.45、0.35~0.40、0.40~0.75、0.40~0.70、0.40~0.65、0.40~0.60、0.40~0.55、0.40~.50、0.40~0.45、0.45~0.75、0.45~0.70、0.45~0.65、0.45~0.60、0.45~0.55、0.45~0.50、0.50~0.75、0.50~0.70、0.50~0.65、0.50~0.60、0.50~0.55、0.55~0.75、0.55~0.70、0.55~0.65、0.55~0.60、0.60~0.75、0.60~0.70、0.60~0.65、0.65~0.75、または0.65~0.70重量パーセントの消泡剤を含む。消泡剤は1-オクタノールであり得る。いくつかの実施形態では、製剤は、分散剤、例えば、約0.1~0.3、0.1~0.25、0.1~0.2、0.1~0.15、0.15~0.3、0.15~0.25、0.15~0.2、0.2~0.3、0.2~0.25、または0.25~0.3重量パーセントの分散剤を含む。分散剤はDarvan 821-Aであり得る。非限定的な実施形態では、製剤は、約45~65重量%のセラミック、約20~40重量%の脱イオン水、約5~20重量%のポリマー、約0.25~0.75%の消泡剤、および約0.1~0.3%の分散剤を含む。例えば、製剤は、約45~65重量%のβ-TCP粉末、約20~40重量%の脱イオン水、約5~20重量%のポロキサマー、約0.25~0.75%の1-オクタノール407、および約0.1~0.3%のDarvan 821-Aを含み得る。
【0103】
他の態様では、製剤は、約30%~約50%のβ-TCPを含む。例えば、製剤は、約30~50、30~45、30~40、30~35、35~50、35~45、35~40、40~50、40~45、45~50、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50重量パーセントのβ-TCPを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、ポリマー、例えば、約10~20、10~18、10~16、10~14、10~12、12~20、12~18、12~16、12~14、14~20、14~18、14~16、または16~18重量パーセントのポリマーを含む。ポリマーは、ポリカプロラクトン(PCL)などのポリエステルであり得る。いくつかの実施形態では、製剤は、溶媒、例えば、約25~35、25~33、25~31、25~29、25~27、27~33、27~31、27~29、29~35、29~33、29~31、31~35、または33~35重量パーセントの溶媒を含む。溶媒は、有機塩素、例えば、ジクロロメタン(DCM)およびクロロホルムであり得;溶媒は2-ブトキシエタノールであり得る。場合によっては、溶媒の組み合わせはジブチルフタレートを含み得る。いくつかの実施形態では、製剤は、消泡剤、例えば、約2.5~12.5、2.5~10、2.5~7.5、2.5~5、5~12.5、5~10、5~7.5、7.5~12.5、7.5~10、または10~12.5重量パーセントの消泡剤を含む。消泡剤は2-ブトキシエタノールであり得る。いくつかの実施形態では、製剤は、可塑剤、例えば、約2~6、2~5、2~4、2~3、3~6、3~5、3~4、4~6、または5~6重量パーセントの可塑剤を含む。可塑剤は、フタレート、例えば、ジブチルフタレート(DBP)、ベンジルブチルフタレート(BBP)、またはジエチルヘキシル-フタレート(DEHP)を含み得る。非限定的な実施形態では、製剤は、約30~50重量%のセラミック、約10~20重量%のポリマー、約25~35重量%の溶媒、約2.5~12.5重量%の消泡剤、および約2~6重量%の可塑剤を含む。例えば、製剤は、約30~50重量%のβ-TCP粉末、約10~20重量%のPCL、約25~35重量%のジクロロメタン、約2.5~12.5重量%の2-ブトキシエタノール、および約2~6重量%のジブチルフタレートを含み得る。
【0104】
他の態様では、製剤は、約30%~約70%のβ-TCPを含む。例えば、その製剤は、約30~70、30~65、30~60、30~55、30~50、30~45、30~40、30~35、35~70、35~65、35~60、35~55、35~50、35~45、35~40、40~70、40~65、40~60、40~55、40~50、40~45、45~70、45~65、45~60、45~55、45~50、50~70、50~65、50~60、50~55、60~70、60~65、65~70、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70重量パーセントのβ-TCPを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、第1のポリマー、例えば、約10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、20~25、または25~30重量パーセントの第1のポリマーを含む。第1のポリマーはポリカプロラクトン(PCL)であり得る。いくつかの実施形態では、製剤は、第2のポリマー、例えば、約10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、20~25、または25~30重量パーセントの第2のポリマーを含む。第2のポリマーはポリエチレングリコール(PEG)であり得る。非制限的な実施形態では、製剤は、約30~70重量%のセラミック、約10~30重量%第1のポリマー、および約10~30重量%の第2のポリマーを含む。例えば、製剤は、約30~70重量%のβ-TCP、約10~30重量%のPCL、および約10~30重量%のPEGを含み得る。
【0105】
3D印刷された構造
他の態様では、3D印刷された構造が本明細書で提供される。構造は、本明細書に記載されるインク製剤および/または製造方法を使用して調製され得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、構造は、リン酸カルシウムなどのセラミック材料を含む。いくつかの実施形態では、構造は、約50~100、50~95、50~90、50~85、50~80、50~75、50~70、50~65、50~60、50~55、55~100、55~95、55~90、55~85、55~80、55~75、55~70、55~65、55~60、60~100、60~95、60~90、60~85、60~80、60~75、60~70、60~65、65~100、65~95、65~90、65~85、65~80、65~75、65~70、70~100、70~95、70~90、70~85、70~80、70~75、75~100、75~95、75~90、75~85、75~80、80~100、80~95、80~90、80~85、85~100、85~95、85~90、90~100、90~95、95~100、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100重量パーセントのセラミック材料を含む。場合によっては、セラミック材料は、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)などのリン酸カルシウムである。
【0107】
非限定的な例では、構造は、β-TCPなどの約90~100%のセラミック材料を有する。場合によっては、構造は、約90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%のセラミック材料、例えばβ-TCPを有する。いくつかの実施形態では、構造は、約0~10%のポリマー、例えばPluronic F-127を有する。場合によっては、構造は、約0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10%のポリマー、例えばPluronic F-127を有する。例示的な構造は、100重量%のセラミック(例えば、β-TCP)、約100重量%(例えば、β-TCP)、約99重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約1重量%のポリマー(例えば、Pluronic F-127)、約98重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約2重量%のポリマー(例えば、Pluronic F-127)、約97重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約3重量%のポリマー(例えば、Pluronic F-127)、約96重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約4重量%のポリマー(例えば、Pluronic F-127)、約95重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約5重量%のポリマー(例えば、Pluronic F-127)、約94重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約6重量%のポリマー(例えば、Pluronic F-127)、約93重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約7重量%のポリマー(例えば、Pluronic F-127)、約92重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約8重量%のポリマー(例えば、Pluronic F-127)、約91重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約9重量%のポリマー(例えば、Pluronic F-127)、ならびに約90重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約10重量%のポリマー(例えば、Pluronic F-127)を含む構造を含む。例示的な実施形態では、構造は約100%のβ-TCPである。
【0108】
いくつかの実施形態では、三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間(例えば、約1、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、1.9、1.95、2、2.05、2.1、2.15、2.2、2.25、2.3、2.35、2.4、2.45、2.5、2.55、2.6、2.65、2.7、2.75、2.8、2.85、2.9、2.95、または3g/cm、あるいはそれらの間の任意の値)の密度を含む。いくつかの実施形態では、三次元構造は、約15%と約45%の間(例えば、15、20、25、30、35、40%、または45%、あるいはそれらの間の任意の値)の開放気孔率を有する。いくつかの実施形態では、三次元構造は、約0.50m/gと約1.0m/gの間(例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0m/g、あるいはそれらの間の任意の値)の比表面積を有する。いくつかの実施形態では、三次元構造は、約325μmおよび約475μmの間(例えば、325、350、375、400、425、450、または475μm、あるいはそれらの間の任意の値)の繊維径を有する。
【0109】
いくつかの実施形態では、三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間の密度、約15%と約45%の間の開放気孔率、約0.50m/gと約1.0m/gの間の比表面積、三次元構造は、約325μmおよび約475μmの繊維径を有する。
【0110】
構造は、約45~65重量%のセラミック、約20~40重量%の脱イオン水、約5~20重量%のポリマー、約0.25~0.75%の消泡剤、および約0.1~0.3%の分散剤を含むインクから、3D印刷を使用して製造され得る。例えば、構造は、約45~65重量%のβ-TCP粉末、約20~40重量%の脱イオン水、約5~20重量%のポロキサマー407、約0.25~0.75%の1-オクタノール、および約0.1~0.3%のDarvan 821-Aを含むインクから製造される。β-TCPおよびPluronic F-127インクを使用する例示的な3D印刷方法は、本明細書の製造方法にて提供される。いくつかの実施形態では、構造は約100%のβ-TCPである。
【0111】
いくつかの実施形態では、構造は、約2.44g/cmの密度、約19.6%の開放気孔率、および約384μmの繊維径を有する。
【0112】
別の非限定的な例では、構造は、約50~90%のセラミック材料、例えば、β-TCPを有する。場合によっては、構造は、約50、55、60、65、70、75、80、85、または90%のセラミック材料、例えば、β-TCPを有する。いくつかの実施形態では、構造は、約10~50%のポリマー、例えば、ポリカプロラクトン(PCL)を有する。場合によっては、構造は、約10、15、20、25、30、35、40、45、または50%のポリマー、例えばPCLを有する。例示的な構造は、約85~90重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約10~15重量%のポリマー(例えば、PCL)、約80~85重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約15~20重量%のポリマー(例えば、PCL)、約75~80重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約20~25重量%のポリマー(例えば、PCL)、約70~75重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約25~30重量%のポリマー(例えば、PCL)、約65~70重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約30~35重量%のポリマー(例えば、PCL)、約60~65重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約35~40重量%のポリマー(例えば、PCL)、約55~60%のセラミック(例えば、β-TCP)および約40~45重量%のポリマー(例えば、PCL)、約50~55重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約45~50重量%のポリマー(例えば、PCL)、約90重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約10重量%のポリマー(例えば、PCL)、約89重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約11重量%のポリマー(例えば、PCL)、約88%のセラミック(例えば、β-TCP)および約12重量%のポリマー(例えば、PCL)、約87重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約13重量%のポリマー(例えば、PCL)、約86重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約14重量%のポリマー(例えば、PCL)、約85重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約15重量%のポリマー(例えばPCL)、約84重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約16重量%のポリマー(例えばPCL)、約83重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約17重量%のポリマー(例えばPCL)、約82重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約18重量%のポリマー(例えばPCL)、約81重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約19重量%のポリマー(例えばPCL)、約80重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約20重量%のポリマー(例えば、PCL)、約79重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約21重量%のポリマー(例えばPCL)、約78重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約22重量%のポリマー(例えばPCL)、約77重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約23重量%のポリマー(例えばPCL)、約76重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約24重量%のポリマー(例えばPCL)、約75重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約25重量%のポリマー(例えばPCL)、約74重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約26重量%のポリマー(例えばPCL)、約73重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約27重量%のポリマー(例えばPCL)、約72重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約28重量%のポリマー(例えばPCL)、約71重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約29重量%のポリマー(例えばPCL)、約70重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約30重量%のポリマー(例えばPCL)、約69重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約31重量%のポリマー(例えばPCL)、約68重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約32重量%のポリマー(例えばPCL)、約67%のセラミック(例えばβ-TCP)および約33%のポリマー(例えば、PCL)、約66重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約34重量%のポリマー(例えばPCL)、約65重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約35重量%のポリマー(例えばPCL)、約64重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約36重量%のポリマー(例えばPCL)、約63重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約37重量%のポリマー(例えばPCL)、約62重量%のセラミック(例えば、β-TCP)、約38重量%のポリマー(例えばPCL)および約61重量%のセラミック(例えば、β-TCP)および約39重量%のポリマー(例えばPCL)、約60重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約40重量%のポリマー(例えばPCL)、約59重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約41重量%のポリマー(例えばPCL)、約58重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約42重量%のポリマー(例えば、PCL)、約57重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約43重量%のポリマー(例えばPCL)、約56重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約44重量%のポリマー(例えばPCL)、約55%のセラミック(例えばβ-TCP)および約45重量%のポリマー(例えばPCL)、約54重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約46重量%のポリマー(例えばPCL)、約53重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約47重量%のポリマー(例えばPCL)、約52重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約48重量%のポリマー(例えば、(例えばPCL)、約51重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約49重量%のポリマー(例えばPCL)、ならびに約50重量%のセラミック(例えばβ-TCP)および約50重量%のポリマー(例えば、PCL)を含む構造を含む。
【0113】
構造は、約30~50重量%のβ-TCP粉末、約10~20重量%のポリマー、約25~35重量%の溶媒、約2.5~12.5重量%の消泡剤、および約2~6重量%の可塑剤を含むインクから、3D印刷を使用して製造され得る。例えば、構造は、約30~50重量%のβ-TCP粉末、約10~20重量%のPCL、約25~35重量%のジクロロメタン、約2.5~12.5重量%の2-ブトキシエタノール、および約2~6重量%のジブチルフタレートを含むインクから、製造され得る。構造は、約30~70重量%のセラミック、約10~30重量%の第1のポリマー、および約10~30重量%の第2のポリマーを含むインクから、3D印刷を使用して製造され得る。例えば、構造は、約30~70重量%のβ-TCP、約10~30重量%のPCL、および約10~30重量%のPEGを含むインクから製造され得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、構造は、約1.32g/cmの密度、約38%の開放気孔率、および約394μmの繊維径を有する。
【0115】
いくつかの実施形態では、構造は、約1.49g/cmの密度、約31%の開放気孔率、0.81m/gの比表面積、および約420μmの繊維径を有する。
【0116】
いくつかの実施形態では、構造は、約100~150、100~140、100~130、100~120、100~110、110~150、110~140、110~130、110~120、120~150、120~140、120~130、130~150、130~140、140~150、100、115、120、125、130、135、140、145、または150MPaの弾性率(剛性)を有する。
【0117】
いくつかの実施形態では、本明細書におけるインク製剤の組成物は、比表面積を最適化するように変えられる。表面積は、ある治療剤との組み合わせのために最適化され得る。例えば、構造は、BMPタンパク質(例えば、tBMP-2)との組み合わせのために、約0.2~2m/gの表面積を有する。いくつかの実施形態では、本明細書における構造の表面積は、約0.2~2、0.2~1.8、0.2~1.6、0.2~1.4、0.2~1.2、0.2~1、0.2~0.8、0.2~0.6、0.2~0.4、0.4~2、0.4~1.8、0.4~1.6、0.4~1.4、0.4~1.2、0.4~1、0.4~0.8、0.4~0.6、0.6~2、0.6~1.8、0.6~1.6、0.6~1.4、0.6~1.2、0.6~1、0.6~0.8、0.8~2、0.8~1.8、0.8~1.6、0.8~1.4、0.8~1.2、0.8~1、1~2、1~1.8、1~1.6、1~1.4、1~1.2、1.2~2、1.2~1.8、1.2~1.6、1.2~1.4、1.4~2、1.4~1.8、1.4~1.6、1.6~2、1.6~1.8、または1.8~2m/gである。いくつかの実施形態では、表面積は、ガス物理吸着によってBrunauer-Emmett-Teller(BET)によって計算される。
【0118】
製造方法
他の態様では、3D印刷技術を使用して、構造を製造する方法が提供される。
【0119】
1)β-リン酸三カルシウムインク
図1Aを参照すると、強固なリン酸カルシウムセラミック埋込み型構造(160)調製するための例示的なプロセス(100)が記載されている。埋込み型構造(160)は、リン酸カルシウムセラミック粉末、水溶性ポリマー結合剤、水、分散剤、および消泡剤の混合物であるリン酸カルシウムセラミックインク(120)から形成される。リン酸カルシウムセラミックインク(120)で印刷された構造(135)を初めに乾燥させ、その後、熱処理して水溶性ポリマー結合剤を熱分解し、高温焼結によって残りのセラミック材料を理論密度の約80%以上に高密度化する。
【0120】
プロセス(100)は、押し出し可能なリン酸カルシウムセラミックインク(120)を調製するための混合工程と、3D印刷する工程であって、ここで、調製したリン酸カルシウムセラミックインク(120)が、印刷された構造(135)を作るために3Dプリンター(130)によって供給される、工程と、乾燥工程であって、ここで、印刷された構造(135)がより乾燥した装置(set-up)(140)に置かれる、工程と、最終熱処理工程であって、ここで、乾燥した足場または成形体(145)をヒーター(150)内に置き、水溶性ポリマー結合剤を除去し、リン酸カルシウムセラミック粉末を焼結させて、最終の埋込み型構造(160)を形成する、工程と、を含む。
【0121】
このリン酸カルシウムセラミックインク(120)は粉末で充填され、セラミック成形体(145)(乾燥後)のためのゲル化剤とポリマー結合剤材料の両方として機能するPluronic(登録商標) F-127ヒドロゲル材料(Sigma-Aldrich、Missouri)を含む。Pluronic(登録商標) F-127ヒドロゲルは4℃で液体であり、室温でゲル材料に移行する。Pluronic(登録商標) F-127ヒドロゲルのゲル特性により、3Dプリンター(130)によって押し出されたフィラメントは、印刷プロセス(室温で行われる)の間にそれらの形状を維持することができる。押し出し可能なリン酸カルシウムセラミックインク(120)の例示的な製剤は、表1に記載されている。
【0122】
【表1】
【0123】
同様に図1Bを参照すると、リン酸カルシウムセラミックインク(120)を作成するための例示的な方法(102)が例証される。初めに、ポリマー溶液は、Pluronic(登録商標) F-127溶液を使用して調製される(工程162)。Pluronic(登録商標) F-127溶液を調製することは、まず、容器(例えば、75ccのポリプロピレン容器)内に37.75gの脱イオン水を入れ、氷浴に部分的に浸すことにより冷却することによって、24.5%のPluronic(登録商標) F-127溶液のストックを調製することを含む。氷浴を撹拌プレート(110)(図1Aに例示される)に移し、磁気撹拌棒を容器に加えて内容物を勢いよく混合する。12.25gのPluronic(登録商標) F-127粉末を、撹拌プレート(110)上で絶えず攪拌しながら、37.75gの脱イオン水に添加する。その混合物を約1時間撹拌するか、またはPluronic(登録商標) F-127粉末が完全に溶解するまで撹拌する。
【0124】
その後、10ccのバッチのリン酸カルシウムセラミックインク(120)を作るために、調製されている6.438gの冷たい24.5%のPluronic(登録商標) F-127溶液を、分散剤および消泡剤と(例えば、30ccの栓をしたシリンジ中で)組み合わせる(工程164)。この例示的な方法(102)では、0.033gのDarvan(登録商標) 821-A(Vanderbilt Minerals,Connecticut)および0.082gの1-オクタノールを、24.5%のPluronic(登録商標) F-127溶液に添加する。その後、Pluronic(登録商標) F-127溶液、Darvan(登録商標) 821-A、および1-オクタノールのこの組み合わせを、例えば、3500rpmでFlackTek Speedmixerで1分間ホモジナイズする。
【0125】
その後、混合溶液を、リン酸カルシウム粉末、この場合では、β-TCP粉末と組み合わせる。粉末のこの添加は段階的に行われ、例えば、10.745gのβ-TCP粉末を3つのバッチに分割する。粉末の最初の1/3を溶液に添加し(工程166)、2500rpmで1分間混合することで粉末を湿らせる(工程168)。これらの工程は、粉末の2番目の1/3を添加し(工程166を反復)、2500rpmで1分間再び混合して(工程168を反復)繰り返され、粉末の最後の1/3を2500rpmで1分間混合して再び繰り返される。工程(170)で決定されるように、粉末が湿っていない(unwetted)ままである場合、溶液と粉末とを含む容器の側面を、スパチュラでこすり落として、乾燥粉末を湿った溶液に組み込み、インク混合物を3500rpmで1分混合する(工程(172))。インク混合物は、粉末が十分に湿っているかどうかに関して再び評価され(工程170)、必要に応じて、こする工程および混合工程が繰り返される。すべての粉末が湿ると、最終の混合/分散の工程は、3500rpmで5分間の最終混合によって実施される(工程(174))。調製されたリン酸カルシウムセラミックインク(120)は、3D印刷で使用する準備ができており、3D印刷された構造(165)はさらに処理され得る。
【0126】
図1Aに戻って参照すると、調製されたリン酸カルシウムセラミックインク(120)は、プリンター(130)で使用する準備ができている。例えば、10ccのシリンジを使用するAllevi 2 Bioprinter(Allevi、Pennsylvania)を用いた印刷のために、リン酸カルシウムセラミックインク(120)が使用され得る。いくつかの例では、リン酸カルシウムセラミックインク(120)は、90psiの圧力および14mm/sの先端速度を使用する400ミクロン内径の円錐形の金属ルアーロック先端を用いて印刷され得る。他の例では、インク(120)は、70psiの圧力および14mm/sの先端速度を使用する625ミクロン内径の円錐形の金属ルアーロック先端を用いて印刷され得る。印刷された構造(135)は、ガラススライドガラスまたはより大きなガラスプレートなどの、ビルドプラットフォームとして滑らかなガラス表面に適用されたテフロン(登録商標)シールテープ(plumber’s tape)上に印刷され得る。
【0127】
3D印刷プロセスが完了すると、印刷された構造(135)はより乾燥した装置(140)に置かれる。例えば、これはゆるく取り付けられた蓋を備えたプラスチック箱であり、印刷された構造(135)を室温で一晩放置して、3D印刷されたリン酸カルシウムセラミックインク(120)からの水の蒸発を可能にし、印刷された構造(135)を形成する。蒸発により、堅いセラミック成形体(145)が結果としてもたらされ、上記堅いセラミック成形体(145)では、β-TCP粉末が、乾燥したPluronic(登録商標) F-127ポリマーによって共に結合される。
【0128】
その後、成形体(145)は、組み合わせた結合剤の熱焼損/焼結熱処理を用いて、ヒーター(150)内で熱処理される。この処理では、初めに、Pluronic(登録商標) F-127ポリマー結合剤が取り除かれ、その後、残るセラミックβ-TCP粉末が焼結される。例えば、成形体(145)は、フュームフード(fume hood)の内部に位置する1200℃の最高温度マッフル炉であるヒーター(150)内に配置される。
【0129】
第1の結合剤の熱処理の熱焼損部分は、1℃/分の加熱速度で室温から600℃Cまで温度傾斜と、その後の600℃で1時間の保持を含む。熱処理の焼結部分は、5℃/分の速度で600℃から1140℃までの傾斜と、その後の1140℃で4時間の保持を含む。その後、熱焼損および焼結された物体は冷却され、冷却傾斜は5℃/分の速度で1140℃から室温までである。その結果、約2.44g/ccの密度、または(アルキメデス方法を使用して測定された)β-TCPの79.4%の理論的な密度を有する埋込み型構造(160)が得られる。
【0130】
リン酸カルシウムセラミックインク(120)は、β-TCPセラミック粉末で製剤化されると説明されているが、いくつかの実施形態では、粉末充填剤は、ハイドロキシアパタイトまたはバイオガラス(例えば、Combeite 45S5 Bioactive Glass)、他のセラミックス、あるいは脱灰骨基質などの骨再生材料であってもよい。乾燥および熱加工の工程(例えば、乾燥条件、結合剤熱焼損加熱スケジュール、焼結加熱スケジュール、および最高温度)は、各材料に基づいて適切に変更される。
【0131】
2)β-リン酸三カルシウム/ポリカプロラクトンの複合インク
図2Aを参照すると、別の実施形態では、リン酸カルシウムポリマーインク(220)は、柔軟性があり、多孔性で、ユーザ(例えば、外科医)が取り扱いが容易な印刷された構造を結果としてもたらす。リン酸カルシウムポリマーインク(220)は、リン酸カルシウムセラミック粉末、ポリマー結合剤(この例では、ポリカプロラクトンまたはPCL)、および(室温で)蒸気圧が異なる3つの溶媒の混合物を含む。図2Aで例証される例示的なプロセス(200)は、押し出し可能なリン酸カルシウムポリマーインク(220)を作成するための混合工程を含む。その後、調製されたリン酸ポリマーインク(220)は、3Dプリンター(230)で印刷されて、印刷された構造(235)を形成する。印刷された構造(235)を乾燥して高揮発性溶媒を蒸発させ、溶解したポリマー材料が凝縮するときに乾燥体(245)が形成され、印刷された構造(235)のセラミック粒子を一緒に結合し、柔軟性を与える。残りの低揮発性溶媒は、エタノール/水混合物(250)に連続して浸漬され、続いて、水(255)に浸漬されることによって、乾燥体(245)から取り除かれる。最終的なリン酸カルシウムポリマー複合材料埋込み型構造(260)の製作は、3D印刷後に熱加工を必要としない。押し出し可能なリン酸カルシウムポリマーインク(220)の例示的な製剤が、表2に記載されている。
【0132】
【表2】
【0133】
様々な蒸気圧を有する三溶媒ブレンドは、高揮発性ジクロロメタンが最初に蒸発するため、プリンター(230)から押し出されるリン酸カルシウムポリマーインク(220)の印刷されたフィラメントの初期硬化を可能にする。2つの低揮発性溶媒(2-ブトキシエタノールおよびジブチルフタレート)は、溶解したPCL結合剤の沈澱を遅らせ、これにより、相互接続された多孔性ネットワークも作製する間に、それが隣接する粒子間のβ-TCP粉末およびネックをコーティングすることができる。さらに、低揮発性溶媒がしばらくの間、印刷された構造(235)内に残り、これにより、隣接した3D印刷されたフィラメント(あらかじめ押し出されたフィラメントの横または上部のいずれか)への印刷されたフィラメントの融合が容易になる。
【0134】
同様に図2Bを参照すると、リン酸カルシウムポリマーインク(220)を調製するための例示的方法(102)が例証される。10.2ccのバッチのリン酸カルシウムポリマーインク(220)を調製するために、初めに、ポリマー溶液が調製される(工程264)。これは、容器(210)内でPCLと溶媒を組み合わせることによって形成されたPCL溶液である。最初に、5.09gのジクロロメタンは、1.27gの2-ブトキシエタノールと混合され、その後、0.64gのジブチルフタレートが2gのPCL粉末として添加される。その溶液は、例えば、3500rpmでFlackTek Speedmixerで5分間、PCLを溶媒ブレンドに溶解するために混合される。
【0135】
その後、リン酸カルシウム粉末(β-TCP噴霧乾燥粉末)が添加される(工程(266))。この添加は段階的に実施され、~5gのβ-TCP噴霧乾燥粉末がPCL溶液に添加され、その後、それは粉末を湿らせるために2500rpmで2分間混合される(工程(268))。粉末を湿らせるために、~2gのβ-TCP噴霧乾燥粉末が添加され(工程(266)に戻る)、2500rpmで2分間混合される(工程(268)に戻る)。最後の~1gのβ-TCP噴霧乾燥粉末が混合物に添加され、粉末を湿らせるために2500rpmで2分間、再び混合される。
【0136】
β-TCP噴霧乾燥粉末がすべて添加されると、すべての粉末が湿っているかどうかが決定される(工程(270))。湿っていない場合、容器の側面をスパチュラでこすり落として、乾燥粉末を湿った溶液に組み込み、3500rpmで1分間混合する(工程(272))。必要に応じて、こする工程と混合工程は繰り返される。すべての粉末が湿ると、最終の混合/分散の工程は、3500rpmで5分間の最終混合により実施される(工程(274))。調製されたリン酸カルシウムポリマーインク(220)は、3D印刷、および3D印刷された構造(265)のさらなる処理で使用する準備ができている(工程(276))。
【0137】
図2Aを参照すると、調製されたリン酸カルシウムポリマーインク(220)は、その後、3Dプリンター(230)で使用する準備ができている。例えば、リン酸カルシウムポリマーインク(220)は、10ccのシリンジからリン酸カルシウムポリマーインク(220)を押し出すAllevi 2 Bioprinterを用いて印刷するために使用され得る。リン酸カルシウムポリマーインク(220)は、20~25psiの圧力および15mm/sの先端速度を使用する400ミクロン内径の円錐形の金属ルアーロック先端を用いて印刷され得る。
【0138】
印刷された構造(235)は、ガラススライドガラスまたはより大きなガラスプレートなどの、ビルドプラットフォームとしての滑らかなガラス表面に、あるいは2mmの厚いシリコンガスケット材料上に適用された画家のテープ上に印刷され得る。3D印刷された構造(235)は、約15~30分間、プリンター(230)のビルドプラットフォーム上の適所で乾燥することができる。印刷された構造(235)は、この時点で、プリンター(230)のビルドプラットフォームから自然に分離し、取り扱うことができる。
【0139】
印刷された構造(235)内の残留溶媒を取り除くために、それらは、エタノール/水混合物(250)(例えば、30分間70%のエタノール)で洗浄され、その後、水(255)に浸漬される(例えば、その後2回の脱イオン水で30分間の洗浄)。
【0140】
リン酸カルシウムポリマーインク(220)は、ハイドロキシアパタイト、バイオガラス、他のセラミックス、または脱灰骨基質などの他の骨再生粉末材料で製剤化され得る。
【0141】
図2Cは、調製されたリン酸カルシウムポリマーインク(220)で製作された、印刷された構造(235)の走査電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真を示す。この例の印刷された構造(235)は格子構造であり、3つの拡大率(20X、100X、および500X)で示される。
【0142】
3)β-リン酸三カルシウム/ポリカプロラクトンの複合インク
図3Aを参照すると、複合インク(320)は、β-TCP粉末、非水溶性ポリマー(PCL)、および水溶性ポリマー(ポリエチレングリコール(polytheylene glycol))のブレンドを含む、多孔性で柔軟性がある埋込み型構造(360)(溶融押出による)を3D印刷するために使用される。3Dプリンター(330)で印刷した後、水溶性ポリマー成分が材料から溶出し、これにより、3D印刷されたフィラメントの内部にあらかじめ閉じ込められたβ-TCP粉末を露出させる多孔性構造を結果としてもたらす。水溶性の成分を浸出させた後、3D印刷された構造の柔軟性が増強される。押し出し可能な複合インク(220)のサンプル製剤が表3に記載される。
【0143】
【表3】
【0144】
同様に図3Bを参照すると、3.2ccのバッチの混合インク(320)を作るために、様々な粉末が組み合わされる(工程(364))。2.062gのβ-TCP粉末、2.062gのPCL粉末、および0.884gのポリエチレングリコールフレークが、容器(310)(例えば、ガラス瓶)に添加される。容器(310)はミキサー内に置かれ、粉末ブレンドをホモジナイズするために、粉末を、例えば、FlackTek Speedmixerで、300rpmで2分間混合される。その後、粉末を融解するために3500rpmでさらに5分間、より高いrpmの混合が実施される(工程(366))。この混合中に、内部摩擦によりPCLとポリエチレングリコールを融解させ、粉末を粘着性の溶融液に変える。この液相混合は、溶融ポリマーブレンドへのβ-TCP粉末の密接な分散を促進する。したがって、複合インク(320)がまだ溶融されて粘着性である間に、それは、スパチュラで大まかに成形され得るか、プリンターシリンジ(330)内に適合する小片(322)に切断され得る(工程(368))。例えば、インクは、~1cmのサイズの小片に切断されてもよい。このサイズの固体PCL/β-TCP塊は、例えば、10ccステンレス鋼シリンジから複合インク(320)を押し出すAllevi 2 Bioprinterを使用して、溶融押出印刷のためのシリンジに適合することができる。これは、90psiの圧力および5mm/s~10mm/sの先端速度を使用する400ミクロン内径の円錐形の金属ルアーロック先端を備えたシリンジであり得る。
【0145】
その後、複合インク(320)は、印刷された構造(335)の3D印刷およびさらなる処理の準備が概ねできている(工程(376))。プリンター(330)で印刷する前に、押出機チャンバー(例えば、ステンレス鋼シリンジ)は、複合インク(320)の融解を確実にするために加熱される。インクは100℃~110℃に加熱され、1時間滞留させ得る。その後、融解したインクは、ガラススライドガラスまたはより大きなガラスポレートなどの滑らかなガラス表面に適用された画家のテープ上で、印刷された構造(335)を作成することができる。
【0146】
その後、印刷された構造(335)を、蒸留水(350)に一晩(または、印刷された物体のサイズに応じてより長く)浸漬し、印刷物からポリエチレングリコールを溶解し、多孔性で柔軟性があるβ-TCP/PCL複合埋込み型構造(360)を作成する。
【0147】
複合インク(320)は、ハイドロキシアパタイトまたはバイオガラス、あるいは他のセラミックス、あるいは脱灰骨基質などの他の再生粉末材料で製剤化され得る。それはまた、ポリ(乳-co-グリコール酸)、ポリ(乳酸)、またはポリ(L-ラクチド-co-カプロラクトン)などの他の生体適合性ポリマーで製剤化されてもよい。
【0148】
図3Cは、調製された複合インク(320)で製作された、印刷された構造(335)のSEM顕微鏡写真を示す。この例の印刷された構造(335)は格子構造であり、3つの拡大率(20X、100X、および1000X)で示される。
【0149】
その後、本明細書に記載される3D印刷された埋込み型構造(160)、(260)、(360)のいずれかは、3D埋込み型構造の処理の一部として、係留可能なタンパク質(例えば、tBMP2)でコーティングされる(工程(176)、(276)、(376))。埋込み型構造の完成後、埋込み型構造は、上に記載される方法のいずれかを使用して、酸性酢酸ナトリウム緩衝液で洗浄され得る。これは、1、2、またはそれ以上の洗浄であり得る。洗浄の後、1mg/mLの濃度のtBMP2タンパク質を含む酢酸ナトリウム緩衝液中での3D埋込み型構造の2時間のインキュベーションが続く場合がある。係留可能なtBMP2は、単層の埋込み型構造のβ-TCP表面に結合する。
【0150】
いくつかの実施形態では、(3D印刷された構成部分ではなく)骨パテを使用して、係留可能なtBMP2が骨再生部位に送達される。パテ材料は、手で骨の空隙の形状とサイズに大まかに成形し、骨の再生が望まれる空洞に挿入される。ナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)ヒドロゲルを、tBMP2でコーティングされたβ-TCP顆粒と混合し、骨の空隙を埋めるパテを作成することができる。50wt%のβ-TCP(tBMP2でコーティングされた)と50wt%のナトリウムCMCヒドロゲルのパテは、デュアル非対称的な遠心混合を用いて製剤化され得る。6wt%のナトリウムCMCヒドロゲルを作るために、10.5gの脱イオン水がポリプロピレン容器内に置かれ、0.9gのナトリウムCMC粉末が水に添加される。材料をFlackTek Speedmixerで、3500rpmで10~11分間混合して、ナトリウムカルボキシメチルセルロース粉末を完全に溶解すると、結果として生じる材料は非常に粘着性のゲルである。その後、3.6gの追加の脱イオン水を添加して濃厚なゲルを希釈し、3500rpmで2分間混合する。その後、15グラムのβ-TCP顆粒(250μm~1000μm、tBMP2であらかじめコーティングされた)を段階的増量(例えば、5g、5g、5g)で添加し、その後、各顆粒を添加した後に2500rpmで1分間混合する。パテを完全に均質化するために、3500rpmで2分間の最終混合工程を実施する(非対称的な遠心混合)。β-TCP顆粒をヒドロゲルに混合する前に、β-TCP粒子をtBMP2でコーティングする。
【0151】
さらなる実施形態、本明細書に記載されるインク製剤は、ロボキャスティングまたは溶融押出よりも速いアディティブマニュファクチャリング技術であるデジタル光処理(DLP)のために、セラミック粉末と混合される感光性樹脂を含むことができる。骨インプラントのDLP 3D印刷のための感光性セラミック充填樹脂中の成分は、典型的には、セラミック粉末(例えば、β-TCP、ハイドロキシアパタイト、バイオガラス、典型的には≦10μmの粒子径)、1つ以上の架橋アクリレートあるいはメタクリレート(例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリカプロラクトンメタクリレート)、樹脂粘度を減少させる可塑剤(例えば、水)、粉末凝集体の分解を促進する分散剤(例えば、Darvan(登録商標)、821-A)、光架橋反応(例えば、リチウムフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィネート)を開始する光開始剤、および高いx-y分解能を保持する光吸収剤(photoabsorber)(例えば、タルトラジン)を含む。樹脂製剤が成分の非対称的な遠心混合によって調製されると、インクは層ごとにDLP画像に曝露され、これにより、樹脂が光に当たると、照らされたピクセルを選択的に凝固させる。埋込み型構造が層ごとに構築されると、それを熱処理して、含まれるポリマーを焼結し、かつセラミック(例えば、ポリエチレン(polyetheylene)グリコールジアクリレートを含む樹脂)を高密度化するか、または、そのままにされ、柔軟性のあるセラミック/ポリマー複合材料インプラント(例えば、ポリカプロラクトンメタクリレートを含む樹脂)を結果としてもたらす。
【0152】
デバイス
他の態様では、本明細書に記載される3D印刷された構造および治療剤を含む、デバイスおよびキットが提供される。いくつかの実施形態では、デバイスは、3D印刷された構造と接続されるか、3D印刷された構造内で分散されるか、または他の方法で3D印刷された構造と組み合わせられる治療剤を含む。本明細書で使用される場合、治療剤は、2、3、4、または5つの治療剤などの複数の治療剤を含む。
【0153】
治療剤
いくつかの実施形態では、治療剤は、哺乳動物成長因子またはその機能的部分を含む。哺乳動物成長因子は、骨修復プロセスを開始または増強することができる骨誘導分子であり得る。哺乳動物成長因子の機能的部分は、治療効果を有する領域である。例えば、哺乳動物成長因子の機能的部分は骨誘導性である。別の例として、哺乳動物成長因子の機能的部分は、骨修復を開始および/または増強することができる。哺乳動物成長因子の機能的部分は、骨形成活性を有し得る。
【0154】
哺乳動物成長因子の非限定的な例が本明細書に記載されている。いくつかの例では、哺乳類の成長因子は、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン様成長因子(IGF-1)、線維芽細胞成長因子(FGF)、線維芽細胞成長因子2(FGF2)、線維芽細胞成長因子18(FGF18)、形質転換成長因子α(TGF-α)、形質転換成長因子β(TGF-β)、形質転換成長因子β1(TGF-β1)、形質転換成長因子β3(TGF-β3)、骨形成タンパク質(osteogenic protein)(OP-1)、骨形成タンパク質2(OP-2)、骨形成タンパク質3(OP-3)、骨形成タンパク質(bone morphogenetic protein)2(BMP-2)、骨形成タンパク質3(BMP-3)、骨形成タンパク質4(BMP-4)、骨形成タンパク質5(BMP-5)、骨形成タンパク質6(BMP-6)、骨形成タンパク質7(BMP-7)、骨形成タンパク質9(BMP-9)、骨形成タンパク質10(BMP-10)、骨形成タンパク質11(BMP-11)、骨形成タンパク質12(BMP-12)、骨形成タンパク質13(BMP-13)、骨形成タンパク質15(BMP-15)、象牙質リンタンパク質(DPP)、植物関連成長因子(Vgr)、増殖分化因子1(GDF-1)、増殖分化因子3(GDF-3)、増殖分化因子5(GDF-5)、増殖分化因子6(GDF-6)、増殖分化因子7(GDF-7)、増殖分化因子8(GDF8)、増殖分化因子11(GDF11)、増殖分化因子15(GDF15)、血管内皮増殖因子(VEGF)ヒアルロン酸結合タンパク質(HABP)、およびコラーゲン結合タンパク質(CBP)、線維芽細胞増殖因子18(FGF-18)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、wntファミリーメンバー1(WNT1)、wntファミリーメンバー2(WNT2)、wntファミリーメンバー2B(WNT2B)、wntファミリーメンバー3(WNT3)、wntファミリーメンバー3A(WNT3A)、wntファミリーメンバー4(WNT4)、wntファミリーメンバー5A(WNT5A)、wntファミリーメンバー5B(WNT5B)、wntファミリーメンバー6(WNT6)、wntファミリーメンバー7A(WNT7A)、wntファミリーメンバー7B(WNT7B)、wntファミリーメンバー8A(WNT8A)、wntファミリーメンバー8B(WNT8B)、wntファミリーメンバー9A(WNT9A)、wntファミリーメンバー9B(WNT9B)、wntファミリーメンバー10A(WNT10A)、wntファミリーメンバー10B(WNT10B)、wntファミリーメンバー11(WNT11)、またはwntファミリーメンバー16(WNT16)、あるいはその成熟ペプチドもしくは機能的部分を含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、哺乳動物成長因子はヒト成長因子である。ヒト成長因子および成熟ペプチドおよび/またはその機能的部分の非限定的な例は、表4で提供される。いくつかの実施形態では、哺乳動物成長因子は、表4の配列のいずれかまたは任意の分泌されたヒト成長因子と少なくとも70%同一(例えば、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも99%同一)である配列を含み、骨形成活性を有する。いくつかの実施形態では、様々な種間で保存される哺乳動物成長因子中のアミノ酸は、骨形成活性にとって重要である可能性があり、変異しない場合があるが、様々な種間で保存されない哺乳動物成長因子中のアミノ酸は、骨形成活性にとって重要である可能性があり、変異する場合がある。
【0156】
いくつかの実施形態では、哺乳動物成長因はBMP-2を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物成長因子はBMP-2の成熟ペプチドである(例えば、シグナル配列を含まない)。いくつかの実施形態では、哺乳動物成長因子はBMP-2の機能的部分を含む。いくつかの実施形態では、BMP-2の機能的部分は、QAKHKQRKRLKSSCKRHPLYVDFSDVGWNDWIVAPPGYHAFYCHGECPFPLADHLNSTNHAIVQTLVNSVNSKIPKACCVPTELSAISMLYLDENEKVVLKNYQDMVVEGCGCR(配列番号454)と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物成長因子は、配列番号454と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物成長因子は、配列番号454と少なくとも約90%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物成長因子は配列番号454を含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、哺乳動物成長因子は非ヒト哺乳動物成長因子である。非ヒト哺乳動物成長因子は、表4のヒト成長因子の1つ以上などのヒト成長因子と相同であり得る。いくつかの実施形態では、非ヒト哺乳動物成長因子は、この出願日の時点で、NCBI Blastアライメントアルゴリズムを使用して決定されるように、ヒト哺乳動物成長因子と少なくとも約80%同一である場合、非ヒト哺乳動物成長因子はヒト成長因子に相同である。いくつかの例では、カバレッジは少なくとも約90%である。いくつかの実施形態では、非ヒト哺乳動物成長因子は、この出願日の時点で、NCBI Blastアライメントアルゴリズムを使用して決定されるように、ヒト哺乳動物成長因子と比較して少なくとも約80%陽性である場合、非ヒト哺乳動物成長因子はヒト成長因子に相同である。いくつかの例では、カバレッジは少なくとも約90%である。いくつかの実施形態では、この出願日の時点で、NCBI Blastを使用して、ヒト成長因子と整列した非ヒト哺乳動物成長因子が、少なくとも約90%のクエリカバー(query cover)で、約1E-40、少なくとも約1E-50、1E-60、1E-70、または1E-10未満のE値を有する場合、非ヒト哺乳動物成長因子はヒト成長因子に相同である。
【0158】
【表4-1】
【0159】
【表4-2】
【0160】
【表4-3】
【0161】
【表4-4】
【0162】
【表4-5】
【0163】
【表4-6】
【0164】
標的化部分
いくつかの実施形態では、デバイスまたはキットは、治療剤を構造に係留する標的化部分を含む。いくつかの実施形態では、標的化部分は治療剤に接続され、上記部分は構造に非共有結合する。非限定的な例として、標的化部分は、ペプチド結合によって治療剤に共有結合される。例えば、標的化部分は標的化ペプチドを含み、標的化ペプチドは、ペプチド結合によって治療剤に連結される。
【0165】
いくつかの実施形態では、標的化部分は、構造、または構造の構成要素、例えば、リン酸カルシウムなどの構造のセラミック材料への親和性を有する。いくつかの実施形態では、標的化部分と、構造またはその構成要素との間の結合のための解離定数(KD)は、(i)少なくとも約1fM、少なくとも約10fM、少なくとも約100fM、または少なくとも約1pM、および(ii)約100μM未満、約90μM未満、約80μM未満、約70μM未満、約60μM、約50μM未満、約40μM未満、約30μM未満、約20μM未満、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、または約100pM未満である。例えば、標的化部分は、約100fM~約100μM、約1pM~約100μM、約10pM~約100μM、約100pM~約100μM、または約1μM~約100μMの親和性で、β-リン酸三カルシウムに結合することができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、標的化部分は、それぞれが構造に結合する1つ以上の標的化ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは構造のセラミック材料に結合する。例えば、標的化ペプチドは、リン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウム、β-リン酸三カルシウム、αリン酸三カルシウム)、ハイドロキシアパタイト、フッ素リン灰石、骨(例えば、脱灰骨)、ガラス(バイオガラス)、例えば、シリケート、バナデート、および関連するセラミックミネラル、またはキレート化された二価金属イオン、あるいはそれらの組み合わせに結合する。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、2つ以上の標的化ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上の標的化ペプチドは、約50、45、40、35、30、25、20、15、または10以下の標的化ペプチドである。いくつかの実施形態では、2つ以上の標的化ペプチドは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、または30の標的化ペプチドである。いくつかの実施形態では、2つ以上の標的化ペプチドは、約2~約10の標的化ペプチドである。いくつかの実施形態では、2つ以上の標的化ペプチドは、約5つの標的化ペプチドである。
【0167】
いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号1と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号2と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号3と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号4と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号5と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号6と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号7と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号8と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号9と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号10と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号11と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号12と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号13と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号14と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号15と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号16と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号17と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号18と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号19と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号20と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号21と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号22と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号23と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号24と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号25と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号26と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号27と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号28と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号29と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号30と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号31と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号32と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号33と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号34と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号35と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号36と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号37と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号38と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号39と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号40と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号41と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号42と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号43と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号44と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号45と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号46と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号47と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号48と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号49と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号50と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号51と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号52と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号53と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号54と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号55と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号56と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号57と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号58と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号59と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号60と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、配列番号61と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。
【0168】
【表5-1】
【0169】
【表5-2】
【0170】
いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、表5の1つ以上の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、表5の配列と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。
【0171】
【表6-1】
【0172】
【表6-2】
【0173】
【表6-3】
【0174】
【表6-4】
【0175】
【表6-5】
【0176】
いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、表6の1つ以上の配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、表6の配列と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。
【0177】
本開示で有用なさらなる標的化ペプチドは、米国特許第7,572,766号の配列番号1~配列番号558のいずれか1つを含み、それらの内容は参照によってその全体が組み込まれる。いくつかの実施形態では、標的化ペプチドは、米国特許第7,572,766号の配列番号1~配列番号558のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、デバイスまたはキットは、標的化ペプチドと標的化部分とを含むキメラポリペプチドを含む。場合によっては、キメラポリペプチドは、配列番号433(ASGAGGSEGGGSEGGTSGATGAGTSTSGGGASTGGGTGQAKHKQRKRLKSSCKRHPLYVDFSDVGWNDWIVAPPGYHAFYCHGECPFPLADHLNSTNHAIVQTLVNSVNSKIPKACCVPTELSAISMLYLDENEKVVLKNYQDMVVEGCGCR)と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。場合によっては、キメラポリペプチドは、配列番号434(MPIGSLLADTTHHRPWTVIGESTHHRPWSIIGESSHHKPFTGLGDTTHHRPWGILAESTHHKPWTASGAGGSEGGGSEGGTSGATGAGTSTSGGGASTGGGTGQAKHKQRKRLKSSCKRHPLYVDFSDVGWNDWIVAPPGYHAFYCHGECPFPLADHLNSTNHAIVQTLVNSVNSKIPKACCVPTELSAISMLYLDENEKVVLKNYQDMVVEGCGCR)と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。場合によっては、キメラポリペプチドは、配列番号435(LLADTTHHRPWTVIGESTHHRPWSIIGESSHHKPFTGLGDTTHHRPWGILAESTHHKPWTASGAGGSEGGGSEGGTSGATGAGTSTSGGGASTGGGTGQAKHKQRKRLKSSCKRHPLYVDFSDVGWNDWIVAPPGYHAFYCHGECPFPLADHLNSTNHAIVQTLVNSVNSKIPKACCVPTELSAISMLYLDENEKVVLKNYQDMVVEGCGCR)と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。場合によっては、キメラポリペプチドは、配列番号436(VIGESTHHRPWSIIGESSHHKPFTGLGDTTHHRPWGILAESTHHKPWTASGAGGSEGGGSEGGTSGATGAGTSTSGGGASTGGGTGQAKHKQRKRLKSSCKRHPLYVDFSDVGWNDWIVAPPGYHAFYCHGECPFPLADHLNSTNHAIVQTLVNSVNSKIPKACCVPTELSAISMLYLDENEKVVLKNYQDMVVEGCGCR)と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。場合によっては、キメラポリペプチドは、配列番号437(IIGESSHHKPFTGLGDTTHHRPWGILAESTHHKPWTASGAGGSEGGGSEGGTSGATGAGTSTSGGGASTGGGTGQAKHKQRKRLKSSCKRHPLYVDFSDVGWNDWIVAPPGYHAFYCHGECPFPLADHLNSTNHAIVQTLVNSVNSKIPKACCVPTELSAISMLYLDENEKVVLKNYQDMVVEGCGCR)と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。場合によっては、キメラポリペプチドは、配列番号438(GLGDTTHHRPWGILAESTHHKPWTASGAGGSEGGGSEGGTSGATGAGTSTSGGGASTGGGTGQAKHKQRKRLKSSCKRHPLYVDFSDVGWNDWIVAPPGYHAFYCHGECPFPLADHLNSTNHAIVQTLVNSVNSKIPKACCVPTELSAISMLYLDENEKVVLKNYQDMVVEGCGCR)と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。場合によっては、キメラポリペプチドは、配列番号439(ILAESTHHKPWTASGAGGSEGGGSEGGTSGATGAGTSTSGGGASTGGGTGQAKHKQRKRLKSSCKRHPLYVDFSDVGWNDWIVAPPGYHAFYCHGECPFPLADHLNSTNHAIVQTLVNSVNSKIPKACCVPTELSAISMLYLDENEKVVLKNYQDMVVEGCGCR)と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。場合によっては、キメラポリペプチドは、配列番号440((X)QAKHKQRKRLKSSCKRHPLYVDFSDVGWNDWIVAPPGYHAFYCHGECPFPLADHLNSTNHAIVQTLVNSVNSKIPKACCVPTELSAISMLYLDENEKVVLKNYQDMVVEGCGCR)と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含み、ここで、Xは、標的化ペプチドおよび任意選択でリンカーを含む。例えば、標的化ペプチドは、配列番号1-41の1つ以上を含む。場合によっては、キメラポリペプチドは、配列番号441((X)ASGAGGSEGGGSEGGTSGATGAGTSTSGGGASTGGGTGQAKHKQRKRLKSSCKRHPLYVDFSDVGWNDWIVAPPGYHAFYCHGECPFPLADHLNSTNHAIVQTLVNSVNSKIPKACCVPTELSAISMLYLDENEKVVLKNYQDMVVEGCGCR)と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含み、ここで、Xは、標的化ペプチドおよび任意に選択的にリンカーを含む。例えば、標的化ペプチドは、配列番号1-41の1つ以上を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、治療剤は、標的化部分を使用して構造に接続されない。例えば、治療剤は、非共有結合によって構造と相互作用し得る。治療剤は、水素結合、イオン結合、疎水性相互作用、またはファンデルワールス力によって構造に接続され得る。治療剤はまた、共有結合を使用して構造に接続され得る。共有結合を使用して接続するための方法の例には、アミン、チオール、および炭水化物などのタンパク質内の活性基を修飾するために使用される化学的なリンカーおよびスペーサーが含まれる。
【0180】
デバイスの製造
構造と治療剤とを含むデバイスを製造する方法が本明細書でさらに提供される。いくつかの方法は、(a)治療剤(例えば、治療剤と標的化部分とを含むキメラポリペプチド)の第1の溶液を提供する工程、(b)3D構造を提供する工程、および(c)(a)と(b)を組み合わせる工程を含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、約0.25~1.5、0.25~1.25、0.25~1、0.25~0.75、0.25~0.5、0.5~1.5、0.5~1.25、0.5~1、0.5~0.75、0.75~1.5、0.75~1.25、0.75~1、1~1.5、1~1.25、1.25~1.5、0.25、0.5、1、1.25、または1.5mg/mLの濃度で、第1の溶液中に存在する。いくつかの方法では、工程(c)は、約10~240、10~180、10~120、20~240、20~180、20~120、30~240、30~180、30~120、40~240、40~180、40~120、50~240、50~180、50~120、60~240、60~180、60~120、70~240、70~180、70~120、80~240、80~180、80~120、90~240、90~180、90~120、100~240、100~180、100~120、110~240、110~180、110~120、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、または240分間、第1の溶液と構造をインキュベートすることを含む。いくつかの方法では、工程(c)は、循環および/または振盪機(例えば、プレートシェーカーを使用)などの動作により、第1の溶液と構造をインキュベートすることを含む。場合によっては、第1の溶液は緩衝剤を含む。例えば、緩衝液は酢酸ナトリウムおよび酢酸を含む。場合によっては、第1の溶液は、約4~約5、または、約4、4.1、4.15、4.2、4.25、4.3、4.35、4.4、4.45、4.5、4.45、4.6、4.65、4.7、4.75、4.8、4.85、4.9、4.95、あるいは5のpHを有する。場合によっては、第1の溶液は塩を含む。例えば、第1の溶液は、50~150、50~140、50~130、50~120、50~110、50~100、50~90、50~80、50~70、50~60、60~150、60~140、60~130、60~120、60~110、60~100、60~90、60~80、60~70、70~150、70~140、70~130、70~120、70~110、70~100、70~90、70~80、80~150、80~140、80~130、80~120、80~110、80~100、80~90、90~150、90~140、90~130、90~120、90~110、90~100、100~150、100~140、100~130、100~120、100~110、110~150、110~140、110~130、110~120、120~150、120~140、120~130、130~150、130~140、または140~150などの塩化ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶液は、10mMの酢酸ナトリウム、7mMの酢酸、100mMのNaCl、pH=4.75を含む。いくつかの実施形態では、方法は、(d)工程(c)の3D構造を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの第2の溶液で洗浄する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、工程(c)または工程(d)の3D構造を乾燥させる工程をさらに含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、デバイス中の構造の1立方センチメートル当たりの治療剤(例えば、治療剤単独、あるいは標的化部分に接続された治療剤)の質量は、約0.05~50(mg/cc)の間(例えば、約0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50mg/cc)、あるいはそれらの間の任意の数である。例えば、治療剤は、立方センチメートルのデバイス当たり約1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2mgである。構造への治療用ペプチド結合の量を測定する1つの方法は、(1)第1の溶液中の治療用ペプチド入力の質量を測定すること、(2)構造と組み合わせて構造から除去した後に第1の溶液中に残っている治療剤の質量を測定すること、(3)洗浄工程が含まれる場合、第2の溶液中の治療剤の質量を測定すること、(4)(2)と(3)を合計し、(1)から(4)の合計を引くこと、を含む。
【0182】
処置方法
他の態様では、本明細書における3D印刷された構造で対象を処置する方法が提供される。いくつかの方法では、対象は、治療用ペプチドと構造とを含むデバイスで処置される。いくつかの例では、対象は骨折または骨欠損を有する。いくつかの例では、対象は脊椎の椎骨固定を必要とする。いくつかの例では、対象は軟骨断裂または軟骨欠損を有する。いくつかの例では、対象は軟骨損失を有する。
【0183】
いくつかの実施形態では、対象は、骨、軟骨、軟組織、腱、筋膜、靭帯、器官、骨腱組織、皮膚、骨軟骨の欠損、または前述の欠損の1つ以上の組み合わせに苦しんでいる。いくつかの実施形態では、欠損は、骨、軟骨、軟組織、腱、筋膜、靭帯、器官、骨腱組織、皮膚、または骨軟骨の不足、あるいは前述の欠損の1つ以上の組み合わせである。いくつかの実施形態では、対象の欠損は外傷から生じる。いくつかの実施形態では、対象の欠損は先天性の疾病により生じる。いくつかの実施形態では、対象の欠損は後天性の疾病により生じる。いくつかの実施形態では、欠損は、身体の組織および/または器官の非存在、損失、および/または破損を指す。いくつかの実施形態では、「骨欠損」とは、対照の健康な対象では存在するであろう対象の解剖学的位置での骨の非存在または損失(例えば、部分的な損失)を指す。骨欠損は、感染(例えば、骨髄炎)、腫瘍、外傷、または処置の有害事象の結果である場合がある。骨欠損はさらに、骨欠損を取り巻く筋肉、軟組織、腱、または関節に影響を及ぼし、損傷を引き起こす場合がある。いくつかの実施形態では、骨欠損は、軟組織への損傷を含む。いくつかの実施形態では、「軟骨欠損」とは、対照の健康な対象では存在するであろう対象の解剖学的位置での軟骨の非存在または損失(例えば、部分的な損失)を指す。軟骨欠損は、疾患、骨軟骨炎、骨壊死、または外傷の結果である場合がある。例えば、軟骨欠損は膝関節に影響を及ぼす場合がある。
【0184】
本明細書に記載される構造またはデバイスでの処置に適した疾病の非限定的な例としては、変形性関節症、椎間板変性(disc degeneration)、先天性欠損、脊柱管狭窄症、脊椎すべり症、脊椎症、骨折、脊椎側彎症、脊柱後弯、脊椎固定術(PLF、および椎体間固定)、骨の外傷修復、歯科修復、頭蓋顎顔面修復、足関節固定、椎骨形成術、バルーン骨形成術、舟状骨骨折修復、腱骨修復、骨粗鬆症、無血管性壊死、先天性骨格奇形、肋骨再建、軟骨下骨修復、軟骨修復(例えば、低用量で)、または外傷、あるいはそれらの組み合わせが挙げられる。BMP2も毛包の発育にも関与し、したがって、方法は、毛包への処置を含み得る。外傷は、骨、軟骨、軟組織、腱、筋膜、靭帯、器官、骨腱組織、または皮膚組織、あるいは骨軟骨の組織に対するものである。いくつかの実施形態では、方法は、骨軟骨の損傷を処置するためのものである。
【0185】
処置方法は脊椎固定術を含む場合がある。いくつかの実施形態では、脊椎固定術は、2つ以上の椎骨を接合する外科的手法である。いくつかの実施形態では、脊椎固定術はPLFを含む。いくつかの実施形態では、脊椎固定術は椎体間固定を含む。
【0186】
必要とする対象の骨または軟骨の形成を促進する方法が本明細書で提供され、上記方法は、治療上有効な量の本明細書に記載される構造またはデバイスのいずれかを、対象に投与する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、骨または軟骨の形成を必要とする対象を最初に選択する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、構造またはデバイスは、対象における骨または軟骨の形成の所望部位の近位で対象に投与される。
【0187】
必要とする対象の骨あるいは軟骨を置換および/または修復する方法が本明細書で提供され、上記方法は、治療上有効な量の本明細書に記載される構造またはデバイスのいずれかを対象に投与する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、骨置換、骨修復、軟骨置換、または軟骨修復を必要とする対象を最初に選択する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、構造またはデバイスは、対象の骨または軟骨の置換または修復の所望部位の近位で対象に投与される。
【0188】
必要とする対象の骨折または骨損失を処置する方法も本明細書で提供され、上記方法は、治療上有効な量の本明細書に記載される構造またはデバイスを対象に投与する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、骨折または骨損失を抱えている対象を最初に選択する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、構造またはデバイスは、対象における骨折または骨損失部位の近位で対象に投与される。
【0189】
必要とする対象の軟組織を修復する方法も本明細書で提供され、上記方法は、治療上有効な量の本明細書に記載される構造またはデバイスのいずれかを、対象に投与する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、骨折または骨損失を抱えている対象を最初に選択する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、組成物は、対象における骨折または骨損失部位の近位で対象に投与される。
【0190】
必要とする対象に治療剤を局所的に送達する方法も本明細書で提供され、上記方法は、治療上有効な量の本明細書に記載される構造またはデバイスのいずれかを対象に投与する工程を含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、骨折または骨損失を抱えている対象を最初に選択する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、構造またはデバイスは、対象における骨折または骨損失部位の近位で対象に投与される。
【0191】
対象における骨折または骨損失の処置の有効性を決定する方法は、当該技術分野で知られており、例えば、画像処理技術(例えば、磁気共鳴画像法、X線、またはコンピュータ断層撮影法)を含む。
【0192】
対象における骨または軟骨の形成、あるいは骨または軟骨の置換もしくは修復を検出する方法も、当該技術分野では知られており、例えば、画像処理技術(例えば、磁気共鳴画像法、X線、またはコンピュータ断層撮影法)を含む。
【0193】
骨折または骨損失の処置、骨または軟骨の形成、あるいは骨または軟骨の置換もしくは修復に適した動物モデルが、当該技術分野で知られている。そのような動物モデルの非限定的な例は、例えば、Drosse et al.,Tissue Engineering Part C 14(1):79-88,2008;Histing et al.,Bone 49:591-599,2011;および、Poser et al.,Hindawi Publishing Corporation,BioMed Research International;Article ID 348635,2014に記載されている。
【0194】
本明細書で使用される場合、処置方法は、本明細書における構造またはデバイスを対象に投与する工程を含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、投与は、本明細書におけるポリペプチドまたは組成物を移植することを含む。いくつかの実施形態では、BMP-2を含む本明細書におけるポリペプチドおよび/または組成物は、対象に投与される。いくつかの実施形態では、BMP2は、配列番号32と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む。いくつかの実施形態では、BMP-2は、対象における骨の形成を誘導するために投与される。いくつかの実施形態では、BMP-2は、軟骨の形成を誘導するために投与される。いくつかの実施形態では、BMP-2は、脊椎固定術において投与される。
【0196】
さらなる実施形態
さらなる実施形態は以下を含む。(1)リン酸三カルシウムセラミック(β-TCP)またはハイドロキシアパタイト(HA)粒子と、生体適合性の水溶性ポリマー結合剤と、分散剤と、消泡剤とを含む、インク。(2)上記生体適合性の水溶性ポリマーは、Pluronic(登録商標) F-127ポリマーであり、上記消泡剤は1-オクタノールであり、上記分散剤はDarvan(登録商標) 821-Aである、実施形態1に記載のインク。(3)リン酸三カルシウムセラミック(β-TCP)またはHA粒子と、生体適合性の非水溶性ポリマーと、3つ以上の溶媒と、を含むインクであって、ここで、上記溶媒の各々は、他の溶媒の蒸気圧とは異なる蒸気圧を有する、インク。(4)生体適合性の非水溶性ポリマーはポリカプロラクトン(PCL)であり、3つ以上の溶媒は、ジクロロメタン、2-ブトキシエタノール、およびジブチルフタレートを含む、実施形態3に記載のインク。(5)リン酸三カルシウムセラミック(β-TCP)またはHA粒子と、生体適合性の水溶性ポリマーと、生体適合性の非水溶性ポリマーと、を含む、インク。(6)生体適合性の非水溶性ポリマーはポリカプロラクトン(PCL)またはポリ(乳-co-グリコール酸(PLGA)であり、生体適合性の水溶性ポリマーはポリエチレングリコールである、実施形態5に記載のインク。(7)前の実施形態のいずれかのインクを含む、三次元の埋込み型物体。(8)物体は複数の層を含む多孔性足場であり、各層はインクを含む、実施形態7の物体。(9)組織欠損を有する対象を処置する方法であって、上記方法は、実施形態7の三次元物体を、対象の組織欠損に外科的移植する工程であって、それによって対象を処置する、工程を含む、方法。(10)三次元印刷のためのインクを製造する方法であって、上記方法は、液体溶液を調製する工程と、液体溶液をリン酸カルシウムセラミック(β-TCP)またはHA粒子の一部と組み合わせる工程と、遠心混合によって液体溶液とβ-TCP粒子を混合する工程と、を含む、方法。(11)ポリマー溶液を分散剤および消泡剤と組み合わせる工程を含む、実施形態10に記載の方法。(12)β-TCPまたはHA粒子の少なくとも追加の部分を組み合わせ、混合工程を少なくとも1回繰り返す工程を含む、実施形態10に記載の方法。(13)すべてのβ-TCPまたはヒドロキシアパタイト粒子が液体溶液によって湿っていることを確実にする工程を含む、実施形態10に記載の方法。(14)三次元印刷された移植された物体を調製する方法であって、上記方法は、実施形態10のインクを使用して印刷された構造を印刷する工程と、印刷された構造を乾燥させる工程と、印刷された構造を熱処理する工程と、を含む、方法。(15)印刷された構造を熱処理する工程は、ポリマーが印刷された構造から除去されるように、印刷された構造を加熱すること、および、β-TCPまたはヒドロキシアパタイト粒子を焼結するために、印刷された構造を加熱すること、を含む、実施形態14に記載の方法。(16)印刷された構造を熱処理する工程は、印刷された構造を、1℃/分の加熱速度で室温から600℃に加熱すること、印刷された構造を600℃で1時間加熱すること、印刷された構造を5℃/分の速度で600℃から1140℃に加熱すること、印刷された構造を1140℃で4時間加熱すること、および、印刷された構造を冷却すること、を含む、実施形態15に記載の方法。(17)印刷された構造をtBMP2溶液に浸漬することによって、係留可能なタンパク質で印刷された構造をコーティングすることをさらに含む、実施形態14に記載の方法。(18)ポリマー溶液を3つ以上の溶媒と組み合わせることを含み、ここで、溶媒の各々は、他の溶媒の蒸気圧とは異なる蒸気圧を有する、実施形態14に記載の方法。(19)上記方法は、実施形態18に記載のインクを使用して、印刷された構造を印刷する工程と、第1の溶媒を除去するために印刷された構造を乾燥させる工程と、第2の溶媒の1つが印刷された構造から除去されるように、水とエタノールの混合物に印刷された構造を浸漬する工程と、第3の溶媒の1つが印刷された構造から除去されるように、印刷された構造を水の混合物に浸漬する工程と、を含む、実施形態18に記載の方法。(20)三次元印刷のためのインクを製造する方法であって、上記方法は、リン酸三カルシウムセラミック粒子(β-TCPまたはハイドロキシアパタイト)、生体適合性の水溶性ポリマー、および生体適合性の非水溶性ポリマーを含む、ポリマーパワー(polymeric power)混合物を調製する工程と、遠心混合によって粉末混合物を混合して、粉末を少なくとも部分的に融解する工程と、印刷の前に、粉末を融解するために、3Dプリンターの押出機チャンバーの粉末混合物を加熱する工程と、を含む、方法。(21)三次元印刷された移植された物体を調製する方法であって、上記方法は、実施形態20に記載のインクを使用して、印刷された構造を印刷する工程と、3D印刷された構造を水に浸漬して、水溶性ポリマーを除去する工程と、を含む、方法。(22)印刷された構造をtBMP2溶液に浸漬することによって、印刷された構造を係留可能なタンパク質でコーティングする工程をさらに含む、実施形態21に記載の方法。(23)組織欠損を抱える対象を処置する方法であって、上記方法は、β-TCPまたはHA顆粒をtBMP2でコーティングする工程と、ナトリウムカルボキシメチルセルロースヒドロゲルを顆粒と混合する工程と、パテ材料を作成するために、遠心混合によって混合物を混合する工程と、対象の組織欠損に上記パテ材料を外科的移植する工程であって、それによって、対象を処置する、工程と、を含む、方法。(24)骨インプラントを調製する方法であって、上記方法は、感光性樹脂を、β-TCPまたはHA粒子、光硬化性アクリレート、可塑剤、分散剤、光開始剤、および光吸収剤と混合することによって、インクを形成する工程と、インクを用いて埋込み型物体を形成する工程と、骨インプラントを形成するために、係留可能なタンパク質で埋込み型物体をコーティングする工程と、を含む、方法。(25)埋込み型物体を熱処理する工程をさらに含む、実施形態24に記載の方法。(26)埋込み型物体を形成する工程は、インクのデジタル光処理を含む、実施形態24に記載の方法。
【0197】
本発明の有用性を実証する他の方法は、腰椎固定術の適応症(脊椎固定術ケージのための3D印刷されたインサート)、脛骨分節欠損(患者のCTデータに基づく3D印刷された足場)、および歯槽堤増成術(3D印刷された薄いバリア膜)における骨再生を実証することによる。
【0198】
本明細書で使用される用語は、特別のケースだけを記載することを目的としており、本発明を制限することを意図していない。単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、文脈上他の意味を明白に示していない限り、同様に複数形を含むことを意図している。用語「含むこと(including)」、「含む(includes)」「有すること(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、またはその変形が、詳細な記載および/または請求項のいずれかで使用される限り、そのような用語は、用語「含む(comprising)」に類似した方法で含まれるように意図される。
【0199】
用語「約(about)」または「およそ(approximately)」は、当業者によって決定されるような特定の値の許容可能な誤差範囲内であることを意味し、これは、その値がどのように測定または決定されるか、例えば、測定システムの制限に部分的に依存している。例えば、「約」とは、任意の値での慣例に従って、1以内または1を超える標準偏差を意味し得る。特定の値が本出願と請求項に記載されている場合、特段の定めのない限り、「約」との用語は、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味するものであると仮定されなければならない。
【0200】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、任意の哺乳動物を指す。したがって、対象は、例えば、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモット、ラット、ヒト、サルなどを指す。対象がヒトである場合、対象は本明細書において患者と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、対象または「処置を必要とする対象」は、イヌ科の動物(例えば、イヌ)、ネコ科の動物(例えば、ネコ)、ウマ科の動物(例えば、ウマ)、ヒツジ、ウシ、ブタ、ヤギ、霊長類(例えば、サル(例えば、マーモセット、ヒヒ))、または類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、あるいはテナガザル)、ヒト、またはげっ歯類(例えば、マウス、モルモット、ハムスター、あるいはラット)であり得る。いくつかの実施形態では、対象または「処置を必要とする対象」は、非ヒト哺乳動物、特に、ヒトにおける治療用有効性を実証するためのモデルとして従来から使用されている哺乳動物(例えば、ネズミ科の動物、ウサギ科の動物、ブタの動物、イヌ科の動物、または霊長類動物)であり得る。
【0201】
いくつかの実施形態では、「治療上有効な量」との用語は、対象の疾患、疾病、または病気を「処置する」のに有効なポリペプチドまたは組成物の量を指す。場合によっては、治療上有効な量のポリペプチドまたは組成物は、疾患、疾病、または障害の症状の重症度を低下させる。いくつかの例では、疾患、疾病、または障害は、器官または組織の欠損を含む。
【0202】
「親和性」とは、β-TCP配列(または、キメラポリペプチドまたはβ-TCP結合配列を含むポリペプチド)と、その結合パートナー(例えば、β-TCP)との間の非共有結合の相互作用の合計の強度を指す。親和性は、本明細書に記載されるものを含む、当該技術分野で既知の一般の方法によって測定することができる。親和性は、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)技術(例えば、BIACORE(登録商標))またはバイオレイヤー渉法(例えば、FORTEBIO(登録商標))を使用して、決定することができる。親和性を決定するためのさらなる方法が、当該技術分野で知られている。
【0203】
参照ポリペプチド配列に対するパーセント(%)配列同一性は、最大パーセントの配列同一性を達成するために、必要であれば、配列を整列させてギャップを導入した後の、参照ポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である候補配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージであり、任意の保存的置換を配列同一性の一部として考慮しない。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のための整列は、既知の様々な方法で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公開されている利用可能なコンピューターソフトウェアを用いて、達成可能である。比較される配列の全長にわたって最大の整列を達成するために必要なアルゴリズムを含む、配列を整列させるための適切なパラメーターを決定することができる。しかし、本明細書における目的のために、%アミノ酸配列同一性の値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用して生成される。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.によって作成され、ソースコードは米国著作権局(Washington D.C.、20559)にユーザードキュメントとともに提出されており、米国著作権登録第TXU510087号で登録されている。ALIGN-2プログラムは、Genentech,Inc.(South San Francisco,Calif.)から公に利用可能であるか、またはソースコードからコンパイルされ得る。ALIGN-2プログラムは、デジタルUNIX(登録商標) V4.0Dを含むUNIX(登録商標)オペレーティングシステム上での使用のためにコンパイルされるべきである。すべての配列比較パラメーターは、ALIGN-2プログラムによってセットされ、変動しない。
【0204】
ALIGN-2がアミノ酸配列比較に使用される状況では、所与のアミノ酸配列B(所与のアミノ酸配列Bに対する%アミノ酸配列同一性を有するか、または含む所与のアミノ酸配列Aとして代替的に表現され得る)に対する、所与のアミノ酸配列Aの%アミノ酸配列同一性は、以下のように計算される:画分X/Yを100倍し、ここで、Xは、配列アラインメントプログラムALIGN-2によって、そのプログラムのAとBの配列において同一マッチとしてスコアリングされたアミノ酸残基の数であり、ここで、Yは、Bにおけるアミノ酸残基の合計数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、Bに対するAの%アミノ酸配列同一性は、Aに対するBの%アミノ酸配列同一性と等しくないことを理解されたい。特に別記しない限り、ALIGN-2コンピュータプログラムを使用して、直前のパラグラフに記載されているように、本明細書で使用される%アミノ酸配列同一性の値がすべて得られる。
【0205】
本明細書に記載および例証される実施形態の各々は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離またはその特徴と組み合わせることができる別個の構成要素および特徴を有する。任意の列挙された方法を、列挙された事象の順序で、または論理上可能な他の順序で実行することができる。
【0206】
本開示の多くの実施形態が記載されている。しかし、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされてもよいことが理解される。例えば、細胞は、埋込み型構造内に接種されてもよい。これらの細胞は、骨細胞あるいは他の骨細胞、軟骨細胞、および/または半月板細胞を含み得る。いくつかの例では、細胞は、完成した埋込み型構造に添加されてもよい。さらに、インクのための特定の製剤が記載されているが、各インク成分の特定の量の変動が可能である。したがって、他の実施形態は以下の請求項の範囲内にある。
【0207】
実施形態
実施形態1:印刷された三次元構造に非共有結合された治療剤を含むデバイスであって、上記印刷された三次元構造は、約50重量%~約100重量%のセラミックと、約0重量%~約50重量%のポリマーとを含む、デバイス。
実施形態2:三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間の密度、約15%~約45%の間の開放気孔率、約0.50m/gと約1.0m/gの間の比表面積の1つ以上を含み、三次元構造は、約325μmおよび約475μmの繊維径を有する、実施形態1に記載のデバイス。
実施形態3:セラミックは、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フッ素リン灰石、骨、シリケート、またはバナデート、あるいはそれらの組み合わせを含む、実施形態1または実施形態2に記載のデバイス。
実施形態4:セラミックはβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む、実施形態1または実施形態2に記載のデバイス。
実施形態5:ポリマーを含み、ここで、上記ポリマーはポリカプロラクトンを含む、実施形態1-4のいずれか1つに記載のデバイス。
実施形態6:約100重量%のセラミックを含む、実施形態1または実施形態2に記載のデバイス。
実施例7:セラミックは、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む、実施形態6に記載のデバイス。
実施形態8:約70重量%~約80重量%のセラミックと、約20重量%~約30重量%のポリマーとを含む、実施形態1または実施形態2に記載のデバイス。
実施形態9:セラミックは、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含み、ポリマーはポリカプロラクトンを含む、実施形態8に記載のデバイス。
実施形態10:上記印刷された三次元構造は、約30重量%~約70重量%のセラミックと、約5重量%~約30重量%のポリマーと、任意選択で消泡剤および/または分散剤とを含むインクから形成される、実施形態1-9のいずれか1つに記載のデバイス。
実施形態11:治療剤は、哺乳動物成長因子またはその機能的部分を含む、実施形態1-10のいずれか1つに記載のデバイス。
実施形態12:治療剤は、表4から選択される1つ以上のポリペプチド、またはその機能的部分を含む、実施形態1-10のいずれか1つに記載のデバイス。
実施形態13:治療剤は骨形成タンパク質(BMP)を含む、実施形態1-10のいずれか1つに記載のデバイス。
実施形態14:治療剤は標的化部分を含み、上記標的化部分は、上記印刷された三次元構造に非共有結合される、実施形態1-13のいずれか1つに記載のデバイス。
実施形態15:標的化部分は、約1pM~約100μmの親和性で、上記印刷された三次元構造に結合される、実施形態14に記載のデバイス。
実施形態16:標的化部分は、表5-6の配列のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一のポリペプチドを含む、実施形態14または実施形態15に記載のデバイス。
実施形態17:標的化部分は、表5-6の配列から選択される約2、3、4、5、6、7、8、9、または10の配列を含む、実施形態14または実施形態15に記載のデバイス。
実施形態18:治療剤は、配列番号794-802のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含むキメラポリペプチドである、実施形態1-17のいずれか1つに記載のデバイス。
実施形態19:必要とする対象の疾病を処置する方法であって、上記方法は、実施形態1-18のいずれか1つに記載のデバイスを対象に投与する工程を含む、方法。
実施形態20:上記疾病は、骨欠損、軟骨欠損、軟組織欠損、腱欠損、筋膜欠損、靭帯欠損、器官欠損、骨腱組織欠損、皮膚欠損、骨軟骨欠損、骨粗鬆症、無血管性壊死、または先天性骨格奇形、あるいはそれらの組み合わせを含む、実施形態19に記載の方法。
実施形態21:上記方法は脊椎固定術を含む、実施形態19または実施形態20に記載の方法。
実施形態22:脊椎固定術は、後側方固定術(PLF)および/または椎体間固定術を含む、実施形態21に記載の方法。
実施形態23:上記方法は、骨修復、歯科修復、頭蓋顎顔面修復、足関節固定、椎骨形成術、骨形成術、舟状骨骨折修復、腱骨修復、肋骨再建、軟骨下骨修復、軟骨修復、あるいは三次元構造またはデバイスの外科的移植、あるいはそれらの組み合わせを含む、実施形態19または実施形態20に記載の方法。
実施形態24:三次元構造を製造する方法であって、上記方法は、セラミック、ポリマー、ならびに任意選択で消泡剤および/または分散剤を含む溶液を提供する工程と、インク製剤を得るために上記溶液を混合する工程と、三次元形態でインク製剤を堆積させる工程とを含み、ここで、(i)上記インク製剤は、約30重量%~約70重量%のセラミックと、約5重量%~約60重量%のポリマーとを含み、および/または(ii)上記三次元構造は、約50重量%~約100重量%のセラミックと、約0重量%~約50重量%のポリマーとを含む、方法。
実施形態25:インク製剤および/または三次元構造のセラミックは、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フッ素リン灰石、骨、シリケート、またはバナデート、あるいはそれらの組み合わせを含む、実施形態24に記載の方法。
実施形態26:インク製剤および/または三次元構造のセラミックは、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む、実施形態24に記載の方法。
実施形態27:インク製剤のポリマーは、ポリカプロラクトンを含む第1のポリマーと、ポリエチレングリコールを含む第2のポリマーとを含む、実施形態24-26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態28:インク製剤は、約10重量%~約30重量%のポリカプロラクトンと、約10重量%~約30重量%のポリエチレングリコールとを含む、実施形態27に記載の方法。
実施形態29:上記三次元構造は約100重量%のセラミックを含む、実施形態24-28のいずれか1つに記載の方法。
実施形態30:上記三次元構造は、約100重量%のβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む、実施形態24-28のいずれか1つに記載の方法。
実施形態31:上記三次元構造は、約70重量%~約80重量%のセラミックと、約20重量%~約30重量%のポリマーとを含む、実施形態24-28のいずれか1つに記載の方法。
実施形態32:上記三次元構造は、約70重量%~約80重量%のβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)と、約20重量%~約30重量%のポリカプロラクトンとを含む、実施形態24-28のいずれか1つに記載の方法。
実施形態33:三次元構造を治療剤と組み合わせる工程をさらに含む、実施形態24-32のいずれか1つに記載の方法。
実施形態34:治療剤は、哺乳動物成長因子またはその機能的部分を含む、実施形態33に記載の方法。
実施形態35:治療剤は、表4から選択される1つ以上のポリペプチド、またはその機能的部分を含む、実施形態33に記載の方法。
実施形態36:治療剤は骨形成タンパク質(BMP)を含む、実施形態33に記載の方法。
実施形態37:治療剤は、上記三次元構造に非共有結合する標的化部分を含む、実施形態33-36のいずれか1つに記載の方法。
実施形態38:標的化部分は、約1pM~約100μmの親和性で、上記印刷された三次元構造に結合する、実施形態37に記載の方法。
実施形態39:標的化部分は、表5-6の配列のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一のポリペプチドを含む、実施形態37または実施形態38に記載の方法。
実施形態40:標的化部分は、表5-6の配列から選択される約2、3、4、5、6、7、8、9、または10の配列を含む、実施形態37または実施形態38に記載の方法。
実施形態41:治療剤は、配列番号794-802のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含むキメラポリペプチドである、実施形態33-40のいずれか1つに記載の方法。
実施形態42:必要とする対象の疾病を処置する方法であって、上記方法は、実施形態24-41のいずれか1つに記載の方法によって製造された三次元構造を、上記対象に投与する工程を含む、方法。
実施形態43:上記疾病は、骨欠損、軟骨欠損、軟組織欠損、腱欠損、筋膜欠損、靭帯欠損、器官欠損、骨腱組織欠損、皮膚欠損、骨軟骨欠損、骨粗鬆症、無血管性壊死、または先天性骨格奇形、あるいはそれらの組み合わせを含む、実施形態42に記載の方法。
実施形態44:上記方法は脊椎固定術を含む、実施形態42または実施形態43に記載の方法。
実施形態45:脊椎固定術は、後側方固定術(PLF)および/または椎体間固定術を含む、実施形態44に記載の方法。
実施形態46:上記方法は、骨修復、歯科修復、頭蓋顎顔面修復、足関節固定、椎骨形成術、骨形成術、舟状骨骨折修復、腱骨修復、肋骨再建、軟骨下骨修復、軟骨修復、あるいは三次元構造またはデバイスの外科的移植、あるいはそれらの組み合わせを含む、実施形態42または実施形態43に記載の方法。
実施形態47:三次元印刷のためのインク製剤であって、上記インク製剤は、約30重量%~約70重量%のセラミックと、約5重量%~約30重量%のポリマーとを含む、インク製剤。
実施形態48:セラミックは、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フッ素リン灰石、骨、シリケート、またはバナデート、あるいはそれらの組み合わせを含む、実施形態47に記載のインク製剤。
実施形態49:セラミックはβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む、実施形態47または実施形態48に記載のインク製剤。
実施形態50:約50重量%~約70重量%のセラミックと、約10重量%~約30重量%の第1のポリマーと、約10重量%~約30重量%の第2のポリマーとを含む、実施形態47-49のいずれか1つに記載のインク製剤。
実施形態51:約50重量%~約70重量%のβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)、ポリカプロラクトンを含む約10重量%~約30重量%の第1のポリマーと、ポリエチレングリコールを含む約10重量%~約30重量%の第2のポリマーと、を含む、実施形態47に記載のインク製剤。
実施形態52:約50重量%~約70重量%のセラミックと、約5重量%~約15重量%のポリマーと、任意選択で消泡剤および/または分散剤とを含む、実施形態47-49のいずれか1つに記載のインク製剤。
実施形態53:約50重量%~約70重量%のリン酸三カルシウムと、約5重量%~約15重量%のポロキサマーと、任意選択で消泡剤および/または分散剤と、を含む、実施形態47に記載のインク製剤。
実施形態54:約0.1重量%~約1重量%の消泡剤を含み、ここで、上記消泡剤は、任意選択でアルコールを含む、実施形態52または実施形態53に記載のインク製剤。
実施形態55:約0.1重量%~約1重量%の分散剤を含み、ここで、上記分散剤は、任意選択でアンモニウムポリアクリレートを含む、実施形態52-54のいずれか1つに記載のインク製剤。
実施形態56:約40重量%~約60重量%のセラミックと、約5重量%~約15重量%のポリマーと、約30重量%~約40重量%の溶媒と、を含む、実施形態47-49のいずれか1つに記載のインク製剤。
実施形態57:約40重量%~約60重量%のβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)と、約5重量%~約15重量%のポリカプロラクトンと、約30重量%~約40重量%の溶媒とを含む、実施形態47に記載のインク製剤。
実施形態58:溶媒は、ジクロロメタン、2-ブトキシエタノール、ジブチルフタレート、またはクロロホルム、あるいはそれらの組み合わせを含む、実施形態56または実施形態57に記載のインク製剤。
実施形態59:三次元構造を調製する方法であって、上記方法は、三次元印刷方法におけるインクとして、実施形態47-58のいずれか1つに記載されるインク製剤を使用することを含む、方法。
実施形態60:実施形態47-58のいずれか1つに記載のインク製剤を使用して調製される三次元構造。
実施形態61:約50重量%~約100重量%のセラミックを含む、実施形態60に記載の三次元構造。
実施形態62:約50重量%~約100重量%のリン酸三カルシウムを含む、実施形態60に記載の三次元構造。
実施形態63:約50重量%~約90重量%のリン酸三カルシウムと、約10%~約50%のポリマーとを含む、実施形態60に記載の三次元構造。
実施形態64:ポリマーはポリカプロラクトンを含む、実施形態63に記載の三次元構造。
実施形態65:三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間の密度、約15%と約45%の間の開放気孔率、約0.50m/gと約1.0m/gの間の比表面積の1つ以上を含み、三次元構造は、約325μmおよび約475μmの繊維径を有する、実施形態60-64のいずれか1つに記載の三次元構造。
実施形態66:約50重量%~約100重量%のセラミックと、約0%~約50%のポリマーとを含む、三次元構造。
実施形態67:セラミックは、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フッ素リン灰石、骨、シリケート、またはバナデート、あるいはそれらの組み合わせを含む、実施形態66に記載の三次元構造。
実施形態68:セラミックはβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)を含む、実施形態66または実施形態67に記載の三次元構造。
実施形態69:約50重量%~約100重量%のセラミックを含む、実施形態66または実施形態67に記載の三次元構造。
実施形態70:約100重量%のセラミックを含む、実施形態66または実施形態67に記載の三次元構造。
実施形態71:約100重量%のリン酸三カルシウムを含む、実施形態66に記載の三次元構造。
実施形態72:約50重量%~約90重量%のセラミックと、約10%~約50%のポリマーとを含む、実施形態66または実施形態67に記載の三次元構造。
実施形態73:約50重量%~約90重量%のリン酸三カルシウムと、約10%~約50%のポリマーとを含む、実施形態66または実施形態67に記載の三次元構造。
実施形態74:ポリマーはポリカプロラクトンを含む、実施形態72または実施形態73に記載の三次元構造。
実施形態75:三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間の密度、約15%と約45%の間の開放気孔率、約0.50m/gと約1.0m/gの間の比表面積の1つ以上を含み、三次元構造は、約325μmおよび約475μmの繊維径を有する、実施形態66-74のいずれか1つに記載の三次元構造。
実施形態76:三次元印刷方法によって調製される、実施形態66-75のいずれか1つに記載の三次元構造。
実施形態77:必要とする対象に治療剤を送達する方法であって、上記方法は、治療剤と、実施形態60-76のいずれか1つに記載の三次元構造とを含むデバイスを、対象の器官または組織に送達する工程を含む、方法。
実施形態78:治療剤と、実施形態60-76のいずれか1つに記載の三次元構造とを含む、デバイス。
実施形態79:治療剤は、哺乳動物成長因子またはその機能的部分を含む、実施形態77に記載の方法または実施形態78に記載のデバイス。
実施形態80:治療剤は、表4から選択される1つ以上のポリペプチド、またはその機能的部分を含む、実施形態77に記載の方法または実施形態78に記載のデバイス。
実施形態81:治療剤は骨形成タンパク質(BMP)を含む、実施形態77に記載の方法または実施形態78に記載のデバイス。
実施形態82:デバイスは標的化部分を含む、実施形態77または79-81のいずれか1つに記載の方法、あるいは、実施形態78-81のいずれか1つに記載のデバイス。
実施形態83:標的化部分は、表5-6の配列のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の1つ以上の配列を含むポリペプチドを含む、実施形態82に記載の方法または実施形態82に記載のデバイス。
実施形態84:標的化部分は、表5-6の配列から選択される約2、3、4、5、6、7、8、9、または10の配列を含む、実施形態82に記載の方法または実施形態82に記載のデバイス。
実施形態85:標的化部分は三次元構造に非共有結合する、実施形態82-84のいずれか1つに記載の方法、または実施形態82-84のいずれか1つに記載のデバイス。
実施形態86:標的化部分は、キメラポリペプチド中の治療剤に接続される、実施形態82-85のいずれか1つに記載の方法、または実施形態82-85のいずれか1つに記載のデバイス。
実施形態87:キメラポリペプチドは、配列番号794-802のいずれか1つと少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一の配列を含む、実施形態86に記載の方法または実施形態86に記載のデバイス。
実施形態88:実施形態78-87のいずれか1つに記載のデバイスを調製する方法であって、上記方法は、治療剤を三次元構造と組み合わせる工程を含み、ここで、上記治療剤は三次元構造に非共有結合する、方法。
実施形態89:必要とする対象の疾病を処置する方法であって、上記方法は、実施形態66-76のいずれか1つに記載の三次元構造、あるいは、実施形態78または80-87のいずれか1つに記載のデバイスを上記対象に投与する工程を含む、方法。
実施形態90:上記疾病は、骨欠損、軟骨欠損、軟組織欠損、腱欠損、筋膜欠損、靭帯欠損、器官欠損、骨腱組織欠損、皮膚欠損、骨軟骨欠損、骨粗鬆症、無血管性壊死、または先天性骨格奇形、あるいはそれらの組み合わせを含む、実施形態89に記載の方法。
実施形態91:上記方法は脊椎固定術を含む、実施形態89または実施形態90に記載の方法。
実施形態92:脊椎固定術は、後側方固定術(PLF)および/または椎体間固定術を含む、実施形態91に記載の方法。
実施形態93:上記方法は、骨修復、歯科修復、頭蓋顎顔面修復、足関節固定、椎骨形成術、骨形成術、舟状骨骨折修復、腱骨修復、肋骨再建、軟骨下骨修復、軟骨修復、あるいは三次元構造またはデバイスの外科的移植、あるいはそれらの組み合わせを含む、実施形態89または実施形態90に記載の方法。
実施形態94:三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間の密度を有する、実施形態1-18または78-87のいずれか1つに記載のデバイス、実施形態19-46、77、または79-93のいずれか1つに記載の方法、あるいは実施例60-76のいずれか1つに記載の三次元構造。
実施形態95:三次元構造は、約15%と約45%の間の開放気孔率を有する、実施形態1-18、78-87、94のいずれか1つに記載のデバイス、実施形態19-46、77、または79-94のいずれか1つに記載の方法、あるいは実施例60-76、または94のいずれか1つに記載の三次元構造。
実施形態96:三次元構造は、約0.50m/gと約1.0m/gの間の比表面積を有する、実施形態1-18、78-87、94、または95のいずれか1つに記載のデバイス、実施形態19-46、77、または79-95のいずれか1つに記載の方法、あるいは実施例60-76、94、または95のいずれか1つに記載の三次元構造。
実施形態97:三次元構造は、約325μmおよび約475μmの繊維径を有する、実施形態1-18、78-87、または94-96のいずれか1つに記載のデバイス、実施形態19-46、77、または79-96のいずれか1つに記載の方法、あるいは実施例60-76、または94-96のいずれか1つに記載の三次元構造。
実施形態98:三次元構造は、約1g/cmと約3g/cmの間の密度、約15%と約45%の間の開放気孔率、約0.50m/gと約1.0m/gの間の比表面積を有し、三次元構造は、約325μmおよび約475μmの繊維径を有する、実施形態1-18、78-87、または94-97のいずれか1つに記載のデバイス、実施形態19-46、77、または79-97のいずれか1つに記載の方法、あるいは実施例60-76、または94-97のいずれか1つに記載の三次元構造。
実施形態99:三次元構造は、約2.44g/cmの密度、約19.6%の開放気孔率、および約384μmの繊維径を有する、実施形態1-18、78-87、または94-98のいずれか1つに記載のデバイス、実施形態19-46、77、または79-98のいずれか1つに記載の方法、あるいは実施例60-76、または94-98のいずれか1つに記載の三次元構造。
実施形態100:三次元構造は、約1.32g/cmの密度、約38%の開放気孔率、および約394μmの繊維径を有する、実施形態1-18、78-87、または94-98のいずれか1つに記載のデバイス、実施形態19-46、77、または79-98のいずれか1つに記載の方法、あるいは実施例60-76、または94-98のいずれか1つに記載の三次元構造。
実施形態101:三次元構造は、約1.49g/cmの密度、約31%の開放気孔率、0.81m/gの比表面積、および約420μmの繊維径を有する、実施形態1-18、78-87、または94-98のいずれか1つに記載のデバイス、実施形態19-46、77、または79-98のいずれか1つに記載の方法、あるいは実施例60-76、または94-98のいずれか1つに記載の三次元構造。
【実施例
【0208】
実施例1:インク製剤
60重量%のβ-TCP粉末(噴霧乾燥粉末、10~38ミクロンの粒子径)、20%のポリカプロラクトン(50,000MW、細粉、Tmelt=60℃)、および20重量%のポリエチレングリコール(1,500MWのフレーク、Tmelt=60℃)を含むインクの製剤を調製した。3.2ccのバッチのインクを作るために、2.062gのβ-TCP粉末、2.062gのPCL粉末、および0.884gのポリエチレングリコールフレークを、容器に添加した。その容器をミキサー内に置き、粉末をFlackTek Speedmixerで、300rpmで2分間混合することで、粉末ブレンドをホモジナイズした。その後、粉末を融解するために、より高いrpm混合を3500rpmでさらに5分間実施した。この混合中に、内部摩擦によりPCLとポリエチレングリコールが融解し、これにより、粉末が粘性の溶融液体に変化し、β-TCP/PCL構造を3D製造するための入力としてこれを使用した。
【0209】
実施例2:3D印刷による製造
Allevi 3 Bioprinterを用いて、溶融押出印刷を使用して、実施例1のインクを構造に製造した。簡潔に言えば、400ミクロンの内径の円錐形の金属ルアーロック先端を備えた5ccのステンレス鋼シリンジにインクを入れた。印刷前に、ステンレス鋼シリンジを備えた押出機チャンバーを加熱して、インクの融解を確実にした。120℃の押し出し機の温度、70psiの圧力、および5mm/s~10mm/sの先端速度を使用して、インクを押し出した。印刷された構造を蒸留水に一晩浸漬して、印刷物からポリエチレングリコールを溶解し、多孔性で柔軟性のあるβ-TCP/PCL構造を作成した。
【0210】
ガス物理吸着によって、Brunauer-Emmett-Teller(BET)表面積分析を使用して、構造を試験した。表面積は0.81m/gであった。
【0211】
構造の1cmの直径x0.75cmの高さのシリンダー上で、圧縮試験を実施した。33%のひずみでは破壊は観察されず、構造は10%のひずみを弾性回復した。弾性率を123MPa±16MPaとして測定した。
【0212】
実施例3:治療剤
5つのβ-リン酸三カルシウム結合ペプチドに接続されたBMP治療用ペプチドを含むキメラポリペプチドを、標準的な発現および精製方法を使用して、発現させ、精製した。キメラポリペプチドはtBMP-2と呼ばれ、以下の配列:MPIGSLLADTTHHRPWTVIGESTHHRPWSIIGESSHHKPFTGLGDTTHHRPWGILAESTHHKPWTASGAGGSEGGGSEGGTSGATGAGTSTSGGGASTGGGTGQAKHKQRKRLKSSCKRHPLYVDFSDVGWNDWIVAPPGYHAFYCHGECPFPLADHLNSTNHAIVQTLVNSVNSKIPKACCVPTELSAISMLYLDENEKVVLKNYQDMVVEGCGCR(配列番号434)を有する。
【0213】
実施例4:デバイスの製造
実施例2の構造を実施例3のtBMP-2治療剤と組み合わせて、デバイスを作製した。0.75mg/mLのtBMP-2結合溶液(10mMの酢酸ナトリウム、7mMの酢酸、100mMのNaCl、pH=4.75)を調製し、0.22μmのフィルターを用いて殺菌した。バイオセイフティーキャビネットにおいて、無菌のピペットを備えた無菌の15mLの円錐管に、8mLのtBMP-2結合溶液を添加した。実施例2からの無菌の足場を、無菌のピンセットで結合溶液に添加し、その後、円錐管を閉じてパラフィルムで包んだ。上記管をLabLine Instruments Titer Plate Shaker上に置き、速度を2に設定し、2時間振盪した。バイオセイフティーキャビネットでは、無菌のピンセットを用いて足場+tBMP-2を取り除き、8mLの無菌PBSを充填した異なる無菌15mLの円錐管に入れた。蓋を閉めて、パラフィルムで包み、Titer Plate Shakerに戻し、速度2で3分間振盪した。上記管をバイオセイフティーキャビネット内で開け、無菌のピンセットを用いて足場+tBMP-2を取り出し、無菌のペトリ皿に置いた。足場+tBMP-2を、バイオセイフティーキャビネット内で一晩乾燥させ、結果としてtBMP-2デバイスを得た。tBMP-2デバイスを図4Aに示す。
【0214】
結合溶液中の残りのtBMP-2の質量、およびPBS洗浄溶液中のtBMP-2の質量を、A280吸光度測定を使用して測定した。これらの質量の合計を計算し、その後、結合溶液中のtBMP-2の初期の質量から差し引き、3D印刷した足場に結合したままのtBMP-2の質量を得た。この例では、足場は1.4mg/立方センチメートルのtBMP-2用量を有する。
【0215】
実施例5:後外側(PLF)脊椎固定術のウサギモデル
この実験の目的は、後外側(PLF)脊椎固定術のウサギモデルにおける自家移植片対被験物質の間で、融合速度および骨新形成の程度を比較することであった。
【0216】
ウサギは、非臨床毒性評価、および脊椎固定術用途を含む整形外科インプラントの評価のために一般的に使用されている種であるため、この試験に選択した。FDA指針書(“Class II Special Controls Guidance Document:Resorbable Calcium Salt Bone Void Filler Device,Guidance for Industry and FDA,”US Food and Drug Administration,Center for Devices and Radiological Health,June 2,2003)は、マーケティングの応用をサポートするための前臨床試験を必要とする。ウサギは、ISO 10993-6、Annex D、およびウサギ腰椎横突起間脊椎固定術モデルのインビボの評価のためのASTM F3207-17-標準ガイドに従って、脊椎固定術試験に承認された動物種である。この試験に割り当てられた動物の総数、ならびに群のサイズおよび群の数は、試験物質の有効性を適切に特徴づけるために必要な最小値である。
【0217】
試験動物は、約6~7ヶ月齢のニュージーランドホワイト雌ウサギであり、手術時は約3.5~5.0kgであった。ウサギを最低7日間設備に順応させ、疾患の臨床徴候がないことを確実にするために検査した。
【0218】
試験材料
試験材料は、実施例4に記載されるtBMP-2でコーティングしたデバイスであった。
【0219】
ウサギを2つの群に分割し、各群には3匹のウサギがいた。群1は自家移植片対照であり、群2は試験材料を受けた。
【0220】
手術前の動物の準備
フェンタニル経皮パッチ(25 1.1g/hr)を、手術前に動物に貼った。アセプロマジン(0.25~0.75mg/kg)およびブトルファノール(約0.5mg/kg)の筋肉内注射によって、麻酔導入を開始した。静脈内カテーテルを辺縁耳静脈(marginal ear vein)に配置し、プロポフォール(5~7mg/kg)を使用して全身麻酔を導入し、IVを達成した。麻酔導入後、気管内チューブを挿入し、酸素中のイソフルラン(有効まで0.5~4%)を使用して麻酔を維持した。周術期のセファゾリン(約40mg/kg)を、手術前の準備中に静脈内投与した。眼軟膏を眼に投与して、角膜の乾燥を防いだ。手術前のX線撮影を使用して腰椎を画像化し、L4とL5の位置をマークした。背側腰仙部(dorsal lumbosacral area )を切り取り、ポビドンヨード消毒液でごしごしこすり、その後、70%のイソプロピルアルコールで洗浄することを3回繰り返すことによって、無菌手術のために準備した。その領域にポビドンヨード溶液を塗布し、無菌手術のために布で覆った。動物を手術室に移し、加熱された手術台の上に置き、麻酔器とモニターに接続し、手術室へ移され、無菌手術のために布で覆った。乳酸リンゲル液を、約10ml/kg/時間で、手術中に静脈内投与した。全身麻酔下にある間、訓練を受けた担当者が動物をモニタリングし、心拍数、呼吸数、および酸素飽和度パーセンテージを10~15分毎に評価および文書化した。
【0221】
手術の手順
自家移植片の収集:L4-5の隙間と腸骨稜に接近するように、中線皮膚切開を尾部の腰仙椎上に作製した。局所鎮痛を提供するために、ロピバカインまたは他の局所鎮痛剤を、稜に隣接する軟組織へ浸透させた。約3ccの腸骨稜骨移植片(ICBG)を、オステオトーム、キュレット、および彫骨鉗子を用いて収集し、小さく分割して、4mm直径までの不規則な大きさの粒子にした。群1の動物からICBGを両側的に収集し、2つのオープンバレル3ccのシリンジにロードした。
【0222】
脊椎固定術:傍脊椎切開をL4-L5隙間上の筋膜に作製し、脊柱筋(paraspinalis)と多裂筋との間の継ぎ目を特定し、鈍的切開によって分離した。軟組織を持ち上げて縮めることで、L4とL5の横突起の背面を両側に露出させた。必要に応じて、圧力および焦点電気焼灼を使用して、出血を制御した。電動バー(motorized burr)を使用して、薄層に隣接しているが、パー(pars)上に伸びていないL4とL5の横突起の約2cmの背面を剥皮した。剥皮されたL4とL5の横突起の両側間の距離と接触しており、かつその距離にまたがるように、インプラントを配置した。外科的切開を、標準的な外科技術に従って三層で閉じた。図4Dを参照されたい。
【0223】
動物のケア
手術後3日間は、麻酔の回復、食欲、および鎮痛効果を評価するために、少なくとも1日2回、動物を観察した。その後、動物が正常に食事をすることができるようになるまで、一般的な健康状態と幸福および食欲の回復について1日2回観察した。その後、一般的な健康状態および幸福について動物を毎朝観察し、午後に大まかなチェックを行った。手術後約7~10日目のステープルの除去時、および試験期間中に約2週間間隔で、ウサギの体重を測定して、一般的な健康状態をモニタリングした。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
【配列表】
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