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特許7588143電気的用途のためのラメラパックを組み立てる装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】電気的用途のためのラメラパックを組み立てる装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 41/02 20060101AFI20241114BHJP
   H02K 15/02 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01F41/02 B
H02K15/02 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022525698
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 IB2020060225
(87)【国際公開番号】W WO2021090134
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】102019000020286
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518294812
【氏名又は名称】コッラーダ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】クラートリ アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴェッリ ダヴィデ
(72)【発明者】
【氏名】ベルトッキ ジャンルカ
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-076970(JP,A)
【文献】特開2017-216873(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03240160(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0136756(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107533907(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第03021466(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 41/02
H02K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モーター機械、発電機、変圧器、カウンター、点火コイルおよび同様の電気機器において、電気的用途のためのラメラパックを組み立てる組立装置(10)であって、
前記組立装置(10)は、ラメラパックを形成するために互いに重ねられるストリップ(15’)を規定するシート(15)をダイ切断するためのダイ切断ステーション(12)と、前記シート(15)から切断された前記ストリップ(15’)を接着剤によって接着するための接着ステーション(14)を備え、
前記装置(10)は、ある量の接着剤を前記シート(15)の上部表面に個別に塗布するための手段を含み、前記手段は、第1及び第2の接着ユニット(18、19)を移動させるために、前記シート(15)に対して、下降/上昇垂直方向に平行移動する可動要素(16)を含み、
前記第1及び第2の接着ユニット(18、19)は、前記可動要素(16)上で安定化され、前記第1及び第2の接着ユニット(18、19)の各々は、複数のピン(20)を含む接着手段を備え、前記複数のピン(20)は、ある量の接着剤(23)を含む、前記接着ステーション(14)の第1及び第2の接着リザーバー(22、24)から、それぞれ液滴(25)の形で、ある量の接着剤を拾い上げるのに適しており、
前記第1及び第2の接着ユニット(18、19)は、前記ダイ切断ステーション(12)における前記シート(15)の前進方向に垂直な方向の水平面で前方/後方に平行移動可能であり、
前記可動要素(16)および前記第1及び第2の接着ユニットの前記移動は、前記ダイ切断ステーション(12)における前記シート(15)の前進移動と同期しており、
前記接着剤を拾い上げてストリップに堆積させる操作は、作業サイクルを中断することなく、「マスクされた時間」で行われ、
前記第1及び第2の接着リザーバー(22、24)の一方に向かう、前記第1及び第2の接着ユニット(18、19)の一方の下降/上昇平行移動は、前記液滴(25)を堆積させるために前記シート(15)に向かって移動する、前記第1及び第2の接着ユニットの他方の同時かつ同期的な下降/上昇平行移動に対応する、前記組立装置(10)。
【請求項2】
前記ピン(20)が、前記ストリップ(15’)への、前記接着剤の液滴(25)の堆積を最適に制御することを確実にする機能を有するばねおよび減衰手段を備え得ることを特徴とする、請求項1に記載の組立装置。
【請求項3】
前記接着ユニットに関して、固定化端部の反対側の前記ピン(20)の端部が、凸状先端(21)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の組立装置。
【請求項4】
前記接着ユニットに関して、固定化端部の反対側の前記ピン(20)の端部が、凹状先端(21’)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の組立装置。
【請求項5】
前記接着ユニットに関して、固定化端部の反対側の前記ピン(20)の端部が、平らな先端(21”)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の組立装置。
【請求項6】
前記接着ステーション(14)が、前記第1及び第2の接着ユニット(18、19)を含み、前記第1及び第2の接着ユニットの各々は、前記複数のピン(20)、それぞれある量の接着剤(23)を含む前記第1の接着リザーバー(22)と前記第2の接着リザーバー(24)を備える、請求項1ないし5のいずれか1に記載の組立装置。
【請求項7】
前記接着ステーション(14)が、ダイ切断ステーション(12)の内部に配置されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1に記載の組立装置。
【請求項8】
前記接着ステーション(14)が、ダイ切断ステーション(12)の外部に配置されることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1に記載の組立装置。
【請求項9】
前記接着剤(23)が、単一成分タイプであることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1に記載の組立装置。
【請求項10】
前記接着剤(23)が、接着剤の主成分を規定する第1の成分または成分「A」と、接着反応の触媒を規定する第2の成分または成分「B」とを含む2成分タイプであることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1に記載の組立装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的用途のためのラメラパックを組み立てる装置に関する。
より具体的には、本発明は、電気用途のためのラメラパックを組み立てる装置、すなわち、電気モーター機械、発電機、変圧器、カウンター、点火コイルおよび同様の電気的装置において使用するための、一方を他方に対して充填または重ね合わせた磁気ストリップを組み立てる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、例えば、電気モーターまたは変圧器などの電気的機械は、層状構造で作られた磁気回路を含む。すなわち、該電気的機械は、必要な特定の磁気要件に応じて、さまざまな形状とサイズの複数の薄い金属ストリップまたはプレートから成る。前記金属ストリップまたはプレートは、互いに重ね合わされ、拘束され、いわゆる「ラメラパック」を規定する。
【0003】
前記ストリップの間に、いわゆる「ばね効果」を生成する可能性のある中間の空間を存在させずに、それらを互いに直接接触させて配置することによって、ストリップを重ねる。そして、ストリップを重ねることによって、前記「ラメラパック」が得られる。前記「ばね効果」は、電気的特性の劣化を引き起こすと同時に、ラメラパックを構成する電気的機械の寸法および機械的特性にも影響を与える。
【0004】
ラメラパックは、従来、単一のストリップを重ね合わせて連結することによって得られる。ここで、単一のストリップは、例えば、パンチによってストリップを形成するダイカットから、および、例えば、ウェブシートから、または既知の方法で別のシートをレーザー切断することによって、得られる。単一のストリップを形成する機械で互いに重ね合わせて連結することができる、または他の組立機で互いに重ね合わせて連結することができるストリップを、その形成後に用いる。
【0005】
前記ストリップは、特に選択された位置で前記ストリップを変形させることによって得られる「ステープル」と呼ばれる結合または係合構成要素によって、互いに連結される。そして、ストリップの前記構成要素を用いることで、ストリップは、結合中に、下部のストリップの対応する凹部に導入またはねじ込まれ、連続的な重ね合わせによって、ストリップのパックを形成する。
【0006】
あるいは、「ステープル」による上記の拘束方法に加えて、ストリップは、ストリップの表面に形成されたボスによって、互いにパックされて、拘束され得る。
【0007】
さらに既知の製造技術によれば、ストリップは、接着剤または既知のタイプの他の剛性拘束手段によって、互いにパックされて、拘束され得る。
【0008】
接着剤を使用してラメラパックを組み立てる既知の技術は、ダイの入口で切断されるシートに適用される、(通常は2成分タイプの)接着剤ポンプシステムに接続された圧力ノズルにおいて使用される。より詳細には、接着剤は、シートの上層の点に塗布される接着剤の第1の成分と、同様にシートの下層の点に塗布される第2の成分を用いて、スプレーおよびノズルによって塗布される。接着は、シート剥離ステーションにおいて、接着剤の第1の層を有するストリップの上部を、接着剤の第2の成分で覆われた後続のストリップの下部とくっつけることによって、起こる。
【0009】
接着剤(2成分タイプ)によるラメラパックの組み立てに関する別の技術的事項は、スプレーによって切断ダイの入口に塗布される接着剤の第1成分、および切断ダイの下部に配置された特別な専用ステーションに塗布される接着剤の第2成分を有するノズルにおいて使用される。この場合、ラメラパックは、第1の接着剤成分の層を有するストリップを、第2の接着剤成分を有する後続のストリップとくっつけることによって、形成される。
【0010】
既知の解決策の中で、CN107533907は、単一のストリップが得られるシート上で(プログレッシブ切断によって)、電気的用途のためのラメラパックを形成するための装置を開示する。これは、接着剤の層がシートの上面と下面の両方に塗布される。接着剤の層は、シートの上下に配置されたコーティング/拡散装置によって塗布され、これは、穴あけ工程またはステーションの後、およびラメラパックを形成するダイでの切断工程またはステーションの前に行われる。
【0011】
JP2017216873は、電気的用途のためのラメラパックを製造する装置を記載している。当該装置では、パックを形成するストリップは、切断ダイの垂直切断移動速度と同期せずに塗布される、接着剤層と接着することによって結合される。
【0012】
さらなる既知の実施形態は、EP3021466に記載されている。該文献は、塗布ヘッドによって塗布された接着剤によって電気的用途のための層状パックを形成する方法に関し、前記ヘッドがストリップの表面全体に接着剤を塗布できるように、ストリップがその垂直軸の周りを回転する。あるいは、塗布ヘッドをストリップの軸の周りで回転させて、前記ストリップの表面に接着剤を塗布する。
【0013】
既知であって、JP2015076970に記載されている別の解決策は、スプレーノズルを用いて単一のストリップに塗布される接着剤によって層状パックを形成することを提供する。
【0014】
しかしながら、ラメラパックのストリップ間の拘束のための従来の方法は、ストリップ間の拘束を達成するためには効果的であるが、いくつかの重大な欠点を有する。例えば、ストリップのパックは、ストリップ間の接着が不完全または最適でないために、一方のストリップともう一方のストリップの間に亀裂を生じ、望ましくない振動やノイズの発生の原因となる場合がある。
【0015】
さらに、接着剤によるそのような既知の組み立て技術は、いくつかの欠点を明らかにした。ノズルまたはスプレー、したがってそれらを供給するためのポンプは、しばしばメンテナンス(洗浄、故障など)を受ける。そのような操作は、多かれ少なかれ、ダウンタイムの長期化を要し、その結果、プラントおよび生産関連のコストが増加する。
【0016】
さらなる欠点は、スプレーを使用する既知の技術が、温度、圧力、スプレーノズル内の接着剤の流れの速度などの流体力学的パラメーターを導入するという事実に基づく。これらは、サイクルタイム、したがって、その関連コストの点から、ラメラパックの組み立ての製造プロセス全体にわたって、重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、前述の欠点を克服することである。
【0018】
より具体的には、本発明は、電気的用途のためのラメラパックを組み立てるための装置に関する。このようなラメラパックは、例えば、ボスまたは同様の保持手段などの機械的手段を使用せずに製造される。
【0019】
本発明のさらなる目的は、改良された、接着剤によるラメラパックを組み立てるための装置を提供することである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、完成品(ローター、ステーター、およびラメラパックによって規定されるもの)のより良い電気的性能を確実にするために、ラメラパックの組立装置を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的は、前記ストリップを形成するためのダイの内側および外側の両方においてストリップを接着するのに適したラメラパックを組み立てる装置を提供することである。
【0022】
本発明のさらなる目的は、ラメラパックを迅速かつ「クリーンな」方法で組み立てるのに適した装置を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、保守が容易で簡単なラメラパックを組み立てるための装置を提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、経時的に高い抵抗および信頼性を確保するのに適し、さらに、製造が容易で費用効果が高い、電気的用途のためのラメラパックを組み立てる装置をユーザに提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
これらおよび他の目的は、請求項1に記載の特徴を有する本発明によって達成される。
【0026】
本発明によれば、本明細書で提供されるのは、下記の装置である。
電気モーター機械、発電機、変圧器、カウンター、点火コイルおよび同様の電気的機器である電気的機械において電気的用途のためのラメラパックを接着によって組み立てるための組立装置であって、
ラメラパックを形成するために互いに重ねられるストリップを規定するシートをダイ切断するためのダイ切断ステーションと、接着剤によって前記シートから切り取った前記ストリップを接着するためのステーションを備え、
前記組立装置は、ある量の接着剤をシートの表面に個別に塗布するための手段を含み、前記手段は、ダイ切断ステーションにおけるシートの前進移動と同期して作動することを特徴とする前記組立装置。
【0027】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項によって概説される。
【0028】
本発明の、電気的用途のためのラメラパックを組み立てる装置の構造的および機能的特徴は、以下の詳細な説明からより明確になり得る。以下の詳細な説明では、好ましい非限定的な実施形態を表す添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明のラメラパックを組み立てる装置の接着ステーションの概略的な投影図を表す。
図2図2は、構成要素または成形要素の移動を示す、図1による接着ステーションの概略正面図を表す。
図3図3は、本発明の組立装置の一連の操作ステップを概略的に表す。
図3A図3Aは、本発明の組立装置の一連の操作ステップを概略的に表す。
図3B図3Bは、本発明の組立装置の一連の操作ステップを概略的に表す。
図3C図3Cは、本発明の組立装置の一連の操作ステップを概略的に表す。
図4A図4Aは、本発明の装置の構成要素の異なる実施形態を概略的に表す。
図4B図4Bは、本発明の装置の構成要素の異なる実施形態を概略的に表す。
図4C図4Cは、本発明の装置の構成要素の異なる実施形態を概略的に表す。
図5A図5Aは、本発明の装置の例示的な接着の構成を概略的に表す。
図5B図5Bは、本発明の装置のの例示的な接着の構成を概略的に表す。
図5C図5Cは、本発明の装置のの例示的な接着の構成を概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
前述の図面を参照すると、図1および2において全体として10で示される、本発明のラメラパックを組み立てる装置は、ダイ切断ステーション12、およびダイ切断ステーション12においてシート15から切断されるストリップを接着するためのステーション14を備える。図1の矢印Xで示されているように、シート15は、ダイ切断ステーション12に向かって移動する。
【0031】
前記図面による好ましい実施形態では、接着ステーション14は、ダイ切断ステーション12の内側に配置されている。しかしながら、代替の実施形態によれば、接着ステーション14は、ダイ切断ステーション12の外側に配置することができる。これは、以下でよりよく説明される、製造プロセス要件および/または切断の条件による。
【0032】
以下においてその特性および動作がよく説明される、接着ステーション14では、(前記図による好ましい実施形態を参照すると)2成分接着剤(成分「A」、つまり接着剤の主成分))および2番目の成分(成分「B」、つまり接着反応の触媒)が使用される。2成分接着剤は、切断ダイの入口またはその中に浸漬または塗布される、スプレーまたはローラーによってシートの下面に噴霧される第1の接着剤成分(または成分「A」)、および後述するようにシートの上面に塗布される第2の成分(または成分「B」)を含む。
【0033】
上記の実施形態に代わる実施形態によれば、ラメラパックを規定するストリップの組み立てに使用される接着剤は、単一成分の接着剤である。この場合、シートの表面に塗布された接着剤の量は、下記で述べる通りである。
【0034】
接着ステーション14は、(方向Xに前方に移動する)シート15に対して、(図1および2の矢印Zによって示される)下降/上昇垂直方向に平行移動する可動要素16を備える。そして、接着ステーション14は、ラメラパックを定義する積み重ねられるストリップ上に接着剤を調製するための第1及び第2の接着ユニットを備える。
【0035】
前記第1及び第2の接着ユニットは、(図1および2の矢印Yによって示される)シート15の前方方向Xに垂直な方向に、前方/後方に水平移動する。
【0036】
図面による実施形態を特に参照すると、接着ステーション14は、第1の接着ユニット18および第2の接着ユニット19によって規定される2つの接着ユニットを含む。各々の接着ユニットは、複数のピン20が設けられており、これらは、以下でよりよく説明するように、(成分「B」または2成分接着剤の場合は第2の成分によって構成される)接着剤に浸漬され、シート15から切断されたストリップ15’上に堆積される。
【0037】
可動要素16の前後移動およびその下降/上昇移動は、空気式または油圧式または電気式の従来のアクチュエータによって行われる。前記動作は同時に行われる。すなわち、可動要素16の接着ユニット18および19の方向Zでの下降/上昇は、接着ユニット18および19の方向Yでの前後動作と同時に起こる。
【0038】
接着ステーション14は、第1及び第2の接着リザーバーを備え、図面による実施形態を参照すると、第1の接着リザーバー22および第2の接着リザーバー24を備える。第1の接着リザーバー22および第2の接着リザーバー24は、それぞれ(2成分接着剤の場合は第2の成分または成分「B」の)接着剤23を含む。接着リザーバーの数は、接着ユニットの数に対応することを理解されたい。
【0039】
第1の接着ユニット18および第2の接着ユニット19のピン20(依然として図面による実施形態を参照。)は、第1の接着リザーバー22および第2の接着リザーバー24から接着剤を拾い上げて、それをシート15のストリップ15’上に堆積させるのに適している。
【0040】
より具体的には、ピン20は、接着剤の液滴25を拾い上げる機能を有し、この目的のために、ピン20は、異なる構成の先端または端部(第1及び第2の接着ユニットに関して固定端と反対側の端部)を有することができる。その異なる構成は、使用する接着剤の種類またはシートの種類、またはさらに、シート15を切断する速度および/またはストリップの組み立てプロセスに伴う条件による。したがって、図面による実施形態の場合、前記第1及び第2の接着ユニットは、ピン20の数がラメラパックの特定の製造要件によって変化し得ることを考慮しながら、モジュラー構造を規定する。
【0041】
図4A、4B、および4Cは、ピン20の先端の3つの構成を示す。
図4Aは、先端21が凸状のピン20を示す。
図4Bは、先端21’が凹状のピン20を示す。
図4Cは、先端21”が平らなピンを示す。
【0042】
いずれの場合も、ピン20の先端は、上記で概説した条件に従って、異なる形状(例えば、円錐台形または円錐形、あるいは別の多かれ少なかれ複雑な形状)を含み得ることに留意されたい。
【0043】
前記第1及び第2の接着ユニットのピン20の数は、ストリップの特性およびその寸法仕様に対して機能する。
【0044】
さらに、ピン20は、ストリップへの接着剤の堆積の最適な制御を確保するための機能を有するばねおよび減衰手段(図には示されていない)を備え得る。
【0045】
例として、図5A~5Cは、3つの異なるタイプのピン20の配置、したがって、接着剤の堆積の配置を表す。
【0046】
図5Aは、円周に応じた配置を示す。図5Bは、ダイヤモンドまたは正方形の配置を示す。図5Cは、「中心面」を備えた配置を示す。いずれにせよ、他の異なる構成が可能である。
【0047】
上記の構造的特徴を参照しながら、本発明のラメラパックを組み立てるための装置の操作を以下に説明する。
【0048】
図2および図2による好ましい実施形態を特に参照すると、可動要素16の第1の接着ユニット18を第1の接着リザーバー22に向かって下降させ、接着剤の液滴25(図3A)を拾い上げるために、ピン20を接着剤23(2成分接着剤の場合は2番目の成分または成分「B」)に沈める(図3)。接着剤を拾い上げるための同様の動きは、第2の接着ユニット19も特徴付ける。
【0049】
次いで、前記第1の接着ユニットは、持ち上げられ、シート15から切断されたシート15’に向かって水平方向に平行移動される。そして、前記第1の接着ユニットを下降させ、ピン20をストリップの表面に接触させ(図3B)、接着剤23の液滴25をその上に放出させる(図3C)。
【0050】
第1の接着ユニット18は、ピン20がストリップ15’と接触するように、下降させられる。一方、第2の接着ユニット19は、第2の接着リザーバー24に向かって、動かされ、接着剤23の液滴25を拾い上げるために(図3A)、ピン20を接着剤に沈めることが可能となる(図3)。
【0051】
このような操作に加えて、ダイ切断ステーション12の入口で、2成分接着剤を使用する場合、ある量の接着剤(2成分接着剤の場合は、第1の成分「A」)を、スプレー/ローラーを用いて、シートの下面に、ストリップの上面に接着剤23の液滴を堆積させるのとは反対側に、噴霧する。
【0052】
単一成分の接着剤を使用する場合、スプレー/ローラーを使用して接着剤を噴霧するこのようなステップは実行されない。
【0053】
次に、第2の接着ユニット19を持ち上げて、シート15から切断されたストリップ15’(後続のストリップ)に向かって平行移動させ、前記ストリップに向かって下げて、その表面に接着剤の液滴を堆積させる。このような動きは、切断ステーションにおけるシート金属の前進と同時に発生する。
【0054】
同時に、第1の接着ユニットは、ピン20によって接着剤(第2の成分)を新たに拾い上げるために、第1の接着リザーバーに向かって移動される。
【0055】
したがって、接着剤を拾い上げてストリップに堆積させる操作は、作業サイクルを中断することなく、いわゆる「マスクされた時間」で行われる。実際には、一方の接着ユニットによってストリップに接着剤を堆積させるステップは、他方の接着ユニットによる接着剤の同時拾い上げに対応する。
【0056】
上記のようにラメラパックが完成すると、あるラメラパックを次のラメラパックと区別するために、接着ステーション14をシート上で動かさないことによって、および/または接着剤(第1の成分または成分「A」)を堆積するスプレー/ローラーを停止することによって、最後のパックが実現される。または、一成分の接着剤の場合はピンの動きが停止される。その後、新しいラメラパックの作製が上記のように開始される。
【0058】
本発明の装置によって達成される利点は、上記に照らして観察可能である。
【0059】
本発明のラメラパックを組み立てるための装置は、有利には、シートから切断されたストリップを、接着剤で、パックすることによって、組み立てを行うことができる。そして、ポンプおよびノズルを使用せずに、ポンプおよびノズルなどの保守を必要としない機械的ピンによって、組み立てを行うことができる。これにより、機械のダウンタイムが短縮され、その結果、生産時間と関連コストが削減される。
【0060】
本発明の装置のさらなる利点は、ピンによる接着剤の塗布、より具体的には、ストリップの表面への接着剤の液滴の堆積が、非常にきれいで局所的な接着モードを定義するという事実にある。これは、ストリップの表面に接着剤をスプレーする従来の接着技術とは異なる。
【0061】
本発明の装置のさらなる利点は、ノズル、ポンプ、および接着剤の流れを制御するためのシステムを使用することなく、ストリップの表面に接着剤の液滴を堆積させるのに適しているピンを使用するという事実にある。この使用により、従来知られている接着技術よりもはるかに低いコストで済む。
【0062】
さらに、本発明のさらなる利点は、ノズルおよび/または噴霧器を使用しないという事実にある。本発明は、対応する流体力学的パラメーター(例えば、接着圧力、接着温度、ノズル洗浄など)に制約されず、したがって、より高速な接着技術である。(リザーバーに収容されている本発明の装置の接着剤は、静的な状態にある。)実際のところ、ピンが摩耗または破損した場合は、ピンを交換するだけで十分である。(従来のスプレーノズルのコストと交換時間に比べて、非常に低コストであることが特徴の、簡単で迅速な操作である。)
【0063】
さらなる利点は、説明したように、接着ユニットがモジュラー型である(特定の製造要件に応じてピンの数と配置を変更できる可能性がある。)という事実にある。これにより、ダイ切断ステーションの内側と外側の両方で、ダイ切断ステーションの全体的な寸法に応じて(大きすぎるか小さすぎるダイ切断ステーションでも)、装置を簡単に組み立てることができる(例えば、ダイ切断ステーションの外側での組み立て)。
【0064】
本発明は、非限定的な例としてのみ提供されるその実施形態を特に参照して、上記に記載されてきたが、様々な修正および変形は、上記の説明に照らして当業者に明らかであろう。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲に含まれるすべての修正および変形を包含することを意図している。
図1
図2
図3
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C