(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-13
(45)【発行日】2024-11-21
(54)【発明の名称】エンドキャップ内に位置する充填バルブを備えたガススプリング締結具駆動ツール
(51)【国際特許分類】
B25C 1/04 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
B25C1/04
(21)【出願番号】P 2022545114
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(86)【国際出願番号】 US2021016853
(87)【国際公開番号】W WO2021158940
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-07-25
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519250431
【氏名又は名称】キョウセラ センコ インダストリアル ツールズ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】キャリア, アレクサンダー エル
【審査官】荻野 豪治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0375084(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0126530(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0126527(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0001007(US,A1)
【文献】特開2012-139779(JP,A)
【文献】国際公開第2016/190133(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0114500(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結具駆動ツール(10)であって、
可動ピストン(20、22)を含む作動シリンダ(41、44)であって、前記
作動シリンダは、前記
可動ピストンの第1の側に可変変位容積部(40)を含み、前記
作動シリンダは、前記
可動ピストンの反対側にある第2の側に可変通気容積部(42)を含む、作動シリンダと、
常に加圧されるように動作可能な貯蔵チャンバ(30)と、
前記締結具駆動ツールの端部部分の近くで、前記
作動シリンダ及び前記貯蔵チャンバのうちの少なくとも1つに取り付けられたエンドキャップであって、前記エンドキャップは、前記
作動シリンダ及び前記貯蔵チャンバと流体連通している少なくとも1つの第1のガス通路(62、64)を含む、エンドキャップ(50)と、
前記
可動ピストンと機械的に連通している可動ドライバ(90)と、
前記
可動ドライバの移動を案内するガイド本体(36)と、
前記エンドキャップの側部部分に装着された充填バルブ
サブアセンブリであって、
前記充填バルブサブアセンブリは充填バルブ(76)を含み、前記充填バルブは、当該充填バルブを含む充填バルブポケットを形成する金属によって囲われ、前記充填バルブポケットは、前記可動ピストン(20、22)の移動方向に実質的に平行な方向に配置され、全体的に前記作動シリンダに干渉しないように、前記作動シリンダ(41、44)の中心線から距離を置いて配置され、前記エンドキャップは、前記充填バルブの内端部と前記エンドキャップの前記少なくとも1つの第1のガス通路(62、64)と
に流体連通している第2のガス通路(74)を含み、前記充填バルブは、前記締結具駆動ツールのハウジングのいずれの部分も分解する必要なくアクセス可能である、充填バルブ
サブアセンブリと、
を備え、
前記充填バルブ(76)は、前記エンドキャップ(50)の真上の角度からアクセス可能であり、
前記
作動シリンダ(41、44)の前記可変変位容積部(40)、前記貯蔵チャンバ(30)、及び前記エンドキャップ(50)の前記少なくとも1つの第1のガス通路(62、64)は全て、前記締結具駆動ツール(10)の使用中に、加圧ガスを収容しており、
前記加圧ガスは、駆動ストローク後に大気へと排気されず、代わりに、前記加圧ガスは、複数の動作サイクルにわたって再使用される、
締結具駆動ツール(10)。
【請求項2】
前記貯蔵チャンバ(30)は、前記エンドキャップ(50)を通して、前記
作動シリンダ(41、44)と常に流体連通している、請求項1に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項3】
前記エンドキャップ(50)は、前記貯蔵チャンバ(30)から取り外し可能である、請求項1に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項4】
前記締結具駆動ツールの使用中に前記充填バルブ(76)
の外端部(212)を保護する充填バルブカバー(72)を更に備え、更に、前記充填バルブカバーは、前記ハウジングのいずれの部分も分解することなく、人間のユーザによって取り外し可能である、請求項3に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項5】
前記充填バルブ(76)は、シュレーダーバルブ(76、
図2)を含む、請求項1に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項6】
前記ガイド本体(36)は、前記
可動ドライバ(90)によって前記ガイド本体の出口部分(7)に向かって駆動される締結具を受け入れる、請求項1に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項7】
前記締結具駆動ツールの前記端部部分は、前記ガイド本体(36)の前記出口部分(7)とは反対側の端部に位置する、請求項6に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項8】
前記充填バルブ(76)が装着される前記エンドキャップ(50)の前記側部部分は、前記作動シリンダ(41、44)を通ってそれを越えて延びる仮想シリンダの境界の外側にある、請求項1に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項9】
締結具駆動ツール内に加圧ガスを充填するための方法であって、前記方法は、
(a)締結具駆動ツールを提供することであって、前記締結具駆動ツールは、
可動ピストン(20、22)を含む作動シリンダ(41、44)であって、前記作動シリンダは、前記可動ピストンの第1の側に可変変位容積部(40)を含み、前記作動シリンダは、前記可動ピストンの反対側にある第2の側に可変通気容積部(42)を含む、作動シリンダと、
常に加圧されるように動作可能な貯蔵チャンバ(30)と、
前記締結具駆動ツールの端部部分の近くで、前記作動シリンダ及び前記貯蔵チャンバのうちの少なくとも1つに取り付けられたエンドキャップであって、前記エンドキャップは、前記作動シリンダ及び前記貯蔵チャンバと流体連通している少なくとも1つの第1のガス通路(62、64)を含み、前記エンドキャップは、前記貯蔵
チャンバ(30)と流体連通しており、前記貯蔵
チャンバが加圧されている間、常に加圧されている、エンドキャップ(50)と、
前記可動ピストンと機械的に連通している可動ドライバ(90)と、
前記可動ドライバの移動を案内するガイド本体(36)と、
前記エンドキャップの側部部分に装着された充填バルブサブアセンブリであって、前記充填バルブサブアセンブリは充填バルブ(76)を含み、前記充填バルブは、当該充填バルブを含む充填バルブポケットを形成する金属によって囲われ、前記充填バルブポケットは、前記可動ピストン(20、22)の移動方向に実質的に平行な方向に配置され、全体的に前記作動シリンダに干渉しないように、前記作動シリンダ(41,44)の中心線から距離を置いて配置され、前記エンドキャップは、前記充填バルブの内端部と前記エンドキャップの前記少なくとも1つの第1のガス通路(62、64)とに流体連通している第2のガス通路(74)を含む、充填バルブサブアセンブリと、
を備える、締結具駆動ツールを提供することと、
(b)前記エンドキャップ(50)の真上の角度から前記充填バルブ(76)にアクセスすることと、
(c)前記締結具駆動ツールのハウジングのいずれの部分も分解する必要なく、前記充填バルブの外端部(212)に加圧ガス源を取り付けることと、
(d)前記加圧ガス源から前記充填バルブ(76)を通して加圧ガスを圧送し、それによって、前記貯蔵チャンバ(30)を追加の加圧ガスで充填することと、
を含む、方法。
【請求項10】
(a)前記充填バルブ(76)の前記外端部(212)に取り付けられ、かつ、前記締結具駆動ツール(10)の使用中に前記充填バルブの前記外端部を保護する、取り外し可能な充填バルブカバー(72)を提供することと、
(b)前記充填バルブの前記外端部(212)に加圧ガス源を取り付けることの前に、前記充填バルブカバー(72)を取り外し、前記充填バルブ(76)へのすぐのアクセスを提供することと、
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(a)前記締結具駆動ツールの少なくとも一部分を覆うハウジングを提供すること、
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
締結具駆動ツール(10)であって、
可動ピストン(20、22)を含む作動シリンダ(41、44)であって、前記可動ピストンは前記作動シリンダ内で往復運動を行い、前記作動シリンダは、前記可動ピストンの第1の側に可変変位容積部(40)を含み、前記作動シリンダは、前記可動ピストンの反対側にある第2の側に可変通気容積部(42)を含む、作動シリンダと、
貯蔵チャンバ(30)と、
前記締結具駆動ツールの端部部分で、前記作動シリンダ(41、44)及び前記貯蔵チャンバ(30)のうちの少なくとも1つに取り付けられたエンドキャップであって、前記エンドキャップは、前記作動シリンダ及び前記貯蔵チャンバと流体連通している少なくとも1つの第1のガス通路(62、64)を含む、エンドキャップ(50)と、
前記可動ピストン(20、22)と機械的に連通している可動ドライバ(90)と、
前記可動ドライバの移動を案内するガイド本体(36)と、
前記エンドキャップの側部部分に装着された充填バルブサブアセンブリであって、前記充填バルブサブアセンブリは充填バルブ(76)を含み、前記充填バルブは、当該充填バルブを含む充填バルブポケットを形成する金属によって囲われ、前記充填バルブポケットは、前記可動ピストン(20、22)の移動方向に実質的に平行な方向に配置され、全体的に前記作動シリンダに干渉しないように、前記作動シリンダ(41,44)の中心線から距離を置いて配置され、前記エンドキャップは、前記充填バルブの内端部と前記エンドキャップの前記少なくとも1つの第1のガス通路(62、64)とに流体連通している第2のガス通路(74)を含む、充填バルブサブアセンブリと、
を備え、
前記充填バルブ(76)の外端部が、前記エンドキャップ(50)の真上の角度からアクセス可能なように、前記エンドキャップは、前記締結具駆動ツール(10)の前記ガイド本体(36)から遠位端に位置し、
前記作動シリンダ(41、44)の前記可変変位容積部(40)、前記貯蔵チャンバ(30)、及び前記エンドキャップ(50)の前記少なくとも1つの第1のガス通路(62、64)は全て、前記締結具駆動ツール(10)の使用中に、加圧ガスを収容しており、
前記加圧ガスは、駆動ストローク後に大気へと排気されず、代わりに、前記加圧ガスは、複数の動作サイクルにわたって再使用される、
締結具駆動ツール(10)。
【請求項13】
前記締結具駆動ツールの使用中に前記充填バルブ(76)の前記外端部(212)を保護する充填バルブカバー(72)を更に備え、更に、前記充填バルブカバーは、直接アクセス可能である、請求項12に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項14】
前記充填バルブは、全体的に前記作動シリンダに干渉しないように、前記作動シリンダ(41、44)の中心線から距離を置いて配置されている、請求項13に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項15】
前記充填バルブ(76)は、前記エンドキャップにおいて1時30分の位置、4時30分の位置、7時30分の位置及び10時30分の位置に配置された複数の締結具(82)と全体的に干渉しない6時の位置で前記エンドキャップに位置する、請求項14に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項16】
締結具駆動ツール(10)であって、
可動ピストン(20、22)を含む作動シリンダ(41、44)であって、前記可動ピストンは前記作動シリンダ内で往復運動を行い、前記作動シリンダは、前記可動ピストンの第1の側に可変変位容積部(40)を含み、前記作動シリンダは、前記可動ピストンの反対側にある第2の側に可変通気容積部(42)を含む、作動シリンダと、
貯蔵チャンバ(30)と、
前記締結具駆動ツールの端部部分で、前記作動シリンダ(41、44)及び前記貯蔵チャンバ(30)のうちの少なくとも1つに取り付けられたエンドキャップであって、前記エンドキャップは、前記作動シリンダ及び前記貯蔵チャンバと流体連通している少なくとも1つの第1のガス通路(62、64)を含む、エンドキャップ(50)と、
前記可動ピストン(20、22)と機械的に連通している可動ドライバ(90)と、
前記可動ドライバの移動を案内するガイド本体(36)と、
充填バルブ(76)であって、前記充填バルブは、前記エンドキャップ(50)
に搭載され、前記充填バルブは、前記可動ピストン(20、22)の移動方向に実質的に平行な方向に配置され、前記エンドキャップは、前記充填バルブの内端部と前記エンドキャップの前記少なくとも1つの第1のガス通路(62、64)とに流体連通している第2のガス通路(74)を含む、充填バルブと、
を備え、
前記充填バルブ(76)は、全体的に前記作動シリンダ(41、44)と干渉しないように、前記作動シリンダの中心線から距離を置いて配置され、
前記充填バルブ(76)は、前記エンドキャップにおいて1時30分の位置、4時30分の位置、7時30分の位置及び10時30分の位置に配置された複数の締結具(82)と全体的に干渉しない6時の位置で前記エンドキャップに位置し、
前記作動シリンダ(41、44)の前記可変変位容積部(40)、前記貯蔵チャンバ(30)、及び前記エンドキャップ(50)の前記少なくとも1つの第1のガス通路(62、64)は全て、前記締結具駆動ツール(10)の使用中に、加圧ガスを収容しており、
前記加圧ガスは、駆動ストローク後に大気へと排気されず、代わりに、前記加圧ガスは、複数の動作サイクルにわたって再使用される、
締結具駆動ツール(10)。
【請求項17】
前記貯蔵チャンバ(30)は、前記エンドキャップ(50)を通じて、前記作動シリンダ(41、44)と常に流体連通している、請求項16に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項18】
前記ガイド本体(36)は、前記可動ドライバ(90)によって前記ガイド本体の出口部分(7)に向かって駆動される締結具を受け入れる、請求項16に記載の締結具駆動ツール(10)。
【請求項19】
前記締結具駆動ツールの前記端部部分は、前記ガイド本体(36)の前記出口部分(7)とは反対側の端部に位置する、請求項18に記載の締結具駆動ツール(10)。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年2月5日に出願された「GAS SPRING FASTENER DRIVING TOOL WITH FILL VALVE LOCATED IN AN END CAP」と題された米国仮特許出願第62/970,376号に対する優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本明細書に開示される技術は、概して、直線締結具駆動ツールに関し、より具体的には、ステープル、釘、又は他の直線的に駆動される締結具を駆動する携帯型ツールを対象とする。少なくとも1つの実施形態は、直線締結具駆動ツールで使用される「主」加圧貯蔵チャンバ(「圧力チャンバ」)として開示され、圧縮ガスで充填される作動シリンダは、駆動ストローク運動によって、ピストンを作動シリンダを通して素早く押し込むために、また、締結具をワークピース内へと駆動するために使用される。作動シリンダは、ピストンを「発射」するために使用される圧縮ガスの大部分を保持する圧力チャンバと(エンドキャップを介して)流体連通している。圧力チャンバの上部部分に締結されているエンドキャップの側部部分に、充填バルブが設けられる。エンドキャップはまた、作動シリンダの上部領域を覆う。
【0003】
充填バルブは、組み合わせ圧力チャンバ及び作動シリンダ内へと(又はそれらから)加圧ガスをユーザが安全に再充填する(又は抜き取る)ことを可能にするように設計されている。この充填バルブは、エンドキャップのまさに上部部分の近くで定位置に締結されるが、作動シリンダと物理的に干渉しないように、側部に外れている。充填バルブは、ツールの外側ケーシングのいずれの部分も分解することなく、その充填バルブへのアクセスを素早く取得するために人間のユーザによって容易に除去することができる、外側カバーを有する。いったん充填バルブカバーが除去されると、それを所定の位置に保持していたねじ山が露出される。人間のユーザは、再充填アダプタサブアセンブリを(充填バルブカバーが以前あった場所で)前述の露出されたねじ山に容易に取り付けることができる。いったん再充填アダプタサブアセンブリが取り付けられると、加圧ガスを、ガス圧力源から再充填アダプタサブアセンブリのホースを通して、エンドキャップ内の充填バルブを通して、次いで、エンドキャップの構造によって形成される内部チャンバ内へと押し込むことができる。その場所から、加圧ガスは、圧力チャンバ内及び作動シリンダ内へと更に移動することができる。
【0004】
好ましい充填バルブは、所望される場合には、人間のユーザが加圧ガスの一部を抜き取ることをも可能にするシュレーダーバルブである。充填バルブの「出力側」は、比較的小さなガス通路と流体連通しており、この通路は、ツールの「主」圧力チャンバと流体連通している内部チャンバにつながっている。その内部チャンバはまた、(上部において)別のガス通路と流体連通しており、この通路は、作動シリンダの変位容積部につながっている。したがって、ツールが完全に組み立てられると、主圧力チャンバと、内部チャンバと、「上部」ガス通路と、作動シリンダの変位容積部とは全て流体連通する。
【0005】
エンドキャップの別の特徴は、修理が望まれる場合に、又は摩耗若しくは破損した部品の交換が望まれる場合に、作動シリンダの内部部品へのアクセスを取得するために人間のユーザによって取り外しできることである。ツールと共に使用されているとき、取り外し可能なエンドキャップは、複数のねじ付きスクリューによって圧力チャンバの外壁に取り付けられており、エンドキャップの形状は、その大きなOリングシールと共に、それらのスクリューを緩めている間に、加圧ガスが安全に漏出し始めることを可能にする。最後のスクリューが、圧力チャンバの外壁からエンドキャップを物理的に取り外すことができる点まで緩められるときまでに、加圧ガスの大部分が安全な圧力の大きさまで低減され、それにより、人間のユーザには、加圧ガスの突発的な危険な放出によりツールのいずれの部分もユーザの顔に飛び散らせる危険がない。
【0006】
連邦政府支援の研究又は開発に関する陳述
なし。
【背景技術】
【0007】
多くの従来の締結具駆動ツールはピストンを使用して、それらの動作サイクルの一部として、釘又はステープルを標的ワークピース内へと押し込むドライバブレードを移動させる。これらのピストンは、典型的には、圧縮空気によって、又は場合によっては燃焼空気によって駆動される。Sencoによって販売されているFUSION(登録商標)として知られている加圧空気ツールの製品ラインでは、加圧空気は、主貯蔵チャンバに貯蔵され、その空気は、大気へと排気されず、代わりに、複数回再使用され、駆動ストロークを複数回駆動することができる(加圧空気の充填ごとに、数千回の動作サイクル数を含む)。
【0008】
初期の空気ばね締結具駆動ツールが、Sollbergerによる米国特許第4,215,808号に開示されている。Sollberger特許は、ラックアンドピニオン型ギアを使用して、ピストンをその駆動位置へと「持ち上げ」戻していた。別個のモータは、ユーザによって装着されたベルトに取り付けるためのものであり、別個の可撓性の機械的ケーブルを使用して、モータの機械的出力を駆動系を介して駆動ツールのピニオンギアに伝達していた。
【0009】
別の空気ばね締結具駆動ツールが、Kondoによる米国特許第5,720,423号に開示されている。このKondo特許は、空気補充ピストンを備えた別個の空気補充供給タンクを使用して、ピストンを駆動するために必要とされる加圧空気をリフレッシュし、ピストンが、今度は締結具を物体内に駆動させていた。
【0010】
従来技術で知られているSenconoのFUSION釘打機ツールのうちの1つは、
図5に概して参照番号5によって示されている。上記のように、このツールは、Kyocera Senco Industrial Tools,Inc.によって商標FUSIONで販売されている。これは、FUSIONツールの元来の実施形態であり、より最近のバージョンは、正確には
図1に示されるもののように見えないが、FUSIONツールの新しいバージョンは、同じ基本原理で作動する同じ基本部品を含む。
【0011】
釘打機ツール5は、加圧チャンバ部分6、出口端部(釘が発射される場所)7、締結具マガジン部分8、及び手動トリガ9を含む。これは部分切り欠き図であり、したがって、内部構成要素のうちの多くが見えている。このツールには充填バルブを有さない。
【0012】
別の空気ばね締結具駆動ツールが、Pediciniによる米国特許出願公開第2006/0180631号に開示されており、これはラックアンドピニオンを使用して、ピストンをその駆動位置へと移動して戻す。ラックアンドピニオンギアは、駆動ストローク中に切り離され、この切り離しを検出するためにセンサが使用される。Pediciniのツールは、解放弁を使用して、釘駆動の間に失われた空気を補充する。
【0013】
このPediciniの開示は、釘を発射するブレードを駆動する作動シリンダのまさに背面(又は「上部」)に空気再充填バルブを配置する。そのような再充填バルブの実際の物理的構造は、Pediciniの図面には示されていないが、バルブが作動シリンダの背面(又は上部)部分の中心に配置されることが明確に示されている。ほとんどの釘駆動ガンでは、ツールの向きは、底部に向けられたツールの釘出力部分を有し、それによって、釘は、概ね垂直方向に下向きに発射されていることに留意されたい。したがって、ツールの「上部」は、Pediciniの
図1に示されるように、作動シリンダの背面部分又は後部部分と本質的に同じものである。
【0014】
Kyocera Senco Industrial Tools,Inc.(「Senco」)は、コードレスツールの利便性を有する電力及び空気動力ツールの実用性を組み合わせたツールを含む、ネイラと称される自動電動ツールの製品ラインを販売している。そのようなツールの1つの主要な特徴は、それらが釘を発射するピストンを駆動するために加圧空気を使用するということである。いくつかのSencoツールでは、加圧空気が何度も繰り返し再使用されるため、いかなる圧縮空気ホース、又は燃料を必要とする燃焼室の必要性はない。
【0015】
Sencoの「空気ツール」は、非常に信頼性が高く、典型的には、いかなる有意なメンテナンスもなしに数千回の発射サイクルに耐えることができるが、実際には特定の構成要素に対して摩耗特性を有する。例えば、数千回の動作後、圧力チャンバ内のガス圧力が、ゆっくりと漏れて増圧が必要になる圧力レベルまで下がることがあり、又は、ツールは、締結具をそれらの標的ワークピース内へと正常に駆動することができなくなり始めることになる。それが起こると、追加の加圧ガスを圧力チャンバに加えなければならない。更に、「空気ツール」に機械的故障(詰まりなど)が生じた場合、ツールを分解する必要があることになり、圧力チャンバから加圧ガスを抜き取る必要がある。
【0016】
従来は、加圧ガスを補給することが必要なSencoの「空気ツール」を、Senco地域サービスセンターに送らなければならなかった。追加の加圧ガスをツールに再充填する手順は、通常のユーザが実行し得るものではなかった。特別な固定具が必要であり、更に、このタイプのツールは、ユーザが警告を無視し、圧力チャンバを不適切に保守することを選択した場合には、傷害を引き起こすことがある。例え釘の駆動には効果がない圧力レベルまで低減されている場合であっても、ガス圧力は依然としてかなり高く、特別な固定具なしでツールを「開く」ことを試みた場合には、その人を負傷させる可能性がある。
【0017】
締結具駆動ツールのピストンを駆動するために必要な動力を提供するために、ホースによって圧縮空気源に接続される外部空気継手を使用する、様々なタイプの「空気ツール」が長年にわたって製造及び販売されてきた。これらの「空気ツール」設計の多くでは、圧縮空気取り付け点は、空気ツールの全体的な形状の外部にあり、それによって寸法を増大させる継手であった。これは、通常の動作のためにツールに接続された長い空気ホースを有する空気ツールでは、空気ホース自体が常に、その空気ツールの人間のユーザによるいかなる動きの邪魔になっているので、それほどの不利ではなかったかも知れない。しかしながら、FUSION(商標)として知られている、Sencoによって販売されているツールのラインでは、このタイプの「空気ツール」には外部ホース又は外部継手がなく、したがって、ツールから外向きに延びた再充填バルブ機構は、事実、ユーザが取り扱うときにツールの移動にとって何らかの障害となるであろう。したがって、ガス再充填バルブ機構を提供するときには、ツールのサイズが大幅には大きくならず、ユーザによる取り扱いがぎこちなくならないように注意を払わなければならない。
【0018】
ある意味では、FUSIONタイプの「ガススプリングツール」は、ある程度まで成熟しており、そのようなツールの2つ以上の製造業者によって、主に、これらのツールの信頼性が非常に高く、典型的には何千回もの動作サイクルに耐えることを理由に、ガス再充填バルブが望ましいと判断された。ある内部部品が摩耗し始めることになる、そのような数千回ものサイクルの後、次いで、貯蔵チャンバと作動シリンダとの組み合わせからの典型的なわずかなガス漏れが見られるようになった後にのみ、かつ、その状況で、それらのチャンバへの加圧ガスの追加の充填が望ましいであろう。
【0019】
別の可能性は、特に、釘などの締結具がドライバブレードによって駆動される間に詰まったときに、ツールが損傷し得ることであり、その状況では、人間のオペレータがそのツールを使用し続けることができるように、内部部品を修理又は交換するためにツールを開く必要がある場合がある、又は、最低限でも、詰まった釘をドライバトラックから除去する必要がある。より新しい特許出願は、「解放」バルブとしても使用される再充填バルブの使用を開示しており、それによって、作動シリンダ及び/又は加圧貯蔵チャンバ内の加圧ガスをそのような解放バルブを通して放出することにより、修理が必要になり得る場合に、その動作のためにツールを安全に開けるようになる。
【0020】
この種の特許の開示の一例は、Milwaukee Electric Tool Corporationが所有する、Wylerによる米国特許出願公開第2016/0229043号である。このWylerの公開された出願は、
図2に示されている充填バルブ34を開示している。充填バルブは、円筒状の圧力チャンバの側面から、ガイド本体と圧力チャンバの上部との間の略中間に突出する、正方形のフットパッド金属ベース(又は「フッタ」)に装着されている。充填バルブ34の配置は、充填バルブがツールのハンドルの中空空間内に収容されるので重要であり、そのようにすると、充填バルブは、ツールを使用するときの人間のオペレータのいかなる手の動きの邪魔にならない。一方で、充填バルブがツールのハンドルの内側にあるという事実は、充填バルブにアクセスすることが可能になる前に、ツールのケーシングを少なくとも部分的に分解しなければならないことを意味する。
【0021】
充填バルブを備える別のガススプリング締結具駆動ツールが、Hitachi Koki Company,Ltd.が所有する、Komazakiによる米国特許出願公開第2018/0036870号に開示されている。Komazakiでは、充填バルブは、参照番号260で「取込みバルブ」と称され、上述のPediciniで開示されているものと同様に、空気圧室のまさに上部に位置決めされる。更に、Komazakiの取込みバルブは、一方向の逆止弁であり、更には、空気通路を開放するための、又は空気通路を閉鎖したままにするための何らかのタイプのスイッチレバーを有するので、追加の加圧ガスを空気圧室に配置するためのみに使用することができる。加圧ガスをこのツールから解放すべき場合には、
図10に示すように、別個の「リリーフ」バルブ360がツールの上部に追加される。
【0022】
充填バルブを備えた更に別のガススプリング締結具駆動ツールは、Hitachi Koki Company Ltd.が所有する、Koboriによる米国特出願公開第2018/0290279号に開示されている。この公開された出願は、
図7に参照番号71で、加圧ガス室の底部壁に取り付けられている「充填バルブ」を示している。この充填バルブ71はまた、同じ図が、圧縮室内のガスを放出するように動作される第2の「リリーフバルブ」81を示すので、単方向ガス弁である。これらのバルブの両方は、主貯蔵圧力チャンバの底部壁に取り付けられている。
【発明の概要】
【0023】
したがって、本明細書に開示される本技術の利点は、圧力チャンバが、ツールの上部の近くに位置決めされた再充填バルブサブアセンブリを含む、ガススプリングの原理に基づいて動作する締結具駆動ツールを提供することである。
【0024】
本技術の別の利点は、ガススプリングの原理に基づいて動作し、かつ、ツールの作動シリンダの内部部分へのアクセスをする前に主貯蔵チャンバ内の加圧ガスを安全に解放することができるように、制御された様式で解放することができる締結具のセットを使用して、主加圧貯蔵チャンバにそれ自体が締結されているエンドキャップに恒久的に装着された再充填バルブサブアセンブリを提供し、主加圧貯蔵チャンバにそれ自体が固定されているエンドキャップに恒久的に装着された再充填バルブサブアセンブリを提供する、締結具駆動ツールを提供することである。
【0025】
本技術の更なる利点は、ガススプリングの原理に基づいて動作する締結具駆動ツールを提供することであり、ツールは、特別な固定具なしで通常の人間のユーザにとって安全な制御されたやり方で内部ガス圧力を解放することができるように、制御されたやり方で緩めることができる締結具のセットを使用して、主加圧貯蔵チャンバに締結されるエンドキャップを含み、それにより、ユーザが、摩耗した部品の修理又は交換のためにツールの内部部分にアクセスすることが可能になる。
【0026】
本技術の更に別の利点は、ガススプリングの原理に基づいて動作する締結具駆動ツールを提供することであり、ツールは、作動シリンダと並んで、作動シリンダの遠位端を覆うエンドキャップ内に配置されている再充填バルブサブアセンブリを含み、再充填バルブは、主加圧貯蔵チャンバと流体連通し、作動シリンダの変位容積部とも流体連通しているエンドキャップの内部チャンバへの接続通路を有する。
【0027】
本技術の更なる利点は、ガススプリングの原理に基づいて動作する締結具駆動ツールを提供することであり、ツールは、ツールの上部近くに、エンドキャップ内に配置された再充填バルブサブアセンブリを含み、再充填バルブは、ツールのエンクロージャ又はハウジングのいずれの部分も分解する必要なく、再充填バルブへの迅速なアクセスを取得するために、人間のオペレータによって容易に取り外し可能なバルブカバーによって覆われている。
【0028】
本技術の更なる利点は、ガススプリングの原理に基づいて動作する締結具駆動ツールを提供することであり、ツールは、充填バルブは、再充填バルブサブアセンブリを含み、再充填バルブは、充填動作が行われた後に、主貯蔵チャンバ、エンドキャップの内部チャンバ、及び作動シリンダの変位容積部内の加圧ガスの圧力を容易に低減することができるように、「充填バルブ」と「解放バルブ」の両方として作用することができ、その充填動作は、加圧ガスチャンバを含む、ツールの内部部分をいくらか過剰に加圧している。
【0029】
本技術の更なる利点は、ガススプリングの原理に基づいて動作する締結具駆動ツールを提供することであり、ツールは、比較的迅速な接続及び切断再充填アダプタサブアセンブリ及びノズルを受け入れることができる再充填バルブサブアセンブリを含む。
【0030】
追加的な利点及び他の新規な特徴は、以下の説明において一部が記載され、一部は、以下を検討することで当業者には明らかとなることになる、又は、本明細書で開示される技術を実践することで習得することができる。
【0031】
前述及び他の利点を達成するために、及び一態様によれば、締結具駆動ツールであって、可動ピストンを含む作動シリンダであって、シリンダは、ピストンの第1の側に可変変位容積部を含み、シリンダは、ピストンの反対側にある第2の側に可変通気容積部を含む、作動シリンダと、貯蔵チャンバと、締結具駆動ツールの端部部分の近くで、シリンダ及び貯蔵チャンバのうちの少なくとも1つに取り付けられたエンドキャップであって、エンドキャップは、シリンダ及び貯蔵チャンバと流体連通している少なくとも1つの第1のガス通路を含む、エンドキャップと、ピストンと機械的に連通している可動ドライバと、ドライバの移動を案内するガイド本体と、エンドキャップの側部部分に装着された充填バルブであって、エンドキャップは、充填バルブの内端部とエンドキャップの少なくとも1つの第1のガス通路との間で移動する、第2のガス通路を含む、充填バルブと、を備え、シリンダの可変変位容積部、貯蔵チャンバ、及びエンドキャップの少なくとも1つの第1のガス通路は全て、締結具駆動ツールの使用中に、加圧ガスを収容しており、加圧ガスは、駆動ストローク後に大気へと排気されずに、代わりに、加圧ガスは、複数の動作サイクルにわたって再使用される、締結具駆動ツールが提供される。
【0032】
別の態様によれば、締結具駆動ツール内に加圧ガスを充填するための方法が提供され、本方法は、(a)締結具駆動ツールを提供するステップであって、締結具駆動ツールは、可動ピストンを含む作動シリンダであって、シリンダは、ピストンの第1の側に可変変位容積部を含み、シリンダは、ピストンの反対側にある第2の側に可変通気容積部を含む、作動シリンダと、貯蔵チャンバと、締結具駆動ツールの端部部分の近くで、シリンダ及び貯蔵チャンバのうちの少なくとも1つに取り付けられたエンドキャップであって、エンドキャップは、シリンダ及び貯蔵チャンバと流体連通している少なくとも1つの第1のガス通路を含む、エンドキャップと、ピストンと機械的に連通している可動ドライバと、ドライバの移動を案内するガイド本体と、エンドキャップの側部部分に装着された充填バルブであって、エンドキャップは、充填バルブの内端部とエンドキャップの少なくとも1つの第1のガス通路との間で移動する、第2のガス通路を含む、充填バルブと、を備える、締結具駆動ツールを提供するステップと、(b)充填バルブの外端部に加圧ガス源を取り付けるステップと、(c)加圧ガス源から充填バルブを通して加圧ガスを圧送し、それによって、貯蔵チャンバを追加の加圧ガスで充填するステップと、を含む。
【0033】
更に別の態様によれば、締結具駆動ツールであって、加圧ガスを貯蔵するための手段と、加圧ガスを貯蔵するための手段内へと追加の加圧ガスを導入するためのバルブ手段と、加圧ガスを使用して、駆動ストロークにおいて往復運動要素を推進するための手段であって、加圧ガスは、駆動ストローク後に大気に排気されず、代わりに、加圧ガスは、往復運動要素の複数の動作サイクルにわたって再使用される、推進するための手段と、動作サイクルを完了するために、戻りストロークにおいて往復運動要素を推進するための手段と、を備える、締結具駆動ツールが提供される。
【0034】
更に他の利点は、本技術を実施するために想到される最良の形態のうちの1つにおける好ましい実施形態が説明及び示されている、以下の説明及び図面から、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書で開示される技術は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全てその原理から逸脱することなく、様々な明白な態様において修正が可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないと見なされる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本明細書で開示される技術のいくつかの態様を示すものであり、説明及び請求項と共に、本技術の原理を説明する役割を果たす。図面では、
【0036】
【
図1】
図3の断面線1-1に沿って取られた、ガススプリング締結具駆動ツールの作動シリンダサブアセンブリ全体の断面立面図であり、作動シリンダサブアセンブリ及びガススプリングツールは、本明細書に開示される技術の原理に従って構築されている。
【0037】
【
図2】
図1の作動シリンダサブアセンブリ全体の部品を示す等角分解図である。
【0038】
【
図3】
図1の作動シリンダサブアセンブリの上側部分であるエンドキャップの上面図である。
【0039】
【
図4】
図1と同様の別の断面立面図であるが、この図にはピストン又はドライバは含まれない。
【0040】
【
図5】FUSION(登録商標)釘駆動ツールとして知られているSencoガススプリング締結具駆動ツールの以前の実施形態の側面図である。
【0041】
【
図6】Sencoガススプリング締結具駆動ツールの以前の実施形態の正面図であり、リフタ及びラッチ機構、並びにドライバの代替実施形態を示す。
【0042】
【
図7】
図1の作動シリンダサブアセンブリの充填バルブと共に使用される再充填アダプタサブアセンブリの等角分解図である。
【0043】
【
図8】
図1の作動シリンダサブアセンブリの充填バルブと共に使用される再充填アダプタサブアセンブリの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
ここで、本発明の好ましい実施形態を詳細に参照するが、その実施例は、添付図面に示されており、同様の数字は、図面全体を通して同じ要素を示す。
【0045】
本明細書で開示される技術は、その適用において、以下の説明に記載されるか若しくは図面に示される、構成要素の構成及び配置の詳細に限定されるものではない点を理解されたい。本明細書で開示される技術は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行されることが可能である。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明を目的とするものであって、限定するものと見なされるべきではない点も理解されたい。本明細書における、「含む(including)」、「備える(comprising)」、又は「有する(having)」、及びそれらの変化形の使用は、その後に列挙される項目及びそれらの等価物、並びに追加的な項目を包含することを意味する。特に限定されない限り、本明細書における用語「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」、又は「取り付けられた(mounted)」、及びそれらの変化形は、広範に使用され、直接的及び間接的な接続、結合、若しくは取り付けを包含する。更には、用語「接続された」又は「結合された」、及びそれらの変化形は、物理的又は機械的な接続若しくは結合に限定されない。更には、用語「通信している(communicating with)」又は「通信状態である(in communicating with)」とは、2つの異なる物理的要素又は仮想的要素が、信号若しくは情報の伝達が直接的であるかどうか、又は、それらの間に、信号若しくは情報の受け渡しにも関与する追加的な物理的要素又は仮想的要素が間にあるかどうかに関わらず、何らかの形で互いに信号若しくは情報を相互に受け渡すことを示す。更には、用語「連通状態である(in communicating with)」とはまた、「連通」の一方の端部(「第1の端部」)が、発生するある特定の運動力(機械的移動、油圧若しくは空気圧の状態変化)の「原因」であり得、かつ「連通」の他方の端部(「第2の端部」)が、「第1の端部」と「第2の端部」との間に中間構成要素が存在するか否かに関わらず、その移動/状態変化の「影響」を受け取ることが可能な、機械、油圧、又は空気圧システムを指すことができる。製品が、磁場に依存する移動部品を有するか、又は何らかの形で磁場の変化を検出する場合、又は、磁場の使用によって一方の電子デバイスから別の電子デバイスにデータが受け渡される場合には、それらの状況を、互いに「磁気通信している」事項として言及することが可能であり、この場合、「通信」の一方の端部が磁場を誘起することができ、他方の端部が、その磁場を受信して、その磁場から作用を受ける(又は、他の方式で影響を受ける)ことができる。
【0046】
要素名、例えば、第1の入口、第2の入口などに先行する用語「第1」又は「第2」は、類似若しくは関連する要素、結果、又は概念を区別するための識別目的のために使用されており、必ずしも順序を意味することを意図するものではなく、用語「第1」又は「第2」は、別途指示のない限り、追加的な類似若しくは関連する要素、結果、又は概念の包含を排除することを意図するものでもない。
【0047】
更には、本明細書で開示される実施形態は、説明の目的のために、構成要素の大部分がハードウェアのみで実装されているかのように、図示及び説明される場合がある、ハードウェア及び電子構成要素又はモジュールの両方を含むことを理解されたい。
【0048】
しかしながら、当業者は、この発明を実施するための形態を読むことに基づいて、少なくとも1つの実施形態では、本明細書に開示される技術の電子ベースの態様がソフトウェアで実装され得ることを認識するであろう。したがって、複数のハードウェア及びソフトウェアベースのデバイス、並びに複数の異なる構造構成要素が、本明細書に開示される技術を実装するために利用され得ることに留意されたい。更に、ソフトウェアが利用される場合、そのようなソフトウェアを実行する処理回路は、汎用コンピュータであってもよく、その一方で、特にこの技術を具体的に実装するために設計され得る専用コンピュータによって他の方法で実行され得る全ての機能を果たすことができる。
【0049】
本明細書で使用するとき、用語「回路」は、集積回路チップ(又はその一部分)などの実際の電子回路を表すことができること、又は、論理状態マシン若しくは別の形態の処理要素(逐次処理回路を含む)を含む、マイクロプロセッサ若しくはASICなどの処理回路によって実行される機能を表すことができることが理解されるであろう。特定のタイプの回路は、いくつかのタイプのアナログ回路又はデジタル回路であってもよいが、そのような回路は、場合により、論理状態マシン又は逐次プロセッサによってソフトウェアで実装され得る。換言すれば、本明細書に開示される技術に使用される所望の機能(復調機能など)を実行するために処理回路が使用される場合、「復調回路」と呼ばれることがある特定の「回路」が存在しなくてもよいが、ソフトウェアによって実行される復調「機能」が存在することになる。これらの可能性の全ては、本発明者らによって想到され、「回路」を検討する際の本技術の原理内である。
【0050】
ここで
図1を参照すると、FUSIONタイプのツールの新しい実施形態が示されている。加圧チャンバサブアセンブリは、側方から断面図で示されており、概して参照番号10によって示されている。圧力チャンバの外側スリーブ又は外壁は、46で示されており、圧力チャンバの上部部分は、参照番号80によって示されるエンドキャップサブアセンブリによって覆われている。より少数の構成要素を示す同様の断面図が
図4に示されており、これらの断面図の両方は、
図3の断面線1-1に沿って取られている。
【0051】
ここで
図1を参照すると、可動ピストンは、作動シリンダ内にあるものとして示されており、作動シリンダの外側の円筒壁は44で示されている。この実施形態では、ピストンは2つの別個の部品として提供され、ピストンの上部部分20は、Delrinなどの非金属材料で作製されており、22のピストンの底部部分は、アルミニウムなどの金属材料で作製されている。この実施形態では、2つのピストン半体は、ピストン(アルミニウム部分)の底部については雄ねじであり、上側の非金属部分20については雌ねじであり、これらは、ねじ山28に沿って一緒にねじ留めされて、単一の往復運動サブアセンブリとなる。そのような往復運動するピストンの正確な形状及び構造は、本明細書に開示されるこの技術の原理内に依然として留まっている一方で、かなり異なり得ることが理解されよう。
【0052】
上側ピストン部分20は、円筒状の外面に、いくつかの外側チャネルを含み、それによって、潤滑剤を含有する環状の発泡体部品を、その上側チャネル内に配置することができ、この場合には24の上側発泡体である。ピストンの次の溝は、クアッドシール26を収容している。ピストンの外側部分の次の下側の溝は、潤滑剤を含有していてもよく、有していなくてもよい別の環状の発泡体部品25を収容している。下側発泡体部品25の潤滑剤の有無の選択は、ツール全体のシステム設計者次第である。
【0053】
図1では、ピストンサブアセンブリは中央位置に示されており、エンドキャップ80に向かって(この図では)更に上向きに、又はピストン停止部38に向かって(この図では)更に下向きに、往復して移動することができる。(ピストン停止部は、バンパーとも称される)。この図におけるピストンの「上方」にある可変容積部(参照番号40)は、「変位容積部」と称されるのに対し、この図におけるピストン「下方」にある容積部(参照番号42)は、「通気チャンバ」容積部と呼ばれる可変容積部であり、ツールの下側部分において、大気に開放されている。この技術分野において理解されるように、ピストンが往復運動して上下に移動するにつれて、各上下ストロークと共に変位容積部が増減し、ピストンが上下に移動するにつれて、ピストンの下方にある通気チャンバ容積部もそれに応じて増減する。全体的な作動シリンダ内部容積部は、
図4に参照番号41によって示されており、本質的には、変位容積部と可変通気チャンバ容積部との組み合わせであり、更に、ピストンが通常占める容積を含んでいる。
図4を見ると分かるように、ピストンがないので、作動シリンダの開放された容積部41は完全に空であり、これは例示のみを目的としている。理解することができるように、図示の設計では、この内部作動容積部41全体は、シリンダの壁が剛性であるので、サイズが変化しない。
【0054】
底部ピストン半体22は、
図1を見ると分かるように、小さなチャネルを通して挿入される一対のピン32及び34を使用することによってドライバ90に取り付けられ、これらのピンもまた、ドライバの開口部を通って延びる。ドライバ自体は、ピストン停止部38の開口部を通って、更にガイド本体36内に入り、ガイド本体は、ドライバの締結具を駆動するための移動中にドライバを案内する。ドライバ90は、多くの他の特許では、ハンマー又はブレードと称される。図示の実施形態では、ドライバ90は、一連の開口部92を含み、これらの開口部を使用して、ドライバが下向き方向に移動することが不適切な時間におけるドライバの下向きの移動を抑制することができるラッチ(この実施形態には図示せず)が捕捉される。ドライバとラッチとのこの態様は、この実施形態では更に説明しないことになるが、
図6に関連する説明を参照されたい。
【0055】
本明細書では「圧力チャンバ」とも称される、概して参照番号30によって示されている主貯蔵チャンバは、ガスを用いて加圧される。この実施形態では、圧力チャンバ30は、作動シリンダ壁44を部分的に取り囲む環状空間を備え、加圧された空間30は、本質的に、作動シリンダ壁44の外面と圧力チャンバの外壁46の内面との間にある。
【0056】
圧力チャンバの主な目的は、下向き方向又は「駆動ストローク」方向にピストンサブアセンブリを駆動し、釘又はステープルなどの締結具を駆動している際に使用するための追加の加圧ガスを保持することである。圧力チャンバ内のこの追加の加圧ガスにより、釘又はステープルを木材片などの標的表面内に押し込みながら、ピストンの上部部分20の上面に対して十分な力を加えることが可能になる。圧力チャンバを表すこの貯蔵容積部30は、追加の加圧ガスを保持するための圧力チャンバがない場合には作動シリンダ内のピストンの上方にある変位容積部で必要とされるであろう、非常に高い圧力を必要とすることなくガススプリング効果を提供するために、より低い全体的なガス圧力をこの締結具駆動ツールの全体的な作動に使用することを可能にする。
【0057】
ここで
図2の分解図を参照すると、エンドキャップサブアセンブリ80は、締結具82によって圧力チャンバの外壁の最上部部分に締結される金属製のエンドキャップ50を含む。いくつかの締結具が、一対のフランジ48及び58において、エンドキャップ50又はガイド本体36のいずれかを圧力チャンバの外壁に保持することが分かる。フランジは、この実施形態では、一組のスクリュー又はボルトである締結具を保持するための開口部を有する延長部(又はボス)を有する。例えば、フランジ58は、エンドキャップ50を所定の位置に保持するスクリュー82を保持するための開口部を有し、同様に、フランジ48は、ガイド本体を所定の位置に保持するスクリュー47を保持するための開口部を有する。エンドキャップ部分では、スクリュー82と嵌合されるワッシャ84は、エンドキャップを所定の位置に保持すると共に、漏れなしに内部ガス圧力を維持するのに役立つ。
【0058】
エンドキャップ50は、圧力チャンバの外壁46の一部であるフランジ58に対して装着する嵌合フランジ60を有する。同様に、ガイド本体36は、圧力チャンバの反対側にあるフランジ48に対して装着される嵌合フランジ49を有する。エンドキャップ50はまた、フランジ54及び58と同じ領域の全てにおいて圧力チャンバ46の同様の円形外面に嵌合する、円形底面54を有し、構造の詳細は、
図1及び
図4を見ると分かる。
【0059】
上記のように、参照番号10で示されるツールの部分は、作動シリンダサブアセンブリ全体であり、加圧ガスがシステムに導入されると、加圧下となる。このことを考慮すると、追加のシールが、圧力チャンバ30と、変位容積部40及びエンドキャップ50内の他の通路を含む加圧ガスを収容する他の部分との組み合わせ内の圧力を保持するのに役立つ。この第1の実施形態のエンドキャップサブアセンブリ80には、参照番号56の2つのシール(Oリングである)があり、反対側の端部には、参照番号69のシール(Oリングである)がある。これらのOリングの正確な配置は、
図1の断面図を見ると分かる。
【0060】
また、
図1に見えているワッシャ66は、ピストン停止部38の上に着座し、ピストン22の金属部分の衝撃に対するいくらかの追加の緩衝効果を提供する。更には、シリンダのスリーブ壁は厚くなっており、圧力チャンバの外壁の内面に対して延びる部分68において、より大きな外径になるように湾曲しており、これら2つの構造の間のこの接合部には、Oリング69が配置されており、これは同様に
図1に見えている。そのようなシールの正確な数及び配置は、ツールの設計者次第であり、例えば、単一のシール56が十分であり得ることに留意されたい。
【0061】
エンドキャップ50の更なる詳細は、
図1に見えている。作動シリンダ壁44の一部分は、圧力チャンバの更に上方に延び、本質的には、エンドキャップによって取り囲まれる。この部分は、
図1に参照番号52によって示されるが、構造52は、シリンダ外壁44全体の一部分にすぎず、(シリンダ壁がより厚くなり、直径が大きくなる部分68に到達するまで)作動シリンダの残りの部分の内径及び外径に関して同じ寸法を有することに留意されたい。
【0062】
ツールが組み立てられると、エンドキャップ内の一組の通路により、圧力チャンバ30と変位容積部40との間で加圧ガスが流れることが可能になる。外側ガス通路は参照番号62であり、内側ガス通路は参照番号64であり、両方ともエンドキャップ50の構造内にある。外側ガス通路62が、加圧ガスが圧力チャンバ30と内側ガスチャンバ通路64との間で流れることを可能にし、内側ガス通路64が、加圧ガスが外側ガス通路62と作動シリンダの変位容積部40との間で流れることを可能にする。図示の実施形態では、これらのガス通路62及び64は、変位容積部40と圧力チャンバ30の両方と常に流体連通している。ガス通路62及び64は、本明細書では、単一で又は一緒に組み合わせてのいずれかで、「少なくとも1つの第1のガス通路」と称することができ、「シリンダ」(例えば、変位容積部40)、及び/又は「貯蔵チャンバ」(例えば、圧力チャンバ30)と流体連通していることに留意されたい。
【0063】
エンドキャップ及び圧力チャンバの上部への嵌合フランジ表面の全体的な形状及び構造は、作動シリンダ及び圧力チャンバが内部に比較的高いガス圧力を依然として含んでいる場合であっても、人間のユーザが、スクリュー82を緩めるだけでエンドキャップを安全に取り外すことができるように設計されている。人間のユーザがスクリュー82を取り外し始めると、加圧ガスは、エンドキャップの底面54の縁部の周りに安全に漏出し始め、そのガスは本質的には、2つの主要な要因を理由に、制御された速度で解放される、即ち、まず第一に、Oリングシール56(又は単一のシール)が存在し、次に、ガスが外側フランジ表面58及び60の外周部の周囲でガスが漏出し始めることを更に可能にし始めるためにスクリューを取り外すのにいくらかの時間がかかるためである。ねじが緩められると、加圧ガスは最終的に漏出し、最後のスクリューが完全に取り外されるときまでに、内部ガス圧力は安全な大きさになり、次いで、エンドキャップを安全に、圧力チャンバ30の上部から完全に取り外し、それによって、所望に応じてピストン及び他の内部構成要素を交換することができるように、作動シリンダの内部を露出させることができる。
【0064】
ここで
図3を参照すると、エンドキャップ50の上部部分が分かり、4つの締結具82は、エンドキャップのフランジ表面60に対して着座している。これらのスクリューは、取り外しのために十分に容易にアクセスできる領域に配置される。
【0065】
エンドキャップサブアセンブリ80は、単にガス通路62及び64並びにエンドキャップを圧力チャンバに保持するためのフランジ及びスクリューに比べて、より多くの構造を含む。上述のものに加えて、充填バルブ76を含む充填バルブサブアセンブリ70(
図2を参照)も存在する。図示の実施形態では、充填バルブ76は、シュレーダーバルブである。図示の実施形態では、充填バルブ76は、外側ガス通路62の外側に沿ってエンドキャップの一部分にねじ留めされる。このようにすると、充填バルブがエンドキャップ自体に追加する余分な「領域」又はフットプリントはわずかな量にすぎず、同時に、充填バルブは、作動シリンダの移動部品の完全に外側に残る。
図3の上面図を見ると分かるように、この充填バルブ76は、(
図4を見ると分かるように)充填バルブが、エンドキャップの外部寸法の反対側よりも、エンドキャップのその側の上部に沿ってより高い表面を有することを除いて、ツールの外面に余分なサイズを実際に加えない。
【0066】
充填バルブ76をエンドキャップ内に組み付けた後、小さなOリング78がねじ付きバルブカバー72に設置され、それらは充填バルブ76の上方に設置される。このようにすると、バルブカバー72は、充填バルブへの物理的損傷を防止するためのダストカバー及びデブリカバーとして作用し、Oリング78はシールとして作用し、これは、ガス圧力が、加圧チャンバの内部部分及び作動シリンダから大気中に漏出するのを防止するのに役立つ。
【0067】
図1及び
図4を見ると分かるように、ガス通路74は、充填バルブの底部からエンドキャップの外側ガス通路62に延びる。別の方法でガス通路74を説明すると、ガス通路74は、充填バルブの内端部とエンドキャップ50の外側ガス通路62との間で移動する。充填バルブは、内端部と外端部の両方を呈し、ツールの通常の使用中、内端部はガス通路74と流体連通しており、外端部は、典型的には、バルブカバー72によって覆われていることに留意されたい。ガス通路74はまた、本明細書では、「充填バルブの内端部」とエンドキャップ50の「少なくとも1つの第1のガス通路」との間で移動する「第2のガス通路」とも称され得ることに留意されたい。
【0068】
図1及び
図4を見ると、充填バルブ76が装着されているエンドキャップの側部部分は、作動シリンダ壁44の境界の外側の位置に位置しており、更に言えば、その位置はまた、圧力チャンバの外壁46の境界及びエンドキャップのガス通路62の外側にあることがはっきりと分かる。更に、充填バルブが装着されるエンドキャップの側部部分は、作動シリンダを通ってそれを越えて延びる仮想シリンダの境界の外側にある。
【0069】
外側通路62は、作動シリンダの変位容積部40と加圧チャンバ30の両方と流体連通しているので、充填バルブ76を通して導入されるいかなる追加の加圧ガスもまた、ガススプリング締結具駆動ツールのそれらの重要な領域に達する。
【0070】
本質的に、エンドキャップサブアセンブリ80を取り外すことによってツールを分解した場合、それによって、圧力チャンバ30及び変位容積部40などの内部チャンバが減圧され、ツールを修理した(又は他の方法では、例えば予防的メンテナンスとして、いくつかの摩耗した部品を交換した)後に、ツールをいくらか再加圧しなければならない。当然ながら、これは充填バルブサブアセンブリ70の主要な機能であり、その手順は、再充填「システム」を作成するために必要とされる少数の追加部品を含む。例えば、加圧ガス源、何らかのタイプのホース、及び充填バルブ76に嵌合する何らかのタイプのホースコネクタが必要とされる。これらのデバイスの例は、以下に論じる
図6に示されている。
【0071】
まず第一に、充填バルブカバー72は螺合解除しなければならず、図示の実施形態では、カバー72は、六角形のヘッドを有し、標準的な六角レンチによって除去することができる。カバーが取り外されると、充填バルブ76の上部へのアクセスが直ちに利用可能になる。次いで、「再充填アダプタサブアセンブリ」200が、ねじ付きバルブカバー72のみが取り外された充填バルブ76の上方のねじ山に螺合される。
【0072】
ここで
図8を参照すると、図は、再充填アダプタサブアセンブリ200を示す。再充填アダプタサブアセンブリ200は、ツールの充填バルブ76に取り付けられる一方の端部に、充填バルブ継手210を有する。充填バルブ継手210の内部では、圧力調整器206に充填針208(
図7参照)が取り付けられている。圧力調整器206は、フィルタ204に取り付けられており、フィルタ204は、充填バルブ継手210から遠位端でホース継手202に取り付けられている。ホース継手202は、空気源又はガス源に結合されている。これらの部品は、ユーザが加圧空気(又は他のガス)を加圧チャンバ41に追加したいと望むときに、再充填バルブ76に一時的に結合され、この手順の更なる詳細は以下に提供される。
【0073】
ここで
図7を参照すると、
図8の同じ構成要素が分解図で示されており、再充填手順中にのみ使用される。充填バルブ継手210は、再充填手順中にのみ使用され、充填バルブ76に螺合する。(充填バルブカバー72は、最初に充填バルブ76から螺合解除されなければならない)。次いで、ノズル212は、充填バルブ継手210内に、それを通して配置される。外部ガス圧力源と共に使用するために、ブローガン又は空気ホース(図示せず)がホース継手202に結合される。ツールの圧力チャンバが適切なガス圧力に達すると、充填バルブ継手210を螺合解除することによって、再充填アダプタサブアセンブリ200を取り外すことができる。
【0074】
標準のシュレーダーバルブが充填バルブ76として使用される場合、加圧ガスが、ツールの内部加圧チャンバに導入され得るだけでなく、所望される場合には、それらのチャンバから加圧ガスを取り除くこともできることに留意されたい。これは、人間のユーザが再充填手順中に過剰な量の加圧ガスを貯蔵チャンバ30に入れる場合に重要であり得る。これが実際に起こった場合、人間のユーザは、圧力計を取り、充填バルブ76の上部にアクセスすることによって内部圧力を測定することができ、その圧力が過剰である場合には、ユーザは容易に、シュレーダーバルブのプランジャを押圧して、ツールの内部チャンバから、その加圧ガスの一部を解放することができる。このようにすると、シュレーダーバルブが一方向バルブであり、逆止弁のように作用するとしても、容易に、ユーザによる所望に応じて、ガスが反対方向に移動することを可能にして内部圧力を下げることができるように構成可能である。換言すれば、シュレーダーバルブが充填バルブ76に(上述のように)使用される場合、その「充填バルブ」を圧力解放バルブとして使用することもできる。
【0075】
ここで
図5を参照すると、Senco釘打機ツールの以前の実施形態が、概して参照番号5によって示されている。このツールは、Sencoによって商標FUSIONで販売されている。これは、FUSIONツールの元来の実施形態であり、より最近のバージョンは、正確には
図5に示されるもののように見えない。しかしながら、FUSIONツールのより新しいバージョンは、本明細書に記載する現在の釘打機ツールでの使用に適するように、同じ基本原理により作動する同じ基本部品を含む。
【0076】
釘打機ツール5は、加圧チャンバ部分6、出口端部(釘が発射される場所)7、締結具マガジン部分8、及び手動トリガ9を含む。これは部分切り欠き図であり、したがって、内部構成要素のうちの多くが見えている。
【0077】
ここで
図6を参照すると、代替実施形態の締結具駆動ツールが示されており、より古いSencoツールの設計の締結具ドライバ部分130を示している。
図6は、締結具を固形物内へと実際に駆動する機構を示している。これは、ドライバ歯94を有するドライバ96、ガイド本体136に沿ったドライバトラック98、回転-直線リフタ100のサブアセンブリ、及びラッチ120を含む。回転-リフタ100はまた、本明細書では単に「リフタ」と称されることもある。ドライバ96は、むしろ細長く、ドライバの長手方向表面に沿って配置された複数の突起、すなわち「歯」94を呈する。図示の実施形態では、これらの歯94は、ドライバ96の細長い中心線から横方向にのみ離隔されているわけではなく、ドライバ96の外側長手方向縁部に沿って互いから離隔されている。歯94の正確な位置は、本技術の原理から逸脱することなく、ドライバ96について図示されたものとは異なり得ることが理解されるであろう。
【0078】
締結具ドライバ部分130のガス圧力部分を、そのドライバ部分の機械的部分から主に分離するシリンダ基部134が存在する。シリンダの通気チャンバからの空気の通気は、シリンダ基部134を通過する。
図6の機械的部分は、リフタ駆動シャフト102と共に、上記で簡単に述べた回転-直線リフタ100から始まる。駆動シャフト102は、締結具ドライバ部分130の中心部分を通り、リフタ100の中心を通って突出し、このシャフトは、ツールの制御システムによる所望に応じて、リフタを回転させるために使用される。
【0079】
リフタ100は、外周部が完全に円形になるようには設計されていないが、代わりに円弧状であり、その外周部の一部分は、カムの偏心形状を呈している。リフタの外周部の一部分は主に、円の約半分にわたって円形である(参照番号116によって示される)が、リフタの外周部のもう一方の半分はより偏心しており、これにより、参照番号110によって指定される楕円表面が提供される。回転-直線リフタ100はまた、本明細書では「ピン」とも称される3つの円筒状の突起(又は「延長部」)を含む。そのような第1のピン(「ピン1」)は104によって指定されており、第2のピン(「ピン2」)は106によって指定されており、第3のピン(「ピン3」)は108によって示されている。更に、円筒状の第4のピン(「ピン4」)がリフタ100の反対側から突出しており、その第4のピンは、114によって示されている。
【0080】
図6は、最初の3つのピン104、106、及び108の「背面」側を示しており、この図は、本質的にそれらのピンの「ボス部分」を示すことに留意されたい。ピン104、106、108のこれらのボス部分は、回転-直線リフタ100が適切に機能するために完全に必要とするものではないが、説明を容易にするために、この特許文書の図にはボス部分が示されている。(換言すれば、リフタ100の表面は、「ボス」を呈するのではなく、それらの場所で完全に平滑であってもよい)。これら3つのピン104、106、及び108の「作動側」は、
図6の図では、リフタ100の反対側にあることを理解されたい。また、ピン104、106、108、及び114は、この実施形態にとって望ましい円形の断面形状を有するものとして図示されているが、本技術の原理から逸脱することなく、特に第4のピン114ついては、代わりに他の断面形状が使用され得ることにも留意されたい。
【0081】
ラッチ120は、それを通って突出するラッチシャフト122を有し、このシャフトは、ツールのコントローラによって決定されたようにラッチ120を回転させる。ラッチ120は、ラッチ「捕捉面」124を含む。
【0082】
回転-直線リフタ100及びラッチ120が、発射(駆動)ストロークの終わりのそれぞれの位置(
図6には示されていない)にあるとき、ラッチ120は回転され、それにより、ラッチ面124は、ドライバ96の歯94に干渉しない場所まで移動される。これは、ドライバ96がその最も上の位置から最も下の位置まで直線的なストロークを行うことができるように必要である。しかしながら、ラッチ120は、その捕捉面124が歯94に干渉することができるように、ラッチシャフト122(ばね荷重式である)によってわずかに回転されることになる。
【0083】
締結具駆動ツールを使用して締結具を駆動した後、今度は、ツールにより、ドライバ96が、新しい発射(駆動)ストロークのために最も上の位置まで再び持ち上げられる必要がある。これは、モータ40によってそのギヤボックス42を介して作動されるリフタ100を回転させることによって達成される(
図5を参照)。
【0084】
回転-直線リフタ100が回転すると、そのピン104、106、又は108のうちの少なくとも1つは、ドライバ96の(
図6で見た場合に)左側に沿った歯94のうちの1つと接触する。これにより、ドライバが、(
図6で見た場合に)上向きに「持ち上げられる」。リフタ100が回転すると、歯94のうちの1つは、リフタの回転移動の部分にわたって回転しているピン104、106、108のうちの1つと接触し、次いで、「次の」ピンは「次の」歯94と接触し、それによって、ドライバ96が上向きに移動し続ける。これは、偏心カム面110が作用し始めるまで当てはまり、その表面に沿って突出している「作動している」リフタピンはないので、ドライバ96は、偏心カム面110が回転-直線リフタ100の(
図6で見た場合に)右部分に沿って位置決めされている間、上向きに駆動され続けない。しかしながら、以上が行われると、ばね荷重式であるラッチ120は、そのラッチ捕捉面124を、ドライバ96の(
図6で見た場合に)右手側に沿って最も近い歯94を「捕捉する」ための適切な場所に有し、それによって、ドライバがいかなる有意な距離にわたって下向きに落ちることが防止される。以上が行われた後、「次の」リフタピン(ピン104である)は、ドライバ96の(
図6で見た場合に)左手側に沿って歯94のうちの1つに沿って、それと再び接触し、それによって、シリンダの上部に向かって(
図6に見られるように)ドライバを上向きに持ち上げ続ける。
【0085】
この図示された実施形態では、回転-直線リフタ100は、ドライバ90をその下側の「休止」位置からその上側の「準備」位置まで持ち上げるように、2回完全に回転する。2回目の回転の終わりに、部品は、
図6に示されるように構成されることになる。ピストン(
図6には示されていない)は再び、シリンダの上部の近くにあり、主貯蔵チャンバと変位容積部との組み合わせられた容積は、この場合、より小さい容積まで低減される。これは、ピストンの上方及び貯蔵チャンバ内のガスはドライバの上昇中に圧縮されたので、それらのガスが、より大きな圧力下にあることを意味する。ドライバの持ち上げ中、ラッチ120は、ドライバ歯94と「係合」されるが、この実施形態では、ラッチは、1つの方向に滑らかな表面を有し、それにより、歯94が、ドライバの上向きの持ち上げ中にラッチを押しのけることを可能にする。これは、ラチェットタイプの動作によく似ており、ラッチは、このように作用するようにばね荷重される。
【0086】
ドライバ96の(
図6で見た場合に)右手側に沿った「最後」の歯126は、ラッチ捕捉面124と係合され、それにより、ラッチ120は、ドライバが(この図に見られるように)下向きに移動するのを防止する。第3のピン108は、回転-直線リフタ100の回転移動のこの点において、ドライバ96の(
図6で見た場合に)左手側に沿って最も下側の歯94と依然として接触している。図示の実施形態では、リフタ100の回転移動を検出するリミットスイッチ(図示せず)であるセンサがある。このセンサは、第4のピン114の回転位置を検出する。
【0087】
センサが第4のピン114を(この実施形態では)一回目に検出すると、制御システムは、ソレノイド(図示せず)をオフにし、それにより、ラッチ120がリフタ100の(これらの図で)右手の歯に係合することを可能になる。所望される場合には、上昇中にソレノイドをより早くオフにすることもできることに留意されたい。センサがこのピン114を(この実施形態では)二回目に検出すると、モータ40への電流がオフされ、したがって、モータはエネルギー供給が解除され、ドライバ96の上昇動作を停止する。その後の動作サイクル内では、ソレノイドはラッチアクチュエータとして作用する。
【0088】
ピストンの上方のガス圧力に起因して、ドライバ/ピストンサブアセンブリは、歯126がラッチ面124に接触するまで、わずかな距離だけ(これらの図では)下向きにドリフトする。これは、これらの構成要素の
図6に示される位置であり、この構成は、ツールの「休止」位置であると見なされる。(ドライバの「準備」位置でもある。)組み合わせられた主貯蔵チャンバ及び変位容積部内のガス圧力はその最大値に近いが、ラッチ120は、ドライバが更に下向きに移動するのを防止し、それにより、ピストンは本質的に、その他が行われるまで、この位置にロックされる。
【0089】
締結具を駆動するときには、
図6の実施形態における次の動作により、モータ40に再びエネルギー供給される。これは、ユーザによる2つの独立した動作によって行われ、ノーズ7の安全接触要素(
図5参照)を固体表面に押し付けられなければならず、トリガアクチュエータ9を作動させなければならない。これらの動作の両方が適切に行われると、電流がモータ40に送達され、それにより、回転-直線リフタ100を再び回転させる。また、コントローラは、ソレノイドにエネルギー供給し、ドライバ96の歯94のうちの1つからラッチ捕捉面124を係合解除するためにラッチ120を小さな角度距離だけ回転させる。より具体的には、これは「最後」の歯126であろう。
【0090】
リフタ100の回転運動は、ラッチ120がドライバ96の「最後」の歯126から容易に係合解除することができるように、ドライバ96の小さな上向きの移動を引き起こすことに留意されたい。したがって、機構を詰まらせる可能性がある結合作用はないことになる。
【0091】
以上を行うだけで、ラッチ120は、捕捉面124がドライバ96の右手側に沿って(
図6で見た場合に)歯94のうちのいずれかと干渉しないように係合解除位置にあり、また、偏心カム面110は、ドライバ96の左手側に沿って(
図6に見られるように)歯94に面しており、リフタの3つの「作動」ピンのうちのいずれも、それらの左手の歯94と干渉しない。ドライバの歯が最後に上昇しているピン108を「落下」させると、ドライバ96は、主貯蔵チャンバ及び変位容積部内のガス圧力が高いことに起因して、直線的なストロークにおいて下向きに素早く押し進められる。(これは、「ガススプリング」効果である)。途中で、ドライバ96は、フィーダキャリッジ(図示せず)において待機している締結具を取り上げ、その締結具を底部(
図5の領域7)にある出口領域まで駆動する。この動作が起こった後、ドライバ96は、ドライバトラック内の下側位置に位置することになる。
【0092】
ドライバ90が下向きに移動されるにつれて、ピストン20~22は、ピストンの下方にあるシリンダ通気チャンバ42から空気を押し出す(
図1を参照)。この体積の空気は、排気口を通して大気に移動され、これは、それらの下向きストローク中のピストン及びドライバの移動を更に妨げないように、低い抵抗通路であることが望ましい。ピストンの上方のガスは、大気には通気されないが、代わりに、主貯蔵チャンバ30とも(エンドキャップ50を通して)流体連通している変位容積部40内に留まる。
【0093】
本明細書で例示される実施形態のうちの一部は、明確性の目的のために、本明細書の図のうちの一部に含まれている、それらの構成要素の全てを有するものではない点に留意されたい。特に以前の設計に関して、そのような外側ハウジング及び他の構成要素の実施例を見るために、読者には、Sencoによって所有されている他の米国特許及び出願を参照されたい。同様に、ツールの機能を制御するために電子コントローラが「どのように」動作するかについての情報は、Sencoによって所有されている他の米国特許及び出願に見出される。更には、本発明のツール技術の他の態様は、以前の米国特許及び公開された出願で開示されている情報を含めて、譲受人であるKyocera Senco Industrial Tools,Inc.によって販売されている、従来の締結具駆動ツールにおいて存在し得る。そのような刊行物の例は、米国特許第6,431,425号明細書;米国特許第5,927,585号明細書;米国特許第5,918,788号明細書;米国特許第5,732,870号明細書;米国特許第4,986,164号明細書;米国特許第4,679,719号明細書;米国特許第8,011,547号明細書、米国特許第8,267,296号明細書、米国特許第8,267,297号明細書、米国特許第8,011,441号明細書、米国特許第8,387,718号明細書、米国特許第8,286,722号明細書、米国特許第8,230,941号明細書、及び米国特許第8,763,874号明細書;また、米国特許出願公開第2016/0288305号明細書及び号明細書第2018/0178361号明細書である。これらの文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0094】
移動部品を有する、又は機能を実行する(処理回路及びメモリ回路を有するコンピュータなどの)、本明細書に記載されるいかなるタイプの製品は、単になんらかの無生物装置としてではなく、「マシン」と見なされるべきであることが更に理解されるであろう。そのような「マシン」デバイスは、電動工具、プリンタ、電子錠などを、それらの例示的なデバイスがそれぞれ特定の移動部品を有するため、自動的に含むべきである。更に、有用な機能を実行するコンピュータ化されたデバイスはまた、マシンと見なされるべきであり、そのような用語は、多くの場合、多くのそのようなデバイスを説明するために使用され、例えば、ソリッドステート留守番電話は、移動動部品を有さなくてもよいが、周知の有用な機能を実行するため、それでも一般に「マシン」と呼ばれる。
【0095】
本明細書で使用するとき、用語「近位」は、2つの対象物がおそらくは互いに隣接するように、1つの物理的物体を第2の物理的物体と接近して配置する意味を有し得るが、必ずしもそれらの間に配置された第3の物体が存在しないことを必要としない。本明細書で開示される技術では、「雄型位置決め構造体」が「雌型位置決め構造体」の「近位」に配置されることになる場合があり得る。一般に、このことは、2つの雄型構造体及び雌型構造体が、互いに物理的に当接していることを意味し得るか、又はこのことは、2つの雄型構造体及び雌型構造体が連続表面に沿って互いに実際に接触するか否かに関わらず、一方の構造体を互いに対して所定の方向に向けて、かつX-Y(例えば、水平及び垂直)位置に本質的に保持する、特定のサイズ及び形状によって、それらが互いに「嵌合される」ことを意味し得る。又は、任意のサイズ及び形状(雄型、雌型、又は他の形状であるかに関わらず)の2つの構造体は、それらが物理的互いに当接するか否かに関わらず、互いに幾分近くに配置される場合もあるが、そのような関係は、依然として「近位」と呼ぶことが可能である。又は、特定の点に対する2つ以上のあり得る位置を、棒の端部の「近くに(near)」ある又は棒の端部「に(at)」あるなどの、物理的物体の正確な属性に関連して指定することができ、それらのあり得る、近く/に、の位置の全てを、その棒の端部の「近位」と見なすことが可能である。更に、用語「近位」はまた、単一の対象物に厳密に関連する意味を有することができ、単一の物体は2つの端部を有し得るものであり、「遠位端」は、対象基準点(又は領域)から幾分遠く離れて配置された端部であり、「近位端」は、その同じ対象基準点(又は領域)に幾分接近して配置されるであろう他方の端部である。
【0096】
本明細書で説明及び/又は図示されている様々な構成要素は、本明細書で開示される技術の原理から逸脱することなく、複数の部品に含めて製造すること、又は、これらの構成要素のそれぞれに対して一体型部品として製造することを含めた、様々な方法で製造することができる点が理解されるであろう。例えば、以下の特許請求の範囲の列挙された要素として含まれる構成要素は、一体型部品として製造される場合があり、又は、その構成要素は、一体に組み立てられるいくつかの個々の部品の、組み合わせた構造体として製造される場合もある。しかしながら、その「複数部品の構成要素」は、特許請求されている列挙された要素が、本明細書では一体型構造体としてのみ説明及び図示されていると思われる場合であっても、依然として、請求項の解釈の侵害目的に対して特許請求されている列挙された要素の範囲内に含まれることになる。
【0097】
「背景技術」及び「発明を実施するための形態」で引用された全ての文献は、関連部分において、参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本明細書で開示される技術に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0098】
好ましい実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的のために提示されている。網羅的であること、又は、本明細書で開示される技術を、開示される厳密な形態に限定することを意図するものではなく、本明細書で開示される技術は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正することができる。本明細書で説明又は図示されるいずれの実施例も、非限定的な実施例として意図されており、本明細書で開示される技術の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上記の教示を考慮することで、それらの実施例又は好ましい実施形態の、多くの修正若しくは変形が可能である。実施形態は、本明細書で開示される技術の原理、及びその実際的な適用を例示するために選択及び説明されており、それによって、当業者が、様々な実施形態で、及び、想到される特定の用途に適した様々な修正とともに、本明細書で開示される技術を利用することを可能にしている。それゆえ、本出願は、本明細書で開示される技術の、その一般原理を使用したあらゆる変形、使用、又は適応を網羅することを意図している。更には、本出願は、本明細書で開示されるこの技術が関連し、添付の請求項の範囲内に含まれる、当該技術分野における既知又は慣習的な実践の範囲内となるように、本開示からのそのような逸脱を網羅することを意図している。